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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123039
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】施工計画を表示するための投影装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240903BHJP
   E04G 21/18 20060101ALI20240903BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240903BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240903BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20240903BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
E04G21/18 B
G03B21/00 D
G09G5/00 510B
G09G5/00 510H
G09G5/10 B
G09G5/00 X
G09G5/00 555G
G09G5/00 530H
G09G5/38 100
G09G5/37 310
【審査請求】有
【請求項の数】44
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091414
(22)【出願日】2024-06-05
(62)【分割の表示】P 2021531382の分割
【原出願日】2019-11-29
(31)【優先権主張番号】62/772,917
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
2.ANDROID
3.BLUETOOTH
4.iOS
(71)【出願人】
【識別番号】521234973
【氏名又は名称】ハ,ヒエウ トゥアン チャールズ
(71)【出願人】
【識別番号】521234984
【氏名又は名称】ナロエイ,メヘラーン
(71)【出願人】
【識別番号】521234995
【氏名又は名称】ルフェーヴル,ジョナサン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ヒエウ トゥアン チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ナロエイ,メヘラーン
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーヴル,ジョナサン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建設現場での不正確さ、時間及び労力の無駄に関連した問題を補償する施工計画を表示する投影装置を提供する。
【解決手段】投影装置100は、投影光学系と、レーザモジュール160と、第1の鏡検流計と、第2の鏡検流計と、を有するプロジェクタヘッドを備え、メモリデバイス184は1つ以上の施工計画を記憶し、コントローラ116は、レーザモジュール160、2つの鏡検流計、及びメモリデバイス184に作動的に接続され、メモリデバイス184から表示するべき施工計画を選択し、レーザモジュール160を選択的にアクティブ化し、レーザモジュール160の選択的アクティブ化と同時に、投影光学系に向かって方向転換させた入射光が建設現場に施工計画の投影を選択的に形成するように、第1及び第2の鏡検流計を、選択された施工計画によって定義される経路に選択的に従わせ、建設現場の基準点は、投影装置を配置するために用いる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工計画を表示するための投影装置であって、
プロジェクタヘッドと、
レーザ安全モジュールと、
メモリデバイスと、
コントローラと、
を備え、
前記プロジェクタヘッドは、
投影光学系のセットと、
レーザモジュールと、
2つの鏡検流計であって、前記レーザモジュールからの入射光を第2の鏡検流計に向かって方向転換させるように構成された第1の鏡検流計、及び前記第1の鏡検流計からの入射光を前記投影光学系のセットに向かって方向転換させるように構成された前記第2の鏡検流計を含む、2つの鏡検流計と、
を備え、
前記レーザ安全モジュールは、前記レーザモジュールと作動的に接続され、
前記メモリデバイスは、1つ又は複数の施工計画を記憶するように適合され、
前記コントローラは、前記レーザモジュール、前記2つの鏡検流計、前記レーザ安全モジュール、及び前記メモリデバイスと作動的に接続され、且つ、前記コントローラは、以下の操作:
前記メモリデバイスから表示するべき施工計画を選択する;
前記レーザモジュールを選択的にアクティブ化する;
前記第1及び前記第2の鏡検流計を、前記レーザモジュールの選択的アクティブ化と同時に前記選択された施工計画によって定義される経路に従わせることにより、前記投影光学系に向かって方向転換された前記入射光が、建設現場に前記施工計画の投影を選択的に形成する
を実行するように適合され、
前記レーザ安全モジュールは、以下の操作:
レーザ光に曝される網膜の安全レベルを計算する;
前記施工計画の前記投影上のラインの数、前記ラインの長さ、前記ラインの合計の長さ、前記ラインの交差、前記建設現場の環境輝度、及び前記建設現場の前記投影におけるジャンプの数のうちの1つ又は複数を考慮することにより、前記施工計画の前記投影の明るさを推定する;
前記施工計画の前記投影の明るさが網膜の曝露の前記安全レベルを下回るまで、その強度を減衰させることによって、前記レーザモジュールの操作を動的に制御する
を実行するように構成される
投影装置。
【請求項2】
支持構造体をさらに備え、前記プロジェクタヘッドが前記支持構造体に選択的に接続される、請求項1に記載の投影装置。
【請求項3】
前記投影装置は距離計を更に備え、
前記距離計は、前記コントローラに作動的に接続され、かつ前記投影装置と前記建設現場に配置された基準点との間の距離を測定するように適合され、
前記コントローラは以下の操作:
前記投影装置と前記基準点との間の測定された距離を受信し;
前記投影装置と前記基準点との間の測定された距離に基づいて、前記建設現場内の前記投影装置の位置及び向きを計算する
を実行するように更に構成される、請求項1又は請求項2に記載の投影装置。
【請求項4】
前記コントローラがさらに、前記建設現場内の前記投影装置の位置及び向きを考慮して決定された投影ゾーンに前記選択された施工計画の投影を適合させるように構成される、請求項3に記載の投影装置。
【請求項5】
前記コントローラに作動的に接続され、移動する基準点の変化する位置を追跡するように適合された第1のカメラをさらに備え、
前記コントローラがさらに、前記移動する基準点の変化する位置を考慮して、前記選択された施工計画の投影を適合させるように構成される、請求項4に記載の投影装置。
【請求項6】
前記コントローラに作動的に接続される第2のカメラをさらに備え、前記コントローラがさらに、
前記カメラによって提供された画像に基づいて前記建設現場の輝度を検出し、
前記建設現場の輝度に応じて前記レーザモジュールの出力レベルを調節する、
ように構成される、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項7】
前記コントローラに作動的に接続され、前記建設現場の床の画像を取り込むように適合された2つ以上のカメラをさらに備え、前記コントローラがさらに、前記2つ以上のカメラによって提供された床の画像に基づいて、前記建設現場の床の平坦度及び高度のうちの少なくとも1つを計算するように構成される、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項8】
前記コントローラが、システムオンチップである、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項9】
前記プロジェクタヘッドを支持する水平調整システムをさらに備え、
前記コントローラがさらに、前記水平調整システムに、前記プロジェクタヘッドのピッチ軸又はヨー軸、或いはピッチ軸とヨー軸の両方を修正させるように構成される、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項10】
前記水平調整システムが、
前記プロジェクタヘッドのピッチを測定するように適合されたピッチエンコーダと、
前記プロジェクタヘッドのピッチを調節するように適合されたピッチモータと、
前記プロジェクタヘッドのヨーを測定するように適合されたヨーエンコーダと、
前記プロジェクタヘッドのヨーを調節するように適合されたヨーモータと、
を備え、前記コントローラがさらに、それぞれ、前記ピッチモータ及び前記ヨーモータを制御するべく前記ピッチエンコーダ及び前記ヨーエンコーダから測定値を受信するように構成される、請求項9に記載の投影装置。
【請求項11】
前記コントローラがさらに、前記プロジェクタヘッドのピッチ又はヨー或いはピッチとヨーの両方の変化を考慮して、前記選択された施工計画の投影を適合させるように構成される、請求項10に記載の投影装置。
【請求項12】
前記プロジェクタヘッドのピッチを測定するように適合されたピッチエンコーダと、
前記プロジェクタヘッドのヨーを測定するように適合されたヨーエンコーダと、
をさらに備え、
前記コントローラがさらに、前記プロジェクタヘッドのピッチ、ヨー、又はピッチとヨーの両方の変化を考慮して、前記選択された施工計画の投影を適合させるように構成される、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項13】
前記コントローラに通信可能に接続されたヒューマンマシンインターフェース(HMI)をさらに備え、前記HMIは、
前記投影装置の校正を行わせるコマンド、
前記投影装置の向きを制御するコマンド、
前記プロジェクタヘッドの自己水平調整を行わせるコマンド、
前記建設現場に配置された基準点の検索を開始するコマンド、
前記施工計画を選択するコマンド、
前記建設現場での前記施工計画の投影を開始するコマンド、
投影の明るさを増加させるコマンド、
投影の明るさを減少させるコマンド、
前記建設現場での前記施工計画の投影を停止するコマンド、
前記選択された施工計画を修正するコマンド、
から選択された1つ又は複数のコマンドを前記投影装置に転送するように構成される、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項14】
前記HMIが、無線接続を介して前記コントローラに通信可能に接続される、請求項13に記載の投影装置。
【請求項15】
前記HMIが、有線接続を介して前記コントローラに通信可能に接続される、請求項13に記載の投影装置。
【請求項16】
前記HMIが、前記投影装置に一体化される、請求項13に記載の投影装置。
【請求項17】
前記コントローラがさらに、
前記選択された施工計画のフォーマットを検証し、
前記選択された施工計画が所定のフォーマットに従っていない場合、前記HMIにエラーメッセージを表示させる、
ように構成される、請求項13~請求項16のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項18】
前記コントローラがさらに、
前記選択された施工計画のフォーマットを検証し、
前記選択された施工計画が所定のフォーマットに従っていない場合、前記建設現場での前記施工計画の投影を防止する、
ように構成される、請求項1~請求項16のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項19】
前記コントローラに通信可能に接続されたヒューマンマシンインターフェース(HMI)をさらに備え、前記HMIは、前記建設現場内の前記投影装置の計算された位置及び向きをコントローラから受信し、前記建設現場内の前記投影装置の計算された位置及び向きを表示するように構成される、請求項3に記載の投影装置。
【請求項20】
前記レーザ安全モジュールが、前記投影装置の構成要素から障害表示を受信し、前記障害表示に応答して前記レーザモジュールを中断させるように適合される、請求項1に記載の投影装置。
【請求項21】
前記障害表示は、前記2つの鏡検流計の一方又は両方の障害に関連する、請求項20に記載の投影装置。
【請求項22】
前記障害表示は、前記投影光学系の破損又は前記プロジェクタヘッドを収容するケーシングの破損に関連する、請求項20に記載の投影装置。
【請求項23】
前記障害表示は、前記コントローラによって報告されるソフトウェア障害又は通信障害に関連する、請求項20に記載の投影装置。
【請求項24】
前記レーザ安全モジュールに作動的に接続された近接センサをさらに備え、前記レーザ安全モジュールは、
前記近接センサから、前記投影装置の近傍の人の存在を示す信号を受信し、
前記レーザ安全モジュールが前記投影装置の近傍の人の存在を示す信号をその人の安全上の問題として解釈するとき、前記レーザモジュールを中断させる、
ように構成される、請求項1に記載の投影装置。
【請求項25】
前記投影装置の近傍の人の存在を示す信号が、前記人と前記投影装置との距離を含み、
前記レーザ安全モジュールは、前記レーザモジュールの出力レベル、及び前記人と前記投影装置との前記距離を考慮して、その人に安全上の問題があるかどうかを判定する、
請求項24に記載の投影装置。
【請求項26】
前記レーザ安全モジュールが、
前記施工計画を投影した任意の所与の区域における投影の明るさの密度を網膜の暴露の安全レベルよりも低く動的に維持するべく、前記施工計画の投影上の各ラインの明るさを制御する、請求項1に記載の投影装置。
【請求項27】
施工計画を表示するための投影装置において、
プロジェクタヘッドであって、
投影光学系のセットと、
レーザモジュールと、
前記レーザモジュールに作動的に接続されたレーザ安全モジュールと、
前記レーザモジュールからの入射光を前記投影光学系のセットに向けるように適合された検流計システムと、
前記プロジェクタヘッドのヨーをリアルタイムで検出するように適合されたヨーエンコーダと、
前記プロジェクタヘッドのピッチをリアルタイムで検出するように適合されたピッチエンコーダと、
を備えるプロジェクタヘッドと、
1つ以上の施工計画を記憶するように適合されたメモリデバイスと、
前記レーザモジュール、前記検流計システム、前記ヨーエンコーダ、前記ピッチエンコーダ、前記レーザ安全モジュール、及び前記メモリデバイスに作動的に接続される、コントローラであって、
前記メモリデバイスから表示するべき施工計画を選択し、
前記レーザモジュールを選択的にアクティブ化し、
前記レーザモジュールの選択的アクティブ化と同時に、前記投影光学系に向けられた入射光が建設現場に前記施工計画の投影を選択的に形成するように、前記検流計システムを、前記選択された施工計画によって定義される経路に選択的に従わせる、
ように適合され、前記施工計画の投影は、前記プロジェクタヘッドのヨー、ピッチ、又はヨーとピッチの両方の変化に応じてリアルタイムで適応される、コントローラと、
を含み、
前記レーザ安全モジュールは、以下の操作:
レーザ光に曝される網膜の安全レベルを計算する;
前記施工計画の前記投影上のラインの数、前記ラインの長さ、前記ラインの合計の長さ、前記ラインの交差、前記建設現場の環境輝度、及び前記建設現場の前記投影におけるジャンプの数のうちの1つ又は複数を考慮することにより、前記施工計画の前記投影の明るさを推定する;
前記施工計画の前記投影の明るさが網膜の曝露の前記安全レベルを下回るまで、その強度を減衰させることによって、前記レーザモジュールの操作を動的に制御する
を実行するように構成される
投影装置。
【請求項28】
前記コントローラに作動的に接続され、前記投影装置と前記建設現場に配置された基準点との間の距離を測定するように適合された距離計をさらに備え、
前記メモリデバイスが、前記建設現場の既知の基準点の位置を記憶するようにさらに適合され、
前記コントローラがさらに、
前記投影装置と前記基準点との間の前記測定された距離を受信し、
前記基準点の既知の位置、及び前記投影装置と基準点との間の測定された距離に基づいて、前記建設現場内の前記投影装置の位置及び向きを計算し、
前記建設現場内の前記投影装置の位置及び向きを考慮して決定された投影ゾーンに前記選択された施工計画の投影を適合させる、
ように構成される、請求項27に記載の投影装置。
【請求項29】
前記コントローラに作動的に接続され、移動する基準点の変化する位置を追跡するように適合されたカメラをさらに備え、前記コントローラがさらに、前記移動する基準点の変化する位置を考慮して、前記選択された施工計画の投影を適合させるように構成される、請求項28に記載の投影装置。
【請求項30】
施工計画を表示するための投影装置において、
プロジェクタヘッドであって、
投影光学系のセットと、
レーザモジュールと、
前記レーザモジュールからの入射光を前記投影光学系のセットに向けるように適合された検流計システムと、
を備えるプロジェクタヘッドと、
1つ以上の施工計画を記憶するように適合されたメモリデバイスと、
前記レーザモジュール、前記検流計システム、及び前記メモリデバイスに作動的に接続される、コントローラであって、
前記メモリデバイスから表示するべき施工計画を選択し、
前記レーザモジュールを選択的にアクティブ化し、
前記レーザモジュールの選択的アクティブ化と同時に、前記投影光学系に向かって方向転換させた入射光が建設現場に施工計画の投影を選択的に形成するように、前記検流計システムを、選択された施工計画によって定義される経路に選択的に従わせる、
ように適合されるコントローラと、
前記レーザモジュールに作動的に接続される、レーザ安全モジュールであって、
前記レーザ安全モジュールは、以下の操作:
レーザ光に曝される網膜の安全レベルを計算する;
前記施工計画の前記投影上のラインの数、前記ラインの長さ、前記ラインの合計の長さ、前記ラインの交差、前記建設現場の環境輝度、及び前記建設現場の前記投影におけるジャンプの数のうちの1つ又は複数を考慮することにより、前記施工計画の前記投影の明るさを推定する;
前記施工計画の前記投影の明るさが網膜の曝露の前記安全レベルを下回るまで、その強度を減衰させることによって、前記レーザモジュールの操作を動的に制御する
を実行するように適合される
レーザ安全モジュールと、
を備える、投影装置。
【請求項31】
前記レーザ安全モジュールが、前記投影された施工計画の任意の所与の区域における投影の明るさの密度を網膜の暴露の安全レベルより低く動的に維持するべく、前記建設現場の前記施工計画の投影上の各ラインの明るさを制御するように適合される、請求項30に記載の投影装置。
【請求項32】
前記レーザ安全モジュールが、前記投影装置の構成要素から障害表示を受信し、前記障害表示に応答して前記レーザモジュールを中断させるように適合される、請求項30又は請求項31に記載の投影装置。
【請求項33】
前記レーザ安全モジュールに作動的に接続された近接センサをさらに備え、前記レーザ安全モジュールは、
前記近接センサから、前記投影装置の近傍の人の存在を示す信号を受信し、
前記レーザ安全モジュールが前記投影装置の近傍の人の存在を示す信号をその人の安全上の問題として解釈するとき、前記レーザモジュールを中断させる、
ように構成される、請求項30~請求項32のいずれか一項に記載の投影装置。
【請求項34】
請求項1~請求項33のいずれか一項に記載の投影装置の操作方法であって、
前記投影装置に施工計画をロードすることと、
前記投影装置を建設現場に配置することと、
前記建設現場で前記施工計画の投影を開始することと、
を含む方法。
【請求項35】
前記建設現場に位置及び向き情報を提供することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記建設現場で少なくとも3つの基準点を設定することと、
前記投影装置に前記建設現場での自己位置及び向きを計算させることと、
をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記投影装置の向きを制御するコマンドを前記投影装置に提供することをさらに含む、請求項35又は請求項36に記載の方法。
【請求項38】
移動する基準デバイスの位置を前記投影装置に追跡させるためのコマンドを前記投影装置に提供することをさらに含む、請求項35又は請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記建設現場での前記投影装置の位置及び向きを計算することが、前記投影装置の三辺測量を行うことを含む、請求項36~請求項38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記投影装置に前記プロジェクタヘッドのピッチ角、前記プロジェクタヘッドのヨー角、又は前記プロジェクタヘッドのピッチ角とヨー角を一度に調節させるためのコマンドを前記投影装置に提供することをさらに含む、請求項34~請求項39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記建設現場での前記施工計画の投影のためにキーストン効果の補償を計算することをさらに含む、請求項34~請求項40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記施工計画を第1のフォーマットから第2のフォーマットに変換することをさらに含む、請求項34~請求項41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第1のフォーマットが標準フォーマットであり、前記第2のフォーマットが独自仕様のフォーマットである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1のフォーマットから前記第2のフォーマットに変換する前記施工計画は、前記施工計画の内容を操作することを含む、請求項42又は43に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2018年11月29日に出願された米国特許仮出願第62/772,917号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、投影装置の分野に関する。より詳細には、本開示は、施工計画を表示するための投影装置に関する。
【背景技術】
【0003】
建設及び改修中に、行われる作業を説明するために施工計画が作成される。一般に、建設現場に施工計画のレイアウトを描くために最も多く用いられる方法は、巻尺及びチョークライン又はペンを使って周囲領域に施工計画を手作業で描くことである。
【0004】
この方策は、不正確で時間がかかることがある。多くの場合、この作業は熟練の作業員のみが行うことができる。かかる時間と必要な経験との両方が、建設作業のコストを増加させることがある。加えて、実際と施工計画には、レイアウトを描くまで気づかない可能性がある差異がある。場合によっては、施工計画及び/又は製図作業全体のやり直しが必要になることもある。
【0005】
施工計画を提示するためのいくつかの代替的な方策が提案されている。例えば、一部の方策では、作業員は、上記のような物理的図面を作成することができるが、特定の基準点(壁の隅など)を表す点の投影によって支援される。しかしながら、このような方策の設定及び設置は複雑になることがあり、未熟な作業員又はオペレータには適していない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、建設現場での不正確さ、時間の無駄、及び労力の無駄に関連した問題を補償する施工計画を提示するために改善が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、施工計画を表示するための投影装置が提供される。投影装置は、プロジェクタヘッドと、メモリデバイスと、コントローラを備える。プロジェクタヘッドは、投影光学系のセットと、レーザモジュールと、レーザモジュールからの入射光を第2の鏡検流計に向かって方向転換させるように構成された第1の鏡検流計、及び第1の鏡検流計からの入射光を投影光学系のセットに向かって方向転換させるように構成された第2の鏡検流計を含む2つの鏡検流計を備える。メモリデバイスは、1つ以上の施工計画を記憶する。コントローラは、レーザモジュール、2つの鏡検流計、及びメモリデバイスに作動的に接続される。コントローラは、メモリデバイスから表示するべき施工計画を選択し、レーザモジュールを選択的にアクティブ化し、レーザモジュールの選択的アクティブ化と同時に、投影光学系に向かって方向転換させた入射光が建設現場に施工計画の投影を選択的に形成するように、第1及び第2の鏡検流計を、選択された施工計画によって定義される経路に選択的に従わせる。
【0008】
本開示によれば、施工計画を表示するための投影装置も提供される。投影装置は、プロジェクタヘッドと、メモリデバイスと、コントローラを備える。プロジェクタヘッドは、投影光学系のセットと、レーザモジュールと、レーザモジュールからの入射光を投影光学系のセットに向かって方向転換させるように適合された検流計システムと、プロジェクタヘッドのヨーをリアルタイムで検出するように適合されたヨーエンコーダと、プロジェクタヘッドのピッチをリアルタイムで検出するように適合されたピッチエンコーダを備える。メモリデバイスは、1つ以上の施工計画を記憶する。コントローラは、レーザモジュール、検流計システム、ヨーエンコーダ、ピッチエンコーダ、及びメモリデバイスに作動的に接続される。コントローラは、メモリデバイスから表示するべき施工計画を選択し、レーザモジュールを選択的にアクティブ化し、レーザモジュールの選択的アクティブ化と同時に、投影光学系に向けられた入射光が建設現場に施工計画の投影を選択的に形成するように、検流計システムを、選択された施工計画によって定義される経路に選択的に従わせ、施工計画の投影は、プロジェクタヘッドのヨー、ピッチ、又はヨーとピッチの両方の変化に応じてリアルタイムで適応される。
【0009】
本開示はさらに、施工計画を表示するための投影装置に関する。投影装置は、プロジェクタヘッドと、メモリデバイスと、コントローラと、レーザ安全モジュールを備える。プロジェクタヘッドは、投影光学系のセットと、レーザモジュールと、レーザモジュールからの入射光を投影光学系のセットに向けるように適合された検流計システムを備える。メモリデバイスは、1つ以上の施工計画を記憶する。コントローラは、レーザモジュール、2つの鏡検流計、及びメモリデバイスに作動的に接続される。コントローラは、メモリデバイスから表示するべき施工計画を選択し、レーザモジュールを選択的にアクティブ化し、レーザモジュールの選択的アクティブ化と同時に、投影光学系に向かって方向転換させた入射光が建設現場に施工計画の投影を選択的に形成するように、第1及び第2の鏡検流計を、選択された施工計画によって定義される経路に選択的に従わせる。レーザ安全モジュールは、レーザモジュールに作動的に接続され、レーザモジュールの動作を動的に制御するように適合される。
【0010】
本開示によれば、投影装置の操作方法も提供される。投影装置が建設現場に配置される。施工計画が投影装置にロードされる。次いで、建設現場での施工計画の投影が開始される。
【0011】
上記の及び他の特徴は、添付の図面を参照しながら、単なる例として与えられるその例示的な実施形態の以下の限定ではない説明を読むことでより明らかとなるであろう。
【0012】
本開示の実施形態を、添付の図面を参照しながら単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術の一実施形態に係る、使用中の投影装置の例示的な図である。
図2】本技術の一実施形態に係る、図1の投影装置の正面斜視図である。
図3】本技術の一実施形態に係る、図1の投影装置の後面斜視分解図である。
図4】本技術の一実施形態に係る、図1の投影装置のプロジェクタヘッドの分解図である。
図5】本技術の一実施形態に係る、図1の投影装置の構成要素の概略的なレイアウトである。
図6】本技術の一実施形態に係る、図1の投影装置の操作方法のフローチャートである。
図7】本技術の別の実施形態に係る、図1の投影装置の操作方法のフローチャートである。
図8】本技術の別の実施形態に係る、プロジェクタヘッドを支持するケーシングの変形例の斜視図である。
図9】本技術の別の実施形態に係る、プロジェクタヘッドを支持するケーシングの別の変形例の斜視図である。
図10】本技術の別の実施形態に係る、投影装置とその環境のブロック図である。
図11】本技術の一実施形態に係る、動的レーザ投影の動作を示すフローチャートである。
図12】本技術の別の実施形態に係る、投影装置のハードウェアアーキテクチャの論理図である。
図13】投影装置を使用して得られるレーザ投影サイズの側面図である。
図14】投影装置を使用して得られるレーザ投影サイズの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
種々の図面上で同様の数字は同様の特徴を表す。図は必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。
【0015】
本開示の種々の態様は、概して、建設現場での不正確さ、時間の無駄、及び労力の無駄に関連した問題のうちの1つ以上に対処する。
【0016】
本開示は、建設現場の既知の基準点に対する建設現場での自己位置を求める、したがって、プロジェクタヘッドの空間位置(例えば、軸x及び軸xに垂直な軸yに沿った)及び角度位置(すなわち、ピッチ及びヨーに関する向き)に応じて、建築計画、フロアプラン、建設レイアウトなど(一般に「施工計画」と呼ばれる)の一部又は全部を投影する、投影装置を紹介する。基準点は、投影装置のオペレータによって、投影装置が使用される局所領域に設けられ得る。基準点は、建設現場で専門の測量技師又はエンティティによって、局所領域に既に存在する要素に、例えば、壁の隅などの床につけられたマークとすることもできることが企図される。代替的に、投影装置のオペレータ又はアシスタントが、投影装置を設置するときに建設現場に基準点を設けてもよい。投影装置の測位を支援するために3つ以上の基準点が用いられ得る。投影装置の外部の手段によって定義される投影装置の測位情報を建設現場で手動入力することも企図される。
【0017】
投影装置は、オペレータによって手動で制御されるか、或いは有線又は無線接続で投影装置に接続されるヒューマンマシンインターフェース(HMI)によって制御される。HMIは、例えば、組み込みの対話型画面、或いはコンピュータ又は任意の汎用コントローラ上で動作するアプリケーションを備えることができる。投影装置は、垂直軸と水平軸を含む2軸で360度回転し、レーザ投影を使用して、床、壁、及び天井を含む周囲の表面上に関連情報を投影することができる。投影装置は、1つ又は複数のバッテリを使用することで電力を供給され、バッテリを交換するときに途切れのない投影を維持するためにバッテリのホットスワップに対応することができる。代替的に、投影装置は、壁コンセントに接続されたケーブルを通じて電力を供給されてもよい。投影装置のいくつかの実施形態は、投影装置にもたらされる移動を検出するように適合された高精度センサを装備し得る。投影装置は、そのような検出された移動に応じてその投影を適応させることができ、したがって、投影装置が移動されるたびに投影を再校正する必要性を排除する。オペレータは、HMIを使用して、投影される施工計画を修正し、望むなら、実施形態に応じて、例えば、壁、穴、ドア、柱などの画像エンティティを追加、削除、又は移動することができる。エンティティが追加、削除、又は移動された後で、投影装置は、これらの変化を反映するように投影を適応させる。したがって、投影装置は、オペレータが施工計画と建設現場の現実との違いを調整し、必要に応じて施工計画を適応させることを可能にする。
【0018】
ここで図1図3を参照して本技術に係る投影装置100の一実施形態を説明する。投影装置100は、外部ソースから施工計画を受信し、これらの施工計画に基づいて、建設現場の周囲に投影されるガイドラインを定義する。投影されるガイドラインは、壁、ドア、食器棚などの様々な要素を位置決めする際に建設作業員を支援するのに役立つ。投影装置100は、建設現場で施工計画のレイアウトを物理的に描く作業と置き換えられることにより、建設作業員の作業負荷の低減と生産性の向上を支援する。作業員は、実際の建設作業を行う前に、現実と施工計画との間に生じる可能性がある違いを確認することができる。したがって、建設作業が行われて無駄になる前に、施工計画の補正を用意して投影装置100に入力することができる。投影装置100のオペレータ及び他の建設作業員は、作業を始める前に、建設現場の表面上に、投影をなぞって描くことを決定してもよい。代替的に、建設作業員は、レーザ投影の上で直接作業することを決定してもよい。投影装置100のいくつかの実施形態は、建設現場上を移動するオブジェクトを認識及び追跡し、基準点に自動的に照準を合わせ、オブジェクト間の及び/又は基準点間の距離を測定し、複数の目的で用いられ得る三次元(3D)仮想環境マップを生成して、例えば、後述する技術を使用して表面の平坦度を測定又は評価する、或いは生成された3D仮想環境マップを参照として使用することが可能であり得る。基準点の検出精度を向上させるために、プリズム反射器又は反射面を有するカスタムメイドの標的を基準点上に配置することができる。カスタムメイドの標的の特徴は、投影装置100に実装されたコンピュータビジョン追跡特徴をサポートすることができる。
【0019】
図2及び図3に示された投影装置100の実施形態は、ケーシング110を含む。ケーシング110は、機械要素、光学要素、及び限定されないが、ドライバボード、マイクロコントローラ、及び端末などの計算要素を含む、投影装置100の多くの構成要素を収容する。ケーシング110内に配置された構成要素を以下でより詳細に説明する。ケーシング110は、投影装置100の構成要素を収容及び保護し、これについても以下でより詳細に説明する。
【0020】
投影装置100は、投影装置100の構成要素を支持するための三脚102を含む。ケーシング110は、三脚102に選択的に固定される。ケーシング110は、異なる支持構造体で支持することもできることが企図される。ケーシング110は、付加的な構造体なしに提供することもでき、動作領域の表面上に配置することもできることも企図される。
【0021】
ケーシング110は、投影装置100に電力を供給するためにバッテリパック120を受け入れる。バッテリパック120は、複数のバッテリセルを含むが、異なるバッテリ構造を使用することもできることが企図される。投影装置100は、バッテリパック120とは異なる電源によって、例えば壁のコンセントに差し込むことができる電気コードを使用することによって、電力を供給することもできることも企図される。
【0022】
ケーシング110はまた、その内部にコントローラを収容する。コントローラは、汎用プロセッサとして又は汎用プロセッサのグループとして実装することができ、メモリデバイスに又はメモリデバイスのグループに、及びコントローラがケーシング110の他の構成要素と通信することを可能にする1つ又は複数のインターフェースに、作動的に接続される。一実施形態では、コントローラは、システムオンチップ(SoC)116、例えば、NVidiaのJetson TX2又はIntelのNUCとして実装される。SoC116は、単一のボード上に収まるように設計及び圧縮されたコンピュータデバイスである。SoC116は、投影装置100の計算及び決定のほとんどを担当する。限定されないが、SoC116上で動作するソフトウェアは、オブジェクト指向アーキテクチャを備えたC++で、又はクロスプラットフォームのランタイム環境node.jsを使用してJavaScriptで書かれていてもよい。SoC116は、投影装置100の他の構成要素に通信可能に接続され、それらから入力を受信し、適切な出力を送達する。SoC116によって行われる計算は、オペレータによって入力された施工計画の、投影角への変換を含み得る(以下でより詳細に説明する)。SoC116は、3D処理のために、及びヒューマンマシンインターフェース(HMI)190と相互作用するために、別個に図示されていないグラフィカル処理ユニット(GPU)を装備し得る。SoC116は、ケーシング110に収容された無線通信ハードウェアに作動的に接続され得る。無線通信ハードウェアを通じて、投影装置100は、そのファームウェアを自動的に更新し、安全なリモートサーバから施工計画をダウンロードすることができる。これはまた、投影装置100の監視を支援し、投影装置100の最終的なハードウェア又はソフトウェア問題の遠隔トラブルシューティングを支援することができる。
【0023】
HMI190は、人間のオペレータが投影装置100を制御することを可能にする。一実施形態では、HMI190は、iOS又はAndroidオペレーティングシステムを実行し、無線接続を介してSoC116に通信可能に接続される、タブレットであり得る。いくつかの実施形態では、HMI190は、ハードワイヤード接続を介してSoC116に接続することもできることが企図される。HMI190は、オペレータの個人用電話、コンピュータから実行されるアプリケーション、投影装置100に組み込まれた対話型画面、及びゲームパッドと類似したカスタムコントローラを含むがこれらに限定されない様々な形態とすることもできることも企図される。HMI190は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)画面として、投影装置100に一体化することもできることがさらに企図される。
【0024】
ケーシング110は、ケーシング110に固定された2つの人間工学的に設計されたハンドル122を含む。ハンドル122は、投影装置100を便利に運ぶために設けられる。いくつかの実施形態では、ハンドル122を省略することもできることが企図される。
【0025】
ケーシング110はまた、プロジェクタヘッド150を収容する。ケーシング110はまた、回転モータ140(図4参照)を収容する。モータ140は、プロジェクタヘッド150の垂直角度位置(ピッチ)を制御及び決定するべく、プロジェクタヘッド150に作動的に接続される。
【0026】
ここで図4を参照して、プロジェクタヘッド150の構成要素を説明する。プロジェクタヘッド150は、プロジェクタヘッド150の種々の構成要素を収容するためのハウジング152を含む。ハウジング152に取り付けられているのは、プロジェクタヘッド150をモータ140に接続するマウント装置154である。マウント装置154は、種々の異なる機械要素で構築され得る。
【0027】
プロジェクタヘッド150は、投影装置100と建設現場の標的領域との間の距離を測定するための距離計158を含む。距離計158は、投影装置100と基準点との間の距離を求めるために用いることができる。一実施形態では、距離計158は、レーザベースの距離計を含み得るが、他の実施形態では異なるタイプの距離計を用いることもできる。一実施形態では、距離計の精度は±1mmである。
【0028】
プロジェクタヘッド150はまた、環境の3Dマップを生成し、オブジェクトを検出し、移動するオブジェクトを追跡し、建設現場の床、壁、及び天井などの表面の環境輝度を測定するために、2つのカメラ172を含む。SoC116は、投影装置100によって投影された施工計画の明るさが環境輝度と一致するように、レーザモジュール160の出力レベルを測定輝度の関数として制御することができる。したがって、レーザモジュール160の出力レベルを、日中は増加させ、夕方は又は建設現場が一般に暗い環境であるときに減少させることができる。一実施形態では、投影装置100と基準点との間の距離を求めるために2つのカメラ172からの立体視を用いることができる。同じ又は別の実施形態において、一方のカメラ172は、移動するオブジェクトを追跡するのに用いることができ、他方のカメラは、3Dマップを生成する及び/又は表面の輝度を測定するのに用いることができる。
【0029】
投影装置100のいくつかの実施形態は、建設現場の床、壁、及び天井などの表面の平坦度を測定又は評価するように適合される。一実施形態では、2つのカメラ172(及び随意的に追加のカメラ)が、建設現場の同じ場所の床の画像を取り込み、SoC116が、これらの画像に基づいて床の平坦度及び/又は高度を計算するべくホモグラフィ計算を実施する。別の実施形態では、距離計158が、プロジェクタヘッド150から建設現場の床上の位置までの3つ以上の距離測定を行い、これらの測定に関連する角度位置を記録する。SoC116は、これらの測定値に基づいて、床の平均高度を計算する。さらなる実施形態では、LiDARセンサ(図示せず)が投影装置100に一体化される。LiDARセンサは、建設現場をスキャンして、床を含む建設現場を表す3D点群を生成する。SoC116は、3D点群に基づいて、床の平坦度及び高度を計算する。
【0030】
プロジェクタヘッド150はまた、レーザモジュール160と、検流計システム164と、一組の投影光学系166とを含む、光学系を含む。レーザモジュール160は、例えば、連続固体レーザであり得るが、パルスレーザ、HeNeレーザ、及びCOレーザを含むがこれらに限定されない様々なレーザシステムを実装することもできることが企図される。例えば、限定されないが、レーザモジュール160は、532nmの波長で発光する40mWレーザであり得る。
【0031】
ガルボ164とも呼ばれる検流計システム164は、一体化されたアクチュエータを有する2つの鏡検流計174を含む電気機械機構、例えば、Cambridge Technology Inc.の6220Hデバイスである。検流計システム164は、SoC116から命令を受信するべくSoC116に通信可能に接続される。検流計システム164は、レーザモジュール160によって生成され、検流計システム164に入射する光ビームを、入射ビーム角に対するミラーの角度を変化させることにより、建設現場の所望の標的に送達する。検流計システム164の代わりに、プロジェクタヘッド150は、代わりに又は加えて、音響光学スキャナ、電気光学スキャナ、レゾナント及びポリゴンスキャナを含むこともできる。加えて、検流計システム164は、検流計スキャナの1つよりも多いセットを含むこともできる。
【0032】
図示した実施形態の投影光学系166は、レンズ168及び開口169を含む。特定の実施形態に応じて、より多くのレンズ及びフィルタなどの光学素子を投影光学系166に含めることもできる。いくつかの実施形態では、プロジェクタヘッド150は、実施形態の詳細に応じて、レンズを省略することもできる。
【0033】
光学系は、一般に以下のように動作する。SoC116は、投影装置100にロードされた施工計画の種々の点を表すベクトルセットを計算する。これらのベクトルセットに基づいて、SoC116は、レーザモジュール160に、コリメートされたレーザビームを検流計システム164上に選択的に放出させる。また、これらのベクトルセットに基づいて、SoC116は、検流計システム164に、ベクトルセットで定義され施工計画に基づいて計算された投影角に基づいて、SoC116からの命令に従って制御される可変角度にレーザビームを選択的に向ける。このように向けられたレーザビームは、次いで、光学系166を透過し、光学系166によって投影される。検流計システム164は、施工計画の周囲環境でもたらされるべき視覚化に対応する角度に沿って、レーザビームを迅速にスイープする。投影装置100のいくつかの実施形態は、投影装置から最高10メートル又はそれ以上、幅10メートル以上の施工計画を投影するように適合される。同じ又は他の実施形態は、投影が平坦な表面上で行われるときの理想的な環境において、投影される施工計画上の点の±3mmの精度を維持することができる。投影される施工計画上の点の精度は、建設現場での様々な凹凸及び/又は人為ミスによる影響を受ける場合がある。レーザの発散(エッジからエッジまで)は、ほとんどの状況で12mm以内である。
【0034】
機械要素と計算要素の両方のうちのいくつかを含む、投影装置100の全体的な概略図が図5に示されている。これは単なる1つの非限定的な実施形態であり、場合によっては、より少ない、付加的な、及び/又は代替的な構成要素を含めることもできることに留意されたい。図5の実施形態は、SoC116、SoC116にリレー180を介して接続されたレーザモジュール160、距離計158、カメラ172、リモートコントローラ、例えばSoC116に無線で接続されるHMI190、鏡検流計174用のガルボドライバ182、SoC116に作動的に接続されたメモリデバイス、例えばフラッシュメモリ184、サーボモータであり得るモータ140を含む投影装置100を示し、モータ140は、プロジェクタヘッド150のピッチ軸を調節するべくSoC116により制御される。例えば、限定されないが、ガルボドライバ182は、Cambridge Technologyの673 Seriesサーボドライバであり得る。モータ187(DCモータ又はステッピングモータのいずれか)に接続されたドライバ186を含むモジュールは、アナログ信号を介してSoC116に作動的に接続される。エンコーダ188が、プロジェクタヘッド150のヨー軸のリアルタイム表示を提供し、それに応答して、SoC116は、プロジェクタヘッド150のヨー軸を調節するべく、スイッチング回路186及びステッピングモータ187を制御する。プロジェクタヘッド150のピッチ又はヨーが時間とともに変化する場合、SoC116は、それに応じて施工計画の投影を調節するべく、ベクトルセットをリアルタイムで再計算することができる。
【0035】
一実施形態では、投影装置100、具体的にはその中のSoC116及び他の計算システムは、ファイル変換を行うことができる。慣例的に、ほとんどの施工計画は、AutoCAD(商標)、Revit(商標)、又はTekla Structures(商標)などの一般的な市販のソフトウェア製品で描かれる。これらのソフトウェア製品の出力ファイルフォーマットは、「.dwg」、「.rvt」、「.dxf」、又は「.dwf」ファイルなどの標準フォーマットである。この実施形態では、施工計画は、最初に、投影装置100と通信することができる所定の独自仕様のフォーマット(本開示では、.msys又は.mecファイルフォーマットと呼ばれる)に変換される。これは主に、オリジナルの施工計画ファイルは、オペレータにとって有用ではない情報要素が多く、投影される画像を混乱させるという事実に起因する。このような情報要素の例としては、施工計画に表示される寸法が挙げられ、施工計画が建設現場で実際のサイズで投影されるときには、それらの投影はあまり有用ではない。このため、ファイルは、投影装置100にアップロードする前に、オペレータによって重要でないとみなされる情報要素を削除するために「クリーンアップ」又は簡略化される。この「クリーンアップ」は、一実施形態では自動化することができる。特に、投影装置100の1つの特徴は、オペレータがHMI190のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上で施工計画上の構成要素を個々に選択し、オペレータが望むとおりにそれらを移動することを可能にし、それに応じて、投影装置100は施工計画の投影を修正することができる。施工計画の独自仕様のフォーマットへの変換は、施工計画のファイル構造の制御を容易にし、したがって、オペレータの要望に応じた施工計画の変更が容易になる。施工計画の独自仕様のフォーマットへの変換は、その操作を容易にし、投影装置100のオペレータが、施工計画の要素を修正する、例えば、平行移動、回転、サイズ変更、追加、又は削除することを可能にする。施工計画の種々の点を表し、レーザモジュール160及び検流計システム164を制御するのに用いられるベクトルセットのSoC116による計算も、この変換によって容易になる。サイバーセキュリティも、この独自仕様のフォーマットへの変換によって強化される。施工計画は、普通は、顧客の企業秘密及び資産である。投影装置100による施工計画の独自仕様のフォーマットへの変換は、施工計画の不正な持ち出しを防止するのに有用である。
【0036】
ここで、図6を参照して、投影装置100の操作方法を説明する。図6では、シーケンス200は複数の動作を含み、そのうちのいくつかは可変の順序で実行することができ、動作のうちのいくつかはおそらく同時に実行され、動作のうちのいくつかは随意的である。シーケンス200は、動作210で建設現場に投影装置100を設置することで始まる。オペレータは、投影装置100の構成要素をキャリングケースから取り出す。次いで、オペレータは、ケーシング110を三脚102に固定することによって投影装置100を組み立てる。次いで、オペレータは、三脚102を調節することによって投影装置100を手作業で水平にすることができる。いくつかの実施形態では、オペレータは、HMI190を介して、投影装置100に自己を自動的に水平にするように指示することもできる。これらの実施形態では、エンコーダ(その例は図12に示される)を投影装置100に一体化することができ、それらの測定値をSoC116に提供することができる。SoC116は、これらの測定値を使用して、モータ140及び187に、プロジェクタヘッド150のピッチ及びヨーを調節するように命令することができる。
【0037】
シーケンス200は、動作220で、所望の施工計画、例えばフロアプランを選択することに進む。オペレータは、HMI190を通じて、投影するフロアプランを選択する。使用前に、USBキー、又はWiFi、4Gなどの無線通信のいずれかを通じて、1つ又は複数のフロアプランが投影装置100のメモリデバイスにアップロードされる。
【0038】
シーケンス200は、動作230で、建設現場に存在する基準点を測定することに進む。オペレータは、投影装置100に、基準点を自動的に見つけて測定させ、建設現場内の空間での自己位置を突き止め、その位置及び向きを計算させることができる。代替的に、オペレータは、HMI190を使用して投影装置100を操作し、建設現場内の投影装置100の位置を突き止めることができる。いずれにしても、投影装置100は、結果として得られた位置及び向きを、GUI上に表示するべくHMI190に転送することができる。
【0039】
一実施形態では、投影装置100は、固定された位置及び向きで動作することができる。別の実施形態では、投影装置100は、その向きを変えて、施工計画の別個の部分を建設現場の別個の領域に連続的に投影するように構成されてもよい。したがって、シーケンス200は、動作242で、例えば、ジョイスティック又はHMI190の方向パッド部分を使用することによって、投影装置100の向きを手動で制御することに進むことができる。代替的に、動作244で、カメラ172の一方又は両方が、オペレータが装着している基準デバイスの変化する位置を自動的に追跡することができ、投影装置100は、それに応じて自己を方向付けることができる。動作242での投影装置100の手動制御のために、オペレータは、投影装置100を所望の向きに操作する前に、モータ140(図4)のすべての巻線をオフにする選択肢を有することができる。デバイスは、測量技師が使用するトータルステーション機器のように、オペレータが正確に測定を行うために使用できる、その光路(投影及び距離計158の光路)と位置合わせされたスコープを有することもできることが企図される。一実施形態では、オペレータは、2つの利用可能な制御モードのうちの1つを選択する。オペレータは、HMI190からコマンドが受信されるまで、投影装置100を固定された向きのままであるように制御することができる。代替的に、オペレータは、投影装置100を、オペレータが装着している基準オブジェクトの変化する位置を連続的に追跡するように構成することができる。後者のケースでは、オペレータの角度位置が建設現場で変化すると、投影装置100は、それに応じて、投影されるフロアプランの部分と一致するようにその投影を調節する。
【0040】
シーケンス200は、動作250で投影を開始することに進む。投影装置100は、建設現場での自己位置を突き止め、建設現場での投影装置100の空間位置及び角度位置に応じて、また、投影される計画に応じて、選択されたフロアプランの全部又は一部を投影する。オペレータは、HMI190と対話して、投影装置100による投影を開始又は停止することができる。オペレータは、HMI190と対話し、HMI190を通じてフロアプランを変更することができる。特に、オペレータは、エンティティを平行移動、回転、サイズ変更、追加、又は削除することができる。これは、施工計画と建設現場の建設時の環境が互いに異なるときに特に有用であり得る。フロアプランに加えられた変更は、オリジナルのフロアプランに影響を及ぼすことなく、新しいフロアプランに保存することができる。いずれにしても、変更は、レーザ投影にすぐに反映させることができる。HMI190はまた、レーザ投影の明るさを増加又は減少させるコマンドを提供することができる。しかしながら、レーザ投影の明るさを増加させるコマンドは、安全上の考慮事項が優先され得ることに注意されたい。一実施形態では、様々な状況でレーザ投影によって引き起こされる可能性がある目の損傷を防ぐことを意図されたレーザ安全モジュール196(図10)を設けることができる。このレーザ安全モジュール196は、HMI190からのコマンドに関係なく、レーザ投影の明るさを制限することができる。レーザ安全モジュール196は、以下でより詳細に説明される。
【0041】
図7を参照すると、投影装置100の操作方法がここで説明される。図7では、シーケンス300は複数の動作を含み、そのうちのいくつかは可変の順序で実行することができ、動作のうちのいくつかはおそらく同時に実行され、動作のうちのいくつかは随意的である。シーケンス300は、動作310でのモータ140の自動又は手動校正及び投影装置100の水平調整で始まる。投影装置100の水平調整は、例えば、建設現場の特殊性及び当面のタスクに応じて、プロジェクタ150のピッチ及びヨーの一方又は両方を調節することを含み得る。これに関連して、「水平調整」という用語は、必ずしもプロジェクタヘッド150を水平の向きに配置することを意味するわけではないことに留意されたい。校正プロトコルは、HMI190上のGUIを通じてオペレータによって開始され得る。校正プロトコルによれば、投影装置100は、そのすべての構成要素が確実に適正に校正されるように、命令セットに従う。これは、ステッピングモータ、カメラの組、距離計、及び水平調整ツールの使用を含み得るがこれらに限定されない。
【0042】
シーケンス300は、動作320で建設現場の基準点を検出し、動作330で基準点から投影装置100までの距離測定を行うことに進む。次いで、シーケンス300は、動作340で投影装置100の座標を決定することに進む。
【0043】
オペレータは、HMI190上のGUIを使用して、投影装置100に建設現場での自己位置を自動的に突き止めさせることができる。代替的に、投影装置100の測位プロセスは、手動で行うことができる。自動的に行われるとき、投影装置100は、コンピュータビジョン又は他の技術の助けにより、建設現場に存在する既知の基準点を検索する。投影装置100は、距離計158を使用して、例えば三辺測量又は他の数学的計算を使用して基準点に対する自己位置を求めることで、基準点までの距離を測定する。
【0044】
投影装置100は、基準点までの距離を測定するために他の技術を組み込むことができる。例えば、投影装置100の一実施形態は、前述のLiDARセンサによって生成された3D点群を用いることができる。この実施形態では、LiDARは、建設現場の領域をスイープして3D点群を生成する。SoC116は、3D点群の内容を操作及び変換して建設現場のアウトラインを生成する。次いで、アウトラインがSoC116によってベクトル及び座標に変換され、これらは投影装置100の位置を求めるために施工計画と数学的に比較される。この実施形態は、オペレータによってHMI190に入力される、施工計画の領域を指す情報をさらに使用して、投影装置の位置を広いレベルで定義することができる。
【0045】
次いで、シーケンス300は、動作350で建設図面ファイルが適正なフォーマットであるかどうかを判定することに進むことができる。一実施形態では、施工計画を投影する前に、投影装置100は、ファイルフォーマットを読み取り、それが独自仕様のフォーマット(.mec又は.msysファイルなど)であるかどうかを判定することができる。この実施形態では、ファイルが独自仕様のフォーマットではない場合、投影装置100は、動作355でHMI190上のGUI上にエラーメッセージを表示することができる。シーケンス300は動作355の後に終了することが企図される。代替的に、シーケンス300は動作355の後で動作360に進むことも企図される。一実施形態では動作350及び355は省略されることがさらに企図される。
【0046】
次いで、シーケンス300は、動作360で投影ゾーンを決定することにより建設現場の投影を適応させ、動作370で決定された投影ゾーンに施工計画を投影することに進む。投影装置100の位置及び向きに応じて、完全な施工計画又はその一部を投影することができる。動作360及び370の過程で、投影装置100は、固定された向きのままで、施工計画をその最初の向きで継続的に投影することができる。プロジェクタヘッド150は、施工計画の投影中に移動することができる。これらの移動は、プロジェクタヘッド150のピッチ及び/又はヨーを変更するべく、オペレータによって手作業で又はHMI190からのコマンドを通じて行うことができる。ピッチエンコーダ406及びヨーエンコーダ410(図8)が、SoC116に対するプロジェクタヘッド150の向きのリアルタイム測定を提供することができる。代替的に又は加えて、投影装置100は、オペレータ(場合によっては現場監督)が装着している基準デバイスの変化する位置を継続的に追跡及び追従し、それに応じてプロジェクタヘッド150の向きを修正することができる。2つのカメラ172又は他の追跡技術からの立体視が、オペレータが装着している基準デバイスの移動を検出することができる。いずれにしても、投影装置100は、施工計画、建設現場、及び投影ヘッド150の変化する向きに応じて、投影を動的にリアルタイムで調節することができる。一実施形態では、投影装置100は、基準デバイスの小さな動き又は投影装置の小さな動きのために投影を調節することは差し控えることができる。
【0047】
本明細書で開示されるように、施工計画を表示するための投影装置及びその操作方法の種々の実施形態が想定され得る。このような実施形態は、図8に示されたケーシング400又は図9に示されたケーシング500を有する投影装置の変形例を含み得る。
【0048】
図8に示すように、ケーシング400は、レーザモジュール160を支持する。レーザモジュール160を支持する水平調整システムは、ピッチエンコーダ406、ピッチモータ408、ヨーエンコーダ410、及びヨーモータ412を備える。プロジェクタヘッド150のピッチは、ピッチエンコーダ406からリアルタイム信号を受信し、ピッチモータ408に制御信号を提供する、SoC116の制御下で調節することができる。プロジェクタヘッド150のヨーは、ヨーエンコーダ410からリアルタイム信号を受信し、ヨーモータ412に制御信号を提供する、SoC116の制御下で調節することができる。限定されないが、ピッチモータ408及びヨーモータ412は、ステッピングモータであり得る。プロジェクタヘッド150のピッチ及びヨーが調節されると、鏡検流計174によって導かれた光が、建設エリア内の選択されたゾーンに向けられる。一実施形態では、プロジェクタヘッド150のピッチ及びヨーは、連続的に調節することができる。カメラ172及び距離計158は、カメラ172及び距離計158が鏡検流計174の向きを直接追跡するように、それ自体がレーザモジュール160にマウントされているカメラモジュール414上にマウントされる。カメラ172は、50メートル以上の距離にある基準デバイスを追跡することが可能であり得る。カメラ172は、例えば最高150メートル離れた遠距離の標的に自動合焦するための電動レンズを含み得る。一実施形態では、投影装置100は、カメラ172によって取り込まれた画像を、HMI190上に表示するために転送することができる。
【0049】
図9に示されるケーシング500は、本開示で先に紹介したものと同様の構成要素を支持する別の変形例である。ケーシング500は、レーザモジュール160上にマウントされ、距離計158及びカメラ172を支持する、支持体502を備える。ケーシング500は、SoC116によって制御されるレーザ位置合わせ装置504も支持し、少なくともレーザモジュール160及び支持体502のピッチを調節するように動作可能である。
【0050】
図10は、本技術の別の実施形態に係る投影装置及びその環境のブロック図である。図示された実施形態では、SoC116は、投影装置100の中心部分である。これは、例えば、WiFi、4G、又は5Gプロトコルを用いる無線通信を介してHMI190に、シリアル通信プロトコルを介して周辺機器192に、データベース194に、及びレーザ安全モジュール196に接続される。
【0051】
周辺機器192は、モータ140及び187、レーザモジュール160、鏡検流計174、距離計158、及びカメラ172を含み得る。
【0052】
SoC192は、構造化照会言語(SQL)プロトコルを使用して、データベース194から施工計画を取得し、データベース194に格納された顧客アカウントを検証し、投影装置100の使用中に施工計画にもたらされた変化のログをデータベース194に格納させることができる。
【0053】
HMI190は、施工計画の表示、オペレータと表示された施工計画との相互作用、及び一般に投影装置100の制御のためのパラメータを定義する、ユーザインターフェースアプリケーションエンティティ198に接続され得る。
【0054】
図11は、本技術の一実施形態に係る、動的レーザ投影の動作を示すフローチャートである。図11では、シーケンス700は複数の動作を含み、そのうちのいくつかは可変の順序で実行することができ、動作のうちのいくつかはおそらく同時に実行され、動作のうちのいくつかは随意的である。シーケンス700は、動作710で関心ある施工計画を投影装置100にロードすることで始まる。独自仕様のフォーマット(.msys又は.mec)であり得る施工計画が、データベース194から照会され、投影装置100のメモリデバイスに格納される。
【0055】
動作720で投影装置100の空間位置情報が求められる。この動作720は、投影装置100と基準点との間の距離の測定に基づいて、建設現場での3つ(以上の)基準点と投影装置100の相対位置を求めることを可能にする。一実施形態では、動作720で三辺測量が用いられる。より詳細には、距離測定は、距離計158によって3つ以上の基準点に対して行われる。各距離測定について、ピッチ軸エンコーダ406から角度位置が読み取られる。測定された距離は、投影装置100と基準点との間の二次元(2D)距離を求めるために地表面に数学的に投影される。2つの水平軸(X,Y)に沿って投影装置100の位置を計算するために3つ(以上の)2D距離値が用いられる。投影装置100の位置は、基準点のうちの1つ以上が地表面上にない場合に第3の垂直軸(Z)に沿ってさらに評価することができる。距離計158によって行われる距離測定に基づく三辺測量の代わりに、LiDARによって生成される3D点群が、投影装置100の空間位置を測位するためにSoC116によって用いられ得ることが企図される。
【0056】
動作730で、潜在的なキーストン効果が補償され得る。この目的のために、SoC116によって、ピッチ軸エンコーダ406及びヨー軸エンコーダ410から、プロジェクタヘッド150の現在のピッチ及びヨー角度位置がリアルタイムで読み取られ得る。次いで、SoC116は、プロジェクタヘッド150のピッチ及びヨー角度位置を用いて、施工計画に基づいて最初に計算されたベクトルセットから修正されている同等のベクトルセットを生成することができる。同等のベクトルセットは、潜在的なキーストン効果に関して施工計画の投影を補償するのに用いられる。
【0057】
動作740は、建設現場の投影ゾーン上に表示するべき施工計画の部分の選択を含み得る。投影ゾーンを定義するために、基準点の位置に少なくとも部分的に基づいて、投影装置100の視野の境界がSoC116によって評価される。SoC116は、これらの境界と交差する施工計画のラインを決定する。施工計画は、投影ゾーンの外側に位置することになる施工計画の要素を削除することによってクリッピングされる。次いで、SoC116は、レーザモジュール160及び鏡検流計174を制御して、投影ゾーン内の施工計画のクリッピングされていない部分を表示する。状況によっては、施工計画が投影装置の視野を超える要素を含まないときに、完全な施工計画が一度に表示され得ることが理解される。
【0058】
動作750で、建設現場での施工計画の投影、又は施工計画が投影装置100の視野内に収まるようにクリッピングされるときの施工計画の一部の投影が開始される。SoC116は、ベクトルセットに基づいて定義され鏡検流計174のためのガルボドライバ182に通信される制御信号と、レーザモジュール160に通信される他の制御信号を同時に生成する。これらの制御信号は、図12の説明に示されるように、SoC116によって送り出されるデジタルフォーマットからアナログフォーマットに変換することができる。一実施形態では、SoC116は、ベクトルセットを再計算し、鏡検流計174の回転度ごとに数百のそのような信号を生成することができる。
【0059】
投影装置100は、基準点が利用できない建設現場で随意的に使用することができる。一実施形態では、HMI190を使用してオペレータによって投影装置100の位置情報が手動で入力され得る。代替的に、投影装置100の位置が得られない場合に、オペレータは、施工計画が建設現場に投影されるように、少なくとも動作720及び750を投影装置に実行させることができ、この投影はほとんどの状況で非常に不正確である。次いで、オペレータは、建設現場の所望の領域に照射するべく投影装置100を移動させ、HMI190を使用して投影装置100によって照射される建設現場の領域と一致する施工計画の一部を選択し、投影される画像を投影領域に収まるように平行移動、回転、及び/又はスケール変更し、投影の焦点を調節することができる。オペレータが満足するようにこれらの調節が行われると、HMI190は、現在の設定をメモリデバイスに格納するべく投影装置100にコマンドを提供することができる。
【0060】
図12は、本技術の別の実施形態に係る、投影装置のハードウェアアーキテクチャの論理図である。この実施形態では、SoC116は、別のマイクロコントローラ420、例えば、限定されないがArduino Dueによって、及び、専用のコントローラカード430、例えば、限定されないがCambridge TechnologyのScanMasterコントローラによって補完される。マイクロコントローラ420及び専用のコントローラカード430は、主に、SoC116からいくつかの処理をオフロードするのに用いられ、いくつかの実装では省略され得る。
【0061】
マイクロコントローラ420は、SoC116と、ピッチ軸エンコーダ406、ピッチ軸モータ408を制御するステッピングモータドライバ422、ヨー軸エンコーダ410、及びヨー軸モータ412を制御するステッピングモータドライバ424との間でデジタル信号をリアルタイムで交換するためのインターフェースとして作用する。専用のコントローラカード430は、SoC116のTCP/IPソケットに接続され、レーザモジュール160のためのSoC116の制御信号を、レーザモジュール160に適用されるアナログ制御信号に変換する。専用のコントローラカード430はまた、鏡検流計174を制御することを意図されたSoC116のデジタル制御信号を、高精度デジタル-アナログ変換器(DAC)432、例えば16ビットDACに転送する。DAC432は、これらの制御信号を、同等の16ビット精度を有するアナログ信号に変換する。アナログ信号は、鏡検流計174を作動させるガルボドライバ182に適用される。一実施形態では、図示したガルボドライバ182は、デジタルフォーマットの制御信号を受信することができる別のガルボドライバ、例えば、Newson EngineeringのXY2-100に置き換えることができる。この実施形態では、DAC432を省略してもよい。
【0062】
投影装置100に組み込まれ、SoC116に通信可能に結合される、通信モジュール440は、SoC116が、4G又は5G接続を使用して、ウェブサイトに実装された外部データベース442と無線通信することを可能にする。SoC116は、データベース442に問い合わせて、投影装置100の動作のためのソフトウェアアップグレードを取得し、施工計画及びクライアントアカウントなどにアクセスすることができる。SoC116とHMI190との通信は、RESTアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使用してWiFi接続で行うことができる。他の通信プロトコル、例えばBluetoothの使用、又は有線接続の使用も企図される。
【0063】
レーザ安全モジュール196は、建設現場の人員の目の安全のために設けられ得る。レーザ安全モジュール196は、レーザモジュール160に接続され、その動作を動的に制御するように適合される。例えば、レーザ安全モジュール196は、投影装置100の近くに人の存在が検出されるとき又は投影装置100に障害が検出されるときに、レーザモジュール160を中断させることができる。レーザ安全モジュール196はまた、投影される施工計画の明るさを安全レベル内に維持するべく、レーザモジュール160の強度を動的に減衰させることができる。
【0064】
より詳細には、レーザ安全モジュール196は、投影装置100の光路内にいる人及び投影装置100から近距離にいる人を検出するときに近接検出器によって提供される信号のリアルタイム監視機能を含む。レーザ安全モジュール196は、近接検出器からの信号がその人の安全上の問題として解釈されるときにレーザモジュール160の動作を中断させる緊急レーザシャットダウン機能を実装する。カメラ172のうちの1つは、近接検出器として作用し、投影装置100の近くの人の存在を検出するのに用いられる画像を提供することができる。一実施形態では、レーザ安全モジュール196は、SoC116による介入を必要とせずに、レーザ放出が迅速に中断され得るように、レーザモジュール160に直接接続され得る。一実施形態では、近接検出器からの信号は、人と投影装置100との距離を示すことができ、レーザ安全モジュール196は、その人に安全上の問題があるかどうかを判定するために、レーザモジュール160の出力レベル、及び人と投影装置100との距離を考慮することができる。近接検出器が、投影装置100の近くにいるが投影装置100の光路外にいる人の存在を検出するとき、例えば、人が投影装置100の後ろに立っているときのレーザモジュール160の制御も企図される。
【0065】
レーザ安全モジュール196はまた、投影装置の種々の構成要素から障害表示を受信することができる。例として、障害表示は、鏡検流計174がそれらの正常動作を停止したときにガルボドライバ182から受信することができ、これにより、投影装置100は、鏡検流計の固定された位置に従ってレーザビームを一点に導く。例えば、レーザビームを様々な方向に漏出させる可能性があるケーシング110又は投影光学系166の破損に関連する他の障害表示をSoC116から受信することができる。障害表示の別の例は、SoC116のソフトウェア障害、又はSoC116と投影装置100の他の構成要素との間の通信エラーに関連し得る。レーザ安全モジュール196は、任意の障害表示に応答してレーザモジュール160の動作を中断させることができる。
【0066】
レーザ安全モジュール196は、投影装置100によって建設現場にいる人に放出される光により引き起こされる目の損傷のリスクを評価するように構成される。このリスクは、施工計画の投影の明るさの観点から、及び、レーザ光源に曝される網膜の安全レベルに関連した科学的データに基づく安全閾値の観点から評価される。施工計画の投影の明るさは、その波長を含むレーザのタイプを考慮して、開口169のサイズを考慮して、レーザモジュール160の出力強度(mW)に基づいて計算される。レーザ安全モジュール196は、施工計画の投影上のラインの数、ラインの長さ、ラインの合計の長さ、ラインの交差、環境輝度、及び施工計画の投影におけるジャンプの数のうちの1つ又は複数を考慮することによって、建設現場での投影の明るさをさらに推定することができる。これらのパラメータは、レーザ安全モジュール196が、投影された施工計画の任意の所与の区域におけるレーザ投影の明るさを評価することを可能にする。レーザモジュール160の最大出力レベル及び他の特徴に関する情報は、SoC116に接続されたメモリデバイスに格納することができる。レーザ光源に曝される網膜の安全レベルに関連した科学的データに基づく参照テーブルをメモリデバイスに格納することも企図される。このメモリデバイスに格納された情報は、投影装置100が最初に電力投入されたときにレーザ安全モジュール196にプリロードすることができる。レーザ安全モジュール196は、施工計画の投影の明るさが網膜の暴露の安全レベルを下回るまでその強度を減衰させることによりレーザモジュール160を動的に制御する。一実施形態では、レーザ安全モジュール196は、投影された施工計画の任意の所与の区域における投影の明るさの密度を網膜の暴露の安全レベルよりも低く動的に維持するべく、施工計画の投影上の各ラインの明るさを制御する。
【0067】
図10を再び参照すると、レーザビームの放出強度が、投影された施工計画の任意の領域において安全レベルに維持されるように、レーザ安全モジュールと、SoC116と、レーザモジュール160を収容する周辺機器192との間にフィードバックループが実装され得る。
【0068】
投影装置100のいくつかの実施形態は、関連する規格及び動作基準に準拠するようにされる。特に、投影装置100は、偶発的な衝撃、時折の雨、高温又は氷点下での長時間の使用、及び日光への長時間の露出を含む、建設現場の環境上の問題に耐えるように適合される。例えば、投影装置100は、耐衝撃性、防水性、防塵性、及び/又は耐水性であり得る。特に、投影装置100は、米国電機工業会(NEMA)のIP55仕様に準拠する、及び/又は欧州規格EN62262で定義されるIK08定格を満たすことができる。投影装置100は、様々なDFMA(Design for Manufacturing and Assembly)ガイドラインにさらに準拠することができる。
【0069】
図13及び図14は、それぞれ、投影装置100を使用して得られるレーザ投影サイズの側面図及び上面図を示す。図13及び図14に示された数値は典型的なものであり、本開示を限定するものではない。度単位の角度を除いて、寸法はmm単位である。
【0070】
典型的な使用例では、投影モジュール100は、その三脚102にマウントされ、床面高さから1700mm上に立っており、この投影モジュール100の床上の高さ及び位置は、投影基準点の原点を定義する。プロジェクタヘッド150のピッチ角は、施工計画を床に投影することが望ましいので、水平より29度下に設定されている。鏡検流計174は、水平方向と垂直方向の両方で80度の光学範囲を有する。図14では、この範囲は、投影モジュール100からのダイレクトラインの左右40度に分割され、投影ゾーンを定義する。このプロジェクタヘッド150のピッチ角のとき、投影ゾーンの最大深さは約23.8メートルであり、投影ゾーンの最大深さでの幅は、投影モジュール100からのダイレクトラインの両側で約18.5メートルである。図13では、鏡検流計174が両方ともそれらの中心位置にあるときに投影装置100によって放出されるレーザドットは、投影装置100から約2.43メートルに配置されている。鏡検流計174が、プロジェクタヘッド150のピッチ角より40度低いそれらの最低角度に向けられるとき、レーザ光は、投影装置100から691mmの近さになる。したがって、投影装置100の位置から深さ691mmのデッドゾーンが定義される。鏡検流計174は、プロジェクタヘッド150のピッチ角よりも40度上に向けることができるが、鏡検流計174の角度を過度に大きくすると、投影装置100がそのレーザビームを水平方向に無限の距離に放出することになる。実際には、鏡検流計174は、プロジェクタヘッド150のピッチ角を考慮に入れるときに、レーザビームの照準が水平より4度下になるように中心から最高25度上に上昇するコントローラであり得る。鏡検流計174が25度まで上昇すると、レーザビームは、約23.8メートルで床上の点に到達することができる(図14に示す)。
【0071】
投影装置100は、図14に三角形として例示される投影ゾーン上に施工計画を投影することが可能であり得るが、投影装置100は、投影の精度がより容易に制御される、より小さいサイズに投影ゾーンを制限するように操作され得る。
【0072】
施工計画を表示するための投影装置及びその操作方法の説明は、単なる例示であり、多少なりとも限定することを意図するものではないことに当業者は気づくであろう。他の実施形態は、本開示の利益を有する当業者には自ずと容易に示唆されるであろう。さらに、開示された投影装置及び操作方法は、建設現場での不正確さ、時間の無駄、及び労力の無駄に関連した既存のニーズ及び問題に対する価値ある解決策を提供するようにカスタマイズされ得る。明確にするために、投影装置及び操作方法の実装の慣例的特徴のすべてが示され説明されているわけではない。特に、付属の請求項に列挙された要素の組み合わせが本開示の不可欠な部分を形成するので、特徴の組み合わせは、上記の説明で提示されたものに限定されない。もちろん、投影装置及び操作方法のそのような実際の実装の開発では、開発者固有の目標を達成するために、アプリケーション関連、システム関連、ネットワーク関連、及びビジネス関連の制約への準拠などの多数の実装固有の決定を行う必要があることと、これらの固有の目標は、実装ごとに、また、開発者ごとに異なることが分かるであろう。さらに、開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する投影装置の分野の当業者にとってはエンジニアリングの日常的な作業であることが理解されるであろう。
【0073】
本開示によれば、本明細書に記載の構成要素、プロセス動作、及び/又はデータ構造は、種々のタイプのオペレーティングシステム、コンピューティングプラットフォーム、ネットワークデバイス、コンピュータプログラム、及び/又は汎用マシンを使用して実装され得る。加えて、当該技術分野の当業者は、ハードワイヤードデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などのあまり汎用でない性質のデバイスも使用され得ることを認識するであろう。一連の動作を含む方法がコンピュータによって実装される場合、プロセッサは、メモリデバイス又はマシンに作動的に接続され、これらの動作は、マシン、プロセッサ、又はコンピュータによって読み出し可能な一連の命令として格納され、一時的でない有形の媒体上に格納され得る。
【0074】
本明細書に記載のシステム及びモジュールは、本明細書に記載の目的に適したソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、或いはソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアの任意の組み合わせを含み得る。ソフトウェア及び他のモジュールは、プロセッサによって実行され、本明細書に記載の目的に適したサーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、コンピュータ化されたタブレット、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、及び他のデバイスのメモリデバイス上に存在し得る。ソフトウェア及び他のモジュールは、本明細書に記載の目的に適したローカルメモリデバイスを介して、ネットワークを介して、ブラウザ又は他のアプリケーション介して、或いは他の手段を介してアクセス可能であり得る。本明細書に記載のデータ構造は、本明細書に記載の目的に適したコンピュータファイル、変数、プログラミングアレイ、プログラミング構造、又は任意の電子情報格納スキーム又は方法、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0075】
本開示は、例として提供される非限定的な例示的な実施形態によって本明細書の上記に説明されている。これらの例示的な実施形態は、自由に修正され得る。請求項の範囲は、実施例に記載された実施形態によって限定されるべきではなく、全体としての説明と一致する最も広い解釈を与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14