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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012249
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】記譜法及びその楽譜。
(51)【国際特許分類】
   G10G 3/00 20060101AFI20240123BHJP
   G10G 1/00 20060101ALI20240123BHJP
   G09B 15/02 20060101ALI20240123BHJP
   G09B 15/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G10G3/00
G10G1/00
G09B15/02 Z
G09B15/00 C
G09B15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022124381
(22)【出願日】2022-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】522309322
【氏名又は名称】北川 拓
(72)【発明者】
【氏名】北川 拓
【テーマコード(参考)】
5D182
【Fターム(参考)】
5D182AA14
(57)【要約】
【課題】ギターなどの弦楽器で使用する楽譜は五線譜とタブ譜の2つがあるが、五線譜では奏法についての指定が無く、初心者などに奏法を伝える手段にはなり得ず、またタブ譜では奏法の記載のみになってしまい何の音を弾いているのかを意識する事が出来ない。つまり五線譜では奏法が分からない、タブ譜では何を弾いているのかが分からないといった課題を解決する楽譜を提供する。
【解決手段】 図6図7図8の様にタブ譜の6線又は4線に直接、音名又は階名を記入し、またそれに伴い必要であれば調号、臨時記号などを用いる。五線譜では困難であった奏法の把握と、タブ譜では困難であった音名及び階名の把握の両方を得る事が出来る。更に発展的な効果として移動ドによる記譜によって複雑な旋律及び和声の解析を伴った記譜も可能となる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギター及びその他の弦楽器、ベース、ウクレレ、マンドリンなどで使用するタブ譜に直接音名又は階名を記入する記譜法により作成された楽譜
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はギターなどの弦楽器で使用する楽譜とその記譜法に関する。
【背景技術】
【0002】
ギターなどの弦楽器では図1の五線譜と図2のタブ譜を併用している。
【0003】
まず図1の五線譜は、ギターなどの弦楽器の他、様々な楽器や声楽、そして吹奏楽やオーケストラまで広く使用されている最もスタンダードな楽譜と言える。
【0004】
次に図2のタブ譜は、ギターなど弦楽器用の楽譜で、ギターでは6本の弦に対応する6線に押弦するフレットが数字で記され、奏法において具体性がある点が特徴の楽譜である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4871493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ギターで五線譜を読む場合の問題点の一つに「奏法において選択肢が多すぎる」という点がある。具体例として図1の様な最もシンプルといえるメロディーにおいても、まず(1)の「ド」は図4に示す様に2弦の1フレット、3弦の5フレット、4弦の10フレット、5弦の15フレット、6弦の20フレットと5つの選択肢があり、同様に(2)の「レ」は4箇所、(3)の「ミ」も5箇所の選択肢が存在する事から反映される演奏法は15種類以上に及び、その演奏法によって音の表情も変わる中で「どう演奏するか?」という判断をしなければならず、それには高度な知識と経験を要し、とりわけ初心者にとっては非常に困難と言える。しかし五線譜を用いた楽譜はスタンダードであり、アンサンブルやセッションなどで五線譜を読む機会は多く、ギター奏者でも5線譜が読める事は必須であるという事は言うまでも無い。
【0007】
次にギターのタブ譜の問題点として、タブ譜には押弦する弦とフレットの記載があるので具体性があり、五線譜の様に奏者は迷わされる事は無いが、図5又は図2の様に音名及び階名の記載が欠落している為、奏者は音名及び階名を意識せずに「何弦の何フレット」といった動作の認識のみで演奏してしまう為、その音が持つ絶対的又は相対的な意味を理解する事が出来ないばかりか繰り返しの演奏の中でギターの指板の音を覚えるという機会をも奪ってしまい、それは楽器の習熟にとって致命的な弊害と言える。その結果「タブ譜は読めるが楽譜は読めない」、「ギターは弾けるが何を弾いているのかはよく分からない」といったギター奏者が後を絶たない。
【0008】
五線譜では奏法の具体的な記載が無い為、多くのギター奏者はタブ譜を頼りにギターを習得する。しかしタブ譜によって習得しうるのは奏法又はテクニックであり、音を具体的に認識し、それによって音感を養い、音楽の構造の理論的把握といった事が後景に追いやられ、優れた音楽家としての奏者の輩出を困難にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図6図7図8の様にタブ譜の6線又は4線に直接、音名又は階名を記入し、またそれに伴い必要であれば調号、臨時記号などを用いる。
【発明の効果】
【0010】
五線譜では困難であった奏法の把握と、タブ譜では困難であった音名及び階名の把握の両方を得る事が出来る。
【0011】
更に発展的な効果として移動ドによる記譜によって複雑な旋律及び和声の解析を伴った記譜も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】五線譜
図2】タブ譜
図3】シンプルなメロディー
図4】ギターのダイヤグラム
図5】ギターのタブ譜
図6】ギター用ノートタブ譜
図7】ベース、ウクレレなど4弦楽器用ノートタブ譜
図8】シンプルなメロディーのノートタブ譜1
図9】シンプルなメロディーのノートタブ譜2
図10】オクターブ記号
図11】調号を使わずに固定ドで記譜したノートタブ譜
図12】調号を使って固定ドで記譜したノートタブ譜
図13】調号を使わずに移動ドで記譜したノートタブ譜
図14】移動ドで頻繁な転調を記譜したノートタブ譜
図15】併用例
図16】音名の記譜例
図17】クロマチックに対応する階名
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願発明の楽譜の名称をノートタブ譜とし、図6及び図7に示す様に、タブ譜の6線又は4線の左端にそれが五線譜でもタブ譜でも無い新しい楽譜、ノートタブ譜である事を示す大文字のN(4)を記入し、必要に応じて調号(5)拍子記号(6)などを加え使用する。調合及び臨時記号の運用は五線譜の記譜法のそれに準じ、また図14に示す様に(8)(9)(10)のような奏法に関する表記はタブ譜の記譜法に準じる。
【実施例0013】
図8図3のシンプルなメロディーをノートタブ譜に書き表したものである。始めに(1)のドは3弦に記されているが、ギターの3弦においてドは5フレットにしか存在しない。同様に次のレ(2)も7フレット、2弦のミ(3)も5フレットに存在するのみである。この事から弦に直接音名又は階名を記入されたノートタブ譜を読譜する事は容易であり、かつ読み誤ることも無いのである。
【0014】
次に図9図8に示した奏法とは異なる奏法で記譜した例である。図8は(1)のドと(2)のレを3弦で奏し(3)のミは2弦で奏する記譜となっているのに対し、図9は(1)(2)(3)のドレミをすべて3弦で奏する記譜となっている。この様にノートタブ譜は奏法における具体性を担保しながら音名又は階名を把握する事の出来る楽譜である事が分かる。
【0015】
各弦において12フレット以降の音域は1オクターブ上の音であるため図10の様にオクターブ記号として数字の2を記す。複数の音群の場合はカッコなどで記す。
【0016】
図11はジャズスタンダードナンバーThere Will Never Be Another Youの冒頭部分で、調号を使用せずに記譜した例。調号に慣れていない初心者に向く。
【0014】
図12はThere Will Never Be Another Youを調号を用いて記譜した例。調号及び臨時記号については五線譜の記譜法に準ずる。すなわち調号は付けられた場所以後、途中で調号が変更された場合を除きすべての同名の音に対して効力があり、臨時記号の場合は付けられた場所以後その小節内でかつ同じ高さの音に対してのみ有効である。この様な五線譜の記譜法に準じた調号及び臨時記号の運用によって五線譜の譜読みにも対応しやすくなる事が期待出来る。
【0015】
図13は移動ドによるThere Will Never Be Another Youの記譜であるが、この様に移動ドで表記する場合は(7)のように分数でその音が何弦の何フレットであるかを表記する。(7)は4弦の8フレットを意味している。移動ドで表記する事により、和声と旋律、そして調性との関係及び構造を把握しやすくなるメリットがある。
【0016】
図14は難曲として知られているコルトレーンのGiant Stepsのコード進行に対するアドリブフレーズであるが移動ドによる記譜によって頻繁な転調の中でも旋律の構造が読み取れる。
【0017】
図15はノートタブ譜とタブ譜の併用例である。分かりやすく初心者に向く。
【0018】
図16は音名表記の例。
【0019】
図17は海外で使用されるクロマチックに対応する階名を用いた例。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のノートタブ譜は教則本、専門誌などの出版物、またパソコンで使用する楽譜作成ソフトなどに利用出来る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17