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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123160
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】有機電界発光表示装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/842 20230101AFI20240903BHJP
   H10K 50/19 20230101ALI20240903BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240903BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240903BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20240903BHJP
   H10K 50/822 20230101ALI20240903BHJP
   H10K 50/15 20230101ALI20240903BHJP
   H10K 50/16 20230101ALI20240903BHJP
   H10K 50/17 20230101ALI20240903BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H10K50/842 428
H10K50/19
H10K59/122
H10K59/35
H10K59/95
H10K50/822
H10K50/15
H10K50/16
H10K50/17 171
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
H10K50/17
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024100278
(22)【出願日】2024-06-21
(62)【分割の表示】P 2022193198の分割
【原出願日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0191084
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】パク ジェミョン
(72)【発明者】
【氏名】イ ホジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヘウォン
(57)【要約】
【課題】表示装置において、側面漏れ電流の防止を図る。
【解決手段】本発明は、第1基板と、第1基板上に形成され、複数のR(赤)、G(緑)、B(青)サブ画素を区画するバンク層と、各々のサブ画素に配置された薄膜トランジスタと、各々のサブ画素に配置された有機発光素子と、バンク層上における前記Rサブ画素の周辺に配置された複数のスペーサとで構成され、有機発光素子は、各々のサブ画素に配置されたアノード電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、カソード電極を含み、スペーサは逆テーパー状に形成され、正孔輸送層および電子輸送層は、スペーサの側面および上面を介して隣接するサブ画素に延伸し、カソード電極は、逆テーパー状の側面により断線することを特徴とする表示装置が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を含む基板であって、前記複数の画素の各々は、第1サブ画素、第2サブ画素および第3サブ画素を備える、基板と、
前記第1サブ画素、前記第2サブ画素および前記第3サブ画素の各々に配置された第1電極と、
前記第1電極上に配置され、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素および前記第3サブ画素を区画するバンク層と、
前記バンク層上に配置されるとともに、前記第1サブ画素と前記第2サブ画素との間に配置される少なくとも1つのスペーサと、
前記第1電極および前記少なくとも1つのスペーサ上に配置され、少なくとも2つのスタックと、前記スタックの間に配置される電荷生成層とを含む、有機スタックと、
前記有機スタック上に配置される第2電極とを備え、
前記第1サブ画素と前記第2サブ画素との間の電流経路の長さは、前記第1サブ画素と前記第2サブ画素との間の距離と異なることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのスペーサは、逆テーパー状であることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1サブ画素は、赤色サブ画素であり、前記第2サブ画素は、緑色サブ画素であることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2電極は、前記スペーサの側面で断線することを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1サブ画素と前記第2サブ画素との間に開口部が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2電極は、前記開口部の側面で断線することを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記有機スタックは、第1スタックと、第2スタックと、前記第1スタックの発光物質層および前記第2スタックの発光物質層の間に配置される前記電荷生成層とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記電荷生成層は、互いに積層するN型電荷生成層とP型電荷生成層とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1サブ画素、前記第2サブ画素および前記第3サブ画素は、それぞれ赤色サブ画素、緑色サブ画素および青色サブ画素であり、
前記第1スタックは、それぞれが前記赤色サブ画素、前記緑色サブ画素および前記青色サブ画素に配置される第1赤色発光物質層、第1緑色発光物質層および第1青色発光物質層を備え、
前記第2スタックは、それぞれが前記赤色サブ画素、前記緑色サブ画素および前記青色サブ画素に配置される第2赤色発光物質層、第2緑色発光物質層および第2青色発光物質層を備えることを特徴とする、請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1スタックおよび前記第2スタックは、それぞれ正孔輸送層および電子輸送層を含み、
前記正孔輸送層および前記電子輸送層は、前記少なくとも1つのスペーサの側面および上面を通って、前記第1サブ画素および前記第2サブ画素に延伸し、
前記第2電極は、前記少なくとも1つのスペーサの前記側面上には配置されないことを特徴とする、請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスペーサは、前記赤色サブ画素の周辺において、互いに離隔する複数のスペーサを備え、前記赤色サブ画素を囲うことを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのスペーサの各々は、互いに離隔する複数のサブスペーサを含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのスペーサは、前記バンク層とは異なる物質を含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのスペーサは、前記バンク層と同じ物質を含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記開口部は、前記第1サブ画素を囲う閉曲線形状を有することを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項16】
前記正孔輸送層、前記電子輸送層および前記第2電極は、前記第1サブ画素と前記第2サブ画素との間の開口部に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の表示装置。
【請求項17】
前記開口部の側壁は、逆テーパー状であることを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項18】
前記正孔輸送層および前記電子輸送層は、前記開口部の側面および底面に配置され、前記第2電極は、前記開口部の側壁上に配置されないことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1スタックは、正孔注入層を備え、前記第2スタックは、電子注入層を備え、
前記正孔注入層は、前記第1電極と前記第1スタックの前記正孔輸送層との間に配置され、前記電子注入層は、前記第2スタックの前記電子輸送層と前記第2電極との間に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第2電極は、隣接する前記バンク層の間に配置される前記電子輸送層の上に配置され、前記電子輸送層は、前記バンク層の上面を覆い、前記電子輸送層は、前記スペーサの前記上面を覆うことを特徴とする、請求項10に記載の表示装置。
【請求項21】
前記開口部は、前記少なくとも1つのスペーサの各々のサブスペーサと離隔していることを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項22】
前記第1サブ画素と前記第2サブ画素との間の前記電流経路の前記長さは、前記第1サブ画素と前記第2サブ画素との間の前記距離よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光表示装置に関し、特に側面漏れ電流を防止し、低電位電圧の上昇を防止することができる有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチメディアの発展に伴い、フラットパネル表示装置の重要性が増大してきている。それに応じ、液晶表示装置やプラズマ表示装置、有機電界発光表示装置などのフラットパネル表示装置が常用化されている。かかるフラットパネル表示装置のうち、有機電界発光表示装置は、応答速度が速く、輝度が高くて視野角に優れていることから、多く使われている。
【0003】
ところが、かかる有機電界発光表示装置は、側面漏れ電流が発生し、低電位電圧が上昇して、駆動電圧および消費電力が増加し、輝度が不均一になる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述した問題を解決するためのものであって、側面漏れ電流を最小化することができ、低電位電圧の上昇を防止することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した目的を達成するため、本発明に係る表示装置は、第1基板と、前記第1基板上に形成され、複数のR(赤)、G(緑)、B(青)サブ画素を区画するバンク層と、各々のサブ画素に配置された薄膜トランジスタと、各々のサブ画素に配置された有機発光素子と、前記バンク層上における前記Rサブ画素の周辺に配置された複数のスペーサとで構成され、前記有機発光素子は、各々のサブ画素に配置されたアノード電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、カソード電極を含み、前記スペーサは、逆テーパー状に形成され、前記正孔輸送層および前記電子輸送層は、前記スペーサの側面および上面を介して隣接するサブ画素に延伸し、前記カソード電極は、逆テーパー状の側面により断線することを特徴とする。
【0006】
前記複数のスペーサは、Rサブ画素の周辺において互いに離間して配置され、Rサブ画素を取り囲み、複数のスペーサのそれぞれは、互いに所定の距離で離間した複数個により構成される。
【0007】
スペーサは、前記バンク層と異なる物質で構成してもよく、同じ物質で構成してもよい。
【0008】
Rサブ画素の周辺におけるバンク層は、少なくとも開口部をさらに含み、開口部は、前記Rサブ画素を取り囲む閉曲線形状に形成される。
【0009】
開口部の側壁は逆テーパー状になるように形成され、前記正孔輸送層と前記電子輸送層は、開口部の側壁および底面に形成され、前記カソード電極は前記開口部の側壁により断線する。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、側面漏れ電流に最も影響を受けるRサブ画素の周辺にのみスペーサを形成し、側面漏れ電流による影響が最小限である(あるいは、ほとんどない)Gサブ画素およびBサブ画素にはスペーサを形成しないようにすることで、側面漏れ電流による不良を効果的に防止することができる。
【0011】
また、本発明では、側面漏れ電流に最も影響を受けるサブ画素にのみスペーサを形成するため、スペーサによりVss電流の経路長が増加し、低電位電圧が上昇することを最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施例に係る有機電界発光表示装置を概略的に示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施例に係る有機電界発光表示装置におけるサブ画素の回路図である。
図3】本発明の第1実施例に係る有機電界発光表示装置を概略的に示す平面図である。
図4図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図3のV-V線に沿った断面図である。
図6】Rサブ画素に流入する側面漏れ電流の経路を示す図である。
図7】本発明の第2実施例に係る有機電界発光表示装置を概略的に示す平面図である。
図8図7のVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9図7のIX-IX線に沿った断面図である。
図10】本発明の第3実施例に係る有機電界発光表示装置を示す図であって、図7のVIII-VIII線に沿った断面図である。
図11】本発明の第3実施例に係る有機電界発光表示装置を示す図であって、図7のXI-XI線に沿った断面図である。
図12】本発明の第4実施例に係る有機電界発光表示装置を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、図面とともに詳細に説明する実施例を参照すると明確になるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示する実施例に限定されるものではなく、相違する様々な形に具現化することができる。但し、本実施例は、本発明の開示が完全となるようにして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであって、本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
【0014】
本発明の実施例を説明するための図面に開示した形状や大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであって、本発明がそれに限定されるものではない。明細書全体にわたり、同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。また、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断された場合は、その詳細な説明を省略する。本明細書で「備える」、「含む」、「有する」、「持つ」、「なる」などが記載された場合、「のみ/だけ」がともに記載されていない限り、他の部分を追加することができる。また、構成要素を単数形で記載した場合は、特に明示的な記載がない限り、複数形に解釈することができる。
【0015】
また、構成要素を解釈するに当たり、明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものとする。
【0016】
例えば「上に」、「上部に」、「下部に」、「横に」などで2つの構成要素同士の位置関係を説明する場合、「直」または「直接」と記載されていなければ、1つ以上の他の構成要素が該2つの構成要素間に位置することもできる。
【0017】
また、時間関係の説明において、例えば「後に」、「に続き」、「次に」、「前に」などで時間的な前後関係を説明する場合、「直」または「すぐ」と記載されていなければ、非連続的な場合を含むことができる。
【0018】
また、構成要素を区別するため、「第1」や「第2」などの用語が用いられるが、構成要素は、かかる用語に制限されるものではない。したがって、以下に言及する第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0019】
本発明の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語が用いられることがあるが、かかる用語は、構成要素を区別するために用いられるだけであって、構成要素の本質、順番、順序、個数などを限定するものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、両方の構成要素は直接的に連結、結合、または接続され得るが、各構成要素の間に別の構成要素が介在され、各構成要素が別の構成要素を介して「連結」、「結合」または「接続」されることもあると理解すべきである。
【0020】
本発明における「表示装置」は、表示パネルと、表示パネルを駆動するための駆動部とを含む表示モジュールのような狭い意味での表示装置を含むことができる。また、表示モジュールを備える最終製品であるノートパソコン、テレビジョン、コンピュータモニタ、または自動車用装置や車両の他の形態などを含む電装装置、スマートフォンや電子パッドなどのモバイル電子装置といったセット電子装置、若しくはセット装置も含むことができる。
【0021】
したがって、本発明における表示装置は、表示モジュールのような狭義の表示装置そのもの、および表示モジュールを備える応用製品、または最終製品であるセット装置までを含むことができる。
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る有機電界発光表示装置100を概略的に示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、有機電界発光表示装置100は、映像処理部101、タイミング制御部102、ゲート駆動部103、データ駆動部104、電源供給部106および表示パネルPNLを含んで構成される。
【0025】
映像処理部101は、外部から供給された映像データと共に各種装置を駆動するための複数のタイミング信号を出力する。例えば、映像処理部101から出力される複数のタイミング信号は、データイネーブル信号や垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号などを含むことができる。
【0026】
タイミング制御部102は、映像処理部101に入力された映像データと共に複数のタイミング信号などの供給を受ける。タイミング制御部102は、映像処理部101から入力された複数のタイミング信号に基づき、ゲート駆動部103の動作タイミングを制御するためのゲート制御信号GDCと、データ駆動部104の動作タイミングを制御するためのデータ制御信号DDCとを生成し、出力する。
【0027】
ゲート駆動部103は、タイミング制御部102から供給されたゲート制御信号GDCに応じ、スキャン信号を表示パネルPNLへ出力する。ゲート駆動部103は、複数のゲートラインGL1~GLmを介し、スキャン信号を出力する。このとき、ゲート駆動部103は、IC(Integrated Circuit)形態に形成することができるが、これに限定されるものではない。特に、ゲート駆動部103は、有機電界発光表示装置100の内部の基板上に薄膜トランジスタを直接積層して形成するGIP(Gate In Panel)構造に構成することができる。GIPは、シフトレジスタやレベルシフタなどのような複数の回路を含むことができる。
【0028】
データ駆動部104は、タイミング制御部102から入力されたデータ制御信号DDCに応じ、データ電圧を表示パネルPNLへ出力する。データ駆動部104は、タイミング制御部102から供給されたデジタルのデータ信号DATAをサンプリングし、ラッチして、ガンマ電圧に基づくアナログのデータ電圧に変換する。データ駆動部104は、複数のデータラインDL1~DLnを介し、データ電圧を出力する。
【0029】
このとき、データ駆動部104は、IC形態で表示パネルPNLの上面に実装してもよく、表示パネルPNLに各種パターンと層を直接積層して形成してもよいが、これに限定されるものではない。
【0030】
電源供給部106は、高電位駆動電圧EVDDや低電位駆動電圧EVSSなどを出力し、表示パネルPNLに供給する。高電位駆動電圧EVDDおよび低電位駆動電圧EVSSは、電源ラインを介し、表示パネルPNLに供給される。このとき、電源供給部106から出力された電圧は、ゲート駆動部103、またはデータ駆動部104へ出力され、それらの駆動に用いられ得る。
【0031】
表示パネルPNLは、ゲート駆動部103およびデータ駆動部104から供給されたデータ電圧およびスキャン信号、電源供給部106から供給された電源に対応し、映像を表示する。
【0032】
表示パネルPNLは、複数のサブ画素SPで構成され、実際に映像が表示される。サブ画素SPは、赤色Rのサブ画素、緑色Gのサブ画素、および青色Bのサブ画素を含む。または、白色Wのサブ画素、赤色Rのサブ画素、緑色Gのサブ画素、および青色Bのサブ画素を含む。このとき、W、R、G、Bサブ画素SPは、全て同じ面積を有するように形成してもよく、互いに異なる面積を有するように形成してもよい。
【0033】
図2は、本発明に係る表示装置DISに備えられる有機電界発光表示パネルPNLの回路図である。
【0034】
本発明に係る有機電界発光表示パネルPNLは、表示領域とパッド領域で構成され、表示領域は複数のサブ画素SPを含む。各々のサブ画素SPは、有機電界発光表示装置で単色を表示する。例えば、各サブ画素SPは、赤色、緑色、青色、白色のうち、いずれか1つの色を表示する。この場合、赤色、緑色、青色、および白色のサブ画素SPが1つの画素として定義され得る。複数のサブ画素SPは、有機電界発光表示装置の基板上においてマトリクス状に配列され、表示領域内における複数のサブ画素SP間には、複数の配線を配置することができる。
【0035】
また、パッド領域においても、表示領域に配置された配線に電気的に接続され、有機電界発光表示装置の発光素子に信号を印加するあらゆる配線を配置することができる。配線は、例えば、Vdd配線、Vdata配線、基準配線(Vref配線)、Vss配線などを含むことができる。
【0036】
図2に示すように、本発明に係る有機電界発光表示パネルPNLの各サブ画素SPは、スイッチング薄膜トランジスタT1、駆動薄膜トランジスタT2、ストレージキャパシタCst、センシング薄膜トランジスタT3、補助薄膜トランジスタT4および発光素子Eを含む。本発明に係る有機電界発光表示装置のサブ画素SPは、4つの薄膜トランジスタおよび1つのキャパシタを含むので、4T1C構造と称することができる。しかしながら、本発明に係る有機電界発光表示装置のサブ画素SPXの構造はこれに限定されるものではなく、4つの薄膜トランジスタおよび2つのキャパシタを含む4T2C構造や5つの薄膜トランジスタおよび2つのキャパシタを含む5T2C構造、6つの薄膜トランジスタおよび2つのキャパシタを含む6T2C構造、7つの薄膜トランジスタおよび2つのキャパシタを含む7T2C構造など、多様な補償構造に形成することができる。
【0037】
サブ画素SPに含まれた4つの薄膜トランジスタは、それぞれ半導体層、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を含み、P型薄膜トランジスタであってもよく、N型薄膜トランジスタであってもよい。図2には、説明の便宜上、N型薄膜トランジスタを示す。
【0038】
スイッチング薄膜トランジスタT1は、データ配線に接続されたドレイン電極、第1ノードN1に接続されたソース電極、およびゲート配線に接続されたゲート電極を含む。また、スイッチング薄膜トランジスタT1は、ゲート駆動部からゲート配線に印加されるゲート電圧Vgに基づいてオンとなり、データ駆動部からデータ配線に印加されるデータ電圧Vdataを第1ノードN1にチャージする。
【0039】
駆動薄膜トランジスタT2は、高電位配線(すなわち、Vdd配線)に接続されたドレイン電極、発光素子Eのアノード電極に接続されたソース電極、および第1ノードN1に接続されたゲート電極を含む。また、駆動薄膜トランジスタT2は、第1ノードN1の電圧が閾値電圧(threshold voltage:Vth)より高いと、オンとなり、第1ノードN1の電圧が閾値電圧より低いと、オフとなり、Vdd配線からの駆動電流を発光素子Eに供給する。
【0040】
ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1に接続された第1電極、および駆動薄膜トランジスタT2のソース電極に接続された第2電極を含む。また、ストレージキャパシタCstは、発光素子Eが発光する発光時間の間、駆動薄膜トランジスタT2のゲート電極とソース電極との電位差を維持させることで、発光素子Eに一定の駆動電流が供給されるようにする。
【0041】
センシング薄膜トランジスタT3は、駆動薄膜トランジスタT2のソース電極に接続されたドレイン電極、基準配線に接続されたソース電極、およびセンシング配線に接続されたゲート電極を含む。また、センシング薄膜トランジスタT3は、駆動薄膜トランジスタT2の閾値電圧をセンシングするための薄膜トランジスタである。
【0042】
補助薄膜トランジスタT4は、発光素子Eのカソード電極に電気的に接続されたドレイン電極、基準配線に電気的に接続されたソース電極、および補助配線に電気的に接続されたゲート電極を含む。また、補助薄膜トランジスタT4は、発光区間においてオンとなり、発光素子Eのカソード電極に低電位電圧(すなわち、Vss電圧)を供給する。
【0043】
図3は、本発明の第1実施例に係る有機電界発光表示装置100を概略的に示す平面図である。
【0044】
図3に示すように、有機電界発光表示装置100は、R(赤)サブ画素SP_R、G(緑)サブ画素SP_G、B(青)サブ画素SP_Bを含むことができる。図3では、R、G、Bサブ画素SP_R、SP_G、SP_Bが特定形状に形成され、特定形状に配列されている。しかしながら、本発明に係る有機電界発光表示装置100のR、G、Bサブ画素SP_R、SP_G、SP_Bがこれに限定されるものではなく、様々な形状に形成し、様々な形状に配列することができる。
【0045】
Rサブ画素SP_Rの周囲には、断面が逆テーパー状のスペーサ154が形成される一方、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bの周囲には、逆テーパー状のスペーサ154が形成されない。
【0046】
スペーサ154は、平面視においてバー形に形成され、Rサブ画素SP_R周辺の上下左右の4辺に配置され、Rサブ画素SP_Rを取り囲む。このとき、Rサブ画素SP_Rを取り囲む複数のスペーサ154は、所定の距離で離間して配置される。図3では、4つのスペーサ154を四角形状に配置し、Rサブ画素SP_Rをその内側に配置しているが、スペーサ154を5つ以上形成して多角形状、または円形状に配置し、Rサブ画素SP_Rをその内側に配置してもよい。
【0047】
各々のスペーサ154は、互いに所定の距離で離間した第1スペーサ154aと第2スペーサ154bの2つで構成することができるが、これに限定されるものではなく、1つのスペーサで構成してもよく、3つ以上のスペーサで構成してもよい。したがって、Rサブ画素SP_R周辺の上下左右にそれぞれ複数の第1スペーサ154aおよび第2スペーサ154bを配置することができる。
【0048】
図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図であり、図5は、図3のV-V線に沿った断面図であるが、図4は、互いに隣接するRサブ画素SP_RとGサブ画素SP_Gの断面図であり、図5は、互いに隣接するBサブ画素SP_BとGサブ画素SP_Gの断面図である。
【0049】
図4および図5に示すように、各々のサブ画素SP_R、SP_G、SP_Bには薄膜トランジスタTが配置される。実際、サブ画素SP_R、SP_G、SP_Bには、それぞれスイッチング薄膜トランジスタ、駆動薄膜トランジスタ、センシング薄膜トランジスタ、補助薄膜トランジスタなど様々な薄膜トランジスタが配置されるが、説明の便宜上、1つの薄膜トランジスタTのみを示す。したがって、薄膜トランジスタTは、スイッチング薄膜トランジスタ、駆動薄膜トランジスタ、センシング薄膜トランジスタ、および補助薄膜トランジスタであり得る。
【0050】
スイッチング薄膜トランジスタ、駆動薄膜トランジスタ、センシング薄膜トランジスタ、および補助薄膜トランジスタは、全て同じ構造を有することができるため、1つの薄膜トランジスタTで全薄膜トランジスタの構造を表現することができる。
【0051】
薄膜トランジスタTは、第1基板110に設けられたバッファー層142上に形成された半導体層114と、バッファー層142上に積層され、半導体層114を覆うゲート絶縁層143と、ゲート絶縁層143上に配置されたゲート電極116と、ゲート絶縁層143上に積層され、ゲート電極116を覆う層間絶縁層144と、層間絶縁層144上に配置されたソース電極122およびドレイン電極124とを含む。
【0052】
第1基板110は、フォルダブルなプラスチック材質で構成することができる。例えば、第1基板110には、PI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PAR(ポリアリレート)、PSF(ポリスルホン)、COC(環状オレフィンコポリマー)を用いることができる。しかしながら、本発明の第1基板110が、かかるフォルダブルな材質に限定されるものではなく、強固なガラスで構成することもできる。
【0053】
バッファー層142は、後続工程で形成される薄膜トランジスタを、第1基板110からのアルカリイオンといった不純物から保護、または外部から浸透する水分などを遮断する役割を果たす。バッファー層142は、酸化シリコン(SiO)、または窒化シリコン(SiN)から構成され、単層であってもよく、多層であってもよい。
【0054】
半導体層114は、非晶質シリコン(a-Si)のような非晶質半導体、多結晶シリコン(p-Si)のような結晶質半導体、およびIGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)のような酸化物半導体で構成することができる。半導体層114は、中央領域のチャネル領域114aと、両側面のドープ層であるソース領域114bおよびドレイン領域114cで構成される。
【0055】
ゲート電極116は、Cr、Mo、Ta、Cu、Ti、Al、またはAl合金などの金属から構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0056】
層間絶縁層144は、フォトアクリルのような有機物、またはSiN、若しくはSiOのような無機物から構成され、単層であってもよく、多層であってもよい。また、層間絶縁層144は、有機物層と無機物層の多層にすることもできる。
【0057】
ソース電極122およびドレイン電極124は、Cr、Mo、Ta、Cu、Ti、Al、またはAl合金などの金属から構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0058】
ソース電極122とドレイン電極124は、それぞれゲート絶縁層143および層間絶縁層144に形成された第1コンタクトホール149aと第2コンタクトホール149bを介し、半導体層114のソース領域114bおよびドレイン領域114cにオーミック接触する。
【0059】
図には示していないが、半導体層114の下部の第1基板110には、下部遮断金属層(Bottom Shield Metal)を配置することができる。下部遮断金属層は、第1基板110においてトラップされた電荷により生じるバックチャネル現象を最小にし、残像、またはトランジスタの性能低下を防止するためのものであって、Ti、Mo、またはTiとMoの合金から構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0060】
薄膜トランジスタTの配置された第1基板110には、保護層146が形成される。保護層146は、フォトアクリルのような有機物層で形成することができるが、これに限定されるものではなく、無機層および有機層からなる多層にすることもできる。また、保護層146には、第3コンタクトホール149cが形成される。
【0061】
保護層146上における各々のサブ画素SP_R、SP_G、SP_Bには、第3コンタクトホール149cを介し、薄膜トランジスタTのドレイン電極124に電気的に接続されるアノード電極132が形成される。アノード電極132は、Ca、Ba、Mg、Al、Agなどの金属、またはこれらの合金から構成された単層、または多層構造を有し、薄膜トランジスタTのドレイン電極124に接続され、外部から画像信号が印加される。
【0062】
保護層146上の各サブ画素SP_R、SP_G、SP_B間の境界には、バンク層152が形成される。バンク層152は、サブ画素SP_R、SP_G、SP_Bを定義するある種の隔壁であって、各サブ画素SP_R、SP_G、SP_Bを区画し、隣接するサブ画素からの特定色の光が混合して出力されることを防止することができる。
【0063】
Rサブ画素SP_Rの周囲におけるバンク層152には逆テーパー状のスペーサ154が形成される。図4におけるスペーサ154は、互いに所定の距離で離間した第1スペーサ154aと第2スペーサ154bで構成されるが、スペーサ154は1つだけ形成してもよく、3つ以上を形成してもよい。しかしながら、図5に示すように、Rサブ画素SP_Rに隣接しない領域、例えば、Gサブ画素SP_GとBサブ画素SP_Bとの間にはスペーサ154が全く形成されていない。
【0064】
バンク層152は、ポリイミドやフォトレジストなどで構成することができるが、これに限定されるものではない。また、スペーサ154は、バンク層152と同じ物質で形成してもよく、異なる物質で形成してもよい。スペーサ154をバンク層152と同じ物質で形成する場合、例えば、スペーサ154とバンク層152は、1つのマスク工程で形成することができる。
【0065】
バンク層152間におけるアノード電極132の上部、バンク層152の上面、スペーサ154の逆テーパー状の側面、および上面には正孔輸送層134が一体形成され、バンク層152間における正孔輸送層134の上部には発光層135が形成される。発光層135は、R画素に形成されて赤色光を発するR-発光層、G画素に形成されて緑色光を発するG-発光層、B画素に形成されて青色光を発するB-発光層であり得る。また、発光層135は、白色光を発するW-有機発光層であり得る。
【0066】
バンク層152間における発光層135の上部、バンク層152における正孔輸送層134の上部、スペーサ154の逆テーパー状の側面および上面における正孔輸送層134の上部には、電子輸送層136が一体に形成される。
【0067】
また、バンク層152間における電子輸送層136の上部、バンク層152の上面における電子輸送層136の上部およびスペーサ154の上面における電子輸送層136の上部には、カソード電極138が形成される。しかしながら、カソード電極138は、スペーサ154の側面における電子輸送層136の上部には形成されない。言い換えると、カソード電極138は、バンク層152の上部およびスペーサ154の上部には形成されるが、スペーサ154の逆テーパー状の側面には形成されないため、バンク層152の上部におけるカソード電極138と、スペーサ154の上部におけるカソード電極138は、逆テーパー状のスペーサ154の側面により断線する。
【0068】
図には示していないが、アノード電極132と正孔輸送層134との間には正孔注入層を形成することができ、電子輸送層136の上部には電子注入層を形成することができる。
【0069】
アノード電極132、正孔輸送層134、発光層135、電子輸送層136およびカソード電極138は、有機発光素子Eを構成し、外部から印加された信号により、特定の波長の光を出射する。
【0070】
このように、本発明に係る有機電界発光表示装置100において、正孔輸送層134および電子輸送層136は、スペーサ154の側面および上面にも形成されるので、正孔輸送層134および電子輸送層136が有機電界発光表示装置100の全面にわたって形成される一方、カソード電極138は、スペーサ154により断線する。
【0071】
そのため、正孔輸送層134は、スペーサ154により経路長が増加するが、このように正孔輸送層134の経路長を増加させる理由は次の通りである。
【0072】
一般的に、有機電界発光表示装置100では、特定のサブ画素をオンにし、駆動する際に側面漏れ電流が発生し、この電流は、隣接するサブ画素に印加される。側面漏れ電流により、隣接するサブ画素に印加される電流に誤差が生じ、サブ画素間に輝度のばらつきが発生する。また、側面漏れ電流により、オフ状態のサブ画素がオンとなり、発光する問題が発生する。特に、高解像度表示装置の場合、サブ画素同士の間隔が狭くなるため、かかる側面漏れ電流による影響がさらに大きくなる。
【0073】
側面漏れ電流は、正孔輸送層134と電子輸送層136、正孔注入層、電子注入層のような共通の層に沿って、隣接するサブ画素に漏れることが知られている。本発明では、かかる側面漏れ電流の経路を調節することで、漏れ電流が隣接するサブ画素に印加されることを最小化する。
【0074】
すなわち、本発明では、スペーサ154を形成し、その側面および上面に正孔輸送層134および電子輸送層136を形成することで、側面漏れ電流が流れる経路の長さを増加させることができ、その結果、隣接するサブ画素に流れる側面漏れ電流を最小化することができる。
【0075】
一方、カソード電極138は、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)のような透明導電物質、または可視光線が透過できる薄い金属から構成されるため、スパッタリング工程のようなカソード電極138の形成工程時に、透明導電物質や金属が逆テーパー状のスペーサ154の側面に形成されない。
【0076】
したがって、カソード電極138は、有機電界発光表示装置100の全体にわたり形成されるが、スペーサ154の形成された領域では断線する。カソード電極138をスペーサ154により断線させる理由は、Vss電流の経路長が増加することを防止するためである。Vss電流は、カソード電極138に沿って印加されるが、Vss電流の経路長が増加すると、低電位電圧の上昇を引き起こし、その結果、駆動電圧と消費電力が上昇するのみならず、それは輝度の不均一の原因となる。
【0077】
カソード電極138をスペーサ154により断線させない場合、カソード電極138がスペーサ154の側面および上面に延在するため、Vss電流の流路長が増加することになり、その結果、低電位電圧が上昇する。
【0078】
本発明では、かかる低電位電圧の上昇を防止するため、スペーサ154を逆テーパー状に形成し、スペーサ154に沿って延伸するカソード電極138を断線させることで、Vss電流の経路が、第1スペーサ154aの上面および両側面と第2スペーサ154bの上面および両側面に沿って形成されることを防止する。その結果、スペーサ154によりVss電流の経路長が増加することを最小化することができる。
【0079】
言い換えると、本発明の第1実施例に係る有機電界発光表示装置100は、逆テーパー状のスペーサ154を形成することで、側面漏れ電流が流れる経路の長さを増加させ、隣接するサブ画素に漏れる電流を最小化すると同時に、Vss電流の経路長が増加することを最小化し、低電位電圧の上昇を最小化することができる。
【0080】
一方、本発明の第1実施例では、Rサブ画素SP_Rの周辺にのみスペーサ154を形成し、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bの周辺にはスペーサ154を形成しないが、その理由は次の通りである。
【0081】
逆テーパー状のスペーサ154を形成する場合、カソード電極138は断線するものの、スペーサを形成しない場合に比べると、Vss電流の経路長が増加する。
【0082】
すなわち、図6に示すように、スペーサ154を通過するVss経路1は逆テーパー構造により断線するため、Vss電流がVss経路1を通じてRサブ画素SP_Rに流入せず、スペーサ154を迂回するVss経路2を通じてRサブ画素SP_Rに流入する。そのため、スペーサ154を形成しない場合(この場合、Vss電流はVss経路1を通じ、流入する)に比べ、スペーサ154を形成した場合におけるVss電流の経路長が増加することになり、低電位電圧の上昇による不良が発生することになる。
【0083】
したがって、逆テーパー状のスペーサ154を形成すると、側面漏れ電流を減少させる長所がある一方、低電位電圧が上昇する短所もある。
【0084】
本発明では、かかる長所を最大化しながら、短所を最小化することで、効率的な有機電界発光表示装置100を提供する。
【0085】
一般的に、R、G、Bサブ画素SP_R、SP_G、SP_Bのうち、Rサブ画素SP_Rに最小の電流が印加され、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bには相対的に大きな電流が印加され、Rサブ画素SP_Rに配置された薄膜トランジスタTの閾値電圧が最も低く、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bに配置された薄膜トランジスタTの閾値電圧が最も高い。
【0086】
そのため、Rサブ画素SP_Rでは、小さい側面漏れ電流が印加された場合でも相対的に電流の変動が大きくなり、輝度が変化する。また、小さい側面電流の印加でも、オフ状態で発光する問題が生じる。一方、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bでは、Rサブ画素SP_Rと同じ側面電流が印加されても、相対的に電流の変動が小さいため、輝度の変化が小さい。また、小さい漏れ電流が印加されても、オフ状態のGサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bは発光しない。言い換えると、Rサブ画素SP_Rは、側面漏れ電流から受ける影響が大きい一方、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bは、側面漏れ電流から受ける影響が小さい。
【0087】
そのため、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bは、その周辺にスペーサ154を形成しなくても、側面漏れ電流による不良が発生する可能性が低い。
【0088】
このように、本発明では、側面漏れ電流の影響を最も受けるRサブ画素SP_Rの周辺にのみスペーサ154を形成し、側面漏れ電流の影響が最小限である(あるいは、ほとんど受けない)Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bにはスペーサ154を形成しないことで、側面漏れ電流による不良を防止する効果を奏することができる。
【0089】
また、本発明では、スペーサ154を最小限の領域(Rサブ画素SP_Rの周辺領域)にのみ形成するため、スペーサ154により低電位電圧が上昇する短所を最小にすることができる。
【0090】
再び図4および図5に戻ると、カソード電極138上には、封止層160が形成される。封止層160は、無機物質からなる第1封止層162、有機物質からなる第2封止層164、無機物質からなる第3封止層166で構成することができる。このとき、無機物質は、SiNとSiOを含むことができるが、これに限定されるものではない。また、有機物質は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、またはこれらの混合物質を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0091】
第3封止層166上には第2基板170が配置され、接着層(不図示)によって貼り付けられる。接着層には、付着力がよく、耐熱性および耐水性のよいものであれば、いかなる物質を用いてもよいが、本発明では、エポキシ系化合物、アクリルレート系化合物、またはアクリル系ゴムといった熱硬化性樹脂を用いることができる。また、接着層として光硬化性樹脂を用いることもできるが、この場合は、接着層に紫外線のような光を照射し、接着層を硬化させる。
【0092】
第2基板170は、電界発光表示装置を封止するための封止キャップ(encapsulation cap)であり、PS(ポリスチレン)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、またはPI(ポリイミド)フィルムといった保護フィルムを用いてもよく、数十μmの薄いガラスを用いてもよい。
【0093】
上述したように、本発明の第1実施例に係る有機電界発光表示装置100では、側面漏れ電流の経路長を増加させる逆テーパー状のスペーサ154をRサブ画素SP_Rの周辺にのみ形成し、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bの周辺には形成しないため、側面漏れ電流を最小化することができ、その結果、輝度のばらつきを防止し、低電位電圧の上昇による不良を防止することができる。
【0094】
一方、図には、第1スペーサ154aと第2スペーサ154bで構成されるスペーサ154が示されているが、本実施例がこれに限定されるものではない。スペーサ154は、1つで構成されてもよく、3つ以上で構成されてもよい。
【0095】
図7は、本発明の第2実施例に係る有機電界発光表示装置200を概略的に示す平面図であり、図8は、図7のVIII-VIII線に沿った断面図であり、図9は、図7のIX-IX線に沿った断面図である。第1実施例と同じ構造については説明を省略、または簡略にし、相違点についてのみ詳細に説明する。
【0096】
図7に示すように、本実施例の有機電界発光表示装置200は、R(赤)サブ画素SP_R、G(緑)サブ画素SP_G、B(青)サブ画素SP_Bを含み、Rサブ画素SP_Rの周囲には逆テーパー状のスペーサ254が形成される一方、Gサブ画素SP_GおよびBサブ画素SP_Bの周囲には逆テーパー状のスペーサ254が形成されていない。
【0097】
また、Rサブ画素SP_Rの周囲には、所定の幅を持つ開口部256がRサブ画素SP_Rの縁部に沿って閉曲線形状に形成される。スペーサ254が第1スペーサ254aと第2スペーサ254bで構成される場合、開口部256は、第1スペーサ254aと第2スペーサ254bとの間に形成することができる。また、開口部256は、第1スペーサ254aの内側、または第2スペーサ254bの外側において、Rサブ画素SP_Rを取り囲むように形成することもできる。
【0098】
図8および図9に示すように、第1基板210上には薄膜トランジスタTが形成され、その上にバンク層252が形成される。
【0099】
Rサブ画素SP_RとGサブ画素SP_Gの間、厳密に言うと、Rサブ画素SP_Rの周囲におけるバンク層252上には逆テーパー状のスペーサ254が配置される。図には、第1スペーサ254aと第2スペーサ254bの2つのスペーサで構成されるスペーサ254が示されているが、本実施例がこれに限定されるものではない。スペーサは1つで構成されてもよく、3つ以上で構成されてもよい。
【0100】
また、Rサブ画素SP_Rの周囲におけるバンク層252には、開口部256が形成される。開口部256は、第1スペーサ254aおよび第2スペーサ254bから所定の距離を開け、設定された幅で形成される。このとき、開口部256の側壁は、90度以下の傾斜角を持ったテーパー状に形成することができる。
【0101】
開口部256は、第1スペーサ254aと第2スペーサ254bの間に形成することができるが、第1スペーサ254aおよび第2スペーサ254bの外側に形成することもできる。また、図には、1つの開口部256が示されているが、2つ以上を形成することもでき、この場合、複数の開口部256を、第1スペーサ254aと第2スペーサ254bの間、そして第1スペーサ254aおよび第2スペーサ254bの外側に形成することができる。
【0102】
スペーサ254は、バンク層252と同じ物質で形成してもよく、異なる物質で形成してもよい。スペーサ254をバンク層252と同じ物質で形成する場合、例えば、スペーサ254とバンク層252は、1つのマスク工程で形成することができる。また、スペーサ254、バンク層252および開口部256も1つのマスク工程で形成することができる。
【0103】
バンク層252間における保護層246上には、アノード電極232が形成され、保護層246に形成された第3コンタクトホール249cを介し、薄膜トランジスタTのドレイン電極224に電気的に接続される。
【0104】
バンク層252間におけるアノード電極232の上部、バンク層252の上部、スペーサ254の逆テーパー状の側面および上面、開口部256のテーパー状の側面および底面には正孔輸送層234が一体に形成される。また、バンク層252間における正孔輸送層234の上部には発光層235が形成される。発光層235は、R画素に形成されて赤色光を発するR-発光層、G画素に形成されて緑色光を発するG-発光層、B画素に形成されて青色光を発するB-発光層であり得る。また、発光層235は、白色光を発するW-有機発光層であり得る。
【0105】
バンク層252間における発光層235の上部、バンク層252に形成された正孔輸送層234の上部、スペーサ254の逆テーパー状の側面および上面における正孔輸送層234の上部、開口部256のテーパー状の側面および底面における正孔輸送層234の上部には、電子輸送層236が一体に形成される。
【0106】
また、バンク層252間における電子輸送層236の上部、バンク層252の上面における電子輸送層236の上部およびスペーサ254の上面における電子輸送層236の上部、開口部256のテーパー状の側面および底面における電子輸送層236の上部には、カソード電極238が形成される。しかしながら、カソード電極238は、スペーサ254の側面における電子輸送層236の上部には形成されない。言い換えると、カソード電極238は、バンク層252の上部、スペーサ254の上部および開口部256の内部には形成されるが、スペーサ254の逆テーパー状の側面には形成されないため、バンク層252の上部におけるカソード電極238と、スペーサ254の上部におけるカソード電極238は、逆テーパー状のスペーサ254の側面により断線する。
【0107】
図には示していないが、アノード電極232と正孔輸送層234との間には正孔注入層を形成することができ、電子輸送層236の上部には電子注入層を形成することができる。
【0108】
このように、本実施例の有機電界発光表示装置200においても、正孔輸送層234および電子輸送層236は、スペーサ254の側面および上面、そして開口部256の側面および底面にも形成されるので、正孔輸送層234および電子輸送層236が有機電界発光表示装置200の全面にわたって形成される一方、カソード電極238は、スペーサ254により断線する。
【0109】
したがって、本実施例に係る有機電界発光表示装置200では、側面漏れ電流の流れる経路が、スペーサ254の側面および上面に形成されるため、側面漏れ電流の流れる経路長を増加させることができ、その結果、隣接するサブ画素に漏れる側面漏れ電流を最小化することができる。さらに、本実施例では、開口部256を形成することにより、側面漏れ電流が流れる経路長をさらに増加させることができ、隣接するサブ画素に漏れる電流を一層減少させることができる。
【0110】
図10および図11は、本発明の第3実施例に係る有機電界発光表示装置300の断面図であって、図10図7のVIII-VIII線に沿った断面図であり、図11図7のXI-XI線に沿った断面図である。第1実施例および第2実施例と同じ構造については説明を省略、または簡略にし、相違点についてのみ詳細に説明する。
【0111】
図10および図11に示すように、第1基板310上には薄膜トランジスタTが形成され、その上にバンク層352が形成される。
【0112】
Rサブ画素SP_RとGサブ画素SP_Gの間、厳密に言うと、Rサブ画素SP_Rの周囲におけるバンク層352上には逆テーパー状のスペーサ354が配置される。図には、第1スペーサ354aと第2スペーサ354bの2つのスペーサで構成されるスペーサ354が示されているが、本実施例がこれに限定されるものではない。スペーサは1つで構成されてもよく、3つ以上で構成されてもよい。
【0113】
また、Rサブ画素SP_Rの周囲におけるバンク層352には、Rサブ画素SP_Rの周囲に沿って、所定の幅を持った閉曲線形状の開口部356が形成される。開口部356は、第1スペーサ354aおよび第2スペーサ354bから所定の距離を開け、所定の幅で形成される。このとき、開口部356の側壁は、90度以上の傾斜角を持つように形成され、逆テーパー状となる。
【0114】
開口部356は、第1スペーサ354aと第2スペーサ354bの間に形成することができるが、第1スペーサ354aおよび第2スペーサ354の外側に形成することもできる。また、図には、1つの開口部356が示されているが、2つ以上を形成することもできる。この場合、複数の開口部356を、第1スペーサ354aと第2スペーサ354bの間、そして第1スペーサ354aおよび第2スペーサ354bの外側に形成することができる。また、スペーサ354は、バンク層352と同じ物質で形成してもよく、異なる物質で形成してもよい。
【0115】
バンク層352間における保護層346上には、アノード電極332が形成され、保護層346に形成された第3コンタクトホール349cを介し、薄膜トランジスタTのドレイン電極324に電気的に接続される。
【0116】
バンク層352間におけるアノード電極332の上部、バンク層352の上部、スペーサ354の逆テーパー状の側面および上面、開口部356の逆テーパー状の側面および底面には正孔輸送層334が一体に形成される。また、バンク層352間における正孔輸送層334の上部には発光層335が形成される。発光層335は、R画素に形成されて赤色光を発するR-発光層、G画素に形成されて緑色光を発するG-発光層、B画素に形成されて青色光を発するB-発光層であり得る。また、発光層335は、白色光を発するW-有機発光層であり得る。
【0117】
バンク層352間における発光層335の上部、バンク層352に形成された正孔輸送層334の上部、スペーサ354の逆テーパー状の側面および上面における正孔輸送層334の上部、開口部356の逆テーパー状の側面および底面における正孔輸送層334の上部には、電子輸送層336が一体に形成される。
【0118】
また、バンク層352間における電子輸送層336の上部、バンク層352の上面における電子輸送層336の上部およびスペーサ354の上面における電子輸送層336の上部、開口部356の底面における電子輸送層336の上部には、カソード電極338が形成される。しかしながら、カソード電極338は、スペーサ354の逆テーパー状の側面および開口部356の逆テーパー状の側壁には形成されない。言い換えると、カソード電極338は、バンク層352の上部およびスペーサ354の上面、そして開口部356の底面には形成されるが、スペーサ354の逆テーパー状の側面、および開口部356の逆テーパー状の側壁には形成されないため、バンク層352の上部におけるカソード電極338と、スペーサ354の上部におけるカソード電極338は、逆テーパー状のスペーサ354の側面により断線し、バンク層352の上部におけるカソード電極338と、開口部356の上部におけるカソード電極338は、逆テーパー状の開口部356の側面により断線する。
【0119】
したがって、本実施例に係る有機電界発光表示装置300では、正孔輸送層334および電子輸送層336が、スペーサ354の側面および上面にも形成され、有機電界発光表示装置300の全面にわたって形成されるだけでなく、開口部356の内部全体にも形成されるため、側面漏れ電流が流れる経路長を大幅に増加させることができ、その結果、隣接するサブ画素に漏れる電流を大幅に減少させることができる。
【0120】
また、本実施例では、カソード電極338が、スペーサ354の側面により断線するだけでなく、開口部356の逆テーパー状の側壁によっても断線するため、Vss電流が流れる経路長を最小化することができ、低電位電圧の上昇による不良を防止することができる。
【0121】
第1実施例~第3実施例における有機発光素子Eは、シングルスタック構造を有するが、他の実施例では、有機発光素子Eがダブルスタック構造を有することもできる。
【0122】
図12は、本発明の第4実施例に係る有機電界発光表示装置を概略的に示す図である。第1実施例~第3実施例と同じ構造については説明を省略、または簡略にし、相違点についてのみ詳細に説明する。
【0123】
図12に示すように、本発明の第4実施例に係る有機電界発光表示装置400は、R(赤)サブ画素SP_R、G(緑)サブ画素SP_G、B(青)サブ画素SP_Bを含む。
【0124】
アノード電極430は、基板410の上部におけるRサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、Bサブ画素SP_Bのそれぞれに配置される。正孔注入層440は、アノード電極430の上部におけるRサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、Bサブ画素SP_Bの全体にわたって配置され、第1正孔輸送層442は、正孔注入層440の上部におけるRサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、Bサブ画素SP_Bの全体にわたって配置される。
【0125】
他の実施例では、正孔注入層440の代わりに、P型正孔輸送層P-HTLを、アノード電極430と第1正孔輸送層442との間に配置することもできる。
【0126】
第1R発光物質層444Rが、第1正孔輸送層442の上部におけるRサブ画素SP_Rに選択的に配置され、第1G発光物質層444Gが、第1正孔輸送層442の上部におけるGサブ画素SP_Gに選択的に配置され、第1B発光物質層444Bが、第1正孔輸送層442の上部におけるBサブ画素SP_Bに選択的に配置される。
【0127】
第1R発光物質層444R、第1G発光物質層444G、および第1B発光物質層444Bは、Rサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、Bサブ画素SP_Bにおける光の経路長を調節することで、マイクロキャビティを実現することができる。例えば、第1G発光物質層444Gの厚さは、第1B発光物質層444Bの厚さより大きい、もしくは同じであり、第1R発光物質層444Rの厚さより小さい、もしくは同じであり得る。
【0128】
第1電子輸送層446は、Rサブ画素SP_Rにおける第1R発光物質層444R、Gサブ画素SP_Gにおける第1G発光物質層444G、およびBサブ画素SP_Bにおける第1B発光物質層444Bの全体の上部に配置される。
【0129】
正孔注入層440、第1正孔輸送層442、第1R発光物質層444R、第1G発光物質層444G、第1B発光物質層444B、および第1電子輸送層446は、第1スタックST1を構成する。
【0130】
N型電荷発生層448が、Rサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、およびBサブ画素SP_Bにおける第1電子輸送層446の上部に配置され、P型電荷発生層450が、Rサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、およびBサブ画素SP_BにおけるN型電荷発生層448の上部に配置される。
【0131】
N型電荷発生層448とP型電荷発生層450は、電子と正孔を発生し、供給することができる。例えば、N型電荷発生層448は、第1スタックST1に電子を供給し、P型電荷発生層450は、第2スタックST2に正孔を供給することができる。
【0132】
第2正孔輸送層452は、Rサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、およびBサブ画素SP_BにおけるP型電荷発生層450の上部に配置される。
【0133】
第2R発光物質層454Rを、第2正孔輸送層452の上部におけるRサブ画素SP_Rに選択的に配置し、第2G発光物質層454Gを、第2正孔輸送層452の上部におけるGサブ画素SP_Gに選択的に配置し、第2B発光物質層454Bを、第2正孔輸送層452の上部におけるBサブ画素SP_Bに選択的に配置することができる。
【0134】
第2R発光物質層454R、第2G発光物質層454G、および第2B発光物質層454Bは、Rサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、Bサブ画素SP_Bにおける光の経路長を調節することで、マイクロキャビティを実現することができる。例えば、第2G発光物質層454Gの厚さは、第2B発光物質層454Bの厚さより大きい、もしくは同じであり、第2R発光物質層454Rの厚さより小さい、もしくは同じであり得る。
【0135】
第2電子輸送層456は、Rサブ画素SP_Rにおける第2R発光物質層454R、Gサブ画素SP_Gにおける第2G発光物質層454G、およびBサブ画素SP_Bにおける第2B発光物質層454Bの全体の上部に配置される。
【0136】
電子注入層458は、Rサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、およびBサブ画素SP_Bにおける第2電子輸送層456の上部に配置される。
【0137】
第2正孔輸送層452、第2R発光物質層454R、第2G発光物質層454G、第2B発光物質層454B、第2電子輸送層456、および電子注入層458は、第2スタックST2を構成する。
【0138】
カソード電極470は、Rサブ画素SP_R、Gサブ画素SP_G、およびBサブ画素SP_Bにおける電子注入層458の上部に配置される。
【0139】
アノード電極430、第1スタックST1、N型電荷発生層448、P型電荷発生層450、第2スタックST2、およびカソード電極470は、有機発光素子を構成することができる。
【0140】
他の実施例では、有機発光素子Eがトリプルスタック構造を有することもできる。
【0141】
上述した本発明の例で説明した特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの例に含まれるが、必ずしもそれに限定されるものではない。さらに、本発明の少なくとも1つの例で挙げられた特徴、構造、効果などは、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、他の例に対しても組み合わせ、または変形して実施することが可能である。よって、かかる組み合わせと変形に関連した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0142】
上述した本発明は、前述した実施例および図面に限定されるものではない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的事項から逸脱しない範囲内で置換、変形、変更することが可能であろう。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示される。また、特許請求の範囲の意味およびその範囲、そして、それと同等な概念から導出された変更、または変形されたあらゆる形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0143】
110、170 基板
114 半導体層
116 ゲート絶縁層
122 ソース電極
124 ドレイン電極
132 アノード電極
134 正孔輸送層
135 発光層
136 電子輸送層
138 カソード電極
152 バンク層
154 スペーサ
156 開口部
図1
図2
図3
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図5
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