(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122467
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
A63F5/04 601A
A63F5/04 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030026
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100217984
【弁理士】
【氏名又は名称】川條 英明
(72)【発明者】
【氏名】坂本 欽市
(72)【発明者】
【氏名】平野 剛
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CB01
2C182CB03
2C182DA02
2C182DA22
(57)【要約】
【課題】ボタン操作に係る遊技者の操作負担を軽減することができる遊技機を提供する。
【解決手段】ボタン部は、当該ボタン部と協働して移動する検知片として、第一検知片と、第二検知片と、を有し、収容部は、第一検知片を検知するための第一検知センサと、第二検知片を検知するための第二検知センサと、を有し、ボタン部が操作された際には、第一検知センサによって第一検知片が検知され、第二検知センサによって第二検知片が検知され、第一検知センサが第一検知片を検知したことに基づいて、第一遊技処理が実行可能に構成され、第二検知センサが第二検知片を検知したことに基づいて、第二遊技処理が実行可能に構成され、第二検知センサに係る第二検知片の検知タイミングを、第一検知センサに係る第一検知片の検知タイミングに対して遅延させる遅延手段を、さらに備える。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に押下可能に構成されたボタン部と、前記ボタン部を移動可能に収容する収容部と、を有し、かつ前記ボタン部を所定位置に付勢支持する操作ユニットを、備え、第一遊技処理と、前記第一遊技処理と同一または異なる第二遊技処理と、を実行可能な遊技機であって、
前記ボタン部は、当該ボタン部と協働して移動する検知片として、第一検知片と、第二検知片と、を有し、
前記収容部は、前記第一検知片を検知するための第一検知センサと、前記第二検知片を検知するための第二検知センサと、を有し、
前記ボタン部が操作された際には、
前記第一検知センサによって前記第一検知片が検知され、
前記第二検知センサによって前記第二検知片が検知され、
前記第一検知センサが前記第一検知片を検知したことに基づいて、前記第一遊技処理が実行可能に構成され、
前記第二検知センサが前記第二検知片を検知したことに基づいて、前記第二遊技処理が実行可能に構成され、
前記第二検知センサに係る前記第二検知片の検知タイミングを、前記第一検知センサに係る前記第一検知片の検知タイミングに対して遅延させる遅延手段を、さらに備える、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記ボタン部が前記所定位置にある状態での前記第二検知片の位置と前記第二検知センサが前記第二検知片を検知する際の前記第二検知片の位置との距離である第二距離が、前記ボタン部が前記所定位置にある状態での前記第一検知片の位置と前記第一検知センサが前記第一検知片を検知する際の前記第一検知片の位置との距離である第一距離よりも長く、
前記遅延手段は、少なくとも前記第一距離と前記第二距離との差によって実現される、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記所定方向に係る前記第二検知片の長さが、前記所定方向に係る前記第一検知片の長さよりも短い、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の遊技機であって、
前記第一遊技処理および前記第二遊技処理を実行可能な遊技制御部を、備え、
前記遊技制御部には、
前記第一検知センサによる前記第一検知片の検知に基づいて、第一検知信号が入力され、
前記第二検知センサによる前記第二検知片の検知に基づいて、第二検知信号が入力され、
前記遊技制御部は、
前記第一検知信号の入力に基づいて前記第一遊技処理を実行し、
前記第二検知信号の入力に基づいて前記第二遊技処理を実行し、
前記第二検知センサと前記遊技制御部との間には、前記第二検知信号を遅延させる遅延回路が設けられ、
前記遅延手段は、前記第一距離と前記第二距離との差に加え、前記遅延回路によって実現される、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン等に代表される遊技機には、ボタン押下によって遊技処理を実行するものがある。例えば、特許文献1。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような昨今の遊技機における開発では、ボタン押下時に実行される演出内容の改良がなされているばかりで、操作負担の軽減という観点での改良はなされておらず、未だ改善の余地がある。
【0005】
よって、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ボタン操作に係る遊技者の操作負担を軽減することができる遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、所定方向に押下可能に構成されたボタン部と、前記ボタン部を移動可能に収容する収容部と、を有し、かつ前記ボタン部を所定位置に付勢支持する操作ユニットを、備え、第一遊技処理と、前記第一遊技処理と同一または異なる第二遊技処理と、を実行可能な遊技機であって、前記ボタン部は、当該ボタン部と協働して移動する検知片として、第一検知片と、第二検知片と、を有し、前記収容部は、前記第一検知片を検知するための第一検知センサと、前記第二検知片を検知するための第二検知センサと、を有し、前記ボタン部が操作された際には、前記第一検知センサによって前記第一検知片が検知され、前記第二検知センサによって前記第二検知片が検知され、前記第一検知センサが前記第一検知片を検知したことに基づいて、前記第一遊技処理が実行可能に構成され、前記第二検知センサが前記第二検知片を検知したことに基づいて、前記第二遊技処理が実行可能に構成され、前記第二検知センサに係る前記第二検知片の検知タイミングを、前記第一検知センサに係る前記第一検知片の検知タイミングに対して遅延させる遅延手段を、さらに備える、ことを特徴とする遊技機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ボタン操作に係る遊技者の操作負担を軽減することができる遊技機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図3は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの拡大図である。
【
図6】
図6は、リールに施されている図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
【
図7】
図7は、リールに施されている図柄の種類を示す図である。
【
図10】
図10は、メイン基板におけるメインフローのフローチャートである。
【
図11】
図11は、メイン基板におけるメインフローのフローチャートである。
【
図12】
図12は、メイン基板におけるメインフローのフローチャートである。
【
図13】
図13は、メダル枚数制御基板におけるメインフローのフローチャートである。
【
図14】
図14は、メダル枚数制御基板初期設定処理のフローチャートである。
【
図16】
図16(a)は、ベットスタートボタンユニットの上面図であり、
図16(b)は、ベットスタートボタンユニットの側面図であり、
図16(c)は、ベットスタートボタンユニットの正面図である。
【
図17】
図17(a)~
図17(c)は、
図16(c)に示す切断面でベットスタートボタンユニットを切断した断面を示す断面図であり、
図17(a)は、ベットスタートボタンの非押下時での断面を、
図17(b)は、最大ベットセンサがベットスタートボタンを検知する位置まで操作された状態での断面を、
図17(c)は、スタート操作センサがベットスタートボタンを検知する位置まで操作された状態での断面を、示す断面図である。
【
図18】
図18(a)は、演出ボタンユニットの上面図であり、
図18(b)は、演出ボタンユニットの側面図であり、
図18(c)は、演出ボタンユニットの正面図である。
【
図19】
図19(a)および
図19(b)は、
図18(c)に示す切断面で演出ボタンユニットを切断した断面を示す断面図であり、
図19(a)は、演出ボタンの非押下時での断面を、
図19(b)は、演出ボタンセンサが演出ボタンを検知する位置まで操作された状態での断面を、示す断面図である。
【
図20】
図20は、電気構成を示す図である
図8の一部をベースに遅延回路を設ける位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。なお、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。また、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、メダル(遊技媒体)の獲得に関して有利であることを指す。
【0010】
<本発明の特徴について>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
【0011】
本発明は、
所定方向に押下可能に構成されたボタン部(ベットスタートボタン)と、上記ボタン部を移動可能に収容する収容部(ベットスタートボタンベース)と、を有し、かつ上記ボタン部を所定位置(初期位置)に付勢支持する操作ユニット(ベットスタートボタンユニット)を、備え、第一遊技処理と、上記第一遊技処理と同一または異なる第二遊技処理と、を実行可能な遊技機であって、
上記ボタン部は、当該ボタン部と協働して移動する検知片として、第一検知片(第1検知片)と、第二検知片(第2検知片)と、を有し、
上記収容部は、上記第一検知片を検知するための第一検知センサ(最大ベットセンサ)と、上記第二検知片を検知するための第二検知センサ(スタート操作センサ)と、を有し、
上記ボタン部が操作された際には、
上記第一検知センサによって上記第一検知片が検知され、
上記第二検知センサによって上記第二検知片が検知され、
上記第一検知センサが上記第一検知片を検知したことに基づいて、上記第一遊技処理が実行可能に構成され、
上記第二検知センサが上記第二検知片を検知したことに基づいて、上記第二遊技処理が実行可能に構成され、
上記第二検知センサに係る上記第二検知片の検知タイミングを、上記第一検知センサに係る上記第一検知片の検知タイミングに対して遅延させる遅延手段を、さらに備える、
ことを特徴とする遊技機である。
【0012】
本発明によれば、遊技者の操作負担を軽減しつつも、遊技操作とこれらの処理との関連性を高めて操作感を遊技者に感じさせることができる。さらに、遊技処理の内容を改変することなく、または当該遊技処理に対して大きな改変をすることなく、遊技者の操作負担を軽減することができる。
【0013】
なお、上記第一検知センサおよび第二検知センサについて、いわゆるフォトセンサであれば、透過型、分離型、反射型等、その種類は問わない。
【0014】
また、後述する本実施形態では、スロットマシンに本発明を適用した例を示すが、本発明は、いわゆるぱちんこ機に適用することもできる。
【0015】
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0016】
<遊技機10の構造>
まず、
図1~
図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10の構造について説明する。なお、
図1は、遊技機10の正面図であり、
図2は、遊技機10の右側面図であり、
図3は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの拡大図であり、
図4は、下部前面扉の斜視図であり、
図5は、下部前面扉の分解図であり、
図6は、リールに施されている図柄の配列を平面的に展開して示す図であり、
図7は、リールに施されている図柄の種類を示す図である。
また、以降の説明における上下方向、左右方向、手前方向、および奥行方向のそれぞれは、順に、
図1または
図2における上下方向、
図1における左右方向、
図2における左方向、
図2における右方向を指す。
【0017】
図1に示される通り、遊技機10は、前面が開口された直方体状の外枠90と、当該開口を閉塞する前面扉20と、を備えている。
特に、前面扉20は、上部前面扉20aと、下部前面扉20bと、で構成されており、上部前面扉20aは、外枠90の左縁側に設けられた上部ヒンジ部(図示省略、以降の説明においても符号が付与されていない構成要素については、図示を省略している)によって外枠90に対して軸支され、左開きで開扉可能に構成されている。
【0018】
下部前面扉20bは、外枠90の下縁側に設けられた下部ヒンジ部97によって外枠90に対して軸支され、下開き(
図2における矢印方向)で開扉可能に構成されている。特に、下部前面扉20bは、
図2や
図3に示される通り、手前側に突出したテーブル部71を有している。
また、下部前面扉20bを開扉するためには、ドア錠34にドアキーを差し込んで、下部前面扉20bと外枠90とをロックさせるロック機構を解除する必要がある。図示は省略するが、下部前面扉20bを開扉すると、外枠90に収容された電源装置やメダル枚数制御基板が確認できる。
なお、上部前面扉20aは、下部前面扉20bによって開扉(上部ヒンジ部を軸とした回転)が規制されているため、下部前面扉20bが開扉された状態で上部前面扉20aが開扉可能となる。
また、本実施形態では、上部前面扉20aが開扉されているか否かを判定するための上部開扉センサが外枠90の右縁側に設けられ、下部前面扉20bが開扉されているか否かを判定するための下部開扉センサが外枠90の下縁側に設けられている。
【0019】
上部前面扉20aの前面側には、
図1で示されるように、上部パネル21と、装飾LED36と、スピーカ口38(特に、スピーカ口38a、スピーカ口38b)と、が設けられている。
下部前面扉20bのテーブル部71の天面には、
図3や
図4に示される通り、ベットスタートボタンユニット23と、ストップボタンユニット27と、演出ボタンユニット24と、が設けられている。特に、ベットスタートボタンユニットには、ベットスタートボタン23a、単一ベットボタン23b、および精算ボタン23cが設けられるとともに、これらのボタンに対する操作を検知するための検知センサが設けられている。同様に、ストップボタンユニット27には、左ストップボタン27L、中ストップボタン27C、および右ストップボタン27Rが設けられるとともに(以降の説明では、これらの3つを合わせて「ストップボタン」と総称する場合がある)、これらのボタンに対する操作を検知するための検知センサが設けられている。さらに、演出ボタンユニット24には、演出ボタン24a、左キーボタン24b、および右キーボタン24cが設けられるとともに、これらのボタンに対する操作を検知するための検知センサが設けられている。
【0020】
また、下部前面扉20bにおいて、テーブル部71が取り付けられるテーブルベース70は、テーブル部71をテーブルベース70に取り付けた状態でテーブル部71の天面と上部前面扉20aとを結ぶ立設面70aを有している。
図1の手元領域IIを拡大した
図3に示す通り、立設面70aの左側には、状態表示LED25、メダル計数ボタン33、およびメダル枚数表示LED28が設けられている。
【0021】
特に、本実施形態に係る遊技機10は、実物のメダルを使用せずに遊技を進行可能ないわゆるメダルレスのスロットマシンである。そのため、遊技機10は、従来の実物メダルを使用するスロットマシンが標準的に備えているメダル投入口やメダル排出口等の実物メダルを使用する際に必要な構造を有していない。また、以降の説明において、メダルとは、従来使用されていた実物のメダルではなく、電子情報として扱われるものを指す。
【0022】
また、図示は省略するが、上部前面扉20aの裏面側には、装飾LED36の点灯を制御するための装飾LED基板やスピーカが設けられている。
さらに、下部前面扉20bの裏側には、状態表示LEDの点灯を制御するための状態表示LED基板や、各操作部に対する操作を検知するための検知センサが設けられている。
【0023】
電源装置は、遊技機10の各構成要素に対して電力供給するための装置であり、当該装置に備えられた電源スイッチの操作によって起動または停止が制御される。よって、遊技に興じるにあたり、下部前面扉20bを開扉した状態で電源スイッチを操作して電源装置を起動する必要がある。
なお、本実施形態では、後述するメイン基板、サブ基板、メダル枚数制御基板のそれぞれは、電源装置からの電力供給がOFFの状態となっても、電源供給がOFFの状態となる前に保持していた情報を維持する機能を有している。
【0024】
ここで、メダル枚数制御基板は、後述するクレジットを管理するための基板であり、メダル枚数操作基板を備えている。
メダル枚数操作基板は、メダル枚数クリアボタンと、エラー解除ボタンと、操作基板カバーと、を備えた基板であり、当該基板には、さらに、メダル枚数クリアボタンに対する操作を検知するメダル枚数クリアボタンセンサと、エラー解除ボタンセンサと、が設けられ、メダル枚数制御基板がメダル枚数クリアボタンやエラー解除ボタンに対する操作がなされたことを検知可能に構成されている。なお、これらのボタンが操作された場合にメダル枚数制御基板で実行される処理の詳細は、後述する。さらに、操作基板カバーは、メダル枚数クリアボタンおよびエラー解除ボタンを覆うスライド式のカバーであり、これをスライドさせることで、これらのボタンに対する操作が可能となる。
【0025】
図示は省略するが、上部前面扉20aの裏面側には、設置変更装置が設けられている。設定変更装置は、設定値を変更するための設定変更処理、および既に設定されている設定値を確認するための設定確認処理を行わせるための装置であり、設定キースイッチ、設定変更スイッチ、設定表示LED、および設定キーカバーを含んで構成されている。なお、設定変更処理および設定確認処理の詳細は、後述する。
設定表示LEDは、設定変更処理において変更中の設定値を表示し、設定確認処理において既に設定されている設定値を表示するLEDであり、本実施形態では、7セグメントディスプレイで構成されている。
設定キーカバーは、設定キースイッチを覆うスライド式のカバーであり、これをスライドさせることで設定キースイッチに設定キーを差し込んで操作することが可能になる。
ここで、設定値とは、遊技に使用したメダルの数に対して払い出されるメダルの数の期待値を示す出玉率が異なるものであり、本実施形態では、1~6の6段階が存在する。そして、設定される設定値が大きくなるほど上記出玉率が高くなる傾向にあり、本実施形態も同様に、設定値が1から6になるにつれて出玉率が高くなる。なお、以降の説明では、1の設定値を設定値1と称し、同様に、2の設定値を設定値2、3の設定値を設定値3、4の設定値を設定値4、5の設定値を設定値5、6の設定値を設定値6と称する。
【0026】
また、下部前面扉20bには、
図1に示される通り、演出表示領域62が形成されており、その下部にリール枠64が形成されている。
演出表示領域62は、演出表示装置の表示画面であり、遊技機10の遊技に関する演出や情報を表示することができる。なお、演出表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置等を採用することができ、演出表示領域62に表示される演出は、スピーカからの音声出力や装飾LED36の発光と連動しており、遊技者の興趣を好適に喚起させることができる。
【0027】
リール枠64は、外枠90に収容されたリール65の前面側に形成された窓枠であり、内部領域と外部領域とに区画されている。リール枠64の内部領域は空洞または透明部材によって形成されており、当該内部領域を介してリール65のそれぞれの一部が視認可能になっている。また、リール枠64の外部領域は不透明部材(半透明部材や透明部材を着色した部材を含む)で形成されており、当該外部領域を介したリール65の視認を困難としている。
【0028】
ここで、リール65は、リール65L、リール65Cおよびリール65Rから構成され、これらのリールはステッピングモータによって回動可能に構成されている。本実施形態におけるリール65が回動する場合、原則としてリール65は左右方向を回転軸として上から下へと回転し、リール65の上から下へ回転する方向を「順方向」、下から上へ回転する方向を「逆方向」と称する場合がある。
また、リール65のそれぞれには、複数種類の図柄が施されており、回転させることによってリール65に施されている図柄が変動表示し、回転しているリール65を停止させることによって図柄が停止表示する。
さらに、
図6で示す通り、リール65のそれぞれの外周は21コマに等分されており、各コマに一つずつ図柄が施されている。以下の説明において、リール65Lに配置されている各コマをLZ00~LZ20、リール65Cに配置されている各コマをCZ00~CZ20、リール65Rに配置されている各コマをRZ00~RZ20と呼称する場合がある。
【0029】
次に、
図7を用いて、リール65のそれぞれの外周に描かれている図柄の種類を説明する。
図7(a)で示す図柄は、数字の「7」を模した青色の図柄であり、以下の説明において「青7図柄」と称する。なお、青7図柄は、LZ18、CZ18、RZ18に配されており、リール65のそれぞれにおいて、後述する最大引き込みコマ数を超えて配置された(ストップボタンの操作タイミングによっては有効ライン上に停止させることが不可能な場合がある)図柄と言える。
図7(b)で示す図柄は、数字の「7」を模した赤色の図柄であり、以下の説明において「赤7図柄」と称する。なお、赤7図柄は、LZ10、CZ10、RZ10に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
図7(c)で示す図柄は、「BAR」と表記された図柄であり、以下の説明において「BAR図柄」と称する。なお、BAR図柄は、LZ03、CZ03、RZ03等に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
図7(d)で示す図柄は、再遊技を意味する「REPLAY」と表記された図柄であり、以下の説明において「リプレイ図柄」と称する。なお、リプレイ図柄は、LZ04、CZ01、RZ02等に配されており、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置されていない(ストップボタンの操作タイミングによらず有効ライン上に停止させることが可能な)図柄と言える。
図7(e)で示す図柄は、ベルを模した図柄であり、以下の説明において「ベル図柄」と称する。なお、ベル図柄は、LZ00、CZ02、RZ01等に配されており、上記「リプレイ図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置されていない図柄と言える。
図7(f)で示す図柄は、チェリーを模した図柄であり、以下の説明において「チェリー図柄」と称する。なお、チェリー図柄は、LZ02、CZ08、RZ00等に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
図7(g)で示す図柄は、スイカを模した図柄であり、以下の説明において「スイカ図柄」と称する。なお、スイカ図柄は、LZ01、CZ00、RZ11等に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
図7(h)で示す図柄は、「BLANK」と表記された図柄であり、以下の説明において「ブランク図柄」と称する。なお、ブランク図柄、LZ07、CZ05、RZ05等に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
【0030】
また、リール65のそれぞれには、リールの回転に伴って移動する検知片が基準位置(本実施形態では、LZ00、CZ00、RZ00)に対応する位置(後述するブレーキ制御状態における移動分だけ順方向の上流側の位置)に設けられるとともに、リールの回転に伴って移動せず、当該検知片を検知するリールセンサ66が設けられている。具体的には、リール65Lに対してリールセンサ66L、リール65Cに対してリールセンサ66C、リール65Rに対してリールセンサ66Rが設けられており、これらのセンサによってリール65のそれぞれが基準位置となったことを検知可能に構成されている。
【0031】
また、リール65の内側には、リール照明基板が設けられており、リール照明基板に搭載されているLEDの点灯によってリール65に表している各図柄の視認を容易にしている。すなわち、リール照明基板に搭載されているLEDは、リール65による図柄表示のバックライトとして機能している。
【0032】
ベットスタートボタン23aは、後述する通り、遊技で使用されるメダル枚数(以下、「賭け数」と称する場合があり、当該枚数は、後述するRAM102に記憶される)を最大数(本実施形態では、3枚)に設定する操作と、遊技を開始させる操作とを、一回の操作で実現するものである。
なお、本実施形態では、当該遊技で使用されるメダルの枚数が2枚以下の場合、遊技開始に係る遊技操作がなされても遊技が開始されない。すなわち、本実施形態では、賭け数が最大数でのみ遊技が開始可能に構成されている。
ここで、賭け数を設定するための操作とは、メダル枚数制御基板に貯留されているメダルを減算させて賭け数を増やすための操作である。また、メダルの貯留とは、遊技者の所有するメダルに相当する数値(クレジット)を遊技機10の内部(特に、後述するRAM302)で記憶する機能をいう。さらに、メダルが貯留される(クレジットが加算される)場合としては、例えば、後述する専用ユニットからメダルが貸し出された場合や、払出のある役に入賞した場合等が挙げられる。なお、以降の説明において、専用ユニットからメダルが貸し出されるとは、専用ユニットで紙幣をメダルに変換した後の当該メダルがメダル枚数制御基板に転送(移動)されることに加え、会員カード等に記憶された貯メダルがメダル枚数制御基板に転送されることも含む。
また、前回の遊技においてリプレイ役に入賞した場合には、当該遊技において再遊技が作動して前回の遊技における賭け数が今回の遊技における賭け数として設定され、新たなメダルを賭け数に設定することなく遊技を開始することができる。
【0033】
なお、単一ベットボタン23bは、操作されると賭け数を1加算するボタンである。さらに、精算ボタン23cは、遊技に使用される前の賭け数をクレジットに転送させるために操作されるものであり、精算ボタン23cが操作された場合には、現在の賭け数の値に関わらず、一度の精算ボタン23cの操作により、賭け数の全部がクレジットに転送される。
さらに、演出ボタン24a、左キーボタン24b、右キーボタン24cは、演出の実行契機として用いられる。
【0034】
また、メダル計数ボタン33は、メダル枚数制御基板に貯留されたクレジットの一部または全部を後述する専用ユニットに転送するために操作されるものである。
そして、メダル計数ボタン33に対して短押しがなされた場合には、1のクレジットが専用ユニットに転送され、メダル計数ボタン33に対して長押しがなされた場合には、一定時間(本実施形態では、500ms)経過するごとに、50(クレジットの値が50未満である場合には、当該値)のクレジットが専用ユニットに転送される。
【0035】
また、状態表示LED25は、
図5に示す通り、状態表示LED基板に搭載されている複数のLEDまたは7セグメントディスプレイによって構成され、以下の8種類のLEDで構成されている。
1つ目の投入枚数表示LED25aは、3つのLEDによって構成されており、賭け数が一枚増えるごとに、点灯するLEDの数が一つずつ増える。
2つ目の獲得枚数表示LED25bは、2つの7セグメントディスプレイによって構成されており、入賞によって獲得したメダルの数を数字で表す。
3つ目の指示表示LED25cは、2つの7セグメントディスプレイによって構成されており、後述するストップボタンに係る操作条件(以下、単に、「操作条件」と称する場合がある)を特定可能な態様で点灯し得る。
4つ目の再遊技表示LED25dは、1つのLEDによって構成されており、遊技においてリプレイが停止表示されると点灯する。
5つ目の遊技開始表示LED25eは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって遊技の開始可能条件が成立している旨を表す。
6つ目の投入可能表示LED25fは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって賭け数の設定が可能である旨を表す。
7つ目の有利モード表示LED25gは、1つのLEDによって構成されており、遊技モードに対応して点灯する。
【0036】
さらに、メダル枚数表示LED28を備える。メダル枚数表示LED28は、メダル枚数表示LED基板に搭載されている5つの7セグメントディスプレイによって構成され、これにより、クレジットの枚数を表示し、その表示範囲は0~99999である。
【0037】
ストップボタンは、回転しているリール65が停止するための契機となる遊技者の操作(停止操作)を、遊技者から受け付ける。なお、ストップボタンは、リール65が回転を開始した後に成立する停止可能条件の成立を契機として、停止操作を受け付けることができる(有効化される)。
停止可能条件は、遊技における停止表示を行うための前提条件であり、具体的には、リール65(65L、65C、65R)のすべての回転速度が所定速度に到達し、かつリール65のそれぞれにおける基準位置を検知した場合に成立する条件である。
また、以降の説明にといて、一の遊技における最初のストップボタンに対する操作を「第1停止操作」、次のストップボタンに対する操作を「第2停止操作」、最後のストップボタンに対する操作を「第3停止操作」と表現する場合がある。
【0038】
ストップボタン(左ストップボタン27L、中ストップボタン27C、および右ストップボタン27R)のそれぞれは、ストップボタン基板に搭載されており、リール65のそれぞれに対して一つずつ設けられている。具体的には、左ストップボタン27Lは、リール65Lを停止させるための停止操作を受け付け、中ストップボタン27Cは、リール65Cを停止させるための停止操作を受け付け、右ストップボタン27Rは、リール65Rを停止させるための停止操作を受け付ける。
さらに、ストップボタン基板には、左ストップボタン27L、中ストップボタン27C、右ストップボタン27Rが押下された旨を個別に検知するストップボタンセンサが設けられており、ストップボタンセンサの検知に応じてリール65のそれぞれに対して回転を停止させる制御が行われる。すなわち、ストップボタンとストップボタンセンサによって、後述するリール制御部112によるリール65の回転を停止させる契機となる停止操作を検知する。
【0039】
また、本実施形態におけるストップボタンは、停止可能表示LEDを内包し、その周囲を光透過性の部材で覆う構成となっている。そして、ストップボタンは、停止可能表示LEDの点灯色で停止可能条件の成立の可否を遊技者に報知する仕様となっている。このように、ストップボタンの色によって停止可能条件の成立の可否を判断できるので、遊技者は円滑に停止操作を順次行うことができる。
【0040】
また、本実施形態において、リール65の停止位置は、ストップボタンの押下時におけるリール65の位置を基準として最大引き込みコマ数(最大引き込み範囲と称する場合があり、本実施形態では、4)まで移動しうる。ここで、ストップボタンを押下してからリール65が停止するまでの制御を、一般的には引き込み制御という。
【0041】
リール枠64のリール65のそれぞれに対応する内部領域は、上下方向に3コマ分の寸法となっている。また、リール65のそれぞれはリール枠64の内部領域の上下方向に3個の図柄が収まるように停止制御され、遊技者は当該3個の図柄をリール枠64の内部領域を介して視認できるようになっている。すなわち、リール65では、リールが左右方向に3つ配置されているので、リール65が停止している場合において、遊技者が3個の図柄×3リール=9個の図柄を視認可能になっている。
【0042】
ここで、リール65のそれぞれにおける上段・中段・下段の内部領域が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をそれぞれラインL1・ラインL2・ラインL3と称す。さらに、リール65Lにおける上段の内部領域と、リール65Cにおける中段の内部領域と、リール65Rにおける下段の内部領域が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL4と称し、リール65Lにおける下段の内部領域と、リール65Cにおける中段の内部領域と、リール65Rにおける上段の内部領域が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL5と称す。
なお、本実施形態では、内部領域におけるラインとして略直線のラインのみを採用しているが、直線に限らず、屈曲したラインを採用してもよい。また、隣接しない領域(例えば、リール65Lにおける上段とリール65Cにおける下段)を含んで形成されるラインを採用してもよい。すなわち、リール65のそれぞれから一図柄分の内部領域を任意に選択して形成されるラインであればどのようなラインを採用してもよい。
【0043】
本実施形態における有効ラインは、ラインL2のみである。ここで、有効ラインとは、当該ライン上に停止された図柄組合せに対して後述する入賞判定が行われるラインである。
具体的には、入賞に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、当該入賞に対して規定されている枚数のメダルが付与される。再遊技に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、次回の遊技において再遊技が作動する。役物又は役物連続作動装置に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、次回の遊技において役物又は役物連続作動装置が作動する。各役に対応する図柄組合せの詳細については、後述する。
なお、有効ラインは、本実施形態のように単一のラインであってもよいし、複数のラインであってもよい。
【0044】
リール65の回転中(遊技の実行中)は、遊技者の関心を惹きつけて遊技興趣を喚起させるため、演出表示領域62に表示される画像、スピーカから出力される音声または装飾LED36の点灯や滅灯等によって構成される多様な演出が行われる。
【0045】
各スピーカの前方にはスピーカ口38が設けられている。
より具体的には、遊技機の正面から見て右上に位置するスピーカの前方には、スピーカ口38aが設けられ、遊技機の正面から見て左上に位置するスピーカの前方には、スピーカ口38bが設けられており、これらスピーカ口は、上部前面扉20aに設けられている。また、遊技機の正面から見て左下に位置するスピーカの前方には、スピーカ口38cが設けられ、遊技機の正面から見て右下に位置するスピーカ49の前方には、スピーカ口38dが設けられており、これらスピーカ口は、下部前面扉20bに設けられている。なお、各スピーカ口38には多数の空洞が設けられており、対応するスピーカから出力される音声を適切に出力することができる。
【0046】
装飾LED36は、演出表示領域62またはリール枠64を囲うような配置で配置されている。
より具体的には、演出表示領域62の右上側には、装飾LED36aと装飾LED36bとが配置され、演出表示領域62の右下側には、装飾LED36cが配置されている。また、リール枠64の右下側には、装飾LED36dが配置され、リール枠64の左下側には、装飾LED36eが配置され、演出表示領域62の左下側には、装飾LED36fが配置され、演出表示領域62の左上側には、装飾LED36gと装飾LED36hとが配置されている。なお、各装飾LED36は、単色で点灯してもよいし、複数色で点灯可能であってもよい。
【0047】
<遊技機10の電気構成及び機能構成>
次に、
図8、
図9を用いて、本実施形態における遊技機10の電気構成及び機能構成について説明する。ただし、先に説明した
図1から
図5に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。なお、
図8は、遊技機10の電気構成を示すブロック図であり、
図9は、遊技機10の機能構成を示すブロック図である。
【0048】
遊技機10は、主要な構成要素として、メイン基板100と、サブ基板200と、メダル枚数制御基板300と、を内蔵している。
メイン基板100には、CPU101、RAM102、ROM103、および乱数回路104等の電子部品が実装されており、センサや基板等の他の電子部品との接続状況は、
図8に示す通りである。メイン基板100は、これらの電子部品や各種センサ40a等の間で授受するデータや制御信号に基づく処理の実行により、主として、遊技の進行に係る制御を実現している。ベットスタートボタン23aは、後述する通り、遊技で使用されるメダル枚数(以下、「賭け数」と称する場合があり、当該枚数は、後述するRAM102に記憶される)を最大数(本実施形態では、3枚)に設定する操作と、遊技を開始させる操作とを、一回の操作で実現するものである。
ここで、各種センサ40aには、遊技を開始させる操作を検知するスタート操作センサ44、ストップボタンセンサ43a、最大の賭け数を設定するための操作を検知する最大ベットセンサ45a、単一ベットボタンセンサ45b、リールセンサ66等が含まれる。
また、メイン基板100に加え、後述するメダル枚数制御基板300は、不正改造等の不正行為に対するセキュリティを高めるため、ROMの容量およびRAMの容量に制限が設けられている。一方、サブ基板200には、同様の制限が設けられていない。
【0049】
また、サブ基板200には、CPU201、RAM202、ROM203、および乱数回路204等の電子部品が実装されており、センサや基板等の他の電子部品との接続状況は、
図8に示す通りである。サブ基板200は、メイン基板100から一方向通信で接続され、メイン基板100から送信された制御コマンドに基づいて装飾LED基板41、スピーカ49、および演出表示装置63等を制御し、主として、遊技に係る演出の制御を実現している。
ここで、各種センサ40bには、演出ボタンセンサ45c、キーボタンセンサ46aが含まれる。
【0050】
また、メダル枚数制御基板300には、CPU301、RAM302、およびROM303等の電子部品が実装されており、センサや基板等の他の電子部品との接続状況は、
図8に示す通りである。メダル枚数制御基板300は、メイン基板100および遊技機10の外部にある専用ユニット1000と双方向通信で接続されており、これらの間の通信により、メダルを移動可能に構成されている。また、サブ基板200に対しては、メダル枚数制御基板300からサブ基板200への一方向通信(図示省略)にて接続されており、メダル枚数制御基板300に関する各種情報(例えば、クレジットの値やメダル枚数制御基板300において実行された各処理の内容)を取得可能に構成されている。
ここで、専用ユニット1000とは、後述する専用ユニット1000とは異なるものであり、会員カード等の情報記憶可能なカードを受け入れ、メダル枚数制御基板300から転送されたメダル(メダル枚数制御基板300で計数されたクレジット)を会員カード等に貯メダルとして記憶させて排出可能に構成されたものである。
【0051】
次に、
図9を用いてメイン基板100およびサブ基板200の機能構成について説明する。なお、以下の機能構成および各機能構成が有する機能は例示であり、以下に記載されていない機能構成を有していてもよいし、各機能構成において、以下に記載されていない機能を有していてもよい。なお、同図では、説明の便宜上、
図8で示したセンサや基板等のメイン基板100およびサブ基板200の外の電子部品も図示している。
【0052】
まず、メイン基板100が有する機能構成には、大別すると、遊技の進行を管理する遊技進行管理部110、遊技に係る状態を管理する状態管理部120、およびメイン通信部130がある。
さらに、遊技進行管理部110は、内部抽選部111、リール制御部112、入賞判定部113、メダル管理部114、および状態表示LED制御部115で構成され、状態管理部120は、設定変更管理部121、遊技状態管理部122、遊技モード管理部124、およびメインエラー管理部125で構成され、メイン通信部130は、制御コマンド送受信部131および外部信号送信部132で構成される。
【0053】
内部抽選部111は、遊技が開始された際に、複数種類の役から当選する役(以下、「内部当選役」と称する場合がある)を抽選により決定する。
より具体的には、内部抽選部111は、遊技が開始された際に乱数回路104で更新している乱数(本実施形態では2バイト乱数を使用し、その範囲は0~65535)を取得し、取得した乱数に対してROM103に記憶されている内部抽選テーブル(詳細は、後述)の抽選値を順次加算し、キャリーが発生した抽選値に対応する役を内部当選役として決定する。なお、内部抽選部111において「内部当選役が抽選により決定される」ことを、単に、「内部当選役が導出される」と表現する場合がある。
【0054】
リール制御部112は、遊技が開始されたことを契機に、前回の遊技におけるリール65の回転開始から当該遊技におけるリール65の回転開始までの時間が所定の遅延時間、いわゆるウェイト時間(本実施形態では、4.1s)の経過を待ってリール65のそれぞれの回転を開始させ、その後、停止操作がなされるごとにリール65のうちの当該停止操作に対応するリールを停止させる等、リール65の回転を個別に制御する。
【0055】
より具体的に説明すると、リール制御部112は、遊技の進行に応じてリール制御状態(加速制御状態、定速制御状態、引き込み制御状態、ブレーキ制御状態、停止制御状態)をリール65のそれぞれに対して設定し、ROM103に記憶された励磁パターンから現在設定されているリール制御状態に対応する励磁パターンを取得し、取得した励磁パターンに従ってパルス信号を出力する制御を、リールモータ68(ステッピングモータ)のそれぞれに対して行うことで、リール65の回転を個別に制御している。
【0056】
さらに、上記リール制御状態を具体的に説明すると、加速制御状態は、回転が開始されてから所定の速度まで加速させるための励磁パターンに従ってパルス信号が出力される制御状態である。定速制御状態は、加速制御状態が終了してから停止操作がなされるまでの制御状態であって、当該制御状態では、所定の速度を維持するための励磁パターンに従ってパルス信号が出力される。引き込み制御状態は、停止操作がなされてから停止位置まで対応するリールを回転させる制御状態であり、当該制御状態では、定速制御状態と同様に、所定の速度を維持するための励磁パターンに従ってパルス信号が出力される。ブレーキ制御状態は、当該停止位置に到達してから対応するリールを停止させるための励磁パターンに従ってパルス信号が出力される制御状態である。停止制御状態は、対応するリールを現在の位置で維持する制御状態である。
なお、上記リール制御状態の切り替えは、後述するメイン基板100のメインフローにおいて行われ、上記パルス信号の出力は、メイン基板100において所定の間隔(本実施形態では、約2ms)ごとに行われるタイマ割込み処理(図示省略)において行われる。
【0057】
また、リール制御部112は、リール65のそれぞれを停止させる(引き込み制御状態からブレーキ制御状態に切り替える)にあたり、ROM103に記憶されている停止データから停止させる図柄番号の候補を導出し(または、読み込み)、当該停止操作がなされたタイミングの当該リールの位置(基準ライン上の図柄番号)から最大引き込み範囲(本実施形態では、4コマ)にある図柄番号の候補から一の図柄番号を停止位置として決定する。
ここで、リール65のそれぞれにおける基準ライン上の図柄番号は、タイマ割込み処理においてリールセンサ66によって検知片が検知されるごとに基準位置の図柄番号(本実施形態では、RZ00、CZ00、LZ00)に補正され、その後のパルス信号の切替回数によって更新される。
さらに、リール制御部112は、定速制御状態において、前回基準ライン上の図柄番号が補正されてから、所定の時間が経過するまで(所定の回数のパルス信号の切り替えが行われるまで)に基準ライン上の図柄番号が補正されなかった場合には、対応するリールが脱調したと判定し(以下、脱調チェックと称する)、リール制御状態を加速制御状態に設定し、当該リールを再加速させる。
【0058】
入賞判定部113は、当該遊技において有効ライン(本実施形態では、ラインL2)上に停止表示された図柄の組合せによって役の入賞を判定する入賞判定を行う。
なお、入賞判定を行うにあたり、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせに加え、当該図柄の組み合わせと当該遊技で導出された役とが一致するか否かの判定を行い、役の入賞を判定するようにしてもよい。
【0059】
メダル管理部114は、上述した賭け数の増減の管理やメダル枚数制御基板300とのメダルのやり取りに係る制御を行う。
【0060】
状態表示LED制御部115は、上述した状態表示LED25の制御を行う。
【0061】
設定変更管理部121は、設定変更処理、および設定確認処理を行う。
具体的に説明すると、設定変更処理は、電源装置からの電源供給がOFFの状態からONの状態となる際(以下、「電源投入」と表現する場合がある。一方、電源供給がONの状態からOFFの状態となることを「電断」と表現する場合がある)に設定キースイッチが操作された状態であれば開始され、設定変更スイッチが操作されるごとに、設定値を一定の順序(本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、設定値6、設定値1、設定値2・・・)に従って変更し、ベットスタートボタン23aが操作された時点での設定値を今回の設定値として確定する処理である。設定変更処理では、変更中の設定値を設定表示LEDに表示させる処理も行われる。
また、設定変更処理が実行される際には、電源供給がOFFの状態となる前にメイン基板100が保持していた情報のすべてが初期化される。特に、当該情報には賭け数が含まれる。さらに、設定変更処理の実行時に賭け数がクリアされるタイミングとしては、電源投入から当該電源投入に係る設定変更処理の終了後に実行される遊技開始処理(後述するステップS103)の開始前であれば、いずれのタイミングでもよい。
【0062】
設定確認処理は、電源供給がONの状態で設定キースイッチが操作されることで開始され、既に設定されている設定値を設定表示LEDに表示させる処理である。なお、以降の説明では、特に説明がない限り、「既に設定されている設定値」を単に「設定値」として説明する。なお、設定確認処理では、メイン基板100が保持している情報は維持される。
【0063】
遊技状態管理部122は、複数種類の遊技状態の中で移行条件に従って遊技状態を移行させる制御を行う。なお、遊技状態の種類および移行条件の詳細は後述する。
【0064】
遊技モード管理部124は、複数種類の遊技モードの中で移行条件に従って遊技モードを移行させる制御を行う。
【0065】
メインエラー管理部125は、上述した各種エラー状態とするか否かの判定に加え、各種センサ40a等の検知結果を利用したエラー状態とするか否かの判定を行い、エラー状態とする旨を決定した場合には、必要に応じて遊技の進行を停止させ、遊技機10をエラー状態とする。
なお、エラー状態とする場合、当該エラー状態の発生を示す制御コマンドの送信準備を行い、制御コマンド送受信部131に当該制御コマンドを送信させ、演出デバイス(演出表示領域62、装飾LED36、スピーカ49等)を用いて当該エラー状態の発生を報知するようにしてもよい。
【0066】
制御コマンド送受信部131は、送信準備がなされた制御コマンドをサブ基板200やメダル枚数制御基板300に向けて送信する処理や、メダル枚数制御基板300から制御コマンドを受信する処理を行う。
ここで、サブ基板200に向けて送信する制御コマンドには、エラー状態となった場合に送信される制御コマンドに加え、遊技の進行に合わせて送信される制御コマンド等が存在する。
また、メダル枚数制御基板300に向けて送信する制御コマンドには、ベットスタートボタン23aが操作されたことを示す制御コマンドや、入賞によってメダルが付与された場合に送信される制御コマンド、精算ボタン23cが操作されて賭け数が精算される場合に送信される制御コマンド等が存在する。さらに、メダル枚数制御基板300から受信する制御コマンドには、賭け数が加算されることを示す制御コマンド等が存在する。
また、制御コマンド送受信部131で送受信される各制御コマンドは、当該制御コマンドの種別を特定可能な情報に加え、当該種別に対応する情報を有している。さらに、以降の説明では、制御コマンドの送信準備を行い、制御コマンド送受信部131に当該制御コマンドを送信させることを、単に、制御コマンドを送信すると表現する場合がある。なお、これらは、後述する制御コマンド受信部211や制御コマンド送受信部310で送信または受信される各制御コマンドについても同様である。
【0067】
外部信号送信部132は、上述した専用ユニット1000とは異なるものであって遊技機10の外部にある外部装置(例えば、ホールコンピュータやデータ表示器)に対して遊技機10の内部の状態を示す信号(外端信号)を送信する。
【0068】
次に、サブ基板200が有する機能構成には、大別すると、サブ通信部210、および遊技に係る演出を管理する演出管理部220がある。
さらに、サブ通信部210は、制御コマンド受信部211で構成され、演出管理部220は、演出制御部221、演出表示制御部222、音声制御部223、および装飾LED制御部224で構成される。これらの機能構成の詳細は、以下の通りである。
【0069】
制御コマンド受信部211は、メイン基板100やメダル枚数制御基板300から送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドを分析し、当該制御コマンドに含まれている情報を用いてRAM202に記憶されている情報を更新する。
【0070】
演出制御部221は、メイン基板100やメダル枚数制御基板300から送信された制御コマンド等に基づいて、演出デバイス(演出表示領域62、装飾LED36、スピーカ49等)に行わせる演出の内容を決定する処理を行う。
【0071】
演出表示制御部222は、演出表示装置63に行わせるべき演出がある場合には、ROM203から当該演出に対応するデバイスデータを読み込み、当該デバイスデータを用いて演出表示装置63に演出を行わせる。
【0072】
音声制御部223は、スピーカ49に行わせるべき演出がある場合には、ROM203から当該演出に対応するデバイスデータを読み込み、当該デバイスデータを用いてスピーカ49に演出を行わせる。
【0073】
装飾LED制御部224は、装飾LED基板41に行わせるべき演出がある場合には、ROM203から当該演出に対応するデバイスデータを読み込み、当該デバイスデータを用いて装飾LED基板41に演出を行わせる。
【0074】
次に、メダル枚数制御基板300が有する機能構成には、制御コマンド送受信部310と、クレジット管理部320と、メダルエラー管理部330と、がある。これらの機能構成の詳細は、以下の通りである。なお、これらの機能構成によって実行される処理の一部については、その詳細を後述する。
【0075】
制御コマンド送受信部310は、メイン基板100や専用ユニット1000との間で制御コマンドを送受信し、受信した制御コマンドを分析し、当該制御コマンドに含まれている情報を用いてRAM302に記憶されている情報を更新する。
また、制御コマンド送受信部310は、サブ基板200へ制御コマンドを送信する。
【0076】
クレジット管理部320は、メイン基板100や専用ユニット1000から送信された制御コマンドや、メダル計数ボタン33やメダル枚数クリアボタンに対する操作がなされたことに基づいて、加減算等のクレジットの値を制御する処理を行う。
【0077】
メダルエラー管理部330は、メイン基板100や専用ユニット1000との接続を確認し、当該接続に異常がある場合に接続エラー状態とする処理や、クレジットの値等のRAM302に記憶された情報に異常がないかをチェックして当該チェックに異常がある場合にRAMエラー状態とする処理を行う。
【0078】
<遊技進行に係るメインフロー>
次に、本実施形態における遊技進行に係るメインフローについて、
図10~
図12を用いて説明する。ただし、先に説明した構成要素についても言及するので適宜参照されたい。特に、以降の説明では、処理を行う主体として
図9に示した機能を挙げている場合があるが、当該処理は当該主体のみによって実現されるとは限らない。
【0079】
図10~
図12は、本実施形態における遊技進行に係るメイン基板100のメインフローを示すフローチャートであり、当該フローに係る処理は、電源投入がなされたことを契機に実行される処理である。
メイン基板100は、
図10~
図12で示すステップS103からステップS143までの一連の処理を行う間に1回の遊技を行い、当該一連の処理を繰り返し行うことによって遊技を繰り返し行うことができる。
なお、
図10から
図12で示す各処理は一具体例であって、ここで挙げた処理以外の処理が、メイン基板100によって行われてもよい。
【0080】
まず、
図10を用いて、ステップS101~ステップS119を説明する。
最初のステップS101では、メイン基板100に係る初期設定処理を行う。
メイン基板100に係る初期設定処理は、電源の供給が開始された場合に行われ、一度行われた後は、電源の供給が絶たれ、再び電源の供給が開始されるまで行われない処理である。
より具体的には、当該処理では、設定キースイッチが操作された状態であれば、電断時に保持していたバックアップ情報(賭け数を特定する情報を含む)が破棄(クリア)され、上述の設定変更処理が行われ、その後、ステップS103に進む。なお、本実施形態では、設定変更処理が開始されたタイミングで設定変更開始コマンドがサブ基板200に向けて送信され、設定変更処理が終了したタイミングで設定変更終了コマンドがサブ基板200に向けて送信される。
一方、設定キースイッチが操作された状態でなければ、当該処理では、電断時に保持していたバックアップ情報に異常がないこと(本実施形態では、チェックサムの値が正常であること)を条件に、当該バックアップ情報に基づいて電断時の状態(電断時の状態がリールの回転を伴う遊技中であれば、当該遊技中)に復帰させる処理が行われ、その後にステップS103に進み、この際には、メイン基板100に係る電断復帰コマンドがサブ基板200に向けて送信される。なお、当該バックアップ情報に異常がある場合には、遊技に復帰不可能な状態(RAMエラー状態)となるため、上述の設定変更処理の実行を待つこととなる。そして、この際には、当該異常が発生したことを特定可能なRAMエラーコマンドがサブ基板200に向けて送信される。
【0081】
ステップS103では、次回の遊技を開始するために事前に必要な遊技開始処理を行う。遊技開始処理では、前回の遊技に係る各種情報を保存する処理や、前回の遊技において停止されたリール65のそれぞれの停止位置や有効ライン上に停止された図柄の組み合わせを示す情報をクリアする処理や、設定値を取得する処理などが行われる。
ステップS105では、次回の遊技の賭け数を設定するための準備処理であるメダル受付開始処理を行う。メダル受付開始処理では、メダル枚数制御基板300からの賭け数に係る情報を受付可能とする処理や、前回遊技でリプレイ役に入賞していた場合に前回遊技で設定されていた賭け数と同一の賭け数を設定する処理などが行われる。
ステップS107では、再遊技が作動しているか否かが判定され、当該条件が満たされた場合にはステップS111に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS109に進む。
【0082】
ステップS109では、検知された操作または遊技機10の状態に基づいて行われるメダルに係る処理であるメダル管理処理を行う。メダル管理処理では、最大ベットセンサ45aや単一ベットボタンセンサ45bによる操作検知がなされ場合に、当該操作に対応する数のメダルをメダル枚数制御基板300に要求する処理や、メダル枚数制御基板300から転送されたメダルを賭け数に加算する処理や、精算ボタン23cの押下を検知した場合に精算可能な賭け数の全部をメダル枚数制御基板300に転送する処理などが行われる。
【0083】
ステップS111では、遊技の開始条件が充足されているか否かのチェックであるリール回転開始チェックを行う。リール回転開始チェックでは、スタート操作センサ44による操作検知がなされたことを前提として、例えば、賭け数が最大数となっているか否かがチェックされる。
ステップS113では、リール回転開始チェックにおいて遊技の開始条件が成立しているか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS115に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS107に戻る。
ステップS115では、内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行い、内部当選役を決定する。なお、本実施形態における内部抽選の詳細は後述する。
ステップS117では、ステップS115で導出された内部当選役、または非当選である場合のハズレをRAM102の対応する領域に記憶させる当選役フラグ設定を行う。
【0084】
ステップS119では、遊技開始時遊技モード管理処理を行う。当該処理では、例えば、操作条件を特定可能な点灯態様に指示表示LED25cを制御する処理が行われる。
さらに、遊技開始時遊技モード管理処理では、内部当選コマンドをサブ基板200に対して送信する処理も行われる。内部当選コマンドには、導出された内部当選役、滞在中の遊技状態、および滞在中の遊技モードを特定可能な情報が少なくとも含まれており、これにより、サブ基板200で管理されるデバイス(本実施形態では、演出表示装置63)によって操作条件を特定可能な報知が実行可能となる。なお、本実施形態では、特段の説明がない限り、一の遊技において指示表示LED25cによって特定される操作条件と、当該一の遊技においてサブ基板200で管理されるデバイスで実行される報知によって特定される操作条件とは同一のものとなる。
【0085】
ここからは、
図11を用いて、ステップS121~ステップS135を説明する。
ステップS121では、ウェイト時間が経過したか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS123に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS121の判定に戻る。
ステップS123では、リール65のそれぞれ(脱調の発生により当該処理が行われる場合には、回転中のリール、すなわち、定速制御状態に設定されているリール)のリール制御状態が加速制御状態に設定し、加速制御状態に設定されたリールの回転を開始させる。このように、ステップS121の判定に戻る場合には、リール65の回転が開始されないため、リール制御部112は、ウェイト時間の経過を待って、リール65の回転が開始されることとなる。
【0086】
ステップS125では、リール65のうちの加速制御状態に設定されていたすべてのリールの回転速度が所定の速度に到達した(加速制御状態に対応する励磁パターンに従ってパルス信号の出力が終了した)か否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS127に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS125の先頭に戻る。なお、当該判定では、加速制御状態に設定されていたリールの回転速度が所定の速度に到達した場合には、順次、加速制御状態から定速制御状態に切り替えられる。さらに、当該判定では、当該リールのすべてが定速制御状態に切り替えられた後、リールセンサ66のうちの当該リールに対応するセンサがそれぞれの検知片をすべて検知するまでステップS127に進まず待機させ、当該待機後、当該リールに対応するストップボタンをすべて有効化し、ステップS127に進むこととなる。
【0087】
ステップS127では、リール65のうちの定速制御状態に設定されているリールに対して上述の脱調チェックを行う。
ステップS129では、脱調チェックで脱調が発生したか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS123に戻り、当該条件が充足されなかった場合にはステップS131に進む。このように、リール65のうちの回転中のリールについて、脱調が発生したと判定された場合には、回転中のリールに対し、再びステップS123の処理(リール再起動)が行われる。
ステップS131では、有効化されているストップボタンに対する操作(停止操作)があったか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS135に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS127に戻る。
【0088】
ステップS133では、リール停止処理を行う。リール停止処理は、停止操作がなされたストップボタン以外のストップボタンを無効化し、上述の通り、停止操作がなされたストップボタンに対応するリールを定速制御状態から引き込み制御状態に切り替え、停止位置となる図柄番号を導出し、導出された停止位置まで当該リールの図柄位置が進んだタイミングで当該リールを引き込み制御状態からブレーキ制御状態に切り替えリールを停止させる処理である。なお、ブレーキ制御状態に対応する励磁パターンに従ってパルス信号の出力が終了した後は、停止制御状態に切り替えられ、停止位置でリールが保持される。
また、リール停止処理では、停止コマンドが制御コマンド送受信部131を介してサブ通信部210に送信される処理も行われ、当該制御コマンドには、停止されたリールの種類(リール65L、リール65C、リール65Rのいずれか)および当該リールの停止された位置(図柄番号)を特定可能な情報が少なくとも含まれる。
【0089】
ステップS135では、リール65のすべてが停止されているか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS137に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS127に戻る。このように、リール65のすべてが停止していない場合には、ステップS127からステップS135の処理を繰り返す。
【0090】
ここからは、
図12を用いて、ステップS137~ステップS143を説明する。
ステップS137では、上述の入賞判定が行われ、入賞する役が判定される。
ステップS139では、遊技状態を移行させる状態移行処理が行われる。
【0091】
ステップS141では、遊技終了時遊技モード管理処理が行われる。
なお、遊技終了時遊技モード管理処理の詳細は後述するが、当該処理では、遊技モードを移行させる処理や、有利モード表示LED25gの点灯状態を制御する処理等が行われる。
また、遊技終了時遊技モード管理処理では、遊技終了コマンドをサブ基板200に対して送信する処理も行われ、当該制御コマンドには、入賞と判定された役、更新後の遊技状態、更新後の遊技モードを特定可能な情報等が含まれている。
【0092】
ステップS143では、入賞と判定された役に対応する数のメダルが付与され、その後にステップS103に戻る。なお、ステップS143において付与されるメダルは、メダル枚数制御基板300に転送され、クレジットに貯留記憶される。
【0093】
<メダル枚数制御基板のメインフローについて>
次に、
図13を用いて、メダル枚数制御基板300のメインフローを説明する。
図13は、メダル枚数制御基板300のメインフローのフローチャートであり、当該フローに係る処理は、電源投入時、すなわち、メダル枚数制御基板300に電源投入がなされたことを契機に実行される処理である。
【0094】
図13に示す通り、メダル枚数制御基板300のメインフローにおける最初のステップS301では、メダル枚数制御基板300に係る初期設定処理が実行される。
なお、メダル枚数制御基板300に係る初期設定処理では、例えば、電源投入時におけるメダル枚数クリアボタンの操作状態等に応じてクレジットがクリアされる処理が実行され、当該処理の詳細については後述する。
【0095】
ステップS303では、貸出情報があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS305に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS307に進む。ここで、貸出情報とは、遊技機10の外部にある専用ユニット1000から送信されるメダルを示す情報である。
ステップS305では、貸出情報に係るクレジット加算処理を実行し、当該処理では、貸出情報で特定されるメダル枚数がクレジットに加算される。なお、専用ユニット1000では、当該クレジット加算処理の終了を以て当該クレジット加算処理に係るメダル枚数分だけ専用ユニット1000に記憶されたメダル枚数が減算される。
【0096】
ステップS307では、メダル要求情報があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS309に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS311に進む。
ステップS309では、クレジット減算処理を実行し、当該処理では、メダル要求情報で特定されるメダル枚数がメイン基板100に向けて送信されるとともに、クレジットから当該メダル枚数が減算される。
なお、本実施形態では、クレジットがメダル要求情報で特定されるメダル枚数を下回っている場合には、クレジット減算処理が実行されない。ただし、この場合に、現在のクレジットの全部をメイン基板100に向けて送信し、送信したメダル枚数をクレジットから減算するように構成してもよい。
【0097】
ステップS311では、クレジット加算情報があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS313に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS315に進む。ここで、クレジット加算情報とは、メイン基板100に記憶された賭け数が精算される場合や、入賞判定によって払出のある役に入賞したと判定された場合に、メイン基板100から送信される情報である。
ステップS313では、クレジット加算情報に係るクレジット加算処理を実行し、当該処理では、当該処理に係るクレジット加算情報で特定されるメダル枚数がクレジットに加算される。特に、メイン基板100では、賭け数に係るクレジット加算処理の終了を以て賭け数がクリアされて零になる。
【0098】
ステップS315では、メダル計数ボタン33が操作されたか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS317に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS303に戻る。
ステップS317では、クレジット計数処理を実行し、当該処理では、現在のクレジットの一部または全部が専用ユニット1000に向けて送信されるとともに、送信されたメダル分だけクレジットが減算される。
より具体的には、メダル計数ボタン33が単押しされた場合には、その時点でのクレジットが50以下である場合には、現在のクレジットの全部を専用ユニット1000に向けて転送される一方、その時点でのクレジットが50以上である場合には、50枚のクレジットが専用ユニット1000に向けて転送される。さらに、メダル計数ボタン33が長押しされている場合には、一定時間(本実施形態では、1s)経過するごとに、上述したメダル計数ボタン33が単押しされた場合と同様の処理が、メダル計数ボタン33の長押しが終了するか減算後のクレジットが零になるまで実行される。
【0099】
このように、本実施形態では、メイン基板100とメダル枚数制御基板300とが相互通信可能に構成されるとともに、メダル枚数制御基板300と専用ユニット1000とが相互通信可能に構成されることで、上述したメダルレスのスロットマシンが実現される。
また、図示は省略するが、メダル枚数制御基板300におけるタイマ割込み処理では、メイン基板100とメダル枚数制御基板300との相互通信、およびメダル枚数制御基板300と専用ユニット1000との相互通信が正常になされているか否かを判定し、これらの相互通信のいずれかに異常がある場合には、エラー解除ボタン82が操作されかつ当該操作によって実行される処理によって当該異常が解消されたと判定されるまでメダル枚数制御基板300のメインフローの進行が停止される。なお、当該タイマ割込み処理の実行は、メダル枚数制御基板300に係る初期設定処理の終了を以て許可される。
さらに、当該タイマ割込み処理では、現在のクレジットの値を表示するようにメダル枚数表示LED28を点灯させる制御も実行され、これにより、現在のクレジットの値を遊技者が特定可能になる。
【0100】
<メダル枚数制御基板に係る初期設定処理について>
次に、
図14を用いて、メダル枚数制御基板300に係る初期設定処理であるメダル枚数制御基板初期設定処理の詳細を説明する。
図14は、メダル枚数制御基板初期設定処理のフローチャートである。
【0101】
図14に示す通り、メダル枚数制御基板初期設定処理における最初のステップS501では、電源投入時にメダル枚数クリアボタン81が操作された状態であったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS505に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS503に進む。
【0102】
ステップS503では、復帰情報に異常があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS505に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS509に進む。
ここで、復帰情報とは、メダル枚数制御基板300のRAM302に記憶された情報を指す。そして、復帰情報に異常があるか否かの判定とは、メダル枚数制御基板300の電断時に実行される電断処理においてONに設定される電断フラグがONであるか否かの判定と、当該電断処理の際にRAM302のバックアップ領域に退避させたデータのサム値と電源投入後の当該領域におけるサム値とが一致するか否かの判定(いわゆるチェックサム)とで構成され、これらの判定のいずれかに異常がある場合には、復帰情報に異常があるか否かの判定において復帰情報に異常があると判定される。
【0103】
ステップS505では、クレジットに零が設定されることで、クレジットの値がクリアされる。なお、本実施形態において、当該判定は、クレジットの値に関わらず実行される。
ステップS507では、クレジットの値がクリアされたことを特定可能なクレジットクリアコマンドを送信する。なお、当該制御コマンドは、サブ基板200および専用ユニット1000に対して送信し、メダル枚数制御基板初期設定処理を終了する。
【0104】
ステップS509では、クレジットを電断前の値に復帰させる。
ステップS511では、メダル枚数制御基板300に係る電断復帰コマンドを送信し、メダル枚数制御基板初期設定処理を終了する。なお、当該制御コマンドは、現在のクレジットの値を特定可能な情報を含むものであって、サブ基板200に対して送信されるものである。
【0105】
上述した通り、本実施形態に係る遊技機10は、1回のベットスタートボタン23aに対する操作により、賭け数を最大数に設定する操作、および遊技を開始させる操作の双方が実現されるように構成されている。以下、当該機能、および当該機能に関連する機能について、詳細を説明する。
【0106】
<テーブル部の構造について>
まず、テーブル部71の分解図である
図15を用いて、テーブル部71の構造を説明する。
図15に示す通り、テーブル部71は、メインテーブル71a、下部テーブル71b、上部テーブル71c、ベットスタートボタンユニット23、ストップボタンユニット27、および演出ボタンユニット24を、
図15に示される上下関係で組み付けることで構成される。
特に、メインテーブル71aには、各ボタンユニット(ベットスタートボタンユニット23、ストップボタンユニット27、演出ボタンユニット24)を収容するための凹部が設けられるとともに、上部テーブル71cには、当該各ボタンユニットの操作部(ベットスタートボタン23a、単一ベットボタン23b、精算ボタン23c、左ストップボタン27L、中ストップボタン27C、右ストップボタン27R、演出ボタン24a、左キーボタン24b、右キーボタン24c)のそれぞれを逃がすための孔を有している。そのため、テーブル部71において、当該各ボタンユニットの操作部が露出する。
また、テーブル部71において、メインテーブル71aの天面と上部テーブル71cの天面とは面一になる。
【0107】
また、上述の説明では省略したが、ベットスタートボタンユニット23は、ベットスタートボタン23a、単一ベットボタン23b、および精算ボタン23cを収容するベットスタートボタンベース23dを有している。そして、これらのボタンとベットスタートボタンユニット23との間にばねが挟み込まれていることで、ベットスタートボタンユニット23においてこれらのボタンが付勢支持されている。
さらに、ベットスタートボタンベース23dには、最大ベットセンサ45a、スタート操作センサ44、単一ベットボタンセンサ45b、精算ボタン23cに係るセンサが設けられている。
これにより、ベットスタートボタン23aを含めたベットスタートボタンユニット23に設けられた各操作部がボタンとして機能するとともに、当該各操作部に対する操作がなされたことを検知可能に構成されている。
【0108】
ストップボタンユニット27は、左ストップボタン27L、中ストップボタン27C、右ストップボタン27Rを収容するストップボタンベース27dを有している。そして、これらのボタンとベットスタートボタンベース23dとの間にばねが挟み込まれていることで、ストップボタンユニット27においてこれらのボタンが付勢支持されている。
さらに、ストップボタンベース27dには、ストップボタンセンサ43aが設けられている。
これらにより、各ストップボタンがボタンとして機能するとともに、各ストップボタンに対する操作がなされたことを検知可能に構成されている。
【0109】
演出ボタンユニット24は、演出ボタン24a、左キーボタン24b、右キーボタン24cを収容する演出ボタンベース24dを有している。そして、これらのボタンと演出ボタンベース24dとの間にばねが挟み込まれていることで、演出ボタンユニット24においてこれらのボタンが付勢支持されている。
さらに、演出ボタンベース24dには、演出ボタンセンサ45cと、キーボタンセンサ46aが設けられている。
これらにより、演出ボタン24aを含めたベットスタートボタンユニット23に設けられた各操作部がボタンとして機能するとともに、当該各操作部に対する操作がなされたことを検知可能に構成されている。
【0110】
<ベットスタートボタンユニットの構造について>
次に、
図16および
図17を用いて、ベットスタートボタンユニットの構造について、その詳細を説明する。
図16(a)は、ベットスタートボタンユニット23の上面図であり、
図16(b)は、ベットスタートボタンユニット23の側面図であり、
図16(c)は、ベットスタートボタンユニット23の正面図である。なお、
図16(a)~
図16(c)では、説明の便宜上、ベットスタートボタンベース23dおよびばねの図示を省略しており、これは、
図17(a)~
図17(c)においても同様である。
図17(a)~
図17(c)は、
図16(c)に示す切断面A-Aでベットスタートボタンユニット23を切断した断面を示す断面図であり、
図17(a)は、ベットスタートボタン23aの非押下時での断面を、
図17(b)は、最大ベットセンサ45aがベットスタートボタン23aを検知する位置まで操作された状態での断面を、
図17(c)は、スタート操作センサ44がベットスタートボタン23aを検知する位置まで操作された状態での断面を、示す断面図である。
【0111】
図16(a)~
図16(c)に示す通り、ベットスタートボタンユニット23では、ベットスタートボタン23aに対する操作を検知するためのセンサとして、最大ベットセンサ45aおよびスタート操作センサ44が設けられている。
【0112】
続いて、
図17(a)~
図17(c)に示される通り、ベットスタートボタン23aには、第1検知片231aと、第2検知片231bと、が設けられており、これらの検知片の長さ(突出長さ)が異なる。より具体的には、各検知片の付け根の位置を基準として、第1検知片231aの長さが、第2検知片231bの長さよりも長くなるように構成されている。
そのため、ベットスタートボタン23aが非押下時の状態(
図17(a))、すなわち、ベットスタートボタン23aが付勢支持されている初期位置で、ベットスタートボタン23aに対する操作がなされると、まず最大ベットセンサ45aが第1検知片231aを検知し(
図17(b))、その後にスタート操作センサ44が第2検知片231bを検知することとなる(
図17(c))。
なお、本実施形態において、
図17(a)から
図17(b)の状態となるまでのストローク(ベットスタートボタン23aの押下量)であるストロークS11は、2.0mmであり、
図17(a)から
図17(c)の状態となるまでのストロークであるストロークS12は、3.0mmである。
【0113】
このように、本実施形態では、最大ベットセンサ45aによる検知に基づいて賭け数を最大値にする処理が実行可能に構成され、かつスタート操作センサ44による検知に基づいて遊技を開始する処理が実行可能に構成されていることを前提に、ベットスタートボタン23aが初期位置にある状態での第2検知片231bの位置とスタート操作センサ44が第2検知片231bを検知する際の第2検知片231bの位置との距離(ストロークS12)が、ベットスタートボタン23aが初期位置にある状態での第1検知片231aの位置と最大ベットセンサ45aが第1検知片231aを検知する際の第1検知片231aの位置との距離(ストロークS11)よりも長くなるように構成されている。
これによれば、遊技者の操作負担を軽減しつつも、遊技操作とこれらの処理との関連性を高めて操作感を遊技者に感じさせることができる。さらに、メイン基板100側の処理(特に、ステップS109~ステップS113)を改変することなく、または当該処理に対して大きな改変をすることなく、遊技者の操作負担を軽減することができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、第1検知片231aと第2検知片231bとの長さを同一にした上で、最大ベットセンサ45aの位置とスタート操作センサ44の位置とを押下方向で異ならせることで、上述した距離の差を実現してもよい。
【0114】
よって、遊技機10では、ボタン部(ベットスタートボタン23a)が所定位置(初期位置)にある状態での第二検知片(第2検知片231b)の位置と第二検知センサ(スタート操作センサ44)が第二検知片を検知する際の第二検知片の位置との距離である第二距離(ストロークS12)が、ボタン部が所定位置にある状態での第一検知片(第1検知片231a)の位置と第一検知センサ(最大ベットセンサ45a)が第一検知片を検知する際の第一検知片の位置との距離である第一距離(ストロークS11)よりも長い、と換言できる。
【0115】
特に、本実施形態では、第1検知片231aの長さと第2検知片231bの長さとの違いで、上述した距離の差を実現している。
これによれば、押下方向で最大ベットセンサ45aの位置とスタート操作センサ44の位置をあわせることにより、各センサからの配線の取り回しを容易にすることができる等、各センサの設置に係る負担を低減することができる。
また、不正な電波等を用いた各センサに対する不正行為を警戒する領域を狭めることができる。これは、ベットスタートボタンユニット23のセキュリティ向上に寄与する。
【0116】
よって、遊技機10において、所定方向(押下方向)に係る第二検知片(第2検知片231b)の長さが、所定方向に係る第一検知片(第1検知片231a)の長さよりも短いことにより、第一距離(ストロークS11)と第二距離(ストロークS12)との差が実現される、と換言できる。
【0117】
また、上述の通り、本実施形態では、ストロークS11とストロークS12との差(1.0mm)が、ストロークS11(2.0mm)よりも短くなるように構成されている。
これによれば、ストロークS11とストロークS12との差によるベットスタートボタン23a操作時の違和感を低減することができるとともに、ベットスタートボタン23aに対する誤操作(最大ベットセンサ45aが第1検知片231aを検知するものの、スタート操作センサ44が第2検知片231bを検知しない操作)の発生を抑止することができる。
【0118】
よって、遊技機10において、第一ボタン部(ベットスタートボタン23a)が第一位置(初期位置)にある状態での第二検知片(第2検知片231b)の位置と第二検知センサ(スタート操作センサ44)が第二検知片を検知する際の第二検知片の位置との距離である第二距離(ストロークS12)が、第一ボタン部が第一位置にある状態での第一検知片(第1検知片231a)の位置と第一検知センサが第一検知片を検知する際の第一検知片の位置との距離である第一距離(ストロークS11)よりも長く、第一距離と第二距離との差は、第一距離よりも短い、と換言できる。
【0119】
<演出ボタンユニットの構造について>
次に、
図18および
図19を用いて、演出ボタンユニット24の構造について、その詳細を説明する。
図18(a)は、演出ボタンユニット24の上面図であり、
図18(b)は、演出ボタンユニット24の側面図であり、
図18(c)は、演出ボタンユニット24の正面図である。なお、
図18(a)~
図18(c)では、説明の便宜上、演出ボタンベース24dおよびばねの図示を省略しており、これは、
図19(a)および
図19(b)においても同様である。
図19(a)および
図19(b)は、
図18(c)に示す切断面B-Bで演出ボタンユニット24を切断した断面を示す断面図であり、
図19(a)は、演出ボタン24aの非押下時での断面を、
図19(b)は、演出ボタンセンサ45cが演出ボタン24aを検知する位置まで操作された状態での断面を、示す断面図である。
【0120】
図18(a)~
図18(c)に示す通り、演出ボタンユニット24では、演出ボタン24aに対する操作を検知するためのセンサとして、演出ボタンセンサ45cが設けられている。
【0121】
続いて、
図19(a)および
図19(b)に示される通り、演出ボタン24aには、検知片241aが設けられている。演出ボタン24aが非押下時の状態(
図19(a))、すなわち、演出ボタン24aが付勢支持されている初期位置で、演出ボタン24aに対する操作がなされると、演出ボタンセンサ45cが検知片241aを検知する(
図19(b))。
なお、本実施形態において、
図19(a)から
図19(b)の状態となるまでのストローク(演出ボタン24aの押下量)であるストロークS2は、2.8mmであり、これは、上記ストロークS11(2.0mm)よりも長い。
これによれば、演出ボタン24aに対する操作感(押下量に係るもの)とベットスタートボタン23aに対する操作感とを近づけることで、上述したベットスタートボタン23a操作時の違和感を低減することができるとともに、上述したベットスタートボタン23aに対する誤操作の発生を抑止することができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、本実施形態のように、演出ボタン24aの押下方向とベットスタートボタン23aの押下方向とが略同一であることが好ましいが、これらの押下方向が異なっていてもよい。ここで、略同一とは、押下方向の成分(X,Y,Z)のうち最も大きい成分が一致することを指す。
【0122】
よって、遊技機10は、第二方向に押下可能に構成された第二ボタン部(演出ボタン24a)と、第二ボタン部を移動可能に収容する第二収容部(演出ボタンベース24d)と、を有し、第二ボタン部を第二位置(初期位置)に付勢支持する第二操作ユニット(演出ボタンユニット24)を、備え、第二ボタン部は、当該第二ボタン部と協働して移動する第三検知片(検知片241a)を有し、第二収容部は、第三検知片を検知するための第三検知センサ(演出ボタンセンサ45c)を有し、第三検知センサが第三検知片を検知したことに基づいて、第一遊技処理および第二遊技処理(メイン基板100側の処理)のいずれとも異なる第三遊技処理(サブ基板200側の処理)が実行可能に構成され、第二ボタン部が第二位置にある状態での第三検知片の位置と第三検知センサが第三検知片を検知する際の第三検知片の位置との距離である第三距離(ストロークS2)が、上記第一距離(ストロークS11)よりも長い、と換言できる。
【0123】
さらに、遊技機10において、上記第二方向は、上記第一方向と略同一の方向である、と換言できる。
【0124】
特に、本実施形態では、上記ストロークS2(2.8mm)は、上記ストロークS12(3.0mm)よりも短い。
これによれば、演出ボタン24aに対する操作感(押下量に係るもの)とベットスタートボタン23aに対する操作感とをより近づけることで、上述したベットスタートボタン23a操作時の違和感を低減する効果を高めるとともに、上述したベットスタートボタン23aに対する誤操作の発生を抑止する効果も高めることができる。
【0125】
よって、遊技機10において、上記第三距離(ストロークS2)は、上記第二距離(ストロークS12)よりも短い、と換言できる。
【0126】
<遅延回路について>
次に、
図20を用いて、遅延回路を用いた変形例について説明する。
図20は、電気構成を示す図である
図8の一部をベースに遅延回路の設ける位置を示す図である。
【0127】
図20に示す通り、1回のベットスタートボタン23aに対する操作により、賭け数を最大数に設定する操作、および遊技を開始させる操作の双方が実現されるように構成するために、上述したストロークS11とストロークS12との差を用いた手法に加えて、または当該手法に代えて、スタート操作センサ44とメイン基板100との間に遅延回路105を設けてもよい。ここで、遅延回路105は、入力された信号を一定時間遅らせて出力する回路を指し、その種類は問わない。
これによれば、上述したストロークS11とストロークS12との差を用いた手法に加えて、スタート操作センサ44とメイン基板100との間に遅延回路105を設ける場合には、上述したストロークS11とストロークS12との差を小さくし、ベットスタートボタンユニット23を小型化することができる。
また、上述したストロークS11とストロークS12との差を用いた手法に代えて、スタート操作センサ44とメイン基板100との間に遅延回路105を設ける場合には、メイン基板100側の処理(特に、ステップS109~ステップS113)を改変することなく、または当該処理に対して大きな改変をすることなく、遊技者の操作負担を軽減することができる。
なお、これらの効果を奏するにあたり、遅延回路105において信号が遅延される時間は、特に限定されず、ストロークS11とストロークS12の差、すなわち、ベットスタートボタンユニット23の許容サイズを考慮して適宜決定すればよい。
【0128】
よって、遊技機10において、ボタン部(ベットスタートボタン23a)は、当該ボタン部と協働して移動する検知片として、第一検知片(第1検知片231a)と、第二検知片(第2検知片231b)と、を有し、収容部(ベットスタートボタンベース23d)は、第一検知片を検知するための第一検知センサ(最大ベットセンサ45a)と、第二検知片を検知するための第二検知センサ(スタート操作センサ44)と、を有し、ボタン部が操作された際には、第一検知センサによって第一検知片が検知され、第二検知センサによって第二検知片が検知され、第一検知センサが第一検知片を検知したことに基づいて、第一遊技処理が実行可能に構成され、第二検知センサが第二検知片を検知したことに基づいて、第二遊技処理が実行可能に構成され、第二検知センサに係る第二検知片の検知タイミングを、第一検知センサに係る第一検知片の検知タイミングに対して遅延させる遅延手段を、備える、と換言できる。
【0129】
なお、上記第一遊技処理および上記第二遊技処理は、同一の処理であってもよいし、異なる処理であってもよいが、本実施形態のように、上記第二遊技処理が、遊技の進行上において、上記第一遊技処理よりも後に実行されるものであることが好ましい。
これによれば、遊技の進行をスムーズにすることができる。
【0130】
よって、遊技機10において、第一遊技処理および第二遊技処理は、遊技の進行に係る処理であり、第二遊技処理は、遊技の進行にあたって第一遊技処理の後に実行される処理である、と換言できる。
【0131】
さらに、遊技機10は、第一遊技処理および第二遊技処理を実行可能な遊技制御部を、備え、遊技制御部(メイン基板100)には、第一検知センサ(最大ベットセンサ45a)による第一検知片(第1検知片231a)の検知に基づいて、第一検知信号が入力され、第二検知センサ(スタート操作センサ44)による第二検知片(第2検知片231b)の検知に基づいて、第二検知信号が入力され、遊技制御部は、第一検知信号の入力に基づいて第一遊技処理を実行し、第二検知信号の入力に基づいて第二遊技処理を実行し、第二検知センサと遊技制御部との間には、第二検知信号を遅延させる遅延回路(遅延回路105)が設けられ、上記遅延手段は、第一距離と第二距離との差に加え、遅延回路によって実現される、と換言できる。
【0132】
なお、本変形例では、ストップボタンセンサ43aとメイン基板100との間、最大ベットセンサ45a、および単一ベットボタンセンサ45bとメイン基板100との間には、遅延回路を設けていない。
【0133】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0134】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)
所定方向に押下可能に構成されたボタン部と、前記ボタン部を移動可能に収容する収容部と、を有し、かつ前記ボタン部を所定位置に付勢支持する操作ユニットを、備え、第一遊技処理と、前記第一遊技処理と同一または異なる第二遊技処理と、を実行可能な遊技機であって、
前記ボタン部は、当該ボタン部と協働して移動する検知片として、第一検知片と、第二検知片と、を有し、
前記収容部は、前記第一検知片を検知するための第一検知センサと、前記第二検知片を検知するための第二検知センサと、を有し、
前記ボタン部が操作された際には、
前記第一検知センサによって前記第一検知片が検知され、
前記第二検知センサによって前記第二検知片が検知され、
前記第一検知センサが前記第一検知片を検知したことに基づいて、前記第一遊技処理が実行可能に構成され、
前記第二検知センサが前記第二検知片を検知したことに基づいて、前記第二遊技処理が実行可能に構成され、
前記第二検知センサに係る前記第二検知片の検知タイミングを、前記第一検知センサに係る前記第一検知片の検知タイミングに対して遅延させる遅延手段を、さらに備える、
ことを特徴とする遊技機。
(2)
上記(1)に記載の遊技機であって、
前記ボタン部が前記所定位置にある状態での前記第二検知片の位置と前記第二検知センサが前記第二検知片を検知する際の前記第二検知片の位置との距離である第二距離が、前記ボタン部が前記所定位置にある状態での前記第一検知片の位置と前記第一検知センサが前記第一検知片を検知する際の前記第一検知片の位置との距離である第一距離よりも長く、
前記遅延手段は、少なくとも前記第一距離と前記第二距離との差によって実現される、
ことを特徴とする遊技機。
(3)
上記(2)に記載の遊技機であって、
前記所定方向に係る前記第二検知片の長さが、前記所定方向に係る前記第一検知片の長さよりも短い、
ことを特徴とする遊技機。
(4)
上記(2)又は(3)に記載の遊技機であって、
前記第一遊技処理および前記第二遊技処理を実行可能な遊技制御部を、備え、
前記遊技制御部には、
前記第一検知センサによる前記第一検知片の検知に基づいて、第一検知信号が入力され、
前記第二検知センサによる前記第二検知片の検知に基づいて、第二検知信号が入力され、
前記遊技制御部は、
前記第一検知信号の入力に基づいて前記第一遊技処理を実行し、
前記第二検知信号の入力に基づいて前記第二遊技処理を実行し、
前記第二検知センサと前記遊技制御部との間には、前記第二検知信号を遅延させる遅延回路が設けられ、
前記遅延手段は、前記第一距離と前記第二距離との差に加え、前記遅延回路によって実現される、
ことを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0135】
10 遊技機
20 前面扉
20a 上部前面扉
20b 下部前面扉
21 上部パネル
23 ベットスタートボタンユニット
23a ベットスタートボタン
23b 単一ベットボタン
23c 精算ボタン
23d ベットスタートボタンベース
24 演出ボタンユニット
24a 演出ボタン
24b 左キーボタン
24c 右キーボタン
24d 演出ボタンベース
25 状態表示LED
25a 投入枚数表示LED
25b 獲得枚数表示LED
25c 指示表示LED
25d 再遊技表示LED
25e 遊技開始表示LED
25f 投入可能表示LED
25g 有利モード表示LED
27 ストップボタンユニット
27L 左ストップボタン
27C 中ストップボタン
27R 右ストップボタン
27d ストップボタンベース
27a 停止可能表示LED
28 メダル枚数表示LED
33 メダル計数ボタン
34 ドア錠
36(36a、36b、36c、36d、36e、36f、36g、36h) 装飾LED
38(38a、38b、38c、38d) スピーカ口
40a、40b 各種センサ
41 装飾LED基板
43a ストップボタンセンサ
44 スタート操作センサ
45a 最大ベットセンサ
45b 単一ベットボタンセンサ
45c 演出ボタンセンサ
46a キーボタンセンサ
49 スピーカ
62 演出表示領域
63 演出表示装置
64 リール枠
65(65L、65C、65R) リール
66 リールセンサ
67 リール照明基板
68 リールモータ
70 テーブルベース
70a 立設面
71 テーブル部
71a メインテーブル
71b 下部テーブル
71c 上部テーブル
90 外枠
97 下部ヒンジ部
100 メイン基板
101、201、301 CPU
102、202、302 RAM
103、203、303 ROM
104、204 乱数回路
105 遅延回路
100 メイン基板
110 遊技進行管理部
111 内部抽選部
112 リール制御部
113 入賞判定部
114 メダル管理部
115 状態表示LED制御部
120 状態管理部
121 設定変更管理部
122 遊技状態管理部
124 遊技モード管理部
125 メインエラー管理部
130 メイン通信部
131 制御コマンド送受信部
132 外部信号送信部
200 サブ基板
210 サブ通信部
211 制御コマンド受信部
220 演出管理部
221 演出制御部
222 演出表示制御部
223 音声制御部
224 装飾LED制御部
231a 第1検知片
231b 第2検知片
241a 検知片
300 メダル枚数制御基板
310 制御コマンド送受信部
320 クレジット管理部
330 メダルエラー管理部
1000 専用ユニット
L1~L5 ライン