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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122873
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】高周波に基づく定尺圧密板
(51)【国際特許分類】
   B27D 3/02 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
B27D3/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002945
(22)【出願日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】202310177294.4
(32)【優先日】2023-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523471013
【氏名又は名称】広平凱王圧密科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
(72)【発明者】
【氏名】王 正
(72)【発明者】
【氏名】張 枝栄
(72)【発明者】
【氏名】張 国勇
(72)【発明者】
【氏名】姜 宏涛
(72)【発明者】
【氏名】胡 暁松
(72)【発明者】
【氏名】宿 永鋒
(72)【発明者】
【氏名】陸 海燕
【テーマコード(参考)】
2B200
【Fターム(参考)】
2B200AA01
2B200AA07
2B200BA03
2B200ED21
2B200EF14
2B200EF19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好なネジ把持力、曲げ強度、曲げ弾性などの加工性能及び優れた加速老化防止性能を有し、その製造方法が量産しやすく且つコストが低い、定尺圧密板を提供する。
【解決手段】本発明は、高周波に基づく定尺圧密板に関し、前記定尺圧密板は、幅方向に連結されたいくつかの縦方向接合圧密木板を含み、各縦方向接合圧密木板は、長手方向に連結されたいくつかの圧密木板条を含み、各圧密木板条は、厚さ方向に高周波ホットプレスステップにより処理された1層のコルク板条又は多層に連結されたコルク板条を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定尺圧密板は、幅方向に連結されたいくつかの縦方向接合圧密木板を含み、各縦方向接合圧密木板は、長手方向に連結されたいくつかの圧密木板条を含み、各圧密木板条は、厚さ方向に高周波ホットプレスステップにより処理された1層のコルク板条又は多層に連結されたコルク板条を含む、ことを特徴とする高周波に基づく定尺圧密板。
【請求項2】
各定尺圧密板の長手方向に隣接する圧密木板条の縦方向接合接触面は、曲面又は傾斜面であり、前記傾斜面は、傾斜平面又は傾斜曲面を含み、好ましくは、前記曲面又は傾斜曲面は、鋸歯面であり、
各定尺圧密板の幅方向に隣接する圧密木板条の横方向接合接触面は、平面又は傾斜面であり、前記傾斜面は、傾斜平面又は傾斜曲面を含み、好ましくは、前記傾斜曲面は、鋸歯面であり、
隣接する縦方向接合接触面又は隣接する横方向接合接触面は、いずれも樹脂層により連結され、前記樹脂層は、PVA樹脂層、PVB樹脂層、PVC樹脂層のうちの1種又は複数種を含むがそれらに限定されない、
ことを特徴とする請求項1に記載の定尺圧密板。
【請求項3】
当該定尺圧密板の製造プロセスは、
含水率が10%~20%のいくつかのコルク板条を赤外線で照射して平均温度が80~90℃まで昇温し、いくつかの予熱コルク板条を得る第1の予熱ステップと、
前記予熱コルク板条の赤外線に照射された表面に水層を付着し、いくつかの水層付着コルク板条を得る水層付着ステップと、
前記水層付着コルク板条を高周波条件で加熱圧縮処理及び硬化処理を行い、いくつかの圧密木板条を得る高周波ホットプレスステップと、
いくつかの圧密木板条を木材平均温度が70~90℃又は室温まで冷却する冷却処理ステップと、
長手方向に隣接する冷却後の圧密木板条を接合し、いくつかの縦方向接合圧密木板を得る縦方向接合ステップと、
幅方向に隣接する縦方向接合圧密木板を接合し、いくつかの横方向接合圧密木板を得る横方向接合ステップと、
いくつかの横方向接合圧密木板をいくつかの定尺圧密板に定尺で切断する定尺ステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~2のいずれか1項に記載の定尺圧密板。
【請求項4】
前記水層付着コルク板条は、第2の予熱ステップによりさらに前記高周波ホットプレスステップを行い、そのうち、
第2の予熱ステップにおいて、いくつかの前記水層付着コルク板条を赤外線で照射して温度が平均温度80~90℃に維持する、ことを特徴とする請求項3に記載の定尺圧密板。
【請求項5】
前記第1の予熱ステップ及び/又は第2の予熱ステップにおいて、赤外線照射は、赤外線照射空間で行われ、当該赤外線照射空間の温度は、130~150℃である、ことを特徴とする請求項4に記載の定尺圧密板。
【請求項6】
前記水層付着ステップにおいて、前記予熱コルク板条の表面に1~4回の水を塗布又は噴霧する、ことを特徴とする請求項3に記載の定尺圧密板。
【請求項7】
高周波ホットプレスステップにおいて、2~4本の水層付着コルク板条を積層した直後に、高周波条件下で加熱圧縮処理及び硬化処理を行い、いくつかの積層圧密木板条を得、
縦方向接合ステップにおいて、長手方向に隣接する積層圧密木板条を接合し、いくつかの縦方向接合圧密木板を得る、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定尺圧密板。
【請求項8】
前記樹脂層を形成するステップは、
S1において、圧密木板条の接合端面を曲面又は傾斜面に加工成形し、前記傾斜面は、傾斜平面又は傾斜曲面を含み、好ましくは、前記曲面又は傾斜曲面は、鋸歯面であり、
S2において、樹脂をホットメルトした後にホットメルト樹脂を製造し、前記ホットメルト樹脂を圧密木板条の接合端面に塗布し、
S3において、第1の付勢力で隣接する圧密木板条の接合端面を押圧する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定尺圧密板。
【請求項9】
S2ステップにおいて、樹脂をホットメルトした後に20~40メッシュ樹脂粒子を加え、均一に混合し、ペースト状ホットメルト樹脂を得、前記ペースト状ホットメルト樹脂を定尺圧密木の接合端面に塗布し、前記樹脂と樹脂粒子の重量比は、8:1~12:1であり、前記樹脂は、PVA、PVB、PVCのうちの1種又は複数種を含むがそれらに限定されなく、前記樹脂粒子は、PVA粒子、PVB粒子、PVC粒子のうちの1種又は複数種を含むがそれらに限定されない、ことを特徴とする請求項8に記載の定尺圧密板。
【請求項10】
冷却処理ステップにおいて、液体窒素冷凍技術でいくつかの圧密木板条を-150℃~-130℃の環境において9min~15min室温まで冷却し、さらに縦方向接合ステップを行う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定尺圧密板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木板加工技術の分野に属し、具体的には高周波に基づく定尺圧密板に関する。
【背景技術】
【0002】
板式家具に使用される中密度繊維板、パーティクルボード、多層板、原木板は、基本的に定尺板材であり、例えば一般的に使用されるのは、48尺(長さや幅の寸法が1220mm×2440mmである)及び49尺(長さや幅の寸法が1220mm×2745mmである)である。しかし関連技術ではカスタマイズされた家具業界に使用される定尺圧密木を開示していない。CN111347511 A(2020.06.30)における高周波混合材料に基づく無接着剤の複合材料の製造方法は、少なくとも2つの密度が0.7kg/mを超えない木板を高周波により加熱して加圧成形して隣接する2つの前記木板の間に劣化接続層を形成させ、前記製造方法は、具体的には、前処理、積層処理、加熱加圧処理、硬化処理、降温処理及び養生処理というステップを含み、しかしながら、当該特許で製造されるのは、横接合圧密板ではなく、多層圧密板であり、定尺板材を製造することは、量産しにくく且つコストが高い。CN112847694 A(2021.05.28)は、無接着剤の横接合圧密機器(図1を参照し、そのうち1-下方押圧板、2-上方押圧板、4-下方当て板、5-上方当て板、6-油圧ロッド、30-横接合板)及び無接着剤の横接合圧密方法を開示し、当該方法は、いくつかの横接合板を順に平面に配列し、隣接する2つの前記横接合板の間に樹脂フィルムを挟み、隣接する2つの横接合板の接触面は、平面と45-135°の角度を呈し、配列板を製造するステップ(1)と、前記配列板の水平方向に第1の付勢力F1をかけ、F1は、1.5-2MPaであるステップ(2)と、前記配列板を60-170℃になるまで加熱し、前記配列板の垂直方向に第2の付勢力F2をかけ、F2は、0.7MPa以上であり、圧力を8-10min保持するステップ(3)と、F2を保持したまま、F1をF3に増大させ、F3は、2.5-4MPaであり、圧力を配列板の温度が40-70℃になるまで保持するステップ(4)と、を含む。当該特許は、モールディング過程で加熱して横接合圧密板を製造するが、定尺板材を製造することが依然として量産しにくく且つコストが高い。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも上記技術的問題について、本発明の複数の実施形態は、高周波に基づく定尺圧密板を提供し、前記定尺圧密板は、幅方向に連結されたいくつかの縦方向接合圧密木板を含み、各縦方向接合圧密木板は、長手方向に連結されたいくつかの圧密木板条を含み、各圧密木板条は、厚さ方向に高周波ホットプレスステップにより処理された1層のコルク板条又は多層に連結されたコルク板条を含む。
【0004】
さらに定尺圧密板において、各定尺圧密板(又は各縦方向接合圧密木板)の長手方向に隣接する圧密木板条の縦方向接合接触面は、曲面又は傾斜面であり、前記傾斜面は、傾斜平面又は傾斜曲面を含み、好ましくは、前記曲面又は傾斜曲面は、鋸歯面であり、
各定尺圧密板(又は各横方向接合圧密木板)の幅方向に隣接する圧密木板条の横方向接合接触面は、平面又は傾斜面であり、前記傾斜面は、傾斜平面又は傾斜曲面を含み、好ましくは、前記傾斜曲面は、鋸歯面であり、
隣接する縦方向接合接触面又は隣接する横方向接合接触面は、いずれも樹脂層により連結され、前記樹脂層は、PVA樹脂層、PVB樹脂層、PVC樹脂層のうちの1種又は複数種を含むがそれらに限定されない。前記樹脂層に使用される樹脂は、エチレン-酢酸ビニル系共重合体又はポリオレフィン系材料のうちのいずれか1種又は複数種の混合物を含み、前記ポリオレフィン系材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン又はエチレンユニットを含むエチレン系エラストマーのうちのいずれか1種又は少なくとも2種の混合物である。
【0005】
さらに定尺圧密板において、当該定尺圧密板の製造プロセスは、
含水率が10%~20%のいくつかのコルク板条を赤外線で照射して平均温度が80~90℃まで昇温し、いくつかの予熱コルク板条を得る第1の予熱ステップと、
前記予熱コルク板条の赤外線に照射された表面に水層を付着し、いくつかの水層付着コルク板条を得る水層付着ステップと、
水層付着コルク板条を高周波条件で加熱圧縮処理及び硬化処理を行い、いくつかの圧密木板条を得る高周波ホットプレスステップと、
いくつかの圧密木板条を木材平均温度が70~90℃又は室温まで冷却する冷却処理ステップと、
長手方向に隣接する冷却後の圧密木板条を接合し、いくつかの縦方向接合圧密木板を得る縦方向接合ステップと、
幅方向に隣接する縦方向接合圧密木板を接合し、いくつかの横方向接合圧密木板を得る横方向接合ステップと、
いくつかの横方向接合圧密木板をいくつかの定尺圧密板に定尺で切断する定尺ステップと、を含む。
【0006】
さらに定尺圧密板において、前記水層付着コルク板条は、第2の予熱ステップによりさらに前記高周波ホットプレスステップを行い、そのうち、
第2の予熱ステップにおいて、いくつかの水層付着コルク条を赤外線で照射して温度が平均温度80~90℃に維持する。
【0007】
さらに定尺圧密板において、前記第1の予熱ステップ及び/又は第2の予熱ステップにおいて、赤外線照射は、赤外線照射空間で行われ、当該赤外線照射空間の温度は、130~150℃である。
【0008】
さらに定尺圧密板において、前記水層付着ステップにおいて、前記予熱コルク条の表面に1~4回の水を塗布又は噴霧する。
【0009】
さらに定尺圧密板において、前記樹脂層を形成するステップは、以下のとおりである。
S1において、圧密木板条の接合端面を曲面又は傾斜面に加工成形し、前記傾斜面は、傾斜平面又は傾斜曲面を含み、好ましくは、前記曲面又は傾斜曲面は、鋸歯面であり、
S2において、樹脂をホットメルトした後にホットメルト樹脂を製造し、前記ホットメルト樹脂を圧密木板条の接合端面に塗布し、
S3において、第1の付勢力で隣接する圧密木板条の接合端面を押圧する。
【0010】
さらに定尺圧密板において、S2ステップにおいて、樹脂をホットメルトした後に20~40メッシュ樹脂粒子を加え、均一に混合し、ペースト状ホットメルト樹脂を得、前記ペースト状ホットメルト樹脂を定尺圧密木の端面に塗布し、前記樹脂と樹脂粒子の重量比は、8:1~12:1であり、前記樹脂粒子は、PVA粒子、PVB粒子、PVC粒子のうちの1種又は複数種を含むがそれらに限定されない。
【0011】
さらに定尺圧密板において、冷却処理ステップにおいて、液体窒素冷凍技術でいくつかの圧密木板条を-150℃~-130℃の環境において9min~15min室温まで冷却し、さらに縦方向接合を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。本発明の高周波に基づく定尺圧密板は、良好なネジ把持力、曲げ強度、曲げ弾性などの加工性能及び優れた加速老化防止性能を有し、その製造方法が量産しやすく且つコストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来技術の横接合圧密機器である。
図2】本発明の実施例の定尺圧密板である。
図3】本発明の実施例の縦接合圧密木板である。
図4】横接合の概略図である。
図5】本発明の実施例の定尺圧密板である。
図6】本発明の実施例の定尺圧密板の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施例は、本発明の内容をさらに説明するが、本発明に対する制限として理解すべきではない。本発明の精神及び実質から逸脱しない場合、本発明の方法、ステップ又は条件に対して行われる修正又は置換は、いずれも本発明の範囲に属する。
【0015】
用語の解釈
定尺とは、例えば製品規格で定められた長さ、幅で板材を製造することである。理解されるように、定尺板材は、ロボット、パイプライン作業により適し、量産板を製造してコストを低減することができる。
【0016】
単圧とは、ホットプレス機が1層の木板をホットプレスすることである。
【0017】
合圧とは、ホットプレス機が多層の木板をホットプレスすることであり、例えば、ホットプレス機が3層の木板をホットプレスすることは、「三合圧」と呼ばれる。
【0018】
縦接合は、縦方向接合又は定尺直圧とも呼ばれ、長手方向に隣接する木板を接合することである。
【0019】
横接合は、横方向接合又は定尺側圧とも呼ばれ、幅方向に隣接する木板を接合することであり、図4に示すように参照する。
【0020】
接合端面について、図4に示すように参照し、木板の端面は、6つの面を含み、接合端面9は、木板の接合用の1つの端面である。接合後、接合端面は、縦接合接触面又は横接合接触面とも呼ばれる。
【0021】
樹脂層について、図4に示すように参照し、樹脂層8は、接合端面9の間に位置する。
【0022】
第1の付勢力とは、水平方向にかける第1の付勢力F1であり、中国特許出願CN112847694 Aを参照し、例えば空気圧固め装置により実現することができる。
【0023】
第2の付勢力とは、垂直方向にかける第2の付勢力F2であり、中国特許出願CN112847694 Aを参照し、例えば高周波ホットプレス機により実現することができる。本発明の定尺圧密板の用途は、具体的に限定されず、例えば板式家具の基材を作製する以外に、さらに床基材とし、すなわち化粧仕上げ人工板の基材とすることもできる。
【0024】
本発明の実施例の選択可能な使用機器は、スライサー、赤外予熱機器、水層付着装置(塗布機器でもスプレー機器でもよい)、高周波ホットプレス機、液体窒素冷凍機器、四角形溝加工機、仕分けシステム、歯打ち機器、ロールコータ、空気圧固め装置(油圧プレスに基づく各種板材パイプラインの締め付け装置を含む)、木工ブレーカー、木板印刷機を含むがそれらに限定されない。中国特許出願CN201811592197-高周波に基づく無接着剤の圧密機器、中国特許出願CN201910181348-高周波圧密木材の組み合わせ生産ライン、中国特許出願CN201922120903-無接着剤の横接合の圧密機器、中国特許出願CN202010100409-圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器及び圧密木機器パイプラインの機器を選択可能に引用し、また、本発明の構想に基づいて再構築された機器又は生産ラインもいずれも本発明の保護範囲内にある。
【0025】
本発明の実施例の選択可能な赤外予熱機器は、生産ラインの搬送装置(搬送チェーン又はローラであってもよい)に設置可能ないくつかの赤外予熱箱であり、すなわち搬送装置は、板材を携帯していくつかの赤外予熱箱の箱体内部の下方から通ることができ、各赤外予熱箱は、箱体内部の上方に設置される赤外昇温予熱管を含み、赤外昇温予熱管のワット数が調整可能であり、赤外予熱箱における空間温度を常に150℃程度に保持させ、プロセスの要求に応じて赤外予熱箱の生産ラインにおける長さを設置することができ、赤外予熱箱の生産ラインにおける長さが所定である場合、さらに搬送装置(例えば搬送チェーン)の速度を調整することにより、板材の予熱温度が60℃-100℃の間にあることを実現することができ、例えば、予熱温度が100℃であると速度率を遅くし、予熱温度が60℃であると速度を速くする。
【0026】
本発明の実施例の選択可能な水層付着装置は、生産ラインの搬送装置(搬送チェーン又はローラであってもよい)に設置可能ないくつかの水層塗布機であり、すなわち搬送装置は、板材を携帯していくつかの塗布機の箱体内部の下方から通ることができ、各水層塗布機は、箱体内部に設置される塗布ローラ群(1つの駆動ローラ及び1つの従動ローラを含む)及び給水装置を含み、そのうち、給水装置は、水を塗布ローラ群に散布することができ、塗布ローラ群は、水を木板に塗布することができ、さらに水層を木板に付着させる。プロセスの要求に応じて水層塗布機の数又はローラ群の数を設置することができ、例えば、各水層塗布機に1組の塗布ローラ群を設置してもよく、各水層塗布機に2組の塗布ローラ群を設置してもよく、明らかに2回塗布すれば、前者が2台、後者が1台は必要である。 塗布速度(ローラ群の回転速度)は、通常、搬送装置の走行速度と常に一致している。
【0027】
本発明の実施例の選択可能な液体窒素冷凍機器は、生産ラインの搬送装置(搬送チェーン又はローラであってもよい)に設置可能ないくつかの液体窒素冷凍箱であり、すなわち搬送装置は、板材を携帯していくつかの液体窒素冷凍箱の箱体内部の下方から通ることができる。液体窒素冷凍箱の箱内温度は、-150℃~-130℃程度である。
【0028】
以上の赤外予熱箱、液体窒素冷凍機器及び水層塗布機の機械的構造、電気的構造などの相応の設計は、既知の技術で実現することができ、本願では、一々説明しない。
【0029】
以下、実施形態を参照して本発明を説明し、そのうち引用された中国特許出願の方法は、いずれも全文引用であり、当業者は、本発明の構想に基づいて直接引用又は少し修正した間接引用を行うことができ、本発明は、引用方式を具体的に限定しない。
【0030】
(実施形態1)コルク条の製造
本発明の実施例に用いられるコルク条の製造方法は、あらゆる既知の技術で製造することができ、例えば鋸刃加工法を採用し、含水率を60~80%に制御するスライス法(鋸刃ではなくスライスを採用し、含水量が大きいポプラはスライスにより適し、前処理乾燥を必要とせず、且つ基材の損失を低減することができる。)、蒸煮スライス法(材料の選び出し、蒸煮、スライス、風乾というステップを含む)のいずれでもよい。本発明の実施例に用いられるコルク条の寸法は、定尺圧密板の寸法に基づいて決定され、48尺(4尺×8尺)の定尺圧密板を製造することを例とし、コルク条は、厚さが1~4cmであってもよく、幅が22cm又は44cmであってもよく、コルクは、一般的にポプラである。コルク条の含水率は、一般的に10%-20%である。
【0031】
(実施形態2)水層付着コルク条の製造
本発明のいくつかの実施例は、前記水層塗布機で2-4回塗布し、赤外線に照射された前記予熱コルク条の表面に水層を付着させ、いくつかの水層付着コルク条を得る。水層塗布機は、パイプラインにより容易に設置するが、選択可能な実施例においてスプレー装置で予熱コルク条の表面に水層を付着させることができる。当然ながら、小規模に製造する場合、予熱コルク条の表面に人で薄い水層を付けてもよい。水層付着コルク条は、高周波ホットプレスの瞬間に熱蒸気を発生し、さらに後続に得られた圧密木板条の木性を変更し(ヘアラインを減少し)、本発明の構想に基づく他の実現形態も本発明の保護範囲内にある。
【0032】
(実施形態3)圧密木板条(単圧)の製造
本発明の実施例に用いられる圧密木板条(単圧)の製造方法は、少なくとも加熱圧縮処理及び硬化処理ステップを含み、選択可能な実施例は、冷却処理及び養生処理を含む。以下、中国特許出願CN109465932Aを引用する方法であり、本発明の実施例の選択可能な圧密木板条(単圧)の製造方法としては、以下のとおりである。
【0033】
加熱圧縮処理において、木材を高周波により木材平均温度が100-110℃になるまで加熱し、5-7min保温し、第1の圧縮率で圧縮する。
【0034】
硬化処理において、加熱圧縮処理された木材を高周波により木材の平均温度が180-220℃になるまで加熱し、5-8min保温し、硬化処理を行う。
【0035】
冷却処理において、水冷技術で硬化処理された木材表面を5-15℃/minの速度で冷却し、木材の平均温度が70-90℃になるまで冷却し、水冷技術の水の流速は、0.9-1.3m/sであり、冷却処理過程において、木材表面温度が85-90℃になるまで冷却すると、風冷却を行い、風速は、9.2-9.7m/sであり、風の温度は、55-60℃である。
【0036】
養生処理において、冷却処理された木材を室温に置き、13-15日間養生し、無接着剤の圧密硬木を得、養生処理の具体的な方法は、冷却処理された木材を水平乾燥面に置き、木材の上面に5.5-7.2Mpaの圧力をかけ、3日間養生した後、圧力が0になるまで毎日1.2-1.5Mpaの圧力を減少し、10-12日間養生し続けることである。
【0037】
(実施形態4)圧密木板条(三合圧)の製造
本発明の実施例に用いられる圧密木板条(三合圧)の製造方法は、少なくとも加熱圧縮処理(加熱加圧処理とも呼ばれる)及び硬化処理というステップを含み、選択可能な実施例は、冷却処理(降温処理とも呼ばれる)及び養生処理を含む。以下、中国特許出願CN111347511Aを引用する方法であり、本発明の実施例の選択可能な圧密木板条(三合圧)の製造方法としては、以下のとおりである。
【0038】
積層処理において、2つ又は2つ以上の木板を少なくとも1つの受力方向に基づいて積層して置き、積層木板を得、前記受力方向は、直接圧力方向及び間接圧力方向を含む。
【0039】
加熱加圧処理において、前記積層木板の劣化接続層を木板温度が80-100℃になるまで加熱し、4-6min保温し、さらに前記受力方向に基づいて予め設定された圧縮率で加圧処理を行う。
【0040】
硬化処理において、加熱加圧処理された木板を高周波により木板温度が180-220℃になるまで加熱し、5-8min保温し、硬化処理を行い、硬化木板を製造する。
【0041】
降温処理において、水冷技術で硬化処理された木板表面を5-15℃/minの速度で冷却し、木板温度が70-90℃になるまで冷却し、水冷技術の水の流速は、0.9-1.5m/sであり、木板表面の温度が85-90℃になるまで冷却し、風冷却を行い、風速は、9.2-9.7m/sであり、風の温度は、55-60℃である。
【0042】
養生処理において、降温処理された木板を常温で15-20日間置くと、高周波混合材に基づく無接着剤の複合材料を得る。
【0043】
圧密木板条(三合圧)に基づいて製造された定尺圧密板は、厚さ方向に3層設計を呈し、幅方向に2本の継ぎ目を呈し、隣接する積層木板は、横方向と縦方向の応力を相互に作用させ、互いに相殺し、構造の反発防止性能を表す。また、異なるスライスに木性が必然的に異なるため、ホット
プレスされた後に定尺圧密板の独自の筋目(偽造防止筋に相当し)が側辺に形成され、天然木材に相当し、パーティクルボードなど他の製品にはない特性である。
【0044】
(実施形態5)縦接合圧密木板の製造
本発明の実施例に用いられる縦接合圧密木板の製造方法は、中国特許出願CN201911193101の方法を含むがそれらに限定されず、すなわち木板の間に樹脂フィルムを挟んだ後にホットプレスすることが要求される。また、本発明のいくつかの実施例は、以下の樹脂混練材料挟み方法を使用する。
【0045】
長手方向に隣接する冷却後の圧密木板条を接合し、いくつかの縦接合圧密木板を得、具体的には以下のステップを含む。
【0046】
a)材料を混合し、樹脂を加熱してホットメルトして樹脂ホットメルト材料を得、さらに20-40メッシュの樹脂粒子を加え、撹拌し、樹脂混錬材料(ペースト状ホットメルト樹脂とも呼ばれる)を得、前記樹脂は、PVA、PVB、PVCのうちの1種又は複数種を含むがそれらに限定されず、前記樹脂粒子は、PVA粒子、PVB粒子、PVC粒子のうちの1種又は複数種を含むがそれらに限定されない。
【0047】
b)櫛歯(フィンガージョイント)(圧密パイプライン)は、定尺された三合圧板、首尾2つの端面を鋸歯化し、櫛歯された三合板を得る。
【0048】
c)櫛歯された三合板、ローラ機を用い、櫛歯部位に樹脂を塗り、パイプラインにおいて、樹脂を付けた櫛歯三合板は、首尾で接触し、前後2つの櫛歯三合板の櫛歯部は、パイプラインの空気圧固め装置において、動作しながら加圧し、櫛歯が接続された三合板を定尺直圧空気圧固め装置に移送する。
【0049】
d)定尺直圧において、櫛歯が接続された三合板を、定尺直圧空気圧固め装置に置いて圧接し、定尺直圧圧密板を得る。
【0050】
(実施形態6)横接合圧密木板の製造
本発明の実施例に用いられる縦接合圧密木板の製造方法は、中国特許出願CN201911193101の方法を含むがそれらに限定されず、すなわち木板の間に樹脂フィルムを挟んだ後にホットプレスすることが要求される。また、本発明のいくつかの実施例は、以下の樹脂ホットメルト材料挟み方法を使用する。
【0051】
a)樹脂を加熱してホットメルトして樹脂ホットメルト材料を得る。
【0052】
b)幅方向に隣接する縦接合圧密木板の間に樹脂ホットメルト材料を塗布し、さらに空気圧固め装置により付勢力をかけ、定尺側圧空気圧固め装置により接合を完了させ、いくつかの横接合圧密木板(定尺側圧圧密板とも呼ばれる)を得る。
【0053】
(実施形態7)定尺圧密板の製造
図2、3に示すように、本発明の定尺圧密板1は、幅方向に圧着されたいくつかの同じ寸法の縦接合圧密木板2を含み、各縦接合圧密木板2は、長手方向に圧着されたいくつかの圧密木板条3を含み、各圧密木板条3は、厚さ方向に高周波ホットプレスステップにより圧着されたいくつかのコルク条4を含む。
【0054】
隣接する圧密木板条3の接合箇所に縦接合模様5が形成され、隣接する縦接合圧密木板の接合箇所に横接合模様6が形成され、隣接するコルク条の接合箇所に複数の高周波ホットプレス模様7が形成される。
【0055】
隣接する縦接合圧密木板2の縦接合模様5は、同一直線上にない。
【0056】
隣接するコルク条4の各高周波ホットプレス模様7の方向は、同じであるが交差しない。 具体的には、高周波ホットプレス模様7は、高周波加圧成形で形成されるため、異なるコルク条4の木性が必然的に異なるため、図2に示すように、ホットプレスした後に定尺圧密板の独自の筋目(偽造防止筋に相当し)が側辺に形成される。
【0057】
各定尺圧密板1のいくつかの縦接合圧密木板2において、中間に位置するのは、同じ寸法の縦接合圧密木板2であり、
各縦接合圧密木板2のいくつかの圧密木板条3の幅は、等しい。
【0058】
本発明の定尺圧密板は、密度が0.58~0.6であり、強度が松木に相当し、パーティクルボード、多層板及び密度板を代替し、キャビネット板とすることができ、板面ネジ把持力が1400N~1600Nであり、曲げ強度が50MPa~65MPaであり、曲げ弾性が6500MPa~7500MPaであるという性能を有する。
【0059】
当該定尺圧密板の製造プロセスは、
含水率が10%-20%のいくつかのコルク条を赤外線で照射して平均温度が80-90℃になるまで昇温し、いくつかの予熱コルク条を得る第1の予熱ステップと、
赤外線で照射された前記予熱コルク条の表面に水層を付着させ、いくつかの水層付着コルク条を得る水層付着ステップと、
水層付着コルク条を高周波条件で実施例2又は実施例3の方法に基づいて加熱圧縮処理及び硬化処理を行い、いくつかの圧密木板条を得る高周波ホットプレスステップと、
実施例2又は実施例3の方法に基づいていくつかの圧密木板条を木材の平均温度が70-90℃になるまで冷却する冷却処理ステップと、
長手方向に隣接する冷却後の圧密木板条を接合し、いくつかの縦接合圧密木板を得る縦方向接合ステップと、
幅方向に隣接する縦接合圧密木板を接合し、図4に示すように、いくつかの横接合圧密木板を得る横方向接合ステップと、
いくつかの横接合圧密木板を木工ブレーカーでいくつかの定尺圧密板に定尺して切断する定尺ステップと、を含む。
【0060】
本発明のいくつかの実施例の定尺圧密板ネジ把持力は、少なくとも30%向上でき、ポプラを例とし、密度が0.58~0.6に達し、強度が松木に相当し、パーティクルボード、多層板及び密度板を代替し、キャビネット板とすることができる。
【0061】
(実施形態8)化粧仕上げ人工板の製造
いくつかの選択可能な実施例において、定尺圧密板は、化粧仕上げ人工板の基材とし、
いくつかの定尺圧密板をすり、木板印刷機で模様(印刷層)を印刷し、いくつかの化粧仕上げ人工板を得る模様印刷ステップをさらに含む。
【0062】
以下、具体的な実施例、比較例を参照し、本発明をさらに説明する。
【0063】
(実施例1)定尺圧密板の製造
1.コルク条の製造ステップにおいて、実施形態1の方法を参照し、長さが50cm-120cmであり、幅が22cmである定尺ポプラ板条(コルク条とも呼ばれる)を製造し、含水率が15±3%である。
【0064】
2.第1の予熱ステップにおいて、含水率が15±3%のいくつかのコルク条を前記赤外予熱箱により赤外線で照射して平均温度が80-90℃になるまで昇温し、当該赤外照射空間の温度は、130℃であり、いくつかの予熱コルク条を得る。
【0065】
3.水層付着ステップにおいて、実施形態3を参照し、前記1組の塗布ローラ群を設置した水層塗布機を2台で合計2回塗布し、赤外線で照射された前記予熱コルク条の表面に水層を付着させ、いくつかの水層付着コルク条を得る。
【0066】
4.高周波ホットプレスステップにおいて、水層付着コルク条を高周波条件で実施形態3の方法に基づいて加熱圧縮処理及び硬化処理を行い、いくつかの圧密木板条を得る。
【0067】
5.冷却処理ステップにおいて、実施形態3の方法に基づいていくつかの圧密木板条を木材の平均温度が70-90℃になるまで冷却する。
【0068】
6.縦方向接合ステップにおいて、中国特許出願CN201911193101の方法を参照し、長手方向に隣接する冷却後の圧密木板条を接合し、いくつかの縦接合圧密木板を得る。
【0069】
7.横方向接合ステップにおいて、中国特許出願CN201911193101の方法を参照し、幅方向に隣接する縦接合圧密木板を接合し、いくつかの横接合圧密木板を得る。
【0070】
8.定尺ステップにおいて、いくつかの横接合圧密木板を木工ブレーカーでいくつかの定尺圧密板に定尺して切断し、48尺(4尺×8尺)の定尺圧密板(長さ、幅、厚さの寸法が2440mm*1220mm*20mmである)を得る。
【0071】
(実施例2)定尺圧密板の製造
実施例1と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
第1の予熱ステップにおいて、当該赤外照射空間の温度は、140℃である。
水層付着ステップにおいて、前記1組の塗布ローラ群を設置した水層塗布機を3台で合計3回塗布する。
【0072】
(実施例3)定尺圧密板の製造
実施例1と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
第1の予熱ステップにおいて、当該赤外照射空間の温度は、150℃である。
水層付着ステップにおいて、前記1組の塗布ローラ群を設置した水層塗布機を3台で合計3回塗布する。
【0073】
前記水層付着コルク条は、第2の予熱ステップを行った後に前記高周波ホットプレスステップを行い、そのうち、
第2の予熱ステップにおいて、いくつかの水層付着コルク条に赤外線で照射して温度を平均温度が80-90℃になるまで維持する。
【0074】
(実施例4)定尺圧密板の製造
実施例1と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
縦方向接合ステップにおいて、実施形態5の樹脂混練材料挟み方法を参照し、長手方向に隣接する冷却後の圧密木板条を接合し、いくつかの縦接合圧密木板を得、そのうち、各縦接合圧密木板の長手方向に隣接する圧密木板条の縦接合接触面は、鋸歯面である。
横方向接合ステップにおいて、実施形態6の樹脂ホットメルト材料挟み方法を参照し、幅方向に隣接する縦接合圧密木板を接合し、いくつかの横接合圧密木板を得、そのうち、各横接合圧密木板の幅方向に隣接する圧密木板条の横接合接触面は、平面である。
【0075】
隣接する2つの縦接合接触面又は隣接する横接合接触面は、いずれもPVB樹脂層により圧着される。
【0076】
縦接合のPVB樹脂層を形成するステップは、以下のとおりである。
S1において、圧密木板条の接合端面を鋸歯面に加工成形し、
S2において、PVB樹脂をホットメルトした後に20-40メッシュのPVB樹脂粒子を加え、撹拌し、PVB樹脂混練材料を得、PVB樹脂混練材料を定尺圧密木の接合端面(縦接合接触面)に塗布し、前記PVB樹脂とPVB樹脂粒子との重量比は、8:1であり、
S3において、空気圧固め装置で隣接する圧密木板条の接合端面を押し出す。
【0077】
横接合のPVB樹脂層を形成するステップは、以下のとおりである。
S1において、圧密木板条の接合端面を平面に加工成形し(既に平面のものは、このステップを省略し)、
S2において、PVB樹脂をホットメルトした後にPVB樹脂ホットメルト材料を得、PVB樹脂混練材料を定尺圧密木との接合端面(横接合接触面)に塗布し、
S3において、空気圧固め装置で隣接する圧密木板条の接合端面を押し出す。
【0078】
(実施例5)定尺圧密板の製造
実施例4と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
縦接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を鋸歯面に加工成形し、
S2において、PVB樹脂とPVB樹脂粒子との重量比は、10:1である。
横接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を傾斜平面に加工成形する。
【0079】
(実施例6)定尺圧密板の製造
実施例4と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
縦接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を鋸歯面に加工成形し、
S2において、PVB樹脂とPVB樹脂粒子との重量比は、12:1であり、
横接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を平面に加工成形する。
【0080】
(実施例7)定尺圧密板の製造
実施例4と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
高周波ホットプレスステップ(三合圧)において、水層付着コルク条を高周波条件で実施形態4の方法を参照して加熱圧縮処理及び硬化処理を行い、バリ付きの三合圧板を得、 四角形溝加工機を用いてバリ付きの三合圧板の前後左右をトリミングし、いくつかの圧密木板条(三合圧板とも呼ばれる)を得る。そのうち、
積層処理において、3つの水層付着コルク条を1つの受力方向に基づいて積層して置き、積層木板を製造し、さらに6-8個の積層木板をマトリックスに従ってホットプレス機の圧密盤/パレットに配列し、その受力方向は、直接圧力方向である。
【0081】
高周波条件は、圧縮速度が25秒/回であり、圧縮比が25%であることである。
【0082】
(実施例8)定尺圧密板の製造
実施例7と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
高周波条件は、圧縮速度が27秒/回であり、圧縮比が30%であることである。
【0083】
(実施例9)定尺圧密板の製造
実施例7と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
高周波条件は、圧縮速度が30秒/回であり、圧縮比が28%であることである。
【0084】
(実施例10)定尺圧密板の製造
実施例7と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
冷却処理ステップにおいて、液体窒素冷凍技術でいくつかの圧密木板条を-130℃の環境に置いて室温まで15min冷却し、さらに縦方向接合を行う。通常、液体窒素冷凍技術でいくつかの圧密木板条を室温まで冷却し、さらに液体窒素冷凍箱の箱内から離れる。 別のいくつかの実施例において、「室温」とは、縦方向接合を行う前の温度であり、パイプライン作業に対し、-130℃の環境で圧密木板条の温度が3~5℃になるまで冷却し、さらにパイプラインから送り出されて縦方向接合機器に入る。
【0085】
(実施例11)定尺圧密板の製造
実施例10と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
冷却処理ステップにおいて、液体窒素冷凍技術でいくつかの圧密木板条を-140℃の環境に置いて室温まで12min冷却し、さらに縦方向接合を行う。
【0086】
(実施例12)定尺圧密板の製造
実施例10と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
冷却処理ステップにおいて、液体窒素冷凍技術でいくつかの圧密木板条を-150℃の環境に置いて室温まで9min冷却し、さらに縦方向接合を行う。
【0087】
(比較例1)定尺圧密板の製造
実施例1と基本的に同じであるが、異なるのは、水層付着ステップを省略することである。
【0088】
(比較例2)定尺圧密板の製造
実施例1と基本的に同じであるが、異なるのは、水層付着ステップを省略し、第1の予熱ステップを高周波ホットプレス機により予熱することに変更することである。
【0089】
(比較例3)定尺圧密板の製造
実施例1と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
第1の予熱ステップにおいて、当該赤外照射空間の温度は、160℃であり、いくつかの予熱コルク条を得る。
水層付着ステップにおいて、前記1組の塗布ローラ群を設置した水層塗布機を1台で合計1回塗布する。
【0090】
(比較例4)定尺圧密板の製造
実施例4と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
縦接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を平面に加工成形し、
横接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を傾斜平面に加工成形する。
【0091】
(比較例5)定尺圧密板の製造
実施例4と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
縦接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を傾斜平面に加工成形し、
横接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を鋸歯面に加工成形する。
【0092】
(比較例6)定尺圧密板の製造
実施例4と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
縦接合接触面を形成するステップにおいて、
S2において、PVB樹脂とPVB樹脂粒子との重量比は、14:1であり、
横接合接触面を形成するステップにおいて、
S1において、圧密木板条の接合端面を傾斜平面に加工成形する。
【0093】
(比較例7)定尺圧密板の製造
実施例7と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
高周波条件は、圧縮速度が40秒/回のことである。
【0094】
(比較例8)定尺圧密板の製造
実施例7と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
高周波条件は、圧縮速度が10秒/回のことである。
【0095】
(比較例9)定尺圧密板の製造
実施例7と基本的に同じであるが、異なるのは、以下のとおりである。
高周波条件は、圧縮比が20%のことである。
【0096】
以下、実施例及び比較例を参照して以下の試験を行う。
【0097】
(試験例1)ヘアラインの測定
木板を厚さ方向に沿って3mm厚さの表層(赤外照射を受ける表層)をのこぎりで切って除去して内層を露出させ、密度及び含水率を測定し、続いて四隅で4つ及び中心で2つの合計6つの試験材を切り出す。
【0098】
試験材の寸法は、長さが150±1mm、幅が50±0.5mmのことである。
【0099】
試験方法は、照度が800lx~1000lxにて、正常視力(又は正常視力に矯正)及び6倍ルーペで試験材の表面のヘアラインを検査することである。
【0100】
ヘアラインのグレードについて、5級なのは、ヘアラインがないものであり、4級なのは、6倍のルーペだけでヘアラインがあるものであり、3級なのは、肉眼でヘアラインが観察可能なものであり、1枚の木板のヘアラインは、全ての試験材のヘアラインのグレードの算術平均値であり、整数に近似し、結果を表1に示す。
【0101】
(表1) ヘアラインのグレードの測定結果
【0102】
試験結果から分かるように、実施例1~3は、比較例1~3に比べて明らかにヘアラインが少ない。水層付着コルク条は、高周波ホットプレスの瞬間に熱蒸気を発生し、さらに木性を変化させる可能性がある。実施例1~3と比較例2との比較から分かるように、赤外予熱と水層付着コルク条の高周波ホットプレスとの組み合わせを採用し、高周波予熱と硬化のヘアラインのグレードと基本的に同じであるが、前者は、パイプラインにより適し且つコストが低く、後者の高周波ホットプレス機により予熱を完了させることよりも優れる。実施例1~3と比較例1及び比較例3との比較から分かるように、赤外予熱又は不適切な水層付着は、ポプラの定尺圧密板の赤外照射を受ける表層2mm-4mm付近にヘアラインを発生させ、試験例1により明らかなように、実施例1-3の方法は、基本的にこの問題を解決することができる。
【0103】
(試験例2)曲げ強度、曲げ弾性率テスト
曲げ強度の検出方法は、GB/T 1936.1-2009『木材曲げ強度試験方法』であり、曲げ弾性率の検出方法は、GB/T 1936.2-2009『木材曲げ弾性率測定方法』であり、試験結果を表2、表3に参照する。
【0104】
(表2) 曲げ強度のテスト結果
【0105】
(表3) 曲げ弾性率のテスト結果
【0106】
試験結果から分かるように、実施例1~6は、比較例4~6に比べて曲げ強度、曲げ弾性率がいずれも優れる。実施例4~6の曲げ強度、曲げ弾性率の性能は、さらに良好である。このように、三合圧の方がより有利である。実施例4~6と比較例4との比較から分かるように、縦結合接触面を形成するステップにおいて、圧密木板条の結合端面を鋸歯面に加工成形し、樹脂担持量を増加し、曲げ強度、曲げ弾性率の性能の向上に大きく影響する。実施例4~6と比較例5との比較から分かるように、横接合接触面を形成するステップにおいて、圧密木板条の接合端面を鋸歯面に加工成形し、しかし曲げ強度、曲げ弾性率の性能の向上に大きく影響しない。実施例4~6と比較例6との比較から分かるように、縦接合接触面を形成するステップにおいて、PVB樹脂とPVB樹脂粒子の重量比は、曲げ強度、曲げ弾性率の性能の向上に大きく影響する。
【0107】
(試験例3)ネジ把持力テスト
ネジ把持力の検出方法は、GB/T 17657-2013『人工板及び化粧仕上げ人工板の理化学的性能試験方法』であり、試験結果を表4に参照する。
【0108】
(表4) ネジ把持力のテスト結果
【0109】
試験結果から分かるように、実施例4~9の板面ネジ把持力は、いずれも中密度板、細木工板及び一般的なパーティクルボードのネジ把持力よりも優れる。実施例7~9の板面ネジ把持力は、化粧仕上げ可能な配向構造板に似ている。実施例4~9の板辺ネジ把持力は、基本的に同じであるが、実施例7~9の板接合箇所ネジ把持力は、実施例4~6よりも優れる。実施例4~6と実施例7~9との比較から分かるように、圧縮速度と圧縮比に有意差がない。
【0110】
(試験例4)ホルムアルデヒド含有量の測定
ホルムアルデヒド(mg/L)の判定基準は、GB 18584-2001『内装工事材料の木家具における有害物質の制限量』であり、試験結果を表5に参照する。
【0111】
(表5) ホルムアルデヒドテスト結果
【0112】
テスト結果について、実施例1、実施例4、実施例7及び実施例10は、いずれもGB 18584-2001『内装工事材料の木家具における有害物質の制限量』におけるホルムアルデヒドに関する指標要求に合致する。
【0113】
(試験例5)加速老化性能の測定
1.試験材を温水浸漬-噴霧蒸発-冷凍-乾燥-噴霧蒸発-乾燥により、6回の循環を行った後、試験材のネジ把持力と吸水厚さ膨張率性能を測定する。
【0114】
2.設備機器は、人工板蒸気加速老化試験箱を採用し、それがGB/T 17657-2013『人工板及び化粧仕上げ人工板理化学的性能試験方法』における「加速老化性能の測定」の設備機器に関する要求に合致する。
【0115】
3.試験材の寸法について
静的曲げ強度試験材の寸法は、(長さ450±1mm、幅50±1mm、厚さ20±1mm)であり、
ネジ把持力試験材の寸法は、(長さ75±1mm、幅50±1mm、厚さ20±1mm)であり、
吸水厚さ膨張率試験材の寸法は、(長さ50±1mm、幅50±1mm)である。
【0116】
4.試験材のバランス処理
試験材を20±2℃、相対湿度が65±5%の環境に所定の質量(24hおきに2回秤量し、2回秤量の質量差が圧密材料の質量の1%よりも小さいと質量が所定と考えられる)になるまで置く。
【0117】
5.試験方法
加速老化循環において、試験材は、6回の循環試験を行うことになる。各循環は、以下のステップを含む。
a)試験材は、(49±2)℃の温水に1h浸漬する。
b)試験材は、(93±3)℃の蒸気に3h噴霧蒸発する。
c)試験材は、(-12±3)℃の冷凍庫に20h冷凍する。
d)試験材は、(99±2)℃の送風乾燥箱に3h乾燥する。
e)試験材は、(93±3)℃の蒸気に3h噴霧蒸発する。
f)試験材は、(99±2)℃の送風乾燥箱に18h乾燥する。
【0118】
6回の循環加速老化試験が全て完了した後、試験材を(20±2)℃、相対湿度が(65±5)%の条件で少なくとも48hに置き、続いて性能検出を行い、試験結果を表6に参照する。
【0119】
(表6) 加速老化性能の測定
【0120】
試験結果から分かるように、加速老化した後、実施例4、実施例7及び実施例10のネジ把持力は、いずれも低下するが、依然として中密度板、細木工板、一般的なパーティクルボードよりも優れ又はそれらに相当する。実施例7及び実施例10は、実施例4よりも吸水厚み膨張率が低く、従って、三合圧技術は、構造反発防止性能を示す。実施例10は、吸水厚さ膨張率が最も低く、焼入れ反発防止と構造反発防止性能が相乗的に作用できることを示す。
【0121】
以上において一般的な説明、具体的な実施形態及び試験で、本発明について詳細に説明したが、本発明を基にして、それに対していくつかの修正又は改良を行うことができ、これは当業者にとって明らかである。したがって、本発明の精神から逸脱することなく行われたこれらの修正又は改良は、いずれも本発明の保護を請求する範囲に属する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6