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特開2024-123041ヘッダアセンブリ、ヘッダ、およびヘッダを含むインプラント、ならびにヘッダの取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123041
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ヘッダアセンブリ、ヘッダ、およびヘッダを含むインプラント、ならびにヘッダの取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/362 20060101AFI20240903BHJP
   A61N 1/39 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A61N1/362
A61N1/39
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024091584
(22)【出願日】2024-06-05
(62)【分割の表示】P 2019136851の分割
【原出願日】2019-07-25
(31)【優先権主張番号】18187094.0
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】512158181
【氏名又は名称】バイオトロニック エスエー アンド カンパニー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】BIOTRONIK SE & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Woermannkehre 1 12359 Berlin Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリナ ルシェル
(72)【発明者】
【氏名】カティ ハルトマン - バックス
(57)【要約】
【課題】
インプラントのための改良された技術を提供することである。
【解決手段】
本開示は、プラグ用の連続受容ユニット(2)を備えるインプラント用の電極接続装置と、第1の接続要素(7)が少なくとも2つの平らな側面を含む受容ユニット(2)の前方領域に配置されている第1接続要素(7)と、第2の接続要素(8)が少なくとも2つの平らな側面を含む受容ユニット(2)の後方領域に配置されている第2の接続要素(8)のためのアセンブリ(1)に関する。さらに、電極接続装置、インプラント、および電極接続装置を取り付ける方法が開示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- プラグ用連続受容ユニットと、
- 受容ユニット(2)の前方領域に配置され、少なくとも2つの平らな側面を含む第1の接続要素(7)と、
- 受容ユニット(2)の後方領域に配置され、少なくとも2つの平らな側面を含む第2の接続要素(8)と、
- 受容ユニット(2)の後方領域に配置され、少なくとも2つの平らな側面を含む第2の接続要素(8)と、を備えるインプラントの電極接続装置用アセンブリ(1)。
【請求項2】
少なくとも部分的にプラスチック材料(11)によって囲まれている、請求項1記載のアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記第1の接続要素(7)の接続領域(9)がプラスチック材料(11)を含まず、および/または前記第2の接続要素(8)の接続領域(10)がプラスチック材料(11)を含まない、請求項2に記載のアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記第1の接続要素(7)の前記接続領域(9)に接続するための第1の導体用の第1のガイドが前記プラスチック材料(11)に形成されるアセンブリ(1)であって、および/または、前記第2の接続要素(8)の前記接続領域(10)に接続するための第2の導体用の第2のガイドがプラスチック材料(11)に形成されている、請求項2または3に記載のアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記第1のガイドが前記第1の接続要素(7)の前記接続領域(9)に隣接するように形成され、および/または前記第2のガイドが前記第2の接続要素(8)の接続領域(10)に隣接するように形成される、請求項4に記載のアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記第1の接続要素(7)と前期第2の接続要素(8)が互いにずれて配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項7】
アンテナ(26)をさらに備え、前記アンテナ(26)が前記第1の接続要素(7)と前期第2の接続要素(8)の間に形成された、中間領域にU字型経路(27)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記受容ユニットの後端部に位置決め部(18b)が形成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項9】
追加のプラグ用の追加の受容ユニット(13)と、前記追加の受容ユニットの前部領域に配置された第3の接続要素と、前記追加の受容ユニットの後部領域に配置された第4の接続要素とをさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)を備える、インプラント用の電極接続装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電極接続装置を含むインプラント。
【請求項12】
- プラグ用の連続受容ユニット(2)と、
-少なくとも2つの平坦な側面を含む、受容ユニット(2)の前方領域に配置されている第1の接続要素(7)と、
- 少なくとも2つの平坦な側面を含む、受容ユニット(2)の後方領域に配置されている第2の接続要素(8)と、を備えるアセンブリ(1)を提供するステップと、
- 受容ユニット(2)内にばね要素(20)を配置し、取り付けるステップと、
- ポッティング補助具(21、22、23)を用いて受容ユニットの開口部(2、12b)を密封するステップと、
- 第1の導体を第1の接続要素(7)に取り付けるステップと、
- 第2の接続要素(8)に第2の導体を取り付けるステップと、
- インプラントのハウジング(29)上にアセンブリ(1)を配置するステップと、
- 第1の導体をハウジング(29)上に形成されたフィードスルー(30)に接続するステップと、
- 第2の導体をフィードスルー(30)に接続するステップと、
- アセンブリ(1)をハウジング(29)と共に鋳造鋳型内に配置するステップと、
- 鋳型に合成樹脂を充填する(31)ステップと、
- 合成樹脂(31)が硬化した後、ポッティング補助剤(21、22、23)を除去するステップと、を含む、インプラントの電極接続装置を形成するための方法。
【請求項13】
- アンテナ(26)を配置し、アセンブリ(1)に取り付けるステップと、
- アンテナ(26)をフィードスルー(30)に接続するステップと、をさらに含み、
前記さらなるステップは、アセンブリ(1)がハウジング(29)上に配置される前に実施される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、電極接続装置(ヘッダとも呼ばれる)用のアセンブリ、電極接続装置、電極接続装置を備えるインプラント、およびインプラント上に電極接続装置を取り付ける方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来、アクティブインプラント用のヘッダは多数の個別の構成要素から構成されてきた。その構成要素を樹脂でポッティングしヘッダを形成する前に、構成要素を互いに正確に位置合わせすることが重要となる。この手順は非常に複雑である。
【0003】
米国特許出願公開第US 2017/0266,451号A1において、モジュール式フィードスルーを含むヘッダが開示されている。
【0004】
米国特許出願公開第US 2017/0279,238号A1において、組み立て式ヘッダモジュールを含むヘッダが開示されている。
【0005】
別のヘッダは国際公開第2009/009299号A1に記載されている。
【0006】
本発明の目的はインプラントのための改良された技術を提供することである。特に、電極接続装置の製造は単純化されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のインプラントの電極接続装置用のアセンブリ、請求項10に記載の電極接続装置、請求項11に記載のインプラント、および請求項12に記載のインプラント上に電極接続装置を形成する方法が開示されている。別の実施形態は従属請求項の主題である。
【0008】
インプラントの電極接続装置用アセンブリを提供する。このアセンブリは、プラグ用の連続受容ユニットから成る。さらに、受容ユニットの前部領域に配置された第1の接続要素が設けられ、第1の接続要素は少なくとも2つの平らな側面を含む。最後に、受容ユニットの後部領域に配置された第2の接続要素が設けられ、第2の接続要素は少なくとも2つの平らな側面を含む。
【0009】
さらに、本明細書に開示されるアセンブリを含むインプラント用の電極接続装置を提供する。
【0010】
本開示は、電極接続装置とアセンブリとを備えるインプラントをさらに含む。
【0011】
電極接続装置は、接続ヘッドまたはヘッダとも呼ばれる。
【0012】
平らな側面は、少なくとも部分的に角のある形状を可能にし、アセンブリを容易に(手動または自動で)掴むことを可能にする。このようにして、製造工程の自動化を可能にすることができる。
【0013】
アセンブリは少なくとも部分的にプラスチック材料で包囲することができる。例えば、アセンブリは、プラスチック材料を用いて部分的にインサート成形することができる。プラスチック材料は、ポリスルホンなどの熱可塑性材料とすることができる。生体適合性のある注型用樹脂を使用することも可能である。プラスチック材料はアセンブリにさらなる安定性を与えることができる。したがって、これによりアセンブリを予め製造された構成要素として製造することが可能となり、続けてインプラントの電極接続装置を形成することが可能となる。
【0014】
第1の接続要素の接続領域はプラスチック材料を含まなくてもよい。代替的または追加的に、第2の接続要素の接続領域はプラスチック材料を含まなくてもよい。
【0015】
第1の接続要素の接続領域に接続するための第1の導体用の第1のガイドは、プラスチック材料で形成してよく、および/または第2の接続要素の接続領域に接続するための第2の導体用の第2のガイドをプラスチック材料で形成してもよい。
【0016】
第1のガイドは、第1の接続要素の接続領域に隣接するように形成してよく、および/または第2のガイドは第2の接続要素の接続領域に隣接するように形成してもよい。
【0017】
受容ユニットに挿入されたプラグからインプラントへの接続を可能にするように、第1の導体(第2の導体)を第1の接続要素(第2の接続要素)の接続領域に接続することができる。第1の接続要素の接続領域および/または第2の接続要素の接続領域は平面要素として設計することができる。第1の接続要素の接続領域および/または第2の接続要素の接続領域は、円形とすることができ、例えば、1~5mmの直径を有することができる。このようにして、第1の導体および/または第2の導体を取り付けるための広い溶接領域が提供される。一実施形態では、第1のガイドと第2のガイドの両方が、それぞれの接続領域に隣接するように形成される。ガイドは、導体がそれぞれの接続領域に短絡を引き起こすことなく接続できるようにする。
【0018】
第1の接続要素と第2の接続要素とは互いにずれて配置されていてもよい。つまり、第1の接続要素および第2の接続要素は、2つの異なる平面上に配置される。異なる配置は、導体が互いに接触することなく、導体を接続要素に接続することを容易にする。
【0019】
受容ユニットの後端に、位置決めユニットを形成することができる。位置決めユニットは、角のある構造として形成することができ、例えば、受容ユニットに対して直角に形成することができる。位置決めユニットはプラスチック材料で作ることができ、例えば、アセンブリのプラスチックコーティングと一体にして形成することができる。アセンブリをレセプタクル内に配置する間、位置決めユニットをインプラントのハウジング上に配置してアセンブリの位置合わせを容易にすることができる。位置決めユニットはテーパ状端部を有することができる。
【0020】
アセンブリは、追加のプラグのためにさらなら収容ユニットを備えることができ、第3の接続要素は追加の収容ユニットの前部領域に配置され、第4の接続要素は追加の収容部の後部領域に配置される。本明細書中で提供する受容ユニットに関する注釈は、追加の受信ユニットにも同様に当てはまる。さらに、第1の接続要素および第2の接続要素に関してなされた注釈は、第3の接続要素および第4の接続要素にも同様に当てはまる。
【0021】
さらなる態様では、インプラント上に電極接続装置を形成するための方法が開示される。この方法は以下の手順を含む。
- 次のものを含むアセンブリを提供する。
- プラグ用の連続受容ユニット
- 受容ユニットの前方領域に配置され、少なくとも2つの平らな側面を含む第1の接続要素
- 受容ユニットの後部領域に配置され、少なくとも2つの平らな側面を含む第2の接続要素
- 受容ユニット内にばね要素を配置し取り付ける。
- ポッティング補助具を使用して受容ユニットの開口部を密閉する。
- 第1の接続要素に第1の導体を取り付ける。
- 第2の導体を第2の接続要素に取り付ける。
- インプラントのハウジング上にアセンブリを配置する。
- 第1の導体を、ハウジングに形成されたフィードスルーに接続する。
- 第2の導体をフィードスルーに接続する。
- ハウジングと共にアセンブリを鋳造鋳型内に配置する。
- 鋳型に合成樹脂を充填する。
- 合成樹脂が硬化したら、ポッティング補助具を取り除く。
【0022】
この方法は、以下の追加の手順を含むことができる。
- アセンブリ上にアンテナを配置し取り付ける。
- アンテナをフィードスルーに接続する
この追加の手順は、アセンブリがハウジング上に配置される前に実施する。
【0023】
さらに、場合によっては突出している樹脂を硬化した後に、例えば研削および/または研磨することによって除去する可能性も提供する。
【0024】
鋳型はシリコーン鋳型であり得る。
【0025】
フィードスルーは、導体および/またはアンテナを接続するための1つまたは複数のプラグ接点(ピンなど)を含むことができる。
【0026】
合成樹脂はエポキシ樹脂であってよい。エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する合成樹脂である。これらは硬化性樹脂(反応樹脂)であり、硬化剤および任意でさらなる添加剤と反応させて熱硬化性プラスチック材料を生成することができる。エポキシ樹脂は、2つの末端エポキシド基を含むポリエーテルである。硬化剤は反応物であり、樹脂と共に高分子プラスチック材料を形成する。
【0027】
合成樹脂は、インプラントのハウジングに直接接着することができるため、追加の接着促進剤は必要とされない。つまり、硬化した合成樹脂とインプラントのハウジングとの間の接触面は、接着促進剤を含まなくてもよい。インプラントのハウジングはチタン製であり得る。
【0028】
電極接続装置は、植込み型心臓ペースメーカまたは植込み型除細動器(ICD)用のヘッダとすることができる。この場合、電極接続装置は1つ以上の電極リードをインプラントに電気的に接続するために使用される。
【0029】
アセンブリおよび電極接続装置に関連して開示された特徴は、その方法と同様に適用することができ、その逆もまた同様である。
【0030】
図面に関して、代表的な実施形態が下記の図面にさらに詳細に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】電極接続装置のアセンブリの、一実施形態の斜視図を示す。
図2図1に記載のアセンブリの正面図(図2の上部職)および後面図(図2の下部)を示す。
図3】ポッティング補助具を含む、図1および図2に記載のアセンブリを示す。
図4】アンテナと導体を含む、図1から図3に記載のアセンブリを示す。
図5】ハウジング上に配置されている、図1から図4に記載のアセンブリを示す。
図6】完全にポッティングされたとき(ポッティング補助具を使用)の図1から図5に記載のアセンブリを示す。
図7】完全にポッティングされた(ポッティング補助具なしの)図1から図5に記載のアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、同一の構成要素には同一の参照番号を使用する。
【0033】
図1から図7は、インプラント上に電極接続装置(ヘッダ)を取り付けるための個々の手順を示す。これらの手順は以下により詳細に記載する。
図1は、電極プラグ用の第1の受容ユニット2と追加の電極プラグ用の第2の受容ユニット13とを備えるアセンブリ1(ヘッダコアとも呼ばれる)を示す。第1受容ユニット2は、電極プラグを挿入することができる前面開口部6を有する。第1の受容ユニット2は、第1のセクション3、第2のセクション4および第3のセクション5を含む。第1のセクション3の直径は、第2のセクション4の直径よりも大きい。また、第2のセクション4の直径は、第3のセクション5の直径よりも大きい。つまり、第1の受容ユニット2は、前方開口部6から端部に向かって徐々に狭くなる。
【0034】
第1の接続要素は、第1のセクション3と第2のセクション4との間(すなわち、第1の受容ユニット2の前方領域)に形成される。第2の接続要素8は、セクション セクション4と第3のセクション5との間(第1の受容ユニット2の後部領域)に形成される。第1の接続要素7と第2の接続要素8の両方は、少なくとも2つの平らな側面を含む。これにより、組立中にアセンブリ1を容易につかむことができ、組立工程の自動化が可能になる。図示の実施形態では、第1の接続要素7および第2の接続要素8は実質的に立方形の設計を有する。第2の接続要素8は面取り縁部17を含み、これは材料節約の目的およびエポキシ樹脂の流れ方向の観察に役立つ。第1の接続要素7の裏側のプラスチックコーティングには凹部12aが形成される。第2の接続要素8の裏側には後側開口部12bが形成される。
【0035】
アセンブリは、プラスチック材料11によって部分的に囲まれている。図示の実施形態では、アセンブリは、ポリスルホンで部分的にインサート成形される。プラスチック材料11には、第1の接触面9と第2の接触面10のための凹部が形成される。第1のおよび第2の接触面は円形領域として設計される。第1のおよび第2の接触面9、10に隣接し、それぞれのガイド16が形成される。ガイド16は、接続要素(配線片など)を受けるために使用される。接触面のガイドは、異なる接触面の接続要素が互いに接触するのを防止する。
【0036】
第2の受容ユニット13は、第1の受容ユニット2と同様に設計されている。明確にするために、第2の収容ユニットの構成要素(1つの開口部、3つの徐々に狭くなる部分および2つの接続要素)は、参照番号によって示されていない。明確にするために、第2の受容ユニットの構成要素(1つの開口部、3つの徐々に狭くなる部分および2つの接続要素)は、参照番号によって示されていない。第2の受容ユニットも同様に、接続用の2つの接触面(第3の接触面14と第4の接触面15)を含む。接触面に隣接し、ガイドが再び形成される。
【0037】
第2の受容ユニットの一方の端部には、先細りの端部を有するスタッドとして設計された位置決め部18bが形成される。アセンブリ1がハウジング29に取り付けられると(図5参照)、位置決めユニット18bの尖端部をハウジングのレセプタクルに挿入することができ、それによりアセンブリをハウジングに正確にぴったりと配置することが容易になる。ただし、このアセンブリは位置決めユニット18bなしで実施することもできる。
【0038】
アセンブリの底面には位置決めピン18aが形成される(図2参照)。アセンブリがインプラントのハウジング上に配置されるとき、位置決めピンは関連するレセプタクル内に配置することができる。図示の実施形態は2つの位置決めピンを示す。ただし、位置決めピンは他の数でも同様に可能である。
【0039】
第1の受容ユニット2および第2の受容ユニット13は、それぞれスプリングスリーブとプラグの受容部分とを備えている。第1の受容ユニット2および第2の受容ユニット13は、IS‐1コネクタとして設計することができる。
【0040】
ばね要素20が第1の収容ユニット2内に配置されそこに取り付けられている(図3左側)。プラスチック材料の凹部12aは、抵抗溶接によって、第1の受容ユニット2の内側に配置されたばね要素20を第1の接続要素7に溶接するために使用される。第2の受容ユニット13内に、別のばね要素が同様に配置されかつ取り付けられている(図示せず)。続いて、アセンブリ1の開口部を閉じてポッティング補助具21、22、23を用いて密封する(図3右側)。
【0041】
図4は別の組立手順を示す。ワイヤバンド24が第3の接触面14に取り付けられる(例えば溶接により)。後端においてワイヤバンド24はワイヤバンド接続部25を含み、これは例えばフィードスルー30(図4参照)の接続ピンに接続され、接続ピン上に配置することができる。追加のワイヤバンドは別の接触面9、10、15に接続される。
【0042】
アンテナ26はアセンブリ1に取り付けられる。アンテナ26は、第1の受容ユニット2の第1のセクション3を部分的に囲み、そこにクリップ留めされている。第1の接続要素7と第2の接続要素8との間の領域において、アンテナ26はU字形部分27を含む。このようにして、つかみ凹部が形成され、これを例えば自動グリッパと併せて使用し、アセンブリを保持し輸送することができる。アンテナの後端部には、フィードスルー30に接続するためのアンテナ接続部28が形成される。
【0043】
ワイヤバンドとアンテナとを含むアセンブリは、続いて鋳造型内(シリコーン型など)に配置される(図示せず)。ワイヤバンド接続部およびアンテナ接続部28は、フィードスルー30の割り当てられたピン上に配置し、ピンに接続する(例えば溶接により)。鋳型を閉じて合成樹脂31(例えばエポキシ樹脂)を充填する。これにより、電極接続装置が形成される(図6参照)。
【0044】
ポッティング補助具21、22、23を除去し、外面上の過剰な樹脂は、例えば研削および/または研磨によって除去する。電極接続装置を含むインプラントは、このようにして完全に組み立てられる(図7)。
【0045】
アセンブリ/電極接続装置は以下の利点を有することができる。
- 第1の(および任意の選択で第2の)受容ユニットへの樹脂および/またはその他の粒子の浸透がないため、やり直しが不要となる。
- ワイヤバンドの絶縁距離は、アセンブリの設計によって事前に決定するため、電気的な短絡の危険性が減少するか、さらには排除される。
- この設計により、電極接続装置の自動製造が可能になる。
- 従来知られている製造と比較して、製造手順を除外し、その結果製造時間を短縮できる。
【0046】
明細書、特許請求の範囲および図面に開示されている特徴は、単独で、または互いに無作為に組み合わせ、実施形態を実施することに関連し得る。
【符号の説明】
【0047】
1 アセンブリ
2 第1の受容ユニット
3 第1の受容ユニットの第1のセクション
4 第1の受容ユニットの第2のセクション
5 第1の受容ユニットの第3のセクション
6 正面開口部
7 第1の接続要素
8 第2の接続要素
9 第1の接触面
10 第2の接触面
11 プラスチック材料
12a 凹部
12b 後部開口部
13 第2の受容ユニット
14 第3の接触面
15 第4の接触面
16 ガイド
17 面取り縁部
18a 位置決めピン
18b 位置決めユニット
20 ばね要素
21 第1のポッティング補助具
22 第2のポッティング補助具
23 第3のポッティング補助具
24 ワイヤーバンド
25 ワイヤーバンド接続部
26 アンテナ
27 アンテナのU字型部分
28 アンテナ接続部
29 ハウジング
30 フィードスルー
31 樹脂
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリ(1)を備える、インプラント用の電極接続装置であって、
前記アセンブリ(1)は、
- プラグ用連続受容ユニットと、
- 受容ユニット(2)の前方領域に配置され、少なくとも2つの平らな側面を含む第1の接続要素(7)と、
- 受容ユニット(2)の後方領域に配置され、少なくとも2つの平らな側面を含む第2の接続要素(8)と、
- 受容ユニット(2)の後方領域に配置され、少なくとも2つの平らな側面を含む第2の接続要素(8)と、を備え
前記アセンブリ(1)は、少なくとも部分的にプラスチック材料(11)によって囲まれ、
前記第1の接続要素(7)の接続領域(9)がプラスチック材料(11)を含まず、および/または前記第2の接続要素(8)の接続領域(10)がプラスチック材料(11)を含まない、インプラント用の電極接続装置
【請求項2】
合成樹脂(31)が、前記アセンブリ(1)と前記プラスチック材料(11)を囲む、請求項1に記載の電極接続装置
【請求項3】
前記第1の接続要素(7)の前記接続領域(9)に接続するための第1の導体用の第1のガイドが前記プラスチック材料(11)に形成されるアセンブリ(1)であって、および/または、前記第2の接続要素(8)の前記接続領域(10)に接続するための第2の導体用の第2のガイドがプラスチック材料(11)に形成されている、請求項またはに記載の電極接続装置
【請求項4】
前記第1のガイドが前記第1の接続要素(7)の前記接続領域(9)に隣接するように形成され、および/または前記第2のガイドが前記第2の接続要素(8)の接続領域(10)に隣接するように形成される、請求項に記載の電極接続装置
【請求項5】
前記第1の接続要素(7)と前期第2の接続要素(8)が互いにずれて配置されている、請求項1~のいずれか一項に記載の電極接続装置
【請求項6】
アンテナ(26)をさらに備え、前記アンテナ(26)が前記第1の接続要素(7)と前期第2の接続要素(8)の間に形成された、中間領域にU字型経路(27)を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の電極接続装置
【請求項7】
前記受容ユニットの後端部に位置決め部(18b)が形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の電極接続装置
【請求項8】
追加のプラグ用の追加の受容ユニット(13)と、前記追加の受容ユニットの前部領域に配置された第3の接続要素と、前記追加の受容ユニットの後部領域に配置された第4の接続要素とをさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載の電極接続装置
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電極接続装置を含むインプラント。
【請求項10】
- プラグ用の連続受容ユニット(2)と、
-少なくとも2つの平坦な側面を含む、受容ユニット(2)の前方領域に配置されている第1の接続要素(7)と、
- 少なくとも2つの平坦な側面を含む、受容ユニット(2)の後方領域に配置されている第2の接続要素(8)と、を備えるアセンブリ(1)であって、前記アセンブリ(1)は、少なくとも部分的にプラスチック材料(11)によって囲まれ、前記第1の接続要素(7)の接続領域(9)がプラスチック材料(11)を含まず、および/または前記第2の接続要素(8)の接続領域(10)がプラスチック材料(11)を含まず、前記受容ユニットの後端部に位置決め部(18b)が形成されている、アセンブリ(1)を提供するステップと、
- 受容ユニット(2)内にばね要素(20)を配置し、取り付けるステップと、
- ポッティング補助具(21、22、23)を用いて受容ユニットの開口部(2、12b)を密封するステップと、
- 第1の導体を第1の接続要素(7)に取り付けるステップと、
- 第2の接続要素(8)に第2の導体を取り付けるステップと、
- インプラントのハウジング(29)上にアセンブリ(1)を配置するステップと、
- 第1の導体をハウジング(29)上に形成されたフィードスルー(30)に接続するステップと、
- 第2の導体をフィードスルー(30)に接続するステップと、
- アセンブリ(1)をハウジング(29)と共に鋳造鋳型内に配置するステップと、
- 鋳型に合成樹脂を充填する(31)ステップと、
- 合成樹脂(31)が硬化した後、ポッティング補助剤(21、22、23)を除去するステップと、を含む、インプラントの電極接続装置を形成するための方法。
【請求項11】
- アンテナ(26)を配置し、アセンブリ(1)に取り付けるステップと、
- アンテナ(26)をフィードスルー(30)に接続するステップと、をさらに含み、
前記さらなるステップは、アセンブリ(1)がハウジング(29)上に配置される前に実施される、請求項1に記載の方法。
【外国語明細書】