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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012252
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】端末装置における物体の取付けの検出
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/08 20060101AFI20240123BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G01V3/08 D
G07F19/00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211151
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】17/866,789
(32)【優先日】2022-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391007161
【氏名又は名称】エヌ・シー・アール・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー ウィリアム ワイトック
(72)【発明者】
【氏名】ラジュヴィア シン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ブルックス
【テーマコード(参考)】
2G105
3E141
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB04
2G105EE02
2G105HH04
3E141BA07
3E141DA01
3E141FH04
3E141FL04
(57)【要約】
【課題】現金自動預払機でのカードスキマーの取付けを検出するためのシステムは、センサーから検出データを受信する。
【解決手段】システムは、ウェーブレット変換を使用して、検出データを時間領域から周波数領域に変換し、係数のウェーブレットマトリックスを生成する。システムは、ウェーブレットマトリックスの特徴を識別するための第一の機械学習モデルを含む。次に、システムは、識別された特徴に基づいて降雨警報信号を生成する。システムは、検出データから順序を決定するための長・短期記憶回帰型ニューラルネットワークモデルを含み、順序は、(i)アイドル状態、(ii)手の接近状態、および(iii)カードスキマー取付け状態を含む。システムは、順序決定に基づいて改ざん警報信号を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置における物体の取付けを検出するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法が、
一つ以上のセンサーから検出データを受信し、前記検出データに基づいてウェーブレットマトリックスを生成することと、
前記ウェーブレットマトリックスに基づいて周囲環境警報を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記周囲環境警報が周囲気象警報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記周囲気象警報が降雨警報を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ウェーブレット変換を使用して前記検出データを時間領域から周波数領域に変換して、変換された検出データを取得することと、
前記変換された検出データに基づいて、前記ウェーブレットマトリックスを生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェーブレットマトリックス中の一つ以上の特徴を識別することと、
前記周囲環境警報を生成することが、前記一つ以上の識別された特徴に基づいて前記周囲環境警報を生成することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ウェーブレットマトリックス内の前記一つ以上の特徴を識別することが、第一の機械学習モデルを使用して前記一つ以上の特徴を識別することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の機械学習モデルが、畳み込みニューラルネットワークモデルを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記検出データに基づいて、(i)第一の期間中のアイドル状態、(ii)第二の期間中の接近状態、および(iii)第三の期間中の物体取付け状態を含む順序を決定すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記決定された順序に基づいて、改ざん警報を生成すること、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アイドル状態中、前記検出データが、第一のレベルで実質的に一定の振幅を有する信号を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記接近状態中、前記検出データが、前記第一のレベルよりも低い負のピーク振幅を有する信号を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記物体取付け状態中、前記検出データが、前記第一のレベルよりも高い第三のレベルで実質的に一定の振幅を有する、信号を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記順序を決定することが、第二の機械学習モデルを使用して前記順序を決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第二の機械学習モデルが、長・短期記憶回帰型ニューラルネットワークモデルを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記順序決定が、前記ウェーブレットマトリックス生成と少なくとも部分的に並行して起こる、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記端末装置が現金自動預払装置を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記物体がカードスキマー装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
履歴データセット中の複数のピークを識別することと、
前記識別された複数のピークに基づいて前記履歴データセットのサブセットを識別し、前記履歴データの前記サブセットから特徴のセットを識別することと、
ラベル付けされたデータセットを使用して前記識別された特徴のセットを拡大して、訓練データセットを取得することと、
前記訓練データセットに基づいて、第一の機械学習モデルまたは第二の機械学習モデルのうちの少なくとも一つを訓練して、それぞれが、周囲気象検出または改ざん検出を行うようにすることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
端末装置における物体の取付けを検出するためのデータ処理システムであって、前記システムが、プロセッサおよび機械実行可能命令を格納するメモリを備え、前記プロセッサが、前記メモリにアクセスし、前記機械実行可能命令を実行して、
一つ以上のセンサーから検出データを受信し、
前記検出データに基づいてウェーブレットマトリックスを生成し、
前記ウェーブレットマトリックスに基づいて周囲環境警報を生成するように構成される、データ処理システム。
【請求項20】
プロセッサによって実行可能な機械実行可能命令を格納して方法を実施する、非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
第一の期間にわたり、一つ以上のセンサーから第一の検出データを受信し、前記第一の検出データに基づいてウェーブレットマトリックスを生成することと、
前記ウェーブレットマトリックスに基づいて周囲環境警報信号を生成することと、
第二の期間にわたり、前記一つ以上のセンサーから第二の検出データを受信することと、
前記第二の検出データから順序を決定することと、前記順序を決定することに応答して改ざん警報信号を生成することと、を含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金自動預払機(ATM)などの端末装置におけるカードスキマーなどの物体の取付けを検出するための、コンピュータ実装方法、データ処理システム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
窃盗犯によってATMの操作パネル上に置かれたカードスキマーを検出しようとする試みが知られている。こうしたカードスキマーがATMに取り付けられた場合、窃盗犯は顧客のカード情報を盗むことができる。しかしながら、カードスキマーを検出するための公知のアプローチには様々な欠点があり、その技術的な解決策が本明細書に開示されている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の特定の実施形態は、ATMの操作パネルなどの端末装置におけるカードスキマーなどの物体の取付けをより正確に検出するためのシステムを提供する。本発明の特定の実施形態は、例えば、ATMが雨に曝露された場合に起こりうる偽陽性のスキマー警報という少なくとも技術的問題に対処する技術的な解決策を提供する。特に、雨は、静電容量式センサー信号に伴う技術的問題を引き起こす可能性がある。さらに、本発明の特定の実施形態は、未加工データが取得された後に、より速いデータ処理およびデータフォーマット化を可能にする。
【0004】
本発明の実施形態によれば、端末装置における物体の取付けを検出するためのコンピュータ実装方法が提供され、方法は、一つ以上のセンサーから検出データを受信する工程と、検出データに基づいてウェーブレットマトリックスを生成する工程と、ウェーブレットマトリックスに基づいて周囲環境警報を生成する工程とを含む。例示的な実施形態では、端末装置は、現金自動預払装置を備えてもよい。例示的な実施形態では、方法は、現金自動預払装置のベゼルでの物体の取付けを検出してもよい。例示的な実施形態では、物体は、カードスキマー装置を備えてもよい。
【0005】
周囲環境警報は、周囲気象警報を含んでもよい。周囲気象警報は、降雨警報を含んでもよい。降雨警報信号を生成することによって、本発明の様々な実施形態は、ATMが雨または他の周囲気象条件には遭遇しても、カードスキマー装置を取り付ける試みは行われないシナリオにおいて、そうでなければ生成されるであろう偽陽性のカードスキマー警報の発生率を低減する。特に、本発明の実施形態は、ATMが雨または他の周囲気象条件に曝された場合に静電容量式センサーからの信号に関して技術的問題が生じる時など、偽陽性のカードスキマー警報という技術的問題に対処する技術的な解決策を提供する。したがって、本発明の実施形態は、高精度のカードスキマー警報の技術的効果、および雨などの周囲気象イベントによる偽陽性のカードスキマー警報の最小化を達成しうる。偽陽性のカードスキマー警報を低減することによって、本発明の実施形態は、信頼性の向上を達成し、技術専門家による不必要な保守訪問を低減する。したがって、ATMは正しく機能し続けることができ、顧客の取引は影響を受けない状態が維持されうる。
【0006】
周囲気象警報は、降雨警報に限定されず、雨以外のATM周辺の気象条件のタイプを検出するための他のタイプの気象警報を含んでもよい。例えば、周囲気象警報は、風警報、寒冷警報、または高温警報であってもよい。風、寒冷、または高温の天候は、センサーからの偽陽性の読取値を引き起こす可能性がある。特に、急速な温度変化は、操作パネルまたはATMのブラケットの機械的拡張または収縮を生じさせる場合があり、これが偽陽性の読取値を引き起こす可能性がある。一部の事例では、これは、誤って組み込まれた、または正しく取り付けられていないハードウェアを示す場合がある。
【0007】
例示的な実施形態では、ウェーブレットマトリックスは、より正確な降雨警報信号生成のために、ローカライズされた時間データを保持する。センサーから受信される検出データは、時系列データであってもよい。ローカライズされた時間データを捕捉することによって、警報が生成された期間を決定することができる。ローカライズされた時間データを取得および保持することはまた、雨が降っていた可能性のある期間を特定できるように、機械学習能力のないATMから取得されたデータに関して機械学習モデルを実行することを可能にする。これは、偽陽性のカードスキマー警報がデータログ内に存在することが疑われるシナリオにとって特に関連性が高い可能性がある。
【0008】
一部の実施形態では、ウェーブレット変換を使用して、時間領域から周波数領域へ検出データを変換して、ウェーブレットマトリックスを生成してもよい。ウェーブレット変換は、連続ウェーブレット変換であってもよく、または離散ウェーブレット変換であってもよい。ウェーブレット変換は、検出データをハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタに通過させることを含んでもよい。例えば、検出データをハイパスフィルタに通過させることが、高周波数降雨信号を保持し、ノイズなどの他の低周波数信号を破棄/無視しうるように、雨が高周波数信号を生成してもよい。
【0009】
一部の実施形態では、方法は、ウェーブレットマトリックス内の一つ以上の特徴を識別し、一つ以上の識別された特徴に基づいて周囲環境警報を生成する工程を含んでもよい。識別された特徴の例は、実際の降雨ノイズの増加であってもよい。このノイズは、アイドル信号データと比較して、より高い周波数であるがより低い振幅信号であってもよい。ATMのベゼル設計が一部の水の貯留につながるような場合など、数時間にわたりカード読取機に水分が蓄積すると、信号の振幅を引き起こす場合がある。周波数の変化に焦点を当てることによって、本発明の実施形態は、信号データの他の変化を無視することを可能にする。一つ以上の特徴が、第一の機械学習モデルを使用して、ウェーブレットマトリックスから識別されうる。第一の機械学習モデルは、特徴を識別する非常に正確かつ非常に効率的な手段を提供してもよい。第一の機械学習モデルは、畳み込みニューラルネットワークモデルを含んでもよい。畳み込みニューラルネットワークモデルは、新しい訓練データが利用可能になるにつれて、経時的に更新されてもよい。アップグレードまたは改善が利用可能になった場合、第一の機械学習モデルは、技術的に複雑かつ時間のかかるハードウェア修正を必要とせずに、ソフトウェア更新に基づいて迅速に更新されてもよい。
【0010】
一部の実施形態では、方法は、検出データに基づいて、(i)第一の期間中のアイドル状態、(ii)第二の期間中の接近状態、および(iii)第三の期間中の物体取付け状態を含む順序を決定する工程を含んでもよい。第二の期間は、第一の期間に続いてもよい。第三の期間は、第二の期間に続いてもよい。一部の実施形態では、方法は、決定された順序に基づいて、改ざん警報信号を生成する工程を含んでもよい。順序を決定し、その後、それに基づいて改ざん警報信号を生成することによって、カードスキマーのATMへの取付けのより正確な検出を可能にしてもよい。例えば、識別される順序に応答して改ざん警報信号を生成することによって、本発明の実施形態は、偽陽性カードスキマー警報の発生率を低減する。この強化された検出能力は、ATMの操作に対する顧客の信頼性向上につながる。偽陽性のカードスキマー警報の減少は、技術専門家によるATMの時間のかかる技術的保守の短縮につながる。
【0011】
一部の実施形態では、検出データは、第一の期間中に第一のレベルで実質的に一定の振幅を有してもよい。さらに、検出データは、第二の期間中に負のピーク振幅を有してもよく、負のピークは第一のレベルよりも実質的に低い。さらに、検出データは、第三の期間中に第三のレベルで実質的に一定の振幅を有してもよく、第三のレベルは、第一のレベルよりも実質的に高い。別の実施形態では、検出データは、例えば、数秒などの短い期間の非常に高いピークと低いピークを第二の期間中に有してもよい。非常に高いピークと低いピークの短い期間は、カードスキマーがATMに取り付けられていることを示してもよい。
【0012】
一部の実施形態では、順序は、第二の機械学習モデルを使用して決定されてもよい。第二の機械学習モデルは、順序を識別する非常に正確かつ非常に効率的な手段を提供してもよい。第二の機械学習モデルは、深層学習モデルを含んでもよい。深層学習モデルは、長・短期記憶回帰型ニューラルネットワークモデルを含んでもよい。長・短期記憶回帰型ニューラルネットワークモデルは、信号内のノイズをフィルタリングするのに非常に効果的である。長・短期記憶回帰型ニューラルネットワークモデルは、新しいカードスキマー攻撃に関する新しい訓練データが利用可能になるにつれて、経時的に更新されてもよい。長・短期記憶回帰型ニューラルネットワークモデルへのアップグレードまたは改善が利用可能になった場合、第二の機械学習モデルは、技術的に複雑かつ時間のかかるハードウェア修正を必要とせずに、ソフトウェア更新に基づいて更新されてもよい。一部の実施形態では、第二の機械学習モデルは、サポートベクターマシンを含んでもよい。
【0013】
一部の実施形態では、順序決定の代わりに、第二の機械学習モデルは、検出データにおける一つ以上の際立つ特徴を識別するように構成された一次元(1-D)畳み込みニューラルネットワークモデルを含んでもよい。1-D畳み込みニューラルネットワークモデルは、ATMからの時系列データなどの1-Dデータを分析する際に、より高い精度を提供してもよい。
【0014】
一部の実施形態では、一つ以上のセンサーは、静電容量式センサー、ミリメータ波(mmWave)レーダー、および/または飛行時間型センサーを備えてもよい。一部の実施形態では、静電容量式センサーは、磁気カード読取装置に隣接して取り付けられてもよい。一部の実施形態では、静電容量式センサーは、ベゼルの外部部分に隣接して配置される物体に検出データを生成するように構成されてもよい。
【0015】
本発明の例示的な実施形態によれば、方法は、訓練データのセットを生成し、訓練データのセットに基づいて、第一の機械学習モデルおよび第二の機械学習モデルの少なくとも一つを訓練する工程を含んでもよい。訓練データのセットを自動的に生成することによって、方法は、データ抽出および関連するアクティビティのラベル付けの時間のかかる反復的な手動プロセスを回避してもよい。このように、方法は、大きな未加工データセットから訓練データを作成するより迅速なプロセスをもたらす。さらに、よりクリーンな訓練データは、全体的な機械学習モデルの精度向上をもたらす。
【0016】
一部の実施形態では、訓練データのセットは、履歴データのセットを受信し、履歴データのセットにおける一つ以上の特徴を識別することによって生成されてもよく、一つ以上の特徴の各々は対応するアクティビティを表す。非常に大量の履歴データのセットがあることは珍しくない。このような大量の履歴データのセットの手動分析は、非常に時間のかかる作業である。本発明の実施形態は、履歴データの自動化された分析を可能にし、それが次に、ATMにおけるカードスキマーの存在、ATMにおける顧客の手の存在、ATMのアイドル状態、ATMの取引ステータスおよび、操作パネルのドアが開いている時の補充、小切手処理、現金のリサイクル、コンタクトレスカードの接触、メニュー解析のための画面操作などの他の装置からの情報に基づく様々なタイプの取引などのアクティビティの自動識別を可能にする。本発明の特定の実施形態はまた、それに応じてアクティビティの自動ラベル付けを可能にする。
【0017】
一部の実施形態では、一つ以上の特徴は、履歴データのセットにおける一つ以上のピークを決定し、一つ以上の決定されたピークに基づいて一つ以上のデータのサブセットを生成することによって識別されてもよい。一部の実施形態では、データの各サブセットは、ピークの両側にパディングデータを含む。パディングデータは、特徴の視覚化を容易にしてもよい。パディングデータは、前の「アイドル」(IDLE)状態または後の「スキマー」(SKIMMER)状態など、アクティビティの前後関係に関する情報を提供してもよく、ピークは「手のアクティビティ」(HAND ACTIVITY)に関する情報を提供してもよい。
【0018】
一部の実施形態では、一つ以上のピークは、移動平均および標準偏差を履歴データのセットに適用することによって決定されてもよい。訓練データのセットは、ラベルデータのセットを受信し、一つ以上の識別された特徴をラベルデータのセットで拡大することによって生成されてもよい。ラベルデータは、操作パネルのドアが開いている時の補充、現金回収など、他の装置からの取引アクティビティデータに基づいて自動的に作成されてもよい。
【0019】
本発明はまた、別の態様では、端末装置における物体の取付けを検出するためのデータ処理システムを提供し、システムは、機械実行可能命令を格納するメモリまたは他のコンピュータ可読媒体にアクセスし、命令を実行して、一つ以上のセンサーから検出データを受信し、検出データに基づいてウェーブレットマトリックスを生成し、ウェーブレットマトリックスに基づいて周囲環境警報を生成するように構成されたプロセッサを備える。
【0020】
本発明のさらなる態様では、コンピュータプログラム製品がコンピュータシステム上で実行される時に、コンピュータシステムに本発明の方法を実行させることができる命令を含む、コンピュータプログラム製品が提供されている。コンピュータプログラム製品は、記録媒体、またはキャリア信号、または読み出し専用メモリ上で具現化されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態について、以下の添付図面を参照して、例証としてのみ、以降で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本開示技術の例示的な実施形態による、端末装置における物体の取付けを検出するためのハイブリッドシステムおよびフロー図である。
図2図2は、本開示技術の例示的な実施形態による、捕捉された検出データを示すグラフである。
図3図3は、本開示技術の例示的な実施形態による、捕捉された検出データを示すグラフである。
図3a図3aは、本開示技術の例示的な実施形態による、捕捉された検出データを示すグラフである。
図4図4は、本開示技術の例示的な実施形態による、ウェーブレット変換の命令コードの抽出である。
図5図5は、本開示技術の例示的な実施形態による、ウェーブレットマトリックスである。
図6図6は、本開示技術の例示的な実施形態による、スカログラム画像である。
図7図7は、本開示技術の例示的な実施形態による、スカログラム画像である。
図8図8は、本開示技術の例示的な実施形態による、周囲環境警報を示すグラフである。
図9図9は、本開示技術の例示的な実施形態による、機械学習モデルを訓練するための方法のフロー図である。
図9a図9aは、図9の方法の履歴データを示すグラフである。
図9a(i)】図9a(i)は、図9aの履歴データの一部を示すグラフである。
図9b図9bは、図9の方法のデータのサブセットを示すグラフである。
図9c図9cは、図9の方法の特徴を示す画像である。
図10図10は、図9の方法のピークを示すグラフである。
図11図11は、図9の方法のラベルデータを示すグラフである。
【0023】
図面では、同様の参照番号は同様の部品を指す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面、および最初に図1~8を参照すると、本開示技術の例示的な実施形態による、セルフサービス端末装置における物体の取付けを検出するように構成された、コンピュータ実装型データ処理システム1が図示されている。一実施形態では、システム1は、スキマー防止解決策(SPS)の形態で提供されてもよい。特定のシナリオでは、犯罪者は、カード上に存在する磁気ストライプを記録するカードスキマー装置を利用して、クレジットカードの詳細を盗もうとする場合がある。システム1は、例えば、現金自動預払機(ATM)の操作パネル上に配置されたカードスキマー装置の存在を検出してもよい。より具体的には、システム1は、例えば、ATMのベゼルへのカードスキマー装置の取付けを検出するために用いられてもよい。
【0025】
一実施形態では、システム1は、システム1の機能を管理し、センサー/出力からシステム1によって使用されるエフェクターへとデータを収集し、例えば、USB2.0を介してATM PCコアに報告するように構成されたマイクロコントローラを含んでもよい。例示的な実施形態では、システム1は、カード読取機の出入口の近傍内に配置された異常な物体を検出する、カード読取機の出入口の近傍内に配置された異常な物体の存在を報告する、カード読取機の出入口の近傍に配置された、異常な物体の検出機能を無効にするまたは妨害する不具合(例えば、異常な物体の電磁妨害、磁気読取ヘッドを持つものなど)を報告するなどの機能を実行してもよい。
【0026】
図1に示すように、システム1は、複数のセンサー2から検出データ3を受信する。一部の実施形態では、センサー2は、システム1とは別個のものであってもよく、他の実施形態では、システム1は、センサー2を含んでもよい。例示的な実施形態では、センサー2は、静電容量式センサーの形態で提供される。静電容量式センサー2は、磁気カード読取装置に隣接して取り付けられてもよい。静電容量式センサー2は、ATMのベゼルの外部部分に隣接して配置されるカードスキマー装置に応答して、検出データ3を生成してもよい。例えば、検出データ3は、ATMのカード(磁気ストライプ)読取機の周りにある一連の静電容量式センサー2から捕捉されてもよい。静電容量式センサー2は、カード読取機の出入口の近傍に磁気読取ヘッドを有する異常な物体の存在を検出してもよい。システム1は、その入力チャネルで、トランスミッタとレシーバの電極対から連続的なアナログ信号を受信するアナログ・デジタル変換器(ADC)を含んでもよい。システムコアドライバは、スキャンするチャネルを選択してもよい。例として、選択されたチャネルは、180ミリ秒ごとにサンプリングされてもよく、イベントは、32ビット読取値でシステムコアドライバに戻されてもよい。一実施形態では、ADCは、センサー2の選択されたものからの読取値を符号なし32ビットのデジタル値に変換し、これはチャネル当たり180ミリ秒の速度でプロセッサに送信されてもよい。
【0027】
例示的な実施形態では、システム1は、第二の機械学習モデル4を含む。第二の機械学習モデル4は、長・短期記憶回帰型ニューラルネットワーク(LSTM-RNN)モデルなどの深層学習モデルであってもよい。機械学習モデル4は、説明の目的で本明細書でLSTM-RNNモデルと呼んでもよいが、モデル4は、LSTM-RNNモデルに限定されず、任意の適切なタイプのニューラルネットワークを含む任意の適切な機械学習モデルであってもよいことが理解されるべきである。LSTM-RNNモデル4は、検出データ3に基づいて順序5を決定してもよい。
【0028】
図2に図示するように、例示的な実施形態では、順序5は、(i)第一の期間「a」中のアイドル状態、(ii)第一の期間「a」に続く第二の期間「b」中の手の接近状態、および(iii)第二の期間「b」に続く第三の期間「c」中のカードスキマー取付け状態を含んでもよい。図2の例では、検出データ3は、第一の期間「a」中に第一のレベル12で実質的に一定の振幅を有する。さらに、検出データ3は、第二の期間「b」中に負のピーク振幅13を有する。負のピーク13は、第一のレベル12よりも低い(図2)。検出データ3は、第三の期間「c」中に第三のレベル14で実質的に一定の振幅を有する。第三のレベル14は、第一のレベル12よりも高い(図2)。カードスキマー取付け状態は、カードスキマー装置がATMのベゼルに取り付けられたままであることを示す。例示的な実施形態では、カードスキマーが期間「b」中にベゼル上に配置されると、手の接近が信号の急上昇を発生させ、その後、期間「a」中の振幅12から期間「c」中の振幅14まで信号振幅の増加が続く。増加した振幅14は、スキマーがベゼル上に残っている期間中、続いてもよい。
【0029】
図1を再び参照すると、例示的な実施形態では、システム1は、順序決定5に基づいて、改ざん警報信号6を生成する。改ざん警報信号6は、カードスキマーがATMのベゼルに取り付けられたことを示してもよい。例示的な実施形態では、深層学習モデル4は、システムの1カードスキマーの検出精度を強化する。システム1は、アイドル状態、スキマー取付け状態、手の接近状態、取引、および雨などの気象イベントなどの異なる状態/シナリオ/イベントに関連するデータを収集するように構成されてもよい。これらのシナリオ/イベントに関連するデータを、それに応じて分類し、LSTM-RNNモデル4を通して供給して、順序5を検出してもよい。一部の実施形態では、LSTM-RNNモデル4は、第一の期間「a」中のアイドル状態、第二の期間「b」中の信号の急上昇、および最後に第三の期間「c」中の振幅14の増加に対応する第一の振幅12を含むものとして、かつそれを観察することに基づいて、順序5を検出してもよい。任意選択で、順序5は、第二の期間「b」の初期部分の間に観察される負のピーク振幅13をさらに含むものとして検出されてもよい。履歴センサーデータを使用して訓練されうるモデル4は、入力センサーデータに基づいて、カードスキマーが存在するかどうかを示す分類結果を生成するように構成されてもよい。一部の実施形態では、LSTM-RNNモデル4は、順次データを検出し、状況の前後関係から学習するのに特に適切でありうる。
【0030】
LSTM-RNNモデル4は、順序5を検出し、順序5の検出に応答してカードスキマー警報6を生成するように訓練されてもよい。一部の実施形態では、モデル4は、その訓練に基づいて、手の接近のみ、正当な取引、雨などの周囲気象などの正当なアクティビティを表す他の信号の順序を無視し、こうしたシナリオではカードスキマー警報6の生成を行わなくてもよい。このように、モデル4は、周囲気象条件(例えば、雨)などの他の要因によって引き起こされる偽陽性のカードスキマー警報を低減することを助ける。雨は、ノイズの多い予測不可能な信号につながる可能性がある。そのような信号は、モデル4によって提供される信頼性の向上がない場合には偽陽性のカードスキマー警報につながる可能性があり、例示的な実施形態では、特定の順序5を検出し、正当なカードスキマーに関連しないイベントを反映しうる他の信号振幅変化の順序に応答してではなく、順序5の検出に応答して警報6を生成するように訓練される。
【0031】
図1に示すように、例示的な実施形態では、システム1は、ウェーブレット変換7を使用して、検出データ3を時間領域から周波数領域に変換し、係数のウェーブレットマトリックス8を生成する。検出データ3の例を図3aに示す。ウェーブレット変換7の例を図4に示す。ウェーブレットマトリックス8の例を図5に示す。図5のウェーブレットマトリックス8は、図3aの検出データ3および図4のウェーブレット変換7を使用して生成される。
【0032】
例示的な実施形態では、システム1は、第一の機械学習モデル9を含む。一部の実施形態では、第一の機械学習モデル9は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルの形態で提供される。CNNモデル9は、ウェーブレットマトリックス8の特徴10を識別するように構成されてもよい。次に、システム1は、識別された特徴10に基づいて周囲環境警報信号11を生成してもよい。周囲環境警報信号11は、周囲気象警報信号を含んでもよい。周囲気象警報信号は、降雨警報信号11を含んでもよい(図8)。
【0033】
システム1は、雨により静電容量式センサー2からの信号3のノイズが増えるという技術的問題に対処する。特に、雨は、経時的な振幅の段階的蓄積を引き起こす可能性がある。こうしたノイズまたは振幅の蓄積は、偽陽性のカードスキマー警報につながる可能性がある。システム1が雨に曝露されると、センサー2からの信号3のノイズが増える場合がある。時間の経過とともに、これは信号振幅の段階的増加を引き起こす可能性がある。図3は、雨によるセンサー2からの信号の振幅の経時的な蓄積を伴う検出データ3を示す。これが発生すると、ATMに取り付けられている実際のカードスキマーによって引き起こされる振幅の増加と雨によって引き起こされる信号振幅の増加を区別することが困難となりうる。
【0034】
例示的な実施形態では、この技術的問題に対処するために、システム1は、ウェーブレット変換7を使用して、信号3のローカライズされた時間情報を失うことなく、周波数の変化を分析する。ウェーブレット変換7は、強化された信号解析のために、周波数と時間の両方の情報を保持する。ウェーブレット変換7は、連続時間信号を別個のスケール構成要素に分割する数学関数であってもよい。ウェーブレット変換7は、離散的または連続的であってもよい。特に、ウェーブレットマトリックス8は、これらの周波数がいつ発生する時期の表示と併せて、周波数のスペクトルを提供してもよい。
【0035】
別の方法として、システム1は、ウェーブレットマトリックス8に基づいて、スカログラムを生成してもよい。図6は、スカログラム15の例を示す。図7は、別のタイプのスカログラム16の例を示す。スカログラムは、係数のウェーブレットマトリックス8にある情報を視覚的に表現したものである。CNNモデル9は、スカログラムの特徴10を識別してもよい。
【0036】
より詳細には、スカログラムは、尺度構成要素に関する情報を表示する手段を提供してもよい。スカログラムは、使用されるウェーブレットに応じて変化するパターンを含むグラフであってもよい。各スカログラムに表示される情報の量は、信号データ3を分析するために使用されるウィンドウサイズに依存する。メキシカンハットのウェーブレット変換によって生成されたスカログラム画像15の例を、図6に示す。Morletウェーブレット変換によって生成されたスカログラム画像16の例を、図7に示す。CNNモデル9は、高い精度でスカログラム画像の際立つ特徴10を識別するように構成されてもよい。したがって、システム1は、これらの際立つ特徴10に基づいて雨が降っている時を識別してもよく、雨中の任意の偽陽性のカードスキマー警報を除去してもよい。
【0037】
使用において、例示的な実施形態では、システム1は、ベゼルの外部部分に隣接して配置されるカードスキマー装置に応答して、静電容量式センサー2(図1)から検出データ3を受信する。検出データ3に基づいて、LSTM-RNNモデル4は、(i)第一の期間「a」中のアイドル状態、(ii)第二の期間「b」中の接近状態、および(iii)第三の期間「c」中のカードスキマー取付け状態を含む、順序5を決定する。次に、システム1は、順序決定に基づいて、改ざん警報信号6を生成する。並行して、例示的な実施形態では、システム1は、ウェーブレット変換7を使用して、検出データ3を時間領域から周波数領域に変換し、ウェーブレットマトリックス8を生成する。CNNモデル9は、ウェーブレットマトリックスの特徴10を識別する。次に、システム1は、識別された特徴10に基づいて降雨警報信号11を生成してもよい。
【0038】
ここで図9~11を参照すると、LSTM-RNNモデル4およびCNNモデル9を訓練するためのコンピュータ実装型データ処理システム20が図示されている。システム20は、大量の履歴データのセット21を受信してもよい(図9a)。履歴データ21は、磁気カード読取装置に隣接して取り付けられた静電容量式センサー2からの以前の検出データを含んでもよい。静電容量式センサー2は、ATMの通常の操作中に、また潜在的には、カードスキマー装置がATMのベゼルの外部部分に隣接して配置された段階で、以前の検出データを生成していてもよい。図9a(i)は、図9aの履歴データ21の部分40を示す。履歴データの部分40は、カードスキマーがATMに連続して取り付けられATMから取り外される期間中の未加工のセンサーデータを表す。
【0039】
例示的な実施形態では、システム20は、予め定義された閾値に基づいて、移動平均22および標準偏差23を履歴データのセット21に適用し、履歴データのセット21の複数のピーク24を識別する。次に、システム20は、識別された各ピーク24に基づいて、データのサブセット25を生成してもよい(図9b)。データのサブセット25は、識別されたピーク24の両側に、予め定義された数の周囲のパディングデータ点を含んでもよい。この例では、ピーク値24は「1」に設定され、ピーク24の両側の周囲のパディングデータ点は「0」に設定される。システム20は、サブセット25を使用して、履歴データのセット21における特徴のセット26を識別するように構成されてもよい(図9c)。特徴26の各々は、ATMに接近する顧客の手またはATMに取り付けられているカードスキマー装置などのアクティビティを表してもよい。
【0040】
アクティビティの各々は、静電容量式センサー信号21のピーク24について観察される異なるパターンに基づいて特定されてもよい。例えば、カードスキマーイベントの場合、手の接近の後には信号の平均振幅が増加するため、ピークを識別してもよい。平均信号振幅の増加は、カードスキマー装置のサイズに応じて変化してもよい。カードスキマーが取り外される場合は、別のピークを識別し、その後に信号振幅がアイドル状態と同じレベルに戻ってもよい。ピークが識別されるが、その後にアイドル状態の振幅から信号の平均振幅が増加しない場合、システム20は、手の接近または他の通常のユーザーアクティビティのみが発生したと決定してもよい。取引がATMで行われている場合、システム20は、多数の連続ピークを識別してもよい。
【0041】
例示的な実施形態では、システム20は、移動ウィンドウ平均22を適用してデータ21内のすべてのデータ点の平均値を計算することによって、データ21内に存在するノイズを低減する。次に、移動平均22から所定の数の標準偏差分離れた任意の新しいデータ点について、信号が検出されてもよい。一部の実施形態では、信号は「0」または「1」のいずれかであってもよく、ここで、後者はデータセット21内で識別されたピーク24を表す。例示的な実施形態では、サブセットアレイ25内の信号(「0」または「1」)はデータセット21内のインデックスを表し、ここで、取引などの特徴26が開始および終了する。特徴26は、特徴26の前後から余分なパディングデータを用いて抽出されてもよい。ピーク24を有する抽出された特徴26の例が、図10に図示したグラフにプロットされている。
【0042】
例示的な実施形態では、システム20は、ユーザーが予め定義したラベルデータのセット27(図11)を受信してもよく、システム20は、識別された特徴26をラベルデータのセット27で拡大して、訓練データのセット28を生成してもよい。ラベルデータのセット27は、例えば、顧客の手の接近または窃盗犯の手の接近など、手の接近のタイプのカテゴリーに関する情報を含んでもよい。次に、システム20は、訓練データのセット28に基づいて、LSTM-RNNモデル4およびCNNモデル9を訓練してもよい。データ抽出およびラベル付けのプロセスは通常、時間がかかる。システム20は、大量のスキマーデータセット21から重要な特徴26を抽出することによって、このプロセスをスピードアップする。システム20は、例えば、大量のデータセット21内の手のアクティビティ、取引、およびスキマーのアクティビティを表す特徴を識別する。結果として、全体的なデータ前処理段階がより迅速化し、よりクリーンな訓練データセット28をもたらす。その結果、結果として得られるカードスキマー検出がより正確になる。
【0043】
例示的な実施形態では、使用中、システム20は、履歴データのセット21を受信する(図9)。システム20は、移動平均22および標準偏差23を履歴データのセット21に適用し、履歴データのセット21の複数のピーク24を識別する。システム20は、識別された各ピーク24に基づいて、データのサブセット25を生成する。システム20は、サブセット25を使用して、特徴のセット26を識別する。システム20は、ラベルデータのセット27を受信し、識別された特徴26をラベルデータのセット27で拡大して、訓練データのセット28を生成する。次に、システム20は、訓練データのセット28に基づいて、LSTM-RNNモデル4およびCNNモデル9を訓練する。
【0044】
添付図面を参照して前述した本発明の実施形態は、コンピュータシステムおよびコンピュータシステムによって実行されるプロセスを含む。しかしながら、本発明はまた、コンピュータプログラム、特に、本発明を実施するよう適合されたキャリア上またはキャリア内に格納されたコンピュータプログラムにも及ぶ。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、または部分的にコンパイルされた形態、または本発明による方法の実施における使用に適した任意の他の形態などのコード中間ソースおよびオブジェクトコードの形態であってもよい。キャリアは、ROM(CD-ROMなど)などの記憶媒体、またはフロッピーディスクまたはハードディスクなどの磁気記録媒体を備えてもよい。キャリアは、電気ケーブルまたは光ケーブルを介して、または無線もしくは任意の他の手段によって伝送されうる、電気信号または光信号であってもよい。
【0045】
本明細書の記述および特許請求の範囲全体を通して、「含む」および「含有する」という用語およびそれらの変形は、「限定されないが、~を含む」ことを意味し、その他の部分、添加剤、構成要素、整数または工程を除外することを意図するものではない(および除外しない)。本明細書の記述および特許請求の範囲全体を通して、文脈上別段の解釈が要求されない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、文脈上別段の要求がない限り、本明細書は、複数および単数を企図するものとして理解されるべきである。
【0046】
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例と併せて記載される特徴、整数、特性、または群は、それらとの互換性がない場合を除き、本明細書に記載される任意の他の態様、実施形態、または実施例に適用されるものとして理解されるべきである。本明細書に開示された全ての特徴(添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)、および/またはそのように開示された任意の方法またはプロセスの全ての工程は、特徴および/または工程の少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明は、前述の実施形態のいかなる詳細にも限定されない。本発明は、本明細書に開示された特徴(任意の付随する特許請求の範囲、要約および図面を含む)の任意の新しい一つ、または新しい組み合わせ、またはそのように開示される任意の方法もしくはプロセスの工程の任意の新しい一つ、または任意の新しい組み合わせに及ぶ。
【0047】
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時にまたは本本明細書の前に出願され、かつ本明細書に関して一般に閲覧される全ての論文および文書を対象とし、かかる論文および文書の内容はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図3a
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9a
図9a(i)】
図9b
図9c
図10
図11