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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122703
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】積荷封印管理システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/00 20060101AFI20240902BHJP
   B60P 3/22 20060101ALI20240902BHJP
   E05B 83/14 20140101ALI20240902BHJP
【FI】
E05B65/00 V
B60P3/22 Z
E05B83/14
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030383
(22)【出願日】2023-02-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】000103574
【氏名又は名称】株式会社オーバル
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 健二
(72)【発明者】
【氏名】森本 康照
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB01
2E250BB61
2E250HH05
2E250JJ00
2E250LL00
2E250SS08
2E250UU01
2E250VV01
(57)【要約】
【課題】結束バンドの使用に代えて、積荷への異物混入を防止する積荷封印管理システムを提供する。
【解決手段】本発明の積荷封印管理システム1は、ばら積み貨物を貯蔵する貯蔵部4と前記貯蔵部の内部から外部への連通口部を覆うカバー12とを備えたばら積み貨物輸送用車両2の積荷封印管理システムであって、前記カバーから延びる連結部材16と、前記連結部材に取付けられたキー18と、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする電磁ロックユニット20であって、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする施錠部28と、操作装置からの指令に基づいて前記キーを引き抜き可能にアンロックする開錠部30と、を備える前記電磁ロックユニットとを備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら積み貨物を貯蔵する貯蔵部と前記貯蔵部の内部から外部への連通口部を覆うカバーとを備えたばら積み貨物輸送用車両の積荷封印管理システムであって、
前記カバーから延びる連結部材と、
前記連結部材に取付けられたキーと、
前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする電磁ロックユニットであって、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする施錠部と、操作装置からの指令に基づいて前記キーを引き抜き可能にアンロックする開錠部と、を備える前記電磁ロックユニットとを備えている、積荷封印管理システム。
【請求項2】
前記ばら積み貨物輸送用車両のエンジンの電気系統の通電状態とは独立して前記電磁ロックユニットに電気を供給する電源を備えている、請求項1に記載の積荷封印管理システム。
【請求項3】
前記連結部材は、前記カバーが開いている状態で前記キーが前記施錠部に挿入できず且つ前記カバーが閉じられた状態で前記キーが前記施錠部に挿入できる所定の長さに形成されている、請求項1に記載の積荷封印管理システム。
【請求項4】
前記連結部材が、ステンレス鋼製のチェーンにより形成されている、請求項3に記載の積荷封印管理システム。
【請求項5】
前記電磁ロックユニットが、前記キーを受け入れた状態であるか否かを検出するセンサを備えている、請求項1に記載の積荷封印管理システム。
【請求項6】
前記キーが前記施錠部によりロックされているロック状態と、前記キーが前記センサにより検知されている状態で且つ前記キーが前記開錠部によりアンロックされているアンロック状態と、前記キーが前記センサにより検知されていない状態である完全開錠状態と、を記録する記録機能を備えている、請求項5に記載の積荷封印管理システム。
【請求項7】
前記ばら積み貨物輸送用車両に取付けられると共に前記ばら積み貨物輸送用車両に取付けられた前記電磁ロックユニットへのアクセス情報を備える識別タグと、
前記電磁ロックユニットを操作する前記操作装置と、を備え、
前記操作装置が、前記識別タグの前記アクセス情報を取得することにより、前記操作装置と前記電磁ロックユニットとをペアリングするペアリング機能を備え、
前記操作装置が複数準備されている場合に、前記操作装置を別の前記操作装置に取り換えて、この別の前記操作装置により前記識別タグの前記アクセス情報を取得するとき、この別の前記操作装置と前記電磁ロックユニットとがペアリングされ、この別の前記操作装置により前記電磁ロックユニットを操作する、請求項1に記載の積荷封印管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積荷封印管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、牛乳等の液体を輸送するタンクローリーが知られている。特許文献1に示されるようなタンクローリーは、タンクの上部に設けられた有蓋の注入口から牛乳等がタンク内に注入されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-210877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるようなタンクローリーでは、タンクの上部に設けられた積込口の蓋が配送途中で開けられたか否かが分からず、異物混入の防止の観点で問題があった。
【0005】
そこで、タンクローリーの積込口を覆うようにカバーを配置すると共にこのカバーをいわゆるインシュロック(登録商標)等の樹脂製の結束バンドによりタンク本体と物理的に接続して封印を行っている。
結束バンドの封印が継続されていれば、カバーが開けられていない事が証明される。
【0006】
しかしながら、このような結束バンドの使用により生じていた問題、ドライバによる結束バンドの使用履歴の記入忘れ、結束バンドを使用したカバーの閉め忘れ、使い捨ての結束バンドの比較的大きな数の廃棄等の問題が生じていた。
さらに、結束バンドは使い捨てとなるため員数管理の事務作業が煩雑となること、結束バンドがちょっとした衝撃で切断されてしまうこと等の問題も生じており、仮に積込口がタンクの上部にある場合結束バンドを切断するための作業が高所作業となり作業者の安全面の問題が生じる可能性もあった。
【0007】
したがって、本発明は、結束バンドの使用に代えて、積荷への異物混入を防止する積荷封印管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、ばら積み貨物を貯蔵する貯蔵部と前記貯蔵部の内部から外部への連通口部を覆うカバーとを備えたばら積み貨物輸送用車両の積荷封印管理システムであって、前記カバーから延びる連結部材と、前記連結部材に取付けられたキーと、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする電磁ロックユニットであって、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする施錠部と、操作装置からの指令に基づいて前記キーを引き抜き可能にアンロックする開錠部と、を備える前記電磁ロックユニットとを備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、積荷封印管理システムは、前記キーが挿入された状態で前記キーをロックする電磁ロックユニットであって、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする施錠部と、操作装置からの指令に基づいて前記キーを引き抜き可能にアンロックする開錠部と、を備える前記電磁ロックユニットとを備えている。これにより、従来のいわゆるインシュロック(登録商標)等の結束バンドの使用に代えて、カバーを閉じた状態で電磁ロックユニットが前記キーをロックすることができる。よって、結束バンドの使用に代えて積荷への異物混入を防止する積荷封印管理システムを提供できる。
【0009】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記ばら積み貨物輸送用車両のエンジンの電気系統の通電状態とは独立して前記電磁ロックユニットに電気を供給する電源を備えている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、積荷封印管理システムは、前記ばら積み貨物輸送用車両の電気系統の通電状態とは独立して前記電磁ロックユニットに電気を供給する電源を備えている。これにより、ばら積み貨物輸送用車両の電気系統の通電が停止している場合や、トレーラーヘッドがばら積み貨物輸送用車両のタンク車両と分離されている場合であっても、前記電磁ロックユニットを電気的に作動させることができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記連結部材は、前記カバーが開いている状態で前記キーが前記施錠部に挿入できず且つ前記カバーが閉じられた状態で前記キーが前記施錠部に挿入できる所定の長さに形成されている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、前記連結部材は、前記カバーが開いている状態で前記キーが前記施錠部に挿入できず且つ前記カバーが閉じられた状態で前記キーが前記施錠部に挿入できる所定の長さに形成されている。これにより、カバーが閉じられた状態でなければ、キーが前記施錠部に挿入できないように形成されている。よって、キーが前記施錠部に挿入されている状態であれば、カバーが閉じられた状態となっていることが確認できる。
【0011】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記連結部材が、ステンレス鋼製のチェーンにより形成されている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、前記連結部材が、ステンレス鋼製のチェーンにより形成されている。これにより、前記キーが前記施錠部においてロックされた状態で、ばら積み貨物輸送用車両が走行し、振動を生じる場合であっても、ばら積み貨物輸送用車両の前記カバーと前記電磁ロックユニットとの間で振動が伝達されにくく、前記カバーや前記電磁ロックユニットの故障を抑制できる。
【0012】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記電磁ロックユニットが、前記キーを受け入れた状態であるか否かを検出するセンサを備えている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、前記電磁ロックユニットが、前記キーを受け入れた状態であるか否かを検出するセンサを備えている。これにより、前記キーのロック及びアンロックとは別に、前記キーを受け入れた状態であるか否かを検出することができる。よって、積荷封印管理システムは、前記キーを受け入れた状態で且つ前記キーがアンロック状態であること、例えば、アンロック状態であるけれども、カバーは開けられていない状態を判別できる。
【0013】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記積荷封印管理システムは、前記キーが前記施錠部によりロックされているロック状態と、前記キーが前記センサにより検知されている状態で且つ前記キーが前記開錠部によりアンロックされているアンロック状態と、前記キーが前記センサにより検知されていない状態である完全開錠状態と、を記録する記録機能をさらに備えている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、前記積荷封印管理システムは、ロック状態と、アンロック状態と、完全開錠状態と、を記録する記録機能をさらに備えている。これにより、なんらかの理由により前記キーが前記開錠部によりアンロックされた場合においても、積荷封印管理システムがアンロック状態を記録していれば、貯蔵部の連通口部を覆うカバーが開いていないことを証明できる。
【0014】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記ばら積み貨物輸送用車両に取付けられると共に前記ばら積み貨物輸送用車両に取付けられた前記電磁ロックユニットへのアクセス情報を備える識別タグと、前記電磁ロックユニットを操作する前記操作装置と、を備え、前記操作装置が、前記識別タグの前記アクセス情報を取得することにより、前記操作装置と前記電磁ロックユニットとをペアリングするペアリング機能を備え、前記操作装置が複数準備されている場合に、前記操作装置を別の前記操作装置に取り換えて、この別の前記操作装置により前記識別タグの前記アクセス情報を取得するとき、この別の前記操作装置と前記電磁ロックユニットとがペアリングされ、この別の前記操作装置により前記電磁ロックユニットを操作する。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、前記操作装置を別の前記操作装置に取り換えてこの別の前記操作装置と前記電磁ロックユニットとをペアリングさせることにより、この別の前記操作装置によりペアリングされた前記ばら積み貨物輸送用車両の前記電磁ロックユニットを操作する。これにより、例えば車の作業者が操作装置を所有したまま、別のばら積み貨物輸送用車両に乗り換える場合においても、作業者の操作装置と電磁ロックユニットとをペアリングさせることにより乗り換えたばら積み貨物輸送用車両の前記電磁ロックユニットを操作できる。よって、操作装置とばら積み貨物輸送用車両とのペアリングを柔軟に変更でき、作業者の引継ぎや車両の中継、引継ぎ等が行いやすくできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、結束バンドの使用に代えて、積荷への異物混入を防止する積荷封印管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による積荷封印管理システムが設けられているばら積み貨物輸送用車両の側面図である。
図2】本発明の一実施形態による積荷封印管理システムの構成図である。
図3】本発明の一実施形態による情報処理装置の部分拡大斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による情報処理装置の部分拡大側面図である。
図5】本発明の一実施形態による情報処理装置において、キーを電磁ロックユニットに挿入する様子を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態による積荷封印管理システムが設けられているばら積み貨物輸送用車両について、ばら積み貨物の積み込み準備ステップから帰着ステップまでの運用ステップの一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態による積荷封印管理システムにおいて、電磁ロックユニットがロック状態からアンロック状態とされ、さらにアンロック状態から完全開錠状態とされる様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による積荷封印管理システムを説明する。本開示の実施形態は例示として説明され、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変形、変更及び置換ができることが当業者に明らかである。
したがって、本発明は、開示の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細について、種々の変形、変更等が可能である。
図1は本発明の一実施形態による積荷封印管理システムを備えたばら積み貨物輸送用車両の概略側面図である。図2は本発明の一実施形態による積荷封印管理システムの構成図である。図3は本発明の一実施形態による情報処理装置の部分拡大斜視図である。図4は本発明の一実施形態による情報処理装置の部分拡大側面図である。図5は本発明の一実施形態による情報処理装置において、キーを電磁ロックユニットに挿入する様子を説明する図である。
【0018】
図1に示すように、本発明の一実施形態において、積荷封印管理システム1は、ばら積み貨物輸送用車両2に設けられている。
積荷封印管理システム1は、他の用途、例えば石油や薬液、他の液体を輸送する用途、のタンクローリー車に設けられてもよい。
ここで、ばら積み貨物輸送用車両2は、ばら積み貨物を、貯蔵部であるタンク4内に貯蔵した状態で運搬するタンクローリー車である。
ばら積み貨物には、乾性のもの(粉体)のみならず、液状のものが含まれる。
ばら積み貨物は、粉体及び液体、例えば、小麦粉、生乳、牛乳、食用油等が含まれる。
【0019】
ばら積み貨物輸送用車両2は、自走式の車両である。
ばら積み貨物輸送用車両2は、タンク4側のタンク車両6と、タンク車両6を牽引するトレーラーヘッド8とを備えている。
タンク車両6とトレーラーヘッド8とは切り離し可能に連結されている。タンク車両6は下部に車輪を備え、牽引されて走行するようになっている。
トレーラーヘッド8は、自走式の駆動車両を形成している。
なお、ばら積み貨物輸送用車両2は、トレーラーヘッド8と、タンク車両6とが分離されない一体型の車両であってもよい。
【0020】
ばら積み貨物輸送用車両2は、ばら積み貨物を貯蔵する貯蔵部であるタンク4と、タンク4内部と外部とを連通させる連通口部10と、連通口部10を覆うカバー12と、を備えている。
【0021】
タンク4は、ばら積み貨物輸送用のタンクであり、例えば、液体のばら積み貨物を輸送する。
タンク4は、筒状に形成され、内部の液体を外部に対して密閉した状態で貯蔵する。
タンク4の内部は、区隔壁(図示せず)により複数の区画に分けられ、それぞれの区画の内部とタンク4の外部とを連通する連通口部10が設けられている。
【0022】
連通口部10は、例えば、タンク4の頂部4a、側面下部4b、後方下部4c等に設けられている。
連通口部10は、タンク4内につながる開口部がマンホール蓋10aにより開閉されるように形成されている。
タンク4の頂部4aの連通口部10は、例えば、液体のばら積み貨物を積み込むときの流入口として使用される。
頂部の連通口部10は、円形の比較的大きな開口部を形成する。
タンク4の側面下部4b、後方下部4cの連通口部10は、例えば、ばら積み貨物を排出する(納品地で供給する)ときの流出口として使用される。
側面下部4b、後方下部4cの連通口部10は、頂部の連通口部10に比べて小径の円形開口部を形成する。
図1においては、車両の後方から前方に向かって右側の側面が示されているが、車両の左側においても同様に側面下部4bに連通口部10が設けられると共に後方下部4cに連通口部10が設けられている。
【0023】
カバー12は、個別の連通口部10を外部から個々に覆い隠すように形成されている。
カバー12は、円筒形の蓋状に形成されている。
カバー12は、タンク4に取付ける取付部14を備え、取付部14を中心に連通口部10を露出させるように開く開状態と、連通口部10を隠すように閉じる閉状態と、の間で回動可能に形成されている。
カバー12が閉状態であれば、外部から連通口部10にアクセスできないので、カバー12が閉状態であることが証明できれば、連通口部10がアクセスされていない(例えば開状態とされていない)ことが証明される。
カバー12には、タンク側部分に連結部材16を取り付ける小孔12aが形成されている(図4参照)。
なお、カバー12は、複数の連通口部10をまとめて覆い隠すように形成されていてもよい。
【0024】
積荷封印管理システム1は、カバー12から延びる連結部材16と、連結部材16に取付けられたキー18と、キー18が挿入された状態でキー18をロックする電磁ロックユニット20と、ばら積み貨物輸送用車両2に取付けられると共にばら積み貨物輸送用車両2の個別の識別情報を備える識別タグ24と、電磁ロックユニット20を操作する操作装置26と、を備えている。
【0025】
連結部材16は、カバー12と電磁ロックユニット20とを連結する部材である。
連結部材16は、カバー12が開いている状態でキー18が後述する施錠部28に挿入できず且つカバー12が閉じられた状態でキー18が施錠部28に挿入できる所定の長さに形成される。
連結部材16は、ステンレス鋼製(SUS製)のチェーンにより形成される。
よって、連結部材16は、カバー12と電磁ロックユニット20との連結を人の手によって解除できない程度の強度を有すると共に電磁ロックユニット20の故障等の緊急時には連結部材16を比較的簡単な工具により切断して連結を解除することも可能に構成されている。
【0026】
キー18は、連結部材16の電磁ロックユニット20側の端部に取付けられている。
キー18は、施錠部28と嵌合するようになっており、電磁ロックユニット20の施錠部内の所定位置に挿入されると自動的にロック(施錠)されるようになっている。
キー18は、所定幅の板状且つL字形状に形成され、キー18の先端が、電磁ロックユニット20の底面の鍵穴20aに挿入されるようになっている。
キー18は、電磁ロックユニット20の底面から下方に向けて延びるガイド部20bに沿って下方から上方に向けて挿入することができる。
なお、キー18は、電磁ロックユニット20の施錠部28に挿入されたときに自動的に施錠されず、事後的な操作により施錠されるタイプのものであってもよい。
【0027】
電磁ロックユニット20は、電子錠として電気的に施錠、開錠ができる電子ロックユニットを構成している。
電磁ロックユニット20は、電磁ロックユニット20の各部を制御する制御ユニット22と、キー18を受け入れた状態でキー18をロックする施錠部28と、操作装置26からの開錠指令を制御ユニット22を介して受けてキー18を引き抜き可能にアンロックする開錠部30と、さらに、キー18が挿入された状態であるか否かを検出するセンサ32を備えている。
【0028】
制御ユニット22は、CPU等の演算装置34及びメモリ等の記憶装置36を内蔵し、記憶装置36に記憶された所定の制御プログラム等に基づいて電気的に接続された機器の制御を行うことができる。
制御ユニット22は、電磁ロックユニット20の施錠部28と、開錠部30と、操作装置26と電気的に接続されている。
例えば、制御ユニット22は、制御部として施錠部28と開錠部30とを制御する。
制御ユニット22と施錠部28とは有線により接続、制御ユニット22と開錠部30とは有線により接続されている。
制御ユニット22と操作装置26とはBluetooth(登録商標)等の無線通信により接続されている。
なお、制御ユニット22は、操作装置26と共に制御部として機能してもよい。
【0029】
制御ユニット22は、さらに、ばら積み貨物輸送用車両2の電気系統の通電状態によらず独立して電磁ロックユニット20に電気を供給する電源38を備えている。
電源38は、ばら積み貨物輸送用車両2のバッテリとは独立した電源を構成している。
制御ユニット22は、さらに、現在位置を特定できるようなGPSシステム(図示せず)を内蔵している。
【0030】
制御ユニット22は、キー18が施錠部28によりロックされているロック状態と、キー18がセンサ32により検知されている状態で且つキー18が開錠部30によりアンロックされているアンロック状態と、キー18がセンサ32により検知されていない状態である完全開錠状態と、を区別して記録する記録機能40をさらに備える。
【0031】
施錠部28は、電磁的手段によりキー18をロックする。施錠部28は、キー18が挿入された場合に自動的にロック(施錠)するようになっているが、自動的に施錠せず、事後的な操作によりキー18が施錠される構造であってもよい。
開錠部30は、電磁的手段によりキー18をアンロックする。
ここで施錠部28と開錠部30とは一体の電子錠装置により形成されていてもよい。
【0032】
センサ32は、キー18が鍵穴20aに挿入されている状態か否かを検出(キーの有無を検出)できるような例えばマイクロスイッチである。
センサ32は、電磁ロックユニット20内に設けられている。センサ32は、例えば、4接点タイプソレノイド付安全スイッチにより形成されている。
【0033】
識別タグ24は、操作装置26が識別タグ24の情報を取得することにより、操作装置26が電磁ロックユニット20とペアリングできるように構成されている。
識別タグ24は、例えばNFCタグである。
識別タグ24は、作業者が手に持った操作装置26の届きやすい高さ、例えば地面から1.5メートル位までの高さに配置されている。
よって、作業者が操作装置26により識別タグ24と通信しやすくなっている。
識別タグ24には、車両のIDデータ等が書き込まれている。
【0034】
操作装置26は、CPU等の演算装置42及びメモリ等の記憶装置44を内蔵し、記憶装置44に記憶された所定の制御プログラム等に基づいて電気的に接続された機器の制御を行うことができる。
例えば、操作装置26は、開錠指令を電磁ロックユニット20の制御ユニット22に送信することにより、電磁ロックユニット20の開錠部30のアンロック操作を行わせる。
また、操作装置26は、施錠指令を電磁ロックユニット20の制御ユニット22に送信することにより、電磁ロックユニット20の施錠部28のロック操作を行わせる。
操作装置26は、例えば、PC、携帯情報端末、スマートホン(いわゆるスマホ)等により構成することができる。
操作装置26は、操作装置26と電磁ロックユニット20とをペアリングするペアリング機能46を備えている。
例えば、ペアリング機能46は、記憶装置44に記憶された所定のプログラムによりソフトウェアアプリの一機能として実現される。
複数のばら積み貨物輸送用車両2を運用するために複数の操作装置26が準備されることができる。
このように複数の操作装置26が準備されている場合に、操作装置26を別の操作装置26に取り換えてこの別の操作装置26と電磁ロックユニット20とをペアリングさせることにより、この別の操作装置26によりペアリングされたばら積み貨物輸送用車両2の電磁ロックユニット20を操作することができる。
また、操作装置26は、GPSを備えており、自らの位置情報を取得できる。
さらに、操作装置26は、記録機能40により記録されたロック状態とアンロック状態と完全開錠状態とを区別して表示する機能を有する。
【0035】
次に、図6を参照して、ばら積み貨物輸送用車両2へのばら積み貨物の積み込み準備ステップから帰着ステップまでの運用ステップを説明する。
また、操作装置26と電磁ロックユニット20とをペアリングするペアリング機能46についても説明する。
図6においては、ばら積み貨物輸送用車両2へのばら積み貨物の積み込み準備ステップから帰着ステップまでの運用ステップの一例が示されている。
各ステップ間の矢印はステップの進む順を示している。
【0036】
先ず、図6中の積み込み準備ステップを説明する。
作業者Aは、作業者A所有の操作装置26を有している。
ばら積み貨物輸送用車両2へのばら積み貨物積み込み準備ステップにおいて、作業者A所有の操作装置26により、識別タグ24のNFCタグを読み込むことにより、操作装置26は電磁ロックユニット20へのアクセス情報を取得する。
作業者A所有の操作装置26において予め設定された車両IDと、識別タグ24の車両IDとが一致する場合に、操作装置26は電磁ロックユニット20とBluetooth(登録商標)接続し、ペアリングが可能とされる。
そして、ペアリング機能46により、作業者Aの操作装置26と電磁ロックユニット20とがペアリングされる。
以後、電磁ロックユニット20は作業者Aの操作装置26により操作可能となる。
【0037】
このとき、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、お互いをペアリングしたことを認証及び記録すると共に、そのペアリングの日時、作業者、ペアリング発生時にGPSにより取得される位置情報等も記録する。
操作装置26及び電磁ロックユニット20は、カバー12が閉状態であり、電磁ロックユニット20が施錠している(ロック状態である)ことも記録している。
【0038】
次に、積み込み開始ステップにおいて、作業者Aの操作装置26により、電磁ロックユニット20の開錠部30のアンロック操作が選択される。
これにより、操作装置26からの指令を受けた開錠部30によりキー18はアンロックされる。
よって、キー18が電磁ロックユニット20から引き抜かれることができる。
そして、カバー12が開状態とされ、連通口部10へのアクセスが可能とされ、ばら積み貨物が連通口部10からタンク4内に積み込まれる。
【0039】
このとき、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、どの作業者の操作装置26から指令を受けたか、電磁ロックユニット20のアンロック状態や完全開錠状態、各時点でGPSにより取得される位置情報等の情報を記録する。
【0040】
次に、ばら積み貨物の積み込み完了ステップにおいて、連通口部10が閉じられ、カバー12が閉状態とされると、キー18が電磁ロックユニット20に挿入できるようになる。
電磁ロックユニット20の施錠部28は、キー18を受け入れた状態でキー18を自動的にロックする。
一端キー18が施錠されると、キー18がアンロックされないかぎりキー18を引き抜くことができず、カバー12を開けることができなくなっている。
【0041】
このとき、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、電磁ロックユニット20の施錠状態を記録すると共に、GPSにより取得される位置情報等の情報を記録する。
また、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、キー18が電磁ロックユニット20にロックされ、カバー12が閉状態とされていることを認識及び記録する。
積み込み完了ステップが終了すると第1配送中ステップに進む。
【0042】
第1配送中ステップにおいて、電磁ロックユニット20は、キー18を受け入れた状態でキー18をロックしている。
従って、カバー12は閉状態に維持され、連通口部10は閉じられたままである。
【0043】
操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、電磁ロックユニット20がロックしているという施錠状態を記録し、GPSにより取得される位置情報等の情報を記録している。
また、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、カバー12が閉状態とされていることを認識及び記録している。
【0044】
ばら積み貨物輸送用車両2の中継地点等における中継地点ステップにおいては、ばら積み貨物輸送用車両2のトレーラーヘッド8をタンク車両6と分離して、別のトレーラーヘッド8をタンク車両6とを組み合わせることがある。
作業者Aが作業者A所有の操作装置26を所有した状態のままで、ばら積み貨物輸送用車両2の食品輸送を担当するのは中継地点ステップまでとする。
【0045】
中継地点ステップに続く待機ステップにおいて、例えば、トレーラーヘッド8が、タンク車両6から切り離され、作業者Aが作業者Bと交代する。
このとき、作業者Aと共に作業者A所有の操作装置26も、タンク車両6から離れる。
【0046】
待機ステップに続く配送開始ステップにおいて、別のトレーラーヘッド8をタンク車両6とを組み合わせて、配送を再開する。
このとき、別のトレーラーヘッド8は作業者Bが運用しており、以後、作業者B所有の操作装置26を所有した状態のままで、別の作業者Bがばら積み貨物輸送用車両2の食品輸送を担当する。
【0047】
作業者B所有の操作装置26により、識別タグ24のNFCタグを読み込んで、電磁ロックユニット20のアクセス情報を取得する。
このようにして、ペアリング機能46により、作業者B所有の操作装置26と電磁ロックユニット20とをペアリングする。
よって、このとき、作業者B所有の操作装置26と、ばら積み貨物輸送用車両2の制御ユニット22とが紐づけられ、電磁ロックユニット20が作業者Bの操作装置26により操作できるようになる。
このように、操作装置26が変わっても、操作装置26が電磁ロックユニット20とペアリングされることにより、電磁ロックユニット20がこの変更された操作装置26により操作できるようになる。
作業者Bの操作装置26のペアリングが実行された場合、ペアリング機能46は、作業者Aの操作装置26と電磁ロックユニット20とのペアリングを自動的に解除する。
【0048】
作業者B所有の操作装置26と電磁ロックユニット20とがペアリングされている状態では、作業者B所有の操作装置26により、電磁ロックユニット20の開閉状態が確認できる。
また、作業者B所有の操作装置26により、施錠部28をロックしたり、開錠部30をアンロックしたりすることもできるようになる。
また、作業者B所有の操作装置26により、電磁ロックユニット20に関するこれまでの履歴、例えば作業者B担当前の積み込み準備ステップから中継地点ステップまでの記録も確認できる。
【0049】
第2配送中ステップにおいて、電磁ロックユニット20は、キー18を受け入れた状態でキー18をロックしている。
従って、カバー12は閉状態に維持され、連通口部10は閉じられたままである。
【0050】
作業者B所有の操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、電磁ロックユニット20がロックしているという施錠状態を記録し、GPSにより取得される現在地の位置情報等の情報を記録している。
また、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、キー18が電磁ロックユニット20にロックされ、カバー12が閉状態とされていることを認識及び記録している。
ばら積み貨物輸送用車両2が納品先等の目的地に到着すると、納品ステップに進む。
【0051】
納品ステップにおいて、作業者B所有の操作装置26に表示されているアプリの画面内において全解除ボタン48が押下げされた場合、全ての電磁ロックユニット20の開錠部30がアンロックされる(図7参照)。
なお、個別の電磁ロックユニット20が操作装置によりアンロックされるようになっていてもよい。
このとき、電磁ロックユニット20はアンロック状態となっているが、キー18は電磁ロックユニット20に挿入されたままである。
操作装置26においては、画面内に表示されるカバーマーク12b(カバー12に対応する画面上の図形)の色が、アンロック状態に対応した所定の色に変化して表示される。
よって、作業者Bは、現状のアンロック状態を操作装置26から比較的容易に確認できる。
【0052】
その後、キー18は、電磁ロックユニット20から引き抜かれることができる。
そして、カバー12が開状態とされることにより、作業者Bが連通口部10にアクセスすることができ、ばら積み貨物を連通口部10からタンク4外に搬出することができる。
【0053】
このとき、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、どの作業者の操作装置26による開錠の指令か、電磁ロックユニット20がロック状態(図7のカバーマーク12b)からアンロック状態(図7のカバーマーク12bがドットで塗られて示されている)とされた情報、さらにアンロック状態から完全開錠状態(図7のカバーマーク12bが斜線で塗られて示されている)とされた情報、GPSにより取得される納品地の位置情報等の情報を記録する。
操作装置26においては、画面内に表示されているカバーマーク12bの色が、完全解除状態に対応した別の所定の色に変化して表示される。
よって、作業者Bは、現状の完全解除状態を操作装置26から比較的容易に確認でき、閉め忘れ等も防止できる。
ばら積み貨物輸送用車両2からのばら積み貨物の納品が終了すると、帰り始めるステップに進む。
【0054】
図6に示すように、帰り始めるステップにおいて、積荷がなく空車の状態ではあるが、連通口部10が閉じられ、カバー12が閉状態とされる。
その後、キー18が電磁ロックユニット20に挿入される。
電磁ロックユニット20の施錠部28は、キー18を受け入れた状態でキー18を自動的にロックする。
一端キー18が施錠されると、キー18がアンロックされないかぎりキー18が引き抜かれることができず、カバー12は開けることができなくなっている。
【0055】
このとき、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、電磁ロックユニット20が完全開錠状態から施錠状態まで変化されたことを記録し、施錠操作が行われた時点においてGPSにより取得される帰り始めの場所の位置情報等の情報を記録する。
【0056】
帰り中ステップにおいて、電磁ロックユニット20は、キー18を受け入れた状態でキー18をロックしている。
従って、カバー12は閉状態に維持され、連通口部10は閉じられたままである。
【0057】
操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、電磁ロックユニット20がロックしているという施錠状態を記録し、GPSにより取得される現在地の位置情報等の情報を記録している。
また、操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、キー18が電磁ロックユニット20にロックされ、カバー12が閉状態とされていることを認識及び記録している。
このように、帰り中にタンク4内にばら積み貨物が積まれていない状態であっても、タンク4を封印することにより、タンク4内が衛生的に保たれている(連通口部10が開閉され、連通口部10から異物混入等がなされていない)事等を証明できる。
【0058】
帰着ステップにおいて、電磁ロックユニット20は、キー18を受け入れた状態でキー18をロックしている。
従って、カバー12は閉状態に維持され、連通口部10は閉じられたままである。
【0059】
操作装置26及び電磁ロックユニット20は、それぞれ、電磁ロックユニット20がロックしているという施錠状態を記録し、GPSにより取得される帰着した場所の位置情報等の情報を記録している。
このように、帰着してからもタンク4内にばら積み貨物が積まれていない状態であっても、タンク4を封印することにより、タンク4内が衛生的に保たれている(連通口部10が開閉され、連通口部10から異物混入等がなされていない)事等を証明できる。
帰社して以後も、必要な場合を除いては、電磁ロックユニット20は解除されていないことを証明できる。
【0060】
このように構成された本発明の一実施形態によれば、積荷封印管理システム1は、キー18が挿入された状態でキー18をロックする電磁ロックユニット20であって、キー18を受け入れた状態でキー18をロックする施錠部28と、操作装置26からの指令に基づいてキー18を引き抜き可能にアンロックする開錠部30と、を備える電磁ロックユニット20とを備えている。
これにより、従来のいわゆるインシュロック(登録商標)等の結束バンドの使用に代えて、カバー12を閉じた状態で電磁ロックユニット20がキー18をロックすることができる。
よって、結束バンドの使用に代えて積荷への異物混入を防止する積荷封印管理システム1を提供できる。
【0061】
さらに、本発明の一実施形態によれば、積荷封印管理システム1は、ばら積み貨物輸送用車両2の電気系統の通電状態とは独立して電磁ロックユニット20に電気を供給する電源38を備えている。
これにより、ばら積み貨物輸送用車両2の電気系統の通電が停止している場合や、トレーラーヘッド8がばら積み貨物輸送用車両2のタンク車両と分離されている場合であっても、電磁ロックユニット20を電気的に作動させることができる。
【0062】
さらに、本発明の一実施形態によれば、連結部材16は、カバー12が開いている状態でキー18が施錠部28に挿入できず且つカバー12が閉じられた状態でキー18が施錠部28に挿入できる所定の長さに形成されている。
これにより、カバー12が閉じられた状態でなければ、キー18が施錠部28に挿入できないように形成されている。
よって、キー18が施錠部28に挿入されている状態であれば、カバー12が閉じられた状態となっていることが確認できる。
【0063】
さらに、本発明の一実施形態によれば、連結部材16は、ステンレス鋼製のチェーンにより形成されている。
これにより、キー18が施錠部28においてロックされた状態で、ばら積み貨物輸送用車両2が走行し、振動を生じる場合であっても、ばら積み貨物輸送用車両2のカバー12と電磁ロックユニット20との間で振動が伝達されにくく、カバー12や電磁ロックユニット20の故障を抑制できる。
【0064】
さらに、本発明の一実施形態によれば、電磁ロックユニット20は、さらに、キー18を受け入れた状態であるか否かを検出するセンサ32を備えている。
これにより、キー18のロック及びアンロックとは別に、キー18を受け入れた状態であるか否かを検出することができる。
よって、積荷封印管理システム1は、キー18を受け入れた状態で且つキー18がアンロック状態であること、例えば、アンロック状態であるけれども、カバー12は開けられていない状態を判別できる。
【0065】
さらに、本発明の一実施形態によれば、積荷封印管理システム1は、ロック状態と、アンロック状態と、完全開錠状態と、を記録する記録機能をさらに備えている。
これにより、なんらかの理由によりキー18が開錠部30によりアンロックされた場合においても、積荷封印管理システム1がアンロック状態を記録していれば、タンク4の連通口部10を覆うカバー12が開いていないことを証明できる。
【0066】
さらに、本発明の一実施形態によれば、操作装置26を別の操作装置26に取り換えてこの別の操作装置26と電磁ロックユニット20とをペアリングさせることにより、この別の前記操作装置26によりペアリングされたばら積み貨物輸送用車両2の電磁ロックユニット20を操作する。
これにより、例えば車の作業者が操作装置26を所有したまま、別のばら積み貨物輸送用車両2に乗り換える場合においても、作業者の操作装置26と電磁ロックユニット20とをペアリングさせることにより乗り換えたばら積み貨物輸送用車両2の電磁ロックユニット20を操作できる。
よって、操作装置26とばら積み貨物輸送用車両2とのペアリングを柔軟に変更でき、作業者の引継ぎや車両の中継、引継ぎ等が行いやすくできる。
【0067】
本発明を実施するための形態は上記に限定されるものではなく、さらなる他の変形例を適用することができる。
例えば、本実施形態において、制御ユニット22と施錠部28とは有線により接続、制御ユニット22と開錠部30とは有線により接続されているが、これらの電気的な接続は有線に限られず、その全体又は一部が無線通信により接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 :積荷封印管理システム
2 :ばら積み貨物輸送用車両
10 :連通口部
12 :カバー
16 :連結部材
18 :キー
20 :電磁ロックユニット
24 :識別タグ
26 :操作装置
28 :施錠部
30 :開錠部
32 :センサ
38 :電源
40 :記録機能
46 :ペアリング機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら積み貨物を貯蔵する貯蔵部と前記貯蔵部の内部から外部への連通口部を覆うカバーとを備えたばら積み貨物輸送用車両の積荷封印管理システムであって、
前記カバーから延びる連結部材と、
前記連結部材に取付けられたキーと、
前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする電磁ロックユニットであって、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする施錠部と、操作装置からの指令に基づいて前記キーを引き抜き可能にアンロックする開錠部と、を備える前記電磁ロックユニットとを備え、前記連結部材は、前記カバーが開いている状態で前記キーが前記施錠部に挿入できず且つ前記カバーが閉じられた状態で前記キーが前記施錠部に挿入できる所定の長さに形成されている、積荷封印管理システム。
【請求項2】
前記ばら積み貨物輸送用車両のエンジンの電気系統の通電状態とは独立して前記電磁ロックユニットに電気を供給する電源を備えている、請求項1に記載の積荷封印管理システム。
【請求項3】
前記連結部材が、ステンレス鋼製のチェーンにより形成されている、請求項に記載の積荷封印管理システム。
【請求項4】
前記電磁ロックユニットが、前記キーを受け入れた状態であるか否かを検出するセンサを備えている、請求項1に記載の積荷封印管理システム。
【請求項5】
前記キーが前記施錠部によりロックされているロック状態と、前記キーが前記センサにより検知されている状態で且つ前記キーが前記開錠部によりアンロックされているアンロック状態と、前記キーが前記センサにより検知されていない状態である完全開錠状態と、を記録する記録機能を備えている、請求項に記載の積荷封印管理システム。
【請求項6】
前記ばら積み貨物輸送用車両に取付けられると共に前記ばら積み貨物輸送用車両に取付けられた前記電磁ロックユニットへのアクセス情報を備える識別タグと、
前記電磁ロックユニットを操作する前記操作装置と、を備え、
前記操作装置が、前記識別タグの前記アクセス情報を取得することにより、前記操作装置と前記電磁ロックユニットとをペアリングするペアリング機能を備え、
前記操作装置が複数準備されている場合に、前記操作装置を別の前記操作装置に取り換えて、この別の前記操作装置により前記識別タグの前記アクセス情報を取得するとき、この別の前記操作装置と前記電磁ロックユニットとがペアリングされ、この別の前記操作装置により前記電磁ロックユニットを操作する、請求項1に記載の積荷封印管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、ばら積み貨物を貯蔵する貯蔵部と前記貯蔵部の内部から外部への連通口部を覆うカバーとを備えたばら積み貨物輸送用車両の積荷封印管理システムであって、前記カバーから延びる連結部材と、前記連結部材に取付けられたキーと、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする電磁ロックユニットであって、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする施錠部と、操作装置からの指令に基づいて前記キーを引き抜き可能にアンロックする開錠部と、を備える前記電磁ロックユニットとを備え、前記連結部材は、前記カバーが開いている状態で前記キーが前記施錠部に挿入できず且つ前記カバーが閉じられた状態で前記キーが前記施錠部に挿入できる所定の長さに形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、積荷封印管理システムは、前記キーが挿入された状態で前記キーをロックする電磁ロックユニットであって、前記キーを受け入れた状態で前記キーをロックする施錠部と、操作装置からの指令に基づいて前記キーを引き抜き可能にアンロックする開錠部と、を備える前記電磁ロックユニットとを備えている。これにより、従来のいわゆるインシュロック(登録商標)等の結束バンドの使用に代えて、カバーを閉じた状態で電磁ロックユニットが前記キーをロックすることができる。よって、結束バンドの使用に代えて積荷への異物混入を防止する積荷封印管理システムを提供できる。さらに、前記連結部材は、前記カバーが開いている状態で前記キーが前記施錠部に挿入できず且つ前記カバーが閉じられた状態で前記キーが前記施錠部に挿入できる所定の長さに形成されている。これにより、カバーが閉じられた状態でなければ、キーが前記施錠部に挿入できないように形成されている。よって、キーが前記施錠部に挿入されている状態であれば、カバーが閉じられた状態となっていることが確認できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】