(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123179
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】電気かみそり
(51)【国際特許分類】
B26B 19/38 20060101AFI20240903BHJP
B26B 19/20 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B26B19/38 Z
B26B19/38 U
B26B19/38 N
B26B19/20
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024101194
(22)【出願日】2024-06-24
(62)【分割の表示】P 2021043693の分割
【原出願日】2017-09-26
(31)【優先権主張番号】16191117.7
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シリロ ハビエル ペレス ロペス
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス エルント
(72)【発明者】
【氏名】ゲルド ラスチンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフガング シュテーグマン
(57)【要約】
【課題】ユーザへの情報の表示を改善するための電気かみそりの提供。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つのカッターユニットと、当該少なくとも1つのカッターユニットを駆動するための駆動ユニットと、情報を表示するための表示デバイスとを備える電気かみそりに関するものであり、当該駆動ユニットは、作動状態にあるとき、種々の動作モードで動作可能であり、駆動ユニットを異なる動作モードへと切り替えるためのモード入力要素が設けられ、モード入力要素は、タッチスクリーン入力要素、タッチキー、タッチボタン、及び/又は指のジェスチャーを検出するためのジェスチャー検出器の少なくとも1つを備え、駆動ユニットが作動状態にあるときに、モード入力要素は、駆動ユニットを複数の動作モードの一つへと切り替え、または表示デバイスを複数の表示モードの一つへと切り替えるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカッターユニット(4)と、前記少なくとも1つのカッターユニット(4)を駆動するための駆動ユニット(5)と、かみそり情報を表示するための表示デバイス(6)と、前記駆動ユニット(5)のオン/オフ状態を変更するように構成された電源オン/オフボタン(17)と、モード入力要素(7)とを備え、前記駆動ユニット(5)は、作動状態にあるとき、複数の動作モードで動作可能であり、前記モード入力要素(7)が、前記少なくとも1つのカッターユニット(4)の操作が切り替えられるように前記駆動ユニット(5)を異なる動作モードへと切り替えるために設けられる、電気かみそりであって、
前記モード入力要素(7)は、タッチスクリーン入力要素、タッチキー、タッチボタン、及び/又は指のジェスチャーを検出するためのジェスチャー検出器の少なくとも1つを備え、
前記駆動ユニット(5)が作動状態にあるときに、前記モード入力要素(7)は、前記駆動ユニット(5)を複数の前記動作モードの一つへと切り替え、または前記表示デバイス(6)を複数の表示モードの一つへと切り替えるように構成されることを特徴とする、電気かみそり。
【請求項2】
指のジェスチャーを検出するための前記ジェスチャー検出器は、様々な表示モードを指のジェスチャーによってブラウズすることが可能になるように、指ワイピングを検出する
ように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電気かみそり。
【請求項3】
前記ジェスチャー検出器は、前方切り替え及び後方切り替えをもたらすように構成され、前記指ワイピングの方向は前記後方切り替えと前記前方切り替えとを区別するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の電気かみそり。
【請求項4】
前記ジェスチャー検出器は、
前記前方切り替えに関連付けられる左から右への指の移動、および前記後方切り替えに関連付けられる右から左への指の移動を検出するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の電気かみそり。
【請求項5】
前記タッチキー、又は前記タッチボタンは、第1のモードから第2のモードに、および前記第2のモードから前記第1のモードに切り替えることが可能となるように前方スイッチ及び後方スイッチ機能をもたらすように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電気かみそり。
【請求項6】
前記タッチキーは、1クリックと2クリックとを区別するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電気かみそり。
【請求項7】
前記駆動ユニット(5)の前記動作モードは、
-前記カッターユニット(4)が低速で駆動される低速モード、
-前記カッターユニット(4)が高速で駆動される高速モード、
-長毛カッター(8)が前記駆動ユニット(5)によって駆動される長毛切断モード、及び
-前記少なくとも1つのカッターユニット(4)のみが前記駆動ユニット(5)によって駆動される短毛剃毛モード、
-前記電気かみそりに装着可能なスキントリートメントユニットが前記駆動ユニット(5)によって駆動されるブラシ装着モード、
-ひげトリマーユニットが前記駆動ユニット(5)によって駆動されるひげトリマー装着モード、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項8】
前記表示モードは、
-蓄電池の充電状態が表示される充電情報モード、
-最後の洗浄実行の後に実施された剃毛時間及び/又は剃毛実行回数が表示される剃毛時間及び/又は剃毛実行数情報モード、
-前記かみそりの洗浄状態が表示される洗浄情報モード、並びに
-前記カッターユニット(4)の摩耗が表示されるカッターユニット摩耗情報モード、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項9】
前記表示デバイス(6)は、異なるセットの情報がタイマー(9)の制御下で次々に表示される自動切換えモードで動作可能となるように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項10】
前記自動切換えモードを作動させるための作動器(10)が設けられる、請求項9に記載の電気かみそり。
【請求項11】
前記作動器(10)は、前記駆動ユニットのオフ切替及び/若しくは作動状態から非作動状態への前記駆動ユニット(5)の遷移を指示するオフ切替信号に応答し、かつ/又は、前記駆動ユニットのオン切替及び/若しくは非作動状態から作動状態への前記駆動ユニット(5)の遷移を指示するオン切替信号に応答する、請求項10に記載の電気かみそり。
【請求項12】
物体又は対象が前記かみそり(1)に接触及び/又は接近していることを検出するための検出器(19)が設けられ、前記自動切換えモードを作動させるための作動器(10)が設けられ、前記作動器(10)は、前記かみそりが休止しているとき、前記検出器(19)の接触/接近信号に応答して、物体又は対象が前記かみそり(1)に接触及び/又は接近しているときに前記自動切換えモードを作動させるように構成される、請求項10に記載の電気かみそり。
【請求項13】
前記表示デバイス(6)は電子制御器(11)の制御下にあり、該電子制御器は、表示される情報を指示する少なくとも1つの検出器信号を供給するための少なくとも1つの検出器(12、13、14、15)に接続され、前記制御器(11)は、前記モード入力要素(7)が前記情報の表示を要求するために作動されているとき、前記情報を指示する受信した前記検出器信号に基づいて前記情報を表示するために、前記モード入力要素(7)からの信号に応答する、請求項1~12のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項14】
前記モード入力要素(7)は、
-前記駆動ユニット(5)のある動作モードから別の動作モードにトグルし、前記表示デバイス(6)のある表示モードから別の表示モードにトグルするためのトグルスイッチボタンを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項15】
前記表示デバイス(6)は、情報の値及び/又は量を指示する第1の表示フィールド(18a)と、前記情報のタイプを指示する第2の表示フィールド(18b)とを含み、前記表示デバイス(6)は、前記第2の表示フィールドによって表示される種々のタイプの情報と組み合わせて前記第1の表示フィールドを作動及び/又は動作させるように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項16】
前記表示デバイス(6)は、前記かみそり(1)のハンドル(2)に装置されたディスプレイ(18)を含み、かつ/又は、前記ハンドル(2)とは別の外部ディスプレイを制御し、該外部ディスプレイと通信するように構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項17】
前記少なくとも1つのカッターユニット(4)はアンダーカッターとアッパーカッターとを含み、前記アンダーカッターと前記アッパーカッターは、前記アンダーカッターと前記アッパーカッターとの間の毛髪を切断するために互いに対して運動可能であり、前記カッターユニット(4)は、そのような切断された毛髪又は他の細片若しくは汚れが集積される内部空間を有するかみそりヘッド(3)の一部を形成し、前記集積された汚れに関連付けられるパラメータを測定するための汚れ測定ユニット(20)が設けられ、マイクロコントローラ(21)が、前記汚れ測定ユニット(20)から信号を受信するように、また前記受信した信号に応答して前記かみそりヘッド(3)の汚れ状態を算出するように構成され、前記かみそりヘッドの前記汚れ状態に関連する情報をユーザに指示するための指示手段(22)が設けられる、請求項1~16のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項18】
前記汚れ測定ユニット(20)は、次のパラメータ、すなわち、剃毛時間、剃毛抵抗、
剃毛時間の間における前記駆動ユニット(5)の剃毛消費電力、洗浄時間、前記かみそりヘッドの内側にある洗浄液若しくは水分のうちの少なくとも1つを測定するように構成され、かつ/又は、前記指示手段(22)は、前記表示デバイス(6)、音波発生器、外部の電子デバイスに通信される通信信号を発生させるための信号発生器、のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の電気かみそり。
【請求項19】
ハンドル(2)と、パーソナルケアトリートメントを実現するための少なくとも1つのパーソナルケアツールを含むヘッド(3)と、前記少なくとも1つのパーソナルケアツールを駆動するための駆動ユニット(5)と、パーソナルケア情報を表示するための表示デバイス(6)と、前記駆動ユニット(5)のオン/オフ状態を変更するように構成された電源オン/オフボタン(17)と、モード入力要素(7)とを備え、
前記駆動ユニット(5)は、作動状態にあるとき、複数の動作モードで動作可能であり、前記少なくとも1つのパーソナルケアツールの操作が切り替えられるように前記駆動ユニット(5)を異なる動作モードに切り替えるための前記モード入力要素(7)が設けられるパーソナルケア器具であって、
前記駆動ユニット(5)が作動状態にあるときに、前記モード入力要素(7)は、前記駆動ユニット(5)を前記複数の動作モードの一つへと切り替え、または前記表示デバイ ス(6)を複数の表示モードの一つへと切り替えるように構成され、
前記モード入力要素(7)は、タッチスクリーン入力要素、及び/又は指のジェスチャーを検出するためのジェスチャー検出器の少なくとも1つを備える
ことを特徴とする、パーソナルケア器具。
【請求項20】
電気かみそり及び/又は該電気かみそりに連結された電子デバイスを制御するための方法であって、前記かみそり(1)は、少なくとも1つのカッターユニット(4)と、前記少なくとも1つのカッターユニット(4)を駆動するための駆動ユニット(5)と、かみそり情報を表示するための表示デバイス(6)と、前記駆動ユニット(5)のオン/オフ状態を変更するように構成された電源オン/オフボタン(17)と、モード入力要素(7)とを備え、前記駆動ユニット(5)は、作動状態にあるとき、複数の動作モードで動作可能であり、前記方法は、
-前記かみそり(1)及び前記駆動ユニット(5)が作動状態にあるとき、前記少なくとも1つのカッターユニット(4)の操作を切り替えるために、前記モード入力要素(7)を作動させることによって、前記駆動ユニット(5)を異なる動作モードへと切り替えることと、
-前記駆動ユニット(5)が作動状態にあるときに、前記モード入力要素(7)を作動させることによって、前記駆動ユニット(5)を前記複数の動作モードの一つへと切り替え、または前記表示デバイス(6)を複数の表示モードの一つへと切り替えることと、
を含み、
前記モード入力要素(7)は、タッチスクリーン入力要素及び/又は指のジェスチャーを検出するためのジェスチャー検出器の少なくとも1つを備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのカッターユニットと、当該少なくとも1つのカッターユニットを駆動するための駆動ユニットと、情報を表示するための表示デバイスとを備える電気かみそりに関するものであり、当該駆動ユニットは、作動状態にあるとき、種々の動作モードで動作可能であり、駆動ユニットを異なる動作モードへと切り替えるためのモード入力要素が設けられる。本発明はまた、そのような電気かみそりを制御するための方法に関する。本発明は更に、長毛カッター、短毛カッター、及びスキンケアユニットなどの種々のタイプのツール要素が取り付けられ得る多目的パーソナルケア器具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気かみそりは通常、カッター要素が剪断フォイルの下方で往復運動する振動方式で、電気駆動ユニットによって駆動される1つ以上のカッター要素を有し、そのようなカッター要素又はアンダーカッターは細長い形状を有してもよく、またその縦軸に沿って往復運動してもよい。他の型式の電気シェーバーでは、振動様式又は連続様式で駆動され得る回転式カッター要素を用いている。当該電気駆動ユニットは、電気モータ又は電動リニアモータを含んでもよく、駆動ユニットは、モータの駆動モーションをカッター要素に伝達するための細長駆動トランスミッタなどの要素を有する駆動トレーンを含んでもよく、モータは、かみそりのハンドル部分内に、あるいは代替形態ではかみそりヘッド内に受容されてもよい。
【0003】
そのような駆動ユニットは、時には異なる動作モードで動作可能であり、例えば、急速モード又は高速モードにおいては、剃毛効率を向上させるためにカッター速度又は振動周波数が変更されてもよく、他方で、緩速モード又は低速モードにおいては電力消費量が低減されてもよい。かみそりのフィット性に応じて、他の動作モードが提供されてもよく、また、駆動ユニットが少なくとも1つのカッターユニットを駆動することに加えてあるいはそれに代わって、長毛カッターを駆動し得る長毛切断モード、又は、スプレーノズルなどの潤滑アプリケータが作動され得る流体適用モード、又は、気流を発生させて冷却若しくは洗浄を達成するために駆動ユニットによってベンチレータが駆動され得る通気モードを含んでもよい。
【0004】
これらの異なる動作モードの間で選択する選択肢をユーザに与えるため、かみそりは、かみそりの駆動ユニット及び/又は制御ユニットを所望の動作モードへと切り替えるそれぞれのモードコマンドをユーザが入力することが可能となるように、タッチボタン、トグルスイッチ又はジェスチャーセンサーなどのモード入力要素を設けられてもよい。例えば、米国特許出願公開第2015/0246454A号の文献には、複数の動作モードで動作可能な電気かみそりが示されており、ここでは、駆動ユニットを異なる動作モードに切り替えるためのモード入力要素が設けられている。時には、異なるモード間での切り替えは自動的に実現されてもよく、例えば、上述した低速モードは、バッテリー充電レベルが低くなったときに自動的に選定されてもよい。
【0005】
どの動作モードが選択されているかというユーザフィードバックを与えるために、そのようなかみそりは、そのような動作モードに関する情報を表示するための表示デバイスを有してもよい。例えば、選択されたカッター速度が指示されてもよく、あるいは、上述した流体アプリケータ又は気流発生器などの機能的付属品の作動が表示されてもよい。
【0006】
動作モードに関するそのような情報を表示することに加えてあるいはそれに代わって、他の情報がそのような表示デバイスによって表示されてもよい。例えば、かみそりのバッテリー又は蓄電池の充電状態が指示されてもよく、あるいは剃毛時間が表示されてもよく、そのような付加的な情報はまた、かみそり又はその駆動ユニットが非作動状態にあるときに表示されてもよい。例えば、ディスプレイの活動状態をかみそりのスイッチオフから数秒後の期間に延長し、それによって、例えば、電池の充電レベルがかみそりのスイッチオフから数秒後にわたって表示され、その後に、情報が表示されないアイドルモードへとフェードアウトするようにすることが提案されてきた。国際公開第98/25736A号の文献では、特定のかみそり情報をかみそりの充電/洗浄ステーション上に表示することが提案されており、この充電/洗浄ステーションは、そのようなデータを表示するためのディスプレイを設けられ、かみそりからユーザデータを受信するためにかみそりと通信するものである。また、かみそりの電源ボタンが短時間、触れられると、休止しているディスプレイが起動され得ることも提案されてきた。
【0007】
時には、そのようなかみそりは、スキントリートメントユニット又は長毛カッターユニット又はひげトリマーなどの付加的なパーソナルケアツールを設けられてもよい。そのようなスキントリートメントユニットは、例えば、ピーリングツール、マッサージブラシ又は血液循環を向上させるための振動要素などのツール要素を備えてもよい。そのようなスキンケアツールは、デバイスのヘッド部分に固定式で又は取外し可能に装着され得る。例えば、国際公開第2009/027928A号の文献には、様々なタイプのツールを駆動トランスミッタと結合するための結合手段を設けられたヘッドを有するパーソナルケア器具が開示されており、そのようなツールには、振動式安全かみそり、ヘアトリミングデバイス及びコームアタッチメントが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0246454A号
【特許文献2】国際公開第98/25736A号
【特許文献3】国際公開第2009/027928A号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基礎をなす目的は、従来技術の不利点の少なくとも1つを回避しかつ/又は既存の解決策を更に発展させる、改善された電気かみそりを提供することである。本発明の基礎をなすより具体的な目的は、ユーザへの情報の表示を改善することである。
【0010】
本発明の基礎をなす更なる目的は、かみそりの容易な取扱いを犠牲にすることなく、ユーザに表示される情報の制御を改善することである。より具体的に言えば、かみそりの情報機能の一目瞭然で直感的な取扱い及び使用が達成されるべきである。
【0011】
本発明の基礎をなすまた更なる目的は、短毛カッター、長毛カッター又はスキンケアトリートメントユニットなどの様々なツール要素の改善された操作を提供する、改善された多目的のパーソナルケア器具を提供することである。
【0012】
前述した目的のうちの少なくとも1つを達成するために、かみそりがオフに切り替えられかつ/又はかみそりの駆動ユニットが非作動状態にあるときにも、異なるセットの情報を認知する選択肢をユーザに与えることが提案される。より具体的に言えば、電気かみそりは、ユーザが複数の異なるセットの情報から特定の1つを選択することが可能となるように構成される。第1の態様によれば、電気かみそりがオンに切り替えられているか、あるいはオフに切り替えられているかに依存して、種々の機能が電気かみそりのモード入力要素に割り当てられる。電気かみそりがオンに切り替えられ、かつ/又はかみそりの駆動ユニットが作動状態にあるとき、当該モード入力要素は、駆動ユニットを異なる動作モードへと切り替えるように構成されるのに対し、電気かみそりがオフに切り替えられ、かつ/又はかみそりの駆動ユニットが非作動状態にあるとき、当該モード入力要素は、異なるセットの情報を表示するために表示デバイスを異なる表示モードへと切り替えるように構成される。かみそりがオンに切り替えられているときに入力要素が駆動ユニットの動作モードを変更するために使用され得ることを知るユーザは当然、かみそりが非作動状態にあるか若しくはオフに切り替えられているとき、表示デバイスの表示モードを変更するためにそのようなモード入力要素を使用することになるため、モード入力要素のそのような二重機能は、かみそりの自然かつ直感的な取扱いを可能にする。それに加えて、モード入力要素のそのような二重機能により、表示モードを切り替えるために付加的なボタン又はキーは必要とされず、したがって、スペースが節約され得、またかみそりの入力要素の簡潔な構造が維持され得る。
【0013】
更なる態様によれば、かみそりの表示デバイスは、異なるセットの情報がタイマーの制御下で次々に自動的に表示される自動切換えモードを設けられてもよい。そのような自動切換えモードにより、ユーザは、あらゆる関連情報を常に知らされることになり、加えて、ユーザは、かみそりの種々の情報機能及び異なるセットの情報を学習して知ることになる。
【0014】
表示デバイスのそのような自動切換えモードは、ユーザが注意深い状態にありかつ理解できる状態にあることを指示するパラメータの存在に応答して、かつ/又は、電気かみそりの特定の動作段階又は状態を指示するパラメータに応答して、作動されてもよい。具体的に言えば、当該自動切換えモードは、電気かみそりがオフに切り替えられかつ/又は駆動ユニットが非作動状態になったときに作動されてもよい。それに代わってあるいはそれに加えて、表示デバイスの自動切換えモードは、休止しているかみそりが接触されるか又は指若しくは手などの物体が休止しているかみそりに接近しているときに作動されてもよい。
【0015】
これら及び他の優位点は、図面及び可能な例に言及する以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ハンドルと、そのハンドルに連結されたかみそりヘッドとを備える電気かみそりの斜視図であり、かみそりの表示デバイスはハンドル上にディスプレイを含んでいる。
【
図2】かみそりがオンにされたときのディスプレイの遷移を示す、異なる表示モードにおけるかみそりのディスプレイの概略図である。
【
図3】表示デバイスの自動切換えモードを更に示すための、更なる異なる表示モードにおけるかみそりのディスプレイの概略図であり、かみそりの駆動ユニットがオフにされるときのディスプレイの遷移が示されている。
【
図4】表示デバイスの自動切換えモードを更に示すための、また更なる表示モードにあるかみそりのディスプレイの概略図であり、かみそりの駆動ユニットがオフに切り替えられた後の2つの更なる表示モード間の遷移が示されている。
【
図5】かみそりのディスプレイ及びかみそりのモード入力要素の概略図であり、かみそりがオフに切り替えられるときのそのようなモード入力要素の使用法が示されており、モード入力要素によって選択されたディスプレイの異なる表示モードが示されている。
【
図6】かみそりの駆動ユニットが非作動状態にあるときにモード入力要素によって選択された、更なる異なる表示モードにおけるかみそりのディスプレイの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本電気かみそりは、該当する情報をユーザに通知する快適な方法を提供するものであり、一態様によれば、ユーザは、表示されるべく提供された複数セットの情報から該当する情報を能動的に選択し得る。別の態様によれば、本かみそりは、ユーザが注意深い状態にあり、そのような情報を認知できる状態にあると、好都合な時点でユーザに異なるセットの情報を自動的に表示し得る。
【0018】
より具体的に言えば、第1の態様によれば、作動状態にあるかみそりを種々の動作モードへと切り替えるように構成されたモード入力要素はまた、駆動ユニットが非作動状態にあるとき及び/又はかみそりが休止しているとき、異なるセットの情報を表示するための異なる表示モードへと表示デバイスを切り替えるように構成されている。したがって、モード入力要素は、作動状態にあるかみそりの動作モードを制御するという本来の機能に加えて、第2の機能を与えられている。
【0019】
かみそりが作動状態にあり、かつ/又は駆動ユニットがオンに切り替えられたとき、モード入力要素は、カッターユニットが低速でかつ/若しくは低振動周波数で駆動される低速モードか、あるいはカッターユニットが高速でかつ/又は高振動周波数で駆動される高速モードのいずれかで動作するように、駆動ユニットを制御してもよい。また、上述した高速と低速との間のカッター速度及び/又はカッター振動周波数をもたらす中速モードが提供され、モード入力要素によってオンに切り替えられてもよい。
【0020】
そのような速度制御機能に加えて、入力モード要素はまた、かみそりの他のグルーミング機能を制御するように構成されてもよい。例えば、モード入力要素は、駆動ユニットによって駆動される長毛カッターを作動させてもよい。そのような長毛切断モードに加えてあるいはそれに代わって、モード入力要素はまた、上述した少なくとも1つの切断ユニットのみが動作される短毛剃毛モードで動作するようにかみそりを切り替えてもよく、ここで長毛カッターはその非作動状態へと切り替えられる。潤滑及び/若しくは冷却流体を皮膚の上に適用すること、又は冷却/清浄空気を皮膚及び/若しくはかみそりヘッドの上に吹付けることなど、他のグルーミング機能が利用可能にされてもよく、ここで、モード入力要素は、流体アプリケータ及び/又は気流発生器など、そのような機能を提供するアプリケータを作動させるように構成されてもよい。
【0021】
動作モードのそのような制御に加えて、モード入力要素は、かみそりの表示デバイスを異なる表示モードに切り替えて、異なるセットの情報を表示するように構成されてもよい。具体的に言えば、異なるセットの情報を提供することを可能にするために、かみそりは、それぞれの情報及び/又はそのような情報を指示するパラメータを検出するための複数の検出器を設けられてもよい。例えば、表示デバイスは、かみそりの蓄電池又はバッテリーの充電レベルを検出するための充電レベル検出器に接続されてもよい。充電レベル検出器によって供給される対応する充電レベル信号は、表示デバイスがアクセスを有しかつ/又は表示デバイスへの直結が供され得るメモリ内に記憶されてもよい。充電レベル表示モードに切り替えるためにモード入力要素が使用される場合、モード入力要素は、検出器の充電レベル信号に基づいて表示デバイスに充電レベルに関する情報を表示させるために、表示デバイス及び/若しくはその表示制御器並びに/又は前記メモリと相互作用してもよい。
【0022】
それに加えてあるいはそれに代わって、最後に洗浄を実行した後に実施された剃毛時間及び/又は剃毛実行回数を検出するための剃毛時間及び/又は剃毛実行検出器が設けられてもよい。検出器によって供給される剃毛時間信号及び/又は剃毛実行数信号は、表示デバイスがアクセスを有するメモリに記憶されてもよく、かつ/又は直接、表示デバイスに供給されてもよく、ここでモード入力要素は、表示デバイス及び/又はその表示制御器が剃毛時間情報及び/又は剃毛実行数情報のディスプレイ上への表示を実現する、剃毛時間及び/又は剃毛実行数表示モードへと表示デバイスを切り替えるように構成されてもよい。
【0023】
それに加えてあるいはそれに代わって、洗浄状態検出器がかみそりの洗浄状態を検出してもよく、ここでそのような検出器は、例えば、最後の洗浄サイクルからの経過時間及び/若しくはかみそりヘッド内に残存するヘアダストの量並びに/又は洗浄状態を示す任意の他のパラメータを検出してもよい。ここでも、洗浄検出器によって供給されるそのような洗浄信号は、表示デバイスがアクセスを有するメモリに記憶されてもよく、かつ/又は、対応する洗浄情報が表示されるようにモード入力要素が表示デバイスを洗浄状態表示モードに切り替えたとき、表示デバイス及び/若しくはその表示制御器に直接、供給されてもよい。
【0024】
それに加えてあるいはそれに代わって、カッターユニットの損耗を検出するための摩耗検出器が存在してもよく、そのような摩耗検出器は、最近のカッターユニットの交換からの剃毛実行回数及び/若しくは振動しているときのカッターユニットの摩擦抵抗、すなわち、振動抵抗、並びに/又はカッターユニットを駆動するのに必要な駆動電力、並びに/又はカッターユニットの損耗を示す任意の他のパラメータを検出してもよい。そのような摩耗検出器の摩耗信号は、表示デバイス及び/又はその表示制御器が入力モード要素によって、そのような摩耗信号に基づいた摩耗情報を表示するようにされる場合、表示デバイスに設けられたメモリに記憶されてもよく、かつ/又は直接、表示デバイスに提示されてもよい。
【0025】
当該モード入力要素は、機械的ボタンとしてあるいは、例えばタッチスクリーンボタンという意味ではソフトキーとして実現され得るタッチキー又はタッチボタンを含んでもよく、そのため、モード入力要素はタッチキーを押下又はそれに触れることによって作動され得る。第1のモードから第2のモードに、また第2のモードから第1のモードに切り替えることが可能となるように、そのようなタッチキー又はタッチボタンは、前方スイッチ及び後方スイッチ機能をもたらすように構成されてもよい。例えば、タッチキーは、コンピュータマウスで知られているように、1クリックと2クリックとを区別するように構成されてもよい。キーに1度だけ触れると、例えば、前述の前方切り替えがもたらされ得るが、ここで所定の時間内にキーを2度、触れると、後方切り替えがもたらされ得る。
【0026】
そのようなキータッチに加えて、又は代替的例では、モード入力要素は、様々な表示モードを指のジェスチャーによってブラウズすることが可能になるように、指ワイピングなどの指のジェスチャーを検出するためのジェスチャー検出器を含んでもよい。そのようなジェスチャー検出器はまた、前方切り替え及び後方切り替えをもたらすように構成されてもよく、例えば、指によるワイピングの方向は後方切り替えと前方切り替えとを区別するために用いられてもよく、例えば、左から右への指の移動は前方切り替えに関連付けられてもよく、他方で右から左への移動は後方切り替えをもたらしてもよい。
【0027】
更なる態様によれば、モード入力要素は、駆動ユニットのある動作モードから別の動作モードへとトグルし、表示デバイスのある表示モードから別の表示モードへとトグルするためのトグルスイッチボタンを含んでもよい。3つ以上の動作モード又は3つ以上の表示モードが存在する場合、トグルは、一種の回路形式で実現され得るが、そのため、トグルスイッチボタンを複数回、作動させることにより、モード1からモード2、モード3、モードnへの切り替えが実現され、最後のモードnに達すると、トグルスイッチボタンを更に作動させることにより、再びモードnからモード1への切り替えが引き起こされ得る。それに加えてあるいはそれに代わって、そのようなトグルスイッチボタンは、以前に説明したように、前方切り替え及び後方切り替えをもたらすように構成されてもよい。
【0028】
また更なる態様によれば、モード入力要素は、信号受信機を含んでもよく、かつ/又は、受信した信号に応答して表示モード及び/若しくはモータ動作モード及び/若しくは他の機能的動作モードを切り替えるために、受信した信号に応答するように構成されてもよい。そのようなモード切替信号は、様々な電子回路及び/又はデバイスに由来し得る。具体的に言えば、モード切替要素は、かみそり充電及び/若しくは洗浄ステーションなどの外部デバイス、又はスマートフォン、タブレット若しくはラップトップなどの電子通信デバイスに由来する信号に応答してもよく、したがって、外部デバイスによる表示モード及び/又はモータ動作モード及び/又は他の機能的動作モードの制御が可能となる。
【0029】
モード切替要素はまた、かみそり及び/又はスキンケアデバイスの構成を検出する構成検出器から信号を受信してもよく、そのような構成検出器は、例えば、長毛カッター、ひげトリマー、及び/又は、ブラシ若しくはピーリングデバイスなどのスキントリートメントユニットの位置及び/又は接続を検出してもよい。例えば、ピーリングデバイスがかみそりヘッドに装着され、かつ/又は作動位置へと移動される場合、モード切替要素は、そのようなスキントリートメントユニットを適切に駆動するために、対応するスキントリートメントモードへとモータを切り替えてもよく、かつ/又は、スキントリートメントに関する該当の情報を示すスキントリートメント表示モードへとディスプレイを切り替えてもよい。
【0030】
前述のモード入力要素は、そのようなモード入力信号及び/又はモード切替信号に応答しかつ/又はそれらを処理するソフトウェアモジュール及び/又はハードウェアモジュールを含んでもよい。より具体的に言えば、前述した信号を受信し、その受信した信号に応答してそのような種々のモードにある駆動ユニットのモータ及び/又は表示デバイスを制御するためのマイクロコントローラが設けられてもよく、そのようなマイクロコントローラは、前述のソフトウェア及び/又はハードウェア要素を含んでもよい。
【0031】
モード入力要素に関連付けられる機能は、異なる方式で又は異なるパラメータに基づいて決定されてもよい。例として、駆動ユニットの作動状態、例えば、駆動ユニットのモータの電力消費量は、モード入力要素の機能がそれに基づいて決定され得るパラメータとして用いられてもよい。例えば、駆動ユニットが作動状態にありかつ動作中であることを検出器が検出してもよく、そのような検出器からの対応する信号に基づいて、モード入力要素は、かみそりの前述した動作モードを切り替えるように構成されてもよい。他方で、検出器がそのような信号を供給しないか、あるいは、駆動ユニットが動作していないこと及び/又はかみそりがオフに切り替えられていることを示す非作動信号を供給するとき、モードボタンは、表示モードを切り替えるように構成されてもよい。したがって、モード入力要素は、かみそりが作動状態にあるか若しくは休止していることを示すかつ/又は駆動ユニットがオン若しくはオフに切り替えられていることを示す、検出器信号に応答し得る。
【0032】
モード入力要素が駆動ユニット又はかみそりの動作/休止状態に応答することに加えて、あるいはそれに代わって、動作モードを切り替えるように構成されるモード入力要素の機能から、表示モードを切り替えるように構成される機能へとシフトさせるためのシフト要素が設けられ得る。そのようなシフト要素は、かみそりの動作/休止状態にかかわらずモード入力要素の機能を能動的に変更する選択肢をユーザに与えるものであり、また、例えばタッチキー又はタッチボタンを含み得る。また、例えばモード入力要素の作動時間を検出するための検出器という意味で、シフト要素及び/又はシフト機能がモード入力要素に組み込まれることも可能である。例えば、モード入力要素を短く通常にタッチ又はクリックすることは、かみそりの動作/休止状態に応じて動作モード又は表示モードを切り替えるためのコマンドとして解釈され得るが、他方で、所定の期間、例えば3秒間を超えてモード入力要素をより長くタッチすることは、モード入力要素の機能をシフトさせるためのコマンドとして解釈され得る。例えば、かみそりが作動状態にあり、駆動ユニットが動作しているとき、モード入力要素を3秒超にわたって押下することは、表示デバイスの表示モードをシフトさせる表示モード機能へとシフトさせるコマンドとして解釈され得る。
【0033】
本発明の更なる態様によれば、表示デバイスは、自動切換えモードで動作するように構成され、この自動切換えモードでは、異なるセットの情報がタイマーの制御下で次々に表示され、そのため、利用可能なセットの情報の各々又は利用可能なセットの情報の所定のサブグループの各々が所定の期間にわたって次々にディスプレイ上に表示される。
【0034】
表示デバイスのそのような自動切換えモードは、種々の方式で作動され得るものであり、また、上述したモード入力要素を有さず必要ともしないかみそりの態様を形成してもよいが、それでもなお、そのようなモード入力要素を有してもよい。更なる態様によれば、作動は、ユーザが注意深い状態にあり、かつ通常の情況下にあり、また自動的に表示される情報を認知し得る時点で実現される。例えば、駆動ユニットのオフ切替を示す及び/若しくは作動状態から非作動状態への駆動ユニットの遷移を示すオフ切替信号に応答して、かつ/又は、駆動ユニットのオン切替を示す及び/若しくは非作動状態から作動状態への駆動ユニットの遷移を示すオン切替信号に応答して、作動器が自動切換えモードを作動させてもよい。
【0035】
それに代わってあるいはそれに加えて、当該自動切換えモードは、指又は手などの物体が休止しているかみそりに触れ、かつ/又は休止しているかみそりに接近すると作動されてもよい。そのような接近を検出するために、かみそり、特にかみそりハンドルは、かみそりに接近している指又は手などの物体を検出することが可能な検出器又はセンサデバイスを設けられてもよい。そのような検出器には、タッチセンサ及び/若しくは視覚センサ又は近くにある指を検出することが可能な任意の他のセンサが含まれ得る。
【0036】
表示デバイスは、かみそりハンドル上にディスプレイを含んでもよく、そのようなディスプレイには、例えば、LED表示デバイス又は他の好適なディスプレイタイプが含まれ得る。
【0037】
省スペースの表示配列を達成するために、表示デバイスは少なくとも1つの表示フィールドを含んでもよく、その表示フィールドは、動作モードに関連する情報、並びに、上述した充電レベル、剃毛時間、洗浄状態又は損耗状態など、かみそりの他の態様に関連する情報を表示するために用いられるものである。例えば、そのような表示フィールドは、カスケード又は一列の表示点又は若しくはLEDなどのピクトグラムを表示するように構成されてもよい。
【0038】
ディスプレイが電気かみそり自体に設けられることに加えてあるいはそれに代わって、かみそりのバッテリーを充電しかつ/又はかみそりを洗浄するために、電気かみそりを受容しかつ/又は電気かみそりに接続されるように構成された洗浄及び/又はローディングステーションにディスプレイが設けられてもよく、ここで、かみそりを洗浄するために流体がかみそりヘッドに加えられてもよい。そのような洗浄及び/又は充電ステーションは、上述した情報を表示するために、少なくとも、かみそりがステーションにドッキングされているときに電気かみそりと通信するように構成されたディスプレイを含んでもよい。洗浄及び/又は充電ステーションにあるディスプレイは、かみそりのモード入力要素によって制御され、かつ/又は、上述した自動切換えモードにおいて、ある表示モードから別の表示モードへと自動的に切り替わり得る。
【0039】
洗浄及び/又は充電ステーションの表示デバイスは、かみそりからかつ/又はステーション自体にある入力要素によって制御されてもよい。かみそりからステーションのディスプレイを制御することを可能にするために、かみそり及びステーションは、データ通信インターフェースを設けられてもよく、このデータ通信インターフェースは、かみそりがステーションにドッキングされているときに互いに接触され得る物理的接続要素、及び/又はブルートゥース若しくは他の近距離無線通信インターフェースを含んでもよい。
【0040】
更なる態様によれば、電気かみそりは、かみそりヘッドの汚れ状態の自動指示を提示してもよい。切断された毛髪又は埃若しくは汚れなどの他のくずは通常、かみそりヘッドのカッターユニットの下方でかみそりヘッドの内部空間内に集積される。時には、かみそりヘッドのそのような内部空間は、洗浄することが必要となる。必要となったときにユーザに洗浄を思い出させるために、あるいはそのような洗浄を自動的に制御及び/又は開始するために、かみそりは、汚れ状態及び/又はかみそりヘッド内に集積した汚れの量に関連付けられる少なくとも1つのパラメータを測定する汚れ測定ユニットを設けられてもよい。
【0041】
例えば、当該測定ユニットは、カッター要素の剃毛時間及び/若しくは剃毛抵抗及び/若しくは摩擦抵抗、並びに/又は剃毛中の駆動ユニットの電力消費量、並びに/又は接触圧力(剃毛性能が低下するとユーザが接触圧力を増大させる傾向があるため)、並びに/又は、毛髪/埃の被覆に応答する電気抵抗センサ若しくは光学センサなどのセンサ要素の電気信号などの関連するパラメータ、又はかみそりヘッド内の細片を示す他のパラメータを測定してもよい。
【0042】
マイクロコントローラがそのような測定パラメータを解析して、かみそりヘッドの汚れ状態を決定してもよく、また、指示手段が、汚れ状態に関する指示信号又は情報をユーザに与えるようにしてもよく、その指示信号又は情報は、例えば、前述した表示デバイス上に表示されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、マイクロコントローラは、決定された汚れ状態に応答して洗浄サイクルを自動的に開始するために洗浄ステーションに信号を供給してもよく、かつ/又は、汚れ状態をスマートフォンに表示するためにスマートフォンに信号を供給してもよい。
【0043】
これらの及び他の特徴が、図面に示す例から更に明らかとなる。
図1から分かるように、かみそり1は、かみそりを保持するためのハンドル2を形成するかみそりハウジングを有してもよく、このハンドルは、大まかに言えば、かみそりを簡潔に握持することを可能にする、実質的に円筒状の形状又は箱状の形状又は骨の形状などの種々の形状を有してよい。
【0044】
かみそり2の一方の端部上で、かみそりヘッド3がハンドルに装着され、ここでかみそりヘッド3は、1つ以上の旋回軸を中心として旋回可能に支持されてもよい。
【0045】
かみそりヘッド3は少なくとも1つのカッターユニット4を含んでおり、このカッターユニットは、剪断フォイルの下方で往復するカッター要素又はアンダーカッターを含んでもよい。かみそりヘッド3はまた、
図1によって示すように、長毛カッター8を含んでもよい。
【0046】
そのようなカッターユニット4及び長毛カッター8を駆動するために、駆動ユニット5はモータを含んでもよいが、そのモータは、ハンドル2内に受容され得るものであり、またモータからカッターユニット4へと延びるトランスミッタ又は駆動トレーンによってカッターユニット及び長毛カッター8に連結され得るものである。
【0047】
図1から分かるように、オン-オフスイッチ又は電源スイッチ17が、例えば、ハンドル2の前側において、ハンドル2に装置されてもよい。そのような電源スイッチ17により、駆動ユニット5は起動され、また再びオフに切り替えられ得る。
【0048】
図2~6から分かるように、かみそり1は更にディスプレイ18を含んでおり、このディスプレイは、例えば、ハンドル2の前側において、ハンドル上に設けられてよい。そのようなディスプレイ18はディスプレイデバイス6の一部であってもよく、このディスプレイデバイスは更に、ディスプレイ制御器11、メモリ、電力供給構成要素など、付加的な電子的構成要素又は他の要素を含むものである。
【0049】
ディスプレイ18は、LEDカスケードを備える第1の表示フィールド18aと、第2の又は更なる表示フィールド18bとを含んでもよく、ここで、表示される情報のタイプを指示するシンボル及び/又はピクトグラムが提示及び表示され得る(
図3及び4を参照されたい)。
【0050】
図5から分かるように、かみそり1は更に、例えば、電源スイッチ17の近辺に配置され得るタッチボタン16としてモード入力要素7を含んでもよい。
【0051】
図によって示されるように、表示デバイス6は、自動モードで、またそれに加えて、手動制御モードでも働き得る。例えば、電源スイッチ17に触れることによってかみそり1を始動させるとき、ディスプレイ18は、かみそりが起動していることを指示するために、光信号のカスケードを示してもよい。例えば、1つのライトのみの点滅又は点灯によって始動した後、点灯するLEDの個数は、カスケードのすべてのLEDが点灯するまで、1つずつ増加されてもよい。
【0052】
そのような初期化手順の後に、あるいはそれに代わる手順において、ディスプレイ18はバッテリーレベルを表示してもよく、ここで、点灯するカスケードバーの個数はバッテリーレベルに対応してもよい(
図2を参照)。
【0053】
図3から分かるように、ディスプレイ18は、かみそりがオフに切り替えられた後、所定の期間にわたってバッテリーレベルを表示し続けてもよい。例えば、バッテリー状態は、3秒間にわたって自動的に示されてもよい(
図3の右側を参照)。
【0054】
ある態様によれば、ディスプレイ18は、かみそりをオフに切り替えた後、充電レベルを示すだけではなく、他の表示モードに自動的に切り替わって、他のセットの情報を表示する。表示デバイス6のそのような自動切換えモードは、かみそりをオフに切り替えることを指示するパラメータに応答して、作動器10によって作動されていてもよい。そのような作動器は、かみそりのオフ切替を指示する検出器信号又はパラメータに応答してもよい。
【0055】
それに加えてあるいはそれに代わって、表示デバイス6の自動切換えモードはまた、物体又は対象がかみそり1に接近していることを指示するパラメータ、特に指又は手の一部がかみそり1に接近又は接触していることに応答して、当該作動器10によって作動されてもよい。したがって、作動器10は、かみそりが休止しているとき、接近検出器又は接触センサ19の検出器信号に応答するように構成されてもよい。
【0056】
図4から分かるように、そのような自動切換えモードにより、ディスプレイ18は、充電レベルを表示した後、洗浄状態(
図4の左側を参照)を、その後にカッターユニットの状態(
図4の右側を参照)を表示してもよい。表示モードのそのような自動切換えは、タイマー9の時間制御下で実現されてもよい。
【0057】
図3~4から分かるように、ディスプレイ18は、その第2の表示フィールド18bに、表示される情報のタイプを指示してもよく、ここで、バッテリー、洗浄液の滴若しくはフォイルカセットのシンボルなどの該当する情報タイプのシンボル又は他のピクトグラムが示されてもよい。
【0058】
図5及び6から分かるように、表示デバイス6の表示モードはまた、前述したモード入力要素7を使用することによって手動で切り替えられ得るが、そのモード入力要素は、その本来の機能として、切断速度、振動周波数など、作動状態にあるかみそりの動作モードを切り替えるために使用され得るものである。かみそりが休止しているとき、及び/又はオフに切り替えられているとき、ディスプレイはまた、休止モードに移行してもよい(
図5の左側を参照)。モード入力要素7を作動させるか又はそれに触れたとき、ディスプレイが起動し、最初にバッテリー充電レベルを示してもよい(
図5の右側を参照)。
【0059】
再び若しくは更なる回数、モード入力要素7に触れるか又はモード入力要素を作動させることにより、表示デバイス6は、他の表示モードに切り替えられて、洗浄状態(
図6の左側を参照)及びカッターユニット状態(
図6の右側を参照)などの他のセットの情報を表示することになる。
【0060】
図3から分かるように、かみそり1は更に、汚れ状態に関連するパラメータを測定するための汚れ測定ユニット20を設けられてもよく、そのような測定ユニット20は、例えば、剃毛中の駆動ユニットの電力消費量を検出するための電圧及び/若しくは電流検出器、並びに/又は剃毛時間を測定するための時間測定手段を含んでもよい。
【0061】
マイクロコントローラ21が、そのようなパラメータを指示する信号を受信してもよく、また汚れ状態を決定するためにそのような信号を解析してもよく、ここで、説明した表示デバイス6などの指示手段22は、ユーザに汚れ状態を指示するために、マイクロコントローラ21によって制御されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、そのような汚れ状態情報が充電及び/又は洗浄ステーションに通信されて、その汚れ状態に応答して洗浄サイクルが自動的に開始されてもよい。
【0062】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものである。
【外国語明細書】