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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122809
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】生体情報取得装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/08 20060101AFI20240902BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20240902BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20240902BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A61B5/08
A61B5/1455
A61B5/0245 A
A61B5/02 310B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030579
(22)【出願日】2023-02-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
(71)【出願人】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博史
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA10
4C017AA12
4C017AA14
4C017AB06
4C017AC12
4C017AC28
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KX01
4C038KY04
4C038SS09
4C038SX02
(57)【要約】
【課題】 容易に装着できる生体情報取得装置の提供。
【解決手段】 生体情報取得装置100は、被験者の顔において、少なくとも鼻から顎までを被覆する被覆部110a、被覆部110aを顔の所定の位置に固定する固定部110b、被覆部110aの被験者の顔側に配置され、被験者の呼吸を計測する呼吸計測部131、被験者の顔の所定の位置に配置され、脈拍、及び/又は、酸素飽和度を計測する脈拍・酸素飽和度計測部132、呼吸計測部131が計測した呼吸に関する呼吸情報、及び/又は、脈拍・酸素飽和度計測部132が計測した脈拍、及び/又は、酸素飽和度に関する脈拍・酸素飽和度情報を、外部の通信機器に送信する通信部134、呼吸計測部から呼吸情報を取得し、脈拍・酸素飽和度計測部から脈拍・酸素飽和度情報を取得し、取得した呼吸情報、及び/又は、脈拍・酸素飽和度情報を、通信部を介して、外部機器に送信する制御部135、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、
前記被験者の顔において、少なくとも鼻から顎までを被覆する被覆部、
前記被覆部を前記顔の所定の位置に固定する固定部、
前記被覆部の前記被験者の前記顔側に配置され、前記被験者の呼吸を計測する呼吸計測部、
前記被験者の前記顔の所定の位置に配置され、脈拍、及び/又は、酸素飽和度を計測する脈拍・酸素飽和度計測部、
前記呼吸計測部が計測した呼吸に関する呼吸情報、及び/又は、前記脈拍・酸素飽和度計測部が計測した脈拍、及び/又は、酸素飽和度に関する脈拍・酸素飽和度情報を、外部の通信機器に送信する通信部、
前記呼吸計測部から前記呼吸情報を取得し、前記脈拍・酸素飽和度計測部から前記脈拍・酸素飽和度情報を取得し、取得した前記呼吸情報、及び/又は、前記脈拍・酸素飽和度情報を、前記通信部を介して、前記外部機器に送信する制御部、
を有する生体情報取得装置。
【請求項2】
請求項1に係る生体情報取得装置において、
前記呼吸計測部は、
前記被験者の鼻気流を計測すること、
を特徴とする生体情報取得装置。
【請求項3】
請求項1に係る生体情報取得装置において、
前記呼吸計測部は、
前記被験者の呼気流を計測すること、
を特徴とする生体情報取得装置。
【請求項4】
請求項2、又は、請求項3に係る生体情報取得装置において、
前記呼吸計測部は、
サーミスタを有すること、
を特徴とする生体情報取得装置。
【請求項5】
請求項1に係る生体情報取得装置において、さらに、
前記脈拍・酸素飽和度計測部の配置位置を調整する位置調整部、
を有する生体情報取得装置。
【請求項6】
請求項1に係る生体情報取得装置において、
前記被覆部は、
不織布を用いて形成されること、
を特徴とする生体情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報取得装置に関し、特に、睡眠時無呼吸症候群の該当性を判断するために必要な情報を簡単に取得できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の生体情報取得装置について、図8に示す機能付きマスク1を用いて説明する。図8に示す機能付きマスク1は、本体部11と、機能装置2と、を備える。本体部11は、使用者A1の鼻及び口のうちの少なくとも一方を覆い、空気の通過を許容する。機能装置2は、本体部11に設けられて、使用者A1の生体情報を測定する測定部21を有する。本体部11には、所定の粒子径よりも大きい粒子径を有する粒子の通過を規制する衛生部12が着脱可能である。これにより、清潔性を保ちつつ、使用者の体調を管理しやすくする。
【0003】
測定部21は、使用者A1の生体情報を測定する。より詳しく言えば、測定部21は、 使用者A1が機能付きマスク1を着用した状態において、使用者A1の生体情報を測定する。ここで、生体情報は、使用者A1の身体に関係する情報である。一例として、測定部21は、使用者A1の体温、使用者A1の皮膚から発せられる汗及び匂いの成分、並びに 使用者A1の発する呼気の成分のうちの少なくとも1つを生体情報として測定する。実施の形態では、測定部21の測定結果は、一時的に記憶部25に記憶される。
【0004】
例えば、測定部21は、赤外線式の温度センサを有している場合、使用者A1の顔の表面から放射される赤外線量を測定することにより、使用者A1の体温(ここでは、使用者A1の顔の表面温度)を測定することが可能である。また、例えば、測定部21は、ケミカルセンサを有している場合、使用者A1の皮膚から発せられる汗の成分を測定することが可能である。また、例えば、測定部21は、半導体式又は電気化学式のガスセンサを有している場合、使用者A1の皮膚から発せられる匂いの成分、又は使用者A1の発する呼気の成分を測定することが可能である。なお、ガスセンサにて測定可能なガス成分は、1種類に限らず、複数種類であってもよい(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-83239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の機能付きマスク1には、以下に示すような改善すべき点がある。前述の機能付きマスク1では、取得する生体情報としては、汗及び匂いの成分、並びに 使用者A1の発する呼気の成分等、記載の生体情報以外の生体情報については、どのような生体情報を、どのようなセンサ等の生体情報取得部を用いて、取得するのかについては、記載がない。このため、呼吸の有無や脈拍、酸素飽和度といった生体情報の取得に用いることができない、という改善すべき点がある。
【0007】
また、前述の機能付きマスク1を用いて、特定の疾患、例えば、睡眠時無呼吸症候群の該当性の判断に使用しようとする場合、どのような生体情報を、どのようなセンサ等の生体情報取得部を用いて、取得するのかについては、記載がない。このため、機能付きマスク1を睡眠時無呼吸症候群の該当性の判断に用いることができない、という改善すべき点がある。
【0008】
また、睡眠時無呼吸症候群の検査に使用しようとする場合、どのような生体情報を、どのようなセンサ等の生体情報取得部を用いて、取得するのかが分かっていたとしても、どのようにその生体情報取得部を配置するのか等、具体的な構成については開示されていない。この点からも、機能付きマスク1を睡眠時無呼吸症候群の該当性の判断に用いることができない、という改善すべき点がある。
【0009】
そこで、本発明は、容易に装着できる生体情報取得装置を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0011】
本発明に係る生体情報取得装置は、被験者の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、前記被験者の顔において、少なくとも鼻から顎までを被覆する被覆部、前記被覆部を前記顔の所定の位置に固定する固定部、前記被覆部の前記被験者の前記顔側に配置され、前記被験者の呼吸を計測する呼吸計測部、前記被験者の前記顔の所定の位置に配置され、脈拍、及び/又は、酸素飽和度を計測する脈拍・酸素飽和度計測部、前記呼吸計測部が計測した呼吸に関する呼吸情報、及び/又は、前記脈拍・酸素飽和度計測部が計測した脈拍、及び/又は、酸素飽和度に関する脈拍・酸素飽和度情報を、外部の通信機器に送信する通信部、前記呼吸計測部から前記呼吸情報を取得し、前記脈拍・酸素飽和度計測部から前記脈拍・酸素飽和度情報を取得し、取得した前記呼吸情報、及び/又は、前記脈拍・酸素飽和度情報を、前記通信部を介して、前記外部機器に送信する制御部、を有する。
【0012】
これにより、被験者は、装着するだけで、容易に、呼吸の有無、脈拍、酸素飽和度に関する生体情報を取得できる。
【0013】
本発明に係る生体情報取得装置では、前記呼吸計測部は、前記被験者の鼻気流を計測すること、を特徴とする。
【0014】
これにより、鼻気流を計測するだけで、容易に、被験者の呼吸の有無を検査できる。
【0015】
本発明に係る生体情報取得装置では、前記呼吸計測部は、前記被験者の呼気流を計測すること、を特徴とする。
【0016】
これにより、呼気流を計測するだけで、容易に、被験者の呼吸の有無を検査できる。
【0017】
本発明に係る生体情報取得装置では、前記呼吸計測部は、サーミスタを有すること、を特徴とする。
【0018】
これにより、サーミスタにより、容易に、呼吸の有無を検査できる。
【0019】
本発明に係る生体情報取得装置は、さらに、前記脈拍・酸素飽和度計測部の配置位置を調整する位置調整部、を有する。
【0020】
これにより、脈拍、酸素飽和度を、確実に取得できる。
【0021】
本発明に係る生体情報取得装置では、前記被覆部は、不織布を用いて形成されること、を特徴とする。
【0022】
これにより、被験者は、一般的なマスクと同様の感覚で、呼吸を妨げることなく、容易に、生体情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る生体情報取得装置の一実施例である生体情報取得装置100の外観を示す図である。
図2】生体情報取得装置100の情報取得部130の構成を示す図である。
図3】脈拍・酸素飽和度計測部132の構成を示す図である。
図4】位置調整部133の構成を示す図であり、Aは、位置調整前の状態を、Bは位置調整後の状態を、それぞれ示す。
図5】制御部135の構成を示す図である。
図6】本発明に係る生体情報取得装置のその他の実施例を示す図である。
図7】本発明に係る生体情報取得装置のその他の実施例を示す図である。
図8】従来の生体情報取得装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0025】
本発明に係る生体情報取得装置について、一実施例である睡眠時無呼吸症候群の該当性の判断に用いる生体情報を取得する生体情報取得装置100を例に説明する。
【0026】
第1 生体情報取得装置100の構成
生体情報取得装置100は、一般的な不織布マスク形状を有し、被験者が、簡単に装着でき、睡眠時無呼吸症候群の該当性を判断するために必要な生体情報を、簡単に取得できるものである。生体情報取得装置100を使用する被験者は、睡眠前に、生体情報取得装置100を着用するだけで、容易に、睡眠時無呼吸症候群であるか否かを判断するための生体情報を取得できる。
【0027】
生体情報取得装置100の構成について、図1を用いて説明する。生体情報取得装置100は、マスク部110、及び、情報取得部130を有している。
【0028】
マスク部110は、一般的な、不織布マスクと同様の形状を有している。マスク部110は、被覆部110a、及び、固定部110bを有している。被覆部110aは、顔の鼻から顎までを被覆する。被覆部110aは、主として不織布により形成され、必要に応じて、単層、複数層によって、また、各種フィルタ機能を有する機能層を付加することによって形成される。固定部110bは、被覆部110aを顔の所定の位置に固定するために、一般的なマスクと同様に、耳にかけることができる紐状、輪っか形状を有している。
【0029】
情報取得部130は、被覆部110aの背面側、つまり、顔側に配置される。情報取得部130は、生体情報取得装置100を使用する被験者が睡眠時無呼吸症候群であるか否かの該当性を判断に必要な生体情報を取得する。情報取得部130では、睡眠時無呼吸症候群の該当性を判断する生体情報として、被験者の呼吸、脈拍、及び、酸素飽和度に関する生体情報を取得する。また、情報取得部130は、取得した生体情報を、スマートフォンM等、所定の外部通信装置へ提供する。なお、スマートフォンMは、必要に応じて、さらに外部の通信機器、例えば、所定のサーバへ、取得した生体情報を送信する。
【0030】
生体情報取得装置100を介して被験者の生体情報を取得した検査者は、取得した生体情報取得情報を用いて、被験者が睡眠時無呼吸症候群の該当性を判断する。
【0031】
第2 情報取得部130の構成
情報取得部130の構成について、図2を用いて説明する。なお、図2は、図1における被覆部110aを透過的に示したものである。
【0032】
情報取得部130は、呼吸計測部131、脈拍・酸素飽和度計測部132、位置調整部133、通信部134、制御部135、電源部136、及び、基板部137を有している。呼吸計測部131は、被験者が呼吸しているか否かを検査するための情報を取得する。呼吸計測部131は、被験者の鼻気流を計測する。人は、鼻を介した呼吸の際に鼻気流を発生させる。したがって、鼻気流の有無により、人が呼吸しているか否かを計測できる。
【0033】
また、呼吸計測部131は、温度変化に対して電気抵抗が変化するサーミスタを有している。呼吸計測部131は、サーミスタを用いて、被験者の鼻気流を計測する。呼吸計測部131は、被験者が呼吸する際に生ずる鼻気流による温度変化を、サーミスタを用いて計測する。鼻気流が発生する領域、つまり、鼻と口との間の領域において、所定の温度変化を検知することによって、被験者が呼吸しているか否かを判断できる。呼吸計測部131は、温度変化に伴うサーミスタの電圧変化を、呼吸生体情報として、制御部135へ提供する。呼吸計測部131は、被覆部110aの中央付近に配置される。なお、被験者は、呼吸計測部131が、被験者の鼻と口との間に配置されるように、被覆部110aを被験者の顔に配置する。
【0034】
脈拍・酸素飽和度計測部132は、いわゆる反射型のパルスオキシメータと同様の構造を有している。脈拍・酸素飽和度計測部132の構造について、図3を用いて説明する。脈拍・酸素飽和度計測部132は、赤外線投光部132a、赤色光投光部132b、及び、受光部132cを有している。赤外線投光部132a、赤色光投光部132b、及び、受光部132cは、検知対象に対して同じ側に位置するように配置される。受光部132cは、赤外線投光部132aから投光された赤外線、赤色光投光部132bから投光された赤色光、それぞれの検知対象部からの反射光を受光する。脈拍・酸素飽和度計測部132は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの透過光の違いを利用して動脈血酸素飽和度を、また、赤色、及び/又は、赤外線の信号の時間変化を利用して脈拍を、それぞれ計測する。脈拍・酸素飽和度計測部132は、計測した脈拍、及び、酸素飽和度を、脈拍・酸素飽和度生体情報として、制御部135へ提供する。
【0035】
位置調整部133は、脈拍・酸素飽和度計測部132の位置を調整する。脈拍・酸素飽和度計測部132における脈拍、及び/又は、酸素飽和度の計測は、脈拍・酸素飽和度計測部132と計測の対象となる血管と位置関係、皮膚に対する赤色光、赤外線の透過割合等によって影響を受ける。このため、より正確に脈拍、及び/又は、酸素飽和度を計測できる位置に、位置調整部133を用いて、脈拍・酸素飽和度計測部132を配置する。
【0036】
位置調整部133の構成について、図4を用いて説明する。図4Aに示すように、位置調整部133は、脈拍・酸素飽和度計測部132に接続する薄膜状の基板部137(後述)に、例えば、一般的なマスクで用いられているノーズワイヤのようなフレキシブルな線状部材を配置することによって形成される。図4Bに示すように、位置調整部133の形状を、例えば、矢印a3方向に変化させることによって、脈拍・酸素飽和度計測部132の位置を、矢印a2方向に調整する。
【0037】
図2に戻って、通信部134は、呼吸計測部131によって計測された呼吸情報、及び、脈拍・酸素飽和度計測部132によって計測された脈拍・酸素飽和度情報を、スマートフォン等、外部の通信機器に提供する。通信部134は、低消費電力の通信規格の一つであるBLE(Bluetooth Low Energy)を介して無線通信する。
【0038】
制御部135は、所定時間ごとに、呼吸計測部131から呼吸生体情報を、及び、脈拍・酸素飽和度計測部132から脈拍・酸素飽和度生体情報を、それぞれ、取得する。また、制御部135は、取得した呼吸生体情報を、及び/又は、脈拍・酸素飽和度生体情報を、それぞれ、取得生体情報として通信部134を介して外部の通信機器へ提供する。
【0039】
制御部135の構成について、図5を用いて説明する。制御部135は、CPU135a、メモリ135b、及び、インターフェイス135cを有している。
【0040】
CPU135aは、メモリ135bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、又は、ファームウェア、及び、生体情報取得プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ135bは、CPU135aに対して作業領域を提供する。メモリ135bは、OS、生体情報取得プログラム等その他のアプリケーション、及び、各種データを記録保持する。
【0041】
インターフェイス135cは、呼吸計測部131、脈拍・酸素飽和度計測部132、通信部134、及び、電源部136と接続される。インターフェイス135cは、CPU135aと呼吸計測部131との間、CPU135aと脈拍・酸素飽和度計測部132との間、及び、CPU135aと通信部134との間、それぞれの情報の送受信を中継する。また、インターフェイス135cは、電源部136に接続し、電源部136から所定の電力を受給する。インターフェイス135cを介して取得した電力は、各構成要素に供給される。
【0042】
電源部136は、呼吸計測部131、脈拍・酸素飽和度計測部132、通信部134、及び、制御部135等に必要な電力を供給する。電源部136は、例えば、ボタン電池により構成される。
【0043】
基板部137は、フレキシブル性を有するフィルム基板により形成される。基板部137は、被覆部110aの内面に、所定の接着剤等を用いて固定される。なお、基板部137の脈拍・酸素飽和度計測部132、及び、位置調整部133に対応する部分については、被覆部110aに固定されない。基板部137は、フレキシブル性を有しているため、マスク部110を着用する際の被覆部110aの形状の変化、及び、脈拍・酸素飽和度計測部132の位置調整の際の位置調整部133の形状の変化に伴って、変化できる。
【0044】
[その他の実施形態]
(1)呼吸計測部131:前述の実施例1においては、呼吸計測部131は、鼻気流を計測するとしたが、被験者が呼吸しているか否かを計測できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、呼吸計測部が、呼気流を計測するようにしてもよい。この場合、呼吸計測部は、呼吸計測部131と同様に、サーミスタを用いて、呼気流を計測するようにしてもよい。また、呼気流を計測する呼吸計測部を、呼気流が発生する被験者の口のあたりに、配置するようにしてもよい。
【0045】
また、呼気計測部131において、サーミスタの代わりに、他の温度センサを用いて、鼻気流の有無、つまり、呼吸の有無を計測するようにしてもよい。
【0046】
(2)位置調整部133:前述の実施例1においては、位置調整部133は、基板部137に対して配置されるフレキブル性を有する線状部材により形成されるとしたが、脈拍・酸素飽和度計測部132の配置位置を調整できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、脈拍・酸素飽和度計測部132、又は、脈拍・酸素飽和度計測部132が配置される位置に対応する基板部137の被覆部110a側の面に、面ファスナ、面テープ等の取り外し可能な部材を配置するようにしてもよい。面ファスナを用いる場合、被覆部110aが不織布等の織物により形成されている場合には、脈拍・酸素飽和度計測部132等の側のみに、面ファスナを配置するようにしてもよい。
【0047】
また、位置調整部として、図6に示す情報取得部230のように、基板部137と脈拍・酸素飽和度計測部232とを電気的に接続する配線により形成される位置調整部233を用いるようにしてもよい。この場合、脈拍・酸素飽和度計測部232は、実施例1における脈拍・酸素飽和度計測部132と同様に、反射型プローブを用いる、いわゆる反射型としてもよい。反射型の脈拍・酸素飽和度計測部232は、右側の側頭部の浅側頭動脈の近傍に配置するようにしてもよい。なお、配置の違和感等によっては、左側の頭部の浅側頭動脈の近傍に配置するようにしてもよい。なお、図6においては、情報取得部230については、基板部137、脈拍・酸素飽和度計測部232、及び、位置調整部233以外の構成については、実施例1における情報取得部130と同様であり、記載を料略している。
【0048】
さらに、位置調整部として、図7に示す情報取得部330のように、透過型プローブを用いた、いわゆる透過型のパルスオキシメータを用いた脈拍・酸素飽和度計測部332を用いるようにしてもよい。なお、透過型プローブでは、赤外線投光部、及び、赤色光投光部が、検知対象を挟んで、受光部に対向して配置される。この場合、耳たぶに配置するパルスオキシメータ型の脈拍・酸素飽和度計測部232を用いるようにしてもよい。なお、図7においては、情報取得部330については、基板部137、脈拍・酸素飽和度計測部332、及び、位置調整部233以外の構成については、実施例1における情報取得部130と同様であり、記載を料略している。
【0049】
(3)被覆部110a:前述の実施例1においては、被覆部110aは不織布により形成されるとしたが、被験者の顔を被覆し、マスクとして使用できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、被覆部110aを、ウレタン、ガーゼにより形成するようにしてもよい。
【0050】
(4)通信部134:前述の実施例1においては、通信部134は、BLEを用いて他の通信機器と通信するとしたが、他の近距離用通信を用いるようにしてもよい。
【0051】
(5)基板部137:前述の実施例1においては、基板部137は、呼吸計測部131、脈拍・酸素飽和度計測部132、通信部134、制御部135、電源部136を配線により接続するようにしてもよい。
【0052】
(6)追加の計測:前述の実施例1において、さらに、被験者のいびきを計測するいびき計測部を配置するようにしてもよい。この場合、例えば、いびき音を集音するマイクや、いびきに伴い発生する振動を検知する振動センサを配置するようにしてもよい。
【0053】
さらに、呼気温度、及び/又は、体表温度を計測・通信するようにしてもよい。これにより、被験者の急な体調変化に気付くこともできる。
【0054】
(7)制御部135:前述の実施例1においては、制御部135はCPU135aを用いて、生体情報取得プログラムを実行するとしたが、生体情報取得処理を実行するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、専用のロジック回路を用いて、生体情報取得処理を実行するようにしてもよい。
【0055】
(8)情報取得部130:前述の実施例1においては、被覆部110、及び、情報取得部130によって、生体情報取得装置100を形成したが、情報取得部130のみによって、生体情報取得装置を形成する、つまり、情報取得部130をユニット化するようにしてもよい。この場合、情報取得部130の基板部137の裏面、つまり、口側とは反対側の面に、面ファスナや、複数回の剥離・貼り付けが可能な粘着物を、所定の位置に配置するようにしてもよい。これにより、一般的に使用される不織布マスク等に、取り付け、取り外しできる。
【0056】
(9)使用形態:前述の実施例1においては、被験者は、生体情報取得装置100を、直接、顔に装着していたが、所定の情報を取得できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、不織布等の一般的なマスクを装着したのち、重ねて、生体情報取得装置100を装着するようにしてもよい。これにより、生体情報取得装置100を、何回も、利用できる。なお、一般的なマスクとの重複装着により、生体情報取得装置100の脈拍・酸素飽和度計測部132等がうまく機能しない場合には、図7に示す情報取得部230を用いるようにしてもよい。
【0057】
また、複数回の利用に対応して、電源部136のボタン電池等を交換式、充電式にしてもよい。
【0058】
(10)使用用途:前述の実施例1では、生体情報取得装置100は、睡眠時無呼吸症候群の計測用としたが、その他の用途に用いるようにしてもよい。例えば、緊急入院した患者に装着し、呼吸や脈拍等の生体情報を取得する装置として使用するようにしてもよい。また、ランニング等の運動時に装着し、呼吸や脈拍等の生体情報を取得する装置として使用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係る生体情報取得装置は、例えば、被験者が睡眠時無呼吸症候群の該当性の判断に用いることができる。
【符号の説明】
【0060】
100 生体情報取得装置
110 マスク部
110a 被覆部
110b 部
130 情報取得部
131 呼吸計測部
132 脈拍・酸素飽和度計測部
132a 赤外線投光部
132b 赤色光投光部
132c 受光部132c
133 位置調整部
134 通信部
135 制御部
135a CPU
135b メモリ
135c インターフェイス
136 電源部
137 基板部
230 情報取得部
232 脈拍・酸素飽和度計測部
233 位置調整部
330 情報取得部
332 脈拍・酸素飽和度計測部
M スマートフォン
図1
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図8