(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123086
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】多段式ロケット、大気圏再突入ビークル
(51)【国際特許分類】
F02K 9/97 20060101AFI20240903BHJP
B64G 1/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
F02K9/97
B64G1/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】44
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096176
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2022524569の分割
【原出願日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】62/941,386
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522165946
【氏名又は名称】ストーク スペース テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ラプサ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス フェルドマン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】増強型エアロスパイクノズル、増強型エアロスパイクノズルを含むエンジン、及びエンジンを含むビークルに関する。
【解決手段】増強型エアロスパイクノズルは、スロートと、スロートの後方に伸びるセンターボディと、センターボディによって規定される内側膨張面と、内側膨張面の外側の外側膨張面と、内側膨張面と外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を含む。エンジンは高圧室と増強型エアロスパイクノズルとを含む。超音速飛行用のビークルは、増強型エアロスパイクノズルを有するエンジンを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロートと、
前記スロートの後方に伸びるセンターボディと、
前記センターボディによって規定される内側膨張面と、
前記内側膨張面の外側の外側膨張面と、
前記内側膨張面と前記外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を備える増強型エアロスパイクノズル。
【請求項2】
前記センターボディの寸法が後方に連続的に減少する、請求項1に記載の増強型エアロスパイクノズル。
【請求項3】
前記膨張キャビティが後方に連続的に増加する幅を有するように前記内側膨張面及び前記外側膨張面が構成される、請求項1に記載の増強型エアロスパイクノズル。
【請求項4】
前記外側膨張面が前記内側膨張面と同じくらい後方に延びる、請求項1に記載の増強型エアロスパイクノズル。
【請求項5】
前記外側膨張面が前記内側膨張面よりも更に後方に延びる、請求項1に記載の増強型エアロスパイクノズル。
【請求項6】
前記内側膨張面が前記外側膨張面よりも更に後方に延びる、請求項1に記載の増強型エアロスパイクノズル。
【請求項7】
前記膨張キャビティが、前記センターボディの周りに環状に延びており且つ前記増強型エアロスパイクノズルの中心線の周りで前記センターボディと同心に整列している、請求項1に記載の増強型エアロスパイクノズル。
【請求項8】
前記増強型エアロスパイクノズルが直線状エアロスパイクノズルである、請求項1に記載の増強型エアロスパイクノズル。
【請求項9】
前記スロートが前記増強型エアロスパイクノズルの初期ノズル部分に含まれ、前記外側膨張面が前記初期ノズル部分の外側後端から後方に延びる、請求項1に記載の増強型エアロスパイクノズル。
【請求項10】
高圧室と、
前記高圧室によって生成されたガスを排出する増強型エアロスパイクノズルと、を備え、
前記増強型エアロスパイクノズルが、
スロートと、
前記スロートの後方に伸びるセンターボディと、
前記センターボディによって規定される内側膨張面と、
前記内側膨張面の外側の外側膨張面と、
前記内側膨張面と前記外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を含むエンジン。
【請求項11】
高圧室と前記高圧室によって生成されたガスを排出する増強型エアロスパイクノズルとを含むエンジンを備え、
前記増強型エアロスパイクノズルが、
スロートと、
前記スロートの後方に伸びるセンターボディと、
前記センターボディによって規定される内側膨張面と、
前記内側膨張面の外側の外側膨張面と、
前記内側膨張面と前記外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を含むビークル。
【請求項12】
前記ビークルが上段ロケットである、請求項11に記載のビークル。
【請求項13】
前記センターボディが、前記ビークルの後端を部分的に規定するセンターボディベースを有する切頂トロイダルエアロスパイクである、請求項11に記載のビークル。
【請求項14】
前記エンジンが前記ビークルのベース表面に埋め込まれている、請求項11に記載のビークル。
【請求項15】
前記外側膨張面が前記ビークルに一体的に接続され、前記外側膨張面が前記ビークルに対して固定されたままであることを可能にしつつ前記センターボディがジンバルすることを可能にするシールを前記増強型エアロスパイクノズルが含む、請求項11に記載のビークル。
【請求項16】
前記エンジンが前記ビークルに対してジンバルすることを可能にするシールを更に備える、請求項11に記載のビークル。
【請求項17】
多段式ロケットシステムの再使用可能な上段ロケットであって、前記再使用可能な上段ロケットが、宇宙内推進及び大気中着陸推進用に構成されたエンジンを備える、再使用可能な上段ロケット。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本出願は、2019年11月27日に出願された米国仮特許出願第62/941,386号に基づく優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体がここに組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、排出ノズルを有する推進システムに関する。より具体的には、本開示は、増強型エアロスパイクノズル、増強型エアロスパイクノズルを含むエンジン、及びエンジンを含むビークルに関する。
【背景技術】
【0003】
ロケットのためのエアークラフト等再使用可能性は、莫大な費用便益の可能性により、長い間ロケット研究の「至高の目標(holy grail)」であった。多段式ロケットシステムの上段ロケット(例えば、2段式ロケットシステムの第2段ロケット)を回収及び再使用する能力は、当該産業によって未だ解決されていない重要な技術格差のままである。多段式ロケットの上段の再使用は、過酷な再突入環境と、堅牢な再使用に必要な構造質量の増加に関連する性能ペナルティとにより、難易度が高い。上段ロケットは、典型的には最小の構造及び複雑さで構築され、これは、第2段への質量の追加が、ペイロード容量における1:1減少となるからである。従って、上段ロケットを再使用するには、大幅な追加的機能性だけでなく、質量負荷が最小限であることが要求される。
【0004】
従来の上段ロケットは、真空中でのエンジン効率を最大化するために非常に大きなノズルを用いている。これらの大きなノズルは、典型的には非常に薄く、上段ロケットの再突入に際して保護するのは困難である。上段ロケットの回収が推進的着陸を含む場合、大きなノズルは大気中で激しい流れ分離と横荷重を被るので、別個の推進システムが必要になる。
【0005】
エアロスパイクノズル等のプラグノズルは、圧力抵抗、即ち推力方程式F=mVe-Ae(Pa-Pe)におけるPa-Pe≦0に起因するノズル効率損失を最小限に抑える高度補償ノズル設計である。この特徴により、ノズルが低スロットルレベルで大気中において動作することも可能になるが、従来の高膨張比ノズルでは流れ分離が発生し、結果として不安定な推力振動、不安定な推力ベクトル、及びエンジン又はビークルの損傷がもたらされる。
【0006】
エアロスパイクノズルは、1960年以前から研究されてきた。解析的設計方法(例えば、G.アンジェリーノ、プラグノズル設計の近似方法、AIAAジャーナル、第2巻、第10号、1834~1835頁(1964)(G. Angelino, Approximate Method for Plug Nozzle Design, AIAA Journal, Vol. 2, Issue 10, pp. 1834-1835 (1964)))及び最新第一原理設計ツール(例えば、NASAのエアロスパイク設計及び性能ツール(ADAPT)ツール、2008(NASA’s Aerospike Design and Performance Tool (ADAPT) tool, 2008))が開発され、計算流体力学(CFD)予測解析が行われてきた(例えば、M.オノフリ等、プラグノズル:流れ特性及びエンジン性能の概要、AIAA-2002-0584(2002)(M. Onofri et ai, Plug Nozzles: Summary of Flow Features and Engine Performance, AIAA-2002-0584 (2002)))。エアロスパイクノズルは、多くの注目を集めるプログラムにおいても地上試験されてきた。これらは、いくつかの例を挙げると、空軍О2/H2高度操縦推進技術プログラム(AFRPL-TR-76-05)(the Air Force O2/H2 Advanced Maneuvering Propulsion Technology Program (AFRPL-TR-76-05))の下で開発された25klbf推力エアロスパイクデモンストレータ、ロケットダインのオリジナルスペースシャトルメインエンジンの提案(AFRPL-TR-67-280)(Rocketdyne’s original space shuttle main engine proposal (AFRPL-TR-67-280))の基礎をなした250klbf推力変換J-2エンジン、及びX-33プログラムの一部として開発されたXRS-2200リニアエアロスパイクノズルを含む。
【0007】
図1~3を参照すると、従来技術のエアロスパイクエンジン112は、少なくとも1つの高圧室136(例えば、燃焼室)とエアロスパイクノズル110とを含む。エアロスパイクノズル110は、排出ガスが最初に高圧室136を出る少なくとも1つの初期ノズル部分160と、初期ノズル部分160に対して下流の二次ノズル部分162と、を含む。初期ノズル部分160は、少なくとも1つのスロート124と、スロート124に対して下流の1つ以上の表面164、166と、スロート124及び/又は表面164、166の少なくとも1つによって規定される外側後端168と、を含む。二次ノズル部分162は、内側膨張面126を規定するセンターボディ128(例えば、エアロスパイク)を含む。
【0008】
図2を参照すると、典型的な従来技術のエアロスパイクノズル110は、収束発散ノズルの形態にある初期ノズル部分160を含む。そのような従来技術の実施形態においては、スロート124は、対向収束面170、172を有する上流収束セクションと対向発散面164、166を有する下流発散セクションとの間の移行部を規定する。発散面164、166は、それらの間に初期ノズルキャビティ125を規定する。内側発散面164は、二次ノズル部分162のセンターボディ128によって規定される内側膨張面126と隣接している(例えば、少なくとも実質的に同一平面上にある)。初期ノズル部分160の外側後端168は、外側発散面166を規定する壁の後端によって規定される。場合によっては、外側発散面166の少なくとも一部は、カウル、シュラウド、及び/又はエアロスパイクエンジン112が取り付けられるビークルの別の部品によって規定される。
図2に示すような従来技術の実施形態においては、初期ノズル部分160は、「一次ノズル」と称されることがある。
【0009】
図3を参照すると、従来技術のエアロスパイクノズル110の他の実施形態においては、スロート124の外側部分は、初期ノズル部分160の外側後端168を規定する。即ち、初期ノズル部分160の発散セクションは、
図2に示すような従来技術のエアロスパイクノズルには含まれている外側発散面166を除外する。
【0010】
図1~3に示すものを含む従来技術のエアロスパイクエンジン112のいくつかの実施形態においては、エンジン112は、いわゆる「プラグクラスタ」構成を有する。そのような構成においては、エンジン112は、互いに間隔を置いて配置された複数の個別の高圧室136と、互いに間隔を置いて配置された複数の個別の初期ノズル部分160と、を含む。各初期ノズル部分160は、対応する高圧室136に対して配置され、それぞれの高圧室136を出るガスを排出するように構成される。各高圧室136及び初期ノズル部分160の対は、当該技術分野では「推力缶(thrust can)」として知られている。各推力缶の初期ノズル部分160は、初期ノズル部分160の軸174の周りに環状に延びる個別のスロート124を含む。そのような従来技術の実施形態においては、スロート124の収束面170、172は、軸174の周りに環状に延びる連続表面を形成し、スロート124の発散面164、166は、軸174の周りに環状に延びる連続表面を形成する。場合によっては、収束面170、172及び/又は発散面164、166は、軸174に対して軸対称である。
図1に示すようなトロイダルエアロスパイク構成においては、スラスト缶は、エンジン112が配置されているビークルの中心線116の周りに円周方向に間隔を置いて配置される。直線状エアロスパイク構成においては、スラスト缶は、ビークルの中心線116に平行な平面に沿って直線的に配置される。
【0011】
従来技術のエアロスパイクエンジン112の他の実施形態においては、エンジン112は、単一の高圧室136と、単一のスロート124を有する単一の初期ノズル部分160と、を含む。そのような従来技術の実施形態においては、スロート124の収束面170、172は、互いに対して別個の表面であり、スロート124の発散面164、166は、互いに対して別個の表面である。トロイダルエアロスパイク構成においては、高圧室136及びスロート124は、各々、エンジン112が配置されているビークルの中心線116の周りに環状に延びる。直線状エアロスパイク構成においては、高圧室136及びスロート124は、各々、ビークルの中心線116に平行なそれぞれの平面内で直線的に延びる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図2に示すように、典型的な従来技術のエアロスパイクエンジン112の真空動作中に、排出ガスは、M
1≧1で初期ノズルキャビティ125を出て、マッハ波を超えて膨張し、M
2で真空中に放出される。M
1とM
2の間の転向角は、プラントル-マイヤー膨張角(Prandtl-Meyer expansion angle)
θ=v(M
2)-v(M
1)
によって決定され、ここでv(M)はプラントル-マイヤー関数:
【数1】
である。エンジン112が完全な真空中で動作している場合、M
2プラントル-マイヤー関数は理論上の最大値
v(M
2)=v(∞)=130.45°
に近づき、典型的な内側モジュール膨張率の場合、正味の転向角θは90°より大きくなり得る。排出ガスは、初期ノズルキャビティ125の外側後端168の外側に偏向し、その結果、真空中で動作する場合、従来技術のエアロスパイクエンジン112の性能が失われる。真空中での性能を改善するためには、エンジン112の面積比を増加させる必要がある。これは、スロート124が中心線115に対して大きな直径で配置されることを必要とする。しかし、大きな直径では、スロート124に関連する寸法が非常に小さくなり、製造が困難になる。
【0013】
上段ロケットの効率的な回収及び再使用を可能にするためには、真空中及び大気中の両方での動作が可能であり、再突入時に容易に保護可能な高性能ノズルが必要である。
【0014】
本発明の態様は、これらの及び他の問題に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様によると、増強型エアロスパイクノズルは、スロートと、スロートの後方に伸びるセンターボディと、センターボディによって規定される内側膨張面と、内側膨張面の外側の外側膨張面と、内側膨張面と外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を含む。
【0016】
本発明の別の側面によると、エンジンは、高圧室と、高圧室によって生成されたガスを排出する増強型エアロスパイクノズルと、を含む。増強型エアロスパイクノズルは、スロートと、スロートの後方に伸びるセンターボディと、センターボディによって規定される内側膨張面と、内側膨張面の外側の外側膨張面と、内側膨張面と外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を含む。
【0017】
本発明の別の側面によると、ビークルは、高圧室と高圧室によって生成されたガスを排出する増強型エアロスパイクノズルとを有するエンジンを含む。増強型エアロスパイクノズルは、スロートと、スロートの後方に伸びるセンターボディと、センターボディによって規定される内側膨張面と、内側膨張面の外側の外側膨張面と、内側膨張面と外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を含む。
【0018】
本発明の別の側面によると、多段式ロケットシステムの再使用可能な上段ロケットは、宇宙内推進及び大気中着陸推進用に構成されたエンジンを含む。
【0019】
上述の特徴の1つ以上に加えて、又はその代替として、本発明の更なる態様は、以下の特徴の1つ以上を、個別に又は組み合わせにおいて含むことができる。
・センターボディの寸法が後方に連続的に減少する。
・膨張キャビティが後方に連続的に増加する幅を有するように内側膨張面及び外側膨張面が構成される。
・外側膨張面が内側膨張面と同じくらい後方に延びる。
・外側膨張面が内側膨張面よりも更に後方に延びる。
・内側膨張面が外側膨張面よりも更に後方に延びる。
・膨張キャビティが、センターボディの周りに環状に延びており且つノズルの中心線の周りでセンターボディと同心に整列している。
・増強型エアロスパイクノズルが直線状エアロスパイクノズルである。
・スロートが増強型エアロスパイクノズルの初期ノズル部分に含まれ、外側膨張面が初期ノズル部分の外側後端から後方に延びている。
・ビークルが上段ロケットである。
・センターボディが、ビークルの後端を部分的に規定するセンターボディベースを有する切頂トロイダルエアロスパイクである。
・エンジンがビークルのベース表面に埋め込まれている。
・外側膨張面がビークルに一体的に接続され、外側膨張面がビークルに対して固定されたままであることを可能にしつつセンターボディがジンバルすることを可能にするシールを増強型エアロスパイクノズルが含む。
・エンジンがビークルに対してジンバルすることをシールが可能にする。
【0020】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に提供される図面及び詳細な説明に照らして明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は従来技術のエアロスパイクエンジンを概略的に示している。
【0022】
【
図2】
図2は
図1の従来技術のエアロスパイクエンジンの一部を概略的に示している。
【0023】
【
図3】
図3は別の従来技術のエアロスパイクエンジンの一部を概略的に示している。
【0024】
【
図4】
図4は増強型エアロスパイクノズルを有するエンジンを含むビークルの斜視図である。
【0025】
【
図5】
図5は、真空中動作(中心線の左側)及び大気中動作(中心線の右側)中の
図4のビークルの一部の概略断面図である。
【0026】
【0027】
【
図7】
図7は
図4の増強型エアロスパイクエンジンの一部を概略的に示している。
【0028】
【
図8】
図8は別の増強型エアロスパイクエンジンの一部を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図4及び5を参照すると、本開示は、増強型エアロスパイクノズル10、増強型エアロスパイクノズル10を含むエンジン12、及びエンジン12を含むビークル14を記述する。
【0030】
図4~6を参照すると、ビークル14は、ロケット(例えば、多段式ロケット、単段式宇宙輸送機(single-stage-to-orbit)(SSTO)ロケット、上段ロケット、ブースターロケット等)、ミサイル、宇宙船、航空機、あるいは大気中、準軌道、軌道、及び/又は惑星間空間における少なくとも超音速(例えば、超音速、極超音速、再突入速度等)までの移動(例えば、飛行)用に設計された他のビークルである。図示の実施形態においては、ビークル14は、2段式ロケット(図示せず)の第2段ロケットである。ビークル14(以下、「第2段ロケット14」)は、前端18とその反対側の後端20との間で中心線16に沿って延びる。第2段ロケット14は、前端18に向かうペイロード22と、後端20に向かうエンジン12と、を含む。
【0031】
図7及び8を参照すると、増強型エアロスパイクノズル10は、排出ガスが最初に少なくとも1つの高圧室36を出る少なくとも1つの初期ノズル部分60と、初期ノズル部分60に対して下流の二次ノズル部分62と、を含む。
【0032】
初期ノズル部分60は、少なくとも1つのスロート24と、スロート24に対して下流に延びる1つ以上の表面64、66と、スロート24、及び/又は表面64、66の少なくとも1つによって規定される外側後端68と、を含む。二次ノズル部分62は、内側膨張面26を規定するセンターボディ28(例えば、エアロスパイク)を含む。二次ノズル部分62はまた、内側膨張面26の外側の外側膨張面30と、内側膨張面26と外側膨張面30との間に規定される膨張キャビティ32と、を含む。
【0033】
図7を参照すると、いくつかの実施形態においては、ノズル10の初期ノズル部分60は、収束発散ノズル及び/又は一次ノズルの形態にある。そのような実施形態においては、スロート24は、対向収束面70、72を有する上流収束セクションと対向発散面64、66を有する下流発散セクションとの間の移行部を規定する。発散面64、66は、それらの間に初期ノズルキャビティ25を規定する。内側発散面64は、二次ノズル部分62のセンターボディ128によって規定される内側膨張面126と隣接している(例えば、少なくとも実質的に同一平面上にある)。外側膨張面30は、初期ノズル部分60の外側後端68に接続され(例えば、直接接続、シールを介した間接接続等)、そこから後方に延びており、初期ノズル部分60の外側後端68は、外側発散面66の後端によって規定されている。変曲点は、初期ノズル部分60の外側発散面66が二次ノズル部分62の外側膨張面30に接するところに規定される。
【0034】
図8を参照すると、他の実施形態においては、初期ノズル部分60は、スロート24の外側部分が初期ノズル部分60の外側後端68を規定するように構成される。即ち、初期ノズル部分60は、
図7に示すようなノズルには含まれている外側発散面66を除外する。外側膨張面30は、初期ノズル部分60の外側後端68に接続され(例えば、直接接続、シールを介した間接接続等)、そこから後方に延びている。
【0035】
図5及び6を再び参照すると、増強型エアロスパイクノズル10の内側膨張面26を規定するセンターボディ28は、エアロスパイク(例えば、トロイダルエアロスパイク、直線状エアロスパイク)又は他のタイプのプラグノズルである。内側膨張面26の輪郭は、特定の用途に依存し、アンジェリーノ(1964)による方法及び/又は当該技術分野で知られている他の方法を用いて選択及び/又は最適化され得る。図示の実施形態においては、センターボディ28は、第2段ロケット14の後端20を部分的に規定するセンターボディベース34を有する切頂トロイダルエアロスパイクである。センターボディ28の前方部分の半径r
1は、センターボディ28の後方部分の半径r
2よりも大きい。センターボディ28の寸法(例えば、半径)は、後方に連続的に減少する。
【0036】
増強型エアロスパイクノズル10の二次ノズル部分62の内側及び外側膨張面26、30は、それらの間に規定される膨張キャビティ32が、後方に増加する(例えば、連続的に増加する)幅(例えば、中心線16に垂直な方向の寸法)を有するように構成される。外側膨張面30の輪郭は、特定の用途に依存し、アンジェリーノ(1964)による方法及び/又は当該技術分野で知られている他の方法を用いて選択及び/又は最適化され得る。即ち、内側膨張面26の輪郭を選択及び/又は最適化するための既知の方法は、外側膨張面30の輪郭を選択及び/又は最適化するときに適用することができる。図示の実施形態を含むいくつかの実施形態においては、外側膨張面30は、内側膨張面26と同じくらい後方に延びている。図示されていない他の実施形態においては、外側膨張面30が内側膨張面26よりも更に後方に延びており、又は内側膨張面26が外側膨張面30よりも更に後方に延びている。図示の実施形態においては、膨張キャビティ32は、センターボディ28の周りに環状に延びており且つ第2段ロケット14の中心線16の周りでセンターボディ28と同心円状に整列している。
【0037】
エンジン12は、高圧室36(例えば、燃焼室)及び増強型エアロスパイクノズル10を含む。高圧室36は、増強型エアロスパイクノズル10を通して排出されるガスを生成する。
【0038】
高圧室36は、環状リング、セグメント化リング、個々のスラスト室、又は内側膨張面26及び外側膨張面30に超音速流を提供する任意の他の構成の形態にある。
【0039】
図7及び8を参照すると、図示の実施形態においては、エンジン12は、単一の高圧室36と、単一のスロート24を有する単一の初期ノズル部分60と、を含む。ノズル10は、トロイダルエアロスパイクの形態にある。従って、高圧室36及びスロート24は、各々、第2段ロケット14の中心線16の周りに環状に延びる(
図4~6を参照)。スロート24の収束面70、72は、互いに対して別個の表面である。
図8の実施形態においては、スロート24の発散面64、66もまた、互いに対して別個の表面である。
【0040】
他の実施形態においては、エンジン12は、例えば
図1及び2に示す従来技術の実施形態のものと同様のいわゆる「プラグクラスタ」構成を有する。そのような実施形態においては、エンジン12は、互いに間隔を置いて配置された複数の個別の高圧室36と、互いに間隔を置いて配置された複数の個別の初期ノズル部分60と、を含む。各初期ノズル部分60は、対応する高圧室36に対して配置され、それぞれの高圧室36を出るガスを排出するように構成される。各高圧室36及び初期ノズル部分60の対は、いわゆる「推力缶(thrust can)」を形成する。各推力缶の初期ノズル部分60は、それぞれの初期ノズル部分60の軸の周りに環状に延びる個別のスロート24を含む。スロート24の収束面70、72は、それぞれの初期ノズル部分60の軸の周りに環状に延びる連続表面を形成する。場合によっては、収束面70、72及び/又は発散面64、66は、軸74に対して軸対称である。トロイダルエアロスパイク構成においては、スラスト缶は、第2段ロケット14の中心線16の周りに円周方向に間隔を置いて配置される。直線状エアロスパイク構成においては、スラスト缶は、第2段ロケット14の中心線16に平行な平面に沿って直線的に配置される。
【0041】
いくつかの実施形態においては、エンジン12は、大気圏への再突入中等の高負荷環境からエンジン12の一部を保護するために、第2段ロケット14のベース表面38内に埋め込まれている。
【0042】
図7及び8を参照すると、従来技術のエアロスパイクノズルには存在しない増強型エアロスパイクノズル10の外側膨張面30は、排出ガスの流れを捕捉し、それを軸方向に転向させ、追加の推力を生成する。これにより、スロート半径方向位置42を危険にさらすことなく、真空動作中のノズル10の膨張面積40(従って膨張比)が大幅に増大する(
図5を参照)。これにより、エンジン12の長さ又は高圧室36の直径を犠牲にすることなく、エンジン12の性能が改善される。伝統的に、膨張面積40はスロート半径方向位置42の関数であり、膨張面積40の更なる増大には、スロート半径方向位置42の増大が必要であり、結果として、固定推力に対してスロート24の寸法が非常に小さくなる。
【0043】
図5及び6を参照すると、図示の実施形態においては、外側膨張面30は、増強型エアロスパイクノズル10と第2段ロケット14の側壁43との間で半径方向に延びるビーム39、41を介して第2段ロケット14に一体的に接続される。ビーム39、41はまた、ジンバル80及び複数の支柱82を介してエンジン10が取り付けられるスラスト取り出し構造78を支持する。ノズル10は、外側膨張面30が第2段ロケット14に対して固定されたままであることを可能にしつつセンターボディ28がジンバルすることを可能にするシール44(例えば、金属ベローズによって形成される高温ガスシール)を含む。シール44は、外側膨張面30の前端と初期ノズル部分60の外側後端68との間で延びる。他の実施形態においては、図示はしないが、シール44は、別の場所(例えば、外側膨張面30の後端が第2段ロケット14のベース表面38に隣接する場所)に配置されて、第2段ロケット14の側壁43に対してエアロスパイクノズル10全体(外側膨張面を含む)をジンバルすることを可能にする。
【0044】
真空動作中(
図5の中心線16の左側を参照)、高圧ガスは高圧室36を出て、内側膨張面26及び外側膨張面30に沿って膨張し、高効率で軸方向推力を生じさせる。センターボディベース34の下流の領域における低圧は、ノズル10の閉じた伴流動作(wake operation)を可能にする。再圧縮波46は、閉じた伴流領域48から発散する。真空中ジェット境界50は、外側膨張面30の縁を越えて膨張し続ける。大気中(例えば、海面上)動作中(
図5の中心線14の右側を参照)、高温ガスは、高圧室36を出て、内側膨張面26に沿って膨張するが、外側膨張面30とは相互作用しない。ガスジェット境界52、54は、局所大気56内の圧力及びセンターボディベース34の下流の開放伴流58内の圧力によって決定される。
【0045】
従って、増強型エアロスパイクノズル10を有するエンジン12は、従来技術のノズルに勝る多くの利点を提供し、しかも他の従来技術のノズルよりも実質的に短い形状因子でそれが可能である。ノズル膨張面積比を約2倍にすると、ノズル真空効率が向上すると共にエンジンの比推力が10秒以上高くなり、当該産業をリードする上段エンジンにふさわしい空間性能を提供する。ノズル10の第2段ロケット14への埋め込みは、グランドクリアランスを改善し、局所的加熱効果を低減する。ビークルベース20の残りの部分は、2019年12月3日に出願された共通譲渡に係る米国仮特許出願第62/942,886号に開示された熱遮断システムを用いて能動的に冷却することができ、その内容は参照によりその全体がここに組み込まれる。従って、ビークルベース20は、準備されていない惑星表面に着陸するときに生成される表面噴出物から第2段ロケット14を保護する堅牢なバリアを提供することができる。これらの特徴により、第2段ロケット14は、低スロットルの最終降下燃焼でベースファーストの大気圏再突入軌道を実行し、単一の推進エンジンで垂直軟着陸を行うことができる。これにより、他の提案されたノーズファースト又はボディファースト(ベリーフロップ(belly flop)としても知られる)戦略に勝る以下のいくつかの重要な利点を提供する。(i)宇宙内及び大気中での動作専用の複数のエンジンが不要になり、システム全体の性能を向上させつつ、質量及び部品数を低減する。(ii)垂直着陸プロファイルを伴うノーズファースト再突入ビークルに必要な大気中再配向操縦に挑戦する必要がなくなる。(iii)飛行のすべての段階で一次荷重経路を軸方向に維持し、より効率的な構造ソリューションを可能にする。(iv)上昇及び再突入時の一般的な垂直配向性が、スロッシュ及び関連するボイルオフを最小限に抑えることにより、極低温流体管理の課題を簡素化する。(v)低い弾道係数を維持しつつ熱遮蔽表面積を最小限に抑え、再突入時にビークルによって管理される全体的な熱負荷を最小限に抑える。
【0046】
いくつかの実施形態が開示されてきたが、本発明の態様が更に多くの実施形態を含むことは当業者には明らかなはずである。従って、本発明の態様は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等なものを考慮する場合を除いて、制限されるべきではない。本開示の真の範囲から逸脱することなく変更及び修正がなされ得ることも当業者には明らかなはずである。例えば、場合によっては、一実施形態に関連して開示された1つ以上の特徴は、単独で又は1つ以上の他の実施形態の1つ以上の特徴との組み合わせにおいて用いられ得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下段ロケットと、前記下段ロケットから切り離し可能な上段ロケットと、を備える多段式ロケットであって、
前記上段ロケットが、
ノーズと、
前記ノーズの反対側のベースと、
前記ベースに向かって配置された推進エンジンと、を備え、
前記推進エンジンが、
高圧室と、
前記高圧室によって生成されたガスを排出するエアロスパイクノズルと、を備え、
前記エアロスパイクノズルが、
収束発散ノズル部分と、
前記収束発散ノズル部分に対して下流の二次ノズル部分と、
前記二次ノズル部分の下流の後端にあるノズル出口と、を備え、
前記二次ノズル部分が、
内側膨張面と、
前記内側膨張面の外側の外側膨張面と、
前記内側膨張面と前記外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を備える多段式ロケット。
【請求項2】
前記エアロスパイクノズルが、変曲点は、前記収束発散ノズル部分が前記二次ノズル部分の前記外側膨張面に接するところに規定される変曲点を有する、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項3】
前記収束発散ノズル部分が、収束セクションと、前記収束セクションの下流にある発散セクションと、前記収束セクションと前記発散セクションとの間の移行部を規定するスロートと、を含み、
前記収束発散ノズル部分の前記収束セクションが、内側発散面と外側発散面とを含み、
前記二次ノズル部分の前記内側膨張面が、前記収束発散ノズル部分の前記内側発散面の下流に延びており、
前記変曲点が、前記収束発散ノズル部分の前記外側発散面が前記二次ノズル部分の前記外側膨張面に接するところに規定される、請求項2に記載の多段式ロケット。
【請求項4】
前記ベースが、前記ノズル出口の内側にある第1ベース部分と、前記ノズル出口の外側にある第2ベース部分と、を含み、
前記二次ノズル部分がセンターボディを含み、
前記センターボディが、前記内側膨張面を規定するセンターボディ側壁と、前記第1ベース部分を規定するセンターボディベースと、を含む、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項5】
前記収束発散ノズル部分が、収束セクションと、前記収束セクションの下流にある発散セクションと、前記収束セクションと前記発散セクションとの間の移行部を規定するスロートと、を含み、
前記収束発散ノズル部分の前記収束セクションが、内側発散面と外側発散面とを含み、
前記二次ノズル部分の前記内側膨張面が、前記収束発散ノズル部分の前記内側発散面の下流に延びており、
前記変曲点が、前記収束発散ノズル部分の前記外側発散面が前記二次ノズル部分の前記外側膨張面に接するところに規定される、請求項4に記載の多段式ロケット。
【請求項6】
前記センターボディが切頂トロイダルエアロスパイクである、請求項4に記載の多段式ロケット。
【請求項7】
前記二次ノズル部分の前記膨張キャビティが、前記センターボディの周りに環状に延びており且つ前記上段ロケットの中心線の周りで前記センターボディと同心に整列している、請求項4に記載の多段式ロケット。
【請求項8】
前記上段ロケットの中心線に平行な横断面において、前記センターボディの幅が下流方向に連続的に減少する、請求項4に記載の多段式ロケット。
【請求項9】
前記上段ロケットが、前記外側膨張面に対して前記センターボディがジンバルすることを可能にするシールをさらに含む、請求項4に記載の多段式ロケット。
【請求項10】
前記上段ロケットの中心線に平行な横断面において、前記膨張キャビティの幅が下流方向に連続的に増加する、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項11】
前記上段ロケットの中心線に平行な横断面において、前記外側膨張面が湾曲した輪郭を有する、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項12】
前記推進エンジンの宇宙空間での作動中に、前記外側膨張面が、前記推進エンジンによって生成されたガスの流れを捕捉し、前記流れを前記上段ロケットの中心線に平行な方向に転向させて推力を生成するように、前記外側膨張面の輪郭が湾曲している、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項13】
前記ベースが、前記ノズル出口の内側にある第1ベース部分と、前記ノズル出口の外側にある第2ベース部分と、を含み、
前記上段ロケットが、前記ベースから前記ノーズに向かって延びている側壁をさらに含み、
前記第2ベース部分が前記ノズル出口と前記側壁との間に延びる、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項14】
前記二次ノズル部分の前記外側膨張面が、前記側壁に対して位置的に固定されたままである、請求項13に記載の多段式ロケット。
【請求項15】
前記ベースが、前記ノズル出口の内側にある第1ベース部分と、前記ノズル出口の外側にある第2ベース部分と、を含み、
前記ベースが、前記第1ベース部分と前記第2ベース部分とによって規定されたドーム形状を有する、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項16】
前記推進エンジンが、前記上段ロケットのノーズファースト飛行時には推進推力を提供し、前記上段ロケットのベースファースト飛行時には、逆推進推力を提供する、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項17】
前記推進エンジンが、前記上段ロケットの大気中着陸時に、高圧ガスのジェットが前記高圧室から排出されて前記二次ノズル部分の前記内側膨張面に沿って膨張し、前記ジェットが前記二次ノズル部分の前記外側膨張面と相互作用しないように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項18】
前記推進エンジンが、前記上段ロケットの宇宙空間飛行中に、高圧ガスのジェットが前記高圧室から排出されて前記二次ノズル部分の前記内側膨張面及び前記外側膨張面に沿って膨張し、前記上段ロケットの中心線に平行な方向に推力を発生するように構成されている、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項19】
前記推進エンジンが、前記上段ロケットの大気中着陸時に、高圧ガスのジェットが前記高圧室から排出されて前記二次ノズル部分の前記内側膨張面に沿って膨張し、前記ジェットが前記二次ノズル部分の前記外側膨張面と相互作用しないように構成されており、かつ
前記推進エンジンが、前記上段ロケットの宇宙空間飛行中に、高圧ガスのジェットが前記高圧室から排出されて前記二次ノズル部分の前記内側膨張面及び前記外側膨張面に沿って膨張し、前記上段ロケットの中心線に平行な方向に推力を発生するように構成されている、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項20】
前記エアロスパイクノズルが環状エアロスパイクノズルである、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項21】
前記エアロスパイクノズルが直線状エアロスパイクノズルである、請求項1に記載の多段式ロケット。
【請求項22】
ノーズと、
前記ノーズの反対側のベースと、
前記ベースに向かって配置された推進エンジンと、を備え、
前記推進エンジンが、
高圧室と、
前記高圧室によって生成されたガスを排出するエアロスパイクノズルと、を備え、
前記エアロスパイクノズルが、
収束発散ノズル部分と、
前記収束発散ノズル部分に対して下流の二次ノズル部分と、
前記二次ノズル部分の下流の後端にあるノズル出口と、を備え、
前記二次ノズル部分が、
内側膨張面と、
前記内側膨張面の外側の外側膨張面と、
前記内側膨張面と前記外側膨張面の間に規定される膨張キャビティと、を備える 大気圏再突入ビークル。
【請求項23】
前記エアロスパイクノズルが、変曲点は、前記収束発散ノズル部分が前記二次ノズル部分の前記外側膨張面に接するところに規定される変曲点を有する、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項24】
前記収束発散ノズル部分が、収束セクションと、前記収束セクションの下流にある発散セクションと、前記収束セクションと前記発散セクションとの間の移行部を規定するスロートと、を含み、
前記収束発散ノズル部分の前記収束セクションが、内側発散面と外側発散面とを含み、
前記二次ノズル部分の前記内側膨張面が、前記収束発散ノズル部分の前記内側発散面の下流に延びており、
前記変曲点が、前記収束発散ノズル部分の前記外側発散面が前記二次ノズル部分の前記外側膨張面に接するところに規定される、請求項23に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項25】
前記ベースが、前記ノズル出口の内側にある第1ベース部分と、前記ノズル出口の外側にある第2ベース部分と、を含み、
前記二次ノズル部分がセンターボディを含み、
前記センターボディが、前記内側膨張面を規定するセンターボディ側壁と、前記第1ベース部分を規定するセンターボディベースと、を含む、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項26】
前記収束発散ノズル部分が、収束セクションと、前記収束セクションの下流にある発散セクションと、前記収束セクションと前記発散セクションとの間の移行部を規定するスロートと、を含み、
前記収束発散ノズル部分の前記収束セクションが、内側発散面と外側発散面とを含み、
前記二次ノズル部分の前記内側膨張面が、前記収束発散ノズル部分の前記内側発散面の下流に延びており、
前記変曲点が、前記収束発散ノズル部分の前記外側発散面が前記二次ノズル部分の前記外側膨張面に接するところに規定される、請求項24に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項27】
前記センターボディが切頂トロイダルエアロスパイクである、請求項25に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項28】
前記二次ノズル部分の前記膨張キャビティが、前記センターボディの周りに環状に延びており且つ前記大気圏再突入ビークルの中心線の周りで前記センターボディと同心に整列している、請求項25に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項29】
前記大気圏再突入ビークルの中心線に平行な横断面において、前記センターボディの幅が下流方向に連続的に減少する、請求項25に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項30】
前記外側膨張面に対して前記センターボディがジンバルすることを可能にするシールをさらに含む、請求項25に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項31】
前記大気圏再突入ビークルの中心線に平行な横断面において、前記膨張キャビティの幅が下流方向に連続的に増加する、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項32】
前記大気圏再突入ビークルの中心線に平行な横断面において、前記外側膨張面が湾曲した輪郭を有する、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項33】
前記推進エンジンの宇宙空間での作動中に、前記外側膨張面が、前記推進エンジンによって生成されたガスの流れを捕捉し、前記流れを前記大気圏再突入ビークルの中心線に平行な方向に転向させて推力を生成するように、前記外側膨張面の輪郭が湾曲している、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項34】
前記ベースが、前記ノズル出口の内側にある第1ベース部分と、前記ノズル出口の外側にある第2ベース部分と、を含み、
前記大気圏再突入ビークルが、前記ベースから前記ノーズに向かって延びている側壁をさらに含み、
前記第2ベース部分が前記ノズル出口と前記側壁との間に延びる、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項35】
前記二次ノズル部分の前記外側膨張面が、前記側壁に対して位置的に固定されたままである、請求項34に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項36】
前記ベースが、前記ノズル出口の内側にある第1ベース部分と、前記ノズル出口の外側にある第2ベース部分と、を含み、
前記ベースが、前記第1ベース部分と前記第2ベース部分とによって規定されたドーム形状を有する、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項37】
前記推進エンジンが、前記大気圏再突入ビークルのノーズファースト飛行時には推進推力を提供し、前記大気圏再突入ビークルのベースファースト飛行時には、逆推進推力を提供する、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項38】
前記推進エンジンが、前記大気圏再突入ビークルの大気中着陸時に、高圧ガスのジェットが前記高圧室から排出されて前記二次ノズル部分の前記内側膨張面に沿って膨張し、前記ジェットが前記二次ノズル部分の前記外側膨張面と相互作用しないように構成されていることを特徴とする、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項39】
前記推進エンジンが、前記大気圏再突入ビークルの宇宙空間飛行中に、高圧ガスのジェットが前記高圧室から排出されて前記二次ノズル部分の前記内側膨張面及び前記外側膨張面に沿って膨張し、前記大気圏再突入ビークルの中心線に平行な方向に推力を発生するように構成されている、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項40】
前記推進エンジンが、前記大気圏再突入ビークルの大気中着陸時に、高圧ガスのジェットが前記高圧室から排出されて前記二次ノズル部分の前記内側膨張面に沿って膨張し、前記ジェットが前記二次ノズル部分の前記外側膨張面と相互作用しないように構成されており、かつ
前記推進エンジンが、前記大気圏再突入ビークルの宇宙空間飛行中に、高圧ガスのジェットが前記高圧室から排出されて前記二次ノズル部分の前記内側膨張面及び前記外側膨張面に沿って膨張し、前記大気圏再突入ビークルの中心線に平行な方向に推力を発生するように構成されている、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項41】
前記エアロスパイクノズルが環状エアロスパイクノズルである、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項42】
前記エアロスパイクノズルが直線状エアロスパイクノズルである、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項43】
前記大気圏再突入ビークルが多段式ロケットの上段ロケットである、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。
【請求項44】
前記大気圏再突入ビークルが宇宙船である、請求項22に記載の大気圏再突入ビークル。