(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012320
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】センサーを備える車両部品
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20240123BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20240123BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B60N2/90
A47C7/62 Z
A61B5/11 110
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023176198
(22)【出願日】2023-10-11
(62)【分割の表示】P 2020511816の分割
【原出願日】2018-08-23
(31)【優先権主張番号】15/690,242
(32)【優先日】2017-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/690,234
(32)【優先日】2017-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/588,267
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/821,677
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518033495
【氏名又は名称】タクチュアル ラブズ シーオー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アラック ジュニア,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】フォーラインズ,クリフトン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ダレン
(72)【発明者】
【氏名】モズリー,ブラオン
(72)【発明者】
【氏名】ランダ,アダム
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両部品と共に使用されるセンサーが提供される。
【解決手段】センサーは送信アンテナ及び受信アンテナを備え、両アンテナは、車両全体にわたる様々な材料内にインタリーブされ又は配置されることが可能であり、それにより材料との相互作用が、使用に関連する情報をもたらす。センサーはまた、材料を介して車両内の乗員に信号を注入し、それにより、様々な車両の特徴及び部品との相互作用を向上させることができる。
【選択図】
図17A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーを備えた車両シートであって、
第1及び第2のアンテナ;
少なくとも1つの周波数を含む信号を発生させるのに適した信号発生源であって、第1のアンテナに動作可能に接続されている、信号発生源;
第2のアンテナに動作可能に接続された信号受信機であって、第1のアンテナ及び第2のアンテナは、それらに近接したタッチ事象が両アンテナ間の結合の変化を引き起こすように配向される、信号受信機;
信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された信号に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうのに適した、信号プロセッサー;及び
シートの使用を判定するために少なくとも1つの測定値を使用するように構成される検出器モジュール
を含む車両シート。
【請求項2】
前記検出器モジュールは乗員の有無を検出する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項3】
前記検出器モジュールは乗員の生体認証を検出する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項4】
前記検出器モジュールは乗員の位置を検出する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項5】
前記検出器モジュールは乗員の体重を検出する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項6】
前記検出器モジュールはヘッドレストからの頭部の距離を検出する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項7】
前記検出器モジュールは物体の存在を検出する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項8】
前記検出器モジュールは前記信号プロセッサー上で実行される、請求項1に記載の車両シート。
【請求項9】
センサーを備えた車両シートであって、
第1及び第2のアンテナ;
少なくとも1つの周波数を含む信号を発生させるのに適した信号発生源であって、第1のアンテナに動作可能に接続されている、信号発生源;
第2のアンテナに動作可能に接続された信号受信機であって、第1のアンテナ及び第2のアンテナは、第2のアンテナに対する第1のアンテナの位置の変化が両アンテナ間の結合の変化を引き起こすように配向される、信号受信機;
信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された信号に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうのに適した、信号プロセッサー;及び
シートの使用を判定するために少なくとも1つの測定値を使用するように構成される検出器モジュール
を含む車両シート。
【請求項10】
前記検出器モジュールは乗員の有無を検出する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項11】
前記検出器モジュールは乗員の生体認証を検出する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項12】
前記検出器モジュールは乗員の位置を検出する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項13】
前記検出器モジュールは乗員の体重を検出する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項14】
前記検出器モジュールはヘッドレストからの頭部の距離を検出する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項15】
前記検出器モジュールは物体の存在を検出する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項16】
前記検出器モジュールは前記信号プロセッサー上で実行される、請求項9に記載の車両シート。
【請求項17】
センサーを備えた車両シートであって、
複数のアンテナ;
複数の固有の周波数直交信号を発生させるのに適した信号発生源であって、複数のアンテナのうち少なくとも2つに動作可能に接続されており、且つ、複数の固有の周波数直交信号のうち少なくとも1つを、前記信号発生源が動作可能に接続される各アンテナに送信するように構成される、信号発生源;
複数のアンテナのうち少なくとも2つとは別の複数のアンテナのうち少なくとも2つ以上に動作可能に接続される信号受信機であって、前記複数アンテナのうち少なくとも2つ以上、及び前記複数のアンテナのうち少なくとも2つは、前記複数アンテナのうち少なくとも2つのうち1つ、及び前記複数のアンテナのうち少なくとも2つ以上のうち1つに対して近接したタッチ事象が、それらの間の結合の変化を引き起こすように選択され、それにより、
(a)近接したタッチ事象がそれらの間の結合の変化を引き起こし、又は
(b)前記複数のアンテナのうち2つ以上に対する前記複数のアンテナのうち少なくとも2つの位置の変化が、それらの間の結合の変化を引き起こす、信号受信機;
信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された固有の周波数直交信号の各々に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうのに適した、信号プロセッサー;及び
シートの使用を判定するために発生された固有の周波数直交信号の各々に関連付けられる少なくとも1つの測定値を使用するように構成された検出器モジュール
を含む車両シート。
【請求項18】
前記検出器モジュールは乗員の有無を検出する、請求項17に記載の車両シート。
【請求項19】
前記検出器モジュールは物体の存在を検出する、請求項17に記載の車両シート。
【請求項20】
前記検出器モジュールは前記信号プロセッサー上で実行される、請求項17に記載の車両シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は著作権保護を受ける題材を含む。著作権の所有者は、それが特許商標庁のファイルまたは記録に現われるため、特許情報開示者による複製に反対しないが、そうでない場合には著作権をすべて留保する。
【0002】
開示されるシステムと方法は概して、センシングの分野、とりわけ、センサーを備える車両部品に関する。
【背景技術】
【0003】
タッチセンス装置は、使いやすさと汎用性から、様々なコンピューティングシステムや他のデバイスに対する入力装置として人気である。タッチセンス装置は通常、様々な用途において透明、半透明、あるいは不透明であり得るタッチ面を備える。多くの用途(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タッチスクリーンtv、およびタッチスクリーンモニター)では、透明なタッチ面はディスプレイデバイスを備え、これは、タッチインターフェースに、適切なソフトウェアおよびハードウェアを介して、ユーザーにディスプレイと相互に作用させる。他の用途(例えば、タッチパッド)では、タッチ面は、タッチ面を介して見られるディスプレイデバイスを含んでいない。多くの方法および装置は、タッチデルタ(例えば、タッチに起因する測定可能な変化(つまり、応答))を測定し、および、こうした測定から、1つ以上のタッチの位置を特定することで有名である。例えば、U.S.Patent No. 9,019,224 entitled “Low Latency Touch Sensitive Device”、および、U.S.Patent No. 9,529,476 entitled “Fast Multi-Touch Post-Processing”を参照。これらの開示は引用により本明細書に組み込まれる。タッチデルタはdBの比率として表現され得る。通常、タッチデルタは、システムに関する信号対ノイズ(SNR)に直接的な影響を与える。典型的な静電容量タッチセンサー設計では、高いタッチデルタがセンサーのタッチ面では望ましい。通常は、タッチデルタは、タッチセンサーのベースライン応答と、タッチ物体(指またはスタイラスなど)が存在する場合の応答との間の差を反映することになる。上で特定された特許の文脈では、タッチデルタは、各々の任意の頻度でのタッチセンサーのベースライン応答と、タッチ物体(指またはスタイラスなど)が存在する場合の頻度でのその応答との間の差を反射することになる。
【0004】
ITOまたは銀のナノワイヤーなどの導電性材料であり得るタッチセンサーの一部は、タッチ面の中に埋め込まれるか、タッチ面上に配置されるか、あるいは、タッチ面と一体的である(タッチセンサーのそのような部分は、例えば、本明細書においてタッチセンサー導体、導体素子、あるいはタッチセンサーアンテナと呼ばれ得る)。タッチセンサー導体は典型的には、行と列のグリッドに配置され、行または列のいずれかが信号またはエネルギーで刺激され得るが、実施形態によっては、行と列の両方が刺激される。典型的なタッチ用途では、行間の間隔と列間の間隔は通常、均一であり、しばしば4mm~5mmの範囲で提案される。
【0005】
本明細書で使用されるように、駆動される導体はしばしばドライブラインと呼ばれ、それ以外のものはセンスラインと呼ばれる。(いくつかのタッチセンサーでは、タッチセンサー導体は、同時にドライブラインとセンスラインとして作用し得る。例えば「Fast Multi-Touch Noise Reduction」という表題の米国特許第9,811,214号を参照。この開示は参照により本明細書に組み込まれる。)上記のようなタッチ面は、ドライブラインの行とセンスラインの列との間の交差点に形成された一連のタッチ領域あるいはノードを含む。タッチ面上でタッチを感知するために、ドライブラインが刺激されて、交差センスラインと容量的に結合する受信機は、交差センスライン上の結合された信号を測定する。いくつかの実施では、タッチに近接するノードからの結合された信号は、センスライン上で減少し、その逆も成立する。タッチという単語は本明細書で使用されるように、物理的なタッチ(例えば、実際の接触)を必要としないが、測定可能なタッチデルタを作るのに十分なほど近づくことを必要とする。一般的に、タッチセンスデバイスは、タッチデルタを検出する受信機を行-列位置と相関させることにより、タッチ(つまり、タッチ事象)によって引き起こされるタッチデルタの位置を検出する。
【0006】
行と列は「交差している」と特定されるが、その文脈で使用されるような交差は平面図から観察される通りである。一般的に、行と列は接触せず、むしろ、それらは互いに隣接しており、従って、容量的に結合可能である。ある実施では、行と列は別々の層上にある。ある実施では、行と列は基板の別々の側にある。行と列は同じ層に置くことができるが、各「交差」でブリッジをかけることができ、多数のこうしたブリッジを必要とする。例として、タッチセンサー導体間の典型的な間隔は約4mm~5mmである。したがって、典型的なスマートフォンでは、20-30の行と10-20の列があり得、スマートフォンのサイズと導体間のピッチ次第では、200~600のブリッジを必要とする。
【0007】
多くの例では、行導体を列導体がタッチ面から例えば、駆動回路とセンス回路までルーティングされるため、シールディングは行導体を列導体と分離することを要求され得る。通常は長方形のタッチ面の場合には、端部に対して行(例えば、ドライブライン)は、列(例えば、センスライン)がルーティングされる端部に対して90度である端部からルーティングされなければならない。ベゼルサイズを減らす現代的な傾向を考慮して、駆動回路とセンス回路へ行と列を取り付けることは、注意深いシールディングおよび/また困難なあるいは遠回りなルーティングを必要とし得る。
【0008】
上に議論された、および、参照された先行技術における行-列の構成は、水平な可撓性表面上で容易にエッチングあるいは配置され、その後、表面に適用される。平坦な表面に関して、これはうまく機能するが、複合曲線あるいは複合表面上の平らに作られたセンサーの使用は、伸張と集群を含む様々な問題を引き起こし得、例えば、包装操作中の導体の破損につながることもあり得る。
【0009】
こうした欠点に対処して他の利点を提供するタッチセンサーに対するニーズがある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の目的、特徴、および利点は、添付の図面で例証されるような好適な実施形態の以下の具体的な記載から明白になり、図面において、参照文字が様々な図面の全体にわたって同一部品を指している。図面は同一縮尺である必要はなく、その代わりに本発明の例証されている原則が強調されている。例となる実施形態および関連データは、本発明を例示する目的で開示されるが、他の実施形態および関連データは、本明細書での本開示の範囲と精神から逸脱することなく、本開示の観点から、当技術分野において当業者に明白となるであろう。
【
図1】スライドセンサーの実施形態のハイレベルな図を示す。
【
図2】スライドセンサーの実施形態の概略図を示す。
【
図3】スライドセンサーの別の実施形態の概略図を示す。
【
図4】スライドセンサーのさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図5】タッチを検出するためのセンサーの1つの実施形態の概略図を示す。
【
図6】タッチを検出するためのセンサーの別の実施形態の概略図を示す。
【
図7A】
図6に例示されたタッチを検出するためのセンサーに関連して使用され得る、コネクタ(想像線の1つの層を示す)の例を示す。
【
図7B】
図7Aで例示されたコネクタの正面図と背面図を示す。
【
図7C】
図7Aで例示されたコネクタの正面図と背面図を示す。
【
図8】タッチを検出するためのセンサーのさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図9】例示的な周波数分割変調されたタッチセンスデバイスの機能ブロック図を示す。
【
図10B】
図10Aに示されるもののような部分的なトロイドに関連して使用され得るセンサーの1つの実施形態の図である。
【
図11A】
図10Aで示されるものよりも楕円形の部分的なトロイドの断面図である。
【
図11B】
図11Aに示されるもののような部分的なトロイドに関連して使用され得るセンサーの1つの実施形態の図である。
【
図12A】複雑な形状の部分に関連して使用するのに効果的であり得るセンサーパターンの様々な実施形態の図を示す。
【
図12B】複雑な形状の部分に関連して使用するのに効果的であり得るセンサーパターンの様々な実施形態の図を示す。
【
図12C】複雑な形状の部分に関連して使用するのに効果的であり得るセンサーパターンの様々な実施形態の図を示す。
【
図12D】複雑な形状の部分に関連して使用するのに効果的であり得るセンサーパターンの様々な実施形態の図を示す。
【
図12E】複雑な形状の部分に関連して使用するのに効果的であり得るセンサーパターンの様々な実施形態の図を示す。
【
図13A】トロイダル構成における交差センサーパターンの実施形態の複数の図面を示す。
【
図13B】トロイダル構成における交差センサーパターンの実施形態の複数の図面を示す。
【
図13C】トロイダル構成における交差センサーパターンの実施形態の複数の図面を示す。
【
図14A】トロイダル構成における非交差センサーパターンの実施形態の複数の図面を示す。
【
図14B】トロイダル構成における非交差センサーパターンの実施形態の複数の図面を示す。
【
図14C】トロイダル構成における非交差センサーパターンの実施形態の複数の図面を示す。
【
図17A】車両シートと共に使用されるセンサーの実施形態の正面図を示す。
【
図17B】車両シートと共に使用されるセンサーの実施形態の背面図を示す。
【
図18】上部センサー部分を有するマットレスを示す。
【
図19】手のための信号注入システムの一実施形態の概略図である。
【
図20】
図15に示される信号注入システムの別の実施形態の概略図である。
【
図21A】ゲームコントローラーなどの物体に対する様々な手のポーズの図である。
【
図21B】ゲームコントローラーなどの物体に対する様々な手のポーズの図である。
【
図21C】ゲームコントローラーなどの物体に対する様々な手のポーズの図である。
【
図21D】ゲームコントローラーなどの物体に対する様々な手のポーズの図である。
【
図21E】ゲームコントローラーなどの物体に対する様々な手のポーズの図である。
【
図21F】ゲームコントローラーなどの物体に対する様々な手のポーズの図である。
【
図22】
図19に示される信号注入システムの実施形態の両手で行うバリエーションの概略図である。
【
図23】本開示の一実施形態に係る手による導入および分離システムの図である。
【
図24】本開示の一実施形態に係る指による導入および分離システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願は、人間とコンピュータあるいは人間と機械の相互作用用途に設計されたタッチセンサーの様々な実施形態を企図している。本出願は、タッチ感知装置と組み合わせる際に、人間とコンピュータあるいは人間と機械の相互作用を感知するために、タッチセンサー導体の様々な構成と配向も企図している。タッチセンサー導体構成は、周波数直交信号化技術と共に使用するのに適しているが(例えば、U.S.Patent Nos.9,019,224および9,529,476、ならびに、U.S.Patent No.9,811,214を参照。これはらすべて参照により本明細書に組み込まれる)、走査技術あるいは時分割技術および/または符号分割技術を含む他の信号技術と共に使用され得る。本明細書に記載および例示されたセンサーが、信号注入(a/k/a信号導入)技術および装置に関連した使用にも適していることに留意する。
【0012】
本明細書に開示されているシステムおよび方法は、静電容量タッチセンサー、とりわけ、限定されないが、周波数分割多重化(FDM)、符号分割多重化(CDM)、あるいはFDM法とCDM法の両方を組み合わせたハイブリッド変調技術などの直交信号に基づく多重化方式を採用する静電容量タッチセンサーを、設計、製造、および使用することに関する、ならびに、上記の設計、製造、および使用のための原則を含む。本明細書における周波数への言及は、他の直交信号ベースも指し得る。そのため、本出願は、参照により、「Low-Latency Touch Sensitive Device」という表題の出願人の以前のU.S.Patent No. 9,019,224と、「Fast Multi-Touch Post Processing」という表題のU.S.Patent No. 9,158,411を組み込む。これらの出願は、本開示のセンサーと関連して使用され得るFDM、CDM、またはFDM/CDMのハイブリッドタッチセンサーを企図している。こうしたセンサーでは、行からの信号が列に結合される(増加する)か、列から分断される(減少する)ときに、タッチが感知され、その結果がその列で受信される。行を連続して励起して、その列の励起信号のカップリングを測定することによって、静電容量の変化、したがって、近接性を反映するヒートマップが作成され得る。
【0013】
本出願はさらに、以下のU.S.Patent Nos.9,933,880;9,019,224; 9,811,214;9,804,721;9,710,113;および、9,158,411で開示される高速マルチタッチセンサーおよび他のインターフェースで使用される原則を採用する。これらの特許内における開示、概念、および命名法については精通していることを前提とする。こうした特許および参照により組み込まれる出願のすべての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本出願はさらに、以下のU.S.Patent applications 15/162,240;15/690,234;15/195,675;15/200,642;15/821,677;15/904,953;15/905,465;15/943,221;62/540,458,62/575,005,62/621,117,62/619,656、および、PCT publication PCT/US2017/050547で開示される高速マルチタッチセンサーおよび他のインターフェースで使用される原則を採用し、これらにおける開示、概念、および命名法については精通していることを前提とする。こうした出願および参照により組み込まれる出願のすべての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
本開示全体にわたって、「タッチ(touch)」、「タッチ(touches)」、「タッチ事象(touch event)」、「接触(contact)、「接触(contacts)」、「ホバリング(hover)あるいは(hovers)」、「ジェスチャー(gesture)」、「ポーズ(pose」)、または他の記載は、ユーザーの指、スタイラス、物体、または本体部分がセンサーによって検出されるイベントもしくは期間を記載するために使用され得る。いくつかのセンサーでは、ユーザーが、センサー、あるいはセンサーが埋め込まれたデバイスと物理的に接触しているときのみ、検出が生じる。いくつかの実施形態において、および、「接触」という単語によって通常表示されるように、こうした検出は、センサー、あるいはセンサーが埋め込まれたデバイスと物理的に接触した結果、生じる。他の実施形態において、および、「ホバリング(hover)」、「ジェスチャー(gesture)」、あるいは「ポーズ(pose」)という用語によってしばしば言及されるように、センサーは、タッチ面の上方で一定の距離を置いているか、あるいはそれ以外の方法でセンサーデバイスから分離している「タッチ事象」であって、導電性あるいは静電容量性の物体、例えば、スタイラスまたはペンがタッチ面と実際に物理的な接触をしていない事実にもかかわらず、認識しうる変化を引き起こす、タッチ事象の検出を可能にするために、調整され得る。したがって、感知された物理的な接触への依存を示唆する本説明内の言葉の使用は、記載された技術がそれらの実施形態にのみ適用されることを意味すると解釈されてはならない;実際に、本明細書に記載されるもののすべてではないにせよ、ほとんどすべては、それぞれタッチあるいはタッチ事象である、「接触」、「ホバリング」、「ポーズ」、および「ジェスチャー」に等しく適用される。通常、本明細書で使用されるように、「ホバリング」という単語は、非タッチ事象またはタッチを指し、本明細書で使用されるように、「ホバリング」、「ポーズ」、および「ジェスチャー」という用語は、「タッチ」が本明細書で意図されているという意味で、「タッチ」の一種である。したがって、本明細書で使用されるように、「タッチ事象」という成句と「タッチ」という単語は、名詞として使用されるときには、近くのタッチと近くのタッチ事象、あるいはセンサーを使用して識別され得る他のジェスチャーを含む。「圧力」は、物体の表面に対するユーザーの接触(例えば、ユーザーの指あるいは手で押す)によって与えられる単位面積当たりの力を指す。「圧力」の量は同様に、「接触」、すなわち、「タッチ」の尺度である。「タッチ」は、「ホバリング」、「接触」、「ジェスチャー」、[ポーズ」、「圧力」、あるいは「グリップ」の状態を指すが、「タッチ」の不足は、センサーによる正確な測定のための閾値よりも下の信号によって一般的に識別される。一実施形態に従って、タッチ事象は、非常に低いレイテンシ、例えば、約10ミリ秒以下、あるいは約1ミリ秒未満で、検出され、処理され、および、ダウンストリームの計算プロセスに供給され得る。
【0015】
本明細書で使用されるように、および、とりわけ、特許請求の範囲内において、第1の(first)および第2の(second)などの順序の用語は、それら自体では、順番、時間、または一意性を示唆するとは意図されず、むしろ、1つの主題の構築物を別の構築物と区別するために使用される。文脈が規定するいくつかの使用において、これらの用語は、第1の(first)と第2の(second)が一意的であることを示唆し得る。例えば、ある事象が第1の時間に生じ、別の事象が第2の時間に生じる場合、第1の時間が第2の時間の前に、第2の時間の後に、あるいは、第2の時間と同時に、生じるという意図された示唆はない。しかし、第2の時間が第1の時間の後であるというさらなる制限が請求項に示されている場合、その文脈は、第1の時間と第2の時間が一意の時間であると読み取ることを要求することになる。同様に、文脈がそのように規定するか可能にする場合には、順序の用語は、2つの識別された請求項の構成が同じ特徴あるいは異なる特徴となり得るように、広く解釈されることを意図している。したがって、例えば、第1および第2の周波数は、さらなる限定なく、同じ周波数であり得(例えば、第1の周波数は10Mhzであり、および第2の周波数は10Mhzであり得る)、あるいは、異なる周波数(例えば、第1の周波数が10Mhzであり、および第2の周波数が11Mhzであり得る)であり得る。文脈は、それ以外の方法で規定され得、例えば、第1および第2の周波数はさらに、互いに対して周波数直交していることに限定され、その場合、これらは同じ周波数ではない。
【0016】
高速マルチタッチ(FMT)センサーの特定の原則は、上に議論された特許出願で開示されている。一実施形態では、直交信号は、複数の駆動導体に送信され、および、複数のセンス導体に取り付けられた受信機によって受信された情報は、タッチ事象を識別するために信号プロセッサーによって分析される。駆動導体とセンス導体(しばしば、行と列、送信機と受信機とも呼ばれる)は、例えば、交差点がノードを形成するマトリックスを含む、様々な構成で組織され得、タッチ相互作用は列またはセンス信号の処理によってそのノードで検出される。直交信号が周波数直交である実施形態では、直交周波数間の間隔(Δf)は、少なくとも測定期間τの逆数であり、測定期間τは列がサンプリングされる期間と等しい。したがって、一実施形態では、列は、1キロヘルツの周波数間隔(Δf)を使用して、1ミリ秒(τ)にわたって測定され得る(つまり、Δf=1/τ)。
【0017】
一実施形態では、混合信号集積回路(あるいは、下流のコンポーネントまたはソフトウェア)の信号プロセッサーは、行に送信された各周波数直交信号を表す少なくとも1つの値を決定するのに適している。一実施形態では、混合信号集積回路(あるいは下流のコンポーネントまたはソフトウェア)の信号プロセッサーは、受信信号へのフーリエ変換を実行する。一実施形態では、混合信号集積回路は、受信信号をデジタル化するのに適している。一実施形態では、混合信号集積回路(あるいは下流のコンポーネントまたはソフトウェア)は、受信信号をデジタル化し、かつ、デジタル化された情報について離散的フーリエ変換(DFT)を行うのに適している。一実施形態では、混合信号集積回路(あるいは下流のコンポーネントまたはソフトウェア)は、受信信号をデジタル化し、かつデジタル化された情報について高速フーリエ変換(FFT)-FFTは離散的フーリエ変換の一種である-を行うのに適している。
【0018】
DFTが本質的に、サンプリング周期(例えば、積分期間)中に得られたデジタルサンプル(例えば、ウィンドウ)の配列を、あたかも繰り返す可能ように処理することは、本開示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。結果として、中心周波数ではない(つまり、積分期間(最小周波数間隔を相互規定する)の逆数の整数倍ではない)信号は、小さな値を他のDFTビンへ寄与するという、比較的に名目上のものであるが意図しない結果をもたらし得る。したがって、本開示を考慮して当業者には明白となるであろう。本明細書に使用される直交という用語は、はそのような小さな寄与によっては「破られない」。言い換えれば、我々が本明細書で周波数直交という用語を使用する際、1つの信号がDFTビンに対して行った寄与の実質的にすべてが、他の信号の寄与の実質的にすべてとは異なるように見える場合には、2つの信号は周波数直交であると考えられる。
【0019】
一実施形態では、受信信号は少なくとも1MHzでサンプリングされる。一実施形態では、受信信号は少なくとも2MHzでサンプリングされる。一実施形態では、受信信号は4Mhzでサンプリングされる。一実施形態では、受信信号は4.096Mhzでサンプリングされる。一実施形態では、受信信号は4を超えるMHzでサンプリングされる。
【0020】
kHzのサンプリングを達成するためには、例えば、4096のサンプルが4.096MHzで得られ得る。そのような実施形態では、積分期間は1ミリ秒であり、これは、周波数間隔が積分期間の逆数以上でなければならないという制約によって、1kHzの最小周波数間隔を提供する。(例えば、4MHzで4096のサンプルをとることで、1ミリ秒よりもわずかに長い積分期間が得られ、1kHzのサンプリングおよび976.5625Hzの最小周波数間隔を達成することになることは、本開示を考慮すれば当業者には明白になるであろう。)一実施形態では、周波数間隔は積分期間の逆数と等しい。そのような実施形態では、周波数直交信号範囲の最大周波数は2MHz未満でなければならない。そのような実施形態では、周波数直交信号範囲の実際的な最大周波数は、サンプリングレートの約40%、すなわち、約1.6MHz未満でなければならない。一実施形態では、DFT(FFTであり得る)は、デジタル化された受信信号を情報のビンに転換するために使用され、それぞれは、送信アンテナ(130)によって送信されたかもしれない送信された周波数直交信号の周波数を反映している。一実施形態では、2048のビンは1kHz~約2MHzの周波数に対応する。これらの例が単に典型的なものであることは、本開示を考慮すれば当業者には明白になるであろう。システムのニーズへ依存し、および、上に記載された制約を受けて、サンプリングレートが増減し得、積分期間が調節され得、周波数範囲が調節され得るなどする。
【0021】
一実施形態では、DFT(FFTであり得る)出力は、送信される各々の周波数直交信号のビンを含む。一実施形態では、各々のDFT(FFTであり得る)ビンは、同相(I)と直角位相(Q)のコンポーネントを含む。一実施形態では、IとQのコンポーネントの正方形の和は、そのビンの信号強度に対応する尺度として使用される。一実施形態では、IとQのコンポーネントの正方形の平方根は、そのビンの信号強度に対応する尺度として使用される。ビンの信号強度に対応する尺度はタッチに関連付けられる尺度として使用され得ることは、本開示を考慮すれば当業者には明白になるであろう。言いかえれば、任意のビンにおける信号強度に対応する尺度はタッチ事象の結果、変化することになる。通常、この用語が本明細書で使用されるとき、導入または注入とは、身体(あるいは身体の一部)が信号のアクティブな送信ソースになることを有効的に可能にする、ユーザーの身体に信号を送信するプロセスを指す。一実施形態では、電気信号は手(あるいは、身体の他の部分)へ注入され、この信号は、手(あるいは指あるいは身体の他の部分)がセンサーのタッチ面と直接的に接触していなくても、センサーによって検出され得る。ある程度は、これによって、表面に対する、手(あるいは指あるいは身体の他の部分)の近接と配向を決定することができる。一実施形態では、信号は身体によって運ばれ(例えば、伝導され)、関係する周波数に応じて、表面の近くに、あるいは表面よりも下にも運ばれ得る。一実施形態では、少なくともkHzの範囲の周波数は、周波数注入で使用され得る。一実施形態では、MHz範囲の周波数は周波数注入で使用され得る。上記のようにFMTと関連して注入を使用するためには、一実施形態では、注入信号は、駆動信号に直交となるように選択可能であり、したがって、センスライン上で他の信号に加えてそれを見ることができる。
【0022】
様々な実施形態では、本開示は、現実世界、人工現実、仮想現実、および拡張現実の設定において、ホバリング、接触、圧力、ジェスチャー、および、身体の姿勢に敏感なシステム(例えば、物体、コントローラー、パネル、あるいはキーボード)、ならびにその適用を対象とする。本開示が一般的に、ホバリング、接触、圧力、ジェスチャー、および、身体の姿勢を検出するために、高速マルチタッチを使用してすべてのタイプのシステムに適用されることは、当業者によって理解されよう。
【0023】
本明細書に使用されるような「コントローラー」という用語は、人間と機械のインターフェースの機能を提供する物理的な物体を指すように意図されている。一実施形態では、コントローラーはオートバイなどの車両のハンドルであり得る。一実施形態では、コントローラーは自動車またはボートなどの車両のステアリングホイールであり得る。一実施形態では、コントローラーは、そのような動作を直接感知することにより手の動作を検出することができる。一実施形態では、コントローラーはビデオゲームシステムと共に使用されるインターフェースであり得る。一実施形態では、コントローラーは手の位置を提供し得る。一実施形態では、コントローラーは、身体部分および/または機能(例えば、骨の関節、関節、および筋肉、ならびに、それがどのように手または足の位置および/または動きに変換されるか)に近位のおよび/または関連する動きの判定を介して、他の身体部分のポーズ、位置、および/または動きを提供し得る。
【0024】
本明細書で議論されるデバイスとコントローラーは、送信機および受信機として機能するアンテナを使用し得る。しかしながら、アンテナが送信機、受信機、あるいはその両方であるかどうかは、文脈と実施形態に依存することが理解されたい。送信に使用される際、導体は信号発生器に動作可能に接続される。受信に使用される際、導体は信号受信機に動作可能に接続される。一実施形態では、パターンのすべてあるいは任意の組み合わせのための送信機と受信機は、必要な信号を送受信することができる単一の集積回路に動作可能に接続される。一実施形態では、送信機および受信機は各々、必要な信号をそれぞれ送受信することができる異なる集積回路に動作可能に接続される。一実施形態では、パターンのすべてあるいは任意の組み合わせのための送信機と受信機は、一群の集積回路に動作可能に接続され得、各々は必要な信号を送受信することができ、および、そのような倍数IC構成に必要な情報を共有することができる。一実施形態では、集積回路の容量(つまり、送信および受信チャネルの数)とパターンの要件(つまり、送信および受信チャネルの数)が許す限り、コントローラーによって使用される複数のパターンすべてのための送信機と受信機はすべて、共通の集積回路によって、あるいは、相互に通信する一群の集積回路によって動作される。一実施形態では、送信および受信チャネルの数が、複数の集積回路の使用を要求する場合、それぞれの回路からの情報は別のシステムで組み合わされる。一実施形態では、別のシステムは信号処理のためのGPUとソフトウェアを含む。
【0025】
本明細書に記載される送信機および受信機の目的は、3次元の位置的忠実度で、タッチ事象、動き、モーション、およびジェスチャー、例えば、ホバリング、近接、手の位置、ジェスチャー、ポーズなどを検出することである。送信信号は特定方向に伝送することができる。一実施形態では、混合信号の集積回路が使用される。混合信号の集積回路は、信号発生器、送信機、受信機、および信号プロセッサーを含む。一実施形態では、混合信号の集積回路は、1つ以上の信号を生成して、その信号を伝達するのに適している。一実施形態では、混合信号の集積回路は、複数の周波数直交信号を生成して、その複数の周波数直交信号を送信機に送信するのに適している。一実施形態では、周波数直交信号は、DCから最大約2.5GHzまでの範囲である。一実施形態では、周波数直交信号は、DCから最大約1.6MHzの範囲である。一実施形態では、周波数直交信号は、50kHzから200kHzまでの範囲である。周波数直交信号間の周波数間隔は、典型的に、積分期間(すなわち、サンプリング周期)の逆数以上である。一実施形態では、信号の周波数は変更されず、その代わりに信号の振幅が調節される。
【0026】
上に説明される原理は、様々な身体部分の位置、ジェスチャー、モーション、姿勢、タッチ事象などに関する有意義な情報を得るために、信号送信の他の特徴に加えて使用される。一実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、この情報を処理して、手の位置およびジェスチャーの正確な描写を提供するために、送信信号の様々な特性を使用する。
【0027】
スライドセンサー
図1は、本開示に従って作られたスライドセンサー(100)の実施形態のハイレベルな図を示す。スライドセンサー(100)は、少なくとも2つのタッチセンサー導体(102、104)を含み、その一方はドライブラインとして機能し、他方はセンスラインとして機能する。センサー導体(102および104)は、本明細書において時々、ドライブラインならびにセンスラインとして記載されるが、センサー導体(102および104)は、送信機ならびに受信機、送信機導体ならびに受信機導体、または送信アンテナならびに受信アンテナとも呼ばれることもある。特定の用語の用法は、説明されている用途によって変わり得ることを理解されたい。
【0028】
一実施形態では、タッチセンサー導体(102)はドライブラインとして使用され、タッチセンサー導体(104)はセンスラインとして使用される。一実施形態では、逆も成り立ち、タッチセンサー導体(102)がセンスラインとして使用され、タッチセンサー導体(104)がドライブラインとして使用される。その向きにかかわらず、スライドセンサー(100)を操作するために、駆動回路(図示せず)はドライブ信号を生成して、ドライブラインを刺激し、および、感知回路(図示せず)は、容量結合応答(capacitively coupled response)を感知する。タッチがスライドセンサー(100)の表面上に存在しないとき、ベースライン応答が(定義によって)感知される。(上に説明されるように、明細書で使用されるタッチという用語は、接触を必要とするのではなく、ドライブラインとセンスラインとの間の容量結合に影響を与える接触およびニアタッチを指す。)タッチが生じると、タッチδを特定することができる。言い換えれば、タッチが生じると、ドライブラインとセンスラインとの間の容量結合が変化する。一実施形態において、タッチδは正である。一実施形態において、タッチδは負である。
【0029】
スライドセンサー(100)のタッチδは、タッチ物体、すなわち、ドライブラインとセンスラインとの間の容量結合に影響を与える物体、のスライドセンサー(100)に沿った位置(すなわち、タッチセンサー導体が見える位置から、およびその位置から離れている)に応じて異なる。(本明細書で使用される場合、タッチ物体という用語は、ドライブラインとセンスラインとの間の容量結合に影響を与える物体を指すために使用される。)一実施形態では、タッチ物体がスライドセンサーの一端にある場合と、同じタッチ物体がスライドセンサーのもう一方の端にある場合とでは、タッチδの規模は異なる。一実施形態では、タッチδの規模は、タッチ物体がスライドセンサーの一端にある場合はより大きく、スライドセンサーのもう一方の端にある場合は小さくなる。一実施形態では、タッチδ変化の規模は変化し、タッチ物体がスライドセンサー(100)の一端にある場合は高いか、あるいは最大であり、タッチ物体がスライドセンサーのもう一方の端にある場合は最小であるか、あるいは小さい。一実施形態では、タッチ物体がスライドセンサー(100)の縦方向に沿って摺動する(例えば、
図1に示されるタッチセンサー導体接続へと向かう、およびタッチセンサー導体接続から離れる)につれて、タッチδは変化する。一実施形態では、タッチ物体がスライドセンサー(100)の縦方向に沿って摺動するにつれて、タッチδは予想できる程度に変化する。一実施形態では、タッチδは、縦方向の位置とともに変化するので、タッチδの規模を使用して位置を推量することができる。
【0030】
ユニットの一端(すなわち、端部)での接続のためにアクセス可能な2つのタッチセンサー導体を有するスライドセンサー(100)が示されるが、一実施形態では、そのようなアクセスポイント(例えば、駆動回路および感知回路のための接続のポイント)が、スライドセンサー(100)の両端に配置されてもよいことに留意されたい。一実施形態では、アクセスポイントはスライドセンサー(100)上の任意の位置に作られてもよいが、本開示を考慮して当業者に明らかであるように、タッチセンサー導体へのまたはタッチセンサー導体からの導線のルーティングにおいて、そのルーティングが、センサー信号(例えば、感知された応答)に対する干渉を引き起こさないように注意する必要がある。一実施形態では、シールディングは、タッチセンサー導体を、それがアクセス可能なポイントに接続するために使用された、ルーティングされた導線の場所あるいは位置による干渉を防ぐために使用される。
【0031】
本明細書に開示されるタッチセンサー導体の配置は、タッチセンサー導体を、正面および/または背面上に、あるいは基板内に配置するために、任意の技術も使用して作ることができる。タッチセンサー導体を配置、構成、あるいは配向するために、当業者によく知られている技術を使用することができ、一般的な方法のいくつかを挙げると、例えば、エッチング、フォトリソグラフィー、化学蒸着、物理蒸着、化学機械平坦化、あるいは酸化を含む。多くの異なる基板がタッチセンサー導体を支持するのに適している。一実施形態では、タッチセンサー導体を支持するために、リジッドプリント基板またはフレキシブルプリント基板が使用される。一実施形態では、タッチセンサー導体を支持するために、軟質プラスチックまたは他の変形可能な基板が使用され得る。
【0032】
さらに、本明細書に開示されるタッチセンサー導体の配置の各々、タッチセンサー導体の1つ以上は、他のタッチセンサー導体の1つ以上からの支持基板の両側に配置することができる。したがって、一実施形態では、タッチセンサー導体の両方が1つの基板の片側にあってもよい。代替的に、一実施形態では、1つ以上のタッチセンサー導体が1つの基板の片側にあってもよいが、1つ以上の他のタッチセンサー導体は上記基板の反対側にある。別の実施形態では、タッチセンサー導体の1つ以上は比較的薄い基板の片側にあり、他のタッチセンサー導体の1つ以上は別個の基板にあり、その2つの基板は積み重ねられ、比較的薄い基板が他方の基板の上に積み重ねられる。他の構成が、添付の請求項によって限定されるようにのみ意図される本明細書の説明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示を考慮して当業者によって認識されるだろう。
【0033】
図2は、スライドセンサー(200)の一実施形態の概略図を示す。その図において、スライドセンサー(200)のタッチセンサー導体(202、204)が見えている。例示される実施形態において、タッチセンサー導体(202、204)は互いに平行ではなく、それらの関係がスライドセンサー(200)の長さに沿って変化するように構成される。一実施形態では、スライドセンサー(200)の長さに沿った任意の所定の直線位置(すなわち、例示された図に対して上下)が、タッチセンサー導体(202、204)の間の異なる距離に対応するように、タッチセンサー導体(202、204)が配向される。一実施形態では、スライドセンサー(200)の長さに沿った任意の所定の直線位置が、その直線位置における所与のタッチ物体の異なるタッチδに対応するように、タッチセンサー導体(202、204)が配向される。1つのタッチセンサー導体(202)は、スライドセンサー(200)の縦方向に平行な直線として示されるが、この配向は必要または必須ではない。一実施形態では、タッチセンサー導体(202)は真っすぐではない。一実施形態では、タッチセンサー導体(202)は湾曲している。一実施形態では、タッチセンサー導体(202)は、スライドセンサー(200)の縦方向と平行に配向されない。一実施形態では、タッチセンサー導体(202、204)は狭い「V」字型に配向される。一実施形態では、タッチセンサー導体(202、204)は狭い反転した「V」字型に配向される。一実施形態では、タッチセンサー導体(202、204)の両方が湾曲しており、および、スライドセンサー(200)の長さに沿った任意の所定の直線位置が、その直線位置における所与のタッチ物体の異なるタッチδに対応するように配向される。
【0034】
一実施形態では、スライドセンサー(200)のタッチ面上の任意の所与のX位置、Y位置が、その位置における所与のタッチ物体の異なるタッチδに対応するように、タッチセンサー導体(202、204)の両方が湾曲している。タッチセンサー導体(202、204)の両方が湾曲している一実施形態では、第1のタッチセンサー導体は空間充填曲線(例えば、ヒルベルト曲線)で構成されてもよく、第2のタッチセンサーは、その長さに沿った第1の曲線から連続的に変化する距離を有するように構成される(例えば、非常に近接して始まり、遠く離れて終わる)。2つの湾曲したタッチセンサー導体を使用する一実施形態では、第1の曲線の長さに沿った1次元測定は、センサー上の2次元測定を導出するために使用することができる。一実施形態では、第1の曲線は任意のペアノ曲線であり得る。一実施形態では、第1の曲線はゴスパー曲線であり得る。一実施形態では、第1の曲線はムーア曲線であり得る。一実施形態では、第1の曲線はシェルピンスキ曲線であり得る。空間充填曲線に関して、曲線上の1次元位置から曲線が満たしている空間の2次元位置へと移動するための好都合な数学があることが、本開示を考慮して当業者に明らかであろう。
【0035】
ユニットの一端(すなわち、端部)においてアクセス可能な2つのタッチセンサー導体を有するスライドセンサー(200)が示されるが、一実施形態では、そのようなアクセスポイント(例えば、駆動回路および感知回路のための接続のポイント)が、スライドセンサー(200)の両端に配置されてもよいことに留意されたい。一実施形態では、アクセスポイントはスライドセンサー(200)上の任意の位置に作られてもよいが、本開示を考慮して当業者に明らかであるように、タッチセンサー導体への、またはタッチセンサー導体からの導線のルーティングにおいて、そのルーティングがセンサー信号(例えば、感知された応答)に対する干渉を引き起こさないように注意する必要がある。一実施形態では、シールディングは、タッチセンサー導体を、それがアクセス可能なポイントに接続するために使用された、ルーティングされた導線の場所または位置による干渉を妨げるために使用される。
【0036】
感知領域(および/または基板)には様々な形状およびサイズがあり、したがって、「一方の端部」という記載は、ある場合においては明確に適用されない可能性があることに注意されたい。本明細書に記載されるセンサーの新規構成により、感知領域の重心から測定される実質的に180度より小さい感知領域において導体への電気的アクセスを行うことが可能であることが、本開示を考慮して当業者に明らかだろう。これは、ほぼ180度全体からの電気的アクセスを必要とする従来の行列センサーとは異なる。一実施形態では、導体への電気的アクセスは、感知領域の重心から測定される120度より小さい感知領域において行われる。一実施形態では、導体への電気的アクセスは、感知領域の重心から測定される90度より小さい感知領域において行われる。一実施形態では、導体への電気的アクセスは、感知領域の重心から測定される45度より小さい感知領域において行われる。
【0037】
図3は、スライドセンサー(300)の他の実施形態の概略図を示す。スライドセンサー(300)は、合計4つのタッチセンサー導体(302、304、306、308)を含む。一実施形態では、4つのタッチセンサー導体の2つ(302、308)はドライブラインとして使用され、その他の2つ(304、306)はセンスラインとして使用される。その逆も同様に適用可能である。一実施形態では、ブリッジは、2つの交差タッチセンサー導体(304、306)を導電的に分離するために使用される。一実施形態では、2つの交差タッチセンサー導体は別個の層上にある。一実施形態では、2つの交差タッチセンサー導体は同じ基板の前後にある。2つの交差タッチセンサー導体は別個の基板上にある。非交差タッチセンサー導体(302、308)は、同じ層または異なる層、あるいは同じ基板または異なる基板上にあってもよいが、そうである必要もない。上に説明されるように、一実施形態では、タッチセンサー導体は、単に直線である代わりに、曲線であるか、あるいは曲線を含んでもよい。タッチセンサーの一部として動作するように、タッチセンサー導体は、駆動回路または感知回路(図示せず)がそれに取り付けられるのを可能にするように構成される。
【0038】
図3に示される実施形態において、タッチセンサー導体のすべては、スライドセンサー(300)の単一の端部上にアクセス可能である。これにより、4つの側面うち3つの側面に非常に小さなベゼル空間を提供する用途において、スライドセンサー(300)を使用することができる。ユニットの一端においてアクセス可能なタッチセンサー導体を有するスライドセンサー(300)が示されるが、一実施形態では、そのようなアクセスポイント(例えば、駆動回路および感知回路のための接続のポイント)が、スライドセンサー(300)の両端に配置されてもよいことに留意されたい。一実施形態では、アクセスポイントはスライドセンサー(300)上の任意の位置で作られてもよいが、本開示を考慮して当業者に明らかであるように、タッチセンサー導体への、またはタッチセンサー導体からの導線のルーティングにおいて、そのルーティングがセンサー信号(例えば、感知された応答)に対する干渉を引き起こさないように注意する必要がある。
【0039】
例示された実施形態において、非交差タッチセンサー導体(302、308)は互いに平行であるが、交差タッチセンサー導体(304、306)は平行ではない。この構成により、および、ドライブラインが直交信号を有すると仮定すると、非交差タッチセンサー導体(302、308)と、交差タッチセンサー導体(304、306)との関係は、スライドセンサー(300)の長さに沿って変化する。上に説明されるように、信号は、時間、周波数、および/またはコードにおいて直交であり得る。一実施形態では、複数のドライブライン上の直交信号を再び利用して、スライドセンサー(300)の長さに沿った任意の所定の直線位置が、各ドライブラインと各センスラインの間の固有の距離に対応するように、タッチセンサー導体(302、304、306、308)は配向される。一実施形態では、複数のドライブライン上の直交信号を再び利用して、スライドセンサー(300)の長さに沿った任意の所定の直線位置が各ドライブラインと各センスラインとの間の固有のタッチδに対応するように、タッチセンサー導体(302、304、306、308)は配向される。
【0040】
一実施形態では、2つのドライブラインは別々の時間に刺激される。一実施形態では、ドライブラインの一方が刺激されているとき、他方が刺激されないように、2つのドライブラインは交互に刺激され、その逆もまた同じである。これにより、ドライブラインが同じ刺激信号を使用することができる。
【0041】
非交差タッチセンサー導体(302、304)はスライドセンサー(300)の縦方向に平行な直線として示されるが、この配向は必須あるいは必要でない。一実施形態では、非交差タッチセンサー導体(302、308)の1つ以上は真っすぐではない。一実施形態では、非交差タッチセンサー導体(302、308)の1つ以上は湾曲している。
【0042】
一実施形態では、非交差タッチセンサー導体の1つのみが必要とされる。言い換えれば、一実施形態では、スライドセンサー(300)は、3つのタッチセンサー導体(302、304、306)で動作する。一実施形態では、交差タッチセンサー導体の1つのみが必要とされる。言い換えれば、一実施形態では、スライドセンサー(300)は3つのタッチセンサー導体(302、304、308)で動作する。3つのタッチセンサー導体のスライドセンサー(300)は、1つまたは2つのドライブライン、および1つまたは2つのセンスラインを使用することができる。
【0043】
したがって、そのような3つのタッチセンサー導体のスライドセンサー(300)の多数の実施例の1つとして、非交差タッチセンサー導体(302)はドライブラインとして使用され、交差タッチセンサー導体(304、306)はセンスラインとして使用される。ドライブラインと各センスラインの間の距離は、スライドセンサー(300)の上下の運動によって逆の影響を受ける。そのような実施形態において、ドライブラインと各センスラインとの間の結合は、スライドセンサー(300)の上下の運動、すなわち、ドライブライン(302)とセンスライン(304)との間の結合が増加する場合(例えば、タッチ物体が図の下部にある場合、したがって、タッチセンサー導体(302、304)が接近する場合)と、ドライブライン(302)およびセンスライン(306)の間の結合が減少する場合(例えば、タッチ物体が図の下部にあり、タッチセンサー導体(302、306)が遠く離れている場合)によって逆の影響を受ける可能性がある。
【0044】
3つのタッチセンサー導体のスライドセンサー(300)の別の例示として、非交差タッチセンサー導体(302)はセンスラインとして使用され、交差タッチセンサー導体(304、306)はドライブラインとして使用される。そのような実施形態では、(図において配向されるような)スライドセンサー(300)の底部へと向かうタッチ物体位置の場合、ドライブライン(306)上の刺激信号と比較して、ドライブライン(304)上の刺激信号のためのセンスライン(302)上でより大きいタッチδが見られると予測される。
【0045】
3つのタッチセンサー導体のスライドセンサー(300)のさらなる例として、非交差タッチセンサー導体(302、308)がセンスラインとして使用され、交差タッチセンサー導体(304)がドライブラインとして使用される。そのような実施形態において、スライドセンサー(300)の底部へと向かうタッチ物体位置の場合、ドライブライン(304)上の刺激信号のためのセンスライン(308)上で見られるものと比べて、より大きなタッチδがセンスライン(302)上で見られると予想される。
【0046】
一実施形態では、センサー(300)は、少なくとも交差タッチセンサー導体(304、306)が同じ層上にないか、あるいはブリッジによって導電的に絶縁されるように実装され;2つのセンスライン(302、308)は左右に直線垂直に配置され、2つのドライブライン(304、306)は対角線上に配置される。そのような実施形態において、非交差タッチセンサー導体(302、308)はセンスラインであり、交差タッチセンサー導体(304、306)はドライブラインであり、ならびに2つのタッチセンサー導体(302、304)が1つの層上にあり、他の2つのタッチセンサー導体(306、308)が別の層上にあり、スライダの形態の片側のドライブセンサーは以下のように構成される;
(i)その上部にタッチされる場合、
1)センスライン(302)上のタッチδは、ドライブライン(306)に対してより大きく、ドライブライン(304)に対してより小さい;
2)センスライン(308)上のタッチδは、ドライブライン(306)に対してより小さく、ドライブライン(304)に対してより大きい;
(ii)その中間にタッチされる場合、
1)センスライン(302)上のタッチδは、ドライブライン(306)およびドライブライン(304)に対してほぼ同じであり;
2)センスライン(308)上のタッチδは、ドライブライン(306)およびドライブライン(304)に対してほぼ同じであり;
(iii)その底部にタッチされる場合、
1)センスライン(302)上のタッチδはドライブライン(306)に対してより小さく、ドライブライン(304)に対してより大きい;
2)センスライン(308)上のタッチδは、ドライブライン(306)に対してより大きく、ドライブライン(304)に対してより小さい。
この結果は単一の端部から到達できる。より一般的に、2つのセンスライン(302、308)の絶対タッチδは、タッチが右左からどれくらい近いかを判定するためのタッチ検出ロジックによって使用することができ、そのδの差異は、タッチが下から上までの垂直軸上のどこにあるかを判定するために使用することができる。
【0047】
図4は、スライドセンサー(400)における2つのタッチセンサー導体(402、404)のさらに別の実施形態の概略図を示す。
図4に例証される実施形態は、
図2に例証されるものに類似するが、スライドセンサー(400)の2つのタッチセンサー導体(404)のうち1つは湾曲している。一実施形態では、2次曲線が使用されてもよい。一実施形態では、曲線は、タッチセンサー導体(402、404)の1つ以上に与えられ得る。一実施形態では、タッチセンサー導体(402、404)の1つ以上は、感知回路(図示せず)によってセンスライン上で感知されるタッチδに影響を与えるように湾曲している。一実施形態では、タッチ物体の効果は、容量的に結合されたタッチセンサー導体間の距離の二乗で一般的に低減される。したがって、それらの間隔が2次曲線である(または近似する)ようにタッチセンサー導体を構成することは、タッチ物体がスライドセンサー(400)の長さに沿って移動する際に、より多くの直線的なタッチδ応答をもたらす。一実施形態では、タッチセンサー導体の1つ以上は、感知された信号がタッチの位置とより直線的に関連するように湾曲している。一実施形態では、タッチセンサー導体の1つ以上は、感知された信号をタッチの位置と直線的に関連させるように湾曲している。
【0048】
スライドセンサー(100、200、300および400)は、X位置を提供するために水平的な系列で使用することができる。
図5に目を向けると、タッチを検出するためのセンサーの実施形態が概略的に例示される。センサー(500)はタッチセンサー導体(502、504)の2つの群を含む。タッチセンサー導体(502、504)の2つの群は直線として示されるが、上に説明されるように湾曲していてもよく、実際には、ドライブライン/センスラインの対に対して、応答(例えば、タッチδ)の直線性を増大するように湾曲していてもよい。一実施形態では、タッチセンサー導体(502、504)の2つの群の一方は、ドライブラインとして利用され、タッチセンサー導体(502、504)の他方の群はセンスラインとして利用される。
【0049】
一実施形態では、
図5に示されるタッチセンサー導体の垂直/対角線の対が構成され、
図2に関して記載されるように動作することができる。一実施形態では、
図5に示されるタッチセンサー導体の垂直/対角線/垂直の三つ組が構成され、
図3に関して記載される3つのタッチセンサー導体の実施形態に関して記載されるように動作することができる。
図5に示される実施形態は偶数のタッチセンサー導体を任意に含むが、奇数のタッチセンサー導体も同様に有してもよく、例えば、示された最後のタッチセンサー導体の右側に追加の垂直のタッチセンサー導体を有してもよいことに留意されたい。
【0050】
図5に示される構成、ならびに本開示を考慮して当業者に明らかになる構成上の変形は、タッチセンサー(500)にわたってX位置およびY位置の両方を感知するために使用することができる。一実施形態では、本開示によるセンサーにおけるドライブライン間の間隔は、4mm~5mmの範囲内であってもよいが、そうである必要はない。一実施形態では、本開示によるセンサーにおけるドライブライン間の間隔は、4mmより近くてもよい。一実施形態では、本開示によるセンサーにおけるドライブライン間の間隔は、5mmを超えてもよい。同様に、一実施形態では、本開示によるセンサーにおけるセンスライン間の間隔は、4mm~5mmの範囲内であってもよいが、そうである必要はない。一実施形態では、本開示によるセンサーにおけるセンスライン間の間隔は4mmより近くてもよい。一実施形態では、本開示によるセンサーにおけるセンスライン間の間隔は、5mmを超えてもよい。
【0051】
垂直(「Y」)方向(例証されるように)のタッチ位置は、上に説明されるように特定される。タッチ物体において水平偏移が起こると、水平(「X」)方向のタッチ位置が検出される。例えば、左上隅のタッチセンサー(500)に近接し、右上隅に向かって水平に移動する指を考慮すると;左上隅にある場合、所与の大きさのタッチδは、ドライブラインとセンスラインの第1の対(例えば、一番左に例示される導体および一番左から2番目に例示される導体)の間に見られるだろう;指が右に移動すると、ドライブラインおよびセンスラインの次の対(例えば、一番左から3番目の導体と一番左から4番目に例示される導体との間)上のタッチδの大きさが増加するにつれて、そのタッチδの大きさは減少するだろう。これはパネル全体で継続するだろう。前述の分析は、第2および第3の導体と第4のおよび第5の導体との間の相互作用から収集することができる追加情報を無視する。一実施形態では、これらのタッチδはパネルの上部近くで弱くなるが、それにもかかわらず、タッチ物体の位置を特定する際に使用される有益な情報を提供することができる。一実施形態では、ドライブラインは直交信号により駆動され、および、感知回路は各センスライン上に存在する各直交信号の量を感知することができる場合、タッチセンサー(500)からの感知された情報は、任意のノード(すなわち、ドライブラインとセンスラインとの間の交差点)がないにもかかわらず、タッチ物体のX位置およびY位置を算出するのに十分であることが、本開示を考慮して当業者には明らかであろう。
【0052】
図5に示される構成、ならびに本開示を考慮して当業者に明らかになるその構成上の変形は、一方の端部上に駆動回路および感知回路への接続の全てを備えることができ、したがって、少なくとも3つの側面にエッジ制約を伴う設計での使用を可能にする。以下でより詳細に説明されるように、一方が他方に影響を与えないように、オフタッチセンサーのドライブラインをオフタッチセンサーのセンスラインから保護するように注意しなければならない。一実施形態では、タッチセンサー導体(502)の一方の群のための接続が一方の端部上に設けられ、タッチセンサー導体(504)の他方の群のための接続が他方の端部上に設けられる。そのような構成は、シールディング条件を減少するか、あるいは不要にすることができる。さらに、一実施形態では、そのような構成は、刺激回路を感知回路から物理的に分離したままにするために使用されてもよい。
【0053】
図6は、タッチの検出のためのセンサーの別の実施形態の概略図を示す。センサー(500)のようなセンサー(600)は、(502、504)のようなタッチセンサー導体(602、604)の2つの群を含む。
図6に例証される実施形態は、タッチセンサー導体(606)の第3の群をさらに含むという点で、
図5の実施形態とは異なる。一実施形態では、センサー(600)の交差導体(604、606)は、別個の層上にある(同じ基板の両側、同じ基板の上、および/または同じ基板内、あるいは、2つの別個の基板上および/または2つの別個の基板内にあってもよい)。一実施形態(
図8を参照)では、センサー(800)の交差導体(804、806)は、同じ層上にあるが、ブリッジによって分離されている。一実施形態では、交差導体(804、806)はITO(酸化インジウムスズ)から作られ、ITOブリッジは、交差導体(804、806)をそれらが交差する場所で分離するために使用される。
【0054】
図6に戻ると、タッチセンサー導体(602、604、608)の3つの群の少なくとも1つは、ドライブラインとして使用され、タッチセンサー導体の3つの群の少なくとも1つはセンスラインとして使用され;タッチセンサー(600)におけるタッチセンサー導体の第3の群は、ドライブラインまたはセンスラインのいずれかであり得る。
【0055】
一実施形態では、交差タッチセンサー導体(804、806)の両方の群はセンスラインとして利用され、非交差タッチセンサー導体の群はドライブラインとして利用される。一実施形態では、交差タッチセンサー導体(804、806)の両方の群はドライブラインとして利用され、非交差タッチセンサー導体の群はセンスラインとして利用される。一実施形態では、交差タッチセンサー導体(804)の1つの群はセンスラインとして利用され、非交差タッチセンサー導体の群および交差タッチセンサー導体の他方の群は、ドライブラインとして利用される。一実施形態では、交差タッチセンサー導体(804)の1つの群はドライブラインとして利用され、非交差タッチセンサー導体の群および交差タッチセンサー導体の他方の群はセンスラインとして利用される。ドライブラインおよびセンスラインの選択にかかわらず、上記の技術は、タッチ物体のX座標およびY座標を決めることができる。一実施形態では、多数のタッチ物体のX座標およびY座標を決めるために、感知回路はセンスラインから十分な情報を受け取る。
【0056】
一実施形態では、ドライブラインおよびセンスラインの割り当ては動的であり、経時的に変化する。したがって、例えば、A、BおよびCとしてのタッチセンサー導体の3つの群と呼び、およびドライブラインを示すために「主要な」指定(例えば、A’)を使用すると、一実施形態では、第1のスキャンまたはフレームの場合、群はA’、B、Cであり、第2のスキャンまたはフレームの場合、群はA、B’、Cであり、および、第3のスキャンまたはフレームの場合、群はA、B、C’であり、--一実施形態では、この順番が繰り返される。別の実施形態では、第1のスキャンまたはフレームの場合、群はA’、B’、Cであり、第2のスキャンまたはフレームの場合、群はA、B’、C’であり、第3のスキャンまたはフレームの場合、群はA’、B、C’である。さらに、一実施形態では、この順番が繰り返される。
【0057】
図6に示される構成、ならびに本開示を考慮して当業者に明らかになるその構成上の変形は、一方の端部上に駆動回路および感知回路への接続の全てを備えることができ、したがって、少なくとも3つの側面にエッジ制約を伴う設計での使用を可能にする。以下でより詳細に説明されるように、一方が他方に影響を与えないように、オフタッチセンサーのドライブラインをオフタッチセンサーのセンスラインから遮蔽するように注意しなければならない。一実施形態では、タッチセンサー導体の1つまたは2つの群のための接続が一方の端部上に設けられ、タッチセンサー導体の他の1つまたは2つの群のための接続が他方の端部上に設けられる。一実施形態では、ドライブラインとして使用されるタッチセンサー導体は、接続のための共通端部を共有し、センスラインとして使用されるタッチセンサー導体は、接続のための共通端部を共有する。一実施形態では、ドライブラインのために使用される共通端部、およびセンスラインによって使用される共通端部は、異なる端部である。一実施形態では、ドライブラインのために使用される共通端部、およびセンスラインによって使用される共通端部は、反対の端部である。そのような構成は、シールディング条件を減少するか、あるいは不要にすることができる。さらに、一実施形態では、そのような構成は、刺激回路を感知回路から物理的に分離したままにするために使用されてもよい。
【0058】
図7Aは、例えば、
図6に例証されるタッチを検出するためのセンサー(600)に関連して使用され得る、コネクタ(700)(例証目的のために中が透けて見える部分)の実施例を示す。
図7Bはコネクタ(700)および導線(702)ならびにコネクタの片側の端子(704)を示し、
図7Cはコネクタ(700)および導線(706)ならびにコネクタの反対側の端子(708)を示す。
図7Cで見られる導線(706)および接続(708)は、
図7Aでは仮想線で示される。一実施形態では、コネクタ(700)はセンサー(600)と組み合わせて使用される。一実施形態では、導線(702)は非交差タッチセンサー導体(602)に接続され、導線(706)は交差タッチセンサー導体(604、606)に接続される。コネクタ(700)は、センサー(600)のタッチセンサー導体(602、604、606)と、駆動回路および感知回路との間の接続の一部として使用するのに適しており、ならびに、導線(702)はタッチセンサー導体(602)に接続されるように位置し、導線(706)はタッチセンサー導体(604、606)に接続されるように位置しているため、コネクタ(700)は以下の実施形態に特に適している:(i)非交差タッチセンサー導体(602)はドライブラインであり、交差タッチセンサー導体(604、608)はセンスラインであり;または、(ii)非交差タッチセンサー導体(602)はセンスラインであり、交差タッチセンサー導体(604、608)はドライブラインである。接地(710)はコネクタの前後を分離して、導線(702)上の信号と導線(706)上の信号との間の混合または干渉を軽減する。
【0059】
コネクタ(700)がセンサー(600)と組み合わせて使用される場合、コネクタ(700)は、非交差タッチセンサー導体(602)から端子(704)への電気的接続、および交差タッチセンサー導体(604、606)から端子(708)への電気的接続をルーティングする。一実施形態では、端子(704、708)は、容易なプラグイン操作のためのエッジコネクタを提供する。一実施形態では、駆動回路および感知回路は、コネクタ(700)と係合する端部接続(図示せず)上で利用可能である。
【0060】
図9は、例示的な周波数分割変調されたタッチ検出器の機能ブロック図を提供する。センサー(600)(
図6を参照)が概略的に示される。一実施形態では、刺激信号は、デジタル-アナログ変換器(DAC)(236、238)を含む駆動回路を介してタッチセンサー(230)のドライブライン(702)へと送信され、および、時間領域受信信号は、アナログ-デジタル変換器(ADC)(244、246)を含む感知回路によって、センスライン(706)からサンプルされる。一実施形態では、送信信号は、DAC(236、238)に動作可能に接続された信号発生器(248、250)によって生成される時間領域信号である。一実施形態では、システムスケジューラー(222)に動作可能に接続された信号発生器レジスタインターフェースブロック(224)は、スケジュールに基づいて時間領域信号の送信を開始する責任を負う。一実施形態では、信号発生器レジスタインターフェースブロック(224)は、フレーム位相同期ブロック(226)と通信し、これにより、ピーク対平均フィルターブロック(228)が、信号生成を引き起こすのに必要なデータを、信号発生器ブロック(248、250)に供給するようにする。
【0061】
一実施形態では、受信信号における変化は、タッチセンサー(600)(例えば、タッチδ)でのタッチ事象、ノイズおよび/または他の影響を反映する。一実施形態では、時間領域の受信信号は、FFTブロック(254)によって周波数領域に変換される前に、ハードゲート(252)にキューイングされる。一実施形態では、符号化利得変調/復調器ブロック(268)は、信号発生器ブロック(248、250)と、ハードゲート(252)との間の双方向的な通信を提供する。一実施形態では、テンポラルフィルターブロック(256)およびレベル自動利得制御(AGC)ブロック(258)は、FFTブロック(254)の出力に適用される。一実施形態では、AGCブロック(258)の出力は、ヒートマップデータを証明するために使用され、アップサンプルブロック(260)に供給される。一実施形態では、アップサンプルブロック(260)は、ブロブ検出ブロック(262)の正確さを向上するために、ヒートマップを補間してより大きいマップを作る。一実施形態において、アップサンプリングは、バイリニア補間を使用して実施され得る。一実施形態では、ブロブ検出ブロック(262)は、対象の標的を識別するために後処理を実施する。一実施形態では、ブロブ検出ブロック(262)の出力は、それらが一続きまたは近位のフレームに出現すると、対象の標的を追跡するためにタッチ追跡ブロック(264)に送られる。一実施形態では、ブロブ検出ブロック(262)の出力成分は、マルチチップの実装のためのマルチチップインターフェース(266)にも送られ得る。一実施形態では、結果は、タッチ追跡ブロック(264)から、QSPI/SPIを介する近距離通信のためのタッチデータ物理インターフェースブロック(270)に送られる。
【0062】
一実施形態において、1チャネル当たり1つのDACが存在する。一実施形態において、各DACは、信号発生器によって誘導された信号を発する信号エミッタを有する。一実施形態において、信号エミッタはアナログで駆動される。一実施形態において、信号エミッタは共通エミッタであり得る。一実施形態において、信号は、信号発生器によって発せられ、システムスケジューラーによりスケジュールされ、DACにデジタル値のリストを提供する。デジタル値のリストが再開されるごとに、発せられた信号は、同じ初期位相を有する。
【0063】
一実施形態において、周波数分割変調されたタッチ検出器(タッチパッドセンサーは無い)は、単一の集積回路において実施される。一実施形態において、集積回路は複数のADC入力および複数のDAC出力を持つ。一実施形態において、集積回路は36のADC入力および64の直交DAC出力を持つ。一実施形態において、集積回路は、1つ以上の同一の集積回路でカスケードを行い(cascade)、128、192、256、またはそれ以上の同時の直交DAC出力などの追加の信号空間を提供するように設計される。一実施形態において、ADC入力は、直交DAC出力の信号空間内のDAC出力の各々の値を判定することができ、故に、カスケードされたICからのDAC出力、ならびにADCが存在するIC上のDAC出力の値を判定することができる。
【0064】
一実施形態では、
図9に示されるように、タッチ検出ロジックは、例えば、受信機ごとに存在する4つのビンを探しているため、ビートVppは極めて扱いやすく、FFTにおける全体のベースライン信号は非常に大幅に増大する。さらに、全体のセンサーは、以前のセンサーよりも、1つの送信機あたりのはるかに高いベースライン信号で実行される。
【0065】
タッチ検出ロジックは差分信号を探しているため、特定用途において、ある程度のコモンモード除去をもたらし、おそらく、ある程度のコモンモードノイズソースの効果を排除することが可能である。特定用途のためのそのようなコモンモード除去の有効性は、ノイズがどのようにFFT規模に影響を与えるかに少なくとも部分的に依存する。
【0066】
センサーの車両実装-ステアリングホイール
図10Aは、ステアリング装置に一般的に見られるような部分的なトロイドの断面の図を示す。
図10Bは、
図10Aに示されるものなどの部分的なトロイドと合わせて使用され得るセンサーの一部の実施形態の図である。一実施形態では、導体の2セットがインタリーブされ、1つのセット内の各導体が、そのセットの他方の導体と同じ端部で送信機または受信機にルーティングされるように、一方のセットは一方の端部で終わり、他方のセットは他方の端部で終わる。一実施形態では、導体の2つのセットが可撓性基板上でインタリーブされ、1つのセットは基板の一方の端部で終わるか、またはその端部付近で終わり、他方のセットは、基板の反対の端部で終わるか、またはその端部付近で終わる。一実施形態では、導体の少なくとも1つのセットは、固有の直交信号を送信するのに適した送信機に動作可能に接続される。一実施形態では、導体の両方のセットは、固有の直交信号を送信するのに適した送信機に動作可能に接続される。一実施形態では、導体の少なくとも1つのセットは、信号を受信するのに適した受信機に動作可能に接続される。一実施形態では、導体の両方のセットは、信号を受信するのに適した受信機に動作可能に接続される。
【0067】
例示された実施形態において、第1および第2の導体セットの導体は互いに平行ではなく、むしろ、それらの関係が図において配向されるような垂直長さに沿って変化するように配置される。一実施形態では、導体の垂直長さに沿う任意の所定の直線位置(すなわち、例示された図の上下)が、導体間の異なる距離に対応するように、第1および第2の導体セットが配向される。一実施形態では、導体は、トロイドまたは部分的なトロイドの周りに配置される。一実施形態では、導体は、トロイドまたは部分的なトロイドの周りに巻き付けられる基板上に配される。一実施形態では、導体は、切り目を付けられるか、そうでなければ、トロイドまたは部分的なトロイドあるいは他の湾曲形状の周りに巻きつけられるように設計される、基板上に配される。
【0068】
一実施形態では、
図10Bおよび
図11Bのセンサーパターンは、
図6および8に一般的に示されるような追加の対角線の導体を含んでもよい。追加の対角線の導体は別個の層上にあるか、あるいは、上に説明されるようなブリッジを有する示された導体から分離されている。
【0069】
図11A-11Bは、複雑な形状の一部の断面、および複雑な形状の周りに巻きつけることができる導体の2つのセットの別のパターンの別の実施形態を示す。
【0070】
一実施形態では、導体の一方のセットは受信機として動作し、他方のセットは送信機として動作してもよい。一実施形態では、導体の両方のセットは両方とも送信機および受信機であってもよい。
【0071】
図12A-12Eに簡単に目を向けると、それらの図は、トロイドなどの複雑な形状の部分に関連して使用するのに有利であり得るセンサーパターンの様々な実施形態を示す。
図12Aにおいて、上記のように、送信機、受信機、またはその両方に結合される導体の2つのセットが設けられる。一実施形態では、センサーの一方のセット(例えば、図の底部に向かって接続されるセット)は、送信機として使用され、および他方のセットは受信機として使用される。送信機導体の各々が制限された数の受信機導体のみと交差するので、一実施形態では、周波数は再使用することができる。例示された実施形態において、センサーの1セットはセンサーの他のセットの3つより多くと交差せず、したがって、センサーの合計長さにかかわらず、3つの固有の直交信号のみが動作するために必要とされる。一実施形態では、信号ソースに送信導体を結合する導線は、共通の周波数を使用する送信導体の間で共通であり得る。例示されるように構成される一実施形態では、3つの別個の導体が送信導体の全てに必要とされる。なぜなら、送信機は、固有の信号ごとに信号発生器から送信導体まで1つのみを必要とするためである。
【0072】
図12Aの例示は、およそ120度で交差するセンサー導体を示す。一実施形態では、2つのセットからのセンサー導体は、90度で互いに交差する。一実施形態では、一方のセットからのセンサー導体は、120度とは異なる角度で他方のセットからのセンサー導体と交差し、これにより、一方のセットからの各センサー導体を他方のセットからのより多くのセンサーと交差させる。一実施形態では、一方のセットからのセンサー導体は、120度とは異なる角度で他方のセットからのセンサー導体と交差し、一方のセットからの各センサー導体を他方のセットからのより少ないセンサーと交差させる。一実施形態では、2つのセットからのセンサー導体は、45度より小さい角度で互いに交差する。一実施形態では、2つのセットからのセンサー導体は、135度より大きい角度で互いに交差する。
【0073】
図12Bは、トロイドなどの複雑な形状の部分に関連して使用するのに有益であり得るセンサーパターンの別の実施形態を示す。導体の一方のセットは互いにほぼ平行に走るが、センサーの他方のセットは、第1のセットにおける導体の各々と互いに斜めに走り、および交差し、各々が図の上部に示されるような導線に取り付けられる。
図12Aにおいて、導体の一方のセットは互いにほぼ平行に走るが、センサーの他方のセットは、第1のセットの導体の各々に対して90度の角度で走り、および交差し、それらの各々は導線に取り付けられている。一実施形態では、センサーの1つのセットは、導体上に存在する信号を受けることができる受信機に導線を介して取り付けられる。一実施形態では、センサーの1つのセットは、導体に信号を送信することができる信号ソースに導線を介して取り付けられる。一実施形態では、センサーの両方のセットは、導体上に存在する信号を受けることができる受信機に導線を介して取り付けられる。一実施形態では、センサーのセットの少なくとも1つは、導体上に存在する信号を受けることができる受信機に導線を介して取り付けられ、ならびに、センサーのセットの少なくとも1つは、導体に信号を送信することができる信号ソースに導線を介して取り付けられる。一実施形態では、センサーの両方のセットは、導体上に存在する信号を受けることができる受信機、および、導体に信号を送信することができる信号ソースに導線を介して取り付けられる。
【0074】
一実施形態では、センサーパターンは、それが巻き付けられる曲面(例えば、ステアリングホイール)のサイズおよび形状に適応するように伸ばすことができる可撓性基板上に配されてもよい。可撓性基板がそのような曲線のまわりで伸ばされるのを可能にするのに十分な伸張性(例えば、または伸縮性)を導体が欠く場合があるため、一実施形態では、過剰な導体が基板上に配置されてもよい。
図12Cに示されるように、水平に配置された導体は、横次元の拡張を容易するために、ジグザグパターンで基板上に配置される。ジグザグパターンは必須ではなく、水平方向に拡張することを可能にする様々なパターン(例えば、波状パターン)が使用されてもよい。さらに、拡張を可能にするパターン(例えば、ジグザグ、波状など)を適用することによって、水平方向および垂直方向の両方での柔軟性が達成され得る。
【0075】
図12Dおよび12Eは、X方向およびY方向の両方に沿う拡張可能なセンサーパターンを示す。
図12Dにおいて、導線取り付けは基板の端部に収容される。一方、
図12Eにおいて、導線の一方のセットは端部に取り付けられるが、他方のセットは、例えば、センサーパターンが使用される形状のチャネルまたは他の中央域に取り付けられる。
【0076】
一実施形態では、導体は、(非導電性の布、プラスチック、またはエラストマー材料から作られ得る)可撓性基板上に配置されるか、あるいは、可撓性基板中に埋め込むことができる。一実施形態では、導電糸は、1つ以上の所望の次元で所望の拡張(例えば、ジグザグ、波状など)を可能にするように、可撓性材料(例えば、布)上に配置されるか、あるいは、可撓性材料に縫い付けられる。一実施形態では、可撓性基板または可撓性布は、交差するジグザグパターン(または例えば、交差する正弦波パターン)を有する。
【0077】
一実施形態では、二次元センサーパターンは、拡張(1つ以上の方向の)に適応するように設計され、拡張が起こる表面に適用することができる。一実施形態では、拡張(例えば、伸張)の所望の最大量が、センサーパターン設計時、例えば、ステアリングホイールなどの既知形状のためのセンサーパターンを設計する時に分かっている場合、二次元センサーパターンは、前もって拡張されたセンサーパターンが既知あるいは所望の最大の拡張に適用するように設計することができる。一実施形態では、二次元センサーパターンは、形状(例えば、ステアリングホイール)に適用されると、その拡張された所望の構成になるように設計されている。一実施形態では、センサーパターンは三次元の物体におけるCADシステムで設計され、CADプログラムの機能を使用して、製作のための二次元パターンへと「展開」され得る。
【0078】
一実施形態では、
図12A-12Eに示されるセンサーパターンは、ステアリングホイールなどのトロイダル形状の物体の一部の周りに巻きつけることができる。一実施形態では、
図12A-12Eに示されるものなどのセンサーパターンは、その四分円にほぼ等しいステアリングホイールの一部の周りに巻きつけられる。一実施形態では、センサーパターンはステアリングホイールの上半分の周りに巻きつけられる。一実施形態では、
図12A-12Eのものに類似する2つの別個のセンサーパターンは、ステアリングホイールの上部の左右の部分に巻き付けられる。
【0079】
図13A-13Cは、部分的なトロイダル構成の交差センサーパターンの実施形態の3つの図を示す。各導体から送信機または受信機へと戻る導線は、
図13Bにおいて最もよく見ることができる。
図14A-14Cは、トロイダル構成の非交差センサーパターンの実施形態のいくつかの図を示す。各導体から送信機または受信機へと戻る導線は、
図14Bにおいて最もよく見ることができる。
【0080】
センサーの車両実装-車のシート
上で説明されるようなステアリングホイールに加えて、送信アンテナ(導体とも呼ばれる)および受信アンテナ(導体とも呼ばれる)は、車両の他の構成要素内で、またはその構成要素上で使用される材料および布において実装することができる。車両の他の構成要素内に、またはその構成要素上にセンサーを配置するこのような1つの実装は、車のシート、例えば、布、革などを形成する材料内で行われる。一実施形態では、センサーは布製のシート内に配置される。一実施形態では、センサーは布製のシート上に配置される。一実施形態では、センサーは革製のシート内に配置される。一実施形態では、センサーは革製のシート上に配置される。一実施形態では、センサーはプラスチック製のシート内に配置される。一実施形態では、センサーはプラスチック製のシート上に配置される。
【0081】
図15および16を参照すると、車両内に配置されるシート(50)に座る乗員(40)が示される。示されたシート(50)は最前列に配置されるシートであるが、車両内に配置される可能性のあるシートのいずれも、その内部あるいはその上に実装され得るセンサーを有し得ることが理解されるだろう。
【0082】
図17Aおよび17Bは、シート(50)と共に使用されるセンサー(1700)の典型的な実施形態を示す。
図17Aは、シート(50)の最上層の正面図を示す。
図17Bは、シート(50)の最上層の背面図を示す。センサー(1700)は、送信アンテナ(1701)および受信アンテナ(1702)で形成され、それらは、少なくとも1つの送信機(図示せず)、少なくとも1つの受信機(図示せず)、ならびに少なくとも1つの信号プロセッサー(図示せず)に動作可能に接続される。送信アンテナ(1701)は、受信アンテナとしても機能することができ、および受信アンテナ(1702)もまた送信アンテナとして機能することができる。一実施形態では、シート(50)に使用される1つを超えるセンサー(1700)層がある。一実施形態では、シート(50)の各部分はそれ自体のセンサーを有する。一実施形態では、シート(50)のいくつかの部分のみセンサーを有する。
図17Aおよび17Bにおいて、センサー(1700)はシート(50)の全体内に形成される。
【0083】
一実施形態では、シートの材料は、その中に送信アンテナおよび受信アンテナ(本明細書において導体とも呼ばれる)で形成されたセンサーが埋め込まれている。一実施形態では、シートの材料は、その上に送信アンテナおよび受信アンテナで形成されたセンサーが配置されている。一実施形態では、シートは、送信アンテナおよび受信アンテナで形成されたセンサーがその中に埋め込まれているか、あるいはその上に配置されている。一実施形態では、アンテナは、(非導電性の布、プラスチック、またはエラストマー材料から作られる)可撓性基板上に配置され、シートの材料を形成するために使用される。一実施形態では、アンテナは可撓性基板内に埋め込まれ、シートの材料を形成するために使用される。一実施形態では、導電糸は、1つ以上の所望の寸法で所望の拡張(例えば、ジグザグ、波状など)を可能にするように、可撓性材料(例えば、布)上に配置されるか、あるいは可撓性材料に縫い付けられて、シートを形成するために使用される。一実施形態では、可撓性基板または可撓性布は、交差するジグザグパターン(または例えば、交差する正弦波パターン)を有し、シートを形成するために使用される。一実施形態では、可撓性基板または可撓性布は、上に説明されるパターンの1つまたはヒトによる柔軟性のある使用に耐えるのに適した別のパターンを有する。
【0084】
送信機は、固有の周波数直交信号を送信アンテナの各々に伝達する。受信アンテナは、送信信号を受け取り、および/または材料の使用を介して起こる可能性のある容量性相互作用に応答することができる。信号プロセッサーは、受信信号の測定値を取得して、ヒートマップ、またはデータの他のセットを形成して、車のシートで起こる相互作用を反映するために、その測定値を使用する。一実施形態では、送信アンテナの各々および受信アンテナの各々は、送信アンテナまたは受信アンテナのいずれかとして機能する。一実施形態では、少なくとも1つの送信アンテナおよび複数の受信アンテナがある。一実施形態では、複数の送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナがある。
【0085】
乗員(40)が車内のシートに座っている場合、シート(50)の動き、および/またはシート(50)内での動きがある。シート(50)を形成する材料は、動きおよび/または曲がる。この動きにより、送信アンテナおよび受信アンテナが互いに対して動く。この動きは、受信アンテナによって受け取られる信号の測定値に影響を与える。この動きは、乗員(40)がシート(50)に座っている時だけでなく、車両の移動中、および車が停止している時に、乗員(40)がシート(50)に座っている間にも起こる。
【0086】
受信アンテナに接続される受信機から受け取られ、処理された測定値は、乗員(40)がシート(50)に座っているか否かを判定するために使用することができる。信号プロセッサーから得られた測定値は、検出器モジュールによって使用され、シート(50)の使用を判定するためにさらに処理することができる。一実施形態では、検出器モジュールは信号プロセッサー上で実行され、ならびに、測定値を取得して、シートの使用があるか否かを判定することができる。一実施形態では、検出器モジュールは、信号プロセッサーによって処理された測定値を処理するソフトウェアロジックである。一実施形態では、検出器モジュールは、信号プロセッサーとは別に配置される。一実施形態では、検出器モジュールは、信号プロセッサーによって処理された測定値を処理する回路である。一実施形態では、検出器モジュールは、シートから離れた位置で車両内に配置される。一実施形態では、検出器モジュールは、シートと近接する位置で車両内に配置される。
【0087】
一実施形態では、検出器モジュールは、車両の乗員の有無を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、乗員の生体認証を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、乗員の心拍数を決定する。一実施形態では、検出器モジュールは、乗員の呼吸活動を決定する。一実施形態では、検出器モジュールは、乗員の体重推定値を決定する。一実施形態では、検出器モジュールは、乗員の身長推定値を決定する。一実施形態では、検出器モジュールは、シート内の乗員の位置を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、シート内の乗員のタイプを検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、検出された乗員のIDに基づいて車が盗まれたか否かを判定する。一実施形態では、検出器モジュールは、子供の存在を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、チャイルドシートの存在を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、チャイルドシートにおける子供の存在を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、乗員の位置を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、背もたれの位置を決定する。一実施形態では、検出器モジュールは、シートの快適設定を決定する。一実施形態では、検出器モジュールは、ヘッドレストからの頭部の距離を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、乗員対非乗員の検出の%分類カテゴリー(すなわち、物体は存在するが、もっぱらヒトの乗員ではない)のタイプを検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、車両内に何かが残っているか否か判定する。一実施形態では、検出器モジュールは、物体を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、受動的手段により物体のタイプを検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、能動的手段により物体を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、能動的手段および/または受動的手段のいずれかによって、乗員物体のタイプを検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、ヒト、車のシート、財布、ラップトップ、電話、イヌ、ネコなどの少なくとも1つを検出する。一実施形態では、各ロジックカテゴリー(すなわち、ヒト乗員の有無)、または測定値推定(すなわち、身長体重)は、それぞれ個別に、算出された信頼因子(すなわち、信頼水準)(例えば、99.9999%の空席率(empty)、80%の信頼度、身長5’6)も含む。一実施形態では、検出器モジュールは、クッションおよび背圧分布を検出する。一実施形態では、検出器モジュールは、乗員が動く量および頻度などの動的動きを決定する。
【0088】
上で述べられるように、実装されているセンサーの感度ゆえに、乗員(40)に関する存在に加えて、情報を確認することができる。一実施形態では、シート(50)に座る個人の体重を正確に判定するために、シート(50)内の、またはそのシート上のセンサーによって得られた測定値から受け取られたデータに機械学習が適用される。シート(50)に座るヒトの身体的特性を正確に決定することが可能であることによって、車は、ヒトの体重をドライバーのありそうなアイデンティティと相関させることにより、それに応じて対応するようにさらにプログラムされ得る。例えば、185ポンドの男が車に座っていることをシート(50)が感知すると、車は自動的にその設定を調整することができる。車の設定は、185のポンドの体重の読み取り値に関連する可能性が最も高いヒトのために調整することができる。一実施形態では、車両における乗員の数は、車のシートセンサーおよび検出器モジュールからの測定値を使用して判定される。一実施形態では、車両における乗員の数および体重は、センサーを使用して判定される。一実施形態では、車両は、乗員がどこに座っているか、乗員の体重、および/または、車のシート(50)のセンサーにより確認された他の身体的特性に基づいて、乗員(40)のアイデンティティを決定するためにプログラムされる。一実施形態では、車両は、センサーによって決定された車両負荷に基づいて、燃料使用を最適化する。一実施形態では、乗客領域におけるセンサーは、体重読み取り値に基づいて、車のシートに幼児が残っているか否かを判定する。その後、この読み取り値は、車両が一定時間停止した時に幼児が連れ去られなければ、警報、または他の警報インジケーターを発するために使用される。
【0089】
センサーは、シート(50)の着座領域に加えて、シート(50)上の、およびそのシート内の他の位置に配置可能であることが理解されるだろう。一実施形態では、センサーはシート(50)の後部領域内に配置される。シート(50)の後部領域に配置されるセンサーは、乗員の様々な動きに関する情報を決定するために使用することができる。例えば、突然の動きは、車両の速度または車両が移動している可能性のある地形に関連する付加的情報を決定するために使用することができる。一実施形態では、この種の情報は、車両の制御または車両の動きを調整するために、車両によって使用される。例えば、一実施形態では、閾値を超える突然の動きあるいは急な引っ張る動きがあるという決定は、エアバッグを展開するか、またはブレーキ活動を誘発する。一実施形態では、センサーは車両のヘッドレスト内に配置される。一実施形態では、シート(50)との相互作用に基づいて、乗員(40)に関する生体データが取得される。一実施形態では、乗員(40)の位置および動きは、乗員(40)が眠っているか否かを判定するために使用される。乗員が眠っている場合、警報が発せられる。他の可能性のある危険な状態、例えば、ながら運転および物質の影響下での運転は、シート(50)に座っている間の乗員(40)の位置ならびに動きに基づいて、センサーによってモニタリングおよび検出することができる。
【0090】
図15および16を参照すると、送信アンテナと受信アンテナとの間の相互作用が検出されるシート(50)の中および/または上に位置するセンサーに加えて、注入送信アンテナをシートの中および/または近くに位置づけることができる。注入は以下でより詳細に議論される。一実施形態において、ユーザーは、固有の直交信号を送信可能な、車から離れた物体を保持するまたは着用する。一実施形態において、ユーザーは車両の構成部分の1つを介して信号を注入する。一実施形態において、信号はステアリングホイールを介してユーザーに注入される。一実施形態において、信号はダッシュボードを介してユーザーに注入される。一実施形態において、信号は車両の内部を介してユーザーに送信される。一実施形態において、信号は車両の外部を介してユーザーに送信される。
【0091】
図16は、乗員(40)内における注入信号の存在を例示する、乗員(40)の陰影を示す。注入信号を使用して、車両のダッシュボード上または車両全体にわたって位置づけられた器機に対して追加の機能を提供することができる。一実施形態において、様々な設定が、乗員(40)により送信された信号に基づいて可能とされる、または不能にされる。一実施形態において、制御は、乗員(40)により送信された信号に基づいて可能とされる、または不能にされる。一実施形態において、ガレージドア・オープナーは、車両の内部との相互作用を介して乗員(40)により送信された信号によって起動される。
【0092】
更に、カーシートが示されているが、センサーは、車とは別の車両のシートと共に使用可能であることを理解されたい。一実施形態において、センサーはトラックシートに使用される。一実施形態において、センサーはボートシートに使用される。一実施形態において、センサーはボートシートの防水材料に埋め込まれる。一実施形態において、センサーは飛行機シートに使用される。一実施形態において、センサーは列車シートに使用される。また、本明細書で議論されるシートは、車両、シート、椅子などの観点から議論されているが、センサー技術は、あらゆる場所に見られるシート内の織物および物質の中または上に実装され得る。一実施形態では、センサーはスタジアムシートに使用される。一実施形態において、センサーは家の中の椅子と共に使用される。一実施形態において、センサーは待合室のシートと共に使用される。一実施形態において、センサーは遊園地の乗り物のシートと共に使用される。
【0093】
加えて、カーシートが議論されている一方で、センサーを形成する送信機、送信アンテナ、受信アンテナ、および受信機が、車両の他の部品に実装され得る。一実施形態において、センサーは車両の加速装置内に配置される。加速装置との相互作用により、車両の加速に関する付加的で且つよりニュアンスの違う情報を提供することができる。燃料分配およびギヤ操作は、加速装置におけるセンサーによって提供される情報により調整され得る。一実施形態において、センサーは車両のギアシフト上に配置される。一実施形態において、センサーは、オートバイ、三輪車、または四輪車(quad-cycle)などの車両のハンドル上に配置される。一実施形態において、センサーは車両のブレーキ上に配置される。ブレーキとの相互作用により、車両の取扱いまたはエアバッグなどの実装に関連する情報を提供することができる。一実施形態において、センサーはダッシュボードに実装される。一実施形態において、センサーはクラッチに実装される。一実施形態において、センサーは方向指示器コントローラーに実装される。
【0094】
一実施形態において、センサーを形成する送信アンテナおよび受信アンテナは、車両のタイヤに実装される。信号の測定値を使用して、ブレーキの摩耗およびタイヤの摩耗を判定する。送信アンテナは部品上に実装することができ、受信機により受信された処理信号は、部品の物質の変化を判定するために受信信号の測定値における変動を判定することができる。一実施形態において、センサーはフロントガラス上に位置づけられる。送信アンテナを介して送信された信号は液体により影響を受け、且つ、信号プロセッサーにより処理された測定において反映され得る。その後、これら測定値を使用して、ウィンドシールド・ワイパーの起動を誘導することができる。
【0095】
布地へのセンサーの実装
布地などの物質におけるセンサーの実装は、カーシートに関して上記に議論された。布地におけるセンサーの他の実装は、一般にカーシートと車両の領域の外側になされ、且つ、消費者製品に使用される物質に適用され得る。一実施形態において、センサーは家具に利用される。一実施形態において、センサーは衣類および他の着用可能なものに実装される。一実施形態において、センサーはカーペットに実装される。
【0096】
図18は、センサーの実装の別の実施形態を示す。
図18にはマットレス(60)が示されており、上部センサー面(70)が、マットレス(60)に一体形成され、或いは後からマットレス(60)に配置または追加される。一実施形態において、マットレス(60)は、該マットレスに一体形成されたセンサー面(70)を備えている。一実施形態において、センサー面(70)はシート状の織物の一部である。一実施形態において、センサー面(70)はマットレスパッドの織物の一部である。一実施形態において、センサーはシート上に配置される。一実施形態において、センサーはマットレスパッド上に配置される。
【0097】
上部センサー面(70)は、上述のような送信アンテナおよび受信アンテナ(ドライブラインおよびセンスライン)を使用して形成可能である。送信機アンテナおよび受信機アンテナは上述のようなパターンで形成され得る。上部センサー面(70)は、マットレス上の人の位置およびマットレス上の人の動作を判定することができる。センサー面(70)を介して判定された情報を使用して、個人に、睡眠習慣、或いはマットレス(60)の使用から生じる他の起こり得る問題を知らせることができる。この情報を個人が使用することで、より良いシート、毛布、パッド、または枕を選択することができる。一実施形態において、センサーにより得られた測定値を使用して、マットレスの寿命に関する情報を提供する。一実施形態において、センサーにより得られた測定値を使用して、消費者への推奨を提供する。一実施形態において、センサーにより得られた測定値を使用して、睡眠習慣に関する情報を提供する。
【0098】
一実施形態において、センサー面(70)は病院環境に実装される。一実施形態において、センサー表面は、病院のベッドの使用に関連する情報を提供する。一実施形態において、センサー面(70)は、ベッドに横たわっている患者の生体データを判定する。一実施形態において、センサー面(70)は、患者の呼吸に関する情報を提供する。一実施形態において、センサー面は、患者の心拍数に関する情報を提供する。一実施形態において、患者の位置および動作は、センサー面(70)を介してモニタリングされる。一実施形態において、センサー面(70)は、液体が送信信号に及ぼす影響に起因して、前記液体の存在を検出する。
【0099】
信号注入
このセクションは、タッチおよび空気に敏感な入力デバイス、具体的には、物体の表面の上、物体の表面より上、および/または物体の表面付近にある人の手を感知する入力デバイスに関する。上述の車両部品の脈絡の中で、信号注入は、部品の制御およびそれとの相互作用において実施され得る。
【0100】
信号導入(a/k/a信号注入)を使用して、アペンデージ(appendage)の検出および特徴づけを向上させることができる。例えば、2016年12月1日出願の米国仮特許出願第62/428,862号を参照し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。手がコントローラーを把持している場合の指の三次元の位置、配向、および「曲がり」または「屈曲」は、信号を手または他の身体部分に注入すること、および、車両内のコントローラー(例えば、携帯用または手動式コントローラー)または機器上の様々な点における前記信号の各々の寄与を測定することにより、測定可能である。一実施形態において、注入信号は、手の近くにあるセンサーにて、またはセンサーと手の変化との間の距離として測定される。一実施形態において、受信装置は、容量センサー、具体的には同時に直交信号を使用する投影型静電容量センサーであり得る。
【0101】
簡単に
図19を参照すると、一実施形態において、信号は、信号が通過しなければならない異なる量の肉体に起因して信号レベルが指ごとに異なっていなければならない様式で手に注入され得る。一実施形態において、各導入信号は各指に存在するが、量は異なっている。一実施形態において、各指の位置を判定するために、各信号の量を判定することで、どこに1つ以上の指がタッチしているのか、またはどこに1つ以上の指がホバリングしているのかを判定することが必要である。
【0102】
簡単に
図20を参照すると、信号を手に導入するためのストラップ、ランヤード、またはグローブの使用が例示されている。ストラップ、ランヤード、またはグローブは、手にぴったりと合うように設計され、或いは伸縮自在であり得る。1つ以上の信号は、手との容量接触またはオーム接触状態にある電極により手に導入される(即ち、注入される)。ストラップ、ランヤード、またはグローブは、指の付近、または更に遠くに信号を注入し得る。これらは、手の背面または前面、或いは身体の他のいくつかの部分の表面上に信号を注入し得る。例えば、リストストラップを使用して信号をそのような点に注入することができる。
【0103】
簡単に
図21A-21Fを参照すると、様々な手のポーズの例示が、指の位置および「曲がり」の検出に関する議論に対してコントローラーの一般的なバージョンでの把持をシミュレートするために、物体について示されている。一実施形態において、人差し指はコントローラーのトリガーとして使用可能であり、故に、人差し指の配置、コントローラーの表面からどのくらい伸長しているのか、および指の関節の角度を判定することが、望ましい場合がある。一実施形態において、関節角度の大半のセットが不自然な位置(且つ、おそらくそのように生じない)にあるので、指がどのように位置しまたは曲げられているのか導き出すことが可能な指の位置を大まかに判定することが十分な場合もある。
【0104】
簡単に
図22を参照すると、
図19に示される実施形態の両手を使う変形が示されている。信号は様々な位置にてユーザーの両手に注入される。一実施形態において、手が互いに密に接触している、またはタッチしていると、片手からの信号は他の手の指を通って流れる。同じ手の指間の接触(例えば、OKのジェスチャ)は、同じ手の上に一方の信号インジェクターから別の信号インジェクターまでの経路を作り出し、および、両手の指間の接触(例えば、人差し指同士でタッチする)は、両手の上に信号インジェクター間の経路を作り出す。マルチユーザーシステムの場合、多数のユーザーの手の間の接触は、コマンドジェスチャとして解釈可能な移動する信号のための多数の経路を作り出す。
【0105】
コントローラー(例えばゲームコントローラー)または他のユーザーインターフェースデバイスでは、把持している手の指が事実上デバイスにタッチしていない場合でさえ、前記指の位置を検出し且つ特徴づけることができることが望ましい。一実施形態において、人差し指は「人差し指(trigger finger)」として検出可能であり、故に、入力デバイスは、タッチを検出する表面に接触していない指の部分を含む、指の位置および「曲がり」を感知する。
【0106】
一実施形態において、ゲームコントローラーの表面は、表面上のどこに手および指がタッチしているのかを検出可能なタッチセンシティブ表面(例えば検出器またはタッチスクリーン)である。一実施形態において、タッチセンシティブ表面は、容量タッチスクリーンまたは他のタッチ面であり、静電容量の小さな変化を使用して、いつ導電性または容量性の物体がタッチするかまたは付近で「ホバリングしている」のかを検出する。この内容において使用されるように、導電性または容量性の物体、例えば指、がタッチ面と事実上物理接触していないという事実にもかかわらず、ホバリング手段は十分にタッチ面に近づいて、認識可能な変化を引き起こす。
【0107】
一実施形態において、電気信号は手または身体の他の部分へと導入され(a/k/a注入され)、(身体により実行されるような)この信号は、身体(例えば手、指、または身体の他の部分)がタッチ面と直接接触していないときでさえ、身体に近接する容量タッチ検出器によって検出可能である。一実施形態において、この検出された信号は、手または指または他の身体部分の近接がタッチ面に対して判定されることを可能にする。一実施形態において、この検出された信号は、手または指または他の身体部分の近接および配向がタッチ面に対して判定されることを可能にする。
【0108】
一実施形態において、本明細書に記載される信号注入は容量タッチ検出器と関連して配置され、前記検出器は、複数の同時に発生された周波数直交信号を使用してタッチおよびホバーを検出し、限定されないが、米国特許第9,019,224号、9,158,411号、および9,235,307号(全て参照により本明細書に組み込まれる)に例示されるタッチセンシティブ表面が挙げられる。一実施形態において、注入信号は、タッチおよびホバーの検出に使用される複数の同時に発生された周波数直交信号と同時であり、且つそれと周波数直交している。一実施形態において、複数の注入信号の各々は、近位の指関節(即ち、指が手を繋げる場所)の近くの位置にて手または指に注入される。一実施形態において、1つの信号は人差し指に近接して注入され、別の信号は別の指に近接して導入される。一実施形態において、複数の固有の周波数直交信号(共に、他の注入信号およびタッチ検出器により使用される信号と周波数直交している)は、複数の位置において手に注入される。一実施形態において、5つの固有の周波数直交信号(共に、他の注入信号およびタッチ検出器により使用される信号と周波数直交している)は、各指(本明細書で使用されるように、親指が指と考慮される)に近接して手に注入される。
【0109】
センサー、即ち、注入信号が無い場合に、容量タッチ検出器の受信機上で受信される周波数直交信号のレベルの変化を測定且つ識別するように構成されるセンサーは、注入された周波数直交信号のレベルの変化を測定且つ識別するようにも構成される。注入された周波数直交信号における変化の識別は、手(或いは指または他のいくつかの身体部分)の近接がタッチ面に対して判定されることを可能にする。配向も、タッチセンサー受信機により受信されるような注入信号の解釈から判定され得る。
【0110】
一実施形態において、1より多くの電気信号は身体に注入され、且つ身体により伝導されることで、(センサーにより受信されるような)これら信号の相対的な特徴を使用して、身体または身体部分のセンサーへの相対的な近接および配向を判定することができる。一例として、5つの注入パッド(例えば電極)が5つの指関節に隣接して位置づけられてもよく、そこでは、指は手に結合され、且つ10の固有の周波数直交信号(他の注入信号およびタッチ検出器により使用される信号と周波数直交している)が手に注入され、そのうち2つは5つのインジェクターパッドの各々を介して注入される。例において、5つのインジェクターパッドの各々は、2つの分離信号を手に伝導させる。一実施形態において、信号の各ペアは、互いから比較的離れた周波数、例えば、1つの高周波数および1つの低周波数であり、なぜならば、より高いおよび低い周波数信号には身体にわたる異なる伝導特徴があり、それ故、タッチセンサーにおいて異なる検出特性があるためである。
【0111】
一実施形態において、注入信号は、ユーザーの手、手首、または他の身体部分にタッチする(または、それらに近接している)ストラップまたはランヤードを通じて注入される。一実施形態において、1つ以上の注入パッドまたは注入電極は、タッチ面を含むタッチ物体に関連付けられるストラップまたはランヤードに統合されている。一実施形態において、1つ以上の注入パッドまたは電極は、着用可能な衣服、例えばグローブに統合されている。一実施形態において、1つ以上の注入パッドは、物理的環境における物体、例えば限定されないが、椅子の背もたれ、シート、またはアーム、テーブルトップ、またはフロアマットに統合されている。
【0112】
一実施形態において、インフューザー(ストラップ、ランヤード、着用可能なものであるか、或いは環境ソースとして設けられ得る)のデバイスからの導入信号は、インフューザーのデバイスがユーザーにより着用されているかまたはユーザーに適度に近接しているかどうかを判定するために使用される。一実施形態において、インフューザーのデバイスからの導入信号を使用して、コントローラーがインフューザーのデバイスの利益を必要とすることなく使用されているかどうかを判定する。
【0113】
一実施形態において、コントローラーを把持する手の指の一部または全ての「曲がり」は、導入信号の相対的な特徴をタッチ検出器による受信時に分析することにより判定することができる。一実施形態において、これら特徴は、受信信号の相対的な振幅および時間オフセットまたはフェーズを含む。一実施形態では、MIMO様の技術(主成分分析など)を使用して、各指により寄与される受信された注入信号の相対的寄与率を判定する。一実施形態において、較正工程が実行され、事後測定は較正工程における情報を考慮して解釈される。一実施形態において、較正工程は、注入信号の寄与が測定されている間に、指を特定の位置に移動させることを含む。一実施形態において、較正工程は、注入信号の寄与が測定されている間に、指によるジェスチャーまたはジェスチャーのセットを実行することを含む。
【0114】
一実施形態において、インピーダンスが信号インフューザーにより直列に配置されることで、注入信号の寄与を各指から受信されるものと区別する能力を向上させる。一実施形態において、インピーダンスは抵抗である。一実施形態において、このインピーダンスは静電容量である。一実施形態において、このインピーダンスはインダクタンスである。一実施形態では、インピーダンスは、抵抗器および/またはコンデンサーおよび/またはインダクターの並列および直列の組み合わせである。一実施形態において、インピーダンスは一般的なものであり、周波数に応じて変動する抵抗成分およびリアクタンス成分を備えている。一実施形態において、信号インフューザーと直列のインピーダンスは、その注入位置と他の指の基部との間の距離に等しい人の肉体の量を通過する(traversed)場合、注入信号により受けられることになるインピーダンスとほぼ同じインピーダンスを有している。一実施形態において、指に注入された信号を使用して、指自体の間の接触を感知する。一実施形態において、信号インフューザーは信号受信機と対になり、そのような信号受信機により受信された信号を使用して指と指との接触を感知する。
【0115】
多数のシステムにおいて、両手を使う入力が望ましい。一実施形態において、ユーザーは2つのコントローラーを片手に1つずつ把持している。2つのコントローラーは、上述のように1つ以上の別個の注入信号をユーザーの手の各々に注入するように構成される。一実施形態において、1つのコントローラーからの注入信号は、ユーザーの手が互いに接触するまたは近接している場合に他のコントローラーにより感知され得る。一実施形態において、コントローラーおよび信号インジェクターの対を使用して、異なる手の指との間の接触を感知する。
【0116】
多数のシステムにおいて、マルチユーザー入力が望ましい。一実施形態において、2人以上のユーザーが独立型コントローラーと協働する。一実施形態において、1人のユーザーの手に注入される信号は、意図的(例えば握手、フィストバンプ、またはハイタッチ)または非意図的な接触がユーザー間でなされるときに、もう1人のユーザーのコントローラーにより検出され得る。一実施形態において、ユーザー間の接触のタイプ(例えば握手、フィストバンプ、ハイタッチ、或いは非意図的または偶発的な接触)は、もう1人のユーザーのコントローラーにより検出される1人のユーザーの手に注入された信号により区別され得る。一実施形態において、1人のユーザーの手に注入された信号は、接触(意図的または非意図的)がなされるときに、もう1人のユーザーの信号インフューザーに近接する信号受信機により検出され得る。一実施形態において、ユーザー間の接触のタイプ(例えば握手、フィストバンプ、ハイタッチ、或いは非意図的または偶発的な接触)は、もう1人のユーザーの信号インフューザーに近接する信号受信機により検出される1人のユーザーの手に注入された信号により区別され得る。
【0117】
一実施形態において、ユーザーの指に注入される信号は、多数のコントローラーにより感知可能であるが、そのようなコントローラーは1つ以上の信号インフューザーに関連付けられる必要はない。言い換えれば、実施形態の一例として、2人のユーザーはそれぞれ、着用可能なストラップベースの信号インフューザー(例えば、時計のように見えるもの)を使用してもよく、その各々には、それら自体の周波数直交信号が備わっており、各ユーザーは、着用可能なものの各々の周波数直交信号を検出可能な複数のタッチ物体の1つ以上を使用してもよい。
【0118】
様々な実施形態において、コントローラー/ユーザーインターフェースデバイスは、次のもののうち1つ以上でもよい:携帯用コントローラー、両手を使う携帯用コントローラー、VRヘッドセット、ARヘッドセット、キーボード、マウス、ジョイスティック、イヤホン、時計、容量タッチセンシティブ携帯電話、容量タッチセンシティブタブレット、ホバーセンシティブタッチパッドを含むタッチパッド(例えば米国特許出願第15/224,266号に記載)、タッチキーボード(例えば米国特許出願第15/200,642号に記載)、または他のタッチセンシティブ物体(例えば米国特許出願第15/251,859号に記載)、前記出願の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0119】
他の身体部分およびアペンデージ、例えば耳、鼻、口、顎、足、つま先、肘、膝、胸、性器、臀部なども、同様に測定可能である。一実施形態において、複数のインジェクターまたはインフューザーのパッドまたは電極は、身体の中で分布させられ、パッドまたは電極の各々は、他の信号、且つ、相互作用が望まれるまたは意図される感知デバイスにより使用される信号に対して固有且つ周波数直交である1つ以上の信号を注入する。
【0120】
別体領域の注入信号の隔離
通常、人体に注入される電気信号は、比較的容易に身体の他の部分へと伝えられる。注入信号の伝播を考慮するために、人体は、塩水で満たされたビニール袋としてモデル化され得る(即ち、そのように考慮される)。ビニール袋は、皮膚などの身体のあまり導電性でない部分を表わすと考慮され、塩水は、血液および筋組織などのより導電性の部分を表わすと考慮される。DCまたは非常に低い周波数において、身体は、その表面上に注入された信号へ非常に高い電気インピーダンスを提示する。しかし、より高い周波数(例えば、約10kHz以上)では、身体の表面がコンデンサーとして作用し且つ信号がそれを通過可能となるので、インピーダンスは縮小し始める。更に、「塩水」は、信号に対する相当な障壁を表わさない。それ故、より高い周波数では、人体は非常に十分に伝導する。さらに高い周波数でも、「皮膚」効果は持続し、身体中の電流を表面付近にのみ流れることを強制する。これにより信号によって確認されるような電気インピーダンスが増大し、なぜならば、信号が通過しなければならない領域の量(導体の断面に見られるようなもの)は、信号周波数が増大するにつれ減少する。「皮膚効果」はより有意なものとなり、故に約10MHzを超えると考慮することが重要になる。
【0121】
周波数の送信における差異を使用して、信号源に動作可能に接続された2つの信号インフューザーを有する有効な注入システムを製造することができる。一実施形態において、2つの信号インフューザーの各々は、ユーザーの同じ手の異なる部分への取り付けに適している場合がある。一実施形態において、信号源は、1つの信号を第1の信号インフューザーに送信し、異なる信号を第2の信号インフューザーに送信するように構成される。一実施形態において、第1のインフューザーへの信号は、20kHzを超える第1の高周波数信号、および10kHzを超える第1の低周波数信号を含み得る。一実施形態において、第1の高周波数信号は、第1の低周波数信号よりも少なくとも1オクターブ高い。一実施形態において、第1の高周波数信号は、第1の低周波数信号よりも少なくとも5オクターブ高い。一実施形態において、第1の高周波数信号は、第1の低周波数信号よりも少なくとも10オクターブ高い。一実施形態において、第2のインフューザーへの信号は、20kHzを超える第2の高周波数信号、および10kHzを超える第2の低周波数信号を含み得る。一実施形態において、第1の高周波数信号は、第2の低周波数信号よりも少なくとも1オクターブ高い。一実施形態において、第1の高周波数信号は、第2の低周波数信号よりも少なくとも5オクターブ高い。一実施形態において、第1の高周波数信号は、第2の低周波数信号よりも少なくとも10オクターブ高い。
【0122】
一実施形態において、注入信号は、身体(例えば1本の指)の特定の部分へと単離され得る。この観点において、「単離される」との用語は、信号および/またはその効果を、それが「単離される」身体の部分を越えて緩和することを指す。一実施形態において、導体(アンテナとも称される)は、身体上(またはその中)に配置され、導体の電位は、交流(AC)地絡(alternating current (AC) ground)となるよう設定される。一実施形態において、金属バンドは身体の表面上に配置され、2つの部分の間で単離され、AC地絡に設定されることが望ましい。一実施形態において、一片の金属箔が指に巻かれ、AC地絡に設定して指を単離させる。一実施形態において、薄片の金属箔が指に巻かれ、AC地絡に設定して指を単離させる。
【0123】
一実施形態において、コモンモードチョーク(またはインダクター)は、互いから単離される身体部分の周囲に配置される。一実施形態において、コモンモードチョークは、コモンモード電流を減らすべくコンピュータケーブルの端部に配置されるフェライトビーズに類似するものでもよい。一実施形態において、コモンモードチョークは金属リングである。一実施形態において、コモンモードチョークリングは鉄、または合金鉄(例えば鋼)から製造される。一実施形態において、コモンモードチョークリングはフェライト材料から製造される。一実施形態では、チョークは固形リングであり得る。一実施形態において、チョークは多数の片において製造可能であり、この片は、問題となる身体部分の周囲に配置される場合にリングを形成する。一実施形態において、チョークは指の周囲に配置される。
【0124】
一実施形態において、身体の2つの部分が互いから単離される場合、1つの身体部分に注入された信号は他の身体部分上で緩和される。一実施形態において、身体の2つの部分が互いから単離される場合、異なる信号は身体部分の各々の上に注入されてもよく、2つの異なる信号の各々が他の身体部分上で緩和される。一実施形態において、単離機構(例えばチョーク)は実質的に、他の身体部分上で測定されるような単離信号を減衰する。一実施形態において、単離機構は、身体の特定部分にあると推測されない信号を実質的に減衰し、その結果、前記特定部分にあるよう意図される信号のみが検出される。一実施形態において、単離機構は、身体の特定部分にあると推測されない信号を実質的に減衰し、且つ受信機が信号に対して敏感になり、その結果、前記特定部分にあるよう意図される信号のみが検出される。一実施形態において、減衰は単に部分的なものであり、異なる身体部分は2つの信号間の差または比率の分析により識別可能である。一実施形態において、身体の多数の部分が、このように互いから単離され得る。
【0125】
簡単に
図23を参照すると、左手および右手(1006)が示されている。導線および信号インフューザー(1004)は、信号発生器(図示せず)に、および左手と右手の各々に動作可能に接続されている。異なる信号がインフューザーを介して手に注入される。信号単離バンド(1002)が手首のまわりに配置されることで、手首を越えて手に注入された信号の伝播が減衰される。故に、各手に注入された信号は、反対側の手から単離される。各手の上の2つの信号間の規模の差異により、タッチまたはホバー受信機は、2つの信号の各々の量に基づいて手を判別することができる。
【0126】
一実施形態において、第1の信号は左手に注入され、第2の信号は右手に注入される。アイソレーターバンドが各手首に配置されることで、信号が注入される手を越えた注入信号の伝播が緩和される。左手および右手の一方は、(例えば、上述のようなステアリングホイールにおける)注入信号を検出可能なセンサーの一部である受信機に近接する。センサーを使用して、第1の信号の量および第2の信号の量を、手が受信機に近接した後に検出される受信信号において検出し、センサーは、検出された第1の信号および第2の信号の量に基づいて、第1の手と第2の手を区別するように構成される。
【0127】
図24を参照すると、左手および右手(1020)が示されている。一実施形態において、組み合わせたアイソレーター/インフューザー(1010)は、複数の指の各々の基部に配置され、導線(1030)を介して信号源(図示せず)に接続される。一実施形態において、アイソレーター/インフューザーは、グローブ、または1つ以上のリング、或いは他の着用可能なものに埋め込まれてもよい。指の基部におけるアイソレーター/インフューザー(1010)は、アイソレーター/インフューザー(1010)により注入された信号が、手、従って身体の残りの部分に移動することを弱める。一実施形態において、アイソレーター/インフューザー(1010)は、アイソレーター/インフューザー(1010)により、それらが接触し得る他のアイソレーター/インフューザー(1010)から注入信号を弱める。一実施形態において、異なる直交信号は信号源により発生させられ、アイソレーター/インフューザー(1010)を介して指の各々に注入される。
【0128】
例示された実施形態において、いくつかの指が互いから単離され、各々が異なる信号により注入されることで、他の指との区別が可能となる。注入されたディジットの1つが、注入信号を検出するセンサー(例えばゲームコントローラーまたはステアリングホイール)に近接している場合、センサーを使用して、センサー受信機により受信された信号における直交信号の各々の量を検出することができる。受信された各信号の量に基づいて、センサーは、近似のディジットに関連付けられるアイソレーター/インフューザー(1010)を信号識別することができる。
【0129】
信号のタイプ
上述の単離の形態は変調アグノスティックであり、故に、ほとんどのあらゆる信号のタイプに対して作動しなければならない。変調の形態は、アイソレーターにより引き起こされる単離または減衰に対し効果をほとんどまたは全く及ぼさない。一実施形態において、注入信号は互いに直交していることで、受信機がそれらの直線的な組み合わせから各個別の信号を検出することを可能にしなければならない。周波数、コード、または時間において直交している信号は、この技術により作動する。
【0130】
アイソレーターのいくつかの形態は異なる周波数にて有効であることに留意されたい。例えば、チョークアイソレーター(choke isolator)は、低周波数よりも高周波数にて有効であり得る。また例えば、フェライト材料は、特定の材料の特徴に依存して実行する周波数ウィンドウを有する。
【0131】
本開示の態様は、センサーを備えた車両シートである。前記センサーは、第1および第2のアンテナ;少なくとも1つの周波数を含む信号を発生させるのに適した信号発生源であって、第1のアンテナに動作可能に接続されている、信号発生源;第2のアンテナに動作可能に接続される信号受信機であって、第1のアンテナおよび第2のアンテナは、(a)近接するタッチ事象がそれらの間の結合の変化を引き起こし、(b)第2のアンテナに対する第1のアンテナの位置の変化がそれらの間の結合の変化を引き起こし、(c)第1のアンテナまたは第2のアンテナの少なくとも1つに近接した誘電率の変化がそれらの間の結合の変化を引き起こし、または(d)第1のアンテナまたは第2のアンテナの少なくとも1つの電気伝導率の変化がそれらの間の結合の変化を引き起こすように配向される、信号受信機;信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された信号に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうのに適した、信号プロセッサー;およびシートの使用を判定するために少なくとも1つの測定値を使用するように構成される検出器モジュールを含む。
【0132】
本開示の別の態様は車両シートである。前記車両シートは、第1のアンテナおよび第2のアンテナを含むセンサーであって、第1のアンテナおよび第2のアンテナは、(a)近接するタッチ事象がそれらの間の結合の変化を引き起こし、(b)第2のアンテナに対する第1のアンテナの位置の変化がそれらの間の結合の変化を引き起こし、(c)第1のアンテナまたは第2のアンテナの少なくとも1つに近接した誘電率の変化がそれらの間の結合の変化を引き起こし、または(d)第1のアンテナまたは第2のアンテナの少なくとも1つの電気伝導率の変化がそれらの間の結合の変化を引き起こすように配向される、センサー;少なくとも1つの周波数を含む信号を発生させるのに適した信号発生源;信号受信機;信号発生源、信号受信機、および第1のアンテナと第2のアンテナに動作可能に接続されるスイッチング素子であって、信号発生源を第1および第2のアンテナの一方に、および信号受信機を第1および第2のアンテナのもう一方に電気接続する用に構成される、スイッチング素子;信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された信号に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうのに適した、信号プロセッサー;およびシートの使用を判定するために少なくとも1つの測定値を使用するように構成される検出器モジュールを有している。
【0133】
本開示の別の態様は、センサーを備えた車両シートである。前記車両シートは、複数のアンテナ;複数の固有の周波数直交信号を発生させるのに適した信号発生源であって、複数のアンテナのうち少なくとも2つに動作可能に接続されており、且つ、複数の固有の周波数直交信号のうち少なくとも1つを、前記信号発生源が動作可能に接続される各アンテナに送信するように構成される、信号発生源;複数のアンテナのうち少なくとも2つとは別の複数のアンテナのうち少なくとももう2つに動作可能に接続される信号受信機であって、複数アンテナのうち少なくとも2つ、および複数のアンテナのうち少なくとももう2つは、複数アンテナのうち少なくとも2つのうち1つ、および複数のアンテナのうち少なくとももう2つのうち1つに対して近接したタッチ事象が、それらの間の結合の変化を引き起こすように選択され、それにより、(a)近接したタッチ事象がそれらの間の結合の変化を引き起こし、または(b)複数のアンテナのうち2つ以上に対する複数のアンテナのうち少なくとも2つの位置の変化が、それらの間の結合の変化を引き起こす、信号受信機;信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された固有の周波数直交信号の各々に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうのに適した、信号プロセッサー;およびシートの使用を判定するために発生された固有の周波数直交信号の各々に関連付けられる少なくとも1つの測定値を使用するように構成された検出器モジュールを含む。
【0134】
本開示の別の態様はセンサーが形成された織物である。センサーが形成された織物は、複数の固有の周波数直交信号を送信するのに適した送信機;複数の送信アンテナであって、その各々は送信機に動作可能に接続され、固有の周波数直交信号は複数の送信アンテナの各々を通じて送信される、複数の送信アンテナ;複数の受信アンテナであって、その各々は、複数の固有の周波数直交信号を受信するのに適した受信機に動作可能に接続される、複数の受信アンテナ;および受信された複数の固有の周波数直交信号の少なくとも1つの測定値を処理するのに適した信号プロセッサーであって、前記測定値は織物との相互作用に関する有意な情報を提供する、信号プロセッサーを備えている。
【0135】
上記の実施形態および嗜好性は本発明を例示するものである。この特許は、全ての起こり得る組み合わせまたは実施形態を概説または定義することを必要とされず、またそのようには意図されていない。本発明者は、当業者が本発明の少なくとも1つの実施形態を実施することを可能にするのに十分な情報を開示している。上述の記載および図面は、本発明の単なる実例であり、部品、構造、および手順の変更は、以下の請求項に定義されるように本発明の範囲から逸脱することなく可能である。例えば、特定の順で上記および/または以下の請求項に記載される要素および/または工程は、本発明から逸脱することなく異なる順で実行されてもよい。故に、本発明は、その実施形態への言及と共に明確に示され且つ記載される一方で、形式および詳細の様々な変更は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その中で行なわれ得ることが、当業者によって理解される。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーを備えた車両シートであって、
第1及び第2のアンテナ;
少なくとも1つの周波数を含む信号を発生させるのに適した信号発生源であって、第1のアンテナに動作可能に接続されている、信号発生源;
第2のアンテナに動作可能に接続された信号受信機であって、第1のアンテナ及び第2のアンテナは、それらに近接したタッチ事象が両アンテナ間の結合の変化を引き起こすように配向される、信号受信機;
信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された信号に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうのに適した、信号プロセッサー;及び
シートの使用を判定するために少なくとも1つの測定値を使用するように構成される検出器モジュール
を含む車両シート。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーを備えた車両シートであって、
第1及び第2のアンテナであって、前記第1のアンテナは前記第2のアンテナに対して位置変化可能であり、前記第2のアンテナは前記第1のアンテナに対して位置変化可能である、第1及び第2のアンテナと、
少なくとも1つの周波数を含む信号を発生させるのに適した信号発生源であって、前記第1のアンテナに動作可能に接続されている、信号発生源と、
前記第2のアンテナに動作可能に接続された信号受信機であって、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、それらに近接したタッチ事象が両アンテナ間の結合の変化を引き起こすように配向される、信号受信機と、
前記信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された信号に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうように適合された、信号プロセッサーと、及び
前記シートの使用を判定するために少なくとも1つの測定値を使用するように構成される検出器モジュールであって、前記少なくとも1つの測定値は、互いに対する前記第1のアンテナの位置の変化と前記第2のアンテナの位置の変化に基づく、検出器モジュールと、
を含む車両シート。
【請求項2】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して乗員の有無を判定する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項3】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して乗員の生体認証を判定する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項4】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して前記車両内の乗員の位置を判定する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項5】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して乗員の体重を判定する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項6】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して前記車両内のヘッドレストからの乗員の頭部の距離を判定する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項7】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して物体の存在を判定する、請求項1に記載の車両シート。
【請求項8】
前記検出器モジュールは前記信号プロセッサー上で動作するように構成される、請求項1に記載の車両シート。
【請求項9】
センサーを備えた車両シートであって、
第1及び第2のアンテナと、
少なくとも1つの周波数を含む信号を発生させるのに適した信号発生源であって、前記第1のアンテナに動作可能に接続されている、信号発生源と、
前記第2のアンテナに動作可能に接続された信号受信機であって、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、前記第2のアンテナに対する前記第1のアンテナの位置の変化、または前記第1のアンテナに対する前記第2のアンテナの位置の変化により、両アンテナ間の結合の変化を引き起こすように配向される、信号受信機と、
前記信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された信号に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうように適合された、信号プロセッサーと、及び
前記シートの使用を判定するために少なくとも1つの測定値を使用するように構成される検出器モジュールであって、前記少なくとも1つの測定値は、前記第2のアンテナに対する前記第1のアンテナの位置変化、または前記第1のアンテナに対する前記第2のアンテナの位置変化に基づく、検出器モジュールと、
を含む車両シート。
【請求項10】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して乗員の有無を判定する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項11】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して乗員の生体認証を判定する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項12】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して乗員の位置を判定する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項13】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して乗員の体重を判定する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項14】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用してヘッドレストからの頭部の距離を判定する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項15】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値を使用して物体の存在を判定する、請求項9に記載の車両シート。
【請求項16】
前記検出器モジュールは前記信号プロセッサー上で動作するように構成される、請求項9に記載の車両シート。
【請求項17】
センサーを備えた車両シートであって、
複数のアンテナであって、前記複数のアンテナのうちの少なくとも1つは、前記複数のアンテナのうちの少なくとも別の1つに対して位置変化可能であり、前記複数のアンテナのうちの前記少なくとも別の1つは、前記複数のアンテナのうちの前記少なくとも1つに対して位置変化可能である、複数のアンテナと、
複数の固有の周波数直交信号を発生させるのに適した信号発生源であって、前記複数のアンテナのうち少なくとも2つに動作可能に接続されており、且つ、前記複数の固有の周波数直交信号のうち少なくとも1つを、前記信号発生源が動作可能に接続される各アンテナに送信するように構成される、信号発生源と、
前記複数のアンテナのうち前記少なくとも2つとは別の前記複数のアンテナのうち少なくとももう2つに動作可能に接続される信号受信機であって、前記複数のアンテナのうち前記少なくとも2つは前記複数の固有の周波数直交信号のうちの少なくとも1つを各アンテナに送信するように構成され、前記複数アンテナのうち前記少なくとももう2つと、及び前記複数のアンテナのうち前記少なくとも2つとは、前記複数アンテナのうち前記少なくとも2つのうち1つ、及び前記複数のアンテナのうち前記少なくとももう2つのうち1つに対して近接したタッチ事象が、それらの間の結合の変化を引き起こすように配置され、それにより、
(a)近接したタッチ事象がそれらの間の結合の変化を引き起こし、又は
(b)前記複数のアンテナのうち前記少なくとももう2つに対する前記複数のアンテナのうち前記少なくとも2つの位置の変化、又は前記複数のアンテナのうち前記少なくとも2つに対する前記複数のアンテナのうち前記少なくとももう2つの位置の変化が、それらの間の結合の変化を引き起こす、
信号受信機と、
前記信号受信機に動作可能に接続された信号プロセッサーであって、発生された前記固有の周波数直交信号の各々に関連付けられる少なくとも1つの測定を周期的に行なうように適合された、信号プロセッサーと、及び
前記シートの使用を判定するために発生された前記固有の周波数直交信号の各々に関連付けられる前記少なくとも1つの測定値を使用するように構成された検出器モジュールであって、前記少なくとも1つの測定値は、前記複数のアンテナのうち前記少なくとももう2つに対する前記複数のアンテナのうち前記少なくとも2つの位置の変化、又は前記複数のアンテナのうち前記少なくとも2つに対する前記複数のアンテナのうち前記少なくとももう2つの位置の変化に基づく、検出器モジュールと、
を含む車両シート。
【請求項18】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値に基づいて乗員の有無を検出する、請求項17に記載の車両シート。
【請求項19】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値に基づいて物体の存在を検出する、請求項17に記載の車両シート。
【請求項20】
前記検出器モジュールは前記少なくとも1つの測定値に基づいて前記信号プロセッサー上で実行される、請求項17に記載の車両シート。
【外国語明細書】