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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122716
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20240902BHJP
   H01M 50/216 20210101ALI20240902BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240902BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240902BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20240902BHJP
   H01M 50/512 20210101ALI20240902BHJP
   H05K 5/06 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G01D11/24 A
H01M50/216
H01M50/293
H01M50/284
H01M50/244 A
H01M50/512
H05K5/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030408
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】井上 良
(72)【発明者】
【氏名】近藤 快人
(72)【発明者】
【氏名】陳 晋宇
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英次
【テーマコード(参考)】
4E360
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
4E360AA03
4E360AB17
4E360BC08
4E360ED12
4E360FA12
4E360FA20
4E360GA42
5H040AA12
5H040AA37
5H040AS22
5H040AT03
5H040AY05
5H040AY14
5H040CC13
5H040CC44
5H040DD02
5H040DD08
5H040DD13
5H040DD22
5H043AA04
5H043AA11
5H043AA20
5H043BA07
5H043CA07
5H043FA02
5H043FA23
5H043FA31
5H043FA37
5H043KA45
(57)【要約】
【課題】防爆仕様を要するエリアにおいても電池交換が可能なセンサ装置を提供する。
【解決手段】目盛G161が付された目盛板G16と目盛板G16上を回動する指針G14と指針G14を回動させる軸部材とを有する計器G1に取り付けて使用され、計器G1の計測値を非接触で取得するセンサ装置D1は、本体部M1と電池部B1とを備え、本体部M1は、計測値を取得するセンサ回路を収容する本体ケース1を備え、電池部B1は、センサ回路に給電する電池を収容する電池ケース5を備え、本体部M1及び電池部B1は、本体ケース1及び電池ケース5を積層することにより組付可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目盛が付された目盛板と前記目盛板上を回動する指針と前記指針を回動させる軸部材とを有する計器に取り付けて使用され、前記計器の計測値を非接触で取得するセンサ装置であって、
本体部と電池部とを備え、
前記本体部は、前記計測値を取得するセンサ回路を収容する本体ケースを備え、
前記電池部は、前記センサ回路に給電する電池を収容する電池ケースを備え、
前記本体部及び前記電池部は、前記本体ケース及び前記電池ケースを積層することにより組付可能であるセンサ装置。
【請求項2】
前記本体部が対向する姿勢で前記計器に取り付けられる請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記本体ケースと前記電池ケースとの境界に封止部材が設けられている請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記電池ケースに複数の前記電池が収容され、
複数の前記電池は、前記電池ケース内において、互いに隣接する2つの前記電池の間に設けられ、絶縁材料からなる分離部を有するホルダで支持され、
前記電池ケースは、前記ホルダと共に、複数の前記電池の夫々と電気的に接続される電池基板を収容する請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項5】
複数の前記電池の夫々は、積層された状態で前記電池ケースに収容されるコイン型の電池であって、
互いに隣接する2つの前記電池は、正極及び負極のうちの一方同士が互いに対向する状態で配置されている請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項6】
複数の前記電池は、夫々の軸心が前記軸部材の軸心に平行となるように積層され、
前記電池基板は、板面が複数の前記電池の積層方向に沿うように設けられ、
前記電池は、複数の前記電池の夫々の前記正極及び前記負極から延出する延出端子を介して前記電池基板に電気的に接続される請求項5に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記電池ケースは、前記電池を収容する円筒状の筒状収容部と、前記筒状収容部から径方向外側に突出し、前記電池基板を収容する基板収容部とを有し、
前記本体ケースは、前記計器に取り付けられた状態において、前記軸部材の軸心に沿う軸方向視で、前記電池ケースと同じ外形を有する形状で形成されている請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記本体部と前記電池部とは、前記電池ケースを前記本体ケースに押し付けた状態で押し付け方向と平行な軸を回転軸とした回転により取り付け及び取り外しが可能である請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記センサ回路は、前記指針の位置を示す位置情報を取得するセンサ部とセンサ制御部とを有し、
前記センサ部は、前記計器に取り付けられた状態において、前記本体ケースの底部に対向する位置に配置され、前記軸部材の軸心に沿う軸方向視で、前記軸部材と重複する位置に配置されている請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記指針の前記位置情報を受信機へ送信するアンテナを有する無線回路を更に備え、
前記アンテナは、前記計器に取り付けられた状態において、前記軸方向視で、前記軸部材と重複しない位置に配置されている請求項9に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器に取り付けて使用され、当該計器の計測値を非接触で取得するセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造工場の自動化が進み、組み立て装置や検査装置においてロボット等の利用が増えてきている。自動組み立てや自動検査用のロボット装置には、稼働状態を監視するために多くの計器が取り付けられている。この様な製造工場では、可燃性ガスを使用している場合があり、使用する装置には防爆仕様が要求される。一方、同一の製造工場内で多くの計器を使用する場合には、省人化を目的とする計器の計測値を読み取るセンサ装置を設置し、それらのセンサ装置を動作させるために多くの電源も必要となる。外部電源を利用して計器計測センサ装置毎に電力供給を行うと、外部電源と計器計測センサ装置とを接続する電源ケーブルが計器計測センサ装置の数量だけ必要となり、また、製造工場内を多くの電源ケーブルを配策しなければならなくなる。更には、上述した防爆仕様により、電源ケーブルと計器計測センサ装置との接続部分の防爆措置も求められるため、電源ケーブルや接続コネクタが特殊な仕様となる等、コストアップの要因となる。そこで、このような課題を解決する技術が検討されてきた(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、電池収納構造を備え、差圧や温度を検出するセンサ機器としてプラントや工場に設置されるフィールド機器である防爆機器が記載されている。電池パックの交換時には、防爆機器の動作状態を維持するためにコンデンサが使用されており、電池交換中に防爆機器の動作を維持できる場合にはコンデンサが省略可能である。すなわち、特許文献1には、防爆仕様を要するエリアにおいて、防爆機器の動作状態を維持しつつ、短時間で電池交換が可能な防爆機器について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-78414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される防爆機器の電池収納構造では、第1収納部及び第2収納部に収電池が個別に収納されており、第1収納部の電池及び第2収納部の電池のいずれか一方が押し込まれた場合に、第1収納部の電池及び第2収納部の電池の他方を排出するように揺動する揺動部材を備えている。このように、揺動部材は複雑な構造となっており、コストアップの要因となる。また、例えば防爆仕様が求められるエリアにおいて電池交換を行う場合には短時間での交換が求められるが、特許文献1に記載の防爆機器の電池収納構造では、揺動部材により、第1収納部の電池及び第2収納部の電池のうちの1つずつしか行うことができず、センサ機器が大型になってしまう。また、電池パックを2個以上備えて使用する場合には、揺動部材はより複雑になり、コストアップと大型化の要因となるだけでなく、2個以上の電池パックを同時に交換するには短時間で行うことができない。
【0006】
そこで、防爆仕様を要するエリアにおいても複雑な機構を備えることなく電池交換を短時間で行うことが可能なセンサ装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るセンサ装置の特徴構成は、目盛が付された目盛板と前記目盛板上を回動する指針と前記指針を回動させる軸部材とを有する計器に取り付けて使用され、前記計器の計測値を非接触で取得するセンサ装置であって、本体部と電池部とを備え、前記本体部は、前記計測値を取得するセンサ回路を収容する本体ケースを備え、前記電池部は、前記センサ回路に給電する電池を収容する電池ケースを備え、前記本体部及び前記電池部は、前記本体ケース及び前記電池ケースを積層することにより組付可能な点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、本体部が計器に取り付けられた状態で、本体ケースと電池ケースとを積層することで、本体部と電池部とを容易に組み付けることができる。また、本体部が、計器に取り付けられた状態で、本体ケースから電池ケースを取り外すことで、本体部と電池部とを離間させることができる。また、センサ装置を防爆仕様とすることで防爆エリアで使用することが可能であり、更には本体部と電池部とを、夫々が、独立して防爆仕様で形成することで、センサ装置が使用される機器に防爆仕様が要求されるエリアにおいて、センサ装置をエリア外に持ち出すことなく電池と共に電池部を交換することが可能となる。したがって、防爆仕様を要するエリアにおいても電池交換を短時間で行うことができる。
【0009】
また、前記本体部が対向する姿勢で前記計器に取り付けられると好適である。
【0010】
このような構成とすれば、計器が計測した計測値を、センサ回路が取得する場合に、センサ回路と計器との間には、本体部が底部を有していれば本体部の底部しか存在しないので、センサ回路を計器に近接させることができる。したがって、センサ回路が計測値を精度よく取得することが可能となる。
【0011】
また、前記本体ケースと前記電池ケースとの境界に封止部材が設けられていると好適である。
【0012】
このような構成とすれば、本体ケースと電池ケースとの夫々の内側に形成される空間を、防塵・防水構造とすることができる。したがって、本体ケースに収容されるセンサ回路や、電池ケースに収容される電池に水滴や埃等が付着して、機能が低下するといった状況を防止できる。
【0013】
また、前記電池ケースに複数の前記電池が収容され、複数の前記電池は、前記電池ケース内において、互いに隣接する2つの前記電池の間に設けられ、絶縁材料からなる分離部を有するホルダで支持され、前記電池ケースは、前記ホルダと共に、複数の前記電池の夫々と電気的に接続される電池基板を収容すると好適である。
【0014】
このような構成とすれば、電池ケース内において、ホルダにより電池を所期の位置に配置することができる。
【0015】
また、複数の前記電池の夫々は、積層された状態で前記電池ケースに収容されるコイン型の電池であって、互いに隣接する2つの前記電池は、正極及び負極のうちの一方同士が互いに対向する状態で配置されていると好適である。
【0016】
このような構成とすれば、並列に接続される電池の互いに対向する電極間の電位差を低減できる。これにより、互いに対向する電極間において放電が生じる危険を抑制できる。
【0017】
また、複数の前記電池は、夫々の軸心が前記軸部材の軸心に平行となるように積層され、前記電池基板は、板面が複数の前記電池の積層方向に沿うように設けられ、前記電池は、複数の前記電池の夫々の前記正極及び前記負極から延出する延出端子を介して前記電池基板に電気的に接続されると好適である。
【0018】
このような構成とすれば、複数の電池を、軸方向に沿う長さが最短となるように配置できる。また、単一の電池基板に複数の電池を電気的に容易に接続することが可能となる。
【0019】
また、前記電池ケースは、前記電池を収容する円筒状の筒状収容部と、前記筒状収容部から径方向外側に突出し、前記電池基板を収容する基板収容部とを有し、前記本体ケースは、前記計器に取り付けられた状態において、前記軸部材の軸心に沿う軸方向視で、前記電池ケースと同じ外形を有する形状で形成されていると好適である。
【0020】
このような構成とすれば、電池が収容される電池ケースの筒状収容部を、ホルダが収容可能な最小サイズに設計し、電池ケースの基板収容部は電池基板とホルダの一部が収容可能な最小サイズに設計することにより、計器へセンサ装置が取り付けられた状態でのセンサ装置の軸方向における面積を最小にすることができる。
【0021】
また、前記本体部と前記電池部とは、前記電池ケースを前記本体ケースに押し付けた状態で押し付け方向と平行な軸を回転軸とした回転により取り付け及び取り外しが可能であると好適である。
【0022】
このような構成とすれば、例えば本体ケースに電池ケースが取り付けられた状態において、電池ケースを反時計回りに所定の角度だけ回転することで、電池ケースを本体ケースから取り外すことができる。また、本体ケースから取り外した電池ケースは、所定の角度だけ時計回りに回転すると、本体ケースに組み付けることができる。したがって、本体ケースに電池ケースを取り付ける工程においてネジ等の固定部材を必要とせず、容易に本体ケースと電池ケースとの取り付けや取り外しを行うことが可能となる。また、電池の交換作業を単純化できるので、短時間で電池の交換を行うことが可能となる。
【0023】
また、前記センサ回路は、前記指針の位置を示す位置情報を取得するセンサ部とセンサ制御部とを有し、前記センサ部は、前記計器に取り付けられた状態において、前記本体ケースの底部に対向する位置に配置され、前記軸部材の軸心に沿う軸方向視で、前記軸部材と重複する位置に配置されていると好適である。
【0024】
このような構成とすれば、例えば計器が指針とともに回動する磁石を備えている場合、磁石の回動による磁界の変化をセンサ部が読み取り、センサ制御部がセンサ部の出力をセ指針の位置を示す位置情報に変換することで、センサ装置が指針の位置を検知することが可能となる。
【0025】
また、前記指針の前記位置情報を受信機へ送信するアンテナを有する無線回路を更に備え、前記アンテナは、前記計器に取り付けられた状態において、前記軸方向視で、前記軸部材と重複しない位置に配置されていると好適である。
【0026】
このような構成とすれば、センサ部が取得した位置情報を、アンテナを介して、計器から離間した受信機へ無線通信することができ、計器の検針結果を計器から離間した場所で確認することが可能となる。したがって、例えば計器が工場内の設備に設置される複数箇所における圧力を測定するような場合において、工場の始業時の点検作業として設備が正常な圧力を得て可動しているか否かを、複数の圧力計の全てに亘って検査員が目視検査する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】計器にセンサ装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
図2】センサ装置の断面図である。
図3】本体部から電池部が取り外された状態の斜視図である。
図4】本体部から電池部が取り外された状態の斜視図である。
図5】本体部の分解斜視図である。
図6】本体部の分解斜視図である。
図7】電池部の分解斜視図である。
図8】電池部の分解斜視図である。
図9】ホルダと電池基板との接続を説明する図である。
図10】本体部と電池部との動作状態と解除状態とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明のセンサ装置について説明する。なお、後述する実施形態の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施形態の各態様における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変形することが可能であることにも留意されたい。
【0029】
センサ装置D1の一例として、図1図10を参照しつつ説明する。図1は、計器G1にセンサ装置D1を取り付けた状態を示す斜視図である。図2は、センサ装置D1の断面図である。図3及び図4は、本体部M1から電池部B1が取り外された状態の斜視図である。図5及び図6は、本体部M1の分解斜視図である。図7及び図8は、電池部B1の分解斜視図である。図9は、内部ホルダ7と電池基板8との接続の説明図である。図10は、本体部M1と電池部B1との動作状態と解除状態とを示す図である。図1図9には、軸方向Zが示される。以下では、軸方向一方側をZ1側(「軸方向一方側Z1」と称することもある)とし、軸方向他方側をZ2側(「軸方向他方側Z2」と称することもある)として説明する。なお、計器G1の軸方向Zは、図2に示されるように軸部材G17(後述する)の軸心に沿う方向に相当し、センサ装置D1の軸方向Zは、センサ装置D1を計器G1に取り付けたときに軸部材G17の軸心に沿う方向(本体部M1と電池部B1の積層方向)に相当する。
【0030】
図1及び図2に示されるように、センサ装置D1は、別体の計器G1に取り付けて使用される。計器G1は、指針G14と目盛板G16と軸部材G17とを有する。目盛板G16の表面には、目盛G161が付されている。本実施形態では、目盛G161は目盛板G16における径方向外側の領域に周方向に沿って設けられる。軸部材G17は、軸方向Zに沿って目盛板G16を貫通して設けられる。軸部材G17は、指針G14を回動させる。これにより、指針G14は目盛板G16上を回動し、指針G14の先端部G141が重なる(重複する)目盛G161上の位置によって、計器G1の計測値を認識することができるように構成されている。
【0031】
センサ装置D1は、取り付けられた計器G1の計測値を非接触で取得する。計器G1の計測値とは、計器G1が測定した測定結果である。図1図4に示されるように、センサ装置D1は、本体部M1と電池部B1とを備える。
【0032】
センサ装置D1は、本体部M1が計器G1と対向する姿勢で取り付けられる。したがって、図1及び図2に示されるように、本体部M1が電池部B1よりも計器G1側に位置する状態で、取り付けられる。
【0033】
まず、本体部M1について説明する。図2図6に示されるように、本体部M1は、本体ケース1を備える。
【0034】
本体ケース1は、有底の円筒状(略円筒状を含む)である筒部11と、この筒部11の外周面より径方向外側に突出した凸部12を有する。
【0035】
筒部11は、内部に本体収容空間111が形成されており、本体収容空間111の軸方向一方側Z1に底部112を有する。
【0036】
凸部12は、軸方向一方側Z1の端部122が、筒部11の軸方向一方側Z1の端部にあたる底部112と面一で形成されていてもよい。また、凸部12は、軸方向他方側Z2の端部123が、筒部11の軸方向一方側Z1の端部141と面一で形成されていてもよい。また、凸部12は、軸方向Zに沿う平面視及び軸方向Zに直交する断面形状が、矩形(略矩形状を含む)でもよいし、台形(略台形状を含む)でもよく、その他の形状であってもよい。更には、凸部12を設けずに構成することも可能である。
【0037】
本体収容空間111には、センサ回路2と無線回路3とが収容される。
【0038】
センサ回路2は、計器G1の計測値を取得する。センサ回路2は、センサ部21とセンサ制御部22を有する。センサ部21は、本体ケース1の底部112に対向する位置に配置される。センサ部21は、指針G14の位置を示す位置情報を取得する。
【0039】
次に、センサ装置D1の本体部M1の具体例について説明する。センサ回路2のセンサ部21は、例えば磁気センサ用ICとすることが可能である。本体部M1は、図5及び図6に示されるように、本体基板4を備えている。本体基板4は、軸方向Zにおける軸方向一方側Z1に第1面41を有し、軸方向他方側Z2に第2面42を有している。第1面41には、センサ回路2のセンサ部21が実装されており、第2面42にはセンサ回路2のセンサ制御部22と、無線回路3とが実装されている。センサ部21は、センサ装置D1が計器G1に取り付けられた状態の軸方向Z視で、軸部材G17と重なる位置に配置されている。また、第2面42には、無線回路3のアンテナ31が設けられている。アンテナ31は、図5に示されるように、第2面42にパターンニングにより形成することが可能である。アンテナ31は、センサ部21で取得した指針G14の位置情報を受信機(図示せず)へ送信する。
【0040】
アンテナ31は、センサ装置D1が計器G1に取り付けられた状態の軸方向Z視で、軸部材G17と重複しない位置に配置されている。すなわち、軸部材G17の軸心方向に沿ってセンサ装置D1を見た場合に、アンテナ31は軸部材G17と重ならないように配置される。
【0041】
したがって、無線回路3のアンテナ31は、軸方向Z視においてセンサ回路2のセンサ部21と重ならない位置に配置される。
【0042】
本体基板4は、リジット基板でもよいし、フレキシブル基板でもよい。また、本体基板4は、第1面41と第2面42との2層(すなわち、第1面41側のパターンと第2面42側のパターンとの2層)からなる両面基板(2層基板)でもよいし、第1面41と第2面42との間の層(内層)を有する3層以上の多層基板であってもよく、本体ケース1に支持されて固定されていてもよい。
【0043】
本体部M1は、防爆仕様で形成することが可能である。防爆仕様とは、センサ装置D1が、当該センサ装置D1の外部に設けられる可燃物(例えば、ガスや粉塵等)の着火源とならないように規定された仕様である。このような防爆仕様として、電位差が発生する空間や部材表面において、例えば互いに隣接する部材を離間して配置することにより絶縁距離を長くしたり、ポッティング剤等の樹脂材料を対象の部材に塗布したり、本体部M1の内部の空間(すなわち、本体ケース1内)を樹脂材料により封止するようなオーバーモールドする等の構造とすることが挙げられる。
【0044】
次に、電池部B1について説明する。電池部B1は、図7及び図8に示されるように、電池ケース5と電池6と内部ホルダ7(「ホルダ」の一例)と電池基板8を含んで構成される。
【0045】
電池ケース5は、有底円筒状(略円筒形状を含む)の筒状収容部51と、筒状収容部51から径方向外側に突出した基板収容部52とを有する。
【0046】
筒状収容部51は、内部に内部ホルダ収容空間511が形成され、軸方向一方側Z1に底部512が設けられている。内部ホルダ収容空間511には、電池6と内部ホルダ7とが収容される。電池6は、センサ回路2に給電する。底部512には、径方向中央部に貫通孔512aが形成されており、この貫通孔512aにより内部ホルダ収容空間511が外側と連通する。
【0047】
基板収容部52は、電池基板8を収容する電池基板収容空間521を有している。電池基板収容空間521は、内部ホルダ収容空間511と連通して構成される。
【0048】
本実施形態では、内部ホルダ収容空間511には、電池6と共に内部ホルダ7の一部が収容される。また、電池基板収容空間521には、電池基板8と共に内部ホルダ7の一部が収容される。
【0049】
本実施形態では、内部ホルダ収容空間511には、3つの電池6が収容される。3つの電池6は、夫々、コイン型の電池が利用され、電池6の軸方向に沿って積層された状態で内部ホルダ収容空間511に収容される。本実施形態では、3つの電池6は軸方向Zに沿って積層される。
【0050】
3つの電池6のうち、互いに隣接する2つの電池6は、正極及び負極のうちの一方同士が互いに対向する状態で配置されている。本実施形態では、電池6には、3つの電池6の夫々の正極及び負極に導電性のタブ(「延出端子」の一例)61の一端が溶接して設けられる。タブ61の他端は、正極及び負極から電池6の径方向外側に向かって延出し、電池基板8と半田付けやその他の方法により電気的に接続される。したがって、3つの電池6の夫々は、タブ61を介して電池基板8に電気的に接続される。なお、電池6と電池基板8との接続は、導電性を有し、コイン型の電池6と電池基板8とを電気的に接続できる機能を有するものであれば、タブ61以外のものを用いることも可能である。
【0051】
内部ホルダ7は、絶縁性の材料を用いて、円柱状に形成されている。内部ホルダ7は、図2に示されるように、電池6を収容する電池収容部71を有している。本実施形態では、電池収容部71は、3つの電池6を個別に収容できるように構成されている。具体的には、絶縁材料からなる分離部72を有する。分離部72は、電池ケース5内において、互いに隣接する2つの電池6の間に位置するように設けられる。したがって、図2に示されるように、本実施形態では、軸方向Zに沿って、内部ホルダ7の天板71A、タブ61、電池6、タブ61、分離部72、タブ61、電池6、タブ61、分離部72、タブ61、電池6、タブ61、内部ホルダ7の底板71Bの順に設けられる。内部ホルダ7は、図9に示されるように、周方向に沿う一部が開放されており、この開放部分から電池収容部71に対して電池6を挿入可能に構成されている。したがって、この開放部分は、電池挿入部73に相当する。
【0052】
図2に示されるように、電池基板8は、第1面81と第2面82とを有する。本実施形態では、電池基板8は、板面(第1面81及び第2面82)が3つの電池6の積層方向に沿うように設けられる。上述したように、電池6は軸方向Zに沿って積層されている。したがって、電池基板8は板面が軸方向Zと平行な状態で設けられる。ここでは、第2面82が電池6と対向する面とし、第1面81が第2面82の裏面とする。また、電池基板8における、軸方向一方側Z1側の端部を第1端部83とし、軸方向他方側Z2の端部を第2端部84とする。
【0053】
電池基板8は、電池6を収容する内部ホルダ7の電池挿入部73の少なくとも一部を覆うように(蓋をするように)配置される。第1端部83は、電池ケース5の底面に当接するように配置され、第2端部84は、シートSを介して電池ケース5に設けられる蓋部9を支持するように配置される。
【0054】
上述したように、3つの電池6は、互いに隣接する2つの電池6が、正極及び負極のうちの同極同士が互いに対向する状態で配置されている。3つの電池6は、電池基板8に形成されるパターンにより、電気的に並列に接続されている。電池基板8には、電池6の出力を制御する制御部が実装されていてもよい。図9に示されるように、電池基板8には、接続部材10が設けられている。接続部材10は一端側が電池基板8に半田付けされ、或いは、その他の方法で電気的に接続されている。
【0055】
なお、本実施形態では、3つの電池6が設けられているが、2つ以下でもよいし、4つ以上でもよい。また、電池6が複数備えられる場合、夫々は電気的に直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。また、直列接続と並列接続との組み合わせで構成されていてもよい。また、互いに隣接する2つの電池6が、正極及び負極のうちの同極同士が互いに対向する状態で配置されているとしたが、例えば直列接続である場合や、並列接続において互いに対向する2つの電池6の夫々の正極及び負極における電位が互いに異なる場合は、互いに隣接する2つの電池6の間の分離部72が、軸方向Z視において電池6の全体と重なるように構成することが可能である。
【0056】
電池部B1は、軸方向他方側Z2に、上述した蓋部9が設けられるが、図8に示されるように、シートSが介在した状態で設けてもよい。
【0057】
内部ホルダ7は、軸方向一方側Z1の筒状体7Aが、底部512の貫通孔512aに挿通される状態で、内部ホルダ収容空間511に収容される。蓋部9は、電池ケース5の軸方向他方側Z2を閉塞し、電池ケース5に支持され、固定される。このとき、内部ホルダ7の軸方向一方側Z1の一部が、電池ケース5の底部512の貫通孔512aから軸方向一方側Z1に露出する状態で構成されていてもよい。
【0058】
内部ホルダ7は、絶縁性の材料を用いて、電池6を電池基板8に電気的に接続した構造体に対して成型する構造であってもよいし、電池6に対して成型する構造であってもよい。成型方法としては、インジェクション成型やトランスファー成型でもよいし、熱硬化性樹脂やUV効果製樹脂を型に注入して硬化させるポッティング方法でもよいし、その他の方法であってもよい。また、内部ホルダ7の形状は、円柱状以外であってもよく、内部ホルダ収容空間511内で支持される形状であればよい。
【0059】
図2に示されるように、本体部M1及び電池部B1は、本体ケース1及び電池ケース5を積層することにより取り付け可能である。このとき、本体ケース1と電池ケース5との境界には、Oリング(「封止部材」の一例)Oが設けられる。OリングOは、電池ケース5に取り付けられて、本体部M1に電池部B1が固定された状態で、本体収容空間111を液密状態にすることが可能である。シートSは、電池ケース5と蓋部9に挟持されて、OリングOと共に、内部ホルダ収容空間511及び電池基板収容空間521を液密状態にする。OリングOは、本体ケース1に取り付けるように構成してもよい。シートSは、シート状の部材の代わりにOリング等のパッキン材を使用してもよいし、コーキング剤を塗布してもよい。また、パッキン材を一体成型してもよいし、蓋部9と電池ケース5を超音波溶着や接着固定するなどして電池ケース5と蓋部9の嵌合部からの水滴の侵入を防止する構造としてもよい。
【0060】
電池部B1は、本体部M1と同様に、防爆仕様で形成することが可能である。電池部B1は、本体部M1と同様に、電位差が発生する空間や部材表面において、例えば互いに隣接する部材を離間して配置することにより絶縁距離を長くしたり、ポッティング剤等の樹脂材料を対象の部材に塗布したり、本体部M1の内部の空間(すなわち、本体ケース1内)を樹脂材料により封止するようなオーバーモールドする等の構造とするとよい。
【0061】
センサ装置D1は、本体部M1と電池部B1の組み合わせにより、防爆仕様で形成することが可能である。
【0062】
接続部材10は、本体部M1と電池部B1を電気的に接続する。図5及び図9に示されるように、接続部材10は、電線10aとプラグ10bからなる基板対基板接続用ハーネスと、本体基板4に実装されるレセプタクル10cとで構成することが可能である。電線10aは、例えば一組の電源用電線とグランド用電線で構成される。電線10aは、上述したように、一端側が半田付け又はその他の方法で電池基板8に電気的に接続され、他端側が電源用電線及びグランド電線のプラグ10bが接続される。プラグ10bは、プラグボディ10b1と、プラグボディ10b1に保持されるプラグコンタクト10b2とを有し、電線10aの中心導体と電気的に接続されている。図4に示されるように、電線10aの一部とプラグ10bとは、電池ケース5の貫通孔512aより軸方向一方側Z1において露出する状態で設けられる。図5に示されるように、レセプタクル10cは、本体基板4に実装されて、本体基板4に形成されているパターンと電気的に接続される。レセプタクル10cは、レセプタクルボディ10c1とレセプタクルボディ10c1に保持されるレセプタクル端子10c2とを有している。プラグボディ10b1とレセプタクルボディ10c1とが嵌合接続されると、プラグコンタクト10b2とレセプタクル端子10c2とが電気的に接続される。これにより、本体基板4と電池基板8が電気的に接続される。
【0063】
本体部M1及び電池部B1は、本体ケース1及び電池ケース5を積層することにより取り付け可能である。ここで、センサ装置D1がセンサ機能を実行できる状態を「動作状態」とし、センサ装置D1がセンサ機能を実行できない状態を「解除状態」とする。また、本体ケース1は、計器G1に取り付けられた状態において、軸部材G17の軸心に沿う軸方向Z視で、電池ケース5と同じ外形を有する形状で形成されている。
【0064】
本体部M1と電池部B1とは、電池ケース5を本体ケース1に押し付けた状態で押し付け方向と平行な軸を回転軸とした回転により取り付け及び取り外しが可能である。具体的には、電池ケース5を本体ケース1に押し付けた状態で、電池ケース5の筒状収容部51の軸心を中心に、軸方向Z視において、図10の(A)に示されるように、軸方向一方側Z1に向かって見たときに、電池ケース5が本体ケース1と一致するように時計回りに回転させることで、電池ケース5を本体ケース1に取り付けて、センサ装置D1を動作状態とすることが可能である。一方、電池ケース5の筒状収容部51の軸心を中心に、軸方向Z視において、図10の(B)に示されるように、電池ケース5が本体ケース1と一致しないように反時計回りに回転させることで、電池ケース5を本体ケース1から取り外して、センサ装置D1を解除状態とすることが可能である。
【0065】
このような本体部M1と電池部B1との取り付け及び取り外しは、電池ケース5と本体ケース1とに係止機構35を設けるとよい。係止機構35は、例えば図3及び図4に示されるように、本体ケース1の内周面に設けられ、径方向内側に突出する係止部513と、電池ケース5から軸方向一方側Z1に突出して設けられる被係止部113とから構成される。被係止部113は、軸方向一方側Z1に向かって見たときに、時計回り側の端部が開口しており、反時計回り側の端部が閉口している。これにより、電池ケース5を、本体ケース1と一致しない状態で、本体ケース1に押し付け、時計回りに回転させることで、係止部513が被係止部113に進入して係止され、電池部B1を本体部M1に取り付けることが可能となる。また、係止部513が被係止部113に係止されている状態において、電池ケース5を、本体ケース1に対して反時計回りに回転させる(例えば25度)ことで、電池部B1を本体部M1から取り外すことが可能となる。
【0066】
上述したように、本体部M1は電池部B1よりも計器G1側に位置する状態で、取り付けられる。上述したように、電池ケース5を本体ケース1に対して時計回りに回転させることで、電池部B1を本体部M1に取り付けることができ、電池ケース5を本体ケース1に対して反時計回りに回転させることで、電池部B1を本体部M1から取り外すことができる。したがって、計器G1に本体部M1が取り付けられた状態のまま、電池部B1を取り外し、電池部B1を交換することが可能となる。
【0067】
電池部B1を本体部M1から完全に取り外すには、接続部材10のレセプタクル10cからプラグ10bを抜去する。電池部B1を本体部M1に取り付けるためには電池部B1を本体部M1に対して軸方向一方側Z1に押し付ける前に、接続部材10のプラグ10bをレセプタクル10cに挿入して接続するとよい。なお、電池部B1を本体部M1に取り付ける際に反時計回りに回転させ、電池部B1を本体部M1から取り外す際に時計回りに回転させるように構成してもよい。また、取り外す際の回転角度は、25度以上であってもよいし、25度未満であってもよい。
【0068】
本体ケース1は、筒部11の軸心が電池ケース5の筒状収容部51の軸心と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0069】
また、図3及び図4に示されるように、本体ケース1には、凸部12に軸方向他方側Z2が開口状態であるガイド溝121が形成されている。また、電池ケース5には、基板収容部52に軸方向一方側Z1に突出する突起522が形成されている。突起522は、図10の(A)の動作状態及び図10の(B)の解除状態において、ガイド溝121内に挿入されている状態とするとよい。ガイド溝121は軸方向他方側Z2を露出する底面121aを有し、突起522は軸方向一方側Z1に先端部522aを有し、動作状態と解除状態との一方から他方への遷移中は、上述したように、電池ケース5を本体ケース1に押し付けた状態で、底面121aに先端部522aが当接している状態とするとよい。底面121aと先端部522aとの間には、隙間を有していてもよい。
【0070】
図1及び図2に示されるように、計器G1は、本体部G11とケースG12と外枠G13と指針G14と透明板G15と目盛板G16と軸部材G17とを有する。本体部G11は、ケースG12に目盛板G16と共に収容され、透明板G15に取り付けられる。透明板G15は、外枠G13に嵌め込まれた状態でケースG12に組み込まれる。これにより、透明板G15は、外枠G13に内包される。指針G14が目盛G161に重なる位置により、計測値を読み取る圧力計とすることが可能である。本体部M1の本体ケース1の筒部11の軸心は、軸方向Z視において圧力計の指針G14が回動する中心軸に重なる位置に配置するとともに、計器G1に取り付けられた状態において、センサ回路2のセンサ部21を軸方向Z視において圧力計の指針G14が回動する中心軸である軸部材G17と重複する位置に配置することが可能である。
【0071】
〔その他の実施形態〕
接続部材10は、電線10aとレセプタクル10cとプラグ10bとによって構成されているとして説明した。しかしながら、接続部材10に代えて、例えば本体部M1側のコネクタと、電池部B1側のコネクタとが、弾性接触することで本体部M1と電池部B1とが電気的に接続されるように構成することも可能である。
【0072】
本体基板4には、本体部M1における電力供給を制御する本体電源制御部43を有していてもよいし、電池基板8には、電池部B1の出力を制御する制御部(図示せず)を有していてもよい。具体的には、本体電源制御部43は、センサ回路2及び無線回路3を駆動するために、電池部B1からの電力を制御するとよい。また、制御部は、電池基板8から接続部材10を介して出力される電池6からの電力を制御するとよい。
【0073】
電池部B1は、図10の(A)に示される動作状態の時に、接続部材10を介して電池6から本体部M1に電力供給を行うことが可能な状態となり、図10の(B)に示される解除状態の時や本体部M1から取り外されているときには、電池6による電力供給が停止し、電池部B1側の接続部材10の出力端には電位差が生じないように構成することが可能である。このような構成とする場合には、例えば、本体部M1に磁石を設け、電池部B1にホール素子(制御部の一例)を設けるとよい。このような場合には、動作状態のときに、ホール素子が磁石の磁束を検知して電池6が電力を出力する状態にし、解除状態及び本体部M1から取り外しているときは、ホール素子が磁石の磁束を検知できないので、電池6の電力の出力を遮断する状態にするとよい。また、本体部M1に、接続部材10の一部である導電性材料からなる本体側端子を設け、電池部B1に、接続部材10の一部である導電性材料からなる弾性変位可能な接点部を有する電池側端子を設けてもよい。この場合には、動作状態のときは電池側端子の接点部が変位して本体側端子と弾性接触することで電気的に接続され、解除状態のとき又は動作状態と解除状態との遷移中のときは、電池側端子の接点部が本体側端子と接触せず電気的接続がされないように構成することが可能である。
【0074】
また、本体部M1は、接続部材10の一部である導電性材料からなる本体側端子を有し、電池部B1は、接続部材10の一部である導電性材料からなり弾性変位可能な接点部を有する電池側端子を有するように構成することも可能である。この場合には、動作状態及び解除状態のときは、電池側端子の接点部が変位して本体側端子と弾性接触することで電気的に接続される。本体部M1に磁石を設け、電池部B1にホール素子を設けた場合において、動作状態のときはホール素子が磁石の磁束を検知して電池6が電力を出力する状態にし、解除状態及び本体部M1から取り外しているときは、ホール素子が磁石の磁束を検知できない。このとき、電池6の電力の出力を遮断する状態にすることが可能である。また、本体部M1と電池部B1とが電気的に接続されるタイミングと電池部B1の電池6の出力をONにするタイミングとをずらすことが可能である。
【0075】
本体ケース1と電池ケース5と蓋部9とは、例えば透明の絶縁材料で形成することも可能である。
【0076】
本体ケース1の筒部11と電池ケース5の筒状収容部51とは、夫々、センサ装置D1が動作状態であるか、あるいは解除状態であるかを視認可能するための表示を有していてもよい。
【0077】
上記実施形態では、センサ装置D1を取り付ける計器G1として圧力計を例に挙げて説明した。しかしながら、計器G1は、圧力計に限定されるものではなく、例えば電圧計、電流計、電力計、電力量計等であってもよい。また、流量計等に利用することも可能である。
【0078】
〔技術的特徴及び効果〕
以上のように構成される計器G1に取り付けて使用されるセンサ装置D1は、以下のような技術的特徴及び効果を奏する。
【0079】
(1)第1技術的特徴及び効果
本体部M1が計器G1に取り付けられた状態で、本体ケース1に電池ケース5を取り付けることで、本体部M1と電池部B1とを電気的に接続できる。また、本体部M1が、計器G1に取り付けられた状態で、本体ケース1から電池ケース5を取り外すことで、本体部M1と電池部B1との電気的接続を解除できる。また、センサ装置D1を防爆仕様とすることで防爆エリアで使用することが可能であり、更には本体部M1と電池部B1は、夫々が、独立して防爆仕様で形成することで、センサ装置D1が使用される機器に防爆仕様が要求されるエリアにおいて、センサ装置D1をエリア外に持ち出すことなく電池6と共に電池部B1を交換できる。
【0080】
また、予め電池ケース5に電池6が収容された電池部B1を準備しておくことで、電池6の交換時には、本体部M1は計器G1に取り付けたままの状態とし、電池ケース5ごと交換することができる。この場合、電池ケース5から古い電池6を取り出す作業や、新しい電池6を内部ホルダ7にセットする作業や、それらに伴う電池ケース5の蓋部9の開閉作業は、電池交換時には不要であるので、短時間で電池交換を行うことが可能である。したがって、電池部B1の交換に要する作業時間を短くできる。また、交換作業中に、本体部M1の本体電源制御部43にセンサ回路2及び無線回路3への電源供給を維持する機能を付加させることで、電池部B1の交換により、センサ装置D1による計器G1の検針を停止させないようにすることができる。
【0081】
また、センサ装置D1の検針データを工場の設備の電源に連動させている場合、設備を停止させることなく電池交換ができる。更に、例えばセンサ装置D1に、動作開始時に計器G1が読み取る計測値を検針する機能の校正を行う設定がされている場合、電池交換時にセンサ装置D1の検針機能は停止しないので、校正の必要がなく校正に要する時間も削除できる。また、電池6を正極と負極とを間違って接続した場合に適切な状態に戻すための時間を不要にでき、更には回路に逆電圧を印加したり、過大な電圧が印加されるといった状況を回避できる。
【0082】
特に、例えば現場で、電池6を単体で交換する仕様である場合、電池6が複数になると交換時間が長くなり、正極と負極とを間違って接続する可能性が高くなる。そこで、電池6の交換時間が短くなることにより、交換作業中の集中力を維持することで、このような誤接続を防止できる。また、電池6の交換を簡素化でき、交換時間が短くなるので、センサ回路2及び無線回路3への電力供給が停止される時間を短縮できる。
【0083】
(2)第2技術的特徴及び効果
本体部M1が対向する姿勢で計器G1に取り付けられているので、計器G1が計測した計測値を、センサ部21が取得する場合に、センサ部21と計器G1との間には底部112しか存在せず、計測値をセンサ部21で取得する機能の低下を低減できる。
【0084】
また、センサ部21が非接触で計器G1の指針G14の位置を読み取る磁気センサICである場合には、電池6から離れて配置されることで、計測値の取得に電池6の影響を受けにくい。例えば、計測値の取得に電池6の影響があっても、センサ部21と電池6との間には電磁波吸収シートを配置する等の対策が可能である。
【0085】
(3)第3技術的特徴及び効果
本体ケース1と電池ケース5との境界にOリングOが設けられているので、本体ケース1と電池ケース5によって閉塞される本体収容空間111は、防塵・防水構造とすることができる。したがって、本体収容空間111に収容されるセンサ部21に水滴や埃等が付着してセンサ機能が低下するといった状況を防止できる。
【0086】
更に、シートSは、電池ケース5と蓋部9とに挟持されて電池ケース5と蓋部9との嵌合により内部ホルダ収容空間511及び電池基板収容空間521に水や油等の液体が侵入するのを防止する構造とすることが可能である。これにより、OリングOは、本体収容空間111を液密状態とすると同時に、内部ホルダ収容空間511及び電池基板収容空間521も液密状態とすることが可能であり、水滴により電池6や電池基板8が腐食したりショートする等して破損するのを防止できる。
【0087】
(4)第4技術的特徴及び効果
複数の電池6は、電池ケース5内において、互いに隣接する2つの電池6の間に設けられ、絶縁材料からなる分離部72を有する内部ホルダ7で支持されているので、電池6を内部ホルダ7内で所定の位置に配置でき、電池基板8への接続作業が容易となる。
【0088】
また、電池6が単体で防爆仕様を具備していても、電池部B1は、互いに隣接する2つの電池6の正極及び負極のうちの一方同士が互いに対向する状態で配置されておらず、電池基板8によって夫々の電池6が並列に接続されている場合には、互いに隣接する2つの電池6における互いに対向する電極間には、電位差があり、放電が生じる危険がある。このため、防爆仕様を具備しない可能性がある。また、電池部B1は、互いに隣接する2つの電池6の正極及び負極のうちの一方同士が互いに対向する状態で配置されていて、電池基板8によって夫々の電池6が直列に接続されている場合には、互いに隣接する2つの電池6における互いに対向する電極間には、電位差があり、放電が生じる危険がある。このため、防爆仕様を具備しなくなる可能性がある。このような、いずれの場合も互いに隣接する2つの電池6の間には、分離部72が設けられているので、分離部72が、軸方向Z視において電池6の全体と重なるように構成すれば、例えば電池6が直列で繋がっていて対向する電極間に電位差がある場合などにおいて、互いに対向する電極の空間距離を長くすることができる。したがって、電位差による放電を抑制できる。
【0089】
(5)第5技術的特徴及び効果
複数の電池6は、互いに隣接する2つの電池6が、正極及び負極のうちの一方同士が互いに対向する状態で配置されているので、互いに隣接する2つの電池6において、互いに対向する電極は同じ電極となる。例えば互いに隣接する2つの電池6が電気的に並列に接続されている場合には、対向する電極間の電位差による放電が生じる危険を抑制できるだけでなく、電池6の正極及び負極に接続されるタブ61は、互いに隣接する2つの電池6の正極及び負極に接続されるタブ61と軸方向Zに対して異なる位置に配置されるように、電池6の電極の中心からずれた位置にタブ61を電極に溶接などによって接続することができる。これにより、タブ61を電気的に接続するために形成された電池基板8の第1面81の表面電極(ランド)が、互いに隣接する2つの電池6のタブ61を電気的に接続するために形成された表面電極(ランド)と軸方向Zにおける位置がずれ、表面電極(ランド)間の沿面距離を長くすることが可能となる。したがって、電池基板8上で電位差による放電が生じる危険を抑制できる。電池基板8に形成される電極は、第1面81から第2面82に貫通するスルーホール電極であってもよい。
【0090】
(6)第6技術的特徴及び効果
複数の電池6は、夫々の軸心が軸部材G17の軸心に平行となるように積層され、電池基板8は、板面が複数の電池6の積層方向に沿うように設けられ、電池6は、複数の電池6の夫々の正極及び負極から延出するタブ61を介して電池基板8に電気的に接続される。これにより、複数の電池6を軸方向Zに沿う長さが、最短となるように配置でき、1枚の電池基板8に複数の電池6を電気的に接続することが可能である。
【0091】
電池基板8の軸方向Zに沿う長さは、複数の電池6の軸方向Zに沿う長さと等しく、又はやや長く設定することで、電池部B1の軸方向Zに沿う長さを短くできる。すなわち、センサ装置D1が取り付けられた計器G1の取り付け面からのセンサ装置D1の軸方向Zにおける高さを低くできる。
【0092】
電池基板8の軸方向Zに沿う長さを複数の電池6の軸方向Zに沿う長さよりも短くすると、軸方向Zに沿う電池基板8の第1端部83と第2端部84の間に配置される電池6の正極及び負極から電池基板8までの距離と、軸方向Zにおける電池基板8の第1端部83よりも軸方向一方側Z1又は第2端部84よりも軸方向他方側Z2に配置される電池6の電極から電池基板8までの距離とが互いに異なるので、電池6の正極及び負極から電池基板8までの距離の違いに応じて電池6の正極及び負極とタブ61との接続形態の種類が必要となり、電池6を内部ホルダ7の電池収容部71に収容するのに、電池6の正極及び負極とタブ61との接続形態を確認しながら作業しなければならなくなり、面倒である。このような場合、誤った順で電池6を電池収容部71に収容してしまうと、電池基板8へタブ61を接続することができない。しかしながら、本構成であればこのような状況を回避できる。
【0093】
(7)第7技術的特徴及び効果
本体ケース1は、計器G1に取り付けられた状態において、軸部材G17の軸心に沿う軸方向Z視で、電池ケース5と同じ外形を有する形状で形成されているので、電池6が収容される電池ケース5の筒状収容部51を、内部ホルダ7が収容可能な最小サイズに設計し、電池ケース5の基板収容部52は電池基板8と内部ホルダ7の一部が収容可能な最小サイズに設計することにより、計器G1へセンサ装置D1が取り付けられた状態でのセンサ装置D1の軸方向Zにおける投影面積は、電池6の外観サイズに対して、少し大きい程度のサイズで設計できる。
【0094】
例えば、コイン型の電池6として汎用のCR2032型を使用する場合、電池ケース5の筒部11の直径は約30mm以下とすることが可能である。計器G1が、指針G14が目盛G161に重なる位置より計測値を読み取る圧力計等である場合、計器G1が計測する計測値を読み取るようにセンサ装置D1を取り付けている場合でも、センサ装置D1が正常に計測値を読み取れているか否かを確認する場合や、計器G1の近傍で作業中に計測値を知りたい場合等、計器G1の指針G14が目盛G161に重なる位置を視認しなければならない場合があるので、計器G1に取り付けられるセンサ装置D1は、軸方向Zにおける投影面積が小さいほど、視認性がよい。
【0095】
本体部M1は、コイン型の電池として汎用のCR2032型を使用する場合には、電池ケース5の軸方向Zに沿う投影面積が大きくなるが、電池寿命をのばしたい等の理由で電池6のサイズを大きくするには、本体部M1はCR2032型を使用する場合と同じ大きさで、電池部B1のうち本体部M1への取り付け部分はCR2032型を使用する場合と同じ大きさで、筒状収容部51のみを大きくすればよいので、既に取り付けられている本体部M1を交換せずに電池サイズの異なる電池部B1に変更することが可能である。この時、センサ装置D1は、本体部M1は変更されず、計器G1におけるセンサ装置D1を取り付ける取り付け面より、軸方向他方側Z2に本体部M1の軸方向Zの高さ寸法だけ高くなった位置から電池部B1の外観容姿が大きくなっても、計器G1のセンサ装置D1の取り付け面が本体部M1によって隠される面積は変わらないので、電池6のサイズを大きくすることで、計器G1の指針G14が目盛G161に重なる位置を読み取る視認性は損なわれない。
【0096】
(8)第8技術的特徴及び効果
本体部M1と電池部B1とは、電池ケース5を本体ケース1に押し付けた状態で押し付け方向と平行な軸を回転軸とした回転により取り付け及び取り外しができるように構成されている。これにより、例えば本体ケース1に電池ケース5が取り付けられた状態において、電池ケース5の筒状収容部51の軸心を回転軸として電池ケース5を反時計回りに所定の角度だけ回転すると、電池ケース5は本体ケース1から取り外し可能となり、本体ケース1から取り外された電池ケース5は、所定の角度だけ時計回りに回転すると、本体ケース1に取り付けられる。したがって、本体ケース1に電池ケース5を取り付ける工程においてネジ等の固定部材を必要とせず、電池6の交換作業を単純化でき、また短時間で電池6の交換を行うことが可能である。
【0097】
(9)第9技術的特徴及び効果
センサ回路2は、指針G14の位置を示す位置情報を取得するセンサ部21とセンサ制御部22とを有し、センサ部21は、計器G1に取り付けられた状態において、本体ケース1の底部112に対向する位置に配置され、軸部材G17の軸心に沿う軸方向Z視で、軸部材G17と重複する位置に配置されている。これにより、例えば計器G1が指針G14とともに回動する磁石G18を備えている場合、磁石G18の回動による磁界の変化をセンサ部21が読み取り、センサ部21の出力をセンサ制御部22で指針G14の位置情報に変換することで、指針G14の位置を検知することが可能である。
【0098】
(10)第10技術的特徴及び効果
指針G14の位置情報を受信機へ送信するアンテナ31を有する無線回路3を更に備え、アンテナ31は、計器G1に取り付けられた状態において、軸方向Z視で、軸部材G17と重複しない位置に配置されている。これにより、センサ部21が取得した位置情報を、アンテナ31を介して、計器G1から離間した受信機へ無線通信することができ、計器G1の検針結果を計器G1から離間した場所(遠隔の場所)で確認することが可能となる。したがって、計器G1が工場内の設備に設置される複数箇所における圧力を測定する場合、工場の始業時の点検作業として設備が正常な圧力を得て可動しているか否かを複数の圧力計の全てに亘って検査員が目視検査する必要がない。また、事務所で全ての圧力計の検針情報を確認することができるので、始業前点検の時間短縮が可能である。また、目視は検針結果に不確かさが含まれるが、センサによる検針が行えるので検針結果に含まれる不確かさを低減できる。また、検針結果を自動保存するシステムを構築することで、日々の検針結果をデータとして記録でき、記録したデータを工場の稼働時間把握や、部品の交換時期を知らせるアラートに使用できる。
【0099】
(11)第11技術的特徴及び効果
被係止部113と係止部513は、動作状態のときに係止することで本体ケース1に対する電池ケース5の軸方向他方側Z2への移動を規制し、解除状態のときは係止せず、本体ケース1と電池ケース5とが軸方向他方側Z2への移動ができる構造となる。また、OリングOは、動作状態であるときは弾性変形し、本体ケース1の被係止部113と電池ケース5の係止部513との係止により、本体ケース1に対する電池ケース5の軸方向他方側Z2への移動を規制する力としても機能する。したがって、センサ装置D1は動作中、意図せず解除状態となって、本体部M1から電池部B1が脱落することを防止できる。また、このような構造によれば、ネジ等の固定部材を使用することがないので安価に構成できる。
【0100】
(12)第12技術的特徴及び効果
動作状態及び解除状態において、突起522がガイド溝121内に挿通されているように構成されているので、動作状態と解除状態との遷移中は、底面121aに先端部522aが当接するように構成してもよい。また、底面121aは、動作状態と解除状態とにおいて、先端部522aと対向する部位は、動作状態及び解除状態の遷移中において、先端部522aと対向する部位よりも軸方向一方側Z1に形成されているので、動作状態及び解除状態は、係止部513と被係止部113の当接面に働く摩擦力が、動作状態と解除状態との遷移中における係止部513と被係止部113の当接面に働く摩擦力より小さくなる。これにより動作状態及び解除状態であることを電池ケース5を回転させるための力加減からも認識することができ、電池部B1を動作状態と解除状態との遷移区間で回転を止めて電池交換を完了したと誤った判断をすることを防止できる。
【0101】
(13)その他の技術的特徴及び効果
制御部は、電池基板8から接続部材10を介して出力される電池6による電力を制御するように構成できる。このため、制御部の一例として、ホール素子を使用する等して、電池部B1は、動作状態の時、接続部材10を介して電池6から本体部M1に電力供給が可能な状態であり、解除状態及び本体部M1から取り外されているときは、電池6による電力供給は停止していて、電池部B1側の接続部材10の出力端には電位差が生じないようにできる。例えば、電池部B1が本体部M1から取り外されている状態で電池部B1側の接続部材10の出力端に電池6による電位差が生じている場合、本体部M1側の接続部材10の入力端を同電位差に保っていなければ、電気的に接続される瞬間に放電が生じる可能性があり、本体部M1側の接続部材10の入力端を電池部B1側の接続部材10の出力端と同電位に保っていると、電池部B1を本体部M1から取り外した状態で、電位差のある入力端がむき出しとなり、例えば、作業者が手で触れて短絡させたり、作業者が身に着けている時計や作業着のボタン等の金属部分が接触することで放電や短絡が起こる可能性があるが、本構成であればこのような放電や短絡によるセンサ装置D1の損傷を防止できる。また、制御部のその他の一例として、電池基板8上、又は、電池基板8に電気的に接続される部品において、電位差がある箇所で放電や短絡が生じたときの過電流防止機能素子を使用することで、電池部B1を保護し、センサ装置D1を使用する防爆エリアにおいて、着火源となることを防止できる。
【0102】
(14)その他の技術的特徴及び効果
センサ装置D1は、本体ケース1を透明な樹脂を用いて形成することで、本体基板4に実装したLEDの点灯を目視して、電池6の交換作業中は、本体電源制御部43のセンサ回路2及び無線回路3への電力供給を維持する機能の動作状況を認識する構成とすることが可能である。これにより、センサ装置D1の電池6の交換に要することができる時間を察知することができるので、電池6の交換作業中にセンサ装置D1が停止することで工場で稼働中の設備を含むシステム全体が可動停止となってしまうといった状況に陥ることを回避できる。
【0103】
また、電池ケース5や蓋部9を透明な樹脂を用いて形成することで、電池基板8に実装したLEDの点灯を目視して電池容量の低下を認識するように構成することが可能である。これにより、センサ装置D1の電池6の交換時期を事前に察知することができるので、電池6の寿命により、計器G1の検針結果が誤って認識されたり、認識できない状態となって、工場や屋外で稼働中の設備を含むシステム全体が可動停止となってしまうといった状況に陥ることを回避できる。
【0104】
(15)その他の技術的特徴及び効果
電池部B1は、内部ホルダ収容空間511及び電池収容部71にポッティング剤を充填したり、内部ホルダ7や電池6や電池基板8の一部又は全体にポッティング剤等の樹脂材料を塗布したり、内部ホルダ7や電池6や電池基板8を一部又は全体をオーバーモールドしたりすることが可能である。これにより、防爆仕様を満足しない箇所や部材があっても、放電によるアーク(火花)の発生を回避できるので、電池部B1は単体状態で防爆仕様を具備することができる。これにより、電池6の交換のために電池部B1を単体で防爆エリア内に持ち込んで電池6の交換を行うことが可能となる。また、電池交換用として防爆エリア内でセンサ装置D1が設置されている近くに電池部B1を常備させることが可能となる。
【0105】
(16)その他の技術的特徴及び効果
本体ケース1の筒部11及びと電池ケース5の筒状収容部51は、夫々に一体形成された目印によって、センサ装置D1が動作状態か解除状態かを視認できる構成とすることが可能である。これにより、電池部B1が本体部M1に正常に取り付けられていることが認識でき、電池6の交換のために動作状態から解除状態へ電池部B1を回転させるとき及び解除状態から動作状態へ電池部B1を回転させるときに誤って反対方向に回転させることを防止できる。また、動作状態から解除状態への解除角度を認識していなくても回転完了位置がわかるので回転不足を防止でき、また、回転過多となって回転し続けることを防止できる。更には、本体部M1から取り外した電池部B1を本体部M1に押し付けて解除状態にするときに、電池部B1を本体部M1に対して、どの程度回転させた状態で押し付けるのがよいかが把握でき、電池ケース5の突起522を破壊させてしまうことを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、使用する機器に防爆仕様を必要とするプラントや工場等外で使用される計器の動作状況を遠隔で管理するシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0107】
1:本体ケース
2:センサ回路
3:無線回路
5:電池ケース
6:電池
7:ホルダ(内部ホルダ)
8:電池基板
21:センサ部
22:センサ制御部
31:アンテナ
51:筒状収容部
52:基板収容部
61:タブ(延出端子)
72:分離部
B1:電池部
D1:センサ装置
G1:計器
G14:指針
G16:目盛板
G17:軸部材
G161:目盛
M1:本体部
O:Oリング(封止部材)
図1
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