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特開2024-122522情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122522
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60L 58/16 20190101AFI20240902BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240902BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240902BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240902BHJP
   B60L 53/10 20190101ALI20240902BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240902BHJP
   G01R 31/392 20190101ALI20240902BHJP
   G01R 31/387 20190101ALI20240902BHJP
   G01R 31/382 20190101ALI20240902BHJP
   H02J 7/00 20060101ALN20240902BHJP
【FI】
B60L58/16
B60R16/02 640K
B60L3/00 S
B60L50/60
B60L53/10
B60W50/14
G01R31/392
G01R31/387
G01R31/382
H02J7/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030100
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古橋 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】安原 真也
【テーマコード(参考)】
2G216
3D241
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
2G216AB01
2G216BA01
2G216BA21
2G216CD03
3D241BA60
3D241DA69Z
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA06
5G503GD03
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC09
5H125BC18
5H125BC21
5H125CC04
5H125CD02
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両のバッテリの劣化を、心理的負担が少ない方法でユーザに知覚させ、延いてはエネルギー効率の改善に寄与する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】電動車両に搭載されるECUである情報処理装置110は、第1の電動車両のバッテリの充電状態を取得する充電状態取得部501と、第1の電動車両のバッテリの劣化度を取得する劣化度取得部502と、充電状態に応じた表示態様でキャラクタの表示を制御させる表示制御部503と、を備え、表示態様をバッテリの劣化度に応じて変化させる。情報処理装置はまた、バッテリの使用状態を評価する評価部504と、第1の電動車両とは異なる第2の電動車両と通信する通信部505と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電動車両のバッテリの充電状態を取得する第1の取得手段と、
前記第1の電動車両のバッテリの劣化度を取得する第2の取得手段と、
前記充電状態に応じた表示態様でキャラクタの表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記表示態様を前記バッテリの劣化度に応じて変化させることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記バッテリの充電による前記バッテリの劣化度の増加への寄与度を評価する評価手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記寄与度に基づいて前記表示態様をさらに変化させることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記バッテリの充電が所定の充電状態で行われているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記評価手段は、前記バッテリの充電が前記所定の充電状態で行われていると判定された場合に、前記バッテリの充電が前記所定の充電状態で行われていないと判定された場合と比較して前記寄与度を上昇させることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の充電状態は、前記バッテリの充電状態が最大の状態、又は前記バッテリの充電状態が空の状態であることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記寄与度が所定の設定以上に増加している場合に、前記表示態様を、前記キャラクタが体調を崩した表示態様に変化させることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記バッテリの劣化度に応じて前記キャラクタの年齢が変化するように、前記表示態様を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記バッテリの劣化度が高くなると前記キャラクタの年齢が上昇するように、前記表示態様を変化させることを特徴とする、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記バッテリの使用状態を評価する第2の評価手段と、
前記第1の電動車両とは異なる第2の電動車両と通信する通信手段と、
前記第1の電動車両のキャラクタと前記第2の電動車両のキャラクタとの間で行われる対戦の勝敗を、前記使用状態に応じて決定する決定手段と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2の評価手段は、バッテリの使用状態を評価値として評価し、
前記決定手段は、前記対戦の勝敗を、前記評価値がより高い電動車両のキャラクタが勝利するように決定することを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第2の評価手段は、前記バッテリの充電が、前記バッテリの充電状態が最大の状態又は前記バッテリの充電状態が空の状態で行われている場合に、前記評価値を減少させることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第2の評価手段は、前記バッテリの充電が、前記バッテリの充電状態が最大の状態ではなく、かつ前記バッテリの充電状態が空の状態ではない状態で行われている時間に応じて、前記評価値を上昇させることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第2の評価手段は、直近の所定期間における、前記バッテリの充電が前記バッテリの充電状態が最大の状態で行われている時間又は前記バッテリの充電が前記バッテリの充電状態が空の状態で開始された回数に応じて、前記評価値を評価することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第2の評価手段は、前記第1の電動車両の劣化度に基づいて前記使用状態を評価することを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第2の評価手段は、前記第1の電動車両の劣化度を、前記バッテリの運用期間に基づいて補正することにより、前記使用状態を評価することを特徴とする、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記対戦における前記キャラクタの表示態様を、前記評価値に応じて制御することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記対戦に勝利した場合に、前記キャラクタの表示を装飾するアイテムを取得する第3の取得手段をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記表示制御手段は、前記第2の電動車両のキャラクタをさらに表示させることを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項18】
通信を行った前記第2の電動車両を示す情報を登録する登録手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記登録手段により登録した前記第2の電動車両のキャラクタを表示させることを特徴とする、請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
第1の電動車両のバッテリの充電状態を取得する第1の取得工程と、
前記第1の電動車両のバッテリの劣化度を取得する第2の取得工程と、
前記充電状態に応じた表示態様でキャラクタの表示を制御する表示制御工程と、を備え、
前記表示制御工程は、前記表示態様を前記バッテリの劣化度に応じて変化させることを特徴とする、情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータを、請求項1乃至18の何れか一項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を運転しているユーザに車両に関する情報を提示する技術が存在する。特許文献1に記載の技術では、ユーザによる車両の取り扱い(アクセルペダルの開度、又はブレーキペダルの操作量など)により車両が人格を有していると仮定した仮想の感情を生成し、生成した感情に応じた表示を行う技術が開示されている。
【0003】
また近年、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化し、車両においてもCO2排出量の削減やエネルギー効率の改善のために、電動車両に関する研究開発が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-76460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、上記の感情を生成する際に電動車両におけるバッテリの劣化の度合いについては考慮されておらず、ユーザがバッテリの劣化度合いを亢進させるような運転を続けていてもそれに気が付くことができないという問題があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、車両のバッテリの劣化を、心理的負担が少ない方法でユーザに知覚させることにある。そして、延いてはエネルギー効率の改善に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
電動車両のバッテリの充電状態を取得する第1の取得手段と、
前記電動車両のバッテリの劣化度を取得する第2の取得手段と、
前記充電状態に応じた表示態様でキャラクタの表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記表示態様を前記バッテリの劣化度に応じて変化させることを特徴とする、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両のバッテリの劣化を、心理的負担が少ない方法でユーザに知覚させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの一例を示す図。
図2】本実施形態に係る充電状態に応じた表示態様の一例を示す図。
図3】本実施形態に係る劣化度に応じた表示態様の一例を示す図。
図4】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図5】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図6】本実施形態に係る過充電又は空充電の表示の一例を示す図。
図7】本実施形態に係る情報処理装置による処理の一例を示すフローチャート。
図8】本実施形態に係る外部車両との対戦の表示の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、電動車両のバッテリの充電状態と、電動車両のバッテリの劣化度とを取得する。また情報処理装置は、充電状態に応じた表示態様でキャラクタの表示を制御し、その表示態様をバッテリの劣化度に応じて変化させる。
本実施形態においては、情報処理装置は電動車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)であり、各処理結果に応じて以下に説明する処理を行うことが可能であるものとするが、同様の動作が可能なのであれば例えばサーバなど電動車両と別体の装置であってもよく、これらに限定されるわけではない。
【0012】
[システム]
以下、図1を参照して、本実施形態に係る電動車両100(以下、単に車両100とも記載する)が備える情報処理装置110を含むシステムに関して説明を行う。図1は、車両100が備える、情報処理装置110により処理が行われる情報処理システムの構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置110は車両100の車載装置である。
【0013】
図1に例示されるシステムにおいては、情報処理装置110は、バッテリ120の充電状態に応じた表示態様で、キャラクタの表示を制御する。ここでは、キャラクタの表示を含む各処理結果がディスプレイ130に表示されるものとする。ディスプレイ130は、車両に搭載されるディスプレイであるものとするが、例えばアプリケーション上で車両100と対応付けられた携帯端末など、車両とは別個のディスプレイであってもよい。また情報処理装置110は、電流及び電圧を測定するセンサ140を介してバッテリ120の充電状態と劣化度とを取得する。バッテリ120は車両100にエネルギーを供給するバッテリであり、ここでは走行用のエネルギーを供給する駆動用バッテリであるものとするが、例えば車載機器にエネルギーを供給する補機用バッテリなど異なるものが用いられてもよい。
【0014】
なお、ここでは、図1に示すシステムを提供するアプリケーション(車相棒化アプリ)のプログラムが情報処理装置110にインストールされており、車相棒化アプリにより行われる処理として、以下の各処理が説明される。
【0015】
車両100は、バッテリ120によりエネルギーを供給される電動車両である。ここでは、車両100は四輪自動車であり、車両内にディスプレイ130を備えるものとして説明を行うが、二輪の鞍乗型車両など異なる形式の車両が用いられてもよい。車両としては一般に走行可能な各種車両を用いることができるため、車両に関する詳細な説明は行わない。
【0016】
情報処理装置110は、例えば、キャラクタとして犬のキャラクタの表示を制御し、充電状態がキャラクタの空腹度として表現されるように表示の制御を行うことができる。以下においてはキャラクタは図2に示されるような犬のキャラクタであるものとするが、例えば人間又は猫などの犬とは異なる生物のキャラクタであってもよく、時計などの無機物のキャラクタであってもよい。図2は、本実施形態において表示態様が制御されるキャラクタの例を示す図である。
【0017】
キャラクタ211は、バッテリ120の残量が少量である場合(後述)にディスプレイ130の画面201において表示される表示態様のキャラクタである。キャラクタ211は、残量が少ないことに応じて、空腹状態のキャラクタとして表示されている。キャラクタ212は、バッテリ120の残量が中程度である場合(後述)に画面202において表示される表示態様のキャラクタであり、通常状態のキャラクタとして表示されている。キャラクタ213は、バッテリ120が満充電状態である場合に画面203において表示される表示態様のキャラクタであり、満腹状態のキャラクタとして表示されている。
【0018】
なお、キャラクタ214はバッテリが充電中に表示される表示態様のキャラクタであり、画面204において食事中のキャラクタとして表示されている。このように、バッテリ120の残量に関わらず、充電中か否かに応じて表示態様に変化が生じてもよい(ここでは、エサ入れがキャラクタの前に表示される)。
【0019】
ここでは、バッテリ120の充電状態は、現在時点での満充電容量に対する現在の残量により表現されるものとする。以下、本実施形態における充電状態の区分の例について説明を行う。残量が空の状態とは、残量が0%以上1%未満である状態であるものとする。また、残量が少量である場合とは、残量が空の状態より多く(1%以上で)20%未満であるものとする。また、満充電状態とは、残量が100%であるものとする。また、残量が中程度である場合とは、充電の残量が、少量である場合と満充電状態との間にある場合であるものとする。これらの値は一例であり、例えば満充電状態を残量が95%以上とするなど、ユーザが任意に設定可能である。充電状態に応じたキャラクタの表示処理と充電状態の取得処理については、図5を参照して後述する。
【0020】
情報処理装置110は、このようなキャラクタの表示態様を、バッテリの劣化度に応じて変化させる。例えば情報処理装置110は、バッテリの劣化度に応じてキャラクタの年齢が変化するように(例えば、バッテリの劣化度が高いほど年齢が高くなるように)表示態様を変化させてもよい。図3は、本実施形態におけるキャラクタの表示態様の変化の一例を示す図である。
【0021】
キャラクタ311は、バッテリの劣化度が小さい場合に画面301上に表示される表示態様のキャラクタであり、ここでは成犬として表示されている。キャラクタ312は、バッテリの劣化度が大きい場合に画面302上に表示される表示態様のキャラクタであり、ここでは老犬として表示されている。
【0022】
バッテリの劣化度は、詳細は後述するが、バッテリ120の初期の満充電容量と現時点でセンサ140により計測される満充電容量とに基づいて算出される値であり、本実施形態においては1~0の範囲で表される。ここでは例えば、バッテリの劣化度が小さい場合とはバッテリの劣化度が所定の値(例えば、0.2)以下である場合であり、バッテリの劣化度が大きい場合とはバッテリの劣化度が所定の値(例えば、0.2)より大きい場合であるものとする。
【0023】
[情報処理装置]
本実施形態に係る情報処理装置110は、車両100に搭載された車載装置である。しかしながら、情報処理装置110は、例えば車両100と通信を行うサーバなどの車両外に存在する装置であってもよい。また、情報処理装置110の行うものとして説明する処理を、車両100の車載装置と車両外部の装置とが協働して行う形式であってもよい。
【0024】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置110は、処理部401、記憶部402、通信部403を含む。処理部401は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部402に記憶されたプログラムを実行する。記憶部402は、RAM、ROM、ハードディスクなどの記憶デバイスである。通信部403は、通信ネットワークを介して別の電動車両などの外部装置と通信可能な有線又は無線の通信インタフェースを含む。記憶部402に記憶されたプログラムには、本実施形態に係るシステムを利用するためのアプリケーションプログラムも含まれる。
【0025】
記憶部402には、処理部401が実行するプログラムの他、各種のデータが格納される。図3Aの例では記憶部402に格納されるデータとして、データベース(DB)411が例示されている。DB411は、キャラクタに関わるデータを格納するデータベースである。例えばDB411は、取得したバッテリの充電状態及び劣化度(又は後述する評価値など)、並びにそれらのデータとキャラクタの表示態様とを関連付けるデータを、キャラクタに関わるデータとして格納することができる。
【0026】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置110の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置110は、充電状態取得部501、劣化度取得部502、表示制御部503、評価部504、及び通信部505を備える。
【0027】
充電状態取得部501は、バッテリの充電状態を取得する。ここでは、充電状態取得部501は、例えばバッテリ120に供給される電流及び電圧、並びにバッテリ120が放電する電流及び電圧を周期的に計測するセンサ140を用いて、バッテリ120の残量を算出し、充電状態として取得することができる。ここでは、バッテリの充電状態は、現在時点での満充電容量に対する現在の残量であるものとするが、例えば初期の満充電容量に対する現在の残量として評価されてもよい。
【0028】
劣化度取得部502は、バッテリの劣化度を取得する。劣化度取得部502は、例えばバッテリ120の初期の満充電容量に対する、現時点でセンサ140により計測される満充電容量を初期の満充電容量から引いた値の割合(最大1)を、車両の劣化度として算出してもよい。なお、ここでは情報処理装置110がセンサ140による検知結果を取得し、取得した検知結果に基づいて充電状態と劣化度とが算出されるものとするが、センサ140の検知結果に基づいて外部装置で算出された充電状態及び劣化度を取得するようにしてもよい。また、バッテリの充電状態及び劣化度の取得方法はこれに制限はされず、一般的に利用可能なバッテリの情報測定方法により行われてもよい。
【0029】
表示制御部503は、充電状態取得部501が取得した充電状態に基づいてキャラクタの表示態様を制御する。表示制御部503は、例えば図3を参照して説明したようにキャラクタの空腹度としての表示態様を制御することができるが、キャラクタの表示態様の制御は特にこのような処理に限定されるわけではない。例えば表示制御部503は、バッテリの残量が少ないほどキャラクタ一部又は全体の表示の彩度を低下させるなど、バッテリの残量の大小をユーザが知覚しやすいように表示できるのであれば他の表示態様でキャラクタの表示を行ってもよい。
【0030】
また表示制御部503は、劣化度取得部502が取得した劣化度に応じて、キャラクタの表示態様を変化させる。ここでは、表示制御部503は、バッテリの劣化度が高くなるとキャラクタの年齢が上昇するように表示態様を変化させることができる。表示制御部503は、例えば図4を参照して説明したようにキャラクタの表示態様を変化させることができるが、これとは異なる処理を行ってもよい。例えば表示制御部503は、閾値を2つ用いて劣化度を3段階に区分し、劣化度がそれらの区分のどこに属するかに応じて表示態様を変化させてもよい。また例えば、キャラクタが無機物である場合、劣化度が高くなるとキャラクタが劣化していく(痛んでいく)ように表示態様が変化してもよい。
【0031】
このような構成によれば、バッテリの充電状態に応じた態様で表示されるキャラクタの表示態様を、バッテリの劣化度に応じて変化させることができる。特に、バッテリの劣化度に応じた年齢のキャラクタとして、キャラクタの表示態様を変化させることができる。したがって、車両のバッテリの劣化を、心理的負担が少ない方法でユーザに知覚させることが可能となる。
【0032】
なお、バッテリに負荷をかけるような充電を行っている場合には、それをキャラクタの表示態様に反映させることにより、それを確認したユーザに、そのような充電をやめるよう誘導することが考えられる。そのような観点から、情報処理装置110は、バッテリの充電によるバッテリの劣化度の増加への寄与度を評価し、キャラクタの表示態様を寄与度に応じてさらに変化させてもよい。以下、単に「寄与度」と称する場合、このような充電によるバッテリの劣化度の増加への寄与度であるものとする。
【0033】
評価部504は、バッテリの充電によるバッテリの劣化度の増加への寄与度を評価する。ここで評価部504は、例えばバッテリの充電が所定の充電状態で行われているか否かの判定を行い、所定の充電で行われていると判定された場合に、そうでない場合と比較して寄与度を上昇させることができる。すなわち評価部504は、バッテリの劣化度を上昇させることが危惧される所定の充電状態で充電が行われている場合には、その充電によるバッテリの劣化度の増加への寄与度を上昇させる。バッテリの充電が最大の状態(満充電状態)で充電を続ける過充電、又は充電が空の状態(空充電状態)になってから充電を始める空充電を行うと、バッテリに負荷がかかり劣化度を増加させることが考えられる。そのような観点から、所定の充電状態は、例えば満充電状態又は空充電状態とされてもよい。なお、この所定の充電状態は満充電状態及び空充電状態には限定されず、通常の充電と比較してバッテリに負荷がかかる充電(例えば、短期間(任意に設定可能)に充電コードを複数回抜き差しするなど)が行われている状態であればどのような状態であってもよい。
【0034】
表示制御部503は、評価部504が評価した寄与度に基づいて、キャラクタの表示態様をさらに変化させる。図6は、本実施形態において寄与度に基づいて表示態様が制御されるキャラクタの例を示す図である。
【0035】
キャラクタ611は、満充電状態で寄与度が高の場合(後述)に画面601において表示される表示態様のキャラクタである。キャラクタ611は、満充電状態であることに応じて、体調を崩した表示態様(食事を食べすぎて気分が悪い様子)で表示されている。またキャラクタ612は、空充電状態で寄与度が高の場合に画面602において表示される表示態様のキャラクタである。キャラクタ612は、空充電状態であることに応じて、体調を崩した表示態様(空腹すぎて気分が悪い様子)で表示されている。
【0036】
ここでは、寄与度が低/高の二段階(初期値は低)であり、バッテリ120の充電中のセンサ140の検知結果から満充電状態又は空充電状態であると判定された場合に、寄与度が上昇して高に設定されるものとする。この場合、充電が終了した場合に寄与度が低に戻る。なお、評価部504が、寄与度の初期値を例えば0とし、満充電状態の時間に応じて寄与度を(例えば、10分につき1ずつ、最大5まで)上昇させるようにするなど、寄与度を2段階以上に分割して評価してもよい。この場合には、寄与度が所定の値(例えば、4)に到達した場合に、寄与度が高として表示態様が図6のように変化するものとする。このように、本実施形態においては寄与度が所定の設定以上に増加している場合に表示態様を変化させる二段階の変化が行われるものとするが、さらに多段階に表示態様の変化が行われてもよい。なお、ここでは寄与度を評価するにあたり過充電と空充電との両方を用いるものとしたが、これらのうちのいずれか一方のみを用いてもよい。
【0037】
通信部505は、外部の装置との情報の送受信を行う。例えば通信部505は、ディスプレイ130が車両100のユーザが有するスマートフォンのディスプレイである場合に、表示制御部503により表示態様が制御されるキャラクタの画像をディスプレイ130に送信することができる。また、通信部505は、車両100とは異なる車両との車車間通信を行ってもよい。車車間通信により行われる処理については、図8を参照して後述する。
【0038】
[フローチャート]
図7は、本実施形態に係る情報処理装置110によるキャラクタの表示制御処理の一例を示すフローチャートである。ここで、図7の処理は、車両100の電源の起動時、又は車相棒化アプリが起動された場合に開始されるものとする。
【0039】
S701で充電状態取得部501は、センサ140を介して算出されるバッテリ120の充電状態を取得する。充電状態取得部501は、S701のタイミングでセンサ140の検知結果を取得し充電状態を算出してもよく、所定の間隔(例えば、5秒おき)でセンサ140から取得され記憶部402に格納されている充電状態を記憶部402から取得するようにしてもよい。
【0040】
S702で劣化度取得部502は、センサ140を介して算出されるバッテリ120の劣化度を取得する。充電状態取得部501は、S701のタイミングでセンサ140の検知結果を取得し劣化度を算出してもよく、所定の間隔(例えば、一日おき、又は車両100の電源を入れるたび)でセンサ140から取得され記憶部402に格納されている劣化度を記憶部402から取得するようにしてもよい。一日おき、又は車両100の電源を入れるたびに劣化度を取得するような場合には、初回のS701~S706の以降のループにおいてS702は省略されてもよい。
【0041】
S703で評価部504は、バッテリの充電が行われているか否かを判定する。バッテリの充電が行われている場合には処理はS704へと進み、そうでない場合には処理はバッテリの充電が行われていないものとしてS706へと進む。
【0042】
S704で評価部504は、バッテリが所定の充電状態にあるか否かを決定する。バッテリが所定の充電状態にある場合には処理はS705へと進み、そうでない場合には処理はバッテリの充電が行われているものとしてS706へと進む。S705で評価部504は、寄与度を上昇させ、処理をS706へと進める。
【0043】
S706で表示制御部503は、S701~S705での処理結果に基づいて、ディスプレイ130におけるキャラクタの表示を制御する。ここでは、表示制御部503は、S701で取得した充電状態に応じた表示態様を、S702~S705における処理結果に基づいて変化させ、ディスプレイ130において表示させる。
【0044】
S707で表示制御部503は、キャラクタの表示を続けるか否かを判定する。ここでは、例えば車両100の電源がオンである場合にはキャラクタの表示を続けるものとするが、例えばユーザによる操作に応じてキャラクタの表示のオン/オフが行われてもよい。キャラクタの表示を続ける場合には処理はS701へと戻り、そうでない場合には処理は終了する。
【0045】
このような処理によれば、バッテリの充電状態に応じた態様で表示されるキャラクタの表示態様を、バッテリの劣化度に応じて変化させることができる。特に、バッテリの劣化度に応じた年齢のキャラクタとして、キャラクタの表示態様を変化させることができる。したがって、車両のバッテリの劣化を、心理的負担が少ない方法でユーザに知覚させることが可能となる。またバッテリに負荷のかかる充電が行われている場合にキャラクタの表示態様を変化させることにより、そのような充電を控えるように自然に誘導することができる。
【0046】
[応用例]
また、通信部505は、車両100とは異なる車両である外部車両と車車間通信を行うことが可能である。情報処理装置110は、車両100において表示を行うキャラクタと、外部車両において戦う車両のキャラクタと、で対戦(ミニゲーム)を行い、その勝敗をバッテリの使用状態により決定することができる。このような処理によれば、バッテリの使用状態により対戦の勝敗が決定されるため、バッテリを劣化させないよう、より強くユーザに誘導を行うことが可能となる。また、充電スタンドなどで駐車している待機時間(充電中)に対戦を行うことにより、暇な時間にユーザに娯楽を提供することが可能となる。
【0047】
そのために、評価部504は、バッテリ120の使用状態を評価することができる。本実施形態に係るバッテリの使用状態とは、例えばバッテリに負荷がかかるような充電(過負荷充電)又は運転(過負荷運転)を行っているか否かで区別される状態であってもよい。
【0048】
本実施形態に係るバッテリの使用状態は、使用状態を評価した値である評価値として表される。この評価値は、例えば初期値を50とし、バッテリの使用状態に応じて0~100の範囲で変動するものとすることができる。例えば、過充電又は空充電を行い続けている場合、バッテリに負荷がかかる過負荷充電によりバッテリに強い負荷がかかっていると考えることができる。そのような観点から、評価部504は、過負荷充電が行われている時間(又は回数など)に応じて評価値を減少させてもよい。
【0049】
評価部504は、例えば過充電が行われている時間に応じて評価値を減少させる(例えば、過充電1時間につき1減少させる)ことができる。また例えば、評価部504は、空充電が行われた回数に応じて評価値を減少させる(例えば、空充電を開始した回数一回につき5減少させる)ことができる。
【0050】
また、過負荷充電が行われずに車両100が使用され続けている場合には、バッテリに負荷をかけないように車両の運用が出来ているとして、評価値を増加させることが考えられる。そのような観点から、評価部504は、過負荷充電が行われずに充電が行われている時間、又は過負荷充電が行われずに車両の運転(及び充電)が行われている時間に応じて評価値を上昇させてもよい。
【0051】
評価部504は、例えば、所定の時間(例えば、3日間)過負荷充電が行われずに充電が行われている場合に、評価値を(例えば、5)上昇させることができる。ここで、「所定の時間(例えば、3日間)過負荷充電が行われずに充電が行われている場合」とは、3日の間一度も過負荷充電が行われていない場合を指していてもよく、過負荷充電ではない充電が行われている時間の累計が3日間に到達した場合を指していてもよい。
【0052】
通信部505は、車車間通信により、外部車両のキャラクタの使用状態を外部車両から取得し、キャラクタ間の対戦の勝敗を使用状態に応じて決定する。(外部)車両のキャラクタとは、その車両において表示態様が制御されているキャラクタを指すものとする。ここでは、通信部505は、使用状態として上述の評価値を用いて、車車間で対戦を行うキャラクタのうち評価値がより高いキャラクタが勝利するように、当該対戦の勝敗を決定することができる。
【0053】
図8は、そのような使用状態により勝敗が決定される対戦が行われている画面の一例を示す模式図である。ここでは、対戦としてレースのミニゲームが行われ、ディスプレイ130の画面800上で、車両100のキャラクタ801と外部車両のキャラクタ802とがレースを行っている様子が表示されている。
【0054】
キャラクタ801は、評価値がキャラクタ802よりも高く、より速く走行している状態で描画されている。またキャラクタ801は、評価値が第1の閾値よりも高いため、元気に走行している態様で表示されている。一方でキャラクタ802は、評価値が第2の閾値以下であるため、足が震えており元気がない態様で表示されている。このように表示制御部503は、キャラクタ間の対戦におけるキャラクタの表示態様を、評価値に応じて制御することができる。
【0055】
この例では、表示制御部503は、「元気に走行している態様」で表示されるか否かの判断基準となる第1の閾値(例えば、80)と、「元気がない態様」で表示されるか否かの判断基準となる第2の閾値(例えば、30)と、を用いて、図8に示すような表示の制御を行っている。この場合、表示制御部503は、評価値が第2の閾値より大きく第1の閾値以下である場合には、「元気に走行している態様」と「元気がない態様」との中間となる通常の態様(不図示)で走行しているキャラクタの表示を行うものとする。なお、ここではこのように閾値を2つ用いて3段階の表示態様のキャラクタの表示を行うものとしたが、閾値の数はこれに限定されず、例えば2つであってもよく、4つ以上であってもよく、評価値に応じた表示態様の制御自体が行われなくともよい。
【0056】
なお、図8において説明した表示態様は一例であり、バッテリの使用状態に応じて対戦の勝敗が決定されるのであれば異なる処理が行われてもよい。また、図8で説明したものとは異なる、バッテリの使用状態に応じて表示態様が変化する他の処理が行われてもよい。
【0057】
例えば、評価値は、基本値を100として、直近の所定期間(例えば、一か月)における過充電の時間及び空充電を開始した回数に応じて値を減少させたものとしてもよい。その場合、過充電の時間又は空充電を開始した回数に応じた評価値の減少は上述したものと同様に行われてもよく、異なる減少値が採用されてもよい。直近(短期間)のバッテリ仕様状態の評価が対戦の勝敗に反映されることにより、バッテリの状態を気にした運用のフィードバックが得やすくなり、ユーザのモチベーションの維持に貢献しやすくなる。また、通信部505は、直近の所定期間における過充電の時間が短い車両のキャラクタが勝利するようにするなど、他の態様を採用してもよい。その場合、その所定期間における過充電の時間が所定の値(例えば、3時間など)未満である場合に「元気に走行している態様」でキャラクタが表示されてもよい。
【0058】
またこの使用状態は、車両の劣化度に基づいて評価されてもよい。例えば通信部505は、キャラクタ間の対戦の勝敗を、劣化度が小さい車両のキャラクタが勝利するようにしてもよい。また一方で、経年劣化によるバッテリの劣化は避けられないことから、単純に劣化度が小さい方がバッテリに気を遣って運用が出来ているものとするのは難しい。このような観点から、バッテリの劣化度をバッテリの運用時間に基づいて補正した値を評価値として、キャラクタ間の対戦の勝敗が決定されてもよい。例えば、記憶部402が現在使用しているバッテリ120が車両100に備え付けられた日時を記録しておき、その日時から現在日時までの運用期間から算出される補正値(例えば、運用期間一か月につき0.01)を劣化度から減算した値が評価値とされてもよい。この運用時間は、バッテリ120を車両100に備え付けてから現在までの経過時間としたが、センサなどにより計測される、バッテリ120が稼働している時間を運用時間としてもよく、バッテリ120の経年劣化を評価できる指標であれば特にこのように限定されるわけではない。
【0059】
なお、この対戦は、車車間通信が成立した場合に自動で行われる。しかしながら、例えば車車間通信が成立し、外部車両のキャラクタに関わるデータを取得した場合に、対戦を始めていいか(対戦結果を閲覧するか否か)を選択するUIをディスプレイ130を介してユーザに提示し、対戦を始める選択がなされた場合に対戦が行われるようにしてもよい。また、例えば、外部車両から取得したキャラクタに関わるデータを保持しておき、後から対戦の様子を確認できるようにしてもよい。このように、対戦を行うタイミング及び対戦を行う外部車両には制限はなく、ユーザが任意に選択可能であってもよい。
【0060】
また、本実施形態に係る表示制御部503は、外部車両のキャラクタを表示させることができる。すなわち、劣化度に応じて表示態様が変化するキャラクタを、外部車両から確認可能であるようにすることができる。このように、外部車両のキャラクタを表示可能とすることにより、各ユーザがより気を遣ってバッテリを運用するようになることが考えられる。
【0061】
この場合、通信部505は、例えば車車間で通信を行った(キャラクタの対戦を行った)外部車両を示す情報を記憶部402に格納し、表示制御部503は情報を格納した外部車両について、キャラクタの表示が行えるようにしてもよい。ここでは、例えば対戦を行った後にディスプレイ130に「対戦相手をお気に入りに登録しますか?」などの登録するか否かをユーザに選択させる表示を行い、ユーザの選択に応じてその外部車両を示す情報を格納するか否かの判定が行われてもよい。なお、この登録を行う対象は対戦を行った相手には限らず、例えば車車間通信が成立した外部車両のキャラクタについての情報(例えば、そのキャラクタ自体の表示、ユーザ/キャラクタ名、又は車両のユーザがキャラクタに登録したメッセージなど)がディスプレイ130に表示され、その中からユーザが選択した外部車両がお気に入りに登録され、その車両についてキャラクタの表示が行われるようにしてもよい。このように、車両のユーザは、キャラクタに対して各種設定(キャラクタ名、メッセージ、又は装飾など)を付与してもよい。
【0062】
また、キャラクタ間の対戦の勝敗に応じて特典が付与されるようにしてもよい。例えば、キャラクタ間の対戦において勝利した場合、キャラクタの表示を装飾するアイテムが付与されるようにしてもよい。このアイテムは、例えばキャラクタに着用可能な服装、画面に追加で表示できるオブジェクト(建物、飲食物、若しくはアバターなど)、又は画面の表示を変更できるオプション(アプリ画面を草原から砂浜に変更するなど)、画面内の表示を装飾できるものであれば特に限定はされない。対戦の勝利に付加価値をつけることにより、対戦に勝てるよう、ユーザがよりバッテリの運用に気を遣うようになることが期待できる。
【0063】
なお、ここでは外部車両も本実施形態に係る情報処理装置110と同様の処理を行うことができる情報処理装置を搭載しており、車両ごとに算出された評価値に基づいて、車両100内の情報処理装置110において対戦が行われるものとして説明を行った。しかしながら、例えば情報処理装置110が車両100と外部車両との両方と通信可能なサーバであり、各車両から取得した情報に基づいて対戦の結果を決定し、車両100に決定した対戦の情報を送信するような態様であってもよい。
【0064】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態には少なくとも以下の情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを開示している。
【0065】
1.上記実施形態の情報処理装置(例えば110)は、
第1の電動車両のバッテリの充電状態を取得する第1の取得手段(例えば501)と、
前記第1の電動車両のバッテリの劣化度を取得する第2の取得手段(例えば502)と、
前記充電状態に応じた表示態様でキャラクタの表示を制御する表示制御手段(例えば503)と、を備え、
前記表示制御手段は、前記表示態様を前記バッテリの劣化度に応じて変化させる。
この実施形態によれば、車両のバッテリの劣化を、心理的負担が少ない方法でユーザに知覚させるが可能となる。
【0066】
2.上記実施形態の情報処理装置は、
前記バッテリの充電による前記バッテリの劣化度の増加への寄与度を評価する評価手段(例えば504)をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記寄与度に基づいて前記表示態様をさらに変化させる。
この実施形態によれば、劣化させないよう、ユーザに気を遣ってバッテリを運用させるよう誘導することが可能となる。
【0067】
3.上記実施形態の情報処理装置は、
前記バッテリの充電が所定の充電状態で行われているか否かを判定する判定手段(例えば504)をさらに備え、
前記評価手段は、前記バッテリの充電が前記所定の充電状態で行われていると判定された場合に、前記バッテリの充電が前記所定の充電状態で行われていないと判定された場合と比較して前記寄与度を上昇させる。
この実施形態によれば、バッテリの充電が所定の充電状態で行われている場合にバッテリが劣化しやすいものとしてキャラクタの表示を行うことが可能となる。
【0068】
4.上記実施形態の情報処理装置では、
前記所定の充電状態は、前記バッテリの充電状態が最大の状態、又は前記バッテリの充電状態が空の状態である。
この実施形態によれば、満充電または空充電が行われている場合にバッテリが劣化しやすいものとしてキャラクタの表示を行うことが可能となる。
【0069】
5.上記実施形態の情報処理装置では、
前記寄与度が所定の設定以上に増加している場合に、前記表示態様を、前記キャラクタが体調を崩した表示態様に変化させる。
この実施形態によれば、キャラクタの体調によりバッテリが劣化しやすい状態を表示し、ユーザに自然とそのような状態を避けるように誘導を行うことが可能となる。
【0070】
6.上記実施形態の情報処理装置では、
前記表示制御手段は、前記バッテリの劣化度に応じて前記キャラクタの年齢が変化するように、前記表示態様を変化させる。
この実施形態によれば、キャラクタの年齢変化によりバッテリの劣化を知覚させることが可能となる。
【0071】
7.上記実施形態の情報処理装置では、
前記表示制御手段は、前記バッテリの劣化度が高くなると前記キャラクタの年齢が上昇するように、前記表示態様を変化させる。
この実施形態によれば、バッテリが劣化していることを、キャラクタの老化表現によりユーザに知覚させることが可能となる。
【0072】
8.上記実施形態の情報処理装置は、
前記バッテリの使用状態を評価する第2の評価手段(例えば504)と、
前記第1の電動車両とは異なる第2の電動車両と通信する通信手段(例えば505)と、
前記第1の電動車両のキャラクタと前記第2の電動車両のキャラクタとの間で行われる対戦の勝敗を、前記使用状態に応じて決定する決定手段(例えば505)と、
をさらに備える。
この実施形態によれば、バッテリの使用状態に応じて他ユーザとの勝敗が決定されるため、より気を遣ってバッテリを運用するように誘導することが可能となる。
【0073】
9.上記実施形態の情報処理装置では、
前記第2の評価手段は、バッテリの使用状態を評価値として評価し、
前記決定手段は、前記対戦の勝敗を、前記評価値がより高い電動車両のキャラクタが勝利するように決定する。
この実施形態によれば、評価値によりキャラクタ間の勝敗を決定することが可能となる。
【0074】
10.上記実施形態の情報処理装置では、
前記第2の評価手段は、前記バッテリの充電が、前記バッテリの充電状態が最大の状態又は前記バッテリの充電状態が空の状態で行われている場合に、前記評価値を減少させる。
この実施形態によれば、満充電又は空充電が行われている場合に評価値を減少させることが可能となる。
【0075】
11.上記実施形態の情報処理装置では、
前記第2の評価手段は、前記バッテリの充電が、前記バッテリの充電状態が最大の状態ではなく、かつ前記バッテリの充電状態が空の状態ではない状態で行われている時間に応じて、前記評価値を上昇させる。
この実施形態によれば、バッテリに気を遣って運用できている期間に応じて評価値を上昇させることが可能となる。
【0076】
12.上記実施形態の情報処理装置では、
前記第2の評価手段は、直近の所定期間における、前記バッテリの充電が前記バッテリの充電状態が最大の状態で行われている時間又は前記バッテリの充電が前記バッテリの充電状態が空の状態で開始された回数に応じて、前記評価値を評価する。
この実施形態によれば、直近の短期間におけるバッテリに負荷をかける運用に応じて評価値を決定することが可能となる。
【0077】
13.上記実施形態の情報処理装置では、
前記第2の評価手段は、前記第1の電動車両の劣化度に基づいて前記使用状態を評価する。
この実施形態によれば、劣化度を使用状態として評価することが可能となる。
【0078】
14.上記実施形態の情報処理装置では、
前記第2の評価手段は、前記第1の電動車両の劣化度を、前記バッテリの運用期間に基づいて補正することにより、前記使用状態を評価する。
この実施形態によれば、経年劣化を考慮した上で劣化度を使用状態として評価することが可能となる。
【0079】
15.上記実施形態の情報処理装置では、
前記表示制御手段は、前記対戦における前記キャラクタの表示態様を、前記評価値に応じて制御する。
この実施形態によれば、評価値に基づいたキャラクタ表示を行うことにより、ユーザにより気を遣ったバッテリの運用を誘導することが可能となる。
【0080】
16.上記実施形態の情報処理装置は、
前記対戦に勝利した場合に、前記キャラクタの表示を装飾するアイテムを取得する第3の取得手段(例えば505)をさらに備える。
この実施形態によれば、他ユーザとの勝敗に付加価値をつけることによって、より気を遣ってバッテリを運用するように誘導することが可能となる。
【0081】
17.上記実施形態の情報処理装置では、
前記表示制御手段は、前記第2の電動車両のキャラクタをさらに表示させる。
この実施形態によれば、他ユーザのキャラクタを表示できるようにすることによって、より気を遣ってバッテリを運用するように誘導することが可能となる。
【0082】
18.上記実施形態の情報処理装置は、
通信を行った前記第2の電動車両を示す情報を登録する登録手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記登録手段により登録した前記第2の電動車両のキャラクタを表示させる。
この実施形態によれば、お気に入り登録を行った車両のキャラクタを確認することが可能となる。
【0083】
19.上記実施形態の情報処理装置(例えば110)による情報処理方法は、
第1の電動車両のバッテリの充電状態を取得する第1の取得工程(例えばS701)と、
前記第1の電動車両のバッテリの劣化度を取得する第2の取得工程(例えばS702)と、
前記充電状態に応じた表示態様でキャラクタの表示を制御する表示制御工程(例えばS706)と、を備え、
前記表示制御工程は、前記表示態様を前記バッテリの劣化度に応じて変化させる。
この実施形態によれば、車両のバッテリの劣化を、心理的負担が少ない方法でユーザに知覚させることが可能となる。
【0084】
20.上記実施形態のプログラムは、
コンピュータを、請求項1乃至18の何れか一項に記載の情報処理装置の各手段として機能させる。
この実施形態によれば、車両のバッテリの劣化を、心理的負担が少ない方法でユーザに知覚させることが可能となる。
【0085】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
100:車両、110:情報処理装置、120:撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8