(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122443
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】吊り足場及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
E01D 21/00 20060101AFI20240902BHJP
E04G 3/24 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
E01D21/00 A
E04G3/24 302H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029978
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000216025
【氏名又は名称】鉄建建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592192907
【氏名又は名称】日建リース工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】清水 靖也
(72)【発明者】
【氏名】加古 昌之
(72)【発明者】
【氏名】竹市 八重子
(72)【発明者】
【氏名】菅原 健
(72)【発明者】
【氏名】前中 雅晶
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勇一
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059BB37
2D059EE02
2D059EE10
2D059GG39
(57)【要約】
【課題】作業効率も作業性も向上できる吊り足場及びその組立方法を提供することを目的とする。
【解決手段】吊り足場1は、複数の受け材10と、受け材10の梁120側の端部である内側端部11aを梁120から支持する支持金具20と、受け材10の橋軸直角方向外側Woを張出し床版部130から吊り下げ支持する吊りチェーン30と、受け材10を跨いで配置される複数の流し部材40と、流し部材40を跨いで配置する足場材80とが備えられ、流し部材40は、長型流し材50と、長型流し材50より組立方向の先端側となる組立先方側Lfに配置される短型流し材60と、長型流し材50の組立先方側Lfに対して短型流し材60を枢動可能に連結する枢動連結部70とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋軸方向に延設された梁部より張り出す張出し床版部を有する高架橋に設置する吊り足場であって、
橋軸方向に所定間隔を隔てて配置し、張出し方向に沿う複数の受け部材と、
前記受け部材の前記梁部側の端部である梁部側端部を前記梁部から支持する支持部材と、
前記受け部材の前記張出し方向の外側を前記張出し床版部から吊り下げ支持する吊下部材と、
前記張出し方向に所定間隔を隔てて配置し、前記橋軸方向に沿い、前記受け部材を跨いで配置される前記複数の流し部材と、
前記流し部材を跨いで配置する足場材とが備えられ、
前記流し部材は、
前記流し部材の長さの半分以上の長さで形成された長型流し部材と、
前記長型流し部材より組立方向の先端側となる組立先方側に配置される短型流し部材と、
前記長型流し部材の前記組立先方側に対して前記短型流し部材を枢動可能に連結する枢動連結部とを有する
吊り足場。
【請求項2】
前記流し部材は、矩形断面に形成された
請求項1に記載の吊り足場。
【請求項3】
前記枢動連結部は、前記短型流し部材が前記長型流し部材の上面側に向かって枢動する、前記張出し方向に沿う枢動軸が設けられた
請求項2に記載の吊り足場。
【請求項4】
前記長型流し部材の前記先端側の端部の上部に、切り欠き部を設けるとともに、
前記切り欠き部の前記組立先方側に前記枢動軸を配置するように支持する軸支持部本体が設けられた
請求項3に記載の吊り足場。
【請求項5】
前記支持部材は、
前記受け部材の前記梁部側端部を支持する支持部本体と、
前記梁部に固定する固定部と、
前記支持部本体と前記固定部とを連結する連結部とを有し、
前記連結部は、前記支持部本体で前記受け部材の前記梁部側端部を支持した支持状態において前記固定部が前記足場材より上方に位置する長さで形成した
請求項1に記載の吊り足場。
【請求項6】
前記支持部本体は、
前記受け部材の前記梁部側端部における底面を支持する底部と、前記受け部材の前記梁部側端部における前記橋軸方向の両側面を規制する側部とで凹状に形成された
請求項5に記載の吊り足場。
【請求項7】
凹状に形成された前記支持部本体からの前記受け部材の前記梁部側端部の抜け出しを規制する抜出し規制部が設けられた
請求項6に記載の吊り足場。
【請求項8】
前記受け部材に、上面側に配置される前記流し部材の前記張出し方向の位置を規制する位置規制部が設けられた
請求項1に記載の吊り足場。
【請求項9】
梁部より張り出す張出し床版部を有する高架橋に設置する吊り足場の組立方法であって、
前記梁部に固定された支持部材によって前記梁部側の端部である梁部側端部が支持され、前記張出し床版部から吊り下げられた吊下部材によって前記張出し方向の外側が吊り下げ支持された、橋軸方向に所定間隔を隔てた2本の受け部材を掛け渡すように、前記受け部材を跨いで配置された、前記橋軸方向に沿い、前記張出し方向に所定間隔を隔てて配置された複数の流し部材を跨いで足場材を配置し、
前記流し部材の組立方向の先端側となる組立先方側に、短型流し部材とともに前記流し部材を構成し、前記流し部材の長さの半分以上の長さで形成された長型流し部材を連結する長型流し部材連結工程と、
連結された複数の前記長型流し部材を跨いで足場材を配置する第1足場材配置工程と、
前記長型流し部材の先端側に前記短型流し部材を枢動可能に連結する短型流し部材連結工程と、
連結された複数の前記短型流し部材を跨いで足場材を配置する第2足場材配置工程と、
前記先端側において次の前記受け部材の前記梁部側端部を支持する前記支持部材を前記梁部に取り付ける支持部材取付工程と、
前記長型流し部材の先端側に枢動可能に連結された前記短型流し部材を回避位置に枢動する短型流し部材回避工程と、
取り付けられた前記支持部材と予め設けられた前記吊下部材で支持するように次の前記受け部材を設置する受け部材設置工程と、
回避位置に枢動させた前記短型流し部材を元の位置に枢動する短型流し部材復元工程とを行う
吊り足場の組立方法。
【請求項10】
前記長型流し部材の先端側に枢動可能に連結された前記短型流し部材を枢動させた回避位置は、前記短型流し部材を前記長型流し部材の上面側に向かって枢動させた位置である
請求項9に記載の吊り足場の組立方法。
【請求項11】
受け部材設置工程において、前記先端側の下方となる所定位置に前記受け部材を配置する配置治具を用い、前記回避位置にある前記短型流し部材を超えて、前記所定位置に前記受け部材を配置する
請求項10に記載の吊り足場の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋軸方向に延設された梁部より、橋軸直角方向に張り出す張出し床版部を有する高架橋に設置する吊り足場及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高架橋における上部工の補修工事等では、高所での作業が主となり、地上から組み上げる通常の足場より、上部工から吊り下げる吊り足場が多用されている。従来の吊り足場は、鋼管パイプをクランプで締結して組み立てるため、作業効率が悪く、例えば特許文献1に開示する吊り足場のように、足場フレームと床パネルとを組み付けて構成できるユニット化されたものが提案されている。
【0003】
このようにユニット化された吊り足場は従来の鋼管パイプを組み立てる従来の吊り足場に比べて作業効率を向上できるものの、足場フレームと床パネルなどの部材が大型化し、作業性が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明では、作業効率も作業性も向上できる吊り足場及びその組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、橋軸方向に延設された梁部より張り出す張出し床版部を有する高架橋に設置する吊り足場であって、橋軸方向に所定間隔を隔てて配置し、張出し方向に沿う複数の受け部材と、前記受け部材の前記梁部側の端部である梁部側端部を前記梁部から支持する支持部材と、前記受け部材の前記張出し方向の外側を前記張出し床版部から吊り下げ支持する吊下部材と、前記張出し方向に所定間隔を隔てて配置し、前記橋軸方向に沿い、前記受け部材を跨いで配置される前記複数の流し部材と、前記流し部材を跨いで配置する足場材とが備えられ、前記流し部材は、前記流し部材の長さの半分以上の長さで形成された長型流し部材と、前記長型流し部材より組立方向の先端側となる組立先方側に配置される短型流し部材と、前記長型流し部材の前記組立先方側に対して前記短型流し部材を枢動可能に連結する枢動連結部とを有することを特徴とする。
【0007】
上記張出し方向は、張出し床版部が張り出す方向であり、橋軸方向に直交する橋軸直角方向と一致する方向であるが、橋軸方向に対する直角方向のみならず、適宜の角度範囲を許容するものである。
上記吊下部材は、チェーンや棒鋼、あるいはナイロンスリングなど、適宜の長さと強度を有する部材であればその構造は問わず含まれる。
【0008】
上述の前記受け部材の前記張出し方向の外側は、張出し方向に沿って配置される前記受け部材において、前記受け部材の長さの中央より張出し方向の外側であれば、端部であってもよいし、上方に配置する前記流し部材や前記足場材と干渉しない途中部分であってもよい。
【0009】
上記足場材は、木製や鋼製の足場板、デッキプレート、パネル材など適宜の強度を有し、敷設することで足場の組立や施工などの作業床、あるいは施工用足場のベースとなりえる部材が含まれる。
上述の前記組立先方側とは、橋軸方向に沿って延設される吊り足場において、橋軸方向に沿って吊り足場を組み立てていく方向の先端側であり、つまり橋軸方向に沿う方向における一方側となる。
【0010】
この発明により、吊り足場組立の作業効率も作業性も向上することができる。
詳述すると、橋軸方向に延設された梁部より張り出す張出し床版部を有する高架橋に設置する吊り足場は、橋軸方向に所定間隔を隔てて配置し、張出し方向に沿う複数の受け部材と、前記受け部材の前記梁部側端部を前記梁部から支持する支持部材と、前記受け部材の前記張出し方向の外側を前記張出し床版部から吊り下げ支持する吊下部材と、前記張出し方向に所定間隔を隔てて配置し、前記橋軸方向に沿い、前記受け部材を跨いで配置される前記複数の流し部材と、前記流し部材を跨いで配置する足場材とが備えられているため、鋼管パイプをクランプで締結して組み立てる従来の吊り足場に比べて、作業効率を向上することができる。
【0011】
また、前記流し部材は、前記流し部材の長さの半分以上の長さで形成された長型流し部材と、前記長型流し部材より前記組立先方側に配置される短型流し部材とで構成しているため、一本物の前記流し部材を用いて組み立てる場合に比べて、部材長さが短くなり作業性を向上することができる。
【0012】
さらに、配置済みの前記流し部材に対して前記長型流し部材と前記短型流し部材とを連結すると、連結した前記長型流し部材と前記短型流し部材とは前記受け部材より、組立方向先端側に張り出す態様となる。
【0013】
前記受け部材より前記先端側に張り出す前記長型流し部材及び前記短型流し部材を跨いで足場材を設置することで、配置済みの前記受け部材より先端側に張出し作業床を構成することができる。前記長型流し部材と前記短型流し部材とで構成した前記張出し作業床から、次の前記受け部材の前記梁部側端部を支持する支持部材を前記梁部に取り付けることができる。
【0014】
さらに、前記長型流し部材に対して前記短型流し部材を前記枢動連結部によって回避位置に枢動させた状態で、取り付けた支持部材で前記受け部材の前記梁部側端部を支持し、吊下部材で前記受け部材の前記張出し方向の外側を吊り下げ支持することで、次の前記受け部材を設置することができる。
【0015】
なお、前記長型流し部材に対して枢動した前記短型流し部材の回避位置は、橋軸直角方向の枢動軸によって上方向に枢動させた位置、鉛直方向の枢動軸によって幅員方向に枢動させた位置、あるいは橋軸直角方向及び鉛直方向に交差する方向の枢動軸によって上方向及び幅員方向に対して交差する傾斜方向に枢動させた位置が含まれる。
【0016】
このように、本発明の吊り足場は、従来の吊り足場のように、高所作業車等を用いて高所の梁部に支持部本体をあらかじめ橋軸方向に所定間隔を隔てて設置する必要がなく、作業効率を向上することができる。
【0017】
この発明の態様として、前記流し部材は、矩形断面に形成されてもよい。
この発明により、複数の前記受け部材を跨いで前記流し部材を配置した状態及び複数の前記流し部材を跨いで足場板を配置した状態を安定させることができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記枢動連結部は、前記短型流し部材が前記長型流し部材の上面側に向かって枢動する、前記張出し方向に沿う枢動軸が設けられてもよい。
この発明により、前記長型流し部材に対して前記短型流し部材を枢動させた状態であることが離れた位置からも目視で確認できるため、安全に作業を行うことができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記長型流し部材の前記先端側の端部の上部に、切り欠き部を設けるとともに、前記切り欠き部の前記組立先方側に前記枢動軸を配置するように支持する軸支持部本体が設けられてもよい。
【0020】
この発明により、矩形断面の前記流し部材の上面に前記枢動連結部が突出することがなく、前記枢動連結部が足場材など他の部材と干渉することを防止できる。また、切り欠き部分に枢動した前記短型流し部材の基端部の一部が侵入するため、前記長型流し部材に対する前記短型流し部材の枢動角度が大きくなり、回避位置にある前記短型流し部材の前記長型流し部材の上面から突出する高さを低くすることができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記支持部材は、前記受け部材の前記梁部側端部を支持する支持部本体と、前記梁部に固定する固定部と、前記支持部本体と前記固定部とを連結する連結部とを有し、前記連結部は、前記支持部本体で前記受け部材の前記梁部側端部を支持した支持状態において前記固定部が前記足場材より上方に位置する長さで形成してもよい。
【0022】
この発明により、前記長型流し部材と前記短型流し部材とで構成した前記張出し作業床から支持部材を梁部に取り付ける際に、固定部が前記張出し作業床の足場材より上方に位置するため、安全かつ作業性高く、高い作業効率で固定部を梁部に固定でき、梁部に前記支持部材を取り付けることができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記支持部本体は、前記受け部材の前記梁部側端部における底面を支持する底部と、前記受け部材の前記梁部側端部における前記橋軸方向の両側面を規制する側部とで凹状に形成されてもよい。
【0024】
この発明により、前記張出し作業床より下方に位置する支持部本体に対して、凹状の上部から前記受け部材を降ろして、支持部本体に前記受け部材の前記梁部側端部を配置し、前記受け部材の前記梁部側端部を支持部材で支持することができる。
【0025】
またこの発明の態様として、凹状に形成された前記支持部本体からの前記受け部材の前記梁部側端部の抜け出しを規制する抜出し規制部が設けられてもよい。
この発明により、支持部材で支持された前記受け部材の前記梁部側端部が凹状の支持部本体から不用意に抜け出すことを防止でき、確実に前記受け部材の前記梁部側端部を支持部材で支持することができる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記受け部材に、上面側に配置される前記流し部材の前記張出し方向の位置を規制する位置規制部が設けられてもよい。
この発明により、張出し方向の所定位置に前記流し部材を設けることができる。
【0027】
また、位置規制部は前記受け部材を跨いで配置する前記流し部材を設置する際のガイドとして機能するため、前記流し部材の設置作業における作業効率を向上することができる。
【0028】
またこの発明は、梁部より張り出す張出し床版部を有する高架橋に設置する吊り足場の組立方法であって、前記梁部に固定された支持部材によって前記梁部側の端部である梁部側端部が支持され、前記張出し床版部から吊り下げられた吊下部材によって前記張出し方向の外側が吊り下げ支持された、橋軸方向に所定間隔を隔てた2本の受け部材を掛け渡すように、前記受け部材を跨いで配置された、前記橋軸方向に沿い、前記張出し方向に所定間隔を隔てて配置された複数の流し部材を跨いで足場材を配置し、前記流し部材の前記組立先方側に、短型流し部材とともに前記流し部材を構成し、前記流し部材の長さの半分以上の長さで形成された長型流し部材を連結する長型流し部材連結工程と、連結された複数の前記長型流し部材を跨いで足場材を配置する第1足場材配置工程と、前記長型流し部材の先端側に前記短型流し部材を枢動可能に連結する短型流し部材連結工程と、連結された複数の前記短型流し部材を跨いで足場材を配置する第2足場材配置工程と、前記先端側において次の前記受け部材の前記梁部側端部を支持する前記支持部材を前記梁部に取り付ける支持部材取付工程と、前記長型流し部材の先端側に枢動可能に連結された前記短型流し部材を回避位置に枢動する短型流し部材回避工程と、取り付けられた前記支持部材と予め設けられた前記吊下部材で支持するように次の前記受け部材を設置する受け部材設置工程と、回避位置に枢動させた前記短型流し部材を元の位置に枢動する短型流し部材復元工程とを行うことを特徴とする。
【0029】
この発明により、吊り足場組立の作業効率も作業性も向上することができる。
詳述すると、高架橋に設置する吊り足場の組立方法において、前記梁部に固定された支持部材によって前記梁部側の端部である梁部側端部が支持され、前記張出し床版部から吊り下げられた吊下部材によって前記張出し方向の外側が吊り下げ支持された、橋軸方向に所定間隔を隔てた2本の受け部材を掛け渡すように、前記受け部材を跨いで配置された、前記橋軸方向に沿い、前記張出し方向に所定間隔を隔てて配置された複数の流し部材を跨いで足場材を配置するため、鋼管パイプをクランプで締結して組み立てる従来の吊り足場に比べて、作業効率を向上することができる。
【0030】
また、長型流し部材連結工程において、前記流し部材の前記組立先方側に、短型流し部材とともに前記流し部材を構成し、前記流し部材の長さの半分以上の長さで形成された長型流し部材を連結し、短型流し部材連結工程において、前記長型流し部材の先端側に前記短型流し部材を枢動可能に連結するため、一本物の前記流し部材を用いて組み立てる場合に比べて、部材長さが短くなり作業性を向上することができる。
【0031】
また、長型流し部材連結工程において、配置済みの前記流し部材の前記組立先方側に長型流し部材を連結し、第1足場材配置工程において、連結された複数の前記長型流し部材を跨いで足場材を配置し、短型流し部材連結工程において、連結された前記長型流し部材の先端側に前記短型流し部材を枢動可能に連結し、第2足場材配置工程において、連結された複数の前記短型流し部材を跨いで足場材を配置する。
【0032】
これにより、連結した前記長型流し部材と前記短型流し部材とは前記受け部材より、組立方向先端側に張り出す態様となり、足場材を設置することで、配置済みの前記受け部材より先端側に張出し作業床を構成することができる。そして、支持部材取付工程において、前記長型流し部材と前記短型流し部材とで構成した前記張出し作業床から、次の前記受け部材の前記梁部側端部を支持する支持部材を安全かつ高い作業効率で前記梁部に取り付けることができる。
【0033】
さらに、短型流し部材回避工程において、前記長型流し部材の先端側に枢動可能に連結された前記短型流し部材を回避位置に枢動し、その状態で、受け部材設置工程において、取り付けられた前記支持部材と予め設けられた前記吊下部材で支持するように次の前記受け部材を設置することができる。そのため、本発明の吊り足場の組立方法は、従来の吊り足場のように、高所作業車等を用いて高所の梁部に支持部本体をあらかじめ橋軸方向に所定間隔を隔てて設置する必要がなく、作業効率を向上することができる。
【0034】
またこの発明の態様として、受け部材設置工程において、前記先端側の下方となる所定位置に前記受け部材を配置する配置治具を用い、前記回避位置にある前記短型流し部材を超えて、前記所定位置に前記受け部材を配置してもよい。
【0035】
上記所定位置は、前記受け部材の前記梁部側端部が支持部材で支持され、前記受け部材の張出し方向の外側が吊下部材で吊り下げられた前記受け部材の位置である。
この発明により、前記長型流し部材と前記短型流し部材とで構成する前記張出し作業床から、回避位置にある前記短型流し部材を超えて下方となる所定位置に次の前記受け部材を、安全かつ高い作業効率で設置することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明により、作業効率も作業性も向上できる吊り足場及びその組立方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】高架橋に設置した状態の吊り足場の橋軸方向から視た概略図。
【
図6】組立途中の吊り足場の橋軸直角方向の外側から視た説明図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
吊り足場1及びその組立方法の一実施形態を以下図面とともに説明する。
なお、以下で説明する図面において、高架橋100の延長方向を橋軸方向Lとするとともに、橋軸方向Lに直交する方向を橋軸直角方向Wとしている。さらに、橋軸方向Lにおいて、吊り足場1を橋軸方向Lに沿って組み立てていく方向の前方を組立先方側Lfとし、組立開始位置に向かう方向を組立後方側Lbとしている。また、橋軸直角方向Wにおいて、高架橋100の上部工110の梁120に向かう側を橋軸直角方向内側Wiとし、その反対側を橋軸直角方向外側Woとしている。さらに、図面における上下方向を高さ方向Hとし、高さ方向Hのうち上側を上方Huとし、下側を下方Hdとしている。
【0039】
図1は高架橋100に設置した状態の吊り足場1の橋軸方向Lから視た概略図を示し、
図2は組立先方側Lf、橋軸直角方向外側Wo及び上方向Huから視た受け材10と支持金具20との斜視図を示し、
図3は流し部材40の説明図を示し、
図4は長型流し材50の説明図を示し、
図5は短型流し材60の説明図を示している。
【0040】
詳述すると、
図3(a)は組立先方側Lf、橋軸直角方向外側Wo及び上方向Huから視た流し部材40の斜視図であり、
図3(b)は同方向から視た枢動状態の流し部材40の斜視図であり、
図3(c)は組立先方側Lf、橋軸直角方向内側Wi及び下方向Hdから視た枢動状態の流し部材40の斜視図である。
【0041】
図4(a)は組立先方側Lf、橋軸直角方向外側Wo及び上方向Huから視た長型流し材50の斜視図であり、
図4(b)は組立先方側Lf、橋軸直角方向内側Wi及び下方向Hdから視た長型流し材50の斜視図であり、
図5(a)は組立先方側Lf、橋軸直角方向外側Wo及び上方向Huから視た短型流し材60の斜視図であり、
図5(b)は組立先方側Lf、橋軸直角方向内側Wi及び下方向Hdから視た短型流し材60の斜視図である。
【0042】
図6は組立途中の吊り足場1の橋軸直角方向Wの外側から視た説明図を示している。詳しくは、
図6(a)は組立途中の吊り足場1の橋軸直角方向Wの外側である橋軸直角方向外側Woから視た側面図を示し、
図6(b)は
図6(a)のa部の拡大図であるが断面図で示している。
【0043】
図7は吊り足場1の組立方法のフローチャートを示し、
図8は吊り足場1の組立に用いる吊り治具90の説明図を示し、
図9乃至
図11は吊り足場1の組立方法を説明する説明図を示している。
詳しくは、
図8(a)は吊り治具90の正面図を示し、
図8(b)は吊り治具90の側面図を示している。
【0044】
また、
図9(a)は長型流し材設置工程(ステップs2)の同方向から視た斜視図を示し、
図9(b)は短型流し材設置工程(ステップs4)の同方向から視た斜視図を示し、
図10(a)は短型流し材回避工程(ステップs8)の同方向から視た斜視図を示し、
図10(b)は受け材設置工程(ステップs9)の同方向から視た斜視図を示している。
【0045】
図11(a)は短型流し材復元工程(ステップs10)の同方向から視た斜視図を示し、
図11(b)は次の長型流し材設置工程(ステップs2)の同方向から視た斜視図を示している。
なお、
図9乃至
図11において、吊りチェーン30の図示を省略し、足場材80及び仮足場材81を破線で図示している。
【0046】
吊り足場1は、上部工110の梁120より橋軸直角方向外側Woに向かって張り出す張出し床版部130を有する高架橋100において、張出し床版部130の下方向Hdに設置する足場である。
【0047】
まず、吊り足場1を設置する高架橋100について説明する。高架橋100は、
図1に示すように、図示省略する橋脚や橋台によって支持された上部工110を有し、上部工110の底面には、橋軸方向Lに沿って延びる梁120が設けられるとともに、梁120より橋軸直角方向外側Woに張出し床版部130を備えている。さらに、上部工110の橋軸直角方向外側Woの端部には、上方向Huに突出する高欄などの側壁140を備えている。
【0048】
吊り足場1は、
図1に示すように、橋軸直角方向内側Wiが梁120に固定され、橋軸直角方向外側Woが上部工110の張出し床版部130から吊り下げられた足場であり、梁120における張出し床版部130や側壁140の補修等の施工を行うための足場である。
【0049】
そのため、吊り足場1において、側壁140より橋軸直角方向外側Woに、側壁140に対応する高さまで組み上げられた組立足場200を設けている。なお、組立足場200については、上方向Huに向かって組み上げる通常の足場であるため、その説明を省略する。
【0050】
吊り足場1は、
図1に示すように、橋軸方向Lに所定間隔を隔てて配置し、橋軸直角方向Wに沿う複数の受け材10と、受け材10の橋軸直角方向内側Wiの端部である内側端部11aを梁120から支持する支持金具20と、受け材10において橋軸直角方向外側Woを張出し床版部から吊り下げ支持する吊りチェーン30と、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて配置し、橋軸方向Lに沿い、受け材10を跨いで配置される複数の流し部材40と、流し部材40を跨いで配置する足場材80とを備えている。
【0051】
受け材10は、
図2に示すように、所定の長さで形成され、橋軸直角方向Wに沿って配置される縦長の角型断面の角型鋼管で構成した受け部材本体11と、間隔を隔てて配置されたガイド12と、吊下げ金具13とを備えている。
【0052】
なお、受け部材本体11は剛性の高い、いわゆるストロング鋼管である。ガイド12は、アングルで構成され、受け部材本体11の上面より上方向Huに突出するように受け部材本体11に固定されている。吊下げ金具13は、後述する吊りチェーン30で吊り下げられるための金具であり、受け部材本体11の上面より上方向Huに突出するように受け部材本体11に固定されている。
【0053】
ガイド12及び吊下げ金具13は、受け材10を跨ぐように配置する流し部材40の位置を規制するため、橋軸直角方向Wにおいて流し部材40を配置する箇所に設けられている。具体的には、4本の流し部材40を配置するように3本のガイド12とひとつの吊下げ金具13を備えており、橋軸直角方向内側Wiから橋軸直角方向外側Woに向かって、2つのガイド12、吊下げ金具13及びガイド12の順で配置されている。
なお、受け材10における受け部材本体11の橋軸直角方向内側Wiの端部が、後述する支持金具20で支持される内側端部11aとしている。
【0054】
支持金具20は、受け材10の内側端部11aを梁120で支持するための金具であり、受け材10の内側端部11aを支持する支持部本体21と、梁120に固定する固定部22と、支持部本体21と固定部22とを連結する連結部23とを有するとともに、支持部本体21に装着した受け材10の内側端部11aの抜け出しを規制するクランプ24を設けている。
【0055】
支持部本体21は、受け材10の内側端部11aにおける底面を支持する底板部211と、受け材10の内側端部11aにおける橋軸方向Lの両側面を規制する側板部212とで、橋軸直角方向外側Wo及び上方向Huが開放された凹状に形成されている。
側板部212は、受け部材本体11の高さよりひと回り高く形成され、底板部211は側板部212よりわずかに橋軸直角方向外側Woに向かって突出するように形成されている。
【0056】
固定部22は、板状であり、梁120に固定するためのボルトを貫通する貫通孔221が高さ方向Hに所定間隔を隔てて2つ設けている。貫通孔221は橋軸方向Lに長い長孔である。
連結部23は、支持部本体21と固定部22を高さ方向Hに連結する帯状であり、吊り足場1を組み付けた状態、つまり支持部本体21で受け材10の内側端部11aを支持した支持状態において、固定部22が足場材80より上方に位置する長さで形成している。
【0057】
クランプ24は、連結部23に固定されており、凹状に形成された支持部本体21に装着した受け材10の内側端部11aを上方向Huから規制して、支持部本体21からの受け材10の内側端部11aの抜け出しを規制するように構成している。なお、クランプ24は、支持部本体21への受け材10の内側端部11aの装着に支障しないように、また、高さの異なる受け部材本体11も規制できるように、位置調整可能に構成している。
【0058】
吊りチェーン30は、金属製のチェーンであり、
図1に示すように、梁120の側部に上端が固定され、下端に受け材10の吊下げ金具13に係止する係止金具(図示省略する)を備えている。吊りチェーン30は、受け材10の本数に応じた数を備えている。
【0059】
流し部材40は、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて配置し、受け材10を跨ぎ、橋軸方向Lに沿って配置される部材であり、
図3に示すように、流し部材40の長さの半分以上の長さで形成された長型流し材50と、長型流し材50の組立先方側Lfに配置される短型流し材60と、長型流し材50に対して短型流し材60を枢動可能に連結する枢動連結部70とを有している。
そして、長型流し材50と短型流し材60とで構成する流し部材40を複数、橋軸方向Lに並べて連結しているため、長型流し材50と短型流し材60とが交互に配置されることとなる。
【0060】
短型流し材60とともに流し部材40を構成する長型流し材50は、後述する短型流し材60より長い所定長さを有する縦長の角型断面の角型鋼管であり、
図4に示すように、組立先方側Lfの上面側に、枢動した短型流し材60の組立後方側Lbの端部が侵入可能な切り欠き51を設けている。
【0061】
また、長型流し材50の組立先方側Lfの端部より組立先方側Lfに突出するヒンジプレート52を、切り欠き51の橋軸直角方向Wの両側に設けている。さらに、長型流し材50の組立先方側Lfの端部より組立先方側Lfに突出する受プレート53を、長型流し材50の底部に設けている。
なお、このように構成した長型流し材50は、上述の受け部材本体11と同じ断面形状であり、受け部材本体11と同様に剛性の高い、いわゆるストロング鋼管である。
【0062】
なお、ヒンジプレート52において長型流し材50の端部より組立先方側Lfと、長型流し材50の組立後方側Lbの上部には、後述する軸ボルト71が挿通する貫通孔54(54a,54b)を備えている。
【0063】
長型流し材50とともに流し部材40を構成する短型流し材60は、上述の長型流し材50より短い所定長さを有する縦長の角型断面の角型鋼管であり、
図5(a)に示すように、組立先方側Lfの上面側に、切り欠き61を設けている。
【0064】
また、短型流し材60の組立先方側Lfの端部より組立先方側Lfに突出するヒンジプレート62を、切り欠き61の橋軸直角方向Wの両側に設けている。さらに、短型流し材60の組立先方側Lfの端部より組立先方側Lfに突出する受プレート63を、短型流し材60の底部に設けている。
【0065】
さらにまた、短型流し材60の組立先方側Lfの端部において、切り欠き61より下方向Hdに、橋軸直角方向Wの両側の側面に沿うとともに、先端部を跨ぐ高さ方向Hから視てコの字型となるスキマプレート65を備えている。なお、このように構成した短型流し材60は、上述の受け部材本体11と同じ断面形状であり、受け部材本体11と同様に剛性の高い、いわゆるストロング鋼管である。
【0066】
なお、ヒンジプレート62において短型流し材60の端部より組立先方側Lfと、短型流し材60の組立後方側Lbの上部には、後述する軸ボルト71が挿通する貫通孔64(64a,64b)を備えている。
また、短型流し材60における切り欠き61は、枢動した短型流し材60の組立後方側Lbの端部が侵入可能な切り欠き51よりはるかに橋軸方向Lの長さが短く形成されている。
【0067】
このように構成した長型流し材50と短型流し材60とは、長型流し材50の組立先方側Lfに短型流し材60を配置し、長型流し材50のヒンジプレート52の先方貫通孔54aと、短型流し材60の組立後方側Lbの後方貫通孔64bとを位置を合わせ、貫通孔54a,64bに軸ボルト71を橋軸直角方向Wに沿って連通させることで、
図3に示すように、長型流し材50と短型流し材60とを枢動可能に連結して流し部材40を構成することができる。このように、枢動可能に長型流し材50と短型流し材60とが連結された流し部材40において、ヒンジプレート52と軸ボルト71とで枢動連結部70を構成することができる。
【0068】
このように、枢動連結部70によって長型流し材50と短型流し材60とが枢動可能に連結された流し部材40は、長型流し材50に対して短型流し材60が、枢動連結部70の軸ボルト71を中心として、
図3(b),(c)及び
図6に示すように、上方向Hu及び組立後方側Lbに向かって枢動することができる。
【0069】
このとき、
図3(b)及び
図6(b)に示すように、短型流し材60の組立後方側Lbにおいて、後方貫通孔64bの周囲が長型流し材50の切り欠き51に侵入することができる。
なお、短型流し材60が軸ボルト71を中心として、長型流し材50に対して、下方向Hd及び組立後方側Lbに向かって枢動しようとしても、短型流し材60の底面が長型流し材50の組立先方側Lfの端部から突出する受プレート53によって規制されるため、下方向Hd及び組立後方側Lbに向かう枢動は規制される。このように、長型流し材50に対して上方向Hu及び組立後方側Lbに向かって枢動した短型流し材60の位置を回避位置Paという。
【0070】
また、枢動連結部70により長型流し材50に対して軸ボルト71を中心として短型流し材60が枢動可能な流し部材40は、吊り足場1において、組立先方側Lfにおいて複数配置されて連結されるが、流し部材40における短型流し材60の組立先方側Lfの端部に設けたヒンジプレート62の先方貫通孔64aと、次の流し部材40を構成する長型流し材50の組立後方側Lbの後方貫通孔54bとを位置を合わせ、軸ボルト71を橋軸直角方向Wに挿通して枢動連結部70を構成して、配置済みの流し部材40の短型流し材60と、次の流し部材40の長型流し材50とを連結することができる。
【0071】
短型流し材60と、組立先方側Lfに配置した長型流し材50の連結においては、枢動連結部70によって、短型流し材60に対して次の流し部材40を構成する長型流し材50が、軸ボルト71を中心として枢動するが、切り欠き61の橋軸方向Lの長さが短いため、長型流し材50とその組立先方側Lfの短型流し材60とを連結する枢動連結部70における可動範囲が狭くなる、つまり枢動角度が小さくなるものの、枢動することができる。
【0072】
上述のように長型流し材50と短型流し材60とを枢動連結部70で連結した流し部材40以外に、
図6に示すように、吊り足場1を組み立てる際に最初に設置する基本流し部材40Aがある。つまり基本流し部材40Aは、吊り足場1におけるもっとも組立後方側Lbの側に配置される流し材であり、長型流し材50と短型流し材60とを連結した流し部材40と同じ長さで形成され、組立先方側Lfに端部に、切り欠き61と同形状の切り欠きが形成され、ヒンジプレート62と同じヒンジプレート42、受プレート63と同じ受プレート43を備えている。つまり、基本流し部材40Aの組立先方側Lfの端部の形状及び構造は、短型流し材60の組立先方側Lfの端部の形状及び構造と同じである。
【0073】
このように構成した基本流し部材40Aと流し部材40とは、基本流し部材40Aと複数の流し部材40と連結するとともに、上述したように、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて4か所に設けることとなる。
なお、以下において、基本流し部材40Aと複数の流し部材40とを連結したものを連結流し部材40Xという。
【0074】
そして、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて4か所に設けた連結流し部材40Xに掛け渡し、作業床を構成する足場材80は、アルミ合金製の足場板であり、連結流し部材40Xに対して固定することとなる。
【0075】
なお、後述する仮足場材設置工程(ステップs7)では、組立途中において、もっとも先端側の短型流し材60に対して、足場材80より軽量な足場ネットで構成する仮足場材81(
図9(b)において破線で図示)を設置することとなる。
【0076】
このように、各要素が構成された吊り足場1は、流し部材40の長さに対応する間隔を隔てて梁120に支持金具20を複数設置するとともに、上部工110の側壁140から吊りチェーン30を橋軸方向Lに対応する間隔で複数吊り下げ、梁120に設置された支持金具20の支持部本体21に受け材10の内側端部11aを装着するとともに、受け部材本体11の吊下げ金具13を吊りチェーン30で吊り下げ、高架橋100に対して、橋軸方向Lに所定間隔を隔てて複数の受け材10を設置する。そして、橋軸方向Lに所定間隔を隔てて設置された複数の受け材10を跨ぐように、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて複数の連結流し部材40Xを設置するとともに、設置された複数の連結流し部材40Xを跨ぐように足場材80が設置されている。
【0077】
続いて、吊り足場1の組立方法について、
図6、
図7、及び
図9乃至
図11とともに説明する。なお、吊り足場1の組立方法の説明の前に、吊り足場1の組立に用いる吊り治具90について説明する。
【0078】
吊り治具90は、
図8に示すように、後述する受け材設置工程(ステップs9)において、受け材10を吊り下げるための治具であり、支柱91の上方に設けられたハンドル92,93と、支柱91の下端に設けられたフック部94,95とを有している。なお、吊り治具90は金属製パイプで構成している。
【0079】
支柱91の上方に設けたハンドル92,93は、作業者が把持するためのものであり、支柱91より直交する方向の両側に延びており、上端に設けた上ハンドル92と、上ハンドル92の下方に設けた下ハンドル93とがある。
【0080】
支柱91の下端に設けたフック部94,95は、吊り下げる受け材10を支持する部分であり、ハンドル92,93の延びる方向に直交する方向の両側に設けている。
ハンドル92,93の延びる方向に直交する方向の一方側に設けられた角形フック94は、内側に受け材10を配置できる側面視角形U字状に形成されている。
【0081】
ハンドル92,93の延びる方向に直交する方向の他方側に設けられた傾斜フック95は、支柱91に対向する部分が傾斜する凹状に形成している。
このように構成した吊り治具90は、角形フック94か傾斜フック95の一方に受け材10を配置し、作業者が把持しやすい高さのハンドル92,93を把持することで、受け材10を吊り上げたり、受け材10を吊り下げたりすることができる。なお、このとき、受け材10の長手方向に対して適宜の間隔を隔てた少なくとも2箇所を吊り治具90で吊り下げる。
【0082】
具体的には、足場材80より下方となる所定位置(内側端部11aが支持部本体21に収容され、吊りチェーン30によって吊下げ金具13が吊り下げられた位置)に受け材10を設置するためには、
図8(b)に示すように、足場材80の上で傾斜フック95に受け材10を配置するようにセットし、下ハンドル93で吊り上げ、所定位置まで移動させる際に上ハンドル92に持ち替えることで、下方の所定位置まで受け材10を吊り下げて安全に設置することができる。
【0083】
そして、傾斜フック95において支柱91に対向する部分が傾斜しているため、所定位置に受け材10を設置した後、受け材10から傾斜フック95を外して吊り治具90を容易に回収することができる。
【0084】
逆に、吊り足場1の解体等において、所定位置に設置された受け材10を撤去して回収するためには、角形フック94の内部に受け材10が収まるようにして、足場材80の上から上ハンドル92を把持した作業者によって引き上げることで、角形フック94の内部から受け材10が不用意に落下することなく、足場材80上まで引き上げて回収することができる。
【0085】
このような吊り治具90を受け材設置工程(ステップs9)で用いる吊り足場1の組立方法について説明する。
吊り足場1を組み立てるにあたって、まず準備工(ステップs1)を行う。
【0086】
具体的には、準備工(ステップs1)では、
図6に示すように、梁120に基本流し部材40Aを支持するための支持金具20を2か所に取り付けるとともに、受け材10の本数に応じた数の吊りチェーン30を設置し、基本流し部材40Aを支持する2本の受け材10を設置する。
【0087】
なお、受け材10の設置では、受け材10の内側端部11aを梁120に取り付けた支持金具20の支持部本体21にセットし、クランプ24で規制する。さらに、受け材10に設けた吊下げ金具13を側壁140から吊り下げた吊りチェーン30で吊り下げる。そして、設置した2本の受け材10を跨ぐように、基本流し部材40Aを設置する。
【0088】
なお、本実施形態では、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて4本の基本流し部材40Aを設置する。また、準備工程(ステップs1)では、基本流し部材40Aを支持する2本の受け材10に用いる吊りチェーン30を設置すれば、その日に施工する分の吊りチェーン30を設置してもよいし、すべての吊りチェーン30を設置してもよいし、各受け材10を設置するたびに吊りチェーン30を設置するようにしてもよい。
【0089】
次に、
図9(a)に示すように、既に設置された基本流し部材40A(40)に対して長型流し材50を設置する(長型流し材設置工程(ステップs2))。なお、1回目の長型流し材設置工程(ステップs2)では、設置済みの基本流し部材40Aに対して長型流し材50を連結して設置するが、二回目以降の長型流し材設置工程(ステップs2)では、設置済みの流し部材40、つまり連結流し部材40Xに対して長型流し材50を連結して設置することとなる。そのため、
図9乃至
図11では、連結流し部材40Xに対して次の長型流し材50を連結して設置するように図示し、以降において基本流し部材40Aや設置済みの流し部材40とは書き分けず、基本流し部材40Aや設置済み流し部材40をまとめて連結流し部材40Xとして説明する。
【0090】
具体的には、連結流し部材40Xの組立先方側Lfの端部のヒンジプレート62(52A)の貫通孔64(54A)と、設置する長型流し材50の組立後方側Lbの後方貫通孔54bを位置合わせし、軸ボルト71を橋軸直角方向Wに挿通して連結し、長型流し材50を設置する。
【0091】
そして、設置した長型流し材50を跨ぐように足場材80を設置し(足場材設置工程(ステップs3))、
図9(b)に示すように、短型流し材60を設置する(短型流し材設置工程(ステップs4))。
具体的には、長型流し材50の組立先方側Lfの端部のヒンジプレート52の貫通孔54と、設置する短型流し材60の組立後方側Lbの後方貫通孔64bを位置合わせし、軸ボルト71を橋軸直角方向Wに挿通して連結し、短型流し材60を設置して流し部材40を構成する。
【0092】
なお、短型流し材設置工程(ステップs4)では、足場材設置工程(ステップs3)で設置した足場材80上で作業できるため、長型流し材50に対して短型流し材60を安全に連結して設置することができる。このように、長型流し材50に連結して短型流し材60を設置して構成した流し部材40は、連結流し部材40Xの組立先方側Lfを支持する受け材10から、組立先方側Lfに張り出すこととなる。
【0093】
短型流し材設置工程(ステップs4)で設置した短型流し材60を跨ぐように、足場材80より軽量な足場ネットで構成する仮足場材81を設置する(仮足場材設置工程(ステップs5))。そうすると、設置済みの支持金具20から張り出す流し部材40を跨ぐように足場材80及び仮足場材81によって張出し作業床Awを構成することができる。
【0094】
そして、次に設置する受け材10を支持する支持金具20を設置する(支持金具設置工程(ステップs6))。
具体的には、設置した短型流し材60の側方となる梁120の所定位置に、張出し作業床Awから作業して、支持金具20を設置することができる。なお、支持部本体21で次の受け材10の内側端部11aを支持する支持金具20は、連結部23によって支持部本体21に連結された固定部22が足場材80より上方となるため、張出し作業床Awから安全かつ効率よく支持金具20を梁120に取り付けることができる。
【0095】
支持金具20を梁120に取り付けた後、短型流し材60に対して設置した仮足場材81を撤去し(仮足場材撤去工程(ステップs7))、
図10(a)に示すように、回避位置Paとなるよう短型流し材60を上方向Hu及び組立後方側Lbに向かって枢動する(短型流し材回避工程(ステップs8))。
【0096】
図10(a)に示すように、短型流し材60が枢動して回避位置Paになると、支持金具設置工程(ステップs6)で設置した支持金具20の支持部本体21が下方向Hdに現れることとなる。そして、
図6及び
図10(a)に示すように、足場材80の上に次に設置する受け材10を載置し、上述の吊り治具90を用いて、足場材80の上から下方向Hdの所定位置に受け材10を設置する(受け材設置工程(ステップs9))。
【0097】
具体的には、受け部材本体11に設けた吊下げ金具13に吊りチェーン30を連結した状態で、吊り治具90を用いて足場材80の上から回避位置Paの短型流し材60を超えて受け材10を吊り降ろし、受け材10の内側端部11aを支持金具20の支持部本体21に上方向Huから挿入し、クランプ24で固定することで、受け材10を所定位置に設置することができる。
【0098】
そして、回避位置Paの短型流し材60を組立先方側Lf及び下方向Hdに向かって、長型流し材50に対して短型流し材60が直線状となるように枢動する(短型流し材復元工程(ステップs10)、
図11(a))。このとき、短型流し材60は、受け材設置工程(ステップs9)で設置した受け材10に設置されることとなり、受け材10に設置された短型流し材60に対して、足場材80を設置する(足場材設置工程(ステップs11))。
【0099】
このようにして、連結流し部材40Xに対して、長型流し材50と短型流し材60とで構成する流し部材40を連結して、吊り足場1の組立を組立先方側Lfに向かって進めるが、流し部材40の連結が完了していない場合(ステップs12:No)は、
図11(b)に示すように、長型流し材設置工程(ステップs2)に戻って、連結流し部材40Xに対して次の流し部材40を構成する長型流し材50を連結する。そして、すべての流し部材40が連結完了するまで(ステップs12:Yes)これを繰り返して、吊り足場1の組立が完了する。
なお、このように組み立てた吊り足場1は、上記工程を逆順で行うことで解体することができる。
【0100】
上述のように、橋軸方向Lに延設された梁120より、橋軸直角方向Wに張り出す張出し床版部130を有する高架橋100に設置する吊り足場1は、橋軸方向Lに所定間隔を隔てて配置し、橋軸直角方向Wに沿う複数の受け材10と、受け材10の梁120側の端部である内側端部11aを梁120から支持する支持金具20と、受け材10の橋軸直角方向外側Woを張出し床版部130から吊り下げ支持する吊りチェーン30と、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて配置し、橋軸方向Lに沿い、受け材10を跨いで配置される複数の流し部材40と、流し部材40を跨いで配置する足場材80とが備えられている。そして、流し部材40は、流し部材40の長さの半分以上の長さで形成された長型流し材50と、長型流し材50より組立方向の先端側となる組立先方側Lfに配置される短型流し材60と、長型流し材50の組立先方側Lfに対して短型流し材60を枢動可能に連結する枢動連結部70とを有する。
【0101】
また、梁120より橋軸直角方向Wに張り出す張出し床版部130を有する高架橋100に設置する吊り足場1の組立方法は、梁120に固定された支持金具20によって梁120側の端部である内側端部11aが支持され、張出し床版部130から吊り下げられた吊りチェーン30によって橋軸直角方向外側Woが吊り下げ支持された、橋軸方向Lに所定間隔を隔てた2本の受け材10を掛け渡すように、受け材10を跨いで配置された、橋軸方向Lに沿い、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて配置された複数の流し部材40を跨いで足場材80を配置し、流し部材40の組立先方側Lfに、短型流し材60とともに流し部材40を構成し、流し部材40の長さの半分以上の長さで形成された長型流し材50を連結する長型流し材設置工程(ステップs2)と、連結された複数の長型流し材50を跨いで足場材80を配置する足場材設置工程(ステップs3)と、長型流し材50の先端側に短型流し材60を枢動可能に連結する短型流し材設置工程(ステップs4)と、連結された複数の短型流し材60を跨いで足場材80を配置する仮足場材設置工程(ステップs5)と、先端側において次の受け材10の内側端部11aを支持する支持金具20を梁120に取り付ける支持金具設置工程(ステップs6)と、長型流し材50の先端側に枢動可能に連結された短型流し材60を回避位置Paに枢動する短型流し材回避工程(ステップs8)と、取り付けられた支持金具20と予め設けられた吊りチェーン30で支持するように次の受け材10を設置する受け材設置工程(ステップs9)と、回避位置Paに枢動させた短型流し材60を元の位置に枢動する短型流し材復元工程(ステップs10)とを行う。
【0102】
そのため、吊り足場1の組立の作業効率も作業性も向上することができる。
詳述すると、橋軸方向Lに延設された梁120より橋軸直角方向Wに張り出す張出し床版部130を有する高架橋100に設置する吊り足場1は、橋軸方向Lに所定間隔を隔てて配置し、橋軸直角方向Wに沿う複数の受け材10と、受け材10の内側端部11aを梁120から支持する支持金具20と、受け材10の橋軸直角方向外側Woを張出し床版部130から吊り下げ支持する吊りチェーン30と、橋軸直角方向Wに所定間隔を隔てて配置し、橋軸方向Lに沿い、受け材10を跨いで配置される複数の流し部材40と、流し部材40を跨いで配置する足場材80とが備えられているため、鋼管パイプをクランプで締結して組み立てる従来の足場に比べて、作業効率を向上することができる。
【0103】
また、流し部材40は、流し部材40の長さの半分以上の長さで形成された長型流し材50と、長型流し材50より組立先方側Lfに配置される短型流し材60とで構成しているため、一本物の流し部材40を用いて組み立てる場合に比べて、部材長さが短くなり作業性を向上することができる。
【0104】
さらに、配置済みの流し部材40(40X)に対して長型流し材50と短型流し材60とを連結すると、連結した長型流し材50と短型流し材60とは受け材10より、組立先方側Lfに張り出す態様となる。
【0105】
受け材10より組立先方側Lfに張り出す長型流し材50及び短型流し材60を跨いで足場材80を設置することで、配置済みの受け材10より先端側に張出し作業床Awを構成することができる。長型流し材50と短型流し材60とで構成した張出し作業床Awから、次の受け材10の内側端部11aを支持する支持金具20を梁120に取り付けることができる。
【0106】
さらに、長型流し材50に対して短型流し材60を枢動連結部70によって回避位置Paに枢動させた状態で、取り付けた支持金具20で受け材10の内側端部11aを支持し、吊りチェーン30で受け材10の橋軸直角方向外側Woを吊り下げ支持することで、次の受け材10を設置することができる。
【0107】
このように、本発明の吊り足場1は、従来の足場のように、高所作業車等を用いて高所の梁120に支持部本体21をあらかじめ橋軸方向Lに所定間隔を隔てて設置する必要がなく、作業効率を向上することができる。
【0108】
また、受け材10及び流し部材40は、矩形断面に形成されているため、複数の受け材10を跨いで流し部材40を配置した状態及び複数の流し部材40を跨いで足場材80,81を配置した状態を安定させることができる。
【0109】
また、枢動連結部70は、短型流し材60が長型流し材50の上面側に向かって枢動する、橋軸直角方向Wに沿う軸ボルト71が設けられているため、回避位置Paの短型流し材60を離れた位置からも目視で確認できるため、安全に作業を行うことができる。
【0110】
また、長型流し材50の先端側の端部の上部に、切り欠き51を設けるとともに、切り欠き51の組立先方側Lfに軸ボルト71を配置するように支持するヒンジプレート52が設けられている。そのため、矩形断面の流し部材40の上面に枢動連結部70が突出することがなく、枢動連結部70が足場材80など他の部材と干渉することを防止できる。
【0111】
また、切り欠き51に枢動した短型流し材60の基端部の一部が侵入するため、長型流し材50に対する短型流し材60の枢動角度が大きくなり、回避位置Paにある短型流し材60の長型流し材50の上面から突出する高さを低くすることができる。
【0112】
また、支持金具20は、受け材10の内側端部11aを支持する支持部本体21と、梁120に固定する固定部22と、支持部本体21と固定部22とを連結する連結部23とを有し、連結部23は、支持部本体21で受け材10の内側端部11aを支持した支持状態において固定部22が足場材80より上方に位置する長さで形成している。
【0113】
そのため、長型流し材50と短型流し材60とで構成した張出し作業床Awから支持金具20を梁120材に取り付ける際に、固定部22が張出し作業床Awの足場材80より上方に位置するため、安全かつ作業性高く、高い作業効率で固定部22を梁120に固定でき、梁120に支持金具20を取り付けることができる。
【0114】
また、支持部本体21は、受け材10の内側端部11aにおける底面を支持する底板部211と、受け材10の内側端部11aにおける橋軸方向Lの両側面を規制する側板部212とで凹状に形成されている。
【0115】
そのため、張出し作業床Awより下方に位置する支持部本体21に対して、凹状の上部から受け材10を降ろして、支持部本体21に受け材10の内側端部11aを配置し、受け材10の内側端部11aを支持金具20で支持することができる。
【0116】
また、凹状に形成された支持部本体21からの受け材10の内側端部11aの抜け出しを規制するクランプ24が設けられているため、支持金具20で支持された受け材10の内側端部11aが凹状の支持部本体21から不用意に抜け出すことを防止でき、確実に受け材10の内側端部11aを支持金具20で支持することができる。
【0117】
また、受け材10に、上面側に配置される流し部材40の橋軸直角方向Wの位置を規制するガイド12が設けられているため、橋軸直角方向Wの所定位置に流し部材40を設けることができる。
また、ガイド12は受け材10を跨いで配置する流し部材40を設置する際のガイドとして機能するため、流し部材40の設置作業における作業効率を向上することができる。
【0118】
また、受け材設置工程(ステップs9)において、先端側の下方となる所定位置に受け材10を配置する吊り治具90を用い、回避位置Paにある短型流し材60を超えて、所定位置に受け材10を配置するため、長型流し材50と短型流し材60とで構成する張出し作業床Awから、回避位置Paにある短型流し材60を超えて下方となる所定位置に次の受け材10を、安全かつ高い作業効率で設置することができる。
【0119】
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、本発明の橋軸方向は橋軸方向Lに対応し、
以下同様に、
梁部は梁120に対応し、
張出し方向は橋軸直角方向Wに対応し、
張出し方向の外側は橋軸直角方向外側Woに対応し、
張出し床版部は張出し床版部130に対応し、
高架橋は高架橋100に対応し、
吊り足場は吊り足場1に対応し、
受け部材は受け材10に対応し、
梁部側端部は内側端部11aに対応し、
支持部材は支持金具20に対応し、
吊下部材は吊りチェーン30に対応し、
流し部材は流し部材40に対応し、
足場材は足場材80に対応し、
長型流し部材は長型流し材50に対応し、
組立先方側は組立先方側Lfに対応し、
短型流し部材は短型流し材60に対応し、
枢動連結部は枢動連結部70に対応し、
枢動軸は軸ボルト71に対応し、
切り欠き部は切り欠き51に対応し、
軸支持部本体はヒンジプレート52に対応し、
支持部本体は支持部本体21に対応し、
固定部は固定部22に対応し、
連結部は連結部23に対応し、
底部は底板部211に対応し、
側部は側板部212に対応し、
抜出し規制部はクランプ24に対応し、
位置規制部はガイド12に対応し、
配置治具は吊り治具90に対応し、
長型流し部材連結工程は長型流し材設置工程(ステップs2)に対応し、
第1足場材配置工程は足場材設置工程(ステップs3)に対応し、
短型流し部材連結工程は短型流し材設置工程(ステップs4)に対応し、
第2足場材配置工程は仮足場材設置工程(ステップs5)に対応し、
支持部材取付工程は支持金具設置工程(ステップs6)に対応し、
回避位置は回避位置Paに対応し、
短型流し部材回避工程は短型流し材回避工程(ステップs8)に対応し、
受け部材設置工程は受け材設置工程(ステップs9)に対応し、
短型流し部材復元工程は短型流し材復元工程(ステップs10)に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
【0120】
例えば、上述の説明においては、長型流し材50に対して、橋軸直角方向Wの軸ボルト71によって上方向Hu及び組立後方側Lbに向かって短型流し材60を枢動させたが、鉛直方向の軸ボルトによって橋軸直角方向Wに枢動させてもよいし、あるいは橋軸直角方向W及び高さ方向Hに交差する方向の軸ボルトによって高さ方向H及び橋軸直角方向Wに対して交差する傾斜方向に枢動させてもよい。
【0121】
上記足場材80は、アルミ合金製の足場板であったが、木製の足場板、デッキプレート、あるいはパネル材など適宜の強度を有し、敷設することで足場の組立や施工などの作業床、あるいは施工用足場のベースとなりえる部材を用いてもよい。
また、受け材10の橋軸直角方向内側Wiの吊下げ金具13を吊りチェーン30で吊り下げたが、棒鋼やナイロンスリング等を用いて吊り下げてもよい。
【0122】
また、上述の説明では、吊りチェーン30は、梁120の側部に上端を固定し、下端に設けた係止金具を吊下げ金具13に係止して、受け材10を吊下げたが、吊りチェーン30の上端を、梁120の側壁140に設けた固定クランプ141に固定して受け材10を吊下げてもよい。
【符号の説明】
【0123】
1…吊り足場
10…受け材
11a…内側端部
12…ガイド
20…支持金具
21…支持部本体
22…固定部
24…クランプ
30…吊りチェーン
40…流し部材
50…長型流し材
51…切り欠き
52…ヒンジプレート
60…短型流し材
70…枢動連結部
71…軸ボルト
80…足場材
90…吊り治具
100…高架橋
120…梁
130…張出し床版部
211…底板部
212…側板部
L…橋軸方向
Lf…組立先方側
Pa…回避位置
W…橋軸直角方向
Wo…橋軸直角方向外側
ステップs2…長型流し材設置工程
ステップs3…足場材設置工程
ステップs4…短型流し材設置工程
ステップs5…仮足場材設置工程
ステップs6…支持金具設置工程
ステップs8…短型流し材回避工程
ステップs9…受け材設置工程
ステップs10…短型流し材復元工程