(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012253
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】超音波共振周波数の調整装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B06B 1/02 20060101AFI20240123BHJP
H03B 5/30 20060101ALI20240123BHJP
H03M 1/82 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B06B1/02 A
H03B5/30 D
H03M1/82
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058466
(22)【出願日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】10-2022-0088342
(32)【優先日】2022-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523121129
【氏名又は名称】キム、グァンヒ
【氏名又は名称原語表記】KIM, Kwang Hee
【住所又は居所原語表記】108-905, 42 Galsan-ro, Icheon-si, Gyeonggi-do 17351 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、グァンヒ
【テーマコード(参考)】
5D107
5J022
5J079
【Fターム(参考)】
5D107AA07
5D107BB07
5D107BB08
5D107CD02
5D107CD03
5D107CD08
5J022AB08
5J022CF07
5J079AA05
5J079BA03
5J079BA11
5J079FA01
5J079FA14
5J079FA21
5J079KA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製品を分解することなく超音波振動子の共振周波数を調整または再調整する装置及び方法を提供する。
【解決手段】周波数調整装置装置は、共振周波数を決定して出力する回路基板100と、回路基板100に実装された複数の回路である第1回路110、第2回路120、第3回路130のうちの少なくとも1つに接続され、共振周波数を調整するための入力を回路基板100に送信する周波数調整部140と、回路基板100を収納して保護するハウジング150と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数調整装置において、
共振周波数を決定して出力する回路基板と、
前記回路基板に実装された複数の回路のうちの少なくとも1つに接続された周波数調整部とを含む、周波数調整装置。
【請求項2】
前記回路基板に実装された複数の回路は、
前記周波数調整部からオフセット値を入力されてPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力する第1回路と、
前記PWM信号をアナログ電圧に変換する第2回路と、
前記アナログ電圧を用いて前記共振周波数を生成する第3回路とを含む、請求項1に記載の周波数調整装置。
【請求項3】
前記装置は、
前記回路基板を収納して保護するハウジングをさらに含み、
前記周波数調整部は、
前記ハウジングの外部で前記回路基板にオフセット値を入力することができるように、前記ハウジングの一の側に露出され、前記回路基板と接続されたものである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記周波数調整部は、
周波数調整モードに進入するための進入スイッチと、
前記オフセット値を入力するための1つ以上の調整スイッチとを含むが、
前記進入スイッチは、
前記第1回路が前記周波数調整モードでのみ前記調整スイッチから前記オフセット値を入力されるように前記第1回路を制御する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1回路は、
既存の周波数に対応するデフォルト値が記憶された周波数記憶部と、
前記周波数調整部から前記オフセット値を入力され、前記デフォルト値及び前記オフセット値に基づいて前記共振周波数に対応する前記PWM信号を出力する周波数決定部とを含むが、
前記周波数記憶部は、前記PWM信号を記憶するものである、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第2回路は、
前記PWM信号を入力されてスイッチング信号を生成する1つ以上のトランジスタと、
前記スイッチング信号に基づいて前記PWM信号をアナログ電圧に変換する平滑処理部とを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記第3回路は、
充電及び放電を繰り返すことにより周波数信号を出力する発振部と、
前記周波数信号に基づいて前記共振周波数を出力する周波数生成部とを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記発振部は、
第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗及び第1蓄電器を含み、
前記アナログ電圧をトリガとして動作するが、
前記第1蓄電器は、前記アナログ電圧及び前記第1抵抗~前記第3抵抗に基づいて充電され、前記アナログ電圧及び前記第2抵抗に基づいて放電されるものである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記オフセット値は、
ユーザが定義することができるものである、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
請求項1に記載の周波数調整装置を用いた周波数調整方法において、
進入スイッチを用いて周波数調整モードに進入するステップと、
1つ以上の調整スイッチを用いてオフセット値を決定するステップと、
前記オフセット値に基づいて共振周波数を生成するステップと、
前記共振周波数の出力を確認するステップと、
所定時間が経過した後に前記周波数調整モードを解除するステップとを含むことを特徴とする、周波数調整装置を用いた周波数調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波共振周波数の調整装置及びその制御方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
超音波の振動刺激の効果を使用する医療機器及び美容機器の超音波振動子は、使用された時間あるいは様々な理由によって共振周波数が変動する場合が発生することになる。
【0003】
超音波振動子の共振周波数が変動して電子回路の共振周波数と合わなくなるにつれて、出力効率が低下して過剰な電流が入力され、超音波振動子と電子回路に熱が発生する。超音波振動子の出力波形も正常な正弦波と比較して低品質の波形が発生する。
【0004】
使用中に共振点を外れた超音波振動子の共振周波数を再調整するために、従来は専門家が製品を分解して可変抵抗値を調整するなど分解した製品内部の回路を操作して共振周波数を合わせた。
【0005】
しかしながら、上記の過程で不要な時間とコストが発生し、既に生産された製品を分解することによって製品の信頼性にも予想外の悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
したがって、本発明では、製品を分解することなく、最初または使用中に超音波共振周波数を調整する方案を提示しようとする。
【0007】
上述した背景技術は、発明者が本発明の導出のために保持していたか、本発明の導出過程で習得した技術情報であり、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術とは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一課題は、製品を分解することなく超音波振動子の共振周波数を調整または再調整する装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、言及されていない本発明の他の課題及び利点は、以下の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解されるだろう。さらに、本発明が解決しようとする課題及び利点は、特許請求の範囲に示された手段及びその組み合わせによって実現され得ることがわかるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の第1態様は、周波数調整装置において共振周波数を決定して出力する回路基板と、前記回路基板に実装された複数の回路のうちの少なくとも1つに接続された周波数調整部とを含む、周波数調整装置を提供することができる。
【0011】
本開示の第2態様は、進入スイッチを用いて周波数調整モードに進入するステップと、1つ以上の調整スイッチを用いてオフセット値を決定するステップと、前記オフセット値に基づいて共振周波数を生成するステップと、前記共振周波数の出力を確認するステップと、所定時間が経過した後に前記周波数調整モードを解除するステップとを含むことを特徴とする周波数調整装置を用いた周波数調整方法を提供することができる。
【0012】
本開示の第3態様は、第2態様による方法をコンピュータで実行するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0013】
これに加えて、本発明を実現するための他の方法、他のシステム、及び前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体をさらに提供することができる。
【0014】
上述した以外の他の態様、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲、及び発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0015】
上述した本開示の課題を解決するための手段によれば、最初の製品生産時に超音波振動子の共振周波数を設定する工程において、作業が簡略化され、時間及びコストを低減することができ、生産された製品の信頼性を確保して結果的に生産性を向上させることができる。
【0016】
本開示の他の課題を解決するための手段の一つによれば、超音波振動子の使用中に共振周波数の変動が発生し、アフターサービス(After-Sales Service)を提供する際に、製品分解することなく簡単な操作のみで周波数を調整または交換する超音波振動器の共振周波数を初めて設定するにあたって、非常に効率的な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係る周波数調整装置のブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る周波数調整部及び第1回路の動作を説明するための図である。
【
図3】一実施形態に係る第2回路の動作を説明するための図である。
【
図4】一実施形態に係る第3回路の動作を説明するための図である。
【
図5】一実施形態に係る周波数調整装置を制御する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に説明される実施形態を参照すれば明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に提示される実施形態に限定されるものではなく、異なる様々な形態で実現することができ、本発明の精神及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物ないし代替物を含むものと理解すべきである。以下に提示される実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。本発明の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0019】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたは複数の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0020】
また、本明細書においてある部分が他の部分と接続されているとする場合は、これは直接接続されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで電気的に接続されている場合も含む。また、図面において本発明と関係のない部分は、本発明の説明を明確にするために省略し、全明細書を通じて類似の部分については同一の図面符号を付した。
【0021】
さらに、図面に示された構成要素間の接続線または接続部材は、機能的な接続及び/または物理的または回路的接続を例示的に示したものにすぎない。実際の装置では、代替可能または追加された様々な機能的接続、物理的接続、または回路的接続によって構成要素間の接続を示すことができる。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態は、機能的なブロック構成及び様々な処理ステップで表すことができる。そのような機能ブロックの一部または全部は、特定の機能を実行する様々な数のハードウェア及び/またはソフトウェア構成で実現することができる。 例えば、本開示の機能ブロックは、1つ以上のマイクロプロセッサによって実現されてもよく、所定の機能のための回路構成によって実現されてもよい。さらに、例えば、本開示の機能ブロックは、様々なプログラミングまたはスクリプト言語で実現することができる。機能ブロックは、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムで実現することができる。さらに、本開示は、電子的な環境設定、信号処理、及び/またはデータ処理などのために従来技術を採用することができる。「メカニズム」、「要素」、「手段」、「構成」などの用語は広く使用されることができ、機械的及び物理的構成に限定されものではなく、「部」、「モジュール」などの用語は少なくとも1つの機能または動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアまたはソフトウェアで実現されるか、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現されることができる。
【0023】
以下、添付の図面を参照して本開示を詳細に説明する。
【0024】
図1は、一実施形態に係る周波数調整装置のブロック図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明による周波数調整装置(以下、「装置」)は、回路基板100、回路基板100に実装された複数の回路110、120、130、 複数の回路110、120、130のうちの少なくとも1つに接続された周波数調整部140、及び回路基板100を収納して保護するハウジング150を含むことができる。
【0026】
一実施形態では、回路基板100に実装された複数の回路110、120、130は、第1回路110、第2回路120、及び第3回路130を含むことができる。第1~第3回路は、同一または同一の機能を行う回路であり得るが、本実施形態の説明のために区別して示したものであり、実装された回路の機能及び数はこれに限定されない。
【0027】
周波数調整部140は、複数の回路110、120、130のうちの少なくとも1つに接続され、共振周波数を調整するための入力を回路基板100に送信することができる。周波数調整部の詳細な説明は、
図2で後述することとする。
【0028】
ハウジング150は、内部に回路基板100を収納して保護することができる。ハウジング150は、ユーザが超音波振動子を使用するために把持する外部ケースであるか、回路基板100を保護するためのパッケージであり得る。
図1では、ハウジング150が回路基板100を収納し、周波数調整部140は収納しないものとして示しているが、これに限定されるものではない。
【0029】
図2は、一実施形態に係る周波数調整部210及び第1回路240の動作を説明するための図である。
【0030】
図2を参照すると、周波数調整部210は、進入スイッチ220及び調整スイッチ230を含むことができる。
【0031】
進入スイッチ220は、周波数調整モードに進入するためのスイッチであり得る。周波数調整モードとは、第1回路240が周波数調整部210からオフセット値(offset_value)を入力されることができる状態を意味し得る。一実施形態では、周波数調整モードでは第1回路240が活性化され、周波数調整解除モードでは第1回路240は非活性化されることができる。すなわち、進入スイッチ220は、第1回路240が周波数調整モードでのみ調整スイッチからオフセット値を入力されるように第1回路240を制御することができる。
【0032】
例えば、進入スイッチ220がオン(on)状態の時、第1回路240が活性化された周波数調整モードになり、周波数調整部210からオフセット値を入力されることができ、進入スイッチ220オフ(off)状態の時、第1回路240は非活性化された周波数調整解除モードになり、周波数調整部210からオフセット値を入力されることができなくなる。
【0033】
一実施形態では、第1回路240の活性化及び非活性化は、第1回路240に実装されたトランジスタ(transistor)を介して行われることができる。
【0034】
本発明において、オフセット値は、既存周波数と変更しようとする周波数との差に対応するものであり得、オフセット値は変更しようとする周波数が既存周波数より高い場合は正のオフセット値、変更しようとする周波数が既存周波数より低い場合は負のオフセット値であり得る。
【0035】
調整スイッチ230は、回路基板または第1回路240にオフセット値を入力するためのスイッチであり得る。一実施形態では、調整スイッチ230は、オフセット値のうち正のオフセット値を入力するための第1調整スイッチ231、及び負のオフセット値を入力するための第2調整スイッチ232を含むことができる。
【0036】
一方、オフセット値は、装置に含まれるか、別に備えられたプロセッサ、または装置のユーザによって決定または定義することができる。
【0037】
一実施形態では、周波数調整部210は、ハウジング290の外部から第1回路にオフセット値を入力することができるように、ハウジング290の一側に露出して第1回路240に接続されたものであり得る。従来は、共振点を外れた超音波振動子の共振周波数を再調整するために製品(例えば、ハウジング)を分解したが、本実施形態に示すように、周波数調整部210がハウジング290の一側に露出することによって第1回路を含む回路基板を直接操作することなく、ハウジング290の外部でも第1回路にオフセット値を入力して簡単に共振周波数を再調整することができる。
【0038】
一実施形態では、装置は、周波数調整部210が第1回路240と接続されると同時にハウジング290の一側に露出するために導電性支持部材をさらに含むことができる。したがって、ハウジング290は導電性がなくても(例えば、プラスチック)第1回路240は周波数調整部210からオフセット値を入力されることができる。
【0039】
第1回路240は、周波数調整部210からオフセット値を入力されてPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力することができる。PWM信号は、パルス幅が変調されたデジタル信号であり、デジタル信号の0(OFF)と1(ON)の比率(Duty Cycle)が調整された信号を意味し得る。一実施形態では、第1回路240が出力したPWM信号は、周波数調整部210から入力されたオフセット値を反映した信号であり得る。すなわち、オフセット値に基づいてパルス幅を変調したので、PWM信号を分析すればオフセット値を算出することができる。
【0040】
第1回路240は、周波数記憶部250、周波数決定部260を含むことができる。
【0041】
周波数記憶部250には、既存の周波数に対応するデフォルト値(default_value)を記憶することができる。また、周波数記憶部250には、第1回路240の出力値であるPWM信号を記憶することができる。
【0042】
一実施形態では、周波数記憶部250は、記憶されたデフォルト値を周波数決定部260に送信し、周波数決定部260がデフォルト値及び周波数調整部210から入力されたオフセット値に基づいて出力したPWM信号を記憶することができる。また、周波数記憶部250は、周波数調整部210から入力されたオフセット値を記憶することができる。
【0043】
周波数決定部260は、周波数調整部210からオフセット値を入力され、デフォルト値及びオフセット値に基づいて変更する共振周波数に対応するPWM信号を出力することができる。周波数決定部260がPWM信号を出力する過程は、上述したように、第1回路240がPWM信号を出力する過程と同じであり得る。
【0044】
周波数決定部260が出力したPWM信号は、下記式(1)の新しい値(new_value)に対応する。
【0045】
【0046】
式(1)では、new valueは周波数決定部260が出力したPWM信号に対応する新しい値、default"_" valueは周波数記憶部250に記憶されたデフォルト値、offset"_" valueは周波数調整部210から入力されたオフセット値に該当し、具体的には+offset"_" valueは、第1調整スイッチ231から入力された正のオフセット値、-offset"_" valueは第2調整スイッチ232から入力された負のオフセット値に該当し得る。
【0047】
第1回路240から出力されたPWM信号は、第2回路270の入力で送信することができる。
【0048】
図3は、一実施形態に係る第2回路300の動作を説明するための図である。
【0049】
図3を参照すると、第2回路300は、PWM信号を入力され、アナログ電圧に変換してアナログ電圧を出力することができる。アナログ電圧は、電位差を定量化する連続的な電気量であり、PWM信号のように固定された電圧レベルを有するデジタル電圧と区別される。
【0050】
一実施形態では、第2回路300はPWM信号を平滑化してアナログ電圧に変換することができる。例えば、第2回路300は、PWM信号の平滑化のためにコンデンサフィルタ、インダクタフィルタ、LCフィルタ、及びパイ(π)型フィルタのうちの少なくとも1つの平滑回路を含むことができる。
【0051】
第2回路300は、PWM信号をアナログ電圧に変換する平滑処理部330を含むことができる。
図3を参照すると、平滑処理部330がコンデンサフィルタを含むものとして示されているが、上述した複数の平滑回路のいずれかに該当することができ、これに限定されるものではない。
【0052】
一方、第2回路300は、PWM信号を入力されてスイッチング信号を生成する1つ以上のトランジスタ310、320を含むことができる。
【0053】
トランジスタをスイッチとして使用する場合は、少ない電流量でも素子を制御することができる。また、回路基板に実装されたMCU(Micro Controller Unit)などの素子に過剰な電流が流れると、MCU内部の入出力ピン及びそれに関連する回路が損傷する可能性があるため、トランジスタをスイッチとしてMCUの入出力回路を保護することができる。
【0054】
一実施形態では、第2回路300のトランジスタ310は、第2回路300の他のトランジスタ320をスイッチングし、スイッチング信号を生成することができる。このとき、平滑処理部330は、スイッチング信号に基づいてPWM信号の変換を行うことができる。
【0055】
図4は、一実施形態に係る第3回路400の動作を説明するための図である。
【0056】
図4を参照すると、第3回路400はアナログ電圧を用いて共振周波数を生成することができる。ここで、共振周波数は、既存の周波数とは異なる、超音波振動子と電子回路の共振周波数を同一に一致させるための周波数に該当し得る。
【0057】
一実施形態では、第3回路400は、充電及び放電を繰り返すことにより周波数信号を出力する発振部410及び発振部420から出力された周波数信号に基づいて共振周波数を出力する周波数生成部460を含むことができる。
【0058】
発振部410は、1つ以上の蓄電器420及び複数の抵抗430、440、450を含み、蓄電器が充電及び放電する性質に基づいて周波数信号を出力することができる。
【0059】
一実施形態では、発振部410は、第1抵抗430、第2抵抗440及び第3抵抗450と、充電及び放電を繰り返す第1蓄電器420とを含むことができる。また、発振部410は、第2回路で入力されたアナログ電圧をトリガとして周波数信号を出力することができる。
【0060】
例えば、第1蓄電器420は、第1抵抗430、第2抵抗440、及び第3抵抗450を介してt_1時間充電することができる。また、第1蓄電器420は、第2抵抗440を介してt_2時間放電することができる。すなわち、t_1時間は第1蓄電器420の充電時間、t_2時間は、第1蓄電器420の放電時間であり得る。
【0061】
このような第1蓄電器420の充電及び放電動作により、発振部410はマルチバイブレータとして動作して周波数信号を出力することができる。
【0062】
一実施形態では、周波数生成部460は、発振部410が出力した周波数信号を入力されて共振周波数を出力することができる。
【0063】
このとき、共振周波数は下記のように表すことができる。
【0064】
【0065】
上述したように、t_1時間が第1蓄電器420の充電時間、t_2時間が第1蓄電器420の放電時間に該当するとき、f_outは周波数生成部460が出力する共振周波数に該当することができる。
【0066】
これにより、装置は、第3の回路が生成した共振周波数は超音波振動子の変動した既存の周波数を代替して装置の電子回路の共振周波数と同一になるように設定することができる。
【0067】
装置は、第3回路が出力した共振周波数を確認して検証する検証部(図示せず)をさらに含むことができる。
【0068】
一実施形態では、検証部(図示せず)は、水滴(droplet)を置くユーザのフィードバックを受信するためにフィードバック受信部(図示せず)を含むことができる。例えば、フィードバック受信部(図示せず)は表面処理した平板であり得る。水滴は蒸留水(distilled water)であり得、水道水のような混合物であり得る。
【0069】
一実施形態では、検証部(図示せず)は、出力された周波数を確認して共振周波数を検証する判断部(図示せず)を含むことができる。例えば、判断部(図示せず)は、第3回路から出力された周波数を水滴に加え、水滴の挙動を確認して共振周波数を検証することができる。言い換えれば、検証の結果は、水滴の形状変化及び/または水滴の振動パターンであり得る。
【0070】
他の実施形態では、判断部(図示せず)は、水滴の形状変化及び/または水滴の振動パターンを分析するためのカメラを含むことができる。例えば、カメラは超高速カメラに該当し得る。判断部(図示せず)は、水滴の挙動をカメラで撮影し、出力された周波数における形状の変化量を、出力された周波数の微小区間内外での形状の変化量と比較して、出力された周波数が共振周波数であるかを検証することができる。判断部(図示せず)は、検証のために予め記憶された水滴の共振周波数値を抽出して使用することができる。
【0071】
さらにほかの実施形態では、装置は、水滴の形状変化及び/または水滴の振動パターンを分析するためのカメラを別に備えることができる。判断部(図示せず)は、カメラから水滴を撮影した画像を受信することができる。判断部(図示せず)は、受信した画像のそれぞれにおいて、水滴の幅及び高さを算出し、これにより水滴の形状の変化量を算出することができる。判断部(図示せず)は、出力された周波数での形状の変化量を、出力された周波数の微小区間内外での形状の変化量と比較して出力された周波数が共振周波数であるかを検証することができる。
【0072】
装置が共振周波数の出力を検証する方法は、上述した実施形態に限定されない。
【0073】
図5は、一実施形態に係る周波数調整装置を制御する方法を示すフローチャートである。
【0074】
図5を参照すると、装置を制御する方法は、進入スイッチを用いて周波数調整モードに進入するステップ510、1つ以上の調整スイッチを用いてオフセット値を決定するステップ520、オフセット値に基づいて共振周波数を生成するステップ530、共振周波数の出力を確認するステップ540、及び所定の時間が経過した後に周波数調整モードを解除するステップ550を含むことができる。
【0075】
以下では、各ステップについて具体的に説明する。本明細書の
図1~
図4で説明した内容を同様に適用することができるので、重複する内容は省略する。
【0076】
ステップ510において、装置は進入スイッチを用いて周波数調整モードに進入することができる。装置は、進入スイッチの入力値に基づいて周波数調整モードに進入することができる。例えば、進入スイッチの入力値はオン(on)またはオフ(off)であり得る。
【0077】
一実施形態では、装置は、進入スイッチがオン状態の時に周波数調整モードに進入し、進入スイッチがオフ状態の時に周波数調整モードを解除することができる(周波数調整解除モード)。
【0078】
他の実施形態では、装置は、第1回路が周波数調整モードでのみ調整スイッチからオフセット値を入力されるように第1回路を制御することができる。
【0079】
進入スイッチをオンまたはオフ状態に切り替えるための入力は、共振周波数の調整が必要であると決定されたことに応答して装置に含まれるか、または別に備えられたプロセッサによって行われるか、またはユーザによって任意に行われることができる。
【0080】
一実施形態では、装置は、入口スイッチの入力が所定の時間以上維持される場合に周波数調整モードに進入することができ、進入スイッチの入力が所定の時間以上維持されない場合には周波数調整モードに進入しないことができる。また、装置は、進入スイッチの入力が維持される間にのみ周波数調整モードに進入することができ、進入スイッチの入力が中断された場合、周波数調整モードが解除されることができる。
【0081】
装置は、進入スイッチを備えて周波数調整モードを設定することにより、周波数調整部が回路基板の外部に形成されている場合にも、過失または予期せぬ変数によって周波数が変動する状況を防止し、同時に簡単に周波数調整モードに進入するようにする効果がある。
【0082】
一方、装置は、進入スイッチの周波数調整モード進入に関する動作のために1つ以上のトランジスタを含むことができる。
【0083】
ステップ520において、装置は1つ以上の調整スイッチを用いてオフセット値を決定することができる。調整スイッチは、正のオフセット値を入力するための第1調整スイッチ及び負のオフセット値を入力するための第2調整スイッチを含むことができる。
【0084】
一実施形態では、装置は、調整スイッチの入力値に基づいてオフセット値を決定することができる。例えば、装置は、第1調整スイッチが入力を受信すると、正の単位オフセット値を第1回路に送信することができる。具体的には、第1調整スイッチが3回の入力を受信すると、正の単位オフセット値の3倍を第1回路に送信することができる。
【0085】
同様に、装置は、第2調整スイッチが入力を受信すると、負の単位オフセット値を第2回路に送信することができる。具体的には、第2調整スイッチが3回の入力を受信すると、負の単位オフセット値の3倍を第1回路に送信することができる。
【0086】
まとめると、mとnが1以上の自然数の場合、装置は、第1調整スイッチがm回の入力を受信し、第2調整スイッチがn回の入力を受信すると、単位オフセット値の(m-n)倍(nがmより大きい場合、負のオフセット値)を第1回路に送信することができる。
【0087】
一方、他の実施形態では、装置は回路基板を収納して保護するハウジングを含み、上述した進入スイッチ及び1つ以上の調整スイッチは、ハウジングの外部で周波数調整モード進入及びオフセット値を入力することができるようにハウジングの一側に露出され、回路基板の少なくとも一部と接続されることができる。
【0088】
ステップ530において、装置はオフセット値に基づいて共振周波数を生成することができる。
【0089】
装置は、周波数調整部からオフセット値を入力されてPWM信号を出力する第1回路、PWM信号をアナログ電圧に変換する第2回路、及びアナログ電圧を用いて共振周波数を生成する第3回路を含むことができる。
【0090】
第1回路、第2回路及び第3回路に関する説明は、
図1~
図4に関する説明と重複するので省略する。
【0091】
ステップ540において、装置は共振周波数の出力を確認することができる。
【0092】
一実施形態では、装置は、測定用標的に加えられた放射(radiation)力を測定する方法、較正されたハイドロフォン(hydrophone)を用いて超音波音場内を走査して決定する方法、光音響効果を用いる方法、超音波吸音材料内部の飽和温度を用いる熱力学的方法などを使用して共振周波数の出力を確認することができる。
【0093】
他の実施形態では、装置は、共振周波数の出力を確認するために超音波パワーメータを含むか、または別に備えることができる。例えば、超音波パワーメータは、放射力を測定する方法を介して共振周波数の出力を確認することができる。
【0094】
さらに他の実施形態では、装置は、共振周波数の出力を確認するためにユーザのフィードバックを受信し、ユーザのフィードバックに基づいて共振周波数を検証することができる。
【0095】
ステップ550において、装置は、所定の時間が経過した後に周波数調整モードを解除することができる。例えば、所定の時間は3秒であり得る。
【0096】
一実施形態では、装置は、共振周波数の出力を確認して、所定の時間一定の基準を満たす場合に周波数調整モードを解除することができる。この場合、周波数調整モードは自動的に解除することができます。
【0097】
他の実施形態では、装置は、進入スイッチの入力が維持される間にのみ周波数調整モードに進入し、進入スイッチの入力が中断された場合、周波数調整モードが解除されるように動作することができる。あるいは、共振周波数の出力を確認して所定時間一定の基準を満たすと、進入スイッチの入力が中断されるように動作することができる。装置は、上記動作のための1つ以上のトランジスタを含むことができる。
【0098】
実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して行うことができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータで読み取り可能な媒体に記録されることができる。前記コンピュータで読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記媒体に記録されたプログラム命令は、実施形態のために特別に設計され構成されたものであってもよく、コンピュータソフトウェア当業者に知られて使用可能なものであってもよい。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなどの磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDなどの光学媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)などの光磁気媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリなどのプログラム命令を記憶し行うように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行することができる高級言語コードを含む。上記のハードウェア装置は、実施形態の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成することができ、その逆も同様である。
【0099】
本発明で説明する特定の実行は一実施形態であり、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。本明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的側面の説明は省略することができる。
【0100】
さらに、図面に示された構成要素は、「必須的な」、「重要に」などのように具体的な言及がない限り、本発明を適用するために必ずしも必要な構成要素ではない可能性がある。
【0101】
本発明による方法を構成するステップに対して明らかに順序を記載するか、または反する記載がないと、前記ステップは適当な順序で行われてもよい。必ずしも前記ステップの記載順序によって本発明が限定されるわけではない。本発明におけるすべての例または例示的な用語(例えば、等)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない限り、前記例または例示的な用語により本発明の範囲が限定されるわけではない。また、当業者は、様々な修正、組み合わせ、及び変更が追加された特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件及び要因によって構成されることができることがわかるであろう。
【0102】
したがって、本発明の精神は、前記実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等またはそれから等価的に変更された全ての範囲は、本発明の精神の範疇に属すると言えるだろう。