(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122955
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ベルト用の伸縮性アタッチメント
(51)【国際特許分類】
A44B 11/16 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
A44B11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024023847
(22)【出願日】2024-02-20
(31)【優先権主張番号】102023000003591
(32)【優先日】2023-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】524066258
【氏名又は名称】マジック・スフェア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MAGIC SFEA S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェッリ,アレッサンドロ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】美観を損なうことなく、ベルト本体に長さ方向の伸縮性を付与できる伸縮性アタッチメントを提供する。
【解決手段】ベルト用の伸縮性アタッチメント(1)は、外側本体(2)と、外側本体(2)の内部コンパートメント内にスライド可能に配置された内側本体と、内側本体が内部コンパートメントに戻ることを可能にする伸縮性手段とを備えることにより、美観を損なうことなく、それが取り付けられたベルトに長さ方向の伸縮性を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトのバックルまたはプレートに固定されるようになっており、内部コンパートメント(21)を備えた外側本体(2)と、
ベルトのベルト本体に固定されるようになっており、外側本体(2)の内部コンパートメント(21)内にスライド可能に配置された内側本体(3)と、
外側本体(2)の内部コンパートメント(21)内に配置され、内側本体(3)が内部コンパートメント(21)に戻ることを可能にするように適合された少なくとも1つの伸縮性手段(4)と、を備える、
ベルト用の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの伸縮性手段(4)は、内側本体(3)の底壁(341)と外側本体(2)の裏壁(344)との間に配置されている、
請求項1に記載の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの伸縮性手段(4)は、内側本体(3)のハウジング(31)内に配置され、ハウジング(31)は、内側本体(3)の下側(34)、底壁(341)、および内側壁(342)によって画定される、
請求項1に記載の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項4】
裏壁(344)には、内側本体(3)の下側(34)が通過できるように下溝(345)が設けられている、
請求項3に記載の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項5】
ハウジング(31)は、外側壁(343)によっても画定される、
請求項3に記載の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項6】
裏壁(344)には、内側本体(3)の外側壁(343)が通過できるように側溝(346)も設けられている、
請求項5に記載の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項7】
一対の伸縮性手段(4)がそれぞれ内側本体(3)の対応するハウジング(31)内に配置された、
請求項1に記載の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項8】
フレーム(91)とバーブ(92)とを備えたバックル(9)を備え、バックル(9)が前部(11)の手段によって外側本体(2)に固定されている、
請求項1に記載の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項9】
前部(11)は金属からなり、固定手段を介して外側本体(2)に接続されている、
請求項8に記載の伸縮性アタッチメント(1)。
【請求項10】
細長いベルト本体(10)と、
ベルト本体(10)の端部に固定されたバックル(9)またはプレートと、
請求項1に記載の伸縮性アタッチメント(1)が、バックル(9)またはプレートに近いベルト本体(10)に固定されている、
ベルト(100)。
【請求項11】
バックル(9)は、金属製の前部(11)の手段によって伸縮性アタッチメント(1)の外側本体(2)に接続されている、
請求項10に記載のベルト(100)。
【請求項12】
バックル(9)は、ベルト本体(10)と同じ材料で作られた前部(11)の手段によって伸縮性アタッチメント(1)の外側本体(2)に接続されている、
請求項10に記載のベルト(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトを外すことなくベルトの長さを調節可能、すなわち伸縮可能にすることを可能にする、バックルまたはプレートを備えたもの、またはバックルおよびプレートを備えないものなどのベルト用の伸縮性アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトは、革または布で作られたベルト本体と、その一端にバックル、留め金プレート、または代替留め金機構が取り付けられて形成される。
【0003】
例えば、ズボンのベルトの場合、座っているときや立っているときなど一日中ベルトが身体によくフィットするように、ベルト本体に長さ方向の伸縮性を与えるための多くの努力がなされてきた。ベルト本体の全長にわたって、またはベルトの一部に伸縮性インサートを含むベルトが知られているが、このような解決策は、ベルトの美観を損なうだけでなく、時間の経過とともに伸縮性機能が失われて摩耗する傾向があり、製造も困難である。
【0004】
優れたベルトに不可欠な要件は、流線型構造を維持し、衣服のループに簡単に挿入でき、高い美観を維持することである。
【0005】
本発明の目的は、業界の要求を満たすと同時に、前述の欠点を改善するベルト用の伸縮性アタッチメントを提供することである。
【0006】
特に、本発明の目的は、美観を損なうことなく、ベルト本体に長さ方向の伸縮性を付与できる伸縮性アタッチメントを提供することである。
【0007】
さらに、本発明の目的は、使用者の目には見えない伸縮性アタッチメントを提供し、従来のベルトの外観を維持しながらベルトを延長可能にすることである。
【0008】
また、本発明の目的は、効果的でありながら、構成が簡単な伸縮性アタッチメントを提供することである。
【0009】
さらに、本発明の目的は、バックル、プレート、またはその他の留め具システムを備えたベルトなど、異なるタイプのベルトに適合する伸縮性アタッチメントを提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1に記載の伸縮性ベルトアタッチメント、および請求項10に記載のベルトによって達成される。従属請求項は、本発明のさらなる有利な実施形態を開示する。
【0011】
本発明による伸縮性アタッチメントの特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として提供される以下の説明を通じてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、別個のバックルを備えた例示的な実施形態における、本発明による伸縮性アタッチメントを示す。
【
図2a】
図2aは、
図1の伸縮性アタッチメントの上方からの分解図である。
【
図2b】
図2bは、
図1の伸縮性アタッチメントの下方からの分解図である。
【
図3】
図3は、本発明による伸縮性アタッチメントを、一体型バックルを備えた例示的な実施形態で示す。
【
図4a】
図4aは、例示的な実施形態における
図1の伸縮性アタッチメントの上方からの分解図である。
【
図4b】
図4bは、例示的な実施形態における
図1の伸縮性アタッチメントの下方からの分解図である。
【
図5a】
図5aは、
図1の伸縮性アタッチメントのさらに別の実施形態における上方からの分解図である。
【
図5b】
図5bは、
図1の伸縮性アタッチメントのさらに別の実施形態における下方からの分解図である。
【
図6a】
図6aは、さらに別の例示的な実施形態における、
図1の伸縮性アタッチメントの上方からの分解図である。
【
図6b】6bは、さらに別の例示的な実施形態における、
図1の伸縮性アタッチメントの下方からの分解図である。
【
図7】
図7は、利用段階、すなわち伸長段階における伸縮性アタッチメントを示している。
【
図8a】
図8aは伸縮性アタッチメント1の詳細、特にアタッチメントの後部を示す。
【
図8b】
図8bは、伸縮性アタッチメント1の詳細を示しており、特に
図2bおよび
図4bの伸縮性アタッチメントの後部を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るベルト100は、革、布、または合成材料で作られたベルト本体10と、一端に留め金バックル9(またはプレート)と、伸縮性アタッチメント1とを備える。伸縮性アタッチメント1は、
図1の例示的な実施形態のようにバックル9の近くに配置されるか、または
図3の例示的な実施形態のようにバックル9と一体化される。
【0014】
添付の図を参照すると、1は本発明による伸縮性アタッチメントを示すために使用されている。
【0015】
伸縮性アタッチメント1は、内部に内部コンパートメント21を備えた外側本体2を備え、内部コンパートメント21内には、少なくとも1つの伸縮性手段4によって外側本体2の内側に保持された内側本体3がスライド可能に配置されている。
【0016】
図2aおよび
図2bに示すように、外側本体2には、側壁23によって接続された上面22および下面24が設けられている。外側本体2には、内部コンパートメント21への入口となる前開口部25と後開口部26が設けられている。
【0017】
図1の変形実施形態では、外側本体2の下面24には、前開口部25の近くに、ネジやセルフドリルピンなどの固定手段7によって係合するように設計された少なくとも1つの固定穴241、好ましくは一対の固定穴が設けられる。実際、この変形実施形態では、伸縮性アタッチメント1は、伸縮性アタッチメント1とは異なるバックル9を備えたベルト10用に設計されている。バックル9は、フレーム91とバーブ(barb)92とを備え、伸縮性アタッチメント1とは別個であり、好ましくはベルト本体10と同じ材料で作られているベルト前部11に固定されている。バックル9に接続されている側とは反対側に位置するベルトの前部11は、伸縮性アタッチメント1の外側本体2に接続されている。特に、ベルトの前部11の終端は、前開口部25から伸縮性アタッチメント1の内部コンパートメント21に挿入され、固定穴241に挿入された固定手段を介してそこに取り付けられる。
【0018】
好ましくは、この例では、ベルト本体10と同じ材料で作られたループ12も備える。
【0019】
図8aおよび8bに示すように、外側本体2は、後開口部26の側方に配置された少なくとも1つの裏壁344を備える。
図2bおよび
図4bの変形実施形態に関する一実施形態では、この裏壁344は、下側通路溝345を残す(
図8bに示すように)。
図5bおよび6bの変形実施形態に関連するさらなる例示的な実施形態では、この裏壁344は、下溝345と側面溝346の両方を残す(
図8aのように)。
【0020】
前述のように、伸縮性アタッチメント1は、少なくとも1つの伸縮性手段4によって外側本体2内に固定された内側本体3を備えている。
【0021】
内側本体3は、好ましくは平坦で途切れのない上側32と、下側34、前側35、および後側36とを備える。
【0022】
内側本体3の下側34には、後側36の近くに、好ましくは中央に配置された少なくとも1つの固定座349が設けられ、ネジ、リベット、またはスタッドなどの固定手段7によって係合されることが意図されている。実際、固定穴131を備えたベルト本体10の自由端13は、内側本体3の下側34に載置され、固定穴131と固定座349に同時に挿入された固定手段によってそこに固定される。
【0023】
内側本体3には、伸縮性手段4を少なくとも部分的に収容するための少なくとも1つのハウジング31が下側34に設けられている。好ましくは、内側本体3は、下側34に対して側方に配置された2つのハウジング31を備える。
【0024】
ハウジング31は、
図2b、4b、5b、および6bの例に示すように、少なくとも3つの壁、つまり下側34、底壁341、および内側壁342によって画定される。この例示的な実施形態では、外側本体2の裏壁344には、底壁341が通過できるように、下側通路溝345(
図8bを参照)が残されている。
【0025】
好ましくは、ハウジング31は、
図5bおよび6bの例に示すように、少なくとも4つの壁、すなわち下側34、底壁341、内側壁342、および外側壁343によって画定される。この例示的な実施形態では、外側本体2の裏壁344にも側面溝346(
図8aを参照)が残されており、外側壁343の通過も可能になっている。この例では、伸縮性手段4(通常はバネ)は、ハウジング31の4つの壁によって最適に収容される。
【0026】
伸縮性アタッチメント1を組み立てるには、対応するハウジング31内に配置された少なくとも1つの伸縮性手段4を収容する内側本体3を、前開口部25を通して外側本体2の内部コンパートメント21内に挿入する。したがって、伸縮性手段4は、内側本体3のハウジング31の壁と、外側本体2の下面24および裏壁344内に閉じ込められる。ベルト本体10を伸縮性アタッチメント1から引き離すと、
図7に示すように、内側本体3が外側本体2から部分的に突出する。同時に、伸縮性手段4は底部341と裏壁344との間で圧縮され、それによってエネルギーが蓄えられ、ベルト本体10が解放されると、内側本体3が外側本体2内に引き込まれるように相応の張力が加えられる。
【0027】
図3に示す変形実施形態では、伸縮性アタッチメント1は、一体型バックル9を備える。バックル9は、伸縮性アタッチメント1の一部である前部11に固定されたフレーム91とバーブ92を備える。前部11は、バックル9が接続される側とは反対側において、伸縮性アタッチメント1の外側本体2に接続されている。特に、前部11の終端は、前開口部25を介して伸縮性アタッチメント1の内部コンパートメント21に挿入され、外側本体2の側壁23に設けられた特別な固定穴711に挿入されたピン71などの固定手段によってそこに固定される。好ましくは、前述の例では、伸縮性アタッチメント1の外側本体2と一体に作られたループ12も特徴とする。
【0028】
図5bに示す例示的な実施形態では、内側本体3の下側34には、後側36の近くに、好ましくは中央に配置された少なくとも1つの固定座349が設けられ、ベルト本体10との接続を確立するために、例えばネジ、リベット、またはスタッドなどの固定手段7によって係合されることが意図されている。
【0029】
図6bに示す例示的な実施形態では、内側本体3の一方の下側34には、後側36の近くに少なくとも1つの通路が設けられ、好ましくは中央に配置され、固定手段72(例えば、スタッド)によって係合されてベルト本体10との接続が行われるように設計されている。
【0030】
本発明による伸縮性アタッチメントは、革新的なことに、美観を損なうことなくベルトに長さ方向の伸縮性を与える。
【0031】
有利なことに、本発明の主題である解決策は、ベルトアタッチメントを伸縮性のあるものにすることであり、その結果、ベルト本体自体ではなく、ベルト留め具システムとベルト本体との接続部を伸縮性のあるものにすることを含む。この解決策により、伸縮性部分は留め具と一体化し、使用者の目には見えなくなる。したがって、ベルトは、実質的に従来のベルトの外観を維持しながら、伸縮可能となっている。
【0032】
有利なことに、本発明による伸縮性アタッチメントは、効果的でありながら、ベルトとの構成および組み立てが簡単である。
【0033】
有利なことに、本発明による伸縮性アタッチメントは、バックル、プレート、またはその他の留め具システムを備えたベルトを含む、さまざまなタイプのベルトに適合する。
【0034】
当業者であれば、付随的なニーズを満たすために、上記の装置に変更を加えることができることは明らかであり、それらはすべて、以下の請求項で定義された保護の範囲内である。
【外国語明細書】