(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122919
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ハンドブレーキ装置およびその制御方法、電子機器と記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B60T 15/08 20060101AFI20240902BHJP
B60T 17/22 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B60T15/08
B60T17/22 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024027111
(22)【出願日】2024-02-27
(31)【優先権主張番号】202310182915.8
(32)【優先日】2023-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523408617
【氏名又は名称】ゼットエフ・コマーシャル・ヴィークル・システムズ・(チンタオ)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ダージョン
【テーマコード(参考)】
3D049
【Fターム(参考)】
3D049BB08
3D049CC03
3D049HH03
3D049HH31
3D049HH32
3D049HH34
3D049HH40
3D049HH43
3D049HH47
3D049HH48
3D049QQ01
3D049RR01
3D049RR13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は駐車ブレーキ技術分野に関し、ハンドブレーキ装置およびその制御方法、電子機器と記憶媒体を提供する。
【解決手段】ハンドブレーキ装置は、圧縮空気吸気口、圧縮空気吐出口および排気口を有するハンドブレーキ弁と、圧縮空気吸気口と圧縮空気吐出口との間に設けられ、排気口に接続される遮断弁とを含み、遮断弁は走行作動位置と駐車作動位置を有し、遮断弁が走行作動位置で作動する時、遮断弁の第1弁室は圧縮空気吸気口から圧縮空気吐出口へ通じる第1パイプラインに接続され、遮断弁が駐車作動位置で作動する時、第1パイプラインが遮断され、遮断弁の第2弁室が圧縮空気吐出口から排気口へ通じる第2パイプラインに接続される。本発明はハンドブレーキ弁を残す基礎に、走行作動位置と駐車作動位置を有する遮断弁を統合し、駐車ブレーキの自動制御を実現し、人員の誤操作による駐車失効の安全事故を避ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドブレーキ装置であって、ハンドブレーキ弁を含み、前記ハンドブレーキ弁は圧縮空気吸気口、圧縮空気吐出口および排気口を有し、
前記ハンドブレーキ装置は、
前記圧縮空気吸気口と前記圧縮空気吐出口との間に設けられ、前記排気口に接続される遮断弁をさらに含み、前記遮断弁は走行作動位置と駐車作動位置を有し、
前記遮断弁が前記走行作動位置で作動する時、前記遮断弁の第1弁室は前記圧縮空気吸気口から前記圧縮空気吐出口へ通じる第1パイプラインに接続され、
前記遮断弁が前記駐車作動位置で作動する時、前記第1パイプラインが遮断され、前記遮断弁の第2弁室が前記圧縮空気吐出口から前記排気口へ通じる第2パイプラインに接続されることを特徴とするハンドブレーキ装置。
【請求項2】
前記遮断弁内にピストンが設けられ、前記ピストンは面積の小さい第1力受け端と面積の大きい第2力受け端を有し、前記第1弁室は前記第2力受け端の前記第1力受け端に面する側に位置し、前記第2弁室は前記第2力受け端の前記第1力受け端から離れる側に位置し、
前記第2力受け端は前記圧縮空気吸気口に連通し、
前記第1力受け端が前記圧縮空気吸気口に連通する時、前記遮断弁は前記走行作動位置で作動し、
前記圧縮空気吸気口の前記第1力受け端へ通じるパイプラインがドレインされる時、前記遮断弁は前記駐車作動位置で作動することを特徴とする請求項1に記載のハンドブレーキ装置。
【請求項3】
駐車弁をさらに含み、前記駐車弁は前記圧縮空気吸気口が前記第1力受け端へ通じるパイプラインに接続され、且つ前記排気口に連通し、
前記駐車弁が閉鎖される時、前記第1力受け端は前記圧縮空気吸気口に連通し、
前記駐車弁が作動する時、前記圧縮空気吸気口が前記第1力受け端へ通じるパイプラインは前記駐車弁によってドレインされることを特徴とする請求項2に記載のハンドブレーキ装置。
【請求項4】
前記圧縮空気吸気口が前記第1力受け端へ通じるパイプラインに接続される走行弁をさらに含み、前記駐車弁は前記走行弁の前記第1力受け端へ通じるパイプラインに接続され、
前記駐車弁が閉鎖され、かつ前記走行弁が作動する時、前記第1力受け端は前記走行弁によって前記圧縮空気吸気口に連通することを特徴とする請求項3に記載のハンドブレーキ装置。
【請求項5】
前記駐車弁および前記走行弁はいずれも車両の電子制御ユニットに通信接続され、
前記電子制御ユニットは前記車両がアイドリング状態又は停車状態にあることを検出した場合、前記駐車弁を作動させるように制御し、
前記電子制御ユニットは、前記車両が走行状態にあることを検出した場合、前記駐車弁を閉鎖し、かつ前記走行弁を作動させるように制御することを特徴とする請求項4に記載のハンドブレーキ装置。
【請求項6】
前記電子制御ユニットは、前記車両の点火スイッチ、ブレーキペダル、回転速度センサおよび運転席圧力センサに通信接続されることを特徴とする請求項5に記載のハンドブレーキ装置。
【請求項7】
前記電子制御ユニットは電子プラグコネクタによって前記駐車弁と前記走行弁に通信接続され、
あるいは、前記電子制御ユニットは、CANバスを介して前記駐車弁および前記走行弁に通信接続されることを特徴とする請求項5に記載のハンドブレーキ装置。
【請求項8】
前記遮断弁内にピストンが設けられ、前記ピストンは駆動器に接続され、
前記駆動器は第1方向に沿って前記ピストンを駆動して第1位置まで移動させた場合、前記遮断弁は前記走行作動位置で作動し、
前記駆動器が第2方向に沿って前記ピストンを駆動して第2位置まで移動させた場合、前記遮断弁は前記駐車作動位置で作動し、
ここでは、前記第1方向および前記第2方向は、前記ピストンの軸方向と反対方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載のハンドブレーキ装置。
【請求項9】
前記遮断弁は前記圧縮空気吸気口と前記ハンドブレーキ弁との間に設置され、又は、
前記遮断弁は、前記ハンドブレーキ弁と前記圧縮空気吐出口との間に設置されることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のハンドブレーキ装置。
【請求項10】
ハンドブレーキ装置の制御方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載のハンドブレーキ装置を制御するために用いられ、前記制御方法は、
車両が走行状態にあることを検出した場合、前記遮断弁を前記走行作動位置で作動させるように制御して、前記圧縮空気吸気口の圧縮空気を前記第1弁室を通して前記圧縮空気吐出口まで流すことと、
前記車両がアイドリング状態または停車状態にあることを検出した場合、前記遮断弁を前記駐車作動位置で作動させるように制御して、前記圧縮空気吐出口の圧縮ガスを前記第2弁室を通して前記排気口に排出することとを含むことを特徴とするハンドブレーキ装置の制御方法。
【請求項11】
前記車両に点火信号、回転速度信号および運転席圧力信号が存在し且つブレーキ信号が存在しないことを検出した場合、前記車両が前記走行状態にあると確定し、
前記車両に点火信号および運転席圧力信号が存在し、且つ、ブレーキ信号および回転速度信号が存在しないことを検出した場合、前記車両が前記アイドリング状態にあると確定し、
前記車両に運転席圧力信号が存在しないことを検出した場合、前記車両が前記停車状態にあると確定することを特徴とする請求項10に記載の制御方法。
【請求項12】
電子機器であって、
プロセッサと、
メモリとを含み、前記メモリに実行可能な命令が記憶され、
前記実行可能な命令が前記プロセッサによって実行されると、請求項10または11に記載の制御方法を実現することを特徴とする電子機器。
【請求項13】
プログラムを記憶するためのコンピュータ可読記録媒体であって、前記プログラムがプロセッサにより実行されると、請求項10または11に記載の制御方法を実現することを特徴とするコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車ブレーキ技術分野に関し、具体的には、ハンドブレーキ装置およびその制御方法、電子機器と記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
商用車の駐車ブレーキシステムは、通常、機械ロック式のハンドブレーキ弁を配備し、運転手がハンドブレーキ弁のハンドルを操作し、ハンドルをロック位置に移動させ、ロック機構によってロックすると、ハンドブレーキ弁の圧縮空気吸気口と圧縮空気吐出口との間のブレーキパイプラインが遮断され、ブレーキエア室内の空気がハンドブレーキ弁の排気口を通して空にされて制動力を生成し、車両の安定した駐車を実現する。
【0003】
従来のハンドブレーキ弁は、運転者が不正に操作する場合、ハンドルがロック位置から抜けてしまい、駐車ブレーキが不意に解除し、後退などの安全事故を引き起こす。
【0004】
技術の発展にともない、電子駐車システムが登場しているが、電子駐車システムを採用すると、商用車の駐車ブレーキシステム全体を交換する必要があり、コストが高く、かつ電子駐車システムの操作方式は機械ロック式のハンドブレーキ弁と大きく異なり、運転者の運転習慣に対する影響が大きい。
【0005】
なお、上記背景技術の一部に開示されている情報は、本発明の背景の理解を深めるためのものに過ぎず、したがって、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含めることができる。
【発明の概要】
【0006】
これに鑑み、本発明はハンドブレーキ装置を提供し、ハンドブレーキ弁の圧縮空気吸気口と圧縮空気吐出口との間に設けられ、ハンドブレーキ弁の排気口に接続される遮断弁により、ハンドブレーキ弁を残す基礎で駐車ブレーキの自動制御を実現し、人員の誤操作による駐車失効の安全事故を避ける。
【0007】
本発明の一態様によれば、ハンドブレーキ装置を提供し、ハンドブレーキ弁を含み、前記ハンドブレーキ弁は圧縮空気吸気口、圧縮空気吐出口および排気口を有し、前記ハンドブレーキ装置は、前記圧縮空気吸気口と前記圧縮空気吐出口との間に設けられ、前記排気口に接続される遮断弁をさらに含み、前記遮断弁は走行作動位置と駐車作動位置を有し、前記遮断弁が前記走行作動位置で作動する時、前記遮断弁の第1弁室は前記圧縮空気吸気口から前記圧縮空気吐出口へ通じる第1パイプラインに接続され、前記遮断弁が前記駐車作動位置で作動する時、前記第1パイプラインが遮断され、前記遮断弁の第2弁室が前記圧縮空気吐出口から前記排気口へ通じる第2パイプラインに接続される。
【0008】
いくつかの実施例では、前記遮断弁内にピストンが設けられ、前記ピストンは面積の小さい第1力受け端と面積の大きい第2力受け端を有し、前記第1弁室は前記第2力受け端の前記第1力受け端に面する側に位置し、前記第2弁室は前記第2力受け端の前記第1力受け端から離れる側に位置し、前記第2力受け端は前記圧縮空気吸気口に連通し、前記第1力受け端が前記圧縮空気吸気口に連通する時、前記遮断弁は前記走行作動位置で作動し、前記圧縮空気吸気口の前記第1力受け端へ通じるパイプラインがドレインされる時、前記遮断弁は前記駐車作動位置で作動する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記ハンドブレーキ装置は、駐車弁をさらに含み、前記圧縮空気吸気口が前記第1力受け端へ通じるパイプラインに接続され、且つ前記排気口に連通するものと、前記駐車弁が閉鎖される時、前記第1力受け端は前記圧縮空気吸気口に連通するものと、前記駐車弁が作動する時、前記圧縮空気吸気口が前記第1力受け端へ通じるパイプラインは前記駐車弁によってドレインされる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記ハンドブレーキ装置は、前記圧縮空気吸気口が前記第1力受け端へ通じるパイプラインに接続される走行弁をさらに含み、前記駐車弁は前記走行弁の前記第1力受け端へ通じるパイプラインに接続され、前記駐車弁が閉鎖され、かつ前記走行弁が作動する時、前記第1力受け端は前記走行弁によって前記圧縮空気吸気口に連通する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記駐車弁および前記走行弁はいずれも車両の電子制御ユニットに通信接続され、前記電子制御ユニットは前記車両がアイドリング状態又は停車状態にあることを検出した場合、前記駐車弁を作動させるように制御し、前記電子制御ユニットは、前記車両が走行状態にあることを検出した場合、前記駐車弁を閉鎖し、かつ前記走行弁を作動させるように制御する。
【0012】
いくつかの実施例では、前記電子制御ユニットは、前記車両の点火スイッチ、ブレーキペダル、回転速度センサおよび運転席圧力センサに通信接続される。
【0013】
いくつかの実施例では、前記電子制御ユニットは電子プラグコネクタによって前記駐車弁と前記走行弁に通信接続され、あるいは、前記電子制御ユニットは、CANバスを介して前記駐車弁および前記走行弁に通信接続される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記遮断弁内にピストンが設けられ、前記ピストンは駆動器に接続され、前記駆動器は第1方向に沿って前記ピストンを駆動して第1位置まで移動させた場合、前記遮断弁は前記走行作動位置で作動し、前記駆動器が第2方向に沿って前記ピストンを駆動して第2位置まで移動させた場合、前記遮断弁は前記駐車作動位置で作動し、ここでは、前記第1方向および前記第2方向は、前記ピストンの軸方向と反対方向に延びている。
【0015】
いくつかの実施例では、前記遮断弁は前記圧縮空気吸気口と前記ハンドブレーキ弁との間に設置され、あるいは、前記遮断弁は、前記ハンドブレーキ弁と前記圧縮空気吐出口との間に設置される。
【0016】
本発明の別の態様によれば、上述いずれかの実施例に記載のハンドブレーキ装置を制御するための、ハンドブレーキ装置の制御方法を提供し、前記制御方法は、車両が走行状態にあることを検出した場合、前記遮断弁を前記走行作動位置で作動させるように制御して、前記圧縮空気吸気口の圧縮空気を前記第1弁室を通して前記圧縮空気吐出口まで流すことと、前記車両がアイドリング状態または停車状態にあることを検出した場合、前記遮断弁を前記駐車作動位置で作動させるように制御し、前記圧縮空気吐出口の圧縮ガスを前記第2弁室を通して前記排気口に排出することとを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記車両に点火信号、回転速度信号および運転席圧力信号が存在し且つブレーキ信号がないことを検出した場合、前記車両が前記走行状態にあると確定し、前記車両に点火信号および運転席圧力信号が存在し、且つ、ブレーキ信号および回転速度信号が存在しないことを検出した場合、前記車両が前記アイドリング状態にあると確定し、前記車両に運転席圧力信号が存在しないことを検出した場合、前記車両が前記停車状態にあると確定する。
【0018】
本発明のさらに別の態様によれば、電子機器を提供し、プロセッサと、メモリとを含み、前記メモリに実行可能な命令が記憶され、前記実行可能な命令が前記プロセッサによって実行されると、上記いずれか一つの実施例に記載の制御方法を実現する。
【0019】
本発明の別の態様によれば、プログラムを記憶するためのコンピュータ可読記録媒体を提供し、前記プログラムがプロセッサにより実行されると、上記いずれか一つの実施例に記載の制御方法を実現する。
【0020】
本発明は従来技術と比べて有益な効果が少なくとも以下を含む。
【0021】
本発明のハンドブレーキ装置は、ハンドブレーキ弁の圧縮空気吸気口と圧縮空気吐出口との間に遮断弁を増設し、且つ遮断弁はハンドブレーキ弁の排気口に接続され、駐車ブレーキが必要な場合、遮断弁を制御して駐車作動位置で作動させるだけで、圧縮空気吸気口が圧縮空気吐出口へ通じる第1パイプラインを遮断し、かつ圧縮空気吐出口が排気口へ通じる第2パイプラインを接続し、この時、ハンドブレーキ弁が所定の位置に操作されているか否かに関わらず、第2パイプラインを通じてブレーキエア室中の空気を空にすることができ、安定した駐車ブレーキを実現し、駐車ブレーキの必要がない場合、遮断弁を制御して走行作動位置で作動させ、すると、第1パイプラインは接続し、車両が正常に走行し、
遮断弁を制御して作動位置を変更する判断と操作は車両の電子制御ユニットなどの制御部材によって自動的に完成することができ、運転者の関与を必要とせず、ハンドブレーキ装置はハンドブレーキ弁のハンドルおよびロック機構などの構造を残し、運転者がハンドルを操作し、ハンドルをロック位置に押せば、ハンドブレーキ装置は手動駐車を実現でき、運転者の使用習慣を変えなく、
従って、本発明のハンドブレーキ装置は、ハンドブレーキ弁を残す基礎に、走行作動位置と駐車作動位置を有する遮断弁を統合し、駐車ブレーキの自動制御を実現し、人員の誤操作による駐車失効の安全事故を避ける。
【0022】
上記の一般的な説明および以下の詳細な説明は、単に例示および説明のためのものであり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであり、本発明の実施例を例示し、明細書と共に、本発明の原理を説明するために利用される。明らかに、以下に記載する図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって創造的な労力を払わずに、これらの図面から他の図面も得ることができる。
【
図1】本発明の実施例におけるハンドブレーキ装置の電気的原理を示す図である。
【
図2】本発明の実施例における遮断弁が走行作動位置で作動する時のハンドブレーキ装置の空気回路構造を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施例における遮断弁が駐車作動位置で作動する時のハンドブレーキ装置の空気回路構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施例における遮断弁の断面構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施例におけるハンドブレーキ装置と電子制御ユニットが接続される空気回路構造を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施例におけるハンドブレーキ装置の制御方法のステップを示す図である。
【
図7】本発明の実施例における電子機器の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここでは、図面を参照しながら例示的な実施形態をさらに全面的に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、多種の形態で実施でき、かつここで述べられる実施形態に限定されると理解すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本発明を全面的かつ完全にし、例示的な実施形態の概念を当業者に十分に伝えるために提供される。
【0025】
図面は、本発明の単なる概略図に過ぎず、必ずしも縮尺通りに描かれていない。図中の同一の符号は同一または類似の部分を示すので、重複する説明を省略する。図面に示すブロック図のいくつかは、機能エンティティであり、必ずしも物理的または論理的に独立したエンティティに対応する必要はない。これらの機能エンティティは、ソフトウェア形式で実装されてもよいし、一つまたは複数のハードウェアモジュールまたは集積回路で実装されてもよいし、異なるネットワークおよび/またはプロセッサデバイスおよび/またはマイクロコントローラデバイスで実装されてもよい。
【0026】
具体的に記述する時に使用される「第1」、「第2」および類似する用語は、何らかの順序、数又は重要性を表すものではなく、単に異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。本発明の実施例および異なる実施例の特徴は、矛盾することなく互いに組み合わせることができることに留意されたい。
【0027】
図1はハンドブレーキ装置の電気的原理を示し、
図2は遮断弁が走行作動位置にある時のハンドブレーキ装置の空気回路構造を示し、
図3は遮断弁が駐車作動位置にある時のハンドブレーキ装置の空気回路構造を示す。
図1から
図3に併せて、本発明の実施例が提供するハンドブレーキ装置は、
圧縮空気吸気口110、圧縮空気吐出口120および排気口130を有するハンドブレーキ弁100と、
圧縮空気吸気口110と圧縮空気吐出口120との間に設けられ、排気口130に接続される遮断弁200とを含み、遮断弁200は走行作動位置と駐車作動位置を有し、
遮断弁200が走行作動位置で作動し、遮断弁200の第1弁室は圧縮空気吸気口110から圧縮空気吐出口120へ通じる第1パイプラインP
11に接続され、
遮断弁200が駐車作動位置で作動する時、第1パイプラインP
11が遮断され、遮断弁200の第2弁室が圧縮空気吐出口120から排気口130に通じる第2パイプラインP
22に接続される。
【0028】
ハンドブレーキ装置は、商用車のアンチロックブレーキシステムなどの車両の駐車ブレーキシステムに使用することができる。圧縮空気吸気口110は車両の空気貯蔵筒に接続されて、圧縮空気の吸入を受け、圧縮空気吐出口120はリレー弁に接続され、リレー弁はホイール端のブレーキエア室に接続されて、ブレーキエア室に圧縮空気を吐出し、排気口130は、弁内の空気を大気に排出するための追加の接続パイプラインを必要としない。
【0029】
遮断弁200は、車両の制御部材、例えば電子制御ユニット(Electronic Control Unit:以下、ECUと略す)に接続され、制御部材からの制御信号を受信して異なる作動場所を切り替える。制御部材は、車両の異なる状態(走行状態、アイドリング状態、停車状態などを含む)に応じて遮断弁200を対応する作動位置で作動させるように制御し、駐車ブレーキの自動制御を実現する。
【0030】
具体的には、駐車ブレーキが必要な場合(例えば、車両がアイドリング状態や停車状態にある場合)には、遮断弁200を制御して駐車作動位置で作動させるだけで、圧縮空気吸気口110が圧縮空気吐出口120に通じる第1パイプラインP11を遮断し、かつ圧縮空気吐出口120が排気口130に通じる第2パイプラインP22を接続し、この時、ハンドブレーキ弁100が所定の位置に操作されているか否かに関わらず、第2パイプラインP22を通じてブレーキエア室中の空気を空にすることができ、安定した駐車ブレーキを実現し、駐車ブレーキの必要がない場合(例えば車両が走行状態にある場合)、遮断弁200を制御して走行作動位置で作動させ、すると、第1パイプラインP11は接続し、車両が正常に走行する。
【0031】
遮断弁200を制御して作動位置を変更する判断と操作は電子制御ユニットなどの制御部材によって自動的に完成することができ、運転者の関与を必要とせず、ハンドブレーキ装置はハンドブレーキ弁100のハンドルおよびロック機構などの構造を残し、運転者がハンドルを操作し、ハンドルをロック位置に押せば、ハンドブレーキ装置は手動駐車を実現でき、運転者の使用習慣を変えない。
【0032】
従って、本発明のハンドブレーキ装置は、ハンドブレーキ弁100を残す基礎に、走行作動位置と駐車作動位置を有する遮断弁200を統合し、駐車ブレーキの自動制御を実現し、人員の誤操作による駐車失効の安全事故を避ける。
【0033】
図4は遮断弁の断面構造を示す図である。
図1から
図4に関連して示すように、いくつかの実施形態では、遮断弁200内にピストン220が設けられ、ピストン220は面積の小さい第1力受け端220aと面積の大きい第2力受け端220bを有し、遮断弁200の第1弁室200aは第2力受け端220bの第1力受け端220aに面する側に位置し、遮断弁200の第2弁室200bは第2力受け端220bの第1力受け端220aから離れる側に位置し、
第2力受け端220bは圧縮空気吸気口110に連通し、
第1力受け端220aが圧縮空気吸気口110に連通する時、遮断弁200は走行作動位置で作動し、
圧縮空気吸気口110の第1力受け端220aに通じるパイプラインがドレインされる時、遮断弁200は駐車作動位置で作動する。
【0034】
第2力受け端220bは圧縮空気吸気口110に常時連通し、通常状況で(駐車ブレーキが必要な場合)、遮断弁200が圧縮空気吸気口110からの空気源圧力によって駐車作動位置に制御され、車両の駐車の安全を確保する。
【0035】
駐車ブレーキの必要がない場合、第1力受け端220aを圧縮空気吸気口110に連通させるが、この時、ピストン220の両端の空気源圧力は同じであり、第1力受け端220aの面積が小さく、第2力受け端220bの面積が大きいため、ピストン220は第2力受け端220bに押されて、第1弁室200aを開放し、したがって、第1パイプラインP11は接続され、圧縮空気吸気口110からの圧縮空気は第1パイプラインP11を通して圧縮空気吐出口120に流れ、さらにブレーキエア室に流れて駐車ブレーキを解除し、車両を正常に走行させる。
【0036】
圧縮空気吸気口110が第1力受け端220aに通じるパイプラインがドレインされ、第1力受け端220aが受ける空気源圧力を除去すると、ピストン200が初期位置に戻り、遮断弁200が遮断され、駐車作動位置に戻る。
【0037】
引き続き
図1~
図3に関連して説明すると、いくつかの実施例では、ハンドブレーキ装置は、
駐車弁300であって、圧縮空気吸気口110が第1力受け端220aに通じるパイプラインP
33に接続され、且つ排気口130に連通し、
駐車弁300が閉鎖される時、第1力受け端220aは(パイプラインP
33によって)圧縮空気吸気口110に連通し、
駐車弁300が作動する時、圧縮空気吸気口110が第1力受け端220aに通じるパイプラインP
33は駐車弁300によってドレインされるものをさらに含む。
【0038】
図2および
図4に示すように、駐車弁300が閉鎖されると、パイプラインP
33は接続され、ピストン220を第2力受け端220bに向かって押すことにより、第1弁室200aが開き、第1パイプラインP
11は接続され、遮断弁200は走行作動位置で作動する。駐車弁300の作動時、パイプラインP
33は駐車弁300にドレインされ、第1力受け端220aが位置するチャンバーの圧縮空気を、駐車弁300を介して排気口130に排出し(ドレイン流路は例えば、パイプラインP
44で示される)、したがって、第1力受け端220aが受けた空気源圧力は除去され、遮断弁200は駐車作動位置に戻る。
【0039】
このように、車両の通常走行時には駐車弁300が閉鎖されるように制御され、駐車ブレーキが必要な場合には駐車弁300が作動するように制御され、すなわち、遮断弁200の作動位置の制御を実現する。
【0040】
更に、
図1~
図3に関連して示すように、いくつかの実施例では、ハンドブレーキ装置は、
圧縮空気吸気口110が第1力受け端220aに通じるパイプラインP
33に接続される走行弁400をさらに含み、駐車弁300は走行弁400の第1力受け端220aに通じるパイプラインに接続され、
駐車弁300が閉鎖され、かつ走行弁400が作動すると(
図2参照)、第1力受け端220aは走行弁400によって圧縮空気吸気口110に連通し、このように、安全冗長を実現し、制御安全を確保し、駐車弁300が閉鎖され、かつ、走行弁400が作動するときのみ、ハンドブレーキ装置が駐車ブレーキを解除することを実現する。
【0041】
駐車弁300が作動すると、走行弁400が閉鎖するか否かにかかわらず、第1力受け端部220aが位置するチャンバの圧縮空気がいずれも駐車弁300を介して排気口130にドレインされて、遮断弁200が駐車作動位置に戻り、ハンドブレーキ装置は自動的に駐車ブレーキを実現する。
【0042】
したがって、駐車弁300と走行弁400によって、車両が正常に走行する場合や駐車ブレーキを解除する必要がある場合、走行弁400を利用して遮断弁200を走行作動位置に制御し、車両が駐車ブレーキを必要とする場合、駐車弁300によって遮断弁200を駐車作動位置に制御することを実現する。
【0043】
いくつかの実施例では、駐車弁300および走行弁400はいずれも、車両の電子制御ユニットに通信接続され、電子制御ユニットは、車両がアイドリング状態または停車状態にあることを検出した場合、遮断弁200が駐車作動位置で作動するように駐車弁300を制御し、ハンドブレーキ装置は自動的に駐車ブレーキを実現し、電子制御ユニットは、車両が走行状態にあることを検出した場合、駐車弁300を閉じて走行弁400を作動させるように制御して、遮断弁200を走行位置に作動させて車両を正常に走行させる。
【0044】
駐車弁300および走行弁400は、電磁弁であってもよいし、電気信号により制御される他の弁であってもよいし、それにより電子制御ユニットの制御で作動/閉鎖を実現する。
【0045】
図5は、ハンドブレーキ装置と電子制御ユニットとが接続される空気回路構造を示す図である。
図1および
図5に関連して示されるように、いくつかの実施例では、電子制御ユニット550は、車両の点火スイッチ580a、ブレーキペダル580b、回転速度センサ580cおよび運転席圧力センサ580dに通信接続される。
【0046】
したがって、電子制御ユニット550は、点火スイッチ580aの点火信号、ブレーキペダル580bのブレーキ信号、回転速度センサ580cの回転速度信号および運転席圧力センサ580dの運転席圧力信号に応じて、車両の現在の状態を判断することができる。他の実施例では、電子制御ユニット550は、他の車両信号に基づいて車両の状態を判断することもできる。
【0047】
具体的には、本実施例では、電子制御ユニット550は、車両に点火信号、回転速度信号および運転席圧力信号が存在し、かつ、ブレーキ信号が存在しないことを検出した場合、車両が走行状態にあると判断し、このとき電子制御ユニット550は、遮断弁200が走行作動位置で作動するように駐車弁300を閉鎖しかつ走行弁400を作動させるように制御し、走行弁400は、具体的に、遮断弁200が走行作動位置で作動することを保証するように、一定の周波数で作動させることができる。電子制御ユニット550は、車両に点火信号および運転席圧力信号が存在し、且つ、ブレーキ信号および回転速度信号が存在しないことを検出した場合、車両がアイドリング状態にあると判断し、この時、電子制御ユニット550は駐車弁300を作動させるように制御して、第1力受け端220aが位置するチャンバの圧縮空気を排出し、これにより、遮断弁200が駐車作動位置に戻るようにし、車両が駐車する必要がある時、運転者の忘れ/操作ミスなどの原因でハンドルがロック位置に正確に移動しなくても、ハンドブレーキ装置は、自動駐車ブレーキを実現することができる。運転者が運転席から離れる場合、すなわち、電子制御ユニット550が車両に運転席圧力信号が存在しないことを検出した場合、車両の点火の有無にかかわらず、電子制御ユニット550は、車両の駐車ブレーキを保証するために駐車弁300の作動を制御し、具体的には、駐車弁300の作動を制御する。
【0048】
引き続き
図5を参照すると、いくつかの実施例では、電子制御ユニット550は、電子プラグコネクタ520を介して駐車弁300および走行弁400に通信接続されている。電子プラグコネクタ520は対応するピンを介して駐車弁300と走行弁400に接続され、電子制御ユニット550は、電子プラグコネクタ520を介して駐車弁300および走行弁400の作動を制御する。
【0049】
または、いくつかの実施例では、電子制御ユニット550は、CANバスを介して駐車弁300および走行弁400に通信接続されて、CAN通信により駐車弁300および走行弁400の作動を制御する。
【0050】
いくつかの実施例では、遮断弁200のピストン220は、
図4に示すように、空気圧制御下で移動するために、異なる大きさの力受け面を設けなくてもよく、ピストン220は、モータ、油圧シリンダなどの駆動器(特に図示せず)によって駆動され、遮断弁200の作動位置を変更することもできる。
【0051】
具体的には、ピストン220は、駆動器に接続される。駆動器がピストン220を第1方向に駆動して第1位置に移動させる(例えば、ピストン220を
図4の左方向に駆動して第1弁室200aを開くまで移動させる)と、遮断弁200は走行作動位置で作動し、駆動器がピストン220を第2方向に駆動して第2位置に移動させる(例えば、ピストン220を
図4の右方向に駆動して第1弁室200aを閉鎖するまで移動させる)と、遮断弁200は駐車作動位置で作動し、ここで、第1方向および第2方向は、ピストン220の軸方向に沿って互いに反対方向に延伸する。
【0052】
更に、いくつかの実施例では、遮断弁200は、
図1に示すように、圧縮空気吸気口110とハンドブレーキ弁100との間に設置されなくてもよく、遮断弁200は、ハンドブレーキ弁100と圧縮空気吐出口120との間に設けてもよく、同様に、作動位置の変更によるハンドブレーキ装置の作動状態の変更を実現できる。
【0053】
要するに、本発明のハンドブレーキ装置は、ハンドブレーキ弁を保留する上で、走行作動位置と駐車作動位置を有する遮断弁を統合し、統合度が高く、構造がコンパクトであり、駐車ブレーキが必要な場合、遮断弁を制御して駐車作動位置で作動させるだけで、圧縮空気吸気口が圧縮空気吐出口へ通じる第1パイプラインを遮断し、かつ圧縮空気吐出口が排気口へ通じる第2パイプラインを接続し、この時、ハンドブレーキ弁が所定の位置に操作されているか否かに関わらず、第2パイプラインを通じてブレーキエア室中の空気を空にすることができ、駐車ブレーキの自動制御を実現し、人員の誤操作による駐車失効による安全事故を回避し、駐車ブレーキの必要がない場合、遮断弁を制御して走行作動位置に作動させ、すると、第1パイプラインは接続し、車両が正常に走行し、
遮断弁を制御して作動位置を変更する判断と操作は車両の電子制御ユニットなどの制御部材によって走行弁と駐車弁に組み合わせて自動的に完成することができ、運転者の関与を必要とせず、ハンドブレーキ装置はハンドブレーキ弁のハンドルおよびロック機構などの構造を残し、運転者がハンドルを操作し、ハンドルをロック位置に押せば、ハンドブレーキ装置は手動駐車を実現でき、運転者の使用習慣を変えない。
【0054】
本発明の実施例は、上述いずれかの実施例に記載のハンドブレーキ装置を制御するための、ハンドブレーキ装置の制御方法をさらに提供する。上述した各実施例で説明されるハンドブレーキ装置の特徴および原理は、いずれも以下の制御方法の実施例に応用することができる。以下の制御方法の実施例において、ハンドブレーキ装置に関して既に説明した特徴および原理については説明を繰り返さない。
【0055】
図6はハンドブレーキ装置の制御方法の主要なステップを示す図である。なお、
図6に示すステップは模式的なものであり、各ステップ間の実行順序はこれに限定されるものではなく、ステップの分割、併合、順序の入れ替え、他の同期的または非同期的実行方式は、本発明の範囲内である。
【0056】
図1から
図6を参照して、ハンドブレーキ装置の制御方法は以下を含む。
S610では、車両が走行状態にあることを検出した場合、遮断弁200を走行作動位置で作動させるように制御して、圧縮空気吸気口110の圧縮空気を第1弁室200aを通して圧縮空気吐出口120に流す。
【0057】
S620では、車両がアイドリング状態または停車状態にあることを検出した場合、遮断弁200を駐車作動位置で作動させるように制御して、圧縮空気吐出口120の圧縮ガスを、第2弁室200bを通して排気口130に排出する。
【0058】
したがって、車両の異なる状態(走行状態、アイドリング状態、停車状態)に応じて遮断弁200を対応する作動位置で作動させるように制御ことにより、駐車ブレーキの自動制御を実現する。遮断弁200を制御して作動位置を変更する判断と操作は車両の電子制御ユニットまたは類似する制御部材によって自動的に完成することができ、運転者の関与を必要とせず、ハンドブレーキ装置はハンドブレーキ弁100のハンドルおよびロック機構などの構造を残し、運転者がハンドルを操作し、ハンドルをロック位置に押せば、ハンドブレーキ装置は手動駐車を実現でき、運転者の使用習慣を変えない。
【0059】
更に、
図5に示すように、電子制御ユニット550は、点火スイッチ580aの点火信号、ブレーキペダル580bのブレーキ信号、回転速度センサ580cの回転速度信号および運転席圧力センサ580dの運転席圧力信号に応じて、車両の現在の状態を判断することができる。
【0060】
具体的には、車両に点火信号、回転速度信号および運転席圧力信号が存在し且つブレーキ信号がないことを検出した場合、車両が走行状態にあると確定し、車両に点火信号および運転席圧力信号が存在し、且つ、ブレーキ信号および回転速度信号が存在しないことを検出した場合、車両がアイドリング状態にあると確定し、車両に運転席圧力信号が存在しないことを検出した場合、車両が停車状態にあると確定する。
【0061】
遮断弁200の走行作動位置/駐車作動位置における作動の制御は、具体的には、上記実施例で説明する走行弁400および駐車弁300の作動/閉鎖状態を制御することにより実現され、説明は繰り返さない。
【0062】
本発明の実施例はさらに電子機器を提供し、プロセッサおよびメモリを含み、メモリに実行可能な命令が記憶され、実行可能な命令がプロセッサにより実行されると、上述したいずれかの実施例で説明したハンドブレーキ装置の制御方法が実現される。
【0063】
電子機器は、車両の電子制御ユニット、電子制御ユニットに統合される制御モジュール、または車両の他の類似する制御部材であってもよく、ハンドブレーキ装置の制御を実現できればよい。
【0064】
図1に示すように、電子機器は遮断弁200に通信接続され、車両の異なる状態(走行状態、アイドリング状態、停車状態など)に応じて遮断弁200を対応する作動位置で作動するように制御することにより、駐車ブレーキの自動制御を実現する。
【0065】
図7は電子機器の主要モジュールを示す図である。
図7を参照すると、電子機器700は、プロセッサ710、メモリ720、異なるコンポーネント(メモリ720およびプロセッサ710を含む)を接続するバス730などを含む汎用計算機器の形態で表現することができる。
【0066】
メモリ720は、ランダムアクセスメモリユニット(RAM)および/またはキャッシュメモリなどの揮発性メモリユニットの形態の可読媒体を含んでもよく、さらにリードオンリーメモリ(ROM)を含んでもよい。
【0067】
メモリ720は、オペレーティングシステム、一つ又は複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュールおよびプログラムデータを含むが、それらに限定されない一つまたは複数のプログラムモジュールを有するプログラム/ユーティリティを含むこともでき、これらの例のそれぞれ又はある組み合わせには、ネットワーク環境の実現が含まれる可能性がある。
【0068】
バス730は、メモリユニットバスまたはメモリユニットコントローラ、周辺バス、グラフィカルアクセラレーションポート、処理ユニット、または複数のバス構造のうちの任意のバス構造を使用するローカルバスを含む、いくつかのクラスのバス構造のうちの一つまたは複数として表すことができる。
【0069】
電子機器700は、上述した各実施例で説明した遮断弁200、駐車弁300、走行弁400、点火スイッチ580a、ブレーキペダル580b、回転速度センサ580c、運転席圧力センサ580dなどを含むことができる一つまたは複数の外部機器と通信することもできる。電子機器700は、一つまたは複数の他の計算機器と通信することもでき、このような通信は電子機器700の入出力(I/O)インタフェースを介して行うことができる。また、電子機器700はさらに、ネットワークアダプタを介して一つまたは複数のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆ネットワーク、例えばインターネット)と通信することができる。ネットワークアダプタは、バス730を介して電子機器700の他のモジュールと通信することができる。
【0070】
また、本発明の実施例は、プログラムを記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体を提供し、プログラムが実行されると、上述したいずれかの実施例で説明したハンドブレーキ装置の制御方法が実現される。いくつかの可能な実施形態では、本発明の各態様は、プログラムコードを含むプログラム製品の形態として実装されてもよく、プログラム製品が端末装置上で実行されるとき、プログラムコードは、端末装置に、上記実施例で説明したハンドブレーキ装置の制御方法を実行させる。
【0071】
本発明の記憶媒体は、車両の電子制御ユニットによって、または車両の他の類似する制御部材によって実行されて、車両の異なる状態(走行状態、アイドリング状態、および停車状態)に応じて、ハンドブレーキ装置の遮断弁が対応する作動位置で作動するように制御し、駐車ブレーキの自動制御を実現する。
【0072】
記憶媒体は、プログラムを含むか、または記憶する任意の有形媒体であってもよく、該プログラムは、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用されてもよく、またはそれと組み合わせて使用されてもよい。
【0073】
記憶媒体は、一つまたは複数の可読媒体の任意の組み合わせを利用することができる。可読媒体は、可読信号媒体または可読記憶媒体とすることができる。可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学的、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、または任意の以上の組み合わせであってもよい。可読信号媒体は、ベースバンド内において、または搬送波の一部として伝播するデータ信号を含むことができ、ここでは、可読プログラムコードを搬送している。そのように伝播するデータ信号は、電磁信号、光信号、または上記の任意の好適な組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な形態をとることができる。
【0074】
以上、本発明の具体的な好適な実施形態によってさらに詳細に説明するが、本発明の具体的な実施は、これらの説明のみに限定されるとは考えられない。当業者にとって、本発明の構想を逸脱することなく、いくつかの簡単な推論または置換を行うことができ、いずれも本発明の保護範囲に属すると見なすべきである。