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特開2024-123227流体注入のために患者の健康を保護するためのシステム、デバイス、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123227
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】流体注入のために患者の健康を保護するためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240903BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024102993
(22)【出願日】2024-06-26
(62)【分割の表示】P 2022566201の分割
【原出願日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】63/017,942
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/704,954
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/705,613
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/706,597
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】507021757
【氏名又は名称】バイエル・ヘルスケア・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・アントン・テューリング
(72)【発明者】
【氏名】アーサー・ウーバー・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・グリフィス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・マクダーモット
(72)【発明者】
【氏名】バリー・スカーブル
(72)【発明者】
【氏名】リンダ・ファン・ロスマレン
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ツイブル
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ラング
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ムーア
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセンツォ・カルソ
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン・クラーク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流体注入に関連して患者の健康を促進および保護するためのシステム並びに方法を提供する。
【解決手段】方法は、患者データを取得することと、患者データに基づいて、患者に施される流体注入についての、患者が流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む初期リスク予測を決定することと、流体注入が患者に施される前に、初期リスク予測をユーザデバイスに提供することと、流体注入が開始された後に、患者に関連するセンサデータを決定することと、流体注入が開始された後に決定されたセンサデータに基づいて、患者が流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む現在のリスク予測を決定することと、現在のリスク予測をユーザデバイスに提供することと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
患者に関連する患者データを取得することと、
前記患者データに基づいて、前記患者に施される流体注入に関連する前記患者の初期リスク予測を決定することであって、前記初期リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、
前記流体注入が前記患者に施される前に、前記初期リスク予測をユーザデバイスに提供することと、
前記患者に関連するセンサデータであって、前記流体注入が開始された後に決定された、センサデータを取得することと、
前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定することであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して前記少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、
前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記現在のリスク予測に基づいて、(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御すること
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記患者データは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、年齢、性別、体重、以前の化学療法状態、推定糸球体濾過量(eGFR)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル、トリヨードサイロニン(FT3)チロキシン(FT4)比(FT3/FT4)、環境影響のレベル、以前の流体注入状態に対する事前反応、アトピー性疾患状態、糖尿病および高血圧のうちの少なくとも1つに関連する医療状態、鬱血性心不全状態、ヘマトクリットレベル、腎不全状態、悪性腫瘍状態、中心静脈アクセス状態のための埋込デバイス、薬剤の種類、前記流体注入において投与される流体媒体の種類、流体注入に関連する注入プロトコル、画像検査の種類、前記流体注入に関連する流速、前記流体注入に関連するカテーテルゲージ、前記流体注入に関連する流体の総体積、前記流体注入に関連する圧力曲線、流体注入に関連する圧力限界曲線、前記流体注入に関連する注入部位場所、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出、造影後急性腎傷害、急性有害事象、造影剤誘発腎毒性、甲状腺中毒症、またはそれらの任意の組み合わせの有害事象のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記初期リスク予測は、前記流体注入前に前記患者に薬剤を投与するためのプロンプト、前記流体注入のための注入プロトコルを調整するためのプロンプト、撮像スキャンのための撮像プロトコルを調整するためのプロンプト、前記流体注入前に前記患者を準備するためのプロンプト、前記流体注入後に前記患者を観察および/もしくはフォローアップするためのプロンプト、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記センサデータは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、心拍数、音もしくは振動、温度、酸素飽和度、ECG、体脂肪/水分比、組織インピーダンス、血管分布レベル、血管径、水和レベル、ヘマトクリットレベル、皮膚抵抗率、血圧、筋張力レベル、光吸収率レベル、運動レベル、腕の位置、腕の周囲、呼吸数、放射線吸収量、EMG、皮膚の色、表面血管拡張量、生体インピーダンス、光吸収率、ヘモグロビンレベル、炎症レベル、前記患者の周囲の環境の環境温度、前記患者の周囲の環境の気圧、周囲光レベル、周囲音レベル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記流体注入が開始された後に、患者に関連する前記センサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサ
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記流体注入の前に前記患者に施される検査注入の間に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記検査注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、検査予測を決定することであって、前記検査予測は、前記患者が前記流体注入に応答して血管外漏出を経験する確率を含む、決定することと、
前記検査予測を前記ユーザデバイスに提供することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサは、前記検査注入のための注入部位に近接する前記患者の四肢上の3つの異なる場所に配置された3つの音または振動センサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
三角測量を通して、前記3つの音または振動センサのうちの各音または振動センサからの前記センサデータのデータストリームを組み合わせて、結合データストリームを作成することと、
前記結合データストリームに基づいて、前記検査予測を決定することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記検査注入の前に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、前記初期リスク予測を決定することは、前記検査注入の前に決定された前記センサデータにさらに基づく、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記流体注入の間に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記流体注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、前記現在のリスク予測を決定することと、
前記流体注入の間に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記流体注入後に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記流体注入後に決定された前記センサデータに基づいて、前記現在のリスク予測を決定することと、
前記流体注入後に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者が前記血管外漏出を経験していると判定したことに応答して、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止することによって前記現在のリスク予測を提供するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサは、以下のセンサ、すなわち、画像捕捉デバイス;加速度計;歪みゲージ;全地球測位システム(GPS);皮膚抵抗率またはコンダクタンスセンサ;心拍数モニタ;マイクロフォン;熱センサまたは温度センサ;パルスオキシメータ;水和センサ;線量計;超音波センサ;音響センサ;組織インピーダンス、筋電図(EMG)、および心電図(ECG)のうちの少なくとも1つを測定するように構成された1または複数の電極;マイクロ波センサ;機械インピーダンスセンサ;化学センサ;力センサまたは圧力センサ;あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
センサデバイスをさらに備え、
前記少なくとも1つのセンサは、前記センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングを含み、前記細長いハウジングは、患者の四肢を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、可撓性外部を含み、前記細長いハウジングの内部は、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、
請求項7に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセンサおよび前記無線通信デバイスを含む前記細長いハウジングの前記内部は、前記細長いハウジングの前記可撓性外部によって外部環境から流体的に密閉される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサは、複数のセンサを含み、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングの前記第1の端部から前記細長いハウジングの前記第2の端部まで延在する前記細長いハウジングの長さに沿って互いに離間され、それにより、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングが前記患者の前記四肢を取り囲むときに前記患者の前記四肢の周りに円周方向のパターンで配向され、前記複数のセンサは、前記患者の前記四肢の横断面における前記センサデータを決定するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み、前記少なくとも1つのセンサは、画像捕捉デバイスを含み、前記画像捕捉デバイスは、
前記センサデータを決定するように構成され、前記画像捕捉デバイスによって決定された前記センサデータは、一定期間にわたる前記患者の複数の画像に関連付けられ、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記一定期間にわたる前記患者の前記複数の画像に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定する
ようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記一定期間にわたって前記患者の前記複数の画像を処理して、前記複数の画像間の色および動きのうちの少なくとも1つの変化を強調することと、
前記強調された変化を含む前記複数の画像を、ディスプレイを用いてユーザに表示すること、および
前記強調された変化に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定し、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が閾値確率を満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止すること
のうちの少なくとも1つと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記画像捕捉デバイスは、赤外線(IR)カメラを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記複数の画像を処理して、前記複数の画像内の前記患者上の第1の場所と前記患者上の第2の場所との間の吸収スペクトルの差を決定することと、
前記患者上の前記第1の場所と前記患者上の前記第2の場所との間の吸収スペクトルの前記差をディスプレイでユーザに表示すること、および
前記患者上の前記第1の場所と前記患者上の前記第2の場所との間の吸収スペクトルの前記差に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定し、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が閾値確率を満たすと判定したことに応答して、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止すること
のうちの少なくとも1つと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記患者上の前記第1の場所は、前記患者の血管を含み、前記患者上の前記第2の場所は、前記患者の前記血管を取り囲む前記患者の組織を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記流体注入の間に前記患者に送達される流体の中に、前記流体注入の間、音信号を誘発するように構成された音生成デバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのセンサは、音または振動センサを含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項23】
前記音生成デバイスは、前記流体注入の間に前記流体を前記患者に送達する注射器および流体経路要素のうちの少なくとも1つに接続された発振器を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記音信号の周波数および振幅のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのセンサによる検出を向上させるように調整される、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのセンサは、音または振動センサを含み、前記音または振動センサは、前記患者の音または振動の周波数および振幅のうちの少なくとも1つを測定するように構成され、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記患者の前記測定された音または振動の前記周波数および前記振幅のうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記患者が血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定することと、
前記患者が血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が閾値確率を満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、患者の苦痛レベルを決定することと、
前記ユーザデバイスに前記患者の苦痛レベルを提供することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者の苦痛レベルを少なくとも1つの閾値レベルと比較することと、
前記患者の苦痛レベルが前記少なくとも1つの閾値レベルを満たすと判定したことに応答して、
ユーザデバイスに警告を提供すること、および
(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御すること
のうちの少なくとも1つと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
一定期間にわたる前記センサデータの1または複数のパラメータの変化を決定することと、
前記1または複数のパラメータの前記変化を少なくとも1つの閾値変化と比較することと、
によって、前記患者の前記苦痛レベルを決定するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記センサデータは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、心拍数、酸素飽和度、皮膚抵抗率、皮膚色、運動レベル、注入部位に近接する温度、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのセンサは、パルスオキシメータ、皮膚抵抗センサ、皮膚色センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのセンサのうちの少なくとも1つを含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
センサデバイスをさらに備え、
前記少なくとも1つのセンサは、前記センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、前記患者の手に装着されるように構成された手袋形状のハウジングを含み、前記ハウジングは、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、
請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
センサデバイスをさらに備え、
前記少なくとも1つのセンサは、前記センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、
第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングと、
ワイヤを介して前記細長いハウジングに接続されたパルスオキシメータと、含み、前記細長いハウジングは、患者の手および手首のうちの少なくとも一方を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、無線通信デバイスと、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つと、を含み、前記パルスオキシメータと、前記皮膚抵抗センサ、前記加速度計、前記温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの前記少なくとも1つとは、前記センサデータを決定するように構成され、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、
請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
光、ディスプレイ、スピーカ、および触覚デバイスのうちの少なくとも1つを制御して、前記患者の呼吸および/または位置決めを誘導するための視覚命令、音声命令、および触覚命令のうちの少なくとも1つを提供する
ようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項34】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
撮像システムの撮像動作のタイミングに基づいて、前記患者の前記呼吸および/または前記位置決めを誘導するための前記視覚命令、前記音声命令、および前記触覚命令のうちの前記少なくとも1つを調整する
ようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記患者の苦痛レベルを決定することと、
前記患者が苦痛を感じていると判定したことに応答して、前記患者の前記呼吸および/または前記位置決めを誘導するための前記視覚命令、前記音声命令、および前記触覚命令のうちの前記少なくとも1つを調整することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
システムであって、
患者に関連する流体注入が開始される前に、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
前記患者に関連する患者データを取得することと、
前記患者データおよび前記センサデータに基づいて、前記患者に施される流体注入に関連する前記患者の初期リスク予測を決定することであって、前記初期リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、
前記流体注入が前記患者に施される前に、前記初期リスク予測をユーザデバイスに提供することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、システム。
【請求項37】
システムであって、
患者に関連する流体注入が開始された後に、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定することであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、
前記現在のリスク予測をユーザデバイスに提供することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、システム。
【請求項38】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
患者に関連するセンサデータであって、前記患者に関連する流体注入が開始された後に決定された、センサデータを取得することと、
前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定することであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、
前記現在のリスク予測をユーザデバイスに提供することと、
前記現在のリスク予測に基づいて、(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【請求項39】
システムであって、
患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
前記センサデータに基づいて、前記流体注入の前、間、および間のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者の健康レベルを決定することと、
前記患者の前記健康レベルをユーザデバイスに提供することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、システム。
【請求項40】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
患者に関連するセンサデータであって、前記患者に関連する流体注入が開始された後に決定された、センサデータを取得することと、
前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入の間の前記患者の健康レベルを決定することと、
前記患者の前記健康レベルをユーザデバイスに提供することと、
前記患者の前記健康レベルに基づいて、(i)前記流体注入の最大流量、最大圧力、注入持続時間、流体の総量、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを調整する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【請求項41】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
アプリケーションプログラムインターフェース(API)を介して、少なくとも1つのユーザデバイスに、患者に施される流体注入に関連する情報を提供することと、
前記APIを介して、前記少なくとも1つのユーザデバイスから、前記流体注入の前に、前記患者に関連する患者データを受信することであって、前記患者データは、前記流体注入に関連する少なくとも1つの患者嗜好を含み、前記流体注入に関連する前記少なくとも1つの患者嗜好は、以下の患者嗜好、すなわち、前記流体注入の間の照明嗜好、前記流体注入の間の音声嗜好、前記流体注入の間の温度嗜好、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、受信することと、
前記流体注入の間に、前記少なくとも1つの患者嗜好に基づいて、(i)光源、(ii)音源、(iii)触覚デバイス、(iv)暖房、換気、および空調(HVAC)システム、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを自動的に制御することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【請求項42】
流体インジェクタおよび医療用撮像装置のうちの少なくとも1つをさらに備え、前記流体インジェクタおよび前記医療用撮像装置のうちの前記少なくとも1つは、(i)前記光源、(ii)前記音源、(iii)前記触覚デバイス、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記光源は、前記流体インジェクタおよび前記医療用撮像装置のうちの少なくとも1つのディスプレイを含む、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記触覚デバイスは、前記医療用撮像装置のベッドまたはテーブルを含む、請求項42に記載のシステム。
【請求項45】
前記流体注入の間に、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体注入の間に、前記センサデータに基づいて、(i)前記光源、(ii)前記音源、(iii)前記触覚デバイス、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを自動的に制御して、前記患者の呼吸および/または位置決めを誘導するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、
請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体注入の間に、前記医療用撮像装置の撮像動作のタイミングに基づいて、(i)前記光源、(ii)前記音源、(iii)前記触覚デバイス、またはそれらの任意の組み合わせのうちの前記少なくとも1つをさらに自動的に制御する、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記センサデータに基づいて、(i)前記流体注入を停止する流体インジェクタ、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する医療用撮像装置のうちの少なくとも1つを自動的に制御する
ようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項45に記載のシステム。
【請求項48】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
アプリケーションプログラムインターフェース(API)を介して、少なくとも1つのユーザデバイスに、患者に施される流体注入に関連する情報を提供することと、
前記APIを介して、前記少なくとも1つのユーザデバイスから、前記流体注入の前に、前記患者に関連する患者データを受信することであって、前記患者データは、前記流体注入に関連する少なくとも1つの患者嗜好を含み、少なくとも1つの患者データは、流体注入の間に前記患者が有害事象を経験する確率を評価するためのリスク予測に使用される、受信することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【請求項49】
流体インジェクタおよび医療用撮像装置のうちの少なくとも1つをさらに備え、前記流体注入の注入プロトコルおよび前記医療用撮像装置の撮像プロトコルのうちの少なくとも1つのパラメータは、前記少なくとも1つの患者データに基づいて調整される、
請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
センサデバイスであって、
患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、
第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングであって、前記細長いハウジングは、前記患者の四肢を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、可撓性外部を含み、前記細長いハウジングの内部は、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、細長いハウジングと、
を備える、センサデバイス。
【請求項51】
前記少なくとも1つのセンサおよび前記無線通信デバイスを含む前記細長いハウジングの前記内部は、前記細長いハウジングの前記可撓性外部によって外部環境から流体的に密閉される、請求項50に記載のセンサデバイス。
【請求項52】
前記少なくとも1つのセンサは、複数のセンサを含み、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングの前記第1の端部から前記細長いハウジングの前記第2の端部まで延在する前記細長いハウジングの長さに沿って互いに離間され、それにより、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングが前記患者の前記四肢を取り囲むときに前記患者の前記四肢の周りに円周方向のパターンで配向され、前記複数のセンサは、前記患者の前記四肢の横断面における前記センサデータを決定するように構成されている、請求項50に記載のセンサデバイス。
【請求項53】
前記少なくとも1つのセンサは、以下のセンサ、すなわち、画像捕捉デバイス;加速度計;歪みゲージ;全地球測位システム(GPS);皮膚抵抗率またはコンダクタンスセンサ;心拍数モニタ;マイクロフォン;熱センサまたは温度センサ;パルスオキシメータ;水和センサ;線量計;超音波センサ;音響センサ;組織インピーダンス、筋電図(EMG)、および心電図(ECG)のうちの少なくとも1つを測定するように構成された1または複数の電極;マイクロ波センサ;機械インピーダンスセンサ;化学センサ;力センサまたは圧力センサ;あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項50に記載のセンサデバイス。
【請求項54】
センサデバイスであって、
患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者に関連する少なくとも2つの異なるパラメータを測定するように構成された少なくとも2つのセンサと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
前記少なくとも2つの異なるパラメータに基づいて、(i)患者の苦痛レベル、および(ii)前記流体注入に関連する前記患者のリスク予測のうちの少なくとも1つを決定することであって、前記リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、
前記患者の苦痛レベルおよび前記リスク予測のうちの前記少なくとも1つをユーザデバイスに提供することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、センサデバイス。
【請求項55】
センサデバイスであって、
患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、
前記患者の手に装着されるように構成された手袋形状のハウジングであって、前記ハウジングは、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、手袋形状のハウジングと、
を備える、センサデバイス。
【請求項56】
センサデバイスであって、
第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングと、
ワイヤを介して前記細長いハウジングに接続されたパルスオキシメータと、を備え、
前記細長いハウジングは、患者の手および手首のうちの少なくとも一方を取り囲むように構成され、
前記細長いハウジングは、無線通信デバイスおよび少なくとも1つのセンサを含み、
前記少なくとも1つのセンサは、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、
前記パルスオキシメータと、前記皮膚抵抗センサ、前記加速度計、前記温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの前記少なくとも1つとは、患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成され、
前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、
センサデバイス。
【請求項57】
方法であって、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、患者に関連する患者データを取得するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者データに基づいて、前記患者に施される流体注入に関連する前記患者の初期リスク予測を決定するステップであって、前記初期リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、ステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が前記患者に施される前に、前記初期リスク予測をユーザデバイスに提供するステップと、
少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入が開始された後に、前記患者に関連するセンサデータを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定するステップであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して前記少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、ステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項58】
前記患者データは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、年齢、性別、体重、以前の化学療法状態、推定糸球体濾過量(eGFR)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル、トリヨードサイロニン(FT3)チロキシン(FT4)比(FT3/FT4)、環境影響のレベル、以前の流体注入状態に対する事前反応、アトピー性疾患状態、糖尿病および高血圧のうちの少なくとも1つに関連する医療状態、鬱血性心不全状態、ヘマトクリットレベル、腎不全状態、悪性腫瘍状態、中心静脈アクセス状態のための埋込デバイス、薬剤の種類、前記流体注入において投与される流体媒体の種類、前記流体注入の種類、画像検査の種類、前記流体注入に関連する流速、前記流体注入に関連するカテーテルゲージ、前記流体注入に関連する流体の総体積、前記流体注入に関連する圧力曲線、前記流体注入に関連する注入部位場所、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出、造影後急性腎傷害、急性有害事象、造影剤誘発腎毒性、甲状腺中毒症、またはそれらの任意の組み合わせの有害事象のうちの少なくとも1つを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記初期リスク予測は、前記流体注入前に前記患者に薬剤を投与するためのプロンプト、前記流体注入のための注入プロトコルを調整するためのプロンプト、撮像スキャンのための撮像プロトコルを調整するためのプロンプト、前記流体注入前に前記患者を準備するためのプロンプト、前記流体注入後に前記患者を観察および/もしくはフォローアップするためのプロンプト、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記センサデータは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、心拍数、音もしくは振動、温度、酸素飽和度、ECG、体脂肪/水分比、組織インピーダンス、血管分布レベル、血管径、水和レベル、ヘマトクリットレベル、皮膚抵抗率、血圧、筋張力レベル、光吸収率レベル、運動レベル、腕の位置、腕の周囲、呼吸数、放射線吸収量、EMG、皮膚の色、表面血管拡張量、生体インピーダンス、光吸収率、ヘモグロビンレベル、炎症レベル、前記患者の周囲の環境の環境温度、前記患者の周囲の環境の気圧、周囲光レベル、周囲音レベル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入の前に前記患者に施される検査注入の間に、前記センサデータを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記検査注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、検査予測を決定するステップであって、前記検査予測は、前記患者が前記流体注入に応答して血管外漏出を経験する確率を含む、ステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記検査予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
前記少なくとも1つのセンサは、前記検査注入のための注入部位に近接する前記患者の四肢上の3つの異なる場所に配置された3つの音または振動センサを含み、
前記方法は、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、三角測量を通して、前記3つの音または振動センサのうちの各音または振動センサからの前記センサデータのデータストリームを組み合わせて、結合データストリームを作成するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記結合データストリームに基づいて、前記検査予測を決定するステップと、
をさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記検査注入の前に前記センサデータを決定するステップをさらに含み、前記初期リスク予測を決定するステップは、前記検査注入の前に決定された前記センサデータにさらに基づく、
請求項57に記載の方法。
【請求項65】
前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入の間に前記センサデータを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の前記現在のリスク予測を決定するステップと、
前記流体注入の間に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項66】
前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入の後に前記センサデータを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入の後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の前記現在のリスク予測を決定するステップと、
前記流体注入の後に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項67】
前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み、前記現在のリスク予測を提供するステップは、前記患者が前記血管外漏出を経験していると判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止するステップをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
前記少なくとも1つのセンサは、以下のセンサ、すなわち、画像捕捉デバイス;加速度計;歪みゲージ;全地球測位システム(GPS);皮膚抵抗率またはコンダクタンスセンサ;心拍数モニタ;マイクロフォン;熱センサまたは温度センサ;パルスオキシメータ;水和センサ;線量計;超音波センサ;音響センサ;組織インピーダンス、筋電図(EMG)、および心電図(ECG)のうちの少なくとも1つを測定するように構成された1または複数の電極;マイクロ波センサ;機械インピーダンスセンサ;化学センサ;力センサまたは圧力センサ;あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項69】
前記少なくとも1つのセンサは、センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングを含み、前記細長いハウジングは、患者の四肢を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、可撓性外部を含み、前記細長いハウジングの内部は、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、
前記方法は、前記無線通信デバイスを用いて、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するステップをさらに含む、
請求項57に記載の方法。
【請求項70】
前記少なくとも1つのセンサおよび前記無線通信デバイスを含む前記細長いハウジングの前記内部は、前記細長いハウジングの前記可撓性外部によって外部環境から流体的に密閉される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記少なくとも1つのセンサは、複数のセンサを含み、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングの前記第1の端部から前記細長いハウジングの前記第2の端部まで延在する前記細長いハウジングの長さに沿って互いに離間され、それにより、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングが前記患者の前記四肢を取り囲むときに前記患者の前記四肢の周りに円周方向のパターンで配向され、
前記方法は、前記複数のセンサを用いて、前記患者の前記四肢の横断面における前記センサデータを決定するステップをさらに含む、
請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み、前記少なくとも1つのセンサは、画像捕捉デバイスを含み、
前記方法は、
前記画像捕捉デバイスを用いて、前記センサデータを決定するステップであって、前記画像捕捉デバイスによって決定された前記センサデータは、一定期間にわたる前記患者の複数の画像に関連付けられる、ステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記一定期間にわたる前記患者の前記複数の画像に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定するステップと、
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項73】
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記一定期間にわたって前記患者の前記複数の画像を処理して、前記複数の画像間の色および動きのうちの少なくとも1つの変化を強調するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記強調された変化を含む前記複数の画像をディスプレイでユーザに表示するステップ、および
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記強調された変化に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定し、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が閾値確率を満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止するステップ
のうちの少なくとも1つと、
をさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記画像捕捉デバイスは、赤外線(IR)カメラを含み、
前記方法は、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記複数の画像を処理して、前記複数の画像内の前記患者上の第1の場所と前記患者上の第2の場所との間の吸収スペクトルの差を決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記患者上の前記第1の場所と前記患者上の前記第2の場所との間の吸収スペクトルの前記差をディスプレイでユーザに表示するステップ、および
前記患者上の前記第1の場所と前記患者上の前記第2の場所との間の吸収スペクトルの前記差に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定し、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が少なくとも1つの閾値確率を満たすと判定したことに応答して、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止するステップ
のうちの少なくとも1つと、
をさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記患者上の前記第1の場所は、前記患者の血管を含み、前記患者上の前記第2の場所は、前記患者の前記血管を取り囲む前記患者の組織を含む、
請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記流体注入の間に、音生成デバイスを用いて、前記流体注入の間に前記患者に送達される流体の中に音信号を誘発するステップ
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項77】
前記音生成デバイスは、前記流体注入の間に前記流体を前記患者に送達する注射器および管のうちの少なくとも1つに接続された発振器を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記音信号の周波数および振幅のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのセンサによる検出を向上させるように調整される、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記少なくとも1つのセンサは、音または振動センサを含み、
前記方法は、
前記音または振動センサを用いて、前記患者の音または振動の周波数および振幅のうちの少なくとも1つを測定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者の前記測定された音または振動の前記周波数および前記振幅のうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記患者が血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定するステップと、
前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が少なくとも1つの閾値確率を満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止するステップと、
をさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、患者の苦痛レベルを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者の苦痛レベルを少なくとも1つの閾値レベルと比較するステップと、
前記患者の苦痛レベルが前記少なくとも1つの閾値レベルを満たすと判定したことに応答して、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザデバイスに警告を提供するステップ、および
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御するステップ
のうちの少なくとも1つと、
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項81】
前記患者の苦痛レベルを決定する前記ステップは、
一定期間にわたって前記センサデータの1または複数のパラメータの変化を決定するステップと、
前記1または複数のパラメータの前記変化を少なくとも1つの閾値変化と比較するステップと、
を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記センサデータは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、心拍数、酸素飽和度、皮膚抵抗率、運動レベル、注入部位に近接する温度、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも1つのセンサは、パルスオキシメータ、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのセンサのうちの少なくとも1つを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項84】
前記少なくとも1つのセンサは、センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、前記患者の手に装着されるように構成された手袋形状のハウジングを含み、前記ハウジングは、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記方法は、
前記無線通信デバイスを用いて、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するステップ
をさらに含む、請求項80に記載の方法。
【請求項85】
前記少なくとも1つのセンサは、センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングと、ワイヤを介して前記細長いハウジングに接続されたパルスオキシメータと、含み、前記細長いハウジングは、患者の手および手首のうちの少なくとも一方を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、無線通信デバイスと、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つと、を含み、
前記方法は、
前記パルスオキシメータと、前記皮膚抵抗センサ、前記加速度計、前記温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの前記少なくとも1つとを用いて、前記センサデータを決定するステップと、
前記無線通信デバイスを用いて、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するステップと、
をさらに含む、請求項80に記載の方法。
【請求項86】
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、光、ディスプレイ、スピーカ、および触覚デバイスのうちの少なくとも1つを制御して、前記患者の呼吸および/または位置決めを誘導するための視覚命令、音声命令、および触覚命令のうちの少なくとも1つを提供するステップ
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項87】
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、撮像システムの撮像動作のタイミングに基づいて、前記患者の前記呼吸および/または位置決めを誘導するための前記視覚命令、前記音声命令、および前記触覚命令のうちの前記少なくとも1つを調整するステップ
をさらに含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、患者の苦痛レベルを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者が苦痛を感じていると判定したことに応答して、前記患者の前記呼吸および/または前記位置決めを誘導するための前記視覚命令、前記音声命令、および前記触覚命令のうちの前記少なくとも1つを調整するステップと、
をさらに含む、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記現在のリスク予測に基づいて、(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御するステップ
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月30日に出願された米国仮特許出願第63/017,942号、2020年8月27日に出願された米国仮特許出願第62/706,597号、2020年6月4日に出願された米国仮特許出願第62/704,954号、および2020年7月7日に出願された米国仮特許出願第62/705,613号に対する優先権を主張し、これらの開示は、その全体が参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
過去数十年の間の医用撮像の増加に伴い、あらゆるモダリティにおいて放射線造影剤の使用量が大幅に増加している。典型的には、年間7,600万件のコンピュータ断層撮影(CT)検査および3,400万件の磁気共鳴(MR)撮像検査が行われており、これらの検査の約半分に静脈内造影剤が用いられている。静脈内造影剤の使用は、放射線学会で認められており、造影剤物質そのものは安全であると認められている。造影剤の薬物安全性に加えて、造影剤の実際の使用は、用途自体によって様々なリスクを伴う可能性がある。
【0003】
例えば、患者の安全性および造影剤注入に関連して存在する問題としては、少なくとも、(i)血管外漏出物質の血管外漏出防止、検出、および最小化、(ii)造影剤未使用の患者および既知のアトピーを有する患者の各々における急性有害事象または造影剤注入に起因する記録された急性有害事象の最小化、(iii)造影剤誘導性腎毒性および/または造影後腎傷害の防止、(iv)甲状腺中毒症(TX)など甲状腺障害を防止するための患者の管理などが挙げられる。
【0004】
血管外漏出は、造影医用撮像手順において、稀ではあるが重大な問題である。血管外漏出は、末梢血管アクセスを通して中心循環に送達されるべき造影剤が、代わりに、末梢組織に進入するとき(例えば、造影剤が、血管管腔から漏出し、注入の間、間質組織に浸潤するときなど)に生じる。静脈内造影剤血管外漏出の発生率は、典型的には、1%未満として報告されており、注入の流速との直接的な相関はない。しかし、血管外漏出を有する患者には、無症候性のままであり得る者もいるが、他の患者では、腫脹、緊張、刺痛、または灼熱痛が報告されることがあり、注入部位に浮腫、紅斑、または圧痛を示すことがある。血管外漏出の重篤な合併症としては、コンパートメント症候群、皮膚潰瘍、および/または組織壊死が挙げられる。
【0005】
急性有害事象は、適用される物質に依存する。低浸透性ヨウ素化造影剤についての急性有害事象の割合は、約0.2%~0.7%であり、重篤な急性反応については0.04%である。ガドリニウム系の造影剤(GBCA)に対する急性有害事象の発生率は低く、10,000~40,000回の注入に約1回発生している。ほとんどの反応は穏やかで一過性であり、皮膚反応が最も頻繁に見られる。GBCAに対する重篤で生命を脅かすアナフィラキシー様反応は稀である。造影剤に対する急性有害事象のリスク因子としては、ヨウ素化造影剤に対する以前の反応、薬物および/または食品に対する重度のアレルギーおよび反応、喘息、気管支痙攣、および/またはアトピーの病歴、心臓もしくは腎疾患の病歴などが挙げられる。
【0006】
造影剤誘発性腎毒性は、「別の腎毒性事象の非存在下での造影剤の最近の血管内投与後の腎機能の突然の悪化(例えば、急性腎傷害など)」として定義することができる。造影剤誘発腎毒性のリスク因子には、高血圧、タンパク尿、痛風、および/または以前の腎手術が含まれ得る。造影剤誘発腎毒性のリスクは、正常で安定した腎機能を有する患者では低いと考えられている。同様に、造影後急性腎傷害とは、ヨウ素ベースの造影剤の血管内投与の48時間以内の腎機能の突然の悪化を示すために使用される一般的な用語である。
【0007】
造影剤の使用の大部分を反映するヨウ素化造影剤の適用の場合、グレーブス病の治療を受けていない患者および/または多結節性甲状腺腫および甲状腺自律性を有する患者、高齢者、ならびに食事性ヨウ素欠乏症が一般的である地域に住んでいる患者は、過剰なヨウ素吸収による甲状腺中毒症のリスクが増大している可能性がある。さらに、任意の計画された放射性ヨウ素撮像または治療の前にヨウ素化造影剤を使用することで、放射性ヨウ素取り込みが減少する可能性がある。
【0008】
さらに、有害事象が比較的稀少であるため、既存のデバイスを使用して注入の有害事象を監視するコストおよび時間を正当化することが困難であり、また、医療専門家が注意深く、有害事象が発生する可能性のあるごく少数の患者を手動で識別することは困難であるという課題もある。また、近年では、医療提供者の金銭的償還において、患者の満足度が重要な要素となりつつある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、流体注入(例えば、造影剤注入の前、間、および/または後など)のための患者の健康を評価、促進、および保護するための改良されたシステム、デバイス、製品、装置、および/または方法が提供され、それにより、患者の健康、有害事象のリスクのうちの少なくとも1つを評価するために複数のデータソースを利用する感知および/または解釈能力を提供し、患者の健康を維持し、かつ/または有害事象の発生を低減または防止し、有害事象の発生または重症度を最小限にし、有害事象を検出し、かつ/または有害事象、例えば、血管外漏出、急性有害事象、造影剤誘発腎毒性および/または造影後腎傷害、および/または甲状腺疾患を管理するための推奨または措置を取ることができ、それにより、患者の満足度、償還を改善し、造影剤注入に関連する合併症の発生が低減される。提供されるシステム、デバイス、製品、装置、および/または方法のさらなる利点は、患者の全体的な健康の促進を評価および支援することによって、それらが、重大な有害事象を経験し得る少数の人への害を防止または低減することだけでなく、全ての患者の医療ケアに適用可能であり、有用であることであり得る。したがって、提供されるシステム、デバイス、製品、装置、および/または方法は、通常のワークフローの一部となって全ての患者に使用される可能性がより高く、それによって、これらの利益を全ての患者に提供することができる。
【0010】
非限定的な実施形態または態様は、以下の番号付けされた付記に記載されている。
【0011】
付記1.システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、患者に関連する患者データを取得することと、前記患者データに基づいて、前記患者に施される流体注入に関連する前記患者の初期リスク予測を決定することであって、前記初期リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、前記流体注入が前記患者に施される前に、前記初期リスク予測をユーザデバイスに提供することと、前記患者に関連するセンサデータであって、前記流体注入が開始された後に決定された、センサデータを取得することと、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定することであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して前記少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【0012】
付記2.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記現在のリスク予測に基づいて、(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御することを行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1に記載のシステム。
【0013】
付記3.前記患者データは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、年齢、性別、体重、以前の化学療法状態、推定糸球体濾過量(eGFR)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル、トリヨードサイロニン(FT3)チロキシン(FT4)比(FT3/FT4)、環境影響のレベル、以前の流体注入状態に対する事前反応、アトピー性疾患状態、糖尿病および高血圧のうちの少なくとも1つに関連する医療状態、鬱血性心不全状態、ヘマトクリットレベル、腎不全状態、悪性腫瘍状態、中心静脈アクセス状態のための埋込デバイス、薬剤の種類、前記流体注入において投与される流体媒体の種類、流体注入に関連する注入プロトコル、画像検査の種類、前記流体注入に関連する流速、前記流体注入に関連するカテーテルゲージ、前記流体注入に関連する流体の総体積、前記流体注入に関連する圧力曲線、流体注入に関連する圧力限界曲線、前記流体注入に関連する注入部位場所、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記1または2に記載のシステム。
【0014】
付記4.前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出、造影後急性腎傷害、急性有害事象、造影剤誘発腎毒性、甲状腺中毒症、またはそれらの任意の組み合わせの有害事象のうちの少なくとも1つを含む、付記1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【0015】
付記5.前記初期リスク予測は、前記流体注入前に前記患者に薬剤を投与するためのプロンプト、前記流体注入のための注入プロトコルを調整するためのプロンプト、撮像スキャンのための撮像プロトコルを調整するためのプロンプト、前記流体注入前に前記患者を準備するためのプロンプト、前記流体注入後に前記患者を観察および/もしくはフォローアップするためのプロンプト、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含む、付記1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【0016】
付記6.前記センサデータは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、心拍数、音もしくは振動、温度、酸素飽和度、ECG、体脂肪/水分比、組織インピーダンス、血管分布レベル、血管径、水和レベル、ヘマトクリットレベル、皮膚抵抗率、血圧、筋張力レベル、光吸収率レベル、運動レベル、腕の位置、腕の周囲、呼吸数、放射線吸収量、EMG、皮膚の色、表面血管拡張量、生体インピーダンス、光吸収率、ヘモグロビンレベル、炎症レベル、前記患者の周囲の環境の環境温度、前記患者の周囲の環境の気圧、周囲光レベル、周囲音レベル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【0017】
付記7.前記流体注入が開始された後に、患者に関連する前記センサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに備える、付記1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【0018】
付記8.前記少なくとも1つのセンサは、前記流体注入の前に前記患者に施される検査注入の間に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記検査注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、検査予測を決定することであって、前記検査予測は、前記患者が前記流体注入に応答して血管外漏出を経験する確率を含む、決定することと、前記検査予測を前記ユーザデバイスに提供することと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【0019】
付記9.前記少なくとも1つのセンサは、前記検査注入のための注入部位に近接する前記患者の四肢上の3つの異なる場所に配置された3つの音または振動センサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、三角測量を通して、前記3つの音または振動センサのうちの各音または振動センサからの前記センサデータのデータストリームを組み合わせて、結合データストリームを作成することと、前記結合データストリームに基づいて、前記検査予測を決定することと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【0020】
付記10.前記少なくとも1つのセンサは、前記検査注入の前に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、前記初期リスク予測を決定することは、前記検査注入の前に決定された前記センサデータにさらに基づく、付記1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【0021】
付記11.前記少なくとも1つのセンサは、前記流体注入の間に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、前記現在のリスク予測を決定することと、前記流体注入の間に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【0022】
付記12.前記少なくとも1つのセンサは、前記流体注入後に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体注入後に決定された前記センサデータに基づいて、前記現在のリスク予測を決定することと、前記流体注入後に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【0023】
付記13.前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者が前記血管外漏出を経験していると判定したことに応答して、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止することによって前記現在のリスク予測を提供するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【0024】
付記14.前記少なくとも1つのセンサは、以下のセンサ、すなわち、画像捕捉デバイス;加速度計;歪みゲージ;全地球測位システム(GPS);皮膚抵抗率またはコンダクタンスセンサ;心拍数モニタ;マイクロフォン;熱センサまたは温度センサ;パルスオキシメータ;水和センサ;線量計;超音波センサ;音響センサ;組織インピーダンス、筋電図(EMG)、および心電図(ECG)のうちの少なくとも1つを測定するように構成された1または複数の電極;マイクロ波センサ;機械インピーダンスセンサ;化学センサ;力センサまたは圧力センサ;あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【0025】
付記15.センサデバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのセンサは、前記センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングを含み、前記細長いハウジングは、患者の四肢を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、可撓性外部を含み、前記細長いハウジングの内部は、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、付記1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【0026】
付記16.前記少なくとも1つのセンサおよび前記無線通信デバイスを含む前記細長いハウジングの前記内部は、前記細長いハウジングの前記可撓性外部によって外部環境から流体的に密閉される、付記1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【0027】
付記17.前記少なくとも1つのセンサは、複数のセンサを含み、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングの前記第1の端部から前記細長いハウジングの前記第2の端部まで延在する前記細長いハウジングの長さに沿って互いに離間され、それにより、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングが前記患者の前記四肢を取り囲むときに前記患者の前記四肢の周りに円周方向のパターンで配向され、前記複数のセンサは、前記患者の前記四肢の横断面における前記センサデータを決定するように構成されている、付記1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【0028】
付記18.前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み、前記少なくとも1つのセンサは、画像捕捉デバイスを含み、前記画像捕捉デバイスは、前記センサデータを決定するように構成され、前記画像捕捉デバイスによって決定された前記センサデータは、一定期間にわたる前記患者の複数の画像に関連付けられ、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記一定期間にわたる前記患者の前記複数の画像に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から17のいずれか一項に記載のシステム。
【0029】
付記19.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記一定期間にわたって前記患者の前記複数の画像を処理して、前記複数の画像間の色および動きのうちの少なくとも1つの変化を強調することと、前記強調された変化を含む前記複数の画像を、ディスプレイを用いてユーザに表示すること、および前記強調された変化に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定し、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が閾値確率を満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止することのうちの少なくとも1つと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から18のいずれか一項に記載のシステム。
【0030】
付記20.前記画像捕捉デバイスは、赤外線(IR)カメラを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数の画像を処理して、前記複数の画像内の前記患者上の第1の場所と前記患者上の第2の場所との間の吸収スペクトルの差を決定することと、前記患者上の前記第1の場所と前記患者上の前記第2の場所との間の吸収スペクトルの前記差をディスプレイでユーザに表示すること、および前記患者上の前記第1の場所と前記患者上の前記第2の場所との間の吸収スペクトルの前記差に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定し、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が閾値確率を満たすと判定したことに応答して、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止することとのうちの少なくとも1つと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から19のいずれか一項に記載のシステム。
【0031】
付記21.前記患者上の前記第1の場所は、前記患者の血管を含み、前記患者上の前記第2の場所は、前記患者の前記血管を取り囲む前記患者の組織を含む、付記1から20のいずれか一項に記載のシステム。
【0032】
付記22.前記流体注入の間に前記患者に送達される流体の中に、前記流体注入の間、音信号を誘発するように構成された音生成デバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのセンサは、音または振動センサを含む、付記1から21のいずれか一項に記載のシステム。
【0033】
付記23.前記音生成デバイスは、注射器と、前記流体注入の間に前記流体を前記患者に送達する流体経路要素とのうちの少なくとも1つに接続された発振器を含む、付記1から22のいずれか一項に記載のシステム。
【0034】
付記24.前記音信号の周波数および振幅のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのセンサによる検出を向上させるように調整される、付記1から23のいずれか一項に記載のシステム。
【0035】
付記25.前記少なくとも1つのセンサは、音または振動センサを含み、前記音または振動センサは、前記患者の音または振動の周波数および振幅のうちの少なくとも1つを測定するように構成され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者の前記測定された音または振動の前記周波数および前記振幅のうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定することと、前記患者が血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が閾値確率を満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止することと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から24のいずれか一項に記載のシステム。
【0036】
付記26.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、患者の苦痛レベルを決定することと、前記ユーザデバイスに前記患者の苦痛レベルを提供することと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から25のいずれか一項に記載のシステム。
【0037】
付記27.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者の苦痛レベルを少なくとも1つの閾値レベルと比較することと、前記患者の苦痛レベルが前記少なくとも1つの閾値レベルを満たすと判定したことに応答して、ユーザデバイスに警告を提供すること、および(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御することの少なくとも1つと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から26のいずれか一項に記載のシステム。
【0038】
付記28.前記少なくとも1つのプロセッサは、一定期間にわたる前記センサデータの1または複数のパラメータの変化を決定することと、前記1または複数のパラメータの前記変化を少なくとも1つの閾値変化と比較することと、によって、前記患者の前記苦痛レベルを決定するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から27のいずれか一項に記載のシステム。
【0039】
付記29.前記センサデータは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、心拍数、酸素飽和度、皮膚抵抗率、皮膚色、運動レベル、注入部位に近接する温度、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記1から28のいずれか一項に記載のシステム。
【0040】
付記30.前記少なくとも1つのセンサは、パルスオキシメータ、皮膚抵抗センサ、皮膚色センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのセンサのうちの少なくとも1つを含む、付記1から29のいずれか一項に記載のシステム。
【0041】
付記31.センサデバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのセンサは、前記センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、前記患者の手に装着されるように構成された手袋形状のハウジングを含み、前記ハウジングは、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、付記1から30のいずれか一項に記載のシステム。
【0042】
付記32.センサデバイスをさらに備え、前記少なくとも1つのセンサは、前記センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングと、ワイヤを介して前記細長いハウジングに接続されたパルスオキシメータと、含み、前記細長いハウジングは、患者の手および手首のうちの少なくとも一方を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、無線通信デバイスと、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つと、を含み、前記パルスオキシメータと、前記皮膚抵抗センサ、前記加速度計、前記温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの前記少なくとも1つとは、前記センサデータを決定するように構成され、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、付記1から31のいずれか一項に記載のシステム。
【0043】
付記33.前記少なくとも1つのプロセッサは、光、ディスプレイ、スピーカ、および触覚デバイスのうちの少なくとも1つを制御して、前記患者の呼吸および/または位置決めを誘導するための視覚命令、音声命令、および触覚命令のうちの少なくとも1つを提供するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から32のいずれか一項に記載のシステム。
【0044】
付記34.前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像システムの撮像動作のタイミングに基づいて、前記患者の前記呼吸および/または前記位置決めを誘導するための前記視覚命令、前記音声命令、および前記触覚命令のうちの前記少なくとも1つを調整するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から33のいずれか一項に記載のシステム。
【0045】
付記35.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記患者の苦痛レベルを決定することと、前記患者が苦痛を感じていると判定したことに応答して、前記患者の前記呼吸および/または前記位置決めを誘導するための前記視覚命令、前記音声命令、および前記触覚命令のうちの前記少なくとも1つを調整することと、を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記1から34のいずれか一項に記載のシステム。
【0046】
付記36.システムであって、患者に関連する流体注入が開始される前に、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのプロセッサであって、前記患者に関連する患者データを取得することと、前記患者データおよび前記センサデータに基づいて、前記患者に施される流体注入に関連する前記患者の初期リスク予測を決定することであって、前記初期リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、前記流体注入が前記患者に施される前に、前記初期リスク予測をユーザデバイスに提供することと、を行うようにプログラムおよび/または構成された、少なくとも1つのプロセッサと、を備える、システム。
【0047】
付記37.システムであって、患者に関連する流体注入が開始された後に、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのプロセッサであって、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定することであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、を行うようにプログラムおよび/または構成された、少なくとも1つのプロセッサと、を備える、システム。
【0048】
付記38.システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、患者に関連するセンサデータであって、前記患者に関連する流体注入が開始された後に決定された、センサデータを取得することと、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定することであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、前記現在のリスク予測に基づいて、(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御することと、を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【0049】
付記39.システムであって、患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのプロセッサであって、前記センサデータに基づいて、前記流体注入の前、間、および間のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者の健康レベルを決定することと、前記患者の前記健康レベルをユーザデバイスに提供することと、を行うようにプログラムおよび/または構成された、少なくとも1つのプロセッサと、を備える、システム。
【0050】
付記40.システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記患者に関連するセンサデータであって、前記患者に関連する流体注入が開始された後に決定された、センサデータを取得することと、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入の間の前記患者の健康レベルを決定することと、前記患者の前記健康レベルをユーザデバイスに提供することと、前記患者の前記健康レベルに基づいて、(i)前記流体注入の最大流量、最大圧力、注入持続時間、流体の総量、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを調整する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御することと、を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【0051】
付記41.システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、アプリケーションプログラムインターフェース(API)を介して、少なくとも1つのユーザデバイスに、患者に施される流体注入に関連する情報を提供することと、前記APIを介して、前記少なくとも1つのユーザデバイスから、前記流体注入の前に、前記患者に関連する患者データを受信することであって、前記患者データは、前記流体注入に関連する少なくとも1つの患者嗜好を含み、前記流体注入に関連する前記少なくとも1つの患者嗜好は、以下の患者嗜好、すなわち、前記流体注入の間の照明嗜好、前記流体注入の間の音声嗜好、前記流体注入の間の温度嗜好、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、受信することと、前記流体注入の間に、前記少なくとも1つの患者嗜好に基づいて、(i)光源、(ii)音源、(iii)触覚デバイス、(iv)暖房、換気、および空調(HVAC)システム、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを自動的に制御することと、を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【0052】
付記42.流体インジェクタおよび医療用撮像装置のうちの少なくとも1つをさらに備え、前記流体インジェクタおよび前記医療用撮像装置のうちの前記少なくとも1つは、(i)前記光源、(ii)前記音源、(iii)前記触覚デバイス、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記41に記載のシステム。
【0053】
付記43.前記光源は、前記流体インジェクタおよび前記医療用撮像装置のうちの前記少なくとも1つのディスプレイを含む、付記41および42に記載のシステム。
【0054】
付記44.前記触覚デバイスは、前記医療用撮像装置のベッドまたはテーブルを含む、付記41から43のいずれか一項に記載のシステム。
【0055】
付記45.前記流体注入の間に、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体注入の間に、前記センサデータに基づいて、(i)前記光源、(ii)前記音源、(iii)前記触覚デバイス、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを自動的に制御して、前記患者の呼吸および/または位置決めを誘導するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記41から44のいずれか一項に記載のシステム。
【0056】
付記46.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体注入の間に、前記医療用撮像装置の撮像動作のタイミングに基づいて、(i)前記光源、(ii)前記音源、(iii)前記触覚デバイス、またはそれらの任意の組み合わせのうちの前記少なくとも1つをさらに自動的に制御する、付記41から45のいずれか一項に記載のシステム。
【0057】
付記47.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記センサデータに基づいて、(i)前記流体注入を停止する流体インジェクタ、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する医療用撮像装置のうちの少なくとも1つを自動的に制御するようにさらにプログラムおよび/または構成されている、付記41から46のいずれか一項に記載のシステム。
【0058】
付記48.システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、アプリケーションプログラムインターフェース(API)を介して、少なくとも1つのユーザデバイスに、患者に施される流体注入に関連する情報を提供することと、前記APIを介して、前記少なくとも1つのユーザデバイスから、前記流体注入の前に、前記患者に関連する患者データを受信することであって、前記患者データは、前記流体注入に関連する少なくとも1つの患者嗜好を含み、少なくとも1つの患者データは、流体注入の間に前記患者が有害事象を経験する確率を評価するためのリスク予測に使用される、受信することと、を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【0059】
付記49.流体インジェクタおよび医療用撮像装置のうちの少なくとも1つをさらに備え、前記流体注入の注入プロトコルおよび前記医療用撮像装置の撮像プロトコルのうちの少なくとも1つのパラメータは、前記少なくとも1つの患者データに基づいて調整される、付記48に記載のシステム。
【0060】
付記50.センサデバイスであって、患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングであって、前記細長いハウジングは、前記患者の四肢を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、可撓性外部を含み、前記細長いハウジングの内部は、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、細長いハウジングと、を備える、センサデバイス。
【0061】
付記51:前記少なくとも1つのセンサおよび前記無線通信デバイスを含む前記細長いハウジングの前記内部は、前記細長いハウジングの前記可撓性外部によって外部環境から流体的に密閉される、付記50に記載のシステム。
【0062】
付記52.前記少なくとも1つのセンサは、複数のセンサを含み、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングの前記第1の端部から前記細長いハウジングの前記第2の端部まで延在する前記細長いハウジングの長さに沿って互いに離間され、それにより、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングが前記患者の前記四肢を取り囲むときに前記患者の前記四肢の周りに円周方向のパターンで配向され、前記複数のセンサは、前記患者の前記四肢の横断面における前記センサデータを決定するように構成されている、付記50および51に記載のシステム。
【0063】
付記53.前記少なくとも1つのセンサは、以下のセンサ、すなわち、画像捕捉デバイス;加速度計;歪みゲージ;全地球測位システム(GPS);皮膚抵抗率またはコンダクタンスセンサ;心拍数モニタ;マイクロフォン;熱センサまたは温度センサ;パルスオキシメータ;水和センサ;線量計;超音波センサ;音響センサ;組織インピーダンス、筋電図(EMG)、および心電図(ECG)のうちの少なくとも1つを測定するように構成された1または複数の電極;マイクロ波センサ;機械インピーダンスセンサ;化学センサ;力センサまたは圧力センサ;あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記50から52のいずれか一項に記載のシステム。
【0064】
付記54.センサデバイスであって、患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者に関連する少なくとも2つの異なるパラメータを測定するように構成された少なくとも2つのセンサと、少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも2つの異なるパラメータに基づいて、(i)患者の苦痛レベル、および(ii)前記流体注入に関連する前記患者のリスク予測のうちの少なくとも1つを決定することであって、前記リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、決定することと、前記患者の苦痛レベルおよび前記リスク予測のうちの前記少なくとも1つをユーザデバイスに提供することと、を行うようにプログラムおよび/または構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備える、センサデバイス。
【0065】
付記55.センサデバイスであって、患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成された少なくとも1つのセンサと、前記患者の手に装着されるように構成された手袋形状のハウジングであって、前記ハウジングは、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、手袋形状のハウジングと、を備える、センサデバイス。
【0066】
付記56.センサデバイスであって、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングと、ワイヤを介して前記細長いハウジングに接続されたパルスオキシメータと、を備え、前記細長いハウジングは、前記患者の手および手首のうちの少なくとも一方を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、無線通信デバイスおよび少なくとも1つのセンサを含み、前記少なくとも1つのセンサは、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、前記パルスオキシメータと、前記皮膚抵抗センサ、前記加速度計、前記温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの前記少なくとも1つとは、患者に関連する流体注入の前、間、および後のうちの少なくとも1つにおいて、前記患者に関連するセンサデータを決定するように構成され、前記無線通信デバイスは、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するように構成されている、センサデバイス。
【0067】
付記57.方法であって、少なくとも1つのプロセッサを用いて、患者に関連する患者データを取得するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者データに基づいて、前記患者に施される流体注入に関連する前記患者の初期リスク予測を決定するステップであって、前記初期リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、ステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が前記患者に施される前に、前記初期リスク予測をユーザデバイスに提供するステップと、少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入が開始された後に、前記患者に関連するセンサデータを決定するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定するステップであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して前記少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む、ステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、を含む、方法。
【0068】
付記58.前記患者データは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、年齢、性別、体重、以前の化学療法状態、推定糸球体濾過量(eGFR)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル、トリヨードサイロニン(FT3)チロキシン(FT4)比(FT3/FT4)、環境影響のレベル、以前の流体注入状態に対する事前反応、アトピー性疾患状態、糖尿病および高血圧のうちの少なくとも1つに関連する医療状態、鬱血性心不全状態、ヘマトクリットレベル、腎不全状態、悪性腫瘍状態、中心静脈アクセス状態のための埋込デバイス、薬剤の種類、前記流体注入において投与される流体媒体の種類、前記流体注入の種類、画像検査の種類、前記流体注入に関連する流速、前記流体注入に関連するカテーテルゲージ、前記流体注入に関連する流体の総体積、前記流体注入に関連する圧力曲線、前記流体注入に関連する注入部位場所、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記57に記載の方法。
【0069】
付記59.前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出、造影後急性腎傷害、急性有害事象、造影剤誘発腎毒性、甲状腺中毒症、またはそれらの任意の組み合わせの有害事象のうちの少なくとも1つを含む、付記57および58に記載の方法。
【0070】
付記60.前記初期リスク予測は、前記流体注入前に前記患者に薬剤を投与するためのプロンプト、前記流体注入のための注入プロトコルを調整するためのプロンプト、撮像スキャンのための撮像プロトコルを調整するためのプロンプト、前記流体注入前に前記患者を準備するためのプロンプト、前記流体注入後に前記患者を観察および/もしくはフォローアップするためのプロンプト、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含む、付記57から59のいずれか一項に記載の方法。
【0071】
付記61.前記センサデータは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、心拍数、音もしくは振動、温度、酸素飽和度、ECG、体脂肪/水分比、組織インピーダンス、血管分布レベル、血管径、水和レベル、ヘマトクリットレベル、皮膚抵抗率、血圧、筋張力レベル、光吸収率レベル、運動レベル、腕の位置、腕の周囲、呼吸数、放射線吸収量、EMG、皮膚の色、表面血管拡張量、生体インピーダンス、光吸収率、ヘモグロビンレベル、炎症レベル、前記患者の周囲の環境の環境温度、前記患者の周囲の環境の気圧、周囲光レベル、周囲音レベル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記57から60のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
付記62.前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入の前に前記患者に施される検査注入の間に、前記センサデータを決定するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記検査注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、検査予測を決定するステップであって、前記検査予測は、前記患者が前記流体注入に応答して血管外漏出を経験する確率を含む、ステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記検査予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、をさらに含む、付記57から61のいずれか一項に記載の方法。
【0073】
付記63.前記少なくとも1つのセンサは、前記検査注入のための注入部位に近接する前記患者の四肢上の3つの異なる場所に配置された3つの音または振動センサを含み、前記方法は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、三角測量を通して、前記3つの音または振動センサのうちの各音または振動センサからの前記センサデータのデータストリームを組み合わせて、結合データストリームを作成するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記結合データストリームに基づいて、前記検査予測を決定するステップと、をさらに含む、付記57から62のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
付記64.前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記検査注入の前に前記センサデータを決定するステップをさらに含み、前記初期リスク予測を決定するステップは、前記検査注入の前に決定された前記センサデータにさらに基づく、付記57から63のいずれか一項記載の方法。
【0075】
付記65.前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入の間に前記センサデータを決定するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の前記現在のリスク予測を決定するステップと、前記流体注入の間に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、をさらに含む、付記57から64のいずれか一項に記載の方法。
【0076】
付記66.前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入の後に前記センサデータを決定するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入の後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の前記現在のリスク予測を決定するステップと、前記流体注入の後に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、をさらに含む、付記57から65のいずれか一項に記載の方法。
【0077】
付記67.前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み、前記現在のリスク予測を提供するステップは、前記患者が前記血管外漏出を経験していると判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止するステップをさらに含む、付記57から66のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
付記68.前記少なくとも1つのセンサは、以下のセンサ、すなわち、画像捕捉デバイス;加速度計;歪みゲージ;全地球測位システム(GPS);皮膚抵抗率またはコンダクタンスセンサ;心拍数モニタ;マイクロフォン;熱センサまたは温度センサ;パルスオキシメータ;水和センサ;線量計;超音波センサ;音響センサ;組織インピーダンス、筋電図(EMG)、および心電図(ECG)のうちの少なくとも1つを測定するように構成された1または複数の電極;マイクロ波センサ;機械インピーダンスセンサ;化学センサ;力センサまたは圧力センサ;あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記57から67のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
付記69.前記少なくとも1つのセンサは、センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングを含み、前記細長いハウジングは、患者の四肢を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、可撓性外部を含み、前記細長いハウジングの内部は、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記方法は、前記無線通信デバイスを用いて、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するステップをさらに含む、付記57から68のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
付記70.前記少なくとも1つのセンサおよび前記無線通信デバイスを含む前記細長いハウジングの前記内部は、前記細長いハウジングの前記可撓性外部によって外部環境から流体的に密閉される、付記57から69のいずれか一項に記載の方法。
【0081】
付記71.前記少なくとも1つのセンサは、複数のセンサを含み、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングの前記第1の端部から前記細長いハウジングの前記第2の端部まで延在する前記細長いハウジングの長さに沿って互いに離間され、それにより、前記複数のセンサは、前記細長いハウジングが前記患者の前記四肢を取り囲むときに前記患者の前記四肢の周りに円周方向のパターンで配向され、前記方法は、前記複数のセンサを用いて、前記患者の前記四肢の横断面における前記センサデータを決定するステップをさらに含む、付記57から70のいずれか一項に記載の方法。
【0082】
付記72.前記少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み、前記少なくとも1つのセンサは、画像捕捉デバイスを含み、前記方法は、前記画像捕捉デバイスを用いて、前記センサデータを決定するステップであって、前記画像捕捉デバイスによって決定された前記センサデータは、一定期間にわたる前記患者の複数の画像に関連付けられる、ステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記一定期間にわたる前記患者の前記複数の画像に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定するステップと、をさらに含む、付記57から71のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
付記73.前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記一定期間にわたって前記患者の前記複数の画像を処理して、前記複数の画像間の色および動きのうちの少なくとも1つの変化を強調するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記強調された変化を含む前記複数の画像をディスプレイでユーザに表示するステップ、および前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記強調された変化に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定し、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が閾値確率を満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止するステップのうちの少なくとも1つと、をさらに含む、付記57から72のいずれか一項に記載の方法。
【0084】
付記74.前記画像捕捉デバイスは、赤外線(IR)カメラを含み、前記方法は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記複数の画像を処理して、前記複数の画像内の前記患者上の第1の場所と前記患者上の第2の場所との間の吸収スペクトルの差を決定するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者上の前記第1の場所と前記患者上の前記第2の場所との間の吸収スペクトルの前記差をディスプレイでユーザに表示するステップ、および前記患者上の前記第1の場所と前記患者上の前記第2の場所との間の吸収スペクトルの前記差に基づいて、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定し、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が少なくとも1つの閾値確率を満たすと判定したことに応答して、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止するステップのうちの少なくとも1つと、をさらに含む、付記57から73のいずれか一項に記載の方法。
【0085】
付記75.前記患者上の前記第1の場所は、前記患者の血管を含み、前記患者上の前記第2の場所は、前記患者の前記血管を取り囲む前記患者の組織を含む、付記57から74のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
付記76.前記流体注入の間に、音生成デバイスを用いて、前記流体注入の間に前記患者に送達される流体の中に音信号を誘発するステップをさらに含む、付記57から75のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
付記77.前記音生成デバイスは、前記流体注入の間に前記流体を前記患者に送達する注射器および管のうちの少なくとも1つに接続された発振器を含む、付記57から76のいずれか一項に記載の方法。
【0088】
付記78.前記音信号の周波数および振幅のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのセンサによる検出を向上させるように調整される、付記57から77のいずれか一項に記載の方法。
【0089】
付記79.前記少なくとも1つのセンサは、音または振動センサを含み、前記方法は、前記音または振動センサを用いて、前記患者の音または振動の周波数および振幅のうちの少なくとも1つを測定するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者の前記測定された音または振動の前記周波数および前記振幅のうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記患者が血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測を決定するステップと、前記患者が前記血管外漏出を経験する前記確率を含む前記現在のリスク予測が少なくとも1つの閾値確率を満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体注入システムを自動的に制御して前記流体注入を停止するステップと、をさらに含む、付記57から78のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
付記80.前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、患者の苦痛レベルを決定するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者の苦痛レベルを少なくとも1つの閾値レベルと比較するステップと、前記患者の苦痛レベルが前記少なくとも1つの閾値レベルを満たすと判定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザデバイスに警告を提供するステップ、および前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御するステップのうちの少なくとも1つと、をさらに含む、付記57から79のいずれか一項に記載の方法。
【0091】
付記81.前記患者の苦痛レベルを決定する前記ステップは、一定期間にわたって前記センサデータの1または複数のパラメータの変化を決定するステップと、前記1または複数のパラメータの前記変化を少なくとも1つの閾値変化と比較するステップと、を含む、付記57から80のいずれか一項に記載の方法。
【0092】
付記82.前記センサデータは、前記患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、心拍数、酸素飽和度、皮膚抵抗率、皮膚色、運動レベル、注入部位に近接する温度、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、付記57から81のいずれか一項に記載の方法。
【0093】
付記83.前記少なくとも1つのセンサは、パルスオキシメータ、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのセンサのうちの少なくとも1つを含む、付記57から82のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
付記84.前記少なくとも1つのセンサは、センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、前記患者の手に装着されるように構成された手袋形状のハウジングを含み、前記ハウジングは、前記少なくとも1つのセンサと、無線通信デバイスと、を含み、前記方法は、前記無線通信デバイスを用いて、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するステップをさらに含む、付記57から83のいずれか一項に記載の方法。
【0095】
付記85.前記少なくとも1つのセンサは、センサデバイスに含まれ、前記センサデバイスは、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長いハウジングと、ワイヤを介して前記細長いハウジングに接続されたパルスオキシメータと、含み、前記細長いハウジングは、患者の手および手首のうちの少なくとも一方を取り囲むように構成され、前記細長いハウジングは、無線通信デバイスと、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つと、を含み、前記方法は、前記パルスオキシメータと、前記皮膚抵抗センサ、前記加速度計、前記温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの前記少なくとも1つとを用いて、前記センサデータを決定するステップと、前記無線通信デバイスを用いて、前記センサデータを外部デバイスに無線伝送するステップと、をさらに含む、付記57から84のいずれか一項に記載の方法。
【0096】
付記86.前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、光、ディスプレイ、スピーカ、および触覚デバイスのうちの少なくとも1つを制御して、前記患者の呼吸および/または位置決めを誘導するための視覚命令、音声命令、および触覚命令のうちの少なくとも1つを提供するステップをさらに含む、付記57から85のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
付記87.前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、撮像システムの撮像動作のタイミングに基づいて、前記患者の前記呼吸および/または位置決めを誘導するための前記視覚命令、前記音声命令、および前記触覚命令のうちの前記少なくとも1つを調整するステップをさらに含む、付記57から86のいずれか一項に記載の方法。
【0098】
付記88.前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、患者の苦痛レベルを決定するステップと、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者が苦痛を感じていると判定したことに応答して、前記患者の前記呼吸および/または前記位置決めを誘導するための前記視覚命令、前記音声命令、および前記触覚命令のうちの前記少なくとも1つを調整するステップと、をさらに含む、付記57から87のいずれか一項に記載の方法。
【0099】
付記89.前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記現在のリスク予測に基づいて、(i)前記流体注入を停止する流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システムのうちの少なくとも1つを自動的に制御するステップをさらに含む、付記57から88のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
さらなる利点および詳細は、添付の概略図に示される例示的な実施形態を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
図1A】本明細書に記載のシステム、デバイス、製品、装置、および/または方法が実装され得る環境の非限定的な実施形態または態様の図である。
図1B図1Aの環境の実装形態の非限定的な実施形態または態様の図である。
図2図1Aおよび図1Bの1または複数のデバイスおよび/または1または複数のシステムの構成要素の非限定的な実施形態または態様の図である。
図3】流体注入のために患者の健康を保護するためのプロセスの非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。
図4A】接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図4B】接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図4C】接触センサデバイスの構成要素の非限定的な実施形態または態様の図である。
図4D】患者の四肢に取り付けられた接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図4E】患者の四肢に取り付けられた接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の断面図である。
図5A】流体注入のために患者の健康を保護するためのプロセスの非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。
図5B】流体注入のために患者の健康を保護するためのプロセスの非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。
図6】流体注入のために患者の健康を保護するためのプロセスの非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。
図7】音生成デバイスを含む流体インジェクタの実装形態の非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図8A】接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図8B】接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図8C】接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図8D】接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図8E】接触センサデバイスの非限定的な実施形態または態様の斜視図である。
図9】流体注入のために患者の健康を保護するためのプロセスの非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。
図10】流体注入のために患者の健康を保護するためのプロセスの非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。
図11】患者の呼吸を誘導するための視覚命令の非限定的な実施形態または態様を示す。
図12】流体注入のために患者の健康を保護するためのデータ処理の非限定的な実施形態または態様の図である。
図13A】ユーザデバイスを介してアクセス可能な患者ポータルアプリケーションの非限定的な実施形態または態様を示す。
図13B】ユーザデバイスを介してアクセス可能な患者ポータルアプリケーションの非限定的な実施形態または態様を示す。
図14A】ユーザデバイスを介してアクセス可能な患者ポータルアプリケーションの非限定的な実施形態または態様を示す。
図14B】ユーザデバイスを介してアクセス可能な患者ポータルアプリケーションの非限定的な実施形態または態様を示す。
図14C】ユーザデバイスを介してアクセス可能な患者ポータルアプリケーションの非限定的な実施形態または態様を示す。
図15A】ユーザデバイスを介してアクセス可能な患者ポータルアプリケーションの非限定的な実施形態または態様を示す。
図15B】ユーザデバイスを介してアクセス可能な患者ポータルアプリケーションの非限定的な実施形態または態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0102】
本開示は、明示的に反対に指定されている場合を除いて、様々な代替の変形およびステップシーケンスを想定し得ることを理解されたい。添付の図面に示され、以下の明細書で説明される特定のデバイスおよびプロセスは、単に例示的であり、非限定的な実施形態または態様であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態または態様に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、限定的であると見なされるべきではない。
【0103】
同様に、造影剤注入は、血管内に注入される薬物または医薬品の単なる例示であり、その注入は、本開示の非限定的な実施形態または態様の使用から利益を得ることができることも理解されたい。造影剤に加えて、または造影剤の代わりに、例示的な血管内注入物には、任意の撮像剤、生理食塩水、任意のフラッシング流体、ストレス剤、化学療法剤、放射線療法剤、鎮痙剤または鎮痙剤、血栓溶解剤、抗血栓剤、抗生物質、静脈内免疫グロブリン(IVIG)、非経口栄養、鎮痛剤、および/または放射性医薬品が含まれ得る。同様に、本開示のデバイス、システム、およびプロセスの使用は、撮像室に限定されず、例えば、他の医療施設、患者の自宅などを含む、血管内注入が行われるあらゆる場所で有用であり得る。
【0104】
以下の説明の目的のために、用語「端部」、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」、およびそれらの派生語は、それらが図面において配向されている実施形態または態様に関連するものとする。しかしながら、実施形態または態様は、明示的に反対に指定されている場合を除いて、種々の代替の変形形態およびステップシーケンスを想定し得ることを理解されたい。添付の図面に示され、以下の明細書で説明される特定のデバイスおよびプロセスは、単に非限定的な例示的な実施形態または態様であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態または態様の実施形態または態様に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、別段の指示がない限り、限定的であると見なされるべきではない。
【0105】
本明細書で使用される態様、構成要素、要素、構造、動作、ステップ、機能、命令などは、そのように明示的に記載されない限り、重要または必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用されるように、冠詞「a」および「an」は、1または複数の項目を含むことが意図され、「1または複数」および「少なくとも1つ」と交換可能に使用され得る。さらに、本明細書で使用される場合、「セット」という用語は、1または複数の項目(例えば、関連する項目、関連しない項目、関連する項目と関連しない項目の組み合わせなど)を含むことが意図され、「1または複数」または「少なくとも1つ」と交換可能に使用され得る。1つの項目のみが意図される場合、「1つの」という用語または同様の言語が使用される。また、本明細書で使用される場合、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」などの用語は、オープンエンドの用語であることが意図される。さらに、「に基づいて」という語句は、特に明記されない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意図される。
【0106】
本明細書で使用されるように、「通信」および「通信する」という用語は、情報(例えば、データ、信号、メッセージ、命令、コマンドなど)の受信、受け取り、伝送、転送、提供などを指し得る。1つのユニット(例えば、デバイス、システム、デバイスもしくはシステムの構成要素、それらの組み合わせなど)が別のユニットと通信することは、1つのユニットが、他のユニットから情報を直接的または間接的に受信し、かつ/または他のユニットに情報を伝送することが可能であることを意味する。これは、本質的に有線および/または無線である直接的または間接的な接続を指し得る。加えて、2つのユニットは、伝送された情報が、第1のユニットと第2のユニットとの間で修正、処理、中継、および/またはルーティングされ得る場合であっても、相互に通信することができる。例えば、第1のユニットが情報を受動的に受信し、第2のユニットに情報を能動的に伝送しない場合であっても、第1のユニットは第2のユニットと通信することができる。別の例として、少なくとも1つの中間ユニット(例えば、第1のユニットと第2のユニットとの間に情報的に位置する第3のユニット)が第1のユニットから受信された情報を処理し、処理された情報を第2のユニットに通信する場合、第1のユニットは第2のユニットと通信することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、メッセージは、データを含むネットワークパケット(例えば、データパケットなど)を指すことがある。多数の他の構成が可能であることが理解されるであろう。第1のユニットと第2のユニットとの間の通信は、例えば人間が手動でまたは口頭で情報を通信することを含む、任意の媒体または媒介物を介して行われてもよい。
【0107】
本明細書で使用される場合、「コンピューティングデバイス」という用語は、1または複数のネットワークと通信するか、または1または複数のネットワークを介して直接的または間接的に通信するように構成された1または複数の電子デバイスを指し得る。コンピューティングデバイスは、モバイルまたはポータブルコンピューティングデバイス、デスクトップコンピュータ、サーバなどであり得る。さらに、「コンピュータ」という用語は、データを受信し、処理し、出力するために必要な構成要素を含み、通常、ディスプレイ、プロセッサ、メモリ、入力デバイス、およびネットワークインターフェースを含む、任意のコンピューティングデバイスを指し得る。「コンピューティングシステム」は、1または複数のコンピューティングデバイスまたはコンピュータを含み得る。「アプリケーション」または「アプリケーションプログラムインターフェース」(API)は、クライアントからデータを受信するためのクライアント側フロントエンドおよび/またはサーバ側バックエンドなどのソフトウェア構成要素間の相互作用を容易にするためにプロセッサによって実行され得る、コンピュータ可読媒体上に分類されたコンピュータコードまたは他のデータを指す。「インターフェース」は、ユーザが直接または間接的に(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを通して)相互作用し得る、1または複数のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)などの生成されたディスプレイを指す。さらに、ネットワーク環境において直接的または間接的に通信する複数のコンピュータ、例えば、サーバ、または他のコンピュータ化されたデバイスは、「システム」または「コンピューティングシステム」を構成し得る。
【0108】
本明細書で使用されるように、ユーザ、医師、医療従事者、および/または介護者などの用語は、本開示のデバイス、システム、およびプロセスに関連する任意の人、および/または患者自身もしくは患者の保護者もしくは代理人を含む、患者の介護を補助している任意の人を含み得る。例えば、これらの用語は、医師、担当医師、放射線科医、看護師、技師、放射線科医、癌専門医、放射線技師、ソーシャルサービスワーカー、助手、ボランティア、家族などの人を含むことが意図される。ユーザはまた、病院または放射線管理者、事務員、監督機関、保険または支払会社の従業員などの医療提供または支払システムにおける従業員、および非限定的な実施形態または態様によって使用される情報を所有、管理、および/または提供し得る、もしくは本システムによって提供される情報から利益を享受し得る他の者を含んでもよい。
【0109】
本明細書で説明されるシステムおよび/または方法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせの異なる形態で実装され得ることが明らかであろう。これらのシステムおよび/または方法を実装するために使用される実際の専用制御ハードウェアまたはソフトウェアコードは、実装形態を限定するものではない。したがって、システムおよび/または方法の動作および挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなく本明細書で説明され、ソフトウェアおよびハードウェアは、本明細書の説明に基づいてシステムおよび/または方法を実装するように設計され得ることが理解される。
【0110】
一部の非限定的な実施形態または態様は、閾値に関連して本明細書で説明される。本明細書で使用される場合、閾値を満たすことは、値が閾値よりも大きい(greater than the threshold)、閾値よりも大きい(more than the threshold)、閾値よりも高い、閾値以上、閾値未満、閾値よりも小さい、閾値よりも低い、閾値以下、閾値と等しいなどの値を指すことができる。特に明記しない限り、閾値は例示的なものであり、例えば、関与する患者集団に基づいて依存または変化し得る。
【0111】
ここで図1Aを参照すると、図1Aは、本明細書で説明されるシステム、デバイス、製品、装置、および/または方法が実装され得る例示的な環境100の図である。図1Aに示すように、環境100は、流体インジェクタシステム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、管理システム110、補助システム112、および/または通信ネットワーク114を含む。図1Bも参照すると、図1Bは、図1Aの環境100の実装形態150の非限定的な実施形態または態様の図である。図1Bに示すように、実装形態150は、インジェクタ152、インジェクタ制御計算システム154、インジェクタユーザインターフェース156、撮像装置158、撮像装置制御計算システム160、撮像装置ユーザインターフェース162、1個または複数の接触センサ164a、1個または複数の非接触センサ164b、制御計算システム166、1個または複数の病院情報システム168、クラウドコンピューティングおよびオフサイトリソース170、および/または管理ユーザインターフェース172を含み得る。環境100および/または実装形態150のシステムおよび/またはデバイスは、有線接続、無線接続、または有線および無線接続の組み合わせを介して(例えば、通信ネットワーク114などを介して)相互接続(例えば、情報および/またはデータなどを通信)し得る。
【0112】
流体注入システム102は、1または複数の注入プロトコルを設定し、1または複数の注入プロトコルに従って1または複数の流体(例えば、造影剤など)を患者に送達するように構成される、1または複数のデバイス、ソフトウェア、および/またはハードウェアを含み得る。注入プロトコルは、概して、1または複数のフェーズを含み、各フェーズは、注入されるべき流体および所望により流体濃度と、注入のそのフェーズの流速、体積、および持続時間のうちの2つとを規定する(例えば、注入される体積=流速×持続時間であるため、それらの3つのパラメータから2つの独立変数のみが存在する)。他の注入パラメータは、異なるフェーズに対して異なっていてもよく、または全てのフェーズに対して一定であってもよく、圧力限界、流量限界、閉塞指示、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。一部のインジェクタは、注入パラメータの1つ、一部、または全ての時間変化値を有するように構成され得る。例えば、流体注入システム102は、インジェクタ152、インジェクタ制御計算システム154、および/またはインジェクタユーザインターフェース156を含んでもよい。一例として、流体注入システム102は、米国特許第6,643,537号および/もしくは同第7,937,134号に記載されているような、ならびに/または公開された国際出願第WO2019046299A1号に記載されているような造影剤注入システムを含んでもよく、これらの各々の内容全体は、参照により本明細書に援用される。一例として、流体注入システム102は、MEDRAD(登録商標)Stellant FLEX CT Injection System、MEDRAD(登録商標)MRXperion MR Injection System、MEDRAD(登録商標)Mark 7 Arterion Injection System、MEDRAD(登録商標)Intego PET Infusion System、MEDRAD(登録商標)Spectris Solaris EP MR Injection System、MEDRAD(登録商標)Stellant CT Injection System With Certegra(登録商標)Workstationなどを含み得る。
【0113】
撮像システム104は、撮像プロトコルを設定し、患者の非造影スキャンおよび造影スキャンを取得するように構成された1または複数のデバイス、ソフトウェア、および/またはハードウェアを含み得る。例えば、撮像システム104は、撮像装置158、撮像装置制御計算システム160、および/または撮像装置ユーザインターフェース162を含んでもよい。一例として、撮像システム104は、磁気共鳴撮像(MRI)システム、コンピュータ断層撮影(CT)システム、超音波システム、単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)システム、陽電子放出断層撮影-磁気共鳴(PET/MRI)システム、陽電子放出断層撮影-コンピュータ断層撮影(PET/CT)システム、血管造影システム、介入放射線(IR)システム、および/または人間もしくは動物に使用される他の撮像モダリティを含んでもよい。一例として、撮像システム104は、2019年12月11日に出願された米国特許出願公開第2020/0146647A1号に記載されているような撮像システムを含むことができ、その内容全体が参照により本明細書に援用される。一部の非限定的な実施形態または態様は、撮像システム104は、Siemens HealthineersのSomatom Go CT Systems、General ElectricのSigna MR Systemsなどを含み得る。
【0114】
センサシステム106は、患者および/または患者のための流体注入(例えば、造影剤注入など)に関連するセンサデータを決定(例えば、判定、収集、取得、捕捉、測定、感知など)するように構成される、1個または複数のセンサ164を含み得る。例えば、センサシステム106は、1個または複数の接触センサ164a(例えば、センサデータを決定するために患者に接触するセンサ、患者によって装着可能な接触センサデバイス400および/または800に含まれるセンサなど)ならびに/あるいは非接触センサ164b(例えば、センサデータを決定するために患者に接触しないセンサデバイスなど)を含んでもよい。
【0115】
接触センサ164aは、以下のセンサ、すなわち加速度計;歪みゲージ;全地球測位システム(GPS);皮膚抵抗率またはコンダクタンスセンサ;心拍数モニタ;マイクロフォン(例えば、患者の組織内の音、例えば、造影剤、生理食塩水、または血管内の他の薬物の流入音などを測定するように構成されたマイクロフォン);熱センサまたは温度センサ(例えば、注入された生理食塩水および/または造影流体などによる組織温度の変化を測定するように構成される温度センサ);パルスオキシメータ(例えば、脈拍数、酸素化レベルの変化、患者の水分補給、および/または局所組織灌流などを測定するように構成されたパルスオキシメータ);水和センサ;線量計;エピウォッチ;超音波センサ;音響センサ(例えば、音波音響センサ、超低周波音響センサなど);組織インピーダンスを測定し、筋電図(EMG)および/または心電図(ECGまたはEKG)を行うように構成された1または複数の電極;呼吸測定センサ;マイクロ波センサ;機械的インピーダンスセンサ;化学センサ;力センサまたは圧力センサ;あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、接触センサ164aは、本明細書で説明されるような接触センサデバイス400および/または接触センサデバイス800に含まれ得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、接触センサ164aは、以下の場所、すなわち、カテーテル(例えば、カテーテルの先端など)、患者のカテーテルの先端を覆う患者の腕、患者の注入部位またはカテーテルの先端に近接する患者の腕、カテーテルの上流のコネクタチューブ、患者の身体の別の部分、注入部位を取り囲む領域、あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに含まれてもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、接触センサ164aは、単一のセンサを含む単一のデバイス、複数のセンサを含む単一のデバイス、および/または単一のセンサもしくは複数のセンサのいずれかを含む複数のデバイスを含み得る。既存のセンサを含む既存のデバイスは、センサシステム106の非限定的な実施形態または態様に組み込まれてもよく、かつ/またはセンサシステム106に測定値を提供してもよい。例示的な既存のデバイスは、患者が装着し得るAppleウォッチ、Fitbitエクササイズモニタなど、撮像システム104の一部であり得るECGまたは呼吸モニタ、パルスオキシメータ、または撮像室ならびに/または医療施設において既に利用可能および/もしくは使用中であり得る他のモニタリング機器などを含み得る。
【0116】
非接触センサ164bは、カメラ(例えば、可視光カメラ、赤外線(IR)カメラなど)、LiDARセンサ、またはそれらの任意の組み合わせなどの、一定期間にわたって患者の複数の画像(例えば、注入部位および/または注入部位を取り囲む領域の画像など)を捕捉するように構成された1または複数の画像捕捉デバイスを含み得る。IRカメラは、以下のIRカメラ、すなわち、近IR波長を有する光を捕捉するように構成された近IRカメラ(例えば、シリコンセンシングなど)、短IR波長を有する光を捕捉するためのスペクトル撮像装置として構成された短波長IRカメラ、中IR波長を有する光を捕捉するように構成された中波長IRカメラ、長IR波長を有する光を捕捉するように構成された長波長IRカメラ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0117】
一部の非限定的な実施形態または態様では、非接触センサ164bは、周囲照明を使用して画像を捕捉するように構成された画像捕捉デバイスを含み得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、非接触センサ164bは、画像を捕捉する際に画像捕捉デバイスによって使用するために、画像捕捉デバイスのための以下の種類の照明、すなわち、追加の周囲照明、(例えば、注入部位などにおける)局所的な追加の照明、組織を通した照明、投影パターンもしくはグリッド、交差投影、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを提供するように構成された1または複数の照明デバイスを含み得る。例えば、非接触センサ164bは、2020年11月23日に出願された国際特許出願第PCT/US2020/061733号に記載されるようなカメラを含んでもよく、その内容は参照によりその全体が本明細書に援用される。非接触センサ164bは、両眼視または3D視覚を提供するために2つ以上のカメラを継続することができ、これにより、腫脹、3Dにおける全体運動、または3Dにおける振動もしくは小運動などの現象の3D判定が可能となり得る。
【0118】
一部の非限定的な実施形態または態様では、非接触センサ164bは、撮像装置158上、インジェクタ152上、患者のベッド上、台座ポール上、調整可能な頭上カウンターポイズ上、天井などに取り付けることができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、非接触センサ164bは、流体注入(例えば、造影剤注入など)および/または撮像検査中に患者によって保持され得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、非接触センサ164bは、所望の視野にパンおよびズームするために、(例えば、ユーザデバイス108などを介して)ユーザによって遠隔制御され得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、センサシステム106は、注入部位を含む患者の四肢(例えば、腕、脚、手、足など)を自動的に追跡するために、1または複数の物体追跡技術を使用して非接触センサ164bを制御することができる。
【0119】
一部の非限定的な実施形態または態様では、流体注入システム102、撮像システム104、ユーザデバイス108、および/または補助システム112は、患者および/または患者のための流体注入(例えば、造影剤注入など)に関連するセンサデータを決定し、かつ/または患者および/または患者のための流体注入に関連するセンサデータを決定するように構成された1または複数の追加のセンサによって決定されたセンサデータを記憶および/または提供するように構成された1または複数の追加のセンサ(例えば、接触センサ164a、非接触センサ164bなど)を含み得る。例示的なセンサは、それぞれ患者の呼吸および/または心拍に関連して注入および/または画像取得を可能にするための呼吸バンドおよび/またはECG電極を含み得る。
【0120】
ここで図4Aおよび図4Bを参照すると、図4Aおよび図4Bは、接触センサデバイス400の非限定的な実施形態または態様の斜視図である。センサシステム106は、接触センサデバイス400を含むことができ、かつ/または接触センサデバイス400は、患者および/または患者のための流体注入に関連するセンサデータを決定するように構成される、センサシステム106の接触センサ164aのうちの少なくとも1つの接触センサ402を含み得る。図4Cも参照すると、接触センサデバイス400は、接触センサ402、通信デバイス406、プロセッサ408、ユーザ入力/フィードバックデバイス410、および/またはバッテリ412を収容するハウジング404を含み得る。ハウジング404は、接触センサ402、通信デバイス406、プロセッサ408、ユーザ入力/フィードバックデバイス410、および/もしくはバッテリ412、ならびに/またはそれらの電子構成要素が、接触センサデバイス400を取り囲む外部環境から密閉されるように、かつ/または接触センサデバイス400が、容易に消毒され、複数患者使用に適格であり得るように、接触センサ402、通信デバイス406、プロセッサ408、ユーザ入力/フィードバックデバイス410、および/またはバッテリ412を含むハウジング404の内部と、ハウジング404の外部との間に防水シールを提供することができる。ハウジング404は、第1の端部405aと第2の端部405bとの間に延在する細長い形状を有し得る。例えば、図4Dに示すように、ハウジング404は、流体注入および/または検査(例えば、MRI検査、CT検査など)の前、間、および/または後に患者データに関連するセンサデータを測定するために、患者の四肢(例えば、腕、脚など)上の注入部位の近位に取り付けられるように構成された、患者が着用可能なブレスレット形状を含んでもよい。一例として、ハウジング404は、患者の四肢を取り囲むように屈曲または湾曲するように構成され、接触センサ402、通信デバイス406、プロセッサ408、ユーザ入力/フィードバックデバイス410、および/またはバッテリ412および/またはその電子構成要素を内部に収容し、接触センサデバイス400の内部構成要素を外部環境から流体的に封止する、可撓性の外装またはフレーム(例えば、抗菌シリコーンの外装またはフレームなど)を含み得る。一例として、ハウジング404は、1個または複数のセンサを適切な力または圧力で皮膚に付勢する1個または複数の弾性部材(例えば、金属、プラスチック、または発泡体)を含み得る。弾性部材はまた、患者の四肢を把持することを補助する形状にハウジングを付勢することができる。
【0121】
一部の非限定的な実施形態または態様では、図4Dに示すように、接触センサデバイス400は、接触センサデバイス400を相互汚染(例えば、患者から患者へ、または技術者の手を介してなど)から保護するために、ハウジング404を取り囲み、覆い、または皮膚接触から分離するように構成された取り外し可能なストリップまたはシース450を含み得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、接触センサデバイス400は、印刷されたセンサ402と、注入部位に隣接する患者の皮膚に(例えば、接着層などを介して)接着することができる印刷されたセンサパッドまたはハウジング404を含む、使い捨てまたは単回使用デバイスであってもよい。
【0122】
一部の非限定的な実施形態または態様では、ハウジング404は、患者が四肢(例えば、腕など)を曲げることを防止または制限し、それによって静脈および/またはカテーテルを締め付けるか、または静脈からカテーテルを取り除くことによって、患者の四肢を固定するように構成することができる。例えば、ハウジング404は、肘装具または外骨格として構成されてもよい。一例として、ハウジング404はまた、1個または複数の非接触センサ164bによる注入部位の観察を容易にするために注入部位を固定してもよい。
【0123】
一部の非限定的な実施形態または態様では、ハウジング404は、可撓性パッチ、布ストリップ、接着コネクタ、機械的ラッチ、血圧カフ、Velcro(登録商標)タイプのアタッチメントなどの面ファスナ、および/または吸着カップなどの取り外し可能および/または使い捨ての取り付け手段を含み得る。例えば、接触センサデバイス400は、物理的位置合わせ印を介してBD Tegaderm(商標)Transparent Film Dressingなどの被覆材に、別のデバイス(例えば、インジェクタ152、撮像装置158、使い捨て被覆材など)に、かつ/または患者に取り付けるように構成されてもよい。一例として、ハウジング404は、ハウジング404を患者に取り付けるために接続された接着剤を含む円筒またはホッケーパック形状を有することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、ハウジング404は、使用者が注入部位に隣接する患者の皮膚を視覚的に検査することを可能にする透明な使い捨てバンドを含み得る。ハウジング404の種々のセグメントの単一の形状または複数の形状に応じて、ハウジング404および/または1個または複数の接触センサ164aを患者と適切に接触させるように構成された取り付け機構は、皮膚に適合する両面接着テープ、使い捨てのストラップまたはバンド、使い捨ての隔離パッチまたは要素を有するストラップ(腕に相当量の毛がある患者に特に有用であり得る)、血圧カフと同様の所望の非閉塞圧力まで膨張されるラップ、「スラップ」ブレスレットのような弾性力、注入部位付近の皮膚の目視検査を可能にするために所望により使い捨ておよび/または透明であり得るエラストマーバンドまたはブレスレット、および/またはTegaderm(商標)または既存のデバイス上の物理的な印を介した患者の腕上の同様の既存のデバイスへのアタッチメントを含み得る。加えて、または代替として、ハウジング404および/または1個または複数の接触センサ164aは、患者に機械的に取り付けられなくてもよく、患者をハウジング404および/または1個または複数の接触センサ164a上に横臥させることによって、あるいは患者の腕をハウジング404および/または1個または複数の接触センサ164a上に配置することによって、患者と接触して保持されてもよい。ハウジング404および/または1個または複数の接触センサ164aはまた、患者上に緩めて置かれてもよい。これらの場合、重力により、かつ/または患者の努力により、ハウジング404および/または1個または複数の接触センサ164aが患者と接触して保持されてもよい。
【0124】
非接触センサ164bは患者に接触する必要がないので、非接触センサ164bの滅菌性および/または相互汚染の懸念は比較的低いものとなる。使い捨て取り付けバリア;接触センサデバイス400および/または接触センサ164aの接触態様(例えば、電極、ハウジング404など)の消毒ワイプまたはスプレーによる洗浄;滅菌デバイス、例えば、UVランプ、オゾン処理、または消毒ワイプステーションも含み得る、患者間で接触センサデバイス400および/または接触センサ164aを保持し、所望により貯蔵および/または充電するための「ホームベース」またはマウント;自己滅菌表面、例えば、銀ナノ粒子表面またはフィルムの包含物;接触センサデバイス400および/または接触センサ164aが使用前に滑り込み得るシース;患者皮膚と接触センサデバイス400および/または接触センサ164aとの間に配置される介在使い捨てバリア層;ならびに/あるいは接触センサデバイス400および/または接触センサ164aの一部または全部は、十分に低コストとすることができ、その少なくとも1つの区画または部分は、患者のために一度使用され、その後の医療または家庭/個人使用のための「フリービー」として、患者に与えられるか、または捨てられ得る、というアプローチのうちの1または複数は、接触センサデバイス400および/または接触センサ164aのための十分な滅菌性および/または相互汚染を防止する態様を提供することができる。
【0125】
接触センサデバイス400および/または接触センサ164aの少なくとも1つのセグメントまたは部分を提供することは、良好な「マーケティング」および患者満足のための活動または行動であり得る。患者情報、教育、電子同意、および同様の機能に関連して本明細書で説明されるアプリケーションは、フリービーセグメントまたは部分とインターフェースを有し、セグメントまたは部分が、例えば、個人用パルスオキシメータおよび/または皮膚接触温度計であることを可能にするように構成され得る。
【0126】
通信デバイス406は、外部デバイスおよび/またはシステム(例えば、流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、管理システム110、補助システム112など)に患者に関連するセンサデータを通信するように構成される、有線および/または無線通信デバイスを含み得る。
【0127】
プロセッサ408は、接触センサ402の1または複数の動作を制御するように、かつ/または患者に関連するセンサデータを決定するようにプログラムおよび/または構成され得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセッサ408は、低電力マイクロコントローラユニット(MCU)を含み得る。
【0128】
ユーザ入力/フィードバックデバイス410は、ユーザからユーザ入力を受信し、かつ/またはユーザにフィードバックを提供するように構成され得る。例えば、ユーザ入力/フィードバックデバイス410は、ディスプレイ、発光ダイオード(LED)、音声出力デバイス(例えば、ブザー、スピーカ、ヘッドセットなど)、触覚出力デバイス(例えば、バイブレータなど)、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。一例として、ユーザは、ユーザ入力/フィードバックデバイス410を介して接触センサデバイス400と外部デバイスおよび/またはシステムとの通信を確立(例えば、ペアリングなど)し、かつ/または外部デバイスおよび/またはシステムから受信され得るプロンプトおよび/または命令をユーザ入力/フィードバックデバイス410を介して患者に提供してもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、ユーザ入力/フィードバックデバイス410は、作動されたことに応答してスキャン室の外にいるユーザを自動的に呼び出すように構成された患者呼び出しボタンとして機能することができる。
【0129】
ユーザ入力/フィードバックデバイス410は、種々のハードウェア間で分割され得る。例えば、一部の入力および/または出力特徴または機能は、接触センサデバイス400上で実現されてもよい。同一および/または他の機能の一部は、別個の専用の特定用途ユーザ入力/フィードバックデバイス410を通してアクセス可能であり得る。同一または他の機能の一部は、汎用または多目的ユーザ入力/フィードバックデバイス410、例えば、iPhone(登録商標)を通してアクセス可能であり得る。同じ機能および/または他の機能の一部は、実行されている検査または処置に関連する他の機器のユーザインターフェース、例えばインジェクタインターフェース156および/または撮像装置ユーザインターフェース162を通じてアクセス可能であり得る。バッテリ412は、再充電可能バッテリ(例えば、誘導充電技術を介して再充電可能なバッテリなど)、単回使用バッテリ、交換可能バッテリ、外部バッテリおよび/または電源への有線接続、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。バッテリ412は、接触センサデバイス400の構成要素を動作させるための電力を提供し得る。
【0130】
さらに図4Aから図4Dを参照し、図4Eも参照すると、接触センサ402は、接触センサデバイス400が患者の四肢に取り付けられたときに、接触センサ402が患者の四肢の横断面における組織パラメータなどを含むセンサデータを測定することができるように、あるパターンで、例えば患者の四肢の周りに円周方向に配向され得る。例えば、接触センサ402は、第1の端部405aから第2の端部405bまで延在するハウジング404の長さに沿って互いに離間されてもよい。接触センサ402の感知モードは、透過モード、反射モード、吸収モード、リッスンモード、または受動的測定モードを含み得る。異なるセンサに対して異なるモードを使用することができる。周囲条件および/または患者条件に応じて、複数のモードおよび/またはハイブリッドモードを使用することができる。位相ゲート感知(例えば、位相ロックループ(PLL)など)、同期感知、および/または他の既存の感知手段が、雑音/干渉低減および/または周囲信号消去のために使用され得る。感知された信号は、後続の処理が適用され得る可能なスペクトルの狭いセグメントおよび/または可能なスペクトルの広いセグメントであり得る。
【0131】
ここで図8Aから図8Eを参照すると、図8Aから図8Eは、接触センサデバイス800の非限定的な実施形態または態様の斜視図である。センサシステム106は、接触センサデバイス800を含んでもよく、かつ/または接触センサデバイス800は、患者および/または患者のための流体注入(例えば、造影剤注入など)に関連するセンサデータを決定するように構成される、センサシステム106の1または複数の接触センサ164aのうちの少なくとも1つの接触センサ(例えば、804、808、810など)を含んでもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、センサシステム106は、接触センサデバイス400および接触センサデバイス800、接触センサデバイス400および接触センサデバイス800のうちの1つを含んでもよく、または接触センサデバイス400および接触センサデバイス800のいずれも含まなくてもよい。さらに、接触センサデバイス400は、接触センサデバイス800内に実装することができ(またはその逆)、かつ/または接触センサデバイス400は、接触センサデバイス800によって実行されるものとして説明されるような1または複数の機能を実行することができる(またはその逆)。
【0132】
接触センサデバイス800は、ハウジング802および指センサ804(例えば、パルスオキシメータなど)を含み得る。指センサ804は、ワイヤ806を介してハウジング802に接続され得る。ハウジング802は、電子構成要素808、導電性プローブまたは電極810、および/または使い捨て接着プロテクタ812を含み得る。電子構成要素808は、接触センサ164a、プロセッサ、メモリ、有線および/または無線通信デバイス、ユーザ入力/フィードバックデバイス、および/またはバッテリを含み得る。例えば、接触センサデバイス800の電子構成要素808は、図4Cに関して本明細書で説明される接触センサデバイス400の構成要素と同一または同様であってもよい。
【0133】
ハウジング802は、補強材(例えば、屈曲可能ワイヤ、半可撓性金属フレームなど)上にオーバーモールドされた軟質の成形ストラップ(例えば、プラスチックストラップなど)を含み得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、ハウジング802は、第1の端部805aと第2の端部805bとの間に延在し、患者の掌および/または手首に巻き付くように構成され得る。例えば、図8Aに示すように、ハウジング802は、ワイヤ806を介してハウジング802に接続された指センサ804を用いて、患者の掌の中央に巻き付くように構成されてもよい。例えば、図8Bに示すように、ハウジング802は、ワイヤ806を介してハウジング802に接続された指センサ804を用いて、患者の手首の周囲に巻き付くように構成されてもよい。例えば、図8Cに示すように、ハウジング802は、ワイヤ806を介してハウジング802に接続される指センサ804を用いて、患者の掌および手首の周囲に巻き付くように構成されてもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、ハウジング802の第1の端部805aは、接続機構(例えば、ストラップ、面ファスナ、ボタンなど)を介してハウジング802の第2の端部805bに接続するように構成され得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、ハウジング802は、図8Dに示すように、ハウジング802が患者の手および手首を完全に覆うように、患者の手に装着されるように構成された手袋を含むことができ、これにより、露出したワイヤを使用せずに指センサ804をハウジング802に接続することが可能になる。
【0134】
導電性プローブまたは電極810は、例えば、患者の皮膚抵抗率を検出するように構成される皮膚抵抗センサのために、患者の皮膚との直接導電性接触を提供してもよい。組織の電気的特性は、可視光までの種々のRFおよびマイクロ波周波数を含む直流および/または交流を用いて測定することができる。
【0135】
使い捨て接着プロテクタ812は、ハウジング802と患者との直接接触を低減または排除するように構成される、使い捨てフィルムを含み得る。例えば、使い捨て接着プロテクタ812は、患者に直接接触するように構成された第1の態様と、接触センサデバイス800が患者によって装着されたときに患者に面するハウジング802の態様に使い捨て接着プロテクタ812を接着するように構成された接着剤を含む第2の態様とを含むシート(例えば、プラスチックシート、ビニルシート、ラテックスシート、紙シートなど)を含んでもよい。かかる構成では、使い捨て接着プロテクタ812は、導電性プローブまたは電極810が使い捨て接着プロテクタ812を通して患者の皮膚に直接接触することを可能にするようなサイズおよび形状にされた開口部を含み得、または接着プロテクタ812は、皮膚と接触センサデバイス800との間の接触を行うかまたは高めるための導電性材料のセグメントを含み得る。
【0136】
接触センサ400、800の選択された態様は、使い捨てまたは単回使用であってもよく、他の態様は、相互汚染低減および防止のために採用されるアプローチおよび/または種々の態様のコストに応じて、再利用可能または複数回使用であってもよい。これは、様々な選択肢の範囲を含み得る。この範囲の一端では、接触センサ400、800は、完全に多用途であってもよく、例えば、洗浄溶液中に噴霧、拭き取り、もしくは浸漬することによって除染されるか、または任意の生物学的活性実体を死滅させる、および/もしくは汚染化学物質の破壊を触媒する表面を有しており、選択肢の範囲の他端では、センサ400、800は、完全に単回使用であって、廃棄されるか、または患者に付与され、患者の健康および医療管理の必要性が有用であると分かるように、家に持ち帰り、他の場所で使用される。この範囲の複数の使用可能性の中間の態様または実施形態は、接触面と皮膚との間での単層材料を単回使用することを証明することができるものであり、センサを単回使用シース(例えば、シース450など)に封入することができ、一部のセンサまたはセンサの態様が単回使用であること、例えばサーミスタまたはパルスオキシメータのフォトダイオードおよびフォトトランジスタを含むことができ、センサを読み取る電子機器は再利用可能であり、全てのセンサおよび皮膚に接触する材料が単回使用であることを提供することができ、接触センサ400、800のデータプロセッサ、バッテリ、および通信部分は再利用可能である。
【0137】
再び図1Aおよび図1Bを参照すると、ユーザデバイス108は、流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、管理システム110、および/または補助システム112から(例えば、通信ネットワーク114などを介して)情報および/またはデータを受信し、かつ/または流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、管理システム110、および/または補助システム112に(例えば、通信ネットワーク114などを介して)情報および/またはデータを通信することが可能な1または複数のデバイスを含み得る。例えば、ユーザデバイス108は、1または複数のプロセッサ(例えば、1または複数のコンピューティングデバイス、1または複数のサーバコンピュータ、1または複数のモバイルコンピューティングデバイス、1または複数のタブレットコンピュータ、1または複数の携帯電話など)を含む、1または複数のコンピューティングシステムを含んでもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、ユーザデバイス108は、インジェクタユーザインターフェース156、撮像装置ユーザインターフェース162、管理ユーザインターフェース172、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0138】
ユーザデバイス108は、関与する1人または複数のユーザおよびそれが使用されている医療環境/システムに応じて、種々の形態をとり、種々の名称で称され、かつ/または種々の具体的デバイスもしくはシステムによって実施され得る。例えば、ユーザデバイス108は、患者が情報を入力し、医療予約または処置のためにサインインし、電子的な同意を提供し、かつ/または発生する任意の処置に関する情報/訓練/サポート/快適さを受信し、または将来もしくは過去の処置に関する任意の質問に答える、患者デバイス、患者ポータルまたは患者ケアポータルであってもよい。ユーザデバイス108は、本明細書で説明される非限定的な実施形態または態様の機能を提供するために、アプリケーションを実行しているか、またはウェブベースサービスにアクセスしている可能性がある、ユーザの個人電話、タブレット、および/またはコンピュータを含み得る。ユーザデバイス108は、患者の医療提供者または保険業者によって提供される患者ケアポータルの一部であり得る。ユーザデバイス108は、患者データおよび/または有害事象リスク評価を提供する医師デバイス108または医師ポータル108であり得る。ユーザデバイス108は、具体的には、本システム内の他のデバイスのうちの1または複数、例えば、流体インジェクタシステム102、撮像システム104、またはセンサシステム106と関連付けられ得る。加えて、または代替として、ユーザデバイス108は、特定の機能を行う、または特定の出力もしくはシステム態様を使用するユーザにとって最も有利である場所に物理的に位置し得る。例えば、患者は、患者ポータル(例えば、ユーザデバイス108)を使用して、データを入力するか、または情報を受信してもよく、これは、紹介または処方する医師のオフィスもしくは場所、自宅、待合室、またはレストランもしくは駐車場などの公共の場所で行われてもよい。例えば、患者または介護者は、アクセスすることが便利であり、システムの特定の実装形態によって機能的に有効にされる場合はいつでも、ユーザデバイス108にアクセスしていてもよい。例えば、放射線科医は、例えば、そのオフィス、準備室、撮像室、または読影室において、ユーザデバイス108にアクセスしてもよい。例えば、技術者は、流体注入システム102、センサシステム106、および/または撮像システム104の態様を通じてユーザデバイス108にアクセスしてもよい。
【0139】
管理システム110は、流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、および/または補助システム112から(例えば、通信ネットワーク114などを介して)情報および/またはデータを受信し、かつ/または流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、および/または補助システム112に(例えば、通信ネットワーク114などを介して)情報および/またはデータを通信することが可能な1または複数のデバイスを含み得る。例えば、管理システム110は、1または複数のプロセッサ(例えば、1または複数のコンピューティングデバイス、1または複数のサーバコンピュータ、1または複数のモバイルコンピューティングデバイスなど)を含む1または複数のコンピューティングシステムを含んでもよい。一例として、管理システム110は、管理制御計算システム166および/または管理ユーザインターフェース172を含んでもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、および/または補助システム112内に実装されてもよい(補助システム112は、流体注入システム102および/または撮像システム104と関連付けられてもよく、または関連付けられなくてもよい)。
【0140】
補助システム112は、流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、および/または管理システム110から(例えば、通信ネットワーク114などを介して)情報および/またはデータを受信し、かつ/または流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、および/または管理システム110に(例えば、通信ネットワーク114などを介して)情報および/またはデータを通信することが可能な1または複数のデバイスを含み得る。例えば、補助システム112は、1または複数のプロセッサ(例えば、1または複数のコンピューティングデバイス、1または複数のサーバコンピュータ、1または複数のモバイルコンピューティングデバイスなど)を含む1または複数のコンピューティングシステムを含んでもよい。一例として、補助システム112は、1個または複数の病院情報システム(HIS)168、クラウドコンピューティングおよびオフサイトリソース170、電子医療記録(EMR)、1個または複数の放射線情報システム(RIS)、モダリティワークリスト(MWL)、ヘルスケアシステムへの患者ポータル、遠隔医療ポータル、1個または複数の画像保管通信システム(PACS)、1個または複数の検査室情報システム(LIS)、1個または複数の注入システム(例えば、流体注入システム102など)、1個または複数の撮像システム(例えば、撮像システム104など)、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0141】
通信ネットワーク114は、1または複数の有線および/または無線ネットワークを含み得る。例えば、通信ネットワーク114は、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、第3世代(3G)ネットワーク、第4世代(4G)ネットワーク、第5世代(5G)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワークなど)、短距離無線通信ネットワーク(例えば、Bluetoothネットワークなど)、パブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、電話ネットワーク(例えば、公衆交換電話網(PSTN))、プライベートネットワーク、アドホックネットワーク、イントラネット、インターネット、光ファイバベースのネットワーク、クラウドコンピューティングネットワークなど、および/またはこれらもしくは他の種類のネットワークの組み合わせを含んでもよい。
【0142】
図1Aおよび図1Bに示されるシステムおよびデバイスの数および構成は、例として提供されている。追加のシステムおよび/またはデバイス、より少ないシステムおよび/またはデバイス、異なるシステムおよび/またはデバイス、あるいは図1Aおよび図1Bに示されるものとは異なって配置されたシステムおよび/またはデバイスが存在し得る。さらに、図1Aおよび図1Bに示す2つ以上のシステムまたはデバイスは、単一のシステムまたは単一のデバイス内に実装することができ、あるいは図1Aおよび図1Bに示す単一のシステムまたは単一のデバイスは、複数の分散システムまたはデバイスとして実装することができる。加えて、または代替として、環境100および/または実装形態150のシステムのセットまたはデバイスのセット(例えば、1または複数のシステム、1または複数のデバイスなど)は、環境100および/または実装形態150のシステムの別のセットまたはデバイスの別のセットによって行われるものとして説明される1または複数の機能を行うことができる。
【0143】
ここで図2を参照すると、図2は、デバイス200の例示的な構成要素の図である。デバイス200は、流体注入システム102の1または複数のデバイス、撮像システム104の1または複数のデバイス、センサシステム106の1または複数のデバイス、ユーザデバイス108(例えば、ユーザデバイス108のシステムの1または複数のデバイスなど)、管理システム110の1または複数のデバイス、および/または補助システム112の1または複数のデバイスに対応し得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、流体注入システム102の1または複数のデバイス、撮像システム104の1または複数のデバイス、センサシステム106の1または複数のデバイス、ユーザデバイス108(例えば、ユーザデバイス108のシステムの1または複数のデバイスなど)、管理システム110の1または複数のデバイス、および/または補助システム112の1または複数のデバイスは、少なくとも1つのデバイス200および/またはデバイス200の少なくとも1つの構成要素を含み得る。
【0144】
図2に示すように、デバイス200は、バス202、プロセッサ204、メモリ206、記憶構成要素208、入力構成要素210、出力構成要素212、および/または通信インターフェース214を含み得る。
【0145】
バス202は、デバイス200の構成要素間の通信を可能にする構成要素を含み得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセッサ204は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装され得る。例えば、プロセッサ204は、プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、加速処理装置(APU)など)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または機能を実行するようにプログラムすることができる任意の処理構成要素(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)を含んでもよい。メモリ206は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、および/または、プロセッサ204による使用のための情報および/または命令を記憶する別の種類の動的または静的記憶デバイス(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、光メモリなど)を含み得る。
【0146】
記憶構成要素208は、デバイス200の動作および使用に関連する情報および/またはソフトウェアを記憶し得る。例えば、記憶構成要素208は、対応するドライブとともに、ハードディスク(例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ソリッドステートディスクなど)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ、および/または別の種類のコンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0147】
入力構成要素210は、デバイス200がユーザ入力などを介して情報を受信することを可能にする構成要素(例えば、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、マイクロフォンなど)を含み得る。加えて、または代替として、入力構成要素210は、情報を感知するためのセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS)構成要素、加速度計、ジャイロスコープ、アクチュエータ、接触センサ164a、非接触センサ164b、および/または本明細書で説明するセンサのいずれかなど)を含み得る。出力構成要素212は、デバイス200からの出力情報を提供する構成要素(例えば、ディスプレイ、スピーカ、触覚(tactile)または触覚(haptic)出力、1または複数の発光ダイオード(LED)など)を含み得る。
【0148】
通信インターフェース214は、デバイス200が有線接続、無線接続、または有線接続と無線接続の組み合わせなどを介して他のデバイスと通信することを可能にするトランシーバ状の構成要素(例えば、トランシーバ、別個の受信機および伝送機など)を含み得る。通信インターフェース214は、デバイス200が別のデバイスから情報を受信すること、および/または別のデバイスに情報を提供することを可能にし得る。例えば、通信インターフェース214は、イーサネットインターフェース、光インターフェース、同軸インターフェース、赤外線インターフェース、無線周波数(RF)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、Wi-Fi(登録商標)インターフェース、セルラーネットワークインターフェースなどを含んでもよい。
【0149】
デバイス200は、本明細書で説明される1または複数のプロセスを実行することができる。デバイス200は、メモリ206および/または記憶構成要素208などのコンピュータ可読媒体によって記憶されたソフトウェア命令を実行するプロセッサ204に基づいて、これらのプロセスを実行することができる。コンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)は、本明細書では非一時的メモリデバイスとして定義される。メモリデバイスは、単一の物理ストレージデバイスの内部に位置するメモリ空間、または複数の物理ストレージデバイスにわたって分散されたメモリ空間を含む。
【0150】
ソフトウェア命令は、別のコンピュータ可読媒体から、または通信インターフェース214を介して別のデバイスから、メモリ206および/または記憶構成要素208に読み込まれ得る。実行されると、メモリ206および/または記憶構成要素208に記憶されたソフトウェア命令は、プロセッサ204に、本明細書で説明する1または複数のプロセスを実行させることができる。加えて、または代替として、ハードワイヤード回路が、本明細書に説明される1または複数のプロセスを行うために、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用されてもよい。したがって、本明細書で説明される実施形態または態様は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0151】
メモリ206および/または記憶構成要素208は、データストレージまたは1または複数のデータ構造(例えば、データベースなど)を含み得る。デバイス200は、メモリ206および/または記憶構成要素208内のデータストレージまたは1または複数のデータ構造から情報を受信し、それらに情報を記憶し、それらに情報を通信し、またはそれらに記憶された情報を検索することが可能であり得る。
【0152】
図2に示される構成要素の数および構成は、一例として提供されている。一部の非限定的な実施形態または態様では、デバイス200は、追加の構成要素、より少ない構成要素、異なる構成要素、または図2に示すものとは異なるように配置された構成要素を含み得る。加えて、または代替として、デバイス200の構成要素のセット(例えば、1または複数の構成要素)は、デバイス200の構成要素の別のセットによって実行されるものとして説明される1または複数の機能を実行することができる。
【0153】
ここで図3を参照すると、図3は、流体注入のために患者の健康を保護するためのプロセス300の非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス300のステップのうちの1または複数は、管理システム110(例えば、管理システム110の1または複数のデバイスなど)によって(例えば、完全に、部分的になど)実行され得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス300のステップのうちの1または複数は、流体注入システム102(例えば、流体注入システム102の1または複数のデバイスなど)、撮像システム104(例えば、撮像システム104の1または複数のデバイスなど)、センサシステム106(例えば、センサシステム106の1または複数のデバイスなど)、ユーザデバイス108(例えば、ユーザデバイス108のシステムの1または複数のデバイスなど)、および/または補助システム112(例えば、補助システム112の1または複数のデバイスなど)などの、管理システム110とは別個の、または管理システム110を含む、ユーザまたは別のデバイスまたはデバイスのグループによって(例えば、完全に、部分的になど)実行され得る。
【0154】
図3に示すように、ステップ302において、プロセス300は、患者データを取得することを含む。例えば、管理システム110は、患者に関連する患者データを取得してもよい。一例として、管理システム110は、流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、補助システム112、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つから、患者に関連する患者データを受信および/または読み出してもよい。患者データはまた、人間によって、またはかかるデータをユーザおよび/または患者に促し、記録し得る管理システム110のユーザインターフェースとの対話によって、患者から直接取得されてもよい。
【0155】
患者データには、患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、年齢;性別;体重;長期腫瘍治療による有害な末梢静脈状態などの以前の化学療法状態(例えば、イエス、ノー、受けた化学療法のサイクル数など);推定糸球体濾過量(eGFR)(例えば、45ml/分/1.73m2未満のeGFRなど);甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル;トリヨードサイロニン(FT3)チロキシン(FT4)比(FT3/FT4);環境影響の量またはレベル(例えば、患者に関連する地域または場所の地域ヨウ素飽和または栄養量またはレベルなど);以前の流体注入状態に対する事前反応(例えば、イエス、ノー、レベルなど);アトピー性疾患状態(例えば、イエス、ノー、レベルなど);糖尿病性腎症状態などの糖尿病および/または高血圧の存在に関連する医療状態(例えば、イエス、ノー、レベルなど);鬱血性心不全状態(例えば、イエス、ノー、レベルなど);ヘマトクリットレベル;既知のまたは疑われる腎不全状態(例えば、イエス、ノー、レベルなど);悪性腫瘍状態(例えば、イエス、ノー、レベルなど);中心静脈アクセス状態のための埋込デバイス(例えば、イエス、ノー、レベルなど);薬剤の種類;流体注入で投与される流体媒体の種類;流体注入および/または画像検査の種類;流体注入に関連する流量;流体注入に関連するカテーテルゲージ;流体注入に関連する流体の総量;流体注入に関連する圧力曲線、流体注入に関連する注入部位;またはそれらの任意の組み合わせうちの少なくとも1つが含まれ得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、患者データは、流体注入が患者に施される前に決定されたセンサデータ、および/または患者に以前に施された1または複数の以前の流体注入の間および/または後に決定されたセンサデータを含み得る。
【0156】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、アプリケーションを介して(例えば、ユーザデバイス108などを介して)アクセス可能な患者ケアシステムまたは患者ケアポータルを、例えば、個人用デバイス、スマートフォン、タブレットコンピュータおよび/もしくは他のコンピュータ、ウェブサイト、ならびに/または患者に貸し出すもしくは与えることができるカスタムデバイス上のソフトウェアとして提供および/または実装することができる。患者ケアポータルは、本明細書で説明されるように、患者に情報を提供し、患者から情報を収集することによって、主に流体送達および撮像調査の前に、患者の健康を促進することができる。アプリケーションは、撮像手順の紹介、スクリーニング、準備、アクセス、教育(例えば、ビデオおよび/または文書/グラフィック資料など)、健康情報管理、および/またはユーザ体験に関するプロバイダへの患者フィードバックのための患者サポートを提供することができる。例えば、アプリケーションは、撮像スキャンのための初期処方から将来の参照のための診断結果の追跡までの、診断撮像手順のための一連の患者ケアステップ中に、患者データ、センサデータ、および/または他の情報を統合および管理するために使用されてもよい。アプリケーションは、患者に関連情報を提供して、患者がより正常で、より肯定的な診断撮像経験を有するのを助けることによって、精神的健康を促進することができる。アプリケーションは、患者経験情報を、患者コミュニティ、担当臨床医、プロバイダネットワーク、および/または診断撮像手順を改善する他のものに対して、ならびに管理システム110のリスク評価態様などの管理システム110の他の態様に対してより可視的にすることができる。アプリケーションは、不注意な患者による予約の見逃し、処置に対する恐怖による予約の取り消し、患者がフォームに記入する間のワークフローの遅延、適切な患者準備の欠如または処置に関連する特定のタスク、例えば正しい時間での呼吸を患者が達成できないことに起因する不十分な撮像結果の可能性、および/または患者の不確実性または処置の通常の態様に不慣れであることに起因する患者の不快感の可能性を、排除または実質的に低減することができる。したがって、患者ケアポータルまたはシステムは、医療コミュニティベースの診断撮像患者サポートを提供し、ユーザ経験を診断撮像に結び付け、患者がよりよい患者経験を提供するのを助けるために情報を互いにリンクし、改善された診断撮像経験および結果を得るために患者照会およびケアを改善し、患者のコンプライアンスおよび快適さを高め、診断撮像センターリソースをより効率的に利用し、かつ/または診断撮像品質を改善することができる。
【0157】
管理システム110は、患者ケアポータルまたはシステムのためのアプリケーションを介して、患者に関連する患者データおよび/またはセンサデータを取得することができる。アプリケーションは、患者の撮像スキャンのスケジューリングを支援するために撮像スキャンを処方する担当医師によってアクセス可能であり得る。例えば、図13Aおよび図13Bは、アプリケーションが、1または複数のユーザ選択フィルタおよび/または加重和アルゴリズム(例えば、患者の場所、患者の保険タイプ、処方されるスキャンの種類、品質格付けなど)を利用可能な撮像センターの場所のリストに適用し、患者に推奨する撮像センターの場所を判定し得ることを示している。アプリケーションは、患者に情報を提供して、患者が撮像手順経験を準備し、それについて学習することを支援することができる。図14Aは、ユーザデバイス108上に表示される患者ポータルを示しており、これにより、患者が、撮像スキャンの前に、雰囲気または照明、音楽、温度などの撮像スキャン部屋オプションを事前構成し、かつ/または付加的患者データを提供することが可能となる。このデータは、患者のスキャン時に撮像室に自動的に伝達することができる。図14Bは、ユーザデバイス108上に表示される患者ポータルを示しており、患者がスキャンの日に何を期待し得るかの情報(例えば、ビデオなど)を提供する。図14Cは、ユーザデバイス108上に表示される患者ポータルを示しており、カレンダ通知および撮像スキャン場所への方向を提供しており、これにより、患者の快適性、健康、および/または満足度を改善することができる。
【0158】
撮像スキャンのためのチェックイン時に、患者に関連する患者データは、ユーザデバイス108を介して、補助システム112および/またはクラウドおよび/または患者ポータルから自動的に同期または読み出されてもよく、それによって、患者がチェックインするために必要とされる時間量が削減される。図15Aに示すように、管理システム110は、チェックイン前またはチェックイン中に医療記録および患者の嗜好を自動的に取り出し、記録および患者の嗜好の正確さおよび完全性をより迅速に確認するために、ユーザデバイス108上のアプリケーションを介して医療記録および患者の嗜好を患者に提示することができる。図15Bに示すように、管理システム110は、アプリケーションを使用して、患者がアプリケーションを介して1または複数の手順に電子的に同意する(例えば、ユーザデバイス108など上で)、自動化および統合された同意プロセスを提供することができ、これにより、技師の患者との品質時間を改善および/または増加させることができる。
【0159】
チェックイン後、患者の静脈は、撮像システム104によって(例えば、撮像システム104の1または複数のカメラなどによって)スキャンされてもよく、管理システム110は、患者の静脈のスキャンされた画像を分析および/または保存してもよい。それぞれ2003年12月6日および2006年12月18日に出願された米国特許出願公開第2004/0171923A1号および/または同第2008/0147147A1号(これらの各々の全内容は、本明細書中に参考として援用される)におけるシステムなどのシステムが、患者の静脈を評価し、そして所望により静脈へのアクセスを容易にするために使用され得る。例えば、患者データおよび静脈分析を用いて、患者のための流体注入プロトコルおよび/または撮像プロトコルに対する調整または制限を調整または推奨されてもよく、該プロトコルは、承認のためにユーザデバイス108上のアプリケーションを介してユーザ(例えば、放射線科医など)に、または直接、インジェクタシステム102もしくは撮像システム104に提示されてもよい。センサシステム106(例えば、スマートベッドセンサ、カメラ、接触センサデバイス400および/または800など)は、患者に関連する患者データ、センサデータおよび/またはスキャンデータを連続的に決定してもよく、管理システム110は、測定された患者データ、センサデータおよび/またはセンサデータに基づいて、患者のための流体注入プロトコルおよび/または撮像プロトコルを調整してもよく、これは、ユーザによる承認のためにユーザデバイス108上のアプリケーションを介してユーザ(例えば、放射線科医など)に提示されてもよい。あるいは、当該調整は、予め選択された限度内で自動的に行われてもよい。例えば、患者ベースの線量および患者の心拍出量により、流体注入プロトコルおよびスキャン持続時間が患者に対して調整されることが可能となる。
【0160】
管理システム110は、撮像システム104によって取得された医療画像のうちの1または複数のスキャン画像評価を行うことができ、これは、スキャン画像評価の確認のためにユーザデバイス108上のアプリケーションを介してユーザ(例えば、放射線科医など)に提示され得る。例えば、管理システム110は、1または複数の人工知能ベースの画像評価ツールを患者のスキャンされた画像に適用して、スキャンの品質を評価し、かつ/または診断推奨を提供してもよい。医療スキャン画像および/またはその分析は、放射線チームおよび/または患者によるアプリケーションを介した読み出しのために、(例えば、補助システム112内、クラウド内などに)記憶されてもよい。
【0161】
管理システム110は、アプリケーションを使用して、機器および/または供給品を連続的に監視し、在庫レベルが閾値レベルを満たさない場合、および/または機器が故障または故障した場合に、新しい機器および/または供給品を自動的に注文することができる。
【0162】
図3に示すように、ステップ304において、プロセス300は、流体注入に対する患者の初期リスク予測を決定することを含む。例えば、管理システム110は、患者データに基づいて、患者に施される流体注入(例えば、造影剤注入など)に対する患者の初期リスク予測を決定してもよい。一例として、初期リスク予測は、患者が流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含んでもよい。かかるリスク予測は、0~100%の数値であってもよく、または、例えば、低、中、および高バケットにバケット化されてもよい。
【0163】
有害事象は、以下の有害事象、すなわち血管外漏出、カテーテル凝固、造影後急性腎傷害、急性有害事象(例えば、アトピー性またはアレルギー反応、蕁麻疹など)、造影剤誘発性腎毒性、甲状腺障害または甲状腺中毒症、頭痛、味覚変化、視覚障害、胸痛、血管拡大(血管拡張)および連続低血圧、悪心、嘔吐、背痛、尿意切迫、ならびに注入部位反応、例えば出血、腫脹、かゆみ、および疼痛、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0164】
管理システム110は、患者の初期リスク予測を決定するために(かつ/または、検査予測を決定するために、かつ/または、撮像スキャンにおいてアーチファクトを生じさせ得る患者の動きレベルを決定するために、かつ/または、患者の健康レベルを決定するために、かつ/または、現在のリスク予測を決定するために、かつ/または、患者の苦痛レベルを決定するために)、個々の医師の実践、専門家社会ガイドライン、および/または病院手順のコンピュータコードへの適応形態または実装形態であり得るアルゴリズムまたは1または複数のアルゴリズムの態様を、患者に関連する患者データおよび/またはセンサデータに適用することができる。かかる例では、異なる病院は、地域の嗜好、実務、国、および/または異なる病院に関連する他の要因に基づいて、異なるアルゴリズムまたは1または複数のアルゴリズムの態様を有することができる。別の態様または実施形態では、管理システム110は、患者データを医師または医療提供者に提示することができ、医師または医療提供者は、自身の頭の中で、リスク、健康、または苦痛の評価を行うことができ、これは、その後のステップで使用するために管理システム110に手動で入力することができる。
【0165】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、ベースライン比較を使用するアルゴリズム(例えば、ベースラインパラメータからのパラメータの変化を決定するためなど);経時的シーケンスアルゴリズム(例えば、平均、勾配、2次モーメント、パラメータ対法線のSPCなどを使用する);単調連続関数変換;連続関数を離散関数に変換するアルゴリズム;閾値ベースのアルゴリズム(例えば、患者パラメータ、時間、注入される流体の体積などに基づいて変動する、少なくとも1つの閾値を伴うアルゴリズム);適合度関数;曲線当てはめの辞書モード(例えば、MRFなど);単一のデータストリームの時間シーケンスに適用される人工知能;複数のデータストリームに同時に適用される人工知能;音三角測量アルゴリズム;個々のパラメータを分類し、パラメータのカテゴリを組み合わせるアルゴリズム;連続(線形または非線形)関数を用いて個々のデータストリームを正規化するアルゴリズム;多次元空間にパラメータを配列するアルゴリズム、多項式多変量適合度関数、1または複数の特徴を抽出するアルゴリズムまたは人工知能;以前のデータおよび/または他のデータストリームに基づいて調整されるアルゴリズム(例えば、より高いリスクの患者は、ユーザに警告する、および/または注入を停止するための異なる閾値を有し得るなど);段階的実装アルゴリズム(例えば、最初はユーザに警告するだけであるが、収集および/または訓練されたデータの量が増加するにつれて、注入を自動的に停止するなどの他の動作を行うアルゴリズム);またはそれらの任意の組み合わせのアルゴリズムのうちの少なくとも1つを患者データおよび/または患者に関連するセンサデータに適用して、患者の初期リスク予測を決定する(および/または検査予測を決定する、および/または撮像スキャンにアーチファクトを生じさせ得る患者の動きレベルを決定する、および/または患者の健康レベルを決定する、および/または現在のリスク予測を決定する、および/または患者の苦痛レベルを決定する)ことができる。
【0166】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、2016年1月29日に出願された米国特許出願公開第2016/0224750A1号(その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される)によって開示される1または複数のアルゴリズムおよび/または方法を、患者データおよび/または患者に関連するセンサデータに適用して、患者の初期リスク予測を決定する(および/またはテスト予測を決定する、および/または撮像スキャンにおいてアーチファクトを引き起こし得る患者の動きレベルを決定する、および/または患者の健康レベルを決定する、および/または現在のリスク予測を決定する、および/または患者の苦痛レベルを決定する)ことができる。
【0167】
例示的なアルゴリズム
以下の表1から表4は、ユーザの初期リスク予測を決定するために利用され得る例示的なアルゴリズムを示している。例示的アルゴリズムは、管理システム110によって(例えば、ユーザデバイス108などを介して)提供される情報に基づいて、管理システム110および/または医療提供者によって実行することができ、かつ/または後に初期リスク予測結果を管理システム110に供給し得るユーザデバイス108または人間を利用することによって実行することができる。
【表1】
【0168】
表1は、最左列に、初期リスク予測を決定するために考慮され得る患者に関連する例示的パラメータを列挙しており、これには、患者が流体注入(例えば、造影剤注入など)に応答して血管外漏出を経験する確率が含まれる。示されるように、これらのパラメータは、患者の年齢(年)、患者の性別、患者の肥満度指数(BMI)、患者の以前の化学療法状態(例えば、イエス、ノー、サイクル数など)、米国東海岸癌臨床検査グループ(ECOG:Eastern Cooperative Oncology Group)のパフォーマンス状態、患者の投薬状態(例えば、イエス、ノー、現在の投薬など)などを含み得る。各パラメータは、各パラメータの値に依存する第2から第4の列の上部に列挙されるように、1、2、または3のスコアを与えることができる。アルゴリズムのためのパラメータの各々が評価可能、および/または利用可能である場合、点数の合計は、表1の最右列に示すように、血管外漏出についての患者の初期リスク予測を表すために使用されるスコアを提供し得る。例えば、55歳である患者は、年齢について2点であり、男性は1点であり、27のBMIは2点であり、以前の2サイクルの化学療法は3点であり、ECOG1状態は2点であり、投薬を受けているがコルチコステロイドを受けていないことは2点をカウントする。したがって、その患者の合計は、2+1+2+3+2+2=12であり、これにより、この例示的な患者は血管外漏出の中程度のリスクを有することになる。
【表2】
【0169】
表2は、最左列に、初期リスク予測を決定するために考慮され得る患者に関連する例示的パラメータを列挙しており、これには、患者が流体注入(例えば、造影剤注入など)に応答して急性有害事象を経験する確率が含まれる。示されるように、これらのパラメータは、患者のアトピー性疾患状態(例えば、イエス、ノー、レベルなど)および/または患者の以前の流体注入状態に対する事前反応(例えば、イエス、ノー、レベルなど)を含み得る。アトピー性疾患は、アレルゲンと接触していない身体の部分において、皮膚炎および/または喘息などの過敏性反応が起こり得るアレルギーの形態を示す。以前の流体注入に対する事前反応は、以前の流体注入に対して何らかの以前のアレルギー反応を有していた患者に関連する指示を含み得る。低い事前反応には、感情、紅潮、吐き気などが含まれ得る。高い事前反応には、治療を必要とする蕁麻疹および/またはアナフィラキシー反応が含まれ得る。アルゴリズムのためのパラメータの各々が評価可能である、および/または利用可能である場合、点数の合計は、表2の最右列に示すように、急性有害反応についての患者の初期リスク予測を表すために使用されるスコアを提供し得る。
【表3】
【0170】
表3は、最左列に、初期リスク予測を決定するために考慮され得る患者に関連する例示的パラメータを列挙しており、これには、患者が流体注入(例えば、造影剤注入など)に応答して造影後急性腎傷害を経験する確率が含まれる。示されるように、これらのパラメータは、患者の年齢、患者のBMI、5段階糸球体濾過量スケールを使用して評価されるような慢性腎疾患(CKD)のレベル、患者の糖尿病および/または高血圧の存在に関連するような医療状態、ならびに/あるいは患者の悪性腫瘍の病歴および状態を含み得る。アルゴリズムのためのパラメータの各々が評価可能である、および/または利用可能である場合、点数の合計は、表3の最右列に示すように、造影後急性腎傷害についての患者の初期リスク予測を表すために使用されるスコアを提供し得る。
【表4】
【0171】
表4は、最左列に、初期リスク予測を決定するために考慮され得る患者に関連する例示的パラメータを列挙しており、これには、患者が流体注入(例えば、造影剤注入など)に応答して甲状腺中毒症を経験する確率が含まれる。示されるように、これらのパラメータは、患者の年齢、患者の性別、患者のBMI、および患者の地理的領域のヨウ素欠乏状態を含み得る。アルゴリズムのためのパラメータの各々が評価可能である、および/または利用可能である場合、点数の合計は、表4の最右列に示すように、甲状腺中毒症についての患者の初期リスク予測を表すために使用されるスコアを提供し得る。
【0172】
表1から表4に関して上記で示された例示的な初期リスク予測アルゴリズムは、本開示の非限定的な実施形態または態様による初期リスク予測を決定するために使用され得るアルゴリズムの多様性および柔軟性を伝えるために、単純かつ理解可能であることが意図されている。例示的アルゴリズムは、管理システム110によって(例えば、ユーザデバイス108などを介して)提供される情報に基づいて、管理システム110および/または医療提供者によって実行することができ、かつ/または後に初期リスク予測結果を管理システム110に供給し得るユーザデバイス108または人間を利用することによって実行することができる。本開示の非限定的な実施形態または態様によるデータ収集プロセス、システム、および/またはデバイスを使用して、付加的データが患者から収集されると、使用されるアルゴリズムが改善および/または修正され得ることが予想される。この改善および/または修正は、人間および/または教師あり機械学習と協働して管理システム110によって作成および実装されてもよく、かつ/または管理システム110自体によって実行されてもよく、これは教師なし機械学習と称されることもある。
【0173】
別の例として、アルゴリズムのためのパラメータの各々を評価することができない場合、かつ/または患者のために利用可能でない場合、1または複数の代替アルゴリズムまたは関数を使用して、患者のために利用可能である患者データおよび/またはセンサデータのパラメータに基づいて初期リスク予測を提供することができる。例えば、1つのアプローチとして、患者に利用可能なパラメータに比例する量だけ、初期リスク予測のための閾値を低減させることが挙げられる。例えば、表1は、6つのデータまたはパラメータと、<9、9~14、および>14の閾値とを含む。患者について1つのデータ要素またはパラメータが欠落している場合、閾値は、全セットの閾値の5/6、すなわち、<7.5、7.5~11.7、および>11.7になる。別の例示的な手法は、任意の欠落したパラメータに対して中程度のリスクスコア、例えば2点を自動的に仮定することである。より保守的なアプローチでは、患者の任意の欠落パラメータに対して3の高リスク値を自動的に仮定することができる。
【0174】
別の例として、より多くの患者からより多くのデータが収集されるにつれて、スコアリング表内の個々のパラメータに与えられる重み付けは、例えば、表1から表4の例に示される一様な分布から調整されてもよい。表1から表4において、スコアの単純な合計は、各パラメータに等しい重みを与える。例えば、表1を使用して評価された血管外漏出の初期リスク予測について、本開示の非限定的な実施形態または態様の使用を通して収集されたデータの分析から、BMIが他のパラメータよりも血管外漏出のリスクに対して2倍強い関係を有することが分かった場合、表1でそれぞれ暗黙的に使用された1/6の一様な分布とは対照的に、BMIに2/7の重みを与えることができ、他の因子の各々に1/7の重みを与えることができる。
【0175】
別の例として、年齢、BMIなどのパラメータと、パラメータの値に基づいて割り当てられる点の数との間の関係は、表1から表4の例に示されるような離散ビニング関係ではなく、連続的な関数関係になるように拡張されてもよい。例えば、かかる関数関係は、人間の変動の合理的な予測を前提として、状況を過剰適合させることなくデータが可能にする程度に洗練されてもよい。一例として、かかる関数関係は、任意の適用可能な多変量解析手法を使用して決定することができる。上述したように、一部の非限定的な実施形態または態様では、初期リスク予測は、本開示の非限定的な実施形態または態様によって収集されたデータに少なくとも部分的に基づいて、人間の医療提供者によって決定されてもよく、これは、医療提供者がシステムに対する信頼を徐々に得ることを可能にするという利点を有し得る。同様の理由で多変量解析を使用することにも利点があり得、これにより、アルゴリズムを使用して、信頼する必要がある人間にとって、これらのアルゴリズムの動作が理解可能となる。
【0176】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、機械学習モデルを用いて患者に関連する患者データおよび/またはセンサデータを処理して、患者の初期リスク予測を決定することができる。例えば、管理システム110は、例えば、決定木(例えば、勾配ブースト決定木、ランダムフォレストなど)、ロジスティック回帰、人工ニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワークなど)、ベイズ統計、学習オートマトン、隠れマルコフモデル、線形分類器、二次分類器、相関ルール学習などの教師ありおよび/または教師なし技術を含む機械学習技術を使用して、初期リスク予測モデル(例えば、推定器、分類器、予測モデル、検出器モデルなど)を生成してもよい。初期リスク予測機械学習モデルは、患者が、流体注入(例えば、造影剤注入など)に応答して、患者に関連する患者データおよび/またはセンサデータを含む入力に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率を含む出力を提供するように訓練され得る。かかる例では、初期リスク予測は、患者が流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験するという予測に関連する確率スコアを含み得る。
【0177】
管理システム110は、患者データおよび/またはセンサデータ(例えば、訓練データなど)に基づいて初期リスク予測モデルを生成することができる。例えば、本開示の非限定的な実施形態または態様は、上述のより単純なアルゴリズムの1つを用いて患者の初期リスク予測を決定する一定期間にわたって患者データおよび/または患者に関連するセンサデータを収集してもよく、十分な数の患者からデータが収集されたとき(例えば、収集されたデータに基づいて生成された機械学習モデルの精度、予測、および/または再現率が閾値を満たすときなど)に、機械学習モデルを用いて患者の初期リスク予測を決定してもよい。一部の実装形態では、初期リスク予測モデルは、入力として、患者データおよび/またはセンサデータ(例えば、患者データおよび/またはセンサデータの1または複数のパラメータなど)を受信し、出力として、患者が流体注入(例えば、造影剤注入など)に応答して少なくとも1つの有害事象(例えば、血管外漏出、造影後急性腎傷害、急性有害事象(例えば、アトピー性またはアレルギー反応など)、造影剤誘発腎毒性、甲状腺障害など)を経験するかどうかに関する予測(例えば、確率、バイナリ出力、イエス-ノー出力、スコア、予測スコア、分類など)を提供するように設計される。一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、初期予測モデルを記憶する(例えば、後の使用のためにモデルを記憶する)。一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、初期予測モデルをデータ構造(例えば、データベース、リンクリスト、ツリーなど)に記憶する。一部の非限定的な実施形態では、データ構造は、管理システム110内、または管理システム110の外部(例えば、遠隔)(例えば、補助システム112内など)に位置する。
【0178】
図3に示すように、ステップ306において、プロセス300は、流体注入についての患者の初期リスク予測および/または患者の健康レベルを提供することを含む。例えば、管理システム110は、流体注入(例えば、造影剤注入など)が患者に施される前に、患者の初期リスク予測および/または患者の健康レベルをユーザデバイス108に提供してもよい。一例として、ユーザデバイス108は、流体注入が患者に施される前に、患者の初期リスク予測および/または患者の健康レベルをユーザ(例えば、医師など)に表示してもよい。
【0179】
一部の非限定的な実施形態または態様では、初期リスク予測および/または健康レベルは、流体注入の前に患者に薬剤を投与するためのプロンプト、流体注入のための注入プロトコルおよび/または撮像スキャンのための撮像プロトコルを調整するためのプロンプト、流体注入の前に患者を準備するためのプロンプト、少なくとも1つの有害事象について専門医に相談するためのプロンプト、流体注入および/または撮像スキャンの後に患者を観察および/もしくはフォローアップするためのプロンプト、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含み得る。例えば、管理システム110は、初期リスク予測を決定することに応答して(例えば、患者が閾値確率を満たす有害事象を経験する確率を含む初期リスク予測を決定することに応答して)、患者が有害事象を経験する確率を低減するためにユーザ(例えば、医療従事者など)が取り得るアクションを決定し、推奨してもよい。一例として、管理システム110は、ルックアップテーブルを調べ、かつ/または初期リスク予測および/または初期リスク予測を生成するために使用される患者データおよび/またはセンサデータにアルゴリズム(例えば、機械学習モデルなど)を適用して、患者が有害事象を経験する確率を低減し得る1または複数のプロンプトまたは推奨を決定してユーザに提供してもよい。管理システム110は、良好な注入および/または有害事象を監視するためにセンサによって使用される1または複数の閾値を調整することができる。
【0180】
一部の非限定的な実施形態または態様では、初期リスク予測を決定することに応答して(例えば、患者が閾値確率を満たす有害事象を経験する確率を含む初期リスク予測を決定することに応答してなど)、管理システム110は、流体注入システム102および/または撮像システム104の1または複数の動作を制御および/または調整することを医療提供者に推奨することができ、かつ/または法的に許可されている場合、流体注入システム102および/または、撮像システム104の1または複数の動作を自動的に制御および/または調整することができる。例えば、管理システム110は、流体注入のための注入プロトコル(例えば、最大流量を調整する、最大圧力を調整する、注入持続時間を調整する、送達されるまたは送達されるべき流体または造影剤の総体積を調整する(例えば、総ヨウ素負荷を低減するために)など)および/または撮像スキャンのための撮像プロトコル(例えば、スキャン時間および/または持続時間を調整する(例えば、最初に計画されたスキャン持続時間にわたって息を止めることができない患者に適応するために)、kVpを調整する(例えば、kVpを低減し、低減された総ヨウ素負荷を伴う適切な画像コントラストを可能にする)、呼吸命令を調整するなど)を手動調整または自動調整することを推奨してもよい。一例として、管理システム110は、ルックアップテーブルを調べ、かつ/または初期リスク予測および/または初期リスク予測を生成するために使用される患者データおよび/またはセンサデータにアルゴリズム(例えば、応答曲面、機械学習モデルなど)を適用して、患者が有害事象を経験する確率を低減することができる注入プロトコルおよび/または撮像プロトコルに対する1または複数の調整を決定してもよい。
【0181】
例えば、以前の流体注入(例えば、以前の造影剤注入など)後の患者の既知の有害事象(例えば、アレルギー反応など)および/または患者のアトピー傾向に関連する患者データに基づいて、管理システム110は、適用可能なガイドライン(例えば、米国放射線学会(ACR)ガイドラインなど)に従って造影剤注入前に患者に薬剤を投与するプロンプト、および/または予測された有害事象に関連する患者の1または複数のパラメータを監視しながら造影剤注入後に所定の間隔にわたって(例えば、高リスク患者の通常よりも長い期間にわたって)患者を観察するプロンプトを含む、急性有害事象の初期リスク予測を決定してもよい。
【0182】
例えば、その検査室代理パラメータ(例えば、eGFRなど)および/または患者の現在の投薬などの、患者の個別の腎機能に関連する患者データに基づいて、管理システム110は、静脈内水分補給などを投与することによって、適用可能なガイドライン(例えば、欧州泌尿生殖器放射線医学会ガイドラインなど)に従って造影剤注入前に患者を準備するためのプロンプト、造影剤注入のための注入プロトコルおよび/または撮像スキャンのための撮像プロトコルを調整するためのプロンプト(および/または自動制御)、および/または検査後に腎機能に関して患者をフォローアップするためのプロンプトを含む、造影剤誘発腎毒性の初期リスク予測を決定して、例えば、患者に与えられる総ヨウ素を低減してもよい。
【0183】
例えば、患者の既知の甲状腺障害に関連する患者データ、患者の環境的影響(例えば、患者が生活する地域の地域ヨウ素飽和または栄養など)、および/または患者の現在の投薬に基づいて、管理システム110は、内分泌科医との相談が得られるまで造影剤注入および関連する画像検査を見送るプロンプト、および/または造影剤注入前に患者に投薬を投与するプロンプトを含む、甲状腺障害(例えば、甲状腺中毒症など)の初期リスク予測を決定してもよい。
【0184】
図3に示すように、ステップ308において、プロセス300は、センサデータを決定することを含む。例えば、センサシステム106は、流体注入の前、間、および/または後(および/または流体注入の前に患者に施される検査注入の前、間、および/または後)に、患者に関連するセンサデータを決定(例えば、判定、収集、取得、捕捉、測定、感知など)してもよい。一例として、センサシステム106は、流体注入の前、間、および/または後に(および/または流体注入の前に患者に施される検査注入の前、間、および/または後に)、患者に関連するセンサデータを決定(例えば、判定、収集、取得、捕捉、測定、感知など)してもよい。
【0185】
センサデータは、患者に関連する以下のパラメータ、すなわち、第1に、注入および/または患者の健康状態の変化によって影響を受ける可能性があるパラメータ、例えば心拍数;音または振動(例えば、流体流入に関連する音または振動、注入部位に近接する音または振動など);温度(例えば、流体流入の温度、注入部位に近接する温度、局所温度、組織温度など);酸素飽和度(例えば、流体流入の酸素飽和度、注入部位に近接する酸素飽和度など);脈拍数;ECG;体脂肪/水分比;組織インピーダンス;血管分布レベル;血管径;水和レベル;ヘマトクリットレベル;皮膚抵抗率;血圧;筋張力レベル;光吸収率レベル;揺れまたは震えまたは動き/運動(例えば、イエス、ノー、レベルなど);腕の位置;腕の周囲;呼吸数;呼吸の深さ;吸収された放射の量;接触センサデバイス400および/または800の締め付け、位置安定性、および/または接触完全性;腫脹および/または変位の量;EMG;皮膚の色;表面血管拡張(紅潮)量;生体インピーダンス;光吸収率;炎症レベル;第2に、注入および/または患者の健康状態の変化によって直ちに影響を受ける可能性が低いパラメータ、例えば脂肪/筋肉比;ヘモグロビンレベル;第3に、環境パラメータ、例えば患者の周囲の環境の環境温度、患者の周囲の環境の気圧、周囲光レベル、周囲音レベル;またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0186】
本明細書において以下でより詳細に説明されるように、管理システム110は、患者データおよび/または患者に関連するセンサデータに基づいて、患者に関連する予測(例えば、初期リスク予測、検査予測、現在のリスク予測など)および/または患者の健康を決定することができる。全体的な患者の健康または患者の快適さは、複数の態様または次元を含むと考えることができる。1つの態様は、概して有害事象が存在しないと考えられている医療健康の態様であり得る。患者は、有害事象を有さない場合には、快適であると言える可能性がある。患者は、軽度に不快であり、例えば、熱感またはホットフラッシュの感覚、排尿の必要性の感覚、胃の渇き、または皮膚のかゆみを有する場合もあり、あるいは患者は、重大または重篤な反応(例えば、悪心、蕁麻疹、または例えばエピネフリンを用いた適時の医療的介入を必要とするアナフィラキシーショック)を有する可能性がある。患者の健康の別の態様は、身体的な健康である。患者は、撮像システムの輸液ベッドまたはテーブル上に横たわるのが快適な場合もあれば、不快感を軽減するために動きたくなるような一部のうずきまたは痛みを伴う軽い不快感がある場合もあり、または患者を不随意にまたは制御不能に動いてしまい画像の劣化につながる可能性のあるひどい不快感を伴う場合もある。患者の健康の第3の態様は、患者の精神状態である。患者は、安らかで快適で、処置を受け入れ、必要に応じて協力する場合もあれば、心配で警戒心が高まり、予期せぬ雑音または動作などに過剰に反応する場合もあり、また、興奮した精神状態で、自分の反応をコントロールすることが困難な場合もある。健康のこれら3つの側面は重複していてもよく、いくらか任意であるが、これらは本明細書の目的のために有益であることは明らかである。心拍数、呼吸数、皮膚伝導度などの生理学的パラメータを使用して患者の快適さを評価することができ、これらのパラメータの増加を管理システム110によって使用して、例えば、患者の状態がこれらの態様の1または複数に関して快適な状態から中程度の状態に移行するときに、医療従事者に患者をチェックするように警告することができることが当業者に知られている。医療従事者がこれらの微妙な変化に手動でまたは精神的に注意を払うことは困難であり、本開示の非限定的な実施形態または態様の目的は、これらの測定値を、医療従事者または流体送達システムおよび/もしくは撮像システムを含むシステム全体が使用するための単純な警告システムに合成することである。また、本開示の非限定的な実施形態または態様の目的は、患者の健康、例えば事前の教育またはより快適な環境を予防的かつ事前に促進する態様を提供することである。
【0187】
図12も参照すると、複数のデータプロセッサ、データ経路、および/またはデータ分析アルゴリズムを使用して、患者データおよび/またはセンサデータの種々の形態および/またはストリームを調整し、かつ/あるいは患者データおよび/またはセンサデータの種々の形態および/またはストリームをデータの新しい形態および/または新しいストリームに組み合わせ、かつ/あるいはデータの付加的ストリームを区別することができる。患者データおよび/またはセンサデータおよび/またはそれらのデータストリームは、管理システム110によって使用され、ユーザに推奨を行い、かつ/または流体注入システム102および/または撮像システム104の動作(例えば、初期リスク予測を決定する、検査予測を決定する、注入が予期されるように正常な注入進行であるかどうかを判定する、患者の健康レベルを決定する、現在のリスク予測を生成する、かかる判定に応答して流体注入システム102および/または撮像システム104を制御するなど)を制御することができる。例えば、推奨および/またはシステム制御は、リスクを評価し、予防措置を誘導し、血管外漏出、造影後急性腎傷害、急性有害事象、造影剤誘発腎毒性、および/または甲状腺障害もしくは甲状腺中毒症の発生を最小限にし、それを検出および/または管理し、それによって、造影剤注入と関連し得る1または複数の深刻な合併症を低減させてもよい。
【0188】
一例として、血管外漏出を検出するために、管理システム110は、検査注入および/または流体注入(例えば、造影剤注入など)のための注入部位に近接するおよび/または注入部位を取り囲む患者の四肢(例えば、腕、脚、手、足など)上の3つの異なる場所に配置された3つの異なるセンサによって測定された音または振動を表す3つのデータストリームを受信してもよい。例えば、さらに図12を参照し、再び図4Eを参照すると、図4Eの一連の画像の右端の画像は、センサデータ、例えば音または振動に関連するデータの3つのデータストリームを捕捉するために使用され得る患者の四肢の断面の3つのセンサアレイカバーを示している。管理システム110は、3つの音声データストリーム1201、1202、1203をデータ結合技術1204(例えば、三角測量など)によって結合して、空間内の1または複数の音源の中心を示す結合データストリーム1205を生成することができる。加えて、または代替として、管理システム110は、データ抽出プロセス1206を3つの音データストリームのうちの1または複数に適用し、1または複数の付加的データストリーム1207を生成することができる。例えば、管理システム110は、リアルタイムフーリエ変換をデータストリームに適用して、経時的な周波数の関数として振幅の多次元データストリームを生成してもよい。かかる信号は、管理システム110によって、注入流体に関する情報、例えば、流体タイプ、粘度、温度、流速、およびカテーテルまたは他の流体経路要素特性と組み合わせられ、音スペクトルを査定し、例えば、音スペクトルが、正常または適正注入、辺縁注入、あるいは有害事象につながり得る異常または不適正注入を示すかどうかを判定してもよい。
【0189】
かかる例では、管理システム110は、経時的に変化するデータを含むデータストリーム1208を受信し、データを使用して、ユーザへの推奨を行い、かつ/または流体注入システム102および/または撮像システム104の動作を制御する前に、「そのまま」または付加的な方法でデータを処理することなく、データを使用することができる。例えば、患者の皮膚温度に関連するパラメータを含むセンサデータのデータストリームは、経時的に変化し、データの追加の処理なしに「そのまま」使用されるデータを含んでもよい。
【0190】
かかる例では、管理システム110は、経時的に変化しないデータ1209を受信することができる。例えば、受信されたデータは、患者の年齢、患者の化学療法状態(例えば、より脆弱な静脈のより高い可能性を示し得る)などの患者に関連する情報を含んでもよい。一例として、データは、固定情報、例えば、カテーテルゲージ、造影剤濃度などの造影剤注入および/または流体経路に関する情報を含んでもよい。
【0191】
かかる例では、管理システム110は、流体注入システム102、撮像システム104、センサシステム106、ユーザデバイス108、補助システム112、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つから、センサデータおよび/または患者データのデータストリーム1210を受信することができる。例えば、管理システム110は、流体注入システム102から、プログラムされた流量、実際のまたは測定された流量、圧力、濃度に関連するデータ、および/または他の注入関連データを受信してもよい。
【0192】
かかる例では、管理システム110は、本明細書で説明されるような1または複数のアルゴリズム1211を患者データおよび/またはセンサデータのデータストリームに適用して、推奨事項および/またはシステム制御1212を決定することができる(リスク予測を決定する、検査予測を決定する、患者の健康レベルを決定する、現在のリスク予測を生成する、かかる決定に応答して流体注入システム102および/または撮像システム104を制御するなど)。例えば、音データストリームは、造影剤濃度、温度、流量、ならびにカテーテルの種類および/またはサイズ、ならびに患者の静脈構造および/または患者の静脈内のカテーテルの位置などの未知の変数または要因によって影響を受ける可能性がある。検査注入または造影剤注入の開始時に、管理システム110は、音の周波数および振幅がある正常または予期される範囲内であることを予期してもよく、これは、以前の研究から学習および/または判定され、アルゴリズムに固定されていてもよい。加えて、または代替として、アルゴリズムは、進行中の学習および適応を採用することができる。検査注入または造影剤注入の開始時の音が、正常範囲外または予想範囲外である場合、アルゴリズムは、管理システム110に、音が正常範囲外または予想範囲外であることをユーザに示してもよく、これにより、誤ったカテーテルが使用されていること、および/または誤った流体が造影剤注入のために使用されていることを示すことができる。例えば、音(例えば、「シューという音」、「笛」、または「トリル」など)の頻度は、カテーテルゲージ、長さと剛性、ならびに流体と流体の特性、流速、血管特性、および患者の静脈または組織内のカテーテルまたは針の位置(例えば、血管壁に押し付けられている)に依存し得る。例えば、音の周波数が依存するこの情報は、ユーザによって手動で、および/または流体注入システム102から自動的に、データとして管理システム110に入力されてもよい。
【0193】
かかる例では、注入の間、アルゴリズムは、流体濃度、流体温度、および/または流体流速の変化があるまで、音データが比較的一貫していることを予期することができる。例えば、管理システム110は、アルゴリズムによって変化が予期されないときに閾値変化または大きさを満たす流体濃度、流体温度、および/または流体流量の変化がある場合、ユーザに警告してもよい。管理システム110は、音データに予想される変化がないときに条件が変化(例えば、造影剤濃度の変化など)した場合、ユーザに警告することができる。同様に、適切な造影剤注入の間、音スペクトルおよび/または音の源の空間内の場所は、比較的一定であり得る(例えば、カテーテルの先端は、注入のまさに開始時を除いて、移動しないなど)。例えば、管理システム110は、注入の開始時に、または総体積流量もしくは質量流量に変化があるときに、適度なスペクトル変化または移動を可能にしてもよいが、初期移動が、それに関連する時間に閾値移動レベルを満たす場合、管理システム110は、(例えば、患者の健康レベルの一部などとして)移動の指示をユーザに提供してもよい。かかる例では、管理システム110は、患者の静脈状態などのパラメータを使用して、1または複数の警告を決定するために使用される1または複数の閾値を設定することができ、例えば、より多くのリスクのある患者に対してより低い閾値を設定してもよい。かかる例では、管理システム110は、複数のデータストリームおよびサブアルゴリズムを互いに対する「ダブルチェック」として使用し、例えば、2つ以上のサブアルゴリズムが警告を示す場合にのみユーザに警告し、それによって、誤警報の可能性を低減してもよい。応答曲面および非線形関数などのサブアルゴリズム結果を組み合わせる他の方法も利用することができる。
【0194】
図3に示すように、ステップ310において、プロセス300は、検査予測を決定することを含む。ステップ310の検査予測決定は任意選択であり得、例えば、検査注入の実行および検査注入中のセンサデータの決定は任意選択であってもよい。例えば、管理システム110は、流体注入前(例えば、造影剤注入前など)に患者に施される検査注入の間に判定されたセンサデータに基づいて、検査予測を決定してもよい。一例として、検査予測は、患者が流体注入(例えば、造影剤注入など)に応答して血管外漏出を経験する確率を含んでもよい。例えば、患者の静脈内アクセスは、標準化された方法でチェックされてもよく、患者のための標準化された段階的な生理食塩水検査注入を(手動および/または機械的に)行い、センサシステム106を用いて、検査注入の間に、患者に関連するセンサデータを決定することによって、複雑でない高流量および高圧造影剤適用が予測される。かかる例では、患者の音または測定されたパラメータの変化(例えば、注入部位に近接する血管および/または組織の変化など)が、検査注入の制御された動的低流量および低圧力条件下で判定されてもよい。例えば、管理システム110は、注入部位に近接して配置された少なくとも1つの音または振動センサによって測定された乱流音(これは、血管内に流入する流体によって引き起こされる)、温度の変化、酸素化レベルの変化、インジェクタ152の負荷圧力との比較などに基づいて、検査予測(例えば、造影剤注入の高流量および高圧下での血管外漏出の確率など)を決定し、かつ/または検査注入の十分性を評価してもよい。
【0195】
管理システム110は、専門家社会ガイドラインおよび/または病院手順のコンピュータコードへの適応および/または実装形態であり得るアルゴリズムまたはアルゴリズムの態様を、患者に関連する患者データおよび/またはセンサデータに適用して、患者の検査予測を決定することができる。かかる例では、異なる病院は、地域の嗜好、実務、国、および/または異なる病院に関連する他の要因に基づいて、異なるアルゴリズムまたは1または複数のアルゴリズムの態様を有することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、患者に関連する患者データおよび/またはセンサデータの1または複数のパラメータ(例えば、温度の変化、酸素化レベルの変化など)に基づいて患者の検査予測を決定するために、表1から表4の例に関して本明細書で上述したようなスコアリング表を使用することができる。
【0196】
一部の非限定的な実施形態では、管理システム110は、(例えば、本明細書に記載されるような)初期リスク予測機械学習モデルと同じまたは同様の方法で、検査予測機械学習モデルを生成することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、検査予測機械学習モデルは、初期リスク予測機械学習モデルと異なり得る。例えば、検査予測機械学習モデルに提供される入力または検査予測機械学習モデルによって提供される出力は、初期リスク予測機械学習モデルに提供される入力または初期リスク予測機械学習モデルによって提供される出力と異なってもよい。一例として、検査予測モデルは、入力として、患者データおよび/またはセンサデータ(例えば、検査注入の間に測定された患者データおよび/またはセンサデータの1または複数のパラメータなど)を受信し、出力として、患者が造影剤注入に応答して血管外漏出を経験しているかまたは経験しているかどうかに関する予測(例えば、確率、バイナリ出力、イエス-ノー出力、スコア、予測スコア、分類など)を提供するように設計されてもよい。
【0197】
図3に示すように、ステップ312において、プロセス300は、検査予測を提供することを含む。ステップ312の検査予測の提供は任意選択であり得、例えば、検査注入の実行および検査注入中のセンサデータの決定は任意選択であってもよい。例えば、管理システム110は、ユーザデバイス108に、患者が流体注入(例えば、造影剤注入など)に応答して、有害事象、例えば、血管外漏出を経験する確率を含む検査予測を提供してもよい。一例として、ユーザデバイス108は、流体注入(例えば、造影剤注入など)が患者に施され、撮像調査が行われる前に、検査予測をユーザ(例えば、医師など)に表示してもよい。
【0198】
一部の非限定的な実施形態または態様では、検査予測は、造影剤注入の前に患者に薬剤を投与するためのプロンプト、造影剤注入のための注入プロトコルおよび/または撮像スキャンのための撮像プロトコルを調整するためのプロンプト、造影剤注入の前に患者を準備するためのプロンプト、予測された血管外漏出に関して専門医に相談するためのプロンプト、造影剤注入および/または撮像スキャンの後に患者を観察および/もしくはフォローアップするためのプロンプト、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含み得る。例えば、管理システム110は、検査予測を決定することに応答して(例えば、患者が閾値確率を満たす血管外漏出を経験する確率を含む検査予測を決定することに応答してなど)、患者が血管外漏出を経験する確率を低減するためにユーザ(例えば、医療従事者など)が取り得るアクションを決定し、推奨してもよい。一例として、管理システム110は、ルックアップテーブルを調べ、かつ/または検査予測および/または検査予測を生成するために使用される患者データおよび/またはセンサデータにアルゴリズム(例えば、機械学習モデルなど)を適用して、患者が血管外漏出を経験する確率を低減し得る1または複数のプロンプトまたは推奨を決定してユーザに提供してもよい。
【0199】
一部の非限定的な実施形態または態様では、検査予測を決定することに応答して(例えば、患者が閾値確率を満たす血管外漏出を経験する確率などを含む検査予測を決定することに応答して)、管理システム110は、流体注入システム102および/または撮像システム104の1または複数の動作を自動的に制御および/または調整することができる。例えば、管理システム110は、造影剤注入のための注入プロトコル(例えば、最大流量を調整する、最大圧力を調整するなど)および/または撮像スキャンのための撮像プロトコル(例えば、スキャン時間を調整するなど)を自動的に調整してもよい。一例として、管理システム110は、ルックアップテーブルを調べ、かつ/または検査予測および/または検査予測を生成するために使用される患者データおよび/またはセンサデータにアルゴリズム(例えば、機械学習モデルなど)を適用して、患者が血管外漏出を経験する確率を低減し得る注入プロトコルおよび/または撮像プロトコルに対する1または複数の自動調整を決定してもよい。
【0200】
図3に示すように、ステップ314において、プロセス300は、患者の現在のリスク予測および健康レベルのうちの少なくとも1つを決定することを含む。例えば、管理システム110は、流体注入(例えば、造影剤注入など)が開始された後(例えば、流体注入の間および流体注入後の期間に、流体注入を開始するのと同時になど)、流体注入が開始された後に決定されたセンサデータに基づいて、患者の現在のリスク予測および健康レベルのうちの少なくとも1つを決定してもよい。一例として、現在のリスク予測は、患者が流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験する確率(例えば、患者が現在少なくとも1つの有害事象を経験している確率、患者が将来少なくとも1つの事象を経験する確率など)を含んでもよい。かかる例では、患者が少なくとも1つの閾値確率(例えば、90パーセント確率、100パーセント確率など)を満たす少なくとも1つの有害事象を経験する確率は、患者が現在少なくとも1つの有害事象を経験していることを示してもよく、かつ/または患者が少なくとも1つの閾値確率を満たさない少なくとも1つの有害事象を経験する確率は、患者が将来少なくとも1つの有害事象を経験する確率を示してもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、患者に関連する患者データに基づいて、流体注入の間および/または流体注入後の患者の現在のリスク予測および健康レベルのうちの少なくとも1つをさらに決定することができる。
【0201】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、流体注入の間に決定されたセンサデータに基づいて、患者の現在のリスク予測および健康レベルのうちの少なくとも1つを決定する(例えば、流体注入の間に決定するなど)ことができる。例えば、造影剤注入のための患者の血管外漏出の確率が低いことを示す検査予測の場合であっても、血管外漏出は、例えば、静脈の外側に不正確に配置された静脈内アクセス、配置後または造影剤注入の間の位置ずれおよび/またはねじれ、かつ/または患者の動きおよび/または高圧および高流量状態による患者の血管の破裂に起因して、造影剤注入の間に依然として生じる可能性がある。
【0202】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、流体注入が完了した後に決定されたセンサデータに基づいて、患者の現在のリスク予測および健康レベルのうちの少なくとも1つを決定する(例えば、流体注入が完了した後、撮像スキャン中および/または撮像スキャン後などに決定する)ことができる。
【0203】
管理システム110は、専門家社会ガイドラインおよび/または病院手順のコンピュータコードへの適合形態および/または実装形態であり得るアルゴリズムまたはアルゴリズムの態様を、患者に関連するセンサデータに適用して、患者の現在のリスク予測および健康レベルのうちの少なくとも1つを決定することができる。かかる例では、異なる病院は、地域の嗜好、実務、国、および/または異なる病院に関連する他の要因に基づいて、異なるアルゴリズムまたは1または複数のアルゴリズムの態様を有することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、患者に関連するセンサデータの1または複数のパラメータ(例えば、温度の変化、酸素化レベルの変化、動きレベル、心拍数など)に基づいて患者の現在のリスク予測および健康レベルのうちの少なくとも1つを決定するために、表1から表4の例に関して本明細書で上述したようなスコアリング表を使用することができる。
【0204】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、初期リスク予測機械学習モデルおよび/または検査予測機械学習モデル(例えば、本明細書に記載されるような)と同じまたは同様の方法で、現在のリスク予測機械学習モデルを生成することができる。一部の非限定的な実施形態では、現在のリスク予測機械学習モデルは、初期予測機械学習モデルおよび/または検査予測機械学習モデルと異なり得る。例えば、現在のリスク予測機械学習モデルに提供される入力および/または現在のリスク予測機械学習モデルによって提供される出力は、初期予測機械学習モデルおよび/または検査予測モデルに提供される入力および/または初期予測機械学習モデルおよび/または検査予測モデルによって提供される出力と異なっていてもよい。一例として、現在のリスク予測機械学習モデルは、入力として、センサデータ(例えば、造影剤注入の間および/または後に測定されたセンサデータの1または複数のパラメータなど)を受信し、出力として、患者が流体注入に応答して少なくとも1つの有害事象を経験するかどうかに関する予測(例えば、確率、バイナリ出力、イエス-ノー出力、スコア、予測スコア、分類など)を提供するように設計されてもよい。一例として、現在のリスク予測機械学習モデルは、入力として、センサデータ(例えば、造影剤注入の間および/または後に測定されたセンサデータの1または複数のパラメータなど)を受信し、出力として、患者の健康レベルに関する分類(例えば、確率、バイナリ出力、イエス-ノー出力、スコア、予測スコア、分類など)を提供するように設計されてもよい。
【0205】
図3に示すように、ステップ316において、プロセス300は、患者の現在のリスク予測および/または健康レベルを提供することを含む。例えば、管理システム110は、流体注入の間および/または流体注入後(例えば、流体注入が開始された後など)に、患者の現在のリスク予測および/または健康レベルをユーザデバイス108に提供してもよい。一例として、管理システム110は、流体注入の間に患者の現在のリスク予測および/または健康レベルをユーザデバイス108に提供してもよく、かつ/またはユーザデバイス108は、流体注入中の現在のリスク予測および/または健康レベルを、流体注入の間にユーザ(例えば、医師など)に表示してもよい。一例として、管理システム110は、流体注入後に、患者の現在のリスク予測および/または健康レベルをユーザデバイス108に提供してもよく、かつ/またはユーザデバイス108は、流体注入後に、流体注入後の患者の現在のリスク予測および/または健康レベルをユーザ(例えば、医師など)に表示してもよい。
【0206】
一部の非限定的な実施形態または態様では、現在のリスク予測は、閾値移動を満たすカテーテルの先端の移動、閾値変化を満たす流体濃度の変化、閾値温度を満たす流体温度、閾値の大きさを満たす流体流量、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに応答して生成された警告、および/またはそれらに関連する警告を含み得る。例えば、管理システム110は、患者が少なくとも1つの有害事象を経験する少なくとも1つの閾値確率を現在のリスク予測が満たすことに応答して、現在のリスク予測を有する警告を提供して、例えば、患者が少なくとも1つの事象を経験することにつながり得る状態をユーザに警告してもよい。
【0207】
一部の非限定的な実施形態または態様では、現在のリスク予測は、流体注入からの流体の流入に関連する、それによって引き起こされ、かつ/またはそれを反映する、患者の組織への変化の可視化を含み得る。
【0208】
一部の非限定的な実施形態または態様では、少なくとも1つの閾値レベルを満たす(例えば、流体注入(および/または検査注入)中に患者が有害事象(例えば、血管外漏出など)を経験していること、および/または有害事象を経験することなどを示す)現在のリスク予測を決定することに応答して、管理システム110は、流体注入(および/または検査注入)を停止するように流体注入システム102を自動的に制御し(例えば、患者への造影剤または流体の注入または送達を停止するようにインジェクタ152を制御するなど)、かつ/または撮像手順を中止するように撮像システム104を制御するか、または中止させることができ、それにより、手順に必要な造影剤が不十分であるかまたは不足し、かつ/または有害事象に関連する患者の動きまたは他の撮像障害が発生している可能性があるため、患者を非生産的な放射線被曝から保護することができる。
【0209】
一部の非限定的な実施形態または態様では、ステップ316で、プロセス300において、管理システム110は、管理システム110がステップ308~314に関して本明細書で説明されるアルゴリズムのうちの1または複数を更新および/または調整するために使用され得るフィードバックをユーザまたはオペレータから受信することができる。例えば、ユーザは、管理システム110によって行われた正常な注入または有害事象の発生の評価または判定が正しいかどうか、または現実が評価または判定と一致しないかどうかを管理システム110に知らせてもよく、その結果、遭遇する多種多様な患者に対する実際の実践においてより多くの経験が得られるため、1または複数のアルゴリズムを改善することができる。
【0210】
ここで図5Aを参照すると、図5Aは、患者および/または注入の正常性または異常を評価し、それにより流体注入の前、間、および/または後に患者の健康を保護するためのプロセス500の非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス500のステップのうちの1または複数は、管理システム110(例えば、管理システム110の1または複数のデバイスなど)によって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス500のステップのうちの1または複数は、流体注入システム102(例えば、流体注入システム102の1または複数のデバイスなど)、撮像システム104(例えば、撮像システム104の1または複数のデバイスなど)、センサシステム106(例えば、センサシステム106の1または複数のデバイスなど)、ユーザデバイス108(例えば、ユーザデバイス108のシステムの1または複数のデバイスなど)、および/または補助システム112(例えば、補助システム112の1または複数のデバイスなど)などの、管理システム110とは別個の、または管理システム110を含む、ユーザまたは別のデバイスまたはデバイスのグループによって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。
【0211】
図5Aに示すように、ステップ502において、プロセス500は、患者の画像を捕捉することを含む。例えば、センサシステム106は、患者の画像を捕捉してもよい。一例として、センサシステム106は、画像捕捉デバイス(例えば、カメラなど)を含む非接触センサ164bを含んでもよく、画像捕捉デバイスによって捕捉されたセンサデータは、一定期間にわたって捕捉された患者の複数の画像(例えば、ビデオストリームなど)(例えば、患者の注入部位および/または患者の注入部位に近接するおよび/またはその周囲の領域などを含む画像)を含んでもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス500のステップ502は、プロセス300のステップ308の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行することができる。かかる例では、少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み得る。
【0212】
図5Aに示すように、ステップ504において、プロセス500は、画像間の色および/または動きの変化を強調、拡大、または増幅するために画像を処理することを含む。例えば、管理システム110は、一定期間にわたって捕捉された患者の複数の画像を処理して、複数の画像間(例えば、複数の画像内の1または複数の物体および/または領域間など)の色および動き(例えば、低周波数の動き、高周波数の音に基づく動きまたは振動など)のうちの少なくとも1つの変化を強調、拡大、または増幅してもよい。一例として、管理システム100は、2012年7月に公開されたWuらの「Eulerian Video Magnification for Revealing Subtle Changes in the World」と題する論文に記載されているようなオイラー動画像誇張処理(Eulerian Video Magnification)技術を使用して複数の画像を処理することができ、この論文の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0213】
図5Aに示すように、ステップ506において、プロセス500は、強調された変化を含む画像を表示することを含む。例えば、管理システム110は、強化された変化を含む複数の画像を(例えば、ユーザデバイス108などを介して)ユーザに表示してもよい。したがって、強調された画像を見るユーザ(例えば、医師など)は、画像内の色および/または動きの強調された変化に起因して患者が血管外漏出を経験しているかどうかをより容易に検出することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス500のステップ506は、プロセス300のステップ312および/またはステップ316の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、強調された画像は、ユーザに表示されず、および/または管理システム110は、強調された画像を内部で処理および評価する。
【0214】
図5Aに示すように、ステップ508において、プロセス500は、患者の現在のリスク予測および/または健康レベルを決定することを含む。例えば、管理システム110は、注入が予想通りに進行しているか否か、患者が不快感を経験しているか否か、および/または患者が血管外漏出もしくは別の有害事象を経験しているかもしくは経験する可能性が高いか否かを判定してもよい。一例として、管理システム110は、強化された変化に基づいて、現在のリスク予測(例えば、血管外漏出確率など)および/または患者の健康レベルを決定してもよい。一例として、管理システム110は、アルゴリズムまたは1または複数のアルゴリズムの態様(例えば、機械学習モデルなど)を、強化された変化を含む複数の画像に適用して、現在のリスク予測(例えば、血管外漏出確率など)および/または患者の健康レベルを決定してもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス500のステップ508は、プロセス300のステップ310および/またはステップ314の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行することができる。
【0215】
図5Aに示すように、ステップ510において、プロセス500は、患者の現在のリスク予測および/または健康レベルに自動的に応答することを含む。例えば、管理システム110は、注入が予想通りに進行しているという判定、患者が不快感を経験しているという判定、または患者が血管外漏出もしくは別の有害事象を経験しているという判定に応答して、1または複数の動作を実行してもよい。例えば、管理システム110は、有害事象が発生している、発生しそうである、または発生する可能性が高いという判定に応答して(例えば、少なくとも1つの閾値確率を満たす確率を含む現在のリスク予測に応答してなど)、1または複数の所望のステップまたはアクションを実行してもよい。一例として、1または複数の所望のステップまたはアクションは、管理システム110を通して、ユーザ、病院、または何らかの適切な身体によって設定されてもよい。かかるアクションは、評価または決定に対してオペレータに警告すること、注入の注入速度を遅くするようにインジェクタ152を自動的に制御すること、注入を一時停止するようにインジェクタ152を自動的に制御すること、および/または流体注入(例えば、造影剤注入など)を自動的に停止することを含み得る。一例として、管理システム110は、患者が血管外漏出または別の有害事象を経験していると判定したことに応答して、かつ/または患者の健康状態レベルが少なくとも1つの閾値レベルを満たしていると判定したことに応答して、流体注入を自動的に停止してもよい(例えば、流体注入システム102を制御して流体または造影剤の流れおよび/または送達を停止するなど)。
【0216】
ここで図5Bを参照すると、図5Bは、患者および/または注入の正常性または異常を評価し、それにより流体注入の前、間、および/または後に患者の健康を評価および/または保護するためのプロセス550の非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス550のステップのうちの1または複数は、管理システム110(例えば、管理システム110の1または複数のデバイスなど)によって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス550のステップのうちの1または複数は、流体注入システム102(例えば、流体注入システム102の1または複数のデバイスなど)、撮像システム104(例えば、撮像システム104の1または複数のデバイスなど)、センサシステム106(例えば、センサシステム106の1または複数のデバイスなど)、ユーザデバイス108(例えば、ユーザデバイス108のシステムの1または複数のデバイスなど)、および/または補助システム112(例えば、補助システム112の1または複数のデバイスなど)などの、管理システム110とは別個の、または管理システム110を含む、ユーザまたは別のデバイスまたはデバイスのグループによって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。
【0217】
図5Bに示すように、ステップ552において、プロセス500は、患者の画像を捕捉することを含む。例えば、センサシステム106は、患者の画像を捕捉してもよい。一例として、センサシステム106は、画像捕捉デバイス(例えば、カメラ、IRカメラなど)を含む非接触センサ164bを含んでもよく、画像捕捉デバイスによって決定されたセンサデータは、一定期間にわたって捕捉された患者の(例えば、患者の注入部位および/または患者の注入部位に近接するおよび/またはその周囲の領域などの)複数の画像(例えば、複数のIR画像など)を含んでもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス500のステップ552は、プロセス300のステップ308の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行することができる。かかる例では、少なくとも1つの有害事象は、血管外漏出を含み得る。
【0218】
図5Bに示すように、ステップ554において、プロセス500は、画像を処理して、患者の第1の場所と第2の場所との間、および/または同じ場所の2つの時点間の吸収スペクトルの差を決定することを含む。例えば、センサシステム106は、赤外線(IR)カメラを含む画像捕捉デバイスを含んでもよく、複数の画像は、複数のIR画像を含んでもよい。一例として、管理システム110は、複数のIR画像を処理して、複数の画像内の患者の第1の場所(例えば、患者の血管に関連する位置など)と患者の第2の場所(例えば、患者の血管の外部の患者の組織に関連する位置など)との間の吸収スペクトルの差を決定してもよい。例えば、造影剤注入を介して注入される流体は、典型的には、患者の体温よりも低温であるため、より長い波長IRスペクトルが、温度を査定するために使用されてもよい。一例として、管理システム110は、2005年1月7日に出願された米国特許出願公開第2006/0173360A1号に記載されている方法を使用して複数の画像を処理することができ、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0219】
図5Bに示すように、ステップ556において、プロセス550は、吸収スペクトルの差および/または経時的な吸収スペクトルを含む画像を表示することを含む。例えば、管理システム110は、吸収スペクトルの差を含む複数の画像を、ユーザに見える形で(例えば、ユーザデバイス108などを介して)ユーザに表示してもよい。したがって、画像を見るユーザ(例えば、医師など)は、表示された画像に表された吸収スペクトルの差により、患者が正常な注入を経験しているか、または血管外漏出を経験しているかをより容易に検出することができる。一例として、患者の第1の場所は、患者の血管または静脈を含んでもよく、患者の第2の場所は、患者の血管または静脈を取り囲む患者の組織を含んでもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス550のステップ556は、プロセス300のステップ312および/またはステップ316の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0220】
図5Bに示すように、ステップ558において、プロセス550は、プロセス500が患者の現在のリスク予測および/または健康レベルを決定することを含むことを含む。例えば、管理システム110は、注入が予想通りに進行しているか否か、患者が不快感を経験しているか否か、および/または患者が血管外漏出および/または別の有害事象を経験しているか否かを判定してもよい。例えば、管理システム110は、患者の第1の場所と患者の第2の場所との間の吸収スペクトルの差に基づいて、患者が血管外漏出および/または別の有害事象を経験しているかどうかを判定してもよい。一例として、管理システム110は、吸収スペクトルの差を1または複数の閾値と比較して、患者が血管外漏出および/または別の有害事象を経験しているかどうかを判定し、かつ/または患者の健康レベルを決定してもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス550のステップ558は、プロセス300のステップ310および/またはステップ314の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0221】
図5Bに示すように、ステップ560において、プロセス560は、患者の現在のリスク予測および/または健康レベルに自動的に応答することを含む。例えば、管理システム110は、注入が予想通りに進行しているという判定、患者が不快感を経験しているという判定、または患者が血管外漏出もしくは別の有害事象を経験しているという判定に応答して、1つの動作を自動的に実行してもよい。例えば、管理システム110は、血管外漏出または別の有害事象が起こっている、起こりそうである、または起こる可能性が高いという判定に応答して(例えば、少なくとも1つの閾値確率を満たす確率を含む現在のリスク予測に応答してなど)、1または複数の所望のステップまたはアクションを実行してもよい。所望のステップまたはアクションは、管理システム110を通して、ユーザ、病院、および/またはある適切な身体によって設定することができる。かかるアクションは、評価または決定に対してオペレータに警告すること、注入の注入速度を遅くするようにインジェクタ152を自動的に制御すること、注入を一時停止するようにインジェクタ152を自動的に制御すること、および/または流体注入を自動的に停止することを含み得る。例えば、管理システム110は、患者が血管外漏出または別の有害事象を経験していると判定したことに応答して、かつ/または患者の健康状態レベルが少なくとも1つの閾値レベルを満たしていると判定したことに応答して、流体注入を自動的に停止してもよい(例えば、流体注入システム102を制御して流体または造影剤の流れおよび/または送達を停止するなど)。
【0222】
ここで図6を参照すると、図6は、患者および/または注入の正常性または異常を評価し、それにより流体注入に対する患者の健康を評価および/または保護するためのプロセス600の非限定的な実施形態または態様のフロー図である。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス600のステップのうちの1または複数は、管理システム110(例えば、管理システム110の1または複数のデバイスなど)によって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス600のステップのうちの1または複数は、流体注入システム102(例えば、流体注入システム102の1または複数のデバイスなど)、撮像システム104(例えば、撮像システム104の1または複数のデバイスなど)、センサシステム106(例えば、センサシステム106の1または複数のデバイスなど)、ユーザデバイス108(例えば、ユーザデバイス108のシステムの1または複数のデバイスなど)、および/または補助システム112(例えば、補助システム112の1または複数のデバイスなど)などの、管理システム110とは別個の、または管理システム110を含む、ユーザまたは別のデバイスまたはデバイスのグループによって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。
【0223】
図6に示すように、ステップ602において、プロセス600は、流体注入(および/または検査注入)中に患者に送達される流体の中に音または振動信号を誘発することを含む。例えば、図7も参照すると、流体インジェクタ152の実装形態700は、流体注入(例えば、造影剤注入など)(および/または検査注入)中に流体を患者に送達する、インジェクタ、注射器、および流体経路のうちの少なくとも1つに接続される、音生成デバイス702(例えば、発振器、スピーカ、バイブレータ、笛など)を含んでもよい。一例として、音生成デバイス702は、患者への流体注入(および/または検査注入)中に、流体注入(および/または検査注入)中に患者に送達される流体(例えば、造影剤、生理食塩水など)の中に音信号を誘発してもよく、これにより、注入正常性、注入進行、および/または血管外漏出の検出の査定を向上させるように、患者の血管系、周囲組織、および/または血液の中に音波またはパルスを誘発または伝送することができる。CT撮像手順のために使用される造影剤インジェクタに接続されるものとして図7に示されるが、非限定的な実施形態または態様は、それに限定されず、音生成デバイス702は、任意の種類の流体送達デバイスの中に組み込まれてもよい。本開示の別の非限定的な実施形態または態様では、音生成デバイス702は、患者に送達されている流体が流体経路および/または患者を通して流動するにつれて、音を生成することができる。空気が笛の上を流れるときに笛が空気中に音を生成する方法と同様に、流体経路の特別なデバイスまたは要素が、この音を生成するために使用され得る。使用され得る1つの現象は、渦流出である。渦放出では、音の周波数は、流体流量、速度、および他の特性に依存し得る。これは、注入の1または複数の局所特性の定性的および潜在的に定量的な表示を管理システム110に提供するという利点を有しており、これを使用して、有害事象の正常性、進行、および/または発生のリスクを評価することができる。音または振動は、人間の通常の聴覚範囲内であるか外であるかにかかわらず、外部で生成され、課され、かつ/もしくは挿入され、または本質的に作成および/もしくは生成される、任意の持続時間の任意の機械的な発振または振動現象を含み得る。
【0224】
図6のステップ604に示すように、プロセス600は、患者の領域または部分の音または振動を測定することを含む。例えば、センサシステム106は、(例えば、流体注入の間、流体の中への音信号の誘発と同時に)患者の音または振動を測定してもよい。一例として、センサシステム106は、(例えば、患者の注入部位に近接して配置された接触センサデバイス400で実装される)音または振動センサを含んでもよく、センサシステム106は、音または振動センサを用いて、例えば、患者に関連するセンサデータとして、(例えば、患者の注入部位に近接した場所で)患者の音または振動の周波数および振幅のうちの少なくとも1つを測定してもよい。かかる例では、患者内に誘発される音波またはパルスは、音または振動センサによって捕捉される音または振動信号の品質または信号対雑音比を改善することができ、これは、管理システム110が、音または振動センサによって捕捉される音または振動に基づいて、流体注入の間の血管外漏出をより容易に判定することを可能にし得る。例えば、音信号の周波数および/または振幅は、音または振動センサによる検出を向上させるように調整されてもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス600のステップ604は、プロセス300のステップ308の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0225】
図6に示すように、ステップ606において、プロセス600は、患者の現在のリスク予測および/または健康レベルを決定することを含む。例えば、管理システム110は、注入が予想通りに進行しているか否か、患者が不快感を経験しているか否か、および/または患者が血管外漏出または別の有害事象を経験しているか否かを判定してもよい。例えば、管理システム110は、周波数、振幅、音の見かけの中心もしくは場所、および/または患者の測定された音もしくは振動に関連する特性のいずれかの経時的な変化のうちの少なくとも1つに基づいて、注入の状態(例えば、現在のリスク予測および/または患者の健康レベルなど)を決定してもよい。一例として、血管外漏出中に患者の皮膚の下に溜まる注入された流体は、患者の血管系を通って流れる流体と比較して異なる音シグネチャを生成することがあり、これは、流体が溜まる局所的な音の大きさの増加および/またはドップラー効果による音の周波数のシフトとして現れることがある。かかる例では、管理システム110は、測定された周波数および/または振幅を、1または複数の閾値、既知の周波数および/または振幅のライブラリ、および/または検査注入の間に判定される基準周波数および/または振幅と比較することによって、患者が血管外漏出を経験しているかどうかを判定してもよい。したがって、本開示の非限定的な実施形態または態様は、患者の脈管構造においてより検出可能な増強された信号を生成および測定することによって、外部センサアレイを用いて流体注入および関連する流体血管外漏出を受動的に監視することの信号対雑音の制限に対処することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス600のステップ606は、プロセス300のステップ310および/またはステップ314の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0226】
図6に示すように、ステップ608において、プロセス600は、患者の現在のリスク予測および/または健康レベルに自動的に応答することを含む。例えば、管理システム110は、注入が予想通りに進行しているという判定、患者が不快感を経験しているという判定、または患者が血管外漏出もしくは別の有害事象を経験しているという判定に応答して、1または複数の動作を自動的に実行してもよい。例えば、管理システム110は、血管外漏出が発生しているか、発生しそうであるか、または発生する可能性が高いという判定に応答して(例えば、少なくとも1つの閾値確率を満たす確率を含む現在のリスク予測に応答してなど)、1または複数の所望のステップまたはアクションを実行してもよい。所望のステップまたはアクションは、管理システム110を通して、ユーザ、病院、またはある適切な身体によって設定することができる。かかるアクションは、評価または決定に対してオペレータに警告すること、注入の注入速度を遅くするようにインジェクタ152を自動的に制御すること、注入を一時停止するようにインジェクタ152を自動的に制御すること、および/または流体注入を自動的に停止することを含み得る。例えば、管理システム110は、患者が血管外漏出または別の有害事象を経験していると判定したことに応答して、かつ/または患者の健康状態レベルが少なくとも1つの閾値レベルを満たしていると判定したことに応答して、流体注入を自動的に停止してもよい(例えば、流体注入システム102を制御して流体または造影剤の流れおよび/または送達を停止するなど)。
【0227】
医用撮像は、患者にとってストレスの多い経験であり得る。ストレスは、患者がさらなる「検査」を必要とする状態を有することを知ったときから始まり得る。「検査」という用語は、患者にとって、非常に重い病気である可能性があることを意味する場合があり、患者は、検査がどのようなものであるかを知らない可能性があるので、恐怖を誘発する場合がある。特定の検査が処方され、患者が行われるべき医用撮像についての間接的な情報および誤った情報を得ると、ストレスが増加する可能性がある。医用撮像はまた、例えば、患者が血管外漏出を経験する場合、患者にとって潜在的に痛みを伴う経験であり得る。しかしながら、特定の有害事象、例えば、血管外漏出を検出および/または低減することに注目するあまり、より一般的な患者の苦痛および患者の苦痛の原因が見過ごされる可能性がある。したがって、一般的な患者の苦痛を評価または判定し、それに応答して患者ケアのレベルを改善するための解決策を提供するシステムおよび方法が必要とされている。
【0228】
ここで図9を参照すると、図9は、流体注入のために患者の健康を保護するためのプロセス900の非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス900のステップのうちの1または複数は、管理システム110(例えば、管理システム110の1または複数のデバイスなど)によって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス900のステップのうちの1または複数は、流体注入システム102(例えば、流体注入システム102の1または複数のデバイスなど)、撮像システム104(例えば、撮像システム104の1または複数のデバイスなど)、センサシステム106(例えば、センサシステム106の1または複数のデバイスなど)、ユーザデバイス108(例えば、ユーザデバイス108のシステムの1または複数のデバイスなど)、および/または補助システム112(例えば、補助システム112の1または複数のデバイスなど)などの、管理システム110とは別個の、または管理システム110を含む、ユーザまたは別のデバイスまたはデバイスのグループによって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。
【0229】
図9に示すように、ステップ902において、プロセス900は、一定期間わたって患者に関連するセンサデータの1または複数のパラメータの変化を決定することを含む。例えば、管理システム110は、一定期間にわたって患者に関連するセンサデータの1または複数のパラメータの変化を判定してもよい。一例として、接触センサデバイス800(および/または接触センサデバイス400)は、(例えば、パルスオキシメータ、皮膚抵抗センサ、加速度計、温度センサなどを用いて)センサデータ(例えば、心拍数、酸素飽和度、皮膚抵抗率、動きまたは運動レベル、注入部位に近接する温度など)を決定し、センサデータを管理システム110に伝送してもよい。代替として、または加えて、非接触センサ164bは、患者の運動、紅潮、腫脹、および/または非接触センサ164bによって測定されるような本明細書に説明される任意の他の測定値を測定し、センサデータを管理システム110に伝送してもよい。
【0230】
図9に示すように、ステップ904において、プロセス900は、患者に関連する患者の苦痛レベルを決定することを含む。例えば、管理システム110は、患者が快適であるかもしくは苦痛を感じているか、または苦痛を感じている可能性があるかどうかを判定してもよい。例えば、管理システム110は、流体注入が開始された後に判定されたセンサデータに基づいて、患者が苦痛を感じているかどうかを判定してもよい。一例として、管理システム110は、一定期間にわたるセンサデータの1または複数のパラメータの変化を判定し、1または複数のパラメータの変化を少なくとも1つの閾値変化と比較し、少なくとも1つの閾値変化を満たす1または複数のパラメータの変化に応答して、患者の苦痛レベルおよび/または患者が苦痛を感じていることを判定してもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス900のステップ904は、プロセス300のステップ310および/またはステップ314の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0231】
図9に示すように、ステップ906において、プロセス900は、警告を提供することを含む。例えば、管理システム110は、患者が苦痛を感じていると判定したことに応答して(例えば、少なくとも1つの閾値レベルを満たす患者の苦痛レベルに応答してなど)、患者が苦痛を感じていることを示す警告をユーザデバイス108に提供し得る。一例として、ユーザデバイス108は、患者が経験した不快感および/または苦痛の種類に関連する情報および/またはデータを含み得る警告をユーザ(例えば、医師など)に表示してもよい。例えば、ユーザは、患者の苦痛のレベルを低減するために、患者の快適さを改善するのに役立つ1または複数のアクションを行ってもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス900のステップ906は、プロセス300のステップ312および/またはステップ316の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0232】
図9に示すように、ステップ908において、プロセス900は、流体注入システムおよび/または撮像システムを制御することを含む。例えば、管理システム110は、患者が苦痛状態にあると判定したことに応答して(例えば、少なくとも1つの閾値レベルを満たす患者の苦痛レベルに応答してなど)、(i)流体媒体注入(および/または検査注入)を修正、一時停止、または停止するための流体注入システム、および(ii)撮像動作のタイミングを調整する撮像システム(例えば、患者がもはや苦痛状態にないと管理システム110が判定するまで、撮像を遅延または一時停止するためなど)のうちの少なくとも1つを自動的に制御してもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス900のステップ908は、プロセス300のステップ312および/またはステップ316の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0233】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、苦痛を感じている患者の注意をそらすために、流体注入システム102、撮像システム104、および/またはセンサシステム106の1または複数のデバイスを制御するためのアクションを自動的にまたは半自動的に行うことができる。例えば、患者が苦痛状態にあると判定したことに応答して(例えば、少なくとも1つの閾値レベルを満たす患者の苦痛レベルに応答してなど)、管理システム110は、触覚デバイス(例えば、患者のベッドまたはテーブル、接触センサデバイス400および/または800、バイブレータ、指圧デバイスなど)、スピーカ、および/またはディスプレイを自動的に制御して、患者の気をそらす(例えば、吐き気を経験している患者の気をそらす、IV配置から患者の気をそらすなど)ことができる。
【0234】
ここで図10を参照すると、図10は、流体注入のために患者の健康を促進および/または保護するためのプロセス1000の非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス1000のステップのうちの1または複数は、管理システム110(例えば、管理システム110の1または複数のデバイスなど)によって(例えば、完全に、部分的になど)実行され得る。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス1000のステップのうちの1または複数は、流体注入システム102(例えば、流体注入システム102の1または複数のデバイスなど)、撮像システム104(例えば、撮像システム104の1または複数のデバイスなど)、センサシステム106(例えば、センサシステム106の1または複数のデバイスなど)、ユーザデバイス108(例えば、ユーザデバイス108のシステムの1または複数のデバイスなど)、および/または補助システム112(例えば、補助システム112の1または複数のデバイスなど)などの、管理システム110とは別個の、または管理システム110を含む、ユーザまたは別のデバイスまたはデバイスのグループによって(例えば、完全に、部分的になど)実行することができる。
【0235】
図10に示すように、ステップ1002では、プロセス1000は、呼吸、姿勢(例えば、静置、保持姿勢など)、および/または他の挙動ガイダンスを提供することを含む。例えば、管理システム110は、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ライト(例えば、インジェクタ152のライトなど)、ディスプレイ(例えば、インジェクタユーザインターフェース156など)、スピーカ、および触覚デバイス(例えば、患者ベッドまたはテーブル、接触センサデバイス400および/または800など)のうちの少なくとも1つを制御し、(例えば、造影剤注入の前、間、または後に)患者の呼吸を誘導するための視覚命令、音声命令、および触覚命令のうちの少なくとも1つを提供してもよい。
【0236】
患者が呼吸を制御し、静止したままでいることができることは、放射線撮像手順に有用である。電動インジェクタの設計は、通常、ユーザ(例えば、医療専門家など)の必要性および相互作用に高度に焦点を当てている。しかしながら、典型的には、患者ならびにその相互作用および知覚にあまり注意が払われず、医療デバイスの開発中に見過ごされる可能性がある。典型的な手順では、呼吸誘導は、典型的には、医療専門家によって(例えば、インターコムを介して)指示される。また、多くの医療環境は、低温(例えば、情動性および温かみを欠くなど)であると認識される。ストレスおよび不安に圧倒され、医療処置に至り、医療処置を受ける種々の患者が存在する。
【0237】
放射線医学室のスキャン室などの医療環境内でイラスト、照明、および音を使用してメディテーションの実践を改善することにいより、処置全体の患者の経験を変えることができる。患者は、典型的には、撮像手順中に仰向けになり、スキャナの内側ボアの天井および壁を主に見ることになる。直接的な視線がない場合、色付きの照明(例えば、青=穏やか、など)および周囲の音(例えば、落ち着かせる音声プロンプト、およびホワイトノイズ)の使用は、患者をリラックスさせるのを助けるために患者に届くことができる。図11も参照すると、図11は、患者の呼吸を誘導するための命令1100の非限定的な実施形態または態様を示しており、これは、ディスプレイ(例えば、インジェクタディスプレイ、撮像装置ディスプレイ、ユーザデバイスなど)を介してスキャン室内の患者に動画の形態で送達され得る。図11に示すように、拡張および閉鎖による浅い呼吸および深い呼吸を示す(例えば、グラフィカルユーザインターフェース上の、インジェクタ152および/または撮像装置158からの照明としての)アニメーション化されたハローが、患者に表示され得る。
【0238】
ハローが開始状態から広がるにつれて、音声命令が患者に深呼吸をするように促してもよく、インジェクタからの照明が強くなり、色付きの光がスキャナのボア内に輝く。完全に広げられた状態では、音声が患者に息を止めるように促すので、ディスプレイは、完全な照明のままであり得る。患者が息を吐くことが可能になると(例えば、撮像動作の終了または一時停止などに起因して)、ハローは、開始状態まで縮小し、照明は、より低強度になり得る。所望により、ハローは、患者が再び呼吸することができるときを患者に知らせるためにカウントダウンする数を含み得る。これにより、患者に何が期待されているかに関する情報が患者に与えられる。したがって、音声プロンプトを伴う視覚出力を使用して、造影剤注入、撮像スキャンなどの放射線手順を受けている、かつ/または受けようとしている患者のための適切な呼吸を実証し、手順に先立って患者を落ち着かせて、かつ/または手順中に呼吸誘導を提供することができる。このようにして、視覚出力および音声プロンプトを使用して、ムード照明、落ち着いた音声プロンプト、周囲雑音、および/または触覚フィードバック(例えば、アニメーションに合わせて振動する接触センサデバイス400および/または800内のバイブレータなど)を用いることによって、放射線室のスキャン室から患者を落ち着かせることができ、これらはメディテーションにおいて概して使用され、緊張および不安を感じる患者をリラックスさせることができる。ガイダンスおよび/またはその提示の変形例を使用して、種々の患者(例えば、毎日、小児、認知障害、恐怖症など)に適応することができる。
【0239】
一部の非限定的な実施形態または態様では、患者の呼吸を誘導するための命令は、患者が処置室またはスキャン室に入る前に、かつ/またはその外側で提供することができる。例えば、命令は、患者に通知および/または準備するための教育ツールとして使用されてもよく、本明細書に記載されるような患者ケアポータルまたはシステムのためのアプリケーションを介して患者に提供されてもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、ガイダンスを使用して、所望により撮像室において、手順の前に練習することができる。センサ164aおよび164bと組み合わせた管理システム110は、計画された命令に従う患者の能力を評価することができる。患者が計画された命令に従うことができないことが管理システム110によって決定される場合、造影剤注入および撮像手順は、患者に適応するように修正されてもよい。
【0240】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、撮像システム104の撮像動作のタイミングに基づいて、患者の呼吸を誘導するための視覚命令、音声命令、および触覚命令のうちの少なくとも1つを調整してもよい。例えば、管理システム110は、撮像システム104(例えば、撮像装置158など)が患者を能動的に撮像しているときに、患者に息を止めるように指示するための命令を自動的に調整してもよい。
【0241】
図10に示すように、ステップ1004において、プロセス1000は、患者に関連する苦痛レベルを決定することを含む。例えば、管理システム10は、患者が快適であるか、苦痛を感じるようになっているか、または苦痛を感じているか(例えば、患者の苦痛レベルが少なくとも1つの閾値レベルを満たすかなど)を判定してもよい。例えば、管理システム110は、流体注入が開始された後に決定されたセンサデータに基づいて(例えば、接触センサデバイス400を介して決定されたセンサデータに基づいて、接触センサデバイス800を介して決定されたセンサデータに基づいてなど)、患者の苦痛レベルおよび/または患者が苦痛を感じているかどうかを判定してもよい。一例として、管理システム110は、一定期間にわたるセンサデータの1または複数のパラメータの変化を判定し、1または複数のパラメータの変化を少なくとも1つの閾値変化と比較し、少なくとも1つの閾値変化を満たす1または複数のパラメータの変化に応答して、患者の苦痛レベルおよび/または患者が苦痛を感じていることを判定してもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス1000のステップ1004は、プロセス900のステップ904の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0242】
一部の非限定的な実施形態または態様では、管理システム110は、流体注入が開始された後に決定されたセンサデータに基づいて、患者の流体注入および/または画像スキャンが1または複数のコンプライアンス閾値(例えば、撮像スキャン中の患者の動きに関連する閾値、撮像スキャン中に取得された画像の品質に関連する閾値など)を満たすかどうかを判定することができる。例えば、管理システム110は、スキャン中の患者の移動/運動およびスキャンの画像内のアーチファクト生成に関連するセンサデータを処理して、テーブル運動の影響を決定してもよい。
【0243】
図10に示すように、ステップ1006において、プロセス1000は、行動ガイダンスを調整することを含む。例えば、管理システム110は、患者が苦痛を受けていると判定したことに応答して(例えば、少なくとも1つの閾値レベルを満たす患者の苦痛レベルに応答してなど)、患者の呼吸および/または位置決めを誘導するための視覚命令、音声命令、および触覚命令のうちの少なくとも1つを調整してもよい。一例として、管理システム110は、患者の測定された呼吸に関連する音声および/または視覚フィードバックを患者に提供し、かつ/または命令のタイミングおよび/または命令に対応する撮像スキャン時間を調整してもよい。一部の非限定的な実施形態または態様では、プロセス1000のステップ1006は、プロセス300のステップ312および/またはステップ316の一部として、かつ/または同じもしくは同様の方法で実行されてもよい。
【0244】
一部の非限定的な実施形態または態様では、接触センサデバイス400、800は、管理システム110に情報を提供して、管理システム110が患者の進行中の注入後の健康を評価し、遅延有害事象、例えば、遅延アレルギー反応の可能性を監視することを可能にするために、流体注入後しばらくの間患者と接触したままであり得る。管理システム110は、患者の状態を(例えば、ユーザデバイス108などを介して)ユーザに通知してもよく、患者の状態または健康が解放に最適または十分なものでない場合、追加の監視時間および/または他のアクションを推奨することができる。
【0245】
本開示は、本明細書に説明されるデバイス、システム、およびプロセスの継続的改善を見込むものである。測定が行われ、データが収集され、予測がより多くの患者の実際の結果と比較されるにつれて、アルゴリズムは、より高度なアルゴリズムで改善または置換され得、例えば、訓練されたニューラルネットワークが、表1から表4で使用される合計スコアを置換してもよい。最初に、管理システム110は、医療従事者に予測を提供し、医療従事者に潜在的な有害事象または不快感を警告するのみであってもよい。管理システム110は、データが管理システム110によって収集されるにつれて、より多くのことを行い、よりインテリジェントになり、医療従事者にあまり依存しなくなり得る。
【0246】
一例として、接触センサ164aおよび/または非接触センサ164bを介した音または振動の測定を考える。医療従事者は、検査注入または流体注入(例えば、造影剤注入など)の開始時に、カテーテルから流出する流体の振動を「感じる」ために、カテーテルの出口または先端を覆う皮膚上に2本の指を配置することが一般的であるが、医療従事者は、概して、撮像自体が生じるときに撮像室から出る必要があるため、それを継続することができない。したがって、これらの振動が注入の時間経過にわたってどのように展開するかについてのデータはほとんどない。一部のデータは、ファントムおよびファントム/ヒトのハイブリッド設定で得られている。しかし、血管外漏出またはアレルギー反応などの有害事象は非常に稀であり、ファントムモデルまたは動物モデルはそこまでしか進まないので、管理システム110は、医療従事者が、注入の開始時に数秒間だけ注入部位を感じるのではなく、注入全体にわたって注入の音を遠隔で聞くまたは感じることを可能にする「遠隔電子聴診器」と称され得る機能を最初に提供することができると予想される。最初に、管理システム110は、注入または撮像調査自体を変更するために、いかなる判断も行わない、またはいかなる措置も講じない場合がある。しかしながら、正常な注入および異常な注入が監視および測定され、結果に関連付けられると、管理システム110は、その内容全体が参照することによって本明細書に援用される、2016年1月29日に出願された米国特許出願公開第2016/0224750A1号のデバイスおよびシステムと同様に、医療従事者に有害事象の可能性のある存在を警告し、かつ/または医療従事者に有害事象開始の予測を警告する能力を提供することができる。管理システム110は、医療従事者にアクションを推奨してもよいし、医療従事者が取り消すことができるアクションを行ってもよい。正常な注入および異常な注入が監視され、測定され、結果に関連し続けると、管理システム110は、1または複数の領域において十分に洗練され、かつ/または訓練されることができ、管理システム110は、人間が不可能な方法で状況に応答して感知し、動作することができる。加えて、医療従事者は、時間の経過とともに、かつ改善により管理システム110に対する信頼を得ることができ、それにより、より自動的な推奨およびアクションを行うことができる。加えて、種々のセンサの電気的または物理的構成は、蓄積されたデータからの学習に基づいて改善することができる。
【0247】
本明細書の説明および開示は、デバイス、システム、および方法が、任意の注入についての情報を収集および評価し、最終的に、有害事象の存在に対する良好性または正常性の連続に沿って任意の注入を評価し得ることを明らかにするものである。これは、異常を探す過去のデバイスで使用されてきた正常と異常の一般的な2つのバケツ、単一の閾値の区別を超えたものである。
【0248】
本明細書で説明される態様および実施形態の多くでは、センサ164aおよび/または164bならびに管理システム110は、他のシステムに関連して、かつ他のシステムと通信していると考えられている。一部の非限定的な実施形態または態様では、センサ164aおよび/または164b管理システム110は、スタンドアロンシステムであり得る。この例は、本明細書に記載される遠隔電子聴診器機能を含み得る。これは、音を感知し、感知され増幅された音を増幅し伝送して、医療従事者が注入から発する音を聞くことができるようにする単純なシステムであり得る。単純な独立型システムの第2の例は、注入部位を監視し、画像の選択された態様を向上させ、観察するための医療作業のためにそれらを伝送する、非接触センサ164bである。
【0249】
実施形態または態様は、例示および説明の目的で詳細に説明されているが、かかる詳細は、単にその目的のためであり、実施形態または態様は、開示される実施形態または態様に限定されず、逆に、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある修正および同等の構成を包含することが意図されることを理解されたい。例えば、本開示は、可能な限り、任意の実施形態または態様の1または複数の特徴が、任意の他の実施形態または態様の1または複数の特徴と組み合わされ得ることを企図することが理解されるべきである。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない、かつ/または本明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。以下に列挙される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属し得るが、可能な実装形態の開示は、請求項セット内の全ての他の請求項と組み合わせた各従属請求項を含む。
【符号の説明】
【0250】
100 環境
102 流体インジェクタシステム
104 撮像システム
106 センサシステム
108 ユーザデバイス
110 管理システム
112 補助システム
114 通信ネットワーク
150 実装形態
152 インジェクタ
154 インジェクタ制御計算システム
156 インジェクタユーザインターフェース
158 撮像装置
160 撮像装置制御計算システム
162 撮像装置ユーザインターフェース
164 1個または複数のセンサ
164a 1個または複数の接触センサ
164b 1個または複数の非接触センサ
166 制御計算システム
168 1個または複数の病院情報システム
170 クラウドコンピューティングおよびオフサイトリソース
172 管理ユーザインターフェース
200 デバイス
202 バス
204 プロセッサ
206 メモリ
208 記憶構成要素
210 入力構成要素
212 出力構成要素
214 通信インターフェース
300 プロセス
400 接触センサデバイス
402 接触センサ
404 ハウジング
405a 第1の端部
405b 第2の端部
406 通信デバイス
408 プロセッサ
410 ユーザ入力/フィードバックデバイス
412 バッテリ
450 シース
500 プロセス
550 プロセス
600 プロセス
700 実装形態
702 音生成デバイス
800 接触センサデバイス
802 ハウジング
804 指センサ
805a 第1の端部
805b 第2の端部
806 ワイヤ
808 電子構成要素
810 導電性プローブまたは電極
812 使い捨て接着プロテクタ
900 プロセス
1000 プロセス
1100 命令
1201 音声データストリーム
1202 音声データストリーム
1203 音声データストリーム
1204 データ結合技術
1205 結合データストリーム
1206 データ抽出プロセス
1207 付加的データストリーム
1208 データストリーム
1209 データ
1210 データストリーム
1211 アルゴリズム
1212 システム制御
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
【手続補正書】
【提出日】2024-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
患者に関連する患者データを取得することと、
前記患者データに基づいて、前記患者に施される流体注入に関連する前記患者の初期リスク予測を決定することであって、前記初期リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して血管外漏出を経験する確率を含む、決定することと、
前記流体注入が前記患者に施される前に、前記初期リスク予測をユーザデバイスに提供することと、
前記流体注入の前に少なくとも1つのセンサを使用して、前記患者に施される検査注入の間に前記患者に関連するセンサデータを決定することと、
前記検査注入の間に決定された前記センサデータに基づいて検査予測を決定することであって、前記検査予測が、前記患者が前記流体注入に応答して前記血管外漏出を経験する確率を含む、決定することと、
前記ユーザデバイスに前記検査予測を提供することと、
前記流体注入が開始された後に前記少なくとも1つのセンサを使用して、前記患者に関連する前記センサデータを決定することと、
前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定することであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して前記血管外漏出を経験する確率を含む、決定することと、
前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、
を行うようにプログラムおよび/または構成されている、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサは、前記検査注入のための注入部位に近接する前記患者の四肢上の3つの異なる場所に配置された3つの音または振動センサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
三角測量を通して、前記3つの音または振動センサのうちの各音または振動センサからの前記センサデータのデータストリームを組み合わせて、結合データストリームを作成することと、
前記結合データストリームに基づいて、前記検査予測を決定することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記検査注入の前に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、前記初期リスク予測を決定することは、前記検査注入の前に決定された前記センサデータにさらに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記流体注入の間に前記センサデータを決定するようにさらに構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記流体注入の間に決定された前記センサデータに基づいて、前記現在のリスク予測を決定することと、
前記流体注入の間に、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供することと、
を行うようにさらにプログラムおよび/または構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
方法であって、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、患者に関連する患者データを取得するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記患者データに基づいて、前記患者に施される流体注入に関連する前記患者の初期リスク予測を決定するステップであって、前記初期リスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して血管外漏出を経験する確率を含む、ステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が前記患者に施される前に、前記初期リスク予測をユーザデバイスに提供するステップと、
少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入の前に、前記患者に施される検査注入の間に前記患者に関連するセンサデータを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記検査注入の間に決定された前記センサデータに基づいて検査予測を決定するステップであって、前記検査予測が、前記患者が前記流体注入に応答して前記血管外漏出を経験する確率を含む、ステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザデバイスに前記検査予測を提供するステップと、
前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記流体注入が開始された後に、前記患者に関連する前記センサデータを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体注入が開始された後に決定された前記センサデータに基づいて、前記流体注入に関連する前記患者の現在のリスク予測を決定するステップであって、前記現在のリスク予測は、前記患者が前記流体注入に応答して前記血管外漏出を経験する確率を含む、ステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記現在のリスク予測を前記ユーザデバイスに提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサは、前記検査注入のための注入部位に近接する前記患者の四肢上の3つの異なる場所に配置された3つの音または振動センサを含み、
前記方法は、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、三角測量を通して、前記3つの音または振動センサのうちの各音または振動センサからの前記センサデータのデータストリームを組み合わせて、結合データストリームを作成するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記結合データストリームに基づいて、前記検査予測を決定するステップと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサを用いて、前記検査注入の前に前記センサデータを決定するステップをさらに含み、前記初期リスク予測を決定するステップは、前記検査注入の前に決定された前記センサデータにさらに基づく、
請求項5に記載の方法。
【外国語明細書】