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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122772
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】加熱ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
G03G15/20 515
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030501
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】池野 雄一
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033BA11
2H033BA12
2H033BA31
2H033BB12
2H033BB18
2H033BB21
2H033BB29
2H033BB30
2H033BE03
(57)【要約】
【課題】加熱ユニットを組み立てるときにヒータがホルダから脱落するのを抑制する。
【解決手段】加熱ユニット2は、ヒータ10と、ベルト50と、ホルダ20と、ステイ40と、クリップ70と、を備える。ヒータ10は、第1面10Aおよび第1面10Aと反対側の面である第2面を有する。ベルト50は、ヒータ10の周りを回転する無端状である。ベルト50は、内周面が第1面10Aと接触する。ホルダ20は、ヒータ10を支持する。ホルダ20は、ヒータ10の第2面側を支持する支持面を有する。ステイ40は、ヒータ10とは反対側からホルダ20を支持する。クリップ70は、ホルダ20およびステイ40を挟んで保持する。クリップ70は、ホルダ20にヒータ10が支持された状態で、ヒータ10が外れるのを防止する第1部分81であって、第1面10Aと直交する方向から見てヒータ10と重なる第1部分81を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面および前記第1面と反対側の面である第2面を有するヒータであって、長手方向に延びた基板と、前記基板に配置される抵抗発熱体と、を有するヒータと、
前記ヒータの周りを回転する無端状のベルトであって、内周面が前記第1面と接触するベルトと、
前記ヒータを支持するホルダであって、前記ヒータの前記第2面側を支持する支持面を有するホルダと、
前記ヒータとは反対側から前記ホルダを支持するステイと、
前記ホルダおよび前記ステイを挟んで保持するクリップと、を備え、
前記クリップは、前記ホルダに前記ヒータが支持された状態で、前記ヒータが外れるのを防止する第1部分であって、前記第1面と直交する方向から見て前記ヒータと重なる第1部分を有することを特徴とする加熱ユニット。
【請求項2】
前記クリップは、少なくとも、前記長手方向における前記ホルダの一端部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の加熱ユニット。
【請求項3】
前記長手方向において、前記クリップは、前記ベルトの配置領域の外に位置することを特徴とする請求項1に記載の加熱ユニット。
【請求項4】
前記クリップは、
前記ステイと係合する第1係合部と、
前記ホルダと係合する第2係合部と、
前記第1係合部と、前記第2係合部と、を連結する第1連結部と、を有し、
前記第1部分は、前記第2係合部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱ユニット。
【請求項5】
前記クリップは、
前記第1係合部とは異なる位置で前記ステイと係合する第3係合部と、
前記第2係合部とは異なる位置で前記ホルダと係合する第4係合部と、
前記第3係合部と、前記第4係合部と、を連結する第2連結部と、を有し、
前記第1部分は、前記第2係合部と、前記第4係合部と、連結していることを特徴とする請求項4に記載の加熱ユニット。
【請求項6】
前記ステイは、
前記第1面と直交する直交方向に延び、一端が前記ホルダと接触する第1壁と、
前記直交方向に延び、一端が前記ホルダと接触する第2壁であって、前記第1壁と前記基板の短手方向に間隔をあけて配置された第2壁と、
前記第1壁の他端と、前記第2壁の他端を連結する第3壁と、を有し、
前記第1係合部は、前記第1壁に係合し、
前記第3係合部は、前記第2壁に係合していることを特徴とする請求項5に記載の加熱ユニット。
【請求項7】
前記支持面から前記第1部分までの距離は、前記基板の厚さより大きいことを特徴とする請求項1に記載の加熱ユニット。
【請求項8】
前記クリップは、金属線からなることを特徴とする請求項1に記載の加熱ユニット。
【請求項9】
前記クリップは、金属線からなり、
前記ステイは、前記第1壁に形成され、前記クリップの一端が入り込む第1穴と、前記第2壁に形成され、前記クリップの他端が入り込む第2穴と、を有し、
前記クリップは、前記一端が前記第1穴に入り込み、前記他端が前記第2穴に入り込んだ状態で、前記ホルダを前記ステイに保持する係合状態と、前記ホルダを前記ステイに保持しない解除状態と、の間で回転可能であることを特徴とする請求項6に記載の加熱ユニット。
【請求項10】
前記ホルダは、前記基板の短手方向に延びた第1溝であって、前記第1部分が入り込む第1溝を有することを特徴とする請求項1に記載の加熱ユニット。
【請求項11】
前記ホルダは、前記長手方向に延びた第2溝であって、前記第2係合部が入り込む第2溝を有することを特徴とする請求項5に記載の加熱ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状のヒータを有する加熱ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板状のヒータを有する加熱ユニットが知られている(特許文献1参照)。この加熱ユニットでは、板状のヒータを保持したホルダがステイに組み付けられ、定着ベルトに内周面に配置されている。ホルダをステイに組み付ける場合、ステイの係合部とホルダの被係合部が係合するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-131654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、加熱ユニットを組み立てるときにヒータがホルダから脱落するおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、加熱ユニットを組み立てるときにヒータがホルダから脱落するのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る加熱ユニットは、ヒータと、ベルトと、ホルダと、ステイと、クリップと、を備える。
ヒータは、第1面および第1面と反対側の面である第2面を有する。ヒータは、長手方向に延びた基板と、基板に配置される抵抗発熱体と、を有する。ベルトは、ヒータの周りを回転する無端状である。ベルトは、内周面が第1面と接触する。ホルダは、ヒータを支持する。ホルダは、ヒータの第2面側を支持する支持面を有する。ステイは、ヒータとは反対側からホルダを支持する。クリップは、ホルダおよびステイを挟んで保持する。
クリップは、ホルダにヒータが支持された状態で、ヒータが外れるのを防止する第1部分であって、第1面と直交する方向から見てヒータと重なる第1部分を有する。
【0007】
ホルダおよびステイを挟んで保持するクリップが、ヒータが外れるのを防止する第1部分を有するため、加熱ユニットを定着装置のフレームなどに組み付けるときにヒータがホルダから脱落するのを抑制できる。
【0008】
また、クリップは、少なくとも、長手方向におけるホルダの一端部に配置されていてもよい。
【0009】
また、長手方向において、クリップは、ベルトの配置領域の外に位置してもよい。
【0010】
クリップがベルトの配置領域の外に位置するため、クリップがベルトの移動の邪魔にならない。
【0011】
また、クリップは、ステイと係合する第1係合部と、ホルダと係合する第2係合部と、第1係合部および第2係合部を連結する第1連結部と、を有してもよい。そして、第1部分は、第2係合部に接続されていてもよい。
【0012】
また、クリップは、第1係合部とは異なる位置でステイと係合する第3係合部と、第2係合部とは異なる位置でホルダと係合する第4係合部と、第3係合部および第4係合部を連結する第2連結部と、を有してもよい。そして、第1部分は、第2係合部と、第4係合部と、連結していてもよい。
【0013】
また、ステイは、第1面と直交する直交方向に延び、一端がホルダと接触する第1壁と、直交方向に延び、一端がホルダと接触し、第1壁と基板の短手方向に間隔をあけて配置された第2壁と、第1壁の他端および第2壁の他端を連結する第3壁と、を有してもよい。そして、第1係合部は第1壁に係合し、第3係合部は第2壁に係合してもよい。
【0014】
また、支持面から第1部分までの距離は、基板の厚さより大きくてもよい。
【0015】
支持面から第1部分までの距離が基板の厚さより大きいため、ヒータの熱膨張による破損を抑制できる。
【0016】
また、クリップは、金属線からなる構成でもよい。
【0017】
また、クリップは金属線からなり、ステイは第1壁に形成され、クリップの一端が入り込む第1穴と、第2壁に形成され、クリップの他端が入り込む第2穴と、を有してもよい。そして、クリップは、一端が第1穴に入り込み、他端が第2穴に入り込んだ状態で、ホルダをステイに保持する係合状態と、ホルダをステイに保持しない解除状態と、の間で回転可能であってもよい。
【0018】
クリップは、ホルダを保持する係合状態と、ホルダを保持しない解除状態との間で回転可能であるため、加熱ユニットの組み立てがしやすい。
【0019】
また、ホルダは、基板の短手方向に延びた第1部分が入り込む第1溝を有してもよい。
【0020】
ホルダが第1溝を有するため、クリップがホルダから外れることを抑制できる。
【0021】
また、ホルダは、長手方向に延びた第2係合部が入り込む第2溝を有してもよい。
【0022】
ホルダが第2溝を有するため、クリップがホルダから外れることを抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、加熱ユニットを組み立てるときにヒータがホルダから脱落するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る定着装置を示す断面図(a)と、ヒータ周りを拡大して示す断面図(b)である。
図2】ヒータ、ホルダ、ステイ、クリップの斜視図である。
図3】ホルダとステイの長手方向の一方側の端部を短手方向の他方側から見た拡大斜視図であり、組み付け前の図(a)と、組み付け後の図(b)である。
図4】ホルダとステイの長手方向の一方側の端部を短手方向の一方側から見た拡大斜視図であり、組み付け前の図(a)と、組み付け後の図(b)である。
図5】コネクタを取り付けたホルダとステイの長手方向の一方側の端部を下から見た拡大斜視図である。
図6】長手方向の他方側におけるヒータ、ホルダ、ステイ、クリップの拡大斜視図である。
図7】ホルダとステイの長手方向の他方側の端部の拡大斜視図であり、クリップを取り付けた拡大斜視図である。
図8】ホルダとステイの長手方向の他方側の端部を下から見た図(a)と、(a)の状態からクリップを外した状態の図(b)である。
図9】短手方向から見たヒータ、ホルダ、クリップの断面図である。
図10図8(a)の状態からクリップを回転させた状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)に示すように、定着装置1は、シートSにトナー像を定着させる装置である。定着装置1は、プリンタなどの画像形成装置の装置本体に取り付けられる。定着装置1は、加熱ユニット2と、加圧ローラ3と、フレームFと、を備える。フレームFは、加熱ユニット2および加圧ローラ3を支持する。以下の説明では、シートSの搬送方向を「搬送方向」という。
【0026】
加熱ユニット2は、ヒータ10と、ホルダ20と、ステイ40と、ベルト50と、コネクタ60と、クリップ70(図2参照)とを備える。ヒータ10は、一部がベルト50の内側に配置されている。ヒータ10は、ベルト50を介してシートSを加熱する。
【0027】
図1(b)に示すように、ヒータ10は、いわゆるセラミックヒータである。ヒータ10は、第1面10Aおよび第2面10Bを有する。第1面10Aは、ベルト50の内周面50Bと接触する面である。第2面10Bは、第1面10Aと反対側の面である。ヒータ10は、基板11と、抵抗発熱体12と、カバー13とを有する。
【0028】
基板11は、酸化アルミニウムを材料とするセラミックの細長い長方形の板からなる。なお、以下の説明では、ヒータ10の長辺が延びる方向を長手方向という。また、ヒータ10の短辺が延びる方向を短手方向という。また、ヒータ10の厚さの方向を厚さ方向という。また、図面の矢印は、各方向における一方側を指す。また、一方側の反対側を他方側という。すなわち、基板11は、長手方向に延びている。本実施形態では、短手方向は、シートSの搬送方向に沿った方向である。
【0029】
抵抗発熱体12は、基板11に配置されている。抵抗発熱体12は、基板11に印刷により形成されている。カバー13は、抵抗発熱体12を覆っている。カバー13は、例えば、ガラスからなる。
【0030】
図1(a)に示すように、ホルダ20は、ヒータ10を支持するとともに、ベルト50を案内する部材である。ホルダ20は、例えば、樹脂からなる。図2に示すように、ホルダ20は、ベース部21と、凹部22と、支持面22Aと、ベルトガイド23と、コネクタ連結部24と、ステイ保持部25と、クリップ係合部26とを有する。
【0031】
ベース部21は、長手方向に長い長方形の板形状を有している。
【0032】
図1(b)に示すように、凹部22は、ベース部21に形成されている。凹部22は、厚さ方向に凹んでいる。凹部22には、ヒータ10が入り込む。ヒータ10は、凹部22の底面に支持されている。
【0033】
支持面22Aは、凹部22の底面である。支持面22Aは、ヒータ10の第2面10B側を支持する。
【0034】
ベルトガイド23は、ベース部21からベルト50の内周面50Bに沿って搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ延びている。図2に示すように、ベルトガイド23は、長手方向に並んだ複数のリブからなる。ベルト50は、ベルトガイド23の複数のリブに沿って案内される。
【0035】
コネクタ連結部24は、後述するコネクタ60が連結される部分である。コネクタ連結部24は、ベース部21の長手方向における一方側の端部に設けられている。
【0036】
ステイ保持部25は、ステイ40の長手方向の一方側の端部を保持する部分である。長手方向において、ステイ保持部25は、ベース部21に設けられ、ベルトガイド23と、コネクタ連結部24との間に位置する。図3(a)、図4(a)に示すように、ステイ保持部25は、第1保持面25Aと、第1リブ25Bと、第2保持面25Cと、第2リブ25Dと、を有する。
【0037】
図3(a)に示すように、第1保持面25Aは、長手方向に直交する面である。第1保持面25Aは、ステイ保持部25の短手方向の他方側の端部に位置する。
第1リブ25Bは、第1保持面25Aから長手方向の他方側に突出するリブである。厚さ方向において、第1リブ25Bとベース部21との間には、後述するステイ40の第1突起411Aが入り込む隙間がある。
【0038】
図4(a)に示すように、第2保持面25Cは、長手方向に直交する面である。第2保持面25Cは、ステイ保持部25の短手方向の一方側の端部に位置する。
第2リブ25Dは、第2保持面25Cから長手方向の他方側に突出するリブである。厚さ方向において、第2リブ25Dとベース部21との間には、後述するステイ40の第3突起421Aが入り込む隙間がある。
【0039】
クリップ係合部26は、ホルダ20の長手方向の他方側の端部で、かつ、厚さ方向における他方側の端部に位置する。クリップ係合部26は、第1溝M1、第2溝M2、第3溝M3、第4溝M4、第5溝M5および第6溝M6を有する。第1溝M1、第2溝M2および第3溝M3は、凹部22の短手方向の他方側に配置されている。第1溝M1は、凹部22から短手方向の他方側に延びる。第2溝M2は、第1溝M1の短手方向の他方側の端から長手方向の他方側に延びる。第3溝M3は、第2溝M2の長手方向の他方側の端から厚さ方向の一方側に延びる。
【0040】
第4溝M4、第5溝M5および第6溝M6は、それぞれ、第1溝M1、第2溝M2および第3溝M3と短手方向に対称に形成されている。第4溝M4、第5溝M5および第6溝M6は、凹部22に対して短手方向の一方側に配置されている。第4溝M4は、凹部22から短手方向の一方側に延びる。第5溝M5は、第4溝M4の短手方向の一方側の端から長手方向の他方側に延びる。第6溝M6は、第5溝M5の長手方向の他方側の端から厚さ方向の一方側に延びる。
【0041】
第2溝M2の短手方向の一方側には、凹部22と第2溝M2を仕切る仕切壁26Aが設けられている。仕切壁26Aは、長手方向の一方側から他方側に向かうにつれて厚さ方向の他方側から一方側に向かうように傾斜する傾斜面を有している。
第4溝M4の短手方向の他方側には、凹部22と第4溝M4を仕切る仕切壁26Bが設けられている。仕切壁26Bは、長手方向の一方側から他方側に向かうにつれて厚さ方向の他方側から一方側に向かうように傾斜する傾斜面を有している。
【0042】
図1(a)に示すように、ステイ40は、ヒータ10とは反対側からホルダ20を支持する部材である。ステイ40は、例えば金属からなる。ステイ40は、長手方向から見て、U字形状を有する。具体的に、ステイ40は、第1壁41と、第2壁42と、第3壁43と、を有する。
【0043】
第1壁41は、第1面10Aと直交する方向に延びている。すなわち、第1壁41は、長手方向および厚さ方向に延びている。第1壁41は、厚さ方向における一端側の端縁がホルダ20と接触している。図2に示すように、第1壁41は、第1突起41Aと、第1延出部41Bと、を有する。
【0044】
図3(a)に示すように、第1突起41Aは、第1壁41の長手方向の一方側に突出する部分である。第1突起41Aは、厚さ方向において、第1壁41の他方側の端部に位置する。第1突起41Aは、第3壁43より長手方向の一方側に位置する。第1延出部41Bは、第1壁41から長手方向の他方側に延出する部分である。第1延出部41Bは、第3壁43より長手方向の他方側に位置する。
【0045】
図6に示すように、第1延出部41Bは、第2突起41Cと、切欠41Dと、第1穴H1と、を有する。第2突起41Cは、第1延出部41Bから長手方向の他方側に突出している。切欠41Dは、第1延出部41Bの厚さ方向の他方側に形成された切欠きである。第1穴H1は、第1延出部41Bを短手方向に貫通する穴である。第2突起41Cは、厚さ方向一方側の端面に凹部41Eを有する。
【0046】
図2に示すように、第2壁42は、第1壁41と短手方向に間隔をあけて配置されている。第2壁42は、第1面10Aと直交する方向に延びている。すなわち、第2壁42は、長手方向および厚さ方向に延びている。第2壁42は、厚さ方向における一端側の端縁がホルダ20と接触している。第2壁42は、第1壁41と同一形状を有している。第2壁42は、第1突起42Aと、第1延出部42Bと、を有する。
【0047】
図4(a)に示すように、第1突起42Aは、第2壁42の長手方向の一方側に突出する部分である。第1突起42Aは、厚さ方向において、第2壁42の他方側の端部に位置する。第1突起42Aは、第3壁43より長手方向の一方側に位置する。第1延出部42Bは、第2壁42から長手方向の他方側に延出する部分である。第1延出部42Bは、第3壁43より長手方向の他方側に位置する。
【0048】
図6に示すように、第1延出部42Bは、第2突起42Cと、切欠42Dと、第2穴H2と、を有する。第2突起42Cは、第1延出部42Bから長手方向の他方側に突出している。切欠42Dは、第1延出部42Bの厚さ方向の他方側に形成された切欠きである。第2穴H2は、第1延出部42Bを短手方向に貫通する穴である。第2突起42Cは、厚さ方向一方側の端面に凹部42Eを有する。
【0049】
第3壁43は、短手方向に延びている。第3壁43は、第1壁41の厚さ方向における他端側の端部と、第2壁42の厚さ方向における他端側の端部を連結する。
【0050】
図1(a),(b)に示すように、ベルト50は、無端状である。ベルト50は、ホルダ20に案内されながら、ヒータ10の周りを回転する。ベルト50は、外周面50Aと内周面50Bを有する。外周面50Aは、加圧ローラ3または加熱対象となるシートSと接触する。内周面50Bは、ヒータ10の第1面10Aと接触する。ベルト50は、回転することで加圧ローラ3と共にシートSを搬送する。
【0051】
加圧ローラ3は、長手方向に延びる回転軸X3を中心に回転する。加圧ローラ3は、ヒータ10との間でベルト50を挟む。加圧ローラ3は、ベルト50との間でシートSを挟持する。加圧ローラ3は、回転することでベルト50と共にシートSを搬送する。加圧ローラ3は、シャフト3Aと、弾性層3Bとを有する。シャフト3Aは、円柱形状を有し、例えば金属からなる。弾性層3Bは、円筒形状を有し、例えばシリコンゴムからなる。弾性層3Bは、シャフト3Aの外周面を覆う。
【0052】
図2に示すように、コネクタ60は、ヒータ10に電力を供給するためのものである。コネクタ60は、ヒータ10と接続される。具体的には、コネクタ60は、ヒータ10の長手方向の一方側の端部に接続される。図5に示すように、コネクタ60がホルダ20の取り付けられると、コネクタ60とヒータ10が接続される。ヒータ10の長手方向の一方側の端部は、コネクタ60とホルダ20に挟まれて保持されるようになっている。
【0053】
クリップ70は、金属線からなる。クリップ70は、ホルダ20およびステイ40を挟んで保持する部材である。本実施形態では、クリップ70は、長手方向におけるホルダの一端部の一例としての長手方向の他端側の端部に配置されている。すなわち、クリップ70は、ホルダ20の長手方向の他方側の端部と、ステイ40の長手方向に他方側の端部と、を挟んで保持する。
【0054】
図6に示すように、クリップ70は、第1係合部71と、第2係合部72と、第3係合部73と、第4係合部74と、第1連結部75と、第2連結部76と、第1端部77と、第2端部78と、第3連結部79と、第4連結部80と、第1部分81と、有する。
【0055】
第1係合部71は、短手方向に延びている。第1係合部71は、ステイ40の第1壁41に係合する部分である。詳しくは、第1係合部71は、第1壁41の第2突起41Cにおける凹部41Eに係合する。
【0056】
第2係合部72は、長手方向に延びている。第2係合部72は、ホルダ20と係合する部分である。
【0057】
第1連結部75は、厚さ方向に延びている。第1連結部75は、第1係合部71の短手方向一方側の端部と第2係合部72の長手方向他方側の端部とを連結する。
【0058】
第3係合部73は、短手方向に延びている。第3係合部73は、第1係合部71とは異なる位置であるステイ40の第2壁42と係合する部分である。詳しくは、第3係合部73は、第2壁42の第2突起42Cにおける凹部42Eに係合する。
【0059】
第4係合部74は、長手方向に延びている。第4係合部74は、第2係合部72とは異なる位置でホルダ20と係合する部分である。
【0060】
第2連結部76は、厚さ方向に延びている。第2連結部76は、第3係合部73の短手方向他方側の端部と第4係合部74の長手方向他方側の端部とを連結する。
【0061】
第1部分81は、短手方向に延びている。第1部分81は、第2係合部72および第4係合部74と接続されている部分である。つまり、第1部分81は、第2係合部72の長手方向一方側の端部と第4係合部74の長手方向一方側の端部とを連結する。
【0062】
第1端部77は、短手方向に延びている。
【0063】
第2端部78は、短手方向に延びている。
【0064】
第3連結部79は、長手方向に延びている。第3連結部79は、第1係合部71の短手方向他方側の端部と第1端部77の短手方向他方側の端部とを連結する。
【0065】
第4連結部80は、長手方向に延びている。第4連結部80は、第2係合部72の短手方向一方側の端部と第2端部78の短手方向一方側の端部を連結する。
【0066】
図8(a)に示すように、クリップ70は、ホルダ20とステイ40とを挟んで保持することでホルダ20およびステイ40に組み付けられる。クリップ70は、ホルダ20およびステイ40に組み付けられた状態(以下、「組付状態」という。)において、第1部分81が、第1溝M1および第4溝M4に入り込む。組付状態において、第2係合部72は、ホルダ20の第2溝M2に入り込む。組付状態において、第1連結部75は、第3溝M3に入り込む。組付状態において、第4係合部74は、ホルダ20の第5溝M5に入り込む。組付状態において、第2連結部76は、第6溝M6に入り込む。組付状態において、第1端部77は、第2延出部412の第1穴H1に入り込む。組付状態において、第2端部78は、第4延出部422の第2穴H2に入り込む。
【0067】
組付状態において、クリップ70は、長手方向において、ベルト50の配置領域の外に位置する。なお、図8(a)では、ベルト50の配置領域を二点鎖線で示している。
【0068】
また、クリップ70は、ホルダ20にヒータ10が支持された状態で、ヒータ10が外れるのを防止する。
本実施形態では、ホルダ20にヒータ10が支持された状態において、ヒータ10の長手方向の一方側の端部は、コネクタ60によってヒータ10が外れるのが防止され、長手方向の他方側の端部は、クリップ70によってヒータ10が外れるのが防止されるようになっている。そのため、第1部分81は、ヒータ10の第1面10Aと直交する方向、すなわち、厚さ方向から見てヒータ10と重なる。
【0069】
図9に示すように、ホルダ20の支持面22Aから第1部分81までの距離D1は、ヒータ10の基板11の厚さD2より大きい(D2<D1)。すなわち、ヒータ10の第1面10Aと第1部分81の間には隙間GAがある。厚さ方向における隙間GAの寸法D3は、基板11の厚さD2より小さい(D3<D2)。また、厚さ方向における隙間GAの寸法D3は、第1部分81の直径D4より小さい(D3<D4)。また、長手方向において、ヒータ10のうち、第1部分81より長手方向の他方向に位置する部分の寸法D5は、隙間GAの厚さ方向の寸法D3より大きい(D3<D5)。
【0070】
図10に示すように、クリップ70は、図8(a)に示す係合状態と、図10に示す解除状態と、の間で回転可能である。図8(a)に示すように、係合状態は、第1端部77が第1穴H1に入り込み、第2端部78が第2穴H2に入り込み、クリップ70によってホルダ20とステイ40が挟持されることで、ホルダ20をステイ40に保持する状態である。図10に示すように、解除状態は、第1部分81がホルダ20から外れて、ホルダ20をステイ40に保持しない状態である。
【0071】
次に、ヒータ10、ホルダ20およびステイ40を組み立てについて説明する。
図2に示すように、ヒータ10、ホルダ20およびステイ40を組み立てる場合、ヒータ10、ホルダ20およびステイ40の長手方向における一方側の端部を組み付けてから、他方側の端部を組み付ける。
【0072】
図3(a),(b)、図4(a),(b)に示すように、ステイ40の第1突起411Aをおよび第3突起421Aをホルダ20のステイ保持部25に入り込ませる。すると、第1突起411Aが第1保持面25Aに当接して長手方向の一方側に移動できなくなる。また、第1突起411Aが第1リブ25Bに当接して厚さ方向の一方側に移動できなくなる。また、第3突起421Aが第2保持面25Cに当接して長手方向の一方側に移動できなくなる。また、第3突起421Aが第2リブ25Dに当接して厚さ方向の一方側に移動できなくなる。これにより、ステイ40の長手方向の一方側の端部は、厚さ方向の一方側に外れないように保持される。
【0073】
次に、図5に示すように、ヒータ10を凹部22に入り込ませ、コネクタ60をホルダ20に取り付けると、ヒータ10とコネクタ60が接続される。ヒータ10の長手方向の一端側の端部は、コネクタ60とホルダ20に挟まれて、厚み方向の位置が決められる。
【0074】
次に、図6に示すように、ステイ40の切欠41D,42Dにホルダ20のクリップ係合部26を入り込ませる。これにより、ステイ40がホルダ20から長手方向に外れなくなる。
【0075】
次に、クリップ70の第1端部77を第1穴H1に入り込ませ、クリップ70の第2端部78を第2穴H2に入り込ませる。
【0076】
次に、第1端部77および第2端部78を回転中心として、クリップ70を回転させると、第1部分81は、第1傾斜面263Aおよび第2傾斜面267Aに案内されて、第1溝M1および第4溝M4に入り込む。図8(a)に示すように、第1部分81が第1溝M1および第4溝M4に入り込むと、第1部分81は、ヒータ10の第1面10Aと対向する。このとき、第1部分81は、厚さ方向から見てヒータ10と重なる。
【0077】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
本実施形態における加熱ユニット2は、ホルダ20およびステイ40を挟んで保持するクリップ70が、ヒータ10が厚さ方向に外れるのを防止する第1部分81を有する。このため、加熱ユニット2を定着装置1のフレームFに組み付けるときにヒータ10がホルダ20から脱落するのを抑制できる。
【0078】
また、クリップ70がベルト50の配置領域の外に位置するため、クリップ70がベルト50の移動の邪魔にならない。
【0079】
また、ヒータ10を支持するホルダ20の支持面22Aからクリップ70の第1部分81までの距離D1が基板11の厚さD2より大きいため(D2<D1)、ヒータ10の熱膨張による破損を抑制できる。
【0080】
また、ヒータ10の第1面10Aと第1部分81の隙間GAの寸法D3が、基板11の厚さD2より小さい(D3<D2)ため、ヒータ10がホルダ20から外れるのを抑制できる。
【0081】
また、厚さ方向における隙間GAの寸法D3が、第1部分81の直径D4より小さいため(D3<D4)、ヒータ10がホルダ20から外れるのを抑制できる。
【0082】
また、長手方向において、ヒータ10のうち、第1部分81より長手方向の他方向に位置する部分の寸法D5が、隙間GAの厚さ方向の寸法D3より大きい(D3<D5)ため、ヒータ10がホルダ20から外れるのを抑制できる。
【0083】
また、クリップ70は、ホルダ20を保持する係合状態と、ホルダ20を保持しない解除状態との間で回転可能であるため、加熱ユニット2の組み立てがしやすい。
【0084】
また、ホルダ20が短手方向に延びる第1溝M1を有するため、クリップ70が第1溝M1に保持されることで、クリップ70がホルダ20から外れることを抑制できる。
【0085】
また、ホルダ20が長手方向に延びる第2溝M2を有するため、クリップ70が第2溝M2に保持されることで、クリップ70がホルダ20から外れることを抑制できる。
【0086】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0087】
上記した実施形態では、クリップ70は、長手方向におけるホルダ20の一端部に配置されていていたが、クリップ70が両端部に配置されていてもよい。
【0088】
上記した実施形態では、クリップ70は、金属線からなる構成であったが、クリップは、樹脂など金属以外であってもよい。
【0089】
上記した実施形態では、短手方向は、搬送方向に沿った方向であったが、短手方向が搬送方向と異なる方向であってもよい。
【0090】
上述した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0091】
2 加熱ユニット
10 ヒータ
10A 第1面
10B 第2面
11 基板
12 抵抗発熱体
20 ホルダ
22A 支持面
40 ステイ
41 第1壁
42 第2壁
43 第3壁
50 ベルト
70 クリップ
71 第1係合部
72 第2係合部
73 第3係合部
74 第4係合部
75 第1連結部
76 第2連結部
77 第1端部
78 第2端部
81 第1部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10