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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122836
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】玩具部品及び模型玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/46 20060101AFI20240902BHJP
   A63H 3/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A63H3/46 Z
A63H3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135786
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2023030092の分割
【原出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 哲人
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC02
2C150CA01
2C150DC03
2C150EH07
2C150EH08
2C150EH14
2C150EH16
(57)【要約】
【課題】模型玩具の変形を維持しつつ、姿勢を変化させることを可能とする。
【解決手段】模型玩具を構成する玩具部品であって、第1の部品と、第2の部品とを備え、前記第1の部品は、第1の接続部と、前記第2の部品と結合する球状の第2の接続部とを少なくとも有し、前記第2の部品は、前記第2の接続部を収容するための貫通孔を有し、前記貫通孔の第1の開口から前記第1の接続部が突出し、前記貫通孔の第2の開口から前記第1の部品を前記第2の部品内に収容するように構成され、前記第2の接続部には第3の開口が設けられ、前記第3の開口と、前記貫通孔内の第1の突起部とが係合することにより、前記第1の部品が前記第2の部品に対して回動可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型玩具を構成する玩具部品であって、第1の部品と、第2の部品とを備え、
前記第1の部品は、第1の接続部と、前記第2の部品と結合する球状の第2の接続部とを少なくとも有し、
前記第2の部品は、前記第2の接続部を収容するための貫通孔を有し、前記貫通孔の第1の開口から前記第1の接続部が突出し、前記貫通孔の第2の開口から前記第1の部品を前記第2の部品内に収容するように構成され、
前記第2の接続部には第3の開口が設けられ、前記第3の開口と、前記貫通孔内の第1の突起部とが係合することにより、前記第1の部品が前記第2の部品に対して回動可能に構成された、玩具部品。
【請求項2】
前記第1の部品の前記第2の部品に対する回動範囲は、前記第1の開口の端部による、前記第1の接続部と前記第2の接続部とを連結する連結部の係止により規定される、請求項1に記載の玩具部品。
【請求項3】
前記第1の開口は切り欠き部を有し、前記第1の部品の前記第2の部品に対する前記回動範囲は、前記切り欠き部の端部による前記連結部の係止により更に規定される、請求項2に記載の玩具部品。
【請求項4】
前記第1の突起部は、前記第3の開口の内側面に沿った曲面を有すると共に、前記第2の開口側に傾斜面を有するように構成される、請求項1に記載の玩具部品。
【請求項5】
前記第3の開口は、前記第2の接続部において互いに反対側に位置し、かつ、対になるように形成され、
前記第1の突起部は、前記貫通孔内で向かい合い、かつ、前記第3の開口に対応して対になるように形成されている、請求項1に記載の玩具部品。
【請求項6】
前記第2の接続部は、前記第3の開口を囲むように円周状の第2の突起部の対を有し、
前記第2の部品は前記貫通孔内に、前記第1の突起部のそれぞれを挟んで対となるように配置され、かつ、前記第2の突起部を受け入れるように形成された係合部を更に有し、
前記係合部と前記第2の突起部とが係合することにより、前記回動時における第1の部品の前記第2の部品に対する位置が規制される、請求項5に記載の玩具部品。
【請求項7】
前記第2の部品は前記貫通孔内に、前記第1の接続部の前記貫通孔内への挿入深さを規定するための係止部を更に備える、請求項1に記載の玩具部品。
【請求項8】
前記第1の開口の径は、前記第2の開口の径よりも小さい、請求項1に記載の玩具部品。
【請求項9】
前記第2の部品は、球状の第3の接続部と前記第3の接続部と接続された第4の接続部とを含み、前記貫通孔は前記第3の接続部に設けられている、請求項1に記載の玩具部品。
【請求項10】
前記玩具部品は、前記模型玩具の部品と部品とを接続する関節部品である、請求項1に記載の玩具部品。
【請求項11】
前記玩具部品は、肩関節部品、又は、足首関節部品である、請求項10に記載の玩具部品。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の玩具部品を有する模型玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具部品及び模型玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人形玩具の胴体部、腕部、脚部等の各部位に関節構造を設けることが記載されている。ユーザは、このような人形玩具を所望の姿勢にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平1-138492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、模型玩具の姿勢を変化させるための模型部品及び当該模型部品を用いた模型玩具を提供することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、模型玩具を構成する玩具部品であって、第1の部品と、第2の部品とを備え、前記第1の部品は、第1の接続部と、前記第2の部品と結合する球状の第2の接続部とを少なくとも有し、前記第2の部品は、前記第2の接続部を収容するための貫通孔を有し、前記貫通孔の第1の開口から前記第1の接続部が突出し、前記貫通孔の第2の開口から前記第1の部品を前記第2の部品内に収容するように構成され、前記第2の接続部には第3の開口が設けられ、前記第3の開口と、前記貫通孔内の第1の突起部とが係合することにより、前記第1の部品が前記第2の部品に対して回動可能に構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、模型玩具の姿勢を変化させるための模型部品及び当該模型部品を用いた模型玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に対応する人形玩具の一例を示す図。
図2】実施形態1に対応する人形玩具の腕部の外観構成、断面構成、及び、玩具部品の外観構成の一例を示す図。
図3】実施形態1に対応する玩具部品の第1の部品の外観構成の一例を示す図。
図4】実施形態1に対応する玩具部品の第2の部品の外観構成の一例を示す図。
図5】実施形態1に対応する玩具部品の第1の部品と第2の部品との結合を説明するための図。
図6】実施形態1に対応する玩具部品における第1の部品の第2の部品に対する回動を説明するための図。
図7】実施形態2に対応する人形玩具の脚部及び足部の外観構成、断面構成、及び、玩具部品の外観構成の一例を示す図。
図8】実施形態2に対応する玩具部品の第1の部品の外観構成の一例を示す図。
図9】実施形態2に対応する玩具部品の第2の部品の外観構成の一例を示す図。
図10】実施形態2に対応する玩具部品の第1の部品と第2の部品との結合を説明するための図。
図11】実施形態2に対応する玩具部品における第1の部品の第2の部品に対する回動を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。また、各図において、紙面に対する上下左右方向を、本実施形態における部品(またはパーツ)の上下左右方向として、本文中の説明の際に用いることとする。
【0009】
まず、本実施形態に対応する模型玩具としての人形玩具の外観の一例を図1に示す。図1は、実施形態に係る模型玩具の一例としての人形玩具100を示す模式図である。人形玩具100は、頭部110、胸部上方部(或いは単に胸部)112、胸部下方部(或いは腹部)113、腰部114、腕部115(115a、115b)脚部116(116a、116b)、及び、足部117(117a、117b)を備える。個々の部位110~117は、隣接する部位に対して回動(或いは揺動)可能に支持される。例えば、頭部110は胸部112に対して回動可能に支持され、腹部113は腰部114に対して回動可能に支持され、脚部116は腰部114に対して回動可能に支持され、また、腕部115は胸部112に対して回動可能に支持され、足部117は脚部116に対して回動可能に支持される。
【0010】
このようにして人形玩具100の各部位には関節機構が設けられており、ユーザ(例えば、人形玩具100の所有者)は、このような人形玩具100を、例えば左右に屈曲した姿勢等、所望の姿勢にすることができる。また、本実施形態では人間型の模型玩具として人形玩具を例に説明するが、本実施形態が適用可能な模型玩具は人形玩具以外にも、4足歩行の動物や、2足歩行の動物、鳥、ロボットの他、関節機構を有し得る任意の形態の模型玩具を含めることができる。
【0011】
尚、本明細書においては、各部位の位置関係を説明するのに際して、前(前方)、後(後方)、左(左側方)、右(右側方)、上(上方)、下(下方)等と記載する場合があるが、これらの表現は各々の図面を基準とした相対的なものである。例えば、図1において、前は人形玩具100正面側に対応し、後は人形玩具100背面側に対応する。右は人形玩具100の右手側に対応し、左は人形玩具100の左手側に対応し、上は人形玩具100の頭部側に対応し、下は人形玩具100の足側に対応する。
【0012】
本明細書では、腕部115を胸部112に対して回動可能に支持するための肩関節機構を実施形態1とし、足部117を脚部116に対して回動可能に支持するための足首関節機構を実施形態2として説明する。
【0013】
[実施形態1]
実施形態1では、腕部115と胸部112とを回動可能に接続するための肩関節部品としての玩具部品の構造について説明する。
【0014】
図2は、腕部115bの一部の構成を示す図である。図2(A)は腕部115bの一部の外観の一例を示す図であり、図2(B)は図2(A)に示す腕部115bの断面構成の一例を示す図である。腕部115bは、パーツ201、パーツ202、パーツ203(それぞれ、第1の部品201、第2の部品202、第3の部品203ともいう。)を含むように構成されている。図2(C)は、パーツ201及びパーツ202の結合状態を示す図である。パーツ201は、パーツ202に対して回動可能に接続されており、パーツ201は、先端の接続用の部材201Aを介して胸部112と接続される。パーツ202は筒状の部材202Aを有しており、当該部材202Aがパーツ203に挿入されることで、パーツ202がパーツ203に接続される。
【0015】
図3は、パーツ201の構成を説明するための図である。図3(A)は、パーツ201の側面側の構成例を示し、図3(B)はパーツ201の背面側の構成例を示す。
【0016】
パーツ201は、先端側の第1の接続部201Aと、後端の第2の接続部201Bとが連結部201Cにより連結された形状を有している。図3では、第1の接続部201Aと第2の接続部201Bをそれぞれ球形の部材として示しているが、第2の接続部201Bの径は第1の接続部201Aの径よりも大きい。第1の接続部201A及び第2の接続部201Bの外形は必ずしも球状に限定されることはない。例えば、円柱状や、三角錐状等、接続に適した任意の外形とすることができる。第2の接続部201Bには開口201Dが設けられており、当該開口201Dを介してパーツ202と接続される。開口201Dは、第2の接続部201Bを貫通して貫通孔を形成しており、当該貫通孔を通る線201Fがパーツ201の回動軸を構成する。開口201Dは、凹部として形成されていてもよい。開口201Dは、第2の接続部201Bにおいて互いに反対側に位置し、かつ、対になるように形成されている。本実施形態において開口201Dのことを、後述するパーツ202の開口202Cを第1の開口とし、開口202Eを第2の開口として、第3の開口と呼ぶ。第2の接続部201Bの側面は切り落としされており面201Eが形成されている。
【0017】
次に、図4を参照して、パーツ202の構成を説明する。図4(A)は、パーツ202のパーツ201の第1の接続部201Aが突出する側の構成を示す図であり、図4(B)は、パーツ202のパーツ201が挿入される側の構成を示す図である。図4(C)は、パーツ201が挿入される側のパーツ202の開口内の構成を説明するための図である。
【0018】
パーツ202は、第3の接続部202Bが第4の接続部202Aに接続された形状を有している。図4では、第3の接続部202Bを球形の部材として示しているが、第3の接続部202Bの外形は必ずしも球状に限定されることはない。例えば、接続に適した任意の外形とすることができる。また、第4の接続部202Aを筒状の部材として示しているが、第4の接続部202Aの外形は必ずしも筒状に限定されることは無く、接続に適した任意の外形とすることができる。第3の接続部202Bは、第1の開口202Cと第2の開口202Eとをつなぐように貫通孔が形成されている。第2の開口202Eは、パーツ201の第2の接続部201Bを収容可能とする一方、第1の開口202Cは第2の接続部201Bが排出されないようにするため、第1の開口202Cの径は第2の開口202Eの径よりも小さくなっている。また、第1の開口202C側には係止部202Gが設けられており、この係止部202Gにより、パーツ202に対するパーツ201の挿入深さが規定される。
【0019】
第1の開口202Cの図4(B)の下側には端部202Ctが設けられている。この端部202Ctは、係止部202Gの頂面に位置する。当該端部202Ctは、パーツ201の回動範囲の下端側を規定するように機能し、パーツ201の連結部201Cが、端部202Ctを係止することにより、パーツ201のパーツ202に対する回動が規制される。また、第1の開口202Cの図4(A)の上側には、切り欠き202Dが設けられている。当該切り欠き202Dは、パーツ201の回動範囲を規定するように機能し、パーツ201の連結部201Cが切り欠き202Dの端部202Dtを係止することにより、パーツ201のパーツ202に対する回動が規制される。
【0020】
パーツ202の貫通孔の内側には、内側に突出したパーツ202の第2の開口202Eと、パーツ202を回動可能に係合するための突起部202Fが図4(C)における左右に設けられている。突起部202Fは、図4(B)に示すように、パーツ201の挿入を受け付ける第2の開口202Eの側に傾斜部202Faが設けられている。この傾斜部202Faを利用することで、パーツ201をパーツ202内に挿入する際の位置決めが容易となる。また、傾斜部202Faと連続するように平坦部202Fbが設けられており、主に突起部202Fの平坦部202Fbがパーツ201の第3の開口201Dと係合することで、パーツ201とパーツ202とが回動可能に接続される。平坦部202Fbは、パーツ201の第3の開口201Dの内側面に沿った円弧状の曲面を有している。
【0021】
図5は、パーツ202の第2の開口202E側からパーツ201を挿入する様子を示す図である。このとき、パーツ202の突起部202Fと、パーツ201の第3の開口201Dとが係合して、パーツ201のパーツ202内での位置が決定される。
【0022】
図6は、パーツ201がパーツ202に対して回動する様子を示す図である。パーツ201とパーツ202とは、突起部202Fの円弧状の曲面と、第3の開口201Dの内壁とが係合し、突起部202Fの円弧状の曲面に沿ってパーツ201を回動させることができる。
【0023】
図6(A)は、パーツ201の第1の接続部201Aが回動範囲の下端に位置する状態の一例を示す。このとき、パーツ201の連結部201Cは、第1の開口202Cの端部202Ctと係止されることにより、回動が規制されている。図6(B)は、パーツ201の第1の接続部201Aが回動範囲の上端に位置する状態の一例を示す。このとき、パーツ201の連結部203は、第1の開口202Cに設けられた切り欠き202Dの端部202Dtと係止されることにより、回動が規制されている。
【0024】
このように、本実施形態によれば、人形模型の肩関節部分の構造体により、腕部115を胸部112に対して回動させることが可能になる。
【0025】
[実施形態2]
実施形態2では、足部117と脚部116とを回動可能に接続するための足首関節部品としての玩具部品の構造について説明する。
【0026】
図7は、脚部116aの一部と足部117aの構成例を示す図である。図7(A)は脚部116aの一部及び足部117aの外観の一例を示す図であり、図7(B)は脚部116aの一部及び足部117aの断面構成の一例を示す図である。脚部116aは、少なくともパーツ703を含んで構成され、足部117aは、パーツ701から706を含むように構成されている。図7(C)は、足部117aを構成するパーツのうち、パーツ701及びパーツ702の結合状態を示す図である(それぞれ、第1の部品701、第2の部品702ともいう。)。パーツ701は、パーツ702に対して回動可能に接続されており、パーツ701は、先端の接続用の部材701Aを介して、足部117aにおける足の甲を構成するパーツ704と、足裏を構成するパーツ705と回動可能に接続される。また、パーツ702は筒状の部材702Aを有しており、当該部材702Aがパーツ703に挿入されることで、パーツ702がパーツ703に接続される。
【0027】
図8は、パーツ701の構成を説明するための図である。図8(A)は、パーツ701の側面側の構成例を示し、図8(B)はパーツ701の背面側の構成例を示す。
【0028】
パーツ701は、先端の第1の接続部701Aと、後端の第2の接続部701Bとが連結部701Cにより連結された形状を有している。図7では、第1の接続部701Aと第2の接続部701Bをそれぞれ球形の部材として示しているが、第2の接続部701Bの径は第1の接続部701Aの径よりも大きい。第1の接続部701A及び第2の接続部701Bの外形は必ずしも球状に限定されることはない。例えば、円柱状や、三角錐状等、接続に適した任意の外形とすることができる。第2の接続部701Bには開口701Dが設けられており、当該開口701Dを介してパーツ702と接続される。開口701Dは、第2の接続部701Bを貫通して貫通孔を形成しており、当該貫通孔を通る線701Fがパーツ701の回動軸を構成する。開口701Dは、凹部として形成されていてもよい。開口701Dは、第2の接続部701Bにおいて互いに反対側に位置し、かつ、対になるように形成されている。本実施形態において開口701Dのことを、後述するパーツ702の開口702Cを第1の開口とし、開口702Eを第2の開口として、第3の開口と呼ぶ。
【0029】
第2の接続部701Bの側面は切り落とされており面701Eが形成されている。面701Eは、第2の接続部701Bの球状輪郭から突出して形成されており、パーツ701がパーツ702に挿入される際の位置決めにも利用される。
【0030】
次に、図9を参照して、パーツ702の構成を説明する。図9(A)は、パーツ702のパーツ701の第1の接続部701Aが突出する側の構成を示す図であり、図9(B)は、パーツ702のパーツ701が挿入される側の構成を示す図である。図9(C)は、パーツ701が挿入される側のパーツ702の開口内の構成を説明するための図である。
【0031】
パーツ702は、第3の接続部702Bが第4の接続部702Aに接続された形状を有している。図9では、第3の接続部702Bを球形の部材として示しているが、第3の接続部702Bの外形は必ずしも球状に限定されることはない。例えば、接続に適した任意の外形とすることができる。また、第4の接続部702Aを筒状の部材として示しているが、第4の接続部702Aの外形は必ずしも筒状に限定されることはない。例えば、接続に適した任意の外形とすることができる。第3の接続部702Bには、第1の開口702Cと第2の開口702Eとをつなぐように貫通孔が形成されている。第2の開口702Eは、パーツ701の第2の接続部701Bを収容可能とする一方、第1の開口702Cは第2の接続部701Bが排出されないようにするため、第1の開口702Cの径は第2の開口702Eの径よりも小さくなっている。また、第2の接続部701Bが第1の開口702C側から排出されないようにするため、パーツ702の内側には、係止部702Guと702Gbが設けられている。この係止部702Gにより、パーツ702に対するパーツ701の挿入深さが規定される。
【0032】
第1の開口702Cの図9(B)の下側には端部702Ctbが設けられている。当該端部702Ctbは、パーツ701の回動範囲の下端側を規定するように機能し、パーツ701の連結部701Cが端部702Ctbを係止することにより、パーツ701のパーツ702に対する回動が規制される。また、第1の開口702Cの図9(A)の上側には、端部702Ctuが設けられている。当該端部702Ctuは、パーツ701の回動範囲を規定するように機能し、パーツ701の連結部701Cが端部702Ctuを係止することにより、パーツ701のパーツ702に対する回動が規制される。
【0033】
パーツ702の貫通孔の内側には、内側に突出したパーツ701の第3の開口701Dと、パーツ702を回動可能に係合するための突起部702Fが図9(C)における左右に設けられている。突起部702Fは、図9(B)に示すように、パーツ701の挿入を受け付ける側に傾斜部702Faが設けられている。この傾斜部702Faを利用することで、パーツ701をパーツ702内に挿入して装着することが容易となる。また、傾斜部702Faと連続するように平坦部702Fbが設けられており、主に突起部702Fの平坦部702Fbがパーツ701の第3の開口701Dと係合することで、パーツ701とパーツ702とが回動可能に接続される。平坦部702Fbは、パーツ701の第3の開口701Dの内側面に沿った円弧状の曲面を有している。
【0034】
図9(C)に示すように、第2の開口702Eの内側には四か所に係合部702Dが設けられている。係合部702Dは、突起部702Fの上下に対となる形で設けられている。係合部702Dは、図8(B)に示したパーツ701の面701Eの側面の上下にある端部と係合して、パーツ701をパーツ702に挿入する際の位置決めに利用される。また、面701Eの第2の接続部701Bからの突出部分はリング状(円形)となっており、突出部分の側面を利用して係合部702Dの上で回転することができる。これにより、パーツ701の第3の開口701Dと、パーツ702の突起部702Fとが係合して回動する際の、回動軸がぶれないように補助することができる。
【0035】
図10は、パーツ702の第2の開口702E側からパーツ701を挿入する様子を示す図である。このとき、パーツ702の突起部702Fと、パーツ701の第3の開口701Dとが係合して、パーツ701のパーツ702内での位置が決定される。また、面701Eの上側と下側の端部が、それぞれ係合部702Dと係合することにより、挿入方向が決定されると共に、パーツ701の回動時に係合部702Dにより規制されることにより、回動軸のぶれを抑えることができる。
【0036】
図11は、パーツ701がパーツ702に対して回動する様子を示す図である。パーツ701とパーツ702とは、突起部702Fの円弧状の側面と、第3の開口701Dの内壁とが係合し、突起部702Fの円弧状の側面に沿ってパーツ701を回動させることができる。その際、パーツ702の面702Eの突出部分の側面と、係合部702Dとが接触し、パーツ701の位置が規制される。パーツ701は、図中の上側と下側の係合部702Dの間に配置され、その位置からずれることが無い。
【0037】
図11(A)は、パーツ701の第1の接続部701Aが回動範囲の下端に位置する状態の一例を示す。このとき、パーツ701の連結部701Cは、第1の開口702Cの下側の端部702Ctbと係止することにより、回動が規制されている。図11(B)は、パーツ701の第1の接続部701Aが回動範囲の上端に位置する状態の一例を示す。このとき、パーツ701の連結部701Cは、第1の開口702Cの上側の端部702Ctuと係止することにより、回動が規制されている。
【0038】
このように、本実施形態によれば、人形模型の足首部分の構造体により、足部117を脚部116に対して回動させることが可能になる。以上の実施形態では、主に肩関節機構と足首関節機構について説明したが、実施形態1及び実施形態2として説明した玩具部品は、例えば股関節等の他の関節機構として利用することもできる。また上記実施形態では、人を模した模型玩具の形態を説明したが、これに限られることはなく様々な形態の模型玩具に適用することができる。
【0039】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の玩具部品及び模型玩具を少なくとも開示する。
(項目1) 模型玩具を構成する玩具部品であって、第1の部品と、第2の部品とを備え、
前記第1の部品は、第1の接続部と、前記第2の部品と結合する球状の第2の接続部とを少なくとも有し、
前記第2の部品は、前記第2の接続部を収容するための貫通孔を有し、前記貫通孔の第1の開口から前記第1の接続部が突出し、前記貫通孔の第2の開口から前記第1の部品を前記第2の部品内に収容するように構成され、
前記第2の接続部には第3の開口が設けられ、前記第3の開口と、前記貫通孔内の第1の突起部とが係合することにより、前記第1の部品が前記第2の部品に対して回動可能に構成された、玩具部品。
(項目2) 前記第1の部品の前記第2の部品に対する回動範囲は、前記第1の開口の端部による前記第1の接続部と前記第2の接続部とを連結する連結部の係止により規定される、項目1に記載の玩具部品。
(項目3) 前記第1の開口は切り欠き部を有し、前記第1の部品の前記第2の部品に対する前記回動範囲は、前記切り欠き部の端部による前記連結部の係止により更に規定される、項目2に記載の玩具部品。
(項目4) 前記第1の突起部は、前記第3の開口の内側面に沿った曲面を有すると共に、前記第2の開口側に傾斜面を有するように構成される、項目1から3のいずれか1項目に記載の玩具部品。
(項目5) 前記第3の開口は、前記第2の接続部において互いに反対側に位置し、かつ、対になるように形成され、
前記第1の突起部は、前記貫通孔内で向かい合い、かつ、前記第3の開口に対応して対になるように形成されている、項目1から4のいずれか1項目に記載の玩具部品。
(項目6) 前記第2の接続部は、前記第3の開口を囲むように円周状の第2の突起部の対を有し、
前記第2の部品は前記貫通孔内に、前記第1の突起部のそれぞれを挟んで対となるように配置され、かつ、前記第2の突起部を受け入れるように形成された係合部を更に有し、
前記係合部と前記第2の突起部とが係合することにより、前記回動時における第1の部品の前記第2の部品に対する位置が規制される、項目5に記載の玩具部品。
(項目7) 前記第2の部品は前記貫通孔内に、前記第1の接続部の前記貫通孔内への挿入深さを規定するための係止部を更に備える、項目1から6のいずれか1項目に記載の玩具部品。
(項目8) 前記第1の開口の径は、前記第2の開口の径よりも小さい、項目1から7のいずれか1項目に記載の玩具部品。
(項目9) 前記第2の部品は、球状の第3の接続部と前記第3の接続部と接続された第4の接続部とを含み、前記貫通孔は前記第3の接続部に設けられている、項目1から8のいずれか1項目に記載の玩具部品。
(項目10) 前記玩具部品は、前記模型玩具の部品と部品とを接続する関節部品である、項目1から9のいずれか1項目に記載の玩具部品。
(項目11) 前記玩具部品は、肩関節部品、又は、足首関節部品である、項目10に記載の玩具部品。
(項目12) 項目1から11のいずれか1項に記載の玩具部品を有する模型玩具。
【0040】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11