(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012245
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】イチゴ狩り管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240123BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114441
(22)【出願日】2022-07-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年12月26日に愛知県長久手市の地域ポータルサイト「ながコミュ」の取材を受けて発明の内容を公開し、後日ウェブサイトにて公開 https://naga-commu.com/2022/01/07/smileberrys-2/ 〔刊行物等〕 令和4年1月8日にウェブサイト https://smileberries.jp/ https://smileberries.jp/picking https://smileberries.jp/wp-content/themes/sbtheme/system.pdfにて発表 〔刊行物等〕 令和4年1月8日に「すまいるベリーズ長久手」にて、発明の内容を公開
(71)【出願人】
【識別番号】522286975
【氏名又は名称】柴田 竜伺
(74)【代理人】
【識別番号】100165331
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 智昭
(72)【発明者】
【氏名】柴田 竜伺
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】時間の制限を受けずにゆっくりとイチゴ狩りを楽しめるイチゴ狩り管理システムを提供する。
【解決手段】イチゴ農園で提供するイチゴ狩りのサービスを管理するイチゴ狩り管理システムであって、前記イチゴ農園に入場する入場者グループごとに、採取したイチゴを収容するイチゴ容器の数を記憶する容器数記憶部と、前記イチゴ容器1つ当たりの容器料単価を記憶する単価記憶部と、前記入場者グループのイチゴ狩りの料金を計算する料金計算部と、を備え、前記料金計算部は、対象とする入場者グループに紐づく前記イチゴ容器の数と前記容器料単価に基づいて、イチゴ狩り料金を計算することを特徴とする、イチゴ狩り管理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イチゴ農園で提供するイチゴ狩りのサービスを管理するイチゴ狩り管理システムであって、
前記イチゴ農園に入場する入場者グループごとに、採取したイチゴを収容するイチゴ容器の数を記憶する容器数記憶部と、
前記イチゴ容器1つ当たりの容器料単価を記憶する単価記憶部と、
前記入場者グループのイチゴ狩りの料金を計算する料金計算部と、を備え、
前記料金計算部は、対象とする入場者グループに紐づくイチゴ容器の数と前記容器料単価に基づいて、イチゴ狩り料金を計算することを特徴とする、
イチゴ狩り管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のイチゴ狩り管理システムにおいて、
前記入場者グループごとの予約を受け付ける予約管理部を有し、
前記予約管理部は、受け付けたイチゴ狩りの予約情報に基づいて、前記入場者グループごとに使用するイチゴ容器の数を前記容器数記憶部に記憶させることを特徴とする、
イチゴ狩り管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載のイチゴ狩り管理システムにおいて、
前記入場者グループの人数を記憶する入場者数記憶部を有し、
前記単価記憶部は、前記イチゴ農園に入場する際の一人当たりの入場料単価を記憶し、
前記料金計算部は、
対象とする入場者グループの人数および入場料単価から計算される入場料総額と、対象とする入場者グループに紐づくイチゴ容器の数および容器料単価から計算されるイチゴ容器総額とを合算することで、対象とする入場者グループのイチゴ狩り料金を計算することを特徴とする、
イチゴ狩り管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載のイチゴ狩り管理システムにおいて、
前記入場者グループごとの予約を受け付ける予約管理部を有し、
前記予約管理部は、受け付けたイチゴ狩りの予約情報に基づいて、
前記入場者グループごとに使用するイチゴ容器の数を前記容器数記憶部に記憶させるとともに、
前記入場者グループごとの人数を前記入場者数記憶部に記憶させることを特徴とする、
イチゴ狩り管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イチゴ農園で提供するイチゴ狩りのサービスを管理するイチゴ狩り管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イチゴ農園で提供されるイチゴ狩りは、限られた時間内で自由に採取し、採取したその場で時間内に食べ終える方法が採用されてきた。一般的に、顧客は経過時間や残り時間を正確に知ることができないため、飲食時間が制限される飲食商品を選択した場合には、ゆっくりと落ち着いて食事を楽しむことが難しくなる。そこで、特許文献1では、飲食商品オーダー装置に経過時間または残存時間を表示する時間表示手段を設ける技術が開示されている。しかし、顧客がイチゴ農園を訪れて、イチゴ狩りを楽しむ際には、時間の制限を受けずにゆっくりとイチゴ農園の雰囲気を感じたり、イチゴを片手に友達同士の会話を楽しんだりすることを望む場合が多くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客がイチゴ農園を訪れて、イチゴ狩りをする際に、時間の制限を受けると、食べることだけに集中してしまい、イチゴ狩りの時間をゆっくりと楽しむことができなくなってしまうという課題が生じる。また、時間制限を設けずにイチゴ狩りを提供する場合は、どの程度のイチゴが採取されるか予測が難しく、イチゴ農園を運営する上で料金設定が困難となる。本件発明の目的は、かかる課題を解決し、時間制限を受けることなく、ゆっくりとイチゴ狩りを満喫することができ、同時に採取されるイチゴの量を予測しやすくなる、イチゴ狩り管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
[第1形態]第1形態のイチゴ狩り管理システムは、イチゴ農園で提供するイチゴ狩りのサービスを管理するイチゴ狩り管理システムであって、前記イチゴ農園に入場する入場者グループごとに、採取したイチゴを収容するイチゴ容器の数を記憶する容器数記憶部と、前記イチゴ容器1つ当たりの容器料単価を記憶する単価記憶部と、前記入場者グループのイチゴ狩りの料金を計算する料金計算部とを備え、前記料金計算部は、対象とする入場者グループに紐づく前記イチゴ容器の数と前記容器料単価に基づいて、イチゴ狩り料金を計算することを特徴とする。
第1形態のイチゴ狩り管理システムによれば、入場者グループに紐づくイチゴ容器の数と容器料単価に基づいてイチゴ狩り料金を計算するため、イチゴ狩りに制限時間を設ける必要がなく、顧客は経過時間や残り時間を気にすることなく、イチゴ狩りを満喫することが可能となる。
【0007】
[第2形態]上記第1形態のイチゴ狩り管理システムは、前記入場者グループごとの予約を受け付ける予約管理部を有し、前記予約管理部は、受け付けたイチゴ狩りの予約情報に基づいて、前記入場者グループごとに使用する前記イチゴ容器の数を前記容器数記憶部に記憶させる構成にしてもよい。
第2形態のイチゴ狩り管理システムによれば、予約管理部が受け付けたイチゴ狩りの予約情報に基づいて、入場者グループごとに使用するイチゴ容器の数を容器数記憶部に記憶させるため、予約情報から確実にイチゴ狩り料金を計算することが可能となる。また、予約の状況を踏まえて、提供するイチゴの量をコントロールしやすくなり、或いは、提供できるイチゴの量を踏まえて、予約数をコントロールしやすくなる。
【0008】
[第3形態]上記第1のイチゴ狩り管理システムにおいて、前記入場者グループの人数を記憶する入場者数記憶部を有し、前記単価記憶部は、前記イチゴ農園に入場する際の一人当たりの入場料単価を記憶し、前記料金計算部は、対象とする入場者グループの人数および入場料単価から計算される入場料総額と、対象とする入場者グループに紐づくイチゴ容器の数および容器料単価から計算されるイチゴ容器総額とを合算することで、対象とする入場者グループのイチゴ狩り料金を計算する構成にしてもよい。
第3形態のイチゴ狩り管理システムによれば、入場料総額とイチゴ容器総額とを合算することでイチゴ狩り料金を計算するため、入場する人数に応じた料金と、イチゴ容器数に応じた料金を独立して算出することが可能となり、柔軟なイチゴ狩り料金の設計が可能となる。
【0009】
[第4形態]上記第3形態のイチゴ狩り管理システムは、前記入場者グループごとの予約を受け付ける予約管理部を有し、前記予約管理部は、受け付けたイチゴ狩りの予約情報に基づいて、前記入場者グループごとに使用するイチゴ容器の数を前記容器数記憶部に記憶させるとともに、前記入場者グループごとの人数を前記入場者数記憶部に記憶させる構成にしてもよい。
第4形態のイチゴ狩り管理システムによれば、予約管理部が受け付けたイチゴ狩りの予約情報に基づいて、入場者グループごとのイチゴ容器の数を容器数記憶部に記憶させ、入場者グループごとの人数を入場者数記憶部に記憶させるため、予約情報から確実にイチゴ狩り料金の計算が可能となる。
【0010】
本発明は、イチゴ狩り管理システム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、イチゴ狩り管理装置やイチゴ狩り料金計算装置において用いられるアルゴリズムの形態として実現することができる。また、プログラムを記録した記録媒体等の形態として実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態のイチゴ狩り管理システムを示す概略図。
【
図2】第2実施形態のイチゴ狩り管理システムを示す概略図。
【
図3】イチゴ狩りを行う際の流れを示すフローチャート。
【0012】
1.第1実施形態:
図1は、第1実施形態におけるイチゴ狩り管理システムを示す概略図である。イチゴ狩り管理システム10は、顧客からイチゴ狩りの予約を受け付ける予約管理部20を有する。予約の受け付けにおいては、入場者グループが使用するイチゴ容器の数を取得し、予約管理部20は入場者グループごとに使用するイチゴ容器の数を容器数記憶部40に記憶する。
【0013】
ここで、入場者グループとは、イチゴ狩りの料金を決める入場者の単位であり、使うイチゴ容器の数とは必ずしも一致しない。すなわち、1人の入場者グループで1つのイチゴ容器を使うケース、1人の入場者グループで複数のイチゴ容器を使うケース、複数人の入場者グループで1つのイチゴ容器を使うケース、複数人の入場者グループで、複数のイチゴ容器を使うケースが想定される。
【0014】
イチゴ狩り管理システム10は、入場者グループのイチゴ狩りの料金を計算する料金計算部30を備えている。料金計算部30は、容器数記憶部40から対象とする入場者グループが使うイチゴ容器の数を取得するとともに、別途準備してある単価記憶部50に記憶されている容器料単価とを取得することで、対象とする入場者グループのイチゴ狩り料金を計算することができる。ここで容器料単価とは、何人で食べるかは関係なく、採取したイチゴを収容するイチゴ容器一つあたりの料金を意味する。料金計算部30における具体的な計算方法は様々なパターンがあり、イチゴ容器の数と容器料単価を単純に乗算する方法のみでなく、曜日や時間帯に応じた係数をかける方法や、顧客の年齢に応じた係数をかける方法、一定の固定料金に人数やイチゴ容器の数に応じた変動料金を足し合わせる方法なども採用し得る。
【0015】
顧客は、料金計算部30で計算された料金を支払うことで、イチゴ容器を取得し、当該イチゴ容器いっぱいまでイチゴを採取して、制限時間を気にすることなく食べることができる。ただし、イチゴ容器へのイチゴ採取の回数は無制限ではなく、例えばイチゴ容器1つ当たり1回に制限することができる。このようなシステムを採用することにより、顧客は制限時間内に急いでイチゴを食べる必要がなく、ゆっくりと時間をかけて、イチゴ農園内に設置された椅子に座り、入場者グループメンバーでの会話を楽しむことが可能となる。また、顧客が1人でイチゴ農園に入場する場合でも、たくさん食べたい場合は複数のイチゴ容器をオーダーすることが可能であり、顧客の細かなニーズに的確に応えることができる。
【0016】
2.第2実施形態:
図2は、第2実施形態におけるイチゴ狩り管理システムを示す概略図である。イチゴ狩り管理システム10は、顧客からイチゴ狩りの予約を受け付ける予約管理部20を有する。予約の受け付けにおいては、入場者グループが使用するイチゴ容器の数に加えて、入場者グループの人数も取得し、予約管理部20は取得したイチゴ容器の数を容器数記憶部40に、入場者グループの人数を入場者数記憶部60に記憶する。
【0017】
料金計算部30は、容器数記憶部40から対象とする入場者グループが使うイチゴ容器の数を取得するとともに、別途準備してある単価記憶部50に記憶されている容器料単価とを取得する。また、入場者数記憶部60から対象とする入場者グループの人数を取得するとともに、別途準備してある単価記憶部50に記憶されている入場料単価とを取得する。ここで、入場料単価は、イチゴ狩りを行うか否かに関係なく、イチゴ農園に入場する際に必要となる入場者1人当たりの入場料である。
【0018】
料金計算部30は、対象とする入場者グループの人数および入場料単価から計算される入場料総額と、対象とする入場者グループが使用するイチゴ容器の数および容器料単価から計算されるイチゴ容器総額とを合算することで、対象とする入場者グループのイチゴ狩り料金を計算する。
【0019】
図3にイチゴ狩りを行う際の流れを示す。ステップS1では、顧客がイチゴ農園に訪れた際に、予約管理システム20を用いて予約内容を取得し、入場者グループを特定する。次に、ステップS2において、入場者グループの人数と、当該入場者グループが使うイチゴ容器の数の確認を行い、料金計算部30で計算された料金をステップS3で支払う。料金の支払いを終えると、顧客はステップS4でイチゴ容器であるバスケットを持ち、イチゴ農園に入場する。ステップS5では、バスケットを持っている入場者は1回に限りバスケットいっぱいまでのイチゴを採取することができ、採取したイチゴは、ステップS6で飲食スペースに移動して、時間の制限なくゆっくりと楽しみながら食べることができる。
【0020】
このようなシステムを採用することにより、イチゴ農園に入場して楽しみたいものの、入場者全員分のイチゴ狩りまでは不要と考える顧客に対しても、入場料のみで楽しい時間を提供することが可能となる。また、親子の入場者グループでは、親は入場のみとし、子どもにイチゴ容器であるバスケットを持たせてイチゴ狩りを楽しむことも可能となる。
【0021】
また、従来のイチゴ狩りでは、大きなイチゴが優先的に採取され、小さいイチゴは取り残されてフードロスになる課題があったが、本システムを採用することで、イチゴを所定形状のバスケットに隙間なく詰め込むモチベーションが働くため、大きなイチゴと小さいイチゴがバランスよく採取され、結果としてフードロスの削減に寄与することも可能である。
【0022】
第1及び第2の実施形態で説明したとおり、本件発明にかかるイチゴ狩り管理システムを採用するイチゴ農園には、イチゴ容器を持たない(すなわち、イチゴ狩りをしない)入場者が存在することから、イチゴ狩りをするか否かにかかわらず、イチゴ農園の雰囲気や仲間同士での会話を楽しむことができる空間作りが求められる。そのため、
図4のイチゴ農園の俯瞰図に示すとおり、イチゴ農園90には、イチゴ栽培棚70が並ぶのみでなく、採取したイチゴを食べるための飲食スペース80が複数設けられている。
【符号の説明】
【0023】
10…イチゴ狩り管理システム、20…予約管理部、30…料金計算部、40…容器数記憶部、50…単価記憶部、60…入場者数記憶部、70…イチゴ栽培棚、80…飲食スペース、90…イチゴ農園