(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122852
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】手持ち式皮膚治療装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/20 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A61B18/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023194451
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】18/115,078
(32)【優先日】2023-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】302070822
【氏名又は名称】アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】チョン ソハ
(72)【発明者】
【氏名】チュ チェヒョン
【テーマコード(参考)】
4C026
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB10
4C026HH02
4C026HH22
(57)【要約】
【課題】改良した皮膚治療装置の提供。
【解決手段】ハイドラ皮膚剥離モードとマッサージモードで選択的に動作するように構成された皮膚治療装置。皮膚治療装置は、作動端と、作動端に選択的に取り付けることができる複数の交換可能作動アタッチメントとを備える。作動アタッチメントは、少なくとも1つのハイドラ皮膚剥離先端と少なくとも1つのマッサージヘッドを備える。本装置は、液体を供給キャニスタから作動アタッチメントへ及び作動アタッチメントから廃棄物容器へ移動させるための液体供給システムを備える。このハイドラ皮膚剥離先端は、液体を皮膚の標的領域に供給するための供給開口部と、液体を標的領域から廃棄物容器に戻すための戻し開口部とを備える。本装置は、赤色光治療を標的領域に供給するための赤色光治療システムを有しうる。赤色光治療システムは、設置された作動アタッチメントを通して赤色光を発光するように配置された複数の赤色LEDを有しうる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚治療装置において、
前記皮膚治療装置は、
作動アタッチメントを取り外し可能に受け入れるように構成された取付部を有する作動端を有する本体と、
前記本体に取り外し可能に固着された供給キャニスタであって、液体を保持するように構成されたリザーバを有する、供給キャニスタと、
前記本体に固着された廃棄物容器であって、前記廃棄物容器を選択的に開閉するためのプラグを有する、廃棄物容器と、
前記供給キャニスタから作動アタッチメントへ液体を移動させるため及び前記作動アタッチメントから前記廃棄物容器へと液体を移動させるための液体供給システムと、
複数の交換可能作動アタッチメントであって、前記複数の交換可能作動アタッチメントの各々が、前記本体の前記作動端に選択的に取り付けるように構成されており、複数の互換性作動アタッチメントは、少なくとも1つのハイドラ皮膚剥離先端と少なくとも1つのマッサージヘッドとを備え、前記少なくとも1つのハイドラ皮膚剥離先端は、前記液体が標的表面へと供給される供給開口部と、前記液体が標的表面から前記廃棄物容器へと移動される戻し開口部とを有する、複数の互換性作動アタッチメントとを備える、液体供給システムとを備える、皮膚治療装置。
【請求項2】
前記皮膚治療装置は赤色光治療システムを更に備え、前記赤色光治療システムは、赤色光を生成するための1つ又は複数の赤色光源を有し、前記1つ又は複数の赤色光源は、前記本体の前記作動端を向いて配置されかつ前記本体に取り付けられた作動アタッチメント上に赤色光を発光するように構成されており、前記少なくとも1つのマッサージヘッドは、前記1つ又は複数の赤色光源によって発光された前記赤色光が標的表面に到達することを可能にするように半透明又は透明である、請求項1に記載の皮膚治療装置。
【請求項3】
前記1つ又は複数の赤色光源は、前記取付部に隣接して配置された4つの赤色LEDを有する、請求項2に記載の皮膚治療装置。
【請求項4】
前記赤色光治療システムは、前記1つ又は複数の赤色光源と前記作動アタッチメントとの間に配置された拡散シートを備え、前記拡散シートは、前記作動アタッチメントに到達する前記赤色光を拡散させる、請求項2に記載の皮膚治療装置。
【請求項5】
前記本体は、ハウジングと、前記ハウジングから突出する構造的シールとを備え、前記供給キャニスタは口部を備え、前記口部は、前記突出する構造的シールにわたって取り外し可能に嵌合させられ、前記構造的シールは、前記供給キャニスタとの漏出止めシールを提供する、請求項1に記載の皮膚治療装置。
【請求項6】
前記皮膚治療装置は、前記皮膚治療装置をハイドラ皮膚剥離モード及びマッサージモードで作動させるように構成された制御システムを更に備え、前記制御システムは、前記ハイドラ皮膚剥離モードで作動するときに前記液体供給システムを起動させるように構成されており、前記制御システムは、方位センサを有し、かつ、前記皮膚治療装置が許容可能な配向範囲から外れるときに前記液体供給システムを停止させるように構成されている、請求項1に記載の皮膚治療装置。
【請求項7】
前記制御システムが廃棄物容器液体レベルセンサを更に備え、前記制御システムは、前記廃棄物容器液体レベルセンサの機能として前記液体供給システムを停止させるように構成されている、請求項6に記載の皮膚治療装置。
【請求項8】
前記取付部が、供給貫通孔及び戻し貫通孔を有する取付用ステムを備える、請求項7に記載の皮膚治療装置。
【請求項9】
前記取付部が非対称特徴を有し、前記少なくとも1つのハイドラ皮膚剥離先端が非対称特徴を有し、前記取付部の前記非対称特徴と前記少なくとも1つのハイドラ皮膚剥離先端の前記非対称特徴が、前記取付部と前記少なくとも1つのハイドラ皮膚剥離先端との間に適切な位置合わせを提供するように係合するように構成されている、請求項8に記載の皮膚治療装置。
【請求項10】
前記液体供給システムが、前記廃棄物容器と連通しているポンプを備え、前記ポンプが、前記廃棄物容器内に部分的な真空を選択的に引き込むように構成されている、請求項9に記載の皮膚治療装置。
【請求項11】
皮膚治療装置において、
前記皮膚治療装置は、
作動端を有するハウジングを有する本体であって、前記作動端は、作動アタッチメントを受け入れるように構成された取付部を有する、本体と、
前記取付部に取り外し可能に取り付けられたハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントと、
標的領域への前記ハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントを介して供給される供給液を収容するように構成された内部を有する供給キャニスタであって、前記前記本体に取り外し可能に取り付けられている供給キャニスタと、
ハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントを介して標的領域から戻される廃液を収容するように構成された内部を有する廃棄物容器であって、前記廃棄物容器は、前記本体に固着され、前記廃棄物容器の内部から廃液を空にするために選択的に取り外し可能である、取り外し可能なプラグを有する廃棄物容器と、
ポンプ及び複数の流れ管路を有する液体供給システムであって、前記複数の流れ管路は、前記ポンプと前記廃棄物容器の前記内部を接続する真空管路と、前記廃棄物容器の内部と前記ハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントを接続する戻し管路と、前記ハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントと前記供給キャニスタの前記内部を接続する供給管路とを備える、液体供給システムとを備える、皮膚治療装置。
【請求項12】
前記皮膚治療装置はマッサージ作動アタッチメントを更に備え、前記マッサージ作動アタッチメントは、前記ハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントの代わりに前記取付部に交換可能に取り付けられるように構成されている、請求項11に記載の皮膚治療装置。
【請求項13】
前記皮膚治療装置は赤色光治療システムを更に備え、前記赤色光治療システムは、前記皮膚治療装置の前記作動端に隣接して配置された少なくとも1つの赤色光源を有し、前記マッサージ作動アタッチメントは透明又は半透明であり、前記少なくとも1つの赤色光源によって発光された赤色光は、前記マッサージ作動アタッチメントを通過して標的領域に達し、前記皮膚治療装置は、前記マッサージ作動アタッチメントによってマッサージされている標的領域に赤色光治療を提供することができる、請求項12に記載の皮膚治療装置。
【請求項14】
前記取付部が供給通路と戻し通路を有する取付用ステムを有し、前記供給管路が前記供給通路に操作自在に接続されており、前記戻し管路が前記戻し通路に操作自在に接続されている、請求項13に記載の皮膚治療装置。
【請求項15】
前記赤色光治療システムは、前記取付用ステムに隣接して配置されたプリント回路基板と、前記プリント回路基板上に配置された複数の赤色LEDとを有している、請求項14に記載の皮膚治療装置。
【請求項16】
前記赤色光治療システムが、前記赤色LEDによって発光された赤色光を拡散させるために前記赤色LEDにわたって配置された拡散シートを備える、請求項15に記載の皮膚治療装置。
【請求項17】
前記本体は、ハウジングと、前記ハウジングから突出する一対の構造的シールとを有し、前記供給キャニスタは口部を有し、前記供給キャニスタの前記口部は、前記突出する一対の構造的シールの内の第1構造的シールにわたって取り外し可能に嵌合させられ、前記第1構造的シールは、前記供給キャニスタとの漏出止めシールを提供し、前記廃棄物容器は口部を備え、前記廃棄物容器の前記口部は、前記突出する構造的シールの内の第2構造的シールにわたって嵌合させられ、前記第2構造的シールは、前記廃棄物容器との漏出止めシールを提供する、請求項11に記載の皮膚治療装置。
【請求項18】
前記皮膚治療装置は、前記皮膚治療装置をハイドラ皮膚剥離モード又はマッサージモードで交互に作動させるように構成された制御システムを更に備え、前記制御システムは、前記ハイドラ皮膚剥離モードで作動するときに前記液体供給システムを起動させるように構成されており、前記制御システムは方位センサを有し、前記制御システムは、前記皮膚治療装置が許容可能な配向範囲から外れるときに前記液体供給システムを停止させるように構成されている、請求項11に記載の皮膚治療装置。
【請求項19】
前記制御システムは廃棄物容器液体レベルセンサを更に備え、前記制御システムは、前記廃棄物容器液体レベルセンサの機能として前記液体供給システムを停止させるように構成されている、請求項18に記載の皮膚治療装置。
【請求項20】
前記取付部が非対称特徴を有し、前記ハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントが非対称特徴を有し、前記取付部の非対称特徴及び前記ハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントの非対称特徴が、前記取付部と前記ハイドラ皮膚剥離作動アタッチメントとの間に適切な位置合わせを提供するように係合するように構成されている、請求項11に記載の皮膚治療装置。
【請求項21】
皮膚治療装置を使用する方法において、
前記方法は、
取付部を有する本体と、前記取付部に交換可能に取り付けられうる複数の作動アタッチメントとを有する皮膚治療装置を提供することであって、前記複数の作動アタッチメントは、少なくとも1つのハイドラ皮膚剥離先端及び少なくとも1つのマッサージヘッドを備え、液体供給システム及び赤色光治療システムを備える、皮膚治療装置を提供することと、
ハイドラ皮膚剥離先端を前記取付部に取り付けることと、
皮膚のある領域に供給される供給液を備える供給キャニスタを提供することと、
前記供給キャニスタから前記ハイドラ皮膚剥離先端を介して皮膚のある領域へ及び前記ハイドラ皮膚剥離先端を介して皮膚の前記ある領域から廃棄物容器へ、前記供給液を移動させる液体供給システムにより、前記皮膚治療装置をハイドラ皮膚剥離モードで作動させて皮膚の前記ある領域でハイドラ皮膚剥離を行うことと、
前記ハイドラ皮膚剥離先端を前記取付部から取り外すことと、
マッサージヘッドを前記取付部に取り付けることと、
前記マッサージヘッドを皮膚のある領域に移動させることによって前記皮膚のある領域でマッサージを行う一方で、前記マッサージヘッドを通って前記皮膚のある領域まで赤色光を生成するように赤色光治療システムを動作させることとを備える、皮膚治療装置を使用する方法。
【請求項22】
前記方法は、前記廃棄物容器が前記本体に取り付けられたままである間に前記廃棄物容器から取り外し可能なプラグを取り外すことによって、前記廃棄物容器を空にするステップを更に備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記皮膚治療装置は、方位センサを備えた制御システムを備え、
前記方法は、前記制御システムが前記方位センサに基づいて前記皮膚治療装置が予め定めた配向範囲外であると判断するときに前記液体供給システムを選択的に停止するステップを更に備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記皮膚治療装置が廃棄物容器レベルセンサを備え
前記方法は、前記前記制御システムが前記廃棄物容器レベルセンサに基づいて前記廃棄物容器が満杯であると判断するときに前記液体供給システムを選択的に停止するステップを更に備える、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を治療するための装置に関し、より詳細には、ハイドラ皮膚剥離、マッサージ及び赤色光治療を行う装置に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚リサーフェシングや若返りの処置などの皮膚治療の需要が高まっている。この需要の結果として、これらの治療を実施するために種々の技術が開発されてきた。例えば、マイクロ皮膚剥離は、比較的に積極的な研磨処置により皮膚を治療するためのますます普及した方法となっている。より具体的には、マイクロ皮膚剥離は、一般に、皮膚の表面に微結晶を噴霧し、光沢のない表面レベルの皮膚細胞を剥離させる処理を含む。典型的なマイクロ皮膚剥離治療装置は、適切に手術されないと害を引き起こす可能性があり、その結果、主に、臨床症状において熟練した臨床医によって手術される。
【0003】
マイクロ皮膚剥離の一般的な積極的性質を考えると、皮膚の剥離と清掃を補助する他の技術が開発されている。例えば、マイクロ皮膚剥離の1つの代替法は、ハイドラ皮膚剥離(hydradermabrasion)(又はハイドロ皮膚剥離(hydrodermabrasion))である。ハイドラ皮膚剥離は、積極的な微結晶の噴霧ではなく、皮膚への液体の噴流の印加を伴う点でマイクロ皮膚剥離とは異なる。水、生理食塩水又は他の液体などの液体の噴流を皮膚に対して噴霧し、皮膚の外面を機械的に剥離させ又は剥がしたりする。死んだ皮膚細胞及びその他の破片は、廃液と共に皮膚から運び去られる。多くのハイドラ皮膚剥離装置は臨床症状での使用のために設計されているが、家庭での使用を目的とした多数の市販の皮膚治療装置がある。例えば、皮膚から死んだ皮膚細胞及び他の破片を液体が機械的に除去するのに十分な力で、液体の噴流を皮膚の表面に対して導くことができ、同時に、廃液及び死んだ皮膚細胞及び処理中に生成された他の破片を引き出す真空を印加する、多くの既存の装置が市販されている。従来の家庭用装置によって、消費者が皮膚を剥離し、洗浄し、潜在的に水和させることができる。一般的な家庭用機器は、主に顔面や首での使用を目的として設計されているが、皮膚の他の領域での使用にも適している。市販されている家庭用ハイドラ皮膚剥離装置は、臨床医を必要とせずに消費者が家庭環境でハイドラ皮膚剥離の利点を得ることができ、それによって皮膚治療がより便利でより手頃なものになっているという点で、臨床システムに対する改良を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
家庭用に適したハイドラ皮膚剥離装置が市販されているが、家庭用皮膚治療装置の分野、より具体的には、ハイドラ皮膚剥離を提供する家庭用に適した装置に改良の余地が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、死んだ皮膚細胞及び破片を除去するために皮膚剥離を提供するハイドラ皮膚剥離モードと、赤色光が存在する場合に顔面マッサージを提供するマッサージモードで作動する、家庭内使用に適した皮膚治療装置を提供する。本装置は、ハイドラ皮膚剥離モード又はマッサージモードで使用される複数の交換可能な先端又はヘッドを有する。例えば、一実施形態では、本装置には、2つの異なるハイドラ皮膚剥離先端及び1つのマッサージヘッドが設けられている。2つの異なるハイドラ皮膚剥離先端は、顔面の異なる領域を治療するために、異なるように構成することができる。一実施形態では、第1の先端は、より小さなオリフィスを有し、鼻部分などの小さな隙間の治療に使用されることが意図され、一方、第2の先端は、より大きなオリフィスを有し、額、頬及び顎などの大きな面積の治療に使用されることが意図されている。一実施形態では、マッサージヘッドはオリフィスを有さず、流体の噴流又は真空を提供するために使用されず、代わりに、マッサージヘッドは、局所的な皮膚治療を伴った又は伴わないハイドラ皮膚剥離の後に皮膚をマッサージするために使用される。一実施形態では、先端及びヘッドは、シリコーンゴム又は同様の柔軟性及び弾力性特徴を有する他の材料で製造される。
【0006】
一実施形態では、本装置は、本体と、供給キャニスタと、廃棄物容器と、複数の交換可能な先端又はヘッドとを有する。一実施形態では、本体は、手術者の入力に主に応答して装置の動作を制御する制御装置を収容するハウジングと、適切な時に装置を通して液体を移動させるポンプと、制御装置及びポンプを有するシステムに電力を供給する電池とを有する。
【0007】
一実施形態では、本装置は、様々な代替先端及びヘッドの内の任意の1つを取り外し可能に受け入れるように構成されたヘッドを有している。例えば、本体は、先端又はヘッドが取り外し可能に取り付けられるシートを形成するヘッドを有しうる。一実施形態では、シートは取付用ステムを有し、各先端及びヘッドは、使用者によって意図的に取り外されるまで、先端又はヘッドを装置上に確実に保持するのに十分な摩擦係合で、取付用ステム上にしっかりと嵌合するように構成されうる。これに加えて又はこれに代えて、シートは、先端又はヘッドの基部を所望のレベルの摩擦係合で緊密に受け入れるように構成された凹部を形成する。
【0008】
一実施形態では、取付用ステムは、供給ポート及び戻しポートを有している。供給ポートは、供給キャニスタと流体連通し、供給キャニスタから取付用ステム上に取り付けられた先端までの流路の一部を提供する。同様に、戻しポートは、廃棄物容器と流体連通し、取り付けられた先端から廃棄物容器への流路の一部を提供する。交換可能な先端は、供給ポート及び戻しポートと相互運用できるように構成されている。より具体的には、各先端は、供給ポートと流体連通する供給通路と、戻しポートと流体連通する戻し通路とを形成しうる。
【0009】
一実施形態では、各先端は、治療すべき皮膚の表面と係合するように構成された吸引ヘッドを有する。一実施形態では、吸込ヘッドは、内部凹部を形成する周方向壁を有する。装置は、供給キャニスタから吸引ヘッドへの供給流路と、吸引ヘッドから廃棄物容器への廃棄物流路とを有する。動作時において、液体が供給キャニスタから吸引ヘッドに移動され、死んだ皮膚細胞及び他の破片を除去するのに十分な力で皮膚の表面に液体が噴出し、液体は、吸引ヘッドから、死んだ皮膚細胞及び他の破片を運び去る廃棄物容器に引き出される。
【0010】
一実施形態では、ポンプによって、廃棄物容器内で部分的な真空を引き込み、吸引ヘッドから空気/液体及び破片を廃棄物容器に引き出す。吸引ヘッドが皮膚と係合していないとき、凹部(及びひいては廃棄物流路)は環境に対して開放され、その結果、吸引によって環境から空気を引き込み、液体は供給キャニスタから引き込まれない。しかしながら、吸引ヘッドの作動面が使用者の皮膚(例えば顔面)との係合によって閉鎖されると、廃棄物容器からの吸引によって、液体を供給キャニスタから吸引ヘッドに引き込む。液体を吸引ヘッドに吸引し、液体が死んだ皮膚細胞や他の破片を皮膚から機械的に除去するのに十分な力で液体を皮膚に噴出する。
【0011】
一実施形態では、装置は、複数の異なる吸引レベルで動作することができる。吸引レベルが異なると、液体が異なるレベルの力で皮膚に衝突する。例えば、装置の吸引レベルを上げてハイドラ皮膚剥離の積極性を高めたり、装置の吸引レベルを下げてハイドラ皮膚剥離の積極性を下げることができる。一実施形態では、本装置は、複数の異なる吸引レベル(又は真空レベル)を提供するようにポンプを作動させることができる制御装置を有する。一実施形態では、制御装置は、必要に応じて、用途ごとに異なりうる、3つの異なる吸引レベルで作動することができる。
【0012】
一実施形態では、供給キャニスタは、本体から取り外し可能である。供給キャニスタは、皮膚に印加される液体で満たされうる。例えば、供給キャニスタは、水又は本質的にいかなる局所液体でも充填することができる。一実施形態では、供給キャニスタは、再利用可能であり、適宜、使用者によって補充される。必要に応じて、供給キャニスタは、使用後にリサイクルされるか又は廃棄される単回使用キャニスタとすることができる。例えば、水ではなく局所液体を用いてハイドラ皮膚剥離を行うことが望ましい場合には、局所液体を供給キャニスタ内で獲得することができる。
【0013】
一実施形態では、供給キャニスタは、摩擦嵌合を使用して本体に取り外し可能に嵌合させられる。例えば、供給キャニスタの口部は、本体から延びる構造的シールにわたってしっかりと嵌合させることができる。より具体的には、キャニスタの口部は、供給キャニスタ取付シールと緊密にインターフェイスするように構成することができる。
供給キャニスタは、設置されるときに、装置の別の部分と密接にインターフェイスするように構成することができる。例えば、供給キャニスタは、適切に設置されると、廃棄物容器とインターフェイスすることができる。このインターフェイスは、供給キャニスタ及び廃棄物容器の隣り合う位置決めと同じくらい簡単とし得るか、又は、供給キャニスタの少なくとも一部が廃棄物容器の少なくとも一部と相互嵌合するように整形されたようにより複雑とし得る。
【0014】
一実施形態では、本装置は、供給キャニスタから先端を通って廃棄物容器内へ流体を移動させるために使用される部分的な真空を提供する電池作動ポンプを有する。一実施形態において、電池は、例えば容量650mAの再充電可能なリチウムイオン電池である。
【0015】
一実施形態では、制御装置は、装置の向きを決定しかつ装置が動作に適切な角度にないときにポンプの動作を防止するように構成された、センサを有する。例えば、図示の実施形態では、ポンプは、廃棄物容器内のヘッドスペースから空気を引き出すことによって、廃棄物容器内に部分的な真空を作り出す。動作中に装置を反転させると、ポンプ入口が廃液中に水没し、ポンプが空気ではなく廃棄物容器から廃液を抜き取るようになる。これにより、装置の適切な動作を妨げ、装置からの廃液の望ましくない排出につながる可能性がある。
【0016】
一実施形態では、制御装置は、廃棄物容器内の水位を決定するように構成された液体レベルセンサを有する。例えば、一実施形態では、制御装置は、廃棄物容器内の液体レベルを決定して廃棄物容器が満杯になったときにポンプの動作を防止するために、廃棄物容器の上部に配置されたセンサを有する。これにより、装置の適切な動作を妨げることになりかつ装置からの廃液の望ましくない排出につながる可能性がある、ポンプが廃棄物容器から廃液を抜き取るのを防止するのに役立つ。
【0017】
一実施形態では、本装置は、例えば、赤色LED治療を提供するためのマッサージモード中において、必要に応じて点灯することができる赤色LEDを有する。
【0018】
現在の実施形態は、効果的かつ信頼性があり、かつ、ハイドラ皮膚剥離及びマッサージ療法の両方に使用することができる家庭内装置を提供する。この装置には、皮膚の異なる領域での、また異なる用途のための、より効果的な使用を容易にする、複数の交換可能な先端を設けることができる。更に、本装置には、マッサージ療法に使用できる1つ又は複数の交換可能なヘッドを設けることができる。一体型廃棄物容器は、容易に空にされる一方で、容易に失われないように本体に固着されたままである、廃棄物のための収納スペースを提供する。廃棄物容器は、閉鎖を容易にするために廃棄物容器の下面から容易に取り外される柔軟性かつ弾性のプラグによって閉鎖することができる。また、プラグは、供給キャニスタの下面に嵌合させられ、プラグが廃棄物容器から取り外されたときに、プラグが、供給キャニスタへの接続のおかげで装置に取り付けられたままとなる、リビングヒンジを有することができる。これにより、紛失する可能性のある部品の緩みの回避に役立つ。装置は、不適切な動作をもたらす可能性がある角度に装置がある場合にポンプの動作を妨げる角度センサを有しうる。また、装置は、供給キャニスタが空であるときにポンプの動作を防止するために、液体レベルセンサを有しうる。
【0019】
本発明のこれら及び他の物、利点、及び特徴は、現在の実施形態の説明及び図面を参照することによって、より完全に理解されかつ認識されるであろう。
【0020】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、動作の詳細に限定されるものではなく、又は以下の説明に記載されるか又は図面に図示される構成要素の構造及び配置の詳細にも限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の各種実施形態で実施することができ、また、ここに明確には開示されていない代替の方法で実施されうる。また、本明細書で使用される語句及び用語は、説明の目的のためのものであり、限定的なものと見なされるべきではないことを理解されたい。「有する(including)」及び「備える(comprising)」の使用及びその変形は、その後に列挙された項目及びその均等物、並びに追加の項目及びその均等物を包含することを意味する。更に、列挙は、様々な実施形態の説明において使用されうる。特に明記しない限り、列挙の使用は、発明を任意の特定の順序又は数の構成要素に限定するものと解釈すべきではない。列挙の使用は、本発明の範囲から除外され、列挙されたステップ又は構成要素と組み合わせることができるあらゆる追加のステップ又は構成要素と解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、クレードル内の皮膚リサーフェシング装置及び種々の付属品の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の先端が設置された装置の側面図である。
【
図3】
図3は、第2の先端が設置された装置の側面図である。
【
図4】
図4はマッサージヘッドを取り付けた装置の側面図である。
【
図8】
図8は、第1の先端を取り外した装置の部分分解斜視図である。
【
図9】
図9は、供給キャニスタ及びプラグを取り外した装置の部分分解斜視図である。
【
図10】
図10は、いくつかの部分が取り外された本体の第1の部分分解斜視図である。
【
図11】
図11は、いくつかの部分が取り外された本体の第2の部分分解斜視図である。
【
図12】
図12は、本体の下面を示すためにいくつかの部分が取り外された装置の底面斜視図である。
【
図13】
図13は、第1の先端が設置された装置の断面図である。
【
図14】
図14は、マッサージヘッドと拡散シートが取り外された装置の一部の部分分解斜視図である。
【
図15】
図15は、装置及び全ての付属品が取り外されたクレードルの斜視図である。
【
図16】
図16は、液体流路及び空気流路を示すためにいくつかの部分が取り外された装置の第1の斜視図である。
【
図17】
図17は、液体流路及び空気流路を示すためにいくつかの部分が取り外された装置の第2の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
現在の実施形態の皮膚治療装置が、
図1~
図4に示され、全体的に参照番号10で示される。皮膚治療装置10は、家庭内での使用に適しており、死んだ皮膚細胞及び破片を除去するために皮膚剥脱を行うためのハイドラ皮膚剥離モードで、また、顔面マッサージを行い選択的に赤色光治療を提供するためのマッサージモードで動作する。図示の実施形態では、装置10は、一般に、本体12と、供給キャニスタ14と、廃棄物容器16と、複数の交換可能な先端又はヘッド18A、18B、及び18Cとを有する。この実施形態の供給キャニスタ14は、交換及び/又は充填のために本体12から取り外し可能である。廃棄物容器16は、本体12の予め定めた位置に留まるように構成されており、廃棄物容器16を空にするために使用者によって容易に取り外すことができる、取り外し可能なプラグ38を底端において有している。
図1は、供給キャニスタ14及びプラグ38が取り外され、クレードル100上に着座すると共に、第1の先端18Aが装置10上に設置されかつ第2の先端18B及びマッサージヘッド18Cがクレードル100上に着座する状態の、格納クレードル100内に格納された皮膚治療装置10を示す。
図2は、先端18Aが設置された皮膚治療装置10を示す。
図3は、先端18Bが設置された装置10を示す。
図4は、マッサージヘッド18Cが設置した装置10を示す。
【0023】
ここで、図面に示す実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。上述のように、皮膚リサーフェシング装置10は、一般に、本体12と、供給キャニスタ14と、廃棄物容器16と、複数の交換可能な先端又はヘッド18A、18B及び18Cとを有する。図示の実施形態の供給キャニスタ14は、本体12から取り外し可能である。供給キャニスタ14は、装置10によって皮膚に塗布される液体で満たされうる。例えば、供給キャニスタ14は、水又は本質的にいかなる局所液体でも充填することができる。図示の実施形態では、供給キャニスタ14は、再利用可能であるように構成されており、適宜、使用者によって繰り返し補充される。代替的な用途では、供給キャニスタ14は、一度使用されて次いで使用後にリサイクル又は廃棄される、単回使用キャニスタとすることができる。例えば、(単なる水でなく)商業的に入手された局所液体を用いてハイドラ皮膚剥離を行うことが望ましい場合、局所液体は、代替の単回使用供給キャニスタにおいて供給者から入手しうる。
【0024】
図示の実施形態では、供給キャニスタ14は、摩擦嵌合の使用を通じて本体12に取り外し可能に嵌合させられる。例えば、供給キャニスタ14の口部40は、本体12から延びる構造的シールにわたってしっかりと着座するように構成することができる。より具体的には、キャニスタの口部40は、供給キャニスタ取付シール42と緊密にインターフェイスするように構成することができる。供給キャニスタ取付シール42は、供給キャニスタ14と本体12との間に構造的で漏出止めのシールを形成するのに適したシリコーンゴム又は他の材料などの柔軟性及び弾性のある材料で製造される。供給キャニスタ14は、設置されるときに、装置10の1つ又はそれ以上の他の部分と密接にインターフェイスするように構成することができる。例えば、供給キャニスタ14は、本体12上に適切に設置されると、廃棄物容器16とインターフェイスすることができる。このインターフェイスは、供給キャニスタ14及び廃棄物容器16の隣り合った位置決めと同じくらい簡単とし得るか、又は、供給キャニスタ14及び/又は廃棄物容器16が互いに機械的に相互嵌合するように整形されたものより複雑とし得る。
図9に示すように、図示の実施形態の供給キャニスタ14は、口部40の周りの供給キャニスタ14の外側に嵌合させられるトリム44を有する。この実施形態において、トリム44は、供給キャニスタ14の露出した外面の最上端を覆う略U字形である。代替的な用途では、トリム44は、排除することができ、又は、異なる設計及び/又は構成を有しうる。図示の実施形態では、供給キャニスタ14の底端は、(以下により詳細に説明するように)プラグ38の一部を受け入れるように構成された凹部52を有する。
【0025】
図示された実施形態の廃棄物容器16は、本体12に固定され、本体12上の予め定めた位置に恒久的に留まるように構成されている。廃棄物容器16は、廃棄物容器16を保持しかつ漏出を防止する構造的シールに嵌合させられる開放上端46を有する。より具体的には、廃棄物容器16の開放上端46は、廃棄物容器取付シール50と緊密にインターフェイスするように構成されうる。廃棄物容器取付シール50は、シリコーンゴム、又は、廃棄物容器16と本体12との間に構造的で漏出止めのシールを形成するのに適した他の材料などの柔軟性及び弾性のある材料で製造される。廃棄物容器16は、プラグ38によって選択的に閉鎖される開放底端48を有する。図示のように、プラグ38は、廃棄物容器16内に蓄積する廃液を保持するように廃棄物容器16を閉じるように、開放底端48に緊密に嵌合させられるように構成されている。プラグ38は、シリコーンゴム又は廃棄物容器16のための漏出止め閉鎖部分を形成するのに適した他の材料などの、柔軟性及び弾性のある材料で製造される。図示の実施形態では、プラグ38は、保持部分54と、閉鎖部分56と、ヒンジ部分58とを有する。保持部分54は、供給キャニスタ14の底端に取り付けるように構成されている。例えば、上述したように、供給キャニスタ14は、プラグ38の保持部分54をしっかりと受け入れるよう構成された凹部52を有しうる。閉鎖部分56は、廃棄物容器16の開放底端48に嵌合させられるネック60と、閉鎖部分56が底端48に押し込まれすぎるのを防止すヘッド62とを有する。ヒンジ部分58は、保持部分54と閉鎖部分56とを接合する。閉鎖部分56が空にするために廃棄物容器16から取り外されたときでさえも、ヒンジ部分58によって、プラグ38が装置10に固着されたままであることを可能にする。図示の実施形態では、プラグ38は、ヒンジ部分58が保持部分54及び閉鎖部分56と一体に形成されたリビングヒンジである、一片成形の構成要素である。
図1に示すように、プラグ38を装置10から完全に取り外し、クレードル100上の対応するプラグ座部64に格納することができる。図示の実施形態のクレードル100は、供給キャニスタ14を取り外した状態で装置10を受け入れて支持することができる座部150と、供給キャニスタ14を反転位置で保持するように供給キャニスタ14の一部が嵌合できる供給キャニスタ凹部152と、第1の作動アタッチメントを受け入れることができる第1の先端座部154と、第2の作動アタッチメントを受け入れることができる第2の先端座部156とを有する。クレードル100の設計及び構成は、必要に応じて、用途ごとに異なりうる。
【0026】
上述したように、皮膚リサーフェシング装置10は、装置10に選択的に取り付けられ、かつ、ハイドラ皮膚剥離モード又はマッサージモードのいずれかで選択的に使用されるように構成されている、複数の交換可能作動アタッチメントを有している。例えば、図示の実施形態では、装置10には、2つの異なるハイドラ皮膚剥離先端18A及び18Bと、1つのマッサージヘッド18Cとが設けられている。代替用途では、交換可能作動アタッチメント(先端やヘッドなど)の数、設計、構成は、必要に応じて用途ごとに異なりうる。図示の実施形態では、種々の作動アタッチメント18A、18B及び18Cは、装置10とインターフェイスする部分に関して同様の形状を有し、その結果、作動アタッチメント18A、18B及び18Cを装置10の作動端上に交換可能に設置することができる。以下に詳述するように、図示の各作動アタッチメント18A、18B、18Cは、装置10の作動端に着座するように構成された基部70A、70B、70Cと、基部が適切に着座したときに取付用ステム68にわたって嵌合するように構成されたステム受容部(図示せず)とを有する。図示の実施形態では、ステム受容部は、取付用ステム68とほぼ同じサイズ及び形状の空所である。取付用ステム68及びステム受容部のサイズ、形状及び構成は、必要に応じて、用途ごとに変えることができる。例えば、ステム受容部は、嵌合を締め付け、強化された漏出止めシールを提供するために、わずかに低減されうる。別の例として、取付用ステム68及びステム受容部は、作動アタッチメントが完全に着座してスナップ結合機能を提供する場合に相互嵌合する係合特徴(例えば、リブ及びチャネル)を有しうる。供給流路及び戻し流路を提供するために、ハイドラ皮膚剥離先端18A及び18Bは、供給貫通孔78及び戻し貫通孔80を形成している。図示の実施形態では、取付用ステム68は、液体が作動アタッチメントに流れる供給通路116と、液体及び破片が廃棄物容器16に流れる戻し通路118とを有する。供給通路116は供給ポート112で終わっており、この供給ポートは、先端18A及び18Bを通過する供給貫通孔78と流体連通している。同様に、戻し通路118は戻しポート114で終わっており、この戻しポート114は、先端18A及び18Bを通過する戻し貫通孔80と流体連通している。
【0027】
3つの異なる作動アタッチメント18A、18B、及び18Cは、
図2~
図4において装置10上に設置されて示されており、
図5~
図7では、装置10から分離して示されている。先端18A及び18Bは、ハイドラ皮膚剥離モードで使用するように設計されている。これら2つの先端18A及び18Bは、それぞれ、ハイドラ皮膚剥離の間に皮膚上で移動可能な吸引ヘッドを提供するように構成された外面82A及び82Bを有する。図示の実施形態では、外面82A及び82Bは、略円形であるが、その形状は、用途ごとに異なりうる。各外面82A及び82Bは、内側領域86を形成するために突出する周辺突出部84を有する。図示の実施形態では、周辺突出部84は、外面82A及び82Bの周囲に配置される略円形の周辺壁であるが、そのサイズ、形状及び位置は、用途ごとに異なりうる。供給貫通孔78及び戻し貫通孔80は内側領域86に通じており、供給貫通孔78及び戻し貫通孔80を介して内側領域86に液体及び真空が供給されることを可能にする。貫通孔78及び80のサイズ、形状及び構成は、液体を皮膚に導入して先端18A及び18Bから引き離す方法を制御又は調整するために、用途ごとに異なり得る。例えば、内側領域86に入る液体が、所望の特徴(例えば、体積及び速度)で皮膚に噴出するように、供給貫通孔78及び戻し貫通孔80のサイズを調整することが望ましい場合がある。図示の実施形態では、各先端18A及び18Bは、また、内側領域86内の外面84上に1つ又は複数の内側突出部を有する。例えば、図示の先端18A及び18Bは、各々、内側領域86のほぼ中央における略「+」形状の内側突出部88Aと、周辺突出部84から半径方向内方に延びる複数の半径方向突出部88Bとを有している。この実施形態において、内側突出部88A、88Bは丸くて滑らかであり、周辺突出部84よりも短いが、そのサイズ、形状及び相対的な高さは、用途ごとに異なりうる。両先端18A及び18Bは、略円錐台であるが、2つの先端18A及び18Bは、それらが顔面の異なる領域をより効果的に治療することができるように、異なるように構成されている。図示された実施形態の第1の先端18Aは、より小さい供給貫通孔78を有する、幾分短い、より広い切頭円錐形の形状を有する。第1の先端18Aは、額、頬、及び顎などの大きな領域を治療する際に使用することを意図している。第2の先端18Bは、やや高めであり、より小さな直径に先細りしている。この先端18Bは、より大きな供給貫通孔78を有し、鼻部分などのより小さな隙間を治療する際に使用されることを意図している。図示の実施形態は、2つの代替的なハイドラ皮膚剥離先端を有するが、装置10と共に提供されるか又は装置10とは別に入手可能な交換可能な先端の数は、様々としうる。
【0028】
ヘッド18Cは、例えば、ハイドラ皮膚剥離後に又はハイドラ皮膚剥離とは独立して、皮膚にマッサージを行う際に使用するように構成されている。図示の実施形態では、マッサージヘッド18Cは、外面が滑らかなドーム状(例えば、略半球状)であり、これにより、皮膚のマッサージを行う際の使用が、局所的な皮膚治療の有無にかかわらず容易になる。図示の実施形態のマッサージヘッド18Cは、マッサージモードにあるときに装置10が液体を供給しないので、何ら供給オリフィスも戻しオリフィスも有しない。マッサージヘッド18Cのサイズ、形状及び構成は、用途ごとに異なりうる。用途によっては、装置10に、異なる用途のために特別に構成された複数の異なるマッサージヘッドを設けうる。
【0029】
簡単に上述したように、図示した実施形態の3つの交換可能作動アタッチメント(すなわち、先端18A、18B及びヘッド18C)は、装置10の上端に設けられた共通の取付構造に取り付けるように構成されている。
図8及び
図14に示すように、装置10の上端又は作動端は、凹部66及び取付用ステム68を形成する。凹部66は、先端18A又は18Bの基部70A、70B又は70C、あるいはマッサージヘッド18Cの基部を受け入れるように整形されている。適切な回転方向位置合わせを容易にするために、凹部66及び先端/ヘッドの基部は、それらが適切な回転方向の向きにおいてのみ互いに嵌合するようにキー止めされうる。例えば、図示のように、凹部66は、各基部70A、70B及び70C上に対応する非対称特徴76を受け入れる非対称特徴74を有することができ、その結果、各基部70A、70B又は70Cは、非対称特徴74と非対称特徴76が位置合わせされる単一回転方向の向きで、取付用凹部66内に適切に設置することができる。図示の実施形態では、取付用ステム68は、各作動アタッチメント18A、18B、及び18Cにおいて対応するステム受容部72A、72B、及び72Cに嵌合するように構成されている。
【0030】
図示の実施形態では、先端及びヘッドは、シリコーンゴム又は同様の柔軟性及び弾力特徴を有する他の材料で製造される。柔軟性及び弾性の性質により、各作動アタッチメント18A、18B及び18Cを装置10に容易に摩擦嵌合させかつこれから取り外すことができる。より具体的には、基部70A、70B及び70Cは、この凹部66内に緊密に受け入れることができ、ステム受容部72A、72B及び72Cは、取付用ステム68上に緊密に取り付けることができる。代替の実施形態において、作動アタッチメントは、使用中に作動アタッチメントを保持することができる本質的に任意の取付方法を用いて、装置10の作動端に交換可能に固着することができる。図示の実施形態では、装置10は、(以下でより詳細に論じるように)赤色光治療を提供するように構成されている。この実施形態では、赤色光は、先端及びヘッドの下に配置された光源によって生成される。赤色光の装置10から皮膚への伝達を可能にするために、マッサージヘッド18Cは透明又は半透明である。また、ハイドラ皮膚剥離モード中に赤色光治療を行うことが望ましい場合がある用途では、先端18A及び18Bは透明又は半透明としうる。
【0031】
本体12は、一般に、ハウジング20と、制御システム22と、ポンプ24と、電池26と、装置10を通る空気と液体の流れを提供する複数の流路(以下により詳しく説明する)とを有する。ハウジング20は、制御システム22と、ポンプ24と、電池26と、流路とを包囲している。制御システム22は、1つ又は複数のPCBアセンブリ上に支持される電子部品の集合を有しうる。例えば、図示の実施形態では、制御システム22は、主PCB28A及びヘッドPCB28Bを有する。主PCB28Aは、制御装置30と、本願明細書において説明され及び別様に当業者に知られているような他の適切な電子部品を支持する。ヘッドPCB28Bは、赤色治療を選択的に提供するように構成されている赤色LED90のアレイを支持する。代替の実施形態では、電子回路は、必要に応じて、1つ又は複数の別個のPCB上に分布されうる。制御装置30は、本願明細書の記載に従って装置10を動作させるのに適したプログラムを有する、マイクロ制御装置又はマイクロ制御装置ユニット(「MCU」)などの本質的に任意の種類の電子制御装置としうる。代替用途では、装置の制御は、複数の制御装置に分布されうる。制御システム22はまた、以下でより詳しく説明するように、入力として機能し、ユーザ・インターフェイスの一部である、主PCB28Aに取り付けられた1つ又は複数のスイッチ92A及び92Bを有しうる。制御システム22は、また、スイッチ92A及び92Bの近くでPCB28Aに取り付けられ、かつ、以下でより詳しく説明されるようにユーザ・インターフェイスの一部である、LED96、98、100及び102A-Bのアレイを有しうる。
【0032】
図示の実施形態では、ポンプ24は、液体を供給キャニスタ14から装置10を介して移動させるように選択的に動作させられる。より具体的には、図示の実施形態では、ポンプ24は、液体を供給キャニスタ14から作動アタッチメント(例えば、先端18A及び18B)へ引き出し、及び、より詳細に後述するように作動アタッチメントから廃棄物容器16へと引き出すことができ、廃棄物容器16内の部分的な真空を引き込む。ポンプ24は、本質的に、装置10のフォームファクタに適合でき、かつ、所望の流量を供給することができる、任意のポンプとしうる。図示の実施形態では、装置10は電池作動ポンプ24を有するが、他のタイプのポンプを代替の実施形態で使用することもできる。図示の実施形態では、電池26は、制御システム22及び全ての電子部品に電力を供給する。図示の電池26は容量650mAの再充電可能なリチウムイオン電池である。電池及び/又は他の蓄電装置の数、タイプ、及びその容量は、用途ごとに異なりうる。
【0033】
図示の実施形態では、装置10は、装置10を通る空気及び液体の流れを導く複数の流路を有する。これらの流路により、ポンプ24が、廃棄物容器16内の部分的な真空を引き込み、その部分的な真空を使用して、皮膚内に液体を噴射し、皮膚から廃液及び他の破片を廃棄物容器に移動させることができる。図示されたポンプ24は、真空管路104を介して廃棄物容器16と流体連通しており、ポンプ24が動作しているときには、ポンプ24によって、典型的には空気である流体を廃棄物容器16内の部分的な真空に引き込むことができる。戻し管路106が、廃棄物容器16と取付用ステム68の戻しポート114との間に接続されている。これにより、廃棄物容器16内の部分的な真空が、取付用ステム68上に着座した作動アタッチメント(例えば、先端18A又は18B)に連通されることが可能になる。部分的な真空によって、液体及び破片が皮膚から離れて廃棄物容器16内に引き込まれることを可能にする。供給管路108が、供給キャニスタ14と取付用ステム68の供給ポート112との間に接続されている。供給管路108によって、作動アタッチメントで展開した部分的な真空が供給キャニスタ14から作動アタッチメントに液体を引き込むことを可能にする流路を提供する。図示の実施形態では、供給管路108は、供給キャニスタ14内に配置され且つ供給キャニスタ14の下面又はその近くの地点まで延びる供給管110と連通している。図示の実施形態では、液体が適宜ハイドラ皮膚剥離を提供するように皮膚に噴出するのに十分な力で、液体が供給キャニスタ14から作動アタッチメントに吸引される。皮膚に係合する液体の噴流の特徴は、装置10を通る液体の流量及び/又は流路の特徴を調節することによって、時間によって又は用途毎に変化させることができる。例えば、供給貫通孔80などの作動アタッチメントの特徴、供給ポート112などの取付用ステム68の特徴は、皮膚と係合する液体の特徴を調整するために変化させることができる。別の例として、装置10は、装置10を通って移動する液体の体積及び皮膚に液体が噴出する力を選択的に変化させるように、異なる流量でポンプ24を選択的に動作させるように構成することができる。ポンプ24の流量は、制御装置及び/又は使用者によって設定することができる。図示の実施形態では、ポンプ24は、複数の異なる流量で動作することができる。異なる流量によって、異なるレベルの力で皮膚に液体を衝突させるように異なる吸引レベルを提供する。例えば、ハイドラ皮膚剥離の積極性を増大させるようにポンプ24の流量を上昇させるか、又は、ハイドラ皮膚剥離の積極性を低下させるようにポンプ24の流量を下降させることができる。図示の実施形態の装置10は、3つの異なる流量(又は真空レベル)でポンプ24を作動させることができる制御装置30を有する。図示の実施形態では、使用者は、所望の流量(又は真空レベル)を選択することができる。用途によっては、使用者が設定した動作モードに基づいて自動的に流量を設定する場合もある。特定の流量及び代替流量の数は、必要に応じて、用途ごとに異なりうる。
【0034】
図示の実施形態では、制御システム22は、BL-108角度センサなどの、装置10の向きを決定するように構成されたセンサ120を有する。センサ120の出力は、装置10が動作のための適切な角度にないときに、ポンプ24の動作を防止するために、制御装置30によって使用される。例えば、図示の実施形態では、ポンプ24は、廃棄物容器16の上部のヘッドスペースから空気を引き出すことによって、廃棄物容器16内に部分的な真空を作り出す。装置10が動作中に反転される場合、ポンプ24からの入口は廃液中に沈められる可能性があり、これにより、ポンプ24は空気ではなく廃棄物容器16から廃液を引き抜くことになり得る。これにより、装置10の適切な動作を妨げ、ポンプ24からの望ましくない廃液の排出につながり得る。
【0035】
図示の実施形態では、装置10は、廃棄物容器16が満杯になるときにポンプ24を自動的に遮断し、それによって過剰充填を防止するように構成されている。図示の実施形態の制御システム22は、廃棄物容器16が満杯になると制御装置30に信号を提供するように構成された液体レベルセンサ122を有する。例えば、図示の実施形態では、液体レベルセンサ124は、主PCB28Aに取り付けられ、廃棄物容器16の上部内に延びる2つのセンサピン124A及び124Bを有する。液面がセンサピン124A及び124Bに達すると、2つのセンサピン124A及び124Bの間に電気流路が設けられ、液体レベルセンサ124が対応する信号を生成する。信号を受信すると、制御装置30は、廃棄物容器16が空になるまで、ポンプ24の動作を防止することができる。また、制御装置30は、廃棄物容器16が満杯でありかつ空にする必要があることを使用者に助言するために、LEDの点灯又は可聴信号の生成などの使用者へのフィードバックを提供しうる。
【0036】
図示の実施形態では、制御システム22はUSB-Cポート36を有する。
図10に示すように、USB-Cポート36は、主PCB28Aに取り付けられ、装置10の外部からアクセス可能である。図示の実施形態では、USB-Cポート36は、ハウジング20の開口部内に配置され、これからアクセス可能である。装置10は、使用されていないときにUSB-Cポート36を選択的に閉じるために使用される柔軟性及び弾性のあるキャップ34を有しうる。キャップ34は、USB-Cポート36内に摩擦嵌合することができ、USB-Cポート36に水又は他の異物が入る機会を低減させる略漏出止めのシールを提供するように構成されうる。USB-Cポート36は、電池26を充電するための電力を供給し、及び/又は、装置10に直接的に電力を供給するように構成されうる。必要に応じて、USB-Cポート36は、制御装置22との有線通信を行うために使用することもできる。例えば、装置10は、USB-Cポート36を使用して、装置動作パラメータの設定、ソフトウェアの更新、ファームウェアの更新、装置10に格納される可能性のある動作データの取得ができるように構成しうる。USB-Cポート36は、1つ又は複数の代替電力コネクタ又は通信コネクタに置き換えうる。用途によっては、制御システム22は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)又は他の無線プロトコルを介して、無線通信で構成されうる。
【0037】
上述のように、装置10は、赤色光治療を選択的に提供するように構成されている。図示の実施形態の装置10は、例えばマッサージモード中に所望されたときに皮膚に向かって赤色光を発光するように制御システム22によって選択的に照射させられるように構成された、装置10の作動端に配置された赤色LEDのアレイを有する。
図14におそらく最良に示されるように、図示の実施形態では、赤色LEDのアレイは、間隔をあけてヘッドPCB28Bに取り付けられた4つの赤色LED90を有する。赤色LED90は、赤色光を装置10に固着されたいかなる作動アタッチメントに向かって発光するように配置及び配向されている。図示の実施形態では、LED90によって発光される赤色光を拡散かつ赤色光のより均一な分布を提供するように、拡散シート122が赤色LED90にわたって配置されている。いくつかの用途では、拡散シート122は、赤色光を拡散させることができる他の構造によって排除又は置き換えられうる。図示の実施形態では、マッサージヘッド18Cは、赤色光がマッサージヘッド18Cを通って皮膚に伝わることができるように透明又は半透明の材料で製造される。マッサージヘッド18Cの半透明性は、所望の拡散レベルを提供するように調整することができる。制御システム22は、赤色光治療を行うことが望ましい場合はいつでも赤色LEDを起動するように構成することができる。一実施形態では、制御システム22は、装置10がマッサージモードで動作するときに、赤色LED90を自動的に起動するように構成されている。赤色LEDは、必要に応じて、他の時間に起動しうる。例えば、代替の用途では、赤色LEDは、全ての動作モード中に自動的に起動され、又は、赤色LEDは、使用者によって所望されるように手動で起動及び停止されうる。
【0038】
図示の実施形態では、装置10は、使用者が装置の動作を制御することを可能にしかつ装置10が装置10の動作に関する情報を提供することを可能にする、ユーザ・インターフェイスを有する。図示のユーザ・インターフェイスは単なる例示であり、装置10は広範囲の代替ユーザ・インターフェイスを使用して動作させることができる。図示の実施形態では、ユーザ・インターフェイスは、一般に、入力ボタン32と、一対のスイッチ92A及び92Bと、複数のLEDとを有する。図示されたボタン32は、2つの下にあるスイッチ92A、92Bに重なる柔軟性かつ弾性のボタンカバー94を入れる。ボタンカバー94によって、使用者が下にあるスイッチ92A及び92Bを操作しつつ漏出止めのシールを提供することを可能にする。図示の実施形態では、一対のボタン延長部126A及び126Bが、ボタンカバー94とその下にあるスイッチ92A及び92Bとの間にそれぞれ位置している。図示のボタンカバー94は、透明又は半透明であるため、下にあるLEDからの光は、ボタンカバー94を通して見ることができるが、代替の用途では不透明としうる。図示の実施形態では、複数のLEDは、本質的に任意の色を生じるように照射することができる中央RGB LED96と、例えば、エラー状態が発生した(例えば、供給キャニスタ14が空であり、廃棄物容器16が満杯であり、先端が皮膚に適切に係合されていない、かつ/又は、本質的に他のエラー状態が存在する)場合に目に可視フィードバックを提供するように照射することができる中央赤色LED98とを有する。これに加えて又はこれに代えて、赤色LED98は、装置が赤色光治療を行っているときに点灯することができる(例えば、装置のヘッドにある赤色LED90が点灯する)。緑色LED 100は、装置10が適切に動作していることを可視的に示すために点灯することができる。白色LED102A及び102Bは、ボタンカバー94を照らすために動作しうる。上述の種々のLED点灯スキームは単なる例示であり、制御システム22は本質的に任意の所望の点灯スキームを実施するようにプログラムすることができることを理解すべきである。例えば、図示の実施形態では、ボタン32の左半分が「電源(Power)」ボタンとして動作するように構成されており、ボタン32の右半分が「マッサージ」ボタンとして動作するように構成されている。上述のように、ボタンの左半分を押すことによりスイッチ92Aを作動させ、ボタンの右半分を押すことによりスイッチ92Bを作動させる。使用者は、「電源」ボタン(作動スイッチ92A)を押して、装置10をオンオフし、いくつかの利用可能な吸引レベルの間を循環させることができる。この実施形態では、装置10を電源を入れる時に、ボタン32が白色光で照らされる。使用者が「電源」を押し続けて装置の電源を切ることができる。装置の電源が入ると、使用者は「電源」ボタンを押し、ハイドラ皮膚剥離モードで使用可能な3種類の吸引レベルを循環させることができる。上述のように、選択可能な吸引レベルの数は、用途ごとに異なり得る。この実施形態では、「電源」ボタンの色は、吸引レベルの変化に伴って変化する。例えば、図示の実施形態では、「電源」ボタンは、低吸引モードにあるときは青色に点灯し、中吸引レベルにあるときは黄色に点灯し、高吸引レベルにあるときはピンク色に点灯する。異なる色レベルを指定するために使用される色は、用途によって異なる場合がある。いくつかの実施形態では、ユーザ・インターフェイスは、種々の吸入レベルに関連する色変動を提供しないであろう。図示の実施形態では、装置10は選択された吸引レベルで自動的に動作を開始する。図示の実施形態では、装置は、一旦、始動されると、予め定めた期間にわたって、ハイドラ皮膚剥離モードで作動し続けることになる。別の用途では、装置は、使用者によって停止させられるまで、かつ/又は、使用者によって選択された期間だけ、動作し続けるように構成しうる。マッサージモードで装置を作動させるために、使用者は、(上述のように)装置を作動させ、次に「マッサージ」ボタン(作動スイッチ92B)を押すことができる。次に、装置10はポンプを使用不能にし、マッサージヘッド18Cの下に配置された赤色LEDを起動する。次いで、使用者は、装置を用いて標的位置にマッサージして赤色治療を行うことができる。一旦、始動されると、装置10は、マッサージモードで予め定めた時間だけ作動し続ける。別の用途において、装置は、使用者によって停止させられるまで、及び/又は、使用者によって選択された一定期間だけ、マッサージモードで作動し続けるように構成しうる。
【0039】
ここで、装置10の概略的な動作を図面を参照して説明する。上述したように、図示された実施形態の装置10は、ハイドラ皮膚剥離モード又はマッサージモードで選択的に作動するように構成されている。装置10をハイドラ皮膚剥離モードで作動させる準備をするために、使用者によってハイドラ皮膚剥離先端18A又は18Bが装置10上に設置される。より具体的には、所望の先端18A又は18Bのステム受容部72A又は72Bが取付用ステム68にわたって設置され、基部70A又は70Bが凹部66に嵌合させられる。適切な位置合わせを提供するために、先端18A又は18Bは、装置10の非対称特徴74と位置合わせするように、先端の非対称特徴76と配向される。所望の液体を収容する供給キャニスタ14が、装置10上に取り付けられる。例えば、図示の実施形態では、供給キャニスタ14の口部40は、しっかりと着座するまで、供給キャニスタ取付シール42にわたって嵌合させられる。供給キャニスタ14は、基本的には、水、又は、洗浄、水和、栄養付与、又は、他の方法で治療する目的のために又は皮膚に利益を与えるために望ましい、任意の他の液体などの、任意の所望の液体を収容することができる。プラグ38は、廃棄物容器16の底端48に嵌合させられ、廃棄物容器16を閉じ、ハイドラ皮膚剥離処理から生じた廃液及び破片を受け入れるように廃棄物容器16を準備する。
【0040】
一旦、装置10がハイドラ皮膚剥離モードのために準備されると、使用者は、例えば、ボタン32を使用して適切な入力を入れることなどの、ユーザ・インターフェイスを使用してハイドラ皮膚剥離を開始することができる。装置10は、RGB LED96、赤色LED98、及び/又は緑色LED100などのLEDを、使用者マニュアルと一致する方法で点灯することによって、使用者にフィードバックを提供することができる。一旦、制御システム22が使用者によって直接的にハイドラ皮膚剥離モードで作動するように指示されると、制御装置30はポンプ24を起動させる。起動すると、ポンプ24は真空管路104を介して廃棄物容器16内に部分的な真空を引き始める。真空管路104は真空入口132で廃棄物容器16内に通じる(
図12参照)。廃棄物容器16内の部分的な真空は、先端18A又は18Bの吸引ヘッドに連通している。より具体的には、部分的な真空は、戻し管路106を介して、取付用ステム68の戻し通路118及び戻しポート114に連通し、次に、先端18A又は18Bにおいて戻し貫通孔80に連通する。これにより、部分的な真空が吸引ヘッドの内側領域86内に引き込まれる。内側領域86内の部分的な真空は、内側領域86から廃棄物容器16に空気又は液体及び破片を引き出す可能性を有する。吸引ヘッドが皮膚と適切に係合されていないとき、内側領域86は環境に対して開放されており、部分的な真空が環境から空気を引き込み、液体は供給キャニスタ14から引き出されないことに留意されたい。しかしながら、先端18A又は18Bの外面82が、使用者の皮膚(例えば、顔面)との係合によって閉鎖されると、廃棄物容器16からの部分的な真空が、内側領域86を通って、供給キャニスタ14に連通される。この部分的な真空は、結果的に、供給キャニスタ14から吸引ヘッドの内側領域86に液体を引き込む。より具体的には、内側領域86内の部分的な真空は、供給貫通孔78、供給ポート112、供給通路116、供給管路108及び供給管110を介して連通され、液体を供給キャニスタ14から引き出す。図示の実施形態では、死んだ皮膚細胞や他の破片を機械的に除去するために液体が皮膚に噴出するのに十分な力で液体は内側領域86に引き込まれる。上述のように、ポンプ24の動作は、噴射液体の力及び吸引ヘッドに設けられた吸引のレベルを調節するために変化させることができる。液体、死んだ皮膚細胞及び他の破片は、内側領域86から廃棄物容器16に引き出され、そこで使用者によって空にされるまで一時的に収納される。
【0041】
図示の実施形態では、廃棄物容器16は、戻し管路106を通って移動した廃棄物がそこを通って廃棄物容器16に入る戻し入口130を有する。この実施形態では、戻し入口130は、例えば装置10が反転された場合に、廃液が廃棄物容器16から逆流する可能性を低減するように構成された逆止弁を有する。逆止弁は、一方向ボール弁とすることができ、又は、間違った方向への廃棄物の流れを防止する別のタイプの逆止弁又は流量制御装置としうる。用途によっては、逆止弁を排除しうる。
【0042】
図示の実施形態では、制御システム22及び方位センサ120は、装置10が所望の向きから離れすぎて傾斜している場合、ポンプ24を一時的に使用不能にするように構成されている。例えば、装置10が上下逆に配置された場合、供給管110の開放上端は液体内に配置されなくなり、装置10は適切に機能しなくなる。その結果、制御システム22は、装置10が適切な配向ウインドウ内にないときにポンプ24を使用不能にし、装置10が許容可能な向きに戻るときにポンプ24を再び作動させるように構成されている。制御システム22は、装置10が許容可能な配向ウインドウの外にあるときに可視及び/又は可聴の信号を提供するように構成することができる。制御システム22は、ポンプ24を自動的に再び作動させるように構成することができ、又は、使用者による手動の再作動を必要とするように構成されうる。図示の実施形態では、装置10が以下の向きの範囲:前:約85°、後:約35°、左右:約60°の外にある場合、ポンプ24は停止させられ、この範囲は必要に応じて用途ごとに異なりうる。例えば、一部の代替用途では、これらの配向値の内の1つ又は複数を±10°変化させることが可能である。
【0043】
図示の実施形態では、制御システム22及びレベルセンサ124は、廃棄物容器16が満杯になるときにポンプ24を一時的に使用不能にするように構成されている。上述のように、レベルセンサ124は、その上端の近くで廃棄物容器16の内側で互いに離間されている2つのピン124A及び124Bを有する。廃棄物容器16が、廃液が2つのピン124A及び124Bに到達するのに十分に満杯になると、廃液は、2つのピン124Aとピン124Bの間に導電性ブリッジを形成し、このブリッジは、レベルセンサ124によって又は制御装置30によって検知され得る。この状態が検知されると、制御装置30は、例えば、使用者がプラグ38を取り外して廃棄物容器16を空にし、中身が流し器又は他の容器にこぼれることを可能にすることによって、液体レベルが低下するまで、ポンプ24を使用不能にする。制御システム22は、廃棄物容器16が満杯になると、可視及び/又は可聴の信号を提供するように構成することができる。制御システム22は、廃棄物容器16が空にされたときにポンプ24を自動的に再び作動させるように構成することができ、又は、使用者による手動の再作動を必要とするように構成されうる。装置10には、異なる皮膚領域を治療するように設計されているか、又は、異なるタイプのハイドラ皮膚剥離を行うように設計されている、先端18A又は18Bなどの異なる先端を設けることができる。例えば、有意な外形を有する皮膚の領域に対してはより小さな吸引ヘッドを有する先端を設けることができるが、より小さな外形を有する領域に対してより大きな吸引ヘッドを有する先端を設けることができる。別の例として、異なる先端には、各先端によって提供されるハイドラ皮膚剥離を変化させるために、数、サイズ、位置又は他の特徴が変化する貫通孔(例えば貫通孔78及び80)が設けられうる。上述のように、装置10は、また、マッサージモードで動作するように構成されている。マッサージモードでは、図示の実施形態の装置10は赤色光治療を提供するが、いかなる液体も循環させない。マッサージモードのために装置10を準備するために、マッサージヘッド18Cは使用者によって装置10に嵌合させられる。より具体的には、マッサージヘッド18Cのステム受容部72Cは取付用ステム68にわたって設置され、基部70Cは凹部66に嵌合させられる。適切な位置合わせを提供するために、マッサージヘッド18Cは、先端76の非対称特徴が装置10の非対称特徴74と位置合わせされるように配向される。必要に応じて、マッサージ用ローション、オイル又は他の材料をマッサージヘッド18Cの外面に塗布し、又は、マッサージする皮膚に直接的に塗布することができる。マッサージモード中に液体が循環しないことを考えると、供給キャニスタ14を液体で満たす必要や廃棄物容器16の「充填状態」に対処する必要はない。
【0044】
一旦、装置10がマッサージモードのために準備されると、使用者は、例えば、ボタン32を使用して適切な入力を入れることによって、ユーザ・インターフェイスを使用してマッサージモードを開始することができる。装置10は、使用者マニュアルと一致する方法で、RGB LED96、赤色LED98、及び/又は、緑色LED100などのLEDを点灯することによって、使用者にフィードバックを提供することができる。マッサージモードが開始されると、図示の実施形態の制御システム22は、マッサージヘッド18Cの下に位置する赤色LED90を点灯させる。赤色LED90からの光は、拡散シート122及び透明又は半透明のマッサージヘッド18Cを通過して、マッサージされる皮膚に到達する。装置10は、所望のマッサージ療法が完了するまでマッサージモードで作動させることができる。いくつかの応用例では、美容液、ローション、オイル、及び/又は、他の局所薬を標的領域に塗布し、マッサージヘッド18Cを用いて皮膚にマッサージしうる。
【0045】
実施形態の異なる要素及びアセンブリは、一定の機能的特徴を有するものとして本明細書に記載されているが、各要素及び/又は他の要素との関係は、種々の異なる美的構成に描かれるか又は配向され得、これらは、同じものの装飾的及び美的態様を支持する。単に、装置、要素又は1つ又は複数の要素のアセンブリが機能を有するものとして本明細書に記載されているので、その向き、レイアウト又は構成は、本来、純粋に美的で装飾的なものではない。
【0046】
「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「内側(inner)」、「内側へ(inwardly)」、「外側(outer)」、及び「外側へ(outwardly)」等の方向の用語は、イラストに示された実施形態の説明に基づいて発明を説明するのを助けるために使用される。方向の用語の使用は、本発明を特定の向きに限定するものと解釈されるべきではない。
【0047】
更に、構成要素、部品又は層が、別の構成要素、部品又は層に「接合(joined with)」、「オン(on)」、「係合(engaged with)」、「接着(adhered to)」、「固定(secured to)」、又は「連結(coupled to)」されている場合、他の構成要素、部品又は層に、直接的に接合、オン、係合、接着、固定、又は結合されているか、又は任意の数の介在する構成要素、部品又は層が存在しうる。対照的に、要素が別の要素又は層に、「直接的に接合される(directly joined with)」、「直接的に接合される(directly on)」、「直接的に係合される(directly engaged with)」、「直接的に接着される(directly adhered to)」、「直接的に固定される(directly secured to)」、又は「直接的に連結される(directly coupled to)」と呼ばれる場合、介在する要素又は層が存在しなくてもよい。構成要素同士、層同士及び部分同士の間の関係を記載するために使用される他の言葉は、「隣接する(adjacent)」対「直接的に隣接する(directly adjacent)」及び同様の言葉のように解釈されるべきである。本明細書中で用いるように、「及び/又は(and/or)」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数の任意の及び全ての組み合わせを有する。
【0048】
以上の記載は、本発明の現在の実施形態の記載である。請求項に規定した発明の技術的思想及び、より広い態様から逸脱せずに、本発明に対し、種々に代替と変更を行うことができる。これらは、均等論を有する特許法の原則に則り解釈されるものである。本開示は、例示的目的のために提示され、本発明の全ての実施形態の網羅的説明として解釈されるべきではなく、又はこれらの実施形態に関連して図示又は説明される特定の要素に特許請求の範囲を限定するものであってはならない。例えば、制限するものではないが、説明する発明の任意の個々の要素(複数可)は、実質的に同様の機能を提供するか、さもなければ適切な動作を提供する代替要素に置き換えることができる。これは、例えば、現在技術に知られているような、現在知られている代替的要素と、代替的なものとして、技術が開発に際して認識できるような、将来開発される可能性のある代替的要素とを有する。更に、開示された実施形態は、協調して説明され、協調して利益の集合を提供し得る複数の特徴を有する。本発明は、特許請求の範囲に別途明記された範囲を除いて、これらの特徴の全てを有するか、又は明記された利益の全てを提供する実施形態のみに限定されない。単数形における特許請求の範囲の要素に対するいかなる基準も、例えば、「a」、「a」、「the」又は「said」という冠詞を用いて、その要素を単数形に限定するものとして解釈すべきではない。「X、Y及びZの少なくとも1つ(at least one of X, Y and Z)」としての特許請求の範囲の要素に対する任意の基準は、X、Y又はZの任意の1つを個々に有することを意味し、X、Y及びZの任意の組み合わせ、例えば、X、Y、Z;X、Y;X、Z;Y、Z;及び/又、はそれらの要素の任意の他の可能な組み合わせを一緒に又は単独で有することを意味し、同じものが開放端であり、他の要素を有することができることに留意すべきである。
【外国語明細書】