(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122456
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法及び蓄電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240902BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20240902BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240902BHJP
H04L 43/026 20220101ALI20240902BHJP
H04L 69/08 20220101ALI20240902BHJP
H04L 69/22 20220101ALI20240902BHJP
【FI】
H02J7/00 A
H02J7/00 302C
H02J7/02 F
H02J7/00 U
H01M10/48 P
H04L43/026
H04L69/08
H04L69/22
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030007
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】畠山 征也
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA17
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】複数の蓄電池の状態についての情報とCAN IDとを含むCANのデータフレームが蓄電池側からCANを通じて状態監視装置側に送信される蓄電システムにおいて、複数の蓄電池の状態についての情報を状態監視装置が取得できるようにする。
【解決手段】通信装置100は、CANのデータフレームに含まれるCAN IDを、バッテリB1の状態情報とバッテリとを識別するためのBMS IDに変換するCAN ID変換装置101-1を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電池と、複数の前記蓄電池の状態を監視する状態監視装置とを備える蓄電システムに設けられ、CAN(Controller Area Network)を通じて、前記蓄電池の状態についての情報である状態情報と、前記状態情報を識別するための第1CAN IDとを、前記蓄電池側から前記状態監視装置側に送信する通信装置であって、
前記第1CAN IDを、前記状態情報と前記蓄電池とを識別するための第1識別子に変換する変換部を備え、
前記変換部は、
前記蓄電池を識別するための蓄電池識別情報を有し、
前記蓄電池側から受信した前記第1CAN IDと、前記蓄電池識別情報とに基づいて、前記第1識別子を生成する第1生成処理と、
前記蓄電池識別情報と、前記第1生成処理で生成された前記第1識別子と、前記蓄電池側から受信した前記第1CAN ID及び前記状態情報とに基づいて、前記蓄電池識別情報と前記第1識別子と前記状態情報との関係を示し前記状態監視装置により参照される第1参照情報を生成する第2生成処理と、
前記第1CAN IDを前記第1識別子に変換する第1変換処理と
を実行する通信装置。
【請求項2】
前記蓄電池の制御についての情報である制御情報と、前記制御情報と前記蓄電池とを識別するための第2識別子とが、CANを通じて前記状態監視装置側から前記蓄電池側に送信され、
前記変換部は、
前記制御情報を識別するための第2CAN IDを前記蓄電池側から受信し、前記第2CAN IDと、前記蓄電池識別情報とに基づいて、前記第2識別子を生成する第3生成処理と、
前記蓄電池識別情報と、前記第3生成処理で生成された前記第2識別子と、前記蓄電池側から受信した前記第2CAN ID及び前記制御情報とに基づいて、前記蓄電池識別情報と前記第2識別子と前記制御情報との関係を示し前記状態監視装置により参照される第2参照情報を生成する第4生成処理と、
前記第2識別子を前記第2CAN IDに変換する第2変換処理と
を実行する請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
複数の蓄電池と、複数の前記蓄電池の状態を監視する状態監視装置とを備える蓄電システムにおいて、CANを通じて、前記蓄電池の状態についての情報である状態情報と、前記状態情報を識別するためのCAN IDとを、前記蓄電池側から前記状態監視装置側に送信する通信方法であって、
前記蓄電池側から受信した前記CAN IDと、前記蓄電池を識別するための蓄電池識別情報とに基づいて、前記状態情報と前記蓄電池とを識別するための識別子を生成する第1生成ステップと、
前記蓄電池識別情報と、前記第1生成ステップで生成された前記識別子と、前記蓄電池側から受信した前記CAN ID及び前記状態情報とに基づいて、前記蓄電池識別情報と前記識別子と前記状態情報との関係を示し前記状態監視装置により参照される参照情報を生成する第2生成ステップと、
前記CAN IDを前記識別子に変換する変換ステップと
を備える通信方法。
【請求項4】
複数の蓄電池と、
複数の前記蓄電池の状態を監視する状態監視装置と、
CANを通じて、前記蓄電池の状態についての情報である状態情報と、前記状態情報を識別するためのCAN IDとを、前記蓄電池側から前記状態監視装置側に送信する通信装置と
を備える蓄電システムであって、
前記通信装置は、前記CAN IDを、前記状態情報と前記蓄電池とを識別するための識別子に変換する変換部を備え、
前記変換部は、
前記蓄電池を識別するための蓄電池識別情報を有し、
前記蓄電池側から受信した前記CAN IDと、前記蓄電池識別情報とに基づいて、前記識別子を生成する第1生成処理と、
前記蓄電池識別情報と、前記第1生成処理で生成された前記識別子と、前記蓄電池側から受信した前記CAN ID及び前記状態情報とに基づいて、前記蓄電池識別情報と前記識別子と前記状態情報との関係を示し前記状態監視装置により参照される参照情報を生成する第2生成処理と、
前記CAN IDを前記識別子に変換する変換処理と
を実行する蓄電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法及び蓄電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池の状態についての情報(以下、状態情報という)を収集して電池を遠隔で監視するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムは、電圧センサ、電流センサ、温度センサ等の電池の状態を検出する各種センサと、センサの検出信号が入力されるコントローラと、コントローラに入力された電池の状態情報等を通信するための通信インターフェースとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車で使用された又は電気自動車向けで未使用の蓄電池と、当該蓄電池の状態情報をCAN(Controller Area Network)を通じて送信する電気自動車用のCAN通信部とを利用して蓄電システムを構成するケースを想定する。この想定において、複数の蓄電池及び複数のCAN通信部が同一の車種で使用されたもの又は同一の車種向けに用意されたものである場合、複数のCAN通信部から送信される同種のデータについてのCAN IDが重複する。例えば、ある蓄電池の電圧についてのCAN IDと他の蓄電池の電圧についてのCAN IDとが同一になる。そのため、CANのデータフレームがCANバスで衝突し、状態監視装置が、複数の蓄電池の状態情報を取得できない可能性がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、複数の蓄電池の状態情報とCAN IDとを含むCANのデータフレームが蓄電池側からCANを通じて状態監視装置側に送信される蓄電システムにおいて、複数の蓄電池の状態情報を状態監視装置が取得できるようにする通信装置、通信方法及び蓄電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信装置は、複数の蓄電池と、複数の前記蓄電池の状態を監視する状態監視装置とを備える蓄電システムに設けられ、CAN(Controller Area Network)を通じて、前記蓄電池の状態についての情報である状態情報と、前記状態情報を識別するための第1CAN IDとを、前記蓄電池側から前記状態監視装置側に送信する通信装置であって、前記第1CAN IDを、前記状態情報と前記蓄電池とを識別するための第1識別子に変換する変換部を備え、前記変換部は、前記蓄電池を識別するための蓄電池識別情報を有し、前記蓄電池側から受信した前記第1CAN IDと、前記蓄電池識別情報とに基づいて、前記第1識別子を生成する第1生成処理と、前記蓄電池識別情報と、前記第1生成処理で生成された前記第1識別子と、前記蓄電池側から受信した前記第1CAN ID及び前記状態情報とに基づいて、前記蓄電池識別情報と前記第1識別子と前記状態情報との関係を示し前記状態監視装置により参照される第1参照情報を生成する第2生成処理と、前記第1CAN IDを前記第1識別子に変換する第1変換処理とを実行する。
【0007】
本発明の通信方法は、複数の蓄電池と、複数の前記蓄電池の状態を監視する状態監視装置とを備える蓄電システムにおいて、CANを通じて、前記蓄電池の状態についての情報である状態情報と、前記状態情報を識別するためのCAN IDとを、前記蓄電池側から前記状態監視装置側に送信する通信方法であって、前記蓄電池側から受信した前記CAN IDと、前記蓄電池を識別するための蓄電池識別情報とに基づいて、前記状態情報と前記蓄電池とを識別するための識別子を生成する第1生成ステップと、前記蓄電池識別情報と、前記第1生成ステップで生成された前記識別子と、前記蓄電池側から受信した前記CAN ID及び前記状態情報とに基づいて、前記蓄電池識別情報と前記識別子と前記状態情報との関係を示し前記状態監視装置により参照される参照情報を生成する第2生成ステップと、前記CAN IDを前記識別子に変換する変換ステップとを備える。
【0008】
本発明の蓄電システムは、複数の蓄電池と、複数の前記蓄電池の状態を監視する状態監視装置と、CANを通じて、前記蓄電池の状態についての情報である状態情報と、前記状態情報を識別するためのCAN IDとを、前記蓄電池側から前記状態監視装置側に送信する通信装置とを備える蓄電システムであって、前記通信装置は、前記CAN IDを、前記状態情報と前記蓄電池とを識別するための識別子に変換する変換部を備え、前記変換部は、前記蓄電池を識別するための蓄電池識別情報を有し、前記蓄電池側から受信した前記CAN IDと、前記蓄電池識別情報とに基づいて、前記識別子を生成する第1生成処理と、前記蓄電池識別情報と、前記第1生成処理で生成された前記識別子と、前記蓄電池側から受信した前記CAN ID及び前記状態情報とに基づいて、前記蓄電池識別情報と前記識別子と前記状態情報との関係を示し前記状態監視装置により参照される参照情報を生成する第2生成処理と、前記CAN IDを前記識別子に変換する変換処理とを実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の蓄電池の状態情報とCAN IDとを含むCANのデータフレームが蓄電池側からCANを通じて状態監視装置側に送信される蓄電システムにおいて、複数の蓄電池の状態情報を状態監視装置が取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信装置を備える蓄電システムの回路の構成を示す回路図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す通信装置で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、バッテリ側から送信されるCANのデータフレームに含まれるCAN ID、及びデータの一例を示す表である。
【
図4】
図4は、
図2に示すCAN ID変換テーブルの一例を示す表である。
【
図5】
図5は、
図2に示すBMS IDテーブルの一例を示す表である。
【
図6】
図6は、CAN ID変換テーブルとBMS IDテーブルとを生成する手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、バッテリ側とBMS側との間の通信について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において実施形態を適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用される。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信装置100を備える蓄電システム1の回路の構成を示す回路図である。この図に示す蓄電システム1は、定置用又は車載用の電源であり、複数又は単数のストリングSTRと、電力変換器PCと、BMS(Battery Management System)10とを備える。ストリングSTRが複数の場合には、複数のストリングSTRは、並列に接続される。
【0013】
ストリングSTRは、直列に接続される複数のバッテリB1~Bnを備える。各バッテリB1~Bnは、直列に接続される複数のセルC1~Cnを備える。本実施形態のバッテリB1~Bnは、電気自動車で使用されて回収されたもの、又は電気自動車用に用意されて未使用のものである。そのため、バッテリB1~Bn間で劣化度に差がある場合がある。バッテリB1~Bnは、リチウムイオンバッテリ等であり、後述の電力変換器PCを通じて放電して不図示の外部系統に電力を供給する。外部系統は、負荷や発電機等を含む。蓄電システム1が定置用の場合には、家庭内の家電、商用電源系統等が負荷となり、太陽光発電システム等が発電機となる。他方で、蓄電システム1が車載用の場合には、駆動用モータ、エアコン、各種車載電装品等が負荷となる。なお、駆動用モータは負荷になり発電機にもなる。他方で、発電機により発電された電力が電力変換器PCを通じてバッテリB1~Bnに供給され、バッテリB1~Bnが充電される。
【0014】
ストリングSTRは、複数のバッテリモジュールBM1~BMnと、電流センサ14とを備える。各バッテリモジュールBM1~BMnは、バッテリB1~Bnと、バッテリECU(Electronic Control Unit)11と、セル保護IC(Integrated Circuit)12と、CANトランシーバIC13と、バイパスユニットBU1~BUnとを備える。バッテリB1~Bn、セル保護IC12、及びCANトランシーバIC13は、電気自動車で使用されて回収されたもの、又は電気自動車用に用意されて未使用のものである。
【0015】
バッテリECU11は、バッテリB1~Bnの状態の検知、バッテリB1~Bnの状態の判断、及びバイパスユニットBU1~BUnの制御等を行う。セル保護IC12は、セルC1~Cnの過充電、過放電、放電過電流、充電過電流の検出、短絡電流の検出及び遮断、断線の検出、セルC1~Cnの過充電状態、過放電状態からの復帰、セルC1~Cnのセルバランシング等を行う。
【0016】
バッテリECU11は、バッテリB1~Bnの状態についての情報(以下、バッテリ状態情報という)をCANトランシーバIC13に送信する。他方で、バッテリECU11は、バッテリB1~Bnの制御についての情報(以下、バッテリ制御情報という)をCANトランシーバIC13から受信する。バッテリECU11から送信されるバッテリ状態情報としては、SOC(State of Charge)等が挙げられる。また、バッテリECU11が受信するバッテリ制御情報としては、電圧指示値、電流指示値、及びバイパスユニットBU1~BUnの制御情報(後述のスイッチS1,S2のON/OFF)等が挙げられる。
【0017】
各セル保護IC12は、バッテリ状態情報を各CANトランシーバIC13に送信し、バッテリ制御情報を各CANトランシーバIC13から受信する。各セル保護IC12から送信されるバッテリ状態情報としては、セルC1~Cnの電圧、バッテリB1~Bnの電流等が挙げられる。また、セル保護IC12が受信するバッテリ制御情報としては、電圧指示値、及び電流指示値等が挙げられる。
【0018】
CANトランシーバIC13は、通信装置100によるCAN通信によりBMS10側にバッテリ状態情報を送信し、BMS10側からバッテリ制御情報を受信する。通信装置100については後述する。
【0019】
電力変換器PCは、双方向コンバータであり、ストリングバス3に接続されている。また、電力変換器PCには、始端のバッテリB1の正極と終端のバッテリBnの負極とが接続されている。
【0020】
電力変換器PCは、ストリングSTRの充電時に、ストリングバス3から入力された電圧を、充電電力(又は充電電流)の指示値に応じて変換して複数のバッテリB1~Bnに出力する。ここで、ストリングSTR側の電圧は、バッテリB1~Bnのバイパス状態(バイパスされているバッテリB1~Bnの数)やバッテリB1~Bnの充電状態に応じて変化する。そのため、電力変換器PCは、ストリングSTRの充電時に、ストリングバス3から入力された電圧を、ストリングSTR側の電圧に変換して複数のバッテリB1~Bnに出力する。
【0021】
電力変換器PCは、ストリングSTRの放電時に、複数のバッテリB1~Bnから入力された電圧を、放電電力(又は放電電流)の指示値に応じて変換してストリングバス3に出力する。ここで、放電時の電力変換器PCの入力電圧は、バッテリB1~Bnのバイパス状態やバッテリB1~Bnの充電状態に応じて変化する。それにより、複数のストリングSTRの並列運転を行う場合、放電時にストリングSTR間で電力変換器PCの入力電圧にバラツキが生じる。そのため、電力変換器PCは、ストリングSTRの放電時に、入力電圧を他のストリングSTRと整合する電圧に変換してストリングバス3に出力する。なお、ストリングバス3を流れる電流が交流の場合には、電力変換器PCは、瞬時値の変化に対して追従するための同期手段を備える。
【0022】
バイパスユニットBU1~BUnは、バッテリB1~Bn毎に設けられている。各バイパスユニットBU1~BUnは、バイパス線BLと、スイッチS1,S2とを備える。バイパス線BLは、各バッテリB1~Bnをバイパスする電力線である。スイッチS1は、バイパス線BLに設けられている。このスイッチS1は、例えば機械式スイッチや半導体スイッチやリレーである。スイッチS2は、各バッテリB1~Bnの正極とバイパス線BLの一端との間に設けられている。このスイッチS2は、例えば機械式スイッチや半導体スイッチやリレーである。
【0023】
始端のバッテリB1及び終端のバッテリBnは、電力変換器PC及びストリングバス3を介して外部系統に接続されている。全てのバイパスユニットBU1~BUnにおいてスイッチS1がOFFになりスイッチS2がONになった場合に、全てのバッテリB1~Bnが直列で接続される。他方で、何れかのバイパスユニットBU1~BUnにおいてスイッチS2がOFFになり、スイッチS1がONになった場合に、当該バイパスユニットBU1~BUnに対応するバッテリB1~Bnがバイパスされる。
【0024】
電流センサ14は、ストリングSTRの電力線に設けられている。この電流センサ14は、ストリングSTRの充放電電流を検出して検出信号をBMS10に送信する。また、ストリングSTRには、不図示の電圧センサや温度センサ等が設けられている。電圧センサは、ストリングSTRの総電圧を検出して検出信号をBMS10に送信する。また、温度センサは、ストリングSTRの雰囲気温度を検出して検出信号をBMS10に送信する。
【0025】
BMS10は、不図示の上位のコントローラと複数のバッテリECU11と複数のセル保護IC12と通信し、複数のバッテリモジュールBM1~BMnを制御・管理する。また、BMS10は、ストリングSTRが備える補器類を制御・管理する。当該補器類としては、電力変換器PC、及び電流センサ14等が挙げられる。
【0026】
BMS10は、CANを通じてバッテリECU11及びセル保護IC12から受信したバッテリ状態情報に基づいて、バッテリB1~Bnの状態監視と、バッテリ制御情報の生成・送信とを行う。バッテリ制御情報には、バイパスユニットBU1~BUnの制御についての情報と、バッテリB1~Bnの電圧指示値及び電流指示値の情報とが含まれる。ここで、BMS10は、上位のコントローラからストリングSTRの充放電電力(又は充放電電流)の指示値を受信し、当該指示値と、バッテリB1~Bnの状態情報とに基づいて、バッテリB1~Bnの電圧指示値及び電流指示値を算出する。また、BMS10は、バッテリECU11から送信されるバイパスユニットBU1~BUnの制御の要求の可否を判定し、判定結果に応じたバイパス制御情報をバッテリECU11に送信する。
【0027】
通信装置100は、複数のCAN ID変換装置101-1~101-nと、BMS IDテーブル102とを備える。各CAN ID変換装置101-1~101-nは、バッテリモジュールBM1~BMn毎に設けられている。なお、CAN ID変換装置101-1~101-nを複数設けてCAN ID変換装置101-1~101-nとバッテリモジュールBM1~BMnとを一対一で対応させることは必須ではない。1個のCAN ID変換装置に複数の入出力端子を設けて入出力端子とバッテリモジュールBM1~BMnとを一対一で対応させるようにしてもよい。
【0028】
各CAN ID変換装置101-1~101-nは、CAN ID変換テーブル101Aと、CAN ID変換部101Bと、テーブル生成部101Cとを備える。CAN ID変換テーブル101Aは、CANのデータフレームに含まれるCAN IDと後述のBMS IDとの変換の際に参照されるテーブルである。
【0029】
CAN ID変換部101Bは、CANトランシーバIC13から送信されるCANのデータフレームに含まれるCAN IDを、CAN ID変換テーブル101Aを参照してBMS IDに変換し、変換後のCANのデータフレームをBMS10に送信する。他方で、CAN ID変換部101Bは、BMS10から送信されるCANのデータフレームに含まれるBMS IDを、CAN ID変換テーブル101Aを参照してCAN IDに変換し、変換後のCANのデータフレームをCANトランシーバIC13に送信する。
【0030】
各テーブル生成部101Cは、各CAN ID変換テーブル101AとBMS IDテーブル102とを生成する。BMS IDテーブル102は、BMS10が、各CAN ID変換装置101-1~101-nからCANのデータフレームを受信した際に、バッテリ状態情報とバッテリB1~Bnとを識別する際に参照するテーブルである。また、BMS IDテーブル102は、BMS10が、バッテリ制御情報を生成する際に参照するテーブルでもある。
【0031】
図2は、
図1に示す通信装置100で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、
図2には、バッテリモジュールBM1とBMS10との間の通信が示されているが、他のバッテリモジュールBM2~BMnとBMS10との間の通信も同様に行われる。
【0032】
図2に示すCAN ID変換装置101-1は、バッテリB1が新たに蓄電システム1(
図1参照)に接続される際、バッテリモジュールBM1とBMS10との間に設置される。ここで、本実施形態では、バッテリB1、セル保護IC12、及びCANトランシーバIC13が、電気自動車で使用されたもの又は電気自動車向けに用意されたものである。それに対して、バイパスユニットBU1、バッテリECU11、及びCAN ID変換装置101-1は、新設されたものである。なお、バイパスユニットBU1を備えるバッテリモジュールBM1を利用する場合には、当該バイパスユニットBU1についても利用してもよい。また、バッテリECU11についても再利用可能である場合には新設する必要はない。
【0033】
図2に示すように、CAN ID、及びバッテリ状態情報を含むCANのデータフレームが、CANトランシーバIC13からCAN ID変換装置101-1にCANを通じて送信される。
【0034】
図3は、バッテリB1側から送信されるCANのデータフレームに含まれるCAN ID、及びデータの一例を示す表である。この表に示すように、バッテリB1側から送信されるCANのデータフレームには、電圧、電流、SOC、電圧指示値、電流指示値、及びバイパスユニットBU1の制御情報等のデータと、これらのデータを識別するためのCAN IDとが含まれている。なお、電圧、電流、SOCは、バッテリ状態情報に相当し、電圧指示値、電流指示値、及びバイパスユニットBU1の制御情報は、バッテリ制御情報に相当する。
【0035】
ここで、バッテリB1~Bnの状態情報及び制御情報を識別するためのCAN IDは、車種毎に設定されている。そのため、例えば、バッテリB1とバッテリB2とが同一の車種向けのバッテリである場合には、バッテリB1とバッテリB2とで、バッテリ状態情報及びバッテリ制御情報を識別するためのCAN IDが重複する。例えば、バッテリB1の電圧とバッテリB2の電圧とを識別するためのCAN IDが同一となる。従って、バッテリB1側から送信されたCANのデータフレームとバッテリB2側から送信されたCANのデータフレームとがCANバスで衝突し、BMS10により取得されない可能性がある。
【0036】
そこで、本実施形態では、
図2に示すように、CAN ID変換装置101-1が、バッテリB1側から受信したCANのデータフレームに含まれるCAN IDを、BMS10により識別可能なBMS IDに変換する。CAN ID変換装置101-1は、CAN ID変換テーブル101Aを参照して、CAN IDをBMS IDに変換する。
【0037】
他方で、CAN ID変換装置101-1が、BMS10側から受信したCANのデータフレームに含まれるBMS IDを、バッテリB1側で識別可能なCAN IDに変換する。CAN ID変換装置101-1は、CAN ID変換テーブル101Aを参照して、BMS IDをCAN IDに変換する。
【0038】
図4は、
図2に示すCAN ID変換テーブル101Aの一例を示す表である。この表に示すように、CAN ID変換テーブル101Aは、バッテリNo.とCAN IDとBMS IDとデータとの対応関係を示すテーブルである。この表には、バッテリNo.が1であるバッテリB1に対応するCAN ID変換テーブル101Aが示されている。この表に示すCAN ID変換テーブル101Aは、バッテリモジュールBM1にCANを通じて接続されたCAN ID変換装置101-1に格納されている。なお、他のバッテリNo.のバッテリB2~Bnに対応するCAN ID変換テーブル101Aは、
図4の表に示すCAN ID変換テーブル101Aに対して、バッテリNo.とBMS IDとが相違する。
【0039】
図4の表に示すように、CAN ID変換テーブル101AのCAN IDは、
図3の表に示すCANのデータフレームに含まれるCAN IDと一致する。他方で、CAN ID変換テーブル101AのBMS IDは、バッテリNo.とデータの種類とを識別可能に設定されている。
【0040】
図2に示すように、CAN ID変換装置101-1は、CAN ID変換テーブル101Aと、CAN ID変換部101Bと、テーブル生成部101Cとを備える。CAN ID変換部101Bは、CANトランシーバIC13からCANのデータフレームを受信した場合、CAN ID変換テーブル101Aを参照して、CAN IDをBMS IDに変換する。そして、CAN ID変換部101Bは、ID変換後のCANのデータフレームをBMS10に送信する。他方で、CAN ID変換部101Bは、BMS10からCANのデータフレームを受信した場合、CAN ID変換テーブル101Aを参照して、BMS IDをCAN IDに変換する。そして、CAN ID変換部101Bは、ID変換後のCANのデータフレームをCANトランシーバIC13に送信する。
【0041】
テーブル生成部101Cは、BMS IDと、CAN ID変換テーブル101Aと、BMS IDテーブル102とを生成する。このBMS IDテーブル102は、BMS10が、バッテリ状態情報を含むCANのデータフレームを受信した際、及びバッテリ制御情報を含むCANのデータフレームを生成する際に参照するテーブルである。
【0042】
図5は、
図2に示すBMS IDテーブル102の一例を示す表である。この表に示すように、BMS IDテーブル102は、バッテリNo.とBMS IDとデータ(バッテリ状態情報及びバッテリ制御情報)との対応関係を示すテーブルである。この表には、バッテリNo.が1であるバッテリB1に対応するBMS ID、及びデータと、バッテリNo.が2であるバッテリB2に対応するBMS ID、及びデータ等が示されている。この表に示すBMS IDテーブル102は、BMS10、上位のコントローラ、又は不図示の外部のサーバに格納されている。
【0043】
図2に示すテーブル生成部101Cは、バッテリB1~Bnを識別するためのバッテリNo.情報を記憶している。テーブル生成部101Cは、新たなバッテリB1~Bnが接続された場合、CANトランシーバIC13からCANのデータフレームを取得する。そして、テーブル生成部101Cは、取得したCANのデータフレームに含まれるCAN IDと、予め記憶しているバッテリNo.情報とに基づいて、BMS IDを生成する。また、テーブル生成部101Cは、取得したCANのデータフレームに含まれるCAN ID及びデータと、生成したBMS IDとに基づいて、CAN ID変換テーブル101Aを生成する。さらに、テーブル生成部101Cは、取得したCANのデータフレームに含まれるCAN ID及びデータと、予め記憶したバッテリNo.情報と、生成したBMS IDとに基づいて、BMS IDテーブル102を生成する。
【0044】
BMS10は、CAN ID変換装置101-1からCANのデータフレームを受信した場合、BMS IDテーブル102を参照して、CANのデータフレームに含まれるBMS IDに対応するデータの種類を識別する。他方で、BMS10は、バッテリ制御情報を生成する際、BMS IDテーブル102を参照して、バッテリ制御情報とBMS IDとを対応付けてCANのデータフレームに格納する。
【0045】
図6は、CAN ID変換テーブル101AとBMS IDテーブル102とを生成する手順の一例を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示すBMS IDテーブル102の生成は、新たなバッテリB1~Bnが蓄電システム1に接続される際に実施される。
【0046】
まず、ステップS1において、作業者は、新たに接続するバッテリB1~Bnに対応するCAN ID変換装置101-1~101-nを、バッテリモジュールBM1~BMnとBMS10との間に設置する。設置するCAN ID変換装置101-1~101-nは、新たに接続するバッテリB1~BnのバッテリNo.情報を記憶している。
【0047】
次に、ステップS2において、テーブル生成部101Cは、新たなバッテリB1~Bnが蓄電システム1に接続されたか否かを、バッテリモジュールBM1~BMn側からのCANのデータフレームの受信の有無により判定する。ステップS2において肯定判定がされた場合にはステップS3に移行し、ステップS2において否定判定がされた場合にはステップS6に移行する。
【0048】
ステップS3において、テーブル生成部101Cは、新たなバッテリB1~Bnに対応するCANトランシーバIC13から、各種のデータとCAN IDとを含むCANのデータフレームを取得する。ここで、「各種のデータ」には、バッテリ状態情報とバッテリ制御情報とが含まれる。バッテリ状態情報を識別するためのCAN IDが第1CAN IDに相当し、バッテリ制御情報を識別するためのCAN IDが第2CAN IDに相当する。
【0049】
次に、ステップS4において、テーブル生成部101Cは、記憶しているバッテリNo.情報と、CANトランシーバIC13から受信したCANのデータフレームに含まれるCAN IDとに基づいて、BMS IDを生成する。ステップS4において生成されるBMS IDは、バッテリB1~Bnとバッテリ状態情報の種類とを識別するための第1識別子と、バッテリB1~Bnとバッテリ制御情報の種類とを識別するための第2識別子とを含む。
【0050】
次に、ステップS5において、テーブル生成部101Cは、ステップS4において生成したBMS IDと、当該BMS IDにより識別されるバッテリ状態情報及びバッテリ制御情報と、バッテリNo.情報とをBMS IDテーブル102に送信する。これにより、新たに接続されたバッテリB1~Bnに対応するBMS IDテーブル102が生成される。以上のステップS2~S5の処理は、BMS10が作動している間、繰り返され(ステップS6のNO)、BMS10の作動終了と共に終了する(ステップS6のYES)。
【0051】
図7は、バッテリB1~Bn側とBMS10側との間の通信について説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、BMS10の作動開始と共に開始される。
【0052】
まず、ステップS11において、CAN ID変換部101Bは、CANトランシーバIC13からCANのデータフレームを受信したか否かを判定する。ステップS11において肯定判定がされた場合にはステップS12に移行し、ステップS11において否定判定がされた場合にはステップS13に移行する。
【0053】
ステップS12において、CAN ID変換部101Bは、CAN ID変換テーブル101Aを参照して、CANトランシーバIC13から受信したCANのデータフレームに含まれるCAN IDをBMS IDに変換する。そして、CAN ID変換部101Bは、ID変換後のCANのデータフレームをBMS10に送信する。
【0054】
次に、ステップS13において、CAN ID変換部101Bは、BMS10からCANのデータフレームを受信したか否かを判定する。ステップS13において肯定判定がされた場合にはステップS14に移行し、ステップS13において否定判定がされた場合にはステップS15に移行する。
【0055】
ステップS14において、CAN ID変換部101Bは、CAN ID変換テーブル101Aを参照して、BMS10から受信したCANのデータフレームに含まれるBMS IDをCAN IDに変換する。この際、CAN ID変換部101Bは、CAN ID変換テーブル101Aに含まれるBMS IDを含むCANのデータフレームのみを受信し、受信したCANのデータフレームに対して、BMS IDからCAN IDへの変換を行う。そして、CAN ID変換部101Bは、ID変換後のCANのデータフレームをCANトランシーバIC13に送信する。以上のステップS11~S14の処理は、BMS10が作動している間、繰り返され(ステップS15のNO)、BMS10の作動終了と共に終了する(ステップS15のYES)。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の通信装置100は、CAN ID変換装置101-1~101-nを備える。このCAN ID変換装置101-1~101-nは、バッテリB1~Bnを識別するためのバッテリNo.情報を有している。
【0057】
ここで、新たなバッテリB1~Bnが接続された際、CAN ID変換装置101-1~101-nは、バッテリ状態情報についてのCAN IDを当該バッテリB1~Bn側から取得する。次に、CAN ID変換装置101-1~101-nは、バッテリB1~Bn側から取得したCAN IDと、バッテリNo.情報とに基づいて、バッテリ状態情報とバッテリB1~Bnとを識別するためのBMS IDを生成する(第1生成処理)。
【0058】
次に、CAN ID変換装置101-1~101-nは、バッテリNo.情報と、生成されたBMS IDと、バッテリB1~Bn側から受信したCAN ID及びバッテリ状態情報とに基づいて、バッテリNo.とBMS IDとバッテリ状態情報との関係を示すBMS IDテーブル102を生成する(第2生成処理)。
【0059】
そして、バッテリ状態情報とCAN IDとを含むCANのデータフレームが、バッテリB1~Bn側からBMS10側へ送信される際、CAN ID変換装置101-1~101-nは、CAN IDをBMS IDに変換する(第1変換処理)。当該処理では、CAN IDとBMS IDとの関係を示すCAN ID変換テーブル101Aを参照する。そして、CAN ID変換装置101-1~101-nは、ID変換後のCANのデータフレームをBMS10に送信する。
【0060】
これによって、同一車種向けのバッテリB1~Bnが利用されて蓄電システム1が構成されている場合であっても、異なるバッテリモジュールBM1~BMnから送信される同種のバッテリ状態情報についてのCAN IDが重複することを防止できる。従って、異なるバッテリモジュールBM1~BMnから送信されたCANのデータフレームを、CANバスで衝突させることなく、BMS10に取得させることができる。そして、BMS10は、BMS IDテーブル102を参照することにより、取得したCANのデータフレームに含まれるバッテリ状態情報が、どのバッテリB1~Bnに対応するかを識別することができる。
【0061】
また、本実施形態の通信装置100では、CAN ID変換テーブル101Aが、バッテリNo.情報と、バッテリ制御情報についてのCAN IDと、バッテリB1~Bnの制御情報についてのBMS IDとの関係を示す参照情報となっている。
【0062】
ここで、新たなバッテリB1~Bnが接続された際、CAN ID変換装置101-1~101-nは、バッテリ制御情報についてのCAN IDを当該バッテリB1~Bnの側から取得する。次に、CAN ID変換装置101-1~101-nは、バッテリ制御情報についてのCAN IDと、バッテリNo.情報とに基づいて、バッテリ制御情報についてのBMS IDを生成する(第3生成処理)。
【0063】
次に、CAN ID変換装置101-1~101-nは、バッテリNo.情報と、生成されたBMS IDと、バッテリB1~Bn側から受信したCAN ID及びバッテリ制御情報とに基づいて、バッテリNo.情報とBMS IDとバッテリ制御情報との関係を示すBMS IDテーブル102を生成する(第4生成処理)。
【0064】
そして、バッテリ制御情報とCAN IDとを含むCANのデータフレームが、BMS10側からバッテリB1~Bn側へ送信される際、CAN ID変換装置101-1~101-nは、BMS IDをCAN IDに変換する(第2変換処理)。当該処理では、CAN IDとBMS IDとの関係を示すCAN ID変換テーブル101Aを参照する。そして、CAN ID変換装置101-1~101-nは、ID変換後のCANのデータフレームをバッテリB1~Bn側に送信する。
【0065】
これによって、同一車種向けのバッテリB1~Bnが利用されて蓄電システム1が構成されている場合であっても、BMS10側から異なるバッテリモジュールBM1~BMnに送信される同種のバッテリ制御情報についてのCAN IDが重複することを防止できる。従って、BMS10側から異なるバッテリモジュールBM1~BMnに送信されるCANのデータフレームを、CANバスで衝突させることなく、バッテリモジュールBM1~BMnに取得させることができる。そして、BMS10は、BMS IDテーブル102を参照することにより、送信するCANのデータフレームに含めるバッテリ制御情報が、どのバッテリモジュールBM1~BMnに対応するかを識別することができる。
【0066】
以上、上述の実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、適宜公知や周知の技術を組み合わせてもよい。
【0067】
例えば、上述の実施形態では、蓄電池をバッテリとしたが、蓄電池はキャパシタ等の他の二次電池としてもよい。また、上述の実施形態では、バッテリB1~Bnが新たに接続されたタイミングで、CAN ID変換テーブル101AとBMS IDテーブル102とを生成した。しかしながら、所定時間毎に新たなバッテリB1~Bnの接続を確認し、接続が確認された場合に、CAN ID変換テーブル101AとBMS IDテーブル102とを生成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 :蓄電システム
10 :BMS(状態監視装置)
100 :通信装置
101-1~101-n:CAN ID変換装置(変換部)
102 :BMS IDテーブル(第1参照情報、第2参照情報、参照情報)
B1~Bn :バッテリ(蓄電池)