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特開2024-122510パーソナライゼーション方法、コンピュータプログラム及びパーソナライゼーションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122510
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】パーソナライゼーション方法、コンピュータプログラム及びパーソナライゼーションシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20240902BHJP
【FI】
G06F3/04847
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030080
(22)【出願日】2023-02-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】522424407
【氏名又は名称】Hubbit株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】臼井 貴紀
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA71
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC17
5E555DA21
5E555EA03
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】経時的に変化する利用者の性質に対応可能なアプリケーション機能のパーソナライゼーション技術を提供すること。
【解決手段】コンピュータ装置が実行するアプリケーション機能のパーソナライゼーション方法であって、前記コンピュータ装置は、記憶部に格納されたコンピュータ読取可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つの処理部を含み、前記パーソナライゼーション方法は、前記少なくとも1つの処理部が、前記アプリケーションを利用するユーザのレベル評価テストのテスト結果を含む初期情報の入力を受け付ける初期情報受付工程と、前記初期情報に基づいて、前記ユーザに対して提供されるアプリケーション機能の初期の設定情報を決定する初期設定工程と、前記ユーザが前記アプリケーションの利用に際して履歴情報を取得し、更新情報を決定する更新情報受付工程と、前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する更新設定工程と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置が実行するアプリケーション機能のパーソナライゼーション方法であって、
前記コンピュータ装置は、記憶部に格納されたコンピュータ読取可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つの処理部を含み、
前記パーソナライゼーション方法は、前記少なくとも1つの処理部が、
前記アプリケーションを利用するユーザの初期レベル評価テストのテスト結果を含む初期情報の入力を受け付ける初期情報受付工程と、
前記初期情報に基づいて、前記ユーザに対して提供されるアプリケーション機能の初期の設定情報を決定する初期設定工程と、
前記ユーザが前記アプリケーションの利用に際して履歴情報を取得し、更新情報を決定する更新情報受付工程と、
前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する更新設定工程と、を含むパーソナライゼーション方法。
【請求項2】
前記設定情報毎に、複数のパラメタが定義され、
前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程では、前記初期情報及び/又は前記更新情報に基づいて前記パラメタを算出することで前記設定情報を決定する請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項3】
前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程では、前記初期情報及び/又は前記更新情報、及び前記パラメタを教師データとして学習した機械学習モデルを用いて前記パラメタを算出することで、前記設定情報を決定する請求項2に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項4】
前記設定情報は、前記アプリケーションにおける表示出力されるUIに関する表示UI設定、及び前記アプリケーションから出力される音声に関する出力音声設定の1又は複数を含む請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項5】
前記設定情報は更に、前記アプリケーションにおいて表示出力されるコンテンツに関する表示コンテンツ設定を含む請求項4に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項6】
前記更新情報受付工程では、前記更新情報に基づいて更新レベル評価テストを実施し、
前記更新レベル評価テストのテスト結果を含む更新情報の入力を受け付け、
前記更新設定工程では、前記更新情報受付工程において受け付けた前記更新情報に基づいて設定情報を決定することで、前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項7】
前記初期情報受付工程では、前記ユーザの事前情報を更に含む前記初期情報の入力を受け付け、
前記事前情報は、個人情報、身体状況、認知能力、家族情報、要介護度、性格、財産状況の1又は複数を含む請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項8】
前記パーソナライゼーション方法は更に、前記少なくとも1つの処理部が、
利用者端末装置から前記初期情報若しくは前記更新情報、該初期情報若しくは該更新情報に基づいて決定された設定情報、及び該設定情報の適用後に取得した履歴情報である適用後履歴情報を受け付け、実績情報として格納する実績受付工程と、
前記実績情報に含まれた前記設定情報、及び前記適用後履歴情報に基づいて、実績情報の評価を行う実績評価工程と、
前記評価結果に基づいて決定された前記実績情報に含まれた前記初期情報若しくは前記更新情報、及び前記設定情報を教師データとして、前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程で設定情報を決定する為のモデル更新を行うモデル更新工程と、を含む請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項9】
請求項1~8のうちのいずれか一項に記載のパーソナライゼーション方法を前記コンピュータ装置に実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項10】
アプリケーション機能のパーソナライゼーションシステムであって、
前記アプリケーションを利用するユーザの能力テスト結果を含む初期情報の入力を受け付ける初期情報受付部と、
前記初期情報に基づいて、前記ユーザに対して提供されるアプリケーション機能の初期の設定情報を決定する初期設定部と、
前記ユーザが前記アプリケーションの利用に際して履歴情報を取得し、更新情報を決定する更新情報受付部と、
前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する更新設定部と、を有するパーソナライゼーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーション機能のパーソナライゼーション方法、コンピュータプログラム及びパーソナライゼーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末等、カメラを備えたデバイスの常用化によって、チャットサービスや、音声通話サービス、ビデオ通話サービス等を実現可能とするアプリケーションが提供されるようになった。これらサービスは利用者と、その家族間や友人間で利用される場合もあれば、利用者とチャットボット等のAIアシスタント間で利用される場合もあり得る。また、その他、ECサービスやタスク・スケジュール管理サービス、服薬管理サービス、緊急通報サービス等が提供されるようになった。これらのサービスは、個別のアプリケーションで提供される場合もあれば、複数のサービスを統合したアプリケーションとして提供されることもある。
【0003】
個別又は統合アプリケーションによって提供されるこれらのサービスによって、利用者の利便性や生活品質が向上した一方、利用者の属性や能力、生活習慣、趣味嗜好等の性質によっては、アプリケーション機能の適切な利用ができない場合があった。また、利用者の性質によっては、統合アプリケーションにおいて提供される複数のサービスのうち、一部は利用者の生活に不要となる場合もあった。
【0004】
特許文献1には、第1家庭電器の閾値範囲内でユーザの存在を検出し、ユーザの1つ又は複数のリアルタイム画像に対して画像処理を行い、ユーザの顔画像の1つ又は複数の特徴を決定することと、第1家庭電器の現在制御用ユーザインタフェース設定の第1変動をトリガするように構成される少なくとも1つの第1パラメータを決定する、ことと、第1家庭電器の閾値範囲内で、第1ユーザの存在を継続して検出した場合、第1家庭電器の、第1パラメータに対応する第1制御用ユーザインタフェース設定をアクティブ化することと、を含む方法が開示されている。
【0005】
特許文献2には、携帯用端末機においてユーザの便宜に合わせてユーザインタフェースを設定することが可能なユーザインタフェース設定方法及び装置を提供する技術が開示されている。
【0006】
特許文献3には、容易に情報処理装置の使い易さを向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2022-504302号公報
【特許文献2】特開2013-084249号公報
【特許文献3】特開2011-107899号公報
【0008】
ところで、利用者の性質は不変のものではなく、経時的に変化する場合がある。典型的には、利用者の身体機能や病状の変化等であり、これらの変化に伴って、利用者に合わせてアプリケーション機能を変化させる必要がある。しかしながら、先行技術では、個々の利用者に対する経時的なパーソナライゼーションを実現することはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、経時的に変化する利用者の性質に対応可能なアプリケーション機能のパーソナライゼーション技術を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、コンピュータ装置が実行するアプリケーション機能のパーソナライゼーション方法であって、前記コンピュータ装置は、記憶部に格納されたコンピュータ読取可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つの処理部を含み、前記パーソナライゼーション方法は、前記少なくとも1つの処理部が、前記アプリケーションを利用するユーザの初期レベル評価テストのテスト結果を含む初期情報の入力を受け付ける初期情報受付工程と、前記初期情報に基づいて、前記ユーザに対して提供されるアプリケーション機能の初期の設定情報を決定する初期設定工程と、前記ユーザが前記アプリケーションの利用に際して履歴情報を取得し、更新情報を決定する更新情報受付工程と、前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する更新設定工程と、を含む。
本発明の好ましい形態では、前記設定情報毎に、複数のパラメタが定義され、前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程では、前記初期情報及び/又は前記更新情報に基づいて前記パラメタを算出することで前記設定情報を決定する。
本発明の好ましい形態では、前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程では、前記初期情報及び/又は前記更新情報、及び前記パラメタを教師データとして学習した機械学習モデルを用いて前記パラメタを算出することで、前記設定情報を決定する。
【0011】
このような構成とすることで、個々の利用者に対する経時的なパーソナライゼーションを実現することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記設定情報は、前記アプリケーションにおける表示出力されるUIに関する表示UI設定、及び前記アプリケーションから出力される音声に関する出力音声設定の1又は複数を含む。
このような構成とすることで、表示UIや出力音声に対する経時的なパーソナライゼーションを行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記設定情報は更に、前記アプリケーションにおいて表示出力されるコンテンツに関する表示コンテンツ設定を含む。
このような構成とすることで、アプリケーションにおいて表示出力されるコンテンツに対する経時的なパーソナライゼーションを行うことができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記更新情報受付工程では、前記更新情報に基づいて更新レベル評価テストを実施し、前記更新レベル評価テストのテスト結果を含む更新情報の入力を受け付け、前記更新設定工程では、前記更新情報受付工程において受け付けた前記更新情報に基づいて設定情報を決定することで、前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する。
このような構成とすることで、経時的なパーソナライゼーションを行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記初期条件受付工程では、前記ユーザの事前情報を更に含む前記初期情報の入力を受け付け、前記事前情報は、個人情報、身体状況、認知能力、家族情報、要介護度、性格、財産状況の1又は複数を含む。
このような構成とすることで、経時的なパーソナライゼーションの精度をより高めることができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記パーソナライゼーション方法は更に、前記少なくとも1つの処理部が、利用者端末装置から前記初期情報若しくは前記更新情報、該初期情報若しくは該更新情報に基づいて決定された設定情報、及び該設定情報の適用後に取得した履歴情報である適用後履歴情報を受け付け、実績情報として格納する実績受付工程と、前記実績情報に含まれた前記設定情報、及び前記適用後履歴情報に基づいて、実績情報の評価を行う実績評価工程と、前記評価結果に基づいて決定された前記実績情報に含まれた前記初期情報若しくは前記更新情報、及び前記設定情報を教師データとして、前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程で設定情報を決定する為のモデル更新を行うモデル更新工程と、を含む。
このような構成とすることで、モデルを更新し、経時的なパーソナライゼーションの精度をより高めることができる。
【0017】
また、本発明は、前記パーソナライゼーション方法を前記コンピュータ装置に実行させる、コンピュータプログラムである。
【0018】
また、本発明は、アプリケーション機能のパーソナライゼーションシステムであって、前記アプリケーションを利用するユーザの能力テスト結果を含む初期情報の入力を受け付ける初期情報受付部と、前記初期情報に基づいて、前記ユーザに対して提供されるアプリケーション機能の初期の設定情報を決定する初期設定部と、前記ユーザが前記アプリケーションの利用に際して履歴情報を取得し、更新情報を決定する更新情報受付部と、前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する更新設定部と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、経時的に変化する利用者の性質に対応可能なアプリケーション機能のパーソナライゼーション技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図。
図2】一実施の形態のシステムのハードウェア構成図。
図3】一実施の形態のシステムの機能ブロック図。
図4】一実施の形態のシステムにおける画面表示例。
図5】一実施の形態のシステムにおける評価情報を算出する為のモデル例。
図6】一実施の形態のシステムにおける処理フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0022】
例えば、本実施形態ではパーソナライゼーションシステムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0023】
<0.サービス、及びアプリケーション機能>
本実施形態では、特に、高齢者である利用者が利用する統合アプリケーションのパーソナライゼーションを行う場合について説明を行う。この統合アプリケーションは、ホーム画面を有し、このホーム画面から複数のサービスにアクセスして利用可能とする。サービスは、例えば、チャットや、音声通話、ビデオ通話、ECサイトアクセスやその他ウェブブラウジング、情報配信、タスク・スケジュール管理、服薬管理、緊急通報等である。なお、本実施形態は一例であり、利用者は高齢者に限られない。また、アプリケーションが提供するサービスもこれらに限らない。
【0024】
アプリケーションを介して利用可能なサービスや、アプリケーションの各種画面(ホーム画面や各サービス画面等)に表示出力されるUIに関する表示UI、アプリケーションから出力される出力音声設定を総称して、該アプリケーションのアプリケーション機能と呼称する。本実施形態では、該アプリケーションのアプリケーション機能を利用者に合わせてパーソナライゼーションする。
【0025】
<1.システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、パーソナライゼーションシステム0は、利用者端末装置1、関係者端末装置2及び、サーバ装置3を備え、これらがネットワーク4を介して通信可能に構成される。
【0026】
利用者端末装置1及び関係者端末装置2として、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の端末装置9(コンピュータ装置)を利用することができる。利用者端末装置1は、パーソナライゼーションプログラムを含み複数のサービスを利用可能な見守りアプリケーションプログラムを実行することで、アプリケーション機能のパーソナライゼーションを行うことができる。本実施形態では、該アプリケーションプログラムは図示しないプログラム提供装置よりダウンロードされたクライアントアプリケーションであるが、例えば、端末装置9に、プリインストールされても良いし、若しくは事前にダウンロードされたウェブブラウザアプリケーション等を介して利用可能なウェブアプリケーションであってもよい。
【0027】
サーバ装置3として、汎用のサーバやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置10(コンピュータ装置)を1又は複数利用することができる。サーバ装置3は、モデル更新プログラムを実行することで、パーソナライゼーションの為のモデル更新を行うことができる。ネットワーク4は、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類、ネットワークの種類等にも制限はない。
【0028】
<1.1.ハードウェア構成>
図2は、端末装置9及び情報処理装置10のハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、端末装置9(利用者端末装置1及び関係者端末装置2)は、処理部901、記憶部902、通信部903、入力部904及び出力部905を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0029】
処理部901は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやパーソナライゼーションプログラム等を実行する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、パーソナライゼーションプログラムを含み複数のサービスを利用可能なアプリケーションプログラム(利用者端末装置1)等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークに物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワーク4との通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、タッチパネルやキーボードなどの入力処理が可能な操作入力デバイス、マイクなどの音声入力が可能な音声入力デバイス、カメラなどの画像入力が可能な画像入力デバイスを有する。
出力部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイスを有する。
【0030】
図2(b)に示すように、情報処理装置10(サーバ装置3)は、処理部101、記憶部102、及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0031】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやモデル更新プログラム等を実行する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、モデル更新プログラム等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワークに物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワーク4との通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0032】
<1.2.パーソナライゼーションシステム0の機能構成>
図3は、パーソナライゼーションシステム0の機能ブロック図である。図3に示すように、利用者端末装置1は、サービス提供部11と、初期情報受付部12と、レベル評価テスト提供部13と、初期設定部14と、更新情報受付部15と、更新設定部16と、を有する。これは、ソフトウェア(記憶部902等に一過的又は非一過的に記憶されたパーソナライゼーションプログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部901等)によって具体的に実現されたものである。初期情報受付部12は、事前情報受付部121と、テスト結果受付部122と、を備える。更新情報受付部15は、履歴情報取得部151と、評価部152と、を有する。
【0033】
<1.3.サービス提供部11>
利用者端末装置1のサービス提供部11は、ディスプレイ等の出力部905に、アプリケーションを介して複数のサービスにアクセス可能とするホーム画面、及び各サービスのサービス画面を表示させる。利用者は、利用者端末装置1に表示されたホーム画面における特定の領域(アイコンやボタン等)を指定操作することで、各領域にリンクされたサービスのサービス画面に遷移することができ、サービス画面においてサービスを利用することができる。
【0034】
図4は、ホーム画面の画面表示例である。ホーム画面W1Aは、統合アプリケーションを実行することで、利用者端末装置1の出力部905に表示される画面であり、時刻及び日付の表示と共に、3種類のサービスにアクセスする為のサービス要素(W1A1~3)を備える。
【0035】
なお、サービス要素W1A1はECサービスを利用する為のオブジェクトであり、サービス要素W1A1が選択操作されると、利用者端末装置1は示しないウェブサーバにリクエストを行い、ECサイトを利用する為のサービス画面が表示される。サービス要素W1A2はAIアシスタントとの会話サービスを利用する為のオブジェクトであり、サービス要素W1A2が選択操作されると、AIアシスタントによるメッセージ音声が出力される。サービス要素W1A3はAIアシスタントとの会話サービスを利用する為のオブジェクトであり、サービス要素W1A3が選択操作されると、音声入力によってAIアシスタントと会話を行うことができる。
【0036】
チャットサービスや通話サービス、ビデオ通話サービス等については、利用者端末装置1のアプリケーションと通信可能に構成された関係者端末装置2を介して、利用者・関係者間でコミュニケーションをとることもできる。
【0037】
<1.4.初期情報受付部12>
初期情報受付部12は、アプリケーション利用者の事前情報と、レベル評価テストのテスト結果と、を受け付け、初期情報として記憶部902に格納する。初期情報受付部12は、事前情報の入力を受け付けて、初期情報として記憶部902に格納する。事前情報受付部121と、レベル評価テストのテスト結果の入力を受け付けて、初期情報として記憶部902に格納するテスト結果受付部122と、を備える。事前情報は、初期段階での利用者の性質を説明する為の値であり、利用者の住所、年齢、性別、趣味、その他私的情報等の個人情報、病歴、既往歴等の身体状況、認知能力の程度を示す認知能力、家族情報、要介護度、性格、財産状況の1又は複数を含む。性質とは、利用者の属性や能力、生活習慣、趣味嗜好等である。
【0038】
認知能力は、例えば、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、ミニメンタルステート検査(MMSE)等の質問・回答形式の認知症検査の回答結果である。認知能力は、これらに加えて、又は代えて、FAST(Functional Assessment Staging)や初期認知症徴候観察リスト(OLD:Observation List for early signs of Dementia)、臨床的認知症尺度(CDR:Clinical Dementia Rating)等の観察形式の認知症検査の回答結果であっても良い。
【0039】
利用者が初めて該アプリケーションを利用する場合等には、まず初期情報の登録を行う。利用者やその家族、医療従事者等の関係者は入力部904を操作することで、利用者端末装置1の事前情報入力画面を介して事前情報を入力し、登録ボタンの押下等登録操作が行われることで、事前情報受付部121は初期情報として、事前情報を記憶部902に格納する。
【0040】
<1.5.レベル評価テスト提供部13>
レベル評価テスト提供部13は、アプリケーション利用者に対してレベル評価テストを提供する。本実施形態では、レベル評価テスト提供部13は、事前情報に基づいて、アプリケーション利用者に対して実施する初期レベル評価テストを決定して表示処理し、利用者端末装置1において利用者が回答入力可能に初期レベル評価テストを提供する。初期レベル評価テストは、利用者の属性や能力、生活習慣、趣味嗜好等を評価する為に、実施されるテストであり、例えば、利用者の端末装置の操作能力(タッチ操作の精度や速度)や出力表示の好み(文字・アイコン等のサイズ)、出力音声の好み(音量、周波数、再生速度等)、生活習慣、体調、認知能力評価、興味のあるサービス(情報配信系サービスの場合は更に興味のあるコンテンツ)等について、質問・解答形式で回答を行うものである。
【0041】
記憶部902には、レベル評価テストとして出力され得る複数の設問が、選択肢、選択肢別の配点・スコア等と紐付けて格納されており、レベル評価テスト提供部13は、入力された事前情報に基づいて、利用者からの回答が必要となる1又は複数の設問を決定し、それらを組み合わせることでレベル評価テストを生成する。これにより、利用者毎に出題される設問を異ならせることができ、利用者による回答の負荷を軽減することができる。また、記憶部902に1又は複数の設問が組み合わされたレベル評価テストを複数パターン格納しておき、レベル評価テスト提供部13は、入力された事前情報に基づいて、利用者に解答を要求するレベル評価テストを選択するように構成してもよい。レベル評価テストにおいて、設問の回答及び/又はそれまでの回答によって得られるスコアと、その後の設問を対応付けておき、レベル評価テスト提供部13は、これまで回答した一部又は全部の設問への回答結果に応じて、その後に表示処理される設問を異ならせるように構成してもよい。また、全ての利用者に一律で、全ての設問について回答させるようにしても良い。
【0042】
レベル評価テストが生成されると、レベル評価テスト提供部13は、ディスプレイ等の出力部905にレベル評価テスト画面を表示させる。利用者は入力部904を操作することで、レベル評価テストに対する回答を入力することができ、この回答や、回答に基づいて与えられるスコア等のテスト結果が初期情報受付部12に受け渡される。利用者端末装置1のレベル評価テスト画面を介して、レベル評価テストのテスト結果が得られると、テスト結果受付部122は初期情報として、テスト結果を記憶部902に格納する。なお、医師や家族などの関係者が利用者から口頭で回答を取得したり、利用者を観察することで、関係者が関係者端末装置2や利用者端末装置1に表示されたテスト結果の登録画面を介して、テスト結果(回答やスコア等)を登録可能に構成してもよい。この際、ビデオ通話サービスによって関係者と利用者がコミュニケーションをとる様に構成してもよい。また、関係者が事前に(例えば書面等で)行われたテスト結果を、関係者端末装置2に表示された登録画面を介して登録可能に構成してもよい。テスト結果受付部122は、登録画面を介して入力されたテスト結果を、初期情報として記憶部902に格納する。
【0043】
また、利用者端末装置1において利用者が回答入力可能に初期レベル評価テストを提供する場合、選択肢の操作に要した時間やタッチの正確性等、初期レベル評価テストに対する操作履歴を示す履歴情報を取得し、テスト結果としてもよい。
【0044】
<1.6.初期設定部14>
初期設定部14は、初期情報に基づいて、利用者に対して提供されるアプリケーション機能の初期の設定情報を決定する。例えば、初期設定部14が初期の設定情報を決定すると、サービス提供部11はそれに基づいて、図4のW1Aに示すようなホーム画面を表示させる。
【0045】
設定情報は、アプリケーション機能の設定を示す情報であり、設定情報を変更すると、利用者のアプリケーションに対して適用されるアプリケーション機能が変更される。本実施形態では、設定情報は、ホーム画面等におけるサービス要素のオブジェクトの配置や大きさ、文字の大きさ、配置されるサービスの種類、出力音声の再生速度や音量等、種々のアプリケーション機能を組み合わせて事前定義されたアプリケーション機能セットのパターンを示し、これらのアプリケーション機能の各々に対応した1又は複数次元のパラメタと紐付けて格納される。パラメタは、例えば、ホーム画面に配置され、利用者がアクセス可能となるサービスの組み合わせ、ホーム画面や各サービス画面等におけるボタンサイズや配置、文字サイズ、音量、音の高さ、音波、周波数、再生スピード、(情報配信系サービスにおける)表示コンテンツの種別・カテゴリやリンク先の種別・カテゴリ、(通知・お知らせ系サービスにおける)表示スピード等である。
【0046】
初期設定部14は、利用者の初期情報を機械学習モデルに入力し、該利用者に好適な設定情報を決定する。本実施形態では、機械学習モデルとして、正解となる初期情報及び設定情報の組み合わせを教師データとして学習した多層パーセプトロン(MLP:Multilayer perceptron)を用いるものとするが、その他、任意の機械学習モデルを適用してもよい。
【0047】
なお、例えば、初期情報のうち、住所や性別、趣味、病歴、家族情報、要介護度、性格、財産状況等のカテゴリデータ(名義特徴量と順序特徴量)に対しては、機械学習モデルに入力する為に、エンコーディング処理を行う。エンコーディング処理は初期情報受付部12が実施しても良いし、後述するモデル更新部33等が実施してもよい。
【0048】
またなお、初期設定部14は、利用者の初期情報をルールベースの判定モデルに入力し、該利用者に好適な設定情報を決定してもよい。例えば、初期設定部14は、利用者の初期情報を、条件分岐処理モデルを使って判定し、適切な設定情報を決定することができる。例えば、アプリケーションの提供開始時には、ルールベースの判定モデルを用いて教師データとなる初期情報と設定情報の組み合わせを収集し、一定量の教師データ収集後に機械学習モデルを用いる形態に移行してもよい。
【0049】
なお、本実施形態では、初期の設定情報を決定する為に、一つの機械学習モデルや判別モデルを用いることとするが、複数のモデルを用いて、それぞれのアプリケーション機能に関する設定情報を決定してもよい。例えば、ボタンサイズや配置、文字サイズ等の表示UI設定を決定する為のモデルや、音量、音の高さ等の音声設定を決定する為のモデル等、複数のモデルを用いて、設定情報を決定してもよい。或いは、利用者に提供されるサービスを決定するモデルや、ホーム画面、サービス毎にモデルを用意し、設定情報を決定してもよい。
【0050】
<1.7.更新情報受付部15>
更新情報受付部15は、ユーザのアプリケーション利用に際して履歴情報を取得して更新情報を決定し、記憶部902に格納する。更新情報受付部15は、履歴情報を取得して記憶部902に格納する履歴情報取得部151と、履歴情報に基づいて更新情報を決定する評価部152と、を備える。
【0051】
履歴情報は、経時段階での利用者の性質を説明する為の情報であり、アプリケーション利用時間、利用サービス情報、生活習慣等である。利用サービス情報は、例えば、該アプリケーションにおいて利用したサービス毎に、利用時間、利用回数、(ECサービスの場合)購買履歴、入力したテキスト情報、検索履歴、(通話、チャット、ビデオ通話サービスの場合)会話内容、(通話、ビデオ通話サービスの場合)音声情報、(ビデオ通話サービスの場合)画像(映像)情報、(メッセージングサービスの場合)配信メッセージへの回答状況、回答内容の1又は複数を含む。なお、履歴情報は、操作入力場所(座標やオブジェクト等)、操作入力回数、等の履歴を含んでいてもよい。
【0052】
評価部152は、履歴情報に含まれたデータをそのまま更新情報として用いても良いし、履歴情報を用いて更新情報として用いるデータを決定してもよい。例えば、利用時間等はそのまま更新情報として利用しても良いし、操作入力場所については、操作の正確性等を評価して評価結果を更新情報として用いてもよい。また、評価部152は、画像情報や音声情報、テキスト情報等を用いて評価値を算出し、更新情報としてもよい。例えば、ビデオ通話サービス等で得られたカメラ映像(画像情報)を解析や比較して表情等に関する評価値を算出してもよい。或いは、チャットサービスに入力されたり、通話サービス等で取得された音声情報から得られたテキスト情報同士を比較したり、タスク・スケジュール管理サービスを介して登録された利用者のスケジュールの情報と比較して、発言に矛盾がないか等、認知能力に関する評価値を算出等してもよい。また、通話サービス等で取得された音声情報から、会話のスピード等であったり、聞き取りの正確性等に関する評価値を算出等してもよい。評価部152は、更に、事前情報を更新情報として用いてもよい。
【0053】
<1.8.更新設定部16>
更新設定部16は、更新情報に基づいて、利用者に対して提供されるアプリケーション機能の設定情報を更新する。例えば、更新設定部16が設定情報を更新すると、サービス提供部11はそれに基づいて、図4のW1Aのホーム画面を、W1B~Dに示すようなホーム画面に変化させる。W1Bは、ボタンサイズや文字サイズが大きく変更されている(サービス要素W1B1~W1B3)。W1Cは、アクセス可能なサービスが変更されている(サービス要素W1C1)。W1Dは、ボタンサイズや文字サイズが大きく変更されている(サービス要素W1D1~W1D3)と共に、アクセス可能なサービスが変更(追加)されている(サービス要素W1D4)。
【0054】
図5は、初期設定部14及び更新設定部16において評価情報を算出する為のモデル例である。図5(a)に示すように、第1モデルは、初期設定部14が初期テスト結果、又は事前情報並びに初期テスト結果を用いて初期の評価情報を算出するモデルである。本実施形態では、初期の評価情報算出後、更新設定部16は、更新情報、又は事前情報並びに更新情報を第2モデルに入力し、更新された評価情報を決定する。第2モデルは、初期設定部14と同様に、機械学習モデルとして、正解となる更新情報及び設定情報の組み合わせを教師データとして学習した多層パーセプトロンを用いるものとするが、その他、任意の機械学習モデルを適用してもよい。第2モデルとして、それぞれのアプリケーション機能別に設定情報を決定する為の複数のモデルを用いてもよい。
【0055】
なお、例えば、更新情報のうち、利用したサービスの種別や生活習慣等のカテゴリデータ(名義特徴量と順序特徴量)に対しては、機械学習モデルに入力する為に、エンコーディング処理を行う。エンコーディング処理は更新情報受付部15が実施しても良いし、後述するモデル更新部33等が実施してもよい。
【0056】
またなお、更新設定部16は、利用者の更新情報をルールベースの判定モデルに入力し、該利用者に好適な設定情報を再決定してもよい。例えば、更新設定部16は、利用者の更新情報を、条件分岐処理モデルを使って判定し、適切な設定情報を再決定することができる。例えば、アプリケーションの提供開始時には、ルールベースの判定モデルを用いて教師データとなる更新情報と設定情報の組み合わせを収集し、一定量の教師データ収集後に機械学習モデルを用いる形態に移行してもよい。なお、本実施形態では、初期の設定情報を決定する場合と同様に、複数のモデルを用いてもよい。
【0057】
一方で、更新情報受付部15及び更新設定部16は、図5(b)に示す第3モデルを用いて、更新された設定情報を決定してもよい。第3モデルは、更新情報受付部15が履歴情報を用いて更新レベル評価テストのテスト結果を算出するモデルであり、更新情報受付部15は、得られたテスト結果を更新情報として決定する。更新設定部16は、第3モデルによって得られた更新テスト結果、又は事前情報並びに更新テスト結果を含む更新情報を第1モデルに入力することで、更新された評価情報を決定してもよい。なお、第3モデルとしては、履歴情報を用いて初期のレベル評価テストに対応する回答やスコアを決定する機械学習モデルや、条件分岐処理モデル、ルールベースの判定モデルである。
【0058】
<2.パーソナライゼーションの処理手順>
図6は、アプリケーション機能のパーソナライゼーションを行う際の処理フローチャートである。
【0059】
<2.1.初期の設定情報決定>
ステップS101において、初期情報受付部12は、利用者端末装置1を介して、事前情報を取得し、ステップS102において、レベル評価テストを生成する。初期情報受付部12は更に、利用者端末装置1を介して、レベル評価テストのテスト結果を取得する。ステップS103において、初期設定部14は、ステップS101及びS102で取得した初期情報を用いて、初期の設定情報を決定する。これにより、サービス提供部11は、利用者に対して、初期の設定情報に応じたアプリケーション機能の提供を行う(ステップS104)。
【0060】
<2.2.設定情報の更新>
ステップS105において、利用者がアプリケーションを利用することで、更新情報受付部15は、随時履歴情報を収集する。ステップS106において、設定情報の更新タイミングに該当するか否か判定される。例えば、一定の期間毎等の所定のタイミングで、更新設定部16を用いて新たな設定情報を決定する。或いは、更新情報受付部15が、履歴情報の任意の指標が閾値を超えたか否か判定したり、過去の履歴情報と最新の履歴情報を比較して閾値以上の差が生じたか否か判定する等して、判定結果に基づいて、設定情報の更新を実行するようにしてもよい。
【0061】
ステップS107において、更新設定部16は、ステップS105で取得した履歴情報に基づく更新情報を用いて、更新された設定情報を決定する。これにより、サービス提供部11は、利用者に対して、更新された設定情報に応じたアプリケーション機能の提供を行う(ステップS108)。
【0062】
<3.教師データの生成>
図3に示すように、サーバ装置3は、実績受付部31と、実績評価部32と、モデル更新部33と、を有する。これは、ソフトウェア(記憶部102等に一過的又は非一過的に記憶されたモデル更新プログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部101等)によって具体的に実現されたものである。
【0063】
<3.1.実績受付部31>
実績受付部31は、利用者端末装置1から初期情報若しくは更新情報、該初期情報若しくは該更新情報に基づいて決定された設定情報、及び該設定情報の適用後に取得した履歴情報である適用後履歴情報を受け付け、実績情報として記憶部902に格納する(第2モデルを用いる場合)。なお、第3モデルを用いる場合には、実績受付部31は、利用者端末装置1から、初期情報、該初期情報に基づいて決定された設定情報(初期)、及び適用後履歴情報(初期)と、更新情報、該更新情報に基づいて決定された更新テスト結果、該更新テスト結果に基づいて決定された設定情報(更新)、及び適用後履歴情報(更新)と、の一方又は双方を実績情報として記憶部102に格納する。
【0064】
<3.2.実績評価部32>
実績評価部32は、実績情報に含まれた設定情報、及び適用後履歴情報に基づいて、実績情報の評価を行う。第2モデルを用いる場合、適用後履歴情報が、設定情報によって定義されるアプリケーション機能にマッチする場合、その履歴情報含まれた初期情報や更新情報と、設定情報とを、第1モデル又は第2モデルの教師データとして登録する。第3モデルを用いる場合、適用後履歴情報が、設定情報によって定義されるアプリケーション機能にマッチする場合、その履歴情報含まれた初期情報と、設定情報とを、第1モデルの教師データとして登録し、更新情報と、更新テスト結果とを、第3モデルの教師データとして登録する。
【0065】
<3.3.モデル更新部33>
モデル更新部33は、実績評価部32が登録した教師データを用いて、モデルの更新を行う。モデルが機械学習モデルの場合、モデル更新部33は、教師データを学習させ、モデルの重みを更新する。モデルが条件分岐処理モデルの場合、分岐条件となる閾値を更新する。モデル更新部33は、更新されたモデルのモデルデータやパラメタを、利用者端末装置1のアプリケーションに送信し、これにより、初期設定部14や更新設定部16で設定情報の決定に用いられるモデルが更新される。
【0066】
なお、利用者端末装置1及びサーバ装置3の一方が備える各機能構成要素(部)の一部又は全部が他方の装置に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
0 :パーソナライゼーションシステム
1 :利用者端末装置
2 :関係者端末装置
3 :サーバ装置
4 :ネットワーク
9 :端末装置
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :出力部
10 :情報処理装置
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
11 :サービス提供部
12 :初期情報受付部
121 :事前情報受付部
122 :テスト結果受付部
13 :レベル評価テスト提供部
14 :初期設定部
15 :更新情報受付部
151 :履歴情報取得部
152 :評価部
16 :更新設定部
31 :実績受付部
32 :実績評価部
33 :モデル更新部
W1 :ホーム画面
W1A1~W1D4:サービス要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置が実行するアプリケーション機能のパーソナライゼーション方法であって、
前記コンピュータ装置は、記憶部に格納されたコンピュータ読取可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つの処理部を含み、
前記パーソナライゼーション方法は、前記少なくとも1つの処理部が、
前記アプリケーションを利用するユーザの初期レベル評価テストのテスト結果を含む初期情報の入力を受け付ける初期情報受付工程と、
前記初期情報に基づいて、前記ユーザに対して提供されるアプリケーション機能の初期の設定情報を決定する初期設定工程と、
前記ユーザが前記アプリケーションの利用に際して履歴情報を取得し、更新情報を決定する更新情報受付工程と、
前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する更新設定工程と、
利用者端末装置から前記初期情報若しくは前記更新情報、該初期情報若しくは該更新情報に基づいて決定された設定情報、及び該設定情報の適用後に取得した履歴情報である適用後履歴情報を受け付け、実績情報として格納する実績受付工程と、
前記実績情報に含まれた前記設定情報、及び前記適用後履歴情報に基づいて、実績情報の評価を行う実績評価工程と、
前記評価の結果に基づいて決定された前記実績情報に含まれた前記初期情報若しくは前記更新情報、及び前記設定情報を教師データとして、前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程で設定情報を決定する為のモデル更新を行うモデル更新工程と、を含む、
パーソナライゼーション方法。
【請求項2】
前記設定情報毎に、複数のパラメタが定義され、
前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程では、前記初期情報及び/又は前記更新情報に基づいて前記パラメタを算出することで前記設定情報を決定する請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項3】
前記初期設定工程及び/又は前記更新設定工程では、前記初期情報及び/又は前記更新情報、及び前記パラメタを教師データとして学習した機械学習モデルを用いて前記パラメタを算出することで、前記設定情報を決定する請求項2に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項4】
前記設定情報は、前記アプリケーションにおける表示出力されるUIに関する表示UI設定、及び前記アプリケーションから出力される音声に関する出力音声設定の1又は複数を含む請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項5】
前記設定情報は更に、前記アプリケーションにおいて表示出力されるコンテンツに関する表示コンテンツ設定を含む請求項4に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項6】
前記更新情報受付工程では、前記更新情報に基づいて更新レベル評価テストを実施し、
前記更新レベル評価テストのテスト結果を含む更新情報の入力を受け付け、
前記更新設定工程では、前記更新情報受付工程において受け付けた前記更新情報に基づいて設定情報を決定することで、前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項7】
前記初期情報受付工程では、前記ユーザの事前情報を更に含む前記初期情報の入力を受け付け、
前記事前情報は、個人情報、身体状況、認知能力、家族情報、要介護度、性格、財産状況の1又は複数を含む請求項1に記載のパーソナライゼーション方法。
【請求項8】
請求項1~のうちのいずれか一項に記載のパーソナライゼーション方法を前記コンピュータ装置に実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項9】
アプリケーション機能のパーソナライゼーションシステムであって、
前記アプリケーションを利用するユーザの能力テスト結果を含む初期情報の入力を受け
付ける初期情報受付部と、
前記初期情報に基づいて、前記ユーザに対して提供されるアプリケーション機能の初期
の設定情報を決定する初期設定部と、
前記ユーザが前記アプリケーションの利用に際して履歴情報を取得し、更新情報を決定
する更新情報受付部と、
前記更新情報に基づいて、前記設定情報を更新する更新設定部と、
利用者端末装置から前記初期情報若しくは前記更新情報、該初期情報若しくは該更新情報に基づいて決定された設定情報、及び該設定情報の適用後に取得した履歴情報である適用後履歴情報を受け付け、実績情報として格納する実績受付部と、
前記実績情報に含まれた前記設定情報、及び前記適用後履歴情報に基づいて、実績情報の評価を行う実績評価部と、
前記評価の結果に基づいて決定された前記実績情報に含まれた前記初期情報若しくは前記更新情報、及び前記設定情報を教師データとして、前記初期設定部及び/又は前記更新設定部で設定情報を決定する為のモデル更新を行うモデル更新部と、を有する、
パーソナライゼーションシステム。