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特開2024-122438物品の搬送方法、および、物品の搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122438
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】物品の搬送方法、および、物品の搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/252 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
B65G47/252
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029973
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA01
3F081BE03
3F081BE04
3F081BE08
3F081BE09
3F081BF06
3F081CA15
3F081CA48
3F081CC08
3F081EA09
3F081EA15
3F081FA01
(57)【要約】
【課題】容器間の物品の搬送を迅速に行うこと。
【解決手段】実施形態に係る物品の搬送方法は、設定工程と、第1回転工程と、切断工程と、載置工程と、第2回転工程と、取出工程とを有する。設定工程は、物品に応じて、物品が収容された第1容器の回転角度を設定する。第1回転工程は、物品が収容された第1容器を、設定された回転角度に応じて回転させる。切断工程は、回転された第1容器を全周にわたり切断し、第1容器に開口部を形成する。載置工程は、第1容器の開口部を覆うように、第1容器の開口部よりも大きい第2容器を、第1容器にかぶせる。第1回転工程は、第1容器と、第2容器とを押さえながら、第1容器と、第2容器との上下が入れ替わるように、第1容器と、第2容器とを回転させる。取出工程は、第1容器を上方に取り出す。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に応じて、前記物品が収容された第1容器の回転角度を設定する設定工程と、
前記物品が収容された前記第1容器を、設定された前記回転角度に応じて回転させる第1回転工程と、
回転された前記第1容器を全周にわたり切断し、前記第1容器に開口部を形成する切断工程と、
前記第1容器の前記開口部を覆うように、前記第1容器の前記開口部よりも大きい第2容器を、前記第1容器にかぶせる載置工程と、
前記第1容器と、前記第2容器とを押さえながら、前記第1容器と、前記第2容器との上下が入れ替わるように、前記第1容器と、前記第2容器とを回転させる第2回転工程と、
前記第1容器を上方に取り出す取出工程と
を有する、物品の搬送方法。
【請求項2】
前記回転角度は、0度を含む、請求項1に記載の物品の搬送方法。
【請求項3】
前記回転角度は、前記第1容器を搬送する搬送部に載置された前記第1容器の載置状態に基づいて設定される、請求項1に記載の物品の搬送方法。
【請求項4】
物品が収容される容器を把持する把持アームと、
前記容器を切断する切断装置と、
前記把持アーム、および、前記切断装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記物品に応じて、前記物品が収容された第1容器の回転角度を設定し、
前記物品が収容された前記第1容器を、設定された前記回転角度に応じて回転させ、
回転された前記第1容器を前記切断装置によって全周にわたり切断し、前記第1容器に開口部を形成させ、
前記第1容器の前記開口部を覆うように、前記把持アームによって前記第1容器に、前記第1容器よりも大きい第2容器をかぶせ、
前記把持アームによって前記第1容器と、前記第2容器とを押さえながら、前記第1容器と、前記第2容器との上下が入れ替わるように、前記把持アームによって前記第1容器と、前記第2容器とを回転させ、
前記把持アームによって前記第1容器を上方に取り出させる、物品の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、物品の搬送方法、および、物品の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、物品を保管用の容器に収容し、物品が収容された保管用の容器を保管庫に保管する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-180082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保管庫に保管される物品は、他の容器などから、保管用の容器に搬送されて収容される。すなわち、物品は、容器間で移し替えられる。しかし、従来の技術は、容器間の物品の搬送については、考慮されておらず、改善の余地がある。
【0005】
たとえば、容器間での物品の搬送は、短い時間で迅速に実行されることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、容器間の物品の搬送を迅速に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る物品の搬送方法は、設定工程と、第1回転工程と、切断工程と、載置工程と、第2回転工程と、取出工程とを有する。設定工程は、物品に応じて、物品が収容された第1容器の回転角度を設定する。第1回転工程は、物品が収容された第1容器を、設定された回転角度に応じて回転させる。切断工程は、回転された第1容器を全周にわたり切断し、第1容器に開口部を形成する。載置工程は、第1容器の開口部を覆うように、第1容器の開口部よりも大きい第2容器を、第1容器にかぶせる。第1回転工程は、第1容器と、第2容器とを押さえながら、第1容器と、第2容器との上下が入れ替わるように、第1容器と、第2容器とを回転させる。取出工程は、第1容器を上方に取り出す。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、容器間の物品の搬送を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る物品の搬送装置の概略を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の制御系ブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る搬送装置における入替処理を説明するフローチャートである。
図4図4は、入替処理の各工程における状態を説明する図である。
図5図5は、搬送部に載置された第1容器を示す一例である。
図6図6は、搬送部に載置された第1容器を示す一例である。
図7図7は、情報処理装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
実施形態に係る物品100の搬送装置1について、図1を参照し説明する。図1は、実施形態に係る物品100の搬送装置1の概略を示す図である。
【0012】
搬送装置1は、搬送部2と、複数のロボットアーム3と、情報処理装置4(制御装置)と、カメラ5とを備える。搬送部2は、物品100(図4参照)を収容した容器10を搬送する。搬送部2は、たとえば、ベルトコンベアである。
【0013】
容器10は、第1容器11(図4参照)と、第2容器12(図4参照)とを含む。搬送装置1は、物品100を第1容器11から、第2容器12に搬送する。具体的には、搬送装置1は、物品100を第1容器11から第2容器12に移動させる。すなわち、搬送装置1は、物品100を第1容器11から第2容器12に移し替える。
【0014】
第1容器11は、段ボールである。第1容器11には、たとえば、複数の物品100が収容される。第2容器12は、たとえば、貯蔵部(倉庫、および、棚など)において、物品100を管理するための容器(トート)である。第2容器12の上方には、開口部12a(図4参照)が形成される。第2容器12は、第1容器11の開口部11c(図4参照)よりも大きい。第2容器12の大きさは、第1容器11にかぶせることができる大きさである。具体的には、第2容器12には、開口部12aから、第1容器11を挿入可能である。
【0015】
物品100は、たとえば、貯蔵部において第2容器12に収容されて管理される。第2容器12に収容された物品100は、カートロボットによってピッキング作業が行われて搬送される。
【0016】
出庫情報は、たとえば、予め指示されたリスト、および、注文書などに関する情報である。ピッキング作業とは、必要な物品100(荷物)を集める(ピックアップする)仕事のことである。カートロボットは、ピッキングスタッフである。ピッキングスタッフは、倉庫内の物品100を出荷するために欠かせない役割を持つため、あらゆるジャンルの倉庫に配置される。ピッキングスタッフは、人型ロボットを含む。なお、容器10の種類、ピッキング作業などは、上記一例に限られることはない。
【0017】
複数のロボットアーム3は、複数の把持アーム20と、切断アーム21(切断装置)とを含む。把持アーム20は、容器10を回転させるように構成される。把持アーム20は、第1容器11を設定された回転角度によって回転させる。また、把持アーム20は、容器10の上下が入れ替わるように、容器10を回転させる。また、把持アーム20は、第2容器12を把持し、かつ、第2容器12を第1容器11にかぶせるように構成される。また、把持アーム20は、切断アーム21によって切断された第1容器11の一部を搬送するように構成される。また、把持アーム20は、下敷きを第1容器11にかぶせるように構成される。
【0018】
把持アーム20は、複数の棒部20aと、複数の関節部20bとを有する。関節部20bは、たとえば、2つの棒部20aとの間に設けられ、2つの棒部20aを相対的に回転可能とする。各関節部20bは、モータを有する。各関節部20bによって、棒部20aが相対的に回転することで、把持アーム20は、伸縮し、360度回転可能となる。
【0019】
把持アーム20の先端部には、把持部20cが設けられる。把持部20cは、たとえば、吸引によって容器10を把持する。
【0020】
把持アーム20は、容器10を吸引して把持する。また、把持アーム20は、容器10を押さえて支持する。
【0021】
切断アーム21は、第1容器11の一部を切断するように構成される。切断アーム21は、第1容器11を全周にわたり切断するように構成される。切断アーム21は、搬送部2に載置された第1容器11の側面を全周にわたり切断するように構成される。切断アーム21は、把持アーム20と同様に、複数の棒部21aと、複数の関節部21bとを有する。切断アーム21の先端には、切断部21cが設けられる。切断部21cは、たとえば、カッターである。第1容器11の切断箇所は、たとえば、第1容器11に収容された物品100が、第1容器11の切断後に、第1容器11からこぼれたり、倒れたりしない箇所である。
【0022】
ロボットアーム3には、それぞれ検出部が設けられる。検出部は、カメラである。カメラは、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、レンズとを備える。検出部は、ソリッドステートLiDAR(light detection and ranging)、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサの少なくとも1つを含んでもよい。検出部は、MoPU(Motion Processing Unit)を含んでもよい。MoPUは、高解像度カメラによる動きを検知するユニットである。MoPUは、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで撮影された物体の画像から、撮影された物体の動きを示す動き情報を、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで出力する。更に、物体の存在位置を示す点の、所定の座標軸に沿った動きのベクトル情報を動き情報として出力する。すなわち、MoPUから出力される動き情報には、撮影された物体が何であるか(例えば、人なのか、障害物なのか)を識別するために必要な情報は含まれておらず、当該物体の中心点(又は重心点)などの座標軸(x軸、y軸、z軸)上の動き(移動方向と移動速度)を示す情報のみが含まれている。
【0023】
カメラ5は、搬送部2を搬送される第1容器11(図4参照)を撮影するように設けられる。カメラ5は、複数設けられてもよい。なお、カメラ5は、ロボットアーム3に設けられてもよい。
【0024】
情報処理装置4は、図2に示すように、情報取得部30と、制御部31と、情報蓄積部32とを備える。図2は、実施形態に係る情報処理装置4の制御系ブロック図である。
【0025】
情報取得部30は、検出部によって検知された情報を取得する。情報取得部30は、コントロールセンタなどから送信される、物品100などに関する情報を取得してもよい。情報取得部30は、カメラ5によって撮影された画像のデータ(以下、「画像データ」と称する。)を取得する。
【0026】
制御部31は、搬送部2を制御する。また、制御部31は、検出部、および、カメラ5による検出結果に基づいて、各ロボットアーム3を制御する。
【0027】
制御部31は、カメラ5によって取得された画像データに基づいて、第1容器11に収容された物品100を特定する。たとえば、制御部31は、画像データに所定の画像処理を行うことで、第1容器11に記載された文字などを認識し、第1容器11に収容された物品100を特定する。なお、センサによって第1容器11に記載された情報などが検出されることで、第1容器11に収容された物品100が特定されてもよい。たとえば、第1容器11に記載されたバーコードが、バーコードリーダによって読み取られることで、第1容器11に収容された物品100が特定されてもよい。第1容器11に収容された物品100は、コントロールセンタなどから送信される情報に基づいて特定されてもよい。
【0028】
制御部31は、第1容器11に収容された物品100に応じて、第1容器11の回転角度を設定する。制御部31は、特定した物品100に応じて、第1容器11の回転角度を設定する。物品100に応じた回転角度は、予め設定されており、情報蓄積部32に記憶されている。
【0029】
回転は、上方を向く第1容器11の面が変更される回転である。第1容器11の回転は、たとえば、Z軸を鉛直方向に平行な軸とする直交座標系において、Z軸を中心とする回転を含まない。第1容器11の回転は、たとえば、X軸、または、Y軸を中心とする回転である。
【0030】
制御部31は、第2容器12において、物品100が予め設定された向きを向いた状態で収容されるように、第1容器11の回転角度を設定する。
【0031】
予め設定された向きは、たとえば、第2容器12に収容された後に、カートロボットによって物品100が第2容器12から取り出される際に、カートロボットによる取り出しが容易となる向きである。
【0032】
また、設定される回転角度は、第1容器11から第2容器12へ物品100を搬送する際に、物品100がこぼれたり、倒れたりせずに搬送可能な角度である。
【0033】
たとえば、第1容器11に円柱状の物品100が、横向きに収容されており、カートロボットによる円柱状の物品100の取り出しが、縦向きに収容された状態で取り出しが容易である場合、制御部31は、第1容器11の回転角度を「90度」に設定する。
【0034】
たとえば、第1容器11の回転角度は、「0度」、「90度」、および、「180度」の中から選択される。なお、第1容器11の回転角度は、これらの角度に限定されるものではない。
【0035】
第1容器11の回転角度が「0度」の場合、第1容器11は、回転されない。第1容器11の回転角度が「90度」の場合、搬送部2によって搬送された第1容器11の側面が、上方を向くように回転される。第1容器11の回転角度が「180度」である場合、第1容器11の上下が入れ替わるように、第1容器11は回転される。
【0036】
たとえば、第1容器11に円柱状の物品100が縦向きに収容されており、物品100の底面が把持しやすい形状である場合、回転角度は、「180度」に設定される。また、第1容器11に円柱状の物品100が縦向きに収容されており、物品100の上面が把持しやすい形状である場合、回転角度は、「0度」に設定される。
【0037】
制御部31は、各ロボットアーム3を制御することで、物品100を第1容器11から第2容器12に搬送する。制御部31は、設定した第1容器11の回転角度に基づいて、第1容器11を回転させて、物品100を第1容器11から第2容器12に搬送する。
【0038】
制御部31は、物品100、第1容器11、および、第2容器12の種類に応じて、各ロボットアーム3を制御する。たとえば、制御部31は、検出部による検出結果と、AI(Artificial intelligence)とを用いて、物品100を、第1容器11から第2容器12に移し替える。
【0039】
情報蓄積部32は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。情報蓄積部32は、制御部31によって実行される各種のプログラムを記憶する。情報蓄積部32は、情報取得部30によって取得された情報を記憶する。
【0040】
次に、実施形態に係る搬送装置1における入替処理について、図3、および、図4を用いて説明する。図3は、実施形態に係る搬送装置1における入替処理を説明するフローチャートである。図4は、入替処理の各工程における状態を説明する図である。
【0041】
制御部31は、設定工程を行う(S100)。制御部31は、第1容器11の回転角度を設定する。制御部31は、たとえば、カメラ5によって取得された画像データに基づいて、第1容器11に収容された物品100を特定する。そして、制御部31は、特定した物品100に応じた第1容器11の回転角度を設定する。
【0042】
制御部31は、設定工程を行った後に、第1回転工程を行う(S101)。制御部31は、搬送部2によって搬送された第1容器11を、設定された回転角度に応じて回転させる。
【0043】
たとえば、設定された回転角度が「90度」である場合、制御部31は、把持アーム20によって第1容器11を把持する。そして、制御部31は、把持アーム20によって第1容器11を90度回転させる。これにより、図4の(a)において上面側となっていた第1容器11の第1面11aが、図4の(b)に示すように、側面側となる。また、図4の(a)において側面側となっていた第1容器11の第2面11bが、図4の(b)に示すように、上面側となる。
【0044】
制御部31は、第1回転工程を行った後に、切断工程を行う(S102)。制御部31は、第1回転工程によって回転された第1容器11を全周にわたり切断する。たとえば、制御部31は、図4の(c)に示すように、切断アーム21によって、第1容器11の上方側を全周にわたり切断する。これにより、第1容器11に開口部11cが形成される。なお、切断された第1容器11の一部、具体的には、第1容器11の第2面11bを含む上方側の一部は、把持アーム20によって、取り除かれる。
【0045】
切断アーム21における第1容器11の切断箇所は、第1容器11に収容される物品100に応じて設定される。第1容器11の切断箇所は、物品100の特徴に応じて設定される。物品100の特徴は、物品100の形状、および、物品100の高さなどを含む。たとえば、物品100の形状が円柱状である場合、第1容器11において最も上方に収容された物品100の半分の高さ以上の第1容器11の側面が残るように、第1容器11の切断箇所が設定される。たとえば、物品100の形状が球状である場合、第1容器11の切断箇所は、回転後の第1容器11の上端付近に設定される。
【0046】
第1容器11に収容される物品100に関する情報は、情報取得部30を介して取得される。制御部31は、取得した物品100に関する情報に基づいて第1容器11の切断箇所を設定する。なお、第1容器11に収容される物品100は、ロボットアーム3に設けられた検出部以外の装置によって検出されてもよい。たとえば、第1容器11に収容される物品100は、X線装置によって検出されてもよい。
【0047】
切断アーム21における第1容器11の切断箇所は、第1容器11の種類に応じて設定されてもよい。第1容器11の種類は、たとえば、第1容器11の大きさを含む。たとえば、第1容器11の種類、および、第1容器11の切断箇所に関する情報は、予め情報蓄積部32に記憶される。制御部31は、たとえば、特定された第1容器11の種類に応じて、第1容器11の切断箇所に関する情報を情報蓄積部32から読み出し、第1容器11の切断箇所を設定する。
【0048】
制御部31は、切断工程を行った後に、載置工程を行う(S103)。制御部31は、図4の(d)に示すように、第1容器11に形成された開口部11cに、下敷き40を載置する。制御部31は、把持アーム20によって、開口部11cを覆うように下敷き40を載置する。具体的には、制御部31は、第1容器11に収容された複数の物品100の上方を覆うように下敷き40を載置する。下敷き40は、第1容器11、および、第2容器12の大きさに応じて、複数種類設けられる。制御部31は、複数種類の下敷き40の中から、第1容器11、および、第2容器12の大きさに応じた下敷き40を選択する。制御部31は、選択した下敷き40を載置する。
【0049】
制御部31は、下敷き40を載置した後に、第2容器12を第1容器11にかぶせる。制御部31は、第1容器11の開口部11cを覆うように、第2容器12を第1容器11にかぶせる。具体的には、制御部31は、下敷き40の上方から第2容器12を第1容器11にかぶせる。制御部31は、図4の(e)に示すように、把持アーム20によって第2容器12を把持し、第2容器12を第1容器11の上方からかぶせる。第2容器12は、開口部12aが下方を向いた状態で、第1容器11の上方から、第1容器11にかぶせられる。
【0050】
制御部31は、載置工程を行った後に、第2回転工程を行う(S104)。制御部31は、第1容器11と、第2容器12とを押さえながら、第1容器11と第2容器12との上下が入れ替わるように、第1容器11、および、第2容器12を回転させる。具体的には、制御部31は、図4の(f)に示すように、第1容器11、および、第2容器12を把持アーム20によって把持し、第1容器11、および、第2容器12の上下が入れ替わるように、第1容器11、および、第2容器12を180度回転させる。これにより、たとえば、第2容器12に収容される物品100は、カートロボットによって取り出しが容易となる。
【0051】
制御部31は、第2回転工程を行った後、取出工程を行う(S105)。制御部31は、第1容器11を上方に取り出す。制御部31は、たとえば、図4の(g)に示すように、把持アーム20によって第1容器11の第3面11dを把持し、第1容器11を上方に取り出す。たとえば、第3面11dは、第2面11bに向かい合う面であり、第1容器11が90度回転される場合、第1回転工程によって、第1容器11の下面側となる面である。これにより、第2容器12では、物品100の下に下敷き40が敷かれた状態で、収容される。
【0052】
物品100の搬送方法は、設定工程と、第1回転工程と、切断工程と、載置工程と、第2回転工程と、取出工程とを有する。設定工程は、物品100に応じて、物品100が収容された第1容器11の回転角度を設定する。第1回転工程は、物品100が収容された第1容器11を、設定された回転角度に応じて回転させる。切断工程は、回転された第1容器11を全周にわたり切断し、第1容器11に開口部11cを形成する。載置工程は、第1容器11の開口部11cを覆うように、第1容器11の開口部11cよりも大きい第2容器12を、第1容器11にかぶせる。第1回転工程は、第1容器11と、第2容器12とを押さえながら、第1容器11と、第2容器12との上下が入れ替わるように、第1容器11と、第2容器12とを回転させる。取出工程は、第1容器11を上方に取り出す。
【0053】
これにより、物品100の搬送方法を実行する搬送装置1は、第1容器11に収容された物品100に応じた回転角度で回転させた後に、第1容器11から第2容器12に物品100を移し替えることができる。そのため、搬送装置1は、第1容器11から第2容器12への物品100の搬送を迅速に行うことができる。すなわち、搬送装置1は、第1容器11から第2容器12への物品100の入れ替えをスピーディに行うことができる。また、搬送装置1は、第2容器12から物品100を取り出すカートロボットによって、物品100を掴むことが容易な状態で、第2容器12に物品100を収容させることができる。
【0054】
回転角度は、0度を含む。これにより、搬送装置1は、第1容器11を回転させる必要がない場合、第1容器11を回転させずに、第1容器11に開口部11cを形成し、第1容器11から第2容器12に物品100を搬送することができる。
【0055】
上記実施形態では、載置工程において、下敷き40が載置される一例について説明したが、これに限られることはない。変形例では、載置工程において、下敷き40が載置されなくてもよい。すなわち、第2容器12には、下敷き40が設けられなくてもよい。
【0056】
なお、第2容器12は、第1容器11の開口部11cよりも面積が大きい平板であってもよい。
【0057】
また、搬送装置1は、搬送部2に載置された第1容器11の載置状態に基づいて回転角度を設定してもよい。載置状態は、搬送部2に接する第1容器11の接触面が、複数の第1容器11の面のうち、どの面であるかによって変化する。すなわち、載置状態は、上方を向く第1容器11の面によって変化する。たとえば、図5に示すように、第1容器11の開閉面11eが、上方を向いた状態と、図6に示すように、第1容器11の開閉面11eが、側方を向いた状態とでは、載置状態は異なる。図5は、搬送部2に載置された第1容器11を示す一例である。図6は、搬送部2に載置された第1容器11を示す一例である。
【0058】
たとえば、搬送装置1は、第1容器11の開閉面11eが上方を向いた載置状態である場合、第1容器11を90度回転させて、第1容器11の開閉面11eが側方を向いた状態にした後に、第1容器11に開口部11cを形成する。また、搬送装置1は、第1容器11の開閉面11eが側方を向いた載置状態である場合、第1容器11を回転させずに、第1容器11に開口部11cを形成する。
【0059】
これにより、搬送装置1は、搬送部2に載置された第1容器11の載置状態に関わらず、第1容器11の好適な箇所に開口部11cを形成することができる。そのため、搬送部2に載置された第1容器11の載置状態に関わらず、第2容器12には、物品100が予め設定された向きを向いた状態で収容される。たとえば、第1容器11の載置状態が統一されずに、第1容器11が搬送部2に載置された場合や、搬送部2によって搬送される途中で第1容器11の載置状態が変わった場合であっても、搬送装置1は、物品100が予め設定された向きを向いた状態で第2容器12に収容することができる。
【0060】
図7は、情報処理装置4として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0061】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0062】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0063】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0064】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0065】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0066】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0067】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0068】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0069】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0070】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0071】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0072】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0073】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0074】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0075】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0076】
1 搬送装置
3 ロボットアーム
4 情報処理装置(制御装置)
5 カメラ
10 容器
11 第1容器
11c 開口部
12 第2容器
20 把持アーム
21 切断アーム(切断装置)
31 制御部
40 下敷き
100 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7