(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122624
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】帳票編集装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20240902BHJP
G06F 40/169 20200101ALI20240902BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F40/169
G06T1/00 200C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030280
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】503473367
【氏名又は名称】株式会社トヨタエンタプライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】市川 雅一
【テーマコード(参考)】
5B050
5B109
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA09
5B050BA06
5B050BA10
5B050BA16
5B050BA20
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA12
5B050EA19
5B050FA02
5B050GA08
5B109SA14
5E555AA78
5E555BA02
5E555BA68
5E555BB02
5E555CA02
5E555CB02
5E555CB44
5E555CC03
5E555CC11
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC09
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ネットワークを介して任意のフォーマットの帳票を円滑に回覧し、かつ編集できる帳票編集装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像変換部及び帳票編集装置を備えるサーバにおいて、帳票編集装置は、オリジナル帳票画像メモリ、編集履歴メモリ、合成帳票画像生成部、合成帳票画像メモリ、基準座標メモリ、ポインタ座標比較部、編集内容特定部及び編集部を備え、オリジナル帳票画像メモリにオリジナルの帳票の画像をオリジナル帳票画像として保存させ、編集履歴メモリに、オリジナル帳票画像に施された第n編集の内容を保存させる合成帳票画像生成部に、第n編集の内容が反映された合成帳票画像を生成させる第n基準座標に基づき第nエリアに含まれる座標が第nポインタ活性座標として特定されると、第nポインタ活性座標に紐付けられた第n編集の内容を特定させ、編集部に、編集内容特定部により特定された第n編集の内容を編集させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリジナルの帳票の画像をオリジナル帳票画像として保存するオリジナル帳票画像メモリと、
前記オリジナル帳票画像に施された第n編集の内容を保存する編集履歴メモリと、ここに前記第n編集は前記オリジナル帳票画像の第nエリアにおいてなされている、
前記オリジナル帳票画像に第n編集の内容が反映された合成帳票画像を生成する合成帳票画像生成部と、
前記合成帳票画像を保存する合成帳票画像メモリと、
前記第n編集の内容に紐付けて第n基準座標を保存する基準座標メモリと、ここに第n基準座標に基づき前記第nエリアに含まれる座標が第nポインタ活性座標として特定される、
入力されたポインタの座標と前記第nポインタ活性座標とを比較するポインタ座標比較部と、
前記ポインタの座標が前記第nポインタ活性座標と一致したとき、前記第nポインタ活性座標に紐付けられた前記第n編集の内容を特定する編集内容特定部と、
前記編集内容特定部により特定された第n編集の内容を編集する、編集部と、
を備えてなる、帳票編集装置。
【請求項2】
前記編集部は、特定された前記第n編集が施された第nエリアの位置の変更、前記第n編集自体の削除又は前記第n編集の内容の変更を行う、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第n編集の内容はテキストデータを少なくとも含み、該テキストデータには第n編集を行った編集者を特定するデータが含まれる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
請求項1に記載の帳票編集装置を備えたサーバと、前記合成帳票画像を画面表示可能なクライアントと、を備えた帳票編集システムであって、
前記クライアントのディスプレイに表示された合成帳票画像においてポインタされた座標から前記合成帳票画像の座標を特定する、座標特定部を備え、
前記ポインタ座標比較部は、前記座標特定部により特定された前記合成帳票画像の座標を前記入力されたポインタの座標とする、帳票編集システム。
【請求項5】
前記サーバは前記クライアントのディスプレイに編集モードを表示させ、
該編集モードが活性化されたときに、前記座標特定部が活性化する請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記座標特定部が活性化された状態において、前記n基準座標に基づき前記第nポインタ活性座標が特定され、前記クライアントのディスプレイ上のポインタの座標が前記第nポインタ活性座標に一致したとき、
前記クライアントから前記編集部を操作して、前記編集内容特定部で特定された第n編集の内容を編集可能とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第n編集の内容に対する編集が完了した後、前記クライアントの操作書が編集者として前記編集履歴メモリに保存される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
オリジナル帳票画像メモリ、編集履歴メモリ、合成帳票画像生成部、合成帳票画像メモリ、基準座標メモリ、ポインタ座標比較部、編集内容特定部及び編集部を備えてなる帳票編集装置を用いる帳票編集方法であって、
前記オリジナル帳票画像メモリにオリジナルの帳票の画像をオリジナル帳票画像として保存させ、
前記編集履歴メモリに、前記オリジナル帳票画像に施された第n編集の内容を保存させ、ここに前記第n編集は前記オリジナル帳票画像の第nエリアにおいてなされている、
前記合成帳票画像生成部に前記オリジナル帳票画像に第n編集の内容が反映された合成帳票画像を生成させ、
前記合成帳票画像メモリに前記合成帳票画像を保存させ、
前記基準座標メモリに、前記第n編集の内容に紐付けて第n基準座標を保存させ、ここに第n基準座標に基づき前記第nエリアに含まれる座標が第nポインタ活性座標として特定される、
前記ポインタ座標比較部に入力されたポインタの座標と前記第nポインタ活性座標とを比較させ、
前記編集内容特定部に、前記ポインタの座標が前記第nポインタ活性座標と一致したとき、前記第nポインタ活性座標に紐付けられた前記第n編集の内容を特定させ、
前記編集部に、前記編集内容特定部により特定された第n編集の内容を編集させる、
帳票編集方法。
【請求項9】
オリジナル帳票画像メモリ、編集履歴メモリ、合成帳票画像生成部、合成帳票画像メモリ、基準座標メモリ、ポインタ座標比較部、編集内容特定部及び編集部を備えてなる帳票編集装置のコンピュータ用のコンピュータプログラムであって、
前記オリジナル帳票画像メモリにオリジナルの帳票の画像をオリジナル帳票画像として保存させ、
前記編集履歴メモリに、前記オリジナル帳票画像に施された第n編集の内容を保存させ、ここに前記第n編集は前記オリジナル帳票画像の第nエリアにおいてなされている、
前記合成帳票画像生成部に前記オリジナル帳票画像に第n編集の内容が反映された合成帳票画像を生成させ、
前記合成帳票画像メモリに前記合成帳票画像を保存させ、
前記基準座標メモリに、前記第n編集の内容に紐付けて第n基準座標を保存させ、ここに第n基準座標に基づき前記第nエリアに含まれる座標が第nポインタ活性座標として特定される、
前記編集内容特定部に、前記ポインタの座標が前記第nポインタ活性座標と一致したとき、前記第nポインタ活性座標に紐付けられた前記第n編集の内容を特定させ、
前記編集部に、前記編集内容特定部により特定された第n編集の内容を編集させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は帳票編集装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
会社、行政機関その他の組織において稟議書などの帳票は担当者間で回覧され、担当者の権限において修正、加筆が行われる。
昨今の帳票は電子化されており、電子ファイルとしてネットワークを介して担当者へ送付され、またその担当者から次の担当者へ送付される。
理想的には、組織において全ての帳票のフォーマットを統一すべきである。しかし、変化の激しい昨今においては新たな課題に対応する稟議書等は都度、担当者が独自のフォーマットで作成することがある。また、異なる組織との合併があれば、同じ課題に対する稟議書であってもそのフォーマットが異なることが生じる。
担当者によっては、そのPCが帳票のフォーマットに適用していないおそれもある。
この発明に関連する先行技術文献として特許文献1~3を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-192120号公報
【特許文献2】特許第4345726号公報
【特許文献3】特許第6965826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回覧すべき帳票のフォーマットに統一性が無いと、ネットワークを介してこれを円滑に回覧できないし、また編集することもできない。
他方、既存の異なるフォーマットで作成された帳票の全てを、統一したフォーマットにマニュアルで作り変えることは現実的ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その第1局面は次のように規定される。
オリジナルの帳票の画像をオリジナル帳票画像として保存するオリジナル帳票画像メモリと、
前記オリジナル帳票画像に施された第n編集の内容を保存する編集履歴メモリと、ここに前記第n編集は前記オリジナル帳票画像の第nエリアにおいてなされている、
前記オリジナル帳票画像に第n編集の内容が反映された合成帳票画像を生成する合成帳票画像生成部と、
前記合成帳票画像を保存する合成帳票画像メモリと、
前記第n編集の内容に紐付けて第n基準座標を保存する基準座標メモリと、ここに第n基準座標に基づき前記第nエリアに含まれる座標が第nポインタ活性座標として特定される、
入力されたポインタの座標と前記第nポインタ活性座標とを比較するポインタ座標比較部と、
前記ポインタ活性座標メモリを参照して、前記ポインタの座標が前記第nポインタ活性座標と一致したとき、前記第nポインタ活性座標に紐付けられた前記第n編集の内容を特定する編集内容特定部と、
前記編集内容特定部により特定された第n編集の内容を編集する、編集部と、
を備えてなる、帳票編集装置。
【0006】
このように規定される第1局面の帳票編集装置によれば、帳票が画像として取り扱われる。よって、オリジナルの帳票が如何なるフォーマットで作成されていても、これを画像データ化することで、ネットワークにのせる帳票のフォーマットが統一される。
かかるオリジナル帳票画像のデータとしては、汎用的でかつ編集が可能な画像データとする。例えば、JPEGやPNG等のデータ形式を採用することができる。帳票を閲覧するPCは当該画像データを編集可能な編集ソフトを備えているものとする。
【0007】
ネットワーク上で、即ちペーパーレスで回覧される帳票につき、担当者Kはその権限に応じてコメントを加えることがある。例えば、不明な記述に対して、その旨と質問の内容をオリジナル帳票画像の所望の領域に編集ソフトを用いて書き込んで(第1編集)、前担当者K-1へ送り返す。
この第1の局面の帳票編集装置では、第1編集の内容とその内容が表示されるべきオリジナル帳票画像の第1エリアが編集履歴メモリに保存される。
合成帳票生成部がオリジナル帳票画像に第1編集の内容を反映させた合成帳票画像を生成する。即ち、合成帳票画像では、オリジナル帳票画像の第1エリアに第1編集の内容が書き込まれている。前担当者K-1が帳票を閲覧するときは、この合成帳票画像が表示される。
【0008】
帳票が返却された担当者K-1は、第1編集の内容を検討して、帳票に必要な修正を加える。ここに、担当者K-1も編集ソフトを用いて、合成帳票画像の任意のエリア(第2エリア)へ修正内容を書き込むことができる(第2編集)。
なお、修正内容を書き込む位置が第1エリアと重なってそのポインタの座標が第1エリアの座標と一致すると、編集内容特定部が作用して第1編集の内容が特定され、編集部により、編集ソフトを用いて、第1編集の内容を編集できる。
このように、第1局面の帳票編集装置によれば、統一された画像データ(オリジナル帳票画像)が用いられるので、ネットワークにかかる負荷が小さくなる。帳票を閲覧、編集するソフトが統一できるからである。また、画像データであっても、任意に編集が加えられるので、組織内の稟議が効率的に行える。
【0009】
この発明の第2局面は次のように規定される。即ち、第1局面の帳票編集装置において、前記編集部は、特定された前記第n編集が施された第nエリアの位置の変更、前記第n編集自体の削除又は前記第n編集の内容の変更を行う。
このように規定される第2局面の帳票編集装置によれば編集に大きな自由度が確保される。
【0010】
この発明の第3局面は次のように規定される。即ち、第2局面の帳票編集装置において、前記第n編集の内容はテキストデータを少なくとも含み、該テキストデータには第n編集を行った編集者を特定するデータが含まれる。
このように規定される第3局面の帳票編集装置によれば、テキストデータとして編集が可能であるので、編集内容の情報量と正確さを担保できる。また、編集者も特定されるため、編集の責任の所在が明確になる。
【0011】
この発明の第4局面は次のように規定される。即ち、
第1局面に記載の帳票編集装置を備えたサーバと、前記合成帳票画像を画面表示可能なクライアントと、を備えた帳票編集システムであって、
前記クライアントのディスプレイに表示された合成帳票画像においてポインタされた座標から前記合成帳票画像の座標を特定する、座標特定部を備え、
前記ポインタ座標比較部は、前記座標特定部により特定された前記合成帳票画像の座標を前記入力されたポインタの座標とする、帳票編集システム。
このように規定される第4局面の帳票編集システムによれば、第1局面で規定した帳票編集装置をサーバとしてこれに接続可能なクライアントPCを用いて、サーバにある合成帳票画像の閲覧が可能となる。
また、座標特定部により、クライアントPCのディスプレイ上のポインタの位置が合成帳票画像の座標と対応されるので、クライアントPCからサーバ内の合成帳票画像の編集が可能となる。
【0012】
この発明の第5局面は次のように規定される。即ち、
第4局面に規定の帳票編集システムにおいて、前記サーバは前記クライアントのディスプレイに編集モードを表示させ、
該編集モードが活性化されたときに、前記座標特定部が活性化する。
このように規定される第5局面の帳票編集システムによれば、クライアントのディスプレイ上に編集モードを表示させ、この編集モードが活性化されたときのみ、表示された画像データ(オリジナル帳票画像若しくは合成帳票画像)を編集可能となるので、誤り編集を未然に防止できる。
【0013】
この発明の第6局面は次のように規定される。
第5局面に規定の座標編集システムにおいて、前記座標特定部が活性化された状態において、前記n基準座標に基づき前記第nポインタ活性座標が特定され、前記クライアントのディスプレイ上のポインタの座標が前記第nポインタ活性座標に一致したとき、
前記クライアントから前記編集部を操作して、前記編集内容特定部で特定された第n編集の内容を編集可能とする。
このように規定される第6局面の帳票編集システムによれば、クライアントPCからサーバ内の合成帳票画像への再編集が可能となる。
【0014】
この発明の第7局面は次のように規定される。
第6局面に規定の帳票編集システムにおいて、前記第n編集の内容に対する編集が完了した後、前記クライアントの操作書が編集者として前記編集履歴メモリに保存される。
このように規定される第7局面の帳票編集システムによれば、編集の責任者が記録されるので、編集の責任の所在を明確になる。
【0015】
この発明の第8局面は第1局面の帳票編集装置を用いる帳票編集方法であり、次のように規定される。
オリジナル帳票画像メモリ、編集履歴メモリ、合成帳票画像生成部、合成帳票画像メモリ、基準座標メモリ、ポインタ座標比較部、編集内容特定部及び編集部を備えてなる帳票編集装置を用いる帳票編集方法であって、
前記オリジナル帳票画像メモリにオリジナルの帳票の画像をオリジナル帳票画像として保存させ、
前記編集履歴メモリに、前記オリジナル帳票画像に施された第n編集の内容を保存させ、ここに前記第n編集は前記オリジナル帳票画像の第nエリアにおいてなされている、
前記合成帳票画像生成部に前記オリジナル帳票画像に第n編集の内容が反映された合成帳票画像を生成させ、
前記合成帳票画像メモリに前記合成帳票画像を保存させ、
前記基準座標メモリに、前記第n編集の内容に紐付けて第n基準座標を保存させ、ここに第n基準座標に基づき前記第nエリアに含まれる座標が第nポインタ活性座標として特定される、
前記ポインタ座標比較部に入力されたポインタの座標と前記第nポインタ活性座標とを比較させ、
前記編集内容特定部に、前記ポインタの座標が前記第nポインタ活性座標と一致したとき、前記第nポインタ活性座標に紐付けられた前記第n編集の内容を特定させ、
前記編集部に、前記編集内容特定部により特定された第n編集の内容を編集させる、
帳票編集方法。
【0016】
この発明の第9局面は第1局面の帳票編集装置のコンピュータに適用されるコンピュータプログラムであり、次のように規定される。
オリジナル帳票画像メモリ、編集履歴メモリ、合成帳票画像生成部、合成帳票画像メモリ、基準座標メモリ、ポインタ座標比較部、編集内容特定部及び編集部を備えてなる帳票編集装置のコンピュータ用のコンピュータプログラムであって、
前記オリジナル帳票画像メモリにオリジナルの帳票の画像をオリジナル帳票画像として保存させ、
前記編集履歴メモリに、前記オリジナル帳票画像に施された第n編集の内容を保存させ、ここに前記第n編集は前記オリジナル帳票画像の第nエリアにおいてなされている、
前記合成帳票画像生成部に前記オリジナル帳票画像に第n編集の内容が反映された合成帳票画像を生成させ、
前記合成帳票画像メモリに前記合成帳票画像を保存させ、
前記基準座標メモリに、前記第n編集の内容に紐付けて第n基準座標を保存させ、ここに第n基準座標に基づき前記第nエリアに含まれる座標が第nポインタ活性座標として特定される、
前記ポインタ座標比較部に入力されたポインタの座標と前記第nポインタ活性座標とを比較させ、
前記編集内容特定部に、前記ポインタの座標が前記第nポインタ活性座標と一致したとき、前記第nポインタ活性座標に紐付けられた前記第n編集の内容を特定させ、
前記編集部に、前記編集内容特定部により特定された第n編集の内容を編集させる、
コンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1はこの発明の実施形態の帳票編集装置を示すブロック図である。
【
図2】
図2は編集部13の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は編集履歴メモリ15の詳細を示すブロック図である。
【
図4】
図4は帳票編集装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5はオリジナル帳票画像への第1編集を示す模式図である。
【
図6】
図6は第1編集を反映した合成帳票画像への第2編集を示す模式図である。
【
図7】
図7は第1編集と第2編集を反映した合成帳票画像への第3編集を示す模式図である。
【
図8】
図8はこの発明の実施形態の帳票編集システムを示すブロック図である。
【
図9】
図9は帳票変種システムの動作を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は
図1の帳票編集装置に適用されるコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照しながら、説明する。
図1は、この発明の一の実施形態のサーバ1の構成を示すブロック図である。
サーバ1は画像変換部3、入力部4、ディスプレイ7及び帳票編集装置10を備える。
画像変換部3は各種のフォーマットで作成された帳票を所定の画像フォーマットへと変換する。紙出力された帳票を取り込むイメージスキャナも該当する。
【0019】
入力部4は編集入力部5とマウス6とを備える。編集入力部5は編集部13へ編集すべきデータを供給する。編集すべきデータには、テキスト、編集者を特定するデータ及び編集エリアが含まれる。マウス6はポインタとして機能し、編集すべきエリアの座標をポイントする。
ディスプレイ7には帳票画像が表示される。
【0020】
帳票編集装置10は、オリジナル帳票画像保存部11、編集部13、編集履歴メモリ15、合成帳票画像生成部16、合成帳票画像メモリ17、ポインタ座標比較部19及び編集内容特定部20を備える。
オリジナル帳票画像保存部11には、画像変換部3により画像化されたオリジナル帳票の画像が保存される。
【0021】
編集部13は、
図2に示す通り、エリア指定部31、テキスト入力部33、編集者入力部35及び編集状況出力部37を備える。エリア指定部31は、マウス6により指定された座標に基づき編集エリアを特定する。この編集エリアへテキスト入力部33を介してテキスト等を書き込むことができる。編集者入力部35は、編集を実行した担当者を編集者として編集エリアへ記録する。編集状況出力部37は編集の内容を、逐次、ディスプレイ7へ出力する。
【0022】
編集履歴メモリ15は、
図3に示す通り、内容保存部151とエリア座標保存部153(基準座標保存部)とを備える。
内容保存部151には第1~n編集内容保存部1511~151nが備えられる。
第n編集内容保存部151nには、
図3に示すように、テキスト保存部151n1、書式保存部151n3、編集者保存部151n5が備えられる。テキスト保存部151n1には編集部13のテキスト入力部33により入力されたテキストが保存される。書式保存部151n3には、編集部13のテキスト入力部33により入力されたテキストの書式(フォントや色など)が保存される。編集者保存部151n5には編集部13の編集者入力部35で入力された編集者の情報(テキストデータ)が保存される。
【0023】
第n編集エリア保存部153nには編集指示座標保存部153n1、テキストボックス座標保存部153n3及び引出し線座標保存部153n5が備えられる。これら保存部に保存される座標が第nポインタ活性座標となる。編集履歴メモリ15において、第n編集エリア保存部153nが保存する第nポインタ活性座標は、第n編集内容保存部151nが保存する編集内容に紐付けられている。
図5Bに、編集内容の例が示されている。編集指示座標P1の座標(xp1,yp1)、テキストボックスT1を規定する座標(xt1,yt1)、(xt2,yt2)、(xt3,yt3)及び(xt4,yt4)及び、引出し線座標L1を規定する座標(xp1、xp2)及び(xt1,xy1)が第n編集エリア保存部153nに保存される。
【0024】
合成帳票画像生成部16は、オリジナル帳票画像保存部11からベースとなるオリジナル帳票画像を読み出し、これへ編集履歴メモリ15に保存されている編集の内容を画像として合成し、合成帳票画像を生成する。生成された合成帳票画像は合成帳票画像メモリ17に保存される。なお、編集履歴メモリ15にデータがないときは、オリジナル帳票画像がこの合成帳票画像メモリ17に保存される。
ポインタ座標比較部19は、マウス6によりポイントされた座標とエリア座標保存部153に保存されている第nポインタ活性座標とを比較する。
編集内容特定部20は、マウス6によりポイントされた座標と第nポインタ活性座標とが一致したとき、編集部13に作用して、第nポインタ活性座標に紐付けられている編集内容を読み出し、これを編集可能とする。
上記の例では、テキストボックスT1に含まれる全ての座標を第n基準座標として第n編集エリア保存部153nに保存するものとし、当該全ての座標が第nポインタ活性座標となる。他方、テキストボックスT1の一点(例えば、引出し線座標L1を規定する角部座標(xt1,yt1)のみを第n基準座標として第n編集エリア保存部153nに保存するすることもできる。この場合、当該第n基準座標を基準として第n編集内容保存部151nの内容を参照して、所定のルールに基づき、当該内容が記述されるべきテキストボックスの領域が演算される。当該テキストボックス内に含まれる座標を特定して、これを第nポインタ活性座標とすることもできる。
【0025】
次に、帳票編集装置10の動作について、
図4のフローチャートを参照しながら、説明する。
図5から
図7にはディスプレイ7に表示される帳票画像の例を示している。
ステップ1では、画像変換部3を用いてオリジナル帳票を画像化し、そのオリジナル帳票画像をオリジナル帳票画像保存部11へ保存する。この画像化は、稟議書・申請書の起票者(担当者1□□)が行う。オリジナル帳票画像の例を
図5Aに示す。このオリジナル帳票の記載において、第3行の途中に「dddd」なる、不明瞭な記載があるものとする。
図5Aに示すオリジナル帳票画像が生成されると、その旨が組織内のルールに従って、次の担当者2〇〇に伝達され、もって、担当者2〇〇はオリジナル帳票画像を閲覧できることとなる。
【0026】
オリジナル帳票画像を閲覧した担当者2〇〇が、これを編集すべきと考えたとき、ステップ3において、入力部4のポインタ6を用いてオリジナル帳票画像をクリックすると、編集モードが表示される(図示せず)。編集モードには直接編集モードとコメント編集モードとがあり、
図5の例ではコメント編集モードが選択されたものとする。なお、編集モードが表示されないときは編集することができない。
次に、担当者2〇〇は、「dddd」なる記載の近くの座標(編集指示座標P1)をポイントする(
図5A)。
【0027】
ステップ5では、ポインタ座標比較部19がステップ3でポイントした編集指示座標P1(xp1,yp1)とエリア座標保存部153に保存されているポインタ活性座標とを比較する。両者が不一致のとき(ステップ5:N)、ステップ7へ進み、オリジナル帳票画像が編集可能となる。この例では、今回が第1編集であるため、編集指示座標P1が編集領域と一致することはない。即ち、編集指示座標P1とポインタ活性座標とが一致することはない。
ステップ7では、
図5Bに示すように、編集指示座標P1に対して、エリア指定部31により自動的にデフォルトのテキストボックスT1の座標群が特定されて表示される。その角部と編集指示座標P1との間に引出し線L1が設けられる。
【0028】
テキストボックスT1内には、テキスト入力部33を用いて、テキストを書き込むことができる。テキスト入力時に、テキストの文字の大きさ、色、線の太さ等も特定できる。かかる書式は書式保存部151n3に保存される。また、テキストの量に応じてテキストボックスを適宜拡大縮小、更には変形することも可能である。
図5Bの編集をした担当者2〇〇の氏名やIDをテキストとして、テキストボックスT1に書き込むことができる。担当者2〇〇の氏名は、通常は表示せず、テキストボックスT1がポインタされたとき、ポップアップ表示されるようにしてもよい。
【0029】
このようにして得られた第1編集の編集内容は編集履歴メモリ15に保存される。
合成帳票画像生成部16はオリジナル帳票画像と編集履歴メモリ15内の第1編集内容とを合成し、合成された合成帳票画像は合成帳票画像メモリ17に保存される。なお、合成帳票画像メモリ17には、最新編集履歴が反映された合成帳票画像が保存されている。
【0030】
担当者2〇〇は、担当者1□□に対して、「要確認」なるコメントを付したことを伝える。
担当者1□□が帳票編集装置10にアクセスすると、合成帳票画像メモリ17に保存されている合成帳票画像がディスプレイ7に表示される。即ち、
図6Aの合成帳票画像が表示される。
その内容を確認した担当者1□□は、編集モードを表示させたうえで直接編集モードを選択する。直接選択モードでは、汎用的な画像編集プログラムに従って、テキストや画像(取消線を含む)を挿入したり、画像のデータを消去したりすることができる。
かかる第2編集が終了すると、
図6Bの合成帳票画像が合成帳票画像メモリ17に保存される。
【0031】
更に担当者1□□は、修正した旨をコメントすべく、テキストボックスT1の一部をポイントし(
図7A)、活性化する((ステップ3):コメント編集モード)。
ポインタ座標比較部19が、編集指示座標P2と編集履歴メモリ15の第nポインタ活性座標とを比較する。ポインタの座標P2と第nポインタ活性座標(この場合は、第1ポインタ活性座標)とが一致するので(ステップ5:Y)、ステップ13へ進む。
ステップ13において、編集内容特定部20は、ポインタ座標比較部19の比較結果を反映して、第n編集の内容を読み出す。この例では、編集部13が第1編集の内容を読み出し、編集状況出力部37を介してディスプレイ7にこれを表示する。
【0032】
ステップ15において、担当者1□□は、テキストボックスT1に「修正しました」とのコメントを付加する。このコメントの追加は、デフォルトのテキストボックスT1内に収めることが好ましいが、コメントのデータ量が多いときは、テキストボックスT1を、自動的に若しくはマニュアルで拡張することができる。テキストボックスの拡張には、汎用的な画像編集ソフトの機能を用いることができる。
なお第n編集の内容の再編集には、第nエリアの位置の変更、前記第n編集自体の削除も含まれる。
このように再編集された内容は、第1編集内容保存部1511と第1編集エリア座標保存部1531とに上書きされる。
合成帳票画像生成部16は、このように更新された編集履歴メモリ15の内容をオリジナル帳票画像に合成し(
図7Bの合成帳票画像)、合成帳票画像メモリ17に保存する。
【0033】
ネットワークを介して既述のサーバ1(
図1参照)を利用する帳票編集システム100を
図8に示す。
この帳票編集システム100は、サーバ1、クライアント101及びネットワークNからなる。
ネットワークNは、インターネットや組織内のイントラネットなど、少なくとも画像ファイルが転送できるものとする。
クライアント101は汎用的なコンピュータ装置である。クライアント101の合成帳票画像メモリ110には、サーバ1の合成帳票画像メモリ17の画像データが、ネットワークN及びインターフェース120を介して読み込まれる。
合成帳票画像メモリ110に保存されている帳票画像は、画像ドライバ113により、ディスプレイ105に表示される。画像ドライバ113はユーザの要求に応じて、帳票画像を所定の変換パラメータに基づき変換(拡大若しくは縮小等)してディスプレイ105に表示する。よって、ディスプレイ105の座標と合成帳票画像メモリ110に保存されている帳票画像の座標とが対応つけられている。
【0034】
マウス102を用いて、ディスプレイ105の所望の位置、即ちディスプレイを構成する座標をポイントすると、座標特定部115は画像ドライバ113の変換パラメータを参照して、合成帳票画像メモリ110に保存されている帳票画像の座標を特定する。このように特定された座標は、ネットワークNを介してサーバ1の編集部13へ入力され、サーバ1の入力部4のマウス6の入力と同じ扱いとなる。
編集入力部103を用い、編集用のテキスト等を入力すると、入力した内容は編集内容バッファ117に一旦保存され、ネットワークNを介して、編集部13へ入力される。サーバ1の入力部4の編集入力部5の入力と同じ扱いとなる。
かかる編集が終了した時点で、クライアント101は、これを操作した担当者のID(又は氏名)を、ネットワークNを介して、サーバ1へ提供し、サーバ1の編集履歴メモリ151nの編集者保存部151n5に保存させることが好ましい。
【0035】
帳票編集システム100の動作を、
図9のフローチャートを参照して、説明する。
ステップ21において、クライアント101を起動すると、ネットワークNを介して、サーバ1にアクセスし、合成帳票画像メモリ17に保存されている帳票画像を読み出して、合成帳票画像メモリ110に取り込む。
ステップ23において、画像ドライバ113は合成帳票画像メモリ110に保存されている帳票画像を読み出して、ディスプレイ105に表示する。表示する際に用いた変換パラメータが画像ドライバ113の図示しないバッファメモリに保存される。
ステップ25において、座標特定部115は、変換パラメータに基づき、帳票画像の座標とディスプレイ105の座標とを対応させる。
これにより、クライアント100とサーバ1とが接続される。もって、クライアント100のマウス101によるポインタの動きがサーバ1の編集部13に反映され、クライアント100の編集入力部103による編集内容がサーバ1の編集部13に反映される。
その後の動作は
図4と同様になる。
【0036】
図10に、
図1に示した帳票編集装置10のハード構成を示す。
演算部300はCPU301、ROM303及びRAM305を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、編集部13、合成帳票画像生成部16、ポインタ座標比較部19及び編集内容特定部20の演算部分をつかさどる。ROM303は、演算部300を制御する制御プログラム等が格納された不揮発性メモリである。RAM305はCPU301に対してワーキングエリアを提供する。演算部300を制御する制御プログラムはROM303に限らずRAM305や第1記憶装置340に格納されていてもよい。ディスプレイ等で構成される出力装置320を介して各種のデータが出力される。画像変換部3や入力部4等で構成される入力装置330を介して編集内容等の必要なデータが入力される。
【0037】
第1記憶装置340はオリジナル帳票画像保存部11、編集履歴メモリ15及び合成帳票画像メモリ17として機能する。
第1記憶装置340はハードメモリやフラッシュメモリなど、サーバのメモリ装置の一部の領域を利用することが好ましい。
一時的に保存されるデータ用保存部としての、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。ネットワークには通信インターフェース360でつながれる。
コンピュータを構成する各装置はシステムバス370で連結されている。
【0038】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1 サーバ
10 帳票編集装置
13 編集部
15 編集履歴メモリ
16 合成帳票画像生成部
17 合成帳票画像メモリ
19 ポインタ座標比較部
20 編集内容特定部
100 帳票編集システム
101 クライアント
110 合成帳票画像メモリ
115 座標特定部