(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122641
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】現金処理装置、システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240902BHJP
G06Q 20/18 20120101ALI20240902BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G07G1/00 311E
G06Q20/18
G07G1/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030301
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】山本 陽菜
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142FA08
3E142FA50
3E142GA03
3E142GA16
3E142GA24
3E142GA41
3E142JA01
5L020AA38
5L055AA38
(57)【要約】
【課題】納付金の納付をセルフサービスで適切に実行することが可能な仕組みを提供する。
【解決手段】納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記納付期が記録された利用明細票を発行する発行部と、を備える現金処理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記納付期が記録された利用明細票を発行する発行部と、
を備える現金処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報に含まれる支払期限に基づいて、前記納付期を特定する、
請求項1に記載の現金処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の種別を特定し、
前記発行部は、前記特定部により特定された前記納付金の種別が記録された前記利用明細票を発行する、
請求項1に記載の現金処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報に含まれる、納付金を収納する収納者を表す収納者コード、及び自由に定義可能な自由記載欄の内容に基づいて、前記納付書に係る前記納付金の種別を特定する、
請求項3に記載の現金処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、特定された前記納付金の種別に基づいて前記納付期を特定する、
請求項3に記載の現金処理装置。
【請求項6】
前記現金処理装置は、前記納付書に係る納付金に対応する現金を収納する現金処理部をさらに備える、
請求項5に記載の現金処理装置。
【請求項7】
現金処理装置と制御装置と、を備え、
前記現金処理装置は、
納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記納付期が記録された利用明細票を発行する発行部と、
を有し、
前記制御装置は、
前記情報コードに対応付けられた情報と前記納付期との対応関係を記憶する記憶部、
を有し、
前記現金処理装置の前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報を前記制御装置に照会することで、前記納付書に係る納付金の納付期を特定する、
システム。
【請求項8】
前記制御装置の前記記憶部は、前記情報コードに対応付けられた情報と前記納付書に係る納付金の種別との対応関係を記憶し、
前記現金処理装置の前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報を前記制御装置に照会することで、前記納付書に係る納付金の種別を特定し、
前記現金処理装置の前記発行部は、前記特定部により特定された前記納付金の種別が記録された前記利用明細票を発行する、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
現金処理装置を制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、
前記現金処理装置は、
利用明細票を発行する発行部、
を有し、
前記制御方法は、
納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定することと、
特定された前記納付期が記録された前記利用明細票を発行するよう前記発行部を制御することと、
を含む、制御方法。
【請求項10】
現金処理装置を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記現金処理装置は、
利用明細票を発行する発行部、
を有し、
前記プログラムは、
納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定することと、
特定された前記納付期が記録された前記利用明細票を発行するよう前記発行部を制御することと、
を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金処理装置、システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストア等の店舗及び金融機関の派出所において、税金、又は公共料金等の納付金の納付を行うための収納代行システムが広く利用されている。上記収納代行業務は、以下のようにして行われる。例えば、納付者である顧客が、事業者等から送付された納付書をコンビニエンスストア等の店舗又は金融機関の派出所に持参し、当該店舗の店員又は当該派出所の行員が、上記納付書を受取り、納付書に記録されたバーコードを端末に読み取らせる。さらに、当該店員又は当該行員が、納付者から現金を受け取り、上記端末に対して読み取られたバーコードに対応する収納処理を行うように指示をする。そして、当該店員又は当該行員は、処理済みの納付書に領収印を押印して、領収書として納付者に返却する。このようなコンビニエンスストア等の店舗及び金融機関の派出所で行われる収納代行業務に関し、例えば、下記特許文献1には、分割納付の際の手続きミスを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、開発されてから未だ日が浅く、様々な観点で向上の余地が残されている。例えば、店舗の店員及び派出所の行員による手作業が未だに要されていた点が、そのような観点の一例である。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、納付金の納付をセルフサービスで適切に実行することが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記納付期が記録された利用明細票を発行する発行部と、を備える現金処理装置が提供される。
【0007】
前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報に含まれる支払期限に基づいて、前記納付期を特定してもよい。
【0008】
前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の種別を特定し、前記発行部は、前記特定部により特定された前記納付金の種別が記録された前記利用明細票を発行してもよい。
【0009】
前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報に含まれる、納付金を収納する収納者を表す収納者コード、及び自由に定義可能な自由記載欄の内容に基づいて、前記納付書に係る前記納付金の種別を特定してもよい。
【0010】
前記特定部は、特定された前記納付金の種別に基づいて前記納付期を特定してもよい。
【0011】
前記現金処理装置は、前記納付書に係る納付金に対応する現金を収納する現金処理部をさらに備えていてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、現金処理装置と制御装置と、を備え、前記現金処理装置は、納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記納付期が記録された利用明細票を発行する発行部と、を有し、前記制御装置は、前記情報コードに対応付けられた情報と前記納付期との対応関係を記憶する記憶部、を有し、前記現金処理装置の前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報を前記制御装置に照会することで、前記納付書に係る納付金の納付期を特定する、システムが提供される。
【0013】
前記制御装置の前記記憶部は、前記情報コードに対応付けられた情報と前記納付書に係る納付金の種別との対応関係を記憶し、前記現金処理装置の前記特定部は、前記情報コードに対応付けられた情報を前記制御装置に照会することで、前記納付書に係る納付金の種別を特定し、前記現金処理装置の前記発行部は、前記特定部により特定された前記納付金の種別が記録された前記利用明細票を発行してもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、現金処理装置を制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、前記現金処理装置は、利用明細票を発行する発行部、を有し、前記制御方法は、納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定することと、特定された前記納付期が記録された前記利用明細票を発行するよう前記発行部を制御することと、を含む、制御方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、現金処理装置を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記現金処理装置は、利用明細票を発行する発行部、を有し、前記プログラムは、納付書に付された情報コードに対応付けられた情報に基づいて、前記納付書に係る納付金の納付期を特定することと、特定された前記納付期が記録された前記利用明細票を発行するよう前記発行部を制御することと、を含む、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、納付金の納付をセルフサービスで適切に実行することが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る現金処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る制御装置により実行されるバーコード情報変換テーブル登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係るシステムにより実行される納付書に係る納付金の収納処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図6】本実施形態に係るシステムにより実行されるバーコード情報変換処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
<1.構成例>
(1)システム1
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、システム1は、現金処理装置10及び制御装置20を含む。現金処理装置10と制御装置20とは、ローカルネットワーク90を介して接続される。ローカルネットワーク90は、LAN(Local Area Network)又は専用線等により構築された、プライベートなネットワークである。他方、現金処理装置10及び制御装置20は、システム1の外部とは接続しない。
【0020】
システム1には、納付金の納付者及び納付金の収納者が関与する。納付者とは、納付金を納付する者である。収納者とは、納付者により納付された納付金を収納する者である。即ち、収納者は、納付金の納付先である。収納者は、自治体又は公営企業等であってよい。ここで、本実施の形態においては、「自治体」の用語を、自治の権能を与えられた公の団体、自治団体、及び地方公共団体を表す語として用いる。さらに本実施の形態においては、「自治体」の用語を、上述した団体に加えて、上述した団体が複数にまとまった団体及び上述した複数の団体を統括する団体を表す語としても用いる。なお、納付者が納付金を納付することは、現金処理装置10等の収納者側が納付金を収納することと同義であるものとする。
【0021】
納付者は、システム1を介して納付書に係る納付金の納付を行う。納付書は、納付すべき納付金に関する各種情報が記録された、紙媒体、電子メール、電子文書等を含む任意の媒体である。例えば、納付書に記録される情報としては、納付者、収納者、納付金の種別、支払期限、納付期、及び支払金額が挙げられる。納付金の種別としては、自動車税、軽自動車税、住民税、介護保険料、不動産取得税、事業所税、水道料金、固定資産税、個人事業税、法人市民税、市たばこ税、使用料、利用料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、放送受信料等が挙げられる。支払期限とは、納付書に係る納付金の納付期限であり、例えば年月日により特定される。納付期とは、納付書に係る納付金を納付すべき期間の名称であり、例えば年度ごとに最初の納付期が1期、次の納付期が2期、と命名される。納付金の種別ごとに異なる納付期が設定され得る。例えば、年度が切り替わるタイミング(即ち、1期目の納付期がスタートするタイミング)、及び/又は1期分の長さが、納付金の種別ごとに異なり得る。支払金額とは、納付書に係る納付金の金額である。納付書には、これらの情報に加え、所定の情報が対応付けられたバーコードが付される。納付書にバーコードが付される際の形態は特に限定されないが、以下では納付書にバーコードが記録(印字又は貼付等)されるものとする。また、バーコードに所定の情報が対応付けられる際の形態は特に限定されないが、以下ではバーコードに所定の情報が格納されるものとする。バーコードに格納された情報を、以下ではバーコード情報とも称する。
【0022】
バーコード情報は、CNS(Chigin Network Service)コード、自由記載欄、支払期限、及び支払金額を少なくとも含む。CNSコードとは、収納者を表す情報である、収納者コードの一例である。自由記載欄は、格納する情報を収納者等が自由に定義可能な欄である。自由記載欄には、例えば、利用企業コードが含まれ得る。利用企業コードとは、代金の収納の代行を行う代行事業者を表す情報である。自由記載欄は、他に、納付者個人を特定する納付者識別コードを含んでいてもよい。若しくは、バーコード情報全体(即ち、全桁)により、納付者個人が特定されてもよい。
【0023】
現金処理装置10は、顧客によるセルフサービスでの操作を受け付け、納付書に係る納付金の納付を受け付ける装置である。現金処理装置10は、現金による入出金を受け付ける現金処理部11、納付書に記録されたバーコードを読み取るバーコードリーダ12、レシートをプリントするレシートプリンタ13、及びセルフサービスでの納付方法をガイドするタッチパネル14を含む。これらの構成要素については、後に詳しく説明する。
【0024】
制御装置20は、現金処理装置10による納付金の納付に関する各種情報を管理する装置である。制御装置20は、例えば自治体職員等のオペレータによる操作に基づき、各種情報の登録を行う。なお、制御装置20は、汎用のPC(Personal Computer)であってよい。
【0025】
本実施形態に係る現金処理装置10によれば、顧客は、納付金の納付をセルフサービスにより実行することができる。ただし、セルフサービスによる納付金の納付を単純に可能にしただけでは、以下に述べる問題が残る。即ち、納付金の納付後に領収印のない納付書が顧客の手元に残り、レシートプリンタから発行されるレシートが領収書となる。しかしながら、納付金を納付した日付及び時刻等の一般情報を印字したレシートを発行しただけでは、納付者がどの納付金を納付したかを確認することが困難であった。
【0026】
そこで、本実施形態に係る現金処理装置10は、納付書から読み取ったバーコード情報を利用して、納付者がどの納付金を納付したかを特定するための十分な情報を記録したレシートを発行する。納付者は、かかるレシートを参照することで、どの納付金を納付したかを容易に確認することが可能となる。このようにして、納付金の納付をセルフサービスで適切に実行することが可能な仕組みが提供される。
【0027】
(2)現金処理装置10
図2は、本実施形態に係る現金処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、現金処理装置10は、現金処理部11、バーコードリーダ12、レシートプリンタ13、タッチパネル14、通信部15、記憶部16、及び制御部17を含む。
【0028】
現金処理部11は、現金の入出金に関する処理を行う構成である。例えば、現金処理部11は、紙幣の投入及び排出を行う紙幣投入口、硬貨の投入及び排出を行う硬貨投入口、並びに紙幣投入口及び硬貨投入口に投入された現金を計数する計数部を有する。そして、現金処理部11は、計数された現金を現金処理装置10内部に収納する入金処理、及び釣銭を出金する出金処理を行う。本実施形態に係る現金処理部11は、納付書に係る納付金に対応する現金を収納する。
【0029】
バーコードリーダ12は、納付書に記録されたバーコードを読み取る読取部として機能する構成である。納付者は、納付書に記録されたバーコードをバーコードリーダ12にかざすことで、バーコードをバーコードリーダ12に読み取らせることができる。
【0030】
レシートプリンタ13は、現金処理装置10の利用内容を記録した利用明細票であるレシートを発行する発行部として機能する構成である。レシートプリンタ13は、紙状媒体へ情報を印刷し、情報が印刷された紙状媒体を、レシートとして排出する。レシートプリンタ13は、バーコード情報に含まれる各種情報の他に、バーコード情報に基づいて制御部17により特定された納付書に係る納付金の種別及び納付期を記録したレシートを発行する。
【0031】
タッチパネル14は、情報を表示する表示機能と、情報の入力操作を受け付ける入力機能と、を有する構成である。タッチパネル14は、例えば、現金処理装置10を利用して納付金を納付するための操作方法を表示したり、入金額を表示したり、納付実行の承認を受け付けたりする。表示機能は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置等により実現される。また、入力機能は、例えば、タッチパネルにより実現される。
【0032】
通信部15は、有線又は無線により他の装置との間で情報の送受信を行うための通信モジュールである。例えば、通信部15は、ローカルネットワーク90に接続され、制御装置20と通信する。そして、通信部15は、納付金の種別及び納付期を特定するための情報を、制御装置20との間で送受信し得る。ここで、通信部15は、TLS(Transport Layer Security)又はSSL(Secure Socket Layer)を用いた暗号通信を行ってもよい。
【0033】
記憶部16は、現金処理装置10により利用される各種情報を記憶する構成である。記憶部16は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶媒体により構成される。例えば、記憶部16は、現金処理部11により実行された現金の入出金履歴、バーコードリーダ12により読み取られたバーコードに含まれる情報、タッチパネル14に入力された情報、及びタッチパネル14の表示を制御するための情報を記憶する。また、記憶部16は、現金処理装置10の動作を制御するための制御プログラムを記憶する。
【0034】
制御部17は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従って現金処理装置10内の動作全般を制御する。制御部17は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部17は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。制御部17は、現金処理装置10の各構成要素の動作を制御する。以下、制御部17による制御の一例を説明する。
【0035】
例えば、制御部17は、バーコードリーダ12を制御して、納付書に記録されたバーコードを読み取る。そして、バーコードリーダ12により読み取られたバーコードを解析して、バーコード情報を取得する。さらに、制御部17は、取得したバーコード情報に基づいて、納付書に係る納付金の納付を現金処理装置10により受け付け可能であるか否かをチェックする。例えば、制御部17は、そもそも受け付け対象外の納付書、又は既に納付金を収納済みの納付書については、受け付け不可を判定し、その旨をタッチパネル14に表示させる。なお、現金処理装置10が図示しない音声出力部を有する場合、制御部17は、受け付け不可の旨の音声を当該図示しない音声出力部に出力させてもよい。現金処理装置10が図示しないLED(Light Emitting Diode)回転灯などの警告灯を有する場合、制御部17は、受け付け不可の旨を警告灯に点灯させてもよい。また、制御部17は、制御装置20などの他の端末装置に、受け付け不可の旨の通知を送信するよう通信部15を制御してもよい。制御装置20などの他の端末装置は、当該取引を受け付け不可の旨の通知を受信した場合に、表示部を有していれば受け付け不可の旨を表示部に表示させてもよく、音声出力部を有していれば受け付け不可の旨を音声出力部に出力させてもよく、警告灯を有していれば受け付け不可の旨を警告灯に点灯させてもよい。
【0036】
例えば、制御部17は、バーコード情報に基づく入金処理又は出金処理を行うよう、現金処理部11を制御する。詳しくは、制御部17は、納付者により投入された現金を収納し釣銭が有る場合は釣銭を返却するよう、現金処理部11を制御する。
【0037】
例えば、制御部17は、納付書に係る納付金の納付に関する情報を、制御装置20に登録する。詳しくは、制御部17は、制御装置20に記憶された後述する収納履歴DB(Data Base)に、納付書に係る納付金の納付が完了したこと、即ち納付書に係る納付金の収納が完了したことを示す情報を登録する。
【0038】
例えば、制御部17は、バーコードリーダ12により読み取られたバーコードから取得したバーコード情報に基づいて、納付書に係る納付金の種別及び納付期を特定する特定部として機能する。詳しくは、制御部17は、バーコード情報と制御装置20に記憶された後述するバーコード情報変換テーブルとに基づいて、納付書に係る納付金の種別及び納付期を特定する。
【0039】
例えば、制御部17は、納付書に係る納付金の納付に関する情報を印字したレシートを納付者に返却する処理を制御する。詳しくは、制御部17は、納付金を納付した日付及び時刻等の一般情報、バーコード情報に含まれる情報、及びバーコード情報に基づいて特定された納付金の種別及び納付期等を印字したレシートを発行するよう、レシートプリンタ13を制御する。
【0040】
(3)制御装置20
図3は、本実施形態に係る制御装置20の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置20は、入力部21、出力部22、通信部23、記憶部24、及び制御部25を含む。
【0041】
入力部21は、情報の入力を受け付ける機能を有する構成である。入力部21は、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパッド等によって実現される。例えば、入力部21は、オペレータからの情報の入力を受け付ける。
【0042】
出力部22は、情報を出力する機能を有する構成である。出力部22は、例えば、ディスプレイ装置、プロジェクタ、又はスピーカ等によって実現される。例えば、出力部22は、オペレータに情報の入力画面を表示する。
【0043】
通信部23は、有線又は無線により他の装置との間で情報の送受信を行うための通信モジュールである。例えば、通信部23は、ローカルネットワーク90に接続され、現金処理装置10と通信する。そして、通信部23は、現金処理装置10が納付金の種別及び納付期を特定するための情報を、現金処理装置10との間で送受信し得る。ここで、通信部15は、TLS(Transport Layer Security)又はSSL(Secure Socket Layer)を用いた暗号通信を行ってもよい。
【0044】
記憶部24は、制御装置20により利用される各種情報を記憶する構成である。記憶部24は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶媒体により構成される。記憶部24に記憶される情報については、後に詳しく説明する。
【0045】
制御部25は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従って制御装置20内の動作全般を制御する。制御部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部25は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。制御部25は、制御装置20の各構成要素の動作を制御する。以下、制御部25による制御の一例を説明する。
【0046】
(納付金種別変換テーブル)
制御部25は、納付金種別変換テーブルを構築して、記憶部24に記憶させる。納付金種別変換テーブルは、バーコード情報と納付金の種別との対応関係を定義したテーブルであり、バーコード情報を他の情報に変換するバーコード情報変換テーブルの一例である。納付金種別変換テーブルは、バーコード情報を納付金の種別に変換するために利用される。例えば、制御部25は、入力部21に入力されたバーコード情報と納付金の種別との組み合わせをフィールドとして含むレコードを、納付金種別変換テーブルに追加する。納付金種別変換テーブルの一例を、下記の表1に示す。
【0047】
【0048】
上記表1に示すように、バーコード情報のうちCNSコード及び利用企業コードの組み合わせが、納付金の種別に対応付けられていてもよい。
【0049】
(納付期変換テーブル)
制御部25は、納付期変換テーブルを構築して、記憶部24に記憶させる。納付期変換テーブルは、バーコード情報と納付期との対応関係を定義したテーブルであり、バーコード情報変換テーブルの一例である。納付期変換テーブルは、バーコード情報を納付期に変換するために利用される。例えば、制御部25は、入力部21に入力されたバーコード情報と納付期との組み合わせをフィールドとして含むレコードを、納付期変換テーブルに追加する。納付期変換テーブルの一例を、下記の表2に示す。
【0050】
【0051】
上記表2に示すように、バーコード情報のうち支払期限の月と、バーコード情報と納付金種別変換テーブルとにより特定される納付金の種別との組み合わせが、納付期に対応付けられていてもよい。
【0052】
(収納履歴DB)
制御部25は、収納履歴DBを構築して、記憶部24に記憶させる。収納履歴DBとは、納付書に係る納付金の収納履歴を格納するDBである。例えば、制御部25は、新たに発行された納付書のバーコード情報と、当該納付書に係る納付金の収納の収納状態を示す情報として収納未済であることを示す情報と、をフィールドとして含むレコードを、収納履歴DBに初期登録する。その後、制御部25は、現金処理装置10により納付書に係る納付金の収納が実行されると、当該納付書に対応するレコードの収納状態を示す情報を収納済みに更新するよう、収納履歴DBを更新する。なお、納付書には、現金処理装置10により受け付け可能な納付書と不可能な納付書とが存在し得る。そのため、収納履歴DBに記憶されるレコードは、納付書が現金処理装置10の受付対象か否かを示す情報をフィールドとして含んでいてもよい。収納履歴DBの一例を、下記の表3に示す。
【0053】
【0054】
受付対象フラグの、「0」が受付対象外であることを示し、「1」が受付対象であることを示している。収納済みフラグは、「0」が収納未済であることを示し、「1」が収納済みであることを示し、「―」が受付対象外であることを示している。現金処理装置10は、受付対象フラグ「1」であり、且つ収納済みフラグ「0」の納付書に係る納付金を収納可能である。
【0055】
<2.処理例>
(1)バーコード情報変換テーブル登録処理
制御装置20は、オペレータによる操作に基づいて、バーコード情報変換テーブルに新たな情報を登録する、バーコード情報変換テーブル登録処理を実行する。かかる処理について、
図4を参照しながら説明する。
【0056】
図4は、本実施形態に係る制御装置20により実行されるバーコード情報変換テーブル登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0057】
図4に示すように、まず、オペレータによる操作に基づいて、制御装置20は、起動する(ステップS101)。例えば、制御装置20は、オペレータによる電源ON操作に基づいて、起動する。
【0058】
次いで、制御装置20は、オペレータによる操作に基づいて、納付金種別登録画面を表示する(ステップS103)。例えば、納付金種別登録画面は、CNSコード及び利用企業コードの入力欄と、これらのバーコード情報に対応する納付金種別の入力欄と、を有する画面であってよい。
【0059】
次に、制御装置20は、オペレータによる操作に基づいて、納付金種別変換テーブルにバーコード情報と納付金種別との対応関係を登録する(ステップS105)。例えば、制御装置20は、納付金種別登録画面において入力された、CNSコード、利用企業コード、及びこれらのバーコード情報に対応する納付金種別をフィールドとして含むレコードを、納付金種別変換テーブルに追加する。
【0060】
次いで、制御装置20は、オペレータによる操作に基づいて、納付期登録画面を表示する(ステップS107)。例えば、納付期登録画面は、納付金種別及び支払期限の月の入力欄と、これらのバーコード情報から特定される情報に対応する納付期の入力欄と、を有する画面であってよい。
【0061】
次に、制御装置20は、オペレータによる操作に基づいて、納付期変換テーブルにバーコード情報と納付期との対応関係を登録する(ステップS109)。例えば、制御装置20は、納付期登録画面において入力された、納付金種別、支払期限の月、及びこれらのバーコード情報から特定される情報に対応する納付期をフィールドとして含むレコードを、納付期変換テーブルに追加する。
【0062】
(2)納付書に係る納付金の収納処理
システム1は、納付者による現金処理装置10に対する操作に基づいて、納付書に係る納付金を収納する収納処理を実行する。かかる処理について、
図5を参照しながら説明する。
【0063】
図5は、本実施形態に係るシステム1により実行される納付書に係る納付金の収納処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、現金処理装置10及び制御装置20が関与する。
【0064】
図5に示すように、まず、現金処理装置10は、納付者による操作に基づいて、納付書読み取り画面を表示する(ステップS201)。例えば、現金処理装置10は、「いらっしゃいませ、画面をタッチして下さい」といった文言を含む初期画面をタッチパネル14に表示し、納付者が初期画面をタッチしたことをトリガとして、納付書読み取り画面を表示する。納付書読み取り画面は、納付書の読み取りをガイドする画面であり、例えば、納付書のバーコードをバーコードリーダ12にかざすよう案内する文言を表示する。
【0065】
次いで、現金処理装置10は、納付書に記録されたバーコードを読み取る(ステップS203)。例えば、現金処理装置10は、バーコードリーダ12により、納付書のバーコードを読み取り、バーコード情報を取得する。
【0066】
次に、現金処理装置10は、取得したバーコード情報をチェックする(ステップS205)。詳しくは、現金処理装置10は、ステップS203において取得したバーコード情報を制御装置20の収納履歴DBに照会して、受け付け可能な納付書であるか否かを判定する(ステップS206)。例えば、現金処理装置10は、受付対象フラグ「1」であり、且つ収納済みフラグ「0」である納付書を受け付け可能と判定し、それ以外を受け付け不可能と判定する。そして、現金処理装置10は、受け付け可否を示す情報を画面に表示する。納付書が複数枚ある場合、現金処理装置10は、ステップS203~S206にかかる処理を繰り返す。現金処理装置10は、最大20枚までの納付書のバーコードを読み取り可能であるものとする。
【0067】
次に、現金処理装置10は、納付者が投入した現金を収納する(ステップS207)。例えば、現金処理装置10は、バーコード情報に含まれる支払金額を画面に表示し、当該画面に沿って納付者が投入した現金を収納する。ただし、現金処理装置10は、釣銭が有る場合には、釣銭を払い出す(ステップS209)。
【0068】
次いで、現金処理装置10は、制御装置20の収納履歴DBに収納履歴を登録する(ステップS211及びS212)。例えば、現金処理装置10は、制御装置20の収納履歴DBにおける収納済みフラグを、「0」から「1」に更新する。
【0069】
次に、現金処理装置10は、バーコード情報に基づいて、納付金種別及び納付期を特定する(ステップS213)。例えば、現金処理装置10は、バーコード情報を制御装置20のバーコード情報変換テーブルに照会することで、納付金種別及び納付期を特定する(ステップS214)。ここでの詳細な処理については、後に詳しく説明する。
【0070】
そして、現金処理装置10は、利用明細票を発行する(ステップS215)。例えば、現金処理装置10は、納付金を納付した日付及び時刻等の一般情報、バーコード情報に含まれる情報、及びバーコード情報に基づいて特定された納付金の種別及び納付期等を印字したレシートを、レシートプリンタ13により発行する。
【0071】
(3)バーコード情報変換処理
図5に示したステップS213及びS214のように、システム1は、バーコード情報に基づいて、納付金種別及び納付期を特定する、バーコード情報変換処理を行う。
【0072】
制御部17は、バーコード情報を制御装置20に照会することで、納付書に係る納付金の種別を特定する。詳しくは、制御部17は、バーコード情報に含まれるCNSコード及び自由記載欄の内容に基づいて、納付書に係る納付金の種別を特定する。例えば、制御部17は、バーコード情報に含まれるCNSコード及び利用企業コードに対応する納付金種別を、表1に示した納付金種別変換テーブルを参照して特定する。
【0073】
制御部17は、バーコード情報を制御装置20に照会することで、納付書に係る納付金の納付期を特定する。詳しくは、制御部17は、バーコード情報に含まれる支払期限に基づいて、納付期を特定する。ここで、表2に示したように、納付金の種別ごとに、同じ支払期限であっても納付期が異なり得る。そこで、制御部17は、支払期限に加え、特定された納付金の種別に基づいて、納付期を特定する。例えば、制御部17は、支払期限の月及び納付金の種別に対応する納付期を、表2に示した納付期変換テーブルを参照して特定する。
【0074】
以上説明したバーコード情報変換処理の流れの一例を、
図6を参照しながら説明する。
【0075】
図6は、本実施形態に係るシステム1により実行されるバーコード情報変換処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、現金処理装置10及び制御装置20が関与する。本シーケンスは、
図5に示したステップS213及びS214に係る処理の流れの一例を、より詳細に示している。
【0076】
図6に示すように、まず、現金処理装置10は、バーコード情報から、CNSコード、利用企業コード、及び支払期限の月を取得する(ステップS301)。
【0077】
次いで、現金処理装置10は、CNSコード及び利用企業コードに基づいて、納付金種別を特定する(ステップS302)。例えば、現金処理装置10は、CNSコード「12233」及び利用企業コード「22445」を制御装置20に送信する(ステップS304)。制御装置20は、バーコード情報変換テーブル(より詳しくは、表1に示した納付金種別変換テーブル)を参照して、CNSコード「12233」及び利用企業コード「22445」に対応する納付金種別「市県民税」を、現金処理装置10に返信する(ステップS305)。このように、現金処理装置10は、制御装置20への照会を経て、納付金種別が市県民税であることを特定する。なお、バーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付金種別変換テーブル)は、制御装置20を用いてオペレータの操作によって作成されてもよい。このとき、バーコード情報変換テーブル作成のためのツールは、制御装置20にダウンロードされて用いられるアプリケーションとしてあらかじめ用意されていてもよいし、ブラウザ上において動作するWebアプリケーションとしてあらかじめ用意されていてもよい。あるいは、バーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付金種別変換テーブル)は、図示しない記憶媒体によって記憶されており、当該記憶媒体から制御装置20の制御部25によって取得されてもよい。そして、制御部25は、取得したバーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付金種別変換テーブル)を記憶部24に記憶させてもよい。さらには、バーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付金種別変換テーブル)は、予め作成されたバーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付金種別変換テーブル)を記憶する所定の装置から通信部23を介してダウンロードすることで取得され、記憶部24に記憶されてもよい。
【0078】
次に、現金処理装置10は、納付金種別と支払期限の月に基づいて、納付期を特定する(ステップS307)。例えば、現金処理装置10は、納付金種別「市県民税」及び支払期限の月「4月」を制御装置20に送信する(ステップS308)。制御装置20は、バーコード情報変換テーブル(より詳しくは、表2に示した納付期変換テーブル)を参照して、納付金種別「市県民税」及び支払期限の月「4月」に対応する納付期「1期」を、現金処理装置10に返信する(ステップS309)。このように、現金処理装置10は、制御装置20への照会を経て、納付期が1期であることを特定する。なお、バーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付期変換テーブル)は、制御装置20を用いてオペレータの操作によって作成されてもよい。このとき、バーコード情報変換テーブル作成のためのツールは、制御装置20にダウンロードされて用いられるアプリケーションとしてあらかじめ用意されていてもよいし、ブラウザ上において動作するWebアプリケーションとしてあらかじめ用意されていてもよい。あるいは、バーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付期変換テーブル)は、図示しない記憶媒体によって記憶されており、当該記憶媒体から制御装置20の制御部25によって取得されてもよい。そして、制御部25は、取得したバーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付期変換テーブル)を記憶部24に記憶させてもよい。さらには、バーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付期変換テーブル)は、予め作成されたバーコード情報変換テーブル(より詳しくは、納付期変換テーブル)を記憶する所定の装置から通信部23を介してダウンロードすることで取得され、記憶部24に記憶されてもよい。
【0079】
<3.効果>
以上、本実施形態について詳しく説明した。以上説明したように、本実施形態に係る現金処理装置10は、制御装置20に記憶されたバーコード情報変換テーブルを利用して、納付書に記録されたバーコードに格納されたバーコード情報から納付金の種別及び納付期を特定する。そして、現金処理装置10は、納付者が持ち帰る利用明細票として、納付金の種別及び納付期を印字したレシートを発行する。かかる構成によれば、納付者は、レシートを参照することで、どの種類のどの期の納付金を納付したかを確認することができる。その結果、二重納付等を防止することが可能となる。また、納付金の納付をセルフサービスで適切に実行することが可能となり、店舗の店員及び派出所の行員による手作業の改善につながる。
【0080】
<4.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0081】
一例として、上記実施形態では、表1に示したように、CNSコード及び利用企業コードの組み合わせと納付金の種別との対応関係を定義した納付金種別変換テーブルが利用される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。納付金種別変換テーブルの他の一例を、下記の表4に示す。
【0082】
【0083】
上記表4に示すように、納付金種別変換テーブルは、CNSコード、利用企業コード、及び科目コードの組み合わせと納付金の種別との対応関係を定義していてもよい。科目コードは、自由記載欄に含まれ得る。科目コードとは、納付金の種別に対応する情報である。表4に示した例によれば、現金処理装置10は、バーコード情報に含まれるCNSコード、利用企業コード、及び科目コードを制御装置20に照会することにより、納付書に係る納付金の種別を特定する。
【0084】
他の一例として、上記実施形態では、バーコード情報変換テーブルとして、納付金種別変換テーブルと納付期変換テーブルの2つのテーブルが別々に構築される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。納付金種別変換テーブルと納付期変換テーブルとは、ひとつのバーコード情報変換テーブルに統合されてもよい。表1に例示した納付金種別変換テーブルと表2に例示した納付期変換テーブルとを1つに統合したテーブルのうち、市県民税に関するレコードを、下記の表5に示す。
【0085】
【0086】
上記表5に示した例によれば、現金処理装置10は、バーコード情報に含まれるCNSコード、利用企業コード、及び支払期限の月をまとめて制御装置20に照会することで、納付金種別及び納付期をまとめて特定することができる。
【0087】
なお、統合されたバーコード情報変換テーブルは、1つのテーブルとして予め作成されてもよい。また、納付金種別変換テーブルと納付期変換テーブルが別々に作成されたのち、2つのテーブルの統合が自動的に行われることで作成されてもよい。例えば、統合前の複数の定義の異なるテーブル同士における統合時の各テーブルの定義を記憶したデータベースを利用するテーブル統合アプリケーションが、制御装置20に用意されていてもよい。この場合、オペレータは、制御装置20を用いて納付金種別変換テーブル及び納付期変換テーブルを別々に作成したのち、当該テーブル統合アプリケーションにそれぞれのテーブルを入力することで、統合されたテーブルをオペレータ自身で考えることなく得ることができる。
【0088】
他の一例として、上記実施形態には、納付書にバーコードが記録される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。納付書には、バーコード以外の情報コードが記録されていてもよく、例えば二次元コードが記録されていてもよい。
【0089】
他の一例として、上記実施形態には、納付書に記録されたバーコードを読み取る読取部がバーコードリーダである例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。読取部は、スキャナ又はAI(Artificial Intelligence)が搭載されたAIカメラであってもよく、納付書に記録されている情報コードが二次元コードである場合は、二次元コードリーダであってもよい。
【0090】
他の一例として、上記において説明した現金処理装置10の読取部によって読み取るものは納付書に記載された情報コードの他、スマートフォン及びタブレットなどの携帯端末に表示された情報コードであってもよい。加えて、読取部は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)といった無線通信によって情報コードを読み取ってもよい。
【0091】
他の一例として、顧客は、現金処理装置10の紙幣投入口及び硬貨投入口に現金を投入することで入金を行ったが、入金の仕方はこれに限定されない。例えば、システム1がICカード若しくは携帯端末を利用した電子マネー、又は仮想通貨による決済処理に対応し、決済処理を行うことで、顧客は、現金を用いずに入金を行ってもよい。
【0092】
顧客が電子マネーによる決済処理を用いて入金を行う場合、顧客は、顧客が所有するスマートフォンなどの図示しない顧客側情報処理端末における電子マネー決済を行うアプリケーションなどを利用し、入金を行ってもよい。また、顧客は、システム1が有する図示しない決済端末にICカードをかざしたり、顧客側情報処理端末における電子マネー決済を行うアプリケーションに表示されるQRコード(登録商標)をかざしたり、NFC等による近距離無線通信を顧客側情報処理端末と決済端末間で行うことで入金を行ったりしてもよい。
【0093】
顧客が仮想通貨による決済処理行い入金を行う場合、例えば、顧客は、顧客が所有するスマートフォンなどの図示しない顧客側情報処理端末における仮想通貨決済を行うアプリケーションなどを利用し、入金を行ってもよい。
【0094】
また、バーコード情報変換テーブルは、更新されてもよい。一例として、制御装置20は、更新後のバーコード情報変換テーブルを、更新後のバーコード情報変換テーブルを保存するUSBメモリ等の記憶媒体から取得してもよい。即ち、制御装置20は、USBメモリの接続後、制御装置20にダウンロードされて用いられるアプリケーションの更新機能又はブラウザ上で動作するWebアプリケーションの更新機能を用いて、当該アプリケーション画面又は当該Webアプリケーション画面に表示される更新ボタンの選択があった際に、制御装置20に保存された更新前のバーコード情報変換テーブルを更新後のバーコード情報変換テーブルに書き換えることで、更新を行ってもよい。他の一例として、制御装置20は、更新後のバーコード情報変換テーブルを、更新後のバーコード情報変換テーブルを記憶する所定の装置から通信部23を介してダウンロードすることで取得してもよい。また、バーコード情報変換テーブルの新規作成も、上記と同様の方法で行われてもよい。この場合、更新前のバーコード情報変換テーブルが空であり、これが更新後のバーコード情報変換テーブルに書き換わることで、バーコード情報変換テーブルの新規作成が実現される。なお、USBメモリに保存されるバーコード情報変換テーブルは、セキュリティの観点から暗号化機能のあるアプリケーション等を用いて暗号化されていてもよい。この場合、制御装置20は、USBメモリの制御装置20への接続後、復号機能のあるアプリケーション等を用いて暗号化されたバーコード情報変換テーブルを復号した後、上記更新を行う。また、更新は更新ボタンの選択があった直後に更新されるようにしてもよいし、運用開始日を制御装置20で設定できるようにしておき、更新ボタンの選択があった後、当該運用開始日になると更新されるようにしてもよい。
【0095】
また、利用明細票はレシートではなく電子レシートでもよい。その場合、発行部はレシートプリンタ13ではなく例えば制御部17になる。
【0096】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(詳しくは、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、本明細書において説明した各装置を制御するコンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどの処理回路により実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、上記のコンピュータは、ASICのような特定用途向け集積回路、ソフトウエアプログラムを読み込むことで機能を実行する汎用プロセッサ、又はクラウドコンピューティングに使用されるサーバ上のコンピュータ等であってよい。また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、複数のコンピュータにより分散して処理されてもよい。
【0097】
また、本明細書においてフローチャート又はシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 システム
10 現金処理装置
11 現金処理部
12 バーコードリーダ
13 レシートプリンタ
14 タッチパネル
15 通信部
16 記憶部
17 制御部
20 制御装置
21 入力部
22 出力部
23 通信部
24 記憶部
25 制御部
90 ローカルネットワーク