(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123049
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】FXRアゴニストの固体形態
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20240903BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240903BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240903BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240903BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/4439
A61P1/16
A61P43/00 111
A61K45/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024093218
(22)【出願日】2024-06-07
(62)【分割の表示】P 2022203225の分割
【原出願日】2020-02-14
(31)【優先権主張番号】62/807,542
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】デレク エム. ダルトン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター シー. ファン
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン グリッグス
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エヌ. ヘメンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】オルガ ブイ. ラピナ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エム. ローガン
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ティー. ネビル
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジェイ. レイノルズ
(72)【発明者】
【氏名】フイ-ウェン シー
(72)【発明者】
【氏名】アンナ エム. ワグナー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】FXRアゴニストの固体形態、ならびにその薬学的製剤および治療での使用方法を提供する。
【解決手段】FXRアゴニストである式(I)の化合物の固体形態が提供される。
また、開示される固体形態のうちの1つまたはそれより多くを含有する薬学的組成物、およびFXRにより媒介される状態の処置においてこれらの固体形態を使用する方法が提供される。また、このような固体形態を得るための方法も提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の引用
本願は、米国仮特許出願第62/807,542号(2019年2月19日出願)に対する優先権の利益を主張し、この米国仮特許出願の内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
分野
本開示は、FXRアゴニストの新規固体形態、ならびにその薬学的製剤および治療での使用に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
本開示は、NR1H4受容体(FXR)に結合し、そしてFXRのアゴニストまたはモジュレーターとして働く、化合物の固体形態に関する。本開示はさらに、これらの化合物によるこの核内受容体の結合による、疾患および/または状態の処置および/または予防のための、このような化合物の固体形態の使用に関する。
【0004】
NR1H4受容体(FXR)に結合する化合物は、FXRのアゴニストまたはモジュレーターとして働き得る。FXRアゴニストは、NR1H4受容体の結合による、疾患および状態の処置および/または予防のためのために有用である。1つのこのようなFXRアゴニストは、式I:
【化1】
の化合物である。
【0005】
多数のFXRアゴニストが公知であるが、当該分野において所望されるものは、良好な物理的および化学的安定性、良好な水溶性ならびに良好なバイオアベイラビリティなどの所望の特性を有する、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩の物理的に安定な形態である。例えば、安定性、可変の薬力学応答、薬物-薬物相互作用、pHの影響、食物の影響、および経口バイオアベイラビリティの難問に取り組む、薬学的組成物が所望される。
【0006】
従って、化合物の製剤化、治療での使用、製造、および貯蔵のために適切な化学的および物理的安定性を有する、式Iの化合物の安定な形態が必要とされている。
【0007】
さらに、式Iの合成において有用であり得る、式Iの固体形態を開発することが望ましい。式Iの化合物の固体形態、例えば結晶形態は、式Iの合成のための中間体であり得る。固体形態は、医学または薬学での使用のために適切であり得る特定の条件で、バイオアベイラビリティ、安定性、純度、および/または製造可能性などの特性を有し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
要旨
いくつかの実施形態において、本開示は、式I:
【化2】
の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物の、新規固体形態に関する。
【0009】
これらの新規形態は、例えば、非アルコール性脂肪性肝炎(「NASH」)などの肝臓疾患を罹患するヒト患者を処置するために有用である。本開示の新規固体形態は、肝臓疾患を処置するための医薬の調製のために有用であり得る。本開示の新規固体形態は、FXRアゴニストとして使用され得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、本開示は、式Iの双性イオン性形態
【化3】
の固体形態に関する。
【0011】
いくつかの実施形態において、本開示は、双性イオン形態Iに関する。
【0012】
いくつかの実施形態において、本開示は、双性イオン形態IIに関する。
【0013】
いくつかの実施形態において、本開示は、双性イオン水和物に関する。
【0014】
いくつかの実施形態において、本開示は、双性イオン非晶質形態に関する。
【0015】
いくつかの実施形態において、本開示は、式Iのトロメタミン塩の固体形態に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトロメタミン塩は、構造:
【化4】
を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩形態Iに関する。
【0017】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩形態IIに関する。
【0018】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩水和物Iに関する。
【0019】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩水和物IIに関する。
【0020】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩水和物IIIに関する。
【0021】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩水和物IVに関する。
【0022】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩メタノール溶媒和物Iに関する。
【0023】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩メタノール溶媒和物IIに関する。
【0024】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIに関する。
【0025】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩メチルt-ブチルエーテル(「MTBE」)溶媒和物に関する。
【0026】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩非晶質形態に関する。
【0027】
いくつかの実施形態において、本開示は、トロメタミン塩エタノール溶媒和物に関する。
【0028】
いくつかの実施形態において、本開示は、式Iのp-トルエンスルホン酸塩の固体形態に関する。
【0029】
いくつかの実施形態において、本開示は、p-トルエンスルホン酸塩形態Iに関する。
【0030】
いくつかの実施形態において、本開示は、p-トルエンスルホン酸塩形態IIに関する。
【0031】
いくつかの実施形態において、本開示は、p-トルエンスルホン酸塩形態IIIに関する。
【0032】
いくつかの実施形態において、本開示は、p-トルエンスルホン酸塩水和物に関する。
【0033】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、治療有効量の式Iの固体形態を含有する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、式I形態Iの双性イオン性化合物のXRPDパターンを示す。
【0035】
【
図2】
図2は、式I形態Iの双性イオン性化合物のDSCサーモグラムを示す。
【0036】
【
図3】
図3は、式I形態Iの双性イオン性化合物のTGAサーモグラムを示す。
【0037】
【
図4】
図4は、式I形態IIの双性イオン性化合物のXRPDパターンを示す。
【0038】
【
図5】
図5は、式I形態IIの双性イオン性化合物のDSCサーモグラムを示す。
【0039】
【
図6】
図6は、式I形態IIの双性イオン性化合物のTGAサーモグラムを示す。
【0040】
【
図7】
図7は、式I水和物の双性イオン性化合物のXRPDパターンを示す。
【0041】
【
図8】
図8は、式I水和物の双性イオン性化合物のDSCサーモグラムを示す。
【0042】
【
図9】
図9は、式I水和物の双性イオン性化合物のTGAサーモグラムを示す。
【0043】
【
図10】
図10は、式Iの非晶質双性イオン性化合物のXRPDパターンを示す。
【0044】
【
図11】
図11は、式Iトロメタミン塩形態IのXRPDパターンを示す。
【0045】
【
図12】
図12は、式Iトロメタミン塩形態IのDSCサーモグラムを示す。
【0046】
【
図13】
図13は、式Iトロメタミン塩形態IのTGAサーモグラムを示す。
【0047】
【
図14】
図14は、式Iトロメタミン塩形態IIのXRPDパターンを示す。
【0048】
【
図15】
図15は、式Iトロメタミン塩水和物IのXRPDパターンを示す。
【0049】
【
図16】
図16は、式Iトロメタミン塩水和物IのDSCサーモグラムを示す。
【0050】
【
図17】
図17は、式Iトロメタミン塩水和物IのTGAサーモグラムを示す。
【0051】
【
図18】
図18は、式Iトロメタミン塩水和物IIのXRPDパターンを示す。
【0052】
【
図19】
図19は、式Iトロメタミン塩水和物IIのDSCサーモグラムを示す。
【0053】
【
図20】
図20は、式Iトロメタミン塩水和物IIのTGAサーモグラムを示す。
【0054】
【
図21】
図21は、式Iトロメタミン塩水和物IIIのXRPDパターンを示す。
【0055】
【
図22】
図22は、式Iトロメタミン塩水和物IIIのDSCサーモグラムを示す。
【0056】
【
図23】
図23は、式Iトロメタミン塩水和物IIIのTGAサーモグラムを示す。
【0057】
【
図24】
図24は、式Iトロメタミン塩水和物IVのXRPDパターンを示す。
【0058】
【
図25】
図25は、式Iトロメタミン塩水和物IVのDSCサーモグラムを示す。
【0059】
【
図26】
図26は、式Iトロメタミン塩水和物IVのTGAサーモグラムを示す。
【0060】
【
図27】
図27は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IのXRPDパターンを示す。
【0061】
【
図28】
図28は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIのXRPDパターンを示す。
【0062】
【
図29】
図29は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIのXRPDパターンを示す。
【0063】
【
図30】
図30は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIのDSCサーモグラムを示す。
【0064】
【
図31】
図31は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIのTGAサーモグラムを示す。
【0065】
【
図32】
図32は、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物のXRPDパターンを示す。
【0066】
【
図33】
図33は、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物のDSCサーモグラムを示す。
【0067】
【
図34】
図34は、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物のTGAサーモグラムを示す。
【0068】
【
図35】
図35は、式Iトロメタミン塩非晶質形態のXRPDパターンを示す。
【0069】
【
図36】
図36は、式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物のXRPDパターンを示す。
【0070】
【
図37】
図37は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IのXRPDパターンを示す。
【0071】
【
図38】
図38は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IのDSCサーモグラムを示す。
【0072】
【
図39】
図39は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IのTGAサーモグラムを示す。
【0073】
【
図40】
図40は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IIのXRPDパターンを示す。
【0074】
【
図41】
図41は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IIのDSCサーモグラムを示す。
【0075】
【
図42】
図42は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IIのTGAサーモグラムを示す。
【0076】
【
図43】
図43は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IIIのXRPDパターンを示す。
【0077】
【
図44】
図44は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IIIのDSCサーモグラムを示す。
【0078】
【
図45】
図45は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IIIのTGAサーモグラムを示す。
【0079】
【
図46】
図46は、式I p-トルエンスルホン酸塩水和物のXRPDパターンを示す。
【0080】
【
図47】
図47は、式I p-トルエンスルホン酸塩水和物のDSCサーモグラムを示す。
【0081】
【
図48】
図48は、式I p-トルエンスルホン酸塩水和物のTGAサーモグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
詳細な説明
以下の説明において、本開示の種々の実施形態の徹底的な理解を提供する目的で、特定の具体的な詳細が記載される。しかし、当業者は、本開示がこれらの詳細なしで実施され得ることを理解する。以下の数個の実施形態の説明は、本開示が本願の主題の例示とみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲を説明される具体的な実施形態に限定することを意図されないことを理解して、なされる。本願を通して使用される見出しは、簡便なために提供されるのみであり、いかなる方法でも、特許請求の範囲を限定するとみなされるべきではない。いずれの見出しの下に説明される実施形態も、他の任意の見出しの下に説明される実施形態と組み合わせられ得る。
【0083】
定義
その文脈がそうではないことを要求しない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」およびその変形、例えば、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」は、オープンな包括的な意味、すなわち、「含むが、限定されない」と解釈されるべきである。
【0084】
本明細書を通しての、「1つの実施形態」または「ある実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通しての種々の箇所での、語句「1つの実施形態」または「ある実施形態」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態をいうわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つまたはそれより多くの実施形態において、任意の適切な様式で組み合わせられ得る。
【0085】
本明細書を通しての、「化合物」に言及する実施形態は、本明細書中で開示される式および/または化合物の、結晶形態、塩形態、共結晶形態、双性イオン形態、水和物形態、溶媒和物形態、および/または非晶質形態を包含する。従って、出現または語句「式Iの化合物」は、式I双性イオン形態I;式I双性イオン形態II;式I水和物;式I双性イオン非晶質;式Iトロメタミン塩形態I;式Iトロメタミン塩形態II;式Iトロメタミン塩水和物I;式Iトロメタミン塩水和物II;式Iトロメタミン塩水和物III;式Iトロメタミン塩水和物IV;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物I;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III;式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物;式Iトロメタミン塩非晶質形態;式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物;式I p-トルエンスルホン酸塩形態I;式I p-トルエンスルホン
酸塩形態II;式I p-トルエンスルホン酸塩形態III;および/または式I p-トルエンスルホン酸塩水和物を包含し得る。
【0086】
本明細書中で開示される本開示はまた、1個またはそれより多くの原子が、異なる原子質量または質量数を有する原子より置き換えられることにより同位体標識されている、全ての薬学的に受容可能な式Iの化合物を包含することを意図される。本開示の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、および硫黄の同位体が挙げられ、例えば、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iである。放射性標識された化合物は、例えば、作用の部位もしくは様式、または薬理学的に受容可能な作用部位への結合親和性を特徴付けることによって、それらの化合物の有効性を決定または測定することを助けるのに有用であり得る。同位体標識された、特定の式Iの化合物、例えば、放射性同位体を組み込む化合物は、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわち3H、および炭素-14、すなわち14Cは、それらの組み込みの容易さおよび準備のできた検出手段の観点から、この目的で特に有用である。
【0087】
ジュウテリウム、すなわち2Hなどの、より重い同位体での置換は、より高い代謝安定性から得られる特定の治療上の利点を与え得る。例えば、インビボでの半減期が増大し得るか、または投薬量の要求が減少し得る。従って、より重い同位体は、いくつかの状況において好ましくあり得る。
【0088】
陽電子放出同位体、例えば、11C、18F、15Oおよび13Nでの置換は、基質の受容体占有度を試験するための陽電子放出トポグラフィー(PET)研究において有用であり得る。同位体標識された式Iの化合物は一般に、当業者に公知である従来の技術により、または下記に記載される実施例に記載されるプロセスと類似の手順により、以前に使用されていた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、調製され得る。
【0089】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物から有用な程度の純度までの単離、および有効な治療剤への製剤化に耐えるのに十分に頑丈である化合物を示すことを意味する。
【0090】
「必要に応じた」または「必要に応じて」とは、その後に記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、およびこの記載が、その事象または状況が起こる例と、起こらない例とを包含することを意味する。例えば、「必要に応じて置換されたアリール」とは、そのアリールラジカルが置換されていても置換されていなくてもよいこと、およびこの記載が、置換されたアリールラジカルと、置換を有さないアリールラジカルとを包含することを意味する。
【0091】
「薬学的に受容可能な賦形剤」としては、米国食品医薬品局によりヒトまたは家庭動物における使用に認容可能であると承認されている、任意のアジュバント、キャリア、賦形剤、グライダント、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、および/もしくは乳化剤、または上記のもののうちの1つもしくはそれより多くの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
「薬学的組成物」とは、本開示の化合物(例えば、式Iの化合物)、および生物学的に活性な化合物の哺乳動物(例えば、ヒト)への送達のために当該分野において一般的に承認されている媒体との、配合物をいう。このような媒体としては、そのための全ての薬学的に受容可能な賦形剤が挙げられる。
【0093】
「有効量」または「治療有効量」とは、その必要がある患者に投与される場合に、本開示による化合物が有用性を有する疾患状態、状態または障害の処置を行うために十分である、本開示による化合物の量をいう。このような量は、研究者または臨床医により求められる、組織系または患者の生物学的応答または医学的応答を惹起するために十分である。治療有効量を構成する、本開示による化合物の量は、化合物およびその生物学的活性、投与のために使用される組成物、投与の時間、投与経路、化合物の排出の速度、処置の持続時間、処置される疾患状態または障害の種類およびその重篤度、本開示の化合物と組み合わせてかまたは同時に使用される薬物、ならびに患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食事などの要因に依存して変わる。このような治療有効量は、当業者により、自身の知識、技術水準、および本開示を考慮して、慣用的に決定され得る。
【0094】
「予防(prevention)」または「予防する(「preventing」)または「予防(prophylaxis)」は、疾患または状態の臨床的症状が発症しないようにする、疾患または状態の任意の処置を意味する。化合物は、いくつかの実施形態において、その疾患または状態の危険があるかまたはその家族歴を有する被験体(ヒトを含む)に投与され得る。
【0095】
疾患の「処置(treatment)」および「処置する(treating)」は、以下:
(1)疾患が発症することを予防するか、またはその危険を低下させること、すなわち、その疾患の臨床的な症状が、その疾患に曝露され得るかまたは罹患しやすくあり得るがその疾患の症状をまだ経験も表示もしていない被験体において発症しないようにすること、
(2)疾患を阻害すること、すなわち、その疾患またはその臨床的症状の発症を止めるかまたは減少させること、および
(3)疾患を軽減すること、すなわち、その疾患またはその臨床的症状の後退を引き起こすこと
を含む。
【0096】
用語「被験体」または「患者」とは、処置、観察または実験の対象であったか、または対象となる予定である、動物、例えば哺乳動物(ヒトを含む)をいう。本明細書中に記載される方法は、ヒトの治療および/または獣医学での用途において有用であり得る。いくつかの実施形態において、この被験体は哺乳動物(または患者)である。いくつかの実施形態において、この被験体(または患者)は、ヒト、家庭動物(例えば、イヌおよびネコ)、農場動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、およびブタ)、ならびに/または実験室動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ブタ、ウサギ、イヌ、およびサル)である。いくつかの実施形態において、この被験体(または患者)はヒトである。「その必要があるヒト(または患者)」とは、特定の処置から利益を受ける、例えば、本明細書中で開示される化合物を用いて本願に従って処置される、疾患または状態を有し得るか、または有すると疑われるヒトをいう。
【0097】
本明細書中の、「約」ある値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体に関する実施形態を包含(および記載)する。例えば、「約X」に関する記載は、「X」の記載を含む。また、単数形「a」および「the」は、その文脈が明らかにそうではないことを示さない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「化合物(the compound)」への言及は、複数のそのような化合物を含み、そして「アッセイ(the assay)」への言及は、1つまたはそれより多くのアッセイ、および当業者に公知であるその等価物への言及を含む。
【0098】
「薬学的に受容可能な」または「生理学的に受容可能な」とは、獣医学またはヒトでの薬学的使用に適切な薬学的組成物を調製するのに有用な、化合物、塩、組成物、剤形および他の物質をいう。
【0099】
「単位剤形」とは、被験体(例えば、ヒト被験体および他の哺乳動物)のためのユニタリ投薬量として適切な、物理的に不連続な単位であって、各単位が、所望の治療効果を生じるように計算された所定の量の活性物質を、適切な薬学的賦形剤と合わせて含有する、単位をいう。
【0100】
用語「に実質的に示される」は、例えば、XRPDパターン、DSCサーモグラム、DVS等温線、またはTGAサーモグラムをいう場合、本明細書中に図示されるものと必ずしも同一ではないが、当業者により考慮される場合に、実験誤差または偏差の限界内に入る、パターン、サーモグラムまたはスペクトルを含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、化合物の特定の結晶形態に関して、用語「実質的に純粋」または「実質的に含まない」とは、その結晶形態を含有する組成物が、重量基準で99%未満、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%、または1%未満の他の物質(他の結晶形態および/または不純物が挙げられる)を含有することを意味する。特定の実施形態において、「実質的に純粋」または「実質的に含まない」とは、他の物質(他の結晶形態および/または不純物が挙げられる)を含まない物質をいう。不純物は、例えば、化学反応からの副生成物または残留試薬、夾雑物、分解生成物、他の結晶形態、水、および溶媒を含み得る。
【0102】
用語「薬学的に受容可能な塩」とは、薬学的に受容可能な非毒性の塩基または酸(無機塩基または無機酸、および有機塩基または有機酸が挙げられる)から調製される塩をいう。本開示の化合物が1つまたはそれより多くの酸性基または塩基性基を含む場合、本開示は、それらの対応する薬学的または毒物学的に受容可能な塩、特に、それらの薬学的に利用可能な塩も包含する。従って、酸性基を含む本開示の化合物は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩としてこれらの基に存在し得、そして本開示に従って、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩として使用され得る。このような塩のより正確な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、あるいはアンモニアまたは有機アミン(例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミンもしくはアミノ酸)との塩が挙げられる。1つまたはそれより多くの塩基性基、すなわち、プロトン化され得る基を含む、本開示の化合物は、無機酸または有機酸とのそれらの付加塩の形態で存在し得、そして本開示に従って、無機酸または有機酸とのそれらの付加塩の形態で使用され得る。適切な酸の例としては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸、および当業者に公知である他の酸が挙げられる。本開示の化合物が、その分子内に酸性基と塩基性黄とを同時に含む場合、本開示は、記載された塩形態に加えて、内部塩またはベタイン(双性イオン)もまた包含する。代表的な塩は、当業者に公知である慣例的な方法によって、例えば、これらを有機酸もしくは無機酸、または有機塩基もしくは無機塩基と、溶媒中または分散剤中で接触させることによって、あるいは他の塩との陰イオン交換または陽イオン交換によって、得られ得る。本開示はまた、低い生理学的適合性に起因して、薬剤における使用に直接は適さないが、例えば、化学反応の中間体として、または薬学的に受容可能な塩の調製のために使用され得る、本開示の化合物の全ての塩を包含する。
【0103】
さらに、本開示の化合物は、溶媒和物の形態(例えば、溶媒和物として水を含むもの、または薬学的に受容可能な溶媒和物、例えばアルコール、特にエタノール)で存在し得る。「溶媒和物」は、溶媒と化合物との相互作用により形成される。この溶媒が水である場合、この「溶媒和物」は「水和物」である。
【0104】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物もしくは薬学的に受容可能な塩またはその混合物の、光学異性体、ラセミ体、またはそれらの他の混合物が提供される。所望であれば、異性体は、当該分野において周知である方法によって、例えば液体クロマトグラフィーによって、分離され得る。これらの状況において、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマー、すなわち、光学的に活性な形態が、不斉合成または分割により得られ得る。分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化、または例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムを使用するクロマトグラフィーなどの、従来の方法によって達成され得る。
【0105】
「立体異性体」とは、同じ結合によって結合した同じ原子から構成されるが、交換可能ではない異なる三次元構造を有する化合物をいう。本発明は、種々の立体異性体およびそれらの混合物を想定し、そして分子が互いの重ね合わせられない鏡像である2つの立体異性体をいう「エナンチオマー」を含む。「ジアステレオマー」とは、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いの鏡像ではない立体異性体である。
【0106】
本明細書中で開示される化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩は、不斉中心を含み得るので、エナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性形態を生じ得る。この他の立体異性形態は、絶対立体化学の観点で、(R)-もしくは(S)-として、またはアミノ酸については(D)-もしくは(L)-として、定義され得る。本発明は、全てのこのような可能な異性体、ならびにそれらのラセミ体および光学的に純粋な形態を包含することを意図される。光学的に活性な、(+)および(-)、(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製され得るか、または従来の技術、例えばクロマトグラフィーおよび分別晶出を使用して分割され得る。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術としては、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、あるいは例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。本明細書中に記載される化合物が、オレフィン性二重結合または他の幾何不斉中心を含む場合、他に特定されない限り、その化合物は、E幾何異性体とZ幾何異性体との両方を含むことが意図される。
【0107】
本明細書中に記載させる化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、異性体、もしくは混合物を含有する、本明細書中に提供される組成物は、ラセミ混合物、あるいはエナンチオマー過剰な1つのエナンチオマーを含む混合物、または単一のジアステレオマーもしくはジアステレオマー混合物を含み得る。これらの化合物の全てのこのような異性形態は、各全ての異性形態が具体的に個々に列挙されると同程度に、明示的に本明細書中に含まれる。
【0108】
「互変異性体」とは、別の異性体と一緒に平衡状態で存在する、化合物の異性体であって、ここでこれらの2つの異性体は、その分子内の原子または基の移動によって、交換可能である、異性体である。
【0109】
式Iの固体形態
式I固体形態は、結晶形態および実質的に純粋な形態を含めて、薬学的組成物における活性成分としての使用に適したバイオアベイラビリティおよび安全性の利点を提供し得る
。例えば、式Iトロメタミン塩形態Iは、有利な物理的特性、例えば、良好な物理的安定性および化学的安定性、良好な水溶性ならびに良好なバイオアベイラビリティを示す。薬学的薬物物質または活性成分の結晶構造のバリエーションは、薬学的薬物物質または活性成分の溶解速度(バイオアベイラビリティなどに影響を与え得る)、製造可能性(例えば、取り扱いの容易さ、既知の強度の用量を一貫して調製する能力)、および安定性(例えば、熱安定性、貯蔵寿命など)に影響を与え得る。このようなバリエーションは、異なる投薬量または送達形態(例えば、溶液、または錠剤およびカプセル剤が挙げられる固体の経口剤形)の薬学的組成物の調製または製剤化に影響を与え得る。非結晶性または非晶質の形態などの、他の形態と比較すると、結晶形態は、所望のまたは適切な吸湿性、粒子サイズの制御、溶解速度、溶解度、純度、物理的安定性および化学的安定性、製造可能性、収率、ならびに/またはプロセス制御を提供し得る。従って、式Iの化合物の固体形態は、化合物の製造プロセス、化合物の薬物製品形態の安定性または貯蔵性、化合物の薬物物質形態の安定性または貯蔵性、ならびに/あるいは活性剤としての化合物のバイオアベイラビリティおよび/または安定性の改善などの利点を提供し得る。
【0110】
特定の溶媒および/またはプロセスの使用は、本明細書中に記載される式Iの化合物の異なる固体形態を生成することが見出された。これらの異なる固体形態は、上に記載された1つまたはそれより多くの好ましい特徴を示し得る。本明細書中に記載される固体形態の調製のためのプロセス、およびこれらの固体形態の特徴付けが、以下に詳細に記載される。
【0111】
特定の実施形態において、式Iの新規固体形態、例えば結晶形態が開示される。いくつかの実施形態において、式Iの化合物の双性イオン性固体形態が開示される。いくつかの実施形態において、式Iのトロメタミン塩の固体形態が開示される。いくつかの実施形態において、式Iのp-トルエンスルホン酸塩の固体形態が開示される。
【0112】
式I双性イオン形態I
いくつかの実施形態において、式Iの双性イオン性固体化合物(式I形態I)が本明細書中で提供され、ここでこの固体形態は、実質的に
図1に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。双性イオン性結晶性式I形態Iは、実質的に
図2に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式I形態Iは、実質的に
図3に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0113】
結晶性式I形態Iのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式I形態Iは、実質的に
図1に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式I形態Iは、実質的に
図2に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式I形態Iは、実質的に
図3に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0114】
いくつかの実施形態において、結晶性式I形態Iは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図1に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図2に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図3に示されるTGAサーモグラム。
【0115】
いくつかの実施形態において、結晶性式I形態Iは、実質的に
図1に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0116】
特定の実施形態において、双性イオン性結晶性式I形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を6.7、13.3、および16.6°に含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を6.7、13.3、および16.6°に、ならびに12.3、16.2、および20.0°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個または3個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を6.7、13.3、および16.6°に、ならびに15.3、22.4、および26.6°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個または3個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を6.7、13.3、16.6、12.3、16.2、20.0、15.3、22.4、および26.6°に含む、XRPDパターンを有する。
【0117】
いくつかの実施形態において、双性イオン性式I形態Iは、開始が約265℃である吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0118】
式I双性イオン形態II
いくつかの実施形態において、式Iの双性イオン性結晶性化合物(式I形態II)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図4に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。双性イオン性結晶性式I形態IIは、実質的に
図5に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式I形態Iは、実質的に
図6に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0119】
結晶性式I形態IIのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式I形態IIは、実質的に
図4に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式I形態IIは、実質的に
図5に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式I形態IIは、実質的に
図6に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0120】
いくつかの実施形態において、結晶性式I形態IIは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図4に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図5に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図6に示されるTGAサーモグラム。
【0121】
いくつかの実施形態において、結晶性式I形態IIは、実質的に
図4に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0122】
特定の実施形態において、双性イオン性結晶性式I形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を7.3、18.1、および24.1°に含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を7.3、18.1、および24.1°に、ならびに14.5、25.0、25.4、および29.1°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、3個、または4個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を7.3、18.1、24.1、14.5、25.0、25.4、および29.1°に含む、XRPDパターンを有する。
【0123】
いくつかの実施形態において、双性イオン性式I形態IIは、開始が約135℃である
吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I形態IIは、開始が約271℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0124】
式I双性イオン水和物
いくつかの実施形態において、式Iの双性イオン性結晶性化合物(式I水和物)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図7に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。双性イオン性結晶性式I水和物は、実質的に
図8に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式I水和物は、実質的に
図9に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0125】
結晶性式I水和物のいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式I水和物は、実質的に
図7に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式I水和物は、実質的に
図8に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式I水和物は、実質的に
図9に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0126】
いくつかの実施形態において、結晶性式I水和物は、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図7に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図8に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図9に示されるTGAサーモグラム。
【0127】
いくつかの実施形態において、結晶性式I水和物は、実質的に
図7に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0128】
特定の実施形態において、双性イオン性結晶性式I水和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.2、15.4、19.7、および23.1°に含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I水和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.2、15.4、19.7、および23.1°に、ならびに16.4、17.9、21.7、および25.8°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、3個、または4個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I水和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.2、15.4、19.7、および23.1°に、ならびに10.8、25.0、および26.4°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I水和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.2、15.4、19.7、23.1、16.4、17.9、21.7、25.8、10.8、25.0、および26.4°に含む、XRPDパターンを有する。
【0129】
いくつかの実施形態において、双性イオン性式I水和物は、開始が約46℃である幅広の吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I水和物は、開始が約157℃である発熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、双性イオン性式I水和物は、開始が約268℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0130】
式I双性イオン非晶質
いくつかの実施形態において、式Iの固体双性イオン性化合物(式I非晶質)が本明細
書中で提供され、ここでこの固体形態は、実質的に
図10に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【0131】
式Iトロメタミン塩形態I
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態Iの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩形態I)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図11に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式Iトロメタミン塩形態Iは、実質的に
図12に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式Iトロメタミン塩形態Iは、実質的に
図13に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0132】
結晶性式Iトロメタミン塩形態Iのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式Iトロメタミン塩形態Iは、実質的に
図11に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式Iトロメタミン塩形態Iは、実質的に
図12に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式Iトロメタミン塩形態Iは、実質的に
図13に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0133】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩形態Iは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図11に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図12に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図13に示されるTGAサーモグラム。
【0134】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩形態Iは、実質的に
図11に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0135】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.2、16.8、および25.6°に含む、XRPDパターンを有する。
【0136】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.2、16.8、および25.6°に、ならびに10.9、15.3、および21.8°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0137】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.2、16.8、および25.6°に、ならびに13.3、20.1、20.4、21.0、および24.3°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、3個、4個、または5個を含む、XRPDパターンを有する。
【0138】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.2、16.8、25.6、10.9、15.3、21.8、および13.3、20.1、20.4、21.0、および24.3に含む、XRPDパターンを有する。
【0139】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態Iは、開始が約129℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態Iは、開始が約150℃である発熱を有する示差走査熱量測定サー
モグラムを有する。
【0140】
式Iトロメタミン塩形態II
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態IIの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩形態II)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図14に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【0141】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩形態IIは、実質的に
図14に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0142】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を9.2、15.9、および17.3°に含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を9.2、15.9、および17.3°に、ならびに12.9、20.4、24.5、および25.1°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、3個、または4個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を9.2、15.9、17.3、12.9、20.4、24.5、および25.1°に含む、XRPDパターンを有する。
【0143】
式Iトロメタミン塩水和物I
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物Iの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩水和物I)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図15に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式Iトロメタミン塩水和物Iは、実質的に
図16に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式Iトロメタミン塩水和物Iは、実質的に
図17に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0144】
結晶性式Iトロメタミン塩水和物Iのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式Iトロメタミン塩水和物Iは、実質的に
図15に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式Iトロメタミン塩水和物Iは、実質的に
図16に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式Iトロメタミン塩水和物Iは、実質的に
図17に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0145】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物Iは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図15に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図16に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図17に示されるTGAサーモグラム。
【0146】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物Iは、実質的に
図15に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0147】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.9、13.9、および23.3°に含む、XRPDパターンを有する
。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.9、13.9、および23.3°に、ならびに7.1、12.7、および20.3°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.9、13.9、および23.3°に、ならびに9.8、17.4、22.7、および25.3°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、3個、または4個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.9、13.9、23.3、7.1、12.7、20.3、9.8、17.4、22.7、および25.3°に含む、XRPDパターンを有する。
【0148】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物Iは、開始が約74℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、開始が約123℃である吸熱を有する式Iトロメタミン塩水和物I。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物Iは、開始が約145℃である発熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0149】
式Iトロメタミン塩水和物II
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩水和物II)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図18に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式Iトロメタミン塩水和物IIは、実質的に
図19に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIは、実質的に
図20に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0150】
結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIは、実質的に
図18に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIは、実質的に
図19に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIは、実質的に
図20に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0151】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図18に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図19に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図20に示されるTGAサーモグラム。
【0152】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIは、実質的に
図18に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0153】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.5、16.1、および21.5°に含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.5、16.1、および21.5°に、ならびに9.0、17.2、および18.8°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.5、16.1、および21.
5°に、ならびに13.4、20.1、24.9、および26.9°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、3個、または4個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.5、16.1、21.5、9.0、17.2、18.8、13.4、20.1、24.9、および26.9°に含む、XRPDパターンを有する。
【0154】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIは、開始が約48℃である幅広の吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIは、開始が約130℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0155】
式Iトロメタミン塩水和物III
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIIの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩水和物III)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図21に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式Iトロメタミン塩水和物IIIは、実質的に
図22に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIIは、実質的に
図23に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0156】
結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIIのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIIは、実質的に
図21に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIIは、実質的に
図22に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIIは、実質的に
図23に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0157】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIIは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図21に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図22に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図23に示されるTGAサーモグラム。
【0158】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIIは、実質的に
図21に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0159】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.2、16.0、および23.2°に含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.2、16.0、および23.2°に、ならびに9.1、15.2、および23.8°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.2、16.0、および23.2°に、ならびに11.2、12.3、19.0、21.6、および26.1°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.2、16.0、23.2、9.1、15.2、23.8、11.2、12.3、19.0、21.6、および26.1°に含む、XRPDパターンを有する。
【0160】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIIは、開始が約82℃である幅広の吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIIは、開始が約120℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IIIは、開始が約154℃である発熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0161】
式Iトロメタミン塩水和物IV
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IVの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩水和物IV)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図24に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式Iトロメタミン塩水和物IVは、実質的に
図25に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式Iトロメタミン塩水和物IVは、実質的に
図26に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0162】
結晶性式Iトロメタミン塩水和物IVのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IVは、実質的に
図24に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IVは、実質的に
図25に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式Iトロメタミン塩水和物IVは、実質的に
図26に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0163】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IVは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図24に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図25に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図26に示されるTGAサーモグラム。
【0164】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IVは、実質的に
図24に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0165】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩水和物IVは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を11.4、16.9、および22.8°に含む、XRPDパターンを有する。
【0166】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IVは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を11.4、16.9、および22.8°に、ならびに14.2、15.3、および20.5°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0167】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IVは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を11.4、16.9、および22.8°に、ならびに13.7、15.8、19.4、および21.9°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、3個、または4個を含む、XRPDパターンを有する。
【0168】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IVは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を11.4、16.9、22.8、14.2、15.3、20.5、13.
7、15.8、19.4、および21.9°に含む、XRPDパターンを有する。
【0169】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IVは、開始が約48℃である幅広の吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IVは、開始が約117℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IVは、開始が約148℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0170】
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物I
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物I)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図27に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【0171】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iは、実質的に
図27に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0172】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.8、13.3、および22.3°に含む、XRPDパターンを有する。
【0173】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.8、13.3、および22.3°に、ならびに14.5、20.0、および21.4°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0174】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を10.8、13.3、14.5、20.0、21.4、および22.3°に含む、XRPDパターンを有する。
【0175】
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図28に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【0176】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIは、実質的に
図28に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0177】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.4、12.9、および22.7°に含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.4、12.9、および22.7°に、ならびに10.7、14.3、および15.9°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態にお
いて、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.4、12.9、および22.7°に、ならびに21.2および26.6°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個または2個を含む、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.4、10.7、12.9、14.3、15.9、21.2、22.7、および26.6°に含む、XRPDパターンを有する。
【0178】
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIの結晶性化合物(式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図29に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、実質的に
図30に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、実質的に
図31に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0179】
結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、実質的に
図29に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、実質的に
図30に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、実質的に
図31に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0180】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図29に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図30に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図31に示されるTGAサーモグラム。
【0181】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、実質的に
図29に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0182】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を12.6、13.3、および13.8°に含む、XRPDパターンを有する。
【0183】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を12.6、13.3、および13.8°に、ならびに14.3、17.4、および23.2°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0184】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を12.6、13.3、および13.8°に、ならびに20.2、24.2、25.2および29.1°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0185】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を12.6、13.3、13.8、14.3、17.4、20.2、23.2、24.2、25.2、および29.1°に含む、XRPDパターンを有する。
【0186】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、開始が約80℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、開始が約110℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、開始が約127℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩水和物IVは、開始が約145℃である発熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0187】
式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩メチル第三級-ブチルエーテル(MTBE)溶媒和物の結晶性化合物(式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図32に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、実質的に
図33に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、実質的に
図34に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0188】
結晶性式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物のいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、実質的に
図32に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、実質的に
図33に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、実質的に
図34に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0189】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図32に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図33に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図34に示されるTGAサーモグラム。
【0190】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、実質的に
図32に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0191】
特定の実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.8、11.4、15.6、および20.4°に含む、XRPDパターンを有する。
【0192】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.8、11.4、15.6、および20.4°に、ならびに14.5、18.4、23.4、および25.9°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうち
の1個、2個、3個、または4個を含む、XRPDパターンを有する。
【0193】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.8、11.4、15.6、および20.4°に、ならびに12.7、19.0、および24.7°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0194】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を5.8、11.4、12.7、14.5、15.6、18.4、19.0、20.4、23.4、24.7、および25.9°に含む、XRPDパターンを有する。
【0195】
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、開始が約85℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、開始が約147℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0196】
式Iトロメタミン非晶質
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩非晶質形態の化合物(式Iトロメタミン非晶質形態)が本明細書中で提供され、ここでこの固体形態は、実質的に
図35に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【0197】
式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物
いくつかの実施形態において、式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物の結晶性化合物(式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図36に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【0198】
いくつかの実施形態において、結晶性式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物形態は、実質的に
図36に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。いくつかの実施形態において、トロメタミン塩エタノール溶媒和物は、以下の固有ピーク:5.3、10.7、12.1、12.9、21.0、21.6、22.3、22.6、23.8、および26.3°2θのうちの4個またはそれより多くを有する。
【0199】
式I p-トルエンスルホン酸(p-TSA)塩形態I
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iの結晶性化合物(式I p-TSA塩形態I)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図37に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式I p-TSA塩形態Iは、実質的に
図38に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式I p-TSA塩形態Iは、実質的に
図39に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0200】
結晶性式I p-TSA塩形態Iのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式I p-TSA塩形態Iは、実質的に
図37に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式I p-TSA塩形態Iは、実質的に
図38に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式I p-TSA塩形態Iは、実質的に
図39に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0201】
いくつかの実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態Iは、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図37に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図38に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図39に示されるTGAサーモグラム。
【0202】
いくつかの実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態Iは、実質的に
図37に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0203】
特定の実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を16.6、20.9、22.3、および23.4°に含む、XRPDパターンを有する。
【0204】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を16.6、20.9、22.3、および23.4°に、ならびに3.0、13.1、および21.5°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0205】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を16.6、20.9、22.3、および23.4°に、ならびに9.0、15.0、17.5、26°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0206】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を16.6、20.9、22.3、23.4、3.0、13.1、21.5、9.0、15.0、17.5、26°に含む、XRPDパターンを有する。
【0207】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iは、開始が約198℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iは、開始が約208℃である発熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
式I p-トルエンスルホン酸(p-TSA)塩形態II
【0208】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIの結晶性化合物(式I p-TSA塩形態II)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図40に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式I p-TSA塩形態IIは、実質的に
図41に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式I p-TSA塩形態IIは、実質的に
図42に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0209】
結晶性式I p-TSA塩形態IIのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式I p-TSA塩形態IIは、実質的に
図40に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式I p-TSA塩形態IIは、実質的に
図41に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式I p-TSA塩形態IIは、実質的に
図42に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0210】
いくつかの実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態IIは、以下の特性のう
ちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図40に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図41に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図42に示されるTGAサーモグラム。
【0211】
いくつかの実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態IIは、実質的に
図40に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0212】
特定の実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を14.8、20.8、23.2、および23.8°に含む、XRPDパターンを有する。
【0213】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を14.8、20.8、23.2、および23.8°に、ならびに21.6、22.1、および24.4°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0214】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を14.8、20.8、23.2、および23.8°に、ならびに3.0、11.8、および16.8°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0215】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を14.8、20.8、23.2、23.8、21.6、22.1、24.4、3.0、11.8、および16.8°に含む、XRPDパターンを有する。
【0216】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIは、開始が約202℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIは、開始が約155℃である発熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIは、発熱開始が約209℃である示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0217】
式I p-トルエンスルホン酸(p-TSA)塩形態III
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIIの結晶性化合物(式I p-TSA塩形態I)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図43に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式I p-TSA塩形態IIIは、実質的に
図44に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式I p-TSA塩形態IIIは、実質的に
図45に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0218】
結晶性式I p-TSA塩形態IIIのいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式I p-TSA塩形態IIIは、実質的に
図43に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式I p-TSA塩形態IIIは、実質的に
図44に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式I p-TSA塩形態IIIは、実質的に
図45に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0219】
いくつかの実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態IIIは、以下の特性の
うちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図43に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図44に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図45に示されるTGAサーモグラム。
【0220】
いくつかの実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態IIIは、実質的に
図43に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0221】
特定の実施形態において、結晶性式I p-TSA塩形態IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を11.9、14.8、16.9、および23.2°に含む、XRPDパターンを有する。
【0222】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を11.9、14.8、16.9、および23.2°に、ならびに17.6、20.8、22.1、および24.6°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0223】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIIは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を11.9、14.8、16.9、および23.2°に、ならびに12.3、18.8、および26.6°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0224】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iは、2θ度の回折(±0.2°2θ)を11.9、14.8、16.9、23.2、17.6、20.8、22.1、24.6、12.3、18.8、および26.6°に含む、XRPDパターンを有する。
【0225】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIIは、開始が約156℃である発熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態IIIは、開始が約205℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0226】
式I p-トルエンスルホン酸(p-TSA)塩水和物
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩形態Iの結晶性化合物(式I p-TSA塩水和物)が本明細書中で提供され、ここでこの結晶構造は、実質的に
図46に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。式I p-TSA塩水和物は、実質的に
図47に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶性式I p-TSA塩水和物は、実質的に
図48に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを示し得る。
【0227】
結晶性式I p-TSA塩水和物のいくつかの実施形態において、以下の(a)~(c)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てが適用される:(a)結晶性式I p-TSA塩水和物は、実質的に
図46に示されるXRPDパターンを有する;(b)結晶性式I p-TSA塩水和物は、実質的に
図47に示されるDSCサーモグラムを有する;(c)結晶性式I p-TSA塩水和物は、実質的に
図48に示されるTGAサーモグラムを有する。
【0228】
いくつかの実施形態において、結晶性式I p-TSA塩水和物は、以下の特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:
(a)実質的に
図46に示されるXRPDパターン
(b)実質的に
図47に示されるDSCサーモグラム
(c)実質的に
図48に示されるTGAサーモグラム。
【0229】
いくつかの実施形態において、結晶性式I p-TSA塩水和物は、実質的に
図46に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度の回折のうちの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、または少なくとも9個を示す、XRPDパターンを有する。
【0230】
特定の実施形態において、結晶性式I p-TSA塩水和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を6.6、8.6、19.8、および25.5°に含む、XRPDパターンを有する。
【0231】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩水和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を6.6、8.6、19.8、および25.5°に、ならびに11.3、17.1、22.5、および28.4°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、3個、または4個を含む、XRPDパターンを有する。
【0232】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩水和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を6.6、8.6、19.8、および25.5°に、ならびに15.6、17.7、および26.9°の2θ度の回折(±0.2°2θ)のうちの1個、2個、または3個を含む、XRPDパターンを有する。
【0233】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩水和物は、2θ度の回折(±0.2°2θ)を6.6、8.6、19.8、25.5、11.3、17.1、22.5、および28.4、15.6、17.7、および26.9°に含む、XRPDパターンを有する。
【0234】
いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩水和物は、開始が約144℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩水和物は、開始が約192℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、式I p-TSA塩水和物は、開始が約214℃である発熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
【0235】
薬学的組成物
投与の目的で、特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、生の化学物質として投与されるか、または薬学的組成物として製剤化される。本開示の薬学的組成物は、治療有効量の式Iの化合物、ならびに少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアおよび/または賦形剤を含有し得る。式Iの化合物は、組成物中に、目的の特定の疾患または状態を処置するために有効な量で存在する。本開示の薬学的組成物は、活性成分として、1つまたはそれより多くの他の化合物(例えば、プロドラッグ、他の核内受容体モジュレーター、または他の活性な薬学的成分、例えば、肝臓疾患を処置するのに使用するための活性な薬学的成分、例えば、ACC阻害剤もしくはASK1阻害剤が挙げられる)をさらに含有し得る。いくつかの実施形態において、本開示の薬学的組成物は、ACC阻害剤およびASK1阻害剤をさらに含有する。
【0236】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式I双性イオン形態I;式I双性イオン形態II;式I水和物;式I双性イオン非晶質;式Iトロメタミン塩形態I;式Iトロメタミン塩形態II;式Iトロメタミン塩水和物I;式Iトロメタミン塩水和物II;式Iトロメタミン塩水和物III;式Iトロメタミン塩水和物IV;式Iトロメタミン塩メ
タノール溶媒和物I;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III;式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物;式Iトロメタミン非晶質形態;式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物;式I p-トルエンスルホン酸塩形態I;式I p-トルエンスルホン酸塩形態II;式I p-トルエンスルホン酸塩形態III;および/または式I p-トルエンスルホン酸塩水和物を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式I双性イオン形態I;式I双性イオン形態II;式I水和物;式I双性イオン非晶質;式Iトロメタミン塩形態I;式Iトロメタミン塩形態II;式Iトロメタミン塩水和物I;式Iトロメタミン塩水和物II;式Iトロメタミン塩水和物III;式Iトロメタミン塩水和物IV;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物I;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III;式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物;式Iトロメタミン非晶質形態;式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物;式I p-トルエンスルホン酸塩形態I;式I p-トルエンスルホン酸塩形態II;式I p-トルエンスルホン酸塩形態III;および/または式I p-トルエンスルホン酸塩水和物、ならびに薬学的に受容可能なキャリアを含有する。
【0237】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、双性イオン形態Iである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、双性イオン形態IIである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、水和物である)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式I双性イオン非晶質である)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩形態Iである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩形態IIである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩水和物Iである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩水和物IIである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩水和物IIIである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩水和物IVである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和
物Iである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物である)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン非晶質形態である)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物である)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態Iである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IIである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式I p-トルエンスルホン酸塩形態IIIである)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式Iの化合物(またはその双性イオン、水和物、塩もしくは溶媒和物)(ここで式Iの少なくとも95%は、式I p-トルエンスルホン酸塩水和物である)、および5%以下、4%以下、3%以下、2%以下または1%以下の他の形態を含有する。このような実施形態のいずれかにおいて、この薬学的組成物は、薬学的に受容可能なキャリアを含有する。
【0238】
式Iの化合物の活性は当業者によって、例えば、本明細書中に記載されるように決定され得る。適切な治療有効濃度および投薬量は、当業者によって容易に決定され得る。
【0239】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される結晶、塩、および/または溶媒和物の形態は、必要に応じて、改善された特性を示し得る。例えば、特定の実施形態において、本明細書中に記載される結晶および/または塩の形態は、潜在的に、改善された安定性を示し得る。このような改善された安定性は、式Iの化合物の製造に、潜在的に有利な影響、例えば、長期間にわたってプロセス中間体を貯蔵する能力を与えることなどを有し得る。改善された安定性はまた、式Iの化合物の組成物または薬学的組成物に潜在的に利益を与え得る。特定の実施形態において、本明細書中に記載される結晶性塩、および/溶媒和物の形態はまた、式Iの化合物の改善された収率、または式Iの化合物の純度の改善を潜在的にもたらし得る。特定の実施形態において、本明細書中に記載される結晶、塩、および/または溶媒和物の形態はまた、改善された薬物動態学的特性および/または潜在的に改善されたバイオアベイラビリティを示し得る。
【0240】
これらの組成物は、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉内、および静脈内が挙げら
れる)、眼(眼科)、肺(鼻または頬吸入)あるいは経鼻投与に適切であるが、任意の所与の場合に最も適切な経路は、処置される状態の性質および重篤度、ならびに活性成分の性質に依存する。これらは、簡便なために単位剤形中に存在し得、そして製薬の分野において周知である方法のうちのいずれかにより調製され得る。
【0241】
実際の使用において、本開示の化合物は、活性成分として、薬学的キャリアとの緊密な混合物中で、従来の薬学的配合技術に従って、合わせられ得る。このキャリアは、投与(例えば、経口または非経口(静脈内を含む))のために望ましい調製物の形態に依存して、広範な種々の形態を採り得る。経口剤形のための組成物を調製する際に、通常の薬学的媒体、例えば、経口液体調製物(例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤など)の場合には、水、グリコール、油、アルコール、矯味矯臭剤、防腐剤、および着色剤など;または経口固体調製物(例えば、散剤、硬および軟カプセル剤ならびに錠剤など)の場合には、キャリア、例えば、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、および崩壊剤などのいずれかが使用され得、固体経口調製物が、液体調製物より好ましい。
【0242】
投与が容易であるので、錠剤およびカプセル剤は、固体の薬学的キャリアが使用される経口投薬単位形態における、最も有利なものを代表する。所望であれば、錠剤は、標準的な水性または非水性の技術によりコーティングされ得る。このような組成物および調製物は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含有するべきである。これらの組成物中の活性化合物の百分率は、もちろん変わり得、そして簡便には、その単位の重量の約2パーセント~約60パーセントであり得る。このような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、有効投薬量が得られる量である。活性化合物はまた、例えば液滴またはスプレーとして、経鼻投与され得る。
【0243】
錠剤、丸剤、およびカプセル剤などはまた、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウム、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、マンニトールまたはコロイド状二酸化ケイ素などの賦形剤;コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウムまたはクロスポビドンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;およびスクロース、ラクトースまたはサッカリンなどの甘味剤を含有し得る。投薬単位形態がカプセル剤である場合、これは、上記型の物質に加えて、脂肪油または薬学的媒体、例えば、水、グリコール(例えば、ポリエチレングリコール400)など、あるいはアルコールなどの液体キャリアを含有し得る。
【0244】
他の種々の物質が、コーティングとして、または投薬単位の物理的形状を改変するために、存在し得る。例えば、錠剤は、シェラック、糖、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール3350、二酸化チタン、滑石、着色剤、またはこれらの組み合わせでコーティングされ得る。シロップまたはエリキシルは、活性成分に加えて、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料、ならびにチェリーまたはオレンジフレーバーなどの矯味矯臭剤を含有し得る。
【0245】
本開示の化合物はまた、非経口投与され得る。これらの活性化合物の液剤または懸濁剤は、有機物、添加剤、またはこれらの組み合わせと適切に混合された水中に調製され得る。有機物の例としては、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。添加剤の例としては、ヒドロキシ-プロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポロキサマー、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリソルベート、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。分散剤はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、またはこれらの油中の混合物中に調製
され得る。貯蔵および使用の通常の条件下で、これらの調製物は、例えば微生物の増殖を防止するために、防腐剤を含有し得る。いくつかの実施形態において、非経口投与は、有機媒体と水性媒体との混合物を用いる溶液を含有する製剤を用いる、静脈内投与を含む。いくつかの実施形態において、静脈内投与は、100%の有機溶液として投与される。
【0246】
注射での使用に適した薬学的形態は、滅菌水溶液または水性分散物、および滅菌注射可能な溶液または分散物の即座の調製のための滅菌粉末を含む。全ての場合において、形態は滅菌でなければならず、そして注射器で容易に扱える程度まで流体でなければならない。例えば、形態は、製造および貯蔵の条件下で安定であり得る。形態は、細菌および真菌などの微生物の汚染作用を防ぐように保護され得る(例えば、防腐剤の使用により)。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、これらの適切な混合物、ならびに植物油を含有する、溶媒または分散媒であり得る。
【0247】
任意の適切な投与経路が、哺乳動物、特にヒトに、有効用量の本開示の化合物を提供するために使用され得る。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼、肺、および鼻などが使用され得る。剤形としては、錠剤、トローチ、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム、軟膏、およびエアロゾルなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、経口投与される。
【0248】
いくつかの実施形態において、この組成物は、式Iの結晶形態またはその薬学的に受容可能な塩を含有する。いくつかの実施形態において、この組成物は、式Iの化合物の双性イオンの結晶形態を含有する。いくつかの実施形態において、この組成物は、式Iの化合物のトロメタミン塩の結晶形態を含有する。特定の実施形態において、本明細書中に記載される結晶形態を含有する組成物が提供され、ここでこの組成物中の式Iは、実質的に純粋である(すなわち、実質的に純粋な式I双性イオン形態I;式I双性イオン形態II;式I水和物;式I双性イオン非晶質;式Iトロメタミン塩形態I;式Iトロメタミン塩形態II;式Iトロメタミン塩水和物I;式Iトロメタミン塩水和物II;式Iトロメタミン塩水和物III;式Iトロメタミン塩水和物IV;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物I;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III;式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物;式Iトロメタミン非晶質形態;式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物;式I;式I p-トルエンスルホン酸塩形態I;式I p-トルエンスルホン酸塩形態II;式I p-トルエンスルホン酸塩形態III;または式I p-トルエンスルホン酸塩水和物)。
【0249】
式Iの結晶形態またはその薬学的に受容可能な塩を含有する組成物の特定の実施形態において、この組成物中に存在する式Iのうちの少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%が、本明細書中で開示される結晶形態のうちの1つである。特定の実施形態において、この組成物は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の、式Iの結晶形態のうちの1つを含有する。
【0250】
本明細書中で開示される結晶形態を含有する組成物の他の実施形態において、この組成物中に存在する式Iのうちの約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満が、式Iの他の非晶質もしくは結晶形および/または不純物である。
【0251】
本明細書中で開示される結晶形態を含有する組成物のなお他の実施形態において、不純物は、存在する結晶形態の質量に対して、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満の総質量を構成する。不純物は、例えば、式Iの合成からの副生成物、共雑物、分解生成物、他の結晶形態、非晶質形態水、および溶媒を含み得る。特定の実施形態において、不純物は、式Iの合成からの副生成物を含む。特定の実施形態において、不純物は、式Iの合成からの共雑物を含む。特定の実施形態において、不純物は、式Iの分解生成物を含む。特定の実施形態において、不純物は、式Iの他の結晶形態を含む。特定の実施形態において、不純物は、式Iの他の結晶形態および/または式Iの非晶質形態を含む。特定の実施形態において、不純物は、水または溶媒を含む。本明細書中で開示される結晶形態を含有する組成物の特定の実施形態において、不純物は、式Iの合成からの副生成物、共雑物、分解生成物、他の結晶形態、非晶質形態水、溶媒およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0252】
投薬量
使用される活性成分の有効投薬量は、使用される特定の化合物、投与様式、処置される状態、および処置される状態の重篤度に依存して変わり得る。このような投薬量は、当業者により容易に確認され得る。
【0253】
本開示の化合物が適応される、FXRにより媒介される状態を処置または予防する場合、本開示の化合物が、動物の体重1キログラムあたり、約0.1ミリグラムから約100ミリグラムまでの1日の投薬量で投与される場合に、ほぼ満足な結果が得られる。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、単一の1日の用量で、または1日あたり2回~6回の分割された用量で、または徐放形態で与えられる。大部分の大型動物については、1日の総投薬量は、約1ミリグラムから約1000ミリグラムまでであり得る。70kgの成人の場合、総投薬量は、一般に、約7ミリグラムから約350ミリグラムまでである。この投薬量レジメンは、最適な治療応答を与えるように調節され得る。いくつかの実施形態において、1日の総投薬量は、約1ミリグラムから約900ミリグラムまで、約10ミリグラムから約800ミリグラムまで、約20ミリグラムから約700ミリグラムまで、約30ミリグラムから約600ミリグラムまで、約40ミリグラムから約550ミリグラムまで、または約50ミリグラムから約400ミリグラムまでである。いくつかの実施形態において、1日の総投薬量は、約10ミリグラムから約50ミリグラムまで、約20ミリグラムから約40ミリグラムまで、約25ミリグラムから約35ミリグラムまで、約50ミリグラムから約150ミリグラムまで、約70ミリグラムから約130ミリグラムまで、約80ミリグラムから約120ミリグラムまで、約90ミリグラムから約100ミリグラムまで、約1ミリグラムから約150ミリグラムまで、約1ミリグラムから約75ミリグラムまで、約1ミリグラムから約50ミリグラムまで、約25ミリグラムから約125ミリグラムまで、約125ミリグラムから約275ミリグラムまで、約275ミリグラムから約425ミリグラムまで、約425ミリグラムから約575ミリグラムまで、約575ミリグラムから約725ミリグラムまで、約725ミリグラムから約875ミリグラムまで、または約875ミリグラムから約1000ミリグラムまでである。
【0254】
本願の化合物またはその組成物は、1日に1回、2回、3回、または4回、任意の適切な上記様式を使用して投与され得る。また、化合物での投与または処置は、複数日にわたり続けられ得る。例えば、一般的な処置は、1サイクルの処置について、少なくとも7日間、14日間、または28日間続けられる。処置サイクルは、がんの化学療法において周知であり、そして頻繁には、サイクルの間に、約1~28日間、一般的には約7日間または約14日間の休止期間と交互にされる。いくつかの実施形態において、処置サイクルは30日間である。処置サイクルは、他の実施形態において、連続的であってもよい。
【0255】
特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法は、被験体に、約1mg~約8
00mgの本明細書中に記載される化合物の、初期の毎日の用量を投与する工程、および臨床効力が達成されるまで、この用量をある増分で増加させる工程を包含する。約5mg、約10mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、または約100mgの増分が、用量を増加させるために使用され得る。この投薬量は、毎日、1日おき、1週間に2回、1週間に1回、または4週間に1回、増加され得る。
【0256】
処置方法および使用
「処置「(treatment)」または「処置する(treating)」とは、有利な結果または所望の結果(臨床結果を含む)を得るためのアプローチである。有利なまたは所望の臨床結果は、以下のもののうちの1つまたはそれより多くを含み得る:(a)疾患もしくは状態を阻害すること(例えば、疾患もしくは状態から生じる1つもしくはそれより多くの症状を低下させること、および/または疾患もしくは状態の程度を縮小させること);(b)疾患もしくは状態に関連する1つもしくはそれより多くの臨床症状の発症を遅くするかもしくは止めること(例えば、疾患もしくは状態を安定化させること、疾患もしくは状態の悪化もしくは進行を予防もしくは遅延すること、および/または疾患もしくは状態の広がり(例えば、転移)を予防もしくは遅延すること);ならびに/あるいは(c)疾患を軽減すること、すなわち、臨床症状の後退を引き起こすこと(例えば、疾患状態を軽減すること、疾患もしくは状態の部分的または全体的な後退を与えること、別の投薬の効果を増強すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を増大させること、および/または生存を延長させること。
【0257】
本開示は、これらの化合物によるこの核内受容体の結合による、疾患および/または状態の処置および/または予防のための、上記化合物の使用にさらに関する。さらに、本開示は、これらの化合物によるこの核内受容体の結合による、疾患および/または状態の処置および/または予防のための医薬の調製のための、上記化合物の使用に関する。
【0258】
FXRにより媒介される状態を有する患者を処置する方法もまた、本明細書中で提供される。いくつかの実施形態において、この方法は、本明細書中で開示される化合物または組成物を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、FXRにより媒介される状態を有する患者を処置する方法は、治療有効量の式I双性イオン形態I;式I双性イオン形態II;式I水和物;式I双性イオン非晶質;式Iトロメタミン塩形態I;式Iトロメタミン塩形態II;式Iトロメタミン塩水和物I;式Iトロメタミン塩水和物II;式Iトロメタミン塩水和物III;式Iトロメタミン塩水和物IV;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物I;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II;式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III;式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物;式Iトロメタミン非晶質形態;式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物;式I;式I p-トルエンスルホン酸塩形態I;式I p-トルエンスルホン酸塩形態II;式I p-トルエンスルホン酸塩形態III;および/または式I p-トルエンスルホン酸塩水和物を投与する工程を包含する。
【0259】
疾患または状態を処置または予防することを必要とする患者において、疾患または状態を処置または予防する方法もまた、本明細書中で提供され、この方法は、治療有効量のFXRアゴニストを投与する工程を包含し、この疾患または状態は、先天性肝線維症であり、そしてこのFXRアゴニストは、式I
【化5】
の化合物である。
【0260】
いくつかの実施形態において、先天性肝線維症を有する患者を処置する方法は、式Iの化合物を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、先天性肝線維症を有する患者を処置する方法は、式Iの化合物の固体形態を投与する工程を包含する。
【0261】
いくつかの実施形態において、本明細書中で開示される化合物または組成物は、FXRにより媒介される状態の処置において使用するために提供される。
【0262】
いくつかの実施形態において、本明細書中で開示される化合物または組成物は、FXRにより媒介される状態の処置のための医薬の製造のために提供される。
【0263】
いくつかの実施形態において、FXRにより媒介される状態は、慢性的な肝臓内もしくは何らかの形態の肝臓外の胆汁うっ滞性状態;肝線維症;肝臓の閉塞性炎症性障害;肝臓の慢性炎症性障害;肝硬変症;肝脂肪症もしくは関連する症候群;アルコール誘導性硬変症もしくはウイルス性の形態の肝炎に関連する胆汁うっ滞性もしくは線維症性の影響;大部分の肝臓を切除した後の肝不全もしくは肝臓虚血;化学療法に関連する脂肪性肝炎(CASH);急性肝不全;または炎症性腸疾患である。
【0264】
いくつかの実施形態において、FXRにより媒介される状態は、脂質およびリポタンパク質の障害;I型糖尿病;Il型糖尿病;糖尿病性腎症、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性網膜症および臨床的に発症する長期間の糖尿病で観察される他の影響からなる群より選択されるI型およびIl型糖尿病の臨床的合併症;非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD);非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);肥満症;脂質異常症と、糖尿病と、異常に高いボディマス指数との複合状態からなる群より選択されるメタボリック症候群;急性心筋梗塞;急性脳卒中;または慢性閉塞性アテローム性動脈硬化症のエンドポイントとして起こる血栓症である。
【0265】
いくつかの実施形態において、FXRにより媒介される状態は、非悪性過剰増殖障害;ならびに肝細胞癌、結腸腺腫およびポリポーシス;結腸腺癌;乳がん;膵臓腺癌;バレット食道;または胃腸管および肝臓の他の形態の腫瘍性疾患からなる群より選択される悪性過剰増殖障害である。
【0266】
いくつかの実施形態において、FXRにより媒介される状態は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、または原発性胆汁性肝硬変(PBC)である。
【0267】
いくつかの実施形態において、FXRにより媒介される状態は先天性肝線維症である。
【0268】
いくつかの実施形態において、本開示は、慢性的な肝臓内もしくは何らかの形態の肝臓外の胆汁うっ滞性状態、肝線維症、急性肝臓内胆汁うっ滞性状態、不適切な胆汁組成から
生じる閉塞性または慢性の炎症性障害、食事脂肪および脂溶性食事ビタミンの取り込みが減少した胃腸の状態、炎症性腸疾患、脂質およびリポタンパク質の障害、II型糖尿病ならびにI型およびII型糖尿病の臨床的合併症、強化された脂質および特にトリグリセリド蓄積ならびにその後の線維化促進経路の活性化に起因する器官の慢性的な脂肪および線維症性の変性から生じる状態および疾患、肥満症およびメタボリック症候群(脂質異常症と、糖尿病と、異常に高いボディマス指数との複合状態)、急性心筋梗塞、急性脳卒中、慢性閉塞性アテローム性動脈硬化症のエンドポイントとして起こる血栓症、細胞内細菌もしくは寄生原生動物による永続的感染、非悪性過剰増殖障害、悪性過剰増殖障害、結腸腺癌および特に肝細胞癌、肝脂肪症および関連する症候群、慢性肝疾患もしくは外科的肝切除の結果としての肝不全もしくは肝機能不全、急性心筋梗塞、B型肝炎感染、C型肝炎感染、アルコール誘導性硬変症もしくはウイルス性の形態の肝炎に関連する胆汁うっ滞性および線維症性の影響、および/または先天性肝線維症.の予防および/または処置のための医薬の調製における、本明細書中で開示される化合物および組成物の使用に関する。
【0269】
本明細書中でいわれる医薬は、従来のプロセスにより調製され得、本開示による化合物と薬学的に受容可能なキャリアとの組み合わせを含有し得る。
【0270】
キット
本明細書中に記載される化合物または組成物、および適切な包装を含むキットもまた、本明細書中で提供される。1つの実施形態において、キットは、使用説明書をさらに含む。1つの局面において、キットは、本開示の結晶形態、または本開示の結晶形態を含有する組成物、ならびにラベルおよび/または適応症(本明細書中に記載される疾患もしくは状態が挙げられる)の処置におけるこれらの化合物の使用説明書を含む。
【0271】
本明細書中に記載される化合物または組成物を適切な容器内に含む、製造品もまた本明細書中で提供される。この容器は、バイアル、瓶、アンプル、充填済み注射器、および静脈内バッグであり得る。
【0272】
併用療法
いくつかの実施形態において、式I:
【化6】
の化合物の新規結晶形態またはその薬学的に受容可能な塩および少なくとも1つのさらなる治療剤を含有する、経口剤形(例えば、錠剤)が、本明細書中で開示される。いくつかの実施形態において、本明細書中で開示される経口剤形は、式Iの新規結晶形またはその薬学的に受容可能な塩、および1つ、2つ、または3つのさらなる治療剤を含有する。
【0273】
いくつかの実施形態において、治療剤、または治療剤の組み合わせは、ACE阻害剤、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤、アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤、アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤、ジアシルグリセロールOアシルトランスフェラーゼ2阻害剤、アデノシンA3受容体アゴニスト、アディポネクチン受容体アゴニスト、アルデヒドデヒドロゲナーゼ2刺激因子、AKTプロテインキナーゼ阻害剤、AMP-活性化プロテインキナーゼ(AMPK)、AMPキナーゼアクチベーター、ATPシトレートリアーゼ阻害剤、AMP活性化プロテインキナーゼ刺激因子、内皮一酸化窒素シンターゼ
刺激因子、NAD-依存性デアセチラーゼサーチュイン-1刺激因子、アンドロゲン受容体アゴニスト、アミリン受容体アゴニスト、アンギオテンシンII AT-1受容体アンタゴニスト、オートファジータンパク質モジュレーター、オートタキシン阻害剤、Axlチロシンキナーゼ受容体阻害剤、Baxタンパク質刺激因子、生物活性脂質、カルシトニンアゴニスト、カンナビノイド受容体モジュレーター、カスパーゼ阻害剤、カスパーゼ-3刺激因子、カテプシン阻害剤、カベオリン1阻害剤、CCR2ケモカインアンタゴニスト、CCR2ケモカインアンタゴニスト、アンギオテンシンII AT-1受容体アンタゴニスト、CCR3ケモカインアンタゴニスト、CCR5ケモカインアンタゴニスト、CD3アンタゴニスト、塩化物チャネル刺激因子、CNR1阻害剤、サイクリンD1阻害剤、シトクロムP450 7A1阻害剤、DGAT1/2阻害剤、ジアシルグリセロールOアシルトランスフェラーゼ1阻害剤(DGAT1)、シトクロムP450 2E1阻害剤(CYP2E1)、CXCR4ケモカインアンタゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、エンドシアリン(Endosialin)モジュレーター、エオタキシン(Eotaxin)リガンド阻害剤、細胞外マトリックスタンパク質モジュレーター、ファルネソイドX受容体アゴニスト、脂肪酸シンターゼ阻害剤、FGF1受容体アゴニスト、線維芽細胞増殖因子(FGF-15、FGF-19、FGF-21)リガンド、ガレクチン-3阻害剤、グルカゴン受容体アゴニスト、グルカゴン様ペプチド1アゴニスト、Gタンパク質共役型胆汁酸受容体1アゴニスト、Gタンパク質共役型受容体84アンタゴニスト、ヘッジホッグ(Hh)モジュレーター、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤、肝細胞核因子4αモジュレーター(HNF4A)、肝細胞増殖因子モジュレーター、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、STAT-3モジュレーター、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、低酸素誘導因子-2α阻害剤、IL-10アゴニスト、IL-17アンタゴニスト、回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤、インスリン感作物質、インスリンリガンドアゴニスト、インスリン受容体アゴニスト、インテグリンモジュレーター、インテグリンアンタゴニスト、インターロイキン-1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)阻害剤、IL-6受容体アゴニスト、Jak2チロシンキナーゼ阻害剤、ケトヘキソキナーゼ(KHK)阻害剤、クロトβ刺激因子、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、リポタンパク質リパーゼ阻害剤、肝臓X受容体、LPL遺伝子刺激因子、リソホスファチデート-1受容体アンタゴニスト、リジルオキシダーゼホモログ2阻害剤、マクロファージマンノース受容体1モジュレーター、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)阻害剤、MEKK-5プロテインキナーゼ阻害剤、MCH受容体-1アンタゴニスト、膜銅アミンオキシダーゼ(VAP-1)阻害剤、メチオニンアミノペプチダーゼ-2阻害剤、メチルCpG結合タンパク質2モジュレーター、MicroRNA-21(miR-21)阻害剤、ミトコンドリア脱共役剤、混合系統キナーゼ-3阻害剤、ミエリン塩基性タンパク質刺激因子、NACHT LRR PYDドメインタンパク質3(NLRP3)阻害剤、NAD-依存性デアセチラーゼサーチュイン刺激因子、NADPHオキシダーゼ阻害剤(NOX)、ニコチン酸受容体1アゴニスト、P2Y13プリン受容体刺激因子、核内受容体モジュレーター、P2X7プリン受容体モジュレーター、PDE 3阻害剤、PDE 4阻害剤、PDE 5阻害剤、PDGF受容体βモジュレーター、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ刺激因子、ホスホリパーゼC阻害剤、PPARαアゴニスト、PPARδアゴニスト、PPARγアゴニスト、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼA阻害剤、PPARγモジュレーター、プロテアーゼ活性化受容体-2アンタゴニスト、プロテインキナーゼモジュレーター、Rho関連プロテインキナーゼ阻害剤、Sニトロソグルタチオンレダクターゼ(GSNOR)酵素阻害剤、ナトリウムグルコース輸送体-2阻害剤、SREBP転写因子阻害剤、STAT-1阻害剤、ステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤、STK25阻害剤、サイトカインシグナル伝達-1刺激因子のサプレッサー、サイトカインシグナル伝達-3刺激因子のサプレッサー、トランスホーミング増殖因子β(TGF-β)、トランスホーミング増殖因子β活性化キナーゼ1(TAK1)、甲状腺ホルモン受容体βアゴニスト、TLR-4アンタゴニスト、トランスグルタミナーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ受容体モジュレーター、GPCRモジュレーター、核内ホルモン受容体モジュレー
ター、WNTモジュレーター、またはYAP/TAZモジュレーターおよびゾヌリン阻害剤である。
【0274】
1つまたはそれより多くのさらなる治療剤としては:
ACE阻害剤、例えばエナラプリル;
アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤、例えばADX-629;
アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、例えば、NDI-010976(フィルソコスタット(firsocostat))、DRM-01、ゲムカベン(gemcabene)、PF-05175157、QLT-091382、PF-0522 1304;
アセチルCoAカルボキシラーゼ/ジアシルグリセロールOアシルトランスフェラーゼ2阻害剤、例えばPF-07055341;
アデノシン受容体アゴニスト、例えば、CF-102(ナモデノソン(namodenoson))、CF-101、CF-502、CGS21680;
アディポネクチン受容体アゴニスト、例えば、ADP-355、ADP-399;
アルデヒドデヒドロゲナーゼ2刺激因子、例えばFP-045;
アミリン/カルシトニン受容体アゴニスト、例えば、KBP-042、KBP-089;
AMP活性化プロテインキナーゼ刺激因子、例えば、PXL-770、O-304;
AMPキナーゼアクチベーター/ATPシトレートリアーゼ阻害剤、例えばベンペド酸(bempedoic acid)(ETC-1002、ESP-55016)
AMP活性化プロテインキナーゼ/内皮一酸化窒素シンターゼ/NAD-依存性デアセチラーゼサーチュイン-1刺激因子、例えばNS-0200;
アンドロゲン受容体アゴニスト、例えばLPCN-1144;
アンギオテンシンII AT-1受容体アンタゴニスト、例えばイルベサルタン;アンギオポエチン関連タンパク質-3阻害剤、例えばIONIS-ANGPTL3-LRx;
オートファジータンパク質モジュレーター、例えばA-2906;
オートタキシン阻害剤、例えば、PAT-505、PAT-048、GLPG-1690、X-165、PF-8380、AM-063、BBT-877;
Axlチロシンキナーゼ受容体阻害剤、例えばベンセンチニブ(bemcentinib)(BGB-324、R-428);
Baxタンパク質刺激因子、例えばCBL-514;
生物活性脂質、例えばDS-102;
カンナビノイド受容体モジュレーター、例えば、ナマシズマブ(namacizumab)、GWP-42004、REV-200、CRB-4001;
カスパーゼ阻害剤、例えばエムリカサン(emricasan);
汎カテプシンB阻害剤、例えばVBY-376;
汎カテプシン阻害剤、例えばVBY-825;
CCR2/CCR5ケモカインアンタゴニスト、例えば、セニクリビロック(cenicriviroc)、マラビロク、CCX-872、WXSH-0213;
CCR2ケモカインアンタゴニスト、例えばプロパゲルマニウム;
CCR2ケモカイン/アンギオテンシンII AT-1受容体アンタゴニスト、例えば、DMX-200、DMX-250;
CCR3ケモカインアンタゴニスト、例えばベルチリムマブ(bertilimumab);
CD3アンタゴニスト、例えばNI-0401;
塩化物チャネル刺激因子、例えばコビプロストン(cobiprostone);
CXCR4ケモカインアンタゴニスト、例えばAD-214;
ジグリセリドアシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)阻害剤、例えば、IONIS-DGAT2Rx、PF-06865571;
ジグリセリドアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害剤、例えばGSK-3008356;
ジアシルグリセロールOアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)/シトクロムP450 2E1阻害剤(CYP2E1)、例えばSNP-610;
ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、例えば、リナグリプチン、エボグリプチン(evogliptin);
エオタキシンリガンド阻害剤、例えば、ベルチリムマブ、CM-101;
細胞外マトリックスタンパク質モジュレーター、例えばCNX-024;
ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、例えば、AGN-242266、AGN-242256、EP-024297、RDX-023、BWL-200、AKN-083、EDP-305、GNF-5120、GS-9674、LMB-763、オベチコール酸、Px-102、Px-103、M790、M780、M450、M-480、(MET-409)、PX20606、EYP-001、TERN-101、TC-100、INT-2228;
ファルネソイドX受容体(FXR)/Gタンパク質共役型胆汁酸受容体1(TGR5)アゴニスト、例えばINT-767;
脂肪酸シンターゼ阻害剤、例えばTVB-2640;
線維芽細胞増殖因子19(rhFGF19)/シトクロムP450(CYP)7A1阻害剤、例えばNGM-282;
線維芽細胞増殖因子21(FGF-21)リガンド、例えば、BMS-986171、BIO89-100、
BMS-986036、B-1344;
線維芽細胞増殖因子21(FGF-21)/グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)アゴニスト、例えばYH-25723 AKR-001;
ガレクチン-3阻害剤、例えば、GR-MD-02、GB-1107;
グルカゴン様ペプチド1(GLP1R)アゴニスト、例えば、AC-3174、リラグルチド、コタデュチド(cotadutide)(MEDI-0382)、SAR-425899、LY-3305677、HM-15211、YH-25723、YH-GLP1、RPC-8844、PB-718、セマグルチド(semaglutide);
Gタンパク質共役型胆汁酸受容体1(TGR5)アゴニスト、例えば、RDX-009、INT-777;
熱ショックタンパク質47(HSP47)阻害剤、例えばND-L02-s0201;
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤/STAT-3モジュレーター、例えばSFX-01;
HMG CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン;
低酸素誘導因子-2α阻害剤、例えばPT-2567;
IL-10アゴニスト、例えばペグ-イロデカキン(peg-ilodecakin);
回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤、例えば、オデビキシバット(odevixibat)(A-4250)、ボリキシバット(volixibat)カリウムエタノラート水和物(SHP-262)、GSK2330672、CJ-14199、エロビキシバット(A-3309);
インスリン感作物質、例えば、KBP-042、MSDC-0602K、MSDC-5514、Px-102、RG-125(AZD4076)、VVP-100X、CB-4211、ETI-101;
インスリンリガンド/dsインスリン受容体アゴニスト、例えばORMD-0801;
インテグリンアンタゴニスト、例えばIDL-2965;
IL-6受容体アゴニスト、例えばKM-2702;
ケトヘキソキナーゼ(KHK)阻害剤、例えばPF-06835919;
βクロト(KLB)-FGF1cアゴニスト、例えばMK-3655(NGM-313
);
5-リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば、チペルカスト(tipelukast)(MN-001)、DS-102(AF-102);
リポタンパク質リパーゼ阻害剤、例えばCAT-2003;
LPL遺伝子刺激因子、例えばアリポジーン・チパルボベック(alipogene tiparvovec);
肝臓X受容体(LXR)阻害剤、例えば、PX-L603、PX-L493、BMS-852927、T-0901317、GW-3965、SR-9238;
リソホスファチデート-1受容体アンタゴニスト、例えば、BMT-053011、UD-009(CP-2090)、AR-479、ITMN-10534、BMS-986020、KI-16198;
リジルオキシダーゼホモログ2阻害剤、例えば、シムツズマブ(simtuzumab)、PXS-5382A(PXS-5338);
マクロファージマンノース受容体1モジュレーター、例えば、チルマノセプト-Cy3(tilmanocept-Cy3)(テクネチウムTc 99mチルマノセプト);
膜銅アミンオキシダーゼ(VAP-1)阻害剤、例えばTERN-201;
MEKK-5プロテインキナーゼ(ASK-1)阻害剤、例えば、GS-4997、SRT-015、GS-444217、GST-HG-151;
MCH受容体-1アンタゴニスト、例えばCSTI-100(ALB-127158);
セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ/血管接着タンパク質-1(SSAO/VAP-1)阻害剤、例えばPXS-4728A;
メチオニンアミノペプチダーゼ-2阻害剤、例えば、ZGN-1061、ZGN-839、ZN-1345;
メチルCpG結合タンパク質2モジュレーター、例えばメルカプタミン;
鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト(MCRA)、例えばMT-3995;
ミトコンドリア脱共役剤、例えば2,4-ジニトロフェノール;
混合系統キナーゼ-3阻害剤、例えばURMC-099-C;
ミエリン塩基性タンパク質刺激因子、例えばオレソキシム(olesoxime);
ミエロペルオキシダーゼ阻害剤、例えば、PF-06667272、AZM-198;
NADPHオキシダーゼ阻害剤、例えば、GKT-831、APX-311;
ニコチン酸受容体1アゴニスト、例えばARI-3037MO;
NACHT LRR PYDドメインタンパク質3(NLRP3)阻害剤、例えば、KDDF-201406-03、NBC-6、IFM-514、JT-194(JT-349);
核内受容体モジュレーター、例えばDUR-928(DV-928);
P2X7プリン受容体モジュレーター、例えばSGM-1019;
P2Y13プリン受容体刺激因子、例えばCER-209;
PDE 3/4阻害剤、例えばチペルカスト(MN-001);
PDE 5阻害剤、例えば、シルデナフィル、MSTM-102;
PDGF受容体βモジュレーター、例えば、BOT-191、BOT-509;
ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼ阻害剤、例えば、CRV-431(CPI-432-32)、NVP-018、NV-556(NVP-025);
フェニルアラニンヒドロキシラーゼ刺激因子、例えばHepaStem;
PPARアゴニスト、例えば、エラフィブラノル(elafibranor)(GFT-505)、セラデルパーリジン(seladelpar lysine)(MBX-8025)、重水素化ピオグリタゾンR-エナンチオマー、ピオグリタゾン、DRX-065、サログリタザール(saroglitazar)、ラニフィブラノール(lanifibranor)(IVA-337)、CHS-131;
プロテアーゼ活性化受容体-2アンタゴニスト、例えばPZ-235;
プロテインキナーゼモジュレーター、例えばCNX-014;
Rho関連プロテインキナーゼ(ROCK)阻害剤、例えば、REDX-10178(REDX-10325)、KD-025;
Sニトロソグルタチオンレダクターゼ(GSNOR)酵素阻害剤、例えばSL-891;
ナトリウムグルコース輸送体-2(SGLT2)阻害剤、例えば、イプラグリフロジン、レモグリフロジンエタボネート(remogliflozin etabonate)、エルツグリフロジン(ertugliflozin)、ダパグリフロジン、トホグリフロジン、ソタグリフロジン(sotagliflozin)、
ナトリウムグルコース輸送体-1/2(SGLT 1/2)阻害剤、例えばリコグリフロジンビス(プロリネート)(licogliflozin bis(prolinate));
SREBP転写因子阻害剤、例えば、CAT-2003、MDV-4463;
ステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤、例えばアラムコール(aramchol);
甲状腺ホルモン受容体βアゴニスト、例えば、レスメチロム(resmetirom)(MGL-3196)、MGL-3745、VK-2809;
TLR-2/TLR-4アンタゴニスト、例えばVB-201(CI-201);
TLR-4アンタゴニスト、例えばJKB-121;
チロシンキナーゼ受容体モジュレーター、例えばCNX-025;
GPCRモジュレーター、例えばCNX-023;
核内ホルモン受容体モジュレーター、例えばPx-102;
キサンチンオキシダーゼ/尿酸陰イオン交換体1(URAT1)阻害剤、例えば、RLBN-1001、RLBN-1127;および
ゾヌリン阻害剤、例えばロラゾチドアセテート(lorazotide acetate)(INN-202)
が挙げられる。
【0275】
特定の具体的な実施形態において、1つまたはそれより多くのさらなる治療剤は、A-4250、AC-3174、アセチルサリチル酸、AK-20、アリポジーン・チパルボベック、AMX-342、AN-3015、アラムコール、ARI-3037MO、ASP-8232、AZD-2693、ベルチリムマブ、ベタイン無水物、BI-1467335、BMS-986036、BMS-986171、BMT-053011、BOT-191、BTT-1023、CAT-2003、セニクリビロック、CBW-511、CER-209、CF-102、CGS21680、CNX-014、CNX-023、CNX-024、CNX-025、コビプロストン、コレセベラム、ダパグリフロジン、DCR-LIV1、重水素化ピオグリタゾンR-エナンチオマー、2,4-ジニトロフェノール、DRX-065、DS-102、DUR-928、EDP-305、エラフィブラノル(GFT-505)、エムリカサン、エナラプリル、エルツグリフロジン、エボグリプチン、F-351、フルアステロン(ST-002)、FT-4101、GKT-831、GNF-5120、GRI-0621、GR-MD-02、GS-300、GS-4997、GS-9674、HTD-1801、HST-202、HST-201、ヒドロクロロチアジド、イコサブテート(icosabutate)(PRC-4016)、イコサペントエチルエステル、IMM-124-E、INT-767、INV-240、IONIS-DGAT2Rx、イプラグリフロジン、イルベサルタ(Irbesarta)、プロパゲルマニウム、IVA-337、JKB-121、KB-GE-001、KBP-042、KD-025、M790、M780、M450、メトホルミン、シルデナフィル、LC-280126、リナグリプチン、リラグルチド、LJN-452、LM-011、LM-002(CVI-LM-002)、LMB-763、LYN-100、MBX-8025、MDV-4463、メルカプタミン、MGL-3196、MGL-3745
、MP-301、MSDC-0602K、ナマシズマブ、NC-101、NDI-010976、ND-L02-s0201、NGM-282、NGM-313、NGM-386、NGM-395、NP-160、ノルウルソデオキシコール酸、NVP-022、O-304、オベチコール酸、25HC3S、オレソキシム、PAT-505、PAT-048、PB-4547、ペグ-イロデカキン、ピオグリタゾン、ピルフェニドン、PRI-724、PX20606、Px-102、PX-L603、PX-L493、PXS-4728A、PZ-235、RDX-009、レモグリフロジンエタボネート、RG-125(AZD4076)、RPI-500、サログリタザール、セマグルチド、シムツズマブ、ソリスロマイシン(solithromycin)、ソタグリフロジン、スタチン(アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン)、TCM-606F、TEV-45478、TQA-3526、チペルカスト(MN-001)、TLY-012、TRX-318、TVB-2640、UD-009、ウルソデオキシコール酸、VBY-376、VBY-825、VK-2809、ビスモデギブ、ボリキシバットカリウムエタノラート水和物(SHP-626)、VVP-100X、WAV-301、WNT-974、XRx-117、ZGN-839、ZG-5216、ZSYM-008、ZYSM-007から選択される。
【0276】
いくつかの実施形態において、方法および組成物は、治療有効量のアポトーシスシグナル調節キナーゼ1(ASK1)阻害剤、および治療有効量のファルネソイドX受容体(FXR)アゴニストを含み、このFXRアゴニストは、本明細書中に記載される固体形態である。
【0277】
本明細書中で開示される方法および薬学的組成物の特定の実施形態において、ASK1阻害剤は、式II:
【化7】
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくは互変異性体である。
【0278】
ASK1阻害剤、例えば式(II)の化合物は、U.S.2007/0276050、U.S.2011/0009410、およびU.S.2013/0197037に記載されるものなどの、当業者に公知である方法を使用して合成および特徴付けされ得る。
【0279】
いくつかの実施形態において、方法および組成物は、治療有効量のアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤、および治療有効量のファルネソイドX受容体(FXR)アゴニストを含み、このFXRアゴニストは、本明細書中に記載される固体形態である。
【実施例0280】
方法
式Iの化合物を、米国特許第9,139,539号に開示されるものなどの公知の方法に従って合成した。
【0281】
X線粉末回折(XRPD)
XRPDパターンを、PANanalytical XPERT-PRO回折計で、周囲条件で、下記の実験設定で集めた:45KV、40mA、Kα1=1.5406Å、走
査範囲2~40°2θ、ステップサイズ0.0084または0.0167°2θ、測定時間:5分間。
【0282】
いくつかのX線粉末回折データを、周囲条件下で、Rigaku Miniflex 600回折計で、Cu Kα(1.5406Å)放射線を使用して集めた。粉末パターンを、0.1mmのインデントのゼロバックグラウンドホルダーで、2~40°2θの2シータの走査速度で、1分間あたり2°2θで、40kVおよび15mAで集めた。
【0283】
示差走査熱量測定(DSC)
DSCサーモグラムを、50位置のオートサンプラーを備えたTA Instruments Q2000システムで集めた。エネルギーおよび温度の較正を、認証されたインジウムを使用して行った。代表的には、1~5mgの各サンプルを、ピンホールを空けたアルミニウム皿内で、10℃/分で25℃から300℃まで加熱した。50mL/分の乾燥窒素のパージを、この測定の間中、サンプル上で維持した。融解吸熱の開始を、融点として報告した。
【0284】
いくつかのDSC分析を、TA DiscoveryシリーズDSCを用いて、数ミリグラムの物質を、2つのピンホールを有するTzero気密蓋で密封したTzeroアルミニウム皿内で使用して行った。サンプルを1分間あたり10℃で、1分間あたり50mLの窒素流下で走査した。
【0285】
熱重量分析(TGA)
TGAサーモグラムを、25位置のオートサンプラーを備えたTA Instruments Q5000システムで集めた。代表的に、1~5mgの各サンプルを、予め風袋の重量を測ったアルミニウム皿内に充填し、そして10℃/分で25℃から350℃まで加熱した。25mL/分の窒素パージを、この測定の間中、サンプル上で維持した。
【0286】
いくつかの熱重量分析データを、TA DiscoveryシリーズTGAで集めた。数ミリグラムの物質を、アルミニウムサンプル皿内で分析した。データを、室温から300℃までで、1分間あたり10℃の走査速度で集めた。
【0287】
式I双性イオン形態I
式I双性イオン形態Iは、非溶媒和形態である。これは、pH3.5~4.0でのEtOHからの式Iの結晶化により得られた。
【0288】
XRPD分析を行った。
図1は、式I形態Iの双性イオン性化合物のXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表1に含める。
【表1】
【0289】
DSC分析を行った。
図2は、式I形態Iの双性イオン性化合物のDSCサーモグラムを示す。このDSC分析は、開始が約265℃である吸熱、その後、分解に対応する発熱を明らかにした。
【0290】
TGA分析を行った。
図3は、式I形態Iの双性イオン性化合物のTGAサーモグラムを示す。このTGA分析は、固体が約0.9%の重量を約150℃未満で失うことを示した。
【0291】
式I双性イオン形態II
式Iの双性イオン性化合物形態IIは、非溶媒和形態である。これは、式I双性イオン形態IをDMSO(4体積)に溶解させ、その後、反溶媒(40体積のIPAc、EtOAc、またはMeCN)を添加し、そして室温で撹拌することによる結晶化から得られた。式I双性イオン形態IIはまた、式Iトロメタミン塩のMeOH/水(0.4~0.6の水活性)中での不均化後にも得られた。
【0292】
XRPD分析を行った。
図4は、式I形態IIの双性イオン性化合物のXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表2に含める。
【表2-1】
【表2-2】
【0293】
DSC分析を行った。
図5は、式I形態IIの双性イオン性化合物のDSCサーモグラムを示す。示されるように、DSCは、開始が約135℃である小さい吸熱、および開始が約271℃である吸熱、その後、分解に対応する発熱を与えた。
【0294】
TGA分析を行った。
図6は、式I形態IIの双性イオン性化合物のTGAサーモグラムを示す。示されるように、固体は、約0.7%の重量を約100℃未満で、および約1.1%の重量を約100~150℃で失った。
【0295】
式I双性イオン水和物
式I双性イオン水和物は、結晶形態である。これは、式Iトロメタミン塩の水中のスラリーから、この塩の付近化に起因して得られた。
【0296】
XRPD分析を行った。
図7は、式I水和物の双性イオン性化合物のXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表3に含める。
【表3】
【0297】
DSC分析を行った。
図8は、式I水和物の双性イオン性化合物のDSCサーモグラムを示す。見られるように、DSCは、開始が約46℃である広い吸熱、開始が約157℃である小さい発熱、および開始が約268℃である融解吸熱、その後、分解に対応する発熱を与えた。
【0298】
TGA分析を行った。
図9は、式I水和物の双性イオン性化合物のTGAサーモグラムを示す。示されるように、固体は、約2.4%の重量を約100℃未満で、および約1.1%の重量を約100~250℃で失った。
【0299】
式I双性イオン非晶質
式Iの非晶質双性イオン性化合物は最初、式I(約1.1g)を、ステンレス鋼球を含むステンレス鋼チャンバ内で約5分間ボールミルすることにより得られた。非晶質双性イオン性式Iはまた、下記の手順を使用して得も得られた:反応器に、式I(1.0当量)、水(20.0V)、および50%のNaOH(1.5当量)を入れ、その後、溶解が達成されるまで撹拌した。次いで、この反応混合物をポリッシュ濾過(polish fi
lter)し、1.0MのHCl(1.5当量)で酸性にし、約20秒間撹拌し、そして濾過して、生じた固体を単離した。固体を水(20V)で洗浄し、そして窒素を満たしたグローブバッグに移し、その後、窒素下で一晩乾燥させた。
【0300】
XRPD分析を行った。
図10は、式Iの非晶質双性イオン性化合物のXRPDパターンを示す。
【0301】
式Iトロメタミン塩形態I
式Iトロメタミン塩(トリス塩)形態Iは、式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物を(0%RHおよび25℃で)乾燥させることにより得られた。式Iトロメタミン塩形態Iはまた、式Iトロメタミン塩水和物Iを減圧下で50℃で乾燥させることにより得られた。式Iトロメタミン塩形態Iはまた、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物を減圧下で50℃で乾燥させることにより得られた。
【0302】
図11は、式Iトロメタミン塩形態IのXRPDパターンを示す。XRPDピークを、下記の表4に記載されるように同定した。
【表4-1】
【表4-2】
【0303】
DSC分析を行った。
図12は、式Iトロメタミン塩形態IのDSCサーモグラムを示す。融解の開始は、約129℃においてであり、その後、約150℃で開始する発熱、および分解がある。
【0304】
TGA分析を行った。
図13は、式Iトロメタミン塩形態IのTGAサーモグラムを示す。見られるように、これらの固体は、分解前に、約150℃未満での重量損失を全く示さなかった。
【0305】
式Iトロメタミン塩形態II
式Iトロメタミン塩形態IIは、式Iトロメタミン塩水和物IIを約80~120℃で脱水することにより、および0%のRHで25℃での脱水後に、得られた。式Iトロメタミン塩形態IIはまた、式Iメタノール溶媒和物I、式Iメタノール溶媒和物II、または式Iメタノール溶媒和物IIIを約50~80℃で減圧乾燥させることによっても得られた。式Iトロメタミン塩形態IIは、非溶媒和形態であり、これは20%より高いRHで急速に水分を吸収して、式Iトロメタミン塩水和物IIに転換する。
【0306】
XRPD分析を行った。
図14は、式Iトロメタミン塩形態IIのXRPDパターンを示す。XRPDピークを、下記の表5に記載されるように同定した。
【表5-1】
【表5-2】
【0307】
式Iトロメタミン塩水和物I
式Iトロメタミン塩水和物Iは、式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物の、周囲条件および約98%のRHで約20~25℃での平衡化により得られた。式Iトロメタミン塩水和物Iはまた、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物の、周囲条件および約98%のRHで約20~25℃での平衡化によっても得られた。式Iトロメタミン塩水和物Iはまた、式Iトロメタミン塩形態Iの約80~98%のRHで約20~25℃での平衡化によっても得られた。
【0308】
XRPD分析を行った。
図15は、式Iトロメタミン塩水和物IのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表6に含める。
【表6-1】
【表6-2】
【0309】
DSC分析を行った。
図16は、式Iトロメタミン塩水和物IのDSCサーモグラムを示す。開始が約74℃である広い吸熱は、水の損失に対応する。融解の開始は約123℃であり、その後、開始が約145℃である発熱および分解がある。約100℃での脱水の後、式Iトロメタミン塩水和物Iは、非溶媒和物式Iトロメタミン塩形態Iに転換する。
【0310】
TGA分析を行った。
図17は、式Iトロメタミン塩水和物IのTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約2.4当量の水に対応する、約6.2%の重量を約100℃未満で失った。
【0311】
式Iトロメタミン塩水和物II
式Iトロメタミン塩水和物IIは、式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物および式Iトロメタミン塩形態Iをアセトニトリル中で、周囲条件で、空気(>10%のRHで)からの水分吸着により得られた。式Iトロメタミン塩水和物IIはまた、式Iトロメタミン塩形態IIの周囲条件での平衡化によっても得られた。
【0312】
XRPD分析を行った。
図18は、式Iトロメタミン塩水和物IIのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表7に含める。
【表7-1】
【表7-2】
【0313】
DSC分析を行った。
図19は、式Iトロメタミン塩水和物IIのDSCサーモグラムを示す。開始が約48℃である広い吸熱は、水の損失に対応する。融解の開始は約130℃であり、その後、発熱および分解がある。約80℃での脱水の後に、式Iトロメタミン塩水和物IIは、非溶媒和形態である式Iトロメタミン塩形態IIに転換する。
【0314】
TGA分析を行った。
図20は、式Iトロメタミン塩水和物IIのTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約1.8当量の水に対応する、約4.3%の重量を約100℃未満で失った。
【0315】
式Iトロメタミン塩水和物III
式Iトロメタミン塩水和物IIIは、20mLのバイアルに、220mgの式Iおよび約1.1当量のTris(50mg)および6mLのMeCN/10%水を入れることにより得られた。このスラリーを約50℃で一晩撹拌し、その後、室温で約3日間撹拌した。単離した固体を2mLのアセトニトリルで洗浄し、そして減圧下で40℃で一晩乾燥させた。
【0316】
XRPD分析を行った。
図21は、式Iトロメタミン塩水和物IIIのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表8に含める。
【表8-1】
【表8-2】
【0317】
DSC分析を行った。
図22は、式Iトロメタミン塩水和物IIIのDSCサーモグラムを示す。開始が約82℃である約20~110℃の広い吸熱は、水の損失に対応する。融解の開始は約120℃であり、その後、開始が約154℃である発熱および分解がある。
【0318】
TGA分析を行った。
図23は、式Iトロメタミン塩水和物IIIのTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約2当量の水に対応する、約4.8%の重量を約125℃未満で失った。
【0319】
式Iトロメタミン塩水和物IV
式Iトロメタミン塩水和物IVは、式Iトロメタミン塩形態Iをアセトン、DCMおよびトルエンと合わせ、そして得られた固体を周囲条件で平衡化させることにより得られた。
【0320】
XRPD分析を行った。
図24は、式Iトロメタミン塩水和物IVのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表9に含める。
【表9-1】
【表9-2】
【0321】
DSC分析を行った。
図25は、式Iトロメタミン塩水和物IVのDSCサーモグラムを示す。開始が約48℃である約20~90℃の広い吸熱は、水の損失に対応し、その後、開始が約117℃である小さい吸熱がある。融解の開始は約148℃であり、その後、発熱および分解がある。
【0322】
TGA分析を行った。
図26は、式Iトロメタミン塩水和物IVのTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約1当量の水に対応する、約2.6%の重量を約100℃未満で失った。
【0323】
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物I
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iは、100mLのジャケット付き反応器に、6gの式I、約1.1当量のTris(1.36g)および60mLのMeOHを入れることにより得られた。このスラリーを約50℃で一晩撹拌して、MeOH溶媒和物Iの非常に大きい粒子を得、これを、単晶x線分析により確認した。単晶x線分析は、1分子の式Iトロメタミン塩あたり2分子のメタノールを示した。式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iは、周囲条件でメタノールを非常に迅速に失って、トロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIに転換し、これはさらに、トロメタミン塩水和物Iに転換する。式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iはまた、THFおよびMTBEのスラリー中で、メタノール溶媒和物IIに転換した。式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iはまた、式Iトロメタミン塩形態I、式Iトロメタミン塩水和物I、式Iトロメタミン塩水和物II、式Iトロメタミン塩水和物III、式Iトロメタミン塩水和物IV、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III、式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物、および式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物の、10%までの水/MeOHの混合物中での、周囲条件での平衡化によっても得られた。
【0324】
XRPD分析を行った。
図27は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表10に含める。
【表10】
【0325】
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物II
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIは、式IトロメタミンMeOH溶媒和物IのTHF中のスラリーから、上記のように得られた。これはまた、MeOH/MTBEおよびMeOH/5%水/MTBE中での式Iトロメタミン塩形成からも得られた。
【0326】
XRPD分析を行った。
図28は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表11に含める。
【表11-1】
【表11-2】
【0327】
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物III
式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIは、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iを周囲条件で約5~10分間平衡化することにより得られた。これはまた、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIを周囲条件で約5~10分間平衡化することによっても得られた。トロメタミンメタノール溶媒和物IIIは、式Iトロメタミン塩水和物Iに、周囲条件で約1時間以内で(%RHに依存)完全に転換した。
【0328】
XRPD分析を行った。
図29は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表12に含める。
【表12-1】
【表12-2】
【0329】
DSC分析を行った。
図30は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIのDSCサーモグラムを示す。開始が約80℃および110℃である2つの吸熱が観察された。これらは、メタノールおよび水の損失に対応し得る。融解の開始は約127℃であり、その後、開始が約145℃である発熱および分解がある。脱溶媒和後、式Iトロメタミンメタノール溶媒和物IIIは、非溶媒和形態である式Iトロメタミン塩形態Iに転換した。
【0330】
TGA分析を行った。
図31は、式Iトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIのTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約6.0%の重量を約120℃未満で失った。カールフィッシャー(KF)分析は、約1.1%の水を示した。
1H NMR分析を行い、得られたスペクトルは、約4.7wt%に対応する約1.1当量のメタノールを示した。
【0331】
式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物
式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物は、式Iトロメタミン塩形態I(50mg)をMTBE(1mL)中に50℃でスラリー化することにより得られた。湿った固体をXRPDにより分析した。MTBE溶媒和物は、周囲条件および50℃での真空乾燥後に、脱溶媒和物質に転換した。
【0332】
XRPD分析を行った。
図32は、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物のXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表13に含める。
【表13-1】
【表13-2】
【0333】
DSC分析を行った。
図33は、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物のDSCサーモグラムを示す。開始が約85℃である広い吸熱は、溶媒の損失に対応する。融解の開始は約147℃であり、その後、発熱および分解がある。
【0334】
TGA分析を行った。
図34は、式Iトロメタミン塩MTBE溶媒和物のTGAサーモグラムを示す。この固体は、約0.5当量のMTBEに対応する約6.2%の重量損失を、約120℃未満で示した。
【0335】
式Iトロメタミン塩非晶質
式Iトロメタミン塩非晶質形態は、約5mLのTHF中の高温(約65℃)の式Iトロメタミン塩(約0.89mg)により、その後、ロータリーエバポレーターで約40℃(浴温度)での迅速なエバポレーションにより泡状物を得、次いで減圧下で約50℃で約2時間乾燥させることにより得られた。
【0336】
XRPD分析を行った。
図35は、式Iトロメタミン塩非晶質形態のXRPDパターンを示す。
【0337】
式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物
式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物は、4mLのバイアルに、52.5mgの双性イオン性式I、約1.1当量のTris(12mg)および1mLのエタノールを入れることにより得られた。このスラリーを約50℃で約5時間、および室温で一晩撹拌した。この湿った固体のサンプルをXRPDにより分析し、そしてエタノール溶媒和物の固有XRPDパターンを得、これは周囲条件で式Iトロメタミン塩水和物Iに転換した。
【0338】
XRPD分析を行った。
図36は、式Iトロメタミン塩エタノール溶媒和物のXRPDパターンを示す。XRPDピークを得、下記の表14に示す。
【表14-1】
【表14-2】
【0339】
式I p-TSA塩形態I
式I p-TSA塩形態Iは、52.7mgの式I形態Iを、1.1当量のp-トルエンスルホン酸一水和物(18.8mg)と一緒に、1mLのEtOHに50℃で溶解させ、その後、室温まで冷却し、そしてこの温度で約16時間撹拌することにより得られた。式I p-TSA塩形態Iはまた、下記の溶媒:THF、MeTHF、MeCN、IPAc、IPA、EtOAc中で、類似の手順を使用しても得られた。式I p-TSA塩形態Iはまた、式I形態Iから、MeCN/水またはEtOH/水の混合物(9:1または8:2)中で、NaOH(1.1当量)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(2.2当量)を用いて、あるいは式Iトロメタミン塩形態Iから、MeCN/水またはEtOH/水の混合物(9:1または8:2)中で、NaOH(1.1当量)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(3.2当量)を用いても作製された。式I p-TSA塩形態Iはまた、式I p-TSA塩水和物をMeCN中で、20℃、35℃、55℃および70℃でスラリー化することによっても調製された。
【0340】
XRPD分析を行った。
図37は、式I p-TSA塩形態IのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表15に含める。
【表15-1】
【表15-2】
【0341】
DSC分析を行った。
図38は、式I p-TSA塩形態IのDSCサーモグラムを示す。DSCは、開始が約198℃である融解吸熱、その後、開始が約208℃である発熱
および分解を与えた。
【0342】
TGA分析を行った。
図39は、式I p-TSA塩形態IのTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約0.6%の重量を約170℃未満で、および約3.0%の重量を約170~235℃で失った。これは、分解に起因する水の損失に対応する。
【0343】
式I p-TSA塩形態II
式I p-TSA塩形態IIは、式I p-TSA塩形態Iを室温で3週間、下記の溶媒:MeCN、MeOH、EtOH、IPA、アセトン、MEK、MIBK、THF、MeTHF、EtOAc、IPAc、MTBE、トルエン、およびヘプタン中で撹拌することにより得られた。
【0344】
XRPD分析を行った。
図40は、式I p-TSA塩形態IIのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表16に含める。
【表16-1】
【表16-2】
【0345】
DSC分析を行った。
図41は、式I p-TSA塩形態IIのDSCサーモグラムを示す。DSCは、開始が約155℃である広い発熱、開始が約202℃である融解吸熱、その後、開始が約209℃である発熱および分解を与えた。
【0346】
TGA分析を行った。
図42は、式I p-TSA塩形態IIのTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約0.7%の重量を約175℃未満で、および約3.0%の重量を約175~238℃で失った。これは、分解に起因する水の損失に対応する。
【0347】
式I p-TSA塩形態III
式I p-TSA塩形態IIIは、式I p-TSA塩形態Iを室温で約3週間、下記の溶媒:EtOAc、トルエン、およびMeCN/水(0.6、0.7、および0.95の水活性)中で撹拌した後に得られる、式I p-TSA塩形態Iの撹拌により得られた。
【0348】
XRPD分析を行った。
図43は、式I p-TSA塩形態IIIのXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表17に含める。
【表17】
【0349】
DSC分析を行った。
図44は、式I p-TSA塩形態IIIのDSCサーモグラムを示す。DSCは、開始が約156℃である広い発熱、開始が約205℃である吸熱、その後、即座の発熱および分解を与えた。
【0350】
TGA分析を行った。
図45は、式I p-TSA塩形態IIIのTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約0.5%の重量を約175℃未満で、および約2.5%の重
量を約175~235℃で失った。これは、分解に起因する水の損失に対応する。
【0351】
式I p-TSA塩水和物
式I p-TSA塩水和物は、式Iトロメタミン塩を水中で、2当量のp-トルエンスルホン酸一水和物と一緒に50℃および室温で撹拌することにより得られた。式I p-TSA塩水和物はまた、式I p-TSA塩形態Iおよび水和物の、MeCN/水の混合物中の70℃の、0.4以上の水活性の競合スラリーからも得られた。式I p-TSA塩水和物はまた、式I形態Iから、p-TSA塩水和物の種結晶ありまたはなしで、MeCN/水の混合物(9:1または8:2)中で、NaOH(1.1当量)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(2.2当量)を用いて、あるいは式Iトロメタミン塩形態Iから、MeCN/水の混合物(9:1または8:2)中で、NaOH(1.1当量)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(3.2当量)を用いても調製された。
【0352】
XRPD分析を行った。
図46は、式I p-TSA塩水和物のXRPDパターンを示す。XRPDピークを同定し、下記の表18に含める。
【表18-1】
【表18-2】
【0353】
DSC分析を行った。
図47は、式I p-TSA塩水和物のDSCサーモグラムを示す。DSCは、開始が約144℃である広い吸熱、その後、開始が約192℃である広い融解吸熱、開始が約214℃である発熱、および分解を与えた。
【0354】
TGA分析を行った。
図48は、式I p-TSA塩水和物のTGAサーモグラムを示す。これらの固体は、約3.6%の重量を約166℃未満で、および約2.4%の重量を約166~236℃で失った。これは、分解に起因する水の損失に対応する。
【0355】
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0356】
従って、本開示は、好ましい実施形態および必要に応じた特徴により具体的に開示されたが、本明細書中で開示される、これらの実施形態および特徴において実施される、本開示の改変、改善および変形が、当業者により行われ得ること、ならびにこのような改変、改善および変改は、本開示の範囲内であるとみなされることが理解されるべきである。本明細書で提供される物質、方法、および実施例は、好ましい実施形態の代表的なものであり、例示的なものであり、そして本開示の範囲に対する限定であることを意図されないものである。
【0357】
本開示は、本明細書中で広範に一般的に記載されている。この一般的な開示の範囲内である、より狭い種および下位の属のグループの各々もまた、本開示の一部を形成する。こ
れには、削除される主題が本明細書中に具体的に記載されているか否かとは無関係に、条件または負の限定により、属から何らかの主題が除去されている、本開示の一般的な記載が含まれる。
【0358】
さらに、本開示の特徴または局面がマーカッシュ群の観点で記載される場合、当業者は、本開示が、これによってまた、このマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーの下位群の観点で記載されることを認識する。
【0359】
本開示は、上記実施形態に関連して記載されたが、上記説明および実施例は、説明であって、本開示の範囲を限定しないことが意図されることが、理解されるべきである。本開示の範囲内である他の局面、利点および改変は、本開示が属する分野の当業者に明らかである。
【0360】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
下記の式:
【化8】
の化合物の固体形態。
(項2)
前記固体形態は、双性イオン形態Iである、上記項1に記載の固体形態。
(項3)
2θ回折を6.7、13.3、および16.6°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項2に記載の固体形態。
(項4)
2θ回折を12.3、16.2、および20.0°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、前出の上記項のいずれかに記載の固体形態。
(項5)
2θ回折を15.3、22.4、および26.6°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、前出の上記項のいずれかに記載の固体形態。
(項6)
図1に実質的に示されるX線回折パターンを有する、前出の上記項のいずれかに記載の固体形態。
(項7)
開始が約265℃である吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、前出の上記項のいずれかに記載の固体形態。
(項8)
図2に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、前出の上記項のいずれかに記載の固体形態。
(項9)
図3に実質的に示される熱重量分析を有する、前出の上記項のいずれかに記載の固体形態。
(項10)
前記固体形態は双性イオン形態IIである、上記項1に記載の固体形態。
(項11)
2θ回折を7.3、18.1、および24.1°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項10に記載の固体形態。
(項12)
2θ回折を14.5、25.0、25.4、および29.1°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項10~11のいずれかに記載の固体形態。
(項13)
図4に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項10~12のいずれかに記載の固体形態。
(項14)
開始が約135℃である吸熱および/または開始が約271℃である吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項10~13のいずれかに記載の固体形態。
(項15)
図5に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項10~14のいずれかに記載の固体形態。
(項16)
図6に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項10~15のいずれかに記載の固体形態。
(項17)
前記固体形態は双性イオン性水和物である、上記項1に記載の固体形態。
(項18)
2θ回折を10.2、15.4、19.7、および23.1°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項17に記載の双性イオン性水和物。(項19)
2θ回折を16.4、17.9、21.7、および25.8°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項17~18のいずれかに記載の双性イオン性水和物。
(項20)
2θ回折を10.8、25.0、および26.4°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項17~19のいずれかに記載の双性イオン性水和物。
(項21)
図7に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項17~20のいずれかに記載の固体形態。
(項22)
開始が約46℃である吸熱、開始が約268℃である吸熱、および/または開始が約157℃である発熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項17~21のいずれかに記載の双性イオン性水和物。
(項23)
図8に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項17~22のいずれかに記載の双性イオン性水和物。
(項24)
図9に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項17~23のいずれかに記載の双性イオン性水和物。
(項25)
前記固体形態は非晶質である、上記項1に記載の固体形態。
(項26)
図10に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項25に記載の固体形態。
(項27)
下記の式:
【化9】
を有する、化合物のトロメタミン塩。
(項28)
前記固体形態はトロメタミン塩形態Iである、上記項27に記載の固体形態。
(項29)
2θ回折を5.2、16.8、および25.6°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項28に記載の固体形態。
(項30)
2θ回折を10.9、15.3、および21.8°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項28~29のいずれかに記載の固体形態。(項31)
2θ回折を13.3、20.1、20.4、21.0、および24.3°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項28~30のいずれかに記載の固体形態。
(項32)
図11に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項28~31のいずれかに記載の固体形態。
(項33)
開始が約129℃である吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項28~32のいずれかに記載の固体形態。
(項34)
図12に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項28~33のいずれかに記載の固体形態。
(項35)
図13に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項28~34のいずれかに記載の固体形態。
(項36)
前記固体形態はトロメタミン塩形態IIである、上記項27に記載の固体形態。
(項37)
2θ回折を9.2、15.9、および17.3°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項36に記載の固体形態。
(項38)
2θ回折を12.9、20.4、24.5、および25.1°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項36~37のいずれかに記載の固体形態。
(項39)
図14に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項36~38のいずれかに記載の固体形態。
(項40)
前記固体形態はトロメタミン塩水和物Iである、上記項27に記載の固体形態。
(項41)
2θ回折を5.9、13.9、23.3°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項40に記載の固体形態。
(項42)
2θ回折を7.1、12.7、および20.3°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項40~41のいずれかに記載の固体形態。
(項43)
2θ回折を9.8、17.4、22.7、および25.3°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項40~42のいずれかに記載の固体形態。
(項44)
図15に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項40~43のいずれかに記載の固体形態。
(項45)
開始が約74℃である吸熱、開始が約123℃である吸熱、および/または開始が約145℃である発熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項40~44のいずれかに記載の固体形態。
(項46)
図16に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項40~45のいずれかに記載の固体形態。
(項47)
図17に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項40~46のいずれかに記載の固体形態。
(項48)
前記固体形態はトロメタミン塩水和物IIである、上記項27に記載の固体形態。
(項49)
2θ回折を10.5、16.1、および21.5°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項48に記載の固体形態。
(項50)
2θ回折を9.0、17.2、および18.8°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項48~49のいずれかに記載の固体形態。
(項51)
2θ回折を13.4、20.1、24.9、および26.9°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項48~50のいずれかに記載の固体形態。
(項52)
図18に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項48~51のいずれかに記載の固体形態。
(項53)
開始が約48℃である吸熱および/または開始が約130℃である吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項48~52のいずれかに記載の固体形態。
(項54)
図19に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項48~53のいずれかに記載の固体形態。
(項55)
図20に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項48~54のいずれかに記載の固体形態。
(項56)
前記固体形態はトロメタミン塩水和物IIIである、上記項27に記載の固体形態。
(項57)
2θ回折を10.2、16.0、および23.2°2θ±0.2°2θに有するX線回
折パターンにより特徴付けられる、上記項56に記載の固体形態。
(項58)
2θ回折を9.1、15.2、および23.8°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項56~57のいずれかに記載の固体形態。
(項59)
2θ回折を11.2、12.3、19.0、21.6、および26.1°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項56~58のいずれかに記載の固体形態。
(項60)
図21に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項56~59のいずれかに記載の固体形態。
(項61)
開始が約82℃である吸熱、開始が約120℃である吸熱、および/または開始が約154℃である発熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項56~60のいずれかに記載の固体形態。
(項62)
図22に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項56~61のいずれかに記載の固体形態。
(項63)
図23に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項56~62のいずれかに記載の固体形態。
(項64)
前記固体形態はトロメタミン塩水和物IVである、上記項27に記載の固体形態。
(項65)
2θ回折を11.4、16.9、および22.8°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項64に記載の固体形態。
(項66)
2θ回折を14.2、15.3、および20.5°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項64~65のいずれかに記載の固体形態。(項67)
2θ回折を13.7、15.8、19.4、および21.9°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項64~66のいずれかに記載の固体形態。
(項68)
図24に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項64~67のいずれかに記載の固体形態。
(項69)
開始が約48℃である吸熱、開始が約117℃である吸熱および/または開始が約148℃である吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項64~68のいずれかに記載の固体形態。
(項70)
図25に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項64~69のいずれかに記載の固体形態。
(項71)
図26に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項64~70のいずれかに記載の固体形態。
(項72)
前記固体形態はトロメタミン塩メタノール溶媒和物Iである、上記項27に記載の固体形態。
(項73)
2θ回折を10.8、13.3、および22.3°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項72に記載の固体形態。
(項74)
2θ回折を14.5、20.0、および21.4°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項72~73のいずれかに記載の固体形態。(項75)
図27に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項72~74のいずれかに記載の固体形態。
(項76)
前記固体形態はトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIである、上記項27に記載の固体形態。
(項77)
2θ回折を5.4、12.9、および22.7°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項76に記載の固体形態。
(項78)
2θ回折を10.7、14.3、および15.9°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項76~77のいずれかに記載の固体形態。(項79)
2θ回折を21.2、および26.6°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項76~78のいずれかに記載の固体形態。
(項80)
図28に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項76~79のいずれかに記載の固体形態。
(項81)
前記固体形態はトロメタミン塩メタノール溶媒和物IIIである、上記項27に記載の固体形態。
(項82)
2θ回折を12.6、13.3、および13.8°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項81に記載の固体形態。
(項83)
2θ回折を14.3、17.4、および23.2°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項81~82のいずれかに記載の固体形態。(項84)
2θ回折を20.2、24.2、25.2、および29.1°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項81~83のいずれかに記載の固体形態。
(項85)
図29に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項81~84のいずれかに記載の固体形態。
(項86)
開始が約80℃である吸熱、開始が約110℃である吸熱、開始が約127℃である吸熱、および/または開始が約145℃である発熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項81~85のいずれかに記載の固体形態。
(項87)
図30に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項81~86のいずれかに記載の固体形態。
(項88)
図31に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項81~87のいずれかに記載の固体形態。
(項89)
前記固体形態はMTBE溶媒和物である、上記項27に記載の固体形態。
(項90)
2θ回折を5.8、11.4、15.6、および20.4°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項89に記載の固体形態。
(項91)
2θ回折を14.5、18.4、23.4、および25.9°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項89~90のいずれかに記載の固体形態。
(項92)
2θ回折を12.7、19.0、および24.7°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項89~91のいずれかに記載の固体形態。(項93)
図32に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項89~92のいずれかに記載の固体形態。
(項94)
開始が約85℃である吸熱および/または開始が約147℃である吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項89~93のいずれかに記載の固体形態。
(項95)
図33に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項89~94のいずれかに記載の固体形態。
(項96)
図34に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項89~95のいずれかに記載の固体形態。
(項97)
前記固体形態はトロメタミン塩非晶質である、上記項27に記載の固体形態。
(項98)
図35に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項97に記載の固体形態。(項99)
下記の式:
【化10】
を有する、p-トルエンスルホン酸(p-TSA)の固体形態。
(項100)
前記固体形態はp-TSA塩形態Iである、上記項99に記載の固体形態。
(項101)
2θ回折を16.6、20.9、22.3、および23.4°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項100に記載の固体形態。
(項102)
2θ回折を3.0、13.1、および21.5°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項100~101のいずれかに記載の固体形態。
(項103)
2θ回折を9.0、15.0、17.5、26°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項100~102のいずれかに記載の固体形態
。
(項104)
図37に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項100~103のいずれかに記載の固体形態。
(項105)
図38に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項100~104のいずれかに記載の固体形態。
(項106)
図39に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項100~105のいずれかに記載の固体形態。
(項107)
前記固体形態はp-TSA塩形態IIである、上記項99に記載の固体形態。
(項108)
2θ回折を14.8、20.8、23.2、23.8°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項107に記載の固体形態。
(項109)
2θ回折を21.6、22.2、24.4°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項107~108のいずれかに記載の固体形態。
(項110)
2θ回折を3.0、11.8、16.8°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項107~109のいずれかに記載の固体形態。
(項111)
図40に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項107~110のいずれかに記載の固体形態。
(項112)
図41に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項107~111のいずれかに記載の固体形態。
(項113)
図42に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項107~112のいずれかに記載の固体形態。
(項114)
前記固体形態はp-TSA塩形態IIIである、上記項99に記載の固体形態。
(項115)
2θ回折を11.9、14.8、16.9、および23.2°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項114に記載の固体形態。
(項116)
2θ回折を17.6、20.8、22.1、および24.6°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項114~115のいずれかに記載の固体形態。
(項117)
2θ回折を12.3、18.8、および26.6°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項114~116のいずれかに記載の固体形態。
(項118)
図43に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項114~117のいずれかに記載の固体形態。
(項119)
図44に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項114~118のいずれかに記載の固体形態。
(項120)
図45に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項114~118のいずれかに記載の固体形態。
(項121)
前記固体形態はp-TSA塩水和物である、上記項99に記載の固体形態。
(項122)
2θ回折を6.6、8.6、19.8、および25.5°2θ±0.2°2θに有するX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項121に記載の固体形態。
(項123)
2θ回折を11.3、17.1、22.5、および28.4°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項121~122のいずれかに記載の固体形態。
(項124)
2θ回折を15.6、17.7、および26.9°2θ±0.2°2θにさらに含むX線回折パターンにより特徴付けられる、上記項121~123のいずれかに記載の固体形態。
(項125)
図46に実質的に示されるX線回折パターンを有する、上記項121~124のいずれかに記載の固体形態。
(項126)
図47に実質的に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する、上記項121~125のいずれかに記載の固体形態。
(項127)
図48に実質的に示される熱重量分析を有する、上記項121~126のいずれかに記載の固体形態。
(項128)
治療有効量の上記項1~127のいずれかに記載の固体形態および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
(項129)
1つ~3つのさらなる治療剤をさらに含有する、上記項128に記載の薬学的組成物。(項130)
前記さらなる治療剤のうちの少なくとも1つが、肝臓疾患に対して活性である、上記項129に記載の薬学的組成物。
(項131)
前記薬学的組成物が単位剤形である、上記項128~130のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項132)
前記単位剤形が錠剤である、上記項131に記載の薬学的組成物。
(項133)
肝臓疾患を処置するための、上記項1~132のいずれかに記載の固体形態または薬学的組成物の使用。
(項134)
疾患または状態を処置または予防することを必要とする患者において、疾患または状態を処置または予防する方法であって、該方法は、治療有効量のFXRアゴニストを投与する工程を包含し、ここで該疾患または状態は、先天性肝線維症であり、そして該FXRアゴニストは、式I
【化11】
の化合物である、方法。
(項135)
前記FXRアゴニストは、式Iの化合物の固体形態を含む、上記項134に記載の方法。