(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123214
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1268 20230101AFI20240903BHJP
H04W 76/27 20180101ALI20240903BHJP
H04W 72/121 20230101ALI20240903BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20240903BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W76/27
H04W72/121
H04W72/231
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024102566
(22)【出願日】2024-06-26
(62)【分割の表示】P 2023111102の分割
【原出願日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】2004520.9
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ユーファー
(72)【発明者】
【氏名】二木 尚
(57)【要約】 (修正有)
【課題】UE(user equipment:ユーザ装置)がRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でスモールデータ送信を行うシステムを提供する。
【解決手段】携帯型電気通信システムにおいて、モバイル装置(UE)は、コントロールプレーンを介してスモールデータ送信を構成する情報を受信し、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがある場合、UEは、CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信を含むRRCメッセージを生成して、基地局5に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためのユーザ装置(User Equipment:UE)であって、
前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報を受信する手段と、
前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信に設定される無線ベアラ(Radio Bearer:RB)をセットアップするのに用いられるRRC解放メッセージを受信する手段と、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態であり、前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報に示された条件を満たす場合に、前記RBを用いて、当該スモールデータを送信する手段と、
を備える、UE。
【請求項2】
前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報はブロードキャスト送信により送信される、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、ユーザ装置(User Equipment:UE)と通信するためのアクセスネットワークノードであって、
前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報を送信する手段と、
前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信に設定される無線ベアラ(Radio Bearer:RB)をセットアップするのに用いられるRRC解放メッセージを送信する手段と、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態にあり、前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報に示された条件を満たす場合に、前記UEから前記RBを用いて当該スモールデータを受信する手段と、
を備える、アクセスネットワークノード。
【請求項4】
前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報はブロードキャスト送信により送信される、請求項3に記載のアクセスネットワークノード。
【請求項5】
無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためのユーザ装置(User Equipment:UE)における方法であって、
前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報を受信することと、
前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信に設定される無線ベアラ(Radio Bearer:RB)をセットアップするのに用いられるRRC解放メッセージを受信することと、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態であり、前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報に示された条件を満たす場合に、前記RBを用いて、当該スモールデータを送信することと、
を含む、方法。
【請求項6】
無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、ユーザ装置(User Equipment:UE)と通信するためのアクセスネットワークノードにおける方法であって、
前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報を送信することと、
前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信に設定される無線ベアラ(Radio Bearer:DRB)をセットアップするのに用いられるRRC解放メッセージを送信することと、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態にあり、前記スモールデータ送信を制限するための条件を示す情報に示された条件を満たす場合に、前記UEから前記RBを用いて当該スモールデータを受信することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関する。本発明は、3GPP(3rd Generation Partnership Project、第3世代パートナーシッププロジェクト)標準又はその同等物若しくは派生物(LTE-Advanced及びNext Generation又は5Gネットワークを含む)に従って動作する無線通信システム及びそのデバイスに特に関連するが、これに限定するものではない。本開示は、非アクティブ状態のユーザ装置のスモールデータ送信に特に関連するが、これに限定するものではない。
【背景技術】
【0002】
3GPP標準の最近の開発は、進化型パケットコア(EPC)ネットワークのロングタームエボリューション(LTE)および進化型UMTS地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)と呼ばれ、一般に「4G」とも呼ばれる。また、「5G」および「ニューラジオ」(NR)という用語は、様々なアプリケーションおよびサービスをサポートすることが期待される進化する通信技術を指す。5Gネットワークの様々な詳細は、例えば、NGMN(Next Generation Mobile Networks)アライアンスによる「NGMN 5G White Paper:NGMN 5G白書」V1.0に記載されており、その文献はhttps://www.ngmn.org/5g-white-paper.htmlから入手可能である。3GPPは、いわゆる3GPPのNextGen(Next Generation:次世代)RAN(radio access network:無線アクセスネットワーク)及び3GPPのNGC(NextGen core:次世代コア)ネットワークを通じて、5Gをサポートすることを意図している。
【0003】
3GPP規格の下では、NodeB(又はLTEにおいては「eNB」、5Gにおいては「gNB」)は、通信装置(ユーザ装置又は「UE」)がコアネットワークに接続し、他の通信装置又は遠隔サーバと通信するための基地局である。分かりやすくするために、本出願では、そのような基地局を指す際に基地局という用語を使用する。
【0004】
簡略化のため、本願では、モバイル装置、ユーザ装置、またはUEという用語は、1つ又は複数の基地局を介してコアネットワークと接続可能な通信装置に言及するために用いるものとする。
【0005】
通信装置とは、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ユーザ機器、パーソナルデジタルアシスタント、ノートパソコン/タブレット型コンピュータ、ウェブブラウザ、電子書籍リーダー及び/又はそれに類するものなどのモバイル通信装置であってもよい。これらの携帯型(あるいは概して固定型の)装置は通常、ユーザによって操作される。しかしながら、3GPP規格によって、様々な計測機器、遠隔測定機器、監視システム、追跡/探知装置、車載安全システム、車両保守システム、路面センサ、デジタル掲示板、POS(point of sale:販売時点情報管理)端末、遠隔制御システム、それに類するものなどの自動化機器を通常含む、いわゆる「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」装置(例えば、NB-IoT(Narrow-Band IoT:ナローバンドIoT)装置)もネットワークに接続できるようになる。実際には、IoTとは、適当な電子機器、ソフトウェア、センサ、ネットワーク接続機能、及び/又はそれに類するものを備えた装置(すなわち「モノ」)のネットワークであり、IoTによってこれらの装置は互いに、又は他の通信装置とデータを収集したり、交換したりすることが可能になる。IoT装置は時としてMTC(Machine-Type Communication:マシンタイプコミュニケーション)通信装置又はM2M(Machine-to-Machine:マシンツーマシン)通信装置とも呼ばれることが理解されるであろう。
【0006】
簡略化のため、本願は通常、本明細書内でモバイル装置に言及するが、記載された技術は、通信ネットワークに接続してデータを送受信可能なあらゆる通信装置(携帯型及び/又は概して固定型)に対して、これらの通信装置が人間による入力によって制御されるか、又はメモリに記憶されたソフトウェア命令によって制御されるかにかかわらず、実装可能であることが理解されるであろう。
【0007】
コアネットワーク(すなわちLTEの場合は「EPC」、5Gでは「5GC」)は通常、(数ある中でも特に)加入者管理、移動度管理、課金、セキュリティ、セル/セッション管理のための機能を提供し、インターネットなどの外部ネットワークに対する通信装置の接続を可能にする。
【0008】
UEは、基地局を介したデータ通信が可能になる前に、UEが位置するセルをサービングする基地局に対して、いわゆる(競合ベースの)ランダムアクセス手順を実行する必要がある。現在、リリース15において、ランダムアクセス手順は4段階の手順である。(「Msg1」と呼ばれる)第1のステップで、UEはPRACH(Physical Random Access Channel:物理ランダムアクセスチャネル)プリアンブルを送信する。基地局がプリアンブルを検出すると、基地局は(別名「Msg2」とも呼ばれる)RAR(random access response:ランダムアクセス応答)で応答する。RARには、検出されたプリアンブル識別子と、時間進行命令と、TC-RNTI(temporary C-RNTI:一時的C-RNTI)と、(「Msg3」と呼ばれる)UEからのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理アップリンク共有チャネル)送信をスケジュールするUL(uplink:アップリンク)グラントとが含まれる。UEはMsg3をスケジュール通りに送信し、競合解消のための識別子を含む。ネットワークはMsg3を受信すると、(別名「Msg4」とも呼ばれる)競合解消メッセージを競合解消識別子と共に送信する。UEがMsg4の受信に成功し、競合解消識別子を見つけると、PUCCH(Physical Uplink Control Channel:物理アップリンク制御チャネル)において承認を送信し、これにより4段階ランダムアクセス手順が完了する。
【0009】
3GPP規格のリリース16から、(現在使用されている4段階ランダムアクセス手順に加えて)2段階ランダムアクセス手順が提案されている。2段階ランダムアクセスは、数ある中でも特に(超)低遅延通信、10ミリ秒CP(control-plane:コントロールプレーン)遅延、高速ハンドオーバー、アンライセンス周波数帯における効率的なチャネルアクセス、スモールデータパケットの送信をサポートすることを主に目的とする。上記の通り、4段階ランダムアクセス手順では、UEと基地局との間で二往復サイクルが必要となる。2段階ランダムアクセス手順は、UEと基地局との間を一往復サイクルすることで遅延と制御信号オーバーヘッドとを低減することを目的とする。実際には、この目的は、UEのPRACHプリアンブル(Msg1)送信とスケジュールされたPUSCH送信(Msg3)とを(「MsgA」と呼ばれる)1つのメッセージに結合することで達成される。同様に、基地局からUEへのランダムアクセス応答(RAR/Msg2)と競合解消メッセージ(Msg4)とが2段階ランダムアクセス手順(そしてそれは「MsgB」と呼ばれる)で結合される。
【0010】
ランダムアクセス手順の後、UEはいわゆるRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)CONNECTED(接続)状態に入り、ネットワーク(の基地局)によって割り当てられたリソースを用いて、データ(ユーザプレーンデータ及びコントロールプレーンデータの両方)の送信/受信を開始できるようになる。UEのRRC状態間の推移は、(関連するタイマなどを用いて)ネットワークによって制御される。通常、UEが送信/受信するデータがもはや無い場合、ネットワークリソースを解放し、UE側のバッテリを節約するため、いわゆるRRC IDLE(アイドリング)状態に移行するようにネットワークによって指示される。UEは、送信又は受信するデータを有する度に、(ネットワークとの適切なランダムアクセス手順を実行した後で)再度、RRC CONNECTED状態に入る必要がある。一般的に、RRC IDLE状態は電力効率的に最も優れた状態ではあるものの、一部のUEではRRC IDLEとRRC CONNECTEDとの間で頻繁に推移する必要が生じることがあり、その結果、シグナリングが増加し、消費電力にも悪影響が及ぶことがある。
【0011】
LTEでは、RRC IDLE状態のUEによって使用可能なCP-EDT(Control-Plane Earlier Data Transmission:コントロールプレーン早期データ送信)やUP-EDT(User-Plane Earlier Data Transmission:ユーザプレーン早期データ送信)などの様々なやり方で、3GPPがこの課題への対応を試みている。
【0012】
CP-EDTの場合、データはNAS(Non-Access Stratum:非アクセス層)コンテナに含まれており、適切なCCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)RRCメッセージに入れられる。NASコンテナは、MMEによってS-GWに転送される。データがコントロールプレーンを介して送信されると、DRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)は一切使用されない。従って、UEはRRC IDLEに維持される(ただし、ネットワークがUEにRRC CONNECTEDに移行するように指示する場合を除く)。CP-EDTはAS(Access Stratum:アクセス層)セキュリティを使用せず、そのため、PDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケットデータ収束プロトコル)レイヤとRLC(Radio Link Control:無線リンク制御)レイヤはデータ(NASコンテナ)の送信にはかかわらない。
【0013】
UP-EDTの場合、データは、適切なDRBが再開された後、ユーザプレーン(User-Plane)を介して送信される。データはMAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)レイヤ上でCCCHのRRCConnectionResumeRequestと多重化されて、DTCH(Dedicated Traffic Channel:専用トラフィックチャネル)上で暗号化され送信される。この場合、基地局はUE用のS1-Uベアラを再起動して、データをS-GWに直接転送する。
【0014】
3GPP NR規格では、RRC IDLEとRRC CONNECTEDとに加えて、いわゆるRRC INACTIVE(非アクティブ)状態が導入された。RRC INACTIVE状態において、DRBとSRB(Signalling Radio Bearers:シグナリング無線ベアラ)は、「SRB0」を除いてすべて一時停止される。しかしながら、UEのNg-U接続及びNg-C接続は(RRC IDLEとは違って)維持され、すなわちCCCHチャネルのみが(SRB0のために)アクティブであることを意味する。従って、新しいデータが上位レイヤから届いた場合に、直ちに送信することができない。データはRRC再開手順を実行した後にだけ送信可能になり、この手順によって、UEにDRBとSRBのすべてを再開(又は再設定)させる。DRBはデータ到着直後に再開され、データはDRB/DTCH/PUSCHを介して適切に送信できるという点が、UP-EDTとの違いである。
【0015】
RRC INACTIVE状態のUEに対して、3GPPでは、UEがネットワークとのRRC接続を(再)起動/再開する必要がないように、特定の(通常、比較的少ない量のデータの)通信をサポートすることを意図している。この機能は「スモールデータ送信」と呼ばれ、数多くのトラフィックタイプ、例えば不定期送信、短データバースト、スループットが少ない送信などに適用可能である。スモールデータ送信に伴うメリットには、(UEがRRC CONNECTED状態に推移する必要がある場合と比較して)RRC状態推移に伴うシグナリングオーバーヘッドの低減、バッテリ消費量の削減、遅延低減などが挙げられる。
【0016】
INACTIVE状態のUEへのスモールデータ送信の背後にある動機は、3GPP作業項目RP-193252に記載される。要約すると、スモールデータ送信機能によって、UEは特定のダウンリンク(「MT」(mobile terminated:モバイルで受信))データ送信とアップリンク(「MO」(mobile originated:モバイルで発信))データ送信とにおいてRRC_INACTIVE状態を維持できる。言い換えれば、UEはデータ送信のためにRRC接続を再開(すなわちRRC CONNECTED状態に移行)する必要がなく、データ送信の後に引き続いて、接続を解放(RRC INACTIVE状態に戻る)する必要がないため、UE3は付随する欠点(例えば、消費電力やシグナリングオーバーヘッドの増加)の一部を回避できる。
【0017】
Rel-17では、INACTIVE状態での少量かつ不定期なデータトラフィックは、(数ある中でも特に)以下の使用事例で許可されるだろう。
- スマートフォンアプリケーション:
・ インスタントメッセージサービス(例えば、Whatsapp(登録商標)、QQ、WeChat(登録商標)など)からのトラフィック、
・ インスタントメッセージ/Eメールクライアントや、類似アプリからのハートビート/キープアライブトラフィック、
・ 様々なアプリからのプッシュ通知、
- スマートフォン以外のアプリケーション:
・ ウェアラブルなものからのトラフィック(定期的な位置情報など)、
・ センサ(定期的に又はイベントトリガされたやり方で気温や圧力の測定値を送信するIndustrial Wireless Sensor Networks(工業用ワイヤレスセンサネットワーク)など)、
・ 定期的にメーターの測定値を送信するスマートメーターやスマートメーターネットワーク
【0018】
スモールデータパケットのためのINACTIVE状態のUEからのシグナリングオーバーヘッドは一般的な課題であり、ネットワークの性能や効率だけでなく、UEのバッテリ性能に対しても、NRにおける多数のUEには重大な問題となるであろう。概して、INACTIVE状態で断続的なスモールデータパケットを有する装置はいずれも、INACTIVEでスモールデータ送信を可能にすることによって恩恵を受けるであろう。
【0019】
NRにおけるスモールデータ送信の成功への鍵については、Rel-15及びRel-16で既に一部が特定されている(例えば、RRC INACTIVE状態、2段階/4段階ランダムアクセス、構成されたグラントタイプ-1)ものの、対応しなければいけない課題や目標がまだたくさんある。例えば:
・ 2段階又は4段階ランダムアクセスを用いたULスモールデータ送信の場合:
・ RRC INACTIVE状態のUEからのスモールデータパケットのUP(user-plane:ユーザプレーン)データ送信を可能にする手順がない(例えば、2段階ランダムアクセス手順のMsgA又は4段階ランダムアクセス手順のMsg3を使用する)、
・ ULでUPデータ送信をサポートするためには、MsgA及びMsg3のためのRRC INACTIVE状態に向けて現在定義されているRel-16 CCCHメッセージサイズよりも大きい、柔軟なペイロードサイズを可能にする必要がある、
・ (アンカー再配置を伴う場合も伴わない場合も)ランダムアクセスに基づいたソリューションのためのRRC INACTIVE状態でコンテキストフェッチ及びデータ転送手順を定義する必要がある、
・ (いわゆる「構成されたグラントタイプ1」を使用して)予め設定されたPUSCHリソース上でULデータを送信する場合:
・ RRC INACTIVE状態で構成されたグラントタイプ1リソースを介してスモールデータ送信を実行する手順がない、
・ 構成されたグラントタイプ1リソースはRRC INACTIVE状態におけるULスモールデータ送信に向けて設定されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従って、本発明の好ましい例示的な実施形態は、上記の課題のうちの1つ又は複数に対応する、あるいは少なくとも部分的に対処する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0021】
当業者が効率的に理解できるように、本発明を3GPPシステム(UMTS、LTE、NR)の観点から詳細に記載するが、本発明の本質は、通信装置又はUE(User Equipment:ユーザ機器)が無線アクセス技術を用いてコアネットワークにアクセスするその他のシステムにも適用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0022】
例示的な態様において、本発明は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためにUE(User Equipment:ユーザ機器)により行われる方法であって、コントロールプレーンを介して、スモールデータ送信を構成する情報を受信することと、前記UEが前記RRC非アクティブ状態にある間に、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがあるか否かを決定することと、前記スモールデータ送信を含むRRCメッセージを生成することと、CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、前記スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを送信することと、を備える方法を提供する。
【0023】
他の例示的な態様において、本発明は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためにUE(User Equipment:ユーザ機器)により行われる方法であって、前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信を構成する、情報を受信することと、前記UEが前記RRC非アクティブ状態である場合、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがあるか否かを決定することと、前記アップリンクデータを処理してスモールデータ送信を形成し、前記UEを識別する情報を追加することと、前記受信した情報に基づいたDRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)を用いて、前記スモールデータ送信と前記UEを識別する情報とを送信することと、を備える方法を提供する。
【0024】
例示的な態様において、本発明は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、UE(User Equipment:ユーザ機器)と通信するための無線アクセスネットワークの通信装置により行われる方法であって、コントロールプレーンを介して、スモールデータ送信を構成する情報を送信することと、前記UEが前記RRC非アクティブ状態である間に前記UEから、CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを受信することと、を備える方法を提供する。
【0025】
例示的な態様において、本発明は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、UE(User Equipment:ユーザ機器)と通信するための無線アクセスネットワークの通信装置により行われる方法であって、前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信を構成する情報を送信することと、前記UEが前記RRC非アクティブ状態にある間に前記UEから、前記送信した情報に基づいたDRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信と前記UEを識別する情報とを受信することと、を備える方法を提供する。
【0026】
例示的な態様において、本発明は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためのUE(User Equipment:ユーザ機器)であって、コントロールプレーンを介して、スモールデータ送信を構成する情報を受信する手段と、前記UEが前記RRC非アクティブ状態にある間に、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがあるか否かを決定する手段と、前記スモールデータ送信を含むRRCメッセージを生成する手段と、CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、前記スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを送信する手段と、を備えるUEを提供する。
【0027】
例示的な態様において、本発明は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためのUE(User Equipment:ユーザ機器)であって、前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信を構成する情報を受信する手段と、前記UEが前記RRC非アクティブ状態である場合、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがあるか否かを決定する手段と、前記アップリンクデータを処理してスモールデータ送信を形成し、前記UEを識別する情報を追加する手段と、前記受信した情報に基づいたDRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)を用いて、前記スモールデータ送信と前記UEを識別する情報とを送信する手段と、を備えるUEを提供する。
【0028】
他の例示的な態様において、本発明は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、UE(User Equipment:ユーザ機器)と通信するための無線アクセスネットワークの通信装置であって、コントロールプレーンを介して、スモールデータ送信を構成する情報を送信する手段と、前記UEが前記RRC非アクティブ状態である間に前記UEから、CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを受信する手段と、を備える通信装置を提供する。
【0029】
さらに他の例示的な態様において、本発明は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、UE(User Equipment:ユーザ機器)と通信するための無線アクセスネットワークの通信装置であって、前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信を構成する情報を送信する手段と、前記UEが前記RRC非アクティブ状態にある間に前記UEから、前記送信した情報に基づいたDRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信と前記UEを識別する情報とを受信する手段と、を備える通信装置を提供する。
【0030】
本発明の例示的な態様は、対応するシステム、装置、及びコンピュータプログラム製品、例えば、命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該命令は、プログラム可能なプロセッサを、例示的な態様に記載された方法、及び、上記の又は特許請求の範囲に列挙された実現手段を実行するようにプログラムするように、及び/又は、適切に構成されたコンピュータを、特許請求の範囲の何れかに列挙された装置を提供するようにプログラムするように動作可能な命令が格納された上記記憶媒体に及ぶ。
【0031】
本明細書(この用語には特許請求の範囲が含まれる)に開示されている及び/又は図面に示されている各特徴は、他の開示及び/又は図示されている特徴から独立して(又はそれらと組み合わせて)本発明に組み込むことができる。特に限定されることなく、特定の独立請求項に従属する何れかの請求項の特徴は、任意の組み合わせで、又は個別に、その独立請求項に導入されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の例示的な実施形態を、一例として、以下の添付図面を参照しながら説明する。
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態を適用し得る、携帯型(セルラー方式又はワイヤレス)電気通信システムを図式的に説明する図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すシステムの一部を形成するユーザ機器(UE)のブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すシステムの一部を形成する基地局のブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すシステムの一部を形成するコアネットワークノードエンティティーのブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の例示的方法に従ったスモールデータ送信にかかわるレイヤの概要である。
【
図6】
図6は、第1の例示的方法に従ったスモールデータ送信の主要ステップを説明する図式的フローチャートである。
【
図7】
図7は、第2の例示的方法に従ったスモールデータ送信に含まれるレイヤの概要である。
【
図8】
図8は、第2の例示的方法に従ったスモールデータ送信の主要ステップを説明する図式的フローチャートである。
【
図9】
図9は、第1の例示的方法の修正案のうちの一部を図式的に説明する図である。
【
図10】
図10は、第1の例示的方法の修正案のうちの一部を図式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
概要
図1は、本発明の例示的な実施形態が適用可能な、モバイル(セルラ又は無線)通信システム1を概略的に示す。
【0034】
このネットワークでは、モバイル装置3(UE)のユーザが適切な3GPP無線アクセス技術(RAT)、例えば、E‐UTRA及び/又は5G RATを使用して、各基地局5及びコアネットワーク7を介して、互いに及び他のユーザと通信することができる。多くの基地局5が(無線)アクセスネットワーク又は(R)ANを形成することが理解される。当業者が理解するように、1台のモバイル装置3及び1台の基地局5が例示の目的で
図1に示されるが、システムは、実装される際に、典型的には他の基地局及びモバイル装置(UE)を含む。
【0035】
各基地局5は、1つ又は複数の関連付けられたセルを(直接的に、又、はホーム基地局、中継器、リモート無線ヘッド、及び/又は分散ユニットなどの他のノードを介して)制御する。E‐UTRA/4Gプロトコルをサポートする基地局5は「eNB」と呼ばれてもよく、Next Generation(次世代)/5Gプロトコルをサポートする基地局5は「gNB」と呼ばれてもよい。いくつかの基地局5は、4G及び5Gの双方、及び/又は他の任意の3GPP又は非3GPPの通信プロトコルをサポートするように構成されてもよい、ということが理解される。
【0036】
モバイル装置3とそのサービング基地局5とは、適切なエアインタフェース(例えば、いわゆる「Uu」インタフェースなど)を介して接続される。隣接する基地局5は(いわゆる「X2」インタフェース、及び/又は「Xn」インタフェースなどの)基地局間インタフェースを介して互いに接続される。基地局5は、また、適切なインタフェース(いわゆる「S1」、「N1」、「N2」、及び/又は「N3」インタフェースなど)を介して、コアネットワークノードに接続される。
【0037】
コアネットワーク7は、典型的には通信システム1における通信をサポートするための論理ノード(又は「機能」)を含む。典型的には、例えば、「Next Generation」/5Gシステムのコアネットワーク7は、他の機能に加えて、制御プレーン機能(CPF)及びユーザプレーン機能(UPF)を含む。コアネットワーク7は、とりわけ、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)11と、サービングゲートウェイ(S-GW:Serving Gateway)12を含むこともできることが理解されよう。NRネットワークでは、MME 11の代わりに、またはそれに加えて、いわゆるアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)が提供されてもよい。コアネットワーク7から(インターネットなどの)外部IPネットワーク20への接続も提供されてもよい。
【0038】
本システムは、レガシー(すなわち4段階)と2段階の両方のランダムアクセス手順をサポートする。特定のUE3は、構成されたグラントタイプ-1通信に割り当てられたリソースを用いて、ネットワークからの明示的なグラントを用いることなく通信するように設定してもよい。
【0039】
このネットワーク1のノードは、RRC INACTIVE状態のUE3へのスモールデータ送信サービスをサポートするように設定される。このスモールデータ送信は、コントロールプレーン(第1の選択肢)又はユーザプレーン(第2の選択肢)のいずれかを介して実現できる。
【0040】
第1の選択肢の場合、UE3はコントロールプレーンを介したスモールデータ送信を実行するように(ネットワークによって)設定される。UE3はRRC解放メッセージ又はRRC一時停止メッセージ(及び/又はそれに類するもの)を用いて設定してもよい。スモールデータとして送信できるアップリンクデータが存在する場合は、UE3はRRCメッセージ(例えば、「smallDataTransmission」メッセージ及び/又はそれに類するもの)を生成し、このメッセージを適切にフォーマットされたCCCHメッセージ内で(RRC INACTIVEモード中にアクティブを維持するシグナリング無線ベアラ「SRB0」を介して)送信する。(RRCメッセージ内の)スモールデータ送信を含むCCCHメッセージは、予め設定されたPUSCHリソース(利用可能な場合)を介して、あるいは適切な(2段階又は4段階)ランダムアクセス手順を用いて送信してもよい。ランダムアクセス手順を用いる場合は、上記CCCHメッセージはMsgA内又はMsg3内のいずれかでネットワーク(すなわち基地局5)に伝送してもよい。
【0041】
第2の選択肢の場合、UE3はスモールデータ送信のためのDRBを設定できる。UE3はRRC INACTIVEモードの場合、他のDRB及びSRBをすべて一時停止する。そのため、あらゆるアップリンクデータは、スモールデータ送信のために設定されたDRBの適切なユーザプレーンプロトコルを通じて処理されうる。このデータは、(もし利用可能なら)予め設定されたPUSCHリソースを介して、又は適切な(2段階/4段階)ランダムアクセス手順をトリガすることによって送信してもよい。この場合、MACレイヤは、UE3(すなわち「UE ID」)を識別する適切な情報をアップリンク送信に追加するように設定される。
【0042】
要約すると、上記のシステムには多くのメリットがある。例えば、
- スループットが少ない、短データバーストに対する効率と柔軟性、
- 効率的なシグナリングメカニズムをサポートする(例えば、シグナリングがペイロードを下回る)、
- シグナリングオーバーヘッドを全面的に削減する。
【0043】
モバイル装置
図2は、
図1に示すモバイル装置3(例えば、携帯電話機又はIoT装置)の主要構成要素を説明するブロック図である。図示の通り、モバイル装置3は、1つ又は複数のアンテナ33を介して基地局5に信号を送信し、基地局5から信号を受信するように操作可能なトランシーバ回路31を有する。モバイル装置3は、モバイル装置3の操作を制御するコントローラ37を有する。コントローラ37は、メモリ39と関連付けられており、トランシーバ回路31に接続される。モバイル装置3の操作に必ずしも必要というわけではないが、モバイル装置3は言うまでもなく通常の携帯電話機(例えばユーザインタフェース35)の通常機能をすべて備えてもよく、これはハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアのうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせによって、適切に実現され得る。ソフトウェアは、メモリ39に予めインストールされていてもよく、及び/又は、電気通信ネットワークを介して又はRMD(removable data storage device:取り外し可能なデータ記憶装置)などからダウンロードしてもよい。
【0044】
コントローラ37は、モバイル装置3の全般的な操作を、本実施例の場合はメモリ39に記憶されているプログラム命令又はソフトウェア命令によって制御するように設定される。図示の通り、これらのソフトウェア命令には、数ある中でも特にオペレーティングシステム41と、通信制御モジュール43と、スモールデータモジュール45とが含まれる。
【0045】
通信制御モジュール43は、モバイル装置3と、サービング基地局5(と、サービング基地局5に接続されている他の通信装置、例えば他のユーザ機器、コアネットワークノードなど)との間の通信を制御するように操作可能である。
【0046】
スモールデータモジュール45はスモールデータ送信の伝達に関与するものであり、モバイル装置3のアクティブなRRC接続を用いずに(例えば、モバイル装置3がRRC INACTIVE状態にある間に)スモールデータを送信(又は受信)できる。
【0047】
図2には図示しないが、モバイル装置3はさらに、異なる通信レイヤに対応する個別のモジュールを含むのが一般的であろう。これらのモジュールは、通信制御モジュール43の一部として実装されてもよく、以下のモジュールのうちの1つ又は複数を含んでもよい。すなわち、NASモジュール、RRCモジュール、SDAP(Service Data Adaptation Protocol:サービスデータ適応プロトコル)モジュール、PDCPモジュール、RLCモジュール、MACモジュール、及び、PHY(physical layer:物理レイヤ)モジュールである。
【0048】
RRCモジュールは、RRC規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成/送信/受信するように操作可能である。例えば、このメッセージは、モバイル装置3とサービング基地局5との間で交換される。RRCメッセージは、例えば、スモールデータ送信を伝達するメッセージと関連情報とを含むスモールデータ送信(又は受信)に関するメッセージを含んでもよい。RRCモジュールはさらに、モバイル装置のネットワークとのRRC接続とRRCモード(例えば、RRC IDLE、RRC CONNECTED、RRC INACTIVE)の管理に関与する。
【0049】
NASモジュールは、NAS規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成/送信/受信するように操作可能である。例えば、このメッセージは、モバイル装置3とMME/AMF11との間で(サービング基地局5を介し、RRCモジュールを用いて)交換される。NASメッセージは、例えば、モバイル装置3が現在位置する追跡エリア(又はセル)の登録及び/又はアップデートに関するメッセージを含んでもよい。NASメッセージはさらに、スモールデータ送信を含んでもよい。
【0050】
基地局
図3は、
図1に示す基地局5の主要構成要素を説明するブロック図である。図示の通り、基地局5は、ユーザ機器(例えば、モバイル装置3)に対して1つ又は複数のアンテナ53を介して信号を送受信するトランシーバ回路51と、コアネットワーク7に対して信号を送受信するコアネットワークインタフェース55(例えば、S1インタフェース、NG-Cインタフェース、及び/又はそれに類するもの)と、隣接する基地局に対して信号を送受信する基地局インタフェース56(例えば、X2インタフェース、Xnインタフェース、及び/又はそれに類するもの)とを有する。基地局5は、メモリ59に記憶されたソフトウェアに従って基地局5の操作を制御するコントローラ57を有する。ソフトウェアは、メモリ59に予めインストールされていてもよく、及び/又は、電気通信ネットワーク1を介して又はRMDなどからダウンロードしてもよい。ソフトウェアには、数ある中でも特に、オペレーティングシステム61と、少なくとも通信制御モジュール63と、スモールデータモジュール65とが含まれる。
【0051】
通信制御モジュール63は、基地局5と他のノードとの間、例えばUE3とコアネットワークノードとの間のシグナリングの処理(生成/送信/受信)に関与する。このシグナリングには、例えば、モバイル装置3(例えば、NAS、RRC、ページング、システム情報、及び/又はそれに類するもの)の操作を管理するための制御データを含んでもよい。
【0052】
スモールデータモジュール65は、(例えば、モバイル装置3がRRC INACTIVE状態にある間での)モバイル装置3へのスモールデータ送信の処理に関与する。
【0053】
図3には図示しないが、基地局5はさらに、基地局間インタフェースモジュール(例えば、X2/Xnモジュール)と、(通信制御モジュール43の一部として実装されてもよい)適切なコアネットワークインタフェースモジュールと、異なる通信レイヤに対応する個別のモジュール(例えば、RRCモジュール、SDAPモジュール、PDCPモジュール、RLCモジュール、MACモジュール、PHYモジュール)とを含むのが一般的であろう。
【0054】
基地局間インタフェースモジュールは、X2AP(又はXnAP)規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージ(X2/Xnメッセージ)を生成/送信/受信するように操作可能である。X2/Xnメッセージは、例えば、モバイル装置3のページング、ハンドオーバー、データ転送、隣接する基地局間でのUEコンテキスト(及びモバイル装置3に関する他の情報)の伝送/フェッチに関するメッセージを含んでもよい。
【0055】
コアネットワークインタフェースモジュールは、UE3へのスモールデータ送信を伝達するメッセージを含む、NG-C規格(又はLTEにおけるS1AP規格)に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成/送信/受信するように操作可能である。例えば、このメッセージは、基地局5とMME/AMF11及び/又はS-GW12との間で交換される。
【0056】
RRCモジュールは、RRC規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成/送信/受信するように操作可能である。例えば、このメッセージは、基地局5とモバイル装置3(と基地局5のセル内の他のユーザ機器)との間で交換される。RRCメッセージは、例えば、スモールデータ送信を伝達するメッセージと関連情報とを含むスモールデータ送信(又は受信)に関するメッセージを含んでもよい。RRCモジュールはさらに、モバイル装置のネットワークとのRRC接続とRRCモード(例えば、RRC IDLE、RRC CONNECTED、RRC INACTIVE)の管理に関与する。
【0057】
コアネットワークノード
図4は、
図1に示す一般的なコアネットワークノード(すなわち機能)、例えばMME11又はS-GW12の主要構成要素を説明するブロック図である。図示の通り、コアネットワークノードは、他のノード(UE3と(R)ANノード5とを含む)に対してネットワークインタフェース75を介して信号を送受信するように操作可能であるトランシーバ回路71を含む。コントローラ77は、メモリ79に記憶されたソフトウェアに従ってコアネットワークノードの操作を制御する。ソフトウェアは、メモリ79に予めインストールされていてもよく、及び/又は、電気通信ネットワーク1を介して又はRMDなどからダウンロードしてもよい。ソフトウェアには、数ある中でも特に、オペレーティングシステム81と、少なくとも通信制御モジュール83とが含まれる。通信制御モジュール83は、コアネットワークノードと他のノード、例えばUE3、(R)ANノード5、他のコアネットワークノードとの間のシグナリングの処理(生成/送信/受信)に関与する。このシグナリングには、例えば、モバイル装置3とMME/AMF11との間のNASシグナリング及び/又はスモールデータ送信を含んでもよい。
【0058】
詳細な説明
RRC INACTIVE状態にあるUEによってスモールデータ送信が実行可能になる例示的方法についてより詳細な説明を行う。
【0059】
図5は、コントロールプレーンシグナリングを用いた、第1の例示的方法に従ったスモールデータ送信にかかわるレイヤの概要である。
【0060】
さらに詳細には、UE3は、適切にフォーマットされたRRCメッセージを用いてCCCHチャネルを介したスモールデータ送信を実行するように設定される。RRCメッセージは、専用の(例えば、新規に定義した)RRCメッセージ又はこの目的に適したRRCメッセージであってもよい。スモールデータ送信を円滑に進めるため、UE3がスモールデータを送信する場合、RRCレイヤ(RRCモジュール)は適切なUE-IDを追加するよう適応する。この実施例では、UE-IDはRRC再開要求(RRC Resume Request)メッセージ(例えば、「UE-ID」又は「再開ID」情報要素及び/又はそれに類するもの)の一部として追加される。ただし、他のメッセージ又は情報要素も使用できる。
【0061】
SRB0は、PDCPは用いず、RLCではTM(Transparent Mode:透過モード)で設定され、CCCH論理チャネルを用いるため、SRB0経由で送信されたパケットに対するPDCP/RLCヘッダーは存在しない(すなわち、PDCP/RLCに伴うセキュリティ/ヘッダー圧縮、並べ換え、ARQ、セグメンテーションなどの機能は、このようなパケットには利用できない)。
【0062】
さらに、CCCHとCCCH1のサイズは48ビットと64ビットにそれぞれ固定されている。他のサイズの(例えば、64ビットよりも大きい)スモールデータ送信を許可するには、新規CCCHメッセージを、送信されるスモールデータと、必要なRRCメッセージ及び/又はIE(Information Element:情報要素)を収容できるように定義する。この新規CCCHメッセージは可変サイズ(ただし、サイズは、例えば48ビット又は64ビットの倍数に上限を定めてもよい)を有してもよいことが理解されるであろう。
【0063】
「UL-CCCH2-Message」(他の名前を用いてもよい)と呼ばれる、例示的なCCCHを以下に示す。
- UL-CCCH2-Message
UL-CCCH2-Messageクラスは、アップリンクCCCH2論理チャネル上でUE3からネットワーク(例えば、基地局5)に送信できる、一連のRRCメッセージである。
【表1】
【0064】
表に示すように、この実施例では、スモールデータ送信のコンテンツ(すなわち、上位レイヤからのデータと関連するRRC IE)はUL-CCCH2-Message(この場合、「UL-CCCH2-MessageType」要素)の適切な要素内に含まれる。実際には、このメッセージの「smallDataTransmission」の部分は、上位レイヤからの(スモール)データとUE3を識別する適切な情報(「UE-ID」)とを含むRRCメッセージである。この実施例では、新規RRCメッセージ(「SmallDataTransmission」)を使用している間、適切な場合、既存のRRCメッセージはスモールデータ送信の目的に適応しうることが理解されるであろう。
【0065】
RRCメッセージの情報要素は、例えばRRCResumeRequestメッセージに向けて現在定義されたIEを含んでもよい。一例では、RRCメッセージは、UE3からのデータと、(UE3を識別し、UEコンテキスト検索を円滑に進めるための)関連するUE-IDと、1つ又は複数のセキュリティ関連IE(例えば、再開MAC-I及び/又はそれに類するもの)とを含む。このメッセージに基づき、ネットワーク(この例では基地局5)は、UE3のためのRRC接続を再開するか否かを決定できる。
【0066】
この例示的なRRCメッセージのさらなる詳細を以下に示す:
- SmallDataTransmission
SmallDataTransmissionメッセージは、UE3がRRC INACTIVEモードの場合、スモールデータのアップリンク伝送に用いられる。
シグナリング無線ベアラ:SRB0
RLC-SAP:TM
論理チャネル:CCCH2
方向:UEからネットワーク
【表2】
【0067】
図6は、第1の例示的方法に従ったスモールデータ送信の主要ステップを説明する図式的フローチャートである。
【0068】
ステップ1では、UE3は、コントロールプレーンを介したスモールデータ送信を許可するネットワークからの明示的な指示/設定を受信する。この指示/設定は、適切なブロードキャストメッセージ又はユニキャストメッセージ(例えば、RRC解放メッセージ又はRRC一時停止メッセージ及び/又はそれに類するもの)を介して送信されてもよい。このメッセージの受信時に、UE3はスモールデータ送信サービスに対して適用可能な制限(例えば、トランスポートブロックサイズ制限、許可されたQoSフローなど)を設定する。特定の制限が設定されていない場合、スモールデータ送信は、CCCHメッセージ(又はMsg3/MsgA)の最大サイズ、例えばPUSCH TB(transport block:トランスポートブロック)サイズまで許可してもよい。
【0069】
ステップ2:スモールデータが上位レイヤから届くと、データ(と場合により、必要なパディングと情報要素と)のサイズがスモールデータ送信に対して定義された最大サイズを超過しない(かつ、特定の又は設定された他のあらゆる制限にもパスする)場合、UE3はスモールデータ送信手順を開始する。具体的には、UE3はRRCレイヤにおいて(そのRRCモジュールを用いて)スモールデータ送信メッセージを生成し、そのメッセージを送信用の下位レイヤ(すなわちMAC及びPHYレイヤ)に送る。
図6には図示しないが、上位レイヤからのデータが「スモールデータ」としては送信できない場合(例えば、そのサイズが原因で、又は他に適用されるあらゆる制限が原因で)、UE3は適切にフォーマットされたRRC再開要求メッセージを生成し、そのメッセージを送信用の下位レイヤに送ることで、データを正常なやり方で(RRC CONNECTEDモードで)送信できる。
【0070】
ステップ3:MACレイヤにおいて、CCCHメッセージ送信が適切なランダムアクセス手順、すなわち、2段階又は4段階ランダムアクセス手順のいずれかをトリガする。上記のCCCHメッセージはMsgA又はMsg3のいずれかを用いてネットワーク(基地局5)に伝送される。もし予め設定されたPUSCHリソースが利用可能な場合は、CCCHメッセージを、ランダムアクセス手順を用いる代わりに、その予め設定されたPUSCHリソース経由で送信してもよいことが理解されるであろう。
【0071】
ステップ4:ステップ3におけるメッセージへの応答が受信されると(例えば、MsgB/Msg4が検出された場合)、MACレイヤはCCCHメッセージ伝送の成功についてRRCレイヤに報告する。ネットワークがスモールデータ伝送に応答してRRC接続を再開したい場合、ネットワークはMsgB/Msg4とともにRRC再開メッセージも送信してもよいことが理解されるであろう。
【0072】
本方法が、3GPPによって現在特定された手順から見て比較的小さな変更に相当することは有益である。RRC INACTIVEモードは従来通り、(SRB0を除く)すべての設定の一時停止を許可する。本方法では、MACレイヤの挙動を一切変更する必要がない(ただし、MsgA用に設定されたグラントサイズ及び/又はスモールデータ送信を目的とした追加のプリアンブル分割は増加しうる)。
【0073】
図7は、第2の例示的方法に従ったスモールデータ送信に含まれるレイヤの概要である。図示の通り、この実施例では、ユーザプレーンシグナリングを用いている。
【0074】
スモールデータ送信を円滑に進めるため、MACレイヤ(MACモジュール)は、UE3がRRC INACTIVEモードであることを認識し、さらに関連したUE-IDも認識する。MACレイヤは、MAC PDU(Protocol Data Unit:プロトコルデータユニット)にUE-IDを追加し(例えば、「UE-ID」MAC CE(Control Element:制御要素)を用いて)、UE-IDをデータと共に送信するように設定される。ここで、UE3を識別するその他の適切な情報を用いてもよいことが理解されるであろう。しかしながら、MACレイヤはUE-IDを認識する必要がないことが理解されるであろう。その代わり、UE-ID(又はUE3を識別するのに適切なその他の情報)がRRCメッセージ(例えば、RRCresumeRequest又はそれに類するもの)に含まれてもよく、MACレイヤは、処理したスモールデータとRRCメッセージとを多重化するように設定されてもよく、それらを一緒にネットワークに送信してもよい。この場合、UE-IDは、MAC CEの代わりに、RRCメッセージの情報要素に含まれていてもよい。
【0075】
図8は、第2の例示的方法に従ったスモールデータ送信の主要ステップを説明する図式的フローチャートである。
【0076】
ステップ1:RRC解放(又はRRC一時停止)メッセージが、ネットワーク(基地局5)によってUEに送信され、スモールデータ送信のための新規DRBをセットアップ(又は既存のDRBをキープアライブ)してもよい。さらに、ネットワークは、スモールデータ送信サービスに対してさらなる制限を設定してもよい。例えば、QFI(QoS(Quality of Service)Flow Identifier:サービス品質フロー識別子)をこのDRB及び/又は、該当する場合は関連付けられたデータサイズ/周波数限界にマッピングできる。予め決定された(例えば、デフォルト)設定をDRBに用いてもよく、それによりUE3は後続のセル(再)選択の後でそのDRBの使用を継続できることが理解されるであろう。言い換えれば、DRBの設定は複数の基地局、例えば、特定の追跡エリア内の基地局に対して共通であってもよい。
【0077】
ステップ2:RRCレイヤは他のDRBとSRBとをすべて一時停止し、UE3がRRC INACTIVEモードの間はアクティブを維持するように設定されたDRBのユーザプレーンプロトコルを保持(又はセットアップ)する。このステップの最後で、UE3はRRC INACTIVEモードに入る。
【0078】
ステップ3:RRC INACTIVEモードの間、UE3はデータ用の上位レイヤを監視する。データが届くと、データが「スモールデータ」設定に準拠しており、アクティブDRBにマップされたQFIに属する場合、UE3は関連のあるDRBの適切なユーザプレーンプロトコルを介してデータを処理する。上位レイヤからのデータがアクティブDRBにマップされたどのQFIにも属さない場合、又はデータが現在のスモールデータ送信設定によって許可された最大サイズよりも大きい場合は、UE3は適切なRRC再開手順(又はランダムアクセス手順)をトリガし、データを正常なやり方で(RRC CONNECTEDモードで)送信できることが理解されるであろう。
【0079】
ステップ4:MACレイヤにおいて、データは、(利用可能な場合)予め設定されたPUSCHリソースを介して、又はアップリンク送信用の適切な(2段階/4段階)ランダムアクセス手順をトリガすることによって、送信されてもよい。MACレイヤはさらに、UE3を識別する適切な情報(例えば、「UE ID」)を最初のアップリンク送信に追加するように設定される。UE3を識別する情報はMAC CE又はRRC情報要素に含まれていてもよい。スモールデータ送信のサイズ制限を超過し、RLCレイヤでセグメンテーションが必要になるかもしれない場合は、そのデータを送信するために(RRC接続を再開せずに)複数回のアップリンク送信を用いてもよいことも理解されるであろう。
【0080】
本方法によってUE3がデータを暗号化/圧縮できることは有益である。この場合、RRC INACTIVEモードはRRC CONNECTEDモードに類似しているが、RRC CONNECTEDモードと比べて、ユーザプレーンの軽量化とオーバーヘッドの低減につながる。
【0081】
修正案及び代替案
以上、例示的な実施形態の詳細を記載した。当業者は、本明細書で具体化された発明から利益を得ると同時に、上記の例示的な実施形態に多くの修正及び代替を加え得ることを理解するであろう。実例として、こうした修正案及び代替案のうちの一部を以下に記載する。
【0082】
図9及び
図10は、
図5及び
図6を参照して記載した第1の例示的方法の可能な修正案のうちの一部を説明する図である。具体的には、PDCPレイヤ(
図9に図示の通り)又は上位レイヤ(例えば、
図10に図示の通り、専用セキュリティレイヤ)を用いて、ASセキュリティ保護を提供してもよい。この場合、PDCPレイヤ又は上位レイヤを用いて、セキュリティ操作をデータ部分に適用してもよい。
【0083】
コントロールプレーンを通じてスモールデータ送信に用いられるベアラは「SRB0」と呼ばれるが、スモールデータ送信に用いられるSRBは、レガシー「SRB0」と区別するために、異なる名称であってもよいことが理解されるであろう。
【0084】
下表は、第2の方法の場合に、スモールデータ送信のためにヘッダーを短縮し、全体的なシグナリングオーバーヘッドを低減するユーザプレーン設定の考え得る制限/変更の概要を示している。
【0085】
【0086】
上記の説明では、UE、(R)ANノード、及びコアネットワークノードは、理解しやすくするために、(通信制御モジュールなどの)いくつかの個別モジュールを有するものとして説明されている。これらのモジュールは、例えば、既存のシステムが本発明を実装するように変形された特定の用途のために、又は、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムにおける他の用途のためにこのように提供されてもよい。一方で、これらのモジュールは、オペレーティングシステム又はコードの全体に組み込まれてもよく、従って、これらのモジュールは、別個のエンティティとして識別できなくてもよい。
【0087】
各コントローラは、例えば、1つ以上のハードウェアで実装されたコンピュータプロセッサと、マイクロプロセッサと、CPU(central processing unit:中央処理装置)と、ALU(arithmetic logic unit:算術論理ユニット)と、IO(input/output:入出力)回路と、内部メモリ/キャッシュ(プログラム及び/若しくはデータ)と、プロセッシングレジスタと、通信バス(例えば、コントロール、データ、及び/若しくはアドレスバス)と、DMA(direct memory access:ダイレクトメモリアクセス)機能と、ハードウェア若しくはソフトウェアで実装されたカウンタ、ポインタ、及び/若しくはタイマなどを含む(但しそれらに限定はされない)任意の適当な形式の処理回路を備えてもよい。
【0088】
上記の例示的な実施形態で、多くのソフトウェアモジュールを説明した。当業者に理解されるように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形態又はコンパイルされていない形態で提供されてもよく、コンピュータネットワーク上の信号として、又は記録媒体上で、UE、(R)ANノード、及びコアネットワークノードに供給されてもよい。更に、このソフトウェアの一部又は全部によって実行される機能は、1つ又は複数の専用ハードウェア回路を使用して実行されてもよい。但し、ソフトウェアモジュールの使用は、UE、(R)ANノード、及びコアネットワークノードの機能を更新するために、それらの更新を容易にするので好ましい。
【0089】
最新の5Gアーキテクチャでは、gNB内部構造は、F1インタフェースで接続された2つのパーツ、すなわちCU(Central Unit:中央ユニット)とDU(Distributed Unit:分散ユニット)とに分けてもよい。1つのCUが複数のDUに接続されて(かつ複数のDUを制御して)もよいことが理解されるであろう。これにより「分割」アーキテクチャの利用が可能になり、その結果、通常「上位」のCUレイヤ(例としてPDCPが挙げられるが、必ずしもPDCPではない、又はPDCPに限らない)と、通常「下位」のDUレイヤ(例としてRLC/MAC/PHYが挙げられるが、必ずしもRLC/MAC/PHYではない、又はRLC/MAC/PHYに限らない)とが個別に実装される。従って、例えば、多数のgNBに対する上位レイヤCUの機能は中央に実装されてもよく(例えば、単一のプロセシングユニットによって、あるいはクラウドベース又は仮想システムにおいて)、その一方で、下位レイヤDUの機能はそれぞれのgNBで局所的に維持される。CUは、次世代コアと通信を行ってもよく、DUは周辺の(すなわちgNBによって操作されるセル内の)UEとエアインタフェースを通じて通信を行ってもよいことが理解されるであろう。
【0090】
より詳細には、分散gNBは以下の機能ユニットを含む。
gNB中央ユニット(gNB-CU):gNBのRRCレイヤ、SDAPレイヤ、PDCPレイヤ又は、1つ又は複数のgNB-DUの操作を制御するEn-gNBのRRC及びPDCPレイヤをホスティングする論理ノード。gNB-CUは、gNB-DUに接続されているF1インタフェースを終端させる。
gNB分散ユニット(gNB-DU):gNB又はEn-gNBのRLCレイヤ、MACレイヤ、PHYレイヤをホスティングする論理ノードであって、その操作は部分的にgNB-CUに制御される。1つのgNB-DUは1つ又は複数のセルをサポートする。1つのセルはただ1つのgNB-DUにサポートされる。gNB-DUは、gNB-CUに接続されているF1インタフェースを終端させる。
gNB-CU-CP(gNB-CU-Control Plane:gNB-CU-コントロールプレーン):En-gNB又はgNBのためのgNB-CUのPDCPプロトコルのRRC及びコントロールプレーン部分をホスティングする論理ノード。gNB-CU-CPは、gNB-CU-UPに接続されるE1インタフェースと、gNB-DUに接続されるF1-Cインタフェースとを終端させる。
gNB-CU-UP(gNB-CU-User Plane:gNB-CU-ユーザプレーン):En-gNBのためのgNB-CUのPDCPプロトコルのユーザプレーン部分と、gNBのためのgNB-CUのSDAPプロトコルとPDCPプロトコルのユーザプレーン部分をホスティングする論理ノード。gNB-CU-UPは、gNB-CU-CPに接続されるE1インタフェースと、gNB-DUに接続されるF1-Uインタフェースとを終端させる。
【0091】
本開示におけるユーザ機器(又は「UE」)は、ワイヤレスインタフェースを介してネットワークに接続されたエンティティである。UEは、「移動局」、「モバイル装置」、「ワイヤレス装置」、または「ワイヤレス送受信ユニット」(WTRU)とも呼ばれ得る。
【0092】
なお、本開示は、専用通信デバイスに限定されるものではなく、以下の段落で説明する通信機能を有する任意のデバイスに適用することができる。
【0093】
「ユーザ機器」又は「UE」(3GPPで使用される用語)、「モバイルステーション」、「モバイルデバイス」、及び「ワイヤレスデバイス」という用語は、一般的には、互いに同義であることが意図されており、端末、携帯電話、スマートフォン、タブレット、セルラIoTデバイス、IoTデバイス、機械などのスタンドアロンのモバイルステーションを含む。「モバイルステーション」及び「モバイルデバイス」という用語は、長期間静置されたままであるデバイスも包含することが理解されよう。
【0094】
UEは、例えば、生産又は製造のための機器のアイテム、及び/又はエネルギー関連の機械のアイテム(例えば、ボイラー、エンジン、タービン、ソーラーパネル、風力タービン、水力発電機、熱発電機、原子力発電機、バッテリ、原子力システム及び/又は関連機器、重電機械、真空ポンプを含むポンプ、コンプレッサ、ファン、送風機、油圧機器、空気圧機器、金属加工機械、マニピュレータ、ロボット及び/又はそれらのアプリケーションシステム、工具、金型又はダイ、ロール、搬送機器、昇降機器、資材処理機器、繊維機械、縫製機、印刷及び/又は関連機械、製紙機械、化学機械、鉱業及び/又は建設機械及び/又は関連機器、農業、林業及び/又は漁業のための機械及び/又は器具、安全及び/又は環境保全機器、トラクタ、精密ベアリング、チェーン、ギア、送電機器、潤滑機器、バルブ、パイプ継手などの機器若しくは機械、及び/又は前述の機器若しくは機械のうちのいずれかのアプリケーションシステムなど)であり得る。
【0095】
UEは、例えば、輸送機器(例えば、ローリングストック、自動車、モータサイクル、自転車、電車、バス、カート、人力車、船、その他の船舶、航空機、ロケット、衛星、ドローン、バルーンなどの輸送機器)のアイテムであり得る。
【0096】
UEは、例えば、情報通信機器(例えば、電子コンピュータ及び関連機器、通信及び関連機器、電子部品などの情報通信機器)のアイテムであり得る。
【0097】
UEは、例えば、冷凍機、冷凍機適用製品、貿易及び/又はサービス産業機器のアイテム、自動販売機、自動サービス機、事務機械又は機器、消費者向け電子及び電化製品(例えば、オーディオ機器、ビデオ機器、スピーカ、ラジオ、テレビ、電子レンジ、炊飯器、コーヒーマシン、食洗機、洗濯機、乾燥機、電子ファン又は関連電化製品、掃除機などの消費者向け電化製品)であり得る。
【0098】
UEは、例えば、電気応用システム又は機器(例えば、X線システム、粒子加速器、放射性同位体機器、音響機器、電磁的応用機器、電力応用機器などの電気応用システム又は機器)であり得る。
【0099】
UEは、例えば、電子ランプ、照明器具、測定機器、分析器、テスタ、又は測量若しくは感知機器(例えば、煙警報器、人警報センサ、モーションセンサ、ワイヤレスタグなどの測量若しくは感知機器)、腕時計又は置時計、実験器具、光学装置、医療機器及び/又はシステム、武器、刃物、手工具などであり得る。
【0100】
UEは、例えば、無線を備えた携帯情報端末又は関連機器(他の電子デバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、電気測定機)への取り付け又は挿入のために設計された無線カードまたはモジュールなど)であり得る。
【0101】
UEは、さまざまな有線及び/又は無線通信技術を使用して、「モノのインターネット」(IoT)に関して、以下で説明するアプリケーション、サービス、及びソリューションを提供するデバイス又はシステムの一部であり得る。
【0102】
モノのインターネットデバイス(又は「モノ」)は、適切な電子機器、ソフトウェア、センサ、及び/又はネットワーク接続などを備えてもよく、これにより、これらのデバイスが相互に、及び他の通信デバイスとで、データを収集及びやり取りすることを可能にする。IoTデバイスは、内部メモリに格納されているソフトウェアの指示に従う自動化された機器で構成され得る。IoTデバイスは、人の監視ややり取りを必要とせずに動作し得る。IoTデバイスは、長期間静置されたままであったり、非アクティブのままであったりし得る。IoTデバイスは、(一般的に)据置式の装置の一部として実装され得る。IoTデバイスは、据置式ではない装置(例えば、車両)に組み込まれたり、監視/トラッキングする動物や人に取り付けたりし得る。
【0103】
IoT技術は、データを送受信するために通信ネットワークに接続することができる任意の通信デバイスに実装することができ、このような装置は通信デバイスが人による入力又はメモリに格納されたソフトウェア命令により制御されるか否かに関係なく実装できることが理解されよう。
【0104】
IoTデバイスは、MTC(Machine-Type Communication:マシンタイプ通信)デバイス又はM2M(Machine-to-Machine:マシンツーマシン)の通信デバイスと呼ばれることもあることが理解されよう。UEは、1つ以上のIoT又はMTCアプリケーションをサポートしてもよいことが理解されよう。MTCアプリケーションのいくつかの例を次の表に示す(出典:3GPP TS 22.368 V13.1.0、Annex B、その内容は参照により本明細書に組み込まれる)。このリストは、網羅的なものではなく、マシンタイプ通信アプリケーションのいくつかの例を示すことを意図している。
【0105】
【表4】
アプリケーション、サービス、及びソリューションは、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:モバイル仮想ネットワークオペレータ)サービス、緊急無線通信システム、PBX(Private Branch eXchange:構内電話交換機)システム、PHS/デジタルコードレステレコミュニケーションシステム、POS(Point of sale:販売時点)システム、広告発呼システム、MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service:マルチメディア放送及びマルチキャストサービス)、V2X(Vehicle to Everything)システム、電車無線システム、位置関連サービス、災害/緊急無線通信サービス(Disaster/Emergency Wireless Communication Service)、コミュニティサービス、ビデオストリーミングサービス、フェムトセルアプリケーションサービス、VoLTE(Voice over LTE)サービス、課金サービス、無線オンデマンドサービス、ローミングサービス、アクティビティ監視サービス、通信事業者/通信NW選択サービス、機能制限サービス、PoC(Proof of Concept)サービス、個人情報管理サービス、アドホックネットワーク/DTN(Delay Tolerant Networking:遅延トレラントネットワーキング)サービスなどであり得る。
【0106】
更に、上記のUEカテゴリは、本文書に記載されている技術的アイデア及び例示的な実施形態の適用例にすぎない。 言うまでもなく、これらの技術的アイデア及び例示的な実施形態は、上記のUEに限定されず、上記UEに対してさまざまな変形をなすことができる。
【0107】
RRCメッセージは、スモールデータ送信と1以上のRRC情報要素とを含んでもよい。RRCメッセージは、UEを識別する情報(例えば、「UE-ID」情報要素)を含んでもよい。SRBは「SRB0」であってもよい。
【0108】
スモールデータ送信を含むRRCメッセージは、「構成されたグラントタイプ-1」と関連付けられたリソースを用いて送信されてもよい。もう一つの方法として、スモールデータ送信を含むRRCメッセージは、ランダムアクセス手順の一部を形成するメッセージ(例えば、「Msg3」又は「MsgA」)を介して送信されてもよい。
【0109】
アクセス層セキュリティは、RRCレイヤ以外のレイヤ(例えば、PDCPレイヤ及び/又は専用セキュリティレイヤ)を介したスモールデータ送信のために提供されてもよい。
【0110】
UEによって決定することは、スモールデータ送信に関連付けられたQFIをSRBにマッピングできるか否かを決定することを含んでもよく、当該方法は、決定の結果に基づいて、スモールデータ送信を含むRRCメッセージを送信することを備えてもよい。
【0111】
スモールデータ送信を構成する情報はCCCHのサイズ制限を識別する情報を含んでもよく、UEによって決定することは、スモールデータ送信がサイズ制限を超えないことを決定することを含んでもよい。
【0112】
UEを識別する情報は、MAC CE(例えば、「UE-ID」MAC CE)又はRRC情報要素を含んでもよい。
【0113】
UEによって処理することは、アップリンクデータをセグメント化して複数のスモールデータ送信を形成することと、UEを識別する情報を複数のスモールデータ送信のうちの少なくとも1つに追加することとを含んでもよい。
【0114】
UEによって決定することは、スモールデータ送信に関連付けられたQFIをDRBにマッピングできるか否かを決定することを含んでもよく、当該方法は、決定の結果に基づいて、スモールデータ送信とUEを識別する情報とを送信することを備えてもよい。
【0115】
アップリンクデータを処理してスモールデータ送信を形成することは、スモールデータ送信のためにDRBのうちの少なくとも1つのレイヤを構成することを含んでもよい。例えば、この構成することは、SDAPレイヤをSDAPヘッダー無しで構成することと、短縮されたPDCPシーケンス番号(例えば7ビット)を用いる、及び/又は1バイトのPDCPヘッダーサイズを用いることと、DRBを用いたスモールデータ送信のためのTMを用いることと、LCID(Loginal Channel Identifier:論理チャネル識別子)及び/又は長さフィールドを用いずにMACレイヤを構成することと、スモールデータ送信のために固定サイズのMAC PDUを構成することと、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0116】
様々な他の変形が当業者には明らかであり、ここでは、それ以上詳細には説明しない。
【0117】
(付記1)
RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためにUE(User Equipment:ユーザ装置)により行われる方法であって、
コントロールプレーンを介して、スモールデータ送信を構成する情報を受信することと、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態にある間に、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがあるか否かを決定することと、
前記スモールデータ送信を含むRRCメッセージを生成することと、
CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、前記スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを送信することと、
を備える方法。
【0118】
(付記2)
前記RRCメッセージは、前記スモールデータ送信と1以上のRRC情報要素とを含む、付記1記載の方法。
【0119】
(付記3)
前記RRCメッセージは前記UEを識別する情報(例えば、「UE-ID」情報要素)を含む、付記1又は2記載の方法。
【0120】
(付記4)
前記SRBは「SRB0」である、付記1乃至3のうち何れか1項記載の方法。
【0121】
(付記5)
前記スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージは、「構成されたグラントタイプ-1」に関連付けられたリソースを用いて送信される、付記1乃至4のうち何れか1項記載の方法。
【0122】
(付記6)
前記スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージは、ランダムアクセス手順の一部を形成するメッセージ(例えば、「Msg3」又は「MsgA」)を介して送信される、付記1乃至4のうち何れか1項記載の方法。
【0123】
(付記7)
アクセス層セキュリティは、RRCレイヤ以外(例えば、PDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケットデータ収束プロトコル)レイヤ及び/又は専用セキュリティレイヤ)を介した前記スモールデータ送信のために提供される、付記1乃至6のうち何れか1項記載の方法。
【0124】
(付記8)
前記決定することは、前記スモールデータ送信に関連付けられたQFI(QoS(Quality of Service)Flow Identifier:サービス品質フロー識別子)を前記SRBにマッピングできるか否かを決定することを含み、当該方法は、前記決定の結果に基づいて、前記スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを送信することを備える、付記1乃至7のうち何れか1項記載の方法。
【0125】
(付記9)
前記スモールデータ送信を構成する前記情報は前記CCCHのサイズ制限を識別する情報を含み、前記決定することは、前記スモールデータ送信が前記サイズ制限を超えないことを決定することを含む、付記1乃至8のうち何れか1項記載の方法。
【0126】
(付記10)
RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためにUE(User Equipment:ユーザ装置)により行われる方法であって、
前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信を構成する情報を受信することと、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態である場合、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがあるか否かを決定することと、
前記アップリンクデータを処理してスモールデータ送信を形成し、前記UEを識別する情報を追加することと、
前記受信した情報に基づいたDRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)を用いて、前記スモールデータ送信と前記UEを識別する情報とを送信することと、
を備える方法。
【0127】
(付記11)
前記スモールデータ送信は、「構成されたグラントタイプ-1」に関連付けられたリソースを用いて送信される、付記10記載の方法。
【0128】
(付記12)
前記スモールデータ送信は、ランダムアクセス手順の一部を形成するメッセージ(例えば、「Msg3」又は「MsgA」)を介して送信される、付記10記載の方法。
【0129】
(付記13)
前記UEを識別する情報は、MAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)CE(Control Element:制御要素)(例えば、「UE-ID」MAC CE)又はRRC 情報要素を含む、付記10乃至12のうち何れか1項記載の方法。
【0130】
(付記14)
前記処理することは、前記アップリンクデータをセグメント化して複数のスモールデータ送信を形成することと、前記UEを識別する情報を前記複数のスモールデータ送信のうちの少なくとも1つに追加することを含む、付記10乃至13のうち何れか1項記載の方法。
【0131】
(付記15)
前記決定することは、前記スモールデータ送信に関連付けられたQFI(QoS(Quality of Service)Flow Identifier:サービス品質フロー識別子)を前記DRBにマッピングできるか否かを決定することを含み、当該方法は、前記決定の結果に基づいて、前記スモールデータ送信と前記UEを識別する前記情報とを送信することを備える、付記10乃至14のうち何れか1項記載の方法。
【0132】
(付記16)
前記アップリンクデータを処理してスモールデータ送信を形成することは、スモールデータ送信のために前記DRBのうちの少なくとも1つのレイヤを構成することを含む、付記10乃至15のうち何れか1項記載の方法。
【0133】
(付記17)
スモールデータ送信のために前記DRBのうちの前記少なくとも1つのレイヤを構成することは、
SDAP(Service Data Adaptation Protocol:サービスデータ適応プロトコル)レイヤをSDAPヘッダー無しで構成することと、
短縮されたPDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケットデータ収束プロトコル)シーケンス番号(例えば7ビット)を用いる、及び/又は1バイトのPDCPヘッダーサイズを用いることと、
前記DRBを用いたスモールデータ送信のためのTM(Transparent Mode:透過モード)を用いることと、
LCID(Loginal Channel Identifier:論理チャネル識別子)及び/又は長さフィールドを用いずにMAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)レイヤを構成することと、
スモールデータ送信のために固定サイズのMAC PDU(Protocol Data Unit:プロトコルデータユニット)を構成することと、
のうちの少なくとも1つを含む、付記16記載の方法。
【0134】
(付記18)
RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、UE(User Equipment:ユーザ装置)と通信するための無線アクセスネットワークの通信装置により行われる方法であって、
コントロールプレーンを介して、スモールデータ送信を構成する情報を送信することと、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態である間に前記UEから、CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを受信することと、
を備える方法。
【0135】
(付記19)
RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、UE(User Equipment:ユーザ装置)と通信するための無線アクセスネットワークの通信装置により行われる方法であって、
前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信を構成する情報を送信することと、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態にある間に前記UEから、前記送信した情報に基づいたDRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信と前記UEを識別する情報とを受信することと、
を備える方法。
【0136】
(付記20)
RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためのUE(User Equipment:ユーザ装置)であって、
コントロールプレーンを介して、スモールデータ送信を構成する情報を受信する手段と、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態にある間に、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがあるか否かを決定する手段と、
前記スモールデータ送信を含むRRCメッセージを生成する手段と、
CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、前記スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを送信する手段と、
を備えるUE。
【0137】
(付記21)
RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のためのUE(User Equipment:ユーザ装置)であって、
前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信を構成する情報を受信する手段と、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態である場合、スモールデータ送信として送信されるアップリンクデータがあるか否かを決定する手段と、
前記アップリンクデータを処理してスモールデータ送信を形成し、前記UEを識別する情報を追加する手段と、
前記受信した情報に基づいたDRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)を用いて、前記スモールデータ送信と前記UEを識別する情報とを送信する手段と、
を備えるUE。
【0138】
(付記22)
RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、UE(User Equipment:ユーザ装置)と通信するための無線アクセスネットワークの通信装置であって、
コントロールプレーンを介して、スモールデータ送信を構成する情報を送信する手段と、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態である間に前記UEから、CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル)を介して提供されるSRB(Signalling Radio Bearer:シグナリング無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信を含む前記RRCメッセージを受信する手段と、
を備える通信装置。
【0139】
(付記23)
RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)非アクティブ状態でのスモールデータ送信のために、UE(User Equipment:ユーザ装置)と通信するための無線アクセスネットワークの通信装置であって、
前記RRC非アクティブ状態でのスモールデータ送信を構成する情報を送信する手段と、
前記UEが前記RRC非アクティブ状態にある間に前記UEから、前記送信した情報に基づいたDRB(Data Radio Bearer:データ無線ベアラ)を用いて、スモールデータ送信と前記UEを識別する情報とを受信する手段と、
を備える通信装置。
【0140】
本出願は、2020年3月27日に出願された英国特許出願第2004520.9号に基づくものであり、その優先権の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。