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特開2024-122985グリーンガーネット薄膜を流延及び焼結するプロセス及び材料
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  • 特開-グリーンガーネット薄膜を流延及び焼結するプロセス及び材料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122985
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】グリーンガーネット薄膜を流延及び焼結するプロセス及び材料
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/622 20060101AFI20240903BHJP
   C04B 35/50 20060101ALI20240903BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALN20240903BHJP
【FI】
C04B35/622
C04B35/50
H01M10/0562
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024082342
(22)【出願日】2024-05-21
(62)【分割の表示】P 2022091043の分割
【原出願日】2016-07-21
(31)【優先権主張番号】62/195,172
(32)【優先日】2015-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】515316414
【氏名又は名称】クアンタムスケイプ バテリー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】オレフ カルペンコ
(72)【発明者】
【氏名】ゲングフ シュー
(72)【発明者】
【氏名】ニオール ドネリ
(72)【発明者】
【氏名】スリラム イイエル
(72)【発明者】
【氏名】ティム ホルメ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無機薄膜(例えば、グリーンテープ又はグリーンテープから作製される焼結膜)の前駆物質、これらの前駆物質を用いて焼結薄膜を作製する方法、及び作製される焼結薄膜を提供する。
【解決手段】本明細書に示されるのは、セラミック源粉末、並びに前駆反応体、バインダー、及び機能的添加剤を流延して、未焼結薄膜にし、その後、該薄膜を制御された雰囲気下及び特定の基板上で焼結することにより、セラミック薄膜を作製するプロセス及び材料である。本明細書に示され、かつ焼結薄膜を作製するために使用されるグリーンテープは、既知のグリーンテープよりも高い固体負荷を有する。本明細書中のプロセスによって調製される焼結薄膜は、既知の焼結薄膜よりも低い多孔性、高い密度、少ない欠陥を有し、かつ又は高い収率で調製される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリーンテープを焼結する方法であって:
(a)少なくとも1つの源粉末を提供すること;
(b)該少なくとも1つの源粉末を改変して、改変された源粉末を調製すること;
(c)該改変された源粉末のスラリーを提供すること;
(d)該スラリーを流延して、グリーンテープを形成させること;
(e)該グリーンテープを乾燥させること;及び
(f)該グリーンテープを焼結すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記グリーンテープ中の源粉末の量が、少なくとも50重量%、55重量%、60重量%、65
重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、又は90%重量である、請求項1記載
の方法。
【請求項3】
前記グリーンテープ中の源粉末の量が少なくとも60重量%又は少なくとも70重量%であ
る、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの源粉末が、リチウム充填ガーネット、リチウム充填ガーネットの
化学前駆物質、及び酸化アルミニウムドーパントを含むリチウム充填ガーネットからなる
群から選択される、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの源粉末がリチウム充填ガーネットの粉末である、請求項1~4のい
ずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの源粉末がLi7.1Zr2La3O12+0.5Al2O3である、請求項1~5のいずれ
か一項記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの源粉末がリチウム充填ガーネットである、請求項1~5のいずれか
一項記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末が粒径分布を
有するように改変することを含む、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
前記粒径分布が、100nm、200nm、300nm、400nm、1μm、2μm、3μm、又は4μmを中心と
する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記粒径分布が0.1~1μmを中心とする、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末を粉砕するこ
とを含む、請求項1~10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末の表面積を増
大させることを含む、請求項1~11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
前記粉砕が、乾燥粉砕、摩擦粉砕、超音波処理粉砕、高エネルギー粉砕、湿式粉砕、ジ
ェット粉砕、及び低温粉砕からなる群から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記粉砕が、イソプロパノール又はブタノールから選択される溶媒を使用することを含
む、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記粉砕が、メチル-エチルケトン(MEK)又はトルエンから選択される溶媒を使用するこ
とを含む、請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記粉砕が、メチル-エチルケトン(MEK)を含む溶媒を使用することを含む、請求項11記
載の方法。
【請求項17】
前記溶媒がイソプロパノール(IPA)をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記溶媒がシクロヘキサノンをさらに含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
MEK:IPAの比が、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、又は2:8 w/wである、請求項15~18の
いずれか一項記載の方法。
【請求項20】
シクロヘキサノンの量が約10~25重量%である、請求項17~18のいずれか一項記載の方
法。
【請求項21】
前記溶媒が共沸混合物である、請求項15~20のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの源粉末の表面積が、該少なくとも1つの源粉末を改変している間に
、少なくとも3m2/gに増大する、請求項11~20のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの源粉末の表面積が、該少なくとも1つの源粉末を改変している間に
、少なくとも5m2/gに増大する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの源粉末の表面積が、該少なくとも1つの源粉末を改変している間に
、少なくとも8m2/gかつ15m2/g未満に増大する、請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末の粒子の平均
粒径を減少させることを含む、請求項1~24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
前記粉砕が、湿式粉砕又は高エネルギー粉砕である、請求項13記載の方法。
【請求項27】
前記粉砕が、非プロトン性溶媒、有機溶媒、リチウム充填ガーネット中でLiをプロトン
交換しない溶媒、及びこれらの組合せからなる群から選択される溶媒を使用することを含
む、請求項13記載の方法。
【請求項28】
前記粉砕が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール
、イソブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチル-エチルケトン(MEK)、アセトン、ト
ルエン、ヘキサン、酢酸、及びこれらの組合せからなる群から選択される溶媒を使用する
ことを含む、請求項13記載の方法。
【請求項29】
前記改変された源粉末が、100nm~200nm、200nm~300nm、300nm~400nm、400nm~500nm
、500nm~600nm、600nm~700nm、700nm~800nm、800nm~900nm、900nm~1000nm、1000nm
~1100nm、2000nm~2200nm、3000nm~3300nm、又は4000nm~4400nmのd50粒径を有する粒
径分布を有する、請求項1~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
前記改変された源粉末が、100nm~200nm、200nm~300nm、300nm~400nm、400nm~500nm
、500nm~600nm、600nm~700nm、700nm~800nm、800nm~900nm、又は900nm~1000nmのd50
粒径を有する粒径分布を有する、請求項1~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
前記d50が、100nm~200nm、200nm~300nm、又は300nm~400nmである、請求項30記載の
方法。
【請求項32】
前記焼結することの前に、前記グリーンテープの応力を緩和することをさらに含む、請
求項1~31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
複数のグリーンテープを一緒に積層することをさらに含む、請求項1~32のいずれか一
項記載の方法。
【請求項34】
1つのグリーンテープを第二のグリーンテープの上に積層することをさらに含む、請求
項1~32のいずれか一項記載の方法。
【請求項35】
工程(d)の前に、前記改変された源粉末のスラリーと、ポリプロピレン(PP)、アタクチ
ックポリプロピレン(aPP)、イソタクチックポリプロピレン(iPP)、ポリビニルブチラール
(PVB)、アクリル、ポリエチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)
、ポリビニルピロリドン(PVP)、アタクチックポリプロピレン(aPP)、イソタクティブポリ
プロピレンエチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンペンテンコポリマー(EPC)、ポリイソ
ブチレン(PIB)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン、ポリエチレン-コポリ-
1-オクテン(PE-コ-PO); PE-コ-ポリ(メチレンシクロペンタン)(PE-コ-PMCP);ステレオブ
ロックポリプロピレン、ポリプロピレンポリメチルペンテンコポリマー、ポリプロピレン
カーボネート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シリコーン、及びこれら
の組合せからなる群から選択されるバインダーを混合することをさらに含む、請求項1~3
2のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
前記スラリーが、ポリプロピレン(PP)、アタクチックポリプロピレン(aPP)、イソタク
チックポリプロピレン(iPP)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル、ポリエチルメタク
リレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アタ
クチックポリプロピレン(aPP)、イソタクティブポリプロピレンエチレンプロピレンゴム(
EPR)、エチレンペンテンコポリマー(EPC)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブタジエン
ゴム(SBR)、ポリオレフィン、ポリエチレン-コポリ-1-オクテン(PE-コ-PO); PE-コ-ポリ(
メチレンシクロペンタン)(PE-コ-PMCP);ステレオブロックポリプロピレン、ポリプロピレ
ンポリメチルペンテンコポリマー、ポリプロピレンカーボネート、メチルメタクリレート
、エチルメタクリレート、シリコーン、及びこれらの組合せからなる群から選択されるバ
インダーを含む、請求項1~35のいずれか一項記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの源粉末が、式LixLayZrzOt・qAl2O3(式中、4<x<10、1<y<4、1
<z<3、6<t<14、0≦q≦1である)によって特徴付けられるLi充填ガーネット化合物であ
る、請求項1~36のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの源粉末が、式Li7-xLa3Zr2O12・qAl2O3(式中、qは、0、0.3、0.35
、0.5、0.75、又は1.0であり、かつ0≦x≦1である)によって特徴付けられるLi充填ガーネ
ット化合物である、請求項1~37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末を粉砕し、ニ
トリル、ニトリルブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジ
エンゴム(SBR)、PVDF-HFP、PAN、水性適合性ポリマー、アタクチックポリプロピレン(aPP
)、シリコーン、ポリイソブチレン(PIB)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、PMX-200 PDMS(
ポリジメチルシロキサン/ポリシロキサン、すなわち、PDMS、又はシリコーン)、ポリアク
リロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニ
ルブチラール(PVB)、ポリフッ化(ビニリデン)-ヘキサフルオロプロピレンPVDF-HFP、及び
これらの組合せからなる群から選択される分散剤又はポリマーを組み込むことを含む、請
求項1~38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
前記スラリーを提供することが、以下のもの:
メタノール、MEK、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、アセトン、シ
クロヘキサノール、トルエン、酢酸、ベンゼン、及びこれらの組合せからなる群から選択
される溶媒;
魚油、PVB、KD1、アクリル酸、triton、リン酸エステル、その誘導体、及びこれらの組
合せからなる群から選択されるバインダー;
ベンジルブチルフタレート又はジ-ブチルフタレートからなる群から選択される可塑剤;
pH改変剤;
選択される焼結助剤;並びに
リチウム充填ガーネットから選択される源粉末
のうちの少なくとも2つ以上を混合することにより、該スラリーを配合することを含む、
請求項1~39のいずれか一項記載の方法。
【請求項41】
前記ベンジルブチルフタレートがベンジルブチルフタレート9S-160(商標)である、請求
項40記載の方法。
【請求項42】
前記改変することが、前記少なくとも1つの源粉末を粒径に基づいて分級することを含
む、請求項1~41のいずれか一項記載の方法。
【請求項43】
分級することが、篩別、遠心分離、及び異なるサイズの粒子を分離することからなる群
から選択される技法である、請求項42記載の方法。
【請求項44】
分級することが、篩別、遠心分離、及び異なる質量の粒子を分離することからなる群か
ら選択される技法である、請求項42記載の方法。
【請求項45】
前記スラリーが1%~99wt%の固体負荷を有し、ここで、該固体負荷が源粉末の量を指
す、請求項1~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
前記スラリーが、乾燥したとき、約80%w/wの源粉末を有する、請求項1~42のいずれか
一項記載の方法。
【請求項47】
前記スラリーが、乾燥したとき、約10~25%w/wの有機含有量を有し、ここで、該有機
含有量が前記源粉末以外のスラリー成分を指す、請求項1~42のいずれか一項記載の方法
【請求項48】
前記スラリーが、乾燥したとき、約10~25%w/wの有機含有物を有し、ここで、該有機
含有物が前記源粉末以外のスラリー成分を指し、該源粉末がリチウム充填ガーネットであ
る、請求項1~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項49】
前記スラリー中のバインダー及び可塑剤の量が約10~25%w/wの有機含有物であり、こ
こで、該有機含有物が前記源粉末以外のスラリー成分を指し、該源粉末がリチウム充填ガ
ーネットである、請求項1~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
源粉末が50nm~5μmのd50を有する粒径分布を有する、請求項1~49のいずれか一項記載
の方法。
【請求項51】
前記源粉末がリチウム充填ガーネットである、請求項1~50のいずれか一項記載の方法
【請求項52】
前記源粉末が式Li7.1Zr2La3O12+0.5Al2O3によって特徴付けられる、請求項1~50のい
ずれか一項記載の方法。
【請求項53】
前記源粉末が、バッチ配合された、式Li7.1Zr2La3O12+0.5Al2O3によって特徴付けられ
る、請求項1~50のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
流延グリーン膜を調製するためのスラリーであって:
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノ
ール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノ
ール、酢酸メチル、酢酸エチル、メチル-エチルケトン(MEK)、アセトン、トルエン、ヘキ
サン、酢酸、及びこれらの組合せからなる群から選択される溶媒;
魚油、ポリビニルブチレン(PVB)、KD1、アクリル酸、triton、リン酸エステル、及びそ
の誘導体からなる群から選択されるバインダー;
ベンジルブチルフタレート又はジ-ブチルフタレートからなる群から選択される可塑剤;
任意に、pH改変剤;
任意に、焼結助剤;並びに
リチウム充填ガーネットから選択される源粉末
のうちの少なくとも2つ以上を含む、前記スラリー。
【請求項55】
源粉末の量が、少なくとも50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重
量%、80重量%、85重量%、又は90%重量である、請求項54記載のスラリー。
【請求項56】
源粉末の量が、少なくとも60重量%、65重量%、70重量%、又は75重量である、請求項
54記載のスラリー。
【請求項57】
前記源粉末が、リチウム充填ガーネット、リチウム充填ガーネットの化学前駆物質、及
び酸化アルミニウムドーパントを含むリチウム充填ガーネットからなる群から選択される
、請求項54~56のいずれか一項記載のスラリー。
【請求項58】
可塑剤、pH改変剤、及び焼結助剤を含む、請求項54~57のいずれか一項記載のスラリー
【請求項59】
前記源粉末が約3μmのd50に粉砕されたガーネット粉末を含み、前記バインダーがMEK中
のポリメチルメタクリレートを含む、請求項54~58のいずれか一項記載のスラリー。
【請求項60】
MEK、リン酸エステル、及びシクロヘキサノンを含む、請求項54~59のいずれか一項記
載のスラリー。
【請求項61】
前記溶媒がメチル-エチルケトン(MEK)又はトルエンから選択される、請求項54~60のい
ずれか一項記載のスラリー。
【請求項62】
前記溶媒がメチル-エチルケトン(MEK)を含む、請求項54~61のいずれか一項記載のスラ
リー。
【請求項63】
前記溶媒がイソプロパノール(IPA)をさらに含む、請求項54~62のいずれか一項記載の
スラリー。
【請求項64】
前記溶媒がシクロヘキサノンをさらに含む、請求項54~63のいずれか一項記載のスラリ
ー。
【請求項65】
MEK:IPAの比が、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、又は2:8 w/wである、請求項54~64の
いずれか一項記載のスラリー。
【請求項66】
シクロヘキサノンの量が約10~25重量%である、請求項54~65のいずれか一項記載のス
ラリー。
【請求項67】
前記溶媒が共沸混合物である、請求項54~66のいずれか一項記載のスラリー。
【請求項68】
前記源粉末がリチウム充填ガーネットである、請求項54~67のいずれか一項記載のスラ
リー。
【請求項69】
前記スラリー中のリチウム充填ガーネットの量が少なくとも70%w/wである、請求項68
記載のスラリー。
【請求項70】
前記スラリー中の源粉末の濃度が約50wt%であり、該スラリー中のバインダーの濃度が
約50wt%である、請求項54~69のいずれか一項記載のスラリー。
【請求項71】
前記スラリー中の源粉末の濃度が約2~80%w/wである、請求項54~70のいずれか一項記
載のスラリー。
【請求項72】
前記スラリー中の源粉末の濃度が約50wt%であり、該スラリー中のバインダーの濃度が
約30wt%である、請求項54~70のいずれか一項記載のスラリー。
【請求項73】
約47.5wt%の溶媒及び0.5wt%の可塑剤を含む、請求項54~68記載のスラリー。
【請求項74】
前記グリーン膜が100/mm2未満の密度のフロックを含み、ここで、フロックが、グリー
ン膜のFIB横断面SEMによって測定したとき、直径>5umのバインダー凝集体である、請求
項54~73のいずれか一項記載のスラリー。
【請求項75】
源粉末;
溶媒;
バインダー;及び
分散剤;
を含むグリーンテープであって、該グリーンテープが3.9g.cm3超かつ5.0g.cm3未満のピク
ノメトリー密度を有する、前記グリーンテープ。
【請求項76】
可塑剤、pH改変剤、及び焼結助剤から選択される部材をさらに含む、請求項75記載のグ
リーンテープ。
【請求項77】
前記分散剤が、KD-1、魚油、及びRhodline 4160から選択される、請求項75記載のグリ
ーンテープ。
【請求項78】
前記可塑剤が、DBP、BBP、及びPEGから選択される、請求項75記載のグリーンテープ。
【請求項79】
クエン酸又は水酸化アンモニアから選択されるpH改変剤を含む、請求項75記載のグリー
ンテープ。
【請求項80】
MgO、Al2O3、及びこれらの組合せから選択される焼結助剤を含む、請求項75記載のグリ
ーンテープ。
【請求項81】
溶媒が共沸混合物である、請求項75~80のいずれか一項記載のグリーンテープ。
【請求項82】
溶媒が極性非プロトン性共沸混合物である、請求項75~81のいずれか一項記載のグリー
ンテープ。
【請求項83】
溶媒が、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトン、1-ブ
タノール、2-ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、エタノール、イソプロ
パノール、メタノール、1-プロパノール、プロピレンカーボネート、ヘキサン、1-プロパ
ノール、m-キシレン、及びペンタンから選択される、請求項75~82のいずれか一項記載の
グリーンテープ。
【請求項84】
前記溶媒が、メチル-エチルケトン(MEK)又はトルエンから選択される、請求項75~83の
いずれか一項記載のグリーンテープ。
【請求項85】
前記溶媒がメチル-エチルケトン(MEK)を含む、請求項75~84のいずれか一項記載のグリ
ーンテープ。
【請求項86】
前記溶媒がイソプロパノール(IPA)をさらに含む、請求項75~85のいずれか一項記載の
グリーンテープ。
【請求項87】
前記溶媒がシクロヘキサノンをさらに含む、請求項75~86のいずれか一項記載のグリー
ンテープ。
【請求項88】
MEK:IPAの比が、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、又は2:8 w/wである、請求項75~87の
いずれか一項記載のグリーンテープ。
【請求項89】
シクロヘキサノールの量が約10~25重量%である、請求項87~88のいずれか一項記載の
グリーンテープ。
【請求項90】
3よりも大きい極性指数を有する、請求項75~89のいずれか一項記載のグリーンテープ
【請求項91】
4g/cm3の密度を有するリチウム充填ガーネットの源粉末;並びにMEK及びIPAを含む溶媒
を含む、請求項75~90のいずれか一項記載のグリーンテープ。
【請求項92】
4g/cm3の密度を有するリチウム充填ガーネットの源粉末;並びにMEK、IPA、及びシクロ
ヘキサノンを含む溶媒を含む、請求項75~91のいずれか一項記載のグリーンテープ。
【請求項93】
グリーンテープを作製する方法であって、
(a)スラリーを提供すること;
(b)バインダー混合物を提供すること;
(c)該スラリーを該バインダー混合物と混合して、混合スラリーを形成させること;及び
(d)該混合スラリーを流延して、グリーンテープを提供すること
を含む、前記方法。
【請求項94】
前記スラリーが、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノ
ール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、酢酸メチル、
酢酸エチル、メチル-エチルケトン(MEK)、アセトン、トルエン、ヘキサン、酢酸、及びこ
れらの組合せからなる群から選択される溶媒;
魚油、ポリビニルブチレン(PVB)、KD1、アクリル酸、triton、リン酸エステル、及びそ
の誘導体からなる群から選択されるバインダー;
ベンジルブチルフタレート又はジ-ブチルフタレートからなる群から選択される可塑剤;
任意に、pH改変剤;
任意に、焼結助剤;並びに
リチウム充填ガーネットから選択される源粉末
のうちの少なくとも2つ以上を含む、請求項93記載の方法。
【請求項95】
前記グリーンテープを焼結することをさらに含む、請求項92~93のいずれか一項記載の
方法。
【請求項96】
工程(a)の前に、前記スラリーを粉砕することを含む、請求項92~93のいずれか一項記
載の方法。
【請求項97】
前記スラリーを粉砕することが、該スラリー中の粒子の粒径が、100nm~200nm、200nm
~300nm、300nm~400nm、400nm~500nm、500nm~600nm、600nm~700nm、700nm~800nm、8
00nm~900nm、900nm~1000nm、1000nm~1100nm、2000nm~2200nm、3000nm~3300nm、又は
4000nm~4400nmのd50粒径を有するまで粉砕することを含む、請求項96のいずれか一項記
載の方法。
【請求項98】
前記スラリーが以下のものを含む、請求項92~97のいずれか一項記載の方法:
【表1】
【請求項99】
前記スラリーが以下のものを含む、請求項92~97のいずれか一項記載の方法:
【表2】
【請求項100】
前記スラリーが以下のものを含む、請求項92~97のいずれか一項記載の方法:
【表3】
【請求項101】
前記スラリーが以下のものを含む、請求項92~97のいずれか一項記載の方法:
【表4】
【請求項102】
前記バインダー混合物が以下のものを含む、請求項92~97のいずれか一項記載の方法:
【表5】
【請求項103】
前記グリーンテープが50%w/wよりも大きい固体負荷を有する、請求項92~102のいずれ
か一項記載の方法。
【請求項104】
前記グリーンテープが60%w/wよりも大きい固体負荷を有する、請求項92~103のいずれ
か一項記載の方法。
【請求項105】
前記グリーンテープが70%w/wよりも大きい固体負荷を有する、請求項92~104のいずれ
か一項記載の方法。
【請求項106】
前記グリーンテープが80%w/wよりも大きい固体負荷を有する、請求項92~105のいずれ
か一項記載の方法。
【請求項107】
前記グリーンテープが90%w/wよりも大きい固体負荷を有する、請求項92~106のいずれ
か一項記載の方法。
【請求項108】
前記グリーンテープが、200μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、請求項92
~107のいずれか一項記載の方法。
【請求項109】
前記グリーンテープが100μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、請求項92~1
08のいずれか一項記載の方法。
【請求項110】
前記グリーンテープが75μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、請求項92~10
9のいずれか一項記載の方法。
【請求項111】
前記グリーンテープが50μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、請求項92~11
0のいずれか一項記載の方法。
【請求項112】
前記グリーンテープが25μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、請求項92~11
1のいずれか一項記載の方法。
【請求項113】
前記グリーンテープが10μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、請求項92~11
2のいずれか一項記載の方法。
【請求項114】
(e)前記グリーンテープを乾燥させることをさらに含む、請求項92~113のいずれか一項
記載の方法。
【請求項115】
(e)前記グリーンテープが約10~25%w/wの有機含有物量を有するまで、それを乾燥させ
ることをさらに含み、ここで、該有機含有物が前記源粉末以外の含有物である、請求項92
~113のいずれか一項記載の方法。
【請求項116】
(f)第二のグリーンテープを請求項92記載のグリーンテープに積層して、グリーンテー
プの積層体を作製することをさらに含む、請求項92~113のいずれか一項記載の方法。
【請求項117】
前記グリーンテープを焼結することをさらに含む、請求項92~115のいずれか一項記載
の方法。
【請求項118】
前記グリーンテープの積層体を焼結することをさらに含む、請求項92~116のいずれか
一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容があらゆる目的のために引用により完全に本明細書中に組み込まれ
る、2015年7月21日に出願された、グリーンガーネット薄膜を流延及び焼結するためのプ
ロセス及び材料(PROCESSES AND MATERIALS FOR CASTING AND SINTERING GREEN GARNET TH
IN FILMS)と題する米国仮特許出願第62/195,172号に対する優先権及びその恩典を主張す
るものである。
【0002】
(分野)
本開示は、無機薄膜(例えば、グリーンテープ又はグリーンテープから作製される焼結
膜)の前駆物質、これらの前駆物質を用いて、焼結薄膜を作製する方法、及び本明細書に
示されるプロセスによって作製される焼結薄膜に関する。いくつかの例において、本明細
書に示されるプロセスによって作製される焼結薄膜は、再充電可能電池の固体電解質とし
て有用である。多くの例において、本明細書に示され、かつ焼結薄膜を作製するために使
用されるグリーンテープは、既知のグリーンテープよりも高い固体負荷を有する。本明細
書中のプロセスによって調製される焼結薄膜は、既知の焼結薄膜よりも低い多孔性、高い
密度、少ない欠陥を有し、かつ又は高い収率で調製される。
【背景技術】
【0003】
(背景)
リチウム充填ガーネット材料並びに水素化ホウ素リチウム、酸化リチウム、硫化リチウ
ム、オキシハロゲン化リチウム、及びハロゲン化リチウムなどの固体セラミックは、燃料
電池及び再充電可能電池を含む種々の電気化学デバイスにおけるイオン伝導性電解質膜及
びセパレーター用の材料としてのいくつかの利点を有する。その液体ベースの対応物と比
較したとき、前述の固体セラミックは、安全性及び経済的な利点だけでなく、これらの材
料が電解質セパレーターとして電気化学デバイスに組み込まれたときに相応に高い体積及
び重量エネルギー密度を可能にする材料の固体及び密度に関する利点も保有する。固体イ
オン伝導性セラミックは、固体中でのその高いイオン伝導度特性、その電気的絶縁特性、
並びにリチウム金属などの様々な種とのその化学的適合性及び幅広い電圧域に対するその
安定性のために、固体電気化学デバイスによく適している。
【0004】
固体イオン伝導性セラミックは一連の利点及び有益な特性を有するが、これらの材料は
、グリーン膜(すなわち、グリーンテープ)の形成及びその後のこれらのグリーン膜の焼結
に関する広範な問題に悩まされる。固体イオン伝導性セラミックを典型的に薄膜として配
合し、焼結するとき、これらの膜は、それらが調製される基板に固着する傾向を有するか
、加工条件が原因で亀裂しもしくは歪む傾向を有するか、又は焼結後に脆弱すぎて、処理
及び操作することができない。特に、薄膜の焼結中に、これらの膜は、亀裂する傾向を有
するか、歪む傾向を有するか、又は別の形で表面劣化を有する。
【0005】
したがって、限定されないが、ガーネット及び硫化リチウムなどのセラミックのグリー
ンテープを流延すること、並びにこれらのグリーンテープを焼結して、高密度ガーネット
薄膜を調製することに関連した関連分野に一連の問題が存在する。関連分野で必要とされ
ているのは、例えば、グリーンテープを流延するための及びそれを焼結するための新しい
材料及びプロセスである。本開示は、そのような材料及びプロセスの他に、その作製及び
使用、並びに関連分野における問題に対する他の解決法を示している。
【発明の概要】
【0006】
(概要)
一実施態様において、本開示は、薄膜テープを流延する方法を示しており、ここで、該
方法は、一般に、少なくとも1つの源粉末を提供すること、該少なくとも1つの源粉末を改
変して、改変された源粉末を調製すること、該改変された源粉末のスラリーを提供するこ
と、該スラリーを流延して、グリーンテープを形成させること、該グリーンテープを乾燥
させること;及び該グリーンテープを焼結して、焼結薄膜を形成させることを含む。
【0007】
第二の実施態様において、本開示は、グリーンテープを流延するためのスラリーを示し
ており、ここで、該スラリーは、源粉末、任意に、該源粉末の前駆物質、並びにバインダ
ー、分散剤、及び溶媒から選択される少なくとも1つの部材を含む。
【0008】
第三の実施態様において、本開示は、グリーンテープを焼結する方法であって:(a)少な
くとも1つの源粉末を提供すること;(b)該少なくとも1つの源粉末を改変して、改変された
源粉末を調製すること;(c)該改変された源粉末のスラリーを提供すること;(d)該スラリー
を流延して、グリーンテープを形成させること;(e)該グリーンテープを乾燥させること;
及び(f)該グリーンテープを焼結し;それにより、グリーンテープを焼結することを含む、
方法を示している。
【0009】
第四の実施態様において、本開示は、流延グリーン膜を調製するためのスラリーであっ
て:
以下のもの:
メタノール、エタノール、MEK、イソプロパノール、アセトン、シクロヘキサノン、ト
ルエン、酢酸、及びベンゼンからなる群から選択される溶媒;
魚油、PVB、KD1、アクリル酸、triton、リン酸エステル、及びその誘導体からなる群か
ら選択されるバインダー;
ベンジルブチルフタレート又はジ-ブチルフタレートからなる群から選択される可塑剤;
pH改変剤;
構成する群から選択される焼結助剤;並びに
リチウム充填ガーネットから選択される源粉末
のうちの少なくとも2つ以上を含む、スラリーを示している。
【0010】
第五の実施態様において、本開示は:
源粉末;
溶媒;
バインダー;及び
分散剤;
を含み、ここで、3.9超かつ5.0未満のピクノメトリー密度を有する、グリーンテープを示
している。
【0011】
第六の実施態様において、本開示は、以下の工程:(a)スラリーを提供すること;(b)バイ
ンダー混合物を提供すること;(c)該スラリーを該バインダー混合物と混合して、混合スラ
リーを形成させること;及び(d)該混合スラリーを流延して、グリーンテープを提供するこ
とを含み、ここで、該グリーンテープが約10~25%w/wの全有機含有物を有する、グリー
ンテープを作製する方法を示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
(図面の簡単な説明)
図1図1は、本明細書に示される方法の実施態様によるフローチャートの例を示している。
【0013】
図2図2は、実施例1に示される流延法によって作製されたグリーンテープの走査電子顕微鏡法(SEM)画像を示している。該テープは15%のバインダーを含み、ガーネットは、約180nmのd50及び2.3g/cm3の密度を有する。有機部分は201と表示され、無機部分は202と表示されている。
【0014】
図3図3は、実施例3によって調製された100~200μmの焼結グリーンテープの光学像を示している。
【0015】
図4図4は、スラリー組成物1及びバインダー組成物1を用いて実施例2によって作製された焼結テープの走査電子顕微鏡法(SEM)画像を示している。
【0016】
図面は、説明目的のみで、本開示の様々な実施態様を示している。当業者は、以下の考
察から、本明細書に記載される原理から逸脱することなく、本明細書に示される構造及び
方法の代わりの実施態様を利用し得ることを容易に認識するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明は、当業者が開示された主題を作製及び使用し、それを特定の用途との関連
で組み込むことができるようにするために提示される。様々な修飾、及び異なる用途での
様々な使用は当業者にすぐに明らかになり、本明細書で定義される一般原理は、広範囲の
実施態様に適用されることができる。したがって、本開示は、提示される実施態様に限定
されることが意図されるのではなく、本明細書に開示される原理及び新規の特徴と一致す
る最も幅広い範囲を認められるべきである。
【0018】
以下の詳細な説明において、本開示のより徹底的な理解を提供するために、数々の具体
的詳細が示されている。しかしながら、必ずしもこれらの具体的詳細に限定されることな
く、本開示を実施し得ることが当業者には明白であろう。他の例において、本開示を曖昧
にすることを避けるために、周知の構造及び装置は、詳細にではなく、ブロック図の形で
示される。
【0019】
(詳細な説明)
本明細書における開示は、グリーンテープ、これらのテープを作製するプロセス、及び
これらのテープを焼結するプロセスを示している。本明細書におけるプロセスは、従来か
ら知られている方法によって調製される膜と比較したとき、改善された表面品質を有する
焼結薄膜を産生する。本明細書に記載される方法によって調製される膜のいくつかは、均
一に粗い(すなわち、滑らかな)表面を伴って調製される。これらの膜は、ポリッシング又
はラッピングなどのさらなる加工をすることなく、電気化学デバイスに組み込むのに好適
な、焼結された表面を有する。特定の用途によっては、ポリッシング又はラッピングによ
って本明細書で調製される焼結膜を加工する必要がある場合があるが、他の用途について
は、本明細書に示される方法によって焼結された膜が電気化学デバイス用途に好適である
。いくつかの例において、本明細書で調製される膜は、焼結後に、5μm未満の表面粗さを
有する。
【0020】
(A.定義)
本明細書で使用される場合、「提供すること」は、提供されるものの提供、生成、提示
、又は供給を指す。提供することは、何かを利用可能にすることを含む。例えば、粉末を
提供することは、粉末を本明細書に記載される方法に示されるように使用することができ
るように、粉末を利用可能にするか又は粉末を供給するプロセスを指す。本明細書で使用
される場合、提供することは、測定すること、計量すること、移動させること、組み合わ
せること、又は配合することも意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「流延すること」は、流延溶液又はスラリーを基板上に提
供するか、堆積させるか、又は供給することを意味する。流延することは、スロット流延
すること、浸漬被覆すること、及びドクターブレードすることを含むが、これらに限定さ
れない。本明細書で使用される場合、「スロット流延すること」という語句は、溶液、液
体、スラリーなどを、堆積又は被覆が行われる基板に隣接して、該基板と接触して、又は
該基板の上に配置された固定寸法のスロット又は鋳型に流すことによって、基板に、溶液
、液体、スラリーなどを被覆し又は堆積させる堆積プロセスを指す。いくつかの例におい
て、スロット流延することは、約1~100μmのスロット開口部を含む。本明細書で使用さ
れる場合、「浸漬流延すること」又は「浸漬被覆すること」という語句は、基板を、溶液
、液体、スラリーなどの内外に、多くの場合、垂直に移動させることによって、基板に、
溶液、液体、スラリーなどを被覆し又は堆積させる堆積プロセスを指す。本明細書で使用
される場合、「スラリーを流延すること」は、スラリーを基板上に堆積させるか又は接着
させるプロセスを指す。流延することは、スロット流延すること及び浸漬流延することを
含むことができるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「スロット流
延すること」という語句は、溶液、液体、スラリーなどを、堆積又は被覆が行われる基板
に隣接して、該基板と接触して、又は該基板の上に配置された固定寸法のスロット又は鋳
型に流すことによって、基板に、溶液、液体、スラリーなどを被覆し又は堆積させる堆積
プロセスを指す。いくつかの例において、スロット流延することは、約1~100μmのスロ
ット開口部を含む。本明細書で使用される場合、「浸漬流延すること」又は「浸漬被覆す
ること」という語句は、基板を、溶液、液体、スラリーなどの内外に、多くの場合、垂直
に移動させることによって、基板に、溶液、液体、スラリーなどを被覆し又は堆積させる
堆積プロセスを指す。本明細書で使用される場合、流延することは、流延溶液又は流延ス
ラリーを基板上に堆積させるか、被覆するか、又は拡散させることも含む。本明細書で使
用される場合、「膜を流延すること」という語句は、液体又はスラリーが膜を形成するか
又は膜に形成されるように、該液体又はスラリーを鋳型に又は基板に供給するか又は移す
プロセスを指す。流延することは、ドクターブレード、マイヤーロッド、コンマコーター
、グラビアコーター、マイクログラビア、リバースコンマコーター、スロットダイ、スリ
ップ、及び/又はテープ流延、並びに当業者に公知の他の方法によって行うことができる
【0022】
本明細書で使用される場合、「膜を流延すること」という語句は、液体又はスラリーが
膜を形成するか又は膜へと形成されるように、該液体又はスラリーを鋳型に又は基板に供
給するか又は移すプロセスを指す。流延することは、ドクターブレード、マイヤーロッド
、コンマコーター、グラビアコーター、マイクログラビア、リバースコンマコーター、ス
ロットダイ、スリップ、及び/又はテープ流延、並びに当業者に公知の他の方法によって
行うことができる。
【0023】
本明細書で使用される場合、「スロット流延すること」という語句は、溶液、液体、ス
ラリーなどを、堆積又は被覆が行われる基板に隣接して、該基板と接触して、又は該基板
の上に配置された固定寸法のスロット又は鋳型に流すことによって、基板に、溶液、液体
、スラリーなどを被覆し又は堆積させる堆積プロセスを指す。いくつかの例において、ス
ロット流延することは、約1~100μmのスロット開口部を含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、「浸漬流延すること」又は「浸漬被覆すること」という語
句は、基板を、溶液、液体、スラリーなどの内外に、多くの場合、垂直に移動させること
によって、基板に、溶液、液体、スラリーなどを被覆し又は堆積させる堆積プロセスを指
す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「積層すること」という用語は、1つの前駆物質種、例え
ば、リチウム前駆物質種の層を堆積基板に連続的に堆積させ、その後、さらなる層を、第
二の前駆物質種、例えば、遷移金属前駆物質種を用いて、既に堆積した層に連続的に堆積
させるプロセスを指す。この積層プロセスを反復して、堆積した気相のいくつかの層を作
り上げることができる。本明細書で使用される場合、「積層すること」という用語は、電
極を含む層、例えば、正極又はカソード活性材料を含む層を、別の材料、例えば、ガーネ
ット電解質を含む層に接触させるプロセスも指す。積層プロセスには、積層される層に接
着するか、又は積層される層同士の接触を物理的に維持するバインダーの反応又は使用が
含まれてもよい。積層することは、未焼結の、すなわち、「グリーン」セラミック膜を接
合するプロセスも指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「グリーンテープ」又は「グリーン膜」という語句は、ガ
ーネット材料、ガーネット材料の前駆物質、バインダー、溶媒、炭素、分散剤、又はこれ
らの組合せから選択される少なくとも1つの部材を含む未焼結膜を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「膜厚さ」という語句は、膜の上部表面と下部表面の間の
距離又は測定距離中央値を指す。本明細書で使用される場合、該上部表面及び下部表面は
、最大の表面積を有する膜の側面を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「ガーネット前駆化学物質」、「ガーネット型電解質の化
学前駆物質」、又は「ガーネット化学前駆物質」という語句は、反応して、本明細書に記
載されるリチウム充填ガーネット材料を形成する化学物質を指す。これらの化学前駆物質
としては、水酸化リチウム(例えば、LiOH)、酸化リチウム(例えば、Li2O)、炭酸リチウム
(例えば、LiCO3)、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO2)、酸化ランタン(例えば、La2O3)、酸
化アルミニウム(例えば、Al2O3)、アルミニウム(例えば、Al)、硝酸アルミニウム(例えば
、AlNO3)、硝酸アルミニウム九水和物、(オキシ)水酸化アルミニウム(ギブサイト及びベ
ーマイト)、酸化ガリウム、酸化ニオブ(例えば、Nb2O5)、並びに酸化タンタル(例えば、T
a2O5)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「実験式中の下付き文字及びモル係数は、記載された例を
作製するために最初にバッチ配合された(batched)原材料の量に基づく」という語句は、
下付き文字(例えば、Li7La3Zr2O12中の7、3、2、12、及び0.35Al2O3中の係数0.35)が、所
与の材料(例えば、Li7La3Zr2O12・0.35Al2O3)を作製するために使用された化学前駆物質(
例えば、LiOH、La2O3、ZrO2、Al2O3)におけるそれぞれの元素比を指すことを意味する。
本明細書で使用される場合、「式によって特徴付けられる」という語句は、その特徴付け
られた材料を作製するプロセスにおいてバッチ配合されたか、又は実験的に決定されたか
のいずれかの成分原子のモル比を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「溶媒」という用語は、本明細書に記載される成分又は材
料を溶解又は溶媒和させるのに好適な液体を指す。例えば、溶媒としては、ガーネット焼
結プロセスで使用される成分、例えば、バインダーを溶解させるのに好適な液体、例えば
、トルエンが挙げられる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「溶媒を除去すること」という語句は、溶媒を本明細書に
示される成分又は材料から抽出又は分離するプロセスを指す。溶媒を除去することは、限
定されないが、溶媒を蒸発させることを含む。溶媒を除去することは、限定されないが、
真空又は減圧を用いて、混合物、例えば、未焼結薄膜から溶媒を追い出すことを含む。い
くつかの例において、溶媒を蒸発させて、溶媒を除去した後の薄膜中に、溶媒和したバイ
ンダーを残すために、バインダー及び溶媒を含む薄膜を加熱するか、又は任意に真空もし
くは還元雰囲気環境にも置く。
【0032】
本明細書で使用される場合、「薄い」とは、膜(film)、膜(membrane)などに制限を付け
るとき、200μm未満、より好ましくは、100μm未満、場合によっては、0.1~60μmの寸法
を意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「膜テープ」は、焼結されているか又は焼結することがで
きる、乾燥しているか又は乾燥していないかのいずれかの、流延テープのロール又は連続
層を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「バインダー」は、別の材料の接着を助ける材料を指す。
例えば、本明細書で使用される場合、ポリビニルブチラールは、ガーネット材料を接着さ
せるのに有用であるので、バインダーである。他のバインダーとしては、ポリカーボネー
トが挙げられる。他のバインダーとしては、ポリメチルメタクリレートを挙げることがで
きる。これらのバインダーの例は、本明細書において想定されるバインダーの範囲全体に
関して限定するものではなく、単に例としての役割を果たすものである。本開示において
有用なバインダーとしては、ポリプロピレン(PP)、アタクチックポリプロピレン(aPP)、
イソタクティブポリプロピレン(iPP)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンペンテン
コポリマー(EPC)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフ
ィン、ポリエチレン-コ-ポリ-1-オクテン(PE-コ-PO)、PE-コ-ポリ(メチレンシクロペンタ
ン)(PE-コ-PMCP)、ポリメチル-メタクリレート(及び他のアクリル)、アクリル、ポリビニ
ルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、PVB、ポリビニルアセタール樹脂
、ステレオブロックポリプロピレン、ポリプロピレンポリメチルペンテンコポリマー、ポ
リエチレンオキシド(PEO)、PEOブロックコポリマー、シリコーンなどが挙げられるが、こ
れらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される場合、「リチウム充填ガーネット電解質」という語句は、ガーネ
ット結晶構造に関連する結晶構造によって特徴付けられる酸化物を指す。リチウム充填ガ
ーネットには、式LiALaBM'cM''DZrEOF、LiALaBM'CM''DTaEOF、もしくはLiALaBM'CM''DNbE
OF(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C≦2、0≦D≦2; 0≦E<2、10<F<13であり、M''及
びM''は、各々独立に、各々の例において、Al、Mo、W、Nb、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb
、もしくはTaから選択される)、又はLiaLabZrcAldMe''eOf(式中、5<a<7.7; 2<b<4; 0
<c≦2.5; 0≦d<2; 0≦e<2、10<f<13であり、かつMe''は、Nb、Ta、V、W、Mo、Ga、
もしくはSbから選択され、かつ本明細書に記載されるような金属である)を有する化合物
が含まれる。本明細書で使用されるガーネットには、Al2O3をドープされている上記のガ
ーネットも含まれる。本明細書で使用されるガーネットには、Al3+がLi+の代わりをする
ようにドープされている上記のガーネットも含まれる。本明細書で使用される場合、リチ
ウム充填ガーネット、及びガーネットには、通常、限定されないが、Li7.0La3(Zrt1+Nbt
2+Tat3)O12+0.35Al2O3が含まれ;ここで、La:(Zr/Nb/Ta)比が3:2となるように、(t1+t2
+t3=下付き文字2)である。また、本明細書で使用されるガーネットには、限定されない
が、LixLa3Zr2O12+yAl2O3(式中、xは5.5~9の範囲であり;かつyは0~1の範囲である)が
含まれる。いくつかの例において、xは6~7であり、かつyは1.0である。いくつかの例に
おいて、xは7であり、かつyは0.35である。いくつかの例において、xは6~7であり、かつ
yは0.7である。いくつかの例において、xは6~7であり、かつyは0.4である。また、本明
細書で使用されるガーネットには、限定されないが、LixLa3Zr2O12+yAl2O3が含まれる。
リチウム充填ガーネット電解質の非限定的な例は、例えば、2015年7月16日に公開された
米国特許出願公開第2015-0200420 A1号に見られる。
【0036】
本明細書で使用される場合、ガーネットには、YAG-ガーネット(すなわち、イットリウ
ムアルミニウムガーネット、又は例えば、Y3Al5O12)が含まれない。本明細書で使用され
る場合、ガーネットには、パイロープ、アルマンディン、スペサルティン、グロシュラー
、ヘソナイト、又はシナモン・ストーン、ツァボライト、ウバロバイト、及びアンドラダ
イト、並びに固溶体のパイロープ-アルマンディン-スペサライト(spessarite)及びウバロ
バイト-グロシュラー-アンドラダイトなどの、シリケート系ガーネットが含まれない。本
明細書におけるガーネットには、一般式X3Y2(SiO4)3(式中、Xは、Ca、Mg、Fe、及び又はM
nであり;かつYは、Al、Fe、及び又はCrである)を有するネソシリケートが含まれない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「ガーネット型電解質」という語句は、本明細書に記載さ
れるリチウム充填ガーネット材料をイオン伝導体として含む電解質を指す。Li充填ガーネ
ット固体電解質の利点は、リチウム再充電可能電池に一般に使用される可燃性液体電解質
の代わりとなることを含め、多い。
【0038】
本明細書で使用される場合、「d50直径」という語句は、限定されないが、走査電子顕
微鏡法又は動的光散乱法などの顕微鏡技法又は他の粒径分析技法によって測定される、径
の分布における、中央径を指す。D50には、粒子の50%が列挙されているサイズよりも小
さい特性寸法が含まれる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「d90直径」という語句は、限定されないが、走査電子顕
微鏡法又は動的光散乱法などの顕微鏡技法又は他の粒径分析技法によって測定される、径
の分布における、中央径を指す。D90には、粒子の90%が列挙されているサイズよりも小
さい特性寸法が含まれる。
【0040】
本明細書で使用される場合、膜が特徴付けられる「厚さ」は、膜の上部表面と下部表面
の間の距離又は測定距離中央値を指す。本明細書で使用される場合、該上部表面及び下部
表面は、最大の表面積を有する膜の側面を指す。
【0041】
本明細書で使用される場合、「実験式中の下付き文字及びモル係数は、記載された例を
作製するために最初にバッチ配合された原材料の量に基づく」という語句は、下付き文字
(例えば、Li7La3Zr2O12中の7、3、2、12、及び0.35Al2O3中の係数0.35)が、所与の材料(
例えば、Li7La3Zr2O12・0.35Al2O3)を調製するために使用された化学前駆物質(例えば、L
iOH、La2O3、ZrO2、Al2O3)におけるそれぞれの元素比を指すことを意味する。
【0042】
本明細書で使用される場合、「膜を焼結すること」という語句は、熱焼結又は電場支援
焼結の使用によって、本明細書に記載される薄膜を緻密化する(より高密度にする、又は
低下した多孔性を有するようにする)プロセスを指す。焼結することは、材料の固体塊を
完全液化点まで融解させることなく、該固体塊を熱及び/又は圧力によって形成させるプ
ロセスを含む。
【0043】
本明細書で使用される場合、「可塑剤」という用語は、グリーンテープに可撓性又は可
塑性のいずれかを与える添加剤を指す。これは、バインダーの可撓性、加工性、又は膨張
性を増大させるのに使用される物質又は材料であり得る。可撓性とは、壊れることなく曲
がる能力である。可塑性とは、永久に変形する能力である。
【0044】
本明細書で使用される場合、「応力を緩和すること」という語句は、乾燥及び随伴収縮
の間に流延されたグリーンテープ中の残留応力を除去するプロセスを指す。応力を緩和す
る1つの方法は、グリーンテープ中の有機成分のガラス転移温度を上回る温度でグリーン
テープを加熱して、流延されたグリーンテープにおける構造再配置及び応力再配置が残留
応力を除去するのを可能にすることを含む。応力を緩和する別の方法は、流延されたグリ
ーンテープを70℃に加熱し、該流延されたグリーンテープが応力を緩和するのを可能にす
る時間、その温度で保持することを含む。
【0045】
本明細書で使用される場合、「pH改変剤」という語句は、流延スラリーのより良好な分
散安定性を達成するために、スラリーに添加して、スラリーの酸性又は塩基性を調整する
ことができる酸又は塩基を指す。pH改変剤としては、クエン酸及び水酸化アンモニア(amm
onia hydroxide)、並びに他の同等のpH改変剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
本明細書で使用される場合、「バッチ配合された」という語句は、合成の開始時に最初
に混合又は提供された成分のそれぞれのモル量を指す。例えば、バッチ配合された、式Li
7La3Zr2O12は、Li7La3Zr2O12を作製するために使用された試薬におけるLiとLaとZrとOの
比が、7対3対2対12であったことを意味する。
【0047】
本明細書で使用される場合、ピクノメトリー密度は、Micromeritics AccuPycII 1340 C
alibrate装置を用いて測定される。この装置を用いて、粉末試料の制御された量をカップ
に入れ、その質量を測定する。この装置を用いて、体積を測定し、質量/体積によって密
度を計算する。
【0048】
本明細書で使用される場合、「焼結助剤」という語句は、他の場合に焼結助剤なしで可
能となるよりも低い融点の液相を形成するために使用されるか、又は他の場合に焼結助剤
なしで可能となるよりも速い焼結を可能にするかのいずれかの添加剤を指す。焼結助剤は
、焼結されている原子の拡散/動態を助ける。例えば、LiAlO2は、ガーネットを有するス
ラリー中の添加剤として使用することができるが、それは、LiAlO2が、約1050~1100℃で
ガーネットを有する液体を形成することができ、それにより、焼結中にガーネットのより
速い緻密化がもたらされるからである。
【0049】
本明細書で使用される場合、粒径分布(以後「PSD」)は、例えば、Horiba LA-950 V2粒
径分析器を用いる光散乱によって測定され、ここで、分析に使用される溶媒には、トルエ
ン、IPA、又はアセトニトリルが含まれ、分析には、測定前の1分間の超音波処理が含まれ
る。
【0050】
本明細書で使用される場合、「源粉末」という語句は、本明細書に示されるスラリーで
使用される無機材料を指す。いくつかの例において、源粉末はリチウム充填ガーネットで
ある。例えば、源粉末は、Li7La3Zr2O12・0.5Al2O3の粉末を含むことができる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「リン酸エステル」という語句は、例えば、Hypermer KD-
23(商標)、Hypermer KD-24(商標)、Phoschem PD(商標)、Phoschem R-6(商標)、Phosphola
n PS-131(商標)、及びRhodoline 4188(商標)として知られる、リン酸エステルを指す。
【0052】
本明細書で使用される場合、「DBP」という用語は、278.35g/molという分子量を有する
、式C16H22O4を有する化学物質ジブチルフタレートを指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、「BBP」という用語は、312.37g/molという分子量を有する
、ベンジルブチルフタレートC19H20O4を指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「PEG」という用語は、ポリエチレングリコールを指す。
別途明記されない限り、PEGの分子量は400~6000g/molである。
【0055】
(B.グリーンテープ)
本明細書に示されるいくつかの例において、本明細書に示される方法によって流延され
るグリーンテープは、バインダーと密に混合されたセラミック粒子として配合される耐火
材料及び又はセラミック材料を含有する。このバインダーの目的は、1つには、セラミッ
ク粒子の焼結を助けて、焼結後に、耐火性又はセラミックの、均一でかつ薄い膜又は層を
生じさせることである。焼結プロセスの間に、バインダーは焼結薄膜から燃やし尽くされ
る(例えば、仮焼)。いくつかの例において、このバインダーは、700℃未満、450℃未満、
400℃未満、350℃未満、300℃未満、250℃未満、又はいくつかの例において、200℃未満
、又はいくつかの例において、150℃未満、又はいくつかの例において、100℃未満の温度
で焼結膜から燃やし尽くされる。バインダー除去の間、酸素分圧及び水蒸気分圧(water p
artial pressure)を制御することができる。
【0056】
(C.作製方法)
本明細書に示される複合材料は、種々の方法によって作製することができる。いくつか
の方法において、源粉末を含有するスラリーを調製し、このスラリーを基板又はセッター
プレート上に流延し、その後、このスラリーを乾燥させ、焼結して、乾燥し、焼結された
固体イオン伝導セラミックを調製する。ある例において、基板としては、例えば、Mylar
、シリコーン被覆Mylar、ポリマーで被覆した表面、表面修飾ポリマー、又は表面に接着
、付着、もしくは結合した表面組織化単層を挙げることができる。
【0057】
ある例において、本明細書に示される方法は、概ね図1に示されている通りである。図1
に、方法100が記載されている。この方法において、第一の工程はスリップ調製101を含む
。これは、溶媒、分散剤、及び源粉末、例えば、ガーネットを組み合わせて反応容器(例
えば、50ml Nalgeneボトル)中に入れることを伴う。粉砕媒体も添加する。工程102におい
て、組み合わされた内容物を1時間~3日間粉砕する。第三の工程103において、バインダ
ー、可塑剤、及び又はホモジナイザーを反応容器に添加して、スラリーを形成させる。第
四の工程104において、反応容器を回転させることによりスラリーを回転させて、バイン
ダーをブレンドする。第五の工程105において、スラリーを脱気プロセスによって脱気し
て、気体を除去する。第六の工程106において、スラリーをドクターブレード流延法によ
って基板(例えば、シリコーン被覆Mylar)上に流延する。第七の工程107において、流延膜
を乾燥させる。この工程107において、膜における亀裂又は欠陥形成を回避するために、
乾燥を制御された様式で達成する。ある例において、スラリーには、約3μmのd50を有す
る70gのガーネット粉末、16gのMEK溶媒、1.4gのリン酸エステル、50重量%(w/w)のMEK中
の8.4gのポリメチルメタクリレートバインダー、3.5gの可塑剤(例えば、S-160)、及び1.6
gのシクロヘキサノンが含まれた。
【0058】
(D.スラリー)
いくつかの例において、本明細書に記載されるスラリーとともに使用するのに好適なバ
インダーとしては、Li充填ガーネット粒子との接着を促進するために使用されるバインダ
ーが挙げられ、これには、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチ
ルメタクリレート(PEMA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アタクチックポリプロピレン(aP
P)、イソタクティブポリプロピレンエチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンペンテンコ
ポリマー(EPC)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィ
ン、ポリエチレン-コポリ-1-オクテン(PE-コ-PO); PE-コ-ポリ(メチレンシクロペンタン)
(PE-コ-PMCP);ステレオブロックポリプロピレン、ポリプロピレンポリメチルペンテンコ
ポリマー、ポリプロピレンカーボネート、メチルメタクリレート(又はPMMA)、エチルメタ
クリレート(又はPEMA)、及びシリコーンが含まれるが、これらに限定されない。他のバイ
ンダーとしては、ポリプロピレン(PP)、アタクチックポリプロピレン(aPP)、イソタクチ
ックポリプロピレン(iPP)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンペンテンコポリマー
(EPC)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブタジエン(SBR)、ポリオレフィン、ポリエチ
レン-コ-ポリ-1-オクテン(PE-コ-PO)、PE-コ-ポリ(メチレンシクロペンテン)(PE-コ-PMCP
)、ステレオブロックポリプロピレン、ポリプロピレンポリメチルペンテン、ポリエチレ
ンオキシド(PEO)、PEOブロックコポリマー、シリコーン、及びこれらの組合せから選択さ
れるバインダーが挙げられる。
【0059】
分散剤の例としては、リン酸エステル、エステル、例えば、魚油、界面活性剤、フルオ
ロサーファクタント、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルブタジエン(PVB)、ポリアル
キレンアミン、アクリルポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
いくつかの例において、スラリーは界面活性剤を含むこともできる。好適な界面活性剤
の非限定的なリストとしては、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジウム(cetylpy
ridium bromide)、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
【0061】
いくつかの例において、スラリーはpH改変剤を含むこともできる。pH改変剤の例として
は、氷酢酸、NH4OH、モノエタノールアミン、NaOH、Na2CO3、及びKOHが挙げられるが、こ
れらに限定されない。
【0062】
いくつかの例において、スラリーは可塑剤を含むこともできる。可塑剤の例としては、
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、及びベンジルブチルフタレートが挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0063】
いくつかの例において、スラリーは、溶媒又は有機バインダーと強く相互作用するLiガ
ーネット粉末又は前駆物質、及び再凝集によってスラリー粘度を増大させるLiガーネット
粉末又は前駆物質を含む。いくつかの例において、再凝集は、高品質のスラリー及び流延
テープを生じさせない高レベルでのものである。これらの特定の例において、プロセスは
、スラリー中で安定な分散性を有するように、該スラリーのpHを変化させる薬剤の添加に
よって制御することができる。これらの特定の例において、プロセスは、反応性の低い溶
媒及び又はバインダーの添加によって制御することもできる。これらの例において、スラ
リーは、優れた分散性、低い粘度、及び最小限の有機含有量を有する。
【0064】
(E.流延)
いくつかのテープ流延法は関連分野で公知であり、その内容全体があらゆる目的のため
に引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Mistler, R. E.及びTwiname, E. Rの文
献、テープ流延:理論及び実践(Tape Casting: Theory and Practice)、初版、Wiley-Amer
ican Ceramic Society; 1 edition(2000年12月1日)に示されている方法を含む。その内容
全体があらゆる目的のために引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Dolhert, L.
E.に対する、アタクチックポリプロピレンバインダーを用いたグリーンテープ流延系のク
リーンな燃焼(CLEAN BURNING GREEN TAPE CAST SYSTEM USING ATACTIC POLYPROPYLENE BI
NDER)と題する米国特許第5,256,609号に示される他の流延法及び材料。
【0065】
本明細書に示されるいくつかの方法において、該方法は、セラミック源粉末のテープを
基板(例えば、多孔性又は非多孔性アルミナ、ジルコニア、ガーネット、アルミナ-ジルコ
ニア、ランタンアルミナ-ジルコニア)上に流延することを含む。いくつかの例において、
該テープは、シリコーン被覆基板(例えば、シリコーン被覆Mylar、又はアルミナ上のシリ
コーン被覆Mylar)などの基板上に調製される。
【0066】
本明細書に示されるいくつかの方法において、焼結膜は揮発性成分を放出する。これら
の成分は、これらの揮発性成分が焼結膜から蒸発又は揮発するのを可能にするセッタープ
レートを使用しない限り、焼結膜に亀裂又は表面劣化をしばしばもたらし得る。いくつか
の特定の例において、多孔性セッタープレートを用いて、これらの揮発性成分の蒸発を助
けることが好都合である。
【0067】
(F.流延後のテープ乾燥)
いくつかの例において、本明細書に示される方法は、流延テープ(例えば、グリーン膜)
を乾燥させることを含む。いくつかの方法において、乾燥させることは、例えば、流延膜
をその上に配置もしくは堆積させる加熱床、赤外線(IR)加熱、又は流延テープの対流加熱
を使用することにより、流延テープの温度を制御することを含む。いくつかの方法におい
て、乾燥させることは、限定されないが、流動しない環境及び又は流動する環境(例えば
、大気、乾燥空気、不活性ガス、窒素ガス、アルゴンガス)などの、環境制御を用いて、
乾燥環境中の溶媒の量を管理又は制御することを含むことができる。これらの方法におい
て、乾燥させることは、溶媒除去の速度を制御するために、及び流延膜が、表面から基板
へではなく、基板から表面へと乾燥することを保証するために使用される。
【0068】
いくつかの例において、流延グリーンテープを乾燥させる前、該流延グリーンテープは
、共沸混合物である溶媒を含む。いくつかの例において、この共沸混合物は、グリーンテ
ープの10~25重量%のシクロヘキサノンを含む溶媒である。いくつかの例において、共沸
混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは10重量%である。いくつかの例において
、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは11重量%である。いくつかの例に
おいて、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは12重量%である。いくつか
の例において、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは13重量%である。い
くつかの例において、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは14重量%であ
る。いくつかの例において、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは15重量
%である。いくつかの例において、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは
16重量%である。いくつかの例において、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセ
ントは17重量%である。いくつかの例において、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量
パーセントは18重量%である。いくつかの例において、共沸混合物中のシクロヘキサノン
の重量パーセントは19重量%である。いくつかの例において、共沸混合物中のシクロヘキ
サノンの重量パーセントは20重量%である。いくつかの例において、共沸混合物中のシク
ロヘキサノンの重量パーセントは21重量%である。いくつかの例において、共沸混合物中
のシクロヘキサノンの重量パーセントは22重量%である。いくつかの例において、共沸混
合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは23重量%である。いくつかの例において、
共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは24重量%である。いくつかの例にお
いて、共沸混合物中のシクロヘキサノンの重量パーセントは25重量%である。いくつかの
例において、該溶媒はMEK:IPAの組合せである。ある例において、MEK:IPAの比は1:1であ
る。ある例において、MEK:IPAの比は2:1である。ある例において、MEK:IPAの比は3:1であ
る。ある例において、MEK:IPAの比は4:1である。ある例において、MEK:IPAの比は5:1であ
る。ある例において、MEK:IPAの比は5:1である。ある例において、MEK:IPAの比は7:1であ
る。ある例において、MEK:IPAの比は8:1である。ある例において、MEK:IPAの比は5:1であ
る。ある例において、MEK:IPAの比は5:2である。ある例において、MEK:IPAの比は6:2であ
る。ある例において、MEK:IPAの比は7:2である。ある例において、MEK:IPAの比は8:2であ
る。ある例において、MEK:IPAの比は9:2である。ある例において、MEK:IPAの比は10:3で
ある。ある例において、MEK:IPAの比は11:3である。ある例において、MEK:IPAの比は5:3
である。ある例において、MEK:IPAの比は6:3である。ある例において、MEK:IPAの比は7:3
である。ある例において、MEK:IPAの比は8:3である。ある例において、MEK:IPAの比は9:3
である。ある例において、MEK:IPAの比は10:3である。ある例において、MEK:IPAの比は11
:3である。
【0069】
いくつかの例において、グリーンテープを乾燥させた後、源粉末以外の材料の総量はグ
リーンテープの約10~25重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量
はグリーンテープの10重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量は
グリーンテープの11重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグ
リーンテープの12重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリ
ーンテープの13重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリー
ンテープの14重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーン
テープの15重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテ
ープの16重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテー
プの17重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテープ
の18重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテープの
19重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテープの20
重量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテープの21重
量%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテープの22重量
%である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテープの23重量%
である。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテープの24重量%で
ある。いくつかの例において、源粉末以外の材料の総量はグリーンテープの25重量%であ
る。これらの例のいくつかにおいて、源粉末の量は、グリーンテープの60、65、70、75、
又は80重量%である。
【0070】
(G.セッタープレート)
本明細書に記載される方法において、両方の特許出願の内容があらゆる目的のために引
用により完全に本明細書中に組み込まれる、2016年4月15日に出願された国際PCT特許出願
PCT/US16/27886号及び2016年4月15日に出願されたPCT/US16/27922号に示されているセッ
タープレート及び焼結方法。
【0071】
いくつかの例において、本明細書における方法及び引用により組み込まれる方法によっ
て調製されるグリーン膜は、セッタープレートの間で焼結される。いくつかの例において
、これらのセッタープレートは、金属、酸化物、窒化物、その表面に有機又はシリコーン
ラミネート層を有する金属、酸化物、又は窒化物から構成される。ある例において、セッ
タープレートは、白金(Pt)セッタープレート、パラジウム(Pd)セッタープレート、金(Au)
セッタープレート、銅(Cu)セッタープレート、アルミニウム(Al)セッタープレート、アル
ミナセッタープレート、多孔性アルミナセッタープレート、スチールセッタープレート、
ジルコニウム(Zr)セッタープレート、ジルコニアセッタープレート、多孔性ジルコニアセ
ッタープレート、酸化リチウムセッタープレート、多孔性酸化リチウムセッタープレート
、酸化ランタンセッタープレート、多孔性酸化ランタンセッタープレート、ガーネットセ
ッタープレート、多孔性ガーネットセッタープレート、リチウム充填ガーネットセッター
プレート、多孔性リチウム充填ガーネットセッタープレート、及びこれらの組合せからな
る群から選択される。いくつかの例において、セッタープレートは、ガーネットセッター
プレート又は多孔性ガーネットセッタープレートである。
【0072】
いくつかの例において、本明細書における方法及び引用により組み込まれる方法によっ
て調製されるグリーン膜は、少なくとも1つのセッタープレート上で焼結される。いくつ
かの例において、これらのセッタープレートは、金属、酸化物、窒化物、その表面に有機
又はシリコーンラミネート層を有する金属、酸化物、又は窒化物から構成される。ある例
において、セッタープレートは、白金(Pt)セッタープレート、パラジウム(Pd)セッタープ
レート、金(Au)セッタープレート、銅(Cu)セッタープレート、アルミニウム(Al)セッター
プレート、アルミナセッタープレート、多孔性アルミナセッタープレート、スチールセッ
タープレート、ジルコニウム(Zr)セッタープレート、ジルコニアセッタープレート、多孔
性ジルコニアセッタープレート、酸化リチウムセッタープレート、多孔性酸化リチウムセ
ッタープレート、酸化ランタンセッタープレート、リチウム酸化ジルコニウム(Li2ZrO3)
セッタープレート、リチウム酸化アルミニウム(LiAlO2)セッタープレート、多孔性酸化ラ
ンタンセッタープレート、ガーネットセッタープレート、多孔性ガーネットセッタープレ
ート、リチウム充填ガーネットセッタープレート、多孔性リチウム充填ガーネットセッタ
ープレート、及び前述のものの組合せからなる群から選択される。
【0073】
いくつかの例において、本明細書における方法及び引用により組み込まれる方法によっ
て調製されるグリーン膜は、セッタープレートの間で焼結され、ここで、金属粉末は、セ
ッタープレートとグリーン膜の間に位置付けられる。いくつかの例において、これらのセ
ッタープレートは、金属、酸化物、窒化物、その表面に有機又はシリコーンラミネート層
を有する金属、酸化物、又は窒化物から構成される。ある例において、セッタープレート
は、白金(Pt)セッタープレート、パラジウム(Pd)セッタープレート、金(Au)セッタープレ
ート、銅(Cu)セッタープレート、アルミニウム(Al)セッタープレート、アルミナセッター
プレート、多孔性アルミナセッタープレート、スチールセッタープレート、ジルコニウム
(Zr)セッター、ジルコニアセッタープレート、多孔性ジルコニアセッタープレート、酸化
リチウムセッタープレート、多孔性酸化リチウムセッタープレート、酸化ランタンセッタ
ープレート、リチウム酸化ジルコニウム(Li2ZrO3)セッタープレート、リチウム酸化アル
ミニウム(LiAlO2)セッタープレート、多孔性酸化ランタンセッタープレート、リチウム酸
化ジルコニウム(Li2ZrO3)セッタープレート、リチウム酸化アルミニウム(LiAlO2)セッタ
ープレート、ガーネットセッタープレート、多孔性ガーネットセッタープレート、リチウ
ム充填ガーネットセッタープレート、及び多孔性リチウム充填ガーネットセッタープレー
ト、並びに前述のものの組合せからなる群から選択される。これらの特定の例において、
金属粉末は、Ni粉末、Cu粉末、Au粉末、Fe粉末、又はこれらの組合せから選択される。
【0074】
いくつかの例において、本明細書における方法及び引用により組み込まれる方法によっ
て調製されるグリーン膜は、セッタープレートの間で焼結され、ここで、金属層又は膜は
、セッタープレートとグリーン膜の間に位置付けられる。いくつかの例において、これら
のセッタープレートは、金属、酸化物、窒化物、その表面に有機又はシリコーンラミネー
ト層を有する金属、酸化物、又は窒化物から構成される。ある例において、セッタープレ
ートは、白金(Pt)セッタープレート、パラジウム(Pd)セッタープレート、金(Au)セッター
プレート、銅(Cu)セッタープレート、アルミニウム(Al)セッタープレート、アルミナセッ
タープレート、多孔性アルミナセッタープレート、スチールセッタープレート、ジルコニ
ウム(Zr)、ジルコニアセッタープレート、多孔性ジルコニアセッタープレート、酸化リチ
ウムセッタープレート、多孔性酸化リチウムセッタープレート、酸化ランタンセッタープ
レート、多孔性酸化ランタンセッタープレート、ガーネットセッタープレート、多孔性ガ
ーネットセッタープレート、リチウム充填ガーネットセッタープレート、多孔性リチウム
充填ガーネットセッタープレート、マグネシアセッタープレート、多孔性マグネシアセッ
タープレートからなる群から選択される。これらの特定の例において、金属粉末は、Ni粉
末、Cu粉末、Mg粉末、Mn粉末、Au粉末、Fe粉末、又はこれらの組合せから選択される。
【0075】
特定の焼結条件の間、粒子の層(例えば、セッターシート)又は粉末をグリーン膜とセッ
タープレートの間に配置して、グリーン膜の焼結を助けることができる。グリーン膜が焼
結するにつれて、これは、収縮及び緻密化する傾向があり、それにより、制御されなけれ
ば、膜に亀裂又は他の機械的な欠陥がもたらされ得る。これらの例のいくつかにおいて、
粒子の層は、粒子の均一な層を含む。これらの例のいくつかの他のものにおいて、粒子の
層は、不活性な、すなわち、グリーン膜と反応しない、粒子の均一な層を含む。いくつか
の焼結条件において、粒子の層は、粒子のシートとして提供される。いくつかの例におい
て、粒子のシート又は層の厚さは、該シート又は層中の粒子の大きさとほぼ等しい。他の
例において、不活性粒子はグリーン膜の間に位置し、セッタープレートは、グリーン膜の
接触表面と焼結されているグリーン膜の部分の間に位置付けられる。いくつかの連続する
焼結プロセスにおいて、セッタープレート及び又はセッタープレートとグリーン膜の間に
配置される粒子、層、もしくはシートは、焼結膜の連続ロールが連続プロセスで調製され
るように、焼結プロセスの間に、移動又は再配置させることができる。これらの連続プロ
セスにおいて、セッタープレート及び粒子、層、又はシートは、焼結しているグリーン膜
の部分が、セッタープレートとも接している粒子、層、又はシートと接するように、グリ
ーン膜の移動に合わせて移動する。いくつかの場合、層又はシートは、テープの反り及び
表面劣化を防ぐために、特定の重りを用いて調製される。
【0076】
本明細書に記載される例のうちのいくつかにおいて、不活性な及び又は均一な粒子(又
は粉末)の層又はシートは、膜が焼結し、体積が低下し、密度が増大するにつれて、膜が
歪まないように、膜とセッタープレートの間に最小量の摩擦をもたらすことにより、焼結
プロセスを支援する。膜上の摩擦力を低下させることにより、グリーン膜は、焼結プロセ
スの間に、最小の応力で収縮することができる。これにより、セッタープレートに付着し
ない改善された焼結膜、焼結プロセスの間に変形しない改善された焼結膜、及び焼結プロ
セスの間又はその後に亀裂しない改善された焼結膜が提供される。
【0077】
本明細書に記載されるいくつかの例において、他のセッタープレートが、高い融点、高
いリチウム活性、及び還元環境における安定性を有する限り、他のセッタープレートを、
例えば、本明細書に記載されるリチウム充填ガーネットセッタープレートと組み合わせて
使用することができる。これらの他の材料のいくつかの例としては、Li2ZrO3、xLi2O-(1-
x)SiO2(式中、x=0.01~0.99である)、aLi2O-bB2O3-cSiO2(式中、a+b+c=1である)、Li
LaO2、LiAlO2、Li2O、Li3PO4、Li充填ガーネット、又はこれらの組合せから選択される部
材が挙げられる。さらに、これらの他のセッタープレートは、焼結膜からセッタープレー
ト中へのLi拡散をもたらす焼結膜中の化学ポテンシャルを導入すべきではない。さらなる
材料としては、ランタンアルミニウム酸化物、パイロクロア、及び0.01mol/cm3を上回る
リチウム濃度を有する材料が挙げられる。いくつかの例において、セッター材料は、粉末
として又は非平面形状で提供することができる。
【0078】
(H.溶媒)
いくつかの例において、スラリーは、任意にバインダー(例えば、PVB)とともに、及び
任意に可塑剤とともに、イソプロパノール、水、ブタノール、テトラヒドロフラン(THF)
から選択される溶媒を含む。いくつかの例において、溶媒は、約10~30%w/wのイソプロ
パノール、1~10%w/wの水、1~10%w/wのブタノール、及び10~30%w/wのテトラヒドロ
フラン(THF)を含む[例えば、100グラムのガーネット、12グラムのバインダー、12グラム
のDBP、20~30グラムの溶媒]。いくつかの例において、溶媒は、約20~30%w/wのイソプ
ロパノール、3~6%w/wの水、3~6%w/wのブタノール、及び20~30%w/wのテトラヒドロ
フラン(THF)を含む。いくつかの例において、バインダーは5%w/wである。いくつかの例
において、可塑剤は5%w/wである。これらの例において、ガーネット又は仮焼前駆材料は
、残りの%w/w(例えば、40、50、60%、70%、又は75%w/w)に相当する。いくつかの例に
おいて、分散剤を粉砕プロセスの間に使用する。いくつかの例において、分散剤はリン酸
エステルである。いくつかの例において、可塑剤はジブチルタレート(dibutyl thalate)
又はベンジルブチルフタレートである。いくつかの例において、溶媒はブタノール及びTH
Fである。いくつかの例において、溶媒は、ブタノール、水、及びTHFである。いくつかの
例において、溶媒は、ブタノール、水、トルエン、及びTHFである。いくつかの例におい
て、溶媒はブタノール及びトルエンである。いくつかの例において、溶媒は、ブタノール
、水、及びTHFである。
【0079】
溶媒の例としては、トルエン、エタノール、ジアセトンアルコール、及びこれらの組合
せが挙げられる。溶媒の他の例としては、イソプロパノール(IPA、無水)とブタノールと
トルエンの組合せが挙げられる。溶媒の他の例としては、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、トルエン、キシレン、キシレ
ン:ブチルアルコール、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、トルエン:エタノール、
アセトン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジアセトンアルコール、酢酸エチル、アセトニ
トリル、ヘキサン、ノナン、ドデカン、メチルエチルケトン(MEK)、及びこれらの組合せ
が挙げられる。
【0080】
いくつかの例において、溶媒はMEK:IPAの組合せである。ある例において、MEK:IPAの比
は1:1である。ある例において、MEK:IPAの比は2:1である。ある例において、MEK:IPAの比
は3:1である。ある例において、MEK:IPAの比は4:1である。ある例において、MEK:IPAの比
は5:1である。ある例において、MEK:IPAの比は5:1である。ある例において、MEK:IPAの比
は7:1である。ある例において、MEK:IPAの比は8:1である。ある例において、MEK:IPAの比
は5:1である。ある例において、MEK:IPAの比は5:2である。ある例において、MEK:IPAの比
は6:2である。ある例において、MEK:IPAの比は7:2である。ある例において、MEK:IPAの比
は8:2である。ある例において、MEK:IPAの比は9:2である。ある例において、MEK:IPAの比
は10:3である。ある例において、MEK:IPAの比は11:3である。ある例において、MEK:IPAの
比は5:3である。ある例において、MEK:IPAの比は6:3である。ある例において、MEK:IPAの
比は7:3である。ある例において、MEK:IPAの比は8:3である。ある例において、MEK:IPAの
比は9:3である。ある例において、MEK:IPAの比は10:3である。ある例において、MEK:IPA
の比は11:3である。
【0081】
上記の例において、溶媒は10~25重量%のシクロヘキサノンをさらに含む。いくつかの
例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは10重量%である。いくつ
かの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは11重量%である。い
くつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは12重量%である
。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは13重量%で
ある。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは14重量
%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは15
重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセント
は16重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセ
ントは17重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パ
ーセントは18重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重
量パーセントは19重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノン
の重量パーセントは20重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサ
ノンの重量パーセントは21重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘ
キサノンの重量パーセントは22重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシク
ロヘキサノンの重量パーセントは23重量%である。いくつかの例において、スラリー中の
シクロヘキサノンの重量パーセントは24重量%である。いくつかの例において、スラリー
中のシクロヘキサノンの重量パーセントは25重量%である。いくつかの例において、該溶
媒はMEK:IPAの組合せである。ある例において、MEK:IPAの比は1:1である。ある例におい
て、MEK:IPAの比は2:1である。ある例において、MEK:IPAの比は3:1である。ある例におい
て、MEK:IPAの比は4:1である。ある例において、MEK:IPAの比は5:1である。ある例におい
て、MEK:IPAの比は5:1である。ある例において、MEK:IPAの比は7:1である。ある例におい
て、MEK:IPAの比は8:1である。ある例において、MEK:IPAの比は5:1である。ある例におい
て、MEK:IPAの比は5:2である。ある例において、MEK:IPAの比は6:2である。ある例におい
て、MEK:IPAの比は7:2である。ある例において、MEK:IPAの比は8:2である。ある例におい
て、MEK:IPAの比は9:2である。ある例において、MEK:IPAの比は10:3である。ある例にお
いて、MEK:IPAの比は11:3である。ある例において、MEK:IPAの比は5:3である。ある例に
おいて、MEK:IPAの比は6:3である。ある例において、MEK:IPAの比は7:3である。ある例に
おいて、MEK:IPAの比は8:3である。ある例において、MEK:IPAの比は9:3である。ある例に
おいて、MEK:IPAの比は10:3である。ある例において、MEK:IPAの比は11:3である。
【0082】
いくつかの例において、スラリー中の溶媒はMEK:IPA及びシクロヘキサノンを含む。あ
る例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは10重量%である。いく
つかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは11重量%である。
いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは12重量%であ
る。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは13重量%
である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは14重
量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは
15重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パーセン
トは16重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量パー
セントは17重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの重量
パーセントは18重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノンの
重量パーセントは19重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキサノ
ンの重量パーセントは20重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロヘキ
サノンの重量パーセントは21重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシクロ
ヘキサノンの重量パーセントは22重量%である。いくつかの例において、スラリー中のシ
クロヘキサノンの重量パーセントは23重量%である。いくつかの例において、スラリー中
のシクロヘキサノンの重量パーセントは24重量%である。いくつかの例において、スラリ
ー中のシクロヘキサノンの重量パーセントは25重量%である。いくつかの例において、該
溶媒はMEK:IPAの組合せである。ある例において、MEK:IPAの比は1:1である。ある例にお
いて、MEK:IPAの比は2:1である。ある例において、MEK:IPAの比は3:1である。ある例にお
いて、MEK:IPAの比は4:1である。ある例において、MEK:IPAの比は5:1である。ある例にお
いて、MEK:IPAの比は5:1である。ある例において、MEK:IPAの比は7:1である。ある例にお
いて、MEK:IPAの比は8:1である。ある例において、MEK:IPAの比は5:1である。ある例にお
いて、MEK:IPAの比は5:2である。ある例において、MEK:IPAの比は6:2である。ある例にお
いて、MEK:IPAの比は7:2である。ある例において、MEK:IPAの比は8:2である。ある例にお
いて、MEK:IPAの比は9:2である。ある例において、MEK:IPAの比は10:3である。ある例に
おいて、MEK:IPAの比は11:3である。ある例において、MEK:IPAの比は5:3である。ある例
において、MEK:IPAの比は6:3である。ある例において、MEK:IPAの比は7:3である。ある例
において、MEK:IPAの比は8:3である。ある例において、MEK:IPAの比は9:3である。ある例
において、MEK:IPAの比は10:3である。ある例において、MEK:IPAの比は11:3である。
【0083】
ある例において、MEK:IPAの比は7:3である。
【0084】
いくつかの例において、溶媒は、MEKとIPAとシクロヘキサノンの組合せである。
【0085】
いくつかの例において、本明細書における溶媒は、水をさらに含む。
【0086】
(I.焼結)
本明細書に示されるグリーン膜は、関連分野で公知の焼結方法によって焼結することが
できる。2014年10月7日に出願されたPCT/US2014/059578号、Li二次電池用のガーネット材
料並びにガーネット材料を作製及び使用する方法(Garnet Materials for Li Secondary B
atteries and Methods of Making and Using Garnet Materials)に示されている焼結条件
は、あらゆる目的のために引用により完全に本明細書中に組み込まれる。
【0087】
本明細書に示されるグリーン膜は、雰囲気に曝されているオーブンの中で焼結すること
ができる。いくつかの例において、該膜は、O2に富む雰囲気中で焼結される。他の例にお
いて、該膜は、アルゴンに富む雰囲気中で焼結される。さらに他の例において、該膜は、
アルゴン/H2雰囲気中で焼結される。他の例において、該膜は、アルゴン/H2O雰囲気中で
焼結される。いくつかの例において、該膜を焼結するために使用される雰囲気は、該膜を
焼結した後に該膜を冷却するために使用される雰囲気と同じではない。
【0088】
いくつかの例において、該方法は、膜を焼結することを含み、ここで、該焼結すること
は、加熱焼結することを含む。これらの例のいくつかにおいて、加熱焼結することは、膜
を、約700℃~約1200℃の範囲で、約1~約600分間、及び1e-1気圧~1e-15気圧の範囲の酸
素分圧を有する雰囲気中で加熱することを含む。
【0089】
本明細書に示される方法のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を、約700℃~
約1250℃;又は約800℃~約1200℃;又は約900℃~約1200℃;又は約1000℃~約1200℃;又は
約1100℃~約1200℃の範囲で加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法
のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を、約700℃~約1100℃;又は約700℃~約1
000℃;又は約700℃~約900℃;又は約700℃~約800℃の範囲で加熱することを含むことが
できる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を、約70
0℃、約750℃、約850℃、約800℃、約900℃、約950℃、約1000℃、約1050℃、約1100℃、
約1150℃、又は約1200℃まで加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法
のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を、700℃、750℃、850℃、800℃、900℃
、950℃、1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、又は1200℃まで加熱することを含むことが
できる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を約700
℃まで加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、
加熱焼結することは、膜を約750℃まで加熱することを含むことができる。本明細書に示
される方法のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を約850℃まで加熱することを
含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、加熱焼結することは、
膜を約900℃まで加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれか
において、加熱焼結することは、膜を約950℃まで加熱することを含むことができる。本
明細書に示される方法のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を約1000℃まで加熱
することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、加熱焼結す
ることは、膜を約1050℃まで加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法
のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を約1100℃まで加熱することを含むことが
できる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を約1125
℃まで加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、
加熱焼結することは、膜を約1150℃まで加熱することを含むことができる。本明細書に示
される方法のいずれかにおいて、加熱焼結することは、膜を約1200℃まで加熱することを
含むことができる。
【0090】
本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約1~約600分間加熱する
ことを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を
約20~約600分間加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれか
において、該方法は、膜を約30~約600分間加熱することを含むことができる。本明細書
に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約40~約600分間加熱することを含
むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約50~約
600分間加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて
、該方法は、膜を約60~約600分間加熱することを含むことができる。本明細書に示され
る方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約70~約600分間加熱することを含むことが
できる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約80~約600分間
加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法
は、膜を約90~約600分間加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法の
いずれかにおいて、該方法は、膜を約100~約600分間加熱することを含むことができる。
本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約120~約600分間加熱する
ことを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を
約140~約600分間加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれか
において、該方法は、膜を約160~約600分間加熱することを含むことができる。本明細書
に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約180~約600分間加熱することを含
むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約200~
約600分間加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおい
て、該方法は、膜を約300~約600分間加熱することを含むことができる。本明細書に示さ
れる方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約350~約600分間加熱することを含むこと
ができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約400~約600分
間加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方
法は、膜を約450~約600分間加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法
のいずれかにおいて、該方法は、膜を約500~約600分間加熱することを含むことができる
。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約1~約500分間加熱する
ことを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を
約1~約400分間加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかに
おいて、該方法は、膜を約1~約300分間加熱することを含むことができる。本明細書に示
される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約1~約200分間加熱することを含むこと
ができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法は、膜を約1~約100分間
加熱することを含むことができる。本明細書に示される方法のいずれかにおいて、該方法
は、膜を約1~約50分間加熱することを含むことができる。
【0091】
いくつかの例において、焼結プロセスは、濾過工程をさらに含むことができる。
【0092】
いくつかの例において、焼結プロセスは、脱気工程をさらに含むことができる。
【0093】
いくつかの例において、焼結プロセスは、閉じられているが、密閉されていない、炉(
すなわち、オーブン、加熱室)の中で焼結することを含むことができる。これらの例のい
くつかにおいて、焼結膜は、任意に同じくその間にあるセッターシート又は層とともに、
セッタープレート間に配置され、焼結膜は、Liの犠牲源に隣接して又はごく接近して配置
される。このLiの犠牲源は、焼結ガーネットからの蒸発によるLi損失を防ぐのに役立つ。
いくつかの例において、閉鎖系は、アルゴンガス、アルゴンガスと水素ガスもしくは水の
いずれかの混合物、空気、純化された空気、又は窒素を含む。これらの例のいくつかにお
いて、Liの犠牲源は、焼結されるグリーンテープの表面積よりも大きい表面積を有する。
いくつかの例において、Li源及び焼結グリーン膜は、同じタイプのリチウム充填ガーネッ
トを有する。
【0094】
(J.他のデバイス構成要素を伴う焼結)
ある例において、グリーン膜は、電気化学デバイス中で使用された場合に焼結後の膜が
組み合わされる他の構成要素と接している間に焼結される。例えば、いくつかの例におい
て、グリーン膜は、グリーン膜を焼結した後に、焼結膜が正極に接着するように、正極組
成物に重層又は積層される。別の例において、グリーン膜は、金属粉末(例えば、ニッケ
ル(Ni)粉末)と接している間に焼結される。グリーン膜が焼結し、金属粉末が固体金属箔
になると、焼結膜は金属箔に結合する。これらの焼結条件の利点は、電気化学デバイスの
複数の成分を1工程で調製することができ、したがって、製造時間及び資源を節約するこ
とができることである。
【0095】
(K.粉砕)
本明細書に記載されているように、いくつかの列挙された方法は、混合に関する方法工
程及び又は粉砕に関する方法工程を含む。粉砕には、ボール粉砕が含まれる。粉砕には、
限定されないが、エタノール、イソプロパノール、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチル、
アセトン、アセトニトリル、又はこれらの組合せなどの不活性溶媒を使用する粉砕法も含
まれる。粉砕される材料によっては、溶媒は不活性でなくてもよい。これらの例のいくつ
かにおいて、粉砕は、限定されないが、エタノール、イソプロパノール、トルエン、酢酸
エチル、酢酸メチル、アセトン、アセトニトリル、MEK、又はこれらの組合せなどの溶媒
を用いる粉砕を含む。
【0096】
いくつかの例において、粉砕はボール粉砕である。いくつかの例において、粉砕は水平
粉砕である。いくつかの例において、粉砕は摩砕機粉砕である。いくつかの例において、
粉砕は浸漬粉砕である。いくつかの例において、粉砕はジェット粉砕である。いくつかの
例において、粉砕はスチームジェット粉砕である。いくつかの例において、粉砕は高エネ
ルギー粉砕である。いくつかの例において、高エネルギー粉砕プロセスは、約100nmのd50
を有する粉砕粒径分布をもたらす。いくつかの例において、粉砕は浸漬粉砕である。
【0097】
いくつかの例において、高エネルギー粉砕プロセスを用いて、約100nmのd50を有する粒
径分布を達成する。いくつかの例において、溶媒はトルエンである。いくつかの例におい
て、溶媒はイソプロピルアルコール(IPA)である。いくつかの例において、溶媒はエタノ
ールである。いくつかの例において、溶媒はジアセトンアルコールである。いくつかの例
において、溶媒は、列挙されたd50サイズを達成するのに好適な極性溶媒である。
【0098】
いくつかの例において、粉砕は、0.3mmのイットリウム安定化酸化ジルコニウム摩砕媒
体ビーズを用いる高エネルギー湿式粉砕プロセスを含む。いくつかの例において、ボール
粉砕、水平粉砕、摩砕機粉砕、又は浸漬粉砕を使用することができる。いくつかの例にお
いて、高エネルギー粉砕プロセスを使用すると、約100nmから5000nmのd50の粒径分布が生
じる。
【0099】
いくつかの例において、粉砕は、篩別、遠心分離、又は異なるサイズ及び/もしくは質
量の粒子を分離する他の公知の検査(laboratory)などの分級工程を含むことができる。
【実施例0100】
(L.実施例)
SEM電子顕微鏡観察は、Helios 600i又はFEI Quantaで実施された。表面粗さは、高さを
測定し、粗さ値を計算することができる光学顕微鏡、例えば、Keyence VRによって測定さ
れた。
【0101】
使用された焼結装置は、特注の温度及び気体流制御システムを備えた、1e-1~1e-20気
圧の酸素分圧範囲の制御された雰囲気を有する3インチの実験チューブ炉を含んでいた。
【0102】
(実施例1-グリーンテープの作製及び焼結方法)
12.25gのイソプロパノール、1.875gのポリビニルブチラール、1.875gのジブチルフタレ
ート、2.81gのリン酸エステル、及び9gのテトラヒドロフランと混合された18.75gのリチ
ウム充填ガーネット(バッチ配合、Li7.1Zr2La3O12+0.5Al2O3)源粉末を含む第一のスラリ
ーを調製した。
【0103】
12.25gのイソプロパノール、1.875gのポリビニルブチラール、1.875gのジブチルフタレ
ート、2.81gのリン酸エステル、及び9gのトルエンと混合された18.75gのリチウム充填ガ
ーネット源粉末を含む第二のスラリーを調製した。
【0104】
イソプロパノール及び20重量%のブタノールを含む12.25gの混合溶媒、並びに1.875gの
ポリビニルブチラール、1.875gのジブチルフタレート、及び2.81gのリン酸エステル、並
びに9gのテトラヒドロフランと混合された18.75gのリチウム充填ガーネット源粉末を含む
第三のスラリーを調製した。
【0105】
イソプロパノール及び20重量%のブタノールを含む12.25gの混合溶媒、1.875gのポリビ
ニルブチラール、1.875gのジブチルフタレート、2.81gのリン酸エステル、並びに9gのト
ルエンと混合された18.75gのリチウム充填ガーネット源粉末を含む第四のスラリーを調製
した。
【0106】
各々のスラリーについての、摩擦粉砕の前後のリチウム充填ガーネット源粉末の粒子形
態を、ぞれぞれ、図5及び6に示す。
【0107】
本実施例では、リチウム充填ガーネットのスラリーをドクターブレーディングによって
基板上に流延し、その後、流延スラリーを2つの多孔性ガーネットセッタープレートの間
に配置することによって、それを焼結することにより、グリーンテープを調製し、その後
、セッタープレートから除去した。一実施例では、スラリーから流延したテープを1100℃
で1~5時間焼結した。別の実施例では、該テープを1125℃で1~5時間焼結した。別の実施
例では、該テープを1150℃で1~5時間焼結した。焼結する前に、バインダーを高圧のO2(P
O2)及びH2O中で燃やし尽くした。焼結の間、焼結膜の周辺の雰囲気は、0.5~10-20気圧の
範囲のPO2を有していた。
【0108】
スラリー組成物1を用いて本実施例で作製されたグリーンテープを、図2に示されている
ようなSEM顕微鏡法によって解析した。
【0109】
(実施例2-グリーンテープの作製及び焼結方法)
本実施例では、以下の成分を列挙された重量パーセント(%)で有する、以下のスラリー
(スラリー1、スラリー2、及びスラリー3)を調製した。源粉末は、バッチ配合された、Li7
.1Zr2La3O12+0.5Al2O3であった。下記の「固体」は、Rhodoline 4160の固形分を指す。
【表1】
【0110】
本実施例では、以下の成分を列挙された重量パーセント(%)で有する、以下のバインダ
ー混合物を調製した:
【表2】
【0111】
スラリー1をバインダー混合物1と2.4の重量比で混合して、混合スラリーを形成させた
。スラリー2をバインダー混合物2と2.1の重量比の重量比で混合して、混合スラリーを形
成させた。スラリー3をバインダー混合物3と2.の重量比の重量比で混合して、混合スラリ
ーを形成させた。
【0112】
本実施例では、各々の混合スラリーをドクターブレーディングによって基板上に流延し
、その後、流延スラリーを2つの多孔性ガーネットセッタープレートの間に配置すること
によって、それを焼結することにより、グリーンテープを調製し、その後、セッタープレ
ートから除去した。一実施例では、スラリーから流延したテープを1100℃で1~5時間焼結
した。別の実施例では、該テープを1125℃で1~5時間焼結した。別の実施例では、該テー
プを1150℃で1~5時間焼結した。焼結する前に、バインダーを高圧のO2(PO2)及びH2O中で
燃やし尽くした。焼結の間、焼結膜の周辺の雰囲気は、0.5~10-20気圧の範囲のPO2を有
していた。
【0113】
スラリー組成物1及びバインダー混合物1を用いて本実施例で作製された焼結膜を、図4
に示されているようなSEM顕微鏡法によって解析した。
【0114】
(実施例3-グリーンテープの重層化及び焼結方法)
本実施例では、スラリー及びバインダー混合物を実施例2と同様に調製し、組み合わせ
た。次に、各々の混合スラリーをドクターブレーディングによって基板上に流延すること
により、グリーンテープを調製した。流延混合スラリーを空気中で乾燥させておいて、グ
リーンテープを形成させた。次に、グリーンテープの第二の層を乾燥したグリーンテープ
上に堆積させた。5層のグリーンテープが互いの上部に積層されるまで、このプロセスを
繰り返した。その後、積層されたグリーンテープを2つの多孔性ガーネットセッタープレ
ートの間に配置することによって、それを焼結し、その後、セッタープレートから除去し
た。積層されたグリーンテープを、一実施例では、1100℃で1~5時間焼結した。別の実施
例では、該テープを1125℃で1~5時間焼結した。別の実施例では、該テープを1150℃で1
~5時間焼結した。焼結する前に、バインダーを高圧のO2(PO2)及びH2O中で燃やし尽くし
た。焼結の間、焼結膜の周辺の雰囲気は、0.5~10-20気圧の範囲のPO2を有していた。
【0115】
本実施例で前述のグリーンテープを用いて作製された焼結膜を、図3に示されているよ
うな光学イメージングによって解析した。
【0116】
本開示の実施態様の上述の説明は例示目的で提示されており;これは、包括的であるこ
とも、特許請求の範囲を開示された正確な形態に限定することも意図されない。関連分野
の当業者は、ルーチンの実験のみを用いて、数多くの等価物、修飾物、及び変形物が上記
の開示に照らして可能であることを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に実質的に記載された、新規な物、方法及び製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
本明細書で使用される場合、「pH改変剤」という語句は、流延スラリーのより良好な分
散安定性を達成するために、スラリーに添加して、スラリーの酸性又は塩基性を調整する
ことができる酸又は塩基を指す。pH改変剤としては、クエン酸及び水酸化アンモニウム
並びに他の同等のpH改変剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
本明細書で使用される場合、「リン酸エステル」という語句は、例えば、Hypermer KD-
23(商標)、Hypermer KD-24(商標)、Phoschem PD(商標)、Phoschem R-6(商標)、Phosphola
n PS-131(商標)、及びRhodoline 4160(商標)として知られる、リン酸エステルを指す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
各々のスラリーについての、摩擦粉砕の前後のリチウム充填ガーネット源粉末粒子形
である
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
(実施例2-グリーンテープの作製及び焼結方法)
本実施例では、以下の成分を列挙された重量パーセント(%)で有する、以下のスラリー
(スラリー1、スラリー2、及びスラリー3)を調製した。源粉末は、バッチ配合された、Li7
.1Zr2La3O12+0.5Al2O3であった
【表1】
【手続補正書】
【提出日】2024-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
本開示の実施態様の上述の説明は例示目的で提示されており;これは、包括的であるこ
とも、特許請求の範囲を開示された正確な形態に限定することも意図されない。関連分野
の当業者は、ルーチンの実験のみを用いて、数多くの等価物、修飾物、及び変形物が上記
の開示に照らして可能であることを理解することができる。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
グリーンテープを焼結する方法であって:
(a)少なくとも1つの源粉末を提供すること;
(b)該少なくとも1つの源粉末を改変して、改変された源粉末を調製すること;
(c)該改変された源粉末のスラリーを提供すること;
(d)該スラリーを流延して、グリーンテープを形成させること;
(e)該グリーンテープを乾燥させること;及び
(f)該グリーンテープを焼結すること
を含む、前記方法。
(構成2)
前記グリーンテープ中の源粉末の量が、少なくとも50重量%、55重量%、60重量%、65
重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、又は90%重量である、構成1記載の
方法。
(構成3)
前記グリーンテープ中の源粉末の量が少なくとも60重量%又は少なくとも70重量%であ
る、構成2記載の方法。
(構成4)
前記少なくとも1つの源粉末が、リチウム充填ガーネット、リチウム充填ガーネットの
化学前駆物質、及び酸化アルミニウムドーパントを含むリチウム充填ガーネットからなる
群から選択される、構成1~3のいずれか一項記載の方法。
(構成5)
前記少なくとも1つの源粉末がリチウム充填ガーネットの粉末である、構成1~4のいず
れか一項記載の方法。
(構成6)
前記少なくとも1つの源粉末がLi 7.1 Zr 2 La 3 O 12 +0.5Al 2 O 3 である、構成1~5のいずれか
一項記載の方法。
(構成7)
前記少なくとも1つの源粉末がリチウム充填ガーネットである、構成1~5のいずれか一
項記載の方法。
(構成8)
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末が粒径分布を
有するように改変することを含む、構成1~5のいずれか一項記載の方法。
(構成9)
前記粒径分布が、100nm、200nm、300nm、400nm、1μm、2μm、3μm、又は4μmを中心と
する、構成8記載の方法。
(構成10)
前記粒径分布が0.1~1μmを中心とする、構成8記載の方法。
(構成11)
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末を粉砕するこ
とを含む、構成1~10のいずれか一項記載の方法。
(構成12)
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末の表面積を増
大させることを含む、構成1~11のいずれか一項記載の方法。
(構成13)
前記粉砕が、乾燥粉砕、摩擦粉砕、超音波処理粉砕、高エネルギー粉砕、湿式粉砕、ジ
ェット粉砕、及び低温粉砕からなる群から選択される、構成11記載の方法。
(構成14)
前記粉砕が、イソプロパノール又はブタノールから選択される溶媒を使用することを含
む、構成11記載の方法。
(構成15)
前記粉砕が、メチル-エチルケトン(MEK)又はトルエンから選択される溶媒を使用するこ
とを含む、構成11記載の方法。
(構成16)
前記粉砕が、メチル-エチルケトン(MEK)を含む溶媒を使用することを含む、構成11記載
の方法。
(構成17)
前記溶媒がイソプロパノール(IPA)をさらに含む、構成16記載の方法。
(構成18)
前記溶媒がシクロヘキサノンをさらに含む、構成17記載の方法。
(構成19)
MEK:IPAの比が、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、又は2:8 w/wである、構成15~18のい
ずれか一項記載の方法。
(構成20)
シクロヘキサノンの量が約10~25重量%である、構成17~18のいずれか一項記載の方法

(構成21)
前記溶媒が共沸混合物である、構成15~20のいずれか一項記載の方法。
(構成22)
前記少なくとも1つの源粉末の表面積が、該少なくとも1つの源粉末を改変している間に
、少なくとも3m 2 /gに増大する、構成11~20のいずれか一項記載の方法。
(構成23)
前記少なくとも1つの源粉末の表面積が、該少なくとも1つの源粉末を改変している間に
、少なくとも5m 2 /gに増大する、構成22記載の方法。
(構成24)
前記少なくとも1つの源粉末の表面積が、該少なくとも1つの源粉末を改変している間に
、少なくとも8m 2 /gかつ15m 2 /g未満に増大する、構成22記載の方法。
(構成25)
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末の粒子の平均
粒径を減少させることを含む、構成1~24のいずれか一項記載の方法。
(構成26)
前記粉砕が、湿式粉砕又は高エネルギー粉砕である、構成13記載の方法。
(構成27)
前記粉砕が、非プロトン性溶媒、有機溶媒、リチウム充填ガーネット中でLiをプロトン
交換しない溶媒、及びこれらの組合せからなる群から選択される溶媒を使用することを含
む、構成13記載の方法。
(構成28)
前記粉砕が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール
、イソブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチル-エチルケトン(MEK)、アセトン、ト
ルエン、ヘキサン、酢酸、及びこれらの組合せからなる群から選択される溶媒を使用する
ことを含む、構成13記載の方法。
(構成29)
前記改変された源粉末が、100nm~200nm、200nm~300nm、300nm~400nm、400nm~500nm
、500nm~600nm、600nm~700nm、700nm~800nm、800nm~900nm、900nm~1000nm、1000nm
~1100nm、2000nm~2200nm、3000nm~3300nm、又は4000nm~4400nmのd 50 粒径を有する粒
径分布を有する、構成1~28のいずれか一項記載の方法。
(構成30)
前記改変された源粉末が、100nm~200nm、200nm~300nm、300nm~400nm、400nm~500nm
、500nm~600nm、600nm~700nm、700nm~800nm、800nm~900nm、又は900nm~1000nmのd 50
粒径を有する粒径分布を有する、構成1~28のいずれか一項記載の方法。
(構成31)
前記d 50 が、100nm~200nm、200nm~300nm、又は300nm~400nmである、構成30記載の方
法。
(構成32)
前記焼結することの前に、前記グリーンテープの応力を緩和することをさらに含む、構
成1~31のいずれか一項記載の方法。
(構成33)
複数のグリーンテープを一緒に積層することをさらに含む、構成1~32のいずれか一項
記載の方法。
(構成34)
1つのグリーンテープを第二のグリーンテープの上に積層することをさらに含む、構成1
~32のいずれか一項記載の方法。
(構成35)
工程(d)の前に、前記改変された源粉末のスラリーと、ポリプロピレン(PP)、アタクチ
ックポリプロピレン(aPP)、イソタクチックポリプロピレン(iPP)、ポリビニルブチラール
(PVB)、アクリル、ポリエチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)
、ポリビニルピロリドン(PVP)、アタクチックポリプロピレン(aPP)、イソタクティブポリ
プロピレンエチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンペンテンコポリマー(EPC)、ポリイソ
ブチレン(PIB)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン、ポリエチレン-コポリ-
1-オクテン(PE-コ-PO); PE-コ-ポリ(メチレンシクロペンタン)(PE-コ-PMCP);ステレオブ
ロックポリプロピレン、ポリプロピレンポリメチルペンテンコポリマー、ポリプロピレン
カーボネート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シリコーン、及びこれら
の組合せからなる群から選択されるバインダーを混合することをさらに含む、構成1~32
のいずれか一項記載の方法。
(構成36)
前記スラリーが、ポリプロピレン(PP)、アタクチックポリプロピレン(aPP)、イソタク
チックポリプロピレン(iPP)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル、ポリエチルメタク
リレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アタ
クチックポリプロピレン(aPP)、イソタクティブポリプロピレンエチレンプロピレンゴム(
EPR)、エチレンペンテンコポリマー(EPC)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブタジエン
ゴム(SBR)、ポリオレフィン、ポリエチレン-コポリ-1-オクテン(PE-コ-PO); PE-コ-ポリ(
メチレンシクロペンタン)(PE-コ-PMCP);ステレオブロックポリプロピレン、ポリプロピレ
ンポリメチルペンテンコポリマー、ポリプロピレンカーボネート、メチルメタクリレート
、エチルメタクリレート、シリコーン、及びこれらの組合せからなる群から選択されるバ
インダーを含む、構成1~35のいずれか一項記載の方法。
(構成37)
前記少なくとも1つの源粉末が、式Li x La y Zr z O t ・qAl 2 O 3 (式中、4<x<10、1<y<4、1
<z<3、6<t<14、0≦q≦1である)によって特徴付けられるLi充填ガーネット化合物であ
る、構成1~36のいずれか一項記載の方法。
(構成38)
前記少なくとも1つの源粉末が、式Li 7-x La 3 Zr 2 O 12 ・qAl 2 O 3 (式中、qは、0、0.3、0.35
、0.5、0.75、又は1.0であり、かつ0≦x≦1である)によって特徴付けられるLi充填ガーネ
ット化合物である、構成1~37のいずれか一項記載の方法。
(構成39)
前記少なくとも1つの源粉末を改変することが、該少なくとも1つの源粉末を粉砕し、ニ
トリル、ニトリルブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジ
エンゴム(SBR)、PVDF-HFP、PAN、水性適合性ポリマー、アタクチックポリプロピレン(aPP
)、シリコーン、ポリイソブチレン(PIB)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、PMX-200 PDMS(
ポリジメチルシロキサン/ポリシロキサン、すなわち、PDMS、又はシリコーン)、ポリアク
リロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニ
ルブチラール(PVB)、ポリフッ化(ビニリデン)-ヘキサフルオロプロピレンPVDF-HFP、及び
これらの組合せからなる群から選択される分散剤又はポリマーを組み込むことを含む、構
成1~38のいずれか一項記載の方法。
(構成40)
前記スラリーを提供することが、以下のもの:
メタノール、MEK、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、アセトン、シ
クロヘキサノール、トルエン、酢酸、ベンゼン、及びこれらの組合せからなる群から選択
される溶媒;
魚油、PVB、KD1、アクリル酸、triton、リン酸エステル、その誘導体、及びこれらの組
合せからなる群から選択されるバインダー;
ベンジルブチルフタレート又はジ-ブチルフタレートからなる群から選択される可塑剤;
pH改変剤;
選択される焼結助剤;並びに
リチウム充填ガーネットから選択される源粉末
のうちの少なくとも2つ以上を混合することにより、該スラリーを配合することを含む、
構成1~39のいずれか一項記載の方法。
(構成41)
前記ベンジルブチルフタレートがベンジルブチルフタレート9S-160(商標)である、構成
40記載の方法。
(構成42)
前記改変することが、前記少なくとも1つの源粉末を粒径に基づいて分級することを含
む、構成1~41のいずれか一項記載の方法。
(構成43)
分級することが、篩別、遠心分離、及び異なるサイズの粒子を分離することからなる群
から選択される技法である、構成42記載の方法。
(構成44)
分級することが、篩別、遠心分離、及び異なる質量の粒子を分離することからなる群か
ら選択される技法である、構成42記載の方法。
(構成45)
前記スラリーが1%~99wt%の固体負荷を有し、ここで、該固体負荷が源粉末の量を指
す、構成1~42のいずれか一項記載の方法。
(構成46)
前記スラリーが、乾燥したとき、約80%w/wの源粉末を有する、構成1~42のいずれか一
項記載の方法。
(構成47)
前記スラリーが、乾燥したとき、約10~25%w/wの有機含有量を有し、ここで、該有機
含有量が前記源粉末以外のスラリー成分を指す、構成1~42のいずれか一項記載の方法。
(構成48)
前記スラリーが、乾燥したとき、約10~25%w/wの有機含有物を有し、ここで、該有機
含有物が前記源粉末以外のスラリー成分を指し、該源粉末がリチウム充填ガーネットであ
る、構成1~42のいずれか一項記載の方法。
(構成49)
前記スラリー中のバインダー及び可塑剤の量が約10~25%w/wの有機含有物であり、こ
こで、該有機含有物が前記源粉末以外のスラリー成分を指し、該源粉末がリチウム充填ガ
ーネットである、構成1~42のいずれか一項記載の方法。
(構成50)
源粉末が50nm~5μmのd 50 を有する粒径分布を有する、構成1~49のいずれか一項記載の
方法。
(構成51)
前記源粉末がリチウム充填ガーネットである、構成1~50のいずれか一項記載の方法。
(構成52)
前記源粉末が式Li 7.1 Zr 2 La 3 O 12 +0.5Al 2 O 3 によって特徴付けられる、構成1~50のいず
れか一項記載の方法。
(構成53)
前記源粉末が、バッチ配合された、式Li 7.1 Zr 2 La 3 O 12 +0.5Al 2 O 3 によって特徴付けられ
る、構成1~50のいずれか一項記載の方法。
(構成54)
流延グリーン膜を調製するためのスラリーであって:
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノ
ール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノ
ール、酢酸メチル、酢酸エチル、メチル-エチルケトン(MEK)、アセトン、トルエン、ヘキ
サン、酢酸、及びこれらの組合せからなる群から選択される溶媒;
魚油、ポリビニルブチレン(PVB)、KD1、アクリル酸、triton、リン酸エステル、及びそ
の誘導体からなる群から選択されるバインダー;
ベンジルブチルフタレート又はジ-ブチルフタレートからなる群から選択される可塑剤;
任意に、pH改変剤;
任意に、焼結助剤;並びに
リチウム充填ガーネットから選択される源粉末
のうちの少なくとも2つ以上を含む、前記スラリー。
(構成55)
源粉末の量が、少なくとも50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重
量%、80重量%、85重量%、又は90%重量である、構成54記載のスラリー。
(構成56)
源粉末の量が、少なくとも60重量%、65重量%、70重量%、又は75重量である、構成54
記載のスラリー。
(構成57)
前記源粉末が、リチウム充填ガーネット、リチウム充填ガーネットの化学前駆物質、及
び酸化アルミニウムドーパントを含むリチウム充填ガーネットからなる群から選択される
、構成54~56のいずれか一項記載のスラリー。
(構成58)
可塑剤、pH改変剤、及び焼結助剤を含む、構成54~57のいずれか一項記載のスラリー。
(構成59)
前記源粉末が約3μmのd 50 に粉砕されたガーネット粉末を含み、前記バインダーがMEK中
のポリメチルメタクリレートを含む、構成54~58のいずれか一項記載のスラリー。
(構成60)
MEK、リン酸エステル、及びシクロヘキサノンを含む、構成54~59のいずれか一項記載
のスラリー。
(構成61)
前記溶媒がメチル-エチルケトン(MEK)又はトルエンから選択される、構成54~60のいず
れか一項記載のスラリー。
(構成62)
前記溶媒がメチル-エチルケトン(MEK)を含む、構成54~61のいずれか一項記載のスラリ
ー。
(構成63)
前記溶媒がイソプロパノール(IPA)をさらに含む、構成54~62のいずれか一項記載のス
ラリー。
(構成64)
前記溶媒がシクロヘキサノンをさらに含む、構成54~63のいずれか一項記載のスラリー

(構成65)
MEK:IPAの比が、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、又は2:8 w/wである、構成54~64のい
ずれか一項記載のスラリー。
(構成66)
シクロヘキサノンの量が約10~25重量%である、構成54~65のいずれか一項記載のスラ
リー。
(構成67)
前記溶媒が共沸混合物である、構成54~66のいずれか一項記載のスラリー。
(構成68)
前記源粉末がリチウム充填ガーネットである、構成54~67のいずれか一項記載のスラリ
ー。
(構成69)
前記スラリー中のリチウム充填ガーネットの量が少なくとも70%w/wである、構成68記
載のスラリー。
(構成70)
前記スラリー中の源粉末の濃度が約50wt%であり、該スラリー中のバインダーの濃度が
約50wt%である、構成54~69のいずれか一項記載のスラリー。
(構成71)
前記スラリー中の源粉末の濃度が約2~80%w/wである、構成54~70のいずれか一項記載
のスラリー。
(構成72)
前記スラリー中の源粉末の濃度が約50wt%であり、該スラリー中のバインダーの濃度が
約30wt%である、構成54~70のいずれか一項記載のスラリー。
(構成73)
約47.5wt%の溶媒及び0.5wt%の可塑剤を含む、構成54~68記載のスラリー。
(構成74)
前記グリーン膜が100/mm 2 未満の密度のフロックを含み、ここで、フロックが、グリー
ン膜のFIB横断面SEMによって測定したとき、直径>5umのバインダー凝集体である、構成5
4~73のいずれか一項記載のスラリー。
(構成75)
源粉末;
溶媒;
バインダー;及び
分散剤;
を含むグリーンテープであって、該グリーンテープが3.9g.cm 3 超かつ5.0g.cm 3 未満のピク
ノメトリー密度を有する、前記グリーンテープ。
(構成76)
可塑剤、pH改変剤、及び焼結助剤から選択される部材をさらに含む、構成75記載のグリ
ーンテープ。
(構成77)
前記分散剤が、KD-1、魚油、及びRhodline 4160から選択される、構成75記載のグリー
ンテープ。
(構成78)
前記可塑剤が、DBP、BBP、及びPEGから選択される、構成75記載のグリーンテープ。
(構成79)
クエン酸又は水酸化アンモニアから選択されるpH改変剤を含む、構成75記載のグリーン
テープ。
(構成80)
MgO、Al 2 O 3 、及びこれらの組合せから選択される焼結助剤を含む、構成75記載のグリー
ンテープ。
(構成81)
溶媒が共沸混合物である、構成75~80のいずれか一項記載のグリーンテープ。
(構成82)
溶媒が極性非プロトン性共沸混合物である、構成75~81のいずれか一項記載のグリーン
テープ。
(構成83)
溶媒が、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトン、1-ブ
タノール、2-ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、エタノール、イソプロ
パノール、メタノール、1-プロパノール、プロピレンカーボネート、ヘキサン、1-プロパ
ノール、m-キシレン、及びペンタンから選択される、構成75~82のいずれか一項記載のグ
リーンテープ。
(構成84)
前記溶媒が、メチル-エチルケトン(MEK)又はトルエンから選択される、構成75~83のい
ずれか一項記載のグリーンテープ。
(構成85)
前記溶媒がメチル-エチルケトン(MEK)を含む、構成75~84のいずれか一項記載のグリー
ンテープ。
(構成86)
前記溶媒がイソプロパノール(IPA)をさらに含む、構成75~85のいずれか一項記載のグ
リーンテープ。
(構成87)
前記溶媒がシクロヘキサノンをさらに含む、構成75~86のいずれか一項記載のグリーン
テープ。
(構成88)
MEK:IPAの比が、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、又は2:8 w/wである、構成75~87のい
ずれか一項記載のグリーンテープ。
(構成89)
シクロヘキサノールの量が約10~25重量%である、構成87~88のいずれか一項記載のグ
リーンテープ。
(構成90)
3よりも大きい極性指数を有する、構成75~89のいずれか一項記載のグリーンテープ。
(構成91)
4g/cm 3 の密度を有するリチウム充填ガーネットの源粉末;並びにMEK及びIPAを含む溶媒
を含む、構成75~90のいずれか一項記載のグリーンテープ。
(構成92)
4g/cm 3 の密度を有するリチウム充填ガーネットの源粉末;並びにMEK、IPA、及びシクロ
ヘキサノンを含む溶媒を含む、構成75~91のいずれか一項記載のグリーンテープ。
(構成93)
グリーンテープを作製する方法であって、
(a)スラリーを提供すること;
(b)バインダー混合物を提供すること;
(c)該スラリーを該バインダー混合物と混合して、混合スラリーを形成させること;及び
(d)該混合スラリーを流延して、グリーンテープを提供すること
を含む、前記方法。
(構成94)
前記スラリーが、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノ
ール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、酢酸メチル、
酢酸エチル、メチル-エチルケトン(MEK)、アセトン、トルエン、ヘキサン、酢酸、及びこ
れらの組合せからなる群から選択される溶媒;
魚油、ポリビニルブチレン(PVB)、KD1、アクリル酸、triton、リン酸エステル、及びそ
の誘導体からなる群から選択されるバインダー;
ベンジルブチルフタレート又はジ-ブチルフタレートからなる群から選択される可塑剤;
任意に、pH改変剤;
任意に、焼結助剤;並びに
リチウム充填ガーネットから選択される源粉末
のうちの少なくとも2つ以上を含む、構成93記載の方法。
(構成95)
前記グリーンテープを焼結することをさらに含む、構成92~93のいずれか一項記載の方
法。
(構成96)
工程(a)の前に、前記スラリーを粉砕することを含む、構成92~93のいずれか一項記載
の方法。
(構成97)
前記スラリーを粉砕することが、該スラリー中の粒子の粒径が、100nm~200nm、200nm
~300nm、300nm~400nm、400nm~500nm、500nm~600nm、600nm~700nm、700nm~800nm、8
00nm~900nm、900nm~1000nm、1000nm~1100nm、2000nm~2200nm、3000nm~3300nm、又は
4000nm~4400nmのd 50 粒径を有するまで粉砕することを含む、構成96のいずれか一項記載
の方法。
(構成98)
前記スラリーが以下のものを含む、構成92~97のいずれか一項記載の方法:
(表1)

(構成99)
前記スラリーが以下のものを含む、構成92~97のいずれか一項記載の方法:
(表2)

(構成100)
前記スラリーが以下のものを含む、構成92~97のいずれか一項記載の方法:
(表3)

(構成101)
前記スラリーが以下のものを含む、構成92~97のいずれか一項記載の方法:
(表4)

(構成102)
前記バインダー混合物が以下のものを含む、構成92~97のいずれか一項記載の方法:
(表5)

(構成103)
前記グリーンテープが50%w/wよりも大きい固体負荷を有する、構成92~102のいずれか
一項記載の方法。
(構成104)
前記グリーンテープが60%w/wよりも大きい固体負荷を有する、構成92~103のいずれか
一項記載の方法。
(構成105)
前記グリーンテープが70%w/wよりも大きい固体負荷を有する、構成92~104のいずれか
一項記載の方法。
(構成106)
前記グリーンテープが80%w/wよりも大きい固体負荷を有する、構成92~105のいずれか
一項記載の方法。
(構成107)
前記グリーンテープが90%w/wよりも大きい固体負荷を有する、構成92~106のいずれか
一項記載の方法。
(構成108)
前記グリーンテープが、200μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、構成92~1
07のいずれか一項記載の方法。
(構成109)
前記グリーンテープが100μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、構成92~108
のいずれか一項記載の方法。
(構成110)
前記グリーンテープが75μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、構成92~109
のいずれか一項記載の方法。
(構成111)
前記グリーンテープが50μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、構成92~110
のいずれか一項記載の方法。
(構成112)
前記グリーンテープが25μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、構成92~111
のいずれか一項記載の方法。
(構成113)
前記グリーンテープが10μm未満かつ1nm超の膜厚さを有する薄膜である、構成92~112
のいずれか一項記載の方法。
(構成114)
(e)前記グリーンテープを乾燥させることをさらに含む、構成92~113のいずれか一項記
載の方法。
(構成115)
(e)前記グリーンテープが約10~25%w/wの有機含有物量を有するまで、それを乾燥させ
ることをさらに含み、ここで、該有機含有物が前記源粉末以外の含有物である、構成92~
113のいずれか一項記載の方法。
(構成116)
(f)第二のグリーンテープを構成92記載のグリーンテープに積層して、グリーンテープ
の積層体を作製することをさらに含む、構成92~113のいずれか一項記載の方法。
(構成117)
前記グリーンテープを焼結することをさらに含む、構成92~115のいずれか一項記載の
方法。
(構成118)
前記グリーンテープの積層体を焼結することをさらに含む、構成92~116のいずれか一
項記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリーンテープを焼結する方法であって、
(a)スラリーを流延して、グリーンテープを形成させること、
ここで、該スラリーが、修飾された源粉末、非プロトン性溶媒、バインダー、及び分散剤を含み、
該グリーンテープ中の該修飾された源粉末の量が、少なくとも75重量%であり、かつ
該修飾された源粉末が、50nm~5μmのd50を有する粒径分布を有する;
(b)該グリーンテープを乾燥させること;
(c)該グリーンテープの応力を緩和すること;及び
(d)該グリーンテープを焼結すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記修飾された源粉末が、少なくとも1つの源粉末、及び非プロトン性溶媒から調製されたものである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの源粉末が、リチウム充填ガーネット粉末である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの源粉末が、式LixLayZrzOt・qAl2O3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14、0≦q≦1である)によって特徴付けられるリチウム充填ガーネット化合物である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの源粉末が、LixZr2La3O12yAl2O3(式中、xは5~9の範囲であり、かつyは0~1の範囲である)である、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの源粉末が、式Li7-xLa3Zr2O12・qAl2O3(式中、qは、0、0.3、0.35、0.5、0.75、又は1.0であり、かつ0≦x≦1である)によって特徴付けられるリチウム充填ガーネット化合物である、請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記源粉末が、式Li7.1Zr2La3O12+0.5Al2O3によって特徴付けられる、請求項2記載の方法。
【請求項8】
前記スラリーが、金属基板上に流延される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記金属基板が、金属箔である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記金属箔が、ニッケル、銅、金、鉄、又はこれらの組合せを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記グリーンテープ中の前記修飾された源粉末の量が、少なくとも85重量%である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記スラリーが、乾燥したとき、約80%w/wの前記修飾された源粉末を有する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記スラリーが、乾燥したとき、約10%w/wの有機含有量を有し、ここで、該有機含有量が、該スラリーの前記修飾された源粉末以外の成分を指す、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記非プロトン性溶媒が、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、酢酸エチル、アセトニトリル、ヘキサン、ノナン、ドデカン、メチルエチルケトン(MEK)、及びこれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記非プロトン性溶媒が、キシレンである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記バインダーが、ポリプロピレン(PP)、アタクチックポリプロピレン(aPP)、イソタクティブポリプロピレン(iPP)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンペンテンコポリマー(EPC)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン、ポリエチレン-コ-ポリ-1-オクテン(PE-コ-PO)、PE-コ-ポリ(メチレンシクロペンタン)(PE-コ-PMCP)、ポリメチル-メタクリレート、アクリルポリマー、アクリル、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、PVB、ポリビニルアセタール樹脂、ステレオブロックポリプロピレン、ポリプロピレンポリメチルペンテンコポリマー、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEOブロックコポリマー、シリコーン、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリプロピレンカーボネート、メチルメタクリレート(又はPMMA)、エチルメタクリレート(又はPEMA)、イソタクチックポリプロピレン(iPP)、及びこれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記バインダーが、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、及びこれらの組合せから選択されるアクリルポリマーである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記分散剤が、リン酸エステル、エステル、例えば、魚油、界面活性剤、フルオロサーファクタント、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルブタジエン(PVB)、ポリアルキレンアミン、アクリルポリマー、及びこれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記スラリーが、可塑剤を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記可塑剤が、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート、及びこれらの組合せから選択される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記グリーンテープ中の前記修飾された源粉末の量が、少なくとも80重量%である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記グリーンテープ中の前記修飾された源粉末の量が、少なくとも85重量%である、請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記グリーンテープ中の前記修飾された源粉末の量が、少なくとも90重量%である、請求項1記載の方法。
【外国語明細書】