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特開2024-123116再生不良性貧血を治療するための医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123116
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】再生不良性貧血を治療するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/16 20060101AFI20240903BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20240903BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20240903BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20240903BHJP
【FI】
A61K38/16 ZNA
A61P7/06
A61K38/16
C07K16/00
C07K19/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098449
(22)【出願日】2024-06-19
(62)【分割の表示】P 2020552613の分割
【原出願日】2019-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2018202097
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001029
【氏名又は名称】協和キリン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(72)【発明者】
【氏名】辻 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】児玉 みやこ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロミプロスチムを用いた再生不良性貧血の効果的な治療のための医薬組成物を提供する。
【解決手段】ロミプロスチムを有効成分とする再生不良性貧血治療用の医薬組成物であって、週1回皮下投与され、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週目以降はロミプロスチムとして10μg/kg/週よりも多く最大20μg/kg/週で投与されることを特徴とする、医薬組成物である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロミプロスチムを有効成分とする再生不良性貧血治療用の医薬組成物であって、週1回皮下投与され、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週目以降はロミプロスチムとして10μg/kg/週よりも多く最大20μg/kg/週で投与されることを特徴とする、医薬組成物。
【請求項2】
投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
5週から8週はロミプロスチムとして15μg/kg/週で投与され、9週以降はロミプロスチムとして最大20μg/kg/週で投与され、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
5週から8週はロミプロスチムとして15μg/kg/週で投与され、9週から12週はロミプロスチムとして20μg/kg/週で投与され、13週以降はロミプロスチムとして5~20μg/kg/週で投与され、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
5週以降はロミプロスチムとして15または20μg/kg/週で投与され、投与量の変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
5週目以降の増量幅がロミプロスチムとして5μg/kgであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
ロミプロスチムを有効成分とする再生不良性貧血治療用の医薬組成物であって、週1回皮下投与され、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週目以降の増量幅がロミプロスチムとして5μg/kgであることを特徴とする、医薬組成物。
【請求項8】
投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2018-202097号(2018年10月26日出願)の明細書に記載された内容を包含する。
[技術分野]
本発明はロミプロスチムを有効成分とする再生不良性貧血の治療用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
再生不良性貧血(Aplastic Anemia, AA)は、末梢血中のすべての血球の減少(汎血球減少)と骨髄の細胞密度の低下(低形成)を特徴とする疾患である。AAの自覚症状としては、労作時の息切れ、動悸、めまい等の貧血症状、感染による発熱並びに皮下出血斑、歯肉出血、鼻出血等の出血傾向が認められる。他覚所見としては、顔面蒼白、貧血様の眼瞼結膜、皮下出血、歯肉出血等が認められる。AAは、骨髄異形成症候群(MDS)又は急性骨髄性白血病(AML)への移行、出血傾向又は感染症が原因で死に至ることがある。日本では、1972年に厚生労働省により指定難病に指定されている。
【0003】
AAの治療には、血小板や赤血球の輸血、顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)等の造血因子の投与といった支持療法と、造血機能の回復を目指した治療として、免疫抑制療法、蛋白同化ステロイド療法、造血幹細胞移植がある。AAは重症度によって予後や治療方針が大きく異なるため、重症度別に治療指針が示されている。
【0004】
日本の治療指針では、ステージ1~2a(軽症~輸血不要の中等症)のAA患者(血小板数100000/μL 以上、貧血及び好中球数減少のみを認める患者は除く)に対しては、シクロスポリン(Cyclosporin A; CsA)での治療を開始し、その効果を検討することを推奨している。シクロスポリンでの治療反応は遅くとも8週以内に現れることから、治療後8週以内に血小板数又は網赤血球数の上昇が認められなかった場合には、血球減少の進行の有無、輸血の必要性、自覚症状の有無等により、抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン(ATG)やエルトロンボパグ(Eltrombopag: EPAG)の併用等、それぞれに適した治療法を選択することになる。
【0005】
ステージ2b~5(輸血を必要とする中等症~最重症)のAA患者では、40歳未満でHLA適合同胞ドナーがいる患者では造血幹細胞移植が主な治療法とされている。移植が適応とならない患者及び40歳以上の患者では、主にATG、CsA等の免疫抑制療法による治療が行われ、必要に応じてEPAGの併用が検討される。
【0006】
しかし、造血幹細胞移植では10~20%の患者で移植関連死が発現し、免疫抑制療法では、治療が奏効したにもかかわらず、その長期生存患者の約5~10%が骨髄異形成症候群(MDS)又は急性骨髄性白血病(AML)へ移行する。免疫抑制療法の奏効率は33~57%程度であり、免疫抑制療法不応又は適用とならない患者に対しては、輸血や造血因子の投与を中心とした支持療法により延命が図られる。貧血や血小板減少の程度が強い場合、それに伴う中等症以上の臨床症状を認める場合には輸血が実施されるが、未知の感染症、抗HLA 抗体産生による血小板輸血不応の発現、造血幹細胞移植時の拒絶のリスクを回避するために、輸血は最小限にとどめる必要がある。重症感染症のリスクが高い好中球数500/μL 以下の患者では、G-CSFが投与されるが、その効果は一時的である。
【0007】
免疫抑制療法不応性の重症AA患者にEPAGを併用することによって治療成績が向上することが期待されたが、ATG未治療の日本人AA患者におけるEPAGの臨床試験データでは、EPAGを使用しても奏効が得られない患者が存在している。また、実臨床では、肝障害を有する患者、経口投与製剤のため高齢で服薬コンプライアンスの維持が難しい患者など、EPAGの投与が懸念される患者も想定される。このように、EPAGによる造血機能の回復を目指した薬物療法でも効果が期待できない患者が存在し、安全でより有効性の高い治療法が必要とされている。
【0008】
ロミプロスチムは、内因性トロンボポエチン(TPO)の受容体であるc-Mplに結合し血小板産生を亢進させる血小板造血刺激因子製剤である(特許文献1)。ロミプロスチムは2008年7月に豪州で「成人慢性免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病患者(ITP)における血小板減少症」の治療薬として承認されて以降、60ヵ国以上で承認され、ロミプレート(登録商標)等の販売名で製造販売されている。
【0009】
c-Mplは、巨核球系前駆細胞のみならず、骨髄中のより未分化な造血幹/前駆細胞にも発現しており、TPO はc-Mpl を活性化させることで多系統の血球産生を促進することが示唆されている。そのため、AAに対するロミプロスチムの効果が期待され、成人AA 患者を対象として臨床開発が開始された。2014年より免疫抑制療法不応のAA 患者を対象としたロミプロスチムの第II相臨床(Ph2)試験が開始され(非特許文献1)、2016年には第II/III相臨床(Ph2/3)試験が開始された(非特許文献2)。これらの臨床試験では、ロミプロスチムを週1回皮下投与し、血小板、赤血球、好中球反応、血小板輸血からの離脱などを指標として薬効を検証し、初回投与量は10μg/kgが最も薬効が強いことが明らかとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2000/024770
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Lee et al., “Efficacy and Safety of Romiplostim in Patients with Aplastic Anemia Refractory to Immunosuppressive Therapy: 1-Year Interim Analysis of Phase 2 Clinical Trial” Blood (2016) 128:3910
【非特許文献2】Lee et al., “Hematologic Response to Romiplostim Treatment Is Associated with Stimulation of Primitive Stem/Progenitor Cells and Stromal Cells in Patients with Aplastic Anemia Refractory to Immunosuppressive Therapy: A 2-Year Interim Exploratory Analysis of a Phase 2 Clinical Trial” Blood (2017) 130:1167
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、ロミプロスチムを用いた再生不良性貧血の効果的な治療方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者らは、鋭意検討を行った結果、ロミプロスチムを特定の用法及び用量で投与することにより、再生不良性貧血の治療において、高い有効性および安全性が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明は以下の(1)~(8)に関する。
(1)ロミプロスチムを有効成分とする再生不良性貧血治療用の医薬組成物であって、週1回皮下投与され、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週目以降はロミプロスチムとして10μg/kg/週よりも多く最大20μg/kg/週で投与されることを特徴とする、医薬組成物。
(2)投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、(1)に記載の医薬組成物。
(3)5週から8週はロミプロスチムとして15μg/kg/週で投与され、9週以降はロミプロスチムとして最大20μg/kg/週で投与され、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、(1)に記載の医薬組成物。
(4)5週から8週はロミプロスチムとして15μg/kg/週で投与され、9週から12週はロミプロスチムとして20μg/kg/週で投与され、13週以降はロミプロスチムとして5~20μg/kg/週で投与され、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、(1)に記載の医薬組成物。
(5)5週以降はロミプロスチムとして15または20μg/kg/週で投与され、投与量の変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、(1)に記載の医薬組成物。
(6)5週目以降の増量幅がロミプロスチムとして5μg/kgであることを特徴とする、(1)~(4)のいずれかに記載の医薬組成物。
(7)ロミプロスチムを有効成分とする再生不良性貧血治療用の医薬組成物であって、週1回皮下投与され、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週目以降の増量幅がロミプロスチムとして5μg/kgであることを特徴とする、医薬組成物。
(8)投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続することを特徴とする、(7)に記載の医薬組成物。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、免疫抑制剤が奏功しない再生不良性貧血患者におけるロミプロスチムの治療において、高い薬効を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、Ph2とPh2/3 における血小板数の推移を示す。グラフ中、下の淡色の線はPh2(KR001)試験 10μg/kg開始群(N=10)、上の濃色の線はPh2/3(531-002)試験 全例(N=31)の平均値を示す。エラーバーは標準偏差を示す。横軸は投与開始からの週数、縦軸は血小板数を示す。
図2図2は、Ph2とPh2/3 におけるヘモグロビン値の推移を示す。グラフ中、下の淡色の線はPh2(KR001)試験 10μg/kg開始群(N=10)、上の濃色の線はPh2/3(531-002)試験 全例(N=31)の平均値を示す。エラーバーは標準偏差を示す。横軸は投与開始からの週数、縦軸はヘモグロビン値を示す。
図3図3は、Ph2とPh2/3 における好中球の値の推移を示す。グラフ中、下の淡色の線はPh2(KR001)試験 10μg/kg開始群(N=10)、上の濃色の線はPh2/3(531-002)試験 全例(N=31)の平均値を示す。エラーバーは標準偏差を示す。横軸は投与開始からの週数、縦軸は好中球数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
「ロミプロスチム」
ロミプロスチムは、分子量約59 kDaの遺伝子組換え融合タンパク質であり、269個のアミノ酸残基(配列番号1)からなるサブユニット2分子から構成される2量体である。単量体の269個のアミノ酸のうち2~228番目はヒトIgG1のFc領域、また229~269番目はヒトトロンボポエチン受容体(c-Mpl)結合配列を含むペプチドからなる。ロミプロスチムは、c-Mpl 結合領域2 ヵ所を含むペプチド鎖とヒトIgG1 のFc 領域のC-末端が結合した一本鎖がジスルフィド結合し、二量体を形成している。
【化1】
C2634H4086N722O790S18
Mw:59085
【0018】
ロミプロスチムは、血小板生成活性および/または巨核球生成活性を有する。ロミプロスチムは、内因性トロンボポエチン(TPO)の受容体であるc-Mplに結合し血小板産生を亢進させることで、血小板造血刺激因子製剤として作用する。TPOは、ヒトの巨核球・血小板造血刺激因子であり、1994年に遺伝子クローニングされた。ロミプロスチムは、c-Mpl に結合し活性化させることで、骨髄前駆細胞から巨核球に至る過程における細胞の増殖及び分化を促進し、結果として血小板(以下、PLTとも表記する)を増加させると考えられている。
【0019】
本発明において、ロミプロスチムの製造方法は、医薬として許容される限り、特に限定されない。
【0020】
「再生不良性貧血」
再生不良性貧血(Aplastic Anemia, AA)は、末梢血中のすべての血球の減少(汎血球減少)と骨髄の細胞密度の低下(低形成)を特徴とする疾患である。実際には、同様な特徴を有する、概念がより明確な他の疾患を除外することによりAAと診断されるが、病気の本態は「骨髄毒性を示す薬剤の影響がないにもかかわらず、造血幹細胞が持続的に減少した状態」といえる。
【0021】
AAの診断には、臨床所見として貧血、出血傾向、ときに発熱を認め、ヘモグロビン(Hb)濃度10g/dL未満、好中球1500/μL未満、血小板100000/μL未満の3項目のうち少なくとも2つを満たすことが必要である。更に、血球減少、骨髄低形成及び他の汎血球減少の原因となる疾患が否定できる場合にはAAと診断されるが、MDSとの鑑別が困難な場合がある。
【0022】
AAは、成因によって先天性と後天性に分けられる。先天性のうち最も頻度が高いのはFanconi貧血であり、常染色体劣性の遺伝性疾患で、骨髄低形成に加えて骨格系の奇形、低身長、性腺機能不全等の奇形を特徴とする。また、後天性のAAには特発性(一次性)、様々な薬剤や放射線被曝・ベンゼン等の化学物質による二次性、及び肝炎後の発症や発作性夜間ヘモグロビン尿症に伴う特殊型がある。後天性のAAのうち、日本国内では大部分が特発性(一次性)とされている。
【0023】
AAの治療には、血小板や赤血球の輸血、G-CSF等の造血因子の投与といった支持療法と、造血機能の回復を目指した治療としての免疫抑制療法、蛋白同化ステロイド療法、造血幹細胞移植がある。AAは重症度によって予後や治療方針が大きく異なるため、重症度別に治療指針が示されている。前述のとおり、ステージ1~2a(軽症~輸血不要の中等症)のAA患者に対してはCsAでの治療が推奨され、適宜ATG やEPAGが併用される。ステージ2b~5(輸血を必要とする中等症~最重症)のAA患者では、造血幹細胞移植か、免疫抑制療法あるいは免疫抑制療法とEPAGの併用が検討される。免疫抑制療法不応又は適用とならない患者に対しては、輸血や造血因子を中心とした支持療法が採用される。
【0024】
「本発明の医薬組成物」
本発明にかかる「ロミプロスチムを有効成分とする再生不良性貧血治療用の医薬組成物」(以下、「本発明の医薬組成物」という)は、静注(経静脈投与または静脈注射とも称する)または点滴静注(点滴静脈注射または点滴とも称する)により、AA患者に皮下投与(皮下注射)される。
【0025】
本発明の医薬組成物は、薬理学的に許容される一つまたはそれ以上の担体、添加剤若しくはpH調整剤等を含む。添加剤としては、例えば、等張化剤、緩衝剤、溶解補助剤および防腐剤等が挙げられる。
【0026】
等張化剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、果糖、グルコースおよびD-マンニトールが挙げられる。
【0027】
緩衝剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム水和物を含む組成物が挙げられる。
【0028】
溶解補助剤としては、例えば、エタノール、エチレンジアミン、カプリン酸、L-グルタミン酸、L-リジン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、セスキオレイン酸ソルビタン、D-ソルビトール、ニコチン酸アミド、プロピレングリコール、ポリソルベート80およびラウロマクロゴール(9E.O.)等が挙げられる。
【0029】
防腐剤としては、例えば、フェノール、エデト酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、クロロクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチルおよびパラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。
【0030】
pH調整剤としては、例えば、塩酸、希塩酸、グリシン、コハク酸、リン酸、リン酸塩、酢酸、酒石酸およびメグルミン等が挙げられる。
【0031】
本発明の医薬組成物の形態は、特に限定されず、皮下投与用にあらかじめ調製された形態でも、使用時に希釈あるいは凍結乾燥したロミプロスチムを水等の注射用溶媒に溶解して調製される形態でもよい。
【0032】
本発明の医薬組成物は、ガラス容器およびプラスチック容器等に充填して提供される。容器の形状は、特に限定されず、例えば、バイアル、シリンジ、バッグおよびボトル等が挙げられる。
【0033】
本発明の医薬組成物の好ましい一例として、ロミプロスチムを薬理学的に許容し得る添加物とともに常法に従って凍結乾燥することによって得られる粉末状の製剤を挙げることができる。そのような医薬組成物の具体例として、ロミプレート(登録商標)を挙げることができる。ロミプレート(登録商標)は、ロミプロスチムの凍結乾燥物に、添加物としてD-マンニトール、精製白糖、L-ヒスチジン、ポリソルベート20、希塩酸を含み、投与前に注射用水に適宜溶解して使用される。
【0034】
「本発明の医薬組成物の用法・用量」
本発明の医薬組成物は、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週の固定用量で週1回皮下投与され、5週目以降は患者の症状に応じて適宜増減される。
【0035】
第1の実施形態において、本発明の医薬組成物は、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週目以降はロミプロスチムとして10μg/kg/週よりも多く最大20μg/kg/週で投与される。
【0036】
第2の実施形態において、本発明の医薬組成物は、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週から8週はロミプロスチムとして15μg/kg/週で投与され、9週以降はロミプロスチムとして最大20μg/kg/週で投与され、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続する。
【0037】
第3の実施態様において、本発明の医薬組成物は、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週から8週はロミプロスチムとして15μg/kg/週で投与され、9週から12週はロミプロスチムとして20μg/kg/週で投与され、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続する。
【0038】
第4の実施態様において、本発明の医薬組成物は、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週以降はロミプロスチムとして15または20μg/kg/週で投与され、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続する。
【0039】
第5の実施態様において、本発明の医薬組成物は、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週目以降の増量幅がロミプロスチムとして5μg/kg/週で投与される。好ましくは、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続する。
【0040】
好ましくは、投与量変更後4週間以上は同じ投与量を継続する。
【0041】
好ましくは、5週目以降の増量幅はロミプロスチムとして5μg/kg/週である。
【0042】
本発明の医薬組成物は、安全な投与のために、使用開始時及び用量調節時には血小板数を、好ましくは週に1回、測定する。用量が維持されている場合でも、4週に1回を目安に血小板数を測定することが好ましい。
【0043】
1回あたりの投与量は、ロミプロスチムとして5μg/kgを超えない範囲で適宜増減することができる。投与量の増量は、例えば、同一用量を4週間連続投与しても血小板反応(血小板数が20,000/μL 以上増加したとき、又は血小板数が10,000/μL 以上でありベースラインから100%以上増加したとき、又は8週間連続して血小板輸血非依存)が認められず、安全性に問題がないと判断される場合に行う。
【0044】
用量の調整においては、下表を参照のうえ、治療上必要最小限の用量とすることが好ましい。
【0045】
【表1】
【0046】
本発明の医薬組成物は、血球系統の改善(例えば、輸血非依存下で血小板数50,000/μL超、輸血非依存下でのヘモグロビン濃度が10g/dL超、かつ、好中球数1,000/μL超)が8週間以上持続した場合には、ロミプロスチムとして5μg/kgを超えない範囲で減量することが好ましい。例えば、減量後の投与量で4週間3血球系統の改善を維持した場合は、更にロミプロスチムとして5μg/kgを超えない範囲で減量し、以降4週ごとに減量を考慮する。また、投与量がロミプロスチムとして5μg/kgを下回った状態で3血球系統の改善を4週間維持した場合には休薬することが好ましい。休薬中に3血球のいずれかに悪化が認められた場合には、休薬前の投与量で再開できる。最高投与量として20μg/kg/週を8週間連続投与しても、血小板反応が認められない場合は、投与を中止するなど、適切な処置を行う。
【0047】
本発明にかかる用法・用量は、用量固定期が短く(早期に増量が可能)、増量幅が大きく(一気に増量可能)、最大投与量への到達が早期に実現できる。本発明の用法・用量にしたがってロミプロスチムを投与することにより、高い薬効(血小板、ヘモグロビン値、および/または好中球の値の上昇、もしくは3血球反応)が得られ、その効果は最大投与量到達後も継続する。それゆえ、本発明によれば、免疫抑制療法に不応又は免疫抑制療法が適用とならないAA患者においても、優れた改善効果が達成される。
【実施例0048】
以下の実施例により、本発明を具体的に説明するが、実施例は本発明の単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例ではロミプロスチム製剤としてロミプレート(登録商標)を使用したが、これはロミプロスチムを有効成分として含む医薬組成物の1例である。
【実施例0049】
第II相臨床(Ph2)試験
免疫抑制療法に不応である再生不良性貧血の患者(以降、被験者とも言う)を対象に、以下のプロトコルにしたがって、ランダム化オープンラベル並行群間比較用量設定試験(Ph2試験)を実施した。
【0050】
投与期間
・用量固定期(初期用量評価期):Week 1~8
ロミプロスチムは1 μg/kg、3 μg/kg、6 μg/kg、10 μg/kgのいずれかの用量で週1回、8週投与した。
以下3)の休薬クライテリアを満たす場合を除いて、この期間には初回投与量を維持し、用量調整は行わなかった。

・継続投与期:Week 9~52
継続投与期の開始用量は、用量固定期(初期用量評価期)の有効性及び安全性データをもとに患者ごとに決定した。Week 9で血小板反応が得られていない場合には、投与量の調整表(継続投与期)に基づいて、一段階用量を増量した。血小板輸血により血小板測定ができなかった場合には、その週は血小板反応が認められなかったものと見なした。
【0051】
用法・用量の調整方法(Week9~52)
1)用量の増量
継続投与期には投与量の調整表(継続投与期)を参考に、1段階増量してもよいこととした。増量後、ロミプロスチムを4週間投与しても血小板反応が得られない場合には、最高用量を20 μg/kgとして、更に1段階ずつ増量してもよいこととした。4週間継続して同用量を投与した後、増量する必要性およびタイミングは、患者ごとの安全性と薬効データに基づいて医師が決定した。
2)用量の調整
患者に血小板反応が認められた場合、患者ごとに有効性及び安全性データを参照し、血小板反応が維持できるように医師の判断で、「投与量の調整表(継続投与期)」(表2)に従って用量を1段階増ずつ増量もしくは減量し、適切な用量に調整した。最高用量は20 μg/kgとした。
【0052】
【表2】
【0053】
3)休薬及び再開のクライテリア
血小板数が400×109/Lを超えている場合、休薬した。血小板数が200×109/Lを下回った場合、投与量の調整表(表2)に従い、休薬前の用量より1段階減量した用量で投与を再開した。その用量において血小板数が50×109/L以下になった場合、投与量を休薬した時の用量にした。
【0054】
血小板数が200×109/Lを超えている場合、投与量の調整表(表2)に従い、1段階減量した。休薬時の用量が1μg/kgだった場合、投与再開時の用量は1μg/kgとした。
上記以外の理由でも、安全性の懸念が生じた場合、医師はいつでも用量を減量することができることとした。
【0055】
3血球反応のクライテリア
主要評価項目はWeek 9 に血小板反応を示した被験者の割合とし、主な副次的評価項目は、血小板反応を示した被験者の割合、血小板反応を示すまでの期間、血小板輸血から離脱した被験者の割合、赤血球反応及び/又は好中球反応を示した被験者の割合と設定した。なお、これらの評価指標は次のように定義した。
3血球反応を示す、または3血球反応陽性とは、血小板、赤血球、好中球の全てにおいて反応を示したことを言う。
【0056】
評価指標の定義
◆血小板反応:以下のいずれかに該当したとき
・血小板数がベースライン(ロミプロスチム投与開始前の値)より20×109/L 以上増加
・血小板数が10×109/L 以上であり、かつベースラインから100%以上増加
ただし、血小板輸血後7 日以内の被験者の評価結果は「反応なし」とした。
【0057】
◆赤血球反応:以下のいずれかに該当したとき
・ロミプロスチム投与前にヘモグロビン濃度が9.0 g/dL 未満の被験者で、ヘモグロビン濃度が赤血球輸血なしでベースラインより1.5 g/dL以上増加
・ロミプロスチム投与前8 週間の赤血球輸血量と比べて輸血量が8週間継続して4単位以上減少
ただし、赤血球輸血後28 日以内の被験者の評価結果は「反応なし」とした。
【0058】
◆好中球反応:以下のいずれかに該当したとき
・ロミプロスチム投与前の好中球数が0.5×109/L未満の被験者で、好中球数がベースラインより100%以上増加
・ロミプロスチム投与前の好中球数が1.0×109/L未満の被験者で、好中球数がベースラインより0.5×109/L以上増加
ただし、G-CSF投与後7日以内の被験者の評価結果は「反応なし」とした。
【0059】
◆輸血からの離脱
ロミプロスチム投与前8 週間に前治療として血小板輸血又は赤血球輸血を実施した被験者において、8 週以上連続して血小板輸血又は赤血球輸血を実施しなかったとき
【0060】
結果
Ph2試験の結果を、実施例2のPh2/3試験の結果と合わせて、表4および図1図3に示す。
【0061】
1、3、6、10 μg/kgのいずれかの用量で週1回皮下投与を開始し、Week 8 までの用量固定期(初期用量評価期)では用量調整(増量又は減量)は認めなかった。有効性の主要評価項目とした Week 9 に血小板反応を示した被験者の割合は、投与量の増加に伴って上昇し、1及び 3 μg/kg群で0%、6 μg/kg群で33.3%、10 μg/kg群で70.0%であった。また、初期用量評価期に赤血球反応及び/又は好中球反応を示した被験者の割合も投与量の増加に伴って上昇し、1 μg/kg群で14.3%、3 μg/kg群で57.1%、6 μg/kg群で55.6%、10 μg/kg群で70.0% であった。以上の結果から、初期用量評価期で顕著な血小板反応、赤血球反応及び/又は好中 球反応を示すことが明らかになった 10 μg/kgを後述する第II/III相臨床(Ph2/3)試験の治療開始用量とすることとした。
【実施例0062】
第II/III相臨床(Ph2/3)試験
免疫抑制療法に不応又は免疫抑制療法が適用とならない再生不良性貧血の患者を対象として、以下のプロトコルに従い、国際共同非盲検個体内用量調整第II/III相臨床試験を実施した。
【0063】
投与期間(Week 1~52)
以下に従い、ロミプロスチムを週1回、皮下投与する。
・用量固定期(Week 1~4)
投与開始時の用量は10 μg/kgとし、Week 1~4の間は固定用量とする。
・継続投与期(Week 5~52)
Week 5以降は以下の用量調整方法に従って用量を調整してもよい。
【0064】
用量調整方法
1)用量の増量
4週間連続して血小板反応が認められない場合は、用量の調整表(表3)に従い、用量を1段階ずつ増量した。ただし、血小板反応が認められない場合でも、有害事象の発現又は悪化等が懸念される場合には、医師の判断で、治験薬の用量を維持してもよいこととした。
また、血小板反応が認められた場合でも、医師が必要と判断した場合、4週間ごとに1段階ずつ用量を増量してもよいこととした。
【0065】
【表3】
【0066】
2)用量の減量及び休薬
投与量が10~20 μg/kg のとき、同じ用量を8 週間以上連続して投与しており、その期間中に8週間にわたって以下の3血球の値をすべて維持し、かつ輸血を受けていない場合、用量の調整表(表3)に従って1段階減量した。更に、減量後の用量を4週間連続して投与し、その期間中以下の3血球の値をすべて維持し、かつ輸血を受けていない場合、用量の調整表(表3)に従って更に1 段階減量した。
また、投与量が5 μg/kg のとき、同じ用量を4週間以上連続して投与しており、その期間中に4 週間にわたって以下の3血球の値をすべて満たし、かつ輸血を受けていない場合、ロミプロスチムを休薬した。
ただし、延長投与期間では、医師が減量又は休薬により以下の3血球の値を維持できないと判断した場合、減量又は休薬を延期してもよいこととした。
・血小板数:>50×109/L
・ヘモグロビン濃度:>10.0 g/dL
・好中球数:>1×109/L
【0067】
3)再増量及び投与再開の基準
漸減中に、血小板数、ヘモグロビン濃度又は好中球数が以下の値のいずれかとなった場合、漸減を中断し、用量の調整表(表3)に従って1 段階増量した。休薬中に、血小板数、ヘモグロビン濃度又は好中球数が以下の値のいずれかとなった場合、5 μg/kgで投与を再開した。
・血小板数:<30×109/L
・ヘモグロビン濃度:<9.0 g/dL
・好中球数:<0.5×109/L
【0068】
4)用量維持の基準
漸減中に、漸減又は再増量の基準を満たさなかった場合は用量を維持して、投与を継続した。
【0069】
3血球反応のクライテリア
◆血小板反応:以下のいずれかを満たしたとき
・血小板がベースラインと比べて20×109/L 以上増加
・血小板が10×109/L 以上であり、かつベースラインから100%以上増加
・初回投与前8 週間に前治療として血小板輸血を実施していた被験者で、8 週間連続して血小板輸血を未実施
【0070】
◆赤血球反応:以下のいずれかを満たしたとき
・ベースラインのヘモグロビン濃度が9.0 g/dL 未満の被験者で、ヘモグロビン濃度が赤血球輸血なしで1.5 g/dL 以上増加
・初回投与前8 週間に前治療として赤血球輸血を実施していた被験者で、8 週間連続した期間に累積で輸血量が800 mL 以上減少
【0071】
◆好中球反応:以下のいずれかを満たしたとき
・ベースラインの好中球数が0.5×109/L 未満の被験者で、好中球数がベースラインより100%以上増加したとき
・ベースラインの好中球数が1×109/L 未満の被験者で、好中球数がベースラインより0.5×109/L以上増加
3血球反応を示す、または3血球反応陽性とは、血小板、赤血球、好中球の全てにおいて反応を示したことを言う。
【0072】
◆輸血からの離脱
ロミプロスチム投与前8週間に前治療として血小板輸血又は赤血球輸血を実施した患者において、8週以上連続して血小板輸血又は赤血球輸血を実施しなかったとき
【0073】
結果
Ph2/3試験の結果を、実施例1のPh2試験の結果と合わせて、表4および図1図3に示す。
【0074】
【表4】
【0075】
Week 27 時点に血液学的反応(血小板反応、赤血球 反応及び好中球反応のいずれか)を示した被験者の割合は、全体で83.9%だった。本試験の結果より、ATGを含む免疫抑制療法に不応又は免疫抑制療法が適用とならないAA患者に、ロミプロスチム10 μg/kgで週1回皮下投与を開始し、その後は、血小板反応及び血小板数と有害事象を指標に、ロミプロスチムの用量を5~20 μg/kg で適宜調整することによって、顕著な血液学的反応(血小板反応、赤血球反応及び/又は好中球反応)が得られることが明らかとなった。
【0076】
考察
Ph2/3試験では、Ph2試験と比べて用量の増量幅が大きく(5μg/kg vs. 3~4μg/kg)、初回投与量固定期間が短い(4週vs. 8週)。また、最大投与量20μg/kgに至るまでの期間も短い(最短で9週 vs. 17週)。
【0077】
3血球反応陽性の患者の割合は、Week27及びWeek53いずれにおいてもPh2/3試験(全例31名)の方が、Ph2試験における初回投与量10μg/kg開始群10名(以降、Ph2(10μg/kg群)とも言う)よりも高く、更にWeek 27からWeek 53にかけて増加した。Ph2とPh2/3における薬効差は、用量固定期の期間および用量調整方法の差異に基づくと考えられる。Ph2/3試験の投与方法に従い、投与開始の10μg/kgから短期間で20μg/kgまで増量することで既知の投与方法と比較して、強い薬効を示し、更に1年後においてもその薬効が維持されることが明らかになった。また、Ph2(10μg/kg群)が20μg/kg投与可能となった17週以降も、Ph2/3群との薬効差は長く認められた。図1図3の血小板、ヘモグロビン値、好中球の値の推移をみると、血小板数(図1)、ヘモグロビン値(図2)、好中球数(図3)のいずれにおいても、Week 53まで継続してPh2/3群の方がPh2(10μg/kg群)よりも高かった。
【0078】
Ph2/3試験の用法・用量にしたがい、用量固定期(10μg/kg)を4週間とし、その後5μg/kg/週の増量幅で調整を行うことにより、最大投与量への到達が早期に実現できる。この用法・用量によれば、高い薬効(血小板、ヘモグロビン値、好中球の値の上昇)を達成でき、その効果は最大投与量到達後も継続した。その結果、免疫抑制療法に不応又は免疫抑制療法が適用とならないAA患者においても、優れた改善効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によれば、ロミプロスチムによる再生不良性貧血の治療において、高い薬効を達成することができ、免疫抑制療法など従来の治療方法では十分な効果が得られなかった再生不良性貧血患者にも有効な治療が提供できる。
【0080】
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
【配列表フリーテキスト】
【0081】
配列番号1:トロンボポエチン融合タンパクアナログ
図1
図2
図3
【配列表】
2024123116000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロミプロスチムを有効成分とする再生不良性貧血治療用の医薬組成物であって、週1回皮下投与され、投与開始から4週間はロミプロスチムとして10μg/kg/週で投与され、5週目以降はロミプロスチムとして10μg/kg/週よりも多く最大20μg/kg/週で投与されることを特徴とする、医薬組成物。