(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122572
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】債権担保割付装置、債権担保割付方法、および、債権担保割付プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240902BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030178
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二村 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 史彦
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB23
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】担保種類を含む債権・債務の属性を事前設定した債権保全割付ルールに則り、債権・担保の自動割付を実行することができる債権担保割付装置、債権担保割付方法、および、債権担保割付プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】担保種類、および、担保分類を紐付けて設定した担保種類マスタに基づいて、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが記憶されている場合、当該担保データを債権データに割り付ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた債権担保割付装置であって、
前記記憶部は、
債権の業種、残高および未割付額を紐付けて設定した債権データ、ならびに、前記債権の前記業種、担保種類、担保額および未割付担保額を紐付けて設定した担保データを記憶する取引記憶手段と、
前記担保種類、および、担保分類を紐付けて設定した担保種類マスタと、
を備え、
前記制御部は、
前記担保種類マスタに基づいて、債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを前記債権データに割り付ける債務割付手段、
を備えたことを特徴とする債権担保割付装置。
【請求項2】
前記債務割付手段は、
前記担保種類マスタに基づいて、前記債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、且つ、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付けることを特徴とする請求項1に記載の債権担保割付装置。
【請求項3】
前記債務割付手段は、
前記担保種類マスタに基づいて、前記債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、且つ、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付け、前記未割付額が0ではない前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されていない場合、当該担保データを、前記取引記憶手段に記憶された残りの前記債権データに残高按分にて割り付けることを特徴とする請求項2に記載の債権担保割付装置。
【請求項4】
前記債権データは、
更に、債権番号が紐付けて設定され、
前記債務割付手段は、
前記担保種類マスタに基づいて、前記債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、前記債権番号順に従って当該担保データを前記債権データに割り付けることを特徴とする請求項1に記載の債権担保割付装置。
【請求項5】
前記担保種類マスタは、
更に、担保種類順位が紐付けて設定され、
前記制御部は、
前記担保種類マスタに基づいて、保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、前記担保種類順位に従って当該担保データを前記債権データに割り付ける保全措置割付手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の債権担保割付装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
債権保全の業種按分方法として、業種限定、業種優先および残高按分を設定した按分方法マスタ、
を更に備え、
前記担保データは、
更に、前記業種按分方法が紐付けて設定され、
前記保全措置割付手段は、
更に、前記担保種類マスタ、および、前記按分方法マスタに基づいて、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定され、且つ、前記業種按分方法として前記業種限定が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、併せて、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付けることを特徴とする請求項5に記載の債権担保割付装置。
【請求項7】
前記保全措置割付手段は、
更に、前記担保種類マスタ、および、前記按分方法マスタに基づいて、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定され、且つ、前記業種按分方法として前記業種優先が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、併せて、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付け、前記未割付額が0ではない前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されていない場合、当該担保データを、前記取引記憶手段に記憶された残りの前記債権データに残高按分にて割り付けることを特徴とする請求項6に記載の債権担保割付装置。
【請求項8】
前記保全措置割付手段は、
更に、前記担保種類マスタ、および、前記按分方法マスタに基づいて、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定され、且つ、前記業種按分方法として前記残高按分が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを前記債権データに残高按分にて割り付けることを特徴とする請求項6に記載の債権担保割付装置。
【請求項9】
前記保全措置割付手段は、
前記担保種類マスタに基づいて、前記債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されておらず、且つ、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、前記担保種類順位に従って当該担保データを前記債権データに割り付けることを特徴とする請求項5に記載の債権担保割付装置。
【請求項10】
前記担保種類マスタは、
更に、掛目が紐付けて設定され、
前記制御部は、
前記担保種類マスタに基づいて、保険である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、且つ、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに前記掛目に従って割り付ける保険割付手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の債権担保割付装置。
【請求項11】
前記保険割付手段は、
前記担保種類マスタに基づいて、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されておらず、前記保険である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、且つ、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに前記掛目に従って割り付けることを特徴とする請求項10に記載の債権担保割付装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記債権データ、および、前記担保データに基づいて、債権と担保との割付組合せ毎の割付後担保額を設定した債権担保割付データを含む割付結果を取得する割付結果取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の債権担保割付装置。
【請求項13】
記憶部と制御部とを備えた債権担保割付装置に実行させるための債権担保割付方法であって、
前記記憶部は、
債権の業種、残高および未割付額を紐付けて設定した債権データ、ならびに、前記債権の前記業種、担保種類、担保額および未割付担保額を紐付けて設定した担保データを記憶する取引記憶手段と、
前記担保種類、および、担保分類を紐付けて設定した担保種類マスタと、
を備え、
前記制御部において実行される、
前記担保種類マスタに基づいて、債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを前記債権データに割り付ける債務割付ステップ、
を含むことを特徴とする債権担保割付方法。
【請求項14】
記憶部と制御部とを備えた債権担保割付装置に実行させるための債権担保割付プログラムであって、
前記記憶部は、
債権の業種、残高および未割付額を紐付けて設定した債権データ、ならびに、前記債権の前記業種、担保種類、担保額および未割付担保額を紐付けて設定した担保データを記憶する取引記憶手段と、
前記担保種類、および、担保分類を紐付けて設定した担保種類マスタと、
を備え、
前記制御部において、
前記担保種類マスタに基づいて、債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを前記債権データに割り付ける債務割付ステップ、
を実行させるための債権担保割付プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権担保割付装置、債権担保割付方法、および、債権担保割付プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、名寄せ登録された実質同一人の顧客の債権に対して、「特定」か「根」かを区分する特定根区分と、「優良」か「一般」かを区分する優良一般区分との組み合わせに基づく順序で担保の割付を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、担保種類に応じて、債権・担保の自動割付を実行することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、担保種類を含む債権・債務の属性を事前設定した債権保全割付ルールに則り、債権・担保の自動割付を実行することができる債権担保割付装置、債権担保割付方法、および、債権担保割付プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権担保割付装置は、記憶部と制御部とを備えた債権担保割付装置であって、前記記憶部は、債権の業種、残高および未割付額を紐付けて設定した債権データ、ならびに、前記債権の前記業種、担保種類、担保額および未割付担保額を紐付けて設定した担保データを記憶する取引記憶手段と、前記担保種類、および、担保分類を紐付けて設定した担保種類マスタと、を備え、前記制御部は、前記担保種類マスタに基づいて、債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを前記債権データに割り付ける債務割付手段、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記債務割付手段は、前記担保種類マスタに基づいて、前記債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、且つ、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付けることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記債務割付手段は、前記担保種類マスタに基づいて、前記債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、且つ、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付け、前記未割付額が0ではない前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されていない場合、当該担保データを、前記取引記憶手段に記憶された残りの前記債権データに残高按分にて割り付けることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記債権データは、更に、債権番号が紐付けて設定され、前記債務割付手段は、前記担保種類マスタに基づいて、前記債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、前記債権番号順に従って当該担保データを前記債権データに割り付けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記担保種類マスタは、更に、担保種類順位が紐付けて設定され、前記制御部は、前記担保種類マスタに基づいて、保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、前記担保種類順位に従って当該担保データを前記債権データに割り付ける保全措置割付手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記記憶部は、債権保全の業種按分方法として、業種限定、業種優先および残高按分を設定した按分方法マスタ、を更に備え、前記担保データは、更に、前記業種按分方法が紐付けて設定され、前記保全措置割付手段は、更に、前記担保種類マスタ、および、前記按分方法マスタに基づいて、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定され、且つ、前記業種按分方法として前記業種限定が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、併せて、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記保全措置割付手段は、更に、前記担保種類マスタ、および、前記按分方法マスタに基づいて、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定され、且つ、前記業種按分方法として前記業種優先が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、併せて、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付け、前記未割付額が0ではない前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されていない場合、当該担保データを、前記取引記憶手段に記憶された残りの前記債権データに残高按分にて割り付けることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記保全措置割付手段は、更に、前記担保種類マスタ、および、前記按分方法マスタに基づいて、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定され、且つ、前記業種按分方法として前記残高按分が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを前記債権データに残高按分にて割り付けることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記保全措置割付手段は、前記担保種類マスタに基づいて、前記債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されておらず、且つ、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、前記担保種類順位に従って当該担保データを前記債権データに割り付けることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記担保種類マスタは、更に、掛目が紐付けて設定され、前記制御部は、前記担保種類マスタに基づいて、保険である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、且つ、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに前記掛目に従って割り付ける保険割付手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記保険割付手段は、前記担保種類マスタに基づいて、前記保全措置である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されておらず、前記保険である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶され、且つ、当該担保データに設定された前記業種と同業種が設定された前記債権データである前記同業種債権データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに前記掛目に従って割り付けることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る債権担保割付装置において、前記制御部は、前記債権データ、および、前記担保データに基づいて、債権と担保との割付組合せ毎の割付後担保額を設定した債権担保割付データを含む割付結果を取得する割付結果取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る債権担保割付方法は、記憶部と制御部とを備えた債権担保割付装置に実行させるための債権担保割付方法であって、前記記憶部は、債権の業種、残高および未割付額を紐付けて設定した債権データ、ならびに、前記債権の前記業種、担保種類、担保額および未割付担保額を紐付けて設定した担保データを記憶する取引記憶手段と、前記担保種類、および、担保分類を紐付けて設定した担保種類マスタと、を備え、前記制御部において実行される、前記担保種類マスタに基づいて、債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを前記債権データに割り付ける債務割付ステップ、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る債権担保割付プログラムは、記憶部と制御部とを備えた債権担保割付装置に実行させるための債権担保割付プログラムであって、前記記憶部は、債権の業種、残高および未割付額を紐付けて設定した債権データ、ならびに、前記債権の前記業種、担保種類、担保額および未割付担保額を紐付けて設定した担保データを記憶する取引記憶手段と、前記担保種類、および、担保分類を紐付けて設定した担保種類マスタと、を備え、前記制御部において、前記担保種類マスタに基づいて、債務である前記担保分類に紐付けられた前記担保種類が設定された前記担保データが前記取引記憶手段に記憶されている場合、当該担保データを前記債権データに割り付ける債務割付ステップ、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、割付における人的判断を排除することでオペレーション負荷を軽減させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、債権保全割付自動化による業務効率化とリスク管理体制強化とを図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、マスタ設定に応じて担保を債権に対して順次割付処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における債権担保割付装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における担保種類マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における按分方法マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における債権担保割付装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0023】
[1.概要]
まず、
図1を参照して、本発明の概要を説明する。
図1は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【0024】
従来、金融機関が顧客に対して融資を実行する際に、債権に対して保全を割り付け、貸倒れリスクを回避・把握する為の業務である債権と担保との割付において、債権に対し割り付けられた担保の充当額と、別途設定する債務者区分(正常先/破綻懸念先等)とを掛け合わせ、リスク債権の把握を行っていた。また、従来、債権と担保との割付および債務者区分の設定、ならびに、リスク債権の把握を業務としてシステムに取り入れることが多く、システム内にて手動で割付設定を行っていた。なお、従来、商社においては、取引先に対する今後の回収(返済)を見込む「売掛金」を債権として扱い、今後の支払必要性が生じる「買掛金」や債権(売掛金)に掛ける「保険」を担保として扱うことが一般的であるが、債権と担保との割付に関して、独自の割付順位(どの担保から優先して充当するのか)が規定されており、担保の種類(買掛金、保険等)によって割付が可能となる債権が限定される等の規約も設けられているため、高度な割付判断の知識が求められ、オペレーターによる誤割付が多々発生し、後続業務となる正確なリスク債権の把握が困難となる等の影響が生じていた。
【0025】
そこで、本実施形態においては、正確なリスク判断の達成に寄与する目的で、事前に設定したマスタ内容に応じて債権と担保との割付を自動で完結する仕組みを提供している。
【0026】
ここで、
図1に示すように、本実施形態においては、顧客毎の債権への保全割付処理が実行される。なお、本実施形態における保全割付は、同一顧客内でのみ実施され、顧客を超えた債権への割付は実施されない(同一顧客で別取引先コードの顧客は、同一人名寄せが行われ、同一人名寄せ顧客は割り付けられる)。また、本実施形態において、同一顧客内同一業種であるが、貸出科目や事業所が異なる債権を保持する場合、各保全割付は、割付時点の未保全残高按分が行われてもよい。
【0027】
すなわち、
図1に示すように、本実施形態においては、債務のある業種と同じ業種の債権に担保が割り付けられ、未割付の債務を残りの未保全債権の残高按分にて債権に担保が割り付けられる(ステップSA-1)。
【0028】
そして、
図1に示すように、本実施形態においては、業種按分方法に準じて、担保が債権に割り付けられる(ステップSA-2)。ここで、本実施形態における保全措置の割り付けの保全割付優先順位は、「保全措置種類」>「業種按分方法」>「事業所コード」>「担保保証番号」の順番であってもよい。更に、「保全措置種類」は、優先順位を伴い、「1.取引保証金」、「2.銀行保証」、「3.定期預金」、「4.有価証券」、「5.根保証」、「6.連帯保証」、「7.不動産」、および、「8.その他」を含んでいてもよい。
【0029】
また、「業種按分方法」は、同事業所・同業種の債権に対してのみ割付を行う「1.業種限定」、同事業所・同業種の債権に対して優先して割付し、未割付債務を未保全債権に残高按分する「2.業種優先」、および、未保全残高按分する「3.残高按分」を含んでいてもよい。ここで、「1.業種限定」は、保全措置の業種と同一の業種の債権へのみ割り付けられ、保全額>債権額の場合、債権額を超える保全額は保全として考慮されない(他の業種からは債権回収不可:他の業種の債権などに割り付かない)。また、「2.業種優先」は、保全措置の業種と同一の業種の債権へ割り付けられ、債権額を超えた分の保全が、他業種の債権へ未保全残高按分で割り付けられる。なお、データ連携される取引保証金の業種按分方法は、業種優先であってもよい。また、「3.残高按分」は、未保全額が存在する全ての債権へ割り付けられる。ここで、割付金額は、割付時点の未保全残高按分であり、優先する業種が全く考慮されずに割り付けられる。
【0030】
そして、
図1に示すように、本実施形態においては、「1.業種限定」の業種按分方法に準じて、担保が債権に割り付けられる(ステップSA-3)。ここで、本実施形態においては、担保保証入力画面にて、担保種類マスタの設定により、担保率毎の保険担保が選択され、紐付けられた担保種類に応じて、予めマスタ設定された担保率が参照され、保険の保全の割付処理時点の未保全額に対する割合分担保額が割り付けられる。なお、担保種類マスタは、ユーザによる追加・修正・削除が可能であり、担保率を追加したい場合、担保種類マスタに追加され、任意の割合が設定される。
【0031】
なお、本実施形態における割付の計算または分類額の計算のタイミングは、月次夜間処理、債権明細入力画面登録ボタン押下時、債権明細一覧画面削除ボタン押下時、または、担保保証入力画面登録ボタン押下時であってもよい。また、本実施形態において、日次で債権データが連携されたタイミングでは、計算処理が実施されない。
【0032】
[2.構成]
本実施形態に係る債権担保割付装置100の構成の一例について、
図2から
図4を参照して説明する。
図2は、本実施形態における債権担保割付装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、債権担保割付装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、債権担保割付装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0034】
債権担保割付装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。債権担保割付装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0035】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、債権担保割付装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権担保割付装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0036】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0037】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、取引データベース106aと担保種類マスタ106bと按分方法マスタ106cとを備えている。
【0038】
取引データベース106aは、取引データを記憶する。ここで、取引データは、顧客データ、名寄データ、債権データ、同業種債権データ、担保データ、および、債権担保割付データ等を含んでいてもよい。また、取引データベース106aは、債権の業種(種類)、残高および未割付額を紐付けて設定した債権データ、ならびに、債権の業種、担保種類、担保額および未割付担保額を紐付けて設定した担保データを記憶していてもよい。ここで、債権データは、債権番号が紐付けて設定されていてもよい。また、担保データは、業種按分方法が紐付けて設定されていてもよい。
【0039】
担保種類マスタ106bは、担保種類、および、担保分類を紐付けて設定したマスタである。ここで、担保種類マスタ106bは、担保種類順位が紐付けて設定されてもよい。また、担保種類マスタ106bは、掛目が紐付けて設定されてもよい。
【0040】
ここで、
図3を参照して、本実施形態における担保種類マスタ106bの一例について説明する。
図3は、本実施形態における担保種類マスタ106bの一例を示す図である。
【0041】
図3に示すように、本実施形態における担保種類マスタ106bは、担保種類、担保分類、および、掛目が紐付けて設定されている。
【0042】
図2に戻り、按分方法マスタ106cは、債権保全の業種按分方法を設定したマスタである。ここで、按分方法マスタ106cは、債権保全の業種按分方法として、業種限定、業種優先および残高按分を設定していてもよい。
【0043】
ここで、
図4を参照して、本実施形態における按分方法マスタ106cの一例について説明する。
図4は、本実施形態における按分方法マスタ106cの一例を示す図である。
【0044】
図4に示すように、本実施形態における按分方法マスタ106cは、債権保全の業種按分方法が設定されたコードマスタであってもよい。
【0045】
図2に戻り、制御部102は、債権担保割付装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、登録部102aと債務割付部102bと保全措置割付部102cと保険割付部102dと割付結果取得部102eとを備えている。
【0046】
登録部102aは、取引データを含む各種データを登録する。ここで、登録部102aは、取引データを取引データベース106aに登録してもよい。また、登録部102aは、マスタ設定してもよい。
【0047】
債務割付部102bは、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データを債権データに割り付ける。ここで、債務割付部102bは、担保種類マスタ106bに基づいて、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを債権データに割り付けてもよい。また、債務割付部102bは、担保種類マスタ106bに基づいて、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶され、且つ、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付けてもよい。また、債務割付部102bは、担保種類マスタ106bに基づいて、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶され、且つ、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付け、未割付額が0ではない同業種債権データが取引データベース106aに記憶されていない場合、当該担保データを、取引データベース106aに記憶された残りの債権データに残高按分にて割り付けてもよい。また、債務割付部102bは、担保種類マスタ106bに基づいて、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されている場合、債権番号順に従って当該担保データを債権データに割り付けてもよい。
【0048】
保全措置割付部102cは、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データを債権データに割り付ける。ここで、保全措置割付部102cは、担保種類マスタ106bに基づいて、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されている場合、担保種類順位に従って当該担保データを債権データに割り付けてもよい。また、保全措置割付部102cは、担保種類マスタ106b、および、按分方法マスタ106cに基づいて、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定され、且つ、業種按分方法として業種限定が設定された担保データが取引データベース106aに記憶され、併せて、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付けてもよい。また、保全措置割付部102cは、担保種類マスタ106b、および、按分方法マスタ106cに基づいて、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定され、且つ、業種按分方法として業種優先が設定された担保データが取引データベース106aに記憶され、併せて、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付け、未割付額が0ではない同業種債権データが取引データベース106aに記憶されていない場合、当該担保データを、取引データベース106aに記憶された残りの債権データに残高按分にて割り付けてもよい。また、保全措置割付部102cは、担保種類マスタ106b、および、按分方法マスタ106cに基づいて、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定され、且つ、業種按分方法として残高按分が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを債権データに残高按分にて割り付けてもよい。また、保全措置割付部102cは、担保種類マスタ106bに基づいて、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されておらず、且つ、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されている場合、担保種類順位に従って当該担保データを債権データに割り付けてもよい。
【0049】
保険割付部102dは、保険である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データを債権データに割り付ける。ここで、保険割付部102dは、担保種類マスタ106bに基づいて、保険である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶され、且つ、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに掛目に従って割り付けてもよい。また、保険割付部102dは、担保種類マスタ106bに基づいて、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されておらず、保険である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶され、且つ、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに掛目に従って割り付けてもよい。
【0050】
割付結果取得部102eは、割付結果を取得する。ここで、割付結果取得部102eは、債権データ、および、担保データに基づいて、債権と担保との割付組合せ毎の割付後担保額を設定した債権担保割付データを含む割付結果を取得してもよい。また、割付結果取得部102eは、割付結果を出力(表示、または、印刷出力)させてもよい。
【0051】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図5から
図14を参照して説明する。
【0052】
[債権担保割付処理]
ここで、
図5を参照して、本実施形態における債権担保割付処理の一例について説明する。
図5は、本実施形態における債権担保割付装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図5に示すように、債務割付部102bは、担保種類マスタ106bに基づいて、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されているか否かを判定する(ステップSB-1)。
【0054】
そして、債務割付部102bは、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されていないと判定した場合(ステップSB-1:No)、処理をステップSB-3に移行させる。
【0055】
一方、債務割付部102bは、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されていると判定した場合(ステップSB-1:Yes)、処理をステップSB-2に移行させる。
【0056】
そして、債務割付部102bは、担保種類マスタ106bに基づいて、債務である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されている場合、当該担保データを当該同業種債権データに割り付け、割付後、未割付額が0ではない同業種債権データが取引データベース106aに記憶されていない場合、当該担保データを、取引データベース106aに記憶された残りの債権データに残高按分にて割り付ける(ステップSB-2)。
【0057】
そして、保全措置割付部102cは、担保種類マスタ106bに基づいて、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されているか否かを判定する(ステップSB-3)。
【0058】
そして、保全措置割付部102cは、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されていないと判定した場合(ステップSB-3:No)、処理をステップSB-5に移行させる。
【0059】
一方、保全措置割付部102cは、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されていると判定した場合(ステップSB-3:Yes)、処理をステップSB-4に移行させる。
【0060】
そして、保全措置割付部102cは、保全措置である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データを債権データに割り付ける(ステップSB-4)。
【0061】
そして、保険割付部102dは、担保種類マスタ106bに基づいて、保険である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶され、且つ、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されているか否かを判定する(ステップSB-5)。
【0062】
そして、保険割付部102dは、保険である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶されていない、または、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されていないと判定した場合(ステップSB-5:No)、処理をステップSB-7に移行させる。
【0063】
一方、保険割付部102dは、保険である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データが取引データベース106aに記憶され、且つ、当該担保データに設定された業種と同業種が設定された債権データである同業種債権データが取引データベース106aに記憶されていると判定した場合(ステップSB-5:Yes)、処理をステップSB-6に移行させる。
【0064】
そして、保険割付部102dは、担保種類マスタ106bに基づいて、保険である担保分類に紐付けられた担保種類が設定された担保データを同業種債権データに掛目に従って割り付ける(ステップSB-6)。
【0065】
そして、割付結果取得部102eは、取引データベース106aに記憶された債権データおよび担保データに基づいて、債権と担保との割付組合せ毎の割付後担保額を設定した債権担保割付データを含む割付結果を取得し(ステップSB-7)、処理を終了する。
【0066】
ここで、
図6から
図14を参照して、本実施形態における債権担保割付処理の一例について説明する。
図6から
図14は、本実施形態における債権担保割付処理の一例を示す図である。
【0067】
図6に示すように、本実施形態においては、ユーザによる顧客概要入力により、顧客の顧客データ、および、同一顧客とみなす(子会社等の)範囲を設定した名寄データが取引データベース106aに登録され、ユーザによる債権明細入力により、顧客に紐付く債権の債権データが取引データベース106aに登録され、ユーザによる担保保証入力により、顧客に紐付く担保の担保データが取引データベース106aに登録される。
【0068】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、バッチ処理として割付ルールに則り、債権・担保の自動割付が実行される。すなわち、
図7に示すように、本実施形態においては、債権の中で債務と同業種のものに対して、債務である担保分類の担保データが割り付けられる。ここで、
図7に示すように、本実施形態においては、債権番号:5の債権データも債権番号:1の債権データと同業種だが、債権番号順に債権番号:1の債権データから割付が実行される。そして、
図8に示すように、本実施形態においては、担保データに設定された未割付担保額に余りがあるので、債権番号:1の債権データと同業種の債権番号:5の債権データにも自動割付が適用される。
【0069】
そして、
図9に示すように、本実施形態においては、業種限定により、保全措置である担保分類の担保データが債権データに割り付けられる。すなわち、
図9に示すように、本実施形態においては、業種限定により、担保番号1の担保データが債権番号5の債権データに割り付けられる。そして、
図10に示すように、本実施形態においては、業種優先により、担保番号3の担保データが債権番号3の債権データに割り付けられる。そして、
図11に示すように、本実施形態においては、残高按分により、担保番号4の担保データが未割付額の有る債権番号2-5の債権データに割り付けられる。そして、
図12に示すように、本実施形態においては、業種優先により、担保番号2の担保データが同業種の債権番号5の債権データに割り付けられるが、業種・事業所で検索された結果、相対債権が無いため、残高按分により、残余の担保番号2の担保データが未割付額の有る債権番号2-5の債権データに割り付けられる。
【0070】
そして、
図13に示すように、本実施形態においては、保険である担保分類の担保番号5の担保データが同業種の債権番号3の債権データに割り付けられる。
【0071】
そして、
図14に示すように、本実施形態においては、割付後の債権データ、割付後の担保データ、および、債権と担保との組合せ毎の割付後担保額が設定された債権担保割付データを含む債権担保自動割付結果が取得される。
【0072】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0075】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0076】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0077】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0078】
また、債権担保割付装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0079】
例えば、債権担保割付装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権担保割付装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0080】
また、このコンピュータプログラムは、債権担保割付装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0081】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0082】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0083】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0084】
また、債権担保割付装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権担保割付装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0085】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、金融業界だけでなく、取引先に対するリスク把握が必要な多種の事業会社と取引を行う商社業界、ならびに、与信管理業務を重要視している卸売業界および製造業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0087】
100 債権担保割付装置
102 制御部
102a 登録部
102b 債務割付部
102c 保全措置割付部
102d 保険割付部
102e 割付結果取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 取引データベース
106b 担保種類マスタ
106c 按分方法マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク