(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012274
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】不十分な電力供給中の空調制御のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 3/00 20060101AFI20240123BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240123BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240123BHJP
H02J 3/30 20060101ALI20240123BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20240123BHJP
【FI】
H02J3/00 130
H02J3/38 170
H02J3/38 160
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J3/30
H02J3/00 170
F24F11/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023116886
(22)【出願日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】63/389,578
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユヴァル ベルソン
(72)【発明者】
【氏名】ブリョン ルース ゴンベルグ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】不十分な電力供給の持続時間中に空調制御エリアの空調設定を決定する方法を提供する。
【解決手段】空調制御システムにおいて、1つ以上の電力ユニットの各々は、空調制御エリアに電力を提供する。空調制御エリアの少なくとも一部の空調制御システムの生存動作モードの空調設定は、不十分な電力供給の持続時間、総利用可能電力及び/又は1つ以上の気象条件パラメータに基づいて決定され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスによって、エリアの空調制御に対して不十分である電力供給を決定することと、
前記不十分な電力供給の持続時間を決定することと、
気象条件パラメータを決定することと、
1つ以上の電源であって、前記1つ以上の電源の各々が前記エリアに電力を供給するように構成されている、1つ以上の電源からの総利用可能電力を計算することと、
前記不十分な電力供給の前記持続時間、前記総利用可能電力、及び前記気象条件パラメータに基づいて、前記エリアの少なくとも一部の空調制御システムの空調設定を決定することと、
前記空調制御システムの前記空調設定を設定することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記空調設定は、温度設定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空調設定は、湿度設定及び空気流設定のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記気象条件パラメータは、前記1つ以上の電源の電力生産に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記空調制御システムの前記空調設定を決定することは、前記不十分な電力供給の前記持続時間の間、前記空調制御システムの凝縮器の凝縮器温度を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の電源のうちの第1の電源は、電力を生成するように構成されており、前記1つ以上の電源のうちの第2の電源は、貯蔵されたエネルギーを提供するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記不十分な電力供給を決定することは、前記1つ以上の電源のうちの1つから受信される電力供給の低減を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記不十分な電力供給を決定することは、停電、電圧低下、広範囲の停電、前記1つ以上の電源のうちの少なくとも1つの誤動作、単独運転状態、電力系統のない状態、又は極端な気象条件のうちの少なくとも1つを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
気象予報を受信することを更に含み、前記空調設定を決定することは、前記気象予報に更に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記エリアの前記少なくとも一部の状態を受信することを更に含み、前記空調制御システムの前記空調設定を決定することは、受信された前記状態に更に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記エリアの必要電力を計算することと、
前記必要電力を前記総利用可能電力と比較することと、を更に含み、前記空調制御システムの前記空調設定を決定することは、前記必要電力が前記総利用可能電力よりも大きいという決定に更に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記必要電力を計算することは、前記不十分な電力供給の前記持続時間又は前記気象条件パラメータのうちの少なくとも1つに基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エリアの必要電力を計算することと、
前記必要電力を前記総利用可能電力と比較することと、
前記必要電力が前記総利用可能電力未満であるという決定に基づいて、ユーザが前記空調制御システムの設定を調整することを可能にすることと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の電源のうちの少なくとも1つは、エネルギー貯蔵デバイス、光起電(PV)発電システム、風力タービン、又は発電機のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記気象条件パラメータを決定することは、前記PV発電システムのインバータを介して前記気象条件パラメータに関連付けられたデータを受信することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年7月15日に出願された米国仮特許出願第63/389,578号の優先権を主張する。上記出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
公共電力系統などの電源に接続されたいくつかの建物は、電力入力の低下又は電源の停電を経験することがあり、これは建物の居住者にとって不快又は危険な状態を引き起こすことがある。建物は、バックアップ電源、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス、又は電力の減少若しくは停電中に建物に電力を供給するように構成された発電システムを有することができる。停電中にバックアップ電源、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス、又は発電システムから供給される電力を使用して、電源からの電力が戻るまで居住者を快適に保つことができる。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本明細書で開示される様々な概念の簡略化した概要を提示する。この概要は、広範囲にわたる概観ではなく、重要な、又は必須の要素を特定することを、又は特許請求の範囲の範囲を正確に記述することを意図していない。この概要は、本開示を限定又は制約することを意図していない。
【0004】
本明細書で説明されるシステム及び方法は、不十分な電力供給(例えば、電力の減少又は停電)の1つ以上の持続時間中に、空調制御エリア(例えば、建物)を加熱又は冷却することに関連し得る。例えば、方法は、1つ以上の電源及び/又は1つ以上の電力ユニットからの不十分な電力供給を識別することを含み得る。1つ以上の電源は、空調制御エリアに電力を供給するように構成され得る。コントローラは、1つ以上の電力ユニット及び/又は電源からの総利用可能電力を計算するように構成され得、空調制御エリアの少なくとも一部の空調制御システムの生存動作モードの空調設定を決定(例えば、計算、推定)し得る。空調制御システムは、本明細書で説明される方法を実施するように構成された1つ以上のヒートポンプ及び/又はヒートポンプシステムを備え得る。
【0005】
本方法は、利用可能電力が必須電力負荷及び/又は空調設定の維持のために使用されるように、空調制御システム内の電力負荷を管理することを含み得る。空調制御システムの空調設定は、不十分な電力供給の持続時間の間、最小閾値空調(例えば、生存空調)を維持するように構成され得る。空調設定は、温度設定、湿度設定、及び空気流設定のうちの少なくとも1つを含み得る。空調制御システムの温度設定を決定することは、不十分な電力供給の持続時間の間、空調制御システムの凝縮器の凝縮器温度を決定することを含み得る。空調制御システムの空調設定を決定することは、不十分な電力供給の持続時間の間、空調制御システムの蒸発器の蒸発温度を決定することを含み得る。
【0006】
温度設定は、空調制御システムの設定点温度を含み得る。温度設定は、凝縮器温度を含み得る。温度設定は、蒸発器温度を含み得る。空調設定は、他の状態設定を含み得る。空調設定は、空調制御システムの湿度設定を含み得る。空気流量設定は、空調制御エリアからのかつ/又は空調制御エリアへの空気流の空気流強度を含み得る。空気流量は、ファン速度値を含み得る。空気流量設定は、空気流の1つ以上の方向を含み得る。コントローラは、空調制御システムのファン速度を制御及び/又は決定するように構成され得る。
【0007】
空調制御システムは、第1の温度設定を有する第1の動作モードを備え得る。第1の温度設定は、コントローラと通信するユーザデバイス(例えば、ユーザインターフェース)から受信され得る。空調制御システムは、不十分な電力供給の持続時間中に動作するように構成された第2の動作モードを備え得る。第2の動作モードは、不十分な電力供給の持続時間、ヒートポンプシステムに電力を供給するように構成された1つ以上の電力ユニットからの総利用可能電力、及び/又は1つ以上の気象条件パラメータに基づいて、コントローラによって生存温度に決定され得る第2の温度設定を含み得る。
【0008】
本方法は、1つ以上の気象条件パラメータ、屋内状態、居住者の数、居住者の特定のニーズのうちのいずれか1つ以上に関連付けられたデータ、及び/又は空調制御エリア(例えば、サイズ、熱損失エリアなど)に関連付けられたデータを受信することを含み得る。受信データは、健康ステータス、心拍数、体温などを含み得る居住者のユーザプロファイルを含み得る。本方法は、受信データの少なくとも一部分に基づいて温度設定を決定する(例えば、計算する、推定する)ことを含み得る。
【0009】
方法は、受信データの少なくとも一部分に基づいて、空調制御エリアの1人以上の居住者のユーザプロファイルを生成することを含み得る。本方法は、居住者によって装着される1つ以上のウェアラブルセンサ、居住者に属する1つ以上のパーソナルデバイス、及び/又は空調制御エリア内の1つ以上のセンサからデータを受信することを含み得る。本方法は、空調制御システムの正常動作中(例えば、第1の動作モードなど、電源及び/又は1つ以上の電力ユニットからの電力が十分であるとき)に、1人以上の居住者のための空調制御システムの快適性設定を決定することを含み得る。本方法は、不十分な電力の持続時間(例えば、第2の動作モード)の間、居住者の特定のニーズに基づいて、空調制御システムの空調設定を決定することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、実施例として説明され、添付の図に限定されるものではなく、図において、類似の参照番号は、類似の要素を示す。
【
図2】空調制御システムを制御するための方法を示す。
【
図3】空調制御システムを制御するための方法を示す。
【
図5A】空調制御システムの冷却サイクルの概略図を示す。
【
図5B】空調制御システムの冷却サイクルの特性図を示す。
【
図6A】正常動作中の加熱モードにおける空調制御システムの温度-エントロピー(temperature-entropy、T-S)線図を示す。
【
図6B】停電中の加熱モードにおける空調制御システムのT-S線図を示す。
【
図7A】正常動作中の加熱モードにおける空調制御システムのT-S線図を示す。
【
図7B】電力系統の停電中の加熱モードにおける空調制御システムのT-S線図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、添付の図面を参照し、図面は、本明細書の一部を形成し、例示として、本開示の様々な実施例が示されている。示されているかつ/又は説明されている実施例は非排他的であり、その他の実施例を実施してもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び機能的な変更を行うことができることを理解されたい。
【0012】
1つ以上の態様は、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行される、1つ以上のプログラムモジュールなどの中のコンピュータ使用可能データ及びコンピュータ実行可能命令において実装され得る。概して、プログラムモジュールは、コンピュータ又は他のデバイス内の1つ以上のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッドステートメモリ、RAMなどのコンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶され得る。当業者には理解されるように、プログラムモジュールの機能は、組み合わせられ得るか、又は分散され得る。加えて、機能は、全体的又は部分的に、ファームウェア、又は集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、などのようなハードウェア同等物において実装されてもよい。特定のデータ構造を使用して、本開示の1つ以上の態様をより効果的に実装することができ、このようなデータ構造は、本明細書において説明されるコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内であり得る。例えば、
図1に例示するシステム、並びに
図2、
図3及び
図8に例示する方法は、上述したようなハードウェア、ファームウェア、及びコンピュータ実装命令の組み合わせで実装され得る。
【0013】
本主題は、構造的な特徴及び/又は方法論的な行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、必ずしも本明細書で説明される特定の特徴又は行為に限定されるものではないことを、理解されたい。むしろ、本明細書で説明される特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実行する例示的な形態として記載される。
【0014】
ここで
図1を参照すると、
図1は、空調制御システム104及び空調制御エリア114を示す。空調制御システム104は、空調制御エリア114へかつ/又は空調制御エリア114から熱を伝達するように構成された1つ以上のデバイスを含むことができる。空調制御システム104は、空調制御エリア114の空調を制御するように構成されてもよい。空調制御エリア114の空調は、温度、湿度、及び空気流量などのパラメータを含むことができる。空調制御システム104は、凝縮器118及び/又は蒸発器120を含み得るヒートポンプ116を含んでもよい。ヒートポンプ116は、ダクト付きヒートポンプ又はダクトレスヒートポンプを含むことができる。ヒートポンプ116は、空気対空気ヒートポンプ、水源ヒートポンプ、地熱ヒートポンプ、及び/又は吸収式ヒートポンプのうちの1つ以上を含み得る。空調制御システム104は、1つ以上のヒートポンプ116を含むヒートポンプシステムを含んでもよい。
【0015】
空調制御システム104は、加湿器170を含んでもよく、かつ/又は加湿器170と通信してもよいコントローラ110(例えば、コンピューティングデバイス、サーバ)は、加湿器170及び空調コントローラエリア114と動作可能に通信してもよい(例えば、コントローラ110は、加湿器170の動作を制御し得る)。コントローラ110は、加湿器170を介して、空調制御エリア114の湿度を制御するように構成されてもよい。コントローラ110は、空調制御エリア114内の湿度レベルを制御するように構成されてもよい。コントローラ110は、空調制御エリア114内の湿度レベルを設定(例えば、増加及び/又は低減)するように構成されてもよい。コントローラ110は、空調制御エリア114内の湿度を測定するように構成された1つ以上の湿度センサと通信することができる。コントローラ110は、加湿器170を使用して、空調制御エリア114内の湿度のレベルを増加又は低減させるように構成され得る。
【0016】
空調制御システム104は、エネルギー及び/又は熱の貯蔵のために、バッテリ、熱バッテリ124、燃料電池、及び/又はフライホイールなどの1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスを含むことができる。1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスは、ヒートポンプ116と電気的に連通していてもよい。1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスは、電気エネルギーを貯蔵するための貯蔵容量を提供してもよく、電気エネルギーは、要求に応じて空調制御システム104によって使用されてもよい。例えば、エネルギー貯蔵デバイスに貯蔵された電気エネルギーは、(例えば、停電があり、電源によって電気が供給されないとき、かつ/又は電源から供給される電力が不十分であるとき)使用され得る。1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスはまた、夜間に、又は電源が制限されている、不十分である、かつ/若しくは高価である他の期間中に、電気を提供してもよい。
【0017】
空調制御システム104は、コントローラ110と通信することができる。コントローラは、空調制御システム104を動作又は制御するように構成されてもよく、これについてはより詳細に説明する。コントローラ110は、ローカルコントローラ又はリモートコントローラであってもよい。コントローラ110は、メモリモジュールと通信することができる。コントローラ110は、メモリモジュールからデータを受信し、かつ/又はメモリモジュールにデータを送信するように構成され得る。コントローラ110は、インバータ又はオプティマイザなどの電力デバイスからデータを受信するように構成され得る。コントローラ110は、光起電発電システムのインバータからデータを受信するように構成されてもよい。
【0018】
例えば、専用ユーザインターフェース112は、空調制御システム104と(例えば、有線方式で、又は無線ネットワークを介して)通信してもよい。コントローラ110は、ユーザインターフェース112上のアプリケーションとして実行され得る。アプリケーションは、1つ以上のデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ/コンピュータ、及び/又は他の適切なデバイス)上で実行され得る。建物の居住者及び/又は居住者の介護者若しくは家族は、1つ以上のデバイスを携行してもよい。コントローラ110は、建物の内部又は建物の外部で使用することができ、空調制御エリア114の内部又は空調制御エリア114の外部で制御され得る。コントローラ110は、空調制御エリア114内の、又は空調制御エリア114と通信する1つ以上の他の適切な場所上のアプリケーションとして実行されてもよい。コントローラ110との間の通信は、(例えば、様々な暗号化方法を使用して)暗号化されてもよい。
【0019】
コントローラ110は、ユーザが空調制御システム104を管理することを可能にしてもよい。例えば、ユーザは、建物の居住者、空調制御エリア114の居住者、又は建物若しくは空調制御エリア114の居住者の介護者若しくは家族であってもよい。ユーザは、例えば、電源102又は電力ユニット108によって供給される電力が十分であるとき、正常動作モードで空調制御システム104を制御することが可能であり得る。
【0020】
コントローラ110は、通信モジュール140及び/又は無線通信インターフェース142を含むことができる。無線通信インターフェース142は、セルラーインターフェースを含み得る。通信モジュール140又は無線通信インターフェース142は、ユーザインターフェース112と通信するように構成されてもよい。無線通信インターフェース142は、コントローラ110の一部であり得る。無線通信インターフェース142は、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カード又はインターネットカードのうちの少なくとも1つを含み得る。通信モジュール140は、有線又は無線通信プロトコル(例えば、電力線通信、イーサネット、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)、及び/又はセルラーネットワークのうちの1つ以上のプロトコル)をサポートし得る。
【0021】
ユーザは、リモートコントローラ又はローカルコントローラとして機能し得る少なくとも1つのパーソナルデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、コンピュータ、又はタブレット)を携帯し得る。パーソナルデバイスは、ビーコンとして機能し、建物内及び/又は空調制御エリア114内のユーザの存在を通知することができる。ビーコン信号がローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)上で検出される場合、その特定のビーコンに関連付けられたユーザは、「存在する」とみなされ得る。ビーコン信号がローカルLANではなくワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)の異なるセグメント上で検出された場合、その特定のビーコンに関連付けられたユーザは「リモート」とみなされ得る。同様に、ビーコンが検出されない場合、パーソナルデバイスに関連付けられたユーザは、コントローラ110によって、リモートコントローラを使用しているとみなされ得る。コントローラ110がビーコンを検出した場合、少なくとも1つのパーソナルデバイスに関連付けられたユーザは、コントローラ110によって、ローカルコントローラを使用しているとみなされ得る。家庭環境では、家庭全体が1つのLANのみを使用することができ、特定のユーザのデバイスがLANに直接接続されている場合、関連付けられた特定のユーザは、コントローラ110のローカルドメイン内にいるとみなされ得る。
【0022】
空調制御システム104は、空調制御エリア114と流体連通166及び/又は電気接続168していてもよい。空調制御システム104は、1つ以上のゾーンセレクタ122を含んでもよい。代替的又は追加的に、1つ以上のゾーンセレクタ122は、空調制御エリア114内(又はその近傍)にあってもよい。1つ以上のゾーンセレクタ122は、ヒートポンプ116からの熱を空調制御エリア114に向けるように構成され得る。1つ以上のゾーンセレクタ112は、熱を空調制御エリア114の1つ以上のゾーンに向けるように構成されてもよい。特定の(又は選択された)ゾーンにおける1つ以上のゾーンセレクタ122の動作は、空調制御システム104から空調制御エリア114内の特定のゾーンへの熱の伝達を可能にし得る。1つ以上のゾーンセレクタ122は、空調制御システム104と空調制御エリア114との間で空気の流れを方向付けるように構成された1つ以上のダクトを含んでもよい。1つ以上のゾーンセレクタ122は、空調制御システム104と空調制御エリア114との間で水(例えば、加熱又は冷却された水)及び/又は空気(例えば、加熱又は冷却された空気)の流れを方向付けるように構成された1つ以上のパイプを含んでもよい。コントローラ110は、1つ以上のゾーンセレクタ122の動作を制御するように構成されてもよく、それによって、空調制御エリア114のどのゾーンが空調制御システム104から熱を受け取るかを制御する。
【0023】
空調制御システム104は、空気流コントローラ172を含んでもよく、かつ/又は空気流コントローラ172と通信してもよい。空気流コントローラ172は、コントローラ110と連通する1つ以上の弁を含んでもよい。1つ以上の弁は、1つ以上のゾーンセレクタ122又は1つ以上のダクトの近傍に配置されてもよい。空気流コントローラ172は、空調制御エリア114に流入する空気の空気流量を制御するように構成されてもよい。空気流コントローラ172は、空調制御エリア114から流出する空気の空気流量を制御するように構成されてもよい。コントローラ110は、空気流コントローラ172を使用して、空調制御エリア114の中及び/又は外への空気流量を制御するように構成され得る。コントローラ110は、空調制御エリア114へのかつ/又は空調制御エリア114からの空気流量を増加又は低減させるように構成され得る。
【0024】
空調制御システム104は、電源102、1つ以上の電力ユニット108、電力デバイス106、及び/又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つから電力を受信するように構成され得る。電源102は、電力系統及びマイクログリッドのうちの1つ以上を含むことができる。1つ以上の電力ユニット108は、電力を生成するように構成された1つ以上の発電システム(又は発電ユニット)を含むことができる。1つ以上の電力ユニット108及び/又は発電システムは、光起電発電システム126を含んでもよい。光起電発電システム126は、太陽エネルギーを受信する(例えば、収集する)ように構成された1つ以上の光起電デバイス(例えば、光起電(photovoltaic、PV)電池、PVパネル、PVモジュール、PV屋根板)を含むことができる。1つ以上の電力ユニット108及び/又は発電システムは、風力タービン128、水力発電機などの追加の再生可能電源を含むことができる。1つ以上の電力ユニット108及び/又は発電システムは、1つ以上の発電機130を含むことができる。1つ以上の発電機130は、燃料(例えば、ディーゼル、バイオガス、天然ガス、プロパン、石油)を使用して電力を生成するように構成され得る。1つ以上の電力ユニット108は、エネルギーを貯蔵するように構成された1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス132を含むことができる。例えば、1つ以上の電力ユニット108は、バッテリ134、フライホイール136、及び/又は燃料電池138のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0025】
空調制御システム104は、主電源及びバックアップ電源を有してもよい。主電源は、建物が正常動作モード(例えば、日々の使用)で電力を受信する電源であってもよい。主電源は、電源102、電力系統、1つ以上の電力ユニット108、及び1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス132のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。例えば、主電源は、光起電システムを含んでもよい。バックアップ電源は、(例えば、主電源から受信した電力が不十分であるか、又は不十分であると識別されたときに)生存動作モードにおいて建物が電力を受信する電源であってもよい。バックアップ電源は、電源102、電力系統、1つ以上の電力ユニット108、及び1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス132のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。例えば、バックアップ電源は、光起電システムを含んでもよい。
【0026】
1つ以上の電力ユニット108は、1つ以上の電力ユニット108から空調制御システム104(及び/又は空調制御エリア114)に送られる電力が電力デバイス106を使用して変換され得るように、電力デバイス106に結合され得る。電力デバイス106は、コントローラ110が、1つ以上の電力ユニット108によって提供される電力に関連付けられたデータを受信するように、コントローラ110と通信し得る。1つ以上の電力ユニット108は、連続的な電力供給を保証するためにバックアップ電源として機能してもよく、代替的に、正常動作中に電源102及び/又は発電システムを補完してもよい。例えば、1つ以上の電力ユニット108は、電源102、光起電発電システム126、風力タービン128、及び/又は発電機130のうちのいずれか1つ以上からの空調制御システム104又は空調制御エリア114内の機器を動作させるための電力供給が不十分である場合、空調制御エリア114及び/又は空調制御システム104に電力を供給してもよい。
【0027】
電源102、1つ以上の電力ユニット108、及び/又は電力デバイス106は、コントローラ110と電気的に連通してもよく、コントローラ110にデータを送信してもよい。データは、空調制御システム104及び/又は空調制御エリア114に供給される電力量に関連付けられてもよい。例えば、コントローラ110は、電源102からデータを受信することができ、データは、供給される電力の量に関連付けられる。データは、リアルタイムで、連続的に、周期的に、かつ/又は更新若しくは変更が生じたとき若しくは識別されたときに受信され得る。コントローラ110は、電源102から受信した電力、又は空調制御システム104及び/若しくは空調制御エリア114に供給された総電力が正常な使用に対して不十分であるときを検出するように構成され得る。
【0028】
空調制御システム104は、電源102及び/又は電力デバイス106のうちのいずれか1つ以上から電力を受信するように構成され得る。例えば、空調制御システム104は、電力デバイス106を介して光起電発電システム126から電力を受信するように構成されてもよい。
【0029】
コントローラ110は、空調制御システム104の動作に関連付けられた信号を送信するように構成されてもよい。例えば、コントローラ110は、空調制御システム104を動作させるように、かつ/又はオペレータ(例えば、ユーザ、居住者)がユーザインターフェース112を介して空調制御システム104を制御することを可能にするように構成され得る。コントローラ110は、通信モジュール140を介して空調制御システム104の動作に関連付けられたデータ又は命令を受信するように構成されてもよい。データは、例えば、ユーザインターフェース112を介してユーザによって設定された空調設定と関連付けられてもよい。空調制御エリア114は、サーモスタット164を含んでもよい。空調制御システム104の動作に関連付けられたデータ又は命令は、気象予報、オンラインデータ、1つ以上のセンサから受信データ、及び/又はユーザインターフェース112を介してオペレータから受信データのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0030】
空調制御システム104は、空調制御エリア114と流体連通166していてもよい。空調制御システム104は、空調制御エリア114の温度を制御するように構成されてもよい。例えば、空調制御システム104は、空調制御エリア114を加熱又は冷却するように構成されてもよい。空調制御システム104は、コントローラ110から受信した命令に基づいて、空調制御エリア114の温度を設定するように構成されてもよい。温度は、予め決定されてもよく、コントローラ110によって計算(又は推定)されてもよく、コントローラ110によって決定されてもよく、又はユーザによって設定されてもよい。空調制御エリア114は、空調制御システム104から流体(例えば、空気、水、冷媒流体など)を受け取るように構成することができる。空調制御エリア114は、空調制御システム104から熱を受け取るように構成することができる。空調制御システム104は、空調制御エリア114から熱を受け取るように構成することができる。
【0031】
空調制御エリア114は、例えば、建物(例えば、居住用建物)、アパート、家、建物内の部屋、アパート内の部屋、オフィスビル、オフィスビル内の1つ以上のオフィス、商業用建物、及び/又はホテルのうちの1つ以上を含み得る。空調制御エリア114は、倉庫、実験室、サーバ室などのうちの1つ以上を含むことができる。空調制御エリア114は、停電中に1人以上の居住者が居住するように構成された1つ以上のセーフルーム(例えば、寝室、リビングルーム、会議室、待合室など)を含んでもよい。
【0032】
空調制御エリア114は、空調制御システム104から熱及び/又は電力を受け取るように構成された1つ以上の加熱付属品150を含むことができる。空調制御システム104は、1つ以上の加熱付属品150のうちの少なくとも1つの温度を制御するように構成されてもよい。1つ以上の加熱付属品150は、保温毛布152、ボトル加温器154、空気ファン156、温度制御薬剤ボックス158など、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含むことができる。
【0033】
空調制御エリア114は、空調制御エリア114の1人以上の居住者に温水又は熱水を提供するように構成された温水システム160を含むことができる。温水システム160は、空調制御システム104から熱を受け取るように構成されてもよい。空調制御システム104は、温水システム160内の水の温度を制御するように構成することができる。
【0034】
空調制御エリア114は、コントローラ110と通信し得る1つ以上のセンサ162を含み得る。1つ以上のセンサ162は、温度センサ、湿度センサ、動きセンサ、光/UVセンサ、大気質センサ、電気使用センサ、光学センサ、赤外線センサなどのうちのいずれか1つ以上を含むことができる。例えば、1つ以上のセンサ162は、カメラ(例えば、ビデオカメラ)を含んでもよい。
【0035】
温度センサは、空調制御エリア114内の温度に関連付けられたデータをコントローラ110に送信するように構成され得る。湿度センサは、空調制御エリア114内の湿度レベルに関連付けられたデータをコントローラ110に送信するように構成されてもよい。大気質センサは、空調制御エリア114内の大気質に関連付けられたデータをコントローラ110に送信するように構成されてもよい。動きセンサは、空調制御エリア114内の1人以上の居住者の存在又は動きレベルに関連付けられたデータをコントローラ110に送信するように構成されてもよい。動きセンサは、居住者が空調制御エリア114に出入りするときに、コントローラ110にデータを送信するように構成され得る。電気使用センサは、空調制御エリア114内の電力使用を監視するように構成されてもよい。
【0036】
コントローラ110は、(例えば、動きセンサを介して)空調制御エリアに出入りする居住者を監視するように構成され得る。コントローラ110は、空調制御エリアに出入りする居住者の数の履歴データを使用して、空調制御エリア114内の1つ以上の住居の存在のパターンを決定するように構成され得る。空調制御システム104は、空調制御エリア114内の1つ以上の住居の存在のパターンに関連付けられたデータを使用して、空調設定を決定するように構成され得る。空調制御システム104は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、湿度設定を決定するために、空調制御エリア114内の1つ以上の住居の存在のパターンに関連付けられたデータを使用するように構成されてもよい。空調制御システム104は、空気流量設定を決定するために、空調制御エリア114内の1つ以上の住居の存在のパターンに関連付けられたデータを使用するように構成され得る。
【0037】
ユーザインターフェース112は、ディスプレイ、キーボード、マウス、1つ以上のボタン、マイクロフォン、オーディオデバイスなどを含むことができる。ユーザインターフェース112は、ユーザが、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、コンピュータ、又はタブレットなどのパーソナルデバイスのためのアプリケーションと相互作用することを可能にするように構成されている、グラフィックユーザインターフェース(graphic user interface、GUI)146を含んでもよい。ユーザインターフェース112及び/又はパーソナルデバイスは、1つ以上のウェアラブルセンサ148を装着している1人以上のユーザからデータを収集するように構成されている、1つ以上のウェアラブルセンサ148を含んでもよい。1つ以上のウェアラブルセンサ148は、心拍数、血圧、及び/又は体温のうちの1つ以上を収集するように構成されてもよい。1つ以上のウェアラブルセンサ148は、収集データをコントローラ110に送信するように構成されてもよい。
【0038】
ユーザインターフェース112は、オペレータが緊急事態をコントローラ110に即座に通知することを可能にするように構成された1つ以上の緊急ボタン144(又はユーザインターフェース112上の任意の他の好適な設計)を含むことができる。1つ以上の緊急ボタン144は、コントローラ110と通信してもよい。1つ以上の緊急ボタン144は、コントローラ110及び/又は空調制御システム104の緊急設定を自動的にトリガ及び/又は電源投入するように構成されてもよい。
【0039】
ここで、空調制御システムを制御するための方法を示す
図2を参照する。
図2は、空調制御システム(例えば、空調制御システム104)を制御するための方法200を示す。空調制御システムは、居住用建物、家、オフィスビル、商業用建物、実験室、ホテル、倉庫、サーバ室などの建物において動作するように構成され得る。建物は、1つ以上のセーフルームを含んでもよい。建物は、空調制御エリア(例えば、空調制御エリア114)を有してもよい。空調制御エリアは、緊急時に電力を受信するように構成された建物の少なくとも一部分を含むことができる。例えば、アパートの建物において、各アパートは、1つ以上のセーフルームを有し得る。セーフルームは、居住者が緊急時(例えば、不十分な電力供給が建物内で検出されたとき)に居住するように構成されてもよい。空調制御エリアは、1つ以上のセーフルームを含んでもよい。各セーフルームは、セーフルームに熱を向けるように構成された1つ以上のゾーンセレクタ(例えば、ゾーンセレクタ122)を含み得る。空調制御システムは、コントローラ(例えば、コントローラ110)を含んでもよい。
【0040】
ステップ202において、コントローラは、アルゴリズムを動作させるように構成され得る。アルゴリズムは、方法200の1つ以上のステップに関連付けられ得る。アルゴリズムは、連続的に、周期的に、かつ/又は指定された時間に実行されるように構成され得る。コントローラは、方法200のステップの少なくともいくつか又は全てを実装するように構成され得る。
【0041】
正常(又は正規)動作中、建物は、主電源(例えば、電源102、及び/又は1つ以上の電力ユニット108)などの電源から電力を受信するように構成され得る。例えば、建物に供給される電力は、電源102及び1つ以上の電力ユニット108によって供給される電力の組み合わせ、2つ以上の電力ユニット108から供給される電力の組み合わせ、又は電源102及び1つ以上の電力ユニット108のうちの1つのみによって供給される電力を含んでもよい。
【0042】
建物内の正常(又は正規)動作(第1の動作モードなど)は、電源102及び/又は1つ以上の電力ユニット108によって供給される電力量が建物の正規電力消費に対して十分である(例えば、建物の電力消費基準を満たす、建物に関連付けられた又は接続された負荷の電力消費閾値を満たす、建物に関連付けられた又は接続された負荷の正常電力消費期待値を満たす)ことを示してもよい。例えば、居住用建物の正常動作は、家庭用電子機器の正規動作、建物内の家庭(又はアパート)の加熱又は冷却などを含み得る。
【0043】
ステップ204において、方法200は、空調制御エリアへの不十分な電力供給を識別することを含んでもよい。コントローラ又は電力デバイス(例えば、インバータ)は、不十分な電力供給を決定し得る。例えば、不十分な電力供給は、空調制御エリアの正常動作に対して不十分であり得る(例えば、電力量が閾値を下回り得る)。不十分な電力供給は、正常動作に必要な電力量よりも少ない電力量であってもよい。不十分な電力供給は、停電を含み得る。電力供給は、電源及び/又は1つ以上の1つ以上の電力ユニットから受信される電力量を含んでもよい。不十分な電力供給は、電力系統から受信された不十分な電力を含み得る。
【0044】
不十分な電力供給は、供給される電力量の低減、供給される電力量の1つ以上の中断、停電、電圧低下、広範囲の停電、1つ以上の電力ユニットのうちの少なくとも1つの誤動作、単独運転状態、電力系統のない状態、及び/又は極端な気象条件のうちの1つ以上を含み得る。コントローラは、受信された電力が不十分であるときに、電源及び1つ以上の電力ユニットによって供給される電力を管理するように構成され得る。例えば、コントローラは、受信された電力量を管理し、かつ/又は建物内の電力を必要とする負荷を管理するように構成されてもよい。コントローラが、空調制御エリアへの電力供給が不十分であると決定した場合、方法200はステップ206に進んでもよい。コントローラが、空調制御エリアへの電力供給が十分であると決定した場合、方法200はステップ228に進んでもよい。
【0045】
ステップ206において、方法200は、データを受信することを含み得る。一例では、コントローラはデータを受信することができる。データは、受信された電力量、不十分な電力供給の予測された持続時間、1つ以上の気象条件パラメータ(例えば、屋外気象条件パラメータ)、気象予報、ユーザ入力データ、1人以上のユーザから収集されたデータ、建物内の必要な電化製品又は付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150)、メモリモジュールに記憶されたデータなどのうちの1つ以上に関連付けられてもよい。受信データは、空調制御エリアの少なくとも一部に関連付けられ得る。データは、建物の居住者、居住者の家族、及び/又は居住者の介護者などのユーザによって提供されてもよい。受信データは、収集データを含んでもよい。受信データは、空調制御システムの1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスに関連付けられたデータを含んでもよい。受信データは、空調制御システムのエネルギー貯蔵デバイス(例えば、エネルギー貯蔵デバイス132)のうちの1つ以上の容量、最小充電状態、及び現在の充電状態のうちのいずれか1つ以上に関連付けられたデータを含んでもよい。
【0046】
受信データは、これまで(例えば、現在まで)の不十分な電力供給の持続時間に関連付けられたデータを含み得る。受信データは、外部の現在の温度、屋内状態、屋外状態などを含み得る。受信データは、1人以上の居住者のユーザプロファイルを含んでもよい。ユーザプロファイルは、1人以上の居住者の生理学的パラメータを含み得る。ユーザプロファイルは、1人以上の居住者の年齢、健康データ、慢性疾患及び状態などのうちのいずれか1つ以上を含み得る。本方法は、データが更新され得るように、受信データを監視することを含み得る。本方法は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、受信データを連続的又は周期的に更新することを含み得る。例えば、データは、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース112)を使用して、建物の内部又は建物の外部から提供(例えば、入力)され得る。
【0047】
ステップ208において、方法200は、不十分な電力供給期間中に使用することができる総利用可能電力を計算することを含むことができる。例えば、コントローラは、利用可能エネルギープロファイルを決定し、空調制御エリアへの電力供給が不十分である期間中に使用することができる総利用可能電力を計算(又は推定)することができる。利用可能な総エネルギーは、空調制御エリアに利用可能であり得る電源の全てに基づいて、気象予報に基づいて、かつ/又は受信データに基づいて計算され得る。例えば、総利用可能エネルギーは、電源が不十分な電力を供給しているときの電源(例えば、電源102)と、1つ以上の電力ユニット(例えば、1つ以上の電力ユニット108)から受信することができる電力とを含んでもよい。電源に関連付けられた停電がある場合、総利用可能電力は、1つ以上の電力ユニットから受信することができる電力の合計を含むことができる。
【0048】
ステップ210において、方法200は、不十分な電力供給について、ユーザに警報を出すことを含み得る。例えば、コントローラは、不十分な電力供給について、空調制御エリアの1人以上の居住者、及び/又はその家族若しくは介護者に警報を(例えば、警告)を送信するように構成され得る。警報は、空調制御エリアが生存動作モード(例えば、緊急動作モード)にあり得ることを示し得、生存動作モードでは、ユーザは、空調設定を変更することができない。
【0049】
緊急動作モードは、電力系統の電力が不十分であるモードであってもよい。緊急動作モードは、外部電源から受信した電力が不十分であるモードであってもよい。緊急動作モードは、電力系統の電力が閾値を下回るモードであってもよい。緊急動作モードは、1つ以上の電源から受信した電力が閾値を下回るモードであってもよい。閾値は予め定められていてもよい。閾値は、例えば、限定はしないが、建物内の居住者の数、居住者のタイプ(例えば、1人以上の居住者のユーザプロファイルに基づく)、気象データ、気象予報、履歴データなど、いずれか1つ以上のパラメータに基づいて変化し得る。
【0050】
一例では、1人以上の居住者は、ユーザインターフェースを介して、閾値を制御することが可能であり得る。1人以上の居住者は、ユーザインターフェースを介して、生存動作モードに入るようにコントローラに命令することが可能であり得る。1人以上の居住者は、生存動作モードが空調制御システムに適用されるかどうかを決定することができてもよい。
【0051】
ステップ212において、方法200は、空調制御システムの生存動作モードの空調設定を決定することを含んでもよい。一例では、コントローラは、空調制御システムの生存動作モードの空調設定を決定することができる。生存動作モードは、空調制御エリア(例えば、1つ以上のセーフルーム)を加熱及び/又は冷却するように構成された空調制御システムの動作モードを含むことができる。空調設定は、温度設定、湿度設定、及び空気流量設定のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0052】
空調設定は、温度設定、湿度設定、及び空気流量設定のうちの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。例えば、空調設定(例えば、生存空調設定)は、空気流量設定を含まず、湿度設定及び温度設定を含んでもよい。例えば、空調設定(例えば、快適性空調設定)は、湿度設定、温度設定、及び空気流量設定を含んでもよい。空気流量設定は、空気流の方向の設定を含み得る。
【0053】
生存動作モードの温度設定は、最小閾値温度(例えば、生存温度)を示してもよい。例えば、最小閾値温度は、生存に対して十分な温度であってもよい。例えば、最小閾値温度は10~25℃であってもよい。温度設定は、空調制御エリアの少なくとも一部の状態を生存温度に維持するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、空調制御システムのヒートポンプ(例えば、ヒートポンプ116)を、空調制御エリアに熱を伝達して空調制御エリアにおける生存温度を維持するように構成することができる。
【0054】
生存動作モードの湿度設定は、最小閾値湿度(例えば、生存湿度)を示してもよい。例えば、最小閾値湿度は、生存に対して十分な湿度であってもよい。生存動作モードの空気流量設定は、最小閾値空気流量(例えば、生存空気流量)を示してもよい。例えば、最小閾値空気流量は、生存に対して十分な空気流量であってもよい。
【0055】
方法200は、緊急時に(例えば、不十分な電力供給期間中に)使用される空調制御エリアの少なくとも一部を決定することを更に含むことができる。例えば、コントローラは、アパート内のどの1つ以上の部屋がセーフルームであるかを識別するように構成され得る。コントローラは、セーフルームのどの部分が緊急時に使用されるかを識別するように構成されてもよい。空調制御エリアの少なくとも一部は、ユーザから受信したデータなどの受信データに基づいて決定されてもよい。例えば、建物の一部分のみに関連付けられたユーザデータの場合、空調制御エリアは、ユーザが存在するか、又は将来存在することが予想される部分のみとして決定され得る。例えば、特定の電化製品に関連付けられたユーザデータの場合、空調制御エリアは、特定の電化製品が配置された建物の部分を含むことができる。いくつかの態様によれば、空調制御エリアの少なくとも一部は、メモリモジュールに保存されたデータに基づいて決定されてもよい。データは、定義された期間(例えば、不十分な電力供給の前、正常動作中)にわたる家庭用電化製品及び/又は付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150)の電力消費に関連付けられてもよい。
【0056】
ステップ214において、方法200は、空調制御システムの空調を空調設定に設定することを含んでもよい。例えば、コントローラは、空調制御システムの温度を温度設定に設定してもよい。コントローラは、空調制御システムの湿度を湿度設定に設定してもよい。コントローラは、空調制御システムの空気流量を空気流量設定に設定することができる。設定は、コントローラによって自動的に行われてもよい。例えば、コントローラは、空調制御システムのサーモスタット(例えば、サーモスタット164)を温度設定に設定してもよい。例えば、コントローラは、空調制御システムの凝縮器の温度を温度設定に設定してもよい。例えば、コントローラは、空調制御システムの蒸発器の温度を温度設定に設定することができる。例えば、コントローラは、空調制御システムの冷媒の温度を温度設定に設定することができる。
【0057】
空調設定は、空調制御エリアのオペレータ(居住者など)によって(例えば、ユーザインターフェースを使用して)実行された(又は設定された)設定を無効にし得る。コントローラは、凝縮器(例えば、凝縮器118)を温度設定に設定することができる。コントローラは、空調制御エリアの空気流量を設定することができる。コントローラは、空調制御エリアの湿度レベルを設定することができる。湿度レベルを設定することは、空調制御システムの加湿器に対する空調設定を湿度設定に適用することを含んでもよい。湿度レベルを設定することは、空調制御システムの恒湿器を湿度設定に設定することを含み得る。恒湿器は、ヒートポンプシステムと統合されてもよい。コントローラは、緊急時に非必須電力負荷の電源をオフにするように構成されてもよい。
【0058】
ステップ216において、方法200は、生存動作モードに関連付けられたデータを監視することを含み得る。コントローラは、利用可能エネルギー、電力消費、及び/又は不十分な電力供給の持続時間のうちの1つ以上を監視するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、データを連続的又は周期的に受信することによって、利用可能エネルギー、電力消費、及び/又は持続時間のうちの1つ以上を監視するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、ユーザ(例えば、ユーザインターフェース112を介して)、1つ以上のセンサ162、電力デバイス、1つ以上の電力ユニット、通信モジュール140、無線通信142、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス312、及び/又は空調制御システム104のうちの1つ以上からデータを受信してもよい。
【0059】
空調制御システムは、空調制御システムの電力消費を測定するように構成されたモニタを含むことができる。例えば、空調制御システムは、空調制御システムの凝縮器の電力消費を測定するように構成されたモニタを含むことができる。空調制御システムは、空調制御システムの蒸発器の電力消費を測定するように構成されたモニタを含むことができる。モニタは、コントローラが空調制御システムの電力消費の情報を受信する(例えば、追跡する)ように、コントローラと通信してもよい。電力貯蔵ユニットは、電力貯蔵ユニット内の残りのエネルギー供給を測定するように構成されたモニタを含むことができる。モニタは、コントローラがエネルギー貯蔵デバイス内に残っているエネルギーの情報を受信する(例えば、追跡する)ように、コントローラと通信してもよい。モニタは、コントローラが1つ以上の電力ユニット及び/又は1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスにおける最小充電状態を追跡するように、コントローラと通信してもよい。モニタは、コントローラが、1つ以上の電力ユニット及び/又は1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスにおける現在の充電状態の情報を受信する(例えば、追跡する)ように、コントローラと通信してもよい。モニタは、コントローラが、1つ以上の電力ユニット及び/又は1つ以上のエネルギー貯蔵ユニットにおける容量の情報を受信する(例えば、追跡する)ように、コントローラと通信してもよい。
【0060】
1つ以上の電力ユニット及び/又は電力デバイスは、1つ以上の電力ユニット及び/又は電力デバイスからの電力出力を測定するように構成されたモニタを含むことができる。モニタは、コントローラが1つ以上の電力ユニット及び/又は電力デバイスの電力出力の情報を受信する(例えば、追跡する)ように、コントローラと通信してもよい。コントローラは、例えば、通信モジュール(例えば、通信モジュール140)及び/又は無線通信インターフェース(例えば、無線通信インターフェース142)を使用して、1つ以上の気象条件パラメータに関連付けられた更新を受信するように構成され得る。コントローラは、例えば、ユーザ入力データをリアルタイムで受信することによって、どの付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150)及び/又は電化製品が使用されているかに関連付けられた更新を受信するように構成されてもよい。コントローラは、例えば、空調制御エリアの1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のセンサ162)及び/又はユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース112)のウェアラブルセンサ(例えば、ウェアラブルセンサ148)を使用して、空調制御エリアの変更に関連付けられた更新を受信するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、空調制御エリア内で窓が開けられた場合、かつ/又は居住者が空調制御エリアに出入りした場合に、更新を受信することができる。
【0061】
ステップ218において、方法200は、空調制御エリアにおいて電力が回復されたかどうかを決定する(例えば、チェックする)ことを含むことができる。例えば、コントローラは、電源、空調制御エリア、及び/又は空調制御システムから供給される電力量の監視に基づいて、回復した電力をチェックすることができる。コントローラが、空調制御エリアにおいて電力(例えば、十分な電力)が回復されたと決定した場合、方法200は220に進んでもよい。コントローラが、空調制御エリアにおいて電力が回復されていないと決定した場合、方法200はステップ216に戻ることができる。
【0062】
ステップ220において、方法200は、電力(例えば、回復された電力)が快適な空調設定及び/又は正常動作モードに対して十分であるかどうかを決定することを含み得る。方法200は、電力(例えば、回復された電力)が快適な温度設定(例えば、20~30℃、ユーザによって設定された値など)及び/又は正常動作モードに対して十分であるかどうかを決定することを含み得る。
【0063】
コントローラは、通信モジュール及び/又は無線通信インターフェースを使用して、電力が十分である(又は回復されている)ことを確認してもよい。方法200は、電力供給会社(例えば、地元の会社)に確認することによって、電力が十分である(又は回復されている)ことを確認することを含むことができる。電力が快適な空調設定及び/又は正常動作モードに対して十分でない場合、方法200はステップ222に進んでもよい。電力が快適な空調設定及び/又は正常動作モードに対して十分である場合、方法200はステップ224に進んでもよい。
【0064】
電力が快適な空調設定及び/又は正常動作モードに対して十分でない場合、方法200は、空調制御システムの現在の状態の危険レベルをスコア付けすることを含んでもよい。例えば、コントローラは、空調制御システムの現在の状態の危険レベルのスコアを決定してもよい。例えば、危険レベルのスコアは、0~10の範囲であってもよい。例えば、危険レベルのスコアは、1~5の範囲であってもよい。危険レベルのスコアは、現在のステータスの重大度ポテンシャル(例えば、不十分な電力の重大度ポテンシャル)に関連付けられ得る。危険レベルのスコアは、受信データを考慮してもよい。危険レベルのスコアは、主電源から受信した電力、これまでの不十分な電力供給の持続時間、不十分な電力供給の予想持続時間、バックアップ電源から利用可能な電力量、履歴データ、ユーザデータ(又は1人以上の居住者に関連付けられたデータ)、1人以上の居住者の個人データなどのうちのいずれか1つ以上に基づいてもよい。危険レベルのスコアは、ユーザ選択及び/又はユーザ設定に基づいてもよい。不十分な電力供給の予想持続時間は、履歴データ、気象予報、ユーザ入力データ、コントローラによって受信された他のデータ、及び/又は同等物に基づいてもよい。
【0065】
方法200は、居住者に危険レベルのスコアを提示することを含み得る。方法200は、居住者以外のユーザ(例えば、介護者、リモートの家族、又はシステムへのアクセスを許可された1人以上の個人など)に、危険レベルのスコアを提示することを含むことができる。例えば、コントローラは、居住者又は居住者以外のユーザに、危険レベルのスコアの通知を送信してもよい(例えば、後述するステップ224において)。
【0066】
方法200は、居住者又はユーザに、空調設定を選択するときに考慮すべき複数のリスク因子を提示することを含んでもよい。例えば、コントローラは、居住者又はユーザに複数のリスク因子を提示してもよい。複数のリスク因子は、現在の天気、気象予報、利用可能な電力量、1人以上の居住者のリスクレベルなどを含み得る。例えば、リスク因子の1つは、1人以上の居住者のリスクレベル(例えば、健康リスクレベル)を含んでもよい。居住者が(生理学的パラメータ及び/又は慢性疾患に起因して)より高いリスクを有する場合、方法200は、居住者及び/又はユーザに、より高いリスクを有し、少なくとも特定の空調設定を必要とする居住者がいることを提示することを含んでもよい。方法200は、空調設定を生存空調設定に設定するための推奨などの推奨を表示することを含み得る。
【0067】
方法200は、居住者以外のユーザに、危険レベルのスコア、複数のリスク因子、推奨、オプションの空調設定などを、リムーブユーザインターフェースを介して提示することを含んでもよい。例えば、空調制御エリアから離れている可能性がある介護者は、リムーブユーザインターフェースを介して、危険レベルのスコア、複数のリスク因子、推奨、オプションの空調設定などを受信することが可能であり得る。方法200は、居住者以外のユーザから命令を受信することを含んでもよい。例えば、ユーザは、リモートで空調設定を選択してもよい。
【0068】
方法200は、ユーザインターフェースを介してスコアを表示することを含んでもよい。方法200は、危険レベルのスコアに基づいて複数のオプションの空調設定を生成することを含んでもよい。方法200は、居住者に、複数のオプションの空調設定を提示することを含み得る。複数のオプションの空調設定は、異なる電力供給オプションに対応する異なる空調設定を含んでもよい。複数のオプションの空調設定は、保守的なオプションの空調設定を含んでもよい。保守的なオプションの空調設定は、電力が最大レートで節約される空調設定を提供し得る。保守的なオプションの空調設定は、利用可能電力が最大量の時間継続する空調設定を含み得る。保守的なオプションの空調設定は、必要最小限の電化製品を使用することを含んでもよい。保守的なオプションの空調設定は、家が居住者にとって快適であってもなくてもよい生存可能な空調に維持される空調設定を含んでもよい。保守的なオプションの空調設定は、空調制御エリア内の快適な空調に対して十分な電力があるように、電化製品に電力を分配することを含んでもよい。保守的なオプションの空調設定は、最小電力準快適性設定を有する空調設定(例えば、不十分な電力の間に空調制御システムがなかった場合よりも、空調制御エリアをより快適にする(又は維持する)ことができる空調設定)を含んでもよい。
【0069】
複数のオプションの空調設定は、1人以上の居住者のための指示を含んでもよい。例えば、命令は、ウィンドウを閉じる命令を含んでもよい。命令は、暖かい衣服を使用して服を着る命令を含んでもよい。命令は、毛布で覆う命令を含んでもよい。命令は、空調制御エリア内の1つ以上の照明又は電化製品をオフにする命令を含んでもよい。
【0070】
複数のオプションの空調設定は、快適な空調設定を含んでもよい。快適な空調設定は、居住者の快適性を優先する空調設定を提供し得る。快適な空調設定は、将来利用可能であってもなくてもよい電力量にかかわらず、空調制御エリアが快適な空調に維持される空調設定を含んでもよい。複数のオプションの空調設定は、電力消費が異なる1つ以上の空調設定を含んでもよい。複数のオプションの空調設定は、快適な空調設定と保守的な空調設定との間の範囲の1つ以上の空調設定を含んでもよい。例えば、オプションの空調設定は、不十分な電力の持続時間並びに1人以上の居住者の少なくとも最小快適性レベルを達成するために必要とされる空調を考慮に入れる空調設定を含み得る。方法200は、ユーザインターフェースから、選択されたオプションの空調設定を受信することを含んでもよい。方法200は、危険レベルのスコアに基づいて1つのオプションの空調設定を選択することを含んでもよい。
【0071】
方法200は、居住者の選択を無効にすることを含んでもよい。例えば、方法200は、選択されたオプションの空調設定が危険である可能性があること、及び/又は不十分な電力の持続時間中に十分な時間継続することができない可能性があることを識別することを含むことができる。方法200は、選択されたオプションの空調設定と同様であっても異なっていてもよい空調設定を生成することによって、選択されたオプションの空調設定を無効にすることを含んでもよい。方法200は、選択されたオプションの空調設定を、例えば、居住者がより長い期間にわたって健康で安全な状態にあることを許可する設定になるように修正することを含んでもよい。
【0072】
ステップ222において、方法200は、警告を生成することを含んでもよい。例えば、コントローラは、メッセージ(例えば、テキスト、オーディオ、及び/又はビデオ)を生成し、例えば、ユーザインターフェースを介して、メッセージをユーザに送信するように構成されてもよい。メッセージはまた、空調制御エリアに関連付けられた公益事業会社に送信されてもよい。メッセージは、電力が、快適な空調設定及び/又は正常動作モードに対して不十分であることを示すことができる。メッセージは、データの監視に基づいて周期的に生成され、送信され得る。
【0073】
ステップ224において、方法200は、回復された電力をユーザに通知することを含んでもよい。コントローラは、現在の電力が快適な空調設定及び/又は正常動作モードに対して十分であることを示すメッセージをユーザに送信してもよい。コントローラは、不十分な電力の持続時間に関連付けられたデータをデータベース(例えば、メモリモジュール)に記録してもよく、その結果、データは、不十分な電力の将来の持続時間において使用されてもよい。コントローラは、不十分な電力が検出される次回のために、1つ以上の電力ユニット及び/又は1つ以上のエネルギーデバイスが充電される回復モードに入ることを決定してもよい。コントローラは、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスを充電することができる。
【0074】
ステップ226において、方法200は、空調制御システムの空調設定を除去し、それによって空調制御システムを正常動作モードに戻すことを含むことができる。例えば、コントローラは、空調制御エリアのためのいかなる空調パラメータも構成しないことによって、空調制御システムの空調設定を除去するように構成され得る。
【0075】
ステップ228において、方法200は、空調制御エリアにおいて快適な空調設定を維持することを含んでもよい。方法200は、例えば、1つ以上のセンサ162及び/又はユーザインターフェース112を介して、ユーザのステータスを監視することを含んでもよい。例えば、コントローラは、監視されたユーザプロファイルに少なくとも部分的に基づいて、快適な空調設定を設定するように構成されてもよい。例えば、居住者のユーザプロファイルが上昇した心拍数又は血圧を示すとき、コントローラは、快適な空調設定の温度を下げるように構成され得る。コントローラは、ユーザのステータス及び/又はユーザプロファイルに関連付けられた収集データに少なくとも部分的に基づいて、快適な空調設定を調整するように構成されてもよい。ユーザプロファイルは、個々のユーザの1つ以上の快適な空調設定に関連付けられたデータを含む快適性プロファイルを含み得る。コントローラは、(例えば、ステップ204において)空調制御エリアへの不十分な電力供給が決定されるまで、空調制御エリアにおける快適な空調設定を維持することができる。
【0076】
空調制御システムを制御するための方法を示す
図3を参照する。
図3に示される方法300は、方法200の1つ以上のステップを含んでもよい。方法200は、方法300の1つ以上のステップを含み得る。コントローラ(例えば、コントローラ110)は、方法300のステップのうちの少なくともいくつか又は全てを実装するように構成され得る。
【0077】
ステップ302において、方法300は、様々な電源(例えば、電源102、1つ以上の電力ユニット108)によって供給される電力量(例えば、電流又は電圧)をチェック及び/又は監視することを含み得る。コントローラは、正常動作における空調制御エリア(例えば、空調制御エリア114)の動作に必要な正常電力量を識別するように構成されてもよい。コントローラは、快適性設定(例えば、快適な空調設定)を設定し、電力量が空調制御エリアの正常動作に対して十分であるときに快適性設定を維持するように構成されてもよい。
【0078】
ステップ304において、方法300は、空調制御エリアへの不十分な電力供給を識別することを含んでもよい。例えば、不十分な電力供給は、空調制御エリアの正常動作に対して不十分であり得る(例えば、電力量が閾値を下回り得る)。電力供給は、電源(例えば、電源102)及び/又は1つ以上の電力ユニット(例えば、1つ以上の電力ユニット108)から受信される電力量を含み得る。不十分な電力供給は、通常よりも低い電力量を含み得る。不十分な電力供給は、住居及び/又は住居内の特定の1人以上の居住者についての平均を下回る電力量を含み得る。不十分な電力供給は、一年についての平均を下回る電力量を含み得る。不十分な電力供給は、供給される電力量の低減、供給される電力量の1つ以上の中断、停電、電圧低下、広範囲の停電、1つ以上の電力ユニットのうちの少なくとも1つの誤動作、単独運転状態、電力系統のない状態、及び/又は極端な気象条件のうちの1つ以上を含み得る。コントローラは、受信された電力が不十分であるときに、電源及び1つ以上の電力ユニットによって供給される電力を管理するように構成され得る。例えば、コントローラは、受信された電力量を管理し、かつ/又は建物内の電力を必要とする負荷を管理するように構成されてもよい。コントローラが、空調制御エリアへの電力供給が不十分であると決定した場合、方法300はステップ306に進んでもよい。コントローラが、空調制御エリアへの電力供給が十分であると決定した場合、方法300はステップ316に進んでもよい。
【0079】
ステップ306において、方法300は、不十分な電力供給の持続時間を決定することを含み得る。例えば、コントローラは、外部ソースから(例えば、ユーザから、かつ/又は通信モジュールを介して)不十分な電力供給の持続時間を受信することによって、不十分な電力供給の持続時間を決定してもよい。コントローラは、例えば、受信データ、受信されたユーザ入力、及び/若しくは不十分な電力の部分的持続時間に関連付けられたデータ、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上に基づいて、不十分な電力供給の持続時間を決定(例えば、推定、計算)してもよい。不十分な電力供給の持続時間は、建物のユーザ(例えば、居住者)、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース112)を備えるアプリケーションのオペレータなどから受信され得る。例えば、複数のアパートを有するアパートの建物では、1人のユーザから持続時間を受信し、その持続時間を建物全体に適用することができる。持続時間は、無線通信インターフェース142など、セルラーインターネット接続を介して受信され得る。持続時間は、通信モジュール140(例えば、インターネット)を使用して受信され得る。持続時間は、電力供給会社(例えば、地元の会社、電源102の電力を供給する会社、1つ以上の電力ユニット108を供給する会社)から受信したデータを使用して決定されてもよい。持続時間は、ユーザインターフェースを介してユーザによって提供され得る。
【0080】
追加的又は代替的に、持続時間は、不十分な電力供給の以前の持続時間に基づく所定の長さの時間を含み得るデフォルト設定(又はデフォルト持続時間)を使用して決定され得る。持続時間は、安全係数に基づいてデフォルト設定を使用して決定され得る。実際の持続時間が、決定された持続時間以下であることを保証するために、受信された持続時間に安全係数を乗算することができる。コントローラは、例えば、不十分な電力供給の持続時間に関して利用可能な情報がない場合、最悪の場合のデフォルト持続時間を決定することができる。
【0081】
ステップ308において、方法300は、データを受信することを含み得る。データは、受信された電力量、不十分な電力供給の予測された持続時間、1つ以上の気象条件パラメータ(例えば、屋外気象条件パラメータ)、気象予報、ユーザ入力データ、1人以上のユーザから収集されたデータ、建物内の必要な電化製品又は付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150)、メモリモジュールに記憶されたデータなどのうちの1つ以上に関連付けられてもよい。受信データは、空調制御エリアの少なくとも一部に関連付けられ得る。データは、建物の居住者、居住者の家族、及び/又は居住者の介護者などのユーザによって提供(例えば、入力)されてもよい。データは、1人以上の居住者のユーザプロファイルを含み得る。データは、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース112)を使用して、建物の内部又は建物の外部から提供され得る。
【0082】
ステップ309において、方法300は、1人以上の居住者の各々についてユーザプロファイルを生成することを含んでもよい。ユーザプロファイルは、生存エンベロープ(例えば、ユーザの生存動作モードに関連付けられたデータ)を含み得る。生存エンベロープは、時間の関数として、温度、湿度レベル、及び空気流量のうちの2つ以上に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、時間の関数として、空調設定に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、居住者が生存することができる最大空調設定に関連付けられたデータを含んでもよい(例えば、空調設定の持続時間の関数として)。生存エンベロープは、居住者が生存することができる最小空調設定に関連付けられたデータを含み得る(例えば、空調設定の持続時間の関数として)。
【0083】
生存エンベロープは、時間の関数として、温度に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、居住者が生存することができる最高温度に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、温度の持続時間(例えば、居住者が最高温度でどのくらい長く生存することができるか)の関数として、居住者が生存することができる最高温度に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、居住者が生存することができる最低温度に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、温度の持続時間の関数として、居住者が生存することができる最低温度に関連付けられたデータを含み得る。
【0084】
生存エンベロープは、時間の関数として、湿度に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、居住者が生存することができる最高湿度レベルに関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、湿度レベルの持続時間(例えば、居住者が最高湿度レベルでどのくらい長く生存することができるか)の関数として、居住者が生存することができる最高湿度レベルに関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、居住者が生存することができる最低湿度レベルに関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、湿度レベルの持続時間の関数として、居住者が生存することができる最低湿度レベルに関連付けられたデータを含み得る。
【0085】
生存エンベロープは、時間の関数として、空気流量に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、居住者が生存することができる最高空気流量に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、空気流量の持続時間の関数として、居住者が生存することができる最高空気流量に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、居住者が生存することができる最低空気流量に関連付けられたデータを含み得る。生存エンベロープは、空気流量の持続時間の関数として、居住者が生存することができる最低空気流量に関連付けられたデータを含み得る。
【0086】
追加的に、ユーザプロファイルは、快適性エンベロープ(例えば、ユーザの快適性設定に関連付けられたデータ)を含み得る。快適性エンベロープは、時間の関数として、空調設定に関連付けられたデータを含み得る。快適性エンベロープは、居住者が快適であることができる最大空調設定に関連付けられたデータを含み得る(例えば、空調設定の持続時間の関数として)。快適性エンベロープは、居住者が快適であることができる最小空調設定に関連付けられたデータを含み得る(例えば、空調設定の持続時間の関数として)。
【0087】
快適性エンベロープは、時間の関数として、温度に関連付けられたデータを含み得る。例えば、快適性エンベロープは、居住者が快適であることができる最高温度(例えば、第2の所定の閾値を下回る温度)に関連付けられたデータを含んでもよい(例えば、温度の持続時間の関数として)。快適性エンベロープは、居住者が快適であることができる最低温度(例えば、第2の所定の閾値を上回る温度)に関連付けられたデータを含み得る(例えば、温度の持続時間の関数として)。
【0088】
快適性エンベロープは、時間の関数として、湿度に関連付けられたデータを含み得る。例えば、快適性エンベロープは、居住者が快適であることができる最高湿度レベル(例えば、第1の所定の閾値を下回る湿度)に関連付けられたデータを含み得る(例えば、湿度レベルの持続時間の関数として)。快適性エンベロープは、居住者が快適であることができる最低湿度レベル(例えば、第2の所定の閾値を上回る湿度)に関連付けられたデータを含み得る(例えば、湿度レベルの持続時間の関数として)。
【0089】
快適性エンベロープは、時間の関数として、空気流量に関連付けられたデータを含み得る。快適性エンベロープは、居住者が快適であることができる最高空気流量(例えば、第1の所定の閾値を下回る空気流量)に関連付けられたデータを含み得る(例えば、空気流量の持続時間の関数として)。快適性エンベロープは、居住者が快適であることができる最低空気流量(例えば、第2の所定の閾値を上回る空気流量)に関連付けられたデータを含み得る(例えば、空気流量の持続時間の関数として)。
【0090】
方法300は、温度設定、湿度設定、及び/又は空気流量設定のうちのいずれか1つ以上を計算すること含み得る。方法300は、空調設定を計算することを含んでもよい。空調設定、温度設定、湿度設定、及び/又は空気流量設定は、1人以上の居住者の快適性エンベロープ、及び/又は不十分な電力供給の持続時間、及び/又は不十分な電力供給の予想持続時間に少なくとも部分的に基づいて決定されてもよい。方法300は、快適性エンベロープ内の持続時間(例えば、温度の持続時間、湿度レベルの持続時間、及び/又は空気流量の持続時間)を、不十分な電力供給の持続時間及び/又は不十分な電力供給の予想持続時間と関連付けることを含み得る。方法300は、快適性エンベロープ内の持続時間を不十分な電力供給の持続時間及び/又は不十分な電力供給の予想持続時間と等しくすることを含み得る。
【0091】
コントローラは、空調制御エリアの正常の(又は快適な)動作中に電力の使用を監視するように構成され得る。例えば、コントローラは、空調制御エリアの1つ以上のアパート内の異なる電化製品及び/又は付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150)の動作に関連付けられたデータを受信するように構成されてもよい。コントローラは、ユーザインターフェース及び/又は1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のセンサ162)を使用して、電力の使用を監視するために使用されてもよい。ユーザインターフェース及び/又は1つ以上のセンサは、ユーザ及び/又は空調制御エリアに関連付けられたデータを収集し、このデータをコントローラに送信するために使用されてもよい。ユーザインターフェースは、ユーザの心拍数、血圧、及び/又は体温のうちのいずれか1つ以上を収集するために使用され得る、1つ以上のウェアラブルセンサ(例えば、1つ以上のウェアラブルセンサ148)を含んでもよい。コントローラは、収集データを分析し、収集データに基づいて1人以上の居住者のステータスを生成するように構成され得る。ステータスは、例えば、ユーザの場所、ユーザの快適性のレベル、ユーザの健康状態などのうちの1つ以上を示してもよい。ユーザプロファイルは、1人以上の居住者のステータスに少なくとも部分的に基づき得る。ユーザプロファイルは、1人以上の居住者のステータスを使用して更新されてもよい。1人以上の居住者のステータス及び/又はユーザプロファイルは、連続的かつ/又は周期的に更新されてもよい。
【0092】
ステップ310において、方法300は、1人以上の居住者のユーザプロファイルが異常であるかどうかを識別することを含み得る。例えば、コントローラは、ユーザのステータス又は状態を、正常なステータス又は状態に関連付けられたユーザの以前のデータと比較するように構成されてもよい。コントローラは、1人以上の居住者の病歴及び/又は健康状態に基づいて、1人以上の居住者のユーザプロファイルが異常であるかどうかを決定してもよい。比較に基づいて、コントローラは、医学的に異常な状態又はステータス(例えば、心拍数、体温、血圧の低下若しくは上昇、ユーザが正常な状態にあるときよりも遅く歩行している、かつ/又はユーザが正常な状態にあるときよりも動きが少ない)を決定するように構成され得る。決定された医学的に異常な状態に基づいて、コントローラは、警報を生成し、1人以上の居住者、居住者の家族及び/若しくは介護者、並びに/又は医療施設(例えば、近くの病院)に送信するように構成されてもよい。
【0093】
方法300は、1人以上の居住者の快適性エンベロープを識別することを含み得る。1人以上の居住者の快適性エンベロープは、生理学的パラメータ、健康状態、年齢、性別などの違いにより互いに異なってよい。方法300は、住居内の全ての居住者(現在又は近い将来に住居内にいることが予想される)の快適性エンベロープを含む集合的快適性エンベロープを生成することを含むことができる。集合的快適性エンベロープは、住居内の全ての居住者の快適性エンベロープの交差を含んでもよい。例えば、高齢居住者及び/又は慢性疾患を有する居住者は、より高い最小空調設定及び/又はより低い最大空調設定を必要とし得る。例えば、高齢居住者及び/又は慢性疾患を有する居住者は、より高い最低温度及び/又はより低い最高温度を必要とし得る。
【0094】
1つ以上のセンサは、例えば、温度センサ、湿度センサ、動きセンサ、光/UVセンサ、大気質センサ、電気使用センサ、光学センサ(例えば、カメラ又はビデオカメラ)、及び/又は赤外線センサのうちの1つ以上を含んでもよい。1つ以上のセンサは、空調制御エリアに関連付けられたデータを収集するために使用され得る。収集データは、空調制御システムの熱データを含んでもよい。例えば、1つ以上のセンサは、空調制御エリア内の熱分散に関連付けられたデータを収集してもよい。別の例として、1つ以上のセンサ162は、空調制御エリア(例えば、開いた窓又は壊れた窓)からの熱漏れに関連付けられたデータを収集することができる。コントローラは、例えば、光学センサ又は動きセンサを使用して、空調制御エリア内の1人以上の居住者(又はユーザ)の存在を監視するように構成されてもよい。
【0095】
ステップ312において、方法300は、受信データに基づいて、空調制御エリアのプロファイルを決定することを含み得る。方法300は、1人以上の居住者の快適性エンベロープ(及び/又は集合的快適性エンベロープ)に少なくとも部分的に基づいて、空調制御エリアのプロファイルを決定することを含み得る。例えば、コントローラは、1つ以上のセンサ162からの収集データを使用して、空調制御エリアのプロファイルを決定(例えば、計算、推定)するように構成されてもよい。
【0096】
メモリモジュールは、データを記憶するデータベースを含んでもよい。データは、例えば、1つ以上の建物、建物内の1つ以上のアパート、及び/又は建物内の1つ以上の異なる空調制御エリアに関連付けられてもよい。メモリモジュールは、建物内及び/又は建物内のユーザのアパートにおけるユーザの電力消費を含むユーザプロファイル(又は居住者プロファイル)を記憶することができる。建物内のアパートに関連付けられたデータは、1つ以上の個々のユーザプロファイルを含み得る。個々のユーザプロファイルは、個々のユーザの電力消費に基づいて異なってもよい。アパート又は家庭に関連付けられたデータは、空調制御システムプロファイルを含むことができ、空調制御システムプロファイルは、空調制御エリアに居住するユーザのプロファイルを含むことができる。
【0097】
方法300は、空調制御エリアの必要電力を決定する(例えば、計算する、推定する)ことを更に含むことができる。必要電力は、空調制御エリアの正常動作に必要な電力量を含むことができる。必要電力の決定は、不十分な電力供給の持続時間に関連付けられた受信データに基づいてもよい。例えば、コントローラは、例えば、不十分な電力供給において供給された電力量に関連付けられた受信データ、建物及び/若しくは建物のアパート内のユーザの1つ以上のユーザプロファイル、気象に関連付けられた受信データ(例えば、気象予報、1つ以上の気象条件パラメータなどの現在の気象条件)、空調制御エリアの1つ以上の部屋のサイズ、並びに/又は不十分な電力供給の以前の持続時間に関連付けられたメモリ(又はデータベース)に記憶されたデータに基づいて、必要電力を決定するように構成されてもよい。気象に関連付けられた受信データは、ユーザによって提供されてもよく、かつ/又はコントローラの通信モジュールを介して自動的に受信されてもよい。
【0098】
方法300は、受信データに基づいて空調制御システムのプロファイル(例えば、必要とされる電力プロファイル)を決定する(例えば、計算する、推定する)ことを更に含み得る。例えば、空調制御システムの必要とされる電力プロファイルは、空調制御エリアに関連付けられたユーザのユーザプロファイル、1つ以上のセンサからの空調制御エリアに関連付けられた収集データ、空調制御エリアに関連付けられたユーザによって提供されたデータ、ユーザプロファイル、1つ以上の気象条件パラメータ、気象予報、データベースに記憶されたデータ、及び/又は不十分な電力供給の持続時間のうちの1つ以上に基づいて決定されてもよい。
【0099】
方法300は、空調制御エリアの外部の1つ以上の気象条件パラメータを決定することを更に含むことができる。気象条件パラメータは、建物の外部の周囲温度、建物の外部の湿気レベル、住居(又は空調制御エリア)の内部の湿気レベル、風速、風向、雲量(又は雲の量)、及び/又は降水タイプ(例えば、雨、雹、雪、霧雨)のうちの1つ以上を含み得る。1つ以上の気象条件パラメータは、1つ以上の気象予報を含んでもよい。気象予報は、近々の分、時間、日、及び/又は週に関連付けられ得る。方法300は、コントローラ、1つ以上のセンサ、セルラー接続若しくはインターネット接続(例えば、無線通信142)、及び/又はユーザインターフェース(例えば、ユーザ入力を介して)のうちの1つ以上を介して気象予報を受信することを含み得る。コントローラは、PV発電システム126のインバータを介して気象予報を示すデータを受信するように構成されてもよい。気象予報は、本明細書で説明されるように、不十分な電力供給の持続時間を決定するため、かつ/又は総利用可能電力を決定するために使用され得る。
【0100】
方法300は、空調制御エリアの少なくとも一部の状態を受信することを更に含むことができる。状態(例えば、屋内状態)は、空調制御エリア、空調制御エリアの特定の部分、又は空調制御エリアによってカバーされない1つ以上のエリア(例えば、建物)内の状態を示し得る。状態は、空調制御エリア内の温度(又は周囲温度)、空気流量、及び/又は湿度レベルのうちの1つ以上を含んでもよい。方法300は、コントローラ110、1つ以上のセンサ162、(例えば、無線通信インターフェース142を介した)セルラー接続若しくはインターネット接続、(例えば、ユーザの入力を受信することによる)ユーザインターフェース112、及び/又はそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つ以上を介して状態を受信することを更に含んでもよい。状態は、総利用可能電力を決定するために使用され得る。
【0101】
ステップ314において、方法300は、利用可能電力プロファイルを決定することを含み得る。例えば、コントローラは、不十分な電力供給の持続時間中に使用され得る総利用可能電力を決定(例えば、計算、推定)するように構成されてもよい。コントローラは、空調制御エリアに利用可能であり得る電源の全て、気象予報、及び/又は受信された状態に基づいて、総利用可能電力を決定するように構成され得る。例えば、総利用可能電力は、電源102が不十分な電力を供給しているときの電源102、並びに1つ以上の電力ユニット108から受信することができる電力を含むことができる。電源102に関連付けられた停電がある場合、総利用可能電力は、1つ以上の電力ユニット108から受信することができる電力の合計を含むことができる。
【0102】
コントローラは、1つ以上の電力ユニットの各々から受信することができる総電力を決定することによって総利用可能電力を決定するように構成されてもよい。1つ以上の電力ユニットは、例えば、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、エネルギー貯蔵デバイス132)、PV発電システム(例えば、PV発電システム126)、風力タービン(例えば、風力タービン128)、及び/又は発電機(例えば、発電機130)のうちの1つ以上を含んでもよい。1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスは、貯蔵されたエネルギーを空調制御エリアに提供するように構成され得る。1つ以上の電力ユニットは、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスを備えるエネルギー貯蔵システムを含んでもよい。エネルギー貯蔵デバイスは、例えば、バッテリ(例えば、バッテリ134)、熱バッテリ(例えば、熱バッテリ124)、フライホイール(例えば、フライホイール136)、及び/又は燃料電池(例えば、燃料電池138)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0103】
1つ以上のPV発電システムを含む1つ以上の電力ユニットについて、コントローラは、不十分な電力供給の持続時間中にPV発電システムがどれだけの電力を生成することができるかに基づいて、総利用可能電力を決定するように構成されてもよい。追加的又は代替的に、コントローラは、1つ以上の気象条件パラメータ及び/若しくは気象予報、赤道に対する発電システムの場所、時期(例えば、季節又は日付)、並びに/又はPV発電システムの周囲の温度に基づいて、総利用可能電力を決定するように構成されてもよい。例えば、日光がある気象予報の場合、コントローラは、不十分な電力供給の持続時間中に予想される日光の持続時間(例えば、時間/分の数)を決定することに基づいて総利用可能電力を決定するように構成され得る。総利用可能電力は、太陽光の間にPV発電システムを使用して生成され得る電力を含み得る。
【0104】
総利用可能電力は、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイスの深放電を含んでもよい。例えば、総利用可能電力は、バッテリの深放電時(例えば、バッテリ(例えば、バッテリ134、熱バッテリ124)が空調制御エリアに接続されているとき)にバッテリが提供できるエネルギーを含むことができる。加えて、総利用可能電力は、燃料電池の深放電時(例えば、燃料電池が空調制御エリアに接続されているとき)に燃料電池が提供することができるエネルギーを含むことができる。
【0105】
追加的又は代替的に、コントローラは、発電機が供給することができる電力の量を決定することに基づいて、総利用可能電力を決定するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、発電機内の燃料の量を受信する(又は測定する)ことに基づいて総利用可能電力を決定し、(例えば、1つ以上の電力ユニットが1つ以上の発電機を含むときに)その量の燃料を使用して空調制御エリアにどれだけの電力を供給することができるかを決定(例えば、計算、推定)するように構成することができる。総利用可能電力の決定は、空調制御エリア(又はその近傍)において利用可能であり得る外部燃料貯蔵に更に基づいてもよい。
【0106】
ステップ316において、方法300は、電力負荷を管理することを含む。例えば、コントローラは、空調制御エリア内の電力負荷を管理するように構成されてもよい。コントローラは、空調制御エリア内の非必須電力負荷を識別するように構成されてもよい。非必須電力負荷は、緊急時に必要とされない可能性がある電化製品及び/又は付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150)を含むことができる。例えば、非必須電力負荷は、空調制御エリア以外のエリア内の照明、及び/又は空調制御エリアの外部の加熱若しくは冷却機構(例えば、ファン、エアコン、ラジエータ)を含み得る。非必須電力負荷の管理は、空調制御エリア内又は空調制御エリア外部の特定のプラグ(例えば、スマートプラグ、通信モジュール140)の使用を防止することを含み得る。コントローラは、空調制御エリア内の電力負荷に優先順位を付けることによって電力負荷を管理するように構成され得る。例えば、コントローラは、空調制御エリア内の各電力負荷に対する優先度のランクを生成し、総利用可能電力及び/又は各電力負荷のランクに基づいて、どの電力負荷が持続時間中に電力を受信するかを決定するように構成され得る。ランクは、電力負荷に電力を供給するために必要な電力量及び/又は電力負荷の重要性に基づいて重み付けされてもよい(例えば、食品を貯蔵する冷蔵庫は、他の電力負荷よりも重要であってもよい)。コントローラは、電力負荷のランクに基づいて1つ以上の電力負荷を非必須として識別するように構成されてもよく、緊急事態中に非必須電力負荷の電源をオフにしてもよい。
【0107】
コントローラは、(例えば、電力負荷の)必要電力を総利用可能電力と比較するように構成されてもよい。必要電力が総利用可能電力よりも大きいという決定に基づいて、コントローラは、空調設定を決定(例えば、計算、推定)するように構成されてもよい。必要電力が総利用可能電力未満であるという決定に基づいて、コントローラは、ユーザが空調制御システムの設定を調整することを可能にする(例えば、許可する)ように構成されてもよい。
【0108】
ステップ318において、方法300は、空調制御システムの生存動作モードの空調設定を決定することを含んでもよい。生存動作モードは、ユーザが生存することに対して十分な熱を空調制御エリアに供給することを示すことができる。例えば、コントローラは、空調制御システムのヒートポンプ(例えば、ヒートポンプ116)を温度設定に設定するように構成されてもよい。温度設定は、空調制御エリア114の少なくとも一部の状態を、1人以上の居住者の生存に対して十分であり得る生存温度に維持するように構成されてもよい。空調制御エリアは、少なくとも不十分な電力供給の持続時間の間、そのような温度を維持することができる。空調設定は、空調制御エリア114の少なくとも一部の状態を、1人以上の居住者の生存に対して十分であり得る生存空調に維持するように構成され得る。空調制御エリアは、少なくとも不十分な電力供給の持続時間の間、そのような空調を維持することができる。
【0109】
生存動作モードは、空調制御エリア内の1つ以上の部屋(例えば、セーフルーム)に熱を供給するように構成されてもよい。空調制御システムは、生存動作モードで(例えば、不十分な電力供給が決定されたときに)空調制御エリアを加熱又は冷却することができる。
【0110】
温度設定についての温度図を示す
図4を参照する。生存動作モードの温度は、最低生存温度以上であってもよい。最低生存温度は予め設定されてもよい。最低生存温度は、空調制御エリア(例えば、空調制御エリア114)内の居住者の数、及び/又は空調制御エリア内の居住者のユーザプロファイルに基づいて決定(例えば、計算、推定)されてもよい(例えば、糖尿病居住者は、非糖尿病居住者よりも高い生存温度設定を必要とし得る)。温度図の時間軸は、不十分な電力の持続時間を表すことができる。
【0111】
追加的又は代替的に、生存モードの空調設定及び/又は温度設定は、
図400に示されるように、不十分な電力供給の持続時間に基づいて決定され得る。コントローラ(例えば、コントローラ110)は、受信データ(例えば、居住者のユーザプロファイル、入力データ、オンラインデータ)に基づいて、居住者ごとの温度図(又は個々の温度図)の少なくとも一部分を決定(例えば、受信、計算、推定)するように構成され得る。コントローラは、複数の健康状態、年齢、性別、及び/又は病歴に関連し得る所定の一般的な温度図を受信するように構成され得る。温度図は、空調制御エリアの1人以上の居住者にとって安全な温度(又は温度範囲)に関連付けられたデータを含み得る。温度図は、複数の個々の温度図の交点を含むことができる。各個別の温度図は、空調制御エリアに居住する個々の居住者に関連付けられてもよい。交点は、個々の温度図の全てに属する全ての温度の集合を(時間量の関数として)含むことができる。
【0112】
温度
図400は、快適性エンベロープの例示的な温度態様を示す。温度
図400は、安全温度ゾーン402を含むことができる。安全温度ゾーン402は、快適性エンベロープを含むか又は示すことができる。例えば、温度T2及びT3は、安全温度ゾーン402を示すことができ、居住者にとって快適であるとみなされる温度範囲を示すことができる。追加的又は代替的に、所定の温度範囲は、快適性(例えば、最高温度及び最低温度)に関連付けられ得る。安全温度ゾーン402は、居住者が各温度(又は温度範囲)に留まることができる時間量に対する温度(又は温度範囲)を含むことができる。温度
図400は、時間量の関数として最高温度線(例えば、曲線)404を含んでもよい。温度
図400は、時間量の関数として最低温度線(例えば、曲線)406を含んでもよい。時間量は、不十分な電力供給の持続時間の時間量を含んでもよい。例えば、
図4に示すように、H1時間継続することがあり得る不十分な電力供給の持続時間に対して、生存動作の温度設定は、T1とT4との間の温度である。例えば、T1は、時点H1における最高温度線404上の点であってもよい。例えば、T4は、時点H1における最低温度線406上の点であってもよい。
【0113】
温度
図400は例示的な図であることを理解されたい。温度
図400は、例示的な生存エンベロープ(最高温度線404と最低温度線406との間の範囲)を示しており、生存エンベロープは個人によって異なり得る。生存エンベロープは、時間(例えば、不十分な電力供給の持続時間の時間量)の関数として、最低温度線406と最高温度線404との間の温度の範囲を含み得る。温度
図400は、例示的な快適性エンベロープ(T2とT3との間の範囲)を示しており、快適性エンベロープは、個人によって異なり得る。
【0114】
異なる温度図は、異なる最低温度線及び/又は異なる最高温度線(例えば、温度
図400の最高温度線406及び最低温度線404)を含み得る。最低温度線及び最高温度線は対称であってもよい。最低温度線及び最高温度線は非対称であってもよい。最低温度線は、T3に達しても達しなくてもよい。最高温度線は、T2に達しても達しなくてもよい。追加的又は代替的に、最低温度線、最高温度線、T2、及びT3のうちのいずれか1つ以上は、湿度の関数として変化してもよい。
【0115】
H1時間継続する持続時間の間、空調制御システム104が空調制御エリア(又は空調制御エリアの一部分)を冷却する(例えば、そこから熱を除去する)ように構成されている場合、温度設定はT1より低くてもよい。温度設定は、温度設定が快適性範囲(例えば、T2からT3)により近い温度に設定され得るように(例えば、総利用可能エネルギーが、温度設定を快適性範囲により近い温度に下げるために利用可能であるとき)、温度制御エリア内の総利用可能電力及び/又は電力負荷に基づいて決定されてもよい。H1時間の間、空調制御システムが空調制御エリアを加熱するように構成されている場合、温度設定はT4よりも大きくてもよい。温度設定は、温度設定が快適性範囲により近い温度に設定され得るように(例えば、総利用可能エネルギーが、温度設定を快適性範囲により近い温度に上昇させるに利用可能であるとき)、温度制御エリア内の総利用可能電力及び/又は電力負荷に基づいて決定されてもよい。コントローラは、総利用可能電力に基づいて、ユーザが許容範囲から温度設定を選択することを可能にする(例えば、許可する)ことができる。
【0116】
例えば、温度T1は20~45℃の範囲であってもよい。温度T1は、30~35℃の範囲であってもよい。温度T1は、27~42℃の範囲であってもよい。温度T1は、25~40℃の範囲であってもよい。
【0117】
例えば、温度T2は19~33℃の範囲であってもよい。温度T2は、24~27℃の範囲であってもよい。温度T2は、15~35℃の範囲であってもよい。温度T2は、22~30℃の範囲であってもよい。
【0118】
例えば、温度T3は22~28℃の範囲であってもよい。温度T3は、20~25℃の範囲であってもよい。温度T3は、20~24℃の範囲であってもよい。温度T3は、18~26℃の範囲であってもよい。
【0119】
例えば、温度T4は10~25℃の範囲であってもよい。温度T4は、15~20℃の範囲であってもよい。温度T4は、13~23℃の範囲であってもよい。温度T4は、12~22℃の範囲であってもよい。
【0120】
温度
図400と同様に、コントローラは、湿度図及び/又は空気流量図を生成するように構成されてもよい。コントローラは、温度及び湿度の組み合わせを含む図を生成するように構成されてもよい。コントローラは、温度、湿度、及び時間(又は不十分な電力供給の持続時間)の組み合わせを含む図を生成するように構成されてもよい。コントローラは、温度、湿度、及び空気流量の組み合わせを含む図を生成するように構成されてもよい。コントローラは、温度、湿度、空気流量、及び時間(又は不十分な電力供給の持続時間)の組み合わせを含む図を生成するように構成されてもよい。例えば、図は多次元(例えば、三次元)であってもよい。
【0121】
コントローラは、空調制御システムの生存動作モードの湿度設定を決定(例えば、受信、計算、推定)するように構成されてもよい。生存動作モードは、空調制御エリア内の湿度(例えば、湿度レベル)を設定するように構成された空調制御システムの動作モードを含むことができる。
【0122】
コントローラは、湿度設定の湿度図の少なくとも一部分を決定するように構成されてもよい。湿度設定は、空調制御エリア内の居住者の数、及び/又は空調制御エリア内の居住者のユーザプロファイルに基づいて決定されてもよい。湿度図は、居住者が各湿度設定に留まることができる時間量の関数としての湿度レベル(又は湿度レベルの範囲)を含み得る安全湿度ゾーンを含み得る。湿度図は、時間量の関数として最高湿度レベルを含んでもよい。湿度図は、時間量の関数として最低湿度レベルを含むことができる。
【0123】
生存モードの湿度設定は、不十分な電力供給の持続時間に基づいてもよい。コントローラは、受信データ(例えば、居住者のユーザプロファイル、入力データ、オンラインデータ)に基づいて、居住者ごとに湿度図(又は個々の湿度図)の少なくとも一部分を決定するように構成され得る。コントローラは、複数の健康状態、年齢、性別、及び/又は病歴に関連し得る所定の一般的な湿度図を受信するように構成され得る。湿度図は、空調制御エリアの1人以上の居住者にとって安全な湿度(又は湿度範囲)に関連付けられたデータを含み得る。湿度図は、複数の個々の温度図の交点を含むことができる。最高温度、最低温度、最高湿度、最低湿度、最低空気流量、及び/又は最高空気流量は、受信データ(例えば、居住者のユーザプロファイル、年齢、性別、病歴)に基づいて決定され得る。
【0124】
生存モードの空調設定(例えば、温度設定、湿度設定、及び/又は空気流量設定)は、1人以上の居住者の生存エンベロープに基づいてもよい。生存モードの空調設定は、温度図、湿度図、及び/若しくは空気流量図、又はそれらの任意の組み合わせの生存エンベロープに基づいてもよい。生存モードの空調設定は、生存エンベロープ内にとどまりながら最小エネルギー消費を必要とする設定(例えば、温度設定、湿度設定、及び/又は空気流量設定)を含んでもよい。例えば、空調制御エリアが加熱される必要がある不十分な電力供給の持続時間中、生存設定は、最低温度線406(あるいは湿度図、空気流量図、並びに/又は温度、湿度、及び空気流量のうちの任意の2つの組み合わせを含む図の対応する最低線)上の温度設定であってもよい。例えば、空調制御エリアが冷却される必要がある不十分な電力供給の持続時間中、生存設定は、最高温度線404(あるいは湿度図、空気流量図、並びに/又は温度、湿度、及び空気流量のうちの任意の2つの組み合わせを含む図の対応する最高線)上の温度設定であってもよい。
【0125】
生存モードの空調設定は、図上の不十分な電力の最長持続時間に基づく設定であってもよい。生存モードの空調設定は、不十分な電力の無期限の持続時間に基づく設定であってもよい。生存モードの空調設定は、不十分な電力の予想持続時間よりも長い不十分な電力の持続時間に基づく設定であってもよい。
【0126】
コントローラは、居住者、居住者の家族、及び/又は居住者の介護者にアラームを発する(例えば、送信する)ように構成されてもよい(例えば、温度設定が最低生存温度より低く、及び/又は湿度設定が最低生存湿度レベルより低いとき)。追加的又は代替的に、コントローラは、居住者、居住者の家族、及び/又は居住者の介護者にアラームを発するように構成されてもよい(例えば、温度設定が最低生存温度を上回る、かつ/又は湿度設定が最小生存湿度レベルを上回るとき)。
【0127】
コントローラは、各居住者のユーザプロファイルに基づいて空調設定及び/又は温度設定を決定するように構成されてもよい。コントローラは、不十分な電力供給の持続時間中に1人以上の居住者のステータスをリアルタイムで監視し、かつ/又は1人以上の居住者のステータスの変化に基づいて温度設定及び/若しくは湿度設定を変更するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、温度設定の温度を下げるように構成されてもよい(例えば、居住者の血圧又は心拍数の上昇が検出された場合)。
【0128】
追加的又は代替的に、コントローラは、1つ以上の気象条件パラメータに基づいて、空調制御システムの生存動作モードの空調設定を決定するように構成されてもよい。例えば、温度設定は、空調制御エリアを冷却する(又は空調制御エリアから熱を除去する)必要性に基づいて決定され得る(例えば、1つ以上の気象条件パラメータが、夏、熱、温度、湿度レベル、風速、及び/若しくは風速の方向、風の不足、又は空調制御エリアを加熱することを示す他のパラメータを示す場合)。代替的に、温度設定は、空調制御エリアを加熱する必要性に基づいて決定されてもよい(例えば、1つ以上の気象条件パラメータが冬季又は水凍結温度未満などの低温を示す場合)。
【0129】
追加的又は代替的に、コントローラは、総利用可能電力に基づいて空調設定を決定するように構成されてもよく、総利用可能電力はまた、1つ以上の気象条件パラメータに基づいて決定されてもよい。例えば、総利用可能電力は、風から生成され得るエネルギーの予測(又は推定)量に基づいて決定され得る(例えば、風の強い気象及び/又は風力タービン(例えば、風力タービン128)が風から電力を生成するために利用可能である場合)。例えば、総利用可能電力は、太陽から生成され得るエネルギーの予測(又は推定)量に基づいて決定され得る(例えば、現在の気象が晴れた日である(又は気象の予測が晴れた日である)場合、かつ/又はPV発電システムが動作している場合)。
【0130】
追加的又は代替的に、コントローラは、住居及び/又は空調制御システムにおける異なる負荷に基づいて空調設定を決定するように構成されてもよい。空調制御エリア内の負荷を管理することによって、コントローラは、空調制御エリアを加熱又は冷却するためにどれだけの電力を使用することができるかを決定(例えば、計算、推定)するように構成され得る。コントローラは、負荷を管理するように構成され得る。例えば、コントローラは、総利用可能電力及び空調図に基づいて、非必須負荷を除去するように構成されてもよい。空調設定は、総利用可能電力のうちのどれだけが負荷によって受信され得るか、及び総利用可能電力のうちのどれだけが空調制御エリアを加熱/冷却するために使用され得るかを決定することによって決定され得る。空調設定はまた、1つ以上の付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150)が不十分な電力供給の持続時間を通して動作する必要があり得る電力量に基づいてもよい。
【0131】
追加的又は代替的に、コントローラは、例えば、空調制御エリアのサイズ、以前の使用(又は不十分な電力供給の以前の持続時間)からの熱損失関数、凝縮器の電力消費、蒸発器の電力消費、及び/又は空調制御エリアの計算された(又は推定された)熱損失のうちの1つ以上に基づいて、空調設定を決定するように構成され得る。
【0132】
追加的又は代替的に、コントローラは、不十分な電力供給中に電力を受信する複数の付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150)を決定するように構成されてもよい。例えば、空調制御エリアを安全な温度、安全な湿度レベル、及び/又は安全な空気流量(例えば、温度グラフの安全な温度ゾーン内にある温度)まで加熱/冷却するのに必要な電力が総利用可能電力から減算され、残りの電力が電力負荷(例えば、必須電力負荷)及び/又は付属品に電力供給するのに不十分である場合、コントローラは、どの付属品が電力を受信するかを決定するように構成され得る。コントローラは、居住者(又はオペレータ)から受信されたデータに基づいて、例えば、データが不十分な電力供給時に居住者に無関係である特定の付属品を示す場合、不十分な電力供給中にどの付属品が電力を受信し得るかを決定するように構成されてもよい。居住者(又はオペレータ)から受信されたデータは、不十分な電力供給の前に収集され得る。
【0133】
追加的又は代替的に、コントローラは、空調制御エリアの温水システム(例えば、温水システム160)の水温設定の決定(例えば、計算、推定)に基づいて温度設定を決定するように構成されてもよい。水温設定は、
図4に示す温度図と同様の水温図に基づいて決定することができる。水温設定は、ヒートポンプ(例えば、ヒートポンプ116)及び/又はヒートポンプシステムの温度設定と同じであっても異なっていてもよい。
【0134】
空調制御エリアを加熱するために、温度設定は、1人以上の居住者の快適性エンベロープ(又は集合的快適性エンベロープ)内の最低快適性温度(例えば、温度
図400の温度T3)を含み得る。空調制御エリアを加熱するために、温度設定は、1人以上の居住者の快適性エンベロープ(又は集合的快適性エンベロープ)内の最低温度線406を含んでもよい。空調制御エリアを冷却するために、温度設定は、1人以上の居住者の快適性エンベロープ(又は集合的快適性エンベロープ)における最高快適性温度(例えば、温度
図400の温度T2)を含み得る。空調制御エリアを冷却するために、温度設定は、1人以上の居住者の快適性エンベロープ(又は集合的快適性エンベロープ)内の最低温度線404を含んでもよい。
【0135】
図5Aは、空調制御システムの概略図を示す。
図5Bは、空調制御システムの冷却サイクルの特性図を示す。コントローラ(例えば、コントローラ110)は、不十分な電力供給の持続時間の間、空調制御システムの凝縮器の凝縮器温度を決定することに基づいて、空調制御システム(例えば、空調制御システム104)の空調設定を決定するように構成され得る。凝縮器温度は、空調制御エリア(例えば、空調制御エリア114)における周囲温度とは異なっていてもよい。空調設定は、凝縮器温度が空調制御システムによって消費される電力を低減するように構成されてもよい。
【0136】
空調制御システムは、1つ以上の凝縮器(例えば、1つ以上の凝縮器118)を有するヒートポンプシステムを含んでもよい。ヒートポンプシステムは、ヒートポンプシステムを使用して方法200及び/又は方法300の1つ以上のステップを実施することができるコントローラ110及び/又はヒートポンプシステムの統合コントローラなどのコントローラと通信することができる。統合コントローラは、コントローラ及び/又は空調制御エリア、1つ以上の電力ユニット(例えば、1つ以上の電力ユニット108)、電力デバイス(例えば、電力デバイス106)、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース112)、及び/又は電源(例えば、電源102)のうちの1つ以上と通信し得る。
【0137】
空調制御システム及び/又はヒートポンプシステムは、1つ以上のゾーンセレクタ(例えば、1つ以上のゾーンセレクタ122)を含んでもよい。空調制御システム及び/又はヒートポンプシステムは、ヒートポンプシステムが動作している空調制御エリア(例えば、決定された空調設定で維持されるエリア)の1つ以上の特定の部屋に空気流を向けるように構成されたダンパを含むことができる。統合コントローラ及び/又はコントローラは、ダンパを制御するように構成されてもよい。例えば、統合コントローラ及び/又はコントローラは、居住者が存在する部屋に空気流を向けるように構成されてもよい。
【0138】
ヒートポンプシステムは、第1の動作モードを有してもよい。第1の動作モードは、第1の空調設定を有してもよい。第1の動作モードは、居住者が空調設定(例えば、快適性設定、又はヒートポンプシステムの正常動作)を選択し得る、正常(又は正規)モードであってもよい。第1の空調設定は、ユーザインターフェースから受信されてもよく、ユーザによって提供される1つ以上の命令を含んでもよい。
【0139】
コントローラ及び/又は統合コントローラは、第1の動作モード中にダンパを動作させて、空気流を空調制御エリア内の1つ以上の部屋に向けるように構成され得る。ダンパは、第1の動作モードにおいて、ユーザインターフェース、コントローラ、及び/又は統合コントローラを介して居住者によって制御されてもよい。第1の動作モードでは、ダンパは、ヒートポンプシステムの動作が快適な(又は所望の)温度(例えば、ユーザによって設定された温度)であるように、空気流を空調制御エリア内に向けるために使用され得る。
【0140】
空調制御システム及び/又はヒートポンプシステムは、コントローラと通信する緊急ボタン(例えば、緊急ボタン144)を含んでもよい。緊急ボタンは、第1の動作モードと第2の動作モードとの間で切り替わるように構成され得る。緊急ボタンは、ユーザが第1の動作モードと第2の動作モードとの間で切り替えることを可能にし得る。緊急ボタンは、ユーザインターフェースの一部であってもよい。例えば、緊急ボタンは、パーソナルデバイス(例えば、タブレット、スマートウォッチ、コンピュータ、スマートフォン)上で実行されるソフトウェアのグラフィックユーザインターフェース(例えば、GUI146)の一部であってもよい。緊急ボタンは、空調制御エリア内に配置される物理的なボタンであってもよい。
【0141】
ヒートポンプシステムは、不十分な電力供給の持続時間中に第2の動作モードで動作するように構成され得る。第2の動作モードは、生存動作モードであってもよく、第2の空調設定で動作してもよい。第2の空調設定は、統合コントローラ及び/又はコントローラによって生存空調(例えば、生存温度及び/又は生存湿度レベル)に構成(例えば、固定)されてもよい。生存空調は、不十分な電力供給の持続時間、ヒートポンプシステムに電力を提供するように構成された1つ以上の電力ユニットからの総利用可能電力、及び/又は1つ以上の気象条件パラメータのうちの少なくとも1つに基づいて決定されてもよい。
【0142】
統合コントローラ及び/又はコントローラは、ヒートポンプシステムに接続された電源(例えば、電源102、1つ以上の電力ユニット108)での不十分な電力供給を識別するように構成されてもよい。統合コントローラ及び/又はコントローラは、第2の空調設定(例えば、方法200及び方法300で説明した空調設定)を決定(例えば、計算、推定)するように構成されてもよい。統合コントローラ及び/又はコントローラは、(例えば、不十分な電力供給が識別されたときに)ヒートポンプシステムを第2の動作モードに切り替えるように構成されてもよい。
【0143】
第1の空調設定及び/又は第2の空調設定は、1つ以上の凝縮器の温度設定であってもよい。1つ以上の凝縮器の温度は、空調設定の決定された温度設定に基づいて決定されてもよい。例えば、空調制御エリアを冷却する温度設定で空調制御エリアを維持するために、凝縮器の温度は、空調制御エリアの温度設定よりも約数(例えば、10、所定の数)度低い必要があり得る。例えば、空調制御エリアを加熱する温度設定で空調制御エリアを維持するために、凝縮器の温度は、空調制御エリアの温度設定よりも約数(例えば、10、所定の数)度高い必要があり得る。
【0144】
ヒートポンプシステムは、第1の動作モード中に、空調制御エリアに/から熱を伝達するように構成されてもよい。第1の動作モードでは、ヒートポンプシステムは、第2の動作モード中よりも大きいサイズのエリアを冷却又は加熱するために使用され得る。ヒートポンプシステムは、複数のヒートポンプを含んでもよい。熱ポンプの一部分は、空調制御エリア以外のエリアに/から熱を伝達するために使用されてもよい。一例では、ヒートポンプのその一部分は、第2の動作モード中にアイドル状態(又は使用されていない)であってもよい。代替的又は追加的に、ヒートポンプシステムから/への空気流は、1つ以上のゾーンセレクタ及び/又はダクトによって方向付けられてもよい。第1の動作モードでは、1つ以上のゾーンセレクタ及び/又はダンパを使用して、空気流を空調制御エリア以外のエリアに/から方向付けることができる。第2の動作モードでは、1つ以上のゾーンセレクタ及び/又はダンパを使用して、空気流を空調制御エリアに/から方向付けることができる。
【0145】
図6Aは、正常動作中の加熱モードにおける空調制御システムの温度-エントロピー(T-S)線図を示す。
図6Bは、停電中の加熱モードにおける空調制御システムのT-S線図を示す。ヒートポンプシステムは、
図5A及び5B並びに
図6A及び6Bに関連した説明に基づいて構成されてもよい。加熱サイクルはまた、
図6A及び6Bに示されるように、T-S線図を使用して描写されてもよい。
図6Aは、第1の動作モード(例えば、正常動作モード)におけるヒートポンプシステムのT-S線図を示す。
図6Bは、
図6AのT-S線図(グラフ602と称される)、及び第2の動作モード(例えば、生存動作モード)におけるヒートポンプシステムのT-S線図を示す。加熱サイクル中、熱は、屋外から取り込まれ、ヒートポンプシステムを使用して屋内に伝達され得る。冷媒流体は、ヒートポンプ(例えば、ヒートポンプ116)又はヒートポンプシステムを通って循環し、熱の吸収、輸送、放出を交互に行うように構成されてもよい。冷媒流体は、液体、気体、及び/又は液体と気体との混合物を(例えば、その場所に応じて)含むことができる。
【0146】
圧縮機吸入点502において、冷媒は、気体状態であってもよく、次いで、気体を圧縮するように構成された圧縮機514を通過してもよく、それによって、気体の体積を減少させ、気体を加熱する(例えば、温度T8から、増加は、
図6Aの点606から点608に示され、温度の増加は、
図6Bの点606から点628に示される)。次いで、気体は、圧縮機排出点504において圧縮機514から排出され得る。圧縮機514は、気体を圧縮し、それによって気体の温度を上昇させるように構成することができる。次いで、気体(又は冷媒)は、凝縮器518(例えば、凝縮器118)を通して伝達され、そこで、気体は、凝縮露点522から凝縮泡立ち点524に変化し得る。凝縮器518は、冷媒を液体に凝縮し、それによって、気体から周囲(例えば、空調制御エリア)に熱を放出するように構成され得る。次いで、冷媒は、凝縮器出口点506において凝縮器518を出ることができる。凝縮器の温度低下は、
図6Aでは点608と610との間に示され、
図6Bでは点628と630との間に示されている。
【0147】
加熱サイクルは、点508における冷媒の追加の過冷却を含むことができる。液体(又は冷媒)は、圧力を低下させるように構成された膨張デバイス516を通過することができ、それによって温度降下を引き起こす。凝縮器518の温度低下は、
図6Aでは点612と614との間に示され、
図6Bでは点632と634との間に示されている。
【0148】
次いで、冷媒は、低温液体及び/又は気体になり得る。膨張デバイス516は、弁(例えば、膨張弁)を含んでもよい。次いで、冷媒は、点510において膨張デバイス516を出ることができる。次いで、冷媒は、蒸発器520(例えば、蒸発器120)を通過することができる。蒸発器520を通過する冷媒は、蒸発器520の周囲から熱を吸収し、それによって沸騰し得る。冷媒の蒸発泡立ち点は、
図5Bの点526に示されている。冷媒は、その後、低温気体(又は蒸気)になり得る。蒸発器520を出た後、点512において、冷媒は、圧縮機514に向けられてもよい。
【0149】
一例では、第2の動作モード(例えば、生存動作モード)で空調制御エリアを加熱するとき、凝縮器の温度は、所定の度数(例えば、第2の温度設定(又は温度設定)より8~20℃高い、第2の温度設定(又は温度設定)より10~17℃高い、第2の温度設定(又は温度設定)より8~15℃高い、第2の温度設定(又は温度設定)より10~15℃高い)に設定されてもよい。
【0150】
図6A及び
図6Bに示されるように、凝縮器518の温度(例えば、T5は第1の温度設定を示し、T9は第2の温度設定を示す)は、加熱サイクル中に使用される仕事量を画定し得る。第1の動作モードのグラフは、第2の動作モードのグラフ604によって画定される領域よりも大きい、グラフ602によって画定される領域を有する。グラフによって画定される領域は、加熱サイクルの仕事を示す。第1の動作モードの中、凝縮器518の温度T5は、快適性温度設定によって定義され得る(例えば、凝縮器518の温度は、凝縮器518において放出される熱によって空調制御エリアを加熱するために高いことが必要とされ得る)。
【0151】
第2の動作モードでは、凝縮器518の温度T9は、圧縮機に対する仕事量が低減されるように、第1の動作モードでの凝縮器518の温度よりも低くてもよい。より低い凝縮器518温度に起因して、蒸発器520及び凝縮器518の効率が増加し得、したがって、性能係数(coefficient of performance、COP)の増加を生じ得、ここで、COPは、ヒートポンプが熱エネルギーを伝達する速度と、ポンピングを行うために必要とされる電力の量との間の比であり得る。凝縮器518の温度を低下させることによって、ヒートポンプシステムを動作させるのに必要な電力量を減少させることができる。コントローラは、凝縮器518の温度を決定することによって温度設定(又は第2の温度設定)を決定するように構成されてもよい。凝縮器518の温度の決定は、総利用可能電力、利用可能電力、凝縮器の電力消費、蒸発器の電力消費、及び/又は熱損失関数のうちの1つ以上に基づいてもよい。
【0152】
例えば、温度T5は35~55℃の範囲であってもよい。温度T5は、40~50℃の範囲であってもよい。温度T5は、37~52℃の範囲であってもよい。温度T5は、31~56℃の範囲であってもよい。
【0153】
例えば、温度T6は18~33℃の範囲であってもよい。温度T6は、22~27℃の範囲であってもよい。温度T6は、17~30℃の範囲であってもよい。温度T6は、20~35℃の範囲であってもよい。
【0154】
例えば、温度T7は-30~30℃の範囲であってもよい。温度T7は、-35~35℃の範囲であってもよい。温度T7は、-25~25℃の範囲であってもよい。温度T7は、-27~27℃の範囲であってもよい。
【0155】
例えば、温度T8は-40~25℃の範囲であってもよい。温度T8は、-35~20℃の範囲であってもよい。温度T8は、-35~15℃の範囲であってもよい。温度T8は、-40~20℃の範囲であってもよい。
【0156】
例えば、温度T9は25~50℃の範囲であってもよい。温度T9は、30~45℃の範囲であってもよい。温度T9は、35~50℃の範囲であってもよい。温度T9は、30~55℃の範囲であってもよい。
【0157】
図7Aは、正常動作中の冷却モードにおける空調制御システムのT-S線図を示す。
図7Bは、停電中の冷却モードにおける空調制御システムのT-S線図を示す。加熱サイクル中、熱は、屋内(例えば、空調制御エリア及び/又はその一部)から取り込まれ、ヒートポンプシステム(例えば、ヒートポンプ116)を使用して屋外に伝達され得る。冷媒流体は、ヒートポンプシステムを通って循環し、熱の吸収、輸送、放出を交互に行うように構成されてもよい。その場所に応じて、冷媒流体は、液体、気体、及び/又は液体と気体との混合物であってもよい。
【0158】
冷却サイクル中、冷媒は圧縮機に入ることができる(例えば、蒸気が点704まで過熱される点702及び722において)。冷媒は、(例えば、点706において)過熱解除され、次いで、凝縮器518を使用して点708まで凝縮され得る。点708と点724との間では、冷媒の温度及び圧力は減少し得る。次いで、冷媒は、蒸発器520を通って伝達され得る(例えば、グラフ726の点724と722との間、及び/又はグラフ728の点710と702との間)。蒸発器520を通過する冷媒は、蒸発器520の周囲(例えば、空調制御エリア114)から熱を吸収し、それによって周囲を冷却することができる。
【0159】
第2の動作モードで空調制御エリアを冷却するとき、蒸発温度は、所定の度数(例えば、第2の温度設定(又は温度設定)よりも6~17℃低い、第2の温度設定(又は温度設定)よりも5~12℃低い、第2の温度設定(又は温度設定)よりも9~15℃低い、第2の温度設定(又は温度設定)よりも8~13℃低い)に設定され得る。
【0160】
図7A及び
図7Bに示されるように、蒸発器520の温度(例えば、第1の温度設定の温度T14、第2の温度設定の温度T13)は、冷却サイクル中に使用される仕事量を画定し得る。第1の動作モードのグラフは、第2の動作モードのグラフ728によって画定される領域よりも大きい、グラフ726によって画定される領域を有する。グラフによって画定される領域は、冷却サイクルの仕事を示す。第1の動作モードの中、蒸発器520の温度T14は、快適な温度設定によって定義され得る(例えば、凝縮器518の温度は、蒸発520を使用してより多くの熱を吸収することによって、空調制御エリアを冷却するために低いことが必要とされ得る)。第2の動作モードでは、蒸発器520の温度T13は、蒸発器520に対する仕事量が低減されるように、第1の動作モードでの蒸発器520の温度よりも高くてもよい。より低い蒸発温度に起因して、蒸発器520及び凝縮器518の効率は増加し得、したがって、COPの増加をもたらす。蒸発器温度を上昇させることによって、ヒートポンプシステムを動作させるのに必要な電力量を減少させることができる。コントローラは、蒸発器520の温度を決定することによって温度設定(又は第2の温度設定)を決定するように構成されてもよい。蒸発器520の決定は、総利用可能電力、利用可能電力、及び/又は熱損失関数のうちの1つ以上に基づいてもよい。
【0161】
例えば、温度T10は25~65℃の範囲であってもよい。温度T10は、35~60℃の範囲であってもよい。温度T10は、37~62℃の範囲であってもよい。温度T10は、27~63℃の範囲であってもよい。
【0162】
例えば、温度T11は10~50℃の範囲であってもよい。温度T11は、15~55℃の範囲であってもよい。温度T11は、15~46℃の範囲であってもよい。温度T11は、13~40℃の範囲であってもよい。
【0163】
例えば、温度T12は18~33℃の範囲であってもよい。温度T13は、22~27℃の範囲であってもよい。温度T13は、15~35℃の範囲であってもよい。温度T13は、25~30℃の範囲であってもよい。
【0164】
例えば、温度T13は0~30℃の範囲であってもよい。温度T13は、5~20℃の範囲であってもよい。温度T13は、0~55℃の範囲であってもよい。温度T13は、5~27℃の範囲であってもよい。
【0165】
例えば、温度T14は0~20℃の範囲であってもよい。温度T14は、0~15℃の範囲であってもよい。温度T14は、5~10℃の範囲であってもよい。温度T14は、0~10℃の範囲であってもよい。
【0166】
空調制御システムを制御するための方法を示す
図8を参照する。
図8に示す方法800のステップは、方法200及び300のうちの1つの1つ以上のステップを含むことができる。方法200及び300のうちの一方のステップは、方法800の1つ以上のステップを含み得る。コントローラ(例えば、コントローラ110)は、方法800のステップのうちの少なくともいくつか又は全てを実装するように構成され得る。
【0167】
ステップ802において、方法800は、空調制御システムの空調設定を設定することを含んでもよい。例えば、方法800は、空調制御システム(例えば、空調制御システム104)のサーモスタット(サーモスタット164)を温度設定に設定することを含んでもよい。コントローラは、空調設定を自動的に設定するように構成されてもよい。空調設定は、空調制御システムのオペレータ(例えば、居住者)によって実行される設定を無効にすることができる。コントローラは、コンデンサ温度(例えば、コンデンサ518又はコンデンサ118の温度)を空調設定の温度設定に設定するように構成されてもよい。コントローラは、空調制御エリア(例えば、空調制御エリア114)の湿度レベルを設定するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、空調制御システムの恒湿器を湿度設定に設定するように構成され得る。例えば、コントローラは、空調制御システムの加湿器を湿度設定に設定するように構成されてもよい。恒湿器は、ヒートポンプシステムと統合されてもよい。コントローラは、緊急時に非必須電力負荷の電源をオフにするように構成されてもよい。
【0168】
ステップ804において、方法800は、利用可能電力(例えば、利用可能エネルギー)を監視することを含み得る。例えば、コントローラは、空調制御エリアに利用可能であり得る電源(例えば、1つ以上の電力ユニット108、電力デバイス106、及び電源102のうちの少なくとも1つ)の全てに基づいて利用可能電力を決定(例えば、計算、推定)することによって、利用可能電力(例えば、エネルギー)を監視するように構成され得る。追加的又は代替的に、利用可能電力の決定は、気象予報の更新に基づいてもよい。例えば、気象予報の更新が受信されると、コントローラは、新たな(例えば、更新された)気象予報に基づいて利用可能エネルギーを決定(例えば、計算、推定)するように構成され得る。追加的又は代替的に、利用可能電力の決定は、受信された状態に基づいてもよい。
【0169】
コントローラは、1つ以上の電力ユニットの各々について、そこから受信することができる総電力を決定することによって、利用可能電力を決定するように構成されてもよい。例えば、1つ以上のPV発電システム126について、方法800は、更新された持続時間及び/又は更新された気象予報に基づいて、持続時間中にPV発電システム126がどれだけの電力を生成することができるかを決定(例えば、計算、推定)することによって、利用可能電力を決定することを含むことができる。加えて、1つ以上の電力ユニットにおける利用可能電力の決定は、発電機(例えば、発電機130)が、発電機に残っている燃料の量の更新及び/又は1つ以上の気象条件パラメータの更新に基づいて供給することができる電力量を決定することを含むことができる。利用可能電力の決定は、1つ以上の電力貯蔵ユニットに貯蔵された利用可能エネルギーを評価することを含んでもよい。
【0170】
方法800は、1つ以上の電力ユニットの発電量を監視することを含むことができる。例えば、コントローラは、1つ以上の電力ユニットの発電量を1つ以上の電力ユニットの予測発電量と比較し、不十分な電力供給の持続時間中の発電量の差を考慮に入れるように構成され得る。例えば、決定された総利用可能エネルギーは、実際の利用可能エネルギーよりも高い可能性がある(例えば、気象予報が特定の日を晴れた日であると予測し、その日が実際に曇っているとき(例えば、気象予報が間違っているとき)。利用可能電力の決定は、予測発電電力と実際の発電電力との差に基づいてもよい。
【0171】
ステップ806において、方法800は、電力消費を監視することを含み得る。方法800は、空調制御システムの凝縮器の電力消費を監視することを含んでもよい。コントローラは、電力デバイス、1つ以上の電力ユニット、及び/又は電源のうちの少なくとも1つから、空調制御システム、空調制御エリア、コントローラ、及び/又はユーザインターフェースのうちの1つ以上に出力されるエネルギーの量をリアルタイムで測定するように構成されてもよい。
【0172】
ステップ808において、方法800は、不十分な電力供給の持続時間を監視することを含み得る。例えば、コントローラは、不十分な電力供給の持続時間に関連付けられた更新を受信するように構成され得る。コントローラは、より長い又はより短い持続時間を示し得る気象予報の変化に関連付けられた更新を受信するように構成され得る。コントローラは、持続時間の変化を示し得る電力供給会社、及び/又は持続時間の変化に関連付けられたユーザからデータを受信するように構成され得る。コントローラは、電力が電源及び/又は電力デバイスから回復されたかどうかを決定するように構成され得る。コントローラは、空調制御エリア内に正常動作のための十分な電力があるかどうかに基づいて、電力が回復されたことを決定することができる。
【0173】
ステップ810において、方法800は、空調制御システムの利用可能な容量(例えば、利用可能電力プロファイル)を決定(例えば、評価、計算、及び/又は推定)することを含み得る。方法800は、利用可能電力プロファイルを決定(例えば、評価、計算、及び/又は推定)することを含み得る。方法800は、空調制御システムの現在の負荷及び/又は予想される負荷を決定(例えば、評価、計算、及び/又は推定)することを含むことができる。
【0174】
利用可能エネルギープロファイルは、不十分な電力供給の持続時間中に1つ以上の電力貯蔵ユニットにおいて現在利用可能な電力量を含むことができる。利用可能エネルギープロファイルは、監視された利用可能電力、監視された電力消費、及び/又は監視された持続時間のうちの1つ以上に関連付けられたデータを含み得る。利用可能エネルギープロファイルは、不十分な電力供給の持続時間中に1つ以上の電力ユニットによって生成され得る電力の予測量を含み得る。利用可能エネルギープロファイルは、不十分な電力供給の持続時間中に電源から受信することができる電力量(例えば、予測電力量)を含むことができる。利用可能エネルギープロファイルは、不十分な電力供給の持続時間の間に利用可能であり得る電力の範囲を含み得る。利用可能エネルギープロファイルは、熱損失関数を含んでもよい。熱損失関数は、空調制御エリア(例えば、漏れからの熱損失を示す)及び/又は空調制御システム内の熱損失を決定(例えば、計算、推定)することができる。
【0175】
熱損失関数は、不十分な電力供給の持続時間の少なくとも一部の間(例えば、熱損失の量が持続時間の間に決定される場合、それまでの持続時間の間)の熱損失の量を決定するように構成され得る。熱損失関数は、1つ以上の電力貯蔵ユニットによって出力された電力が、1つ以上の電力貯蔵ユニットの決定された総利用可能エネルギーよりも小さいかどうかを示すことができる。熱損失関数は、特定の温度設定に到達するために出力される電力が、温度設定に到達するために必要とされる決定された電力よりも大きいとき、又は代替的に、正しい量の電力が空調制御システム及び/又は空調制御エリアに供給されたとしても、空調制御エリア内の温度が、決定された温度設定よりも低い場合を示すことができる。
【0176】
一例では、コントローラは、不十分な電力供給の持続時間の前及び/又は間に、空調制御エリア(例えば、部屋)の少なくとも一部の熱損失を決定するように構成されてもよい。空調制御エリアの少なくとも一部の熱損失は、空調制御エリアの断熱レベルを示すことができる。熱損失は、空調制御エリアの断熱レベルに少なくとも部分的に基づいて、決定され得る。
【0177】
方法800は、(例えば、リアルタイムで、不十分な電力の持続時間の前、間、又は後に)熱損失関数を生成することを含むことができる。コントローラは、不十分な電力の以前の持続時間に関連付けられたデータに少なくとも部分的に基づいて、熱損失関数を生成するように構成され得る。方法800は、監視された利用可能エネルギー、監視された電力消費、及び/又は監視された持続時間のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、熱損失関数を生成することを含み得る。方法800は、監視されたデータに基づいて、熱損失関数をリアルタイムで更新することを含むことができる。ステップ810において、方法800は、熱損失関数を使用して、残りの持続時間に必要な電力量を決定(例えば、計算、推定)することを含むことができる。
【0178】
ステップ812において、方法800は、現在の空調設定を使用し続けるのに十分な電力があるかどうかを決定することを含むことができる。方法800は、利用可能エネルギープロファイル(又は容量)及び評価された負荷に少なくとも部分的に基づいて、現在の空調設定を使用し続けるのに十分な電力があるかどうかを決定することを含むことができる。この決定は、熱損失関数に少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、コントローラは、利用可能電力を熱損失関数に入力することによって、実際の利用可能電力を決定(例えば、計算、推定)するように構成されてもよい。実際に利用可能電力は、空調制御エリア及び/又は空調制御システムにおける熱損失傾向を考慮した後、不十分な電力供給の持続時間中に使用することができる電力量を示す値であってもよい。実際に利用可能電力は、凝縮器の電力消費に基づいて評価され得る。実際の利用可能電力は、利用可能エネルギー源に基づいて評価することができる。
【0179】
ステップ814において、方法800は、新しい設定を決定(例えば、計算、推定)することを含み得る。新しい設定の決定は、実際の利用可能電力に基づいてもよい。新しい設定は、設定点温度、空調制御システムのサーモスタットのための温度設定、凝縮器温度、蒸発器温度、空調制御システムの湿度設定、空調制御エリアから/への空気流の空気流強度、及び/又はファン速度値を含み得る。設定は、空気流の1つ以上の方向を含んでもよい。コントローラは、空調制御システムのファン速度を制御及び/又は決定するように構成され得る。
【0180】
方法800は、実際の利用可能電力を決定された利用可能電力と比較することを含み得る。方法800は、(例えば、実際の利用可能電力が決定された利用可能電力と異なるときに)熱損失関数を調整することを含むことができる。方法800は、空調制御エリア内の現在の熱損失が居住者によって修正され得るかどうかを識別することを含み得る。例えば、方法800は、1つ以上のセンサ及び/又はユーザインターフェースを使用して、空調制御エリア内の熱漏れを識別することを含んでもよい。方法800は、空調制御エリア内の識別された熱漏れ(例えば、窓及び/又はドアが開いている)について居住者に警報を出すことを含み得る。熱損失関数は、空調制御エリア内の居住者の数の変化に基づいて調整されてもよい。
【0181】
ステップ816において、方法800は、利用可能エネルギープロファイルを調整することを含んでもよい。方法800は、評価された容量及び/又は負荷に基づいて、利用可能エネルギープロファイルを調整することを含み得る。方法800は、監視された利用可能エネルギー、監視された電力消費、及び/又は監視された持続時間のうちの少なくとも1つにおいて検出された変化に基づいて、エネルギープロファイルを調整することを含み得る。
【0182】
コントローラは、例えば、実際の利用可能電力が、安全温度ゾーン内の温度設定で持続時間を通して継続するのに十分でない場合、1つ以上の加熱付属品(例えば、1つ以上の加熱付属品150、保温毛布152、ボトル加温器154、空気ファン156、温度制御薬剤ボックス158)の温度設定を設定するように構成され得る。1つ以上の加熱付属品は、例えば、実際に利用可能電力が不十分である場合に、居住者の体温を安全な温度に保つために居住者によって使用されてもよい。方法800は、不十分な実電力についてユーザに警報を出すことと、加熱付属品に関連付けられたユーザに命令することと、を含むことができる。方法800は、ユーザが好ましい加熱付属品を選択することを可能にすることを含むことができる。例えば、居住者は、空調制御エリア全体を暖かく保つのに十分な電力がない可能性があるので(例えば、実電力が不十分である場合)、保温毛布152を使用して暖かく保つことができる。方法800は、加熱付属品のうちの1つ以上のみに電力を出力することを含んでもよい。
【0183】
コントローラ(例えば、コントローラ110)は、方法200、方法300、及び/又は方法800の1つ以上のステップを繰り返すように構成され得る。ステップは、定期的に、連続的に、周期的に、かつ/又は更新が識別されたときに繰り返される(又は実行される)ことができる。例えば、コントローラは、10~100分毎にステップのうちの1つ以上を繰り返すように構成されてもよい。更新は、電源及び/若しくは1つ以上の電力ユニットによって供給される電力量の変化、1つ以上の付属品のうちの少なくとも1つの電力消費の変化、空調制御システムの電力消費の変化、気象予報の変化、1つ以上の電力ユニット及び/若しくは電力デバイスの電力出力の変化、並びに/又は電力貯蔵ユニットの変化(例えば、バッテリ134(又は1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス132)の貯蔵レベルの変化)を含み得る。
【0184】
コントローラは、断続的な不十分な電力供給を識別するように構成され得る。例えば、断続的な不十分な電力供給は、電源及び/又は1つ以上の電力ユニットから受信した電力が十分であり、その後、インクリメントを繰り返す際に不十分であることを示し得る。コントローラは、識別された断続的な不十分な電力供給の間に、方法200、方法300、及び/又は方法800における1つ以上のステップを繰り返すように構成され得る。コントローラは、方法200、方法300、及び/又は方法800における1つ以上のステップを、電力供給が十分に回復されるまで周期的に、かつ/又は電力供給が十分に回復されるまで、繰り返すように構成され得る。
【0185】
いくつかの例が上述されているが、それらの例の特徴及び/又はステップは、任意の所望の様態で結合、分割、省略、再配置、改変、及び/又は増強され得る。様々な変更、修正、及び改善が当業者には容易に想起されるであろう。そのような変更、修正、及び改良は、本明細書で明示的には述べられていないが、本説明の一部であることが意図され、本開示の趣旨及び範囲内にあることが意図される。したがって、前述の説明は、例示に過ぎず、限定的ではない。
【0186】
当業者は、本開示の態様が、以下の条項のいずれかにあるような方法、システム、又は装置を含むことを理解するであろう。
【0187】
条項
条項1.
エリアの空調制御に不十分である電力供給を識別することと、
不十分な電力供給の持続時間を決定することと、
気象条件パラメータを決定することと、
1つ以上の電源であって、1つ以上の電源の各々がエリアに電力を供給するように構成されている、1つ以上の電源からの総利用可能電力を計算することと、
不十分な電力供給の持続時間、総利用可能電力、及び気象条件パラメータに基づいて、エリアの少なくとも一部の空調制御システムの空調設定を差計算することと、
空調制御システムの空調設定を設定することと、を含む、条項。
条項2.空調制御システムの温度設定は、持続時間の間、エリアの少なくとも一部の温度を維持するように構成されている、条項1に記載の方法。
条項3.空調設定は、温度設定、湿度設定、及び空気流設定のうちの少なくとも1つを含む、条項1又は2に記載の方法。
条項4.空調設定が、温度設定を含む、条項1~3のいずれか1つに記載の方法。
条項5.空調設定が、湿度設定を含む、条項1~4のいずれか1つに記載の方法。
条項6.空調設定が、空気流設定を含む、条項1~5のいずれか1つに記載の方法。
条項7.空調設定が、最小閾値温度よりも大きい、条項1~6のいずれか1つに記載の方法。
条項8.空調設定が最小閾値未満であるという決定に基づいてアラームを送信することを更に含む、条項1~7のいずれか1つに記載の方法。
条項9.温度設定が最小閾値温度未満であるという決定に基づいてアラームを送信することを更に含む、条項1~8のいずれか1つに記載の方法。
条項10.湿度設定が最小閾値湿度レベル未満であるという決定に基づいてアラームを送信することを更に含む、条項1~9のいずれか1つに記載の方法。
条項11.空調設定が最大閾値を上回るという決定に基づいてアラームを送信することを更に含む、条項1~10のいずれか1つに記載の方法。
条項12.温度設定が最大閾値温度を上回るという決定に基づいてアラームを送信することを更に含む、条項1~11のいずれか1つに記載の方法。
条項13.湿度設定が最大閾値湿度レベルを上回るという決定に基づいてアラームを送信することを更に含む、条項1~12のいずれか1つに記載の方法。
条項14.気象条件パラメータは、空調制御エリア外の周囲温度を含む、条項1~13のいずれか1つに記載の方法。
条項15.気象条件パラメータは、1つ以上の電源の電力生産に関連する、条項1~14のいずれか1つに記載の方法。
条項16.温度設定にサーモスタットを設定することを更に含む、条項1~15のいずれか1つに記載の方法。
条項17.サーモスタットの設定が、コントローラによって自動的に行われる、条項1~16のいずれか1つに記載の方法。
条項18.サーモスタットの設定は、空調制御システムのオペレータによって実行される設定を無効にする、条項1~17のいずれか1つに記載の方法。
条項19.空調制御システムの空調設定を計算することは、不十分な電力供給の持続時間の間、空調制御システムの凝縮器の凝縮器温度を決定することを含む、条項1~18のいずれか1つに記載の方法。
条項20.凝縮器温度は、空調制御システムによって消費される電力を低減するように構成されている、条項1~19のいずれか1つに記載の方法。
条項21.空調制御システムと通信する電源から電力を受信するように構成された非必須電力負荷を識別することと、非必須電力負荷の電源を切ることと、を更に含む、条項1~20のいずれか1つに記載の方法。
条項22.空調制御システムと通信する電源から電力を受信するように構成された1つ以上の電力負荷の動作を管理することを更に含む、条項1~21のいずれか1つに記載の方法。
条項23.1つ以上の電源のうちの少なくとも1つは、電力を生成するように構成されている、条項1~22のいずれか1つに記載の方法。
条項24.1つ以上の電源のうちの少なくとも1つは、貯蔵されたエネルギーを提供するように構成されている、条項1~23のいずれか1つに記載の方法。
条項25.エリアは、建物の少なくとも一部を備える、条項1~24のいずれか1つに記載の方法。
条項26.不十分な電力供給は、1つ以上の電源のうちの1つから受信される電力の供給の低減を含む、条項1~25のいずれか1つに記載の方法。
条項27.不十分な電力供給は、停電、電圧低下、広範囲の停電、前記1つ以上の電源のうちの少なくとも1つの誤動作、単独運転状態、電力系統のない状態、又は極端な気象条件のうちの少なくとも1つを含む、条項1~26のいずれか1つに記載の方法。
条項28.持続時間を決定することは、ユーザデバイスから不十分な電力供給の持続時間を受信することを含み、ユーザデバイスは、空調制御システムのオペレータから入力を受信するように構成されている、条項1~27のいずれか1つに記載の方法。
条項29.持続時間を決定することは、セルラーインターネット接続を介して不十分な電力供給の持続時間を受信することを含む、条項1~28のいずれか1つに記載の方法。
条項30.気象予報を受信することを更に含み、空調設定を計算することは、気象予報に更に基づく、条項1~29のいずれか1つに記載の方法。
条項31.気象予報を受信することは、セルラーインターネット接続を介して気象予報に関連付けられたデータを受信することを含む、条項1~30のいずれか1つに記載の方法。
条項32.気象予報を受信することは、気象条件パラメータに関連付けられたデータをユーザデバイスから受信することを含み、ユーザデバイスは、ユーザ入力を受信するように構成されている、条項1~31のいずれか1つに記載の方法。
条項33.エリアの少なくとも一部の状態を受信することを更に含み、空調制御システムの空調設定を計算することは、受信された状態に基づく、条項1~32のいずれか1つに記載の方法。
条項34.受信された状態の1つ以上のパラメータは、温度を含む、条項1~33のいずれか1つに記載の方法。
条項35.受信された状態の1つ以上のパラメータは、湿度を含む、条項1~34のいずれか1つに記載の方法。
条項36.エリアの必要電力を計算することと、必要電力を総利用可能電力と比較することと、を更に含み、空調制御システムの空調設定を計算することは、必要電力が総利用可能電力よりも大きいという決定に基づく、条項1~35のいずれか1つに記載の方法。
条項37.必要電力を計算することは、不十分な電力供給の持続時間又は気象条件パラメータのうちの少なくとも1つに基づく、条項1~36のいずれか1つに記載の方法。
条項38.エリア内の1人以上の居住者の快適な使用のための必要電力を計算することと、必要電力を総利用可能電力と比較することと、
必要電力が総利用可能電力未満であるという決定に基づいて、ユーザが空調制御システムの設定を調整することを可能にすることと、を更に含む、条項1~37のいずれか1つに記載の方法。
条項39.空調制御システムは、ヒートポンプを含む、条項1~38のいずれか1つに記載の方法。
条項40.不十分な電力供給が断続的であり、識別すること、持続時間を決定すること、気象条件パラメータを決定すること、総利用可能電力を計算すること、空調設定を計算すること、及び設定することが繰り返される、条項1~39のいずれか1つに記載の方法。
条項41.1つ以上の電源のうちの少なくとも1つは、エネルギー貯蔵デバイス、光起電(photovoltaic、PV)発電システム、風力タービン、又は発電機のうちの1つ以上を含む、条項1~40のいずれか1つに記載の方法。
条項42.気象条件パラメータを受信することは、セルラーインターネット接続を介して気象条件パラメータに関連付けられたデータを受信することを含む、条項1~41のいずれか1つに記載の方法。
条項43.気象条件パラメータを受信することは、気象条件パラメータに関連付けられたデータをユーザデバイスから受信することを含み、ユーザデバイスは、ユーザ入力データを受信するように構成されている、条項1~42のいずれか1つに記載の方法。
条項44.気象条件パラメータを受信することは、光起電(PV)発電システムのインバータを介して気象条件パラメータに関連付けられたデータを受信することを含む、条項1~43のいずれか1つに記載の方法。
条項45.エリアの少なくとも一部に配置された1つ以上のセンサを使用して、エリアの少なくとも一部の状態を受信することを更に含む、条項1~44のいずれか1つに記載の方法。
条項46.不十分な電力供給についてエリアの住民に警報を出すことを更に含む、条項1~45のいずれか1つに記載の方法。
条項47.不十分な電力供給についてエリアの住民の介護者に警報を出すことを更に含む、条項1~46のいずれか1つに記載の方法。
条項48.1つ以上の電源は、光起電(PV)発電システムを備え、総利用可能電力を計算することは、持続時間中の太陽光発電量を計算することを含む、条項1~47のいずれか1つに記載の方法。
条項49.1つ以上の電源はバッテリを含み、総利用可能電力を計算することは、バッテリの深放電に関連付けられた電力を計算することを含む、条項1~48のいずれか1つに記載の方法。
条項50.1つ以上の電源は発電機を含み、総利用可能電力を計算することは、発電機が供給するように構成された最大電力量を決定することを更に含む、条項1~49のいずれか1つに記載の方法。
条項51.空調制御システムの温度設定の計算は、空調制御システムに接続された1つ以上の付属品に更に基づく、条項1~50のいずれか1つに記載の方法。
条項52.1つ以上の付属品は、温水システムを含む、条項1~51のいずれか1つに記載の方法。
条項53.1つ以上の付属品が、保温毛布、ボトル加温器、空気ファン、又は温度制御薬剤ボックスのうちの1つ以上を含む、条項1~52のいずれか1つに記載の方法。
条項54.空調制御システムの温度設定は、エリアの少なくとも一部の状態を、生存に対して十分な最小閾値温度に維持するように構成されている、条項1~53のいずれか1つに記載の方法。
条項55.空調制御システムは、エリア内の部屋を加熱又は冷却するように構成されている、条項1~54のいずれか1つに記載の方法。
条項56.エリアの少なくとも一部に関連付けられたデータをユーザデバイスから受信することを更に含む、条項1~55のいずれか1つに記載の方法。
条項57.受信データに基づいてエリアの少なくとも一部を決定することを更に含む、条項1~56のいずれか1つに記載の方法。
条項58.エリアの少なくとも一部を決定することは、不十分な電力供給の発生前のある期間にわたる付属品の電力消費に関連付けられたデータに基づく、条項1~57のいずれか1つに記載の方法。
条項59.空調制御システムの温度設定を計算することは、不十分な電力供給の間に電力を受信する複数の付属品を決定することを含む、条項1~58のいずれか1つに記載の方法。
条項60.空調制御システムの空調設定を計算することは、不十分な電力供給の間に電力を受信する複数の付属品を決定することを含む、条項1~59のいずれか1つに記載の方法。
条項61.複数の付属品を決定することは、オペレータから受信したデータに基づく、条項1~60のいずれか1つに記載の方法。
条項62.データは、不十分な電力供給の発生前にオペレータから受信される、条項1~61のいずれか1つに記載の方法。
条項63.1つ以上のセンサを使用することからデータを受信することと、受信データに基づいて1人以上の居住者のステータスを分析することと、を更に含む、条項1~62のいずれか1つに記載の方法。
条項64.データは、ウェアラブルセンサから受信される、条項1~63のいずれか1つに記載の方法。
条項65.1人以上の居住者のステータスは、快適性のレベルを含む、条項1~64のいずれか1つに記載の方法。
条項66.受信データは、ウェアラブルセンサからの心拍数、血圧、又は体温のうちの1つ以上を含む、条項1~65のいずれか1つに記載の方法。
条項67.受信データに基づいて1人以上の居住者の各々のユーザプロファイルを生成することを更に含み、空調制御システムの空調設定を計算することは、1人以上の居住者の各々のユーザプロファイルに基づく、条項1~66のいずれか1つに記載の方法。
条項68.1人以上の居住者のステータスが医学的異常を示すかどうかを決定することと、1人以上の居住者のステータスが医学的異常を示すとの決定に基づいて、1人以上の居住者に警報を送信することと、を更に含む、条項1~67のいずれか1つに記載の方法。
条項69.エリアにおいて電力供給が回復されたことを決定することと、空調制御システムの温度設定を除去することと、空調制御システムを正常動作モードに戻すことと、を更に含む、条項1~68のいずれか1つに記載の方法。
条項70.電力の供給が十分に回復されるまで、識別すること、持続時間を決定すること、気象条件パラメータを決定すること、総利用可能電力を計算すること、温度設定を計算すること、及び設定すること、を周期的に繰り返すことを更に含む、条項1~69のいずれか1つに記載の方法。
条項71.繰り返すことは、10~100分毎に実行される、条項1~70のいずれか1つに記載の方法。
条項72.繰り返すことは、連続的に実行される、条項1~71のいずれか1つに記載の方法。
条項73.繰り返すことは、1つ以上の付属品のうちの少なくとも1つの電力消費に変化が生じた後に実行される、条項1~72のいずれか1つに記載の方法。
条項74.繰り返すことは、気象予報の変化を受信することに基づいて実行される、条項1~73のいずれか1つに記載の方法。
条項75.繰り返すことは、1つ以上の電源において更新が行われることに基づいて実行される、条項1~74のいずれか1つに記載の方法。
条項76.繰り返すことは、バッテリ貯蔵の変化を識別することに基づいて実行される、条項1~75のいずれか1つに記載の方法。
条項77.動作モードの湿度設定を計算することと、湿度設定に基づいて空調制御システムの恒湿器を設定することと、を更に含む、条項1~76のいずれか1つに記載の方法。
条項78.エネルギー貯蔵デバイスは、バッテリ、フライホイール、又は燃料電池のうちの少なくとも1つを備える、条項1~77のいずれか1つに記載の方法。
条項79.エネルギー貯蔵デバイスはバッテリを含み、総利用可能電力はバッテリの深放電の電力を含む、条項1~78のいずれか1つに記載の方法。
条項80.
エリアの空調制御に不十分である電力供給を識別することと、
不十分な電力供給の持続時間を受信することと、
1つ以上の電源であって、1つ以上の電源の各々は、電力を生成するか、又はエネルギーを貯蔵するように構成されている、1つ以上の電源での総利用可能電力を計算することと、
気象条件パラメータを受信することと、
不十分な電力供給の持続時間の間、空調制御システムの凝縮器の凝縮器温度を計算することと、
凝縮器温度に基づいて、持続時間にわたってエリアの少なくとも一部の温度を維持することと、を含む、方法。
条項81.ヒートポンプシステムであって、
ヒートポンプシステムの温度設定を設定するように構成されたコントローラを備え、 ヒートポンプシステムは、
第1の温度設定を含む第1の動作モードであって、第1の温度設定は、コントローラと通信するユーザデバイスから受信される、第1の動作モードと、
不十分な電力供給中に動作するように構成された第2の動作モードであって、第2の温度設定を含み、第2の温度設定は、不十分な電力供給の持続時間、ヒートポンプシステムに電力を供給するように構成された1つ以上の電源からの総利用可能電力、及び気象条件パラメータに基づく温度に基づいて、コントローラによって決定される、第2の動作モードと、を備える、ヒートポンプシステム。
条項82.第2の動作モードが加熱モードであり、凝縮器の温度が第2の温度設定よりも8~20℃高い、条項81に記載のヒートポンプシステム。
条項83.第2の動作モードは冷却モードであり、ヒートポンプシステムの蒸発温度は、第2の温度設定よりも6~17℃低くなるように設定される、条項81又は82に記載のヒートポンプシステム。
条項84.コントローラと通信するユーザデバイスを更に備え、ユーザデバイスは、所望の温度設定に関連付けられたユーザ入力を受信するように構成されている、条項81~83のいずれか1つのいずれか1つに記載のヒートポンプシステム。
条項85.コントローラと通信する緊急ボタンを更に備え、緊急ボタンは、第1の動作モードと第2の動作モードとの間で切り替わるように構成されている、条項81~84のいずれか1つに記載のヒートポンプシステム。
条項86.ヒートポンプシステムが動作しているエリア内の指定された部屋に空気流を向けるように構成されたダンパを更に備える、条項81~85のいずれか1つに記載のヒートポンプシステム。
条項87.コントローラは、ダンパを制御するように構成されており、第2の動作モードでは、ダンパは、居住者が存在する部屋に空気流を向けるように構成されている、条項81~86のいずれか1つに記載のヒートポンプシステム。
条項88.コントローラは、ヒートポンプシステムに接続された電源での不十分な電力供給を識別し、ヒートポンプシステムを第2の動作モードに切り替えるように構成されている、条項81~87のいずれか1つに記載のヒートポンプシステム。
条項89.システムであって、
エリアから又はエリアへ熱を伝達するように構成されたヒートポンプと、
エリア内の温度を設定するように構成されたサーモスタットと、
コントローラであって、
ヒートポンプの温度設定を設定することと、
エリアへの不十分な電力供給を識別することと、
不十分な電力供給の持続時間を決定することと、
気象条件パラメータを決定することと、
1つ以上の電源であって、1つ以上の電源の各々がエリアに電力を供給するように構成されている、1つ以上の電源からの総利用可能電力を計算することと、
不十分な電力供給の持続時間、総利用可能電力、及び気象条件パラメータに基づいて、空調制御エリアの少なくとも一部の空調制御システムの動作モードの温度設定を計算することと、
サーモスタットを温度設定に設定することと、を行うように構成されたコントローラと、を備える、システム。
【外国語明細書】