(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122603
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ホームドア装置
(51)【国際特許分類】
B61B 1/02 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
B61B1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030233
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】新山 智章
【テーマコード(参考)】
3D101
【Fターム(参考)】
3D101AA03
3D101AA06
3D101AA17
3D101AA24
3D101AC01
(57)【要約】
【課題】プラットホームに応じてプラットホームの芯材を避けて設置することができるホームドア装置を提供する。
【解決手段】ホームドア装置1は、プラットホーム2上に設けられる戸袋10と、戸袋10の内部から水平方向に進退して開閉移動する第1扉30及び第2扉40と、第1扉30及び第2扉40を駆動する第1駆動部51及び第2駆動部52と、第1駆動部51及び第2駆動部52を制御して第1扉30及び第2扉40を開閉移動させる制御部60と、を備える。戸袋10は、第1扉30及び第2扉40の進退方向に延出して設けられる第2主筒部材22と、第2主筒部材22への制御部60の取付位置を可変とする調整部材70と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットホーム上に設けられる戸袋と、
前記戸袋の内部から水平方向に進退して開閉移動する扉と、
前記扉を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御して前記扉を開閉移動させる制御部と、を備え、
前記戸袋は、前記扉の進退方向に延出して設けられる筒部材と、
前記筒部材への前記制御部の取付位置を可変とする調整部材と、を備える
ホームドア装置。
【請求項2】
前記戸袋は、前記プラットホーム上に前記水平方向に間隔を空けて立設される一対の柱部材を備え、
前記筒部材は、前記一対の柱部材の間に掛け渡され、
前記扉は、前記筒部材の内部から進退する複数のバー部材である
請求項1に記載のホームドア装置。
【請求項3】
前記複数のバー部材が1つずつ進退する複数の前記筒部材を備え、
前記複数の筒部材は、前記柱部材の延びる方向に並び、
前記制御部は、前記複数の筒部材の中で前記プラットホームに最も近い前記筒部材に取り付けられる
請求項2に記載のホームドア装置。
【請求項4】
前記調整部材は、前記進退方向に延びる長孔であって、前記制御部を固定するねじが取り付けられる前記長孔である
請求項1に記載のホームドア装置。
【請求項5】
前記駆動部は、前記一対の柱部材のそれぞれの内部に設けられ、
前記制御部と前記駆動部とを接続する配線は、前記筒部材の内部に通される
請求項2に記載のホームドア装置。
【請求項6】
前記制御部と前記プラットホームとを接続し、内部に前記プラットホームから前記制御部への配線が通される接続筒部材を備える
請求項1に記載のホームドア装置。
【請求項7】
前記制御部と前記プラットホームとの間には、隙間が設けられる
請求項1に記載のホームドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のホームドア装置は、複数の筒状の梁部材を有する戸袋と、複数のバー部材を有する扉と、を備える。複数の筒状の梁部材は、一方向に延在し、且つ鉛直方向に配列された状態でプラットホームに設置される支柱に固定されている。複数のバー部材は、複数の筒状の梁部材の内部から一方向に進退する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、プラットホームの内部には、鉄筋等の芯材が設けられている。ホームドア装置をプラットホームに設置するときには、プラットホームの芯材を避けて制御部に接続する配線を通す孔をプラットホームに空ける必要がある。芯材の位置はプラットホームによって異なる。このため、プラットホームに応じてプラットホームの芯材を避けてホームドア装置を設置することが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するホームドア装置は、プラットホーム上に設けられる戸袋と、前記戸袋の内部から水平方向に進退して開閉移動する扉と、前記扉を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御して前記扉を開閉移動させる制御部と、を備え、前記戸袋は、前記扉の進退方向に延出して設けられる筒部材と、前記筒部材への前記制御部の取付位置を可変とする調整部材と、を備える。
【0006】
上記構成によれば、制御部が扉の進退方向に延出して設けられる筒部材への取付位置を調整部材によって可変に取り付けられる。このため、プラットホームに形成された制御部に接続する配線を通す孔の位置に応じて筒部材において制御部を移動させることでプラットホームの芯材を避けてホームドア装置を設置することができる。
【0007】
上記ホームドア装置について、前記戸袋は、前記プラットホーム上に前記水平方向に間隔を空けて立設される一対の柱部材を備え、前記筒部材は、前記一対の柱部材の間に掛け渡され、前記扉は、前記筒部材の内部から進退する複数のバー部材であることが好ましい。
【0008】
上記ホームドア装置について、前記複数のバー部材が1つずつ進退する複数の前記筒部材を備え、前記複数の筒部材は、前記柱部材の延びる方向に並び、前記制御部は、前記複数の筒部材の中で前記プラットホームに最も近い前記筒部材に取り付けられることが好ましい。
【0009】
上記ホームドア装置について、前記調整部材は、前記進退方向に延びる長孔であって、前記制御部を固定するねじが取り付けられる前記長孔であることが好ましい。
上記ホームドア装置について、前記駆動部は、前記一対の柱部材のそれぞれの内部に設けられ、前記制御部と前記駆動部とを接続する配線は、前記筒部材の内部に通されることが好ましい。
【0010】
上記ホームドア装置について、前記制御部と前記プラットホームとを接続し、内部に前記プラットホームから前記制御部への配線が通される接続筒部材を備えることが好ましい。
【0011】
上記ホームドア装置について、前記制御部と前記プラットホームとの間には、隙間が設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プラットホームに応じてプラットホームの芯材を避けてホームドア装置を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ホームドア装置の第1実施形態の構成を示す全閉状態の正面図である。
【
図2】同実施形態のホームドア装置の構成を示す全開状態の正面図である。
【
図3】同実施形態のホームドア装置の
図2の3-3断面図である。
【
図4】同実施形態のホームドア装置の調整部材の構成を示す正面拡大図である。
【
図5】同実施形態のホームドア装置の調整部材の構成を示す3-3断面拡大図である。
【
図6】同実施形態のホームドア装置の構成を示す全閉状態の正面図である。
【
図7】ホームドア装置の第2実施形態の構成を示す全閉状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図6を参照して、ホームドア装置の第1実施形態について説明する。ホームドア装置は、駅のプラットホームに設置される。プラットホームには、プラットホームに停止する車両の扉の位置に合わせて、プラットホームに沿って複数のホームドア装置が設置される。
【0015】
(ホームドア装置1)
図1及び
図2に示すように、ホームドア装置1は、戸袋10と、第1扉30及び第2扉40と、を備える。戸袋10は、プラットホーム2上に設けられる。第1扉30及び第2扉40は、戸袋10の内部から水平方向に進退して開閉移動する。戸袋10は、一対の第1柱部材11及び第2柱部材12を備える。一対の第1柱部材11及び第2柱部材12は、プラットホーム2上に水平方向に間隔を空けて立設される。
【0016】
戸袋10は、一対の第1主筒部材21及び第2主筒部材22と、複数の副筒部材23と、を備える。第1主筒部材21、第2主筒部材22、及び副筒部材23は、一対の第1柱部材11及び第2柱部材12の間に掛け渡され、第1柱部材11及び第2柱部材12の内部まで設けられる。第1主筒部材21、第2主筒部材22、及び副筒部材23は、第1扉30及び第2扉40の進退方向に延出して設けられる。第1主筒部材21、第2主筒部材22、及び副筒部材23は、第1柱部材11及び第2柱部材12の延びる方向に並ぶ。戸袋10は、一対の第1柱部材11及び第2柱部材12と、第1主筒部材21、第2主筒部材22、及び副筒部材23とを覆う箱状ではなく、一対の第1柱部材11及び第2柱部材12が露出している。
【0017】
図3に示すように、第1扉30は、一対の第1主バー部材31及び第2主バー部材32と、複数の副バー部材33と、を備える。第1主バー部材31は、第1主筒部材21から進退する。第2主バー部材32は、第2主筒部材22から進退する。複数の副バー部材33は、複数の副筒部材23のそれぞれから進退する。すなわち、ホームドア装置1は、複数のバー部材が1つずつ進退する複数の筒部材を備える。第1主バー部材31、第2主バー部材32、及び複数の副バー部材33の先端には、これらの先端を繋ぐ戸先部材34が接続されている。
図1に示すように、第1主バー部材31、第2主バー部材32、及び複数の副バー部材33の進退方向における長さは、第1主筒部材21、第2主筒部材22、及び複数の副筒部材23の進退方向における長さとほぼ同じである。
図2に示すように、第1扉30が全開したときには、戸先部材34のみが露出する。
【0018】
図3に示すように、第2扉40は、一対の第1主バー部材41及び第2主バー部材42と、複数の副バー部材43と、を備える。第1主バー部材41は、第1主筒部材21から進退する。第2主バー部材42は、第2主筒部材22から進退する。複数の副バー部材43は、複数の副筒部材23のそれぞれから進退する。第1主バー部材41、第2主バー部材42、及び複数の副バー部材43の先端には、これらの先端を繋ぐ戸先部材44が接続されている。
図1に示すように、第1主バー部材41、第2主バー部材42、及び複数の副バー部材43の進退方向における長さは、第1主筒部材21、第2主筒部材22、及び複数の副筒部材23の進退方向における長さとほぼ同じである。
図2に示すように、第2扉40が全開したときには、戸先部材44のみが露出する。
【0019】
図1に示すように、ホームドア装置1は、第1駆動部51及び第2駆動部52と、制御部60と、を備える。第1駆動部51は、第1扉30を駆動する。第2駆動部52は、第2扉40を駆動する。制御部60は、第1駆動部51及び第2駆動部52を制御して第1扉30及び第2扉40を開閉移動させる。
【0020】
制御部60は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。制御部60は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用ハードウェア回路、又はその組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御部60は、直方体の箱に収容されている。ここでは箱を含めて制御部60とする。
【0021】
制御部60は、複数の筒部材の中でプラットホーム2に最も近い第2主筒部材22に取り付けられる。第1駆動部51は、第1柱部材11の内部に設けられる。第2駆動部52は、第2柱部材12の内部に設けられる。
【0022】
図4に示すように、制御部60と第1駆動部51及び第2駆動部52とを接続する第1配線61は、第2主筒部材22の内部に通される。第1配線61の長さは、制御部60の位置変更に対応可能なように位置変更量を含む長さである。
【0023】
図5に示すように、戸袋10は、調整部材70を備える。調整部材70は、第2主筒部材22への制御部60の取付位置を可変とする。調整部材70は、水平方向に延びる長孔71である。制御部60の上面には、複数のねじ72が固定されている。複数のねじ72が長孔71に挿入され、ねじ72の頭によって第2主筒部材22に支持されている。ねじ72が長孔71を移動することで、制御部60が第2主筒部材22に対して移動することができる。
【0024】
制御部60とプラットホーム2との間には、隙間Wが設けられる。ホームドア装置1は、接続筒部材90を備える。接続筒部材90は、制御部60とプラットホーム2とを接続する。接続筒部材90の一端は、制御部60の下面に接続されて制御部60の内部に貫通する。接続筒部材90の他端は、プラットホーム2に形成された配線孔80に接続している。接続筒部材90の他端は、配線孔80を貫通してもよい。接続筒部材90の内部には、第2配線62が通される。このため、埃や塵等が制御部60の内部やプラットホーム2の配線孔80に侵入することを抑制することができる。第2配線62は、制御部60と隣りのホームドア装置1の制御部60、第1駆動部51、第2駆動部52の少なくとも1つと接続される。このようにすることで、同一開口の扉の開閉駆動を同じ制御部60が制御することができる。
【0025】
(作用)
次に、上記ホームドア装置1の作用について説明する。
図1及び
図2に示すように、プラットホーム2の床板2Aは、鉄筋コンクリートで形成されている。このため、床板2Aの内部には、鉄筋等の芯材2Bが間隔を空けて設けられている。制御部60同士や制御盤(図示略)と制御部60とは、第2配線62によって接続されている。第2配線62を床板2Aに貫通させるときには、芯材2Bを避けて床板2Aに貫通孔である配線孔80を形成する必要がある。また、プラットホーム2にエキスパンションジョイントが設けられているときには、エキスパンションジョイントに配線孔80を形成することができないのでエキスパンションジョイントを避けて床板2Aに配線孔80を形成する必要がある。よって、
図4に示すように、ホームドア装置1の位置に対して配線孔80の位置が一定ではなく、左側に寄ることがある。
【0026】
配線孔80は、ホームドア装置1の一対の第1柱部材11及び第2柱部材12の間のプラットホーム2の床板2Aに形成される。そして、接続筒部材90を配線孔80に挿入する。
【0027】
制御部60は、調整部材70によって第2主筒部材22に対して開閉方向に移動可能である。すなわち、制御部60に固定されたねじ72が長孔71を移動することで制御部60が開閉方向に移動する。
図6に示すように、制御部60は、床板2Aに形成された配線孔80の位置に合わせて左側へ移動されて位置決めされる。そして、第2配線62を接続筒部材90に挿入して、接続筒部材90の先端を制御部60に接続する。よって、プラットホーム2の配線孔80の位置に応じて制御部60を移動させてホームドア装置1を設置することができる。
【0028】
ホームドア装置1の第1扉30及び第2扉40がバー部材で構成されているので、風の影響を低減することができる。これに伴い、第1扉30及び第2扉40を軽量化することができる。また、第1扉30及び第2扉40が全閉状態であるときには、戸袋10の部分が筒部材で構成されているので、風の影響を低減することができる。これに伴い、戸袋10を軽量化することができる。
【0029】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)制御部60が第1扉30及び第2扉40の進退方向に延出して設けられる第2主筒部材22への取付位置を調整部材70によって可変に取り付けられる。このため、プラットホーム2の床板2Aに形成された配線孔80の位置に応じて第2主筒部材22において制御部60を移動させることでプラットホーム2の芯材2Bを避けてホームドア装置1を設置することができる。
【0030】
(1-2)一対の第1柱部材11及び第2柱部材12の間に第2主筒部材22が掛け渡され、この第2主筒部材22に制御部60が取付位置を調整部材70によって可変に取り付けられる。このため、調整部材70を設けるための筒部材を別に設ける必要がない。
【0031】
(1-3)制御部60が複数の筒部材の中でプラットホーム2の床板2Aに最も近い第2主筒部材22に取り付けられる。このため、プラットホーム2の床板2Aに最も近い第2主筒部材22に沿って制御部60を移動させることができる。
【0032】
(1-4)調整部材70が制御部60を固定するねじ72が取り付けられる長孔71である。このため、制御部60を長孔71に沿って簡単に移動させることができる。
(1-5)第1配線61が第2主筒部材22の内部に通され、第1配線61が外部に晒されない。このため、第1配線61が汚れたり、破損したりすることを抑制することができる。
【0033】
(1-6)制御部60とプラットホーム2とを接続する接続筒部材90の内部にプラットホーム2から制御部60への第2配線62が通される。このため、埃や塵等が制御部60の内部やプラットホーム2の配線孔80に侵入することを抑制することができる。
【0034】
(1-7)制御部60とプラットホーム2との間には隙間Wが設けられる。このため、プラットホーム2の床板2Aの表面を流れる雨水が制御部60に浸入することを防ぐことができる。
【0035】
(第2実施形態)
以下、
図7を参照して、ホームドア装置の第2実施形態について説明する。この実施形態のホームドア装置は、戸袋が箱状である点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0036】
図7に示すように、ホームドア装置101は、戸袋110と、第1扉130及び第2扉140と、を備えている。戸袋110は、プラットホーム2上に設けられる。戸袋110は、直方体の箱である。戸袋110の両側面には、開口部が形成されている。第1扉130及び第2扉140は、戸袋110の開口部から突出して、水平方向に進退することで開閉移動する。
【0037】
戸袋110は、筒部材122を備える。筒部材122は、戸袋110の両側面の内壁に設けられる支持部材である。筒部材122は、プラットホーム2に近い位置に設けられる。筒部材122は、第1扉130及び第2扉140の進退方向に延出して設けられる。
【0038】
ホームドア装置101は、第1駆動部(図示略)及び第2駆動部(図示略)と、制御部60と、を備える。第1駆動部は、第1扉130を駆動する。第2駆動部は、第2扉140を駆動する。制御部60は、第1駆動部及び第2駆動部を制御して第1扉130及び第2扉140を開閉移動させる。制御部60は、第1実施形態と同様の構成である。制御部60は、プラットホーム2と筒部材122との間に設けられ、筒部材122の下部に取り付けられる。第1駆動部及び第2駆動部は、戸袋110の内部に設けられる。
【0039】
戸袋110は、調整部材70を備える。調整部材70は、筒部材122への制御部60の取付位置を可変とする。調整部材70は、第1実施形態と同様の構成である。ホームドア装置101は、接続筒部材90を備える。接続筒部材90は、制御部60とプラットホーム2とを接続する。接続筒部材90の一端は、制御部60の下面に接続されて制御部60の内部に貫通する。接続筒部材90の他端は、プラットホーム2に形成された配線孔80に接続している。接続筒部材90の他端は、配線孔80を貫通してもよい。接続筒部材90の内部には、第2配線62が通される。このため、埃や塵等が制御部60の内部やプラットホーム2の配線孔80に侵入することを抑制することができる。第2配線62は、制御部60と隣りのホームドア装置101の制御部60、第1駆動部、第2駆動部の少なくとも1つと接続される。このようにすることで、同一開口の扉の開閉駆動を同じ制御部60が制御することができる。
【0040】
(作用)
次に、上記ホームドア装置101の作用について説明する。
制御部60は、調整部材70によって筒部材122に対して開閉方向に移動可能である。すなわち、制御部60に固定されたねじが長孔を移動することで制御部60が開閉方向に移動する。制御部60は、床板2Aに形成された配線孔80の位置に合わせて移動されて位置決めされる。そして、第2配線62を接続筒部材90に挿入して、接続筒部材90の先端を制御部60に接続する。よって、プラットホーム2の配線孔80の位置に応じて制御部60を移動させてホームドア装置101を設置することができる。
【0041】
次に、第2実施形態の効果について説明する。なお、第1実施形態の(1-4)、(1-6)、及び(1-7)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(2-1)制御部60が第1扉130及び第2扉140の進退方向に延出して設けられる筒部材122への取付位置を調整部材70によって可変に取り付けられる。このため、プラットホーム2の床板2Aに形成された配線孔80の位置に応じて筒部材122において制御部60を移動させることでプラットホーム2の芯材2Bを避けてホームドア装置101を設置することができる。
【0042】
(2-2)戸袋110の両側面の内壁に筒部材122が設けられ、この筒部材122に制御部60が取付位置を調整部材70によって可変に取り付けられる。このため、調整部材70を設けるための筒部材を別に設ける必要がない。
【0043】
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0044】
・上記各実施形態では、制御部60とプラットホーム2とを接続する接続筒部材90を設けた。しかしながら、接続筒部材90を省略してもよい。の内部にプラットホーム2から制御部60への第2配線62が通される。の内部にプラットホーム2から制御部60への第2配線62が通される。
【0045】
・上記各実施形態では、制御部60とプラットホーム2との間に隙間Wを設けた。しかしながら、制御部60とプラットホーム2との間に隙間がなく、制御部60がプラットホーム2に接していてもよい。
【0046】
・上記各実施形態では、第1配線61を第2主筒部材22又は筒部材122の内部に通した。しかしながら、第1配線61を第2主筒部材22又は筒部材122の外部に設けてもよい。例えば、第1配線61を第2主筒部材22又は筒部材122の外面に取り付けてもよい。
【0047】
・上記各実施形態では、調整部材70をねじ72が取り付けられる長孔71とした。しかしながら、調整部材70をスライダ等の移動機構としてもよい。
・上記第1実施形態では、制御部60を複数の筒部材の中でプラットホーム2の床板2Aに最も近い第2主筒部材22に取り付けた。しかしながら、制御部60を複数の筒部材のいずれかに取り付けてもよい。
【0048】
・上記各実施形態では、第2主筒部材22又は筒部材122に制御部60を調整部材70によって可変に取り付けた。しかしながら、制御部60を取り付けるための専用の筒部材を設けてもよい。
【0049】
・上記各実施形態において、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成することができるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0050】
1…ホームドア装置
2…プラットホーム
2A…床板
2B…芯材
10…戸袋
11…第1柱部材
12…第2柱部材
21…第1主筒部材
22…第2主筒部材
23…副筒部材
30…第1扉
31…第1主バー部材
32…第2主バー部材
33…副バー部材
34…戸先部材
40…第2扉
41…第1主バー部材
42…第2主バー部材
43…副バー部材
44…戸先部材
51…第1駆動部
52…第2駆動部
60…制御部
61…第1配線
62…第2配線
70…調整部材
71…長孔
72…ねじ
80…配線孔
90…接続筒部材
101…ホームドア装置
110…戸袋
122…筒部材
130…第1扉
140…第2扉
W…隙間