(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122812
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】携帯自立型発電機
(51)【国際特許分類】
F03B 7/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
F03B7/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030582
(22)【出願日】2023-02-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月28日に、大分県立大分工業高等学校のウエブサイトにおいて、「DAIKO水車プロジェクト」として、本発明に関連する水車が公開された。 令和4年9月26日に、大分合同新聞のウエブサイトにおいて、「SDGsで考える『変えたい』こと」をテーマとしたコンテストで、「DAIKO水車プロジェクト」として取り組む、本発明に関連する水車が公開された。 令和4年10月10日に、TBSテレビのウエブサイトにおいて、「高校生SDGsコンテスト」で最優秀賞を受けた「DAIKO水車プロジェクト」に関し、本発明に関連する水車が公開された。 令和5年1月20日に、TBSテレビの午前6時台の番組中の<全国!中高生ニュース>中で、「高校生SDGsコンテスト」で最優秀賞を受けた「DAIKO水車プロジェクト」に関し、本発明に関連する水車が公開された。
(71)【出願人】
【識別番号】523073736
【氏名又は名称】山崎 隼樹
(71)【出願人】
【識別番号】523073747
【氏名又は名称】廣瀬 天
(71)【出願人】
【識別番号】523073758
【氏名又は名称】河辺 晃
(71)【出願人】
【識別番号】523073769
【氏名又は名称】二宮 晴
(71)【出願人】
【識別番号】523073770
【氏名又は名称】小野 龍ノ介
(71)【出願人】
【識別番号】523073781
【氏名又は名称】石川 凌汰
(71)【出願人】
【識別番号】523073792
【氏名又は名称】都甲 遼雅
(71)【出願人】
【識別番号】523073806
【氏名又は名称】細石 樹成
(71)【出願人】
【識別番号】523073817
【氏名又は名称】矢野 龍星
(71)【出願人】
【識別番号】523073828
【氏名又は名称】小川 心花
(74)【代理人】
【識別番号】100166073
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 秀治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 隼樹
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 天
(72)【発明者】
【氏名】河辺 晃
(72)【発明者】
【氏名】二宮 晴
(72)【発明者】
【氏名】小野 龍ノ介
(72)【発明者】
【氏名】石川 凌汰
(72)【発明者】
【氏名】都甲 遼雅
(72)【発明者】
【氏名】細石 樹成
(72)【発明者】
【氏名】矢野 龍星
(72)【発明者】
【氏名】小川 心花
【テーマコード(参考)】
3H072
【Fターム(参考)】
3H072AA12
3H072AA26
3H072BB07
3H072BB24
3H072BB40
3H072CC32
3H072CC94
(57)【要約】
【課題】河川に限らず、陸上における擁壁等から流れ出す水流等を利用しての発電を可能とする、携帯可能な水陸両用の携帯自立型発電機を提供する。
【解決手段】 フレーム1とフロート2と水車3とを備えた構成で、該フレーム1は、間隔を空けて二つの縦長部材11を配置し、これらの縦長部材11の一端側に、縦長部材11間を接続する間隔保持部材12を設けると共に、他端側に、自立機能部材13を設けることで構成され、該フロート2は、フレーム1の縦長部材11の裏面側に各々取り付けることで構成され、該水車3は、フレーム1の縦長部材11間に位置し、水流で回転可能な羽根31と、該羽根31が回転することで発電するダイナモ32と、該ダイナモ32と一体である取付軸33とを備え、該取付軸33は、羽根31のフロート2側となる最下端位置が、フロート2の最下端位置より飛び出さないように配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームとフロートと水車とを備えた構成で、
該フレームは、間隔を空けて二つの縦長部材を配置し、これらの縦長部材の一端側に、縦長部材間を接続する間隔保持部材を設けると共に、他端側に、自立機能部材を設けることで構成され、
該フロートは、フレームの縦長部材の裏面側に各々取り付けることで構成され、
該水車は、フレームの縦長部材間に位置し、水流で回転可能な羽根と、該羽根が回転することで発電するダイナモと、該ダイナモと一体である取付軸とを備えたことを特徴とする、携帯自立型発電機。
【請求項2】
前記取付軸は、羽根のフロート側となる最下端位置が、フロートの最下端位置より飛び出さないように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯自立型発電機。
【請求項3】
前記フレームに紐状部材を取り付け、背負うことを可能にした、請求項1または2に記載の携帯自立型発電機。
【請求項4】
前記フロートとして、ペットボトルを、フレームの縦長部材部材の裏面側に、キャップ部分を先端または後端側に向けて配置したことを特徴とする、請求項3に記載の携帯自立型発電機。
【請求項5】
前記水車のダイナモを、取付軸に複数取り付けることを特徴とする請求項4に記載の携帯自立型発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯自立型発電機に関し、詳細には、筏型による水車構造で水陸両用で発電可能な携帯自立型発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
小さい河川や用水路、小川等に浮かべて水の流れを利用して発電する装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。
該特許文献1に記載の装置は、水の流れる場所に浮かべて水の流れを利用して発電する小型水力発電及び充電装置10であって、羽根車11と、羽根車に連結され、羽根車の回転によって発電する発電機12と、使用状態で見て発電機を上部に備える発電機支持部13とを有し、発電機支持部は、その一部にフロート130を有し、水に浮かべた状態で発電機を水面よりも上側に位置させると共に羽根車の少なくとも一部を水の中に位置させる浮力を有しており、使用中に水の流れに抗してこれを一定の場所に位置させる係留手段170と発電機によって発生した電力を充電式電池に充電する充電手段180を更に備え、充電手段は、充電式電池をこれから着脱可能な構造を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、河川等に浮かべることで発電することができるが、陸上では使用することができない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、河川に限らず、陸上における擁壁等から流れ出す水流等を利用しての発電を可能とする、携帯可能な水陸両用の携帯自立型発電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
【0006】
第1に、
フレームとフロートと水車とを備えた構成で、
該フレームは、間隔を空けて二つの縦長部材を配置し、これらの縦長部材の一端側に、縦長部材間を接続する間隔保持部材を設けると共に、他端側に、自立機能部材を設けることで構成され、
該フロートは、フレームの縦長部材の裏面側に各々取り付けることで構成され、
該水車は、フレームの縦長部材間に位置し、水流で回転可能な羽根と、該羽根が回転することで発電するダイナモと、該ダイナモと一体である取付軸とを備えたことを特徴とする、携帯自立型発電機。
【0007】
第2に、
前記取付軸は、羽根のフロート側となる最下端位置が、フロートの最下端位置より飛び出さないように配置されていることを特徴とする、前記第1に記載の携帯自立型発電機。
【0008】
第3に、
前記フレームに紐状部材を取り付け、背負うことを可能にした、前記第1または第2に記載の携帯自立型発電機。
【0009】
第4に、
前記フロートとして、ペットボトルを、フレームの縦長部材部材の裏面側に、キャップ部分を先端または後端側に向けて配置したことを特徴とする、前記第3に記載の携帯自立型発電機。
【0010】
第5に、
前記水車のダイナモを、取付軸に複数取り付けることを特徴とする前記第4に記載の携帯自立型発電機。
【0011】
本発明におけるフレームは、本発明の携帯自立型発電機の本体の一部となるべきものであり、木材の他に、アルミや亜鉛合金性の補強部材等を採用することができる。
【0012】
本発明におけるフロートは、本発明の携帯自立型発電機を水に浮かぶことができるものであれば良く、キャップを閉めて内部に空気を満たしたペットボトルや、発砲スチロール等を採用することができる。
【0013】
本発明における水車は、フレームの自立機能部材を閉じた状態で筏型とし、河川等の水の流れがある箇所に浮かべることで、羽根が回転してダイナモによって発電するためのものであり、羽根としては、竹を縦に割って適当な長さで切ったもので構成する他に、プラスチック、アルミ等の素材で構成することもできる。
【0014】
本発明におけるフレームの自立機能部材は、陸上において、例えば蝶番によって縦長部材に取り付けた脚部材を開くことで、本発明の携帯自立型発電機を自立状態にし、降雨時に擁壁等から流れ出る雨水を利用して発電可能とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0016】
フレームに自立機能部材を設けているので、河川に限らず、陸上における擁壁等から流れ出す水流等を利用しての発電が可能となる。
フレームに紐状部材を取り付け、背負うことを可能にしたものは、背負った状態でも羽根のフロート側となる最下端位置が、フロートの最下端位置より飛び出さないように配置されており、羽根が背中に当たらないので、携帯が可能であり、必要な場所に移動して発電が可能となる。
空のペットボトルを、キャップ部分を先端または後端側に向けて配置したものは、廃棄物の有効利用が可能となると共に、キャップ部分が水の流れに対して凸部となるので、余分な抵抗がかからず、水に浮かんだ状態を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の携帯自立型発電機の一実施例について、自立機能部材を閉じて筏型とした状態で、後方側から見た斜視図である。
【
図3】本発明の携帯自立型発電機の一実施例について、自立機能部材を開いた状態で、後方側から見た斜視図である。
【
図4】
図3について、自立させた状態の側面図である。
【
図5】本発明の携帯自立型発電機の他の実施例について、自立状態におけるフロート側からの写真である。
【
図6】
図5に示す携帯自立型発電機について、筏型とした際のフレーム側からの写真である。
【
図7】
図5に示す携帯自立型発電機について、背負った状態の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ここで、添付図面において同一の部材には同一符号を付しており、また重複した説明は省略されている。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【実施例0019】
本実施例1の携帯自立型発電機は、
図1から
図4に示すとおり、フレーム1とフロート2と水車3とを備えている。
【0020】
[フレーム]
フレーム1は、2本の縦長部材11、前後に取り付けた2本の間隔保持部材12、自立機能部材13とで構成されている。
縦長部材11は、長方形状で厚みのある木材によって構成されている。
縦長部材11を2本用い、間隔を空けて配置し、これらの縦長部材11の前端側上面に、1本目の間隔保持部材12が取り付けられている。
【0021】
自立機能部材13は、陸上において、蝶番131(
図2参照)によって縦長部材11に取り付けた脚部材132を開くことで、
図4に示すように、本発明の携帯自立型発電機を自立状態にし、降雨時に擁壁等から流れ出る雨水を利用して発電可能とするものである。
該自立機能部材13の脚部材132を閉じた状態は、
図1、
図2に示すように、筏型となり、河川に浮かべることで、水流を利用した発電が可能となる。
【0022】
2本の脚部材132の後端側上面には、2本目の間隔保持部材が取り付けられている。
【0023】
間隔保持部材12は、長方形断面の棒状木材であり、接着剤で接着することで縦長部材11や脚部材132に取り付けられているが、ネジ止によって取り付けることもできる。
【0024】
脚部材132の蝶番側の端面132aは、傾斜面が形成されているので、脚部材132を開いた際に、傾斜面が縦長部材11の表面に面接触することで、ストッパーの役割を果たしている(
図3、
図4参照)。
【0025】
[フロート]
該フロート2は、合計4個の空のペットボトルを用いて、2個のペットボトルのキャップ21部分を先端または後端側に向けて配置して、フレーム1の縦長部材11の裏面側に耐水性の接着剤や両面テープを用いて取り付けることで構成されている。
【0026】
[水車]
該水車3は、フレーム1の縦長部材間11に位置し、水流で回転可能な羽根31と、該羽根31が回転することで発電する2個のダイナモ32と、該ダイナモ32と一体である取付軸33とを備えている。
取付軸33は、縦長部材11の中間部の上面にL型形状の取付金具34によって、羽根31のフロート2側となる最下端位置が、フロート2の最下端位置より飛び出さないように配置されている。
【0027】
前記水車3のダイナモ32は、左右に位置する取付軸33に、各々取り付けられている。
すなわち、2個のダイナモ32が取り付けられている。
【0028】
羽根31は、円弧状で水流を効率よく受け止めるものである。
なお、羽根31の円弧状の向きは、どちらでも良く、限定されない。
図2中で、符号35は、羽根31の両側部に設けた円状の側面板である。
【0029】
次に、上記の携帯自立型発電機の作用について説明する。
【0030】
フレーム1の自立機能部材13の脚部材132を閉じた状態で筏型とし、河川等の水の流れがある箇所に浮かべ、図示は省略する紐部材を用いて係留状態とする。
係留状態では(
図2参照)、水流の影響で羽根31が回転し、2個のダイナモ32によって河川での発電が行われる。
【0031】
陸上では、脚部材132を開いて自立状態とすることで(
図4参照)、降雨時に擁壁等から流れ出る雨水により、羽根31が回転し、2個のダイナモ32によって陸上での発電が行われる。