(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123034
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】情報記録装置、情報記録方法及び情報記録用プログラム
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20240903BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20240903BHJP
H04N 5/91 20060101ALI20240903BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G11B20/10 Z
H04N5/91
H04N7/18 U
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091117
(22)【出願日】2024-06-05
(62)【分割の表示】P 2023009292の分割
【原出願日】2015-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】長尾 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹田 裕次
(72)【発明者】
【氏名】小川 知宏
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 輝希
(57)【要約】
【課題】不要な電力消費を抑制しつつ、必要な記録情報を確実に記録することが可能な情報記録装置を提供する。
【解決手段】検出した加速度によって記録情報の記録部Rへの記録制御を行う場合に、画像情報及び音情報の少なくともいずれか一方を記録情報として取得し、外部からの電力供給が停止した後、予め設定された待機時間経過時に電源を停止させる。このとき、当該待機時間を延長可能とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出した加速度によって記録情報の記録手段への記録制御を行う情報記録装置であって、
画像情報及び音情報の少なくともいずれか一方を前記記録情報として取得する取得手段と、
外部からの電力供給が停止した後、予め設定された待機時間経過時に電源を停止する停止制御手段と、
を備え、
前記停止制御手段は、前記待機時間内において、予め設定された閾値以上の前記加速度が検出されたときには当該待機時間を延長することを特徴とする情報記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報記録装置、情報記録方法及び情報記録用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、画像情報等を記録する情報記録装置及び情報記録方法、並びに当該情報記録装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば車両における保安上の目的等で、いわゆるドライブレコーダを車両に搭載することが行われる。このようなドライブレコーダに関する従来技術を開示した先行技術文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1に記載されている技術では、上記ドライブレコーダにおいて、それが搭載されている車両の停車により例えばACC(Accessory)スイッチがオフとされた後、ドライブレコーダ自体への電源供給を、例えばバッテリを用いる等により遅延(継続)した後に停止する遅延回路が備えられている。そしてこの構成によれば、上記停車状態となったとしても、例えばドライブレコーダの次回起動時に必要な情報等をRAM(Random Access Memory)等の一時記録媒体に記録することができる上、更に当該記録された情報等を不揮発性の記録媒体に記録(転送)させることも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-141214号公報(例えば、明細書段落[0073]及び同[0074])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術をもってしても、ACCスイッチがオフとされた後に電源供給を遅延させている間に、新たに別の情報を記録することが必要となる状況になった場合、遅延させる時間が足りないため当該別の情報が記録/保存されないか、又は、一部は記録/保存されるが残りが最後まで記録/保存されなくなる可能性があるという問題点がある。
【0005】
また、上記記録すべき情報が記録されないことへの対策として、遅延時間を必要量だけ一律に長く設定することも考え得るが、この場合、上記別の情報を記録する必要のない時でも毎回長い遅延時間を設ける必要があり、この場合にはバッテリの電力を不要に消費してしまうという問題点があった。
【0006】
そこで本願は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、不要な電力消費を抑制しつつ、必要な記録情報を確実に記録することが可能な情報記録装置及び情報記録方法、並びに当該情報記録装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、検出した加速度によって記録情報の記録手段への記録制御を行う情報記録装置であって、画像情報及び音情報の少なくともいずれか一方を前記記録情報として取得する取得手段と、外部からの電力供給が停止した後、予め設定された待機時間経過時に電源を停止する停止制御手段と、を備え、前記待機時間は延長可能であるように構成される。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、検出した加速度によって記録情報の記録手段への記録制御を行う情報記録装置であって、取得手段と、停止制御手段と、を備える情報記録装置において実行される情報記録方法において、画像情報及び音情報の少なくともいずれか一方を前記記録情報として前記取得手段により取得する取得工程と、外部からの電力供給が停止した後、前記停止制御手段により、予め設定された待機時間経過時に電源を停止する停止制御工程と、を含み、前記待機時間は延長可能であるように構成される。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、検出した加速度によって記録情報の記録手段への記録制御を行う情報記録装置に含まれるコンピュータを、画像情報及び音情報の少なくともいずれか一方を前記記録情報として取得する取得手段、及び、外部からの電力供給が停止した後、予め設定された待機時間経過時に電源を停止する停止制御手段、として機能させる情報記録用プログラムであって、前記待機時間は延長可能であるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る情報記録装置の概要構成を示すブロック図である。
【
図2】実施例に係るドライブレコーダの概要構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例に係る記録処理を示すフローチャートである。
【
図4】実施例に係る保存時間等を具体的に例示する図であり、(a)は第1例を示す図であり、(b)は第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本願を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。なお
図1は、実施形態に係る情報記録装置の概要構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報記録装置Sは、取得手段1と、検出手段2と、記録手段Rに接続された記録制御手段3と、停止制御手段4と、を備えて構成されている。
【0013】
この構成において取得手段1は、画像情報及び音情報の少なくともいずれか一方を記録情報として取得する。
【0014】
一方検出手段2は、印加される加速度を検出する。
【0015】
これにより記録制御手段3は、印加される加速度が予め設定された閾値以上であるとき、記録情報の記録手段Rへの記録を開始する。
【0016】
そして停止制御手段4は、外部からの電力供給が停止した後、予め設定された待機時間経過時に電源を停止し、上記待機時間内に上記閾値以上の加速度が検出されたとき、当該待機時間を延長する。
【0017】
以上説明したように、実施形態に係る情報記録装置Sの動作によれば、画像情報及び音情報の少なくともいずれか一方を記録情報として取得し、印加される加速度が既定の閾値以上であるとき、記録情報の記録手段Rへの記録を開始する。一方、外部からの電力供給が停止した後、既定の待機時間経過時に電源を停止する。そして、待機時間内に閾値以上の加速度が検出されたとき、当該待機時間を延長する。よって、外部からの電力供給停止後の待機時間中に既定閾値以上の加速度が検出されたとき、待機時間が延長されて記録制御手段3への電力供給が継続されるので、例えば急加速や急減速等により既定閾値以上の加速度が検出されたときに、後ほど必要となる記録情報を、確実に記録することができる。また、待機時間内に閾値以上の加速度が検出されたとき待機時間を延長するので、不要
な場合にまで待機時間を延長することによる、不要な電力消費の発生を抑制することができる。
【実施例0018】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、
図2乃至
図4を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、車両等の例えば前方や車内を撮像範囲とするドライブレコーダに対して本願を適用した場合の実施例である。
【0019】
また、
図2は実施例に係るドライブレコーダの概要構成を示すブロック図であり、
図3は実施例に係る記録処理を示すフローチャートであり、
図4は実施例に係る保存時間等を例示する図である。このとき
図2では、
図1に示した実施形態に係る情報記録装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該情報記録装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0020】
実施例に係るドライブレコーダは例えば車両に搭載されており、その前方等を撮像範囲としている。そして
図2に示すように、実施例に係るドライブレコーダDRは、例えば車両のバッテリ等である外部電源EBに接続された受電部11と、ドライブレコーダDR自体に備えられ且つバッテリ本体及びその制御部からなるバッテリ部Bと、操作ボタン等からなる操作部10と、CCD(Charge-Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等からなるカメラ部1と、例えば二軸又は三軸の加速度センサ等からなる衝撃検知部2と、CPU、RAM及びROM(Read Only Memory)等からなる状態管理部3と、電源管理部12と、RAM等からなる揮発部RA及びSSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disc Drive)からなる不揮発部ROを含む記録部Rと、により構成されている。このとき、外部電源EBの例としては、ドライブレコーダDRが搭載されている車両の例えばいわゆるシガーソケットを介して受電部11に接続される外部電源EB(換言すれば、車両自体のバッテリ)が挙げられる。また、上記カメラ部1が実施形態に係る取得手段1の一例に相当し、衝撃検知部2が実施形態に係る検出手段2の一例に相当し、記録部Rが実施形態に係る記録手段Rの一例に相当する。また、状態管理部3が実施形態に係る記録制御手段3の一例及び停止制御手段4の一例にそれぞれ相当し、バッテリ部Bが本願に係る「電池手段」の一例に相当し、電源管理部12が本願に係る「残電力量検出手段」の一例に相当する。更に
図2においては、ドライブレコーダDRにおいて、実施形態に係る情報記録装置Sの一例に相当する構成部材が、破線で示されている。
【0021】
この構成において受電部11は、外部電源EBからの電力を受電することが可能である場合に、状態管理部3の制御の下で当該電力を受電し、上記カメラ部1及び衝撃検知部2等のドライブレコーダDRの各構成部材に対して必要な電力を分配/供給する。また受電部11は、例えば外部電源EBとの間の物理的な接続が断となる等の理由により、外部電源EBからの電力を受電することができなくなった場合、その旨を示す電力遮断信号を生成して状態管理部3に出力する。ここで、上記外部電源EBとの間の物理的な接続が断となる場合とは、例えば、上記車両が急加速や急減速等をしたことによる衝撃により上記シガーソケットへの差し込み部がそこから抜け落ちること、又は当該差し込み部が人為的に抜き取られること等が考えられる。
【0022】
一方カメラ部1は、状態管理部3の制御の下、ドライブレコーダDRが搭載されている車両の例えば前方を撮像し、その撮像結果に対応する画像情報を記録部Rの揮発部RAに出力することを、受電部11を介した電力供給の開始以降継続する。そして状態管理部3は、画像情報の揮発部RAにおける一時的な記録保持が、それが記録されたタイミングから例えば12秒間だけ行われ、その後は、新たに画像情報が記録される度に古い画像情報から順に揮発部RAから消去されることが繰り返されるように、記録部Rを制御する。以上の状態管理部3の制御により、揮発部RAには、例えば直近12秒分の画像情報が、常に更新されつつ一時的に記録されることになる。
【0023】
次に状態管理部3は、通常は外部電源EBから受電部11を介してその動作に必要な電力の供給を受けている。一方状態管理部3は、受電部11から上記電力遮断信号を受信した場合、バッテリ部Bを制御して、受電部11に対する電力の供給を開始させる。これにより受電部11は、予め設定された待機時間が経過するまでの間、バッテリ部Bから供給された電力を上記各構成部材に分配/供給する。このとき電力管理部12は、バッテリ部Bにおける残電力量を監視しており、当該残電力量を示す残量信号を逐次生成して状態管理部3に出力している。
【0024】
ここで予め設定されている上記待機時間は、外部電源EBからの電力を受電することができなくなったことが電力遮断信号により示される場合に、ドライブレコーダDRの次回の起動時に必要となる情報を、記録部Rの不揮発部ROに記録するための時間である。この待機時間は、具体的には例えば1秒とされている。また上記「次回の起動時に必要となる情報」には、例えば、外部電源EBからの電力供給がなくなったタイミングにおける当該ドライブレコーダDRとしての設定情報や、当該タイミングにおける位置を示す位置情報、或いは、当該タイミングにおいて揮発部RAに記録していた画像情報の一部(例えば一画面分の画像情報)等が含まれる。なお以下の説明において、上記次回の起動時に必要となる情報を、単に「次回起動用情報」と称する。そして状態管理部3は、上記待機時間内に上記次回起動用情報が不揮発部ROに記録されるように、記録部R及びカメラ部1等を制御する。
【0025】
一方衝撃検知部2は、予め設定された大きさ及び方向の加速度がドライブレコーダDR(換言すれば、ドライブレコーダDRが搭載された車両)に印加されたことが検出された場合、その旨を示す検出信号を生成して状態管理部3に出力する。この検出信号は、例えば上記車両が急加速や急減速等をしたことによる衝撃により、上記既定の大きさ及び方向の加速度が印加されたことを意味する信号である。
【0026】
上記待機時間内に上記検出信号が衝撃検知部2から出力された場合に状態管理部3は、上記待機時間を延長してバッテリ部Bからの電力の分配/供給を行わせるように、受電部11及び電源管理部12を制御する。これにより電源管理部12は、上記待機時間を延長した後述する保存時間(例えば20秒)まで電力の分配/供給を行うように、バッテリ部Bを制御する。
【0027】
そして状態管理部3は、上記検出信号が出力されたタイミングに対応した上記保存時間に、当該タイミングにおいて揮発部RAに一時的に記録されている画像情報と、上記検出信号が出力されたタイミング直後の例えば8秒分の画像情報とを、記録部Rの不揮発部ROに記録する。このとき、上記検出信号が出力されたタイミングにおいて揮発部RAに一時的に記録されている例えば12秒分の画像情報は揮発部RAから不揮発部ROに転送されることになるが、当該タイミング直後の例えば8秒分の画像情報は、カメラ部1から直接不揮発部ROに記録される。このとき、上記検出信号が出力されるタイミングにおいては、揮発部RAにはその直前の例えば12秒分の画像情報が一時的に記録されていることから、結果的に、当該タイミング前後で、上記保存時間に相当する例えば合計20秒分の画像情報が不揮発部ROに記録される。また状態管理部3は、電源管理部12からの上記残量信号に基づいて、上記保存時間自体と、上記検出信号が出力されたタイミング前後それぞれの画像情報の、上記保存時間に対応した不揮発部ROへの記録時間と、をそれぞれ制御する。
【0028】
その後状態管理部3は、上記保存時間が経過したら、バッテリ部Bからの電力の分配/
供給を停止すると共に、ドライブレコーダDR全体としての電源をオフとする。
【0029】
次に、実施例に係るドライブレコーダDRにおける上記画像情報の不揮発部ROへの記録処理(以下、単に「実施例に係る記録処理」と称する)について、具体的に
図3及び
図4を用いて説明する。なお実施例に係る記録処理は、主として状態管理部3を中心として実行される。
【0030】
実施例に係る記録処理は、外部電源EBからの受電部11を介した電力の供給が行われている場合において、ドライブレコーダDRが搭載されている車両のACCスイッチがオンとされたタイミングから開始される。そして、ドライブレコーダDRとしての動作中において(ステップS1)状態管理部3は、上記電力遮断信号の有無により、外部電源EBからの電力を受電することができなくなったか否かを監視している(ステップS2)。ステップS2の監視において外部電源EBからの電力供給が継続されている場合(ステップS2:NO)、状態管理部3は、上記ステップS1に戻ってドライブレコーダDRとしての通常の動作を継続する。
【0031】
一方ステップS2の監視中に上記電力遮断信号が検出された場合(ステップS2:YES)、状態管理部3は、バッテリ部Bからの電力供給に切り換えてドライブレコーダDRとしての電源オフを待機し(ステップS3)、更に上記待機時間内における次回起動用情報の不揮発部ROへの記録を行う(ステップS4)。
【0032】
次に状態管理部3は、衝撃検知部2から上記検出信号が出力されたか否か、換言すれば、上記ステップS2で監視された外部電源EBからの電力供給の消失が、上記車両が急加速や急減速等をしたことによるものであるか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5の判定において上記検出信号が出力されていない場合(ステップS5:NO)、外部電源EBからの電力供給の消失は例えば人為的なものであると推測されるため、状態管理部3は後述するステップS9に移行する。一方ステップS5の判定において上記検出信号が出力されている場合(ステップS5:YES)、状態管理部3は、上記保存時間が確保されるように上記待機時間を延長する(ステップS6)。そして状態管理部3は、揮発部RAに記録されている画像情報及びカメラ部1からの画像情報(換言すれば、上記検出信号が出力されるタイミングを含む保存時間分の画像情報)の不揮発部ROへの記録を開始し(ステップS7)、更に必要分の記録後にこれを終了する(ステップS8)。このとき状態管理部3は、電源管理部12からの上記残量信号に基づいて、上記検出信号が出力されるタイミングより前の画像情報の記録時間(即ち揮発部RAからの転送時間)と、当該タイミング後の画像情報のカメラ部1からの記録時間と、を調整する。
【0033】
ここで、上記各記録時間の調整について、具体的に
図4を用いて説明する。なお
図4において、バッテリ部Bの残電力量は「残量」と、上記検出信号が出力されるタイミングより前の画像情報の記録時間は「検出前」と、当該タイミング後の画像情報の記録時間は「検出後」と、それぞれ表されている。
【0034】
図4(a)に例示するように上記保持時間は、バッテリ部Bの残電力量に基づいて変化するように制御される。より具体的に当該保持時間は、バッテリ部Bの残電力量が少ないほど短くなるように制御される。そして例えば、バッテリ部Bの残電力量が100%に近い場合には上述したように保持時間が20秒とされる。そしてこの場合、その保存時間内において、上記検出信号が出力されるタイミングより前の画像情報の記録時間と当該タイミング後の画像情報の記録時間との比は、概ね3:2(具体的には、12秒:8秒)とされている。なお、上記比率に基づく各記録時間に小数点以下の端数が生じる場合は、例えば四捨五入により各記録時間が設定されている。また上記検出信号が出力されるタイミングにおけるバッテリ部Bの残電力量が少なく、よって保存時間が短くならざるを得ない場合は、上記各記録時間の比が例えば1:1に近付くように設定される。なお
図4(b)に例示されるように、保存時間としてのいわゆるマージンが2秒追加される場合には、上記各記録時間も、それぞれ1秒程度長く設定される。このように、上記検出信号が出力されるタイミングより前の画像情報の記録時間が当該タイミング後の画像情報の記録時間より長く設定されているのは、急加速や急減速等の事後的な原因調査等においては、急加速や急減速等の直前における上記車両の進行方向等、急加速や急減速等に至るまでの当該車両の挙動が記録されていることが重要であるという理由による。なお、上記検出信号が出力されるタイミングより前の画像情報の記録時間と当該タイミング後の画像情報の記録時間との関係は任意に設定し得るものであり、当該設定された各記録時間を示す情報は、例えば
図4に示すテーブル状の態様で例えば不揮発部ROに記録されているのが好ましい。また、不揮発部ROに記録される画像情報の事後的な用途に応じて、上記検出信号が出力されるタイミング後の画像情報の記録時間をゼロとし、当該タイミングより前の画像情報の記録時間をより長く設定するように構成してもよい。
【0035】
上記ステップS8までの処理により必要量の画像情報の不揮発部ROへの記録が終了したら(ステップS8参照)、次に状態管理部3は、上記待機時間の経過を判定する(ステップS9)。ステップS9の判定において待機時間が経過していない場合(ステップS9:NO)、状態管理部3は上記ステップS3に戻って、上述してきた一連の処理を繰り返す。一方、画像情報の不揮発部ROへの記録が行われた場合は待機時間も経過していることになるので(ステップS9:YES)、状態管理部3はドライブレコーダDRとしての電源をオフとし(ステップS10)、実施例に係る記録処理を終了する。
【0036】
以上説明したように、実施例に係る記録処理によれば、待機時間内に既定値以上の加速度が検出の印加がされたとき、待機時間が延長されてバッテリ部Bからの電力供給が継続されるので、例えば急加速や急減速等により既定値以上の加速度が検出されたときに、後ほど必要となる画像情報を、確実に記録することができる。また、待機時間内に規定値以上の加速度が検出されたとき待機時間を延長するので、不要な場合にまで待機時間を延長することによる、不要な電力消費の発生を抑制することができる。
【0037】
更に、延長された待機時間の終了時(換言すれば、保存時間の終了時)まで画像情報の記録が継続されるので、所望される記録時間に相当する画像情報を記録することができる。
【0038】
更にまた、外部電源EBからの電力供給が停止した後、待機時間の終了まで、バッテリ部Bからの電力を供給するので、待機時間の終了まで確実に次回起動用情報及び画像情報を記録することができる。
【0039】
また、バッテリ部Bの残量に基づいて待機時間の延長分に相当する時間が制御されるので、バッテリ部Bの残量に応じて確実に必要な情報を記録することができる。更にこのとき、バッテリ部Bの残量が少ないほど上記延長分に相当する時間が短く制御されるので(
図4参照)、バッテリ部Bの残量に応じてより確実に必要な情報を記録することができる。
【0040】
更にまた、上記保存時間内において、上記検出信号が出力されるタイミングより前の画像情報の記録時間が当該タイミング後の画像情報の記録時間より長く設定されているので、既定値以上の加速度が検出されたことに関連して後ほど必要となる画像情報を、より確実に記録することができる。
【0041】
また、画像情報が不揮発部ROに記録されるので、既定値以上の加速度が印加された以降の画像情報を確実に記録しておくことができる。
【0042】
なお上述した実施例では、不揮発部ROには上記次回起動用情報及び画像情報を記録することとしたが、これ以外に、当該画像情報と同時間帯の音声情報(音情報)や、上記衝撃検知部2により検出された加速度の具体的な値や方向を示す情報を併せて記録してもよい。
【0043】
また上述した実施例において衝撃検知部2は、車両が急加速や急減速等をしたことによる衝撃により、既定の大きさ及び方向の加速度がドライブレコーダDR(換言すれば、ドライブレコーダDRが搭載された車両)に印加された場合、その旨を示す検出信号を生成することとした。しかしながら衝撃検知部2としては、上記急加速や急減速に限らず、予め設定された大きさ及び方向の加速度が印加されたことが検出された場合に、その旨を示す検出信号を生成することができればよい。
【0044】
更に上述した実施例では、待機時間中の記録処理及びそれを延長した保存時間中の記録処理の双方をバッテリ部Bからの電力供給により行うこととしたが、これ以外に、待機時間中の記録処理はドライブレコーダDRの電源オフに係る遅延回路により行い、保存時間中の記録処理のみをバッテリ部Bからの電力供給により行うように構成してもよい。
【0045】
更にまた、カメラ部1から不揮発部ROへの画像情報の記録中にドライブレコーダDR自体の電源をオフとする場合には、状態管理部3からカメラ部1に対して、当該記録の中断を要求する旨の信号を送信しておくことが好ましい。
【0046】
また、
図3に示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る状態管理部3として機能させることも可能である。