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特開2024-12275家畜血液、メクソムソク、及び炮製カルシウムを用いた養魚飼料用又は配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法
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  • 特開-家畜血液、メクソムソク、及び炮製カルシウムを用いた養魚飼料用又は配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012275
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】家畜血液、メクソムソク、及び炮製カルシウムを用いた養魚飼料用又は配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/80 20160101AFI20240123BHJP
   A23K 10/24 20160101ALI20240123BHJP
   A23K 20/28 20160101ALI20240123BHJP
   A23K 40/25 20160101ALI20240123BHJP
【FI】
A23K50/80
A23K10/24
A23K20/28
A23K40/25
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117069
(22)【出願日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0088186
(32)【優先日】2022-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517161360
【氏名又は名称】メクソムソク ジーエム カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】クァク,ソン グン
(72)【発明者】
【氏名】クァク,ダ ウン
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005GA06
2B005JA04
2B005KA01
2B005LA07
2B005MA06
2B005MA07
2B150AA05
2B150AA08
2B150AE05
2B150AE27
2B150AE29
2B150BA01
2B150BE01
2B150BE04
2B150CB06
2B150CE30
2B150DA32
2B150DD41
2B150DD42
2B150DD57
2B150DH11
2B150DH20
2B150DH21
2B150DH24
2B150DH29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大量生産が可能であり、製剤の崩壊が遅く、保存性に優れるだけでなく、給餌対象の満腹感増大及び増体量増大条件等をあらかじめ満足させることができる養魚飼料用又は配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法を提供する。
【解決手段】家畜血液、メクソムソク、及び炮製カルシウムを用いた養魚飼料用又は配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法は、家畜血液にクエン酸、木酢液、塩化ナトリウム、ユッカ抽出物、銀ナノ、及びジルコニウムを添加及び混合して1次混合物を製造し、ベントナイト及び、ゼオライトを準備して前記1次混合物、焼成炮製カルシウム、及び鉱物粉末と混合した後、真空押出成形して乾熱乾燥(200~500℃)15~40分間水分含量12%以下一定サイズにカッティング及び粉砕する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜血液にクエン酸、木酢液、塩化ナトリウム、ユッカ抽出物(Yucca Extract)、銀ナノ、及びジルコニウムを添加及び混合して1次混合物を製造する1次混合段階と;
カキまたはアワビの貝殻を洗浄して異物を除去した後、焼成した後に粉砕して焼成炮製カルシウムを製造する貝殻粉末の準備段階と;
メクソムソク(macsumsuk)を準備した後、粉砕して鉱物粉末を製造する鉱物の準備段階と;
ベントナイト及びゼオライトを準備し、前記1次混合物、焼成炮製カルシウム、及び鉱物粉末と混合して、2次混合物を製造するが、前記2次混合物は、前記1次混合物25.5-49.9重量%、前記焼成炮製カルシウム0.1-1重量%、前記鉱物粉末10-15重量%、前記ベントナイト30.5-45.2重量%、及び前記ゼオライト9.5-13.3重量%で混合する2次混合段階と;
前記2次混合物を真空押出成形してペレットを製造する押出成形段階と;
前記ペレットを水分含量12%未満になるように乾熱乾燥する乾燥段階と;
を含んで構成されることを特徴とする家畜血液、メクソムソク、及び炮製カルシウムを用いた養殖飼料用又は配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養魚飼料用または配合飼料補助用ペレットの製造方法に関するものであり、より具体的には、家畜血液、メクソムソク(macsumsuk)、及び炮製カルシウムを用いた養殖飼料用または配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粘土鉱物(clay mineral)は、粒径が0.002mm以下の顆粒子の鉱物であり1gの顆粒子の表面積を開くと、バレーボールのコート面積のように広くなると知られている。
【0003】
その中で、ベントナイトはミネラルが含まれていて反芻胃で5-20倍膨張されて微生物の成長に必要なミネラルを含有しており、膨張性に起因した飼料の通過速度を遅延させることによって、消化率と吸収率の向上に役立つ。
特に、結着性に優れ、顆粒化飼料の製造時、硬度を高める効果がある。
【0004】
ゼオライトも、ベントナイトと同様に優れた陽イオン置換効果(CFC:Cation Exchange Capacity)で飼料の効率改善、軟便の防止効果、吸着性、腸内の毒素除去効果などの緩衝剤の役割をする。
【0005】
ゼオライトは、一般的に配合飼料の製造工程で結着剤として使用される。
【0006】
以上のように粘土鉱物を家畜飼料の原料に使用する多数の技術が開発されてきた。
【0007】
特に、粘土鉱物中で、メクソムソク(macsumsuk)は、生体に有益な波長帯の遠赤外線を放出し、多孔性による吸着、無機質の析出、水質の調節、水中溶存酸素量の増加機能を有することが知られている。
【0008】
本発明の出願人は、このようなメクソムソク(macsumsuk)の有益な機能を活用して家畜の飼料として活用しようと“家畜血液および貝殻を利用した養殖飼料用または配合飼料補助用有機コーティング多孔質顆粒およびその製造方法”(韓国登録特許第10-1462214号公報、特許文献1)以外に多数の特許が登録されている。
【0009】
本出願人が登録された多数の特許は、顆粒機を利用することを一つの特徴とする。
【0010】
前記顆粒機を使用することで、製造過程で流動層コロイドスラリーに含まれた水分を急激に気化させて内部には顆粒層を形成し、外部には有機コーティング層を形成し、顆粒化過程で内部の水分蒸発及び温度膨張による気泡膨張で多孔質構造を形成して顆粒内部の気孔に水が染み込む時間を遅延させて浮遊性を向上させ、消化吸収が容易になる。
【0011】
しかしながら、このような顆粒は、その製造にかなりの規模の運転設備と燃料を必要とするだけでなく、生産速度は著しく低く、品質は優れているが、大量生産が難しく低価格に供給することが困難な問題点がある。
【0012】
一方、前記特許文献1の他に、ペレット飼料が広く知られている。
【0013】
前記ペレット飼料は、原料を混合して一定の熱と圧力を加えて押出させて成形することになるが、押出ペレット飼料は、飼料給与時に水中に解放され、飼料の損失が多く水質を過度に汚染させる問題が多く、飼料の固化度を上げると、魚が飼料を十分に摂取しにくく、摂取後も消化障害を起こしたり、栄養成分の吸収力を低下させうる。
【0014】
特に特許文献1のように家畜血液のような原料を用いてペレット顆粒製造時、腐敗速度が速く、変質が容易になるという問題点がある。
【0015】
以上が、家畜血液、メクソムソク(macsumsuk)などを原料とし、顆粒化に伴う生産性低下問題を解決しながら、既存のペレット飼料製造時に発生する品質低下を防止できる技術開発が必要な背景である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1462214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明は、前記のような問題点を解決するために提案された技術であり、本発明の家畜血液、メクソムソク、及び炮製カルシウム(加工品)などを利用した養魚飼料用または配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法は、家畜血液およびメクソムソクなどを原料としながら顆粒化による生産性の低下問題を解決しながら、既存のペレット飼料製造時に発生する品質低下を防止することができる。
【0018】
具体的に、家畜血液にクエン酸、木酢液、銀ナノ、ユッカ抽出物(Yucca Extract)、塩化ナトリウム、ジルコニウムなどを適宜配合した後、メクソムソク、貝殻などと適宜配合して真空押出成形することにより、剤形の崩壊が遅く、保存性に優れるだけでなく、給餌対象の増体量増大条件などをあまねく満足させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するための本発明による家畜血液、メクソムソク、及び炮製カルシウムを用いた養殖飼料用又は配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法は、家畜血液にクエン酸、木酢液、塩化ナトリウム、ユッカ抽出物(Yucca Extract)、銀ナノ、及びジルコニウムを添加及び混合して1次混合物を製造する1次混合段階と;
カキまたはアワビの貝殻を洗浄して異物を除去した後、焼成した後に粉砕して焼成炮製カルシウムを製造する貝殻粉末の準備段階と;
メクソムソク(macsumsuk)を準備した後、粉砕して鉱物粉末を製造する鉱物の準備段階と;ベントナイト及びゼオライトを準備し、前記1次混合物、焼成炮製カルシウム、及び鉱物粉末と混合して、2次混合物を製造するが、前記2次混合物は、前記1次混合物25.5-49.9重量%、前記焼成炮製カルシウム0.1-1重量%、前記鉱物粉末10-15重量%、前記ベントナイト30.5-45.2重量%、及び前記ゼオライト9.5-13.3重量%で混合する2次混合段階と;
前記2次混合物を真空押出成形してペレットを製造する押出成形段階と;
前記ペレットを水分含量12%未満になるように乾熱乾燥する乾燥段階と;
を含んで構成されることを特徴とする。
【0020】
上記の構成において、前記1次混合段階は、クエン酸0.2-0.5重量%、木酢液0.1-0.3重量%、ユッカ抽出物0.01-0.2重量%、塩化ナトリウム0.2-0.5重量%、銀ナノ0.1-0.3重量%、及びジルコニウム0.2-0.5重量%と、23.2-49.09重量%の家畜血液を混合することを特徴とする。
【0021】
上記の構成において、前記押出成形ステップは、真空ポンプを用いて2次混合物を脱気処理した後、2次混合物を混練した後、所定の形状に押し出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、家畜血液およびメクソムソクなどを原料としながら、顆粒化による生産性の低下問題を解決しながら、既存のペレット飼料の製造時に発生する品質低下を防止することが可能となる。
【0023】
具体的に、家畜血液にクエン酸、木酢液、ユッカ抽出物(Yucca Extract)、塩化ナトリウム、ジルコニウム、銀ナノ等を適宜配合した後、メクソムソクと貝殻等と適宜配合して真空押出成形することにより、剤形の崩壊が遅く、保存性に優れるだけでなく、給餌対象の増体量増大条件などをあまねく満足することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の進行のための真空押出成形機の一例を示す概略図である。
図2】本発明の実験例3によるマッドクラブの重量変化を示すグラフである。
図3】本発明の実験例3によるマッドクラブの生存率を示すグラフである。
図4】本発明の実験例4による屠殺した肉の腎臓及び肝を示した写真である。
図5】本発明の実験例4による屠殺した肉の腎臓及び肝を示した写真である。
図6】実験例5による肉の剪断力、不飽和脂肪酸、コレステロール含量、および増体量などを示す表である。
図7】実験例5による肉の剪断力、不飽和脂肪酸、コレステロール含量、および増体量などを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の家畜血液、メクソムソク、および炮製カルシウムを用いた養殖飼料用又は配合飼料補助用真空押出成形ペレットの製造方法について詳細に説明する。
【0026】
本発明のペレットの製造方法は、具体的に、1次混合段階、貝殻粉末の準備段階、鉱物の準備段階、2次混合段階、押出成形段階及び乾燥段階、及び一定サイズの破砕に進む。
【0027】
乾燥が完了したペレットは、一定の大きさに破砕処理されてもよい。
【0028】
[1]1次混合段階
家畜血液にクエン酸、木酢液、塩化ナトリウム、ユッカ抽出物(Yucca Extract)、銀ナノ、ジルコニウムを添加及び混合して1次混合物を製造する。
【0029】
家畜血液は、略血球12.5重量%、血漿6重量%以外の残りは水分からなっている。
【0030】
このような家畜血液が瞬間的な高温の環境に接すると、水分が蒸発し、タンパク質が主成分をなすようになる。
【0031】
ユッカ(Yucca)は、米国南部から中米に渡って糸膜地帯で自生するサボテンの一種であって、古くからアメリカインディアンたちは、ユッカ(Yucca)を治療及び保健の目的で利用してきた。これらはまた、ユッカ(Yucca)を花、実、種子、茎及び根などの様々な方法で調理して食用に利用することもできる。医療用としては、リウマチと関節炎などを治療するのにユッカ(Yucca)を効果的に利用してきたが、ユッカの茎を切って水で沸かして液状濃縮物を作って、これを関節炎患者に服用させたり、関節に塗るなどの方法で利用した。このような方法は現代科学でも立証されて今も世界様々な国でこれらを関節炎治療剤として使用している。
【0032】
既存の畜産分野におけるユッカ抽出物(Yucca Extract)は、主に家畜排泄物から発生するアンモニアガスのような悪臭除去を目的として使用されてきたが、本発明では、製造過程及び製造後の腐敗及び変質防止を主な目的とする。
【0033】
前記1次混合段階での原料配合は、2次混合段階から製造された2次混合物100重量%を基準として、クエン酸0.2-0.5重量%、木酢液0.1-0.3重量%、ユッカ抽出物(Yucca Extract)0.01-0.2重量%、塩化ナトリウム0.2-0.5重量%、銀ナノ0.1-0.3重量%、ジルコニウム0.2-0.5重量%と23.2-49.09重量%の家畜血液が混合されることが好ましい。
【0034】
前記配合において、原料の含量がそれぞれの範囲を外れる場合、長期保管時の変質と剤形崩壊性能の変化が発生することになる。
【0035】
[2]貝殻粉末の準備段階
カキまたはアワビの貝殻を洗浄して異物を除去した後、焼成した後、粉砕して焼成炮製カルシウムを製造する。
【0036】
この際、焼成温度は、680-900℃程度が適切であり、粉砕後の焼成炮製カルシウムは、粒子サイズが46-140μm(100-300メッシュ)の大きさが好ましい。
【0037】
下記の表1は、カキ貝殻を洗浄し、異物を除去した後、690℃の温度で焼成した後、粉砕した焼成炮製カルシウムに対して大韓民国忠南大学校農業科学研究所に分析依頼して受けた検査結果であり、表2は、アワビ貝殻を洗浄し、異物を除去した後、690℃の温度で焼成した後、粉砕した焼成炮製カルシウムに対して忠南大学校農業科学研究所に分析依頼して受けた検査結果である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
前記表1および表2に示されているように、洗浄及び焼成粉砕したカキ貝殻とアワビ貝殻は、粗灰分、カルシウムなどの含量がほぼ同一に示され、両方とも細菌が検出されていないことが分かる。
【0041】
[3]鉱物の準備段階
メクソムソク(macsumsuk)を準備した後、粉砕して鉱物粉末を製造する。
この際、粉砕後に焼成することができ、焼成温度は800-1100℃が好ましい。
【0042】
メクソムソクは、下記の表3のような構成成分からなり、化成癌類中の石英斑岩に属する岩石で全体的には風化されて割れやすいことが特徴であり、特に白い長石はカオリン化されていることが多く、黒雲母もほとんど酸化されて酸化鉄の形態で散在している。
【0043】
角閃石が多量含有されている点が特徴であり、酸化アルミナが多量含まれており、α線が存在し、生物に良い影響を与える作用があることが知られている。
【0044】
【表3】
【0045】
メクソムソク(macsumsuk)から発生する波長は、8-14μmの範囲以内で生体に有益な波長帯の遠赤外線を放射する鉱物として知られている。
【0046】
この波長帯の遠赤外線は、生体細胞を活性化させて新陳代謝を促進させることが知られている。
【0047】
メクソムソクは、岩石状態で発生する遠赤外線の放射率よりもメクソムソクを微粉末化したときに発生する遠赤外線の放射率が高くなるという点に基づいてメクソムソクを粉砕する。
【0048】
メクソムソク粉末は、粒子サイズが46-140μm(100-300メッシュ)からなることが好ましい。
【0049】
メクソムソク以外の粘土鉱物も同様に進行する。
【0050】
[4]2次混合段階
ベントナイト、ゼオライトを準備して前記1次混合物、焼成炮製カルシウム、鉱物粉末と混合して2次混合物を製造する。
【0051】
ベントナイトは、飼料内の繊維素の消化利用が容易であり、液状物質の通過速度および浸透圧を適切に調節する役割をする。
【0052】
特に、結着性が優れており、ペレットの硬度を高める役割を果たす。
本発明では、このようなベントナイトを顆粒の製造時に比べて多量に含ませて製造することにより、剤形をより円滑に維持できるようにする。
【0053】
ゼオライトも、ベントナイトと同様に優れた陽イオン置換効果で飼料効率の改善、軟便の防止、吸着性、腸内の毒素除去効果などの緩衝剤の役割をする。
【0054】
この時、その配合は、前記1次混合物25.5-49.9重量%と、焼成炮製カルシウム0.1-1重量%、鉱物粉末10-15重量%、ベントナイト30.5-45.2重量%、ゼオライト9.5-13.3重量%からなる。
【0055】
すなわち、1次混合段階及び2次混合段階を包括した原料の配合は、下記の表4のように行われる。
【0056】
【表4】
【0057】
前記配合において、原料の含量がそれぞれの範囲を外れる場合、長期保管時の変質と剤形崩壊性能の変化が発生することになる。
【0058】
[5]押出成形段階
前記2次混合物を真空押出成形してペレットを製造する。
【0059】
図1には、真空押出成形機の一例が図示されている。
【0060】
図1の成形機は、原料を収容しつつ真空ポンプPと連結されて、内部が減圧されて二次混合物を脱気処理する脱気槽1と、前記脱気槽1から送出された原料を受け入れて混練する混練装置2と、前記混練装置2の終端部で、練り処理後の原料を所定の形状に成形して押し出す成形機構3とからなる例が示されている。
【0061】
前記成形機構3の出口側には、押出されて排出されるペレットをカッティングするカッティング機が設置されて製造されたペレットは、所定の単位長さに切断される。
【0062】
加えて、混練装置2には、図示しないヒータが設けられており、二次混合物を加熱するようになっている。
【0063】
2次混合段階を経る時、焼成炮製カルシウムと鉱物粉末は、多孔性の形態をなして、内部の多数の空隙が形成された状態で、この部分には空気がある状態である。
【0064】
この状態で、家畜血液が主をなす1次混合物と混合された後、脱気槽1を通過すると、脱気槽1から発生する吸引力によって空気が空隙の内部から外部に抜け出るが、この位置で液状が主をなす1次混合物が浸透するようになる。
【0065】
また、一部分の1次混合物は、2次混合時に添加された固形粉末粒子の間を互いに堅固に付着させる役割をする。
【0066】
すなわち、押出成形段階では、多孔性を有する粉末粒子の内部気孔の中の気泡が脱気槽での負圧によって抜け出ながら、この空間に1次混合物が浸透するようになり、混練装置2を通過しながら熱と圧力を受けながら、2次混合物中の液相成分が気化しながら粒子が互いに堅固に付着された状態となって剤形崩壊を抑制する役割をするようになる。
【0067】
[6]乾燥段階
前記ペレットを水分含量12%未満になるように乾熱乾燥する。
【0068】
下記表5のように各原料を配合してペレットを製造した。
【0069】
まず、家畜血液、クエン酸、木酢液、塩化ナトリウム、ユッカ抽出物(Yucca Extract)、銀ナノを混合して1次混合物を製造し、前述した工程によって焼成炮製カルシウムと鉱物粉末を製造して準備した後、下記の表5による配合で原料を混合して2次混合物を製造し、2次混合物を真空押出成形してペレットを製造した後、水分含量12%未満になるように乾熱乾燥した。
【0070】
【表5】
(A:家畜血液、B:クエン酸、C:木草液、D:塩化ナトリウム、E:ユッカ抽出物、F:銀ナノ、G:ジルコニウム、H:焼成炮製カルシウム、I:鉱物粉末、J:ベントナイト、K:ゼオライト、単位:重量%)
【実施例0071】
製剤崩壊率の測定実験
同じ条件の水槽に前記実施例および比較例のペレットを入れて2分、5分、10分が経過した後の剤形かどうかを測定して下記表6に示した。
【0072】
【表6】
【0073】
前記表を見れば、分かるように、実施例は、2分経過時にすべて剤形崩壊が発見されていない反面、比較例の場合、剤形崩壊が発生した事例が多数あった。
【0074】
併せて、5分経過後には実施例の場合、一部にのみ剤形崩壊が発生した反面、比較例はすべて剤形崩壊が発生したことが分かった。
【実施例0075】
保管性官能評価
常温の陰地で前記実施例及び比較例のペレットを空気中に露出させて配置した後、変質と腐敗発生の有無を7日、15日、30日、50日目にそれぞれ測定して下記の表7に示した。
【0076】
変質は、ペレット外形の変化と判断し、腐敗は、変質に加えてカビと悪臭が発生することを判断基準とした。
【0077】
【表7】
【0078】
前記表7に示されているように、実施例は、50日経過時までいずれも変質や腐敗が発生しなかった。
【実施例0079】
マッド(マングローブ)クラブの養殖実験
フィリピンカピス州の養殖場で実施例1のペレットをマッドクラブの養殖に適用させた後、その影響を評価した。
【0080】
実験は、5個の養殖場のうち3マスには、平方メートル当たり100mgのペレット(実施例1)を適用し、残りの2マスには未適用の対照区とし、5個のマスの養殖条件を全て同一の条件になるようにして養殖を進行し、一定時間が経過するごとにクラブの重量を測定し、その結果を図2に示した。
【0081】
図2から分かるように、3ヶ月までは対照区との差が大きくなかったが、5ヶ月経過時には100g(体重の1/4)以上まで差が出ることが分かった。
【0082】
加えて、5ヶ月経過後の水槽内のマッドクラブの生存率を測定して図3に示した。
【0083】
図3を見れば分かるように、実施例1のペレットを適用した養殖場でのマッドクラブの生存率とそうでない場合の生存率の差が大きく示された。
【実施例0084】
鶏肉飼育実験1
フィリピン畜産科学専門ルソン州立大学に依頼して鶏肉飼育に実施例1のペレットを使用するようにした後、鶏肉を屠殺して腎臓と肝臓の大きさと鮮度を比較した。
【0085】
その結果は、下記の図4及び図5に図示されている。
【0086】
図面で実施例が適用された事例は、T3及びT4であるが、他の試験群に比べて腎臓の大きさがより大きく、新鮮であることが分かった、
【0087】
肝も大きさがより大きく、且つ新鮮であることが分かった。
【実施例0088】
鶏肉飼育実験2
慶北畜産技術研究所に依頼して鶏肉飼育に適用するようにした。
【0089】
試験期間は、孵化2日齢から35日齢まで5週間行い、対照区は無添加を、試験区は実施例1を飼料に0.5重量%添加したものを適用した。
【0090】
飼育が終わった後、雌雄無鑑別に150数ずつロス種に対して剪断力、不飽和脂肪酸、コレステロール含量、増体量を評価し、その実験結果を図6及び図7に示した。
【0091】
図6から分かるように、0.5%添加した実験区が比較対象に比べて剪断力が20%増加し、コレステロールが6.1%減少して有意な結果を得た。
【0092】
また、図7を見れば分かるように、総重量が10.3%増加し、閉死率が24.5%減少して有意味な結果を得た。
【0093】
以上のように、本発明は、記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく様々な修正及び変形することができることは、この技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
【0094】
したがって、技術的思想や主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができるので、本発明の実施例は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならず、さまざまな変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 脱気槽
2 混練装置
3 成形機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7