(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122912
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ガス流を洗浄するためのプロセス及び装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/18 20060101AFI20240902BHJP
B01D 50/00 20220101ALI20240902BHJP
B01D 50/60 20220101ALI20240902BHJP
B01D 53/60 20060101ALI20240902BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20240902BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B01D53/18
B01D50/00 501A
B01D50/60 ZAB
B01D50/00 501K
B01D53/60 200
B01D53/62
B01D53/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024026595
(22)【出願日】2024-02-26
(31)【優先権主張番号】2301845
(32)【優先日】2023-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ルイジ・カロロ
(72)【発明者】
【氏名】マルタン・ラベントス
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・フエンテス
【テーマコード(参考)】
4D002
4D020
【Fターム(参考)】
4D002AA02
4D002AA09
4D002AA12
4D002AC01
4D002BA02
4D002BA14
4D002CA13
4D002DA02
4D002DA12
4D002DA16
4D002DA35
4D002EA05
4D002EA13
4D002FA01
4D002GA01
4D002GB02
4D002HA01
4D002HA08
4D020AA05
4D020AA06
4D020BA01
4D020BA08
4D020BA09
4D020BA23
4D020BB03
4D020CC09
4D020CD02
4D020DA03
4D020DB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ガス流を洗浄するためのプロセスにおいて、洗浄塔からの液体を用いて空気及び水を冷却するプロセス及び装置を提供する。
【解決手段】ガス流を洗浄するためのプロセスにおいて、洗浄塔Kからの液体7が、空気流19を冷却するために気化されE1、これは、その後、水25を冷却するために使用され、洗浄プロセスの上流又は下流で使用される冷却水27を生成する、プロセスである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流を洗浄するためのプロセスにおいて、
i) 少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質と、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO2と、を含むガス流(1)が、洗浄塔(K)に送られ、そこで、ガス流(1)は、前記洗浄塔の頂部において、CO2が富化されたガス(5)と、前記洗浄塔の底部において、前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質が富化された底部液体(3、7)と、を生成するために、水(3)で及び/又はアルカリ性の液体(2)で冷却及び洗浄され、
ii) 前記底部液体の少なくとも一部(7)は、精製液体(8、13)を生成するために、オプションで、濾過及び/又は鉱物質除去され、
iii) 段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、直接接触における蒸発によって、又は間接熱交換によって、空気流(19)を冷却するために使用されて、冷却された空気流(21)を形成し、
iv) 冷却された前記空気流は、間接熱交換又は直接熱交換によって、水流(25)を冷却するために使用されて、冷却された水流(27)を形成する、プロセス。
【請求項2】
段階i)の前記底部液体(7)の前記少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(13)は、それが存在する場合、段階iii)の上流で、ポンプ(P)によって加圧される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
冷却された前記水流(27)は、熱交換によって、圧縮機の2つの段の間及び/又は圧縮機(C)の最終段の後で、圧縮されたガスを冷却するために使用され、前記圧縮機は、
i) 前記洗浄塔(K)の上流での前記ガス流(1)の圧縮機であるか、又は
ii) 前記洗浄塔の前記頂部において引き出された前記CO2が富化されたガス(5)の圧縮機であるか、又は
iii) 前記洗浄塔の前記頂部において引き出された前記CO2が富化されたガスの分縮及び/又は蒸留によって生成された、CO2が富化された生成物(29)の圧縮機であり、このガスは、酸素及び/又は窒素及び/又は一酸化炭素を含有している、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記底部液体(7)の少なくとも一部は、それが含有する前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質を少なくとも部分的に除去するために、その気化の上流で処理され、除去された成分は、廃棄される(9、11)、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
段階i)の前記底部液体の少なくとも一部(7)又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、気化の上流で、貯蔵設備(S)に貯蔵される、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、存在する場合、周囲温度が閾値より低いときは、蒸発によって前記空気流(19)を冷却するためには使用されず、前記周囲温度が前記閾値より低いときは、前記貯蔵設備(S)に貯蔵される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、前記周囲温度が前記閾値より大きいときにのみ、蒸発によって前記空気流(19)を冷却するために使用される、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
液体流(15)が、霧化によって、又は断熱空気冷却器において、又はハイブリッド空気冷却器において(E1)、気化される、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
ガス流を洗浄するための洗浄装置であって、
洗浄塔(K)と、
オプションで、処理ユニット(T)と、
オプションで、貯蔵設備(S)と、
蒸発器(E1)と、
熱交換手段(E2)と、
少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質と、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO2と、を含むガス流(1)を、前記洗浄塔の頂部において、CO2が富化されたガス(5)と、前記洗浄塔の底部において、前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質が富化された底部液体(3、7)と、を生成するために、水(3)及び/又はアルカリ性の液体(2)によって、ガス流(1)を冷却し及びそれを洗浄するために、前記洗浄塔に送るための手段と、
前記洗浄塔から前記底部液体を出すための手段と、
オプションで、前記底部液体の前記少なくとも一部を、それを精製するために前記処理ユニットにおいて処理した後、及び/又は、前記底部液体の少なくとも一部を前記貯蔵設備に貯蔵した後、空気流との直接熱交換又は間接熱交換によって蒸発させるために、前記蒸発器に前記底部液体の少なくとも一部(7)を送るための手段と、
冷却されるべき水流(25)との間接熱交換又は直接熱交換のために、前記蒸発器において冷却された前記空気流(21)を前記熱交換手段に送り、冷却された水流(27)を形成するための手段と、を備える洗浄装置。
【請求項10】
前記底部液体(7)の少なくとも一部又は精製液体(13)を、それが存在する場合、前記蒸発器(E1)の上流で、加圧するためのポンプを備える、請求項9に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記蒸発器(E1)の上流で、前記底部液体(7)の少なくとも一部を、それが含有する前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質を少なくとも部分的に除去するために、処理するための処理ユニットを備える、請求項9又は10に記載の洗浄装置。
【請求項12】
前記蒸発器(E1)の上流で、前記底部液体の少なくとも一部(7)又は精製液体(8)を貯蔵するための貯蔵設備を備える、請求項9~11のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項13】
前記蒸発器への前記底部液体(7)の少なくとも一部又は精製液体(8)の送出を、周囲温度に応じて調節するための手段を備える、請求項9~12のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項14】
ガス流(1)の分離のための装置であって、請求項9~13のいずれか一項に記載の洗浄装置と、前記CO2が富化されたガスを分離して、前記ガスに関してCO2が富化された流体生成物を形成するために、前記洗浄装置に接続された、圧縮機(C)並びに蒸留及び/又は分縮による分離のための装置(CC)と、前記圧縮機を冷却するための前記冷却された水流を送るための手段と、を備え、前記圧縮機は、
i) 前記洗浄塔の上流での前記ガス流(1)の圧縮機であるか、又は
ii) 前記洗浄塔の頂部において引き出された前記CO2が富化されたガス(5)の圧縮機であるか、又は
iii) 前記洗浄塔の頂部において引き出された前記CO2が富化されたガスの分縮及び/又は蒸留によって生成された、CO2が富化された生成物(29)の圧縮機である、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流を洗浄するためのプロセス及び装置に関する。ガス流は、例えば、燃焼によって生成される、高温(典型的に少なくとも150℃、実際には少なくとも180℃さえも)のガスであり得る。それはまた、周囲温度にある場合もある。それは、乾燥ベースで少なくとも15mol%の二酸化炭素を含有し、CO2を回収し且つ後者が大気に排出されることを防止するために処理される。
【背景技術】
【0002】
気候変動は、最大の環境課題の1つとなっている。大気中の二酸化炭素濃度の増加は、地球温暖化の原因の非常に大きな部分を占めている。人工的なCO2は、本質的に、火力発電所における化石燃料の燃焼によって大気中に放出される。火力発電所は、燃料の燃焼によって、蒸気及びオプションで機械的又は電気的エネルギーを生成するために使用され得る熱を放出することを可能にする。燃焼煙道ガスは、かなりの量のCO2を大気中に放出する。燃焼プロセスは、特に、主にCO2、水、例えば30mol%の水、非凝縮性ガス(N2、Ar、O2)とも呼ばれる、空気から生じるガス、NOx及びSOxと呼ばれる酸性ガス、並びにかなりの量の粉塵を含む、煙道ガスの生成をもたらす。
【0003】
処理及び精製段階、特に、圧縮段階(その後に冷却が続く)の間、全ての硫黄酸化物及び全ての窒素酸化物をまとめた総称であるSOx及び/又はNOxは、酸性凝縮液(acidic condensates)、特に、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、及び同様のものを生成することになり、これは、腐食のリスクを制限するためには、回避されなければならない。
【0004】
洗浄の目的は、燃焼ガスの温度を低下させ、燃焼ガス中に浮遊する物質、例えば粉塵と、燃焼ガス中に含まれる酸成分と、をはじき出すことである。
【0005】
燃焼ガスの組成に応じて、洗浄は、水又は塩基の添加によって塩基性にされた水を用いて行われ得る。
【0006】
塩基性湿式洗浄操作は、煙道ガス中に含まれる酸性ガスを除去するための煙道ガスの処理において認識されている技術である。ナトリウム塩基が、それらの性能品質(溶解性、従って、沈殿を回避する能力)と、それらの入手可能性及び関連コストとの間の良好な妥協点を示すので、好ましい。例えば、次のものを挙げることができる:NaOH、Na2CO3、NaHCO3、及び同様のもの。
【0007】
少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOxと、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO2と、を含むガス流は、塩基性湿式洗浄のために気液接触器として機能する塔に向流的に入り、そこから出る前に、塔の頂部において、CO2が富化され、少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOxの含有量が低減される。苛性ソーダ及び/又は水が、ガス流を洗浄するために、この接触器の頂部に送られる。気液接触器の最下部において、流れと接触していた液体が抜き出される。酸性水を含有する液体もまた、固体不純物(燃焼ガス中に含まれる粉塵などの粒子)及び/又は液体中に溶解した鉱物を含み得る。
【0008】
塔から出るガス流は、NOx及び/又はSOxの含有量が低減されており、その後、圧縮機で圧縮され、乾燥機で乾燥されて、CO2分離ユニットに送られ、それが含有する窒素及び酸素が除去される。このユニットは、分縮によって及び/又は蒸留によって作動し、CO2に富む流体を生成する。このCO2に富む流体は、時として、顧客によって使用される前に加圧されるか、又は隔離されることがある。このユニットはまた、窒素及び/又は酸素が富化された少なくとも1つのガスを生成する。
【0009】
閉ループ冷却水ネットワークは、一般に、圧縮機の圧縮段の出口及び乾燥機の上流において、接触器から生じたガスを冷却するために使用される。
【0010】
洗浄塔の底部から出た液体は、一般に、それが含有する有害物質を中和するために処理され、水処理ユニットに送られる。
【0011】
特に、それは、それが含有するNOx及び/又はSOxを除去するために、酸塩基中和によって処理され得る。
【0012】
JP2015 137797には、煙道ガス洗浄塔からの液体が蒸発器にポンプで送られるプロセスが記載されている。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、水を冷却するために、洗浄塔の底部から出る液体を使用することにある。この液体は、オプションで、その中の浮遊物質及び溶解した鉱物の量を低減するために処理され、その後、冷却水回路の空気冷却器の入口において空気流中で蒸発させて、空気の温度を低下させ、その結果として、空気冷却器によって生成される冷水の温度を低下させる。この冷水は、その後、CO2分離プロセスの圧縮機を冷却するために使用され、これは、CO2を捕捉することが望ましい燃焼ガスの圧縮エネルギーの低減に反映される。
【0014】
本発明の1つの目的は、洗浄塔からの底部液体を用いて冷却された空気及び冷却された水を生成することである。
【0015】
本発明の主題によれば、ガス流を洗浄するためのプロセスが提供され、ここで、
i) 少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質と、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO2と、を含むガス流が、洗浄塔に送られ、そこで、それは、塔の頂部において、CO2が富化されたガスと、塔の底部において、少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質が富化された底部液体と、を生成するために、水で及び/又はアルカリ性の液体で冷却及び洗浄され、
ii) 底部液体の少なくとも一部は、精製液体を生成するために、オプションで、濾過及び/又は鉱物質除去(demineralized)され、
iii) 段階i)の底部液体の少なくとも一部又は段階ii)の精製液体は、存在する場合、直接接触における蒸発によって、又は間接熱交換によって、空気流を冷却するために使用されて、冷却された空気流を形成し、
iv) 冷却された空気流は、間接熱交換又は直接熱交換によって水流を冷却するために使用されて、冷却された水流を形成する。
【0016】
本発明の他のオプションの態様によれば、以下が提供される:
・ 洗浄塔からの液体は、周囲空気を冷却するために気化され、これは、その後、水を冷却するために使用され、洗浄塔の上流又は下流で使用される冷却水を生成する、
・ 段階i)の底部液体の少なくとも一部又は段階ii)の精製液体は、存在する場合、段階iii)の上流で、ポンプによって加圧される、
・ 冷却された水流は、熱交間によって、圧縮機の2つの段の間及び/又は圧縮機の最終段の後で、圧縮されたガスを冷却するために使用され、この圧縮機は、
i) 塔の上流でのガス流の圧縮機であるか、又は
ii) 塔の頂部において引き出されたCO2が富化されたガスの圧縮機であるか、又は
iii) 塔の頂部において引き出されたCO2が富化されたガスの分縮及び/又は蒸留によって生成された、CO2が富化された生成物の圧縮機であり、このガスは、酸素及び/又は窒素及び/又は一酸化炭素を含有している、
・ 底部液体の少なくとも一部は、それが含有する少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質を少なくとも部分的に除去するために、その気化の上流で処理され、除去された成分は、廃棄される、
・ 段階i)の底部液体の少なくとも一部又は段階ii)の精製液体は、存在する場合、気化の上流で、貯蔵設備に貯蔵される、
・ 段階i)の底部液体の少なくとも一部又は段階ii)の精製液体は、存在する場合、周囲温度が閾値より低い場合は、蒸発によって空気流を冷却するためには使用されず、周囲温度が閾値より低い場合は、貯蔵設備に貯蔵される、
・ 段階i)の底部液体の少なくとも一部又は段階ii)の精製液体は、存在する場合、周囲温度が閾値より大きい場合にのみ、蒸発によって空気流を冷却するために使用される、
・ 液体流は、霧化によって、又は断熱空気冷却器において、又はハイブリッド空気冷却器において、気化される。
【0017】
本発明の主題によれば、ガス流を洗浄するための装置が提供され、この装置は、洗浄塔と、オプションで、処理ユニットと、オプションで、貯蔵設備と、蒸発器と、熱交換手段と、少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質と、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO2と、を含むガス流を、塔の頂部において、CO2が富化されたガスと、塔の底部において、少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質が富化された底部液体と、を生成するために、水及び/又はアルカリ性の液体によって、それを冷却し及びそれを洗浄するために、洗浄塔に送るための手段と、塔から底部液体を出すための手段と、オプションで、底部液体の少なくとも一部を、それを精製するために処理ユニットにおいて処理した後、及び/又は、底部液体の少なくとも一部を貯蔵設備に貯蔵した後、空気流との直接熱交換又は間接熱交換によって蒸発させるために、蒸発器に底部液体の少なくとも一部を送るための手段と、冷却されるべき水流との間接熱交換又は直接熱交換のために、蒸発器において冷却された空気流を熱交換手段に送り、冷却された水流を形成するための手段と、を備える。
【0018】
他のオプションの態様によれば、
・ 装置は、底部液体の少なくとも一部又は精製液体を、存在する場合、蒸発器の上流で、加圧するためのポンプを備える、
・ 装置は、蒸発器の上流で、底部液体の少なくとも一部を、それが含有する少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質を少なくとも部分的に除去するために、処理するための処理ユニットを備える、
・ 装置は、蒸発器の上流で、底部液体の少なくとも一部又は精製液体を貯蔵するための貯蔵設備を備える、
・ 装置は、周囲温度に応じて、蒸発器への底部液体の少なくとも一部又は精製液体の送出を調節するための手段を備える。
【0019】
ガス流の分離のための装置が、上述したような洗浄装置と、CO2が富化されたガスを分離して、このガスに関してCO2が富化された流体生成物を形成するために、洗浄装置に接続された、圧縮機並びに蒸留及び/又は分縮による分離のための装置と、圧縮機を冷却するための冷却された水流を送るための手段と、を備え得、この圧縮機は、
i) 塔の上流でのガス流の圧縮機であるか、又は
ii) 塔の頂部において引き出されたCO2が富化されたガスの圧縮機であるか、又は
iii) 塔の頂部において引き出されたCO2が富化されたガスの分縮及び/又は蒸留によって生成された、CO2が富化された生成物の圧縮機である。
【0020】
塔からの液体の蒸発は、異なる方法で、即ち、霧化、断熱空気冷却器において、WSAC(湿式表面空気冷却器)型のハイブリッド空気冷却器において、行われ得る。
【0021】
凝縮液に含まれる不純物に応じて、及び蒸発を行う機器のアイテムについて必要とされる水の品質に応じて、処理ユニットは、浮遊物質を低減/除去するために、濾過と、溶解した実体を低減/除去するために、鉱物質除去ラインと、を含み得る。
【0022】
全ての場合において、処理ユニットは、煙突又は別の安全な場所を通じて大気にそれらを送ることによって、凝縮液に溶解した有害ガスを脱ガス処理することを可能にし、従って、これらの排出物を扱う任意の操作者が汚染されるリスクを回避している。
【0023】
塔において生成された液体流は、典型的に、1日24時間ノンストップで重要である、蒸発による冷却を確実にするためには十分ではない。従って、より大きい凝縮液の流れを利用可能にするためには、塔からの液体は、オプションの処理後、タンクにおいて貯蔵される。周囲温度が閾値を上回ったときにのみ、液体は、貯蔵設備から出て、その後、蒸発システムへとポンプで送られる。このようにして、夜間(及び、より一般的には、1日の最も涼しい時間帯)に生成された液体が、周囲温度が最も高く、冷却の必要性が最も高い日中に使用され得る。
【0024】
本発明を、図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、洗浄プロセスを示し、ここで、燃焼によって生成されたガス1が、好ましくは、少なくとも15mol%の二酸化炭素、水、窒素及び/又は酸素及び/又はアルゴン、並びに、SOx及び/又はNOx及び/又は粉塵等の浮遊物質を含有する。
【0027】
ガス流を洗浄するこのプロセスにおいて、洗浄塔Kからの液体7は、周囲空気19を冷却するために、交換器E1において気化され、その後、水25を冷却するために使用され、洗浄プロセスの上流又は下流で使用される冷却水27を生成する。
【0028】
高温燃焼ガス1は、水の流れ3が頂部に供給されて同じ洗浄塔の底部において回収される洗浄塔Kに送られ、洗浄塔に対して、必要に応じて、苛性ソーダ2が加えられる。冷却され、SOx及び/又はNOx及び/又は浮遊物質(粉塵)が洗浄除去されたガス5が、塔の頂部から出る。洗浄は、大気圧で、さもなければ、例えば、少なくとも2bar absに等しい、より高い圧力で行われ得る。
【0029】
塔の底部において、洗浄塔Kの頂部において再循環されない液体の部分7は、SOx及び/又はNOx及び/又は浮遊物質が富化されていることが分かり、処理ユニットTに送られ得、そこで、液体の部分は、例えば、それが含有する固体粒子を除去するために濾過され、及び/又は、冷却水回路の空気冷却器によって引き込まれる周囲空気を冷却する蒸発が行われる熱交換器E1によって必要とされる鉱物質除去のレベルに応じて、多かれ少なかれ高いレベルまで鉱物質除去される。
【0030】
処理された液体8は、好ましくは、貯蔵設備Sに送られ、これは、天然プールであり得る。
【0031】
処理ユニットTの出口における液体11は、処理された液体8から取り出されたSOx及び/又はNOx及び/又は浮遊物質を濃縮しており、現行規制に従って廃棄され得る。
【0032】
必要であれば、出口9を通じて、処理ユニットTはまた、処理された液体8中に存在することが望ましくない、溶解している可能性のあるガスを除去し得る。化学処理、例えば、酸塩基中和が、それが含有するSOx及び/又はNOxを除去することを可能にする。
【0033】
貯蔵設備Sから、処理された液体8は、ポンプPにおいて液体13として加圧され、加圧液体15を形成する。液体15は、熱交換器E1(又は蒸発器)に送られ、そこで、液体15は、熱交換器の中で冷却される空気流19との間接熱交換又は直接熱交換によって蒸発する。蒸発は、液体15を微細な液滴として空気中に噴霧することによる霧化によって行われ得る。代替として、熱交換器E1は、液体を、空気中又はハイブリッド空気冷却器中に、噴霧又は流すことによって動作する断熱空気冷却器を備え得る。
【0034】
例えば、空気19との直接接触による、水15の蒸発によって形成された水蒸気17は、熱交換器E1から出て、熱交換器E1において冷却された空気21は、熱交換器E2に送られ、そこで、それは、直接熱交換又は間接熱交換によって水流25を冷却する。冷却された水27は、熱交換器E3に送られ、そこで、水27は、圧縮機Cで圧縮されたガスを冷却し、このガスは、洗浄塔Kからの塔頂ガスである。従って、熱交換器E3は、圧縮機Cの最終冷却器として機能する。この水はまた、中間段においてこの圧縮機Cを冷却し得る。
【0035】
加熱された空気23は、熱交換器E3から出る。
【0036】
圧縮機Cにおいて圧縮されたガスは、乾燥され、冷却され、分離ユニットCCにおける蒸留及び/又は分縮によって分離されて、CO2に富む流れ29を生成する。これにより、それが含有する酸素及び/又は窒素及び/又はアルゴン及び/又は一酸化炭素を除去することが可能になる。
【0037】
CO2に富む流れ29は、圧縮機において圧縮され得、これは、最終段の後に、又は中間段において、水27によって冷却され得る。
【0038】
さもなければ、水27は、洗浄塔Kが圧力下で作動する場合、ガス流1の圧縮機の最終段又は中間段を冷却し得る。
【0039】
さもなければ、冷却水27は、洗浄塔Kの上流又は下流の任意の箇所で使用され得る。
【0040】
より冷たい周囲温度を利用するために、プロセスは、貯蔵設備Sにおいて冷たい液体を貯蔵することによって動作し得る。周囲温度及び/又は空気19の温度が、夜間又は冬季に、閾値、例えば15℃を下回るときは、空気が交換器E2内で水を必要な温度まで冷却するのに既に十分に冷たいので、液体(又はそれほど大量の液体流)を蒸発器に送る必要はない。さもなければ、この場合、空気が熱交換器E2において必要とされる温度まで水を冷却するのにほぼ十分に冷たいので、低減された液体流を送ることで十分であり得る。
【0041】
この周囲温度閾値を下回ると、これは、外気温度又は空気19の温度を決定することによって測定され得、液体は、好ましくは断熱された貯蔵設備に貯蔵される。周囲温度及び/又は空気19の温度が閾値、例えば、15℃、30℃を超えて上昇すると、空気を冷却する(又は空気をより一層冷却する)ことが必要となり得、従って、貯蔵設備の液体が、交換器E1内で蒸発させるために引き出される(又は、温度が閾値を下回る期間中よりも多くの液体流が、交換器E1内で蒸発させるために引き出される)。
【0042】
貯蔵設備Sから生じる気化した液体17の流れは、周囲温度が十分に低い場合にはゼロになり得る。この場合、周囲温度が温度閾値を上回る場合にのみ、液体が貯蔵設備Sから交換器E1に送られる。従って、ポンプPは、周囲温度が温度閾値、例えば、15℃、30℃を上回る場合にのみ作動する。
【0043】
この場合、装置は、周囲温度に応じて、蒸発器E1への底部液体7の少なくとも一部又は精製液体13の送出を調節するための手段を備えることになる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流を洗浄するためのプロセスにおいて、
i) 少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質と、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO2と、を含むガス流(1)が、洗浄塔(K)に送られ、そこで、ガス流(1)は、前記洗浄塔の頂部において、CO2が富化されたガス(5)と、前記洗浄塔の底部において、前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質が富化された底部液体(3、7)と、を生成するために、水(3)で及び/又はアルカリ性の液体(2)で冷却及び洗浄され、
ii) 前記底部液体の少なくとも一部(7)は、精製液体(8、13)を生成するために、オプションで、濾過及び/又は鉱物質除去され、
iii) 段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、直接接触における蒸発によって、又は間接熱交換によって、空気流(19)を冷却するために使用されて、冷却された空気流(21)を形成し、
iv) 冷却された前記空気流は、間接熱交換又は直接熱交換によって、水流(25)を冷却するために使用されて、冷却された水流(27)を形成する、プロセス。
【請求項2】
段階i)の前記底部液体(7)の前記少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(13)は、それが存在する場合、段階iii)の上流で、ポンプ(P)によって加圧される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
冷却された前記水流(27)は、熱交換によって、圧縮機の2つの段の間及び/又は圧縮機(C)の最終段の後で、圧縮されたガスを冷却するために使用され、前記圧縮機は、
i) 前記洗浄塔(K)の上流での前記ガス流(1)の圧縮機であるか、又は
ii) 前記洗浄塔の前記頂部において引き出された前記CO2が富化されたガス(5)の圧縮機であるか、又は
iii) 前記洗浄塔の前記頂部において引き出された前記CO2が富化されたガスの分縮及び/又は蒸留によって生成された、CO2が富化された生成物(29)の圧縮機であり、このガスは、酸素及び/又は窒素及び/又は一酸化炭素を含有している、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記底部液体(7)の少なくとも一部は、それが含有する前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質を少なくとも部分的に除去するために、その気化の上流で処理され、除去された成分は、廃棄される(9、11)、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項5】
段階i)の前記底部液体の少なくとも一部(7)又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、気化の上流で、貯蔵設備(S)に貯蔵される、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項6】
段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、存在する場合、周囲温度が閾値より低いときは、蒸発によって前記空気流(19)を冷却するためには使用されず、前記周囲温度が前記閾値より低いときは、前記貯蔵設備(S)に貯蔵される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、前記周囲温度が前記閾値より大きいときにのみ、蒸発によって前記空気流(19)を冷却するために使用される、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
液体流(15)が、霧化によって、又は断熱空気冷却器において、又はハイブリッド空気冷却器において(E1)、気化される、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項9】
ガス流を洗浄するための洗浄装置であって、
洗浄塔(K)と、
オプションで、処理ユニット(T)と、
オプションで、貯蔵設備(S)と、
蒸発器(E1)と、
熱交換手段(E2)と、
少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質と、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO2と、を含むガス流(1)を、前記洗浄塔の頂部において、CO2が富化されたガス(5)と、前記洗浄塔の底部において、前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質が富化された底部液体(3、7)と、を生成するために、水(3)及び/又はアルカリ性の液体(2)によって、ガス流(1)を冷却し及びそれを洗浄するために、前記洗浄塔に送るための手段と、
前記洗浄塔から前記底部液体を出すための手段と、
オプションで、前記底部液体の前記少なくとも一部を、それを精製するために前記処理ユニットにおいて処理した後、及び/又は、前記底部液体の少なくとも一部を前記貯蔵設備に貯蔵した後、空気流との直接熱交換又は間接熱交換によって蒸発させるために、前記蒸発器に前記底部液体の少なくとも一部(7)を送るための手段と、
冷却されるべき水流(25)との間接熱交換又は直接熱交換のために、前記蒸発器において冷却された前記空気流(21)を前記熱交換手段に送り、冷却された水流(27)を形成するための手段と、を備える洗浄装置。
【請求項10】
前記底部液体(7)の少なくとも一部又は精製液体(13)を、それが存在する場合、前記蒸発器(E1)の上流で、加圧するためのポンプを備える、請求項9に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記蒸発器(E1)の上流で、前記底部液体(7)の少なくとも一部を、それが含有する前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質を少なくとも部分的に除去するために、処理するための処理ユニットを備える、請求項9又は10に記載の洗浄装置。
【請求項12】
前記蒸発器(E1)の上流で、前記底部液体の少なくとも一部(7)又は精製液体(8)を貯蔵するための貯蔵設備を備える、請求項9又は10に記載の洗浄装置。
【請求項13】
前記蒸発器への前記底部液体(7)の少なくとも一部又は精製液体(8)の送出を、周囲温度に応じて調節するための手段を備える、請求項9又は10に記載の洗浄装置。
【請求項14】
ガス流(1)の分離のための装置であって、請求項9又は10に記載の洗浄装置と、前記CO2が富化されたガスを分離して、前記ガスに関してCO2が富化された流体生成物を形成するために、前記洗浄装置に接続された、圧縮機(C)並びに蒸留及び/又は分縮による分離のための装置(CC)と、前記圧縮機を冷却するための前記冷却された水流を送るための手段と、を備え、前記圧縮機は、
i) 前記洗浄塔の上流での前記ガス流(1)の圧縮機であるか、又は
ii) 前記洗浄塔の頂部において引き出された前記CO2が富化されたガス(5)の圧縮機であるか、又は
iii) 前記洗浄塔の頂部において引き出された前記CO2が富化されたガスの分縮及び/又は蒸留によって生成された、CO2が富化された生成物(29)の圧縮機である、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
この場合、装置は、周囲温度に応じて、蒸発器E1への底部液体7の少なくとも一部又は精製液体13の送出を調節するための手段を備えることになる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] ガス流を洗浄するためのプロセスにおいて、
i) 少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質と、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO
2
と、を含むガス流(1)が、洗浄塔(K)に送られ、そこで、ガス流(1)は、前記洗浄塔の頂部において、CO
2
が富化されたガス(5)と、前記洗浄塔の底部において、前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質が富化された底部液体(3、7)と、を生成するために、水(3)で及び/又はアルカリ性の液体(2)で冷却及び洗浄され、
ii) 前記底部液体の少なくとも一部(7)は、精製液体(8、13)を生成するために、オプションで、濾過及び/又は鉱物質除去され、
iii) 段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、直接接触における蒸発によって、又は間接熱交換によって、空気流(19)を冷却するために使用されて、冷却された空気流(21)を形成し、
iv) 冷却された前記空気流は、間接熱交換又は直接熱交換によって、水流(25)を冷却するために使用されて、冷却された水流(27)を形成する、プロセス。
[2] 段階i)の前記底部液体(7)の前記少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(13)は、それが存在する場合、段階iii)の上流で、ポンプ(P)によって加圧される、[1]に記載のプロセス。
[3] 冷却された前記水流(27)は、熱交換によって、圧縮機の2つの段の間及び/又は圧縮機(C)の最終段の後で、圧縮されたガスを冷却するために使用され、前記圧縮機は、
i) 前記洗浄塔(K)の上流での前記ガス流(1)の圧縮機であるか、又は
ii) 前記洗浄塔の前記頂部において引き出された前記CO
2
が富化されたガス(5)の圧縮機であるか、又は
iii) 前記洗浄塔の前記頂部において引き出された前記CO
2
が富化されたガスの分縮及び/又は蒸留によって生成された、CO
2
が富化された生成物(29)の圧縮機であり、このガスは、酸素及び/又は窒素及び/又は一酸化炭素を含有している、[1]又は[2]に記載のプロセス。
[4] 前記底部液体(7)の少なくとも一部は、それが含有する前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質を少なくとも部分的に除去するために、その気化の上流で処理され、除去された成分は、廃棄される(9、11)、[1]~[3]のいずれか一項に記載のプロセス。
[5] 段階i)の前記底部液体の少なくとも一部(7)又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、気化の上流で、貯蔵設備(S)に貯蔵される、[1]~[4]のいずれか一項に記載のプロセス。
[6] 段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、存在する場合、周囲温度が閾値より低いときは、蒸発によって前記空気流(19)を冷却するためには使用されず、前記周囲温度が前記閾値より低いときは、前記貯蔵設備(S)に貯蔵される、[5]に記載のプロセス。
[7] 段階i)の前記底部液体(7)の少なくとも一部又は段階ii)の前記精製液体(8)は、それが存在する場合、前記周囲温度が前記閾値より大きいときにのみ、蒸発によって前記空気流(19)を冷却するために使用される、[6]に記載のプロセス。
[8] 液体流(15)が、霧化によって、又は断熱空気冷却器において、又はハイブリッド空気冷却器において(E1)、気化される、[1]~[7]のいずれか一項に記載のプロセス。
[9] ガス流を洗浄するための洗浄装置であって、
洗浄塔(K)と、
オプションで、処理ユニット(T)と、
オプションで、貯蔵設備(S)と、
蒸発器(E1)と、
熱交換手段(E2)と、
少なくとも1つのNOx及び/又は少なくとも1つのSOx及び/又は浮遊物質と、乾燥ベースで少なくとも15mol%のCO
2
と、を含むガス流(1)を、前記洗浄塔の頂部において、CO
2
が富化されたガス(5)と、前記洗浄塔の底部において、前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質が富化された底部液体(3、7)と、を生成するために、水(3)及び/又はアルカリ性の液体(2)によって、ガス流(1)を冷却し及びそれを洗浄するために、前記洗浄塔に送るための手段と、
前記洗浄塔から前記底部液体を出すための手段と、
オプションで、前記底部液体の前記少なくとも一部を、それを精製するために前記処理ユニットにおいて処理した後、及び/又は、前記底部液体の少なくとも一部を前記貯蔵設備に貯蔵した後、空気流との直接熱交換又は間接熱交換によって蒸発させるために、前記蒸発器に前記底部液体の少なくとも一部(7)を送るための手段と、
冷却されるべき水流(25)との間接熱交換又は直接熱交換のために、前記蒸発器において冷却された前記空気流(21)を前記熱交換手段に送り、冷却された水流(27)を形成するための手段と、を備える洗浄装置。
[10] 前記底部液体(7)の少なくとも一部又は精製液体(13)を、それが存在する場合、前記蒸発器(E1)の上流で、加圧するためのポンプを備える、[9]に記載の洗浄装置。
[11] 前記蒸発器(E1)の上流で、前記底部液体(7)の少なくとも一部を、それが含有する前記少なくとも1つのNOx及び/又は前記少なくとも1つのSOx及び/又は前記浮遊物質を少なくとも部分的に除去するために、処理するための処理ユニットを備える、[9]又は[10]に記載の洗浄装置。
[12] 前記蒸発器(E1)の上流で、前記底部液体の少なくとも一部(7)又は精製液体(8)を貯蔵するための貯蔵設備を備える、[9]~[11]のいずれか一項に記載の洗浄装置。
[13] 前記蒸発器への前記底部液体(7)の少なくとも一部又は精製液体(8)の送出を、周囲温度に応じて調節するための手段を備える、[9]~[12]のいずれか一項に記載の洗浄装置。
[14] ガス流(1)の分離のための装置であって、[9]~[13]のいずれか一項に記載の洗浄装置と、前記CO
2
が富化されたガスを分離して、前記ガスに関してCO
2
が富化された流体生成物を形成するために、前記洗浄装置に接続された、圧縮機(C)並びに蒸留及び/又は分縮による分離のための装置(CC)と、前記圧縮機を冷却するための前記冷却された水流を送るための手段と、を備え、前記圧縮機は、
i) 前記洗浄塔の上流での前記ガス流(1)の圧縮機であるか、又は
ii) 前記洗浄塔の頂部において引き出された前記CO
2
が富化されたガス(5)の圧縮機であるか、又は
iii) 前記洗浄塔の頂部において引き出された前記CO
2
が富化されたガスの分縮及び/又は蒸留によって生成された、CO
2
が富化された生成物(29)の圧縮機である、装置。
【外国語明細書】