(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123009
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】手術用の吹送と洗浄の導管、及びその使用のための方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
A61B17/00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024087340
(22)【出願日】2024-05-29
(62)【分割の表示】P 2021515606の分割
【原出願日】2019-09-19
(31)【優先権主張番号】62/734,660
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515251746
【氏名又は名称】サフィナ・メディカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Saphena Medical, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ジェイ・オーファノス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明の実施形態は、血管採取システムの吹送導管と洗浄導管、及びその使用方法に関する。特に、本発明は、取り付けられた医療装置に気体、液体、及び/又は電力を与えるために組み合わせられたケーブル配線を有するシステム、及びその使用方法に関する。
【解決手段】ケーブル配線装置が提供されている。このケーブル配線は、電力を供給するための電気配線と、媒質を供給するためのルーメンと、電気配線とルーメンの両方を覆うケーブルシールドとを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル配線装置であって、
装置に連結される柔軟で細長いボディと、
電力を供給するため、前記装置のボディ内に少なくとも部分的に配置されている電気配線と、
媒質を供給するため、前記装置のボディ内に少なくとも部分的に配置されているルーメンと、
前記電気配線と前記ルーメンの両方を覆うケーブルシールドとを備える、装置。
【請求項2】
前記電気配線の近位端に連結された電気プラグを備える、請求項1の装置。
【請求項3】
前記ルーメンの近位端に連結されたルーメン接続部を備える、請求項1の装置。
【請求項4】
前記ケーブル配線装置の近位端において、前記ケーブルシールドを分割する分岐部を備える、請求項1の装置。
【請求項5】
医療装置と連結するため、前記ケーブル配線装置の遠位端において、成形ストレインリリーフを備える、請求項1の装置。
【請求項6】
前記電気配線は3つの電線を備えることを特徴とする、請求項1の装置。
【請求項7】
前記ケーブル配線内に少なくとも1つのスペーサを備える、請求項1の装置。
【請求項8】
システムであって、
電源装置と、
少なくとも前記電源装置に操作できるように係合するケーブル配線と、
電力を前記装置に供給するため、前記ケーブル配線内に少なくとも部分的に配置されている電気配線と、
媒質を前記装置に供給するため、前記ケーブル配線内に少なくとも部分的に形成されているルーメンとを備える、システム。
【請求項9】
前記装置のボディは、内視鏡血管採取装置であることを特徴とする、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記ルーメンは、手術装置による供給のために、送気ガスを供給するための吹送経路であることを特徴とする、請求項8のシステム。
【請求項11】
前記ルーメンは、手術装置による供給のために、洗浄を与えるための洗浄経路であることを特徴とする、請求項8のシステム。
【請求項12】
前記電気配線は、手術装置用の電力ケーブルであることを特徴とする、請求項8のシステム。
【請求項13】
媒質を滅菌野における患者の身体部分に向けて供給するための方法であって、
電気配線と、単一のケーブル配線内に少なくとも部分的に形成されているルーメンとを有する手術装置を提供するステップを備えており、
前記ケーブル配線は、前記滅菌野の外側に位置している近位端と、前記滅菌野の内側に位置している遠位端を有しており、
前記方法は、
前記ルーメンの前記近位端を前記滅菌野の外側に位置している媒質供給部に操作できるように接続するステップと、
前記媒質供給部から前記ルーメンを介して前記患者の身体部分に、前記単一のケーブル配線の前記遠位端から媒質を供給するステップとを備える、方法。
【請求項14】
前記方法は、内視鏡血管採取法の間において実行されることを特徴とする、請求項13の方法。
【請求項15】
前記媒質を供給するステップは、前記患者の身体部分の吹送を含むことを特徴とする、請求項13の方法。
【請求項16】
前記媒質を供給するステップは、前記患者の身体部分の洗浄を含むことを特徴とする、請求項13の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2018年9月21日に提出された米国仮出願 62/734,660号の優先権と利益を、両方の出願に供給しているすべての主題に対して主張する。上記仮出願の開示が、全体において、本明細書の一部を構成するものとして援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施形態は、血管採取システム用の吹送と洗浄の導管、及びその使用方法に関する。特に、本発明は、気体、液体、及び/又は電力を、取り付けられた医療装置に向けて供給するための組み合わされたケーブル配線を有するシステム、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
血管採取用装置のような手術装置は、一般的に、それぞれの特定の機能のため、専用の配線又は管をそれぞれ含む複数のツールの使用を必要とする。したがって、手術領域は、手術を行うとき、様々な装置、配線、及びケーブルにより散らかって、且つ妨げられ得る。ある例において、血管採取は、冠動脈バイパス手術と共に一般的に用いられる手術法である。バイパス手術の間、血液は、心臓に向かう血流と酸素を回復及び改善させるため、妨げられた動脈を迂回するように経路を切り替えられる。血液は、バイパス移植部を用いて経路を切り替えられ得る。バイパス移植部の一端は、妨げられた領域の血液源の上流に取り付けられる。また、他端は、妨げられた領域の下流に取り付けられる。これにより、「導管」のチャンネル、又は妨げられた領域を迂回する新しい血流接続部を形成する。一般的に、外科医は、身体の別の部分からバイパス移植部を形成するため、健康な血管を取り除く、又は「採取」する。冠動脈バイパス移植手術の成功は、導管の品質、及び血管採取と移植の前の準備のステップの間において、導管が扱われる方法により影響を受け得る。
【0004】
血管採取の方法は、血管、すなわち従来において、密閉するバイパス導管として用いられる脚部における大伏在静脈、又は腕部における橈骨動脈を選択すること、主要な血管の導管から分岐する、より小さな血管を切断すること、及び身体から主要な導管を採取することを含む。この方法は、血管のネットワークを残すことに悪影響を与えることがなく、四肢に向かう十分な血流を治して、且つ保持することにより、目立つ効果がなく、患者を正常機能に戻すことができる。
【0005】
血管採取のための低侵襲技術は、内視鏡血管採取(「EVH」)、すなわち小さな切開だけを必要とする方法として知られている。EVHと同様の手術の間、媒質は、脚部の空洞を拡げて、脚部の空洞、平らな組織又は構成要素の内側の良好な視野を与えるため、患者の脚部の空洞に向けて吹送される、又は注入される。媒質は、手術室(「OR」)において与えられて、柔軟なチューブを介して滅菌野に向けて供給される。
【0006】
一部のEVH装置は、操作者(例えば外科医、医師助手)が、このORチューブを接続し得るハンドルにおいて、EVHのボディから伸びる小さな長さの管を有する。接続部は、EVH装置の柔軟なトロカールにおいて含まれ得る。すべての場合において、ORチューブは、滅菌野に存在する必要があり、ORテーブルの上において、操作者の手がある装置のハンドル、又はハンドルの近傍におけるEVHシステムに取り付けられている。また、すべてのEVH装置は、エネルギーを患者に供給するための電力ケーブルを有する(例えば
図1参照)。この電力ケーブルは、EVH装置のハンドル、又はハンドルの近傍において、EVH装置に接続されていて、滅菌野におけるORテーブルの上にある。電力ケーブルは、一般的に、(滅菌野の外側における)カート上のOR供給発電機に向けて約10フィートほど伸びる。
【0007】
図2において、一般的なOR設定におけるEVH法を実施するための上述の構成を示す。このような従来の構成において、ORテーブルと滅菌野を散らかす複数のチューブ、電線、及び機器がある。この複数のチューブ、電線、及び機器は、操作者(例えば外科医、医師助手)の進捗を妨げる。管と電線は、通常のEVH法の間、EVH装置が回転するにつれて、頻繁にもつれる。したがって、この領域からチューブと電線をできる限り多く取り除くこと、すなわち滅菌野における乱雑さを最小化して、EVH法を単純化することが効果的である。このように散らかるORテーブルと滅菌野、及びもつれと関連する難しさはまた、他の種類の腹腔鏡及び内視鏡の手術にある。
【発明の概要】
【0008】
医療装置が、操作環境内において、該医療機器に気体、液体、電力などを供給する機器に接続される方法を改善する必要がある。本発明は、種々の実施形態において、この必要性に取り組むと共に、他の所望の特性を有する方法を提供する。
【0009】
本発明の実施形態によれば、ケーブル配線装置が提供されている。このケーブル配線は、電力を供給するための電気配線と、媒質を供給するためのルーメンと、電気配線とルーメンの両方を覆うケーブルシールドとを含む。
【0010】
本発明の態様によれば、ケーブル配線はまた、電気配線の近位端と繋がる電気的プラグを含む。ケーブル配線はまた、ルーメンの近位端と繋がるルーメン接続部を含んでもよい。ケーブル配線はまた、ケーブル配線装置の近位端において、ケーブルシールドを分割する分岐部を含んでもよい。ケーブル配線はさらに、医療装置と繋がるため、ケーブル配線装置の遠位端において、成形ストレインリリーフを含んでもよい。電気配線は3つの電線を含んでもよい。ケーブル配線はまた、ケーブル配線内に少なくとも1つのスペーサを含んでもよい。
【0011】
本発明の実施形態によれば、システムが提供されている。このシステムは、装置のボディと、少なくともボディに操作できるように係合するケーブル配線と、ケーブル配線内に少なくとも部分的に形成されている電気配線と、ケーブル配線内に少なくとも部分的に形成されているルーメンとを備える。
【0012】
本発明の態様によれば、システムは、装置のボディが、内視鏡血管採取装置であることを含む。ルーメンは、手術装置による供給に対して、送気ガスを供給するための吹送経路であってもよい。ルーメンは、手術装置による供給に対して、洗浄を与えるための洗浄経路であってもよい。電気配線は、手術装置用の電力ケーブルであってもよい。
【0013】
本発明の実施形態によれば、媒質を滅菌野における患者の身体部分に向けて供給するための方法が提供されている。この方法は、電気配線と、単一のケーブル配線内に少なくとも部分的に形成されているルーメンとを有する手術装置を与えるステップを含む。ケーブル配線は、滅菌野の外側に位置している近位端と、滅菌野の内側に位置している遠位端を有する。この方法は、ルーメンの近位端を滅菌野の外側に位置している媒質供給部に操作できるように接続するステップと、媒質供給部からルーメンを通して、単一のケーブル配線の遠位端を通して患者の身体部分に向けて媒質を供給するステップとを含む。
【0014】
本発明の態様によれば、方法は、内視鏡血管採取法の間において実行される。媒質を供給するステップは、患者の身体部分の吹送を含んでもよい。媒質を供給するステップは、患者の身体部分の洗浄を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施形態はまた、添付図面を参照して説明される。同様の構造は、複数の図面を通して、同様の符号により示す。図面は、縮尺通りである必要はなく、本発明の実施形態の原理を示すように、代わりに強調されている。
【0016】
【
図1】
図1は、EVH装置と電力ケーブルの例を示す。
【0017】
【
図2】
図2は、従来のOR設定におけるEVH法の例を示す。EVHシステムは、複数のチューブ、電線、及び機器を含む。
【0018】
【
図3】
図3は、本発明に記載のEVH装置の電力ケーブルに組み込まれるような本発明の吹送導管の実施例の側面図を示す。
【0019】
【
図4A】
図4Aは、本発明に記載のEVH装置の電力ケーブルに組み込まれるような本発明の吹送導管の近位端の実施例の側面図を示す。
【0020】
【
図4B】
図4Bは、本発明に記載のEVH装置の電力ケーブルに組み込まれるような本発明の吹送導管の遠位端の実施例の側面図を示す。
【0021】
【
図5A】
図5Aは、本発明に記載のEVH装置の電力ケーブルに組み込まれるような本発明の吹送導管の実施例の断面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、本発明に記載のEVH装置の電力ケーブルに組み込まれるような本発明の吹送導管の実施例の断面図を示す。
【
図5C】
図5Cは、本発明に記載のEVH装置の電力ケーブルに組み込まれるような本発明の吹送導管の実施例の断面図を示す。
【
図5D】
図5Dは、本発明に記載のEVH装置の電力ケーブルに組み込まれるような本発明の吹送導管の実施例の断面図を示す。
【0022】
上述の図面は、本発明の実施形態を説明する一方、説明に記載されているように、他の実施形態も考慮されている。本発明は、表現により、図示することなく、図面の実施形態を示す。複数の他の変形例と実施形態は、当業者により考案されて、本発明の実施形態の原理の範囲と主旨に含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の図示する実施形態は、1つ以上の手術装置又は医療装置により用いるための保護された単一のハウジングの内側において、電気配線と液体移送チャンネルを組み合わせる装置に関する。特に、本発明は、手術装置又は医療装置に対して用いられる組み合わされたコード、例えば内視鏡血管採取(EVH)装置用の電力供給、吹送導管、及び洗浄導管を形成して用いるためのシステムと方法に関する。本発明の一部の実施形態は、手術装置、例えばEVH装置を含む。手術装置は、ボディ、少なくともボディに操作できるように係合するケーブル、及びケーブル内に少なくとも部分的に形成されている導管を含んでもよい。この導管は、吹送又は洗浄用であってもよい。一部の実施形態において、電力ケーブル配線と吹送導管は、手術の間、方法を究極的に単純化するため、滅菌野とORテーブルにおける散らかりを最小化する一方、電力の供給と媒質(すなわち気体(例えばCO2)又は液体(例えば生理食塩水)のような流体)の供給のため、単一の構造に組み合わせられ得る。すなわち、手術装置の電力ケーブルは、単一のケーブル配線構造を用いて、媒質供給ルーメンを含むように形成され得る。電力は、手術装置に向けて供給され得る。一方、媒質は、供給ルーメンを介して患者に向けて供給され得る。一部の実施形態において、EVH装置の電力ケーブルは、追加の供給ルーメンがない状態で、媒質を供給するために十分な空間を含むように構成され得る。
【0024】
本発明の一部の実施形態において、本発明のシステムを用いて、媒質を滅菌野内の患者のボディに供給するための方法を含む。この方法は、単一のケーブル内に少なくとも部分的に形成されているケーブル及び導管を有する手術装置を与えるためのステップ(a)を含む。この導管は、滅菌野の外側に位置している近位端と、滅菌野の内側に位置している遠位端とを有する。この方法は、導管の近位端を滅菌野の外側の媒質供給チューブに操作できるように接続するステップ(b)と、媒質供給ルーメンから、導管の遠位端を通して患者の身体部分に向けて媒質を供給するステップ(c)とを含む。この方法は、内視鏡血管採取法EVHを含む異なる種類の操作の間、実施され得る。この方法は、異なる組み合わせの気体と液体を患者の身体に供給するため、例えば患者の身体部分の吹送、及び/又は患者の身体部分の洗浄のため、用いられ得る。
【0025】
図1~5Cは、同様の部品を同様の符号により示して、本発明に記載の複数の電線状、チューブ状などの接続部を必要とする医療装置のための改善された操作の実施形態を示す。本発明が、図示する実施形態を参照して説明される一方、複数の代替の形態が本発明を表し得ることが分かる。また、当業者は、本発明の主旨と範囲を保って、サイズ、形状、又は元素若しくは材料の種類のような本発明の実施形態のパラメータを変える異なる方法が分かる。
【0026】
図1を参照して、本発明に記載の例示的な血管採取装置100を示す。一部の実施形態において、装置100は、装置100の様々な構成要素を収容するように構成され得るハウジング102を含んでもよい。この構成要素は、電力を受容して、構成要素に向けて供給して、データをハウジング102の外側のシステムに向けて伝えるための内部配線を含む。ハウジング102はまた、装置100の操作を制御するため、ボタン、スイッチなどを含んでもよい。例えば、ハウジング102は、装置100の切断構成要素に電力を供給するためのボタンを含んでもよい。ハウジング102は、当業者に知られているシステムと方法のいずれかの組み合わせを利用する材料のいずれかの組み合わせから構成され得る。例えば、ハウジング102は、プラスチック材料、弾性材料、金属材料、形状記憶材料、複合材料、又は他の材料のような所望の特性を有する生体適合性材料から構成され得る。一部の実施形態において、装置100と構成要素は使い捨てできる。
【0027】
一部の実施形態において、ハウジング102は、装置100とサブシステムにより電力を与えて、且つデータを送るように構成されている外部電線又はケーブル配線112と繋がり得る。当業者により分かるように、ケーブル112も、電力を当業者に知られている他のシステム、例えば本明細書の一部を構成するものとして援用される米国特許9,119,900号、9,498,246号、9,814,481号、及び9,943,328号に関して説明されている切断システムのような装置100の切断サブシステムに供給するように構成され得る。ケーブル112は、異なる電力のための配線とデータケーブル配線との組み合わせを与え得る、又は単一の線に共にまとめられる電線の組み合わせになり得る。
【0028】
図2を参照して、OR内での操作のためのEVH法における従来のEVHシステム200を使用する操作者を示す。EVHシステム200は、EVH装置100に取り付けられている電力ケーブル112を有するEVH装置100を含んでもよい。EVHシステム200も、EVH装置100のトロカール部124において終端を有する、又は接続部を形成する透明なチューブ122を含む複数の他のチューブと電線を有してもよい。透明なチューブ122は、ORにより設けられている媒質供給チューブである。(以下に説明するような)本発明の装置と方法の一部の実施形態において、EVHシステムは、媒質供給チューブ122が電力ケーブル112に組み込まれるように変更されている。
図2に示すように、媒質接続部は、トロカール部124の代わりに5~10フィート離れている(図示しない)発電機に形成されている。媒質供給チューブ16は、滅菌野から取り除かれて、滅菌野とORテーブルにおける散らかりを減少して、EVH法を単純化する。
【0029】
再び
図1と
図2を参照して、一部の実施形態において、装置100は、進入切開を通して血管採取部位に向けて血管外を通過するために構成されて、1つ以上のチューブ122から切開部位に向けて媒質を導くように構成され得る細長ボディ104を含む。細長ボディ104を採取の部位に向けて操作することを助けるため、細長ボディ104は、細長ボディ104の長さに沿う軸方向に十分硬くてもよい。このような特性を細長ボディ104に与えるため、実施形態において、細長ボディ104は、プラスチック材料、弾性材料、金属材料、形状記憶材料、複合材料、又は他の材料のような所望の特性を有する生体適合性材料から形成され得る。細長ボディ104は、所望の範囲において、利用に応じて、側面から側面に向けて、径方向又は横方向に移動するように一部の柔軟性を与えられ得る。
【0030】
一部の実施形態において、細長ボディ104は、ハウジング102の遠位端から長手方向に伸び得る。細長ボディ104は、実質的に中身が詰まっている、又は中空であり、近位端106と遠位端108を有してもよい。近位端106は、いずれかの組み合わせの連結機構を用いて、ハウジング102に対して、及び/又はハウジング102内において繋がり得る。一部の実施形態において、細長ボディ104は、キャニスタートロカール部124又は他の接続点から媒質の伝達ができるように、近位端106から遠位端108に向けて伸びる内側の空洞を含んでもよい。当業者により分かるように、細長ボディ104は、様々な他のツール又は構成要素、例えば切断ツールを収容する、及び/又は繋がる。
【0031】
一部の実施形態において、装置100は、前進する機器、電線、又は材料を収容できるルーメンと共に、1つ以上のルーメンを含んでもよい。一部の実施形態において、装置100は導管を含んでもよい。電線又はケーブル配線は、電力供給、及び/又は装置100内の電気的構成要素との通信のため、この導管を通して前進し得る。同様に、装置100は、トロカール部124又は他の接続点から所望の目的地に向けて媒質を伝達するための導管を含んでもよい。媒質の伝達のための導管は、他の構成要素と共有できる、又は装置100の先端120から出る単独の分離した導管であってもよい。
【0032】
一部の実施形態において、細長ボディ104は、切開先端120において、終端を有してもよい、又は細長ボディ104の遠位端108と繋がる切開先端120を有してもよい。一部の実施形態において、切開先端120は、一般的に、周囲の組織から採取される血管部分を無傷で分離するため、平滑末端において終端を有する先細部を含んでもよい一方、装置100が血管部分に沿って操作されるとき、隣接する血管又は組織を裂くこと又は貫通することを最小化する、又は防ぐ。平滑であるように示す一方、切開先端120の端部が、所望の範囲において、装置100の遠位端の前進を強めるような相対的な向きで形成されてもよいことが分かる。同様に、先細部は、装置100の操作性を強めるため、構造的に異なるように構成され得る。
【0033】
一部の実施形態において、切開処理の間、外傷の可能性を減らすため、切開先端120は、径方向に曲げ易い、柔軟である、又は変形し易い。したがって、切開先端は、切開先端120に与えられる力の作用の下で少し逸れ得る。一部の実施形態において、切開先端120は、径方向に圧縮できるため、切開先端120の壁は、先端面に対して垂直な力の作用の下で変形し得る。そのため、切開先端120は、切開先端が荷重の下で曲がるように、薄い壁状のプラスチック材料から形成され得る。適切な材料は、限定されることなく、切開先端が荷重の下で曲がることができる一方、十分な光学的透明度を与えるポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び他の材料を含む。同時に、切開先端120は、周囲の結合組織から血管の切開ができるように、軸方向又は長手方向において、十分なカラムの強度を与えられ得る。切開先端120の他の特性は、可変の強度を有するように検討される。
(1)長手方向に対する軸方向において、軸方向の強度は長手方向の強度よりも大きい。
(2)または、軸方向に対する長手方向において、長手方向の強度は軸方向の強度よりも大きい。
(3)もしくは、長手方向に対する軸方向において、軸方向の強度は長手方向の強度と近い。
切開先端120は2つ以上の材料を含んでもよいことが考えられる。少なくとも1つの材料は、弾性、硬度、引張強度のような異なる材料特性を有してもよい。
【0034】
一部の実施形態において、本発明のEVH装置100は、方法の間、リモートタンクから独立している、及び/又は外部の管122を用いる気体/液体の媒質を与えるように用いられ得る。例えば、本発明のEVH装置100は、血管採取法の間、キャニスターからCO2を与えるように用いられ得る。操作の間、EVH装置100を用いるとき、使用者は、従来どおり、所望の位置において、切開を行う。また、使用者は、所望されれば、先端調査と切断方法を実行し得る。一部の実施形態において、使用者は、患者とEVH装置100との間の密閉を形成するため、気体パッドのような密閉装置200を利用し得る。例えば、使用者は、本明細書の一部を構成するものとして援用される米国特許出願16/225,049号において説明されている気体密閉パッドのような気体密閉パッドを用い得る。細長ボディ104及び/又は気体パッドが配置されていること、及び吹送が始まる準備ができていることにより、使用者は、チューブ122を介して、キャニスターから媒質を放出することを行い得る。例えば、媒質は、ハウジング102の機構/ボタンを作動させることにより、圧力の下で放出され得る。この時点で、内部キャニスターは、貯蔵された媒質(例えばCO2)を患者に向けて放出する。EVH装置100の内部の機構は、キャニスターから供給される媒質の圧力と流速を制御し得る。使用者は、EVH装置100を取り除きたいとき、又は流れと圧力を止めたいとき、ハンドルの同じ機構/ボタンを通して、放出又は圧力を解放できる。
【0035】
図3を参照して、一部の実施形態において、システム300は、単一の組み合わされたケーブル配線構造310を通して、電力、信号、気体、液体、及び/又は照明を供給するように提供されている。
図3は、所定の組み合わせの電力、信号、気体、液体、及び/又は照明を医療装置、例えばEVH装置100に供給するためのケーブル配線310を示す。
図2に示すように、ケーブル配線310は、それぞれの用途(例えば、電力、信号、吹送、照明など)のための分離したケーブルと共に複数のケーブルを有する代わりに、単一のライン上において供給される電力、信号、気体、液体、及び/又は照明のための所定の組み合わせの配線、ルーメン、及び導管を安全に収容するように形成され得る。ケーブル配線310は、すべての配線と導管を収容するような大きさで形成され得る一方、操作者による移動を容易にするため、柔軟性を保つ。
【0036】
一部の実施形態において、ケーブル配線310は、電源(図示せず)からの電力と、処理ユニット又は他の電気回路において入出力される信号と、媒質容器(図示せず)から媒質(例えばCO2、フラッシングなど)を伝達するための媒質供給ルーメン314との組み合わせを伝達するための電気配線312を含んでもよい、又は収容する。電気配線312は、ゲージなどのいずれかの範囲において、いずれかの組み合わせの導電性材料から形成されるいずれかの組み合わせの電線タイプを含んでもよい。一部の実施形態において、ケーブル配線310は、媒質供給ルーメン314と電気配線312がそれぞれのソース装置に取り付けるために分離する分岐部316の接点を含んでもよい。ケーブル配線310はまた、分岐部316と遠位端318との間において伸びるケーブル配線310aの長さ(例えば柔軟な細長ボディ)と共に、分岐部316に対向する遠位端318を含んでもよい。遠位端318は、EVH装置(図示せず)内に固定されている医療装置(例えばEVH装置100)と繋がるために必要な配線と導管の接続部を含んでもよい。
【0037】
図4Aを参照して、例示的なケーブル配線310の近位端320を示す。電力ケーブルの近位端320は、ケーブル配線310に取り付けられている装置100からケーブル配線310の反対側の端部(すなわち発電端部、又は近位端)に位置し得る。一部の実施形態において、近位端310は、それぞれの電源及び気体源/液体源と繋がるための分岐部316、電気的プラグ322、及びルーメン接続部324を含んでもよい。電気的プラグ322とルーメン接続部324は、手術室において一般的に見られるいずれかの組み合わせの連結機構を含んでもよい。例えば、電気的プラグ322は、3極プラグであってもよい。また、ルーメン接続部324は、ルアーコネクタであってもよい。
【0038】
一部の実施形態において、電気配線312は、電気的プラグ322と繋がり、分岐部316に向けて伸びて、及び/又は分岐部316と繋がり得る。同様に、ルーメン314は、ルーメン接続部324と繋がり、分岐部316に向けて伸びて、及び/又は分岐部316と繋がり得る。分岐部316は、ケーブル配線310aの長さに沿って単一のケーブル配線を形成するように組み合わせる、分離された配線312とルーメン314のための接触点である。一部の実施形態において、分岐部316は、OR発電機の近位に位置するように形成され得る。この分岐部316は、一般的に、滅菌野/ORテーブルから5~10フィート離れている。OR媒質供給ルーメンは、この分岐部316と接続している(すなわち滅菌野から離れている)。このような構成において、操作者(例えば外科医、医師助手)は、滅菌野の外側において(例えば約5~10フィート離れて)、OR供給部からルーメン接続部324を介して媒質接続部、及び発電機における電気的プラグ322を介して電源接続部を形成し得る。すなわち、分岐部316は、滅菌野内で用いるため、また医療装置100に向けて伸びるため、電気配線312とルーメン314とを単一の長さのケーブル配線310aに統合するY型接続部を与える。
【0039】
図4Bを参照して、例示的なケーブル配線310の遠位端318を示す。電力ケーブルの遠位端118は、医療装置100と繋がるケーブル配線310の端部に位置し得る。一部の実施形態において、遠位端318は、ケーブル配線310aの長さの端部を含んで、またケーブル配線310aの長さの遠位端と繋がる成形ストレインリリーフ326を含んでもよい。成形ストレインリリーフ326は、ケーブル配線310aの長さの端部と装置100のハウジング内の開口部との間において、密閉接続部を与えるように形成され得る。成形ストレインリリーフ326はまた、装置100とケーブル配線310の連結点に損傷を与える虞がなく、自由に移動するように、装置100とケーブル配線310に対して柔軟性を与え得る。
【0040】
一部の実施形態において、電気配線312とルーメン314は、装置100のハウジング内において、それぞれの終端と接続されているケーブル配線310aと成形ストレインリリーフ326の長さを越えて伸び得る。例えば、電気配線312は、装置100の電気的システムと接続され得る。また、ルーメン314は、装置100の分散機構と接続され得る。すなわち、電気配線312とルーメン314は、終端が使用者から隠されて、装置100のボディの内側に向けて、ケーブル配線310から出てもよい。電気配線312とルーメン314の端部が、装置のボディ内に位置して、それぞれの使用のため、装置の様々な構成要素と繋がり得る。例えば、電気配線312は、取り付けられた装置により用いるための電力と信号の組み合わせを与えるように、リード線、接続タブ、回路基板などと直接はんだ付けされ得る。一部の実施形態において、ルーメン314は、ケーブル配線310から装置100のボディ内の位置に向けて出てもよい。この構成にも関わらず、電気配線312とルーメン314の適切な接続部は、装置の操作者(例えば外科医、医師助手)ではなく、装置製造業者により(すなわち装置の製造の間において)形成され得る。
【0041】
一部の実施形態において、電気配線312は、様々な電気的接続部を有する複数の電気配線を含んでもよい。ある実施例において、電気配線312は、熱線、中性線、及び接地線を有する3つの電線を含んでもよい。それぞれの電線は、装置100内において、適切な終端と繋がり得る。
図4Bを参照して、例えば、1つの電線は接地されて、もう1つの電線は電源に接続されて、少なくとも2つの電線は装置100の起動スイッチと接続され得る。一部の実施形態において、ルーメン314は、装置100のボディに入れて、装置から供給するための気体及び/又は液体を装置100に与えるように形成され得る。例えば、ルーメン314は、吹送を与えるためのEVH装置により用いられ得る。一部の実施形態において、ルーメン314は、不注意から、重傷又は死亡の原因となる可能性があり、且つ患者に向けて供給される媒質の粒子状物質を妨げるため、ルーメン314の遠位端の開口部において、フィルタを含んでもよい。
【0042】
図5A~5Cを参照して、例示的なケーブル配線310の断面図を示す。一部の実施形態において、ケーブル配線310は、ケーブル配線310内に収容されるそれぞれの構成要素(例えば配線312とルーメン314)を覆うケーブルシールド330を含んでもよい。ケーブルシールド330は、柔軟性を保ちながら、内側の構成要素を保護するように形成され得る。
図5Aに示すように、一部の実施形態において、ケーブルシールド330は、ぴったりとはまる構造のため、内側の構成要素の周りに収縮包装されている。一部の実施形態において、ケーブル配線310は、プラスチック材料、弾性材料、金属材料、形状記憶材料、複合材料、又は他の材料のような所望の特性を有する生体適合性材料から構成され得る。
【0043】
一部の実施形態において、電気配線312は、分離された電線332の組み合わせから構成されている。電線332は、いずれかの組み合わせの電力伝達電線及び/又は信号伝達電線を含んでもよい。
図5Aに示すように、電線332は、ケーブルシールド330内に包装されている。電線332は、いずれかの組み合わせのむき出しの導電性材料、絶縁された導電性材料、及び保護された導電性材料を含んでもよい。一部の実施形態において、電線332は、電線332の大きさと、600Vに定格されている絶縁とを有する非フタル酸PVCによりそれぞれ絶縁されている24AWGの銅線であってもよい。
【0044】
一部の実施形態において、ケーブル配線310は、ルーメン314を保護して、気体と液体の組み合わせを装置100に供給するための導管334を含んでもよい。導管334は、いずれかの組み合わせの材料、例えば絶縁体から形成され得る。ルーメン314は、結び付けることなく、ケーブル配線310の柔軟性が得られるように、紙により覆いを付けられて、PVC又はポリオレフィンの覆いで再び包装されている。
図5Aにおいて、単一のルーメン314を示す一方、いずれかの数のルーメンが、本発明の範囲から逸脱することなく、用いられ得る。一部の実施形態において、導管334は、遠位端に開口部を含んでもよい。(すなわち、媒質は、この開口部から、患者の体に放出/投入される。)別の実施形態において、導管334は、遠位端に2つ以上の開口部を含む。導管334は、所望のレベルの柔軟性/剛性のいずれかの組み合わせの材料から構成され得る。例えば、導管334は、生体適合性材料(例えばPVC,ポリウレタン,Tygon(登録商標)など)から構成され得る。導管334又はルーメン314用の他の覆いは、伝達される特定の媒質に対して、所望の流速を得るために十分大きい寸法の大きさであってもよい。例えば、IDは、1/32”-1/4”IDであってもよい。同様に、導管334又はルーメン314用の他の覆いの壁の厚みは、圧力の要求に応じて、例えば1/32から1/16mmまでの範囲に及ぶ。
【0045】
一部の実施形態において、ケーブル配線310は、カメラ、画像化、データケーブルなどのような信号線がケーブル配線310内にないとき、保護されていなくてもよい。一方、ケーブル配線310は、1つ以上の電線332が信号を送るように形成されていれば、保護され得る。完成したケーブル配線310は、電線332とルーメン314の組み合わせを含んで、ケーブル配線310内の電線332とルーメン314のそれぞれの大きさに応じる大きさを有してもよい。例えば、ケーブル配線310は、医療装置(例えば、EVH装置100)と共に使用するために形成されているとき、直径が約4mmから10mmまでであってもよい。
【0046】
一部の実施形態において、電線332は、シールド330周りに間隔を空け得るため、シールド330が実質的に円形の断面を形成する。実施形態において、実質的に円形の断面を形成するため、導管334と電線332との間に残る空間はスペーサ336により補われ得る。
図5Aの要素が実質的に円形である一方、いずれかの組み合わせの形状が、本発明の範囲から逸脱することなく、用いられ得る。
【0047】
図5Bを参照して、一部の実施形態において、導管334をケーブル配線310内に組み込む代わりに、シールド330とシールド330内のいずれかの電線332との間のネガティブスペースは、媒質がケーブル配線310の長さに沿って装置100に向けて移動するための経路340を形成するため、ケーブル配線310の長さに沿って形成されている経路/空洞/空間を構成し得る。一部の実施形態において、経路340は、例えば、ケーブル配線310の押出成形の間に形成され得る。シールド330(及び構成要素)は、異なる剛性のレベルを有するいずれかの組み合わせの材料から構成され得る。このいずれかの組み合わせの材料は、所望のシールド330の形状と機能に基づいて選択され得る。例えば、シールド330は、配線312、経路340、及び/又はシールド330内に存在する媒質導管334がねじれることなく、柔軟性を保持するように形成され得る。
【0048】
図5Cを参照して、一部の実施形態において、ケーブル配線310は、ケーブル配線310内のいずれかの組み合わせの電線332、導管334などを含んでもよい。例えば、ケーブル配線310は、カメラケーブル、照明ケーブル(例えば光ファイバ)などであってもよい。同様に、ケーブル配線310は、いずれかの組み合わせの機能のために形成されて、取り付けられた装置に所定の用途を与え得る。例えば、ケーブル配線310は、EVH装置100と共に使用するために形成されているとき、焼灼用の電力ケーブルと、吹送ルーメンと、洗浄ルーメン(任意)と、カメラ電力と信号コードの電線と、スコープの光源又は光ファイバとを含んでもよい。本発明のケーブル配線310は、容易な使用と操作者に対する散らかりの減少のため、いずれか又はすべてのラインを単一のケーブル配線に組み込んでもよい。ケーブル配線310内に含まれている構成要素は、装置に基づいて変わり得る。ケーブル配線310は、この装置と共に操作するために形成されている。これは、従来のシステムからの改善点である。従来のシステムにおいて、それぞれの機能は、分離した固有のケーブル及び/又はチューブを有する。例えば、このケーブル及び/又はチューブは、電気を供給するための分離した電力コード、媒質を供給するための分離した吹送チューブ、洗浄流体を供給するための分離した生理食塩水チューブ、光をスコープに向けて供給するための分離した光ケーブルなどである。
【0049】
図5Dを参照して、一部の実施形態において、ケーブル配線310は、電線332とルーメン314を覆ういずれかの組み合わせの追加レイヤを含んでもよい。例えば、電線332は、束になって、紙のテープレイヤ342とジャケットレイヤ344により覆われていてもよい。
【0050】
操作において、操作者は、システム300の構成要素をOR内の滅菌野に導く。この構成要素は、装置100、電気配線312、単一のケーブル配線310の構造内に含まれているルーメン314を含む。操作者は、ケーブル配線310の近位端320の接続点322,324を適切な装置に挿入し得る。例えば、電気的プラグ322は、電気コンセントに挿入され得る(すなわち、滅菌野/ORテーブルから離れている)。また、ルーメン接続部324(例えば、吹送導管)は、OR媒質供給ルーメンと接続され得る(すなわち、滅菌野/ORテーブルから離れている)。操作者は、装置100を用いて、所望の方法を開始し得る。装置の起動の直後、媒質は、ルーメン314を通して伝わり得る。このルーメン314は、操作者が、滅菌野において、いずれかの追加接続を形成することを要求することなく、媒質を装置100に向けて供給するように、隠されていて(すなわち、滅菌野にあり)、且つケーブル配線310の内側に埋め込まれている。これにより、媒質供給ルーメンを保持する一方、洗浄で素晴らしいORシステム300をもたらす。例えば、この方法は、EVH装置を用いるEVH法であってもよい。このEVH装置は、装置(例えば、配線312)に電力供給する一方、必要に応じて、患者の脚部(又は他の身体部分)を吹送するための吹送導管(例えば、ルーメン314)を用いてもよい。
【0051】
一部の実施形態において、ケーブル配線310aの長さは、形状が実質的に統一されているため、電気配線又はルーメンのいずれかが材料又は大きさを変更する点がない。この形状により、ケーブル配線310aの長さは、連続した長さで製造できて、長さを切断され得る。その後、コネクタ端部(例えば、分岐部316及び滅菌野326)は、それぞれの端部に取り付けられ得る。
【0052】
本発明は、EVH装置を有するケーブル配線システム100を用いるための実施例をもたらす一方、本発明のケーブル配線システム100は、手術装置又は医療装置、及び非手術装置と共に用いられ得る。すなわち、ケーブル配線は、様々な機械に取り付けられている1つ以上のケーブル又はラインを要求するいずれかの組み合わせの装置と共に用いられ得る。ケーブル配線は、電力、分注流体、分注気体、画像化、照明、加熱、又は冷却などを必要とする装置と共に用いられ得る。例えば、本発明のケーブル配線は、パワードリルがドリルに電力供給すると共に、操作の間、ドリルを冷却するように潤滑を与えるために用いられ得る。本明細書に記載のすべての特許、特許出願、及び公開された参考文献は、全体において、本明細書の一部を構成するものとして援用される。上述の本発明の実施形態は、単なる考えられる実施例であり、本発明の原理の明確な理解のため、単に説明することが強調されている。複数の変形例が、本発明の主旨と原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態に対して形成され得る。複数の上述及び他の特徴と機能、若しくは代替が、好ましくは、他の異なるシステム又は適用に統合され得ることが分かる。すべての変形例は、添付の請求項の範囲内に収まるように、本発明の範囲に含まれることを主旨としている。
【0053】
本明細書で用いられるように、「備える」という用語は、排他的ではなく、包括的であるように解釈されることを主旨としている。本明細書で用いられるように、「例示的」、「例」、「図示」という用語は、「例、又は図としての役目を果たすこと」を意味することを主旨としており、他の構成に関連している好ましい又は有利な構成を示すように、又は示さないように解釈されるべきではない。本明細書で用いられるように、「約」、「一般的」、「ほぼ」という用語は、変形例に及ぶことを主旨としている。この変形例は、特性、パラメータ、大きさ、及び寸法の変形例のような主観的又は客観的な値の範囲の上限と下限に存在してもよい。ある非限定的な実施例において、「約」、「一般的」、「ほぼ」という用語は、その値、又は10%以下を足すこと、若しくは10%以下を引くことを意味する。ある非限定的な実施例において、「約」、「一般的」、「ほぼ」という用語は、含まれる関連分野の当業者によりみなされることに十分近いことを意味する。本明細書で用いられるように、「実質的に」という用語は、当業者により分かるような動作、特性、状態、構造、項目、又は成果の完全又はほぼ完全な延長又は程度を示す。例えば、「実質的に」円形な物体は、物体が数学的に決まる限界に対する完全な円であること、又は当業者により分かるような円に近いことのいずれかを意味する。実施例において、絶対的な完全性からの偏差の正確な許容される程度は、特定の状況に応じる。一方、一般的に、完成に近いことは、絶対的完成及び全体の完成が達成される、又は得られるように、複数の全体的な結果を有するためである。「実質的に」という用語の使用は、当業者により分かるような動作、特性、状態、構造、項目、又は成果の完全な欠如又は完全に近い欠如を示すため、否定的な意味合いにおいて利用されるとき、等しく適用できる。
【0054】
本発明の複数の変形例及び代替となる実施形態は、上述の説明を考慮して、当業者に明らかである。したがって、この説明は、図示するように解釈されて、本発明を実行するための最良の形態を当業者に教えるためである。構造の詳細は、本発明の主旨から逸脱することなく、実質的に変わり得る。また、添付の請求項の範囲内にあるすべての変形例の排他的な使用が保留されている。この明細書内において、実施形態は、明確且つ簡潔な明細書が記載され得る方法で説明されている。一方、実施形態が様々に組み合わせられる、又は本発明から離れることなく分けられることが主旨とされていると分かる。本発明は、添付の請求項と法律の適用できる規則により必要とされる範囲だけに限定されることを主旨とされている。
【0055】
また、以下の請求項は、本発明の一般的且つ具体的なすべての特徴、及び言語について、請求項に収まるように説明されている本発明の範囲のすべての文書に及ぶことが分かる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル配線構造であって、
柔軟で細長いボディであって、医療装置への取付用の遠位端におけるカップリングと、前記細長いボディ内の部品がそれぞれの供給源に向かうことを可能とする近位端における接点とを有する、前記細長いボディと、
媒質を前記医療装置に供給するため、前記細長いボディの全長にわたって延びている、ルーメンと、
前記医療装置に電力を供給するため、前記細長いボディの全長にわたって延びている、電気配線と、
を備えるケーブル配線構造。
【請求項2】
前記電気配線の近位端に連結された電気プラグをさらに備える、請求項1のケーブル配線構造。
【請求項3】
前記ルーメンの近位端に連結されたルーメン接続部をさらに備える、請求項1のケーブル配線構造。
【請求項4】
前記接点は、分岐した接点である、請求項1のケーブル配線構造。
【請求項5】
前記医療装置と連結するため、前記ケーブル配線構造の前記遠位端において、成形ストレインリリーフをさらに備える、請求項1のケーブル配線構造。
【請求項6】
前記電気配線は3つの電線を備える、請求項1のケーブル配線構造。
【請求項7】
前記細長いボディ内にあり、且つ少なくとも前記ルーメン又は前記電気配線と隣り合っている、少なくとも1つのスペーサをさらに備える、請求項1のケーブル配線構造。
【請求項8】
システムであって、
医療装置と、
柔軟な細長いボディであって、前記医療装置に操作可能に係合するように構成された遠位端におけるカップリングと、前記細長いボディ内に配置された部品がそれぞれの供給源に向かうように分離された近位端における接点とを有する、前記細長いボディと、
電力を前記医療装置に供給するため、前記細長いボディ内に少なくとも部分的に配置されている電気配線と、
媒質を前記医療装置に供給するため、前記細長いボディ内に少なくとも部分的に形成されているルーメンと
を備えるシステム。
【請求項9】
前記医療装置は、内視鏡血管採取装置である、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記ルーメンは、前記医療装置への供給のために、送気ガスを供給するための吹送経路である、請求項8のシステム。
【請求項11】
前記ルーメンは、前記医療装置による供給のために、洗浄を与えるための洗浄経路である、請求項8のシステム。
【請求項12】
前記電気配線は、前記医療装置用の電力ケーブルである、請求項8のシステム。
【請求項13】
媒質を柔軟で細長いボディを通して手術装置に向けて供給するための方法であって、
前記細長いボディの全長にわたって延びている電気配線とルーメンとを有する手術装置を提供すること、ここで、前記細長いボディは、前記手術装置への取付のための遠位端におけるカップリングと、前記電機配線及び前記ルーメンがそれぞれの供給源に接続するように分離する前記細長いボディの近位端における接点とを有しており、前記接点には前記手術装置のための如何なる制御部も存在しておらず、
前記ルーメンの前記近位端を媒質供給部に操作可能に接続すること、
前記媒質を前記手術装置に供給するため、前記媒質供給部から前記細長いボディの前記ルーメンを介して前記媒質を送り、前記細長いボディの前記遠位端から前記媒質を吐出することを備える、方法。
【請求項14】
前記媒質を供給するステップは、前記手術装置で吹送することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記媒質を供給するステップは、前記手術装置で洗浄することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記電気配線と前記ルーメンの両方を覆うケーブルシールドをさらに備える、請求項1に記載のケーブル配線構造。
【請求項17】
ケーブル配線構造であって、
手術装置への取付のため遠位端におけるカップリングと、近位端とを有する、柔軟で細長いボディと、
前記細長いボディの全長にわたって延びており、データが伝送され得る、配線と、
前記細長いボディの全長にわたって延びており、媒質が向けられ得る、ルーメンと、
前記細長いボディの前記近位端に配置されている分岐した接点であって、前記接点から延びて前記配線をデータ源に接続する第1経路と、前記接点から延びて前記ルーメンを前記データ源とは空間的に離れて配置されている媒質源に接続する第2経路とを有しており、前記接点には前記手術装置のための如何なる制御部も存在しない、分岐した接点と
を備えたケーブル配線構造。
【請求項18】
ケーブル配線構造であって、
医療装置に連結されるように構成された遠位端と、近位端とを有する、柔軟で細長いボディと、
前記医療装置に電力を供給するため、前記細長いボディ内に少なくとも部分的に配置されている電気配線と、
媒質を前記医療装置に供給するため、前記細長いボディ内に少なくとも部分的に配置されているルーメンと、
前記細長いボディの前記近位端における接点であって、該接点において前記電気配線及び前記ルーメンがそれぞれの供給源に接続するように分離しており、前記接点には前記医療装置のための如何なる制御部も存在しない、接点と
を備えたケーブル配線構造。
【請求項19】
システムであって、
医療装置と、
柔軟で細長いボディであって、前記細長いボディの遠位端で少なくとも前記医療装置に操作可能に係合している、前記細長いボディと、
電力を前記医療装置に供給するため、前記細長いボディ内に少なくとも部分的に配置されている電気配線と、
媒質を前記医療装置に供給するため、前記細長いボディ内に少なくとも部分的に形成されているルーメンと、
前記細長いボディの前記近位端における接点であって、該接点において前記電気配線及び前記ルーメンがそれぞれの供給源に接続するように分離しており、前記接点には前記医療装置のための如何なる制御部も存在しない、接点と
を備えたシステム。
【請求項20】
媒質を柔軟で細長いボディを通して手術装置に向けて供給するための方法であって、
前記細長いボディ内に少なくとも部分的に形成されている、電気配線とルーメンとを有する前記手術装置を提供すること、ここで、前記細長いボディは、前記手術装置に操作可能に接続された遠位端と、前記細長いボディの近位端における接点とを有しており、前記接点では前記電気配線及び前記ルーメンがそれぞれの供給源に接続するように分離しており、前記接点には前記医療装置のための如何なる制御部も存在せず、
前記ルーメンの前記近位端を媒質供給部に操作可能に接続すること、
前記媒質を前記手術装置に供給するため、前記媒質供給部から前記細長いボディの前記ルーメンを介して前記媒質を送り、前記細長いボディの前記遠位端から前記媒質を吐出すること
を備える、方法。
【外国語明細書】