(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122950
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ボンディングプロセスの間に接着剤流体を塗布するための組み合わせられたディスペンシングおよびスタンピング装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
H01L21/52 G
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024017102
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】18/107,093
(32)【優先日】2023-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504133796
【氏名又は名称】エーエスエムピーティー・シンガポール・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カイ・シウ・ラム
(72)【発明者】
【氏名】ニム・タク・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】シャオドン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】クイ・カム・ラム
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置を提供する。
【解決手段】ボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置200では、ディスペンシングデバイス210Aと、スタンピングデバイス220Aと、スイッチング部材240と、を含み、それらが位置決めテーブル230の上に装着されており、ディスペンシングデバイスは、ボンディング表面の上に接着剤流体をディスペンスするために、位置決めテーブルによって位置決め可能であり、スタンピングデバイスは、ボンディング表面の上に接着剤流体をスタンピングするために位置決めテーブルによって位置決め可能である。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置であって、前記装置は、
位置決めテーブルと、
前記位置決めテーブルの上に装着されており、前記ボンディング表面の上に前記接着剤流体をディスペンスするために前記位置決めテーブルによって位置決め可能であるように構成されている、ディスペンシングデバイスと、
前記位置決めテーブルの上に装着されており、前記ボンディング表面の上に前記接着剤流体をスタンピングするために前記位置決めテーブルによって位置決め可能であるように構成されているスタンピングデバイスであって、前記ディスペンシングデバイスおよびスタンピングデバイスは、前記ボンディング表面の上の異なるボンディング位置に前記接着剤流体を塗布するように動作可能である、スタンピングデバイスと、
前記位置決めテーブルの上に装着されており、前記スタンピングデバイスに連結されているスイッチング部材であって、前記スイッチング部材は、前記接着剤流体をディスペンスするように前記ディスペンシングデバイスが前記位置決めテーブルによって動作されるときには、前記スタンピングデバイスを第1の待機位置に移動させ、前記接着剤流体をスタンピングするように前記スタンピングデバイスが前記位置決めテーブルによって動作されるときには、第2の待機位置に移動させるように構成されている、スイッチング部材と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記装置は、前記接着剤流体を格納するための容器をさらに備え、前記スタンピングデバイスは、前記容器に接触して前記容器から前記接着剤流体を受け取るために、前記位置決めテーブルによって位置決め可能であるようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、前記容器が装着される第1の装着フレームをさらに備え、前記第1の装着フレームは、前記位置決めテーブルに連結されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、前記容器の中の前記接着剤流体の厚さを調節するために前記第1の装着フレームの上に装着された厚さ調節部材をさらに備えている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、前記ディスペンシングデバイスが装着される第2の装着フレームをさらに備え、前記第2の装着フレームは、前記位置決めテーブルに連結されている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の装着フレームは、前記位置決めテーブルに連結されている第1の装着部材と、前記第1の装着部材の上に位置付けされているグリッパーと、を含み、前記ディスペンシングデバイスは、前記グリッパーの上に装着されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記スイッチング部材は、前記第1の装着部材に取り付けられており、前記スイッチング部材と前記スイッチング部材が連結されている前記スタンピングデバイスとの両方が、前記位置決めテーブルとともに移動可能であるようになっている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記スイッチング部材は、第2の装着部材に取り付けられており、前記スイッチング部材と前記スイッチング部材が連結されている前記スタンピングデバイスとの両方が、前記位置決めテーブルとともに移動可能であるようになっている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記スタンピングデバイスは、スタンピングツールと、前記スタンピングツールを解放可能に把持するためのツールホルダーと、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、少なくとも1つのスタンピングツールを解放可能に保持するための第1のホルダーを含むツールバンクをさらに含み、前記スタンピングデバイスは、前記スタンピングツールによって前記ボンディング表面の上に前記接着剤流体をスタンピングする前に、前記ツールホルダーによって前記ツールバンクから前記スタンピングツールをピックアップするように動作可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ツールバンクは、レベル検出ツールを解放可能に保持するための第2のホルダーをさらに含み、前記スタンピングデバイスは、前記ツールホルダーによって前記ツールバンクから前記レベル検出ツールをピックアップするように、および、前記ディスペンシングデバイスが前記接着剤流体をディスペンスするために使用される前に、前記レベル検出ツールによってレベル検出を実行するようにさらに動作可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ツールバンクは、第1の画像撮影デバイスをさらに含み、前記第1の画像撮影デバイスは、前記スタンピングデバイスによって保持されている前記スタンピングツールの位置を検出するように構成されており、それによって、前記スタンピングツールの前記位置が調節可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記スタンピングデバイスは、力検出器をさらに含み、前記力検出器は、前記スタンピングデバイスによって保持されている前記スタンピングツールまたは前記レベル検出ツールによって前記ボンディング表面の上に印加される力をそれらの接触の間に検出するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記力検出器は、前記ツールホルダーに取り付けられている歪みゲージセンサーを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ツールホルダーは、ノズルカバーを保持するための第3のホルダーをさらに含み、前記ディスペンシングデバイスは、前記接着剤流体が前記ボンディング表面の上に漏出するのを防止するために前記ディスペンシングデバイスのノズルを遮蔽するために前記ノズルカバーを前記ツールホルダーからピックアップするようにさらに動作可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記スイッチング部材は、空気圧シリンダーを含み、前記空気圧シリンダーは、前記スタンピングデバイスに連結されており、前記第1の待機位置または前記第2の待機位置に前記スタンピングデバイスを往復移動させるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、第2の画像撮影デバイスをさらに含み、前記第2の画像撮影デバイスは、前記ディスペンシングデバイスに取り付けられており、前記接着剤流体をディスペンスする前に、電子パッケージに対してパターン認識検査を実行するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ディスペンシングデバイスは、1ミリメートルよりも小さい寸法を有する少なくとも1つのダイをボンディングするための第1のボンディング位置の上に前記接着剤流体をディスペンスするように動作可能であり、前記スタンピングデバイスは、1ミリメートルよりも大きい寸法を有する少なくとも1つのダイをボンディングするための第2のボンディング位置の上に前記接着剤流体をスタンピングするように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
請求項1に記載のボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置を含む、ダイボンディングシステム。
【請求項20】
半導体デバイスを製造するための方法であって、前記方法は、
ダイボンディングプロセスの間にボンディング表面の上の第1のボンディング位置にディスペンシングデバイスによって接着剤流体をディスペンスするように、位置決めテーブルの上に装着されている前記ディスペンシングデバイスを位置決めするステップと、
前記ボンディング表面の上の第2のボンディング位置にスタンピングデバイスによって前記接着剤流体をスタンピングするように、前記位置決めテーブルの上に装着されている前記スタンピングデバイスを位置決めするステップと、
を含み、
前記位置決めテーブルの上に装着され、前記スタンピングデバイスに連結されているスイッチング部材が、前記接着剤流体をディスペンスするように前記ディスペンシングデバイスが前記位置決めテーブルによって動作されるときには、前記スタンピングデバイスを第1の待機位置に移動させ、前記接着剤流体をスタンピングするように前記スタンピングデバイスが前記位置決めテーブルによって動作されるときには、前記スタンピングデバイスを第2の待機位置に移動させ、
前記方法は、
前記半導体デバイスを形成するために、前記第1のボンディング位置において第1の半導体ダイをボンディングし、前記第2のボンディング位置において第2の半導体ダイをボンディングするステップ
をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ボンディングプロセスの間の接着剤流体の塗布に関し、より具体的には、複数の半導体チップのボンディングの間にボンディング表面の上に接着剤流体(たとえば、エポキシ)を塗布するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボンディングプロセスの間に接着剤流体を塗布するための従来の一手法は、ボンディング表面の上に接着剤流体をディスペンスするためのディスペンシングデバイスを使用することである。このディスペンシング手法は、大きなサイズを有する半導体チップまたはダイ(たとえば、1ミリメートル(mm)よりも大きい幅を有するダイ)にとって適切である。その理由は、小さ過ぎるディスペンシングデバイスのノズル先端部は、接着剤流体の残留物が付着しやすい、または詰まりやすい可能性があるからである。ボンディングプロセスの間に接着剤流体を塗布するための別の従来の手法は、スタンピングデバイスによってボンディング表面の上に接着剤流体をスタンピングすることである。スタンピング手法は、より小さなサイズを有するダイ(たとえば、1mmよりも小さい幅を有するダイ)にとって適切である。その理由は、より大きなサイズを有するダイのボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するためにスタンピングデバイスが使用されるときに、スタンピングツールの上に形成されたギャップまたはスロットを接着剤流体が塞ぐ可能性があり、これにより、ボンディング表面(たとえば、リードフレームまたは基板など)の上に塗布される接着剤流体の体積もしくは量が一貫しなくなるまたは不確実になる可能性があるからである。
【0003】
マルチチップボンディングプロセスの間に、ディスペンシング手法またはスタンピング手法のいずれかが、ダイサイズに応じて、ボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するために使用されることが可能であり、したがって、異なるサイズを有するダイが信頼性高くボンディングされることが可能である。
図1は、マルチチップボンディングプロセスの間に接着剤流体を塗布するための従来の装置100の概略正面図である。
図1に示されているように、従来の装置100は、ディスペンシングデバイス110およびスタンピングデバイス120を含み、それらは、異なる位置決めテーブル110a、120aの上にそれぞれ据え付けられている。また、ディスペンシングデバイス110およびスタンピングデバイス120は、個々の光学システム111、121を含み、光学システム111、121は、それぞれのデバイス110、120による接着剤流体の塗布を容易にするために、それぞれの位置決めテーブル110a、120aの上に装着されている。2つの別個の位置決めテーブルおよび光学システムが装置100の中に含まれているので、接着剤流体を塗布するためのこの従来の装置100を組み込んだマルチチップボンディングシステムは、スペース効率的でなく、また、コスト効率的でない。そのうえ、ボンディング表面の上でのマルチチップボンディングプロセスの間に、接着剤流体を塗布するための2つの手法の間で切り替えるときに(すなわち、ディスペンシングからスタンピングへ切り替えるときに、または、その逆もまた同様)、追加的な移行時間が必要とされる。
【0004】
したがって、従来の装置および方法における上述の欠点のうちの少なくとも1つを克服することができる、マルチチップボンディングプロセスの間に接着剤流体を塗布するための新しい手法および解決策を提供することが有益である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、マルチチップボンディングプロセスの間に接着剤流体を塗布するための、よりコスト効率的でスペース効率的な装置および方法の提供を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、ダイボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置が提供される。装置は、位置決めテーブルと、ディスペンシングデバイスであって、位置決めテーブルの上に装着されており、ボンディング表面の上に接着剤流体をディスペンスするために、位置決めテーブルによって位置決め可能であるように構成されている、ディスペンシングデバイスと、位置決めテーブルの上に装着されており、ボンディング表面の上に接着剤流体をスタンピングするために位置決めテーブルによって位置決め可能であるように構成されているスタンピングデバイスであって、ディスペンシングデバイスおよびスタンピングデバイスは、ボンディング表面の上の異なるボンディング位置に接着剤流体を塗布するように動作可能である、スタンピングデバイスと、位置決めテーブルの上に装着されており、スタンピングデバイスに連結されているスイッチング部材であって、スイッチング部材は、接着剤流体をディスペンスするようにディスペンシングデバイスが位置決めテーブルによって動作されるときには、スタンピングデバイスを第1の待機位置に移動させ、接着剤流体をスタンピングするようにスタンピングデバイスが位置決めテーブルによって動作されるときには、第2の待機位置に移動させるように構成されている、スイッチング部材とを含む。本発明の実施形態における「の上に装着される」は、直接的にまたは間接的に「の上に装着される」ことを指すことが可能であるということが留意されるべきである。
【0007】
いくつかの実施形態において、装置は、接着剤流体を格納するための容器をさらに含むことが可能であり、スタンピングデバイスは、容器に接触して容器から接着剤流体を受け取るために、位置決めテーブルによって位置決め可能であるように構成されている。ボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するためのデバイスをさらに一体化するために、装置は、容器が装着される第1の装着フレームをさらに含むことが可能である。
【0008】
第1の装着フレームは、容器が位置決めテーブルとともに移動可能であるように、位置決めテーブルに連結されている。容器の中の接着剤流体の均一な分配を保証するために、装置は、容器の中の接着剤流体の厚さを調節するために第1の装着フレームの上に装着された厚さ調節部材をさらに含むことが可能である。
【0009】
いくつかの実施形態において、装置は、ディスペンシングデバイスが装着される第2の装着フレームをさらに含み、第2の装着フレームは、位置決めテーブルに連結されている。換言すれば、ディスペンシングデバイスは、第2の装着フレームを介して位置決めテーブルの上に装着されており、ディスペンシングデバイスが位置決めテーブルとともに移動可能であるようになっている。1つの実施形態では、第2の装着フレームは、位置決めテーブルに連結されている第1の装着部材と、第1の装着部材の上に位置付けされているグリッパーとを含むことが可能であり、ディスペンシングデバイスは、グリッパーの上に装着されており、または、グリッパーによって保持されており、位置決めテーブルとともに移動可能であるようになっている。
【0010】
1つの実施形態では、スイッチング部材は、第1の装着部材に取り付けられており、スイッチング部材とスイッチング部材が連結されているスタンピングデバイスの両方が、位置決めテーブルとともに移動可能であるようになっている。代替的に、スイッチング部材は、第2の装着部材に取り付けられることが可能であり、スイッチング部材とスイッチング部材が連結されているスタンピングデバイスの両方が、位置決めテーブルとともに移動可能であるようになっている。
【0011】
いくつかの実施形態において、スタンピングデバイスは、スタンピングツールと、スタンピングツールを解放可能に把持するためのツールホルダーとを含む。スタンピングツールは、容器から接着剤流体をピックアップするように、および、ボンディング表面の上に接着剤流体をスタンピングするように位置決め可能である。
【0012】
スタンピングデバイスの上に据え付けられているスタンピングツールの交換を容易にするために、装置は、ツールバンクをさらに含むことが可能である。ツールバンクは、少なくとも1つのスタンピングツールを解放可能に保持するための第1のホルダーを含むように構成されており、スタンピングデバイスは、スタンピングツールによってボンディング表面の上に接着剤流体をスタンピングする前に、ツールホルダーによってツールバンクからスタンピングツールをピックアップするように動作可能である。
【0013】
いくつかの実施形態において、スタンピングデバイスは、レベル検出ツールによってレベル検出を実行するために使用されることが可能である。レベル検出ツールの自動的なピックアップおよび戻しを容易にするために、ツールバンクは、レベル検出ツールを解放可能に保持するための第2のホルダーをさらに含み、スタンピングデバイスは、ツールホルダーによってツールバンクからレベル検出ツールをピックアップするように、および、ディスペンシングデバイスが接着剤流体をディスペンスするために使用される前に、レベル検出ツールによってレベル検出を実行するようにさらに動作可能である。
【0014】
いくつかの実施形態において、装置は、第1の画像撮影デバイスをさらに含むことが可能であり、第1の画像撮影デバイスは、スタンピングデバイスによって保持されているスタンピングツールの位置を検出するように構成されており、それによって、スタンピングツールの位置が調節可能である。
【0015】
いくつかの実施形態において、スタンピングデバイスは、力検出器をさらに含み、力検出器は、スタンピングデバイスによって保持されているスタンピングツールまたはレベル検出ツールによってボンディング表面の上に印加される力をそれらの接触の間に検出するように構成されている。1つの実施形態では、力検出器は、ツールホルダーに取り付けられている歪みゲージセンサーを含むことが可能である。
【0016】
ディスペンシングデバイスが接着剤流体をディスペンスするために使用された後に、接着剤流体がボンディング表面の上に漏出することを防止するために、ツールホルダーは、ノズルカバーを保持するための第3のホルダーをさらに含み、ディスペンシングデバイスが、ディスペンシングデバイスのノズルを遮蔽するためにノズルカバーをツールホルダーからピックアップするようにさらに動作可能であるようになっている。
【0017】
1つの実施形態では、スイッチング部材は、空気圧シリンダーを含むことが可能であり、空気圧シリンダーは、スタンピングデバイスに連結されており、第1の待機位置または第2の待機位置にスタンピングデバイスを往復移動させるように動作可能である。
【0018】
装置は、ディスペンシングデバイスに取り付けられている第2の画像撮影デバイスをさらに含むことが可能である。第2の画像撮影デバイスは、接着剤流体をディスペンスする前に、電子パッケージに対してパターン認識検査を実行するように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態において、ディスペンシングデバイスは、1ミリメートルよりも小さい寸法を有する少なくとも1つのダイをボンディングするための第1のボンディング位置の上に接着剤流体をディスペンスするように動作可能であり、スタンピングデバイスは、1ミリメートルよりも大きい寸法を有する少なくとも1つのダイをボンディングするための第2のボンディング位置の上に接着剤流体をスタンピングするように動作可能である。
【0020】
本発明の第2の態様によれば、本発明のさまざまな実施形態による、ボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置を含む、ダイボンディングシステムが提供される。
【0021】
本発明の第3の態様によれば、半導体デバイスを製造するための方法が提供される。本方法は、ダイボンディングプロセスの間にボンディング表面の上の第1のボンディング位置にディスペンシングデバイスによって接着剤流体をディスペンスするように、位置決めテーブルの上に装着されているディスペンシングデバイスを位置決めするステップと、ボンディング表面の上の第2のボンディング位置にスタンピングデバイスによって接着剤流体をスタンピングするように、位置決めテーブルの上に装着されているスタンピングデバイスを位置決めするステップとを含み、位置決めテーブルの上に装着され、スタンピングデバイスに連結されているスイッチング部材が、接着剤流体をディスペンスするようにディスペンシングデバイスが位置決めテーブルによって動作されるときには、スタンピングデバイスを第1の待機位置に移動させ、接着剤流体をスタンピングするようにスタンピングデバイスが位置決めテーブルによって動作されるときには、スタンピングデバイスを第2の待機位置に移動させ、方法は、半導体デバイスを形成するために、第1のボンディング位置において第1の半導体ダイをボンディングし、第2のボンディング位置において第2の半導体ダイをボンディングするステップをさらに含む。
【0022】
これらのおよび他の特徴、態様、および利点は、説明の章、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関して、より良好に理解されるであろう。
【0023】
ここで、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】マルチチップボンディングプロセスの間に接着剤流体を塗布するための従来の装置の概略正面図である。
【
図2A】本発明の1つの実施形態による、マルチチップボンディングプロセスの間に、装置が第1の構成に配置されているときの、ボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置の正面図である。
【
図2B】本発明の1つの実施形態による、マルチチップボンディングプロセスの間に、装置が第2の構成に配置されているときの、ボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置の正面図である。
【
図3A】
図2Aおよび
図2Bに示されている実施形態による、ディスペンシングデバイスおよび装着フレームを含むディスペンシング機構の正面図である。
【
図3B】
図3Aに示されているようなディスペンシングデバイスの側面図である。
【
図3C】
図2Aおよび
図2Bに示されている実施形態による、スタンピングデバイスおよび容器を含むスタンピング機構の正面図である。
【
図3D】本発明の1つの実施形態による、スイッチング部材の正面図である。
【
図3E】本発明の1つの実施形態による、装置のツールバンクの正面図である。
【
図3F】本発明の1つの実施形態による、ツールバンクがその上に取り付けられているワークテーブルの斜視図である。
【
図3G】本発明の1つの実施形態による、
図3Fに示されているツールバンクを含む装置の正面図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態による装置を使用して、ボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面において、同様のパーツは、同様の参照番号によって示されている。
【0026】
ボンディングプロセスの間に接着剤流体(たとえば、エポキシ)を塗布するための提案される装置では、ディスペンシングデバイスおよびスタンピングデバイスは、共通の位置決めテーブルを共有するように設計されており、パターン認識(PR)検索を実行するための共通の光学システムを備え付けられており、ディスペンシングデバイスおよびスタンピングデバイスがよりコンパクトな様式で配置されるようになっている。これは、ボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布する様式を切り替えるときに、製造コスト、スペース利用、および移行時間を低減させることを助ける。
【0027】
図2Aは、本発明の1つの実施形態による、マルチチップボンディングプロセスの間に装置200が第1の構成に配置されているときの、ボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための装置200の正面図である。
図2Aを参照すると、装置200は、ディスペンシング機構210(左側の破線ボックスの内側に示されている)と、スタンピング機構220(右側の破線ボックスの内側に示されている)と、位置決めテーブル230と、スイッチング部材240とを含み、ディスペンシング機構210およびスタンピング機構220は、位置決めテーブル230の上に装着されており、スイッチング部材240は、位置決めテーブル230の上に装着されており、スイッチング部材240も位置決めテーブル230とともに移動可能になっている。位置決めテーブル230は、XYZテーブルであることが可能である。
【0028】
ディスペンシング機構210は、ディスペンシングデバイス210Aを含む。ディスペンシングデバイス210Aは、位置決めテーブル230の上に装着されており、位置決めテーブル230によって位置決め可能となるように構成されており、ボンディング表面(たとえば、リードフレームまたは基板の表面)の上に1ミリメートルよりも小さい寸法を有する少なくとも1つのダイをボンディングするための第1のボンディング位置の上に接着剤流体をディスペンスする。スタンピング機構220は、スタンピングデバイス220Aを含む。スタンピングデバイス220Aは、位置決めテーブル230によって位置決め可能となるように構成されており、ボンディング表面の上に1ミリメートルよりも大きい寸法を有する少なくとも1つのダイをボンディングするための第2のボンディング位置の上に接着剤流体をスタンピングする。スイッチング部材240は、スタンピングデバイス220Aに連結または接続されており、ディスペンシングデバイス210Aに対して異なる待機位置にスタンピングデバイス220Aを位置付けするように動作可能であり、接着剤流体が塗布される様式を変化させるようになっている。
【0029】
図2Aを参照すると、装置200が第1の構成に配置されているときに、スタンピングデバイス220Aの底部端部は、接着剤流体を塗布するようにディスペンシングデバイス210Aが位置決めテーブル230によって動作されるときに、スイッチング部材240によって第1の待機位置P1に位置付けされる。第1の構成において、スタンピングデバイス220Aは、ボンディング表面の上に接着剤流体をディスペンスするようにディスペンシングデバイス210Aが位置決めテーブル230によって位置決めされているときに、ボンディング表面からさらに離れて位置付けされている。
【0030】
図2Bは、本発明の1つの実施形態による、マルチチップボンディングプロセスの間に装置200が第2の構成に配置されているときの装置200の正面図である。
図2Bを参照すると、装置200が第2の構成に配置されているときに、スタンピングデバイス220Aの底部端部は、接着剤流体を塗布するようにスタンピングデバイス220Aが位置決めテーブル230によって動作されるときに、スイッチング部材240によって第2の待機位置P2に位置付けされている。第2の構成において、スタンピングデバイス220Aは、ボンディング表面の上に接着剤流体をスタンピングするようにスタンピングデバイス220Aが位置決めテーブル230によって位置決めされているときに、ボンディング表面のより近くに位置付けされている。
【0031】
この実施形態では、第1のボンディング位置は、1mmから6mmの間の幅または寸法を有する少なくとも1つのダイまたはチップをボンディングするために構成されることが可能であり、第2のボンディング位置は、0.25mmから1mmの間の寸法を有する少なくとも1つのダイまたはチップをボンディングするために構成されることが可能である。
【0032】
図3Aは、
図2Aおよび
図2Bに示されている実施形態によるディスペンシング機構210の正面図である。
図3Aに示されているように、ディスペンシング機構210は、ディスペンシングデバイス210Aと、位置決めテーブル230に連結されている装着フレーム210Bとを含む。ディスペンシングデバイス210Aは、装着フレーム210Bの上に装着されており、ディスペンシングデバイス210Aが位置決めテーブル230とともに移動可能であるようになっている(すなわち、位置決めテーブル230は、ディスペンシングデバイス210Aの移動を制御するように動作可能である)。この実施形態におけるディスペンシングデバイス210Aは、容器211と、アダプター212と、ノズル213と、ロッキング部材214とを含むシリンジの形態である。容器211は、ディスペンシングプロセスの間にディスペンスされる接着剤流体を保持するように構成されている。アダプター212は、容器211の第1の端部に連結されており、容器211を囲むようになっており、また、接着剤流体がノズル213を通してディスペンスされるように容器211の中の接着剤流体を押すための圧力を提供するために、ディスペンシングコントローラー(図示せず)に容器211を接続するようになっている。ロッキング部材214は、容器211の第2の端部に連結されており、ノズル213を容器211にしっかりと固定するように構成されている。ディスペンシングデバイス210Aは、ノズルカバー215をさらに含むことが可能であり、ノズルカバー215は、ノズル213を遮蔽するように構成されており、ディスペンシング機構210が使用中でないときに、容器211の中の残留接着剤流体がボンディング表面の上に漏出するのを防止するようになっている。装着フレーム210Bは、装着部材216(すなわち、第1の装着部材)と、装着部材216に連結されているか、接続されているか、または取り付けられているグリッパー217とを含む。装着部材216は、位置決めテーブル230に連結または接続されており、ディスペンシングデバイス210Aが位置決めテーブル230とともに移動可能であるようになっている。グリッパー217は、取り付けまたは連結によって装着部材216の上に位置付けされており、容器211をしっかりと保持するように構成されている。装着部材216およびグリッパー217は、互いに解放可能に接続もしくは連結される別個の構成要素であることが可能であり、または、互いに一体的に形成されることが可能である。
【0033】
この実施形態におけるディスペンシングデバイス210Aおよび装着フレーム210Bの構造および構成要素は、単に図示の目的のためのものであり、本発明の範囲を限定することを意図していないということが留意されるべきである。すなわち、他の実施形態において、ディスペンシングデバイス210Aおよび装着フレーム210Bは、異なる構造を有することが可能であり、異なる構成要素を含むことが可能である。
【0034】
図3Bは、ディスペンシングデバイス210Aの側面図である。
図3Bに示されているように、装置200は、ディスペンシングデバイス210Aに連結されている画像撮影デバイス250(たとえば、カメラ)をさらに含む。1つの実施形態では、それは、ディスペンシングデバイス210Aおよびスタンピングデバイス220Aがボンディング表面の上に接着剤流体を塗布する前に、ボンディング表面全体に対してパターン認識(PR)検索を実行するように動作可能である。
【0035】
図3Cは、
図2Aおよび
図2Bに示されている実施形態によるスタンピング機構220の正面図である。スタンピング機構220は、スイッチング部材240に連結されているスタンピングデバイス220Aと、位置決めテーブル230の上に装着されている接着剤含有デバイス220Bとを含む。スイッチング部材240は、位置決めテーブル230の上に装着されており、スイッチング部材240とスタンピングデバイス220Aの両方が位置決めテーブル230とともに移動可能であるようになっている。この実施形態では、スイッチング部材240は、装着フレーム210Bの装着部材216に取り付けられているかまたは連結されている。しかし、これは、単に図示の目的のためのものである。他の実施形態において、スイッチング部材240は、別個の装着部材を通して位置決めテーブル230の上に据え付けられるか、または、位置決めテーブル230に連結されることが可能である。したがって、ディスペンシングデバイス210Aは、スイッチング部材240に取り付けられることが可能であり、ディスペンシングデバイス210A、スタンピングデバイス220A、およびスイッチング部材240が、すべて、位置決めテーブル230とともに移動可能であるようになっている。
【0036】
図3Cを参照すると、スタンピングデバイス220Aは、スタンピングツール221aまたはレベル検出ツール221b、ツールホルダー222、および力検出器223を含む。ツールホルダー222は、スタンピングツール221aが接着剤流体を取り扱うために使用されるときには、スタンピングツール221aを解放可能に把持するように構成されており、または、レベル検出ツール221bがディスペンシングプロセスの間にレベル検出のために使用されるときには、レベル検出ツール221bを解放可能に把持するように構成されている。力検出器223は、スタンピングデバイス220Aによって保持されているスタンピングツール221aまたはレベル検出ツール221bによってボンディング表面の上に印加される力をそれらの接触の間に検出するように構成されている。具体的には、力検出器223は、スタンピングプロセスの間に、スタンピングツール221aによってスタンピング力を検出するように、もしくは、ピックレベル検索を実行するように動作可能であり、または、ディスペンシングプロセスの間に、レベル検出ツール221bによってレベル検出を実行するように動作可能である。検出される力値は、装置200に通信可能に接続されている制御システム(たとえば、コンピューター)によって受信され、制御システムは、スタンピングプロセスの間のスタンピング力もしくはピックアップレベルを決定するために使用され、または、ディスペンシングプロセスの間に使用されるべきレベルもしくはエンコーダー値を決定するために使用される。
【0037】
この実施形態では、力検出器223は、ツールホルダー222に取り付けられている歪みゲージセンサーの形態であることが可能である。ボンディングプロセスの間に、スタンピングデバイス220Aは、ツールホルダー222によってスタンピングツール221aをしっかりと把持するように動作されることが可能であり、接着剤流体を塗布するためにスタンピングツール221aを使用するようになっている。また、スタンピングツール221aが使用中でないときに、または、それが必要とされないときに、たとえば、スタンピングツール221aが交換される必要があるとき、または、レベル検出ツール221bがレベル検出動作を実行することを必要とされるときに、スタンピングデバイス220Aは、スタンピングツール221aを除去または解放するように動作されることが可能である。また、スタンピングデバイス220Aは、ディスペンシングデバイス210Aが接着剤流体をディスペンスするために使用されるときに、レベル検出ツール221bが電子パッケージの上でレベル検出を実行することを必要とされるときに、ツールホルダー222によってレベル検出ツール221bをしっかりと把持するように動作されることが可能であり、次いで、レベル検出ツール221bが使用中でないかまたは必要とされないときに、レベル検出ツール221bを除去または解放するように動作されることが可能である。
【0038】
接着剤含有デバイス220Bは、スタンピングプロセスの間に使用されることとなる接着剤流体を保持するための容器224を含む。容器224は、位置決めテーブル230に連結されているか、または、位置決めテーブル230の上に装着されており、ボンディング表面の上への接着剤流体の塗布の間に、容器224がディスペンシングテーブル230とともに移動可能であるようになっている。スタンピングデバイス220Aは、ボンディング表面の上に接着剤流体をスタンピングする前に、スタンピングツール221aによって容器224から接着剤流体をピックアップするために、位置決めテーブル230によってさらに位置決め可能である。容器224は、位置決めテーブル230に直接的にもしくは間接的に連結されるか、または、位置決めテーブル230の上に装着されることが可能であるということが留意されるべきである。
【0039】
依然として
図3Cを参照すると、接着剤含有デバイス220Bは、厚さ調節部材をさらに含むことが可能であり、厚さ調節部材は、容器224の中の接着剤流体の厚さを調節するように構成されており、その中の接着剤流体が特定の厚さによって平坦化されるようになっている。この実施形態では、厚さ調節部材は、容器224の中の接着剤流体の表面を平坦化するように、容器224の中の接着剤流体をスイープするためのスイーパー225と、容器224の中の接着剤流体の厚さを測定するように動作可能なマイクロメーター226とを含むことが可能である。また、接着剤含有デバイス220Bは、装着フレーム227を含み、装着フレーム227は、接着剤含有デバイス220Bを位置決めテーブル230に装着するように構成されており、接着剤含有デバイス220Bが位置決めテーブル230とともに移動可能であるようになっている。具体的には、
図3Cに示されているように、容器224、スイーパー225、およびマイクロメーター226は、すべて、位置決めテーブル230に連結されている装着フレーム227に取り付けられている。
【0040】
図3Dは、本発明の1つの実施形態によるスイッチング部材240の正面図である。
図3Dに示されているように、この実施形態におけるスイッチング部材240は、空気圧シリンダー240A、ソレノイド240B、および空気チューブ240Cを含み、空気チューブ240Cは、空気圧シリンダー240Aおよびソレノイド240Bを接続するように配置されている。ソレノイド240Bは、制御システムに通信可能に接続されることが可能であり、スイッチング部材240の動作が、予め設定されたボンディングスケジュールにしたがって制御システムによって制御されるようになっている。空気圧シリンダー240Aは、ディスペンシングプロセスの間にスタンピングデバイス220Aを第1の待機位置P1に移動させるように動作可能であり、スタンピングプロセスの間にスタンピングデバイス220Aを第2の待機位置P2に移動させるように動作可能である。空気チューブ240Cは、空気圧シリンダー240Aに圧縮空気を供給するように構成されている。ソレノイド240Bは、空気圧シリンダー240Aの移動方向を調節するように、空気圧経路の方向を切り替えるように動作可能である。換言すれば、制御システムは、空気圧ソレノイド240Bをオンまたはオフにすることによって、空気圧経路方向を制御するように構成されており、それによって、空気圧シリンダー240Aの移動方向を制御する。すなわち、空気圧シリンダー240Aは、ディスペンシングプロセスを実行するときには、スタンピングデバイス220Aを第1の待機位置P1に移動させるために、ディスペンシングデバイス210Aに対して上向きに移動するように作動され、スタンピングプロセスを実行するときには、スタンピングデバイス220Aを第2の待機位置P2に移動させるために、ディスペンシングデバイス210Aに対して下向きに移動するように作動される。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置200は、ツールバンクをさらに含むことが可能である。
図3Eは、本発明の1つの実施形態による、装置200のツールバンク260の正面図である。ツールバンク260は、複数のホルダー261、262、263を含み、複数のホルダー261、262、263は、ノズルカバー215、少なくとも1つのスタンピングツール221a、および少なくとも1つのレベル検出ツール221bが使用中でないときに、それらを保持するように構成されている。
図3Eに示されているように、この実施形態では、ホルダー261は、ノズルカバー215を保持するように構成されており、ホルダー262は、複数のスタンピングツール221aを保持するように構成されており、ホルダー263は、レベル検出ツール221bを保持するように構成されている。特に、ホルダー262は、他の実施形態では、より多い数のスタンピングツールを保持するように構成されることが可能である。ツールバンク260は、画像撮影デバイス264(たとえば、アップルックカメラ(up-look camera)など)をさらに含むことが可能であり、画像撮影デバイス264は、スタンピングデバイス220Aによって保持されているスタンピングツール221aの位置を検出するように構成されており、必要とされるときに(たとえば、スタンピングツール221aが交換されたときに)スタンピングツール221aの位置を整合および調節するようになっている。ツールバンク260は、ボンディングプロセスがその上で実行される装置200のワークテーブルの上に据え付けられるかまたは装着されることが可能である。
図3Fは、ツールバンク260がその上に取り付けられているワークテーブル300の斜視図である。ツールバンク260は、位置決めテーブル230が装置200をツールバンク260の上方に移動させ、その場所においてツールを設置またはピックアップすることができる限り、ワークテーブルの上の任意の場所に位置付けされることが可能である。
【0042】
図3Gは、本発明の1つの実施形態による、ワークテーブル300に取り付けられているツールバンク260を含む装置200の正面図である。
図3Gを参照すると、ボンディングプロセスの間に、スタンピングデバイス220Aは、ボンディング表面の上に接着剤流体をスタンピングするためにスタンピングツール221aを使用する前に、ツールホルダー222によってツールバンク260からスタンピングツール221aをピックアップするために、および、スタンピングツール221aが使用中でないかまたは必要とされないときに(たとえば、スタンピングツール221aが交換される必要があるとき、または、レベル検出ツール221bがレベル検出を実行することを必要とされるときに、)スタンピングツール221aをツールバンク260に戻すために、位置決めテーブル230によってさらに位置決め可能であり得る。また、スタンピングデバイス220Aは、ディスペンシングデバイス210Aが接着剤流体をディスペンスするために使用されることとなるときに、レベル検出ツール221bがボンディング表面の上でレベル検出を実行することを必要とされるときに、ツールホルダー222を使用してツールバンク260からレベル検出ツール221bをピックアップするために、および、レベル検出ツール221bが使用中でないかまたは必要とされないときに、レベル検出ツール221bをツールバンクに戻すために、位置決めテーブル230によって位置決め可能であり得る。加えて、ディスペンシングデバイス210Aは、ディスペンシングデバイス210Aがボンディング表面の上に接着剤流体を塗布し終わった後に、接着剤流体がボンディング表面の上に漏出するのを防止するために、ディスペンシングデバイス210Aのノズルを遮蔽するためにノズルカバー215をツールバンク260からピックアップするために、位置決めテーブル230によってさらに位置決め可能であり得る。
【0043】
装置200が、マルチチップボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するために使用されるときに、装置200は、予め設定されたスケジュール(たとえば、ディスペンシングデバイス210Aによるディスペンシングプロセスおよびスタンピングデバイス220Aによるスタンピングプロセスを実行するための位置およびタイミングを示すスケジュール)にしたがって接着剤流体を塗布するように装置200を制御するように動作可能な制御システムに通信可能に接続される。
【0044】
提案される装置200は、半導体デバイスを製造するためのダイボンディングシステムの中に含まれることが可能である。また、本発明の実施形態は、マルチチップボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための方法、および、接着剤流体を塗布するための方法を含む半導体デバイスを製造するための方法を提供する。ボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための方法は、以下のステップを含む:
・ダイボンディングプロセスの間にボンディング表面の上の第1のボンディング位置にディスペンシングデバイス210Aによって接着剤流体をディスペンスするために、位置決めテーブル230の上に装着されているディスペンシングデバイス210Aを位置決めするステップ、ならびに、
・ボンディング表面の上の第2のボンディング位置にスタンピングデバイス220Aによって接着剤流体をスタンピングするために、位置決めテーブル230の上に装着されているスタンピングデバイス220Aを位置決めするステップであって、位置決めテーブル230の上に装着され、スタンピングデバイス220Aに連結されているスイッチング部材240が、接着剤流体をディスペンスするようにディスペンシングデバイス210Aが位置決めテーブル230によって動作されるときに、スタンピングデバイス220Aを第1の待機位置P1に移動させ、また、接着剤流体をスタンピングするようにスタンピングデバイス220Aが位置決めテーブル230によって動作されるときに、スタンピングデバイス220Aを第2の待機位置P2に移動させる、ステップ。
【0045】
半導体デバイスを製造するための方法は、半導体デバイスを形成するためのボンディングステップ、たとえば、1つまたは複数の半導体デバイスを形成するために、第1のボンディング位置において第1の半導体ダイをボンディングし、第2のボンディング位置において第2の半導体ダイをボンディングするステップをさらに含むことが可能である。
【0046】
図4は、本発明の1つの実施形態による装置200を使用してボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための方法を図示するフローチャートである。この実施形態では、装置200のスタンピングツール221aが、最初にツールホルダー222によってしっかりと保持されており、スタンピングプロセスを実行するために第2の待機位置P2に移動されるということが想定されている。さらに、装置200に通信可能に接続されている制御システムは、ボンディング表面の上の第2のボンディング位置においてスタンピングプロセスを実行する前に、最初にボンディング表面の上の第1のボンディング位置においてディスペンシングプロセスを実行するための予め設定されたボンディングスケジュールを受け取っている。制御システムは、予め設定されたボンディングスケジュールにしたがってディスペンシングプロセスおよびスタンピングプロセスを実行するために、位置決めテーブル230の移動およびスイッチング部材240の移動を制御するように構成されている。
【0047】
ステップ401において、スタンピングデバイス220Aは、スタンピングツール221aをツールバンク260に戻すように、および、ツールバンク260からレベル検出ツール221bをピックアップするように動作される。
【0048】
具体的には、制御システムは、位置決めテーブル230を制御し、スタンピングデバイス220Aをツールバンク260の上方に位置決めし、スタンピングツール221aをツールバンク260に戻すようになっている。スタンピングツール221aが解放され、スタンピングツール221aがツールバンク260の中に設置された後に、スタンピングデバイス220Aは、ツールバンク260からレベル検出ツール221bをピックアップするようにさらに動作される。
【0049】
ステップ402において、レベル検出ツール221bを備えたスタンピングデバイス220Aが、下向きに移動され、ディスペンシングプロセスのためのレベル検出を実行する。
【0050】
具体的には、レベル検出ツール221bを備えたスタンピングデバイス220Aが、力検出器223によって検出される接触力が所定の閾値を超えるまで、一定の速度で位置決めテーブル230によって下向きに移動される。検出された接触力値に対応するエンコーダー値は、制御システムによって記録され、このエンコーダー値またはレベルがディスペンシングプロセスのために使用されるようになっている。
【0051】
前記レベル検出を実行する前に、パッドパターン認識(PR)検索が、ディスペンシングプロセスおよびスタンピングプロセスが実行されることとなるボンディング表面の上のすべてのユニットに関して(すなわち、ボンディング表面の上の第1のボンディング位置と第2のボンディング位置の両方において)実行されることが可能である。
【0052】
ステップ403において、スタンピングデバイス220Aは、スタンピングデバイス220Aが第1の待機位置P1に位置付けされ、ディスペンシングデバイス210Aがボンディング表面のより近くに位置付けされるまで、スイッチング部材240によって上向きに移動される。次いで、ディスペンシングテーブルが、ボンディング表面の上の第1のボンディング位置に接着剤流体をディスペンスするために、位置決めテーブル230によって位置決めされる。
【0053】
ステップ404において、ディスペンシングデバイス210Aが、ボンディング表面の上の第1のボンディング位置に接着剤流体をディスペンスするように動作される。
【0054】
接着剤流体をディスペンスするためのディスペンシングプロセスの前に、ノズル213がノズルカバー215によって最初に遮蔽されている場合には、本方法は、ディスペンシングデバイス210Aからノズルカバー215を除去するステップをさらに含む。具体的には、ノズルカバー215を除去するステップは、位置決めテーブル230によってディスペンシングデバイス210Aをツールバンク260の上方に位置決めするステップと、ディスペンシングデバイス210Aを動作させ、ノズルカバー215を解放し、それをツールバンク260の中に設置するステップとを含むことが可能である。
【0055】
ステップ405において、ディスペンシングプロセスが完了した後に、ディスペンシングデバイス210Aは、位置決めテーブル230によってツールバンク260の上方に位置決めされ、ツールバンク260からノズルカバー215をピックアップするように動作される。ノズルカバー215は、ノズル213を遮蔽するために、および、接着剤流体がボンディング表面の上に漏出するのを防止するために使用される。
【0056】
ステップ406において、スタンピングデバイス220Aは、スタンピングデバイス220Aが第2の待機位置P2(そこでは、スタンピングデバイス220Aがボンディング表面のより近くに位置付けされている)に位置付けされるまで、スイッチング部材240によって下向きに移動される。次いで、スタンピングデバイス220Aは、ボンディング表面の上の第2のボンディング位置においてスタンピングプロセスを実行するように、位置決めテーブル230によって位置決めされる。
【0057】
具体的には、制御システムは、空気圧経路方向を切り替えるようにソレノイド240Bを制御し、空気圧シリンダー240Aの移動方向を調節するようになっており、それによって、スタンピングデバイス220Aを第1または第2の待機位置のいずれかに移動させる。
【0058】
ステップ407において、スタンピングデバイス220Aは、位置決めテーブル230によってツールバンク260の上方に移動され、レベル検出ツール221bをツールバンク260に戻すように、および、ツールバンク260からスタンピングツール221aをピックアップするように動作される。
【0059】
ステップ408において、スタンピングデバイス220Aが、位置決めテーブル230によって移動され、スタンピングツール221aによってピックレベル検索を実行する。
【0060】
具体的には、力検出器223を装備しているスタンピングデバイス220Aは、スタンピングツール221aが容器224の底部表面に接触するときに力検出器223がトリガー力を検出するまで、一定の速度で下向きに移動される。このピックレベル検索は、接着剤流体の一定の体積がピックアップされることを保証することを助けることが可能である。その理由は、スタンピングデバイス220Aの移動速度および力検出器223のトリガー力が、検索の間に調節されることが可能であるからである。
【0061】
ステップ409において、スタンピングツール221aが、容器224から接着剤流体をピックアップするために、および、ボンディング表面の上の第2のボンディング位置に接着剤流体をスタンピングするために動作される。
【0062】
スタンピングプロセスの間に、力検出器223は、スタンピングツール221aによって印加されるスタンピング力を検出し、制御システムがスタンピング力をモニタリングすることができるようになっており、スタンピング力が所定の閾値を超えているかまたはそうでなければ適当な範囲の中にあるかどうかを決定するようになっている。その目的は、接着剤流体が適当なスタンピング力によって印加されることを保証することであり、また、過度のスタンピング力の印加に起因してスタンピングツール221aが損傷を受けないように保護することである。後続のディスペンシングプロセスがスタンピングプロセスの後に必要とされる場合には、プロセスは、次いで、ステップ401に戻り、ステップ401において、スタンピングツール221aがツールバンク260に戻される。
【0063】
上記の説明から認識されるように、本発明の実施形態は、マルチチップボンディングプロセスの間にボンディング表面の上に接着剤流体を塗布するための一体化された装置を提供する。この装置では、ボンディング表面の上の異なるボンディング位置に接着剤流体を塗布するためのディスペンシングデバイスおよびスタンピングデバイスは、スタンピングデバイスに連結されているスイッチング部材を介して、共通の位置決めテーブルの上に一体化されている。このスイッチング部材は、スタンピングデバイスをディスペンシングデバイスに対して異なる待機位置に移動させるように動作可能であり、接着剤流体を塗布する様式を自動的に切り替えるようになっている。接着剤流体を塗布するための提案される装置の中のディスペンシングデバイスおよびスタンピングデバイスが、共通の位置決めテーブルおよび光学システム(たとえば、PR検索を実行するための画像撮影デバイス)を共有しているので、装置は、よりコンパクトなサイズおよびより低い製造コストを有する。そのうえ、接着剤流体を塗布する様式を切り替えるために必要とされる時間は、先行技術と比較して大幅に低減される。その理由は、ディスペンシングデバイスおよびスタンピングデバイスが、よりコンパクトな方式で配置されており、それによって、ボンディングプロセスの生産性を大幅に改善するからである。
【0064】
本発明は、特定の実施形態を参照してかなり詳細に説明されてきたが、他の実施形態も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書に含まれている実施形態の説明に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0065】
100 従来の装置
110 ディスペンシングデバイス
120 スタンピングデバイス
111 光学システム
121 光学システム
110a 位置決めテーブル
120a 位置決めテーブル
200 装置
210 ディスペンシング機構
210A ディスペンシングデバイス
210B 装着フレーム
211 容器
212 アダプター
213 ノズル
214 ロッキング部材
215 ノズルカバー
216 装着部材
217 グリッパー
220 スタンピング機構
220A スタンピングデバイス
220B 接着剤含有デバイス
221a スタンピングツール
221b レベル検出ツール
222 ツールホルダー
223 力検出器
224 容器
225 スイーパー
226 マイクロメーター
227 装着フレーム
230 位置決めテーブル
240 スイッチング部材
240A 空気圧シリンダー
240B ソレノイド
240C 空気チューブ
250 画像撮影デバイス
260 ツールバンク
261 ホルダー
262 ホルダー
263 ホルダー
264 画像撮影デバイス
300 ワークテーブル
P1 第1の待機位置
P2 第2の待機位置
【外国語明細書】