(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123020
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20240903BHJP
G02B 26/10 20060101ALN20240903BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G02B26/10 104Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024088694
(22)【出願日】2024-05-31
(62)【分割の表示】P 2021565524の分割
【原出願日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】P 2019227006
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】長堀 洋平
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
(72)【発明者】
【氏名】吉田 裕司
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明が解決しようとする課題としては、光学装置を収容する筐体を小さくすることが一例として挙げられる。
【解決手段】光学装置(100)は、所定位置から一方向に向かうにつれて拡大する視野(F)を有している。筐体(200)は、透過部(210)を有している。透過部(210)は、視野(F)と交差している。筐体(200)は、光学装置(100)を収容している。透過部(210)は、第1辺(212)及び第2辺(214)を含んでいる。第2辺(214)は、第1辺(212)の反対側に位置している。透過部(210)の第2辺(214)側の幅は、透過部(210)の第1辺(212)側の幅より狭くなっている。透過部(210)の第2辺(214)は、透過部(210)の第1辺(212)よりも、上記一方向において上記所定位置の近くに位置している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定位置から一方向に向かうにつれて拡大する視野を有する光学装置と、
前記視野の全体と交差する透過部を有し、前記光学装置を収容する筐体と、
を備え、
前記透過部は、第1辺と、前記第1辺の反対側に位置する第2辺と、前記第1辺および前記第2辺と交差する第3辺と、前記第3辺の反対側に位置する第4辺と、を含み、
前記透過部の前記第2辺側の幅は、前記透過部の前記第1辺側の幅より狭く、
前記透過部の前記第2辺は、前記透過部の前記第1辺よりも、前記一方向において前記所定位置の近くに位置しており、
前記第1辺の少なくとも一部分は、前記視野と前記透過部との交差部分の、第1の縁と実質的に平行であり、
前記第2辺の少なくとも一部分は、前交差部分の縁のうち、前記第1の縁の反対側に位置する第2の縁と実質的に平行であり、
前記第3辺の少なくとも一部分は、前記交差部分の縁のうち、前記第1の縁および前記第2の縁と交差する第3の縁と実質的に平行であり、
前記第4辺の少なくとも一部分は、前記交差部分の縁のうち、前記第3の縁の反対側に位置する第4の縁と実質的に平行である、
センサ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ装置において、
前記透過部の前面と、前記透過部の後面との少なくとも一方が湾曲している
センサ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサ装置において、
前記透過部は、前記透過部の前面と、前記透過部の後面との少なくとも一方が湾曲しているレンズである
センサ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサ装置において、
前記透過部の前記第1辺の少なくとも一部が湾曲しており、前記透過部の前記第2辺の少なくとも一部が湾曲している
センサ装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記光学装置は、揺動可能な可動反射部を有する、
センサ装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記筐体の高さ方向において、前記透過部の前記第1辺は、前記透過部の前記第2辺より下側に位置している、
センサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置及び筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等の可動反射部を有する光学装置(例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)又はRADAR(RAdio Detection And Ranging))が開発されている。光学装置の可動反射部は、赤外線等の電磁波によって、光学装置の外部に存在する物体等の対象を走査する。
【0003】
例えば特許文献1に記載されているように、光学装置は、筐体に収容されることがある。特許文献1の光学装置は、投光部、スキャン部及び受光部を有している。これらの投光部、スキャン部及び受光部は、筐体に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光学装置を収容する筐体には、光学装置から出射される電磁波を透過させる透過部を設ける必要がある。筐体は、当該筐体を設置するスペース等、様々な要請により、小さいことが望ましい。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、光学装置を収容する筐体を小さくすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
所定位置から一方向に向かうにつれて拡大する視野を有する光学装置と、
前記視野と交差する透過部を有し、前記光学装置を収容する筐体と、
を備え、
前記透過部は、第1辺と、前記第1辺の反対側に位置する第2辺と、を含み、
前記透過部の前記第2辺側の幅は、前記透過部の前記第1辺側の幅より狭く、
前記透過部の前記第2辺は、前記透過部の前記第1辺よりも、前記一方向において前記所定位置の近くに位置している、センサ装置である。
【0008】
第2の発明は、
所定位置から一方向に向かうにつれて拡大する視野を有する光学装置を収容する筐体であって、
前記視野と交差する透過部を備え、
前記透過部は、第1辺と、前記第1辺の反対側に位置する第2辺と、を有し、
前記透過部の前記第2辺側の幅は、前記透過部の前記第1辺側の幅より狭く、
前記透過部の前記第2辺は、前記透過部の前記第1辺よりも、前記一方向において前記所定位置の近くに位置している、筐体である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るセンサ装置を斜め前から見た図である。
【
図3】透過部に直交する方向から見た場合における、透過部と、光学装置の視野のうち透過部と交差する部分(交差部分)と、の関係の一例を説明するための図である。
【
図4】
図1及び
図2に示した筐体に収容される光学装置の動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係るセンサ装置10を斜め前から見た図である。
図2は、
図1に示したセンサ装置10の前面図である。
図3は、透過部210に直交する方向から見た場合における、透過部210と、光学装置100の視野Fのうち透過部210と交差する部分(交差部分CP)と、の関係の一例を説明するための図である。
図4は、
図1及び
図2に示した筐体200に収容される光学装置100の動作の一例を説明するための図である。
【0012】
センサ装置10は、光学装置100及び筐体200を備えている。
【0013】
各図において、第1方向Xは、センサ装置10の前後方向である。第1方向Xの正方向(
図1及び
図4において第1方向Xを示す矢印によって示される方向、
図2において第1方向Xを示す点付き白丸によって示される方向(紙面の奥から手前に向かう方向))は、センサ装置10の前方向である。第1方向Xの負方向(
図1及び
図4において第1方向Xを示す矢印によって示される方向の反対方向、
図2において第1方向Xを示す点付き白丸によって示される方向の反対方向(紙面の手前から奥に向かう方向))は、センサ装置10の後方向である。第2方向Yは、第1方向Xに交差しており、具体的には直交している。第2方向Yは、センサ装置10の左右方向である。第2方向Yの正方向(第2方向Yを示す矢印によって示される方向)は、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)から見て右方向である。第2方向Yの負方向(第2方向Yを示す矢印によって示される方向の反対方向)は、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)から見て左方向である。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yの双方に交差しており、具体的には直交している。第3方向Zは、センサ装置10の上下方向である。第3方向Zの正方向(
図1及び
図2において第3方向Zを示す矢印によって示される方向、
図4において第3方向Zを示す点付き白丸によって示される方向(紙面の奥から手前に向かう方向))は、センサ装置10の上方向である。第3方向Zの負方向(
図1及び
図2において第3方向Zを示す矢印によって示される方向の反対方向、
図4において第3方向Zを示す点付き白丸によって示される方向の反対方向(紙面の手前から奥に向かう方向))は、センサ装置10の下方向である。
【0014】
図3において、第4方向Uは、透過部210に直交する、具体的には、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)又は後面(第1方向Xの負方向側の面)に直交する方向である。第4方向Uは、例えば、透過部210の厚さに平行な方向であってもよい。第4方向Uは、第2方向Yに交差しており、具体的には直交している。第4方向Uの正方向(第4方向Uを示す点付き白丸によって示される方向(紙面の奥から手前に向かう方向))は、透過部210の後面(第1方向Xの負方向側の面)から透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)に向かう方向である。第4方向Uの正方向は、例えば、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)の法線方向であってもよい。第4方向Uの負方向(第4方向Uを示す点付き白丸によって示される方向の反対方向(紙面の手前から奥に向かう方向))は、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)から透過部210の後面(第1方向Xの負方向側の面)に向かう方向である。第4方向Uの負方向は、例えば、透過部210の後面(第1方向Xの負方向側の面)の法線方向であってもよい。第5方向Vは、第2方向Y及び第4方向Uの双方に交差しており、具体的に直交している。第5方向Vは、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)又は後面(第1方向Xの負方向側の面)に平行な方向であってもよい。第5方向Vの正方向(第5方向Vを示す矢印によって示される方向)は、後述する透過部210の第2辺214から第1辺212に向かう方向である。第5方向Vの負方向(第5方向Vを示す矢印によって示される方向の反対方向)は、透過部210の第1辺212から第2辺214に向かう方向である。
【0015】
図1及び
図2を用いて、センサ装置10について説明する。
【0016】
光学装置100は、所定位置(この所定位置の詳細は後述する。)から一方向(第1方向Xの正方向)に向かうにつれて拡大する視野Fを有している。筐体200は、透過部210を有している。透過部210は、視野Fと交差している。筐体200は、光学装置100を収容している。透過部210は、第1辺212(上辺)、第2辺214(下辺)、第3辺216(左辺)及び第4辺218(右辺)を含んでいる。第2辺214は、第1辺212の反対側に位置している。第3辺216は、第1辺212と第2辺214との間に位置している。第4辺218は、第3辺216の反対側に位置している。透過部210の第2辺214側(透過部210の下部側(第3方向Zの負方向側))の第2方向Yにおける幅(後述する
図3に示す幅W2)は、透過部210の第1辺212側(透過部210の上部側(第3方向Zの正方向側))の第2方向Yにおける幅(後述する
図3に示す幅W1)より狭くなっている。透過部210の第2辺214は、透過部210の第1辺212よりも、上記一方向(第1方向Xの正方向)において上記所定位置の近くに位置している。すなわち、透過部210は、透過部210の第1辺212から透過部210の第2辺214にかけて、筐体200の高さ方向(第3方向Z)に対して斜めに傾いている。具体的には、透過部210は、センサ装置10の下方(第3方向Zの負方向)に向かうにつれて、センサ装置10の後方(第1方向Xの負方向)に向けて筐体200の高さ方向(第3方向Z)に対して斜めに傾いている。
【0017】
本実施形態において、視野Fのうち透過部210と交差する部分(交差部分CP)の透過部210の第2辺214側の第2方向Yにおける幅は、視野Fの交差部分CPの透過部210の第1辺212側の第2方向Yにおける幅より狭くなっている。したがって、透過部210の第2辺214側(透過部210の下部側)の幅を透過部210の第1辺212側(透過部210の上部側)の幅より短くすることが許容されている。したがって、透過部210の第2辺214側(透過部210の下部側)の幅を透過部210の第1辺212側(透過部210の上部側)の幅より短くした分、筐体200を小さくすることができる。
【0018】
さらに本実施形態においては、筐体200の高さ方向(第3方向Z)において、透過部210の第1辺212は、透過部210の第2辺214より上側(第3方向Zの正方向側)に位置している。したがって、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)の法線方向は、センサ装置10の前方に向かう方向(第1方向Xの正方向)からセンサ装置10の下方(第3方向Zの負方向)に向けて斜めに傾いている。この場合、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)の法線方向が、センサ装置10の前方に向かう方向(第1方向Xの正方向)からセンサ装置10の上方(第3方向Zの正方向)に向けて斜めに傾いている場合と比較して、センサ装置10の斜め上(第1方向Xの正方向から第3方向Zの正方向に向けて斜めの方向)からのノイズ(例えば、太陽光)が透過部210を経由して筐体200の内部に入り込みにくくなる。また上述した場合、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)の法線方向が、センサ装置10の前方に向かう方向(第1方向Xの正方向)からセンサ装置10の上方(第3方向Zの正方向)に向けて斜めに傾いている場合と比較して、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)に付着した異物(例えば、水滴)が透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)に留まりにくくなる。
【0019】
なお、透過部210の第1辺212及び第2辺214は、それぞれ、透過部210の上辺及び下辺でなくてもよい。例えば、透過部210の第1辺212及び第2辺214は、それぞれ、透過部210の下辺及び上辺であってもよい。或いは、透過部210の第1辺212及び第2辺214は、透過部210の両側辺(左辺(第2方向Yの負方向側の辺)及び右辺(第2方向Yの正方向側の辺))であってもよい。
【0020】
光学装置100は、筐体200に取り外し可能に取り付けられていてもよいし、又は筐体200から取り外し不可能に固定されていてもよい。光学装置100が筐体200に取り外し可能に取り付けられている場合、光学装置100は、例えば、ネジ等の固定具によって筐体200に固定されていてもよい。またこの場合、筐体200は、光学装置100が筐体200に取り付けられていない状態で製造され、販売される等、使用されてもよい。光学装置100が筐体200から取り外し不可能に固定されている場合、光学装置100は、例えば溶接等の接合処理によって、筐体200と一体となって形成されていてもよい。
【0021】
上記所定位置は、視野Fが拡大し始める起点である。また、上記所定位置は、筐体200の内部に位置している。視野Fは、光学装置100が物体等の対象を検出可能な領域である。例えば、センサ装置10は、上記所定位置から視野F内のいずれかの方向に向けて赤外線等の電磁波を出射可能になっている。
【0022】
視野Fは、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)から見て、第2方向Y及び第3方向Zの双方に沿って2次元に亘って広がっている。具体的には、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)から見て、視野Fの上縁(第3方向Zの正方向側の縁)は、視野Fの当該上縁の第2方向Yにおける中心から第2方向Yの両側に向かうにつれて、センサ装置10の下方(第3方向Zの負方向)に向けて傾いている。同様にして、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)から見て、視野Fの下縁(第3方向Zの負方向側の縁)は、視野Fの当該下縁の第2方向Yにおける中心から第2方向Yの両側に向かうにつれて、センサ装置10の下方(第3方向Zの負方向)に向けて傾いている。しかしながら、視野Fの形状は、この例に限定されるものでない。例えば、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)から見て、視野Fの上縁(第3方向Zの正方向側の縁)は、透過部210の第1辺212と平行になっていてもよい。また、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)から見て、視野Fの下縁(第3方向Zの負方向側の縁)は、透過部210の第2辺214と平行になっていてもよい。
【0023】
透過部210は、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)及び透過部210の後面(第1方向Xの負方向側の面)の双方とも平坦かつ平行な透明カバーとなっている。透過部210は、例えば、透過部210の後面(第1方向Xの負方向側の面)のうち透過部210の第1辺212、第2辺214、第3辺216及び第4辺218の少なくとも一部分に沿って設けられた両面テープによって筐体200に取り付けられている。なお、透過部210は、透過部210の前面(第1方向Xの正方向側の面)及び透過部210の後面(第1方向Xの負方向側の面)のうちの少なくとも一方が湾曲したレンズであってもよい。
【0024】
筐体200は、枠220を有している。枠220は、透過部210を囲んでいる。枠220のうち透過部210の第1辺212に沿って延伸する部分(枠220の上側(第3方向Zの正方向側)の部分)は、枠220のうち透過部210の第2辺214に沿って延伸する部分(枠220の下側(第3方向Zの負方向側)の部分)よりも、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)に向けて突出している。具体的には、枠220のうち第3方向Zの正方向側(上側)から第3方向Zの中央にかけての部分は、センサ装置10の下方(第3方向Zの負方向)に向かうにつれて、センサ装置10の後方(第1方向Xの負方向)に向けて筐体200の高さ方向(第3方向Z)に対して斜めに傾いている。また、枠220のうち第3方向Zの負方向側(下側)の部分は、筐体200の高さ方向(第3方向Z)に平行になっている。この場合、枠220のうち第3方向Zの中央から第3方向Zの負方向側(下側)にかけての部分が、本実施形態に係るそれよりもセンサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)に向けて突出している場合と比較して、筐体200を小さくすることができる。しかしながら、枠220の形状は、本実施形態に係る形状に限定されない。例えば、枠220の全体、すなわち、枠220のうち第3方向Zの正方向側(上側)から第3方向Zの負方向側(下側)にかけての部分が、センサ装置10の下方(第3方向Zの負方向)に向かうにつれて、センサ装置10の後方(第1方向Xの負方向)に向けて筐体200の高さ方向(第3方向Z)に対して斜めに傾いていてもよい。或いは、枠220は、筐体200の高さ方向(第3方向Z)に対して斜めに傾いていなくてもよく、筐体200の高さ方向(第3方向Z)に平行であってもよい。
【0025】
図3を用いて、センサ装置10についてさらに説明する。
【0026】
本実施形態において、透過部210は、角が丸まった五角形形状を有している。第1辺212は、この五角形の上辺となっている。第2辺214は、この五角形の下辺となっている。第3辺216は、この五角形の左辺となっている。第4辺218は、この五角形の右辺(残りの2辺)となっている。透過部210の第1辺212及び第2辺214は、第2方向Yに平行になっている。透過部210の第1辺212及び第2辺214は、厳密に平行でなくてもよく、実質的に平行であってもよい。例えば、透過部210の第1辺212及び第2辺214の少なくとも一方は、第2方向Yに対して0度以上5度以下だけ傾いていてもよい。しかしながら、透過部210の形状は、本実施形態に係る形状に限定されるものではない。
【0027】
第1辺212は、例えば、少なくとも一部分が第2方向Yの正方向又は負方向から第5方向Vの正方向又は負方向に向けて0度以上45度未満傾いた辺にすることができる。また、第1辺212は直線状に延伸していなくてもよく、第1辺212の少なくとも一部分は湾曲していてもよい。本実施形態において、第1辺212は、第2方向Yに平行になっている。しかしながら、第1辺212の形状は、本実施形態に係る形状に限定されるものではない。例えば、第1辺212は、第1辺212の第2方向Yにおける中心から第2方向Yの両側に向かうにつれて、第5方向Vの負方向に向けて傾いていてもよい。すなわち、第1辺212の少なくとも一部分は、視野Fの交差部分CPの上縁(第5方向Vの正方向側の縁)に実質的に平行であってもよい。例えば、第1辺212は、視野Fの交差部分CPの上縁に対して例えば0度以上5度以下傾いていてもよい。
【0028】
第2辺214は、例えば、少なくとも一部分が第2方向Yの正方向又は負方向から第5方向Vの正方向又は負方向に向けて0度以上45度未満傾いた辺にすることができる。また、第2辺214は直線状に延伸していなくてもよく、第2辺214の少なくとも一部分は湾曲していてもよい。本実施形態において、第2辺214は、第2方向Yに平行になっている。しかしながら、第2辺214の形状は、本実施形態に係る形状に限定されるものではない。例えば、第2辺214は、第2辺214の第2方向Yにおける中心から第2方向Yの両側に向かうにつれて、第5方向Vの負方向に向けて傾いていてもよい。すなわち、第2辺214の少なくとも一部分は、視野Fの交差部分CPの下縁(第5方向Vの負方向側の縁)に実質的に平行であってもよい。例えば、第2辺214は、視野Fの交差部分CPの下縁に対して例えば0度以上5度以下傾いていてもよい。
【0029】
第3辺216は、例えば、少なくとも一部分が第5方向Vの正方向又は負方向から第2方向Yの正方向又は負方向に向けて0度以上45度以下傾いた辺にすることができる。また、第3辺216は直線状に延伸していなくてもよく、第3辺216の少なくとも一部分は湾曲していてもよい。本実施形態において、第3辺216は、第5方向Vに平行になっている。しかしながら、第3辺216の形状は、本実施形態に係る形状に限定されるものではない。例えば、第3辺216の少なくとも一部分(例えば、第5方向Vの中央から第5方向Vの負方向側にかけての部分)は、第5方向Vの負方向に向かうにつれて第2方向Yの正方向に向けて傾いていてもよい。すなわち、第3辺216の少なくとも一部分は、視野Fの交差部分CPの左縁(第2方向Yの負方向側の縁)に実質的に平行であってもよい。例えば、第3辺216は、視野Fの交差部分CPの左縁に対して例えば0度以上5度以下傾いていてもよい。
【0030】
第4辺218は、例えば、少なくとも一部分が第5方向Vの正方向又は負方向から第2方向Yの正方向又は負方向に向けて0度以上45度以下傾いた辺にすることができる。また、第4辺218は直線状に延伸していなくてもよく、第4辺218の少なくとも一部分は湾曲していてもよい。本実施形態において、第4辺218のうち第5方向Vの正方向側の部分は、第5方向Vに平行になっている。また、第4辺218のうち第5方向Vの中央部分から第5方向Vの負方向側にかけての部分は、第5方向Vの負方向に向かうにつれて第2方向Yの負方向に向けて傾いている。したがって、第4辺218の少なくとも一部分(第5方向Vの中央から第5方向Vの負方向側にかけての部分)は、視野Fの交差部分CPの右縁(第2方向Yの正方向側の縁)に実質的に平行となっている。例えば、第4辺218は、視野Fの交差部分CPの右縁に対して例えば0度以上5度以下傾いていてもよい。しかしながら、第4辺218の形状は、本実施形態に係る形状に限定されるものではない。例えば、第4辺218の全体が第5方向Vに平行であってもよい。
【0031】
透過部210の第1辺212側の第2方向Yにおける幅W1は、例えば、第1辺212と第3辺216との間の部分(
図3において第1辺212と第3辺216との間の丸まった角)と、第1辺212と第4辺218との間の部分(
図3において第1辺212と第4辺218との間の丸まった角)と、の間の第2方向Yにおける距離として規定することができる。ただし、透過部210の第1辺212側の第2方向Yにおける幅W1の規定方法は、この例に限定されるものでない。
【0032】
透過部210の第2辺214側の第2方向Yにおける幅W2は、例えば、第2辺214と第3辺216との間の部分(
図3において第2辺214と第3辺216との間の丸まった角)と、第2辺214と第4辺218との間の部分(
図3において第2辺214と第4辺218との間の丸まった角)と、の間の第2方向Yにおける距離として規定することができる。ただし、透過部210の第2辺214側の第2方向Yにおける幅W2の規定方法は、この例に限定されるものでない。
【0033】
透過部210及び視野Fの実際の位置が例えば公差によって透過部210及び視野Fの設計の位置からずれても視野Fの交差部分CPの全体が透過部210と交差するようにする観点から、第5方向Vにおける透過部210の第1辺212側(第5方向Vの正方向側)の端と、第5方向Vにおける視野Fの交差部分CPの第1辺212側(第5方向Vの正方向側)の端と、の間の第5方向Vにおける距離G1は、透過部210の第5方向Vにおける長さの例えば10%以上にすることができる。同様の観点から、第5方向Vにおける透過部210の第2辺214側(第5方向Vの負方向側)の端と、第5方向Vにおける視野Fの交差部分CPの第2辺214側(第5方向Vの負方向側)の端と、の間の第5方向Vにおける距離G2は、透過部210の第5方向Vにおける長さの例えば20%以上にすることができる。また、透過部210の第5方向Vにおける長さが短くなるようにする観点から、第5方向Vにおける透過部210の第1辺212側(第5方向Vの正方向側)の端と、第5方向Vにおける視野Fの交差部分CPの第1辺212側(第5方向Vの正方向側)の端と、の間の第5方向Vにおける距離G1は、透過部210の第5方向Vにおける長さの例えば20%以下にすることができる。同様の観点から、第5方向Vにおける透過部210の第2辺214側(第5方向Vの負方向側)の端と、第5方向Vにおける視野Fの交差部分CPの第2辺214側(第5方向Vの負方向側)の端と、の間の第5方向Vにおける距離G2は、透過部210の第5方向Vにおける長さの例えば30%以下にすることができる。
【0034】
透過部210及び視野Fの実際の位置が例えば公差によって透過部210及び視野Fの設計の位置からずれても視野Fの交差部分CPの全体が透過部210と交差するようにする観点から、透過部210の第1辺212側(第5方向Vの正方向側)の第2方向Yにおける幅W1は、視野Fの交差部分CPの第1辺212側(第5方向Vの正方向側)の第2方向Yにおける幅W3の例えば110%以上にすることができる。同様の観点から、透過部210の第2辺214側(第5方向Vの負方向側)の第2方向Yにおける幅W2は、視野Fの交差部分CPの第2辺214側(第5方向Vの負方向側)の第2方向Yにおける幅W4の例えば110%以上にすることができる。また、透過部210の第2方向Yにおける長さが短くなるようにする観点から、透過部210の第1辺212側(第5方向Vの正方向側)の第2方向Yにおける幅W1は、視野Fの交差部分CPの第1辺212側(第5方向Vの正方向側)の第2方向Yにおける幅W3の例えば120%以下にすることができる。同様の観点から、透過部210の第2辺214側(第5方向Vの負方向側)の第2方向Yにおける幅W2は、視野Fの交差部分CPの第2辺214側(第5方向Vの負方向側)の第2方向Yにおける幅W4の例えば120%以下にすることができる。
【0035】
【0036】
光学装置100は、送信部110、可動反射部120、受信部130及びビームスプリッタ140を備えている。
図4では、送信部110、可動反射部120、受信部130及びビームスプリッタ140は、模式的に、第1方向X及び第2方向Yの双方に平行な一平面内に位置している。しかしながら、実際のレイアウトにおいては、送信部110、可動反射部120、受信部130及びビームスプリッタ140は、第1方向X及び第2方向Yの双方に平行な一平面内に位置していなくてもよいし、又は第1方向X及び第2方向Yの双方に平行な一平面内に位置していてもよい。
【0037】
図4では、送信部110、可動反射部120、受信部130及びビームスプリッタ140を伝搬する電磁波は、破線によって示されている。
【0038】
送信部110は、電磁波を送信する。一例において、送信部110によって送信される電磁波は、光、具体的には、赤外線である。しかしながら、送信部110によって送信される電磁波は、赤外線の波長と異なる波長の光(例えば、可視光線又は紫外線)であってもよいし、又は光の波長と異なる波長の電磁波(例えば、電波)であってもよい。一例において、送信部110は、パルス波を送信する。しかしながら、送信部110は、連続波(CW)を送信してもよい。一例において、送信部110は、電気的エネルギー(例えば、電流)を電磁波に変換可能な素子(例えば、レーザダイオード(LD))である。
【0039】
送信部110から送信された電磁波は、ビームスプリッタ140を透過して可動反射部120に入射し、可動反射部120によって反射される。可動反射部120は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーである。可動反射部120は、上記所定位置に位置している。
【0040】
可動反射部120によって反射された電磁波は、透過部210を透過してセンサ装置10の外部に向けて出射される。センサ装置10の外部に向けて出射された電磁波は、センサ装置10の外部に存在する物体等の対象(
図4では不図示)に入射し、対象によって反射され、又は散乱される。対象によって反射され、又は散乱された電磁波は、透過部210を透過して可動反射部120に入射する。可動反射部120に入射した電磁波は、可動反射部120による反射及びビームスプリッタ140による反射を順に経て、受信部130に入射する。受信部130は、受信部130に入射した電磁波を受信する。一例において、受信部130は、電磁波を電気的エネルギー(例えば、電流)に変換可能な素子(例えば、アバランシェフォトダイオード(APD))である。
【0041】
センサ装置10は、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)である。一例において、センサ装置10は、ToF(Time of Flight)に基づいて、センサ装置10と、センサ装置10の外部に存在する物体等の対象と、の間の距離を測定する。この例において、センサ装置10は、センサ装置10から電磁波が送信された時間(例えば、送信部110から電磁波が送信された時間)と、センサ装置10から送信され、かつセンサ装置10の外部に存在する対象によって反射され、又は散乱された電磁波がセンサ装置10によって受信された時間(例えば、受信部130によって電磁波が受信された時間)と、の差に基づいて、上記距離を算出する。
【0042】
第3方向Zの正方向から見て、視野Fは、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)に向かうにつれて広がっている。具体的には、可動反射部120は、軸122の周りに揺動可能になっている。軸122は、第3方向Zに沿って延伸している。光学装置100の視野Fは、可動反射部120の最大揺動角に応じて決定されている。第3方向Zの正方向から見て、可動反射部120が反時計回りに光学装置100の最大揺動角だけ揺動したとき、送信部110から送信され、かつ可動反射部120によって反射された電磁波は、視野Fの一端部(
図4における視野Fの左側端部)を通過する。第3方向Zの正方向から見て、可動反射部120が時計回りに光学装置100の最大揺動角だけ揺動したとき、送信部110から送信され、かつ可動反射部120によって反射された電磁波は、視野Fの上記一端部の反対側の他端部(
図4における視野Fの右側端部)を通過する。第3方向Zの正方向から見て、可動反射部120の揺動角が0度であるとき、送信部110から送信され、かつ可動反射部120によって反射された電磁波は、視野Fの中心を通過する。
【0043】
可動反射部120は、上記一方向(第1方向Xの正方向)及び軸122の延伸方向(第3方向Z)の双方に交差する、具体的には直交する方向(第2方向Y)に沿って延伸する軸(不図示)の周りにも揺動可能になっている。したがって、第2方向Yの正方向又は負方向から見て、視野Fは、センサ装置10の前方(第1方向Xの正方向)に向かうにつれて広がっている。
【0044】
本実施形態において、光学装置100は、コアキシャル型LiDARとなっている。すなわち、光学装置100から出射される電磁波(可動反射部120によって光学装置100の外部に向けて出射された電磁波)が通過する軸と、光学装置100に戻る電磁波(光学装置100から出射されて、光学装置100の外部に存在する対象によって反射され、又は散乱されて、可動反射部120に入射する電磁波)が通過する軸と、が一致している。しかしながら、光学装置100は、バイアキシャル型LiDARであってもよい。すなわち、光学装置100は、可動反射部120を有していなくてもよい。この場合、光学装置100から出射される電磁波が通過する軸と、光学装置100に戻る電磁波(光学装置100から出射されて、光学装置100の外部に存在する対象によって反射され、又は散乱されて、光学装置100に入射する電磁波)が通過する軸と、が互いにずれるようになる。
【0045】
以上、図面を参照して実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0046】
例えば、本実施形態では、光学装置100の視野Fは、LiDAR等の光走査装置の視野である。しかしながら、光学装置100の視野Fは、カメラ等の撮像装置の視野であってもよい。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 所定位置から一方向に向かうにつれて拡大する視野を有する光学装置と、
前記視野と交差する透過部を有し、前記光学装置を収容する筐体と、
を備え、
前記透過部は、第1辺と、前記第1辺の反対側に位置する第2辺と、を含み、
前記透過部の前記第2辺側の幅は、前記透過部の前記第1辺側の幅より狭く、
前記透過部の前記第2辺は、前記透過部の前記第1辺よりも、前記一方向において前記所定位置の近くに位置している、センサ装置。
2. 1.に記載のセンサ装置において、
前記筐体の高さ方向において、前記透過部の前記第1辺は、前記透過部の前記第2辺より上側に位置している、センサ装置。
3. 1.又は2.に記載のセンサ装置において、
前記筐体は、前記透過部を囲む枠を有し、
前記枠のうち前記透過部の前記第1辺に沿って延伸する部分は、前記枠のうち前記透過部の前記第2辺に沿って延伸する部分よりも、前記一方向に向けて突出している、センサ装置。
4. 1.から3までのいずれか一つに記載のセンサ装置において、
前記光学装置は、前記所定位置に位置する可動反射部を有する、センサ装置。
5. 所定位置から一方向に向かうにつれて拡大する視野を有する光学装置を収容する筐体であって、
前記視野と交差する透過部を備え、
前記透過部は、第1辺と、前記第1辺の反対側に位置する第2辺と、を有し、
前記透過部の前記第2辺側の幅は、前記透過部の前記第1辺側の幅より狭く、
前記透過部の前記第2辺は、前記透過部の前記第1辺よりも、前記一方向において前記所定位置の近くに位置している、筐体。
【0047】
この出願は、2019年12月17日に出願された日本出願特願2019-227006号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0048】
10 センサ装置
100 光学装置
110 送信部
120 可動反射部
122 軸
130 受信部
140 ビームスプリッタ
200 筐体
210 透過部
212 第1辺
214 第2辺
216 第3辺
218 第4辺
220 枠
CP 交差部分
F 視野
U 第4方向
V 第5方向
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向