(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123253
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】端末デバイス、ネットワークデバイス、端末デバイス及びネットワークデバイスで実施される方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/19 20180101AFI20240903BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240903BHJP
H04W 72/21 20230101ALI20240903BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240903BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20240903BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240903BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240903BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W72/0457 110
H04W72/21
H04W72/232
H04W16/32
H04W16/28
H04W24/10
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024103796
(22)【出願日】2024-06-27
(62)【分割の表示】P 2023082141の分割
【原出願日】2018-07-16
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユーカイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(57)【要約】
【課題】本開示は、ビーム障害回復のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【解決手段】例示的な実施形態では、端末デバイスで実施される方法が提供される。この方法は、ネットワークデバイスが端末デバイスにサービスを提供するために少なくともプライマリセル(PCell)及びセカンダリセル(SCell)を提供し、且つSCellでビーム障害が検出されたことに応答して、PCell及びSCellから、ビーム障害回復(BFR)要求がネットワークデバイスに伝送される第1セルとBFR要求に対する応答がネットワークデバイスから受信される第2セルを決定することを含む。この方法は、第1セルでネットワークデバイスにBFR要求を伝送することをさらに含む。さらに、この方法は、ネットワークデバイスからBFR要求に対する応答を受信するために、第2セルで制御チャネル探索空間を監視することをさらに含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスであって、
ネットワークデバイスが、前記端末デバイスにサービスを提供するために少なくともプライマリセル(PCell)とセカンダリセル(SCell)を提供し、且つ前記SCellでビーム障害が検出されたことに応答して、候補ビームと前記SCellのインデックスとを示すビーム障害回復(BFR)のための情報を前記ネットワークデバイスに送信する手段を備え、スケジューリングを要求せずに、または、前記BFRのための情報の送信のスケジューリングを要求する要求が送信されて、前記BFRのための情報を送信し、前記SCellの前記ビーム障害は、チャネル状態情報(CSI)レポートの状態で示される、端末デバイス。
【請求項2】
前記ネットワークデバイスから前記BFRのための情報に対する応答を受信するために、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視する手段と、
をさらに備える、
請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項3】
前記要求は、前記BFRのための情報の前記送信に先立って送信される、
請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項4】
特定の巡回シフトで送信される前記要求を前記ネットワークデバイスに送信する手段をさらに備える、
請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項5】
前記要求を送信する手段は、
前記PCellのために構成されたビーム障害検出リソースの組に基づいて、前記要求の送信のための第1リソースを決定する手段と、
前記第1リソースを介して前記ネットワークデバイスに前記要求を送信する手段と、
を含む、
請求項4に記載の端末デバイス。
【請求項6】
前記BFRのための情報を送信する手段は、
前記候補ビームを識別する手段と、
前記候補ビームに関する情報を前記BFRのための情報に含める手段と、
前記ネットワークデバイスに前記BFRのための情報を送信する手段と、
を含む、
請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項7】
前記PDCCHを監視する手段は、
前記候補ビームに基づいて、前記PDCCHに関連付けられた疑似コロケーション(QCL)パラメータを決定する手段と、
前記QCLパラメータに基づいて前記PDCCHを監視する手段と、
を含む、
請求項2に記載の端末デバイス。
【請求項8】
ネットワークデバイスであって、
端末デバイスにサービスを提供するために少なくともプライマリセル(PCell)とセカンダリセル(SCell)を提供し、且つ前記端末デバイスによって前記SCellでビーム障害が検出されたことに応答して、前記端末デバイスから候補ビームと前記SCellのインデックスとを示すビーム障害回復(BFR)のための情報を受信する手段を備え、スケジューリングを要求せずに、または、前記BFRのための情報の送信のスケジューリングを要求する要求が送信されて、前記BFRのための情報が送信され、前記SCellの前記ビーム障害は、チャネル状態情報(CSI)レポートの状態で示される、
ネットワークデバイス。
【請求項9】
前記端末デバイスへ、前記BFRのための情報に応答するために、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を送信する手段、
をさらに備える、
請求項8に記載のネットワークデバイス。
【請求項10】
前記要求は、前記BFRのための情報の前記送信に先立って送信される、
請求項8に記載のネットワークデバイス。
【請求項11】
特定の巡回シフトで送信される前記要求を前記端末デバイスから受信する手段をさらに備える、
請求項8に記載のネットワークデバイス。
【請求項12】
端末デバイスで実施される方法であって、
ネットワークデバイスが、前記端末デバイスにサービスを提供するために少なくともプライマリセル(PCell)とセカンダリセル(SCell)を提供し、且つ前記SCellでビーム障害が検出されたことに応答して、候補ビームと前記SCellのインデックスとを示すビーム障害回復(BFR)のための情報を前記ネットワークデバイスに送信することを備え、スケジューリングを要求せずに、または、前記BFRのための情報の送信のスケジューリングを要求する要求が送信されて、前記BFRのための情報を送信し、前記SCellの前記ビーム障害は、チャネル状態情報(CSI)レポートの状態で示される、
方法。
【請求項13】
前記ネットワークデバイスから前記BFRのための情報に対する応答を受信するために、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視すること、
をさらに備える、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記要求は、前記BFRのための情報の前記送信に先立って送信される、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
特定の巡回シフトで送信される前記要求を前記ネットワークデバイスに送信することをさらに備える、
請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記要求を送信することは、
前記PCellのために構成されたビーム障害検出リソースの組に基づいて、前記要求の送信のための第1リソースを決定することと、
前記第1リソースを介して前記ネットワークデバイスに前記要求を送信することと、
を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記BFRのための情報を送信することは、
前記候補ビームを識別することと、
前記候補ビームに関する情報を前記BFRのための情報に含めることと、
前記ネットワークデバイスに前記BFRのための情報を送信することと、
を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記PDCCHを監視することは、
前記候補ビームに基づいて、前記PDCCHに関連付けられた疑似コロケーション(QCL)パラメータを決定することと、
前記QCLパラメータに基づいて前記PDCCHを監視することと、
を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項19】
ネットワークデバイスで実施される方法あって、
端末デバイスにサービスを提供するために少なくともプライマリセル(PCell)とセカンダリセル(SCell)を提供し、且つ前記端末デバイスによって前記SCellでビーム障害が検出されたことに応答して、前記端末デバイスから候補ビームと前記SCellのインデックスとを示すビーム障害回復(BFR)のための情報を受信すること、を備え、スケジューリングを要求せずに、または、前記BFRのための情報の送信のスケジューリングを要求する要求が送信されて、前記BFRのための情報が送信され、前記SCellの前記ビーム障害は、チャネル状態情報(CSI)レポートの状態で示される、
方法。
【請求項20】
前記端末デバイスへ、前記BFRのための情報に応答するために、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を送信すること、
をさらに備える、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記要求は、前記BFRのための情報の前記送信に先立って送信される、
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
特定の巡回シフトで送信される前記要求を前記端末デバイスから受信することをさらに備える、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的に、電気通信の分野に関し、特に、ビーム障害回復のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
新しい無線アクセス(NR)でサポートされるより高い周波数帯域での自由空間伝搬損失が増大するため、チャネル/信号伝送は指向性の高いリンクに依存する。言い換えれば、従来の通信システムでは、無指向性通信ではなく、指向性ビームに基づく通信が必要となる。しかし、指向性リンクは、ビーム管理として知られている一連の操作によって達成される送受信ビームの微調整を必要とする。例えば、ビーム管理には、一般的に、ビーム掃引、ビーム測定、ビーム決定、ビーム報告などの操作が含まれる。これらの操作を定期的に繰り返すことで、最適な送受信ビームペアを時間の経過とともに更新することができる。
【0003】
関連する制御チャネルのビームペアの品質が(例えば、関連するタイマの閾値又はタイムアウトとの比較で)十分に低下したときに、ビーム障害が発生する恐れがある。ビーム障害が発生したときに、ビーム障害から回復するメカニズムが起動されてもよい。端末デバイス(例えば、ユーザ機器(UE))側のビーム障害回復メカニズムは、通常、ビーム障害の検出、新候補ビームの特定、ビーム障害回復要求の伝送、ネットワークデバイスからのビーム障害回復要求に対する応答の監視などの動作を含む。例えば、端末デバイスは、ビーム障害が発生したか否かを評価するために、ビーム障害検出参照信号(RS)を監視する。ビーム障害が発生すると、端末デバイスは、新候補ビームを見つけるために、ビーム特定RSを監視する。候補ビームが特定されると、端末デバイスは、特定された候補ビームに関する情報を含むビーム障害回復要求をネットワークデバイスに送信する。端末デバイスは、ネットワークデバイスからのビーム障害回復要求に対する応答を検出するために、制御チャネル探索空間を監視する。端末デバイスがネットワークデバイスからビーム回復確認応答を受信すると、新たなビームペアが確立され、ビーム障害が回復したと判断することができる。
【0004】
NRでは、ネットワークデバイス(例えば、次世代NodeB(gNB))は、端末デバイスにサービスを提供するために1つのプライマリセル(PCell)及び少なくとも1つのセカンダリセル(SCell)を提供することができる。しかしながら、現在の3GPP仕様では、ビーム障害回復手順は、PCellに発生するビーム障害にしか適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、本開示の例示的な実施形態は、ビーム障害回復のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、端末デバイスで実施される方法が提供される。この方法は、ネットワークデバイスが、端末デバイスにサービスを提供するために少なくともプライマリセル(PCell)とセカンダリセル(SCell)を提供し、且つSCellでビーム障害が検出されたことに応答して、PCellとSCellから、ビーム障害回復(BFR)要求がネットワークデバイスに伝送される第1セルと、BFR要求に対する応答がネットワークデバイスから受信される第2セルを決定することと、第1セルでネットワークデバイスにBFR要求を伝送することと、ネットワークデバイスからBFR要求に対する応答を受信するために、第2セルで制御チャネル探索空間を監視することと、を備える。
【0007】
第2態様では、端末デバイスが提供される。この端末デバイスは、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリとを備える。メモリは、プロセッサによって実行されると、端末デバイスに動作を実行させる命令を格納する。上記動作は、ネットワークデバイスが、端末デバイスにサービスを提供するために少なくともプライマリセル(PCell)とセカンダリセル(SCell)を提供し、且つSCellでビーム障害が検出されたことに応答して、PCellとSCellから、ビーム障害回復(BFR)要求がネットワークデバイスに伝送される第1セルと、BFR要求に対する応答がネットワークデバイスから受信される第2セルを決定することと、第1セルでネットワークデバイスにBFR要求を伝送することと、ネットワークデバイスからBFR要求に対する応答を受信するために、第2セルで制御チャネル探索空間を監視することと、を含む。
【0008】
第3の態様では、命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。上記命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1態様に記載の方法を実行させる。
【0009】
第4の態様では、コンピュータ読み取り可能な媒体に有形に格納されたコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1態様に記載の方法を実行させる命令を含む。
【0010】
本開示の他の特徴は、以下の記述により容易に理解可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面における本開示のいくつかの実施形態のより詳細な説明を通して、本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点がより明らかになる。
【0012】
【
図1】本開示の実施形態が実施されることができる例示的な通信ネットワーク100を示す。
【0013】
【
図2A】
図1に示すネットワーク100の例示的なシナリオ201を示す。
【0014】
【
図2B】
図1に示すネットワーク100の別の例示的なシナリオ202を示す。
【0015】
【
図3A】
図2Bに示す例示的なシナリオ202におけるBFR手順に発生し得る問題を示す。
【
図3B】
図2Bに示す例示的なシナリオ202におけるBFR手順に発生し得る問題を示す。
【0016】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態に係るビーム故障回復のための例示的な方法400のフローチャートを示す。
【0017】
【
図5】本開示の実施形態の実施に適するデバイス500の簡略的なブロック図である。
【0018】
図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の原理を、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、例示の目的のみで記載され、本開示の範囲に関するいかなる制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解及び実施するのを助けることが理解される。本明細書に説明される開示は、以下に説明されるもの以外の様々な態様で実施されることができる。
【0020】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0021】
本明細書で使用されるとき、単数形である「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「前記(the)」は、文脈からそうでないことが明確に示さていない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味するオープンな用語として読まれる。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」として読まれる。「一実施形態」及び「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読まれる。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」として読まれる。「第1」、「第2」などの用語は、異なるオブジェクト又は同じオブジェクトを指すことができる。以下には、明示的及び暗黙的なその他の定義が含まれることがある。
【0022】
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最もよい」、「最も低い」、「最も高い」、「最小」、「最大」などとして言及される。そのような記述は、多くの使用される機能的選択肢から選択可能であり、このような選択は、他の選択に比べてより良く、小さい、高い、又はより好ましい必要がないことを示すと意図していることを理解されたい。
【0023】
上述したように、関連する制御チャネルのビームペアの品質が(例えば、関連するタイマの所定の閾値又はタイムアウトとの比較で)十分に低下したときに、ビーム障害が発生する恐れがある。ビーム障害が発生したときに、ビーム障害から回復するメカニズムが起動されてもよい。端末デバイス側のビーム障害回復メカニズムは、通常、ビーム障害の検出、新候補ビームの特定、ビーム障害回復要求の伝送、ネットワークデバイスからのビーム障害回復要求に対する応答の監視などの動作を含む。
【0024】
NRでは、ネットワークデバイス(例えば、次世代NodeB(gNB))は、端末デバイスにサービスを提供するために1つのプライマリセル(PCell)及び少なくとも1つのセカンダリセル(SCel)を提供することができる。しかしながら、現在の3GPP仕様では、ビーム障害回復手順は、PCellで発生するビーム障害にしか適用できない。
【0025】
本開示の実施形態は、上記の課題及び他の潜在的な課題のうちの1つ又は複数を解決するために、ビーム障害回復のためのソリューションを提供する。本開示の実施形態に係るビーム障害回復のためのソリューションは、SCellで発生するビーム障害に適用されることができる。さらに、本開示の実施形態は、従来のビーム障害回復スキームよりも速いビーム障害回復を可能にする。
【0026】
以下、
図1~
図5を参照して本開示の原理及び実施形態を詳細に説明する。
【0027】
図1は、本開示の実施形態が実施されることができる例示的な通信ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、ネットワークデバイス110と、ネットワークデバイス110によってサービスが提供される端末デバイス120とを含む。ネットワーク100は、端末デバイス120にサービスを提供するために、1つ又は複数のサービングセル102を提供することができる。ネットワークデバイス、端末デバイス及び/又はサービングセルの数は、本開示に対するいかなる制限を示唆することなく、例示の目的のみであることを理解されたい。ネットワーク100は、本開示の実施形態を実施するのに適する任意の適切な数のネットワークデバイス、端末デバイス及び/又はサービングセルを含むことができる。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線又は有線通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例としては、ユーザ機器(UE:User Equipment)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャデバイス、ゲームデバイス、音楽記憶・再生機器、又は無線や有線インターネットアクセス及びブラウジングなどを可能にするインターネット機器などが挙げられるが、これらに限定されない。検討の目的のために、以下、端末デバイス220の例としてUEを参照していくつかの実施形態を説明する。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS:Base Station)という用語は、端末デバイスが通信できるセル又はカバレッジを提供し、又はホストすることができるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例として、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、及びフェムトノードやピコノードなどの低パワーノードなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
例えば、いくつかのシナリオでは、ネットワーク100において、キャリアアグリゲーション(CA)をサポートすることができ、ここで、より広い帯域幅をサポートするために2つ以上のコンポーネントキャリア(CC)がアグリゲーションされる。CAにおいて、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120にサービスを提供するために、1つのプライマリセル(PCell)及び少なくとも1つのセカンダリセル(SCell)を含む複数のサービングセル(例えば、1CCあたり1つのサービングセル)を提供してもよい。端末デバイス120は、PCellにおいてネットワークデバイス110との間で無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を確立することができる。ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間のRRC接続が確立され、且つ上位層シグナリングを介してSCellが活性化されると、SCellは、追加の無線リソースを提供することができる。
【0031】
いくつかの他のシナリオでは、例えば、端末デバイス120は、2つの異なるネットワークデバイス(
図1に示されていない)との接続を確立してもよく、これにより、この2つのネットワークデバイスの無線リソースを利用することができる。2つのネットワークデバイスは、それぞれ、マスタネットワークデバイス及びセカンダリネットワークデバイスとして定義されてもよい。マスタネットワークデバイスは、「マスタセルグループ(MCG:Master Cell Group)」とも呼ばれるサービングセルのグループを提供してもよい。セカンダリネットワークデバイスも、「セカンダリセルグループ(SCG:Secondary Cell Group)」とも呼ばれるサービングセルのグループを提供してもよい。デュアルコネクティビティ動作の場合、「スペシャルセル(SpCell)」という用語は、端末デバイス120がMCG又はSCGにそれぞれ関連付けられているか否かに応じて、MCGのPcell又はSCGのプライマリScell(PScell)を指してもよい。デュアルコネクティビティ動作以外の場合、「SpCell」という用語は、PCellを指すこともある。
【0032】
図1に示す通信ネットワーク100において、ネットワークデバイス110は、データ及び制御情報を端末デバイス120に通信することができ、端末デバイス120も、データ及び制御情報をネットワークデバイス110に通信することができる。ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのリンクはダウンリンク(DL)と呼ばれ、端末デバイス120からネットワークデバイス110へのリンクはアップリンク(UL)と呼ばれる。
【0033】
ネットワーク100における通信は、任意の適切な規格に準拠してもよく、ここでの規格は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)などを含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来に開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実施されてもよい。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
ネットワークデバイス110(例えば、次世代NodeB(gNB))は、1つ又は複数の送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)又はアンテナパネルを備えてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「TRP」は、特定の地理的位置に位置するネットワークデバイスに利用可能な(1つ又は複数のアンテナ要素を有する)アンテナアレイを指す。例えば、ネットワークデバイス110は、より良好なカバレッジを達成するために、異なる地理的位置にある複数のTRPと接続されてもよい。1つ又は複数のTRPは、同じサービングセルに含まれてもよいし、異なるサービングセルに含まれてもよい。
【0035】
図2Aは、
図1に示すネットワーク100の例示的なシナリオ201を示す。
図2Aに示すように、例えば、
図1のネットワークデバイス110は、端末デバイス120にサービスを提供するために、PCell210及びSCell220を提供してもよい。PCell210及びSCell220は、互いに重なってもよい。ネットワークデバイス110は、PCell210及びSCell220の両方に位置するTRP230と接続されてもよい。
【0036】
ビームの不正確な調整、閉塞効果、端末デバイス120の移動、又はいくつかの他の理由により、ネットワークデバイス110が制御チャネル(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel))を介して端末デバイス120に到達できなくなった場合に、ビーム障害が発生することがある。例えば、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110が端末デバイス120に到達するために使用するビームを介して伝送される仮想PDCCH受信の品質を推定することによって、このような状況を検出してもよい。ビーム障害検出を実行するために、端末デバイス120は、所定の参照信号(RS)の受信に基づいて、仮想PDCCH受信の品質を推定してもよい。以下の説明では、この参照信号が「ビーム障害検出RS」又は「ビーム障害検出用RS」と呼ばれることもある。ビーム障害検出RSの例としては、周期的なチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、同期信号ブロック(SSB:Synchronization Signal Block)、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
図2Aに示す例では、PDCCHがPCell210とSCell220の両方で伝送されることができる。例えば、
図2Aに示すように、PDCCHは、PCell210におけるDLビーム240-1を介してTRP230から端末デバイス120に伝送され、SCell220における別のDLビーム240-2を介してTRP230から端末デバイス120に伝送されてもよい。この場合、ビーム障害がPCell210又はSCell220において検出されることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、SCell220でビーム障害が検出されたことに応答して、端末デバイス120は、まず、ビーム障害からの回復用の候補ビームを特定するために、SCellのために構成されたビーム特定RSの組を監視してもよい。端末デバイス120は、候補ビームに関する情報をビーム障害回復(BFR:Beam Failure Recovery)要求に含み、且つ候補ビームに関する情報を含むBFR要求を第1セルでネットワークデバイス110に伝送してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110が、端末デバイス120にサービスを提供するために少なくともPCell210及びSCell220を提供し、且つSCell220でビーム障害が検出されたことに応答して、端末デバイス120は、PCell210及びSCell220から、BFR要求がネットワークデバイス110に伝送される第1セルと、BFR要求に対する応答がネットワークデバイス110から受信される第2セルを決定してもよい。端末デバイス120は、決定された第1セルで、BFR要求をネットワークデバイス110に送信してもよい。その後、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からBFR要求に対する応答を受信するために、第2セルで制御チャネル探索空間を監視してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、疑似コロケーション(QCL:quasi co-location)タイプがRSに対して構成されてもよい。疑似コロケーションタイプは、QCL-TypeA{ドップラーシフト、ドップラー広がり、平均遅延、遅延広がり}、QCL-TypeB{ドップラーシフト、ドップラー広がり}、QCL-TypeC{ドップラーシフト、平均遅延}、及びQCL-TypeD{空間Rxパラメータ}のうちの1つの値であってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、異なるシナリオについて、ビーム障害回復手順は異なってもよい。PCell210及びSCell220は、それぞれ第1周波数範囲FR1及び第2周波数範囲FR2に関連付けられてもよい。例えば、第1周波数範囲FR1は6GHz未満であり、第2周波数範囲FR2は6GHz以上であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、
図2Aに示す例示的なシナリオ201において、第1周波数範囲FR1は、第2周波数範囲FR2と同じであってもよいし、異なってもよい。いくつかの実施形態では、この場合、BFRは、SCellでのみ必要とされるが、PCellでは必要とされないことがある。いくつかの実施形態では、例えば
図2Aに示す例示的なシナリオ201において、PCell210とSCell220は、同じ周波数範囲、例えばFR2で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、PCellにおけるDLビームとSCellにおけるDLビームは、類似の特性を有する。例えば、PCellにおけるDLビームがブロックされる場合、SCellにおけるDLビームも同じ時間でブロックされることがある。いくつかの実施形態では、例えば
図2Aに示す例示的なシナリオ201において、PCell210とSCell220の両方は同じ周波数範囲、例えばFR1で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、PCell210及びSCell220の両方についてBFRを必要としないことがある。例えば、PCell210及びSCell220のために構成されたRSの全てがQCL-TypeDで構成されていない場合、PCell210及びSCell220の両方についてBFRを必要としないことがある。
【0042】
いくつかの実施形態では、例えば、
図2Aに示す例示的なシナリオ201において、PCell210及びSCell220は、同じ周波数範囲で構成されてもよい。例えば、この場合、バンド内連続CCがアグリゲーションされるバンド内CAはサポートされてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、SCellでビーム障害が検出されると、PCellで別のビーム障害が同時に検出される可能性がある。いくつかの実施形態では、この場合、BFRは、PCellでのみ必要とされることがある。さらに、ビーム障害検出RSがSCell220のために構成される場合、このビーム障害検出RSは、PCell210のために構成された少なくとも1つのビーム障害検出RSとQCL-TypeDでQCL化されてもよい。代替的又は追加的に、ビーム特定RSがSCell220のために構成される場合、このビーム特定RSは、PCell210のために構成された少なくとも1つのビーム特定RSとQCL-TypeDでQCL化されてもよい。即ち、この場合、クロスキャリア疑似コロケーション(QCL)がサポートされることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、例えば、
図2Aに示す例示的なシナリオ201において、PCell210及びSCell220は、同じ周波数範囲で構成されてもよい。例えば、この場合、バンド内連続CCがアグリゲーションされるバンド内CAがサポートされてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、ビーム障害検出RSの組は、SCellの代わりに、PCellのためだけに構成されてもよい。それに対応して、ビーム特定RSの組も、SCellの代わりに、PCellのためだけに構成されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、PCell210及びSCell220は、それぞれ第1周波数範囲FR1及び第2周波数範囲FR2に関連付けられてもよい。例えば、
図2Aに示す例示的なシナリオ201において、FR1は、FR2と異なってもよい。さらに、SCell220に関連付けられる周波数範囲は、PCell210に関連付けられる周波数範囲を超えてもよい。いくつかの実施形態では、BFR要求がネットワークデバイス110に伝送される、決定された第1セルは、SCell220であってもよい(例えば、この場合、以下のテキストでは「BFR on SCell UL」とも呼ばれる)。代替的に、いくつかの実施形態では、BFR要求がネットワークデバイス110に伝送される、決定された第1セルは、PCell210であってもよい(例えば、この場合、以下のテキストでは「BFR on PCell UL」とも呼ばれる)。いくつかの他の実施形態では、BFR要求に対する応答がネットワークデバイス110から受信される、決定された第2セルは、PCell210であってもよい(例えば、この場合、以下のテキストでは「BFR on PCell DL」とも呼ばれる)。代替的に、いくつかの他の実施形態では、BFR要求に対する応答がネットワークデバイス110から受信される、決定された第2セルは、SCell220であってもよい(例えば、この場合、以下のテキストでは「BFR on SCell DL」とも呼ばれる)。いくつかの実施形態では、BFR要求がネットワークデバイス110に伝送される、決定された第1セルは、SCell220であるとともに、BFR要求に対する応答がネットワークデバイス110から受信される、決定された第2セルは、PCell210であってもよい(例えば、この場合、以下のテキストでは「BFR on SCell UL and PCell DL」とも呼ばれる)。
【0045】
いくつかの実施形態では、「BFR on SCell UL」の場合に関して、BFR要求の伝送は、PDCCHオーダー(order)によってトリガされてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、BFRを伝送する前に、端末デバイス120は、PCell210でPDCCHオーダーに対する要求を伝送してもよい。いくつかの実施形態では、PDCCHオーダーに対する要求は、PCell210内の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を介して伝送されてもよい。例えば、PDCCHオーダーに対する要求は、特定のシーケンス、特定の時間リソース、特定の周波数リソース、及びPUCCH又はPRACHのシーケンスの特定の循環シフトのうちの少なくとも1つを用いてPCell210で伝送されてもよい。例えば、特定された候補ビームのインデックスは、該要求で運ばれなくてもよい。ネットワークデバイス110からPDCCHオーダーを受信したことに応答して、端末デバイスは、SCell220でBFR要求をネットワークデバイス110に伝送してもよい。即ち、この場合、PDCCHオーダーは、キャリアを跨いでBFRの伝送をトリガすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、PDCCHオーダー内のいくつかの予約ビットを占有するフィールドは、BFR要求が伝送されるセルのインデックスを示すために使用されることができる。例えば、セルのインデックスを示すために、PDCCHオーダーで3ビットを使用してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、PDCCHオーダーがSCell220でのBFR要求のPRACH伝送をトリガする場合、PDCCHオーダーにおけるランダムアクセスプリアンブルインデックスのビットフィールドは0に固定されてもよい。例えば、ランダムアクセスプリアンブルインデックスのための6ビットは0に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、SS/PBCHインデックスのフィールド及び/又はPRACHマスクインデックスのフィールドは予約されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、PDCCHオーダーがSCell220でのBFR要求のPRACH伝送をトリガする場合、端末デバイス120は、PDCCHオーダーにおけるランダムアクセスプリアンブルインデックスのビットフィールドを無視してもよい。いくつかの実施形態では、SCell220でのBFR要求のPRACH伝送のためのランダムアクセスプリアンブルインデックスは、SCell220における特定された候補ビームのインデックスに基づいてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、「BFR on SCell UL」の場合に関して、BFR要求の伝送は、PDCCHオーダーによってトリガされてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、BFRを伝送する前に、端末デバイス120は、SCell220でPDCCHオーダーに対する要求を伝送してもよい。ネットワークデバイス110からPDCCHオーダーを受信したことに応答して、端末デバイスは、SCell220でネットワークデバイス110にBFR要求を伝送してもよい。いくつかの実施形態では、この場合、PDCCHオーダー伝送のためのDLビームは、特定された候補ビームであってもよい。例えば、特定された候補ビームのインデックスは、BFR要求で運ばれてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、「BFR on SCell UL」の場合に関して、SCell220でビーム障害が検出されたことに応答して、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からPDCCHオーダーを要求することなく、SCell220でBFR要求をネットワークデバイス110に直接に伝送してもよい。いくつかの実施形態では、BFR要求は、BFRのための非競合ベースのランダムアクセス(CFRA:Contention Free Based Random Access)手順を開始するために、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)を介して伝送されてもよい。競合ベースのランダムアクセス(CBRA:Contention Based Random Access)は、SCellでサポートされない場合がある。従って、いくつかの実施形態では、BFRタイマが満了した場合、SCell220においてCBRA手順を開始するのではなく、SCell障害がPCell210でネットワークデバイス100に報告されてもよい。例えば、チャネル状態情報(CSI)レポートにおける追加状態は、SCell障害を示すために使用されることができる。代替的又は追加的に、特定のPRACHリソースは、PCellにおけるSCell障害の報告のために構成されてもよい。さらに、SCell障害を報告するためにPCellのために構成される候補ビームの組(ビーム特定RSの組に対応する)のうちの1つを使用する必要はないこともある。
【0050】
いくつかの実施形態では、「BFR on SCell UL」の場合に関して、BFR要求の伝送は、PDCCHオーダーによってトリガされてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、BFRを伝送する前に、端末デバイス120は、PCell210でPDCCHオーダーに対する要求を伝送してもよい。ネットワークデバイス110からPDCCHオーダーを受信したことに応答して、端末デバイスは、SCell220でBFR要求をネットワークデバイス110に伝送してもよい。即ち、この場合、PDCCHオーダーは、キャリアを跨いでBFRの伝送をトリガすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、PDCCHオーダーにおけるいくつかの予約ビットを占有するフィールドは、BFR要求がトリガされるセルのインデックスを示すために使用されることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、「BFR on SCell UL and PCell DL」の場合に関して、SCell220でビーム障害が検出されたことに応答して、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からPDCCHオーダーを要求することなく、SCell220でBFR要求をネットワークデバイス110に直接に伝送してもよい。いくつかの実施形態では、BFR要求は、BFRのための非競合ベースのランダムアクセス(CFRA)手順を開始するために、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を介して伝送されてもよい。競合ベースのランダムアクセス(CBRA)は、SCellでサポートされない場合がある。従って、いくつかの実施形態では、BFRタイマが満了した場合、SCell220においてCBRA手順を開始するのではなく、SCell障害がPCell210でネットワークデバイス100に報告されてもよい。例えば、チャネル状態情報(CSI)レポートにおける追加状態は、SCell障害を示すために使用されることができる。代替的又は追加的に、特定のPRACHリソースは、PCellにおけるSCell障害の報告のために構成されてもよい。さらに、SCell障害を報告するためにPCellのために構成される候補ビームの組(ビーム特定RSの組に対応する)のうちの1つを使用する必要はないこともある。
【0052】
いくつかの実施形態では、「BFR on SCell UL and PCell DL」の場合に関して、CFRAに基づくBFRは、SCell220においてサポートされてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からBFR要求に対する応答を受信するために、PCell210で制御チャネル探索空間を監視してもよい。例えば、BFR要求は、SCell220でPRACHリソースを介して伝送されてもよい。いくつかの実施形態では、PRACHリソースは、SCell220における特定された候補ビームとQCL化されてもよい。いくつかの実施形態では、PCell210におけるいずれのRSに対してもQCL-TypeDが構成されていない場合、「BFR on SCell UL and PCell DL」が利用できない。
【0053】
いくつかの実施形態では、「BFR on SCell UL and PCell DL」の場合に関して、端末デバイス120は、BFR要求がSCell220でPRACHを介して伝送されている間、PCell210でBFR要求に対する応答を監視してもよい。いくつかの実施形態では、PCellに関連付けられたサブキャリア間隔(SCS)は、SCellに関連付けられたSCSと異なってもよい。いくつかの実施形態では、この場合、PCellで応答を監視するための時間間隔は、PCell210又はSCell220に関連付けられたSCSに基づいて決定されてもよい。例えば、SCell220におけるBFR要求の伝送用のスロットがスロット#nであると仮定すると、PCell210におけるBFR要求に対する応答を受信するためのスロットがスロット#(n’+k)であってもよい。ここで、スロット#n’は、SCell220におけるスロット#nと重なるPCell210における直近のスロットであり、時間間隔kは、PCell210又はSCell220に関連付けられたSCSに基づいて決定されることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、(例えば、CFRAに基づくBFRを開始するために)BFR要求がSCell220で伝送され、CFRAに基づくBFR用のBFRタイマが満了すると、CBRAに基づくBFRをトリガすることができる。例えば、CBRAに基づくBFRは、PDCCHオーダーによってのみトリガされることができる。いくつかの実施形態では、この場合、CBRAに基づくBFRをトリガするためのPDCCHオーダーを受信したことに応答して、端末デバイス120は、CBRAに基づくBFRを開始するために、PRACHを介してBFR要求を伝送してもよい。いくつかの実施形態では、端末デバイス120は、PCell210でBFR要求に対する応答を監視してもよい。
【0055】
図2Bは、
図1に示すネットワーク100の別の例示的なシナリオ202を示す。
図2Bに示すように、例えば、
図1のネットワークデバイス110は、端末デバイス120にサービスを提供するために、PCell210及びSCell220を提供してもよい。例えば、PCell210及びSCell220は、互いに重ならなくてもよい。ネットワークデバイス110は、PCell210及びSCell220にそれぞれ位置する2つのTRP230-1及び230-2と接続されてもよい。
【0056】
ビームの不正確な調整、閉塞効果、端末デバイス120の移動、又はいくつかの他の理由により、ネットワークデバイス110が制御チャネル(例えば、PDCCH)を介して端末デバイス120に到達できなくなった場合に、ビーム障害が発生することがある。例えば、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110が端末デバイス120に到達するために使用するビームを介して伝送される仮想PDCCH受信の品質を推定することによって、このような状況を検出してもよい。ビーム障害検出を実行するために、端末デバイス120は、所定のビーム障害検出RSの受信に基づいて、仮想PDCCH受信の品質を推定してもよい。
【0057】
図2Bに示す例では、PDCCHがPCell210とSCell220の両方で伝送されることができる。例えば、
図2Bに示すように、PDCCHは、PCell210におけるDLビーム240-1を介してTRP230-1から端末デバイス120に伝送され、且つSCell220における別のDLビーム240-2を介してTRP230-2から端末デバイス120に伝送されてもよい。この場合、ビーム障害はPCell210又はSCell220において検出されることができる。例えば、SCell220でビーム障害が検出されたことに応答して、端末デバイス120は、まず、ビーム障害からの回復用の候補ビームを特定するために、SCellのために構成されたビーム特定RSの組を監視してもよい。端末デバイス120は、BFRのためのランダムアクセス手順を開始するために、候補ビームに関する情報を含むBFR要求をネットワークデバイス110に伝送してもよい。その後、端末デバイス120は、BFR要求に対する応答を受信するために、制御チャネル探索空間を監視してもよい。
【0058】
図2Bに示す例示的なシナリオ202において、BFR要求がPCell210で端末デバイス120からネットワークデバイス110に伝送されるとともに、BFR要求に対する応答がPCell210でネットワークデバイス110から端末デバイス120に伝送される(即ち、「BFR on PCell UL and PCell DL」)と仮定すると、何らかの問題が発生する可能性がある。
【0059】
図3A及び
図3Bは、
図2Bに示す例示的なシナリオ202におけるBFR手順において発生する可能性のある問題を示す。
図3Aに示すように、PCell210及びSCell220にそれぞれ位置するTRP230-1及び230-2は、互いに離れている。TRP230-2からのDLビーム240-2が故障していることが検出され、ビーム故障からの回復のために候補ビーム310が特定される場合がある。現在の3GPP仕様では、BFR要求は、端末デバイス120からネットワークデバイス110に、候補ビーム320の方向に伝送されることがある。この場合、
図3Aに示すように、PCell210におけるTRP230-1は、BFR要求を受信することができない。さらに、現在の3GPP仕様では、BFR要求に対する応答は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120に、候補ビーム320の方向に伝送されることがある。この場合、
図3Bに示すように、端末デバイス120は、BFR要求に対する応答を受信することができない。即ち、現在の3GPP仕様では、BFR on PCell UL and PCell DLはサポートされることができない。
【0060】
本開示の実施形態は、
図3A及び
図3Bに示すような問題を解決することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110が、端末デバイス120にサービスを提供するために少なくともPCell210及びSCell220を提供し、且つSCell220でビーム障害が検出されたことに応答して、端末デバイス120は、PCell210及びSCell220から、ビーム障害回復(BFR)要求がネットワークデバイス110に伝送される第1セルと、BFR要求に対する応答がネットワークデバイス110から受信される第2セルを決定してもよい。端末デバイス120は、決定された第1セルでBFR要求をネットワークデバイス110に伝送してもよい。その後、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からBFR要求に対する応答を受信するために、第2セルで制御チャネル探索空間を監視してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、例えば
図2Bに示す例示的なシナリオ202において、BFR要求がネットワークデバイス110に伝送される、決定された第1セルはPCell210であり、BFR要求に対する応答がネットワークデバイス110から受信される、決定された第2セルもPCell210であってもよい(即ち、「BFR on PCell UL and PCell DL」)。
【0063】
いくつかの実施形態では、SCell220におけるビーム障害については、BFR要求又はビーム障害レポートを伝送するためにPCell210において構成されたPRACHリソースは1つのみ存在してもよい。この場合、特定された新候補ビームをPRACHリソースに関連付ける必要はない。例えば、PCell210は、BFR要求又はビーム障害レポートを受信したことに応答して、新しいSCell測定を構成してもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、BFR要求がPCell210で伝送される場合、BFR要求の伝送用のULビームは、PCell210におけるビームを再利用してもよい。例えば、BFR要求の伝送(即ち、PRACH伝送)用のQCLパラメータは、特定された新候補ビームに基づいて決定されるのではなく、PCell210のための直近のスロットに構成された最下位の識別子を有するコアセット(CORESET)のTCI(Transmission Configuration Indicator)状態、又はPCell210における最下位の識別子を有するビーム障害検出用RS又はビーム障害検出用のRSのいずれか1つ、又はPCell210における他のいくつかのRS又はTCI状態に基づいて決定されてもよい。例えば、端末デバイス120は、PCellのために構成されたビーム障害検出リソースの組に基づいて、BFR要求の伝送用のULビームを決定してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、BFR要求の伝送用の1つのPRACHリソースは、PCell210における1つのビームと、SCell220における別のビームに対応してもよい。PCell210又はSCell220において発生したビーム障害は、PRACH伝送に使用される異なる循環シフト(CS)値又は異なるカバーコードによって示されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、PCell210でのBFR要求の伝送のために、第1組のPRACHリソース、シーケンス又はプリアンブルが構成され、PCell210における特定された異なる候補ビームを示すために、第2組のPRACHリソース、シーケンス又はプリアンブルが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、SCell220でのBFR要求の伝送も、第1組のPRACHリソース、シーケンス、又はプリアンブルのうちの少なくとも1つに基づいてもよい。いくつかの実施形態では、SCell220におけるビーム障害に対するBFR要求がPCell210で伝送される場合、PCell210におけるタイミングアドバンス値が、BFR要求のPRACH伝送に適用されてもよい。例えば、ネットワークデバイス110で受信したBFR要求に時間差がない場合(BFR要求のPRACH伝送にタイミングアドバンス値が適用されたため)、PRACH伝送は、SCell220におけるビーム障害に対するBFRとみなされてもよい。いくつかの実施形態では、PCell210におけるビーム障害に対するBFR要求がPCell210で伝送される場合、PCell210において利用可能なタイミングアドバンス値が存在しないことがある。例えば、ネットワークデバイス110で受信したBFR要求に時間差がある場合(BFR要求のPRACH伝送にタイミングアドバンス値が適用されないため)、PRACH伝送は、PCell210におけるビーム障害に対するBFRとみなされてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、BFR要求に対する応答がPCell210で受信される場合、応答の伝送用のDLビームは、PCell210におけるビームを再利用してもよい。例えば、BFRのために構成された制御リソースセット(「CORESET-BFR」)用のQCLパラメータは、特定された新候補ビームに基づいて決定されるのではなく、例えば、PCell210のための直近のスロットに構成された最下位の識別子を有するCORESETのTCI状態、又はPCell210における最下位の識別子を有するビーム障害検出用RS又はビーム障害検出用RSのいずれか1つ、又はPCell210における他のいくつかのRS又はTCI状態に基づいて決定されてもよい。例えば、端末デバイス120は、PCellのために構成されたビーム障害検出リソースの組に基づいて、応答の検出用のDLビームを決定してもよい。例えば、BFR要求に対する応答は、PCell210で受信されるランダムアクセス応答(RAR)であってもよい。PCell210で受信されるRARは、SCell220におけるビーム障害からの回復を示してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、SCellのためのBFR要求に対する応答がPCell210で受信される場合、応答にはタイミング調整コマンドが存在しない場合がある。いくつかの実施形態では、BFR要求に対する応答は、PDCCHを介して伝送されてもよい。いくつかの実施形態では、PDCCHは、コンパクトなPDCCHであってもよい。例えば、PDCCHにはスケジューリング情報が存在しない場合がある。別の例として、応答にはタイミング調整コマンドが存在しない場合がある。いくつかの実施形態では、BFR要求に対する応答は、DCIフォーマット0_0及び/又はDCIフォーマット1_0であってもよい。いくつかの実施形態では、BFR要求に対する応答は、CSI要求及び/又はPDCCHオーダーを有するPDCCHを介して伝送されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、BFR要求がPCell210で伝送され、且つBFR要求に対する応答がSCell220で受信される場合、CORESET-BFRのためのQCLパラメータは、特定された新候補ビームに基づいて決定されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、SCell220がCORESET-BFRで構成されていない場合、SCell220においてBFRが必要とされない可能性がある。
【0070】
いくつかの実施形態では、PCell210における第1組のBFRパラメータ(例えば、BFRカウンタ、BFR時間など)は、PCell210におけるビーム障害のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、SCell220におけるビーム障害のためのBFR要求がPCell210で伝送される場合、PCell210における第2組のBFRパラメータ(例えば、BFRカウンタ、BFR時間など)が、SCell220におけるビーム障害のために使用されてもよい。例えば、第1組のBFRパラメータは、第2組のBFRパラメータとは異なってもよい。いくつかの実施形態では、SCell220におけるBFRは、PCell210におけるBFRのために使用されるプリアンブルリソースを再利用してもよいが、SCell220におけるBFRのためのBFRカウンタ又はタイマとPCell210におけるBFRのためのカウンタ又はタイマは、互いに離れてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、上述したように、ビーム障害検出を実行するために、端末デバイス120は、所定の参照信号(RS)の受信に基づいて、仮想PDCCH受信の品質を推定してもよい。例えば、RSは、CSI-RSであってもよい。SCell220におけるCSI-RSの受信パワーは、SCell220に定義されるSSBに基づいて決定されてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、SCell220においてSSBが定義されない場合がある。いくつかの実施形態では、この場合、SCell220におけるCSI-RSのパワーは、PCell210におけるSSBのパワーに基づいて決定されてもよい。
【0072】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係るビーム障害回復のための例示的な方法400のフローチャートを示す。方法400は、
図1、
図2A及び/又は
図2Bに示す端末デバイス120で実施されることができる。方法400は、図示されない追加の動作を含み、及び/又は図示された、いくつかの動作を省略してもよく、本開示の範囲は、この点で限定されないことを理解されたい。
【0073】
ブロック410において、ネットワークデバイスが、端末デバイスにサービスを提供するために少なくともプライマリセル(PCell)及びセカンダリセル(SCell)を提供し、且つSCellでビーム障害が検出されたことに応答して、端末デバイスは、PCell及びSCellから、ビーム障害回復(BFR)要求がネットワークデバイスに伝送される第1セルと、BFR要求に対する応答がネットワークデバイスから受信される第2セルとを決定する。
【0074】
ブロック420において、端末デバイスは、第1セルでBFR要求をネットワークデバイスに伝送する。
【0075】
ブロック430において、端末デバイスは、ネットワークデバイスからBFR要求に対する応答を受信するために、第2セルで制御チャネル探索空間を監視する。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1セルはSCellであり、第2セルはPCell及びSCellのいずれかである。端末デバイスは、PCellでPDCCHオーダーに対する要求を伝送し、ネットワークデバイスからPDCCHオーダーを受信したことに応答して、SCellでBFR要求をネットワークデバイスに伝送することで、BFR要求を伝送してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、第2セルはSCellであり、PDCCHオーダーはPCell及びSCellのいずれかでネットワークデバイスから受信される。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1セルはPCellであり、端末デバイスは、PCellのために構成されたビーム障害検出リソースの組に基づいて、BFR要求の伝送用の第1リソースを決定し、第1リソースを介してBFR要求をネットワークデバイスに伝送することで、BFR要求を伝送してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、第2セルはPCellであり、端末デバイスは、候補ビームに基づいて、制御チャネル探索空間に関連付けられた疑似コロケーション(QCL)パラメータを決定し、QCLパラメータに基づいて制御チャネル探索空間を監視することで、制御チャネル探索空間を監視する。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1セルはSCellであり、第2セルはPCellである。端末デバイスは、候補ビームに基づいて、BFR要求の伝送用の物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)に関連付けられたQCLパラメータを決定し、QCLパラメータに基づいてPRACHを介してBFR要求を伝送することで、BFR要求を伝送してもよい。
【0081】
本開示の実施形態は、ビーム障害回復のためのソリューションを提供することが分かる。本開示の実施形態に係るビーム障害回復のためのソリューションは、SCellで発生したビーム障害に適用されることができる。さらに、本開示の実施形態は、従来のビーム障害回復スキームよりも速いビーム障害回復を可能にした。
【0082】
図5は、本開示の実施形態の実施に適するデバイス500の簡略的なブロック図である。デバイス500は、
図1に示すネットワークデバイス110又は端末デバイス120のさらなる例示的な実施形態とみなすことができる。従って、デバイス500は、ネットワークデバイス110又は端末デバイス120の少なくとも一部において、又はその少なくとも一部として実施されることができる。
【0083】
図示されるように、デバイス500は、プロセッサ510と、プロセッサ510に接続されたメモリ520と、プロセッサ510に接続された適切な伝送機(TX)及び受信機(RX)540と、TX/RX540に接続された通信インターフェースとを含む。メモリ510は、プログラム530の少なくとも一部を格納する。TX/RX540は、双方向通信用である。TX/RX540は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で言及されるアクセスノードは複数あってもよい。通信インターフェースは、eNB間の双方向通信用のX2インターフェース、MME(Mobility Management Entity)/S-GW(Serving Gateway)とeNBとの間の通信用のS1インターフェース、eNBとリレーノード(RN)との間の通信用のUnインターフェース、又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0084】
プログラム530は、関連するプロセッサ510によって実行されると、デバイス500が、本明細書で
図1から
図4を参照して説明したように、本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと想定される。本明細書の実施形態は、デバイス500のプロセッサ510によって実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実施されてもよい。プロセッサ510は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成されてもよい。さらに、プロセッサ510とメモリ520の組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適した処理手段550を形成してもよい。
【0085】
メモリ520は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体系のメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリデバイス及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を使用して実施してもよい。デバイス500には1つのメモリ520のみが示されているが、デバイス500には物理的に別個である複数のメモリモジュールがあってもよい。プロセッサ510は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。デバイス500は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0086】
一般的に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実施されてもよい。いくつかの態様はハードウェアで実施され、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、又は他の何らかの画像表現を使用して例示及び説明されたが、本明細書に記載されるこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティングデバイス、又はそれらのいくつかの組み合わせで実施されてもよいことを理解されたい。
【0087】
本開示は、さらに、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図4を参照して上述したプロセス又は方法を実行するために、プログラムモジュールに含まれるものなどの、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスで実行されるコンピュータ実行可能な命令を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実施したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で記載されたプログラムモジュール間で組み合わせる、又は分割されることができる。プログラムモジュールのためのマシン実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイス内で実行されてもよい。分散型デバイスでは、プログラムモジュールがローカル記憶媒体とリモート記憶媒体の両方に配置されてもよい。
【0088】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることにより、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定される機能/動作が実現される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行されてもよく、その一部がマシン上で実行されてもよく、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、一部がマシン上で実行され且つ一部がリモートマシン上で実行されてもよく、完全にリモートマシン又はサーバ上で実行されてもよい。
【0089】
上記プログラムコードは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれと関連して使用されるためのプログラムを含む又は格納することができる任意の有形媒体であり得るマシン読み取り可能な媒体上で具現化されてもよい。マシン読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な信号媒体又はマシン読み取り可能な記憶媒体であってもよい。マシン読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、デバイス、あるいは前記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。マシン読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例として、1つ又は複数のワイヤによる電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は前記の任意の好適な組み合わせが挙げられる。
【0090】
さらに、動作が特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示の特定の順序又は連続順序で実行されること、又は描かれたすべての動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利であることがある。同様に、上記の説明にはいくつかの特定の実施形態の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態のコンテキストで説明されている特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて実施されてもよい。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明されている様々な特徴も、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施されてもよい。
【0091】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語で説明されたが、添付の特許請求の範囲で限定される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として説明されている。