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  • 特開-賃貸保証支援方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122525
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】賃貸保証支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20240902BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030104
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】516260693
【氏名又は名称】株式会社カワイコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100101708
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 信宏
(72)【発明者】
【氏名】河合 徳治
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC27
5L050CC27
(57)【要約】
【課題】保証人を確保できない入居希望者に対し、実体的に法人が保証人となることにより、契約当事者における相互の手続きの円滑化を図り、相互の利便性を図ることができる賃貸保証支援方法を提供する。
【解決手段】保証人代行の委託を受ける委託件受益会社8と信託口座を設けた受託会社9との間で金銭管理信託契約を交わし、これらの法人8,9とが提携して保証代行会社6を構成する。保証代行会社6は、入居希望者5からの信託口口座への預託金の送金を確認して入居希望者5との間で連帯保証契約を締結し、預託金を信託口口座で分別管理を行うようにし、入居者が賃料を数カ月滞納した場合には、滞納分の賃料を信託口口座から保証会社4へ送金するように管理して、法人による保証代行を実施する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入居希望者端末と、賃貸物件貸主端末と、不動産会社端末と、保証会社端末と、保証代行会社に設置された端末およびサーバとを通信ネットワークを介して接続し、当該通信ネットワークを介して入居希望者、不動産会社、賃貸物件所有者、保証会社に対して、契約時におけるこれら契約当事者相互間でやり取りされる処理データの授受を行うようにした賃貸借契約サポートシステムを利用して不動産の賃貸借契約において賃貸保証を行うことができるようにした賃貸保証支援方法であって、
入居希望者端末からの入居申し込み及び保証人希望情報を、賃貸物件貸主端末若しくは不動産会社の端末が受け取ると、賃貸物件貸主端末若しくは不動産会社の端末から入居希望者の個人情報及び不動産に関する情報を保証会社端末、保証代行会社端末およびサーバに送信する工程と、
入居希望者の保証人を求める依頼情報を含む個人情報及び不動産に関する情報が送信されると、保証代行会社サーバによりこれらの情報を照合し審査して入居が可能か否かを審査する工程と、
当該審査により入居可能と判断されると、入居希望者端末と、賃貸物件貸主端末と、不動産会社端末と、保証会社端末とに審査結果を送信する工程と、
入居可能審査結果を入居希望者端末が受信し、入居希望者が入居希望する旨の確認回答情報を保証代行会社サーバに返信すると、入居希望者と保証代行会社との間の連帯保証契約が行われ、当該契約に基づいて入居希望者端末へ保証代行会社から数カ月分の賃料相当額を預託金として保証代行会社が金銭管理信託契約を交わして提携している信託会社へ送金する旨の指示情報を送信する工程と、
当該指示情報により入居希望者が預託金を信託会社の指定口座へ送金すると、保証代行会社端末から不動産会社端末、保証会社端末、賃貸物件貸主端末へ入居希望者と保証代行会社との間の保証代行契約が完了した旨の完了情報を送信する工程と、
上記各端末が当該完了情報を受信すると、入居希望者端末へ賃貸物件貸主、不動産会社、保証会社との間で交わされる賃貸契約情報が送信されるとともに、当該賃貸契約情報に基づいて入居希望者における賃貸契約を行う工程と、
当該賃貸契約が締結されると、その旨の情報を保証代行会社へ送信し、保証代行会社は、当該契約締結を確認して後に入居者が賃貸料を一定期間未払いであるとの保証会社からの情報を受信すると、保証会社へ預託金から未払い賃貸料を送金する工程とを備えることを特徴とする賃貸保証支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入居希望者が貸主又は賃貸物件の管理者と賃貸借契約を保証会社を通じて結ぶ際に、契約当事者相互にとって契約行為を行う際の確実性と利便性を享受できるようにするとともに、特に、連帯保証人を立てることが困難な生活弱者との賃貸借契約に際して、生活弱者の入居支援を図ることができるようにした賃貸保証支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入居希望者が不動産の賃貸物件を借りる場合、賃貸物件の管理者である不動産会社に来店し、色々物件を紹介してもらい、現地視察訪問の上、希望条件に合致する物件が定まれば、当該不動産会社を介して貸主又は賃貸物件の管理者と賃貸契約を結ぶという手続きが一般的に行われていた。
【0003】
また、かかる賃貸借契約では、管理者である不動産会社が借主から家賃を集金し、集金された金額から管理業務費を差し引いて貸主へ支払を行うことも管理業務としており、かかる業務において、借主が家賃の滞納を行った場合には、貸主は家賃の保証を要求するため、契約時に借主において連帯保証人を求めるようにしている。
【0004】
近年では、上記した貸主と不動産会社がうける家賃滞納リスクを少しでも低減するために、外部の保証会社に、家賃の保証債務を依頼する場合が多くなっており、保証会社に対して督促業務なども依頼するようにしている。このように不動産会社が保証会社と業務提携することにより、依頼を受けた保証会社は、入居希望者の入居保証審査を行うようになっており、審査内容としては、入居希望者の収入状況、支払能力、保証人の有無といった経済的な情報や、家族構成、健康状態など日常生活における支援が必要かといった情報をもとにして行われている。
【0005】
上記したように、現状行われている賃貸住宅への入居・管理手続における入居希望者、不動産会社、賃貸物件所有者、保証会社に対して、契約時におけるこれら契約当事者相互間でやり取りされる処理データの授受を行う賃貸管理システム(特許文献1)や、入居に伴う入居者の負担軽減や家賃回収リスクの低減を図る賃貸サポートシステム(特許文献2)や、保証会社における手続を容易に行うことができる賃貸保証方法(特許文献3)などが提案されており、契約当事者相互にとって契約行為を行う際の利便性を享受できるように種々の支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-92513号
【特許文献2】特開2011-187035号
【特許文献3】特開2020-154368号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1乃至3に開示された賃貸管理システム、賃貸サポートシステム、賃貸保証方法では、従来から行われていた手続において、あくまで通常の入居条件を元々備え、連帯保証人を立てることができる入居希望者を対象として契約当事者相互にとっての利便性と確実性を図ることに重点をおいている。
【0008】
しかしながら、上記したように、昨今の家賃滞納リスクの低減を第一として保証会社を通じて入居審査を行うようになると、経済的情報に基づいて個人の担保が困難と判断される場合は、当然のことながら、保証会社にとって、連帯保証人の存在を必要不可欠としており、そのため、高齢者や母子家庭、低所得者などの所謂生活弱者といわれる人たちで連帯保証人の依頼をできない人の入居が困難になるという事態が生じていた。
【0009】
つまり、預貯金も充分にある高齢者や、収入も一定以上ある母子家庭者で、経済的にみて問題がない入居希望者であっても、連帯保証人が不可欠との条件に合わないとして審査が通らない場合が増加しており、その他の経済的条件を有していても連帯保証人の確保自体が現実問題として困難な状況にある場合も多くみられるのである。例えば、親族が年金暮らしの親のみであるとか、連帯保証自体を依頼する親類や知人が全くいない場合など、特に高齢化社会や核家族化の進展など社会状況の変化の中で、家族関係の希薄化が進み、高齢単身者、シングルマザーなど、更には外国人定住者の増加もあって、益々連帯保証人を見つけられない人が増えているというのが実情であった。
【0010】
また、通常の条件を充分にみたし、客観的にみて連帯保証の依頼が可能な人であっても、所謂連帯保証人を引き受けるとことで生じうる問題を意識すると、入居希望者からは保証人を依頼し辛いと感じ、連帯保証の依頼を受けた側も引き受け辛いという思いが先行する場合も多く見受けられる。結局、今までの人間関係を金銭的なトラブルによって壊れることを危惧して依頼を控える、逆に依頼を断るという場合が多く生じていたものである。
【0011】
このように、諸事情によって転居の必要性が極めて高いにも拘わらず、不動産会社が業務提携している保証会社に家賃の保証債務を依頼する流れになってきているために、連帯保証人を依頼できない状況の下に、特に生活弱者が、希望する住居への入居が困難になってきているという事態が生じて社会問題化してきている。
【0012】
このように、保証人を確保できない入居希望者に対して、保証人の代行という業務も行われてきているが、かかる代行業は、保証会社がついていない物件のみの対応になっていたり、法人による保証人ではなく、法人が選んだ一般の人が保証人になる仕組みとなっていたり、募集の仕方が保証人の代行価格のみを提示しているのみであったりで、従来から問題視されてきた金融の融資保証人代行と変わりがないというのが実情であった。
【0013】
上記したように、高齢単身者、シングルマザーなど生活弱者と言われる方であっても充分に入居条件を備えているにも拘らず、保証人がいないことにより賃貸契約が成立しないことで、入居希望者の住居が確保できないことは勿論のこと、不動産会社は物件紹介や賃貸物件貸主への賃料送金等による手数料収入を得る機会を失い、賃貸物件貸主にとっては空室発生による損失が生じていたものである。
【0014】
そこで、本発明は、保証人を確保できない入居希望者に対して、従来実施されていた保証代行ではなく、実体的に法人が保証人となることにより、入居希望者、賃貸物件貸主、賃貸物件管理者、保証会社の契約当事者における相互の手続きの円滑化を図り、相互の利便性を図ることができるようにした賃貸保証支援方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明は、次のように構成した。すなわち、本発明に係る賃貸保証支援方法は、入居希望者端末と、賃貸物件貸主端末と、不動産会社端末と、保証会社端末と、保証代行会社に設置された端末およびサーバとを通信ネットワークを介して接続し、当該通信ネットワークを介して入居希望者、不動産会社、賃貸物件所有者、保証会社に対して、契約時におけるこれら契約当事者相互間でやり取りされる処理データの授受を行うようにした賃貸借契約サポートシステムを利用して不動産の賃貸借契約において賃貸保証を行うことができるようにした賃貸保証支援方法であって、
入居希望者端末からの入居申し込み及び保証人希望情報を、賃貸物件貸主端末若しくは不動産会社の端末が受け取ると、賃貸物件貸主端末若しくは不動産会社の端末から入居希望者の個人情報及び不動産に関する情報を保証会社端末、保証代行会社端末およびサーバに送信する工程と、
入居希望者の保証人を求める依頼情報を含む個人情報及び不動産に関する情報が送信されると、保証代行会社サーバによりこれらの情報を照合し審査して入居が可能か否かを審査する工程と、
当該審査により入居可能と判断されると、入居希望者端末と、賃貸物件貸主端末と、不動産会社端末と、保証会社端末とに審査結果を送信する工程と、
入居可能審査結果を入居希望者端末が受信し、入居希望者が入居希望する旨の確認回答情報を保証代行会社サーバに返信すると、入居希望者端末へ保証代行会社から数カ月分の賃料相当額を預託金として保証代行会社が金銭管理信託契約を交わして提携している信託会社へ送金する旨の指示情報を送信する工程と、
当該指示情報により入居希望者が預託金を信託会社の指定口座へ送金すると、入居希望者と保証代行会社との間で連帯保証契約が行われ、保証代行会社端末から不動産会社端末、保証会社端末、賃貸物件貸主端末へ入居希望者と保証代行会社との間の保証代行契約が完了した旨の代行完了情報を送信する工程と、
上記各端末が当該代行完了情報を受信すると、入居希望者端末へ賃貸物件貸主、不動産会社、保証会社との間で交わされる賃貸契約情報が送信されるとともに、当該賃貸契約情報に基づいて入居希望者における賃貸契約を行う工程と、
当該賃貸契約が締結されると、その旨の情報を保証代行会社へ送信し、保証代行会社は、当該契約締結を確認して後に入居者が賃貸料を一定期間未払いであるとの保証会社からの情報を受信すると、保証会社へ前記した預託金から未払い賃貸料を送金する工程とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る賃貸保証支援方法によれば、入居希望者からの入居申し込み情報が通信ネットワークを介して、賃貸物件貸主、不動産会社、保証会社、保証代行会社へ送信されると、入居希望者、不動産会社、賃貸物件所有者、保証会社に対して、契約時におけるこれら契約当事者相互間でやり取りされる処理データの授受が行われるとともに、特に、入居希望者から保証人を求める依頼情報が含まれていると、保証代行会社において連帯保証が可能か否かの審査も行われる。かかる審査においては、条件設定が従来の保証可能とする条件よりも容易に保証が認められる基準で行われる。入居希望者の個人情報としては、入居者の勤務先情報、収入、年齢、家族構成、生活支援の有無等を含むが、一定の経済力のある高齢単身者やシングルマザーなど、従来の基準で見た場合にマイナス評価となる事情も含めた審査が行われる。
【0017】
この審査により入居可能と判断されると、その旨を入居希望者端末に送信し、入居希望者が入居希望する旨の確認回答情報を保証代行会社に返信すると、入居希望者端末へ保証代行会社から数カ月分の賃料相当額を預託金として保証代行会社が金銭管理信託契約を交わして提携している信託会社へ送金する旨の指示情報が送信される。この指示情報に基づいて入居希望者が預託金を信託会社の指定口座へ送金すると、入居希望者と保証代行会社との間で連帯保証のための保証代行契約が完了する。
【0018】
この保証代行契約の完了に伴って、入居希望者と賃貸物件貸主、不動産会社、保証会社との間で賃貸契約が締結されるという支援方法が実施されるのである。但し、本賃貸保証支援方法によれば。この賃貸契約締結後に、入居者が賃貸料を一定期間未払いでいると、その旨の情報が保証代行会社に送信され、保証代行会社からは提携先の信託会社の信託口座に預託していた預託金を未払い賃料として保証会社へ送金するという指示処理が行われることで保証代行業務が遂行される。
【0019】
本賃貸保証支援方法においては、保証代行会社側で預託金を信託会社の信託口座で分別管理し、未払いを保証するという管理手法が講じられることによって、従来実体が曖昧となりがちであった法人による保証人の実現を図っている。このようにして、社会弱者的な立場の入居希望者に対して保証代行会社が保証人となることにより、賃貸物件貸主、不動産会社、保証会社の契約当事者における相互の手続きの円滑化を図るとともに、保証人がいないことで賃貸契約が成立せず、入居希望者の住居が確保できない事態を回避し、不動産会社においては物件紹介や賃貸物件貸主への賃料送金等による手数料収入を得る機会の喪失、賃貸物件貸主においては空室発生による損失を生じさせないことで、相互の利便性を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る賃貸保証支援方法を実施するシステムの概略構成図である。
図2図1に示すシステムにおいて、入居希望者が入居申し込みをしてから賃貸契約が締結されまでの流れを示すフローチャートである。
図3】賃貸契約が締結される場合に、本発明に係る賃貸保証支援方法により保証代行が行われる場合のスキームの概念を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る賃貸保証支援方法を実施するシステム1の概略構成図であり、賃貸物件貸主2の端末,不動産会社3の端末、保証会社4の端末、入居希望者5の端末,保証代行会社6の端末とが通信ネットワーク7を介して接続されている。
【0023】
賃貸物件貸主2の端末と入居希望者5の端末は、主にスマートフォンや携帯電話又はPCで構成され,不動産会社3の端末と保証会社4の端末と保証代行会社6の端末は、各種のデータ処理や情報等が格納されるサーバ機能を有するPCで構成されている。
【0024】
入居希望者5が不動産会社3の情報発信しているホームページから入居を希望する物件情報を見つけて入居希望の申し込みを行い、賃貸契約が終了するまでの流れを図2のフローチャートを用いて説明する。
【0025】
入居希望者5が物件情報をチェックして入居者端末から不動産会社3へ入居申し込みが行われると(S1,S2)、先ず不動産会社3で入居希望者5の勤務先情報、収入、年齢、家族構成、生活支援の有無等を含む個人情報がチェックされ、保証人の有無もチェックされる(S3)。保証人有りの場合は、保証会社4へ申し込み情報を送信し、保証会社4で保証人適格の審査を行い(S4,S5)、審査結果がオーケーであれば、賃貸物件貸主2、不動産会社3,保証会社4との間で、保証及び賃貸契約が締結される(S6,S7)。
【0026】
不動産会社3で保証人が無いと確認した場合及び保証会社3で保証人適格が無いと判断された場合には、入居希望者5へ、その旨が通知送信されるが、この通知に保証代行を申し込むか否かの確認通知も行われる(S8)。
【0027】
入居希望者5が掛かる通知に基づいて保証代行を申し込んだ場合には(S9)、不動産会社3が保証代行会社6へ入居希望者の個人情報及び申し込み情報を合わせて送信し(S10)、保証代行会社6で保証代行適格の審査が行われる(S11)。この審査では、一定の経済力のある高齢単身者やシングルマザーなど、保証会社において一般的に保証人不適格と評価される事情も含めた充分な審査が行われる。
【0028】
保証代行会社6での保証代行適格の審査がオーケーとなれば、保証代行の契約が締結されるが(S12)、その契約内容については、本発明の支援内容となる保証人代行スキームとして詳しく後述説明する。この代行審査が不可の場合には、契約不成立となる(S13)
【0029】
保証代行契約が締結されると、その旨が保証会社4へ通知送信され、上記流れと同様に賃貸物件貸主2、不動産会社3,保証会社4との間で、保証及び賃貸契約が締結される(S6,S7)。
【0030】
入居希望者からの入居申し込みがなされると、上記したように、一連の情報データのやり取りと処理が行われて最終的に契約が終了するという手順で保証代行支援が行われるが、保証代行会社6での代行契約と保証支援の内容について、図3のスキーム説明図により説明する。
【0031】
保証代行会社6は、保証人代行の委託を受ける委託会社であって委託に伴う受益会社8として設立されており、さらに、法人としての代行を明確に行い得るように、さらに信託口座を設けた信託会社でもある受託会社9と提携しており、この受託会社9との間で金銭管理信託契約を交わしており、これらの組織体8,9とで保証代行会社6を構成している。
【0032】
保証代行会社6は、入居希望者5から、上記したように保証代行の申し込みを受けると、保証代行し得るか否かを審査するが、代行オーケーとした審査結果の場合に、入居希望者には例えば3カ月分の賃料相当額を受託会社の信託口口座に預託金としての振り込みを求める。預託金が送金されると、当該信託口口座で分別管理を行うようにしており、当該預託金の送金の確認により、入居希望者5との間で連帯保証契約が締結されるが、信託管理報酬として保証代行会社6へ月額の会費を支払う契約内容としても締結される。
【0033】
このように金銭管理信託契約の下に預託金を信託口口座で分別管理することにより、受託会社9からは委託件受益会社8へ信託収益金の交付が行われるとともに、委託兼受益会社8の固有財産について倒産隔離が行われる。また、例えば、入居者が賃料を2カ月滞納した場合には、受託会社9に保証会社4へ滞納分の賃料を送金するように指示が出され、賃料が保証会社4へ送金される。
【0034】
さらに、係る賃貸保証支援において、入居者が退去などして連帯保証が不必要になった場合には、受託会社9は委託兼受益会社8からの指示に基づいて、預託金から信託収益金を交付した残額分を入居者へ返金する処理が行われる。
【0035】
このように、保証代行会社6によって、保証人の代行を金銭管理信託スキームとして行うようにしたことで、従来、法人が選んだ一般の人が保証人になる仕組みとなっていたり、募集の仕方が保証人の代行価格のみを提示しているのみであったために、実態として法人が保証代行を行えていない状況に対し、安心安全に法人が保証代行を行うという賃貸保証支援方法を提供することができるようになったものである。
【0036】
この支援方法によれば、保証人を確保できない入居希望者に対し、実体的に法人が保証人となることにより、入居希望者、賃貸物件貸主、賃貸物件管理者、保証会社の契約当事者における相互の手続きの円滑化を図り、相互の利便性を図ることができるようになる。
【符号の説明】
【0037】
1 賃貸保証支援システム
2 賃貸物件貸主
3 不動産会社
4 保証会社
5 入居希望者
6 保証代行会社
7 通信ネットワーク
図1
図2
図3