(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123272
(43)【公開日】2024-09-10
(54)【発明の名称】発明の名称:デジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳への記録方法及びデジタルアセットトークン統合システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20240903BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106507
(22)【出願日】2024-07-02
(62)【分割の表示】P 2023047416の分割
【原出願日】2020-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】521418001
【氏名又は名称】シード&バラエティ合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194401
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】中谷 忠久
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転の透明性及び安定性を向上する。
【解決手段】方法1は、デジタルアセットトークンTの量の1単位の生成を生成情報とともにピアツーピア分散型台帳3に記録しMS110、その後の所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、移転すべきデジタルアセットトークンの量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の制約情報の付加又は更新を、移転に先立ち予めピアツーピア分散型台帳に記録しMS120、ピアツーピア分散型台帳から予め記録された制約情報及び履歴情報としての生成情報を読み取りMS140、トランザクションTRをピアツーピア分散型台帳へブロードキャストしMS150、トランザクション検証の成功後にデジタルアセットトークンの所有権の移転を記録しMS170、所有権移転の制約情報と、履歴情報とを記録ブロックに移転記録と共に付記承継するMS180。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルアセットトークン(T)のピアツーピア分散型台帳記録方法であって、
デジタルアセットトークンの量の1単位の生成をピアツーピア分散型台帳に記録し(MS110)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
移転すべき前記デジタルアセットトークンの量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳に記録し(MS120)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり(MS130)、
当該記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブへのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、
ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションを組成し、ピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(MS160)、
デジタルアセットトークンの所有権の移転を記録し(MS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(MS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(MS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転、リザーブからユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブへの移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転履歴情報を含む方法。
【請求項2】
前項の方法によって生成された第1のデジタルアセットトークンの1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで、第1のデジタルアセットトークン量の1単位にペギングされたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位の生成を記録し(MS210)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳に記録することを含み(MS220)
当該所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含む(MS230)、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の法定通貨は、円であり、前記第2の通貨は、日本国の国外の法定通貨である請求項請求項1又は2に記載の方法
【請求項4】
前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の発行及び売り出しは、さらに、
前記履歴情報には、ユーザが提供する対価の所定の割合は安全資産によって担保されるべき供託プールに保持される履歴情報を含む請求項1から3いずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
プロセッサーと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該命令は当該プロセッサーによって実行されるとき、
デジタルアセットトークンの量の1単位の生成をピアツーピア分散型台帳に記録し(SS110)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳に記録し(SS120)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり(SS130)、
当該記録すべき付帯情報には少なくともリザーブへのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(SS140)、
ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(SS160)、
デジタルアセットトークンの所有権の移転を記録し(SS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(SS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(SS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転、リザーブからユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブへの移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転履歴情報を含むように構成されているシステム。
【請求項6】
前記読み取り可能なストレージ媒体は、追加の命令を含み、当該追加の命令は、前記プロセッサーによって実行されるとき、
第1のデジタルアセットトークンの1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで、第1のデジタルアセットトークン量の1単位にペギングされたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位の生成を記録し(SS210)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加、又は更新を予めピアツーピア分散型台帳に記録すること(SS220)を含み、
当該所有権移転条件には、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含むように構成されている(SS230)、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の法定通貨は、円であり、前記第2の通貨は、日本国の国外の法定通貨である請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
前記所有権移転条件は、条件の種別毎に条件コードを設定し、
当該条件コード又は当該条件コードを含むスクリプトを構成し、
当該条件コード又は条件コードを含むスクリプトのハッシュを計算し、当該ハッシュをトランザクションの実行プログラムに埋め込み、
当該トランザクションを組成し、ブロックチェーンネットワークにブロードキャスト送信し、
ブロックチェーンネットワークの前記ピアツーピア分散型台帳に記録されるように構成されている請求項5から7いずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記所有権移転条件は、さらに、前記第2のデジタルアセットトークン量の1単位に、前記第1のデジタルアセットトークン量の前記所定の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅内で、前記第1のデジタルアセットトークン量との移転対価の上限及び下限を含む個別指定価格幅で制限するように構成されている請求項5から8いずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記所有権移転条件は、さらに、前記第1のデジタルアセットトークン量の1単位と、前記第2のデジタルアセットトークン量との交換価値を所定のユニバーサル時刻におけるスナップショット交換レートによって固定された売却価格とするように構成されている請求項5から9いずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記所有権移転条件は、さらに、前記デジタルアセットトークンと、他の種類のデジタルアセットトークンとの売買トランザクション内では、トランザクション内において前記第1のデジタルアセットトークンへの交換価値の換算後の売りと買いの貸借バランスが所定の差額範囲内に収まることを条件とするように構成されている請求項5から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、さらに、第1のユーザのためのユーザ端末用の第1のコンピュータ及び第2のユーザのためのユーザ端末用の第2のコンピュータを含み、当該第1又は第2のコンピュータと、前記システムと、前記ピアツーピア分散型台帳を格納するストレージを含むノードコンピュータとの間は通信手段を介してネットワーク接続されており、当該第1又は第2のコンピュータは、プロセッサーと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該ストレージ媒体はウォレットアプリケーションプログラムのための追加の命令を含み、当該命令は、ユーザの操作画面を表示するために前記プロセッサーによって実行されるとき、
第1のユーザのためのユーザ端末用の第1のコンピュータは、第1のユーザのための、デジタルアセットトークンの相対取引入力画面を表示し、
さらに、一のデジタルアセットトークンの量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件に加え、購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する購入ユーザの保有する他のデジタルアセットトークンの選択を促すプロンプトを第1のユーザ画面に表示し、第1のユーザの操作する第1のコンピュータの前記命令が前記プロセッサによって実行されるとき、購入条件の買板を受入れ、当該ウォレットアプリケーションプログラムが実行される第1のコンピュータのメモリ上に蓄積し、
さらに、第1のユーザのためのユーザ端末用の第1のコンピュータで、第1のユーザの操作するウォレットアプリケーションプログラムの前記命令がプロセッサによって実行されると、メモリ上に蓄積された前記一のデジタルアセットトークンの前記購入条件の買板と、前記ピアツーピア分散型台帳上で、前記個別指定価格幅に、又は前記スナップショット交換レートによって固定された売却価格に売却下限価格を制限する所有権移転条件によって売板設定された前記一のデジタルアセットトークンを前記通信手段を介して前記ピアツーピア分散型台帳から読み取り、当該売板とのマッチングによって前記第1のユーザの購入の申し込み対象とすべき前記一のデジタルアセットトークンの売板と当該売板の前記一のデジタルアセットトークンの所有者である第2のユーザとを特定し、これらの検索結果を前記第1のユーザ画面に表示し、
次に、前記第1のユーザは、第1のユーザの操作する画面を介して、ユーザ間の売買取引のトランザクション組成手段によって、前記対価に対応する第1のユーザが所有する他のデジタルアセットトークンの移転を含むユーザ間の売買取引の未完成トランザクションを組成し、通信手段を介して第2のユーザのウォレットアプリケーションプログラムが実行されるコンピュータに向け、当該未完成トランザクションを含む購入申し込みを第1のコンピュータから送信し、第2のユーザからの返信を待ち、
第2のユーザのためのユーザ端末用の第2のコンピュータで、第2のユーザの操作するウォレットアプリケーションプログラムの命令がプロセッサによって実行されると、第2のユーザは、第1のユーザからの前記購入申し込みの通知を受信し、
さらに、第2のユーザは、第2のコンピュータに表示されたデジタルアセットトークンの相対取引承認入力画面を介して、第1のユーザから送られた前記未完成トランザクションを含む購入申し込みを受入れ、当該未完成トランザクションが指定する第1のユーザによって売板設定された他のデジタルアセットトークンの移転と、第2のユーザの売板の前記一のデジタルアセットトークンの移転とを含むユーザ間の売買取引のトランザクションを承認し、当該承認後の売買取引のトランザクションを第1のユーザに返信し、
第1のユーザ又は第2にユーザのいずれかのユーザのウォレットアプリケーションプログラムの命令がプロセッサによって実行され、相対取引による前記デジタルアセットトークンの移転のトランザクションがブロックチェーンネットワークへブロードキャスト送信され、
プロセッサーと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含む前記ノードコンピュータにおいて、当該命令は当該プロセッサーによって実行されるとき、ブロックチェーンネットワーク上でブロードキャストを受信すると、トランザクションを検証し、前記ノードコンピュータの前記ストレージ媒体に格納されているピアツーピア分散型台帳のブロックチェーンのブロックに当該トランザクションを記録するように構成されている請求項9から11いずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、前記ストレージ媒体に板取引プログラムのための命令をさらに含み、さらに購入ユーザが操作するためのユーザ端末用の第1のコンピュータ、及び売却ユーザが操作するためのユーザ端末用の第2のコンピュータを含み、当該各コンピュータは読み取り可能なストレージ媒体を含み、当該ストレージ媒体はウォレットアプリケーションプログラムのための命令を含み、当該命令は、購入ユーザの操作画面を表示するために第1のコンピュタのプロセッサーによって実行されるとき、
デジタルアセットトークンの板取引申し込み画面を購入ユーザが操作する画面へ表示し、
一のデジタルアセットトークンの量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件の指定と、購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する購入者の保有する他のデジタルアセットトークンの選択を促すプロンプトを当該購入ユーザ画面に表示し、
続けて、購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みの入力を当該ユーザ画面から受け入れ、板取引アプリケーションプログラムが実行される前記コンピュータへ送信し、
前記システムは、
板取引プログラムを実行する前記コンピュータのプロセッサによって前記ストレージ媒体に格納されている板取引プログラムのための命令が実行されるとき、板取引プログラムを実行する前記コンピュータによって購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みが受信されると、当該購入申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、前記板取引プログラムを実行する当該コンピュータのプロセッサによって前記ストレージ媒体に格納された前記板取引プログラムの命令が実行されるとき、当該コンピュータによって売却ユーザの売板条件を含む売却申し込みが受信されると、当売却申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、前記板取引プログラムを実行する当該コンピュータのプロセッサによって前記ストレージ媒体に格納された前記板取引プログラムの命令が実行されるとき、前記蓄積された買板と、前記蓄積された売板とのマッチングを行い、マッチング成功時に、
売却ユーザの一のデジタルアセットトークンの移転と、購入ユーザの買板の対価として、購入ユーザによって売板設定された購入ユーザの他のデジタルアセットトークンの移転とを含むユーザ間の売買取引のトランザクションを、売買取引のトランザクション組成手段によって組成し、板取引による前記デジタルアセットトークンの移転のトランザクションがブロックチェーンネットワークへブロードキャスト送信され、
プロセッサーと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含む前記ノードコンピュータの当該命令は当該プロセッサーによって実行されるとき、ブロックチェーンネットワーク上でブロードキャストを受信すると、トランザクションを検証し、前記ノードコンピュータの前記ストレージ媒体に格納されているピアツーピア分散型台帳のブロックチェーンのブロックに当該トランザクションを記録するように構成されている請求項9から11いずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、前記ストレージ媒体に板取引プログラムのための命令をさらに含み、さらに購入ユーザが操作するためのユーザ端末用の第1のコンピュータ、及び売却ユーザが操作するためのユーザ端末用の第2のコンピュータを含み、当該各コンピュータは読み取り可能なストレージ媒体を含み、当該ストレージ媒体はウォレットアプリケーションプログラムのための命令を含み、当該命令は、購入ユーザの操作画面を表示するために第1のコンピュタのプロセッサーによって実行されるとき、
デジタルアセットトークンの板取引申し込み画面を購入ユーザが操作する画面へ表示し、
一のデジタルアセットトークンの量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件の指定と、購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する購入者の保有する他のデジタルアセットトークンの選択を促すプロンプトを当該購入ユーザ画面に表示し、
続けて、購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みの入力を当該ユーザ画面から受け入れ、板取引アプリケーションプログラムが実行される前記コンピュータへ送信し、
前記システムは、
板取引プログラムを実行する前記コンピュータのプロセッサによって前記ストレージ媒体に格納されている板取引プログラムのための命令が実行されるとき、板取引プログラムを実行する前記コンピュータによって購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みが受信されると、当該購入申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、板取引プログラムを実行する当該コンピュータのプロセッサによって板取引プログラムの命令が実行されるとき、当該コンピュータによって売却ユーザの売板条件を含む売却申し込みが受信されると、当売却申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、板取引プログラムを実行する当該コンピュータのプロセッサによって板取引プログラムの命令が実行されるとき、前記蓄積された買板と、前記蓄積された売板とのマッチングを行い、マッチング成功時に、
双方のユーザへ相手方の購買情報を送信し、いずれかのユーザによって前記相対取引によって前記デジタルアセットトークンの移転を開始するように構成されている請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
デジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳への記録方法及びデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳統合システムに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
仮想通貨、暗号通貨、暗号資産と呼ばれる様々なインターネット上で流通するデジタルアセットが創造されているが、いずれもナカモトサトシによって発表されたビットコインのブロックチェーンの分散型台帳を利用する点で共通している。
【0003】
これらデジタルアセットに関し日本では、世界に先んじ「仮想通貨」の法律用語も定義されたが、「仮想通貨」の用語を定義した法令もその制定1年後に改正され、「仮想通貨」は「暗号資産」として定義し直された。その背景には、ブロックチェーンのように分散型台帳を利用するデジタルオブジェクトを「トークン」という広義の用語によって捉え直すという世界的な動きがある。デジタルアセットの募集発行の呼称もビットコインに倣いイニシャルコインオファリング(ICO)と呼ばれていたが、イニシャルトークンオファリング(ITO)と呼ばれるように変遷している。
【0004】
不動産等の現物資産を表象するものとしてトークンを発行するICO/ITOもある。このようなトークンは不動産等の現物資産に紐付けされ、その持分権の債権証を表象するものとされるものであった。このように現物資産に紐付けされるトークンは、現物資産の総額に対してトークンの総発行高によって按分され、このとき、発行されるトークンは現物資産にペギングされると呼ばれる。この場合のトークンは、現物資産の利用収益及び市場価値に応じて投資収益を上げることが期待されるものというもっぱらその不動産取引市場及び不動産賃貸市場に依存する性質を持つことに加え、現の不動産利用の目的に応じた既存又は新規不動産の供給が限定され得るという希少価値も将来の期待価値に含まれる性質を持つ。
【0005】
ビットコインもブロックチェーンの維持に貢献するマイナーへの報酬として新規発行されるビットコイン供給量を初期発行後の経過時期に応じ半減させ、総供給量も予め定義された量に制限されるという規定がビットコインアーキテクチャ上ビルトインされており、この仕組みによって希少価値の期待が埋め込まれている。
【0006】
不動産等の現物資産を表象するもの以外にも、トークンの発行は株式会社のIPOに類似する何らかの投資の持分権を表象するものとして、トークン発行者が意図する事業に使用するための投資資金の調達手段として認識されているのが一般である。
【0007】
問題は、インターネット上でのトークン募集販売は、そもそも何を表象するトークンの発行であるのか、その素性が明確でないという問題があった。例えば、ロシアの通信メディア組織テレグラムはトークンを米国で募集したが、米国証券取引委員会(SEC)から、集めた資金が正当に投資されたか不透明であると指摘された。SECは、テレグラムに対し資金使途の証拠提出を求め、訴訟に発展し、テレグラムによって提出された証拠はなお不十分であると争訟は継続している(非特許文献1)。
【0008】
トランザクションの内容が不特定の分散アプリケーションコミュニティ参加者の過半数のコンセンサスによって検証されて故に、非中央集権的である、権限が分散化されていることが制度上規定されていると主張されることもあるが、この定義も、一般的には曖昧であり、何がどう検証される仕組みであるのかわかりづらく、不透明に見える原因ともなり得る(例えば、非特許文献1、Aブロックチェーン論点2)。
【0009】
上記の希少価値についても、追加のトークン発行がなされると株式会社の株式の追加発行と同様に、発行済みトークンの総価値の希薄化に繋がり、希少価値への期待を毀損する恐れがあるという問題があった。
【0010】
一方で、上記のように供給量が限定されると投機資金の動きによって、トークンの取引価格が乱高下するという問題が露見され、ビットコイン程の巨大な市場価値を呈するものでさへ1日に数パーセントの値動きが発生したり、1ヶ月のうちに50%以上の取引価格上昇、取引価格の下落が2017年末から2018年初頭にかけて発生するというボラティリティーが問題となった。
【0011】
他方、取引手段としてもトークン単位で商品サービスが提供されるにまでトークンの使用が市場に浸透せず、あるいは、上記ボラティリティーのリスクを避けるため、商店によってビットコインで商品サービスが提供される場合も、購買者が店頭でビットコインを支払対価として提供し、その場でビットコインがビットコイン取引業者によって相対市場価格で売却され、その対価として商品代金を法定通貨で受領するという複雑な決済が求められるスキームもあり、トークンを支払い手段とする場合にも利用しやすい支払手段とは言えない。
【0012】
上記の現実資産への償還の担保及びボラティリティーの改善への期待から、トークンを法定通貨に紐付けし、法定通貨に対して価値を安定制御するステーブルコイン/ステーブルトークンと呼ばれるトークンへ関心が高まっている。ステーブルトークンの市場価値は、発行者による市場オペレーションによって制御されているものというのが関係者のコンセンサスである。
【0013】
特許文献1は、デジタルアセットトークンの現物資産への紐付けを、契約へのタグデータをスクリプトに埋め込むことによって行う方法を提供するが、結局は当事者間の契約に基づき当事者間の合意によって自由契約に基づく固定レート(ペギングレート)でトークン販売価格がトランザクション内において指定され提供されるが、現物資産を法定通貨とし、法定通貨の市場価格と紐付けされる仕組みを提供するピアツーピア分散型台帳に関する方法は、提供されていない。
【0014】
特許文献2は、世界最大規模の商人である米国ウォルマートによるブロックチェーンによるデジタル通貨のシステム及び方法が開示する。特許文献2発明に開示された実施態様は、1WMT(WMTは特許文献1発明のデジタル通貨単位)が1USD(米ドル通貨単位)で発行され、発行されたトークンはウォルマートでの使用に制限された制約トークン又は当該制限が付与されていない無制約トークンに分類されたトークンの二種がブロックチェーンに記録されるものである。
【0015】
特許文献2の制約トークンは、ウォルマートにおいて特定の商品に対して特定の値引きが提供され、1WMTについて実質的に1USD以上の交換価値で商品対価に利用可能なデジタル通貨である。ブロックチェーンに記録される情報としての態様は、上記の他支払い時の割引販売の態様に限られる。
【0016】
他方、特許文献2の無制約トークンは、ウォルマートにおいて一般商品に対して所定の値引きが提供され、1WMTについてほぼ1USDの交換価値でウォルマートにおいて支払手段として使用可能であるデジタル通貨が提供されるものと理解される。
【0017】
デジタル通貨WMTは、ウォルマートにおいてステーブルコインと同等の安定性が保証され、ウォルマートが使用を停止しない限り利用継続可能であると期待されるが、前者は制限付きの種別のついたトークンであるというトークンの種別が記録された技術であると理解され、後者の交換価値の保証は、ウォルマートという巨大商人が提供する信用によるものであり、特許文献2発明のブロックチェーンによって安定価値が提供される態様は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
特許文献1:WO2019/152381 A1
【0019】
特許文献2:WO2017/145004 A1
【非特許文献】
【0020】
非特許文献1: "PLAINTIFF’S RESPONSE AND COUNTER-STATEMENT TO DEFENDANTS’ LOCAL RULE 56.1 STATEMENT,", 19 Civ. 9439 (PKC), UNITED STATES DISTRICT COURTSOUTHERN DISTRICT OF NEW YORK, 1/21/2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、デジタルアセットトークンの発行に伴う不透明さの問題に取り組み、この問題をピアツーピア分散型台帳への記録方法及びピアツーピア分散型台帳統合システムによって解決する。あるいは、本発明は、インターネット上で公募されるトークン募集発行の透明性を確保可能に、デジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転の透明性及び安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法及びデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳統合システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、デジタルアセットトークンのピアツーピア分散型台帳記録方法の態様を開示する。本方法は、デジタルアセットトークンの量の1単位の生成をピアツーピア分散型台帳に記録し(MS110)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
移転すべき前記デジタルアセットトークンの量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳に記録し(MS120)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり(MS130)、
当該記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブへのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、
ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションを組成し、ピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(MS160)、
デジタルアセットトークンの所有権の移転を記録し(MS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(MS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(MS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転、リザーブからユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブへの移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転履歴情報を含む方法である。
本態様によって、履歴の記録及び制約条件の記録を伴うデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転、リザーブオペレーションの方法が開示され、履歴の記録及び制約条件の記録によって透明性が向上され、価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がステーブルなトークンが提供される。所有権移転条件が制約条件として記録され、何が検証された記録であるのかが記録から具体的に読み取ることが可能であり、透明性の向上に資する。
【0023】
上記態様に加え、さらに、上記の方法によって生成された第1のデジタルアセットトークンの1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで、第1のデジタルアセットトークン量の1単位にペギングされたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位の生成を記録し(MS210)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳に記録することを含み(MS220)
当該所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含む(MS230)方法がさらに提供される。
本態様によって、他通貨へペギングされた追加のデジタルアセットトークンを提供する方法が提供される。他通貨へペギングされた当該デジタルアセットトークンは第1のデジタルアセットトークンがペギングされている第1の法定通貨に対する所定の他通貨の市場交換レートに所定の価格幅の価値を対価として生成される第2のデジタルアセットが発行され、発行後の移転時にも所有権移転条件の設定によって、当該ペギングは持続的に維持される。こうして、本発明のデジタルアセットトークンの利用場面を他通貨が流通する市場へ展開することを可能とする。
【0024】
上記態様に加え、さらに、第1の法定通貨は、円であり、前記第2の通貨は、日本国の国外の法定通貨である方法が提供される。
本態様によって、法定通貨の中でも安定性の高く、オペレーションの透明性の高い日本銀行の通貨にペギングされたデジタルアセットトークンが提供され、本発明に係る方法によって、一層、透明性が高く、安定性が高いデジタルアセットトークンが提供される。実際に、2020年3月13日金曜日、コロナウォルスショックによる金融市場の混乱においても、円は最も高い安定性を呈示した。
【0025】
上記態様に加え、さらに、前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の発行及び売り出しは、前記履歴情報にユーザが提供する対価の所定の割合は安全資産によって担保されるべき供託プールに保持される履歴情報を含む方法が提供される。
本態様によって、発行及び売出し履歴の設定に、履歴の印として、ユーザが提供する対価が当該ユーザが提供する対価の所定の割合が安全資産によって担保され、これには供託プールで保管されることが少なくとも発行時に具体的にブロックチェーンに記録される方法が提供され、売出し時及び売出し後のデジタルアセットトークンの透明性が高まり、かような透明性はデジタルアセットトークンの交換価値の安定性にも寄与する。
【0026】
本発明は、他の態様においてシステムが提供され、
プロセッサーと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該命令は当該プロセッサーによって実行されるとき、
デジタルアセットトークンの量の1単位の生成をピアツーピア分散型台帳に記録し(SS110)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳に記録し(SS120)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり(SS130)、
当該記録すべき付帯情報には少なくともリザーブへのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(SS140)、
ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(SS160)、
デジタルアセットトークンの所有権の移転を記録し(SS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(SS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(SS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転、リザーブからユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブへの移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転履歴情報を含むように構成されているシステムが提供される。
本態様によって、履歴の記録及び制約条件の記録を伴うデジタルトークンの生成、発行、売買移転、リザーブオペレーションを提供可能なシステムが提供され、履歴の記録及び制約条件の記録によって透明性が向上され、価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がステーブルなトークンが提供される。
【0027】
上記態様に加え、さらに、
前記読み取り可能なストレージ媒体は、追加の命令を含み、当該追加の命令は、前記プロセッサーによって実行されるとき、
第1のデジタルアセットトークンの1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで、第1のデジタルアセットトークン量の1単位にペギングされたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位の生成を記録し(SS210)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳に記録すること(SS220)を含み、
当該所有権移転条件には、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約すること(SS230)を含むように構成されているシステムが提供される。
本態様によって、他通貨へのペギングされた追加のデジタルアセットトークンを提供するシステムが提供され、当該デジタルアセットトークンは第1のデジタルアセットトークンに対して、第1のデジタルアセットトークンがペギングされている第1の法定通貨に対する当該他通貨の市場交換レートに所定の価格幅の価値を対価として生成される第2のデジタルアセットが第1のデジタルアセットトークンにペギングされ発行され、本発明のデジタルアセットトークンの利用場面を他通貨が流通する市場へ展開することを可能とする。
【0028】
上記態様に加え、さらに、第1の法定通貨は、日本円であり、前記第2の通貨は、日本国の国外の法定通貨であるシステムが提供される。
本態様によって、法定通貨の中でも安定性の高く、オペレーションの透明性の高い日本銀行の通貨にペギングされたデジタルアセットトークンが提供され、本発明に係るシステムによって、一層、透明性が高く、安定性が高いデジタルアセットトークンが提供される。
【0029】
上記態様に加え、さらに、 前記所有権移転条件は、条件の種別毎に条件コードを設定し、
当該条件コード又は当該条件コードを含むスクリプトを構成し、
当該条件コード又は条件コードを含むスクリプトのハッシュを計算し、当該ハッシュをトランザクションの実行プログラムに埋め込み、
当該トランザクションを組成し、ブロックチェーンネットワークにブロードキャスト送信し、
前記トランザクションの実行としてブロックチェーンネットワークの前記ピアツーピア分散型台帳に記録されるように構成されているシステムが提供される。
本態様によって、ブロックチェーンにおける検証を簡易にし、ブロックチェーンの分散記憶域の容量をコンパクトにすることを可能とするより具体的な態様が開示される。
【0030】
上記態様に加え、さらに、所有権移転条件は、前記第2のデジタルアセットトークン量の1単位に、前記第1のデジタルアセットトークン量の前記所定の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅内で、前記第1のデジタルアセットトークン量との移転対価の上限及び下限を含む個別指定価格幅で制限するように構成されているシステムが提供される。
本態様によって、所有権移転条件として、第1のデジタルアセットトークン量との移転対価の上限及び下限を個別指定価格幅の制限は、制限が加えら得た第1のデジタルアセットトークン自体の表示に現れ、ネットワーク参加者に情報が開示され、売却の気配値がいずれかの取引仲介者あるいは特定の取引所参加者によってのみ把握されるのではなく、広くピアツーピア分散型台帳ネットワークに情報が開示される。分散取引をより確実に実行するためデジタルアセットトークンの売却希望移転価格を取引前にロックすることによって、取引希望時に即時に一方の購買希望者は、申し込みのオペレーションのみで取引を確定させることを可能とし、売却希望移転価格がブロックチェーンに表示されることによって、市場価格の形成の透明性が高まり、取引の健全性が高まり、デジタルアセットトークン市場交換レートの安定性が高まる効果を期待できる。
【0031】
上記態様に加え、さらに、前記所有権移転条件は、前記第1のデジタルアセットトークン量の1単位と、前記第2のデジタルアセットトークン量との交換価値を所定のユニバーサル時刻におけるスナップショット交換レートによって固定された売却価格とすることを可能とするように構成されているシステムを提供する。
本態様によって、購入希望者の交換対価とされるデジタルアセットトークンの第1のデジタルアセットトークンとの交換価値を取引の事前にロックすることを可能とし、購入希望者は売却希望者が求める第1のデジタルアセットトークンとの交換価値に相当する第2のデジタルアセットトークンの量をより確実に取得し、かつ、取引時の市場交換レートに影響されることなく購入希望者の意思としては、購入申入れのオペレーションのみによって取引を確定させることを可能とし、より取引成約の簡便性が高まり、取引を活発にし、デジタルアセットトークン市場交換レートの安定性が高まる効果を期待できる。
【0032】
上記態様に加え、さらに、所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンと、他の種類のデジタルアセットトークンとの売買トランザクション内では、トランザクション内において前記第1のデジタルアセットトークンへの交換価値の換算後の売りと買いの貸借バランスが所定の差額範囲内に収まることを条件とするように構成されているシステムが提供される。
本態様によって、交換レート換算時の差額が認識され、たとえシステム上の差額が発生しても、その差額が認識された上で僅少差額を別途所定の取り決めによって処理することを可能とすると共に、僅少差額とはならない差額が発生する場合には、取引の成立を阻み、取引の透明性、健全性をより高め、実質的なデジタルアセットトークンの交換レートをより安定させる効果を提供する。加えて、2当事者の所有権移転に係る取引の場合、一方当事者は、取引の成立を阻む所定の僅少差額を定めれば、他方当事者の自由度はその差額の範囲内において、他方当事者は取引を他の制約がない限り、成り行きに任せ決定できるように取引を構成する余地を生み出し、より取引の透明性が高まる。
【0033】
上記態様に加え、本発明によって、前記システムは、さらに、第1のユーザのためのユーザ端末用の第1のコンピュータ及び第2のユーザのためのユーザ端末用の第2のコンピュータを含み、当該第1又は第2のコンピュータと、前記システムと、前記ピアツーピア分散型台帳を格納するストレージを含むノードコンピュータとの間は通信手段を介してネットワーク接続されており、当該第1又は第2のコンピュータは、プロセッサーと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該ストレージ媒体はウォレットアプリケーションプログラムのための追加の命令を含み、当該命令は、ユーザの操作画面を表示するために前記プロセッサーによって実行されるとき、
第1のユーザのためのユーザ端末用の第1のコンピュータは、第1のユーザのための、デジタルアセットトークンの相対取引入力画面を表示し、
さらに、一のデジタルアセットトークンの量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件に加え、購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する購入ユーザの保有する他のデジタルアセットトークンの選択を促すプロンプトを第1のユーザ画面に表示し、第1のユーザの操作する第1のコンピュータの前記命令が前記プロセッサによって実行されるとき、購入条件の買板を受入れ、当該ウォレットアプリケーションプログラムの命令が実行される第1のコンピュータのメモリ上に蓄積し、
さらに、第1のユーザのためのユーザ端末用の第1のコンピュータで、第1のユーザの操作するウォレットアプリケーションプログラムの前記命令がプロセッサによって実行されると、メモリ上に蓄積された前記一のデジタルアセットトークンの前記購入条件の買板と、前記ピアツーピア分散型台帳上で、前記個別指定価格幅に、又は前記スナップショット交換レートによって固定された売却価格に売却下限価格を制限する所有権移転条件によって売板設定された前記一のデジタルアセットトークンを前記通信手段を介して前記ピアツーピア分散型台帳から読み取り、当該売板とのマッチングによって前記第1のユーザの購入の申し込み対象とすべき前記一のデジタルアセットトークンの売板と当該売板の前記一のデジタルアセットトークンの所有者である第2のユーザとを特定し、これらの検索結果を前記第1のユーザ画面に表示し、
次に、前記第1のユーザは、第1のユーザの操作する画面を介して、ユーザ間の売買取引のトランザクション組成手段によって、前記対価に対応する第1のユーザが所有する他のデジタルアセットトークンの移転を含むユーザ間の売買取引の未完成トランザクションを組成し、通信手段を介して第2のユーザのウォレットアプリケーションプログラム命令が実行されるコンピュータに向け、当該未完成トランザクションを含む購入申し込みを第1のコンピュータから送信し、第2のユーザからの返信を待ち、
第2のユーザのためのユーザ端末用の第2のコンピュータで、第2のユーザの操作するウォレットアプリケーションプログラムの命令がプロセッサによって実行されると、第2のユーザは、第1のユーザからの前記購入申し込みの通知を受信し、
さらに、第2のユーザは、第2のコンピュータに表示されたデジタルアセットトークンの相対取引承認入力画面を介して、第1のユーザから送られた前記未完成トランザクションを含む購入申し込みを受入れ、当該未完成トランザクションが指定する第1のユーザによって売板設定された他のデジタルアセットトークンの移転と、第2のユーザの売板の前記一のデジタルアセットトークンの移転とを含むユーザ間の売買取引のトランザクションを承認し、当該承認後の売買取引のトランザクションを第1のユーザに返信し、
第1のユーザ又は第2にユーザのいずれかのユーザのウォレットアプリケーションプログラムの命令がプロセッサによって実行され、相対取引による前記デジタルアセットトークンの移転のトランザクションがブロックチェーンネットワークへブロードキャスト送信され、
プロセッサーと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含む前記ノードコンピュータの当該命令は当該プロセッサーによって実行されるとき、ブロックチェーンネットワーク上でブロードキャストを受信すると、トランザクションを検証し、前記ノードコンピュータの前記ストレージ媒体に格納されているピアツーピア分散型台帳のブロックチェーンのブロックに当該トランザクションを記録するように構成されているシステムが提供される。
本態様によって、相対取引約定を実現可能とする分散取引システム(以下でDEX(Distributed EXchange)とも呼称する)が提供され、ユーザ同士によって、仲介者のオペレーションを排し取引実現を可能とし、仲介者の相場操縦の機会を減じ、市場交換レートの安定化を一層図ることが期待され、交換手数料も実質的にほぼ無償にすることも可能とし、デジタルアセットトークンの流通をより活発にする効果を提供する。
【0034】
上記態様に加え、さらに、前記システムは、前記ストレージ媒体に板取引プログラムのための命令をさらに含み、さらに購入ユーザが操作するためのユーザ端末用の第1のコンピュータ、及び売却ユーザが操作するためのユーザ端末用の第2のコンピュータを含み、当該各コンピュータは読み取り可能なストレージ媒体を含み、当該ストレージ媒体はウォレットアプリケーションプログラムのための命令を含み、当該命令は、購入ユーザの操作画面を表示するために第1のコンピュタのプロセッサーによって実行されるとき、
デジタルアセットトークンの板取引申し込み画面を購入ユーザが操作する画面へ表示し、
一のデジタルアセットトークンの量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件の指定と、購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する購入者の保有する他のデジタルアセットトークンの選択を促すプロンプトを当該購入ユーザ画面に表示し、
続けて、購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みの入力を当該ユーザ画面から受け入れ、板取引アプリケーションプログラムが実行される前記コンピュータへ送信し、
前記システムは、板取引プログラムを実行する前記コンピュータのプロセッサによって前記ストレージ媒体に格納されている板取引プログラムのための命令が実行されるとき、板取引プログラムを実行する前記コンピュータによって購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みが受信されると、当該購入申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、板取引プログラムを実行する当該コンピュータのプロセッサによって板取引プログラムの命令が実行されるとき、当該コンピュータによって売却ユーザの売板条件を含む売却申し込みが受信されると、当売却申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、板取引プログラムを実行する当該コンピュータのプロセッサによって板取引プログラムの命令が実行されるとき、前記蓄積された買板と、前記蓄積された売板とのマッチングを行い、マッチング成功時に、
売却ユーザの一のデジタルアセットトークンの移転と、購入ユーザの買板の対価として、購入ユーザによって売板設定された購入ユーザの他のデジタルアセットトークンの移転とを含むユーザ間の売買取引のトランザクションを、売買取引のトランザクション組成手段によって組成し、板取引による前記デジタルアセットトークンの移転のトランザクションがブロックチェーンネットワークへブロードキャスト送信され、
プロセッサーと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含むノードコンピュータを当該システムはさらに含み、当該命令は当該プロセッサーによって実行されるとき、ブロックチェーンネットワーク上でブロードキャストを受信すると、トランザクションを検証し、前記ノードコンピュータの前記ストレージ媒体に格納されているピアツーピア分散型台帳のブロックチェーンのブロックに当該トランザクションを記録するように構成されている、システムが提供される。
本態様によって、板取引約定を実現する分散取引システム(DEX)が提供され、売買申込みのシステム登録を前提とし、板取引による前記デジタルアセットトークンの移転がDEXシステムによって前記ピアツーピア分散型台帳に記録されるシステムが提供される。ユーザはリアルタイムの板取引約定情報を参照しつつ、デジタルアセットトークン交換取引を実行できる利便性が提供され、交換業者は、より簡便にデジタルアセットトークン交換取引機能を提供することが可能となり、交換価値実現方法のバリエーションを豊かにする効果を提供する。
【0035】
上記態様に加え、さらに、前記システムは、前記ストレージ媒体に板取引プログラムのための命令をさらに含み、さらに購入ユーザが操作するためのユーザ端末用の第1のコンピュータ、及び売却ユーザが操作するためのユーザ端末用の第2のコンピュータを含み、当該各コンピュータは読み取り可能なストレージ媒体を含み、当該ストレージ媒体はウォレットアプリケーションプログラムのための命令を含み、当該命令は、購入ユーザの操作画面を表示するために第1のコンピュタのプロセッサーによって実行されるとき、
デジタルアセットトークンの板取引申し込み画面を購入ユーザが操作する画面へ表示し、
一のデジタルアセットトークンの量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件の指定と、購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する購入者の保有する他のデジタルアセットトークンの選択を促すプロンプトを当該購入ユーザ画面に表示し、
続けて、購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みの入力を当該ユーザ画面から受け入れ、板取引アプリケーションプログラムが実行される前記コンピュータへ送信し、
前記システムは、板取引プログラムを実行する前記コンピュータのプロセッサによって前記ストレージ媒体に格納されている板取引プログラムのための命令が実行されるとき、板取引プログラムを実行する前記コンピュータによって購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みが受信されると、当該購入申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、板取引プログラムを実行する当該コンピュータのプロセッサによって板取引プログラムの命令が実行されるとき、当該コンピュータによって売却ユーザの売板条件を含む売却申し込みが受信されると、当売却申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、板取引プログラムを実行する当該コンピュータのプロセッサによって板取引プログラムの命令が実行されるとき、前記蓄積された買板と、前記蓄積された売板とのマッチングを行い、マッチング成功時に、
双方のユーザへ相手方の購買情報を送信し、いずれかのユーザによって前記相対取引によって前記デジタルアセットトークンの移転を開始するように構成されているシステムを提供する。
本態様によって、買板の売板の寄せまでの情報をDEX板寄せ情報提供システムによって提供し、約定は相対取引システム機能に連携し実現する手段が提供される。板取引DEXの情報の取得によって約定の機会を向上し、取引の実行はユーザオペレーションによって実現するため、取引の成立は買い手、売り手の二者となり、当事者を最低限に絞り取引を簡単にするとういう、板取引と相対取引の各々の効果をミックスした効果を提供できる利点がある。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、デジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転の透明性及び安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法及びデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳統合システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本発明の一実施態様に係る第1のデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転、リザーブオペレーションの方法1の構成機能フローの概要フロー図である。
【0038】
【
図2】
図2は、本発明の一実施態様に係る第2のデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転、リザーブオペレーションの方法1の構成機能フローの概要フロー図である。
【0039】
【
図3】
図3は、本発明の一実施態様に係る法定通貨にペギングするデジタルアセットトークンTの生成、発行の方法M100及びM200の構成機能フローをより詳細に示すフローチャート図である。
【0040】
【
図4】
図4は、本発明の一実施態様に係る法定通貨にペギングするデジタルアセットトークンTの売買の方法M300の構成機能フローをより詳細に示すフローチャート図である。
【0041】
【
図5】
図5は、本発明の一実施態様に係る法定通貨にペギングするデジタルアセットトークンTの償還の方法M400の構成機能フローをより詳細に示すフローチャート図である。
【0042】
【
図6】
図6は、本発明の一実施態様に係る他通貨にペギングするデジタルアセットトークンT2の生成、発行の方法M101及びM201の構成機能フローをより詳細に示すフローチャート図である。
【0043】
【
図7】
図7は、本発明の一実施態様に係る他通貨にペギングするデジタルアセットトークンT2の売買の方法M301の構成機能フローをより詳細に示すフローチャート図である
【0044】
【
図8】
図8は、本発明の一実施態様に係る他通貨にペギングするデジタルアセットトークンT2の償還の方法M401の構成機能フローをより詳細に示すフローチャート図である。
【0045】
【
図9】
図9は、本発明の一実施態様に係るデジタルアセットトークンTについて、売買取引のバランスをトランザクションインプット、トランザクションアウトプットのバランスとして図示するTチャートである。
【0046】
【
図10】
図10は、デジタルアセットトークンT2について、デジタルアセットトークンT1を対価とする売買取引のバランスをトランザクションインプット、トランザクションアウトプットのバランスとして図示するTチャートである。
【0047】
【
図11】
図11は、デジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳への記録をするための本発明に係るデジタルアセットトークン統合システムの一実施形態を示す概要図である。
【0048】
【
図12】
図12は、本発明に係るデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態のシステム構成を示す模式図である。
【0049】
【
図13】
図13は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係るデジタルアセットトークンTの生成のフローチャートである。
【0050】
【
図14】
図14は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係るデジタルアセットトークンTの発行のフローチャートである。
【0051】
【
図15】
図15は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係るデジタルアセットトークンTの売買のフローチャートである。
【0052】
【
図16】
図16は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係るデジタルアセットトークンTの償還のフローチャートである。
【0053】
【
図17】
図17は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係るデジタルアセットトークンT2の生成のフローチャートである。
【0054】
【
図18】
図18は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係るデジタルアセットトークンT2の発行のフローチャートである
【0055】
【
図19】
図19は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係るデジタルアセットトークンT2の売買のフローチャートである
【0056】
【
図20】
図20は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係るデジタルアセットトークンT2の償還のフローチャートである
【0057】
【
図21】
図21は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係る分散相対取引システムの概要模式図である。
【0058】
【
図22】
図22は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係る分散相対取引システムのフローチャートである。
【0059】
【
図23】
図23は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係る分散板取引システムの概要模式図である。
【0060】
【
図24】
図24は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係る分散板取引システムのフローチャートである。
【0061】
【
図25】
図25は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係る分散板取引システムと分散相対取引システムをミックスしたミックス分散取引の概要模式図である。
【0062】
【
図26】
図26は、本発明のデジタルアセットトークン統合システム2の一実施形態に係る分散板取引システムと分散相対取引システムをミックスしたミックス分散取引のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本発明のデジタルアセットトークンの実施形態は、以下の実施例で詳細に説明される。
実施例
【0064】
<第1の実施形態>
本発明に係るデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転、リザーブオペレーションの方法の一実施形態を以下に説明する。
本発明に係るデジタルアセットトークンTのピアツーピア分散型台帳記録方法では、デジタルアセットトークンTの量の1単位(以下で「トークン単位(T)」ともいう)の生成をピアツーピア分散型台帳に記録する。
【0065】
デジタルアセットトークンは量の概念を持ち、トークン単位をトークン単位記号Tで表現し、デジタルアセットトークンT数量(T)と表記する。Tは取引で用いられるティッカーでもよい。
【0066】
ピアツーピア分散型台帳は一態様では、ブロックチェーンでもよい。
【0067】
デジタルアセットトークンのピアツーピア分散型台帳への記録とは、アドレスからアドレスへのデジタルアセットトークンの移転を記述するトランザクションがピアツーピア分散型台帳に記録されることを指し、記録前には所定の検証が実行され、検証に合格したトランザクションのみ、ピアツーピア分散型台帳に記録される。
【0068】
トランザクションの構成は、例えば、ビットコインのブロックチェーンのトランザクションに類した形式を採用することも可能である。トランザクションの入力の構成単位であるトランザクションインプットと、トランザクションの出力の構成単位であるトランザクションアウトプットの二つを基本構成要素とし、トランザクションインプット/トランザクションアウトプットで借方/貸方の貸借バランスを表現する。台帳の一般ルールとしてトランザクションの表示上、貸借はバランスしなければならない。
【0069】
図1は、デジタルアセットトークンTの生成段階ST1、発行段階ST2、売買移転段階ST3、償還段階ST4の機能フローを説明する概要機能フロー図であり、本発明に係る方法1を鳥瞰する。
図1の上部は、発行者、ユーザ間のデジタルアセットトークンTの移動及び所有権の移転がデジタルアセットトークンTの生成、発行、売買及び償還の各段階におけるユーザオペレーションに伴うデジタルアセットトークンTの機能フローに焦点を当て描かれている。
図1の下部には、ピアツーピア分散型台帳3へのトランザクションTRの記録まで時系列に描かれている。
【0070】
<デジタルアセットトークンTの売買>
本発明にいう取引オペレーションの典型は、ユーザ間のデジタルアセットトークンTの所有権の移転の場合であり、
図1で、ユーザ間の移転オペレーションは売買段階ST3として表現されている。ここでいう売買とは、対価の提供を伴うデジタルアセットトークンTのアドレス間の移転を伴う取引をいう。対価が無償の場合が贈与であり、あるいは、承継(一般承継及び相続)である。しかしながら、法定通貨によるデジタルアセットトークンTの売買を実現するトランザクションTRは、法定通貨を直接本発明のデジタルアセットトークンTによって表現することはできないから、デジタルアセットトークンTのユーザ間の移転は、トランザクションTRの記述上は単にデジタルアセットトークンTのユーザアドレスから他のユーザアドレスへの移転として表現される。
【0071】
図1の売買でピアツーピア分散型台帳に記録されるトランザクションTRは、以下のように表示されるとよい。
移動元のアドレスの支配者である現所有者の売買の対象であるデジタルアセットトークンのトークン種別と、デジタルアセットトークンTの所定の数量とを特定するためのトランザクションインプットは、以下のように表されるものとする。
移動元のアドレス/デジタルアセットトークンの数量(デジタルアセットトークン単位記号T)
【0072】
売買の対象であるデジタルアセットトークンTのトークン種別及びデジタルアセットトークンTの所定の数量の所有者となるべき購入者に帰属するアドレスを特定するトランザクションアウトプットは、以下で表記されるものとする。
移動先のアドレス/デジタルアセットトークンの数量(デジタルアセットトークン単位記号T)
【0073】
トランザクションインプットの表示例は以下である。
(例)トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 1(T)
は「トランザクションインプット1はユーザアドレス1が所有するデジタルアセットトークンTの1デジタルアセットトークン単位(T)がトランザクションのインプットである」ことを表す。
【0074】
トランザクションアウトプットの表示例は以下のようである。
(例)トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 1(T)
は「トランザクションアウトプット1はユーザアドレス2がデジタルアセットトークンTの量の1単位(T)を所有すべきことがトランザクションのアウトプットである」ことを表す。
【0075】
トランザクションTRでは、売買の対価は表示されず、1(T)のアドレス1からアドレス2への移動が記載されるのみであり、トランザクションには、約定の原因が全て表記されるわけではない。
【0076】
両者を統合して、<トランザクションTR>売買に伴う1(T)のアドレス1からアドレス2への移動の表記は、以下となる。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 1(T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 1(T)
【0077】
従って、デジタルアセットトークンTの1000トークン単位をユーザ1がユーザ2へ売却し、(ユーザー2はユーザ1から購買する)とき、トランザクションは以下の表記で表されてよい。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 1000(T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 1000(T)
【0078】
このトランザクション表記には、売買の対価は記述されていない。売買の対価がトークン管理外のものであるときはこのトランザクションの構成の表記に記述されず、それは別途手当されるべきものとする。従って、ユーザアドレス1について、貸借バランスは-1であり、ユーザ2について貸借バランスは+1であり、トランザクション全体して貸借バランス0とバランスしている。あるいは、売買の対価がトークン管理外のものであるとき、以下のように、仮想デジタルアセットトークンを導入すれば、トランザクションに売買対価も表現可能となる。
【0079】
売買の対価がトークン管理外のものであるときは、上述のようにトランザクションの構成の表記に記述されないが、本発明に係る方法及びシステムで使用する所有権移転条件にトークン管理外のものが入ると、いささか不都合な場面もある。このような場合には、デジタルメモトークンなる概念を導入するとよい。例えば、法定通貨日本円がデジタルアセットトークンTMの発行対価とされる場合、デジタルメモトークンTMは、日本円を表象するものとトランザクション内で扱われ、対価とされる日本円の受領によって生成されるとする。デジタルアセットトークンTが生成されるとき、本来、無からデジタルアセットトークンTを生み出すのであるが、ここでは、メモとしてのデジタルアセットメモであるからデジタルアセットトークンTの1000トークン単位を発行者がユーザ2へ売却し、ユーザー2は発行者へ対価1000円を支払うとき、発行者とユーザ2との間には、1000(T)の対価を1000(TM)のメモ表示する合意があるものとして、トランザクションTRは以下の表記で表されてよい。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 発行者/ 1000(T);
トランザクションインプット2 ユーザアドレス2/ 1000(TM)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 1000(T);
トランザクションアウトプット2 発行者/ 1000(TM)
上記トランザクションは、デジタルアセットトークンTの1000トークン単位を発行者がユーザ2へ提供する、同時に、デジタルメモトークンTMが表象する1000円をユーザ2が発行者へ提供する、ことをメモとしてトランザクション表示する。ユーザアドレス2の1000(TM)の表記には、デジタルトークンの存在は仮想的な存在もなく、形式上システムで生成される必要はないものとされてよい。
【0080】
ここで、さらに、仮想デジタルアセットトークンT0の概念を導入し、仮想デジタルアセットトークンT0をユーザアドレスからの法定通貨の送金に対応させるものとすれば、より好適である。例えば、発行者がユーザ2から法定通貨1000(円)を実体法定通貨口座に受取るとき、法定通貨口座アドレスに1000(T0)が生成されるとし、デジタルアセットトークンT0によって、トランザクションTRは、以下のように表現できる。
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ベースアドレス00/ 1000(T0);
トランザクションインプット2 発行者/ 1000(T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 法定通貨口座アドレス/ 1000(T0);
トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス2/ 1000(T)
トランザクションTRは、ユーザ2からピアツーピア分散型台帳システム上オフラインで受取った法定通貨1000(円)を発行者の管理アドレスである法定通貨口座アドレスに表示し、ユーザ2は、発行者からデジタルアセットトークン1000(T)を受取ることを表示している。ここで、ベースアドレス00は、後述の本明細書デジタルアセットトークン生成のセクションで詳述されるようにデジタルアセットトークン生成の起源アドレスとしてシステムで特別に用意されるアドレスである。従って、トランザクションTRは、ユーザ1、2間には、1(T)を1(円)の交換レートとする合意があり、1(T)と1(T0)は等価であるという合意があることを表示している。上記の例では、デジタルアセットトークンT0は、もはやデジタルメモトークンとしてではなく、法定通貨口座への入金とペギングされることを表現する仮想デジタルアセットトークンと理解されるべきである。仮想デジタルアセットトークンT0は、法定通貨口座への入金額を表象する特定の実体資産とペギングされている故に、仮想法定通貨口座デジタルアセットトークンと呼称するのが相応しい。仮想法定通貨口座デジタルアセットトークンT0が、法定通貨口座アドレスにある限り特定の実体資産とペギングされていることが真正なものと、すなわち、当事者の間及びピアツーピア分散型台帳の世界において関係者のコンセンサスの裏付けがあるものとされるべきことに留意すべきである。デジタルアセットトークンT0は、デジタルアセットトークンTが償還されれば、法定通貨口座アドレスから他の内部管理用アドレス、例えば、後述するリザーブアドレス01に移動されれば足り、ユーザからの他の法定通貨からの入金があるとき、リザーブアドレス01から再度法定通貨口座アドレスへ循環して使用されてよい。この場合、トランザクション表示上、リザーブアドレス01にプールされていたデジタルアセットトークンが法定通貨口座アドレスへの移転によって、その入金金額に対応する仮想法定通貨口座デジタルアセットトークンへ変ずる意義を持たすことが可能である。
【0081】
本方法1において、対価も他のデジタルアセットトークンで支払われるときの実施例も後述され、(
図2参照)、仮想デジタルアセットトークンT0をデジタルアセットトークンとして扱う実施例も後述される。以上の表記を前提に以下、本発明で使用するトランザクション表記とトランザクションの性質を詳細に説明する。
【0082】
上記のトランザクション表示は、代表的デジタルアセットトークンであるビットコインとは、トランザクションアウトプットが次のトランザクションインプットで使用可能なデジタルアセットトークンとして存在する点、未使用トランザクション(UTXO)の概念を有する点で共通するが、少なくともビットコインのトランザクション構成とは手数料に充当される差額発生の認識が異なる。すなわち、少なくとも、トランザクション実行の手数料概念は、トランザクション内部には存在せず、システムの持続性に関して、別途の経済的手当て、システム資源の手当てがなされるものとされている。従って、本発明の方法でピアツーピア分散型台帳に記録されるトランザクションは、ユーザが提供トランザクションインプットとユーザが他のユーザへ与えるトランザクションアウトプットによって原則としてトランザクションの貸借はバランスする。
【0083】
一実施形態において、本発明の方法1では、未使用トランザクション(UTXO)の概念を採用する。それは、本発明の特徴とする所有権移転条件及び履歴条件をデジタルアセットトークンと紐付けするのに、未使用トランザクション(UTXO)単位でデジタルアセットトークン所有権移転条件及び履歴条件が関連づけられると、トランザクションデータ長をより小さくするという利点があるからである。これは、ピアツーピア分散型台帳において、トランザクションの閲覧件数を減ずることによって監視をしやすくする利点を提供し、及び/又は、貸借のバランスの見通しをより簡便とする利点があり、取引の透明性をより向上する利点が提供される。
【0084】
図1では、二つのユーザ同士の売買合意により、例えば上記表示のトランザクションTRは(以下で、完成トランザクションTRともいう)、ピアツーピア分散型台帳ネットワークへブローキャストされ、後述されるピアツーピア分散型台帳ネットワークのノードコンピュータ(図示しない)によってトランザクションTRの正当性が検証され、検証に合格すれば、ピアツーピア分散型台帳3に記録される。
【0085】
一態様では、ピアツーピア分散型台帳3はブロックチェーンであり、ピアツーピア分散型台帳3の最小構成単位は、複数のトランザクションTRがバケットに集積され、ブロックの塊としてピアツーピア分散型台帳3に記録される。ピアツーピア分散型台帳3の記録にあたっては、処理の効率の都合上、ブロックに複数のトランザクションが集積され、ブロック単位にブロックチェーンに記録される。トランザクションの正当性の検証に加え、ブロックとして直前のブロックに接続する資格があること、すなわちブロックの正当性の検証も実行される。ビットコインと異なり、ブロック単位に検証を実施するマイナーへの手数料を供与するという制約はないため、ブロックに集積すべきトランザクションの数は、処理効率と利便性とをバランスして自由に設定が可能である。その意味で、本発明で開示される方法1及びシステム2のピアツーピア分散型台帳3は、ブロック単位にピアツーピア分散型台帳3への追加記録が検証され、そのブロックが時系列に連鎖するから、ブロックチェーンと言ってよいが、ブロックに含まれるトランザクションは、処理効率と利便性とをバランスして1つの場合があってもよい。従って、ピアツーピア分散型台帳3は、ローカル環境において、所定の時間枠内に記録要求された複数の取引を含むブロックの連鎖から構成され、当該ブロックは、有向非巡回グラフ方式(Directed Acyclic Graph,DAG)の採用によって前記ブロックは連鎖するように構成されてもよい。
【0086】
さらに、好ましくはブロックのノンス探索をブロックの検証成功の要件とするように前記ピアツーピア分散型台帳3は構成され、あるいは、ローカル環境ではDAGに分岐する構成であってもよい。
【0087】
ブロックの正当性に関する事項は、POW、POS等様々あり、現在も活発に変遷しつつあるが、本発明の特徴は、トランザクションの検証に所有権移転条件を含めることにあり、あるいは、履歴情報を付記することにあり、ブロックの正当性検証からは一歩距離を置くことが可能である。従って、ブロックの正当性検証方法は、POW(Proof Of Work)でもPOS(Proof Of Stake)でもいかなるコンセンサス手法が取られてもよい。
【0088】
<デジタルアセットトークンの生成>
デジタルアセットトークンTが生成されるとき、それは他のトランザクションとは異なり、単なるデジタルアセットトークンTの移動とは異なり、無からデジタルアセットトークンTを生み出す特別な生成トランザクションによって生成される。
【0089】
生成トランザクションTRはベースアドレス00からリザーブアドレス01への移転として構成される。ベースアドレス00は生成の起源アドレスとしてシステムで特別に用意されるもので、ビットコインのコインベースに相当する。
【0090】
リザーブアドレス01は、デジタルアセットトークンT発生後、及び/又はユーザへ発行された後、ユーザから発行者へデジタルアセットトークンTが償還されるときにも戻りアドレスとして使用される特別なアドレスである。上記ユーザで使用されるデジタルアセットトークンTは予め、生成トランザクションTRによって生成それ自体がピアツーピア分散型台帳3に記録され、リザーブアドレス01に格納される。生成直後には、ベースアドレス00からリザーブアドレス01へ移転されている。例えば、本発明の方法1では、以下の生成トランザクションがピアツーピア分散型台帳3に記録される。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ベースアドレス00/ 1000(T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1000(T)
このトランザクションTRのトランザクションインプット及びトランザクションアウトプットの貸借バランスは、上記のように、あるいは、
図9に示されているようにバランスする。貸借バランスを検証する時、トランザクションTR全体でのバランスを検査する。貸借バランスの差は、単一デジタルアセットトークンTのみのトランザクションであれば、ユーザが提供するトランザクションインプットに含まれるデジタルアセットトークンTの量と、そのトランザクションインプットに対応して他のユーザに提供されるトランザクションアウトプットに含まれるデジタルアセットトークンTの量の合計(一のトランザクションインプットに対応して他のユーザに提供されるトランザクションアウトプットは、一つに限らない)との間でも貸借バランスはゼロとなるべきであり、貸借でデジタルアセットトークンTの量は一致する。生成時の貸借バランスの例は、
図9及び10に例示されている。
【0091】
上記のように、本発明の方法1は、デジタルアセットトークンTの生成の記録を含み、デジタルアセットトークンTの量の1単位(T)の生成を、移動元をベースアドレス00とし、リザーブプールのリザーブアドレス01を宛先アドレスとしてデジタルアセットトークンTのアドレス間のデジタルアセットトークンTの移転のトランザクションTRの記録としてピアツーピア分散型台帳3に記録するステップが実行される(MS110)。
【0092】
<検証条件の付記>
デジタルアセットトークンTの量の1単位には、所有権移転条件を付記することができる。所有権移転条件は、予めピアツーピア分散型台帳3に記録されているものとされ、デジタルアセットトークンTが使用され、新しい宛先に移転されるとき、すなわち、宛先アドレスに関連づけられるものとしてピアツーピア分散型台帳3に記録されるとき、所有権移転条件は、移転の執行停止条件がピアツーピア分散型台帳3に記録可能なデジタルアセットトークンTに予め記録されているものと同様の作用を提供することを特徴とする。
【0093】
スマートコントラクトと呼ばれるインターネット上の契約のための仕組みがある。スマートコントラクトは、予め当事者同士の契約内容を定め、システム上に登録され、その契約内容をトランザクション実行時に参照する。本発明の所有権移転条件は、デジタルアセットトークンのプラットフォームのピアツーピア分散型台帳自体に執行条件(停止条件)として、所有権移転条件は埋め込み可能である。あるいは、デジタルアセットトークンの所有者は、相手方当事者に関わらず、一方的に移転の執行条件をデジタルアセットトークンのピアツーピア分散型台帳自体に執行条件(停止条件)を埋め込み、他人が何人であろうと停止条件に反する場合、執行を阻む対世効を提供する。
【0094】
例えば、スマートコントラクトで有名なイーサリアムは基本的に2者当事者間のコントラクトを扱う。2者の承認の同期はイーサリアム上のアプリケーションプロトコルに委ねられている。逆に言えば、2者の承認の同期の保証はアプリケーションプロトコルに委ねられ、結局、分散プラットフォームと言ってもスマートコントラクトプロトコルに取引の成立を委ねているものと同様である。このことは、通常取引で執行条件をトークン取引所に委ねていることを考えれば理解しやすい。スマートコントラクトのデジタルアセットトークンの取引もデジタルアセットトークンの発行募集に際し、結局、発行募集を仲介するトークン取引所に信頼をおいている従来の信頼構造と変わりない。スマートコントラクトは、何者かがアドホックに作成したプロットフォーム上のスマートコントラクトプロトコルを信頼することとなる。
【0095】
加えて、イーサリアムのようなスマートコントラクトにおいては、デジタルアセットトークンの移転時において、ブロックチェーンの仕組み自体の機能性質から二重取引を排除することが可能としても、契約段階における二重行為は排除できない。一方当事者は、契約段階において複数の契約を進行し、その中途段階で契約の進行から離脱し、一の契約相手を契約当事者とされ交渉が無となるリスクがある。この場合、交渉段階の努力は無駄となり、インターネットを介する世界では、これを理由に係争することは困難に等しい。
【0096】
本発明の本実施形態に係るデジタルアセットトークンの生成、発行、移転の方法1においては、所有権移転条件は、デジタルアセットトークンTのプラットフォームのピアツーピア分散型台帳3自体に停止条件として、所有権移転条件は埋め込み可能に構成されている。プラットフォームの規約としても、プラットフォームの規約をオーバーライドし、一般に通用する私的規約としても、執行条件あるいは停止条件として、所有権移転条件は埋め込み可能に構成されるデジタルアセットトークンTのピアツーピア分散型台帳3に埋め込む方法1及びシステム2を提供する。これによって、派生的に前段に記載の問題にも所有権移転条件は、対世効を提供する点で貢献する。
【0097】
図1から
図5を用い本発明の一実施態様に係る方法1を説明する。
図3に示されるように、本発明の一実施態様に係る方法1の部分には、デジタルアセットトークンTの量の1単位の生成の方法M100の部分を含み、デジタルアセットトークンTの量の1単位の生成をピアツーピア分散型台帳に記録するステップ(MS110)が最初に実行される。以下で、本発明の一実施態様に係る方法1に含まれるデジタルアセットトークンTの量の1単位の生成の方法M100の部分は、
図1のように、生成段階ST1と表示される。同様に、
図3に示されるデジタルアセットトークンTの量の1単位の発行の方法M200の部分は、
図1の発行段階ST2で実行され、
図4に示されるデジタルアセットトークンTの量の1単位の売買の方法M300の部分は、
図1の売買段階ST3で実行され、
図5に示されるデジタルアセットトークンTの量の1単位の償還の方法M400の部分は、
図1で償還段階ST4で実行されるものとして、M100-400の方法とST1-ST4の段階とが関連づけられるように定義される。
【0098】
<ユニバーサル価格検証条件>
所有権移転条件には、例えば、移転の対価の法定通貨を金額条件として、デジタルアセットトークンTの量の1単位と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定される場合がある。ユニバーサル価格幅とは、方法1全体に渡って設定される所定の価格幅をいい、方法1全体で共通の検証条件として定められる所定の価格条件であり、実質的にデジタルアセットトークンが所定の法定通貨にペギングされるというに相応しい。法定通貨が日本円の場合、デジタルアセットトークンTが法定通貨に対して1対1の量の比でペギングされるのであれば、デジタルアセットトークンの量の100単位に対して、下限対価を100円とし、上限価格を101円とするユニバーサル価格条件設定の類である。以下ではこれを
100≦ 100T ≦101
と表記する。100は小数点表記、小数点計算を避けるためのスケールファクタである。
【0099】
ペギングされる法定通貨は、好ましくは、日本円がよい。本発明の方法によって、法定通貨の中でも安定性の高く、オペレーションの透明性の高い日本銀行の通貨にペギングされたデジタルアセットトークンが提供され、本発明に係る方法によって、一層、透明性が高く、安定性が高いデジタルアセットトークンが提供される。
【0100】
本発明のデジタルアセットトークンTは、最も小さなメッシュではデジタルアセットトークンTの量の単位1(T)毎に独立した存在である。上記所有権移転条件はトランザクションインプットやトランザクションアウトプットに記載された数量に対応するデジタルアセットトークンTの単位(T)毎に所有権移転条件が付されるものとされる。
【0101】
デジタルアセットトークンTの量の概念は集約された概念を持ってもよく、最低のトークン単位を1とし単にデジタルアセットトークンTと表記されたとき、デジタルアセットトークンTは量の集約された概念の種別を持ってもよく、例えば、デジタルアセットトークンの量の単位100Tは、デジタルアセットトークンTの量の1単位の100単位を一つの塊として表象するものでもよい。あるいは、例えば、デジタルアセットトークンの量の単位500Tは、デジタルアセットトークンTの量の1単位の500単位を一つの塊として表象してもよい。あるいは、例えば、デジタルアセットトークンの量の単位1000Tは、デジタルアセットトークンTの量の1単位の1000単位を一つの塊として表象してもよい。あるいは、例えば、デジタルアセットトークンの量の単位10000Tは、デジタルアセットトークンTの量の1単位の10000単位を一つの塊として表象してもよい。
【0102】
上記検証条件は、上記の集約の種別、T100,T500,T1000又はT10000毎にまとめて管理されてもよい。その場合には、内部的には、以下のように、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ベースアドレス00/ 1000(T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1(T1000)
とまとめられてもよく、トランザクションアウトプットのデジタルアセットトークンTは、1つの1000Tの塊に所有権移転条件が付記されてもよい。その場合に、所有権移転条件が付記されたデジタルアセットトークンTは、1つの1000Tの一部をトランザクションインプットに利用する場合には、予め1つの1000Tの一部を分割することが必要とされてもよい。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 リザーブアドレス00/ 1(1000T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1(T500);
トランザクションアウトプット2 リザーブアドレス01/ 4(T100);
トランザクションアウトプット3 リザーブアドレス01/ 100(T)
のごとくである。この場合には、所有権移転条件は、1つのT500、4つのT100、100個のTの各々に付記されてよい。あるいは、トランザクションアウトプット毎に付記されてもよく、その場合には、予め、以下のように分割されて生成されていてもよい。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ベースアドレス00/ 1000(T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 500(T);
トランザクションアウトプット2 リザーブアドレス01/ 100(T);
トランザクションアウトプット3 リザーブアドレス01/ 100(T);
トランザクションアウトプット4 リザーブアドレス01/ 100(T);
トランザクションアウトプット5 リザーブアドレス01/ 100(T);
トランザクションアウトプット6 リザーブアドレス01/ 100(T)
あるいは、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ベースアドレス00/ 1000(T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1 (500T);
トランザクションアウトプット2 リザーブアドレス01/ 5(100T);
である。1000(T)、すなわち1000の1Tは、1つの500Tと5つの100(T)で構成可能とされる。この場合には、トランザクションインプット1の使用にあたって提供すべき所有権移転条件は、500T毎、100T毎に提供され、トランザクションアウトプットへの所有権移転条件の記録は、500T毎、100T毎に記録されるように本発明の方法1は構成されてもよい。
【0103】
所有権移転条件とは、例えば、移転の対価の法定通貨の金額条件として、デジタルアセットトークンTの量の1単位と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅が設定される場合をいう。トランザクションアウトプットのアドレスの所有者から提供される法定通貨対価が、トランザクションインプットのデジタルアセットトークンTの合計数量の対価として提供される法定通貨とによって算出されるデジタルアセットトークンTの単位数量あたりの法定通貨額が、所定の価格幅以内に収まるか否かが所有権移転条件によって定められ、トランザクションTRに関しこの条件をパスするか否かを検証し、合格すれば、トランザクションTRはピアツーピア分散型台帳3に記録されるものとする、条件である。トランザクションTRは、その後、例えば、ピアツーピア分散型台帳3であるブロックチェーンにブロードキャストされ、分散ネットワーク上の検証を担うノードコンピュータ(以下で、単に「ノード」ともいう場合もある)によって、トランザクションTRが検証されブロックチェーンのブロックに追加され、ブロックチェーンに記録される(以下で、この処理を単に「ピアツーピア分散型台帳3に記録する」ともいう場合がある)。
【0104】
このように所有権移転条件は、そのトランザクションで使用されるデジタルアセットトークンTの量の単位(T)毎、あるいは、そのトランザクションで使用されるトランザクションインプット毎、すなわち未使用トランザクション毎、あるいは、これらの所有権移転条件がトランザクションTR全体として検証されてもよい。
【0105】
トランザクションTRの全体として検証されるにしても、トランザクションインプット毎に一つ一つのデジタルアセットトークンの使用単位で検証されるにしても、所有権移転条件が適用されるには、トランザクション検証時に、当該トランザクションインプットに所有権移転条件に関する事項がトランザクションの特性情報として表示されている必要がある。
【0106】
従って、
図1に示されるように、本発明の一実施態様に係る方法1では、ピアツーピア分散型台帳3に記録されたデジタルアセットトークンTのその後の所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、
移転すべきデジタルアセットトークンの量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録するステップ(MS120)を含み、所有権移転条件付加更新ステップMS120の後には、トランザクションで使用するデジタルアセットトークンTには所有権移転条件の付加更新が記録されるように、所有権移転条件の付加更新手段を備える。所有権移転条件には、例えば、デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含むステップ(MS130)を含み、この所有権移転条件によって、取引価格は一定の幅にコントロールされ、デジタルアセットトークンの移転価格の安定を提供する効果を与える。この他、所有権移転条件を付加し、所有権移転条件が停止条件としてピアツーピア分散型台帳3に記録されるときに、何が検証すべき記録であるのかを、取引者は、ほぼ自由に取引の前に予め記録することも可能となり、取引の前には記録から取引の透明性及び確実性を具体的に読み取ることが可能であり、取引の後には取引が健全なものであったのか閲覧可能であり、このように所有権移転条件のピアツーピア分散型台帳への記録は、透明性の向上に資する。こうして、履歴の記録及び制約条件の記録によって透明性が向上され、価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みをデジタルアセットトークン自体に取り込み可能とすることによって、交換価値がより安定なデジタルアセットトークンが提供される本発明の方法がここに開示されている。
【0107】
<移転履歴情報の付記>
移転の記録には、さらに、移転履歴情報を付記することが可能であり、後のトランザクションに使用されるデジタルアセットトークンTの付帯情報には、少なくともリザーブへのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含む(MS140)。移転履歴は、カテゴリ化され、デジタルアセットトークンTの生成直後のリザーブ01への移転、リザーブからユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブ01への移転の移転履歴がピアツーピア分散型台帳3に記録可能な手段が備わる。デジタルアセットトークンの生成時には、所有権発生としてのリザーブ01への移転が移転履歴情報として記録される。各移転カテゴリは、これらのいずれかを表象する符号又は履歴情報コード、及びその内容に応じパラメータを付して、移転の記録に付記可能である。この発行前の移転履歴情報をピアツーピア分散型台帳に記録することによって、デジタルアセットトークンTの身元がわかり、発行者の追加発行を監視することも可能となる。移転履歴情報の付記によって、デジタルアセットトークンT生成の透明性をより高くする効果を提供する。
【0108】
移転履歴情報の付記は、例えば、生成段階ST1及び/又は発行段階ST2の移転履歴情報に検証時刻を記載し、移転履歴情報に含まれる検証時刻によって、過去遡求発行が捏造されないことを検証条件すなわち所有権移転条件としてもよく、その他適切にデジタルアセットトークン生成及び発行の透明性を上げるための移転履歴情報が記録され、移転履歴情報が所有権移転条件とセットで記録されてよい。
【0109】
従って、本発明の一実施態様に係る方法1では、生成段階ST1において、移転の記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンTの移転の履歴を含む履歴情報を含む(MS140)。
【0110】
そして、本発明の一実施態様に係る方法1では、デジタルアセットトークンTの生成段階ST1において、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(MS160)、デジタルアセットトークンTの所有権の移転を記録し(MS170)、所有権移転条件が当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)のリザーブアドレス01への移転の記録に付記され(MS180)、例えば、同時記録されるとともに、履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の(T)移転の記録に付記され(MS190)、例えば、同時記録され、履歴情報には、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブ01への移転デジタルアセットトークンTの移転履歴情報を含むように構成されている。
【0111】
移転履歴情報の記録は、後述されるように、リザーブアドレス01での自己振替の移転の伴うものとして提供可能である。本実施形態において、生成の方法の部分とは、生成直後に、所有権移転条件及び/又は履歴情報をピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークンT2の記録に埋め込むため、付記するために、リザーブアドレス01からリザーブアドレス01への自己アドレス間の振替移転が提供されることも含めてもよい。
【0112】
こうして、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、生成の方法M100の部分を含み、当該方法1は、生成の方法M100の部分は、以下のステップを実行する。
デジタルアセットトークンTの量の1単位(T)の生成をピアツーピア分散型台帳3に記録し(MS110)、その後の当該デジタルアセットトークンTの所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、移転すべきデジタルアセットトークンの量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録し(MS120)、所有権移転条件は、デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み(MS130)、当該記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンTの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(MS160)、デジタルアセットトークンTの所有権の移転を記録し(MS170)、所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記され(MS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記され(MS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブへの移転、リザーブからユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブへの移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブへの移転履歴情報を含む方法である。
【0113】
移転履歴情報が付記される単位は、所有権移転条件の付記と同様に、デジタルアセットトークンT毎、あるいは、少なくともトランザクションアウトプット毎に付記され、その次のトランザクションTRにおいて、トランザクションインプットに使用されるとき、これらの移転履歴情報が所有権移転条件によって利用されてもよく、その場合にはトランザクションTR全体として検証されてよい。
【0114】
あるいは、将来トランザクションインプットに使用される時、ウォレットにおいて実行されるべき検証の事前チェックに使用されてもよく、あるいは、監査用にブロックチェーン上のログデータの一つとして利用されてよい。
【0115】
<デジタルアセットトークンの発行>
次に、
図1及び
図3を用い、発行段階ST2における、本発明の一実施形態の方法の作用効果を説明する。発行段階ST2において、発行時のトランザクションTRは、発行者からユーザへの所有権の移転として、リザーブアドレス01からユーザアドレス1へ所有権が移転されるように、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 リザーブアドレス01/ 1000(T)
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 1000(T)
とトランザクションTRが構成されてよい。従って、売買段階との差異は、移転元アドレスが、ユーザアドレスその他のアドレスではなく、常にリザーブアドレス01となることである。
【0116】
<所有権移転条件の付加変更の付記>
本発明の一実施態様に係る方法では、デジタルアセットトークンTの発行に際し、デジタルアセットトークン量の1単位には、所有権移転条件の変更を付記することが可能である。先のユニバーサル価格条件設定については、例えば、発行時のデジタルアセットトークン量の1単位の市場交換価値変動に応じ、デジタルアセットトークンTの量の1000単位に対して、下限対価を10000円とし、上限価格を11000円とするユニバーサル価格条件設定ユニバーサル価格条件設定が設定可能であり、この場合、デジタルアセットトークンTについて、
10000≦ 1000T ≦11000
のようにユニバーサル価格幅が設定されるがごとくである。あるいは、上限のユニバーサル価格のみを付加するのであれば、
0≦ 1000T ≦11000
あるいは、下限のみを付加するのであれば、実質的に大きな額である1000000を用い、
10000≦ 1000T ≦1000000
のようにユニバーサル価格幅が設定されるのごとくである。
【0117】
<移転履歴情報の付記>
本発明の一実施態様に係る方法1では、移転の記録には、さらに、移転履歴情報を付記すること、例えば、同時記録することが可能である。カテゴリ化された移転履歴のうち、デジタルアセットトークンTの生成直後のリザーブ01への移転の移転履歴が引き続きピアツーピア分散型台帳3に記録されるように構成されている。より詳細には、ピアツーピア分散型台帳3上に記録されているデジタルアセットトークンT又は未使用トランザクションには、デジタルアセットトークンTの生成直後のリザーブ01への移転の移転履歴が記録されており、デジタルアセットトークンT又は未使用トランザクションが次のトランザクションTRのトランザクションインプットに使用されると、トランザクションTRのトランザクションアウトプットへデジタルアセットトークンTの生成直後のリザーブ01への移転の移転履歴情報は引き続き記録されるように構成されている。デジタルアセットトークンTの生成直後のリザーブ01への移転の移転履歴情報によって、生成のシリアル番号が付されたり、電子透かしを持つ画像を組み込んだり、これらのハッシュを付したり様々なデジタルアセットトークンの真正を容易に確認する情報が永続的にデジタルアセットトークンT自体に引き継ぎされるように構成されている。
さらに、リザーブ01からユーザへの移転の移転履歴がピアツーピア分散型台帳3に記録可能である。各移転カテゴリは、これらのいずれかを表象する符号としても付記可能である。この発行時の移転履歴情報をブロックチェーン又はピアツーピア分散型台帳3に記録することによって、デジタルアセットトークンTの身元がわかり、リザーブ01からユーザへの移転の移転履歴は、発行者による発生を明確化するものとして、その追加発行を監視することも可能となる。当該記載を改ざんする第三者は、欺罔行為をするものと認定しやすいものとなり、より信頼を厚くし、当該移転履歴情報の付記によって、デジタルアセットトークン生成の透明性をより高くする効果を提供する。こうして、発行後にデジタルアセットトークン自体に参照可能に表示される履歴の記録及び発行時の発行価格に関し、法定通貨にペギングされる制約条件の記録によって発行価格の透明性が向上され、加えて価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がより安定なデジタルアセットトークンが提供される。
【0118】
従って、
図1に示されるように、発行段階ST2において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンTの発行の方法M200の部分を含み、デジタルアセットトークンTの量の1単位(T)の生成をピアツーピア分散型台帳3に記録するステップが実行された(MS110)デジタルアセットトークンTについて、その後の当該デジタルアセットトークンTの発行をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、生成段階ST1と同様、
図1に示されるようにデジタルアセットトークンTに関する方法1の生成ステップ(MS110)に引き続いて移転条件付加更新ステップ(MS120)が実行され、法定通貨ペギングのための所有権移転条件更新設定ステップがMS130が実行されてもよく、その後履歴情報設定ステップMS140、ブロードキャストステップ(MS150)、検証ステップ(MS160)、記録ステップ(MS170)、所有権移転条件付記ステップ(MS180)及び履歴情報付記ステップ(MS190)の各ステップが実行される方法である。そして、上記のとおり、本発明は、所有権移転条件付記、及び履歴情報付記及びリザーブを介する発行によって、デジタルアセットトークンの生成及び/又は発行の透明性、及び発行時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法を提供する。
<デジタルアセットトークンTのユーザ間の所有権移転>
次に、
図1に示されるように、売買段階ST3において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンTの発行後のユーザ間の移転の方法M300の部分を含む。以下、
図1及び
図4を用い、売買段階ST3における、本発明の一実施形態の方法1の作用効果を説明する。生成段階ST1において、リザーブプール01を宛先アドレスとするデジタルアセットトークンTのトランザクションTRの記録としてピアツーピア分散型台帳3に記録するステップ(MS110)によって生成されたデジタルアセットトークンTについて、ユーザ1からユーザ2への当該デジタルアセットトークンTの所有権の移転を記録するステップ(MS170)では、例えば、以下のトランザクションTRを実行する。
一実施態様の実施例では、ユーザ間の所有権移転トランザクションTRは、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 1000(T)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 1000(T)
とユーザアドレス1から2へのデジタルアセットトークンTを移転するためのトランザクションTRが構成されてよい。トランザクションインプットには、例えば、ユーザ1のデジタルアセットトークンTにシステムワイドに設定されるユニバーサル設定の所有権移転条件が付され、前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅が設定されており(MS130)、移転すべき前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録する記録ステップ(MS120)が実行される。
例えば、一実施例では、ユーザーアドレス1から他のユーザアドレス2への当該デジタルアセットトークンTの所有権の移転の記録に関し、デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけ、例えば、ユーザアドレス2を移転先に限定する所有権移転条件を次回のトランザクションの記録時の検証に使用する場合、前記デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件の更新として、以下のトランザクションTRを実行する。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 1000(T)<移転前の所有権移転条件A:宛先ユーザ条件(限定なし)>;
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 1000(T)<移転後の所有権移転条件B:宛先ユーザ条件(ユーザ2)付>
このトランザクションTRは、自己のアドレス1間でいわばデジタルアセットトークンの振替をピアツーピア分散型台帳3に記録するトランザクションTRである。このトランザクションによる記録前後では、ピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークン1000(T)は、ピアツーピア分散型台帳3上で宛先ユーザ条件(限定なし)であった。つまり未使用トランザクションとして宛先ユーザ条件が所有権移転条件として記録されていなかったものが、上記トランザクションによる記録後には、ピアツーピア分散型台帳のデジタルアセットトークン1000(T)の表示は所有権移転条件:宛先ユーザ条件(ユーザ2)の付記内容となり、宛先ユーザ指定の所有権移転条件に変更された。
【0119】
デジタルアセットトークンT生成後にトランザクションTRがピアツーピア分散型台帳3に記録されるとき、移転元アドレス1の前記デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけられている移転履歴情報に関し、当該記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記され(MS190)、当該付記は、例えば、移転の記録と同時にピアツーピア分散型台帳3に記録されてよい。
【0120】
次に、ユーザ1からユーザ2へのデジタルアセットトークンTの移転のトランザクションTRは、一実施例では、以下となる。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 1000(T)<移転前の所有権移転条件:宛先ユーザ条件(ユーザ2)付記>
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 1000(T)
このデジタルアセットトークン移転のトランザクションは、ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションとして、ブロードキャストステップ(MS150)によってネットワークへブロードキャストされ、その後、(MS160)記録ステップが実行される。所有権移転条件のトランザクションTRの組成時の検証には、発行者から提供される必要な情報を受入れ、前記所有権移転条件はトランザクション内に閉じた系で実行可能なレベルにデータ化され、トランザクションTRに埋め込まれ、トランザクション内に埋め込まれた所有権移転条件は真正なものかどうか、発行者から提供されるその時点でのリアルタイム情報に反しないかが検証される。
検証ステップ(MS160)におけるトランザクション記録時の検証では、ピアツーピア分散型台帳の記録時において、トランザクションがトランザクションに埋め込まれた所有権移転条件が検証時に発行者から提供されるその時点でのリアルタイム情報に反しないかが検証される、
そして、上記の通り、検証ステップMS160の後、デジタルアセットトークンの所有権の移転をピアツーピア分散型台帳に記録するステップ(MS170)が実行される。引き続き、
図1に示されるように、所有権移転条件付記ステップ(MS180)及び履歴情報付記ステップ(MS190)の各ステップが実行され、当該移転の記録には、移転履歴情報として、好ましくは、さらに、ユーザ間の移転の移転履歴情報を含む方法1である。
当該移転の記録には、さらに、デジタルアセットトークンTの生成後の発行者からリザーブへの移転履歴情報を含み、さらにリザーブ01からユーザへの移転及びユーザ間の移転の少なくともいずれか一方の移転履歴情報を含み得る方法である。そして、上記のとおり、本発明は、所有権移転条件付記、及び履歴情報付記及びリザーブを介する発行によって、デジタルアセットトークンの生成及び/又は発行の透明性、デジタルアセットトークンのユーザ間の移転時に参照できる生成情報及び/又は発行情報の透明性及びユーザ間の移転時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法を提供する。
【0121】
<デジタルアセットトークンの償還>
図1に示されるように、償還段階ST4において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンTの発行後の償還の方法M400の部分を含む。以下、
図1及び
図5を用い、償還段階ST4における、本発明の一実施形態の方法1の作用効果を説明する。生成段階ST1において、リザーブプール01を宛先アドレスとするデジタルアセットトークンTのトランザクションTRの記録としてピアツーピア分散型台帳3に記録するステップ(MS110)によって生成されたデジタルアセットトークンTについて、
ユーザから発行者への償還トランザクションTRは、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス2/ 1000(T);
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1000(T)
とトランザクションTRが構成されてよい。ユーザーアドレスからリザーブアドレス01への移転としてトランザクションTRを組成する。償還時にリザーブ01に移転されることによって、再発行される場合でも総発行量がリザーブアドレス01を監視することによって、ブロックチェーン上で容易にモニタリング可能であり、透明性向上に寄与する。
【0122】
<検証条件の付加の付記>
本発明の一実施態様に係る方法1では、デジタルアセットトークンTの償還について、移転すべき前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録(MS120)する。償還価格条件設定については、
上限価格を発行価格以下の9000円とする償還価格条件設定の場合
0≦1000T ≦9000
のごとくである。
そして、償還価格条件設定のため、宛先アドレスの前記デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件を付加又は更新し(MS130)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の償還の設定を含む。
移転元アドレスの前記デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけられている移転履歴情報に関し、当該記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンTの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、
ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、引き続き、
図1に示されるように、検証ステップ(MS160)、記録ステップ(MS170)、所有権移転条件付記ステップ(MS180)及び履歴情報付記ステップ(MS190)の各ステップが実行される。前記履歴情報には、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブ01への移転に加え、さらにリザーブ01からユーザへの移転及びユーザ間の移転及びユーザからリザーブ01への移転の移転履歴情報を含み得る方法である。こうして、償還後にデジタルアセットトークン自体に参照可能に表示される履歴の記録及び償還価格に関し、法定通貨にペギングされる制約条件の記録も可能であり、償還価格の透明性が向上され、加えて償還価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がより安定なトークンが提供される。このように、本発明は、所有権移転条件付記、及び履歴情報付記及びリザーブを介する発行及びリザーブへの償還によって、デジタルアセットトークンの償還時に参照できる生成情報及び/又は発行情報及び/又はユーザ間の移転情報の透明性及び償還時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法を提供する。
【0123】
<デジタルアセットトークン生成、発行、売買移転、リザーブオペレーション>
こうして、本実施形態では、
図1及び
図3から5に示されているように、デジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転、償還によるリザーブオペレーションに関し、デジタルアセットトークンTのピアツーピア分散型台帳記録方法1であって、
デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の生成をピアツーピア分散型台帳3に記録し(MS110)、
その後の当該デジタルアセットトークンTの所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、
移転すべき前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録し(MS120)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり(MS130)、
当該記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンTの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、
ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(MS160)、
デジタルアセットトークンTの所有権の移転を記録し(MS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記され(MS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記され(MS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブ01への移転、リザーブ01からユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブ01への移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブ01への移転履歴情報を含む方法、が開示されている。そして、本発明は、所有権移転条件付記、及び履歴情報付記及びリザーブを介する発行及びリザーブへの償還によって、デジタルアセットトークンの生成、発行、ユーザ間の移転及び償還の全ライフサイクル及び償還後の売出しを含む再循環にわたる透明性及び交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法を提供する。
【0124】
こうして、本開示によって、履歴の記録及び制約条件の記録によって透明性が向上され、価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がステーブルなデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳への記録方法が提供される。
【0125】
本発明は、さらにデジタルアセットトークンT1を対価としてデジタルアセットトークンT2を取得する場合の第2のデジタルアセットトークンT2の生成、発行、売買移転、リザーブオペレーションの方法1の一実施態様を開示する。
【0126】
<第2のデジタルアセットトークンの実施例>
図2は、第2のデジタルアセットトークンT2の生成、発行、売買移転、償還を提供する本発明に係る一実施形態における方法のフロー及びシステムフローを描く概要フロー図である。
【0127】
<第2のデジタルアセットトークンの生成>
【0128】
図2に示されているように、生成段階ST1において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンT1の発行後のデジタルアセットトークンT2の生成方法M101の部分を含み、第1実施例で開始された上記方法1によって、第1のデジタルアセットトークンの量の1単位(T1)の生成後、さらに、第1のデジタルアセットトークンの量の1単位(T1)に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨にペギングされた第2のデジタルアセットトークンT2を生成可能な構成を含む。ここで、本発明では、他の通貨にペギングとは他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで第1のデジタルアセットトークン量の1単位に交換価値が連動するよう第2のデジタルアセットトークンT2の生成及び/又は発行及び/又は移転に制約条件が課されていることをいう。単に発行者の努力目標として掲げる看板、あるいは市場オペレーションによって交換価値を維持するものとは多少意味を異にしている。従って、第1の法定通貨を日本円として、第1のデジタルアセットトークンT1が日本円\に関連づけられ、実質的に第2のデジタルアセットトークンT2が米ドル通貨USDにペギングされ、第1の法定通貨である日本円\と他の通貨である米国通貨USDの市場交換レートに実質的にペギングされている。
【0129】
第1のデジタルアセットトークン1単位(T1)が1円(100銭)であるとき、米ドル通貨USDの通貨単位¢100すなわち$1が市場交換レートにおいて1USDに対して108円であれば、第2のデジタルアセットトークン1単位(T2)は第1のデジタルアセットトークン108(T1)であり、このとき、本方法では、第2のデジタルアセットトークン1単位(T2)は、第1のデジタルアセットトークン1単位(T1)に対して、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで第1のデジタルアセットトークン量の1単位にペギングされているという。
【0130】
生成段階において、第2のデジタルアセットトークン量の1単位(T2)の生成は、第1のデジタルアセットトークンの量を1単位(T1)とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位(T2)の交換を、トランザクションTRに記述し、当該トランザクションTRをピアツーピア分散型台帳に記録する。
【0131】
上記の市場交換レートの場合、生成時には、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ベースアドレス00/ 1000(T2);
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1000(T2)
とトランザクションTRが構成されてよい。あるいは、
図2に示されているように、デジタルアセットトークンT2生成とユーザからの発行の対価である11000(T1)の供託プール03への移転を同時履行とすれば、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ベースアドレス00/ 1000(T2);
トランザクションインプット2 ユーザアドレス1/ 11000(T1)
トランザクションインプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1000(T2)
トランザクションアウトプット2 供託プール03/ 11000(T1)
とトランザクションTRが構成されてよい。
【0132】
生成段階ST1において、生成時の所有権移転条件は、
第2のデジタルアセットトークンT2の量の1単位(他の通貨$1(¢100))に対して、下限対価を第1のデジタルアセットトークンT1の量108(T1)(法定通貨1円(100銭))とし、上限対価を同額とするユニバーサル価格条件が設定される。
108(T1)≦ 1(T2) ≦108(T1)
下限対価と上限対価に1円幅のスプレッドを持たせれば、
107.5(T1)≦ T2 ≦108.5(T1)
であるが、スケールファクタを100とすれば、
10750(T1)≦ 100(T2) ≦10850(T1)
と表現され、方法において小数点の使用を避けられる。
【0133】
こうして、本実施形態に係る方法(1)において、第1のデジタルアセットトークン(T1)の量の1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされたデジタルアセットトークンの量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位(T2)の生成をピアツーピア分散型台帳に記録する(MS210)方法が提供される。
【0134】
<第2のデジタルアセットトークンの発行>
発行段階ST2において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンT1の発行後のデジタルアセットトークンT2の生成方法M201の部分を含む。
図2及び
図6に示されているように、当該方法では、その後の発行に伴う当該デジタルアセットトークンT2の所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位(T2)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録することを含み(MS220)
当該所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位(T1)に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含む(MS230)、ことを特徴とする方法である。
【0135】
発行段階ST2において、発行トランザクションは、発行者からユーザへの所有権の移転として、リザーブアドレス01からユーザアドレス1へ所有権が移転されるトランザクション構成とされ、発行時の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レート110に対応する発行条件レートに応じ、発行前に、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 リザーブアドレス01/ 100(T2)
トランザクションアウトプット2 リザーブアドレス01/ 100(T2)
を実行し、所有権移転条件で定める、第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅を、
110(T1)≦ 1(T2) ≦110(T1)
へ変更し、ピアツーピア分散型台帳に所有権移転条件の変更を記録しておくことが可能である。こうして、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 リザーブアドレス01/ 100(T2);
トランザクションインプット2 ユーザアドレス1/ 11000(T1);
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 100(T2)
トランザクションアウトプット2 リザーブアドレス01/ 11000(T1)
とスケールファクタを100としてトランザクションTRが構成されてもよい。
リザーブアドレス01に格納される所有権移転条件である第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅は以下となり、
110(T1)≦ 1(T2) ≦110(T1)
上記所有権移転条件は、当該トランザクションの検証条件とされることとなる。
【0136】
ここで、アドレス単位において、トランザクションインプットの第1のデジタルアセットトークン(T1)交換価値の貸借は、デジタルアセットトークンの単位を(T1)で測定するとき、交換レートを1(T2)=110(T1)とすれば、リザーブアドレスで11000(T1)と一致し、ユーザアドレス1で11000(T1)と一致し、双方とも貸借は一致する。トランザクションアウトプットの第1のデジタルアセットトークン交換価値合計は、22000(T1)であり、トランザクションインプットの第1のデジタルアセットトークン交換価値合計とトランザクションアウトプットの第1のデジタルアセットトークン交換価値合計は貸借バランスしている。上記でスケールファクタを戻せば、トランザクションインプットの第1のデジタルアセットトークン交換価値合計は、220(T1)であり、トランザクションアウトプットの第1のデジタルアセットトークン交換価値合計は、220(T1)である。デジタルアセットトークンT2の生成時の貸借バランスの例は
図10に示した。
【0137】
上記所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅をピアツーピア分散型台帳に記録されており、以下の条件、
110(T1)≦ 1(T2) ≦110(T1)
がブロック記録時、ピアツーピア分散型台帳で検証される。この検証の実施によって、価格変動は極小化され、より安定性の高いデジタルアセットトークンの提供を可能とする効果を与える。
【0138】
<移転履歴情報の付記>
ピアツーピア分散型台帳3への記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2の移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、生成情報に加え、発行情報を付して、リザーブ01からユーザ1への所有権移転履歴情報を付記することができ、この場合には、その後に移転を重ねても発行時の検証がいつでも可能であり、より透明性の高い、デジタルアセットトークンの提供を可能とする効果も与える。透明性が高まれば、安心感から取引も活発となり、流通量の増加をもたらして流動性が高まり、ボラティリティーはより低くなり、取引価格はより安定する効果を与える。
【0139】
従って、本態様では、
図2及び
図6に示されているように、発行段階ST2において、第1のデジタルアセットトークン(T1)の量の1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされるように所有権移転条件が構成され(MS230)、第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされたたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位の生成が発行前デジタルアセットトークンのリザーブプール01を宛先アドレスとするデジタルアセットトークン(T2)のトランザクションの記録としてピアツーピア分散型台帳に記録され(MS110、MS210)、
その後の当該デジタルアセットトークンT2の所有権移転として発行がピアツーピア分散型台帳3に記録されるとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位(T2)に関連づけられるべき上記所有権移転条件の付加又は更新は予めピアツーピア分散型台帳3に記録され(MS220)、
当該所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位(T1)に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含み(MS230)、
ピアツーピア分散型台帳3への記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2の移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、
ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(MS160)、
デジタルアセットトークンの所有権の移転を記録し(MS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(MS180)、当該付記は、例えば、移転の記録と同時の記録であってよく、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(MS190)、当該付記は、例えば、移転の記録と同時の記録であってよく、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークン(T2)の生成直後の発行者からリザーブ(01)への移転、好ましくは、ユーザ間の移転の移転履歴情報を含む方法が開示されている。そして、上記のとおり、本発明は、第2のデジタルアセットトークンについても、第2のデジタルアセットトークンが市場交換レートを介してペギングする第1のデジタルアセットトークンがペギングする第1の法定通貨によって、及び所有権移転条件付記及び履歴情報付記、及びリザーブからの発行によって、デジタルアセットトークンの生成及び/又は発行の透明性、及び発行時及びその後の移転時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法を提供する。
【0140】
<第2のデジタルアセットトークンの売買>
図2及び
図7を参照すれば、売買段階S3において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンT2の発行後のデジタルアセットトークンT2の売買方法M301の部分を含み、当該方法では、生成後の売買に伴う当該デジタルアセットトークンTの所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位(T2)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録することを含み(MS220)
当該所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位(T1)に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅、及び又は個別価格幅に制約することを含む(MS230)、ことを特徴とする方法が本発明の一実施形態で提供される。
【0141】
売買段階ST3において、ピアツーピア分散型台帳3に記録されるトランザクションTRは、以下の構成をとる。
移動元のアドレスの支配者の所有に係る売買の対象であるデジタルアセットトークンのトークン種別T及びデジタルアセットトークンTの量の単位数量(T)を特定するためのトランザクションインプットまたはトランザクションアウトプットは
移動元のアドレス/デジタルアセットトークンの量(T?のトークン単位記号表記は(T?)である)
と表記される。
【0142】
日本円にペギングされているデジタルアセットトークンT1を対価にUSDにペギングされているデジタルアセットトークンT2を購入するときのトランザクションTRにおいて、
(例)トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 110(T1);
は「トランザクションインプット1はユーザアドレス1が所有するデジタルアセットトークンT1の量の110単位がトランザクションのインプットである」ことを表す。
(例)トランザクションインプット2 ユーザアドレス2/ 1(T2);
は「トランザクションインプット2はユーザアドレス2が所有するデジタルアセットトークンT2の量の1単位がトランザクションのインプットである」ことを表す。
【0143】
トランザクションTRが、2つのトランザクションインプット1、トランザクションインプット2から成るとき、
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 110(T1);
トランザクションインプット2 ユーザアドレス2/ 1(T2)
と記述する。
【0144】
トランザクションアウトプットは、以下となる。
(例)トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 1(T2);
は「トランザクションアウトプット1はユーザアドレス1がデジタルアセットトークンT2の量の1トークン単位を所有すべきことがトランザクションのアウトプットである」ことを表す。
(例)トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス2/ 110(T1);
は「トランザクションアウトプット2はユーザアドレス2がデジタルアセットトークンT1の量の110トークン単位を所有すべきことがトランザクションのアウトプットである」ことを表す。
【0145】
トランザクションTRが、2つのトランザクションアウトプット1、トランザクションアウトプット2から成るとき、トランザクション構成は、
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 1(T2);
トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス2/ 110(T1)
と記述する。
【0146】
結局、トランザクションTRは、ユーザ1がユーザアドレス1に所有する110(T1)を対価として、ユーザ2がユーザアドレス2に所有する1(T2)を購入するトランザクションTRとして、以下となる。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 110(T1);
トランザクションインプット2 ユーザアドレス2/ 1(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 1(T2);
トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス2/ 110(T1)
となる。ここで、トランザクションインプット内でトランザクションインプット1及び2は順不同であり、トランザクションアウトプット内でトランザクションアウトプット1及び2は順不同である。このトランザクションの貸借バランスは、
図7に示されているようにバランスする。貸借バランスを検証する時、トランザクション全体でのバランスを検査する。貸借バランスの例は、
図9及び10に示されている。
【0147】
こうして、ユーザアドレス1のデジタルアセットトークンT1の数量110(T1)はユーザアドレス2へ移転し、ユーザアドレス2のデジタルアセットトークンT2の数量1(T2)はユーザアドレス1へ同一のトランザクションにおいて移転される。
【0148】
ユーザアドレス1に格納されていた所有権移転条件:第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークン(T2)の量の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅、
110(T1)≦ 1(T2) ≦110(T1)
は、当該トランザクションの検証条件とされることとなり(MS160)、対応するトランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 1(T2)に転記もされる。
ユーザアドレス2に格納されていた所有権移転条件:第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅、
110(T1)≦ 1(T2) ≦110(T1)
は、当該トランザクションの検証条件とされることとなり(MS160)、トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス2/ 110(T1)に転記もされる。
【0149】
このように、本発明では、二つのトークンの交換を1つのトランザクションで同時実現すること、すなわち同時履行することが可能である(MS170)ことを特徴とし、同時履行時に交換価値の制約条件を課して、ボラティリティーを排し、価格操作を排しより安定で、より透明な売買機会を提供可能である。そして、上記のとおり、本発明は、第2のデジタルアセットトークンについても、第2のデジタルアセットトークンが市場交換レートを介してペギングする第1のデジタルアセットトークンがペギングする第1の法定通貨によって、及び所有権移転条件付記及び履歴情報付記、及びリザーブからの発行によって、デジタルアセットトークンのユーザ間の移転時の生成時情報及び/又は発行時情報についての透明性及びユーザ間の移転時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法を提供する。
【0150】
ここで、上記の法定通貨の対価によってデジタルアセットトークンTを発行する場合に戻る。仮想デジタルアセットトークンT0を上記のデジタルアセットトークンT1と置換すれば、T2の売却の対価にT1を受領する上記と同様の処理が表現可能となり、便宜である。すなわち、発行者へのユーザ1からの対価の支払が法定通貨であった場合には、ユーザ1からの入金100(円)を法定通貨口座管理者が確認後、100(T0)を生成し、上記デジタルアセットトークン100(T)の発行トランザクションに関連づけてもよい。すなわち、
トランザクションTR(法定通貨口座仮想デジタルアセットトークン生成)
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ベースアドレス00/ 100(T0)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 法定通貨口座/ 100(T0)
によって、仮想デジタルアセットトークン100(T0)を生成し、法定通貨口座アドレスに帰属させる。
トランザクションTR(法定通貨口座利用のT発行)
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 リザーブアドレス01/ 100(T);
トランザクションインプット2 法定通貨口座/ 100(T0)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 100(T);
トランザクションアウトプット2 発行管理者/ 100(T0)
上記トランザクションTRは、リザーブアドレス01からユーザアドレス1へデジタルアセットトークン100(T)が発行され、対価としてユーザからの支払いによって生成された仮想デジタルアセットトークン100(T0)が法定通貨口座アドレスから発行管理者アドレスへ移転されたことを表記している。発行管理者は第3者管理者(カストディアン)でもよい。こうして、トランザクションインプット2は、法定通貨口座の署名の裏打ちのある、法定通貨口座アドレスからの100(円)の入金が仮想デジタルアセットトークンT0としてトランザクション表記され、発行は法定通貨の授受と関連づけれられ、取引はより透明になる。このように、デジタルアセットトークンT2をデジタルアセットトークンT1を対価として発行する仕組みは、ユーザからの法定通貨の入金を仮想デジタルアセットトークン化し、仮想デジタルアセットトークンT0として構成すれば、仮想デジタルアセットトークンT0を対価とするデジタルアセットトークンT1の発行のようにトランザクションを表示可能であり、実質的に法定通貨1(日本円)を対価とするデジタルアセットトークンT1の発行の記録にも対価の日本円の授受と並列表記のトランザクション表示が可能となる。この場合、法定通貨のペギング条件は、デジタルアセットトークンT1がデジタルアセットトークンT0にペギングするように所有権移転条件を設定することによって、実質的に提供可能となる。こうして、法定通貨を対価とするデジタルアセットトークンT1の発行も仮想デジタルアセットトークンT0を仮想的対価とみなし、実質的に法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みの検証を提供でき、双方の交換価値の履行が並列表記され、交換価値がより安定で、より透明なデジタルアセットトークンT1が提供可能となる。
【0151】
<移転履歴情報の付記>
ピアツーピア分散型台帳3への記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、発行段階ST2同様に、生成情報に加え、発行情報の所有権移転履歴情報を付記することも可能であり、この場合には、その後に移転を重ねても発行段階ST2の検証がいつでも可能であり、より透明性の高い、デジタルアセットトークンの提供を可能とする効果も与える。さらに、必要に応じ、ユーザ間の売買情報を所有権移転履歴情報を付記することもできる。
【0152】
従って、本態様では、
図2及び
図7に示されているように、ユーザ間の売買時において、第1のデジタルアセットトークン(T1)の量の1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされるように所有権移転条件が構成され(MS230)、第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされたたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位(T2)の生成が発行前デジタルアセットトークンのリザーブプール01を宛先アドレスとするデジタルアセットトークン(T2)のトランザクションの記録としてピアツーピア分散型台帳に記録され(MS110、MS210)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転として、ユーザ間の移転がピアツーピア分散型台帳に記録されるとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき上記所有権移転条件の付加又は更新は予めピアツーピア分散型台帳に記録され(MS220)、
当該所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含み(MS230)、
ピアツーピア分散型台帳への記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブへのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、
ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、その後、
図2に示されているように、MS160、MS170、MS180及びMS190のステップが実行され、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークン(T2)の生成直後の発行者からリザーブ(01)への移転、好ましくは、発行情報、必要に応じユーザ間の移転の移転履歴情報を含む方法が開示されている。こうして、デジタルアセットトークン(T2)の生成直後の発行者からリザーブ(01)への移転情報、発行情報がデジタルアセットトークン自体に参照可能に表示される履歴の記録及びユーザ間移転時の移転価格に関し、第1のデジタルアセットトークンの価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がより安定なトークンが提供されるが、これは、第1のデジタルアセットトークン価値がペギングされる第1の法定通貨に、第1のデジタルアセットトークン価値へのペギングを通じて間接的にペギングされる仕組みの効果であり、当該制約条件の記録によって、交換価値がより安定なトークンが提供される。
【0153】
<第2のデジタルアセットトークンの償還>
図1に示されているように、償却段階ST4において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンT2の発行後のデジタルアセットトークンT2の償却方法M401の部分を含み、当該方法では、生成後の売買に伴う当該デジタルアセットトークンの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位(T2)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録することを含み(MS220)
当該所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位(T1)に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含む(MS230)、ことを特徴とする方法である。以下、
図2及び
図8を用い、償還段階ST4における、デジタルアセットトークンT2に関連する本発明の一実施形態の方法1の作用効果を説明する。
【0154】
償還段階ST4において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンの発行後の償還の方法M401部分を含み、リザーブプール01を宛先アドレスとするデジタルアセットトークンT2のトランザクションTRの記録としてピアツーピア分散型台帳3に記録するステップ(MS110)によって生成されたデジタルアセットトークンTについて、
ユーザから発行者への償還トランザクションTRは、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス2/ 1000(T2);
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1000(T2)
とトランザクションTRが構成されてよい。ユーザーアドレスからリザーブアドレスへの移転としてトランザクションTRを記録する。償還時にリザーブ01に移転されることによって、再発行される場合でも総発行量がリザーブアドレス01を監視し、ブロックチェーン上で容易に把握可能であり、透明性向上に寄与する。
【0155】
<検証条件の付加の付記>
本発明の一実施態様に係る方法では、
図2及び
図8に示されるように、デジタルアセットトークンT2の償還について、移転すべき前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T2)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録し(MS120)する。償還価格条件設定については、
当該所有権移転条件のペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約すること(MS230)である。
所有権移転条件:第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅、
90(T1)≦ 1(T2) ≦90(T1)
は、当該トランザクションの検証条件とされれば、以下となる。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 リザーブアドレス01/ 100(T2);
トランザクションインプット2 ユーザアドレス1/ 9000(T1);
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 100(T2)
トランザクションアウトプット2 リザーブアドレス01/ 9000(T1)
とスケールファクタを100としてトランザクションTRが構成されてもよい。
【0156】
<移転履歴情報の付記>
ピアツーピア分散型台帳3への記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2の移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、生成情報及び/又は発行情報及び/又は売買情報を付して、ユーザからリザーブ01への所有権移転履歴情報を付記することができ、この場合には、その後に移転を重ねても発行時の検証がいつでも可能であり、より透明性の高い、デジタルアセットトークンT2の提供を可能とする効果も与える。必要に応じ、償還情報を所有権移転履歴情報を付記すればよい。付記は、償還の移転の記録と同時に記録されてもよい。
【0157】
従って、本態様では、償還時において、第1のデジタルアセットトークン(T1)の量の1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされるように所有権移転条件が構成され(MS230)、第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされたたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位(T2)の生成が発行前デジタルアセットトークンのリザーブプール01を宛先アドレスとするデジタルアセットトークン(T2)のトランザクションの記録としてピアツーピア分散型台帳に記録され(MS110、MS210)、
その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転として、償還がピアツーピア分散型台帳に記録されるとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき上記所有権移転条件の付加又は更新は予めピアツーピア分散型台帳に記録され(MS220)、
当該所有権移転条件は、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含み(MS230)、
ピアツーピア分散型台帳への記録に付記すべき付帯情報には少なくともリザーブへのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(MS140)、
ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(MS150)、引き続き、
図1に示されているように、MS160、MS170、MS180及びMS190のステップを実行し、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブへの移転に加え、さらにリザーブ01からユーザへの移転及びユーザ間の移転及びユーザからリザーブ01への移転の移転履歴情報を含み得る方法である。そして、上記のとおり、本発明は、第2のデジタルアセットトークンについても、第2のデジタルアセットトークンが市場交換レートを介してペギングする第1のデジタルアセットトークンがペギングする第1の法定通貨によって、及び所有権移転条件付記及び履歴情報付記、及びリザーブからの発行及びリザーブへの償還によって、デジタルアセットトークンの償還時の生成時情報及び/又は発行時情報及び/又はユーザ間の移転情報の透明性及び償還時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法を提供する。
【0158】
<第2のデジタルアセットトークン発行時の供託プールの利用>
さらに、
図2に示されているように、発行段階ST2において、本発明の一実施態様に係る方法1の部分は、デジタルアセットトークンT1の供託プール03を利用する方法M202の部分を含み、
図2に示されるように、本実施例では、好ましくは、発行段階ST2において、発行及び売出し毎に、前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の前記移転の記録には、前記リザーブからユーザへの移転の場合、履歴の印として、ユーザが提供する対価が当該ユーザが提供する対価の所定の割合が安全資産によって担保されるように、発行に先立つ募集ステップに引き続き、募集に応じたユーザから応募を受け付けるステップにおいて、ユーザから受領された発行対価を管理者(カストディアン)によって管理されるよう、ユーザが提供する対価は、例えば、対価がデジタルアセットトークンT1の11000単位であるとき、以下のトランザクションTRによって、供託プールアドレス03に移転されてもよい。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 11000(T1);
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 供託アドレス03/ 11000(T1)
こうして、管理者によってデジタルアセットトークンT2発行まで又は発行後も供託アドレス03で管理されてよく、当該移転履歴情報がピアツーピア分散型台帳3に記録され、発行前のユーザ及びその後のユーザにより透明性の高い、デジタルアセットトークンT2の提供を可能とする効果も与える。
【0159】
発行段階ST2には、リザーブアドレス01からトランザクションインプットが以下のトランザクションTRによって提供されるのは前述の通りである。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 リザーブアドレス01/ 100(T2);
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 100(T2)
【0160】
<移転履歴情報の付記>
ユーザが提供する対価は管理者の供託アドレス1を介してデジタルアセットトークンT2が発行される情報も含め、発行及び売出し情報、又は当該発行及び売出し情報に関連づけられたメタデータがより詳細な発行及売出し情報として移転履歴情報に付記されれば、なお一層、ユーザにより透明性の高い、デジタルアセットトークンTの提供を可能とする効果も与える。
【0161】
なお、償還時には、上記の例で以下となる。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス2/ 100(T2);
トランザクションインプット1 供託アドレス03/ 9000(T1)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 9000(T1);
トランザクションアウトプット2 リザーブアドレス01/ 100(T2)
【0162】
こうして、供託プール03を利用する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の発行及び売り出しは、さらに、
前記履歴情報には、ユーザが提供する対価の所定の割合は安全資産によって担保されるべき供託プール03に保持される履歴情報を含む(MS310)。
【0163】
さらに、供託アドレス03へのユーザ1からの対価の支払が法定通貨であった場合には、上記のトランザクション表記方法を倣い、前述の仮想デジタルアセットトークンT0を使用して、ユーザ1からの入金100(円)を供託プール管理者(カストディアン)が確認後、100(T0)を上記デジタルアセットトークン100(T2)の発行トランザクションに関連づけてもよい。すなわち、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 リザーブアドレス01/ 100(T2);
トランザクションインプット2 供託プール管理者/ 100(T0)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 100(T2);
トランザクションアウトプット2 発行管理者/ 100(T0)
トランザクションインプット2は、供託プール管理者(カストディアン)の署名によって、ユーザ1からの100(円)の入金が裏書きされたようなトランザクション表記をすれば、発行はより透明になる。
【0164】
上記態様によって、発行及び売出し履歴の設定に、履歴の印として、ユーザが提供する対価が当該ユーザが提供する対価の所定の割合が安全資産によって担保され、これには供託プールで保管されることが少なくとも発行時に具体的にブロックチェーンに記録される方法が提供され、売出し時及び売出し後のデジタルアセットトークンの透明性が高まり、償還時にも保全されている安全資産から所定の割合が償還される仕組みはデジタルアセットトークンの交換価値の安定性にも寄与する。好ましくは、所定の割合は50%であり、より好ましくは、所定の割合は60%であり、より好ましくは、所定の割合は70%であり、より好ましくは、所定の割合は80%であり、より好ましくは、所定の割合は90%であり、より好ましくは、所定の割合は100%の方法が提供される。
【0165】
そして上記のとおり、本発明は、第2のデジタルアセットトークンについても、第2のデジタルアセットトークンが市場交換レートを介してペギングする第1のデジタルアセットトークンがペギングする第1の法定通貨によって、及び所有権移転条件付記及び履歴情報付記、及びリザーブからの発行によって、及びリザーブへの償還によって、デジタルアセットトークンの生成、発行、ユーザ間の移転及び償還時の生成情報及び/又は発行情報及び/又はユーザ間の移転情報の提供は、デジタルアセットトークンの全ライフサイクル及び償還後の売出しを含む再循環にわたる持続的な透明性及び交換価値の安定性が提供されるピアツーピア分散型台帳への記録方法である。
【0166】
<デジタルアセットトークン統合システム全体像>
上記方法を実現するためのデジタルアセットトークン統合システムの全体像を
図11を用い詳細に説明する。
【0167】
本発明に係るデジタルアセットトークン統合システムは、
図11に示されるように、日本では法定通貨に、好ましくは日本円にペギングされたデジタルアセットトークンT1をデジタルアセットとして提供し、米国では、米国ドルー円レートに市場連動し、デジタルアセットトークンT1を介して米国ドルにペギングされたデジタルアセットトークンT2をデジタルアセットとして提供し、本システムでは、日本のユーザはT1を他のユーザに売買として取引するためのシステムであり、米国のユーザはT2を他のユーザに売買として取引するためのシステムである。このように、本発明に係るデジタルアセットトークンは、複数のデジタルアセットトークンを同一のシステムで利用できるデジタルアセットトークン統合システム2である。
【0168】
デジタルアセットトークン統合システム2の構成要素は、秘密鍵を保管するウォレット67-68と、そのウォレットを持っているユーザ同士又はデジタルアセットトークンの発行者の内の2当事者の取引を表示しデジタルアセットトークンネットワーク上を伝わるトランザクションTRと、すべてのトランザクションを保持する総元帳であるピアツーピア分散型台帳と、トランザクションをトランザクション毎、又は複数のトランザクションを蓄積し、トランザクションのデジタルアセットトークン規約への適合性を検証し、ピアツーピア分散型台帳に記録するためのノードコンピュータ65とで構成される。
【0169】
一実施に係る本発明のデジタルアセットトークン統合システム2は、例えば、ピアツーピア分散型台帳としてブロックチェーンを採用する。ここで、ピアツーピア分散型台帳は、特定の管理者によって維持され、記帳がコントロールされている中央集権型の台帳ではなく、デジタルアセットトークン統合システム2に参加する個人又は法人によって維持され、記帳がデジタルアセットトークン規約に適合し、ネットワーク上で検証を終えたトランザクションTRがブロック毎に時系列にノードコンピュータ65の台帳に記帳され、そのブロックがデジタルアセットトークン統合システム2のすべてのノードコンピュータ65に伝搬される仕組みをいう。各々のノードコンピュータ65はデジタルアセットトークン統合システム2上対等な存在であり、各々に台帳に記録する権限があり、隣接するノードコンピュータ65同士が受信した台帳の更新を他のノードコンピュータ65へ伝搬するという形態をもって、ピアツーピア分散型台帳という。ネットワーク上で先着順はデジタルアセットトークン統合システム内の統一時刻上で測定されるが、この時刻を本明細書では、ユニバーサル時刻というデジタルアセットトークン統合システム上の統一時刻で表現する。
【0170】
デジタルアセットトークン統合システム2は、ウォレットが稼働するユーザのスマートホン67-68、ディスプレイ表示パネルに接続されたPC、サーバコンピュータ装置、ペデスタルのPC、サーバコンピュータ装置、クラウドコンピューティング環境9にある仮想コンピュータがインターネットに接続された環境で使用され、後に説明するシステムコンピュータの構成に当たるコンピュータ60によって内部が構成されている。
【0171】
ウォレットのユーザは取引に応じ、デジタルアセットトークンの発行に応募する場合のトランザクションや、ユーザ間のデジタルアセットトークン売買のためのトランザクションや、デジタルアセットトークンの発行者への償還のためのトランザクションを自己のウォレットによって組成し、秘密鍵を保管し、トランザクションに署名する。
【0172】
デジタルアセットトークン統合システム2のトランザクションは、ピアツーピア分散型台帳としてブロックチェーンを採用し、ブロックの接続及び正当性の検証はビットコインのマイナー規約に類するものを採用するが、デジタルアセットトークンの移転のみのトランザクションにはトランザクション手数料は無料のため、その点は異なる。ネットワークに参加するものによって、システム稼働の負担が提供される。加えて、固有の機能の実現のため、トランザクションの仕様は独自のものとなっており、デジタルアセットトークン統合システム2で使用されるウォレットは、デジタルアセットトークン統合システム規約に従ったものである必要がある。
【0173】
図11では、ウォレットは、インターネットに接続されるスマートホン67及びスマートホン68及びディスプレーパネル69に接続され、インターネットに接続されているパーソナルコンピュータ66及びインターネットに接続されたディスプレイパネル装置71のブラウザ画面表示を制御できるクラウドコンピューティング9上の仮想サーバ73で稼働している。例えば、スマートホン67は、内部にコンピュータ60を含み、コンピュータ60は、プロセッサ80、メインメモリ81、ストレージ装置84に保管されてプロセッサ80の動作を指令するプログラム命令85-87、外部との入出力を制御する入出力装置82、外部との通信を制御する通信制御装置83、これらをつなぐ内部システムバス79とを有している(
図12参照)。
【0174】
図12は、上記のコンピュータシステム(以下で単にシステムとも、コンピュータともいう)の実施例として、コンピュータ60を例示的に示す模式図である。コンピュータ60は、プロセッサ80、メモリ81、入出力部82、通信制御部83及びストレージ部84を含む。プロセッサ80は、Central Processing Unit (CPU,中央処理装置)ともいい、プログラム命令84にしたがって様々な演算処理や情報処理をメモリ81のデータをプロセッサ80に読み出し、処理結果をメモリ81に書き出し、システムバス79を介して、入出力部82を制御しディスプレイパネル71に画面を表示したり、ディスプレイパネル71に沿ったフィールドへのキーボードからのデータ入力を受け入れたり、音声入出力によってユーザコミュニケーションを行ったり、通信制御部83を制御しインターネット接続によって外部とのネットワークコミュニケーションを行ったり、通信制御部83は、他のプライベートネットワークとの接続を実現する無線LAN接続制やWIFI接続制御やブルートゥース(登録商標)接続制御によって、他の機器との接続を提供したり、永続記憶としてのストレージ装置部84へデータを保存したり、あるいは、これらの処理を実行するための命令が記憶されているストレージ装置部84からプログラム命令85-87を読み出し、あるいは、起動時にはイニシャルプログラムロードとしてオペレーティングシステムを読み出し、システムを起動したり、様々な処理を実行可能に構成されている。プロセッサ80は処理の高速化のため、プロセッサ内部に演算命令コードに組み込まれている特殊なメモリであるレジスタや再度の利用の高速化のためのキャッシュが構成されパファーマンスの向上に寄与する。
【0175】
メモリ81は、BIOSのロードに適する読み出し専用のROM,やメインメモリとして、メモリアドレスを指定し任意の読み書き可能なRAM等用途に沿って最適なメモリが選択構成されてよい。
【0176】
ストレージ装置部84には、目的に応じてコーディングされたプログラム命令85-87が格納されており、それぞれのプログラム命令85-87は、プロセッサ80に上記の様々な演算処理、情報処理を実行させるための命令が制御ロジックを構成するように記述され、並び順に命令を実行し、データも順に読み出し命令を実行するように制御されるスタック制御、条件が設定され、条件によって制御が分岐されるようにプログラムが構成されている分岐制御、又は分岐制御に所定の条件を満たすまで処理を遡求して実行するループ処理を含むようにプログラムが構成され、プログラム命令85-87が、システムバス79を介してメモリ81に読み込まれ、プロセッサ80に読み込まれ、プロセッサ80を動作させるように、システム60は構成されている。
【0177】
プログラム命令は、例えば、ウォレット67の動作のためのプログラム命令85を含み、あるいは、ブロードキャストされたトランザクションを受信し、トランザクション検証し、ピアツーピア分散型台帳のブロックチェーンに記録するノードコンピュータのためのプログラム命令86を含み、あるいは、他のユーザ間のデジタルアセットトークンの売買を代行するための分散取引のための板取引プログラム命令87や、その他、トランザクション組成のためのプログラム命令、購買条件を受け入れを促すためのディスプレイパネルへプロンプトを表示するためのデータ出力制御プログラム命令、ディスプレイパネルの表示フィールドに沿って購買条件をキーボードから受け入れるためのデータ入力制御プログラム命令等様々である。
【0178】
プログラムはインテル系パーソナルコンピュータPC,マック系のサーバ装置等、様々なオペレーティングシステム、プロセッサで動作するように、その環境に適したものが提供されてよい。
【0179】
デジタルアセットトークン統合システム2では、ユーザが他のユーザと取引をする場合、公開されたインターネットでデジタルアセットトークンTの移転を安全に実行するためトランザクションは秘密鍵によって暗号化され、他のユーザに送信され、他のユーザはユーザの公開鍵によってトランザクションの正当性を検証する、公開鍵暗号方式が採用されているが、暗号方式を公開鍵暗号方式に限定する事情はなく、適切な暗号方式を採用してよいが、公開鍵暗号方式を採用する限り、ウォレット67-68は秘密鍵、及びアドレスを管理する。ウォレット67-68は秘密鍵の生成をしてもよい。
【0180】
従って、ウォレット67は、コンピュータ60の規則に従って動作するものであって、ウォレットのプログラム命令85がストレージ装置84からロードされされ、ウォレット67の動作が実行される。ウォレット67のプログラム命令85は、一般的なブロックチェーン、中でもビットコインのウォレット機能に相当する様々な機能は少なくとも実行可能なウォレットであり、例えば、秘密鍵/公開鍵の管理、トランザクションTRの組成、トランザクションTRの署名、トランザクションTRの検証、トランザクションTRのブロードキャスト及びこれらに付随する画面操作及び入出力命令が実行可能であり、トランザクションTRの実行後には、ピアツーピア分散型台帳3を参照し、自己のアドレスに関連するトランザクションを読み出し、ピアツーピア分散型台帳3の部分的なローカルキャッシュ分散型台帳を保持でき、自己のトランザクションTRを参照でき、自己の所有に係る未使用トランザクションの管理も可能に構成されてよい。
【0181】
ネットワークにブロードキャストされたトランザクションTRは、複数のノードコンピュータ65に同時に到達可能であり、続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65は、トランザクションTRを受信すると、直ちにトランザクションTRの検証を開始する。ノードコンピュータ65も、コンピュータ60の構成に則る内部コンポーネントを持つこと同様であり、内部にコンピュータ60を含み、コンピュータ60は、プロセッサ80、メインメモリ81、ストレージ装置84に保管されてプロセッサ80の動作を指令するプログラム命令85-87、外部との入出力を制御する入出力装置82、外部との通信を制御する通信制御装置83、これらをつなぐ内部システムバス79とを有している。以下では、上記のように、「ノードコンピュータ65に含まれるコンピュータ60のプロセッサ80がコンピュータ60のストレージ媒体84に格納された命令を実行する」を「ノードコンピュータ65のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行する」と「ノードコンピュータ65に含まれるコンピュータ60」表記を単に「ノードコンピュータ65」との表記もする。
【0182】
トランザクションTRの正当性が検証されれば、ノードコンピュータ65はトランザクションTRを蓄積し、所定のトランザクション量が蓄積され、所定の時間が経過すればトランザクションTRを集積したブロックを時系列上直前にブロックチェーンに接続されたブロックに追加する。ブロックへの追加の正当性は、ビットコインに類すればPOWにより行われ、その他分散処理に相応しい方式であれば、POS等他の方式でもよい。
【0183】
ブロックに追加された時点でトランザクションTRの記録は完了し、所定の後続ブロックが検証され、さらにブロックが成長すれば、ブロックの正当性は確定し、以後の二重取引は排除される仕組みとなるのは、ブロックチェーンのそもそもの性質による。
【0184】
デジタルアセットトークン統合システム2への参加者は、その他に、営利業者としてのクラウドコンピューティング事業者が運営するクラウドコンピューティング9も参加可能であり、クラウドコンピューティング9が運用する仮想サーバ70では、ブラウザ機能のみを持つディスプレイパネル71のメンバのためにウォレット機能をクラウドコンピューティング9で提供する有償のサービスを提供可能である。あるいは、クラウドコンピューティング9はスマートホン68のために、英語環境でのウォレットサービスを有償で提供可能であり、デジタルアセットトークン統合システム2では、英語版のウォレットプログラムのダウンロードをクラウドコンピューティング9は提供する。その他、付加サービスは、様々可能であり、その態様は、以下の実施態様から暗示されている。好ましくは、付加サービス実施者の出現は多様性共に透明性をより高め、ノードコンピュータ65のシステム資源提供の動機を造出し、デジタルアセットトークン統合システム2の持続性を高め、より安定性を生み出してよい。
【0185】
そして、上記方法を実行し、本発明の効果を発揮するデジタルアセットトークンシステム2の一実施形態の構成態様は、より詳細に以下に開示される。プロセッサー80と、コンピュータ60が実行する命令が格納され、コンピュータ60によって読み取り可能なストレージ媒体84とを含み、当該命令85は当該プロセッサー80によって実行されるとき、当該システム2は以下のように動作するように構成されている。すなわち、本発明の一実施形態に係るシステム2は、デジタルアセットトークンTの発生、発行又は移転のため、公開鍵方式によって暗号化されたトランザクションTRをブロックチェーンに記録するためのシステムであって、
当該システム60の前記ストレージ媒体84に秘密鍵を格納し、前記命令は前記プロセッサー60によって実行されるとき、秘密鍵によって署名されたトランザクションTRを組成し、ブロックチェーンネットワークに当該トランザクションTRをブロードキャストを送信可能に構成され、
プロセッサー80と、コンピュータ60が実行する命令が格納され、コンピュータ60によって読み取り可能なストレージ媒体84とを含み、当該命令86は当該プロセッサー80によって実行されるときブロックチェーンネットワーク上でブロードキャストを受信し、トランザクションTRを検証し、前記ストレージ媒体84に格納されたブロックチェーンのブロックに当該トランザクションTRを記録するように構成されたノードコンピュータ65を当該システム2はさらに含み、前記命令は前記プロセッサー80によって実行されるとき、
トランザクションTRの処理リクエストを受け入れ、当該処理リクエストに従って、移転元アドレスと、デジタルアセットトークンTの種別を示すデジタルアセットトークンの量の数量単位記号(T)及び数量とが表示されているトランザクションインプットと、前記トランザクションインプットの移転先アドレスと、デジタルアセットトークンの種別を示すデジタルアセットトークンの量の数量単位記号(T)及び数量を表示するトランザクションアウトプットとを含むトランザクションTRを組成し、前記トランザクションインプットには、所有権移転条件情報、及び当該デジタルアセットトークンTの生成の履歴情報を含むスクリプト又はプログラム又はこれら情報のメタデータを含み、当該スクリプト又はプログラムはトランザクションインプットに表示され又は参照される内容が真正な所有権移転条件及び履歴情報であることと、所定の秘密鍵によって暗号化されたこととを検証するためのハッシュを含むように構成されており、
前記トランザクションTRの処理リクエストがデジタルアセットトークンTの生成の場合、前記システム2は生成段階ST1を実行し、
生成すべきデジタルアセットトークン量の数量単位記号(T)及び数量を表示する発行者のトークンベースアドレス00のトランザクションインプットと、リザーブアドレス01のトランザクションアウトプットとから構成され、当該トランザクションTRの現所有権移転条件としてトークンベースアドレス00から移転するデジタルアセットトークンTはリザーブアドレス01に移転されるべきという所有権移転条件と、生成時の発行者からリザーブ01への移転履歴情報とをスクリプトに含むデジタルアセットトークンTの生成トランザクションTRを組成し、これをブロックチェーンネットワーク上のノードコンピュータ65に向けてブロードキャスト送信し、
前記ノードコンピュータ65は、プロセッサー80と、コンピュータ60が実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体84とを含み、当該命令は当該プロセッサー80によって実行されるとき、
ノードコンピュータ65はブロックチェーンネットワーク上のブロードキャストを受信し、前記トランザクションTRを検証し、ブロックチェーンに記録するように構成されており、
当該ノードコンピュータ65は前記デジタルアセットトークン生成のトランザクションTRのブロードキャストを受信すると、トランザクションインプットのスクリプトに含まれている所有権移転条件及び署名の検証によってトランザクションインプットの真正を検証し、当該トランザクションTRは、指定されている所有権移転条件に規定される停止条件に反しないことと、指定されている履歴情報とを照合検証し、検証に成功すればトランザクションTRをブロックに記録し、
前記トランザクションTRの処理リクエストがデジタルアセットトークンTの移転に先立ち、移転すべきトランザクションインプットのデジタルアセットトークン量(T)に関連づけられるべきデジタルアセットトークン情報の更新をするものである場合、
前記システム2は、トランザクション付帯情報更新ステップを実行し、
移転元の移転すべきトランザクションインプットのデジタルアセットトークン量(T)のトランザクションインプットと、移転先のトランザクションアウトプットとから構成され、当該トランザクションTRの現所有権移転条件に付加され、又は更新されるべき代替の所有権移転条件と、更新すべき履歴情報とをスクリプトに含むデジタルアセットトークンTRの情報更新トランザクションを組成し、これをブロックチェーンネットワーク上のノードコンピュータ65に向けてブロードキャスト送信し、当該情報更新をブロックチェーンに記録し、
前記トランザクションの処理リクエストが発行の場合、前記システムは、発行段階ST2を開始し、
発行条件を受け入れ、デジタルアセットトークンTの発行に先立ち、移転元及び移転先をリザーブアドレス01とし、次所有権移転条件として、発行すべきデジタルアセットトークン量(T)は発行先の応募者ユーザアドレスを移転先とする所有権移転条件及び履歴情報として、発行情報を付加するように情報更新するために、情報更新ステップに分岐し、当該情報更新の終了を待ち、前記ノードコンピュータ65によってブロックチェーンへの記録終了後、発行段階ST2は後続処理を再開し、
発行すべきデジタルアセットトークン量(T)を表示するリザーブアドレス01のトランザクションインプットと、応募者アドレスのトランザクションアウトプットとから構成され、当該トランザクションTRの現所有権移転条件として当該デジタルアセットトークン量(T)は応募者に移転されるべきという所有権移転条件と、好ましくは、次所有権移転条件には、さらに前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定とを含み、
履歴情報として発行情報と、好ましくは、さらに、リザーブ01からユーザへの移転の履歴情報とを含むデジタルアセットトークンTの発行トランザクションTRを組成し、
前記発行トランザクションTRをブロックチェーンネットワーク上のノードコンピュータ65に向けてブロードキャスト送信し、
当該トランザクションTRは、前記ノードコンピュータ65によってブロードキャスト受信されると、トランザクションTR検証の後に前記所有権移転条件及び前記履歴情報は当該トランザクションTRのデジタルアセットトークンの量の移転(T)とともにブロックチェーンに記録され、
前記トランザクションTRの処理リクエストが移転の場合、前記システム2は、移転段階ST3を実行し、
好ましくは、移転に先立ち、移転元及び移転先を移転元アドレスとし、次所有権移転条件として、移転すべきデジタルアセットトークン量(T)を移転先とする所有権移転条件と、好ましくは、前記デジタルアセットトークンの量の1単位と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定とを含むように情報更新するために、トランザクション付帯情報更新ステップに分岐し、当該情報更新を終了を待ち、前記ノードコンピュータ65によってブロックチェーンへの当該情報更新の記録終了後、移転ステップは後続処理を再開し、
移転すべきデジタルアセットトークン量(T)を表示する移転元のトランザクションインプットと、移転先のトランザクションアウトプットとから構成され、当該トランザクションTRの現所有権移転条件として移転元から移転するデジタルアセットトークンTは移転先に移転されるべきという所有権移転条件と、
好ましくは、次所有権移転条件には前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定とを含み、
好ましくは、さらに、ユーザ間の移転の履歴情報とを含むデジタルアセットトークンTの移転トランザクションTRを組成し、
前記移転トランザクションTRをブロックチェーンネットワーク上のノードコンピュータ65に向けてブロードキャスト送信し、
続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、前記ノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、当該トランザクションTRは、前記ノードコンピュータ65によってブロードキャスト受信されると、トランザクション検証の後に前記所有権移転条件及び前記履歴情報は当該トランザクションTRのデジタルアセットトークンの量(T)の移転とともにブロックチェーンに記録されるように構成されている。
【0186】
上記構成によって、上述されたデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転の透明性及び安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録方法を実行可能なデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳統合システムが提供可能となる。
【0187】
より詳細には、一実施態様におけるデジタルアセットトークンTの生成、発行、ユーザ間移転及び償還の方法の各段階ST1-ST4のステップに合わせ、生成、発行、ユーザ間移転及び償還が処理リクエストの各種の条件に従う当該システム2の動作は以下に詳述される。
【0188】
プロセッサー80と、コンピュータ60が実行する命令が格納され、コンピュータ60によって読み取り可能なストレージ媒体84とを含み、当該命令は当該プロセッサー80によって実行されるとき、当該コンピュータ60は、デジタルアセットトークンTのため、
図13から16に示されるように、以下のステップを実行する。
【0189】
<デジタルアセットトークンの生成>
図13は、デジタルアセットトークンTの生成のためのシステムフローチャートを示す。
図13に示されるように、デジタルアセットトークンTの生成オペレーションが開始されると、
図13に示されるオペレーションステップ200では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、生成条件を受け入れる。生成条件は、例えば、デジタルアセットトークンの種別及び数量である。
【0190】
ステップ210では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、生成トランザクションTRに必要とされる所有権移転条件を受け入れる。所有権移転条件は例えば、予定する法定通貨の市場交換レートであり、所有権移転条件を適用すべき時間窓、発行の法定通貨の対価予定額である。法定通貨の市場交換レートは、発行者が市場から調達した情報入力が適当である。
【0191】
ステップ220では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、トランザクション組成手段によって、トランザクションTRが組成される。所有権移転条件は、法定通貨の市場交換レートであれば、これを条件コード化し、ユニバーサル価格幅の上限及び下限を当該条件コードのパラメータと定義する。従って、法定通貨の市場交換レートによるユニバーサル価格幅の上限及び下限設定は、条件コード1(上限値、下限値)によって、データ構造化され、当該条件コード1(上限値、下限値)は、トランザクションアウトプットにおけるスクリプトによって記述される内容に予め含めてよい。
【0192】
ここで、例えば、ビットコインのスクリプト言語であれば、スタックベースの言語であり、複雑な分岐ロジックは採用できないが、スタックベースの言語で検証可能である条件に限り、条件の一致に単純化したり、情報の存否、メタデータから参照する情報のハッシュ一致の検証に限る等の手段を採用し、条件コード化された所有権移転条件をスクリプトに埋め込む。または、検証のためのプログラム及びスクリプトの言語はチューリング完全な処理のための制御フローを処理できる言語を採用できれば、より好適である。
【0193】
生成に関する履歴情報履歴コード化を行い、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブ01への移転を履歴コード1、リザーブ01からユーザへの移転を履歴コード2、ユーザ間の移転を履歴コード3、ユーザからリザーブ01への移転を履歴コード4のように移転別に履歴コード化を行い、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブ01への移転を履歴コード1を生成のトランザクションアウトプットのスクリプトへ埋め込む。法定通貨の対価もトランザクション組成手段に入力し、これによってスクリプトへ埋め込む。
【0194】
トランザクションTRの組成完成時には、承認者によるトランザクションTRの署名の検証を含むトランザクション検証を行う。トランザクションインプットのスクリプトで指定される条件コード1(上限値、下限値)を読み込み、トランザクションTR全体の売買数量と、法定通貨の対価による交換レートを算出し、条件コード1(上限値、下限値)の指定に反しないかを検証する。
ここで、条件コード1(上限値、下限値)の指定に反しないかを検証するにあたっては、市場交換レートを取得する必要があるが、これには、例えば、予めシステム2によって、市場交換レートをトランザクション内に表示するため、統計デジタルアセットトークンをトランザクションに組み込んでおくとよい。統計デジタルアセットトークンは、デジタルメモトークンに類するトークンであり、デジタルアセットを表彰するデジタルトークンではなく、デジタルアセットトークンの市場交換レート等の統計データをトランザクション内で表示するためのデジタルトークンであり、デジタルアセットではない用途から本明細書では、統計デジタルアセットトークンという。
市場交換レート統計デジタルアセットトークン(通貨記号)は、システム2によって、例えば、日次で日本円(YEN)と米国ドル(USD)の市場交換レートをトランザクション内に表示するためトランザクションインプット、及びトランザクションアウトプットが追加される。
例えば、日本円と米国ドルの市場交換レートが110.50円@1ドルの場合、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 統計アドレス/ 1(USD);
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 統計アドレス/ 1(USD);
予め、発行者によって、システム2には、日本円と米国ドルの市場交換レート表示のための市場交換レート統計デジタルアセットトークン(他の通貨の記号)がピアツーピア分散型台帳3に記録提供されていてよい。市場交換レート統計デジタルアセットトークン(USD)の履歴情報には、法定通貨1と他の通貨の過去1週間の市場交換レートが記録されており、通常当日の市場交換レート、例えば、スケールファクタを100として、10500を履歴情報は表示する。従って、ユーザウォレットのコンピュータ67、68からも、ノードコンピュータ65からも同一の市場交換レートが、ピアツーピア分散型台帳3上の市場交換レート統計デジタルアセットトークン(USD)によって取得可能であり、ユーザウォレットのコンピュータ67、68のストレージ媒体に格納されている命令がコンピュータ67、68のプロセッサ80によって実行されるときも、ノードコンピュータ65のストレージ媒体に格納されている命令がコンピュータ65のプロセッサ80によって実行されるときも、デジタルアセットトークン1(T2)をユーザ2から1へ法定通貨の日本円を対価として移転するとき、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 統計アドレス/ 1(USD);
トランザクションインプット3 ユーザアドレス2/ 1(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 統計アドレス/ 1(USD)
トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス1/ 1(T2);
のトランザクションをトランザクション単位で検証するにあたり、市場交換レート統計デジタルアセットトークン(USD)の履歴情報を参照し、法定通貨1(日本円)と米国ドル(USD)との市場交換レート110.50によって、トランザクションを検証する。統計デジタルアセットトークンによって、本発明のシステムのトランザクションのアーキテクチャによって市場交換レートをトランザクション検証のために提供可能である。発行者から提供される市場交換レート提供のためのトランザクションインプット1を含む未完成トランザクションの雛形は、トランザクションTRの組成時にシステム2によって、例えば、ウォイレット67、68によって上記トランザクションインプット1に署名付きで初期提供されていてもよい。
トランザクションTRは、あるいは、下記の表示で提供されてもよい。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 統計アドレス/ 100(USD);
トランザクションインプット2 統計アドレス/ 10950(YEN);
トランザクションインプット4 ユーザアドレス2/ 1(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 統計アドレス/ 100(USD)
トランザクションアウトプット2 統計アドレス/ 10950(YEN);
トランザクションアウトプット3 ユーザアドレス1/ 1(T2);
このトランザクションTRでは、スケールファクタを100として、市場交換レート1USD@109.50が通常のトランザクション表記で表現されており、履歴情報を参照、解読せずとも市場交換レートを利用可能にし、より透明性が向上がされて供されている。
この他、各ノード、ウォレットへの配信、スクリプト言語、プログラム言語が提供する限り、分散ストレージの参照、グローバル環境変数の参照によっても市場交換レートの提供は可能である。統計デジタルアセットトークンによる市場交換レートの提供は、市場交換レートが改竄から安全なこと、透明性の点でより優れている。
【0195】
ステップ230では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、完成トランザクションTRをブロックチェーンへブロードキャストする。ブロックチェーンは、ビットコインのようなブロックチェーンであり、未使用トランザクションによってピアツーピア分散型台帳が構成されている。ユーザは自己が管理するウォレットによってピアツーピア分散型台帳の自己が管理するアドレスの未使用トランザクションを収集し、アカウントの管理をする。
【0196】
ステップ240では、続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によって、トランザクションTRが取得され、ノードコンピュータ65はトランザクションTRの検証をトランザクションTRの組成完成時のように行う。
【0197】
ステップ250では、引き続き、ノードコンピュータ65において、複数のトランザクションTRを蓄積後、ブロックの正当性が検証される。
【0198】
ステップ260では、引き続き、ノードコンピュータ65において、いわゆるマイニングと呼ばれる、直前のブロックへの接続を獲得したノードによって、トランザクションTRはブロックに記録され、トランザクションTRのピアツーピア分散型台帳3への記録が完了する。その結果、トランザクションインプットで指定されたアドレスのデジタルアセットトークンがトランザクションアウトプットで指定されたアドレスのデジタルアセットトークンTとされ、未使用トランザクションとして、次のトランザクションTRのトランザクションインプットに使用され得る。
【0199】
ここで、ステップ230-260を集約し「記録」集約ステップ270として、以降のフローの表記で利用する。「記録」とは、ピアツーピア分散型台帳3への記録を指し、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者又はユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、アドレスからアドレスへのデジタルアセットトークンTの移転を表示するトランザクションTRをブロードキャストし、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によって、トランザクション検証し、ブロック検証し、ピアツーピア分散型台帳3に記録する一連のステップの実行を集約した集約ステップである。交換価値の移転のためのみならず、自己アドレス間の移転を用い、将来の未使用トランザクションが使用される時に適用される所有権移転条件のピアツーピア分散型台帳3への記録のためや、履歴情報のピアツーピア分散型台帳3への永続的な効果、物件的通用性ため、記録が使用される場合もある。生成段階ST1では、ベースアドレス00からリザーブアドレス01へのデジタルアセットトークン移転を記録するものとして、
図13の右側に「記録」集約ステップボックスの表記を記載している。
【0200】
こうして、
図13に示されるように、上記ステップ200ー260、又はステップ200ー220及び集約ステップ270によって、生成段階ST1において、デジタルアセットトークンTの量の1単位の生成はピアツーピア分散型台帳3に記録され方法1のMS110ステップが当該システム2によって実行され(SS110、以下で、SSxxxは、メソッドステップMSxxxに対応するシステムステップを表す)、その後の当該デジタルアセットトークンTの所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、引き続き、発行段階ST2、売買段階ST3及び償還段階ST4に応じ、所定の必要に応じてシステムステップが実行される。以下、詳述する。
【0201】
<デジタルアセットトークンの発行>
図14に示されるように、デジタルアセットトークンTの発行が開始されると、ステップ300では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、発行条件を受け入れる。発行条件は、例えば、発行日時、同時に発行するデジタルアセットトークンTの種別と数量、その他応募者及び関係者に関心がある事項であって、デジタルアセットトークンのピアツーピア分散型台帳3の記録に相応しい事項を含む情報である。当該発行情報もコード化を行い、発行情報コード1(発行日、発行数量)のように発行情報コードで参照する事項とともに構造化するのが好ましい。そうすることによって、発行情報コード及びそのパラメータをトランザクションTRのスクリプトに埋め込むことが容易になる。
【0202】
ステップ310では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ブロックチェーンに記録されているリザーブアドレス01に帰属する未使用のトランザクションインプットを参照し、発行に利用を予定するデジタルアセットトークンTに記録されている既存の所有権移転条件を確認する。発行トランザクションTRに必要とされる所有権移転条件を付加又は更新する。
【0203】
更新又は付加が必要であれば、発行に先立ち、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更を記録する。まず、予め登録されている所有権移転条件コードが選択され、所定の条件コードパラメータとともに入力を受け入れ、次に、当該所有権移転条件の記録のためのトランザクションTRを自己アドレス間の振替移転として組成する。
条件コードの構成によって、ブロックチェーンにおける検証を簡易にし、ブロックチェーンの分散記憶域の容量をコンパクトにすることを可能とするシステムが提供される。
【0204】
続いて、ステップ320で表示される移転の記録集約ステップでは、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、自己アドレス間のデジタルアセットトークンTの移転として、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき所有権移転条件情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストする。続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によって、ピアツーピア分散型台帳ネットワークでトランザクションを受信し、トランザクション検証し、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は、自己アドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。
【0205】
ステップ310及び320で表示される「記録」集約ステップにおいては、当該システムによって、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(SS160)、デジタルアセットトークンTの所有権の移転を記録し(SS170)、前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記する(SS180)ように、方法1のMS110に対応するデジタルアセットトークン生成の記録のシステムステップSS110の後、方法1のMS120、MS140-MS180ステップに対応するシステムステップSS120,SS140-SS180が当該システム2によって実行されている。
【0206】
ステップ330では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、トランザクション組成手段によって、トランザクションが組成される。所有権移転条件コード及びそのパラメータ及び発行情報等の履歴情報コード及びそのパラメータは、生成時と同様の手順によってトランザクションTRのスクリプトに埋め込まれる。トランザクションTRの組成完了時には、承認者によるトランザクションTRの署名の検証を含むトランザクション検証を行う。こうして、ステップ330によって、トランザクションTRに記録すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンTの移転の履歴を含む履歴情報が引き継がれ(SS140)、方法1のMS140ステップに対応するシステムステップSS140が当該システム2によって実行され、完成トランザクションTRの組成が完了する。
【0207】
ステップ340で表示される記録集約ステップでは、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、リザーブアドレス01からユーザアドレスへのデジタルアセットトークンの移転として、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含む完成トランザクションをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によって、トランザクションTRは受信されると、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上でノードコンピュータ65によって、前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(SS160)、
デジタルアセットトークンTの所有権の移転を記録し(SS170)、
前記履歴情報は、当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記される(SS190)。当該ステップによって、方法1のMS150ーMS170及びMS190ステップが当該システム2によって実行される。
【0208】
こうして、上記ステップ300ー340に示されるように、システム2はプロセッサー80と、コンピュータ60が実行する命令が格納され、コンピュータ60によって読み取り可能なストレージ媒体84とを含み、当該命令は当該プロセッサー80によって実行されるとき、
ピアツーピア分散型台帳3に生成が記録された(SS110)デジタルアセットトークンの量の1単位(T)は、
その後の当該デジタルアセットトークンTの発行による所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録し(SS120)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり(SS130)、
当該記録すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(SS140)、
ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(SS160)、
デジタルアセットトークンTの所有権の移転を記録し(SS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(SS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記され(SS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブ01への移転、リザーブ01からユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブ01への移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブ01への移転履歴情報を含むように構成されている。
【0209】
本発明に係るシステムでは、所有権移転条件によって、発行価格は一定の幅にコントロールされ、デジタルアセットトークンの移転価格の透明性及び安定性を提供する効果を与える。この他、所有権移転条件を付加し、所有権移転条件が停止条件としてピアツーピア分散型台帳3に記録されるときに、何が検証すべき記録であるのかを、取引者は、ほぼ自由に取引の前に予め記録することも可能となり、取引の前には記録から取引の透明性及び確実性を具体的に読み取ることが可能であり、取引の後には取引が健全なものであったのか閲覧可能であり、このように所有権移転条件のピアツーピア分散型台帳への記録は、透明性の向上に資する。こうして、履歴の記録及び制約条件の記録によって透明性が向上され、価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みをデジタルアセットトークン自体に取り込み可能とすることによって、交換価値がより安定なデジタルアセットトークンが提供する本発明のシステムがここに開示されている。
【0210】
<デジタルアセットトークンTのユーザ間の移転>
図15に示されるように、デジタルアセットトークンTのユーザ間の移転オペレーションがスタートすると、ステップ400では、システム2は、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザにデジタルアセットトークンのユーザ間の移転操作画面を表示し、プロンプト表示によってユーザからユーザ間の移転条件入力を促す。所有権移転条件として、他ユーザへの移転条件コードがユーザによって選択入力され、移転の条件として移転先ユーザのアドレス、及び移転の対価に関する条件コードパラメータの入力をユーザから受け入れる。
【0211】
システム2は、ユーザからユーザ間の移転条件を受け入れると、ステップ410では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザのために、ブロックチェーン上に記録されている自己の所有するデジタルアセットトークンを他のユーザアドレスに移転する準備をする。他ユーザへの移転条件コード及びそのパラメータは、所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳のデジタルアセットトークンに記録するためのトランザクションTRが当該所有権移転条件の記録のため、自己アドレス間の振替移転として組成される。
【0212】
続いて、ステップ420で表示される移転の記録集約ステップでは、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、自己アドレス間のデジタルアセットトークンの移転として、ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし、続いて、トランザクションTRをブロードキャストし、続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によって受信されると、ピアツーピア分散型台帳ネットワークでトランザクションを検証し、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は、自己アドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。
【0213】
ステップ430では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、トランザクション組成手段によって、ユーザ間移転トランザクションTRが組成される。ユーザ1からユーザ2への所有権の移転として、ユーザ間の所有権移転トランザクションは、例えば、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 1000(T);
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 1000(T)
とトランザクションTRが構成されてよく、ユーザアドレスの選択されたトランザクションインプット1のデジタルアセットトークンTのスクリプトには、ユーザ間の所有権移転条件コードとそのパラメータとしてユーザアドレス2及び対価の支払に関するパラメータが埋め込まれる。
所有権移転条件は、対価が法定通貨であれば、法定通貨の市場交換レートであれば、これを条件コード化し、ユニバーサル価格幅の上限及び下限を当該条件コードのパラメータと定義する。従って、法定通貨の市場交換レートによるユニバーサル価格幅の上限及び下限設定は、法定通貨条件コード1(法定通貨種別、上限値、下限値)として、所有権移転条件コードとそのパラメータがスクリプトへ埋め込まれている(SS130)。
ユーザ1によって、トランザクションTRが組成され、上記のようにユーザ1からの一方的移転のみを含むトランザクションTRであれば、これでトランザクションTRは、ユーザ1のみの承認によって完成トランザクションとして組成は完成する。
【0214】
さらに、一方的移転のみを含むトランザクションTRであっても、ユーザ2の承認が必要とされるトランザクションであれば、ユーザ2の追加の承認を得るため、ユーザ1のみの承認によって未承認トランザクションとして組成されている未承認トランザクションTRについてユーザ2の承認を得るために、ユーザ2に当該ユーザ間移転が通知される。ステップ430では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザ2は、ユーザ1からユーザ間移転の通知を受けると、ユーザ1からのユーザ間移転の受け入れをプロンプト表示によって促され、ユーザ2がユーザ1からユーザ間移転の未承認トランザクションを、受け入れ、内容に同意する場合に、未承認トランザクションを承認すると、ユーザ2の操作によるシステム2のトランザクション承認を受け入れた後に、当該トランザクションTRは完成とされる。
【0215】
続いて、ステップ440で表示される「記録」集約ステップでは、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザアドレス間のデジタルアセットトークンTの移転として、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし、続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によってトランザクションTRが受信されると、トランザクション検証し、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は、ユーザアドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。
【0216】
当該移転時には、デジタルアセットトークンTRの生成直後の発行者からリザーブ01への移転履歴情報を含む履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録と同時にピアツーピア分散型台帳3に付記される(SS190)。
【0217】
こうして、上記ステップ400ー450に示されるように、プロセッサー80と、コンピュータ60が実行する命令が格納され、コンピュータ60によって読み取り可能なストレージ媒体84とを含み、当該命令は当該プロセッサー80によって実行されるとき、
ピアツーピア分散型台帳3に生成が記録された(SS110)デジタルアセットトークンの量の1単位(T)は(SS110)、
その後の当該デジタルアセットトークンTのユーザ間の所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録し(SS120)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり(SS130)、
当該記録すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンTの移転の履歴を含む履歴情報を含み(SS140)、
ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(SS160)、
デジタルアセットトークンの所有権の移転を記録し(SS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記され(SS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記され(SS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブ01への移転、リザーブ01からユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブ01への移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブ01への移転履歴情報を含むように構成され、本発明の方法1のMS110ーMS190ステップが当該システム2によって実行されることが開示されている。そして、上記のとおり、本発明は、所有権移転条件付記、及び履歴情報付記及びリザーブを介する発行によって、デジタルアセットトークンの生成及び/又は発行の透明性、デジタルアセットトークンのユーザ間の移転時に参照できる生成情報及び/又は発行情報の透明性及びユーザ間の移転時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳へ記録するシステムを提供する。
【0218】
<デジタルアセットトークンの償還>
図16に示されるように、デジタルアセットトークンTの償還が開始されると、ステップ500では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2は、ユーザから償還トランザクションTRに必要とされる所有権移転条件を受け入れる。所有権移転条件は例えば、対価が法定通貨であれば予定する法定通貨の市場交換レートであり、所有権移転条件を適用すべき時間窓、発行の法定通貨の償還対価予定額である。
【0219】
ステップ510では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザから償還トランザクションTRに必要とされる所有権移転条件を受け入れると、ユーザのために、ブロックチェーン上に記録されているそのユーザの所有するデジタルアセットトークンTを償還する準備をする。償還条件コード及びそのパラメータは、所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークンTに記録するためのトランザクションTRを自己アドレス間の振替移転として組成する。
【0220】
続いて、ステップ520で表示される移転の記録集約ステップでは、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、自己アドレス間のデジタルアセットトークンTの移転として、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき所有権移転条件情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし、続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によって、トランザクションTRは受信されると、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上でノードコンピュータ65によって、トランザクション検証し、ピアツーピア分散型台帳に当該変更は、自己アドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。これによって、当該所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録に付記される(SS180)。
【0221】
ステップ530では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザによって、償還トランザクションTRが組成される。トランザクション組成手段によって、ユーザから発行者への所有権の移転として、償還トランザクションTRは、例えば、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス2/ 1000(T);
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 1000(T)
とトランザクションTRが構成されてよく、ユーザアドレスの選択されたトランザクションインプット1のデジタルアセットトークンTのスクリプトには、ユーザ間の所有権移転条件コードとそのパラメータとしてリザーブアドレス01及び対価の支払に関するパラメータが埋め込まれ、発行者へ償還の申込みが発行者へ通知される。
【0222】
ステップ530では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、償還処理が行われ、発行者は、システムから償還請求の通知を受けると、トランザクションTRを受入れ、償還の所有権移転条件を所定の償還条件に適合するか否かを検証し、トランザクションTRを完成させる。
【0223】
続いて、ステップ540で表示される「移転の記録」集約ステップでは、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザアドレスからリザーブアドレス01へのデジタルアセットトークンの移転として、発行者によって完成されたトランザクションTRはピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含み、ピアツーピア分散型台帳ネットワークへ発行者によってブロードキャストされ、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によって、トランザクションTRは受信されると、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上でノードコンピュータ65によって、当該デジタルアセットトークンTの移転はピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録され、デジタルアセットトークンTの償還は完了する。
【0224】
発行者は、一方でユーザへ対価の支払処理を別途行う。当該移転時には、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブ01への移転履歴情報を含む履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転の記録と同時にピアツーピア分散型台帳3に付記され(SS190)、その後の再発行にも当該履歴情報は失われない。
【0225】
こうして、上記ステップ500ー540において、プロセッサー80と、コンピュータ60が実行する命令が格納され、コンピュータ60によって読み取り可能なストレージ媒体84とを含み、当該命令は当該プロセッサー80によって実行されるとき、
デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の生成をピアツーピア分散型台帳3に記録された(SS110)デジタルアセットトークンの量の1単位は(SS110)、
その後の当該デジタルアセットトークンTの所有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録されるとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録し(SS120)、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり(SS130)、
当該記録すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンの移転の履歴を含む履歴情報を含み(SS140)、
ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、
前記所有権移転条件を含むトランザクション検証の成功後に(SS160)、
デジタルアセットトークンTの所有権の移転を記録し(SS170)、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(SS180)、
前記履歴情報は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記され(SS190)、
前記履歴情報には、デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブ01への移転、リザーブ01からユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブ01への移転の記録のうち少なくとも前記デジタルアセットトークンの生成直後の発行者からリザーブ01への移転履歴情報を含むように構成されているシステム2が開示され、本発明の方法1のMS110ーMS190ステップが当該システム2によって実行されることが理解される。こうして、償還後にデジタルアセットトークン自体に参照可能に表示される履歴の記録及び償還価格に関し、法定通貨にペギングされる制約条件の記録も可能であり、償還価格の透明性が向上され、加えて償還価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がより安定なデジタルアセットトークン統合システムが提供される。このように、本発明は、所有権移転条件付記、及び履歴情報付記及びリザーブを介する発行及びリザーブへの償還によって、デジタルアセットトークンの償還時に参照できる生成情報及び/又は発行情報及び/又はユーザ間の移転情報の透明性及び償還時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳へ記録するシステムを提供する。
【0226】
<他通貨へペギングされたデジタルアセットトークンT2の発行>
上記、システム2の実施例において、前記読み取り可能なストレージ媒体84は、追加の命令を含み、当該追加の命令は、前記プロセッサー80によって実行されるとき、第1のデジタルアセットトークンT1の1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで、第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位(T2)の生成を記録し(SS210)、
その後の当該デジタルアセットトークンT2の所有権移転をピアツーピア分散型台帳3に記録するとき、
当該移転すべき前記デジタルアセットトークン量の1単位(T2)に関連づけられるべき所有権移転条件の付加又は更新を予めピアツーピア分散型台帳3に記録すること(SS220)を含み、
当該所有権移転条件には、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの量の1単位(T1)に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅及び又は個別価格幅に制約することを含む(SS230)、システム2が追加の態様で提供される。
【0227】
当該システム2によって、
図17に示されるように、他通貨へペギングされたデジタルアセットトークンT2の生成オペレーションが開始されると、ステップ700では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2は、生成条件を受け入れる。生成条件は、例えば、デジタルアセットトークンの種別及び数量である。
【0228】
ステップ710では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2は、生成トランザクションTRに必要とされる所有権移転条件を受入れる。所有権移転条件は例えば、予定する第1のデジタルアセットトークンT1がペギングする第1の法定通貨と他の通貨との市場交換レートであり、所有権移転条件を適用すべき時間窓である。第1のデジタルアセットトークンT1がペギングする第1の法定通貨と他の通貨との市場交換レートは、発行者が市場から調達した情報入力が適当である。
【0229】
ステップ720では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、トランザクション組成手段によって、トランザクションTRが組成される。所有権移転条件は、第1の法定通貨と他の通貨との市場交換レートであれば、これを条件コード化し、ユニバーサル価格幅の上限及び下限を当該条件コードのパラメータと定義する。従って、第1の法定通貨と他の通貨との市場交換レートによるユニバーサル価格幅の上限及び下限設定は、条件コード1(上限値、下限値)によって、データ構造化され、当該条件コード1(上限値、下限値)は、トランザクションアウトプットにおけるスクリプトによって記述される内容に予め含めてよい。
本態様によって、ブロックチェーンにおける検証を簡易にし、ブロックチェーンの分散記憶域の容量をコンパクトにすることを可能とするシステムが提供される。
【0230】
ここで、例えば、ビットコインのスクリプト言語であれば、スタックベースの言語であり、複雑な分岐ロジックは採用できないが、スタックベースの言語で検証可能である条件に限り、条件の一致に単純化したり、情報の存否、メタデータから参照する情報のハッシュ一致の検証に限る等の手段を採用し、条件コード化された所有権移転条件をスクリプトに埋め込む。
【0231】
生成に関する履歴情報履歴コード化を行い、デジタルアセットトークンT2の生成直後の発行者からリザーブ01への移転を履歴コード化1、リザーブ01からユーザへの移転を履歴コード化2、ユーザ間の移転を履歴コード化3、ユーザからリザーブ01への移転を履歴コード化4のように移転別に履歴コード化を行い、履歴情報として、デジタルアセットトークンT2の生成直後の発行者からリザーブ01への移転の履歴コード1を生成のトランザクションアウトプットのスクリプトへ埋め込む。
【0232】
トランザクションTRの組成完成時には、承認者によるトランザクションTRの署名の検証を含むトランザクション検証を行う。トランザクションインプットのスクリプトで指定される条件コード1(上限値、下限値)を読み込み、トランザクションTR全体で売買される第1のデジタルアセットトークン数量(T1)と、第2のデジタルアセットトークン数量(T2)との比率から第1のデジタルアセットトークンT1と、第2のデジタルアセットトークンT2との交換レートを算出し、所有権移転条件としてスクリプトに埋め込まれた、第1のデジタルアセットトークンT1がペギングする第1の法定通貨と他の通貨との市場交換レートの条件コード1(上限値、下限値)に収まるか否かを検証する。
【0233】
ここで、発行の場合に限らず、条件コード1(上限値、下限値)の指定に反しないかを検証するにあたっては、市場交換レートを取得する必要があるが、これには、例えば、予めシステム2によって、市場交換レートをトランザクション内に表示するため、統計デジタルアセットトークンをトランザクションに組み込んでおくとよい。統計デジタルアセットトークンは、デジタルメモトークンに類するトークンであり、デジタルアセットを表象するデジタルトークンではなく、デジタルアセットトークンの市場交換レート等の統計データをトランザクション内で表示するためのデジタルトークンであり、その用途から本明細書では、統計デジタルアセットトークンという。
市場交換レート統計デジタルアセットトークン(通貨記号)は、システム2において、好ましくは、第1の法定通貨は、日本円であり、前記第2の通貨は、例えば、日本国の国外の法定通貨米国ドル(USD)であるから、市場交換レート表示のため、例えば、日次で日本円(YEN)と米国ドル(USD)の市場交換レートをトランザクション内に表示するためトランザクションインプット、及びトランザクションアウトプットが追加される。
例えば、日本円と米国ドルの市場交換レートが110.50円@1ドルの場合、以下のトランザクション表記が追加される。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 統計アドレス/ 1(USD);
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 統計アドレス/ 1(USD);
予め、発行者によって、システム2には、日本円と米国ドルの市場交換レート表示のための市場交換レート統計デジタルアセットトークン(他の通貨の記号)がピアツーピア分散型台帳3に記録提供されていてよい。市場交換レート統計デジタルアセットトークン(USD)の履歴情報には、法定通貨1と他の通貨の過去1週間の市場交換レートが記録されており、通常当日の市場交換レート、例えば、スケールファクタを100として、10500を履歴情報は表示する。従って、ユーザウォレットのコンピュータ67、68からも、ノードコンピュータ65からも同一の市場交換レートが、ピアツーピア分散型台帳3上の市場交換レート統計デジタルアセットトークン(USD)によって取得可能であり、ユーザウォレットのコンピュータ67、68のストレージ媒体に格納されている命令がコンピュータ67、68のプロセッサ80によって実行されるときも、ノードコンピュータ65のストレージ媒体に格納されている命令がコンピュータ60のプロセッサ80によって実行されるときも、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 統計アドレス/ 1(USD);
トランザクションインプット2 ユーザアドレス1/ 110(T1);
トランザクションインプット3 ユーザアドレス2/ 1(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 統計アドレス/ 1(USD)
トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス1/ 1(T2);
トランザクションアウトプット3 ユーザアドレス2/ 110(T1);
のトランザクションをトランザクション単位で検証するにあたり、市場交換レート統計デジタルアセットトークン(USD)の履歴情報を参照し、法定通貨1(日本円)と米国ドル(USD)との市場交換レート110.50によって、トランザクションを検証する。統計デジタルアセットトークンによって、トランザクション表示のアーキテクチャによって市場交換レートをトランザクション検証のために提供可能である。発行者からユーザにも提供されるべき市場交換レートは、トランザクションTRの組成時にシステム2によって、例えば、ウォイレット67、68によって上記トランザクションインプット1に署名付きで初期提供されていてもよい。
トランザクションTRは、あるいは、下記の表示で提供されてもよい。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 統計アドレス/ 100(USD);
トランザクションインプット2 統計アドレス/ 10950(YEN);
トランザクションインプット3 ユーザアドレス1/ 110(T1);
トランザクションインプット4 ユーザアドレス2/ 1(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 統計アドレス/ 100(USD)
トランザクションアウトプット2 統計アドレス/ 10950(YEN);
トランザクションアウトプット3 ユーザアドレス1/ 1(T2);
トランザクションアウトプット4 ユーザアドレス2/ 110(T1)
このトランザクションTRでは、スケールファクタを100として、市場交換レート1USD@109.50が通常のトランザクション表記で表現されており、履歴情報を参照、解読せずとも市場交換レートを利用可能にし、より透明性が向上されて供されている。
この他、各ノード、ウォレットへの配信、スクリプト言語、プログラム言語が提供する限り、分散ストレージの参照、グローバル環境変数の参照によっても市場交換レートの提供は可能である。統計デジタルアセットトークンによる市場交換レートの提供は、市場交換レートが改竄から安全なこと、透明性の点で優れている。
【0234】
ステップ730では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、上記検証に合格すると、システム2は、完成トランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークシステムへブロードキャストする。
ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、ノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によってトランザクションTRが受信され、トランザクションTRの検証をトランザクションTRの組成完成時のように行い、さらに、1又は複数のトランザクションTRを蓄積後、ブロックの正当性を検証する。その後、直前のブロックへの接続権を獲得したノードコンピュータ65によって、トランザクションTRはブロックに記録され、ベースドレス00からリザーブアドレス01へのデジタルアセットトークンT2の移転として、生成トランザクションTRのピアツーピア分散型台帳3への記録が完了し、同時に履歴情報として、デジタルアセットトークンT2の生成直後の発行者からリザーブ01への移転の履歴がデジタルアセットトークンT2の生成の記録に付記される。その後、トランザクションアウトプットで指定されたリザーブアドレス01のデジタルアセットトークンT2は、次のトランザクションで未使用トランザクションインプットに使用され得る。
【0235】
こうして、ステップ700-730によって、第1のデジタルアセットトークンT1の1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで、第1のデジタルアセットトークン量の1単位にペギングされたデジタルアセットトークン量を1単位(T1)とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位(T2)の生成が記録され(SS210)、本発明の方法1のMS210ステップが当該システムステップSS210によって実行されることが理解される。
【0236】
<第2のデジタルアセットトークンT2の発行>
図18に示されるように、第2のデジタルアセットトークンT2の発行段階が開始され、ステップ800で、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2は、発行条件を受け入れる。発行条件は、例えば、発行日時、同時に発行するデジタルアセットトークンの種別と数量、その他応募者及び関係者に関心がある事項であって、デジタルアセットトークンT2のピアツーピア分散型台帳3の記録に相応しい事項を含む情報である。当該発行情報もコード化を行い、発行情報コード1(発行日、発行数量)のように発行情報コードで参照する事項とともに構造化するのが好ましい。そうすることによって、発行情報コード及びそのパラメータをトランザクションのスクリプトに埋め込むことが容易になる。
【0237】
第2のデジタルアセットトークンT2の発行と上述した法定通貨に直接ペギングされた第1のデジタルアセットトークンT1との違いは、第2のデジタルアセットトークンT2の発行では、対価を第1のデジタルアセットトークンT1とすることが可能である点である。従って、第2のデジタルアセットトークンの発行トランザクションTRは、第1のデジタルアセットトークンT1のユーザから発行者の管理するアドレス例えば、リザーブアドレス01への移転から第2のデジタルアセットトークンT2のユーザが管理するアドレスへの移転が同一のトランザクションTRに記述可能となり、第2のデジタルアセットトークンT2の引き渡しと、対価の提供とを同時に履行することを実現する利便性を提供する。
【0238】
ステップ810では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、発行者は、システム2によって、ブロックチェーンに記録されているリザーブアドレス01に帰属する未使用のトランザクションインプットを参照し、発行に利用を予定する第2のデジタルアセットトークンT2に記録されている既存の所有権移転条件を確認する。発行トランザクションTRに必要とされる所有権移転条件を付加又は更新する。
【0239】
更新又は付加が必要であれば、発行に先立ち、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更を記録する。まず、予め登録されている所有権移転条件コードが選択され、所定の条件コードパラメータとともに入力を受け入れ、次に、所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークンに記録するためのトランザクション01を自己アドレス間の振替移転として組成する。
【0240】
続いて、ステップ820で表示される移転の記録集約ステップでは、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、自己アドレス間のデジタルアセットトークンT2の移転として、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき所有権移転条件情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストする。
ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、ノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、トランザクションTRが検証され、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は、自己アドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳のブロックに記録される。これによって、当該所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の移転の記録に付記される(SS180)
【0241】
ステップ830では、ユーザは、第2のデジタルアセットトークンの発行募集に応募する準備をする。第2のデジタルアセットトークンT2のユーザ1からの発行応募の準備オペレーションがスタートし、ステップ830で、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2は、ユーザにデジタルアセットトークンT2の発行応募操作画面を表示し、プロンプト表示によってユーザから応募条件入力を促す。所有権移転条件として、応募として発行者が管理するアドレスへの応募条件コードがユーザによって選択入力され、移転の条件として移転先のアドレス、及び応募の対象である第2のデジタルアセットトークンの数量(T2)等の応募条件コードパラメータの入力をユーザから受け入れる。
【0242】
システム2は、ユーザから応募条件を受け入れると、ステップ840では、ユーザのために、ブロックチェーン上に記録されている自己の所有するデジタルアセットトークンを発行者の管理するアドレスに移転する準備をする。応募条件コード及びそのパラメータは、所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークンに記録するためのトランザクションTRが組成され、トランザクションTRはブロードキャストされる。
ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、ノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、システム2のノードコンピュータ65によって、トランザクションTRが受信されると、トランザクションTRは検証され、その後ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は記録される。
【0243】
ステップ850では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、トランザクション組成手段によって、応募のための移転トランザクションTRが組成される。ユーザ1から発行者への所有権の移転として、応募の所有権移転トランザクションTRは、例えば、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 10800(T1);
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 10800(T1)
とトランザクションTRが構成されてよく、又は、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 10800(T1);
トランザクションインプット2 リザーブアドレス01/ 100(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 10800(T1)
トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス1/ 100(T2)
とデジタルアセットトークンT2の移転もトランザクションに記述されていてもよい。
このトランザクションTRの貸借バランスを検証する時、トランザクションTR全体でのバランスを検査する。貸借バランスの差は、この例のように一種類以上のデジタルアセットトークンT1,T2が含まれるトランザクションであれば、数量は貸借で一致しないが、好ましくは、このように一のデジタルアセットトークンと、他の種類のデジタルアセットトークンT1,T2との売買トランザクションTR内では、トランザクションTR内において前記第1のデジタルアセットトークンT1への交換価値の換算後の売りと買いの貸借バランスが所定の差額範囲内に収まることを条件とするように構成されているのが好ましい。その方が、より安定した価値範囲内の取引を実現できる。貸借バランスの計算によって、交換レート換算時の差額が認識され、たとえシステム上の差額が発生しても、その差額が認識された上で僅少差額を別途所定の取り決めによって処理することを可能とすると共に、僅少差額とはならない差額が発生する場合には、取引の成立を阻み、取引の透明性、健全性をより高め、実質的なデジタルアセットトークンの交換レートをより安定させる効果を提供する。加えて、2当事者の所有権移転に係る取引の場合、一方当事者は、取引の成立を阻む所定の僅少差額を定めれば、他方当事者の自由度はその差額の範囲内において、他方当事者は取引を他の制約がない限り、成り行きに任せ決定できるように取引を構成する余地を生み出し、より取引の透明性が高まる。この例の場合、第1のデジタルアセットトークンT1への交換価値の市場交換レートが108であれば、換算後、第2のデジタルアセットトークン100(T2)は、10800(T1)に相当するから、貸借は、トランザクションインプット、トランザクションアウトプットで各々合計値が21600なり、貸借は一致する。貸借の差異は、トランザクション内部で判断され、個々のトランザクションインプットで交換レートを適用し判定しなくてもよい。
ユーザアドレスの選択されたトランザクションインプット1のデジタルアセットトークンT2のスクリプトには、ユーザ間の所有権移転条件コードとそのパラメータとしてリザーブアドレス01及び応募の対象である第2のデジタルアセットトークンの数量(T2)等の応募条件コードパラメータが埋め込まれる。
所有権移転条件は、第1の法定通貨と他の通貨との市場交換レートであれば、これを条件コード化し、ユニバーサル価格幅の上限及び下限を当該条件コードのパラメータと定義する。従って、第1の法定通貨と他の通貨との市場交換レートによるユニバーサル価格幅の上限及び下限設定されたものを条件コード化し、ユニバーサル価格幅の上限及び下限を当該条件コードのパラメータと定義する。従って、第1の法定通貨と他の通貨との市場交換レートによるユニバーサル価格幅の上限及び下限設定は、第2の通貨条件コード1(デジタルアセットトークン種別、上限値、下限値)として、所有権移転条件コードとそのパラメータがスクリプトへ埋め込まれている。
ユーザ1によって、応募トランザクションTRが組成されると、当該トランザクションはユーザ1から発行者へ送信される。
【0244】
ステップ860では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、発行者は、ユーザ1から応募の通知を受けると、システム2からユーザ1からの応募の受け入れをプロンプト表示によって促される。発行者は、ユーザ1からの第2のデジタルアセットトークンT2の応募トランザクションTRを、受け入れ、内容に同意する場合、応募トランザクションTRをさらに組成する。トランザクションTRに記録すべき付帯情報には少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2の移転の履歴を含む履歴情報が引き継がれ、好ましくは、発行情報が含まれるようにスクリプトが構成される(SS140)ようにユーザ2はトランザクションTRを構成する。ユーザ2によって、トランザクションTRが承認されると、トランザクションTRは、システム2のトランザクション検証の後、完成トランザクションTRとされる。
【0245】
ステップ870で表記される移転の記録集約ステップでは、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2によって、完成トランザクションTRは、ブロックチェーンネットワークにブロードキャストされる。
ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、当該ノードコンピュータ65によって、トランザクションTRが受信されると、ノードコンピュータ65のコンピュータ60によって、ブロックチェーンネットワークでトランザクションTRは検証され、ピアツーピア分散型台帳3に当該トランザクションが記録され、第2のデジタルアセットトークンT2のユーザ1への移転は完了し、同時に第2のデジタルアセットトークンT2の記録の付帯情報には履歴情報も記録され、同時に第1のデジタルアセットトークンT1のユーザ1から発行者への移転も完了し、応募/発行は終了する。そして、上記のとおり、本発明は、所有権移転条件付記、及び履歴情報付記及びリザーブを介する発行によって、デジタルアセットトークンの生成及び/又は発行の透明性、及び発行時の交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録をするシステムを提供する。本発明のシステムは、上記のとおり、発行するデジタルアセットトークンも対価のデジタルアセットトークンも発行トランザクションに表記可能とされ、応募から発行を統合管理可能とし、応募から発行までの透明性も提供するデジタルアセットトークンの統合システムである。
【0246】
<デジタルアセットトークンT2のユーザ間の移転>
図19に示されるように、デジタルアセットトークンT2のユーザ間の移転オペレーションがスタートすると、ステップ900では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザ2のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2は、ユーザ2にデジタルアセットトークンT2のユーザ間の移転操作画面を表示し、プロンプト表示によってユーザ2からユーザ間の移転条件入力を促す。所有権移転条件として、他ユーザ1へ移転を依頼する移転条件コードがユーザ2によって選択入力され、移転の条件として移転依頼先ユーザ1のアドレス、及び移転の対価に関する条件コードパラメータの入力をユーザ2から受け入れる。
【0247】
システム2は、ユーザ2からユーザ間の移転条件を受け入れると、ステップ910では、ユーザ2のために、ブロックチェーン上に記録されているユーザ2の所有する対価としての第1のデジタルアセットトークンT1を他のユーザ1のアドレスに移転する準備をする。ユーザ1を移転先とする移転条件コード及びそのパラメータを所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークンに記録するためのトランザクションTRを自己アドレス間の振替移転として組成する。
【0248】
続いて、ステップ920で表示される移転の記録集約ステップでは、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザ2のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、自己アドレス間のデジタルアセットトークンT1の移転として、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき所有権移転条件情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストする。
続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65のコンピュータ60によって、トランザクションTRを検証し、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は、自己アドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。これによって、当該所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T1)の移転の記録に付記される(SS180)。
【0249】
ステップ930では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザ2のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、トランザクション組成手段によって、ユーザ間移転トランザクションTRが組成される。ユーザ1からユーザ2への第2のデジタルアセットトークンT2の所有権の移転として、及び対価としてのユーザ2が所有する第1のデジタルアセットトークンT1の移転ユーザ間の所有権移転トランザクションは、例えば、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 100(T2)
トランザクションインプット12 ユーザアドレス2/ 1080(T1);
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 100(T2)
トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス1/ 1080(T1)
と、ユーザ1によって対価の第1のデジタルアセットトークンT1の移転を組み込んだトランザクションTRが構成されてよく、ユーザアドレス2の選択されたトランザクションインプット1のデジタルアセットトークンT2のスクリプトには、ユーザ間の所有権移転条件コードとそのパラメータとしてユーザアドレス2パラメータが埋め込まれる。
例えば、第2のデジタルアセットトークンT2の量の1単位(他の通貨$1(¢100))に対して、下限対価を第1のデジタルアセットトークンT1の量の1単位108(法定通貨1円(JPY)(100銭))とし、上限対価を同額とするユニバーサル価格条件が設定される。
108(T1)≦ 1(T2) ≦108(T1)
下限対価と上限対価に1円幅のスプレッドを持たせれば、
107.5(T1)≦ T2 ≦108.5(T1)
であるが、スケールファクタを100とすれば、
10750(T1)≦ 100(T2) ≦10850(T1)
と条件設定されてよい。
対価が第1のデジタルアセットトークンT1であるから、所有権移転条件は、第1の法定通貨JPYと他の通貨USDとの市場交換レートであれば、これを条件コード化し、ユニバーサル価格幅の上限及び下限を当該条件コードのパラメータと定義する。従って、第1の法定通貨JPYと他の通貨USDとの市場交換レートによるユニバーサル価格幅の上限及び下限設定されたものを条件コード化し、ユニバーサル価格幅の上限及び下限を当該条件コードのパラメータと定義する。従って、第1の法定通貨JPYと他の通貨USDとの市場交換レートによるユニバーサル価格幅の上限及び下限設定は、市場交換レート条件コード1(デジタルアセットトークン種別T2、上限値10750、下限値10850、スケールファクタ100)として、所有権移転条件コードとそのパラメータがスクリプトへ埋め込まれている。
このように、ユーザ2によって、ユーザ1の未承認のトランザクションが組成されると、当該未承認のトランザクションTRはユーザ2からユーザ1へ送信される。
【0250】
ステップ940では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザ1のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザ1は、ユーザ2からユーザ間移転の通知を受けると、システム2からユーザ2への第2のデジタルアセットトークンT2のユーザ間移転をプロンプト表示によって促される。
ユーザ1は、ユーザ2から第2のデジタルアセットトークンT2のユーザ間移転の未承認トランザクションTRを受け入れ、これをシステム2へ入力し、システム2は、ユーザ1からユーザ間の移転条件を受入れを受信すると、ユーザ1のためにブロックチェーン上に記録されているユーザ1の所有する第2のデジタルアセットトークンT2を他のユーザ2のアドレスに移転する準備をする。他ユーザ2を移転先とする移転条件コード及びそのパラメータは、所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークンT1に記録するためのトランザクションが組成され、トランザクションTRをブロードキャストする。
続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65のコンピュータ60によって、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上でトランザクションTRは検証され、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は記録される。
当該記録を確認すると、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザ1のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2は、ユーザ1によって受け入れられ、ユーザ2から受信された未承認トランザクションTRをさらに組成し、トランザクションTRに記録すべき付帯情報に少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2の移転の履歴を引き継がれるように(SS140)、ユーザ1はトランザクションTRを構成し、トランザクションTRを承認し、完成したトランザクションTRとして、ブロックチェーンネットワークにブロードキャストする。
続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65のコンピュータ60によって、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上でトランザクションTRは検証され、ピアツーピア分散型台帳3に当該トランザクションTRが記録され、同時に付帯情報として少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2の移転の履歴が履歴情報として同時に付記され、第2のデジタルアセットトークンT2のユーザ1からユーザ2への移転と、第1のデジタルアセットトークンT1のユーザ2からユーザ1への移転とは、1つのトランザクションTRで同時履行され、デジタルアセットトークンT2のユーザ間の移転は完了する。
【0251】
本実施形態に係るシステムによって、他通貨へペギングされた追加のデジタルアセットトークンを提供するシステムが提供される。他通貨へペギングされた当該デジタルアセットトークンは第1のデジタルアセットトークンがペギングされている第1の法定通貨に対する所定の他通貨の市場交換レートに所定の価格幅の価値を対価として生成される第2のデジタルアセットが発行されるとき、加えて、発行後の移転時にも所有権移転条件の設定によって、当該ペギングは持続的に維持される。こうして、本発明のデジタルアセットトークンの利用場面を他通貨が流通する市場へ展開することを可能とし、他通貨との網目状の関連性の表示、交換価値の連携は、より透明で、より安定的なデジタルアセットトークンの交換価値を提供可能とするシステムが提供される。
【0252】
<他通貨へペギングされたデジタルアセットトークンT2の償還>
図20に示されるように、第2のデジタルアセットトークンT2の償還が開始されると、ステップ1000では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、システム2は、ユーザから償還トランザクションTRに必要とされる所有権移転条件を受け入れる。所有権移転条件は、例えば、償還の対価が償還条件で固定交換レートにされていれば、その固定交換レート又は固定のデジタルアセットトークンT2の量の単位(T2)に対するデジタルアセットトークンT1の数量(T1)、所有権移転条件を適用すべき時間窓である。
【0253】
ステップ1010では、引き続き、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザから償還トランザクションTRに必要とされる所有権移転条件を受け入れると、ユーザのために、ブロックチェーン上に記録されているそのユーザの所有する第2のデジタルアセットトークンT2を償還する準備をする。償還条件コード及び対価の支払に関するパラメータが埋め込まれる。所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳3の第2のデジタルアセットトークンT2に記録するためのトランザクションTRを自己アドレス間の振替移転として組成する。
【0254】
続いて、ステップ1020で表示される「記録」集約ステップでは、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、自己アドレス間のデジタルアセットトークンT2の移転として、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき所有権移転条件情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストする。
続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65のコンピュータ60によって、、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上でトランザクションTRは検証され、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は、デジタルアセットトークンT2の自己アドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。これによって、当該所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の移転の記録に付記される(SS180)。
【0255】
ステップ1030では、システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令がユーザのオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、ユーザによって、償還トランザクションTRが組成される。トランザクション組成手段によって、ユーザから発行者への所有権の移転として、償還トランザクションは、例えば、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス2/ 100(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 100(T2)
とトランザクションTRが構成される。
【0256】
ステップ1040の「記録」集約ステップの実行によって、発行者によって償還処理がユーザアドレスからリザーブアドレス01へのデジタルアセットトークンT2の移転としてピアツーピア分散型台帳3に記録される。システム2のコンピュータ60のストレージ媒体84に格納されている命令が発行者のオペレーションによってプロセッサー80によって実行されるとき、発行者は、システム2から償還請求の通知を受けると、トランザクションTRを受入れ、償還の所有権移転条件を所定の償還条件に適合するか否かを検証する。ユーザ1から払い込まれたデジタルアセットトークンT1が供託管理されていれば、供託アドレス03からユーザ2へデジタルアセットトークンT1がこのトランザクションTRで同時に払い戻しされてよい。この場合、未完成トランザクションTRは以下のように完成される。
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス2/ 100(T2);
トランザクションインプット2 供託アドレス03/ 10800(T1)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 リザーブアドレス01/ 100(T2);
トランザクションインプット1 ユーザアドレス2/ 10800(T1)
となる。本例では、発行レートで償還されているが、償還額は、必ずしも払い込み金額に一致しなくてもよく、9000(T1)でもよい。
トランザクションTRは、システム2によってトランザクション検証される。償還を請求するユーザの想定されている償還条件が所有権移転条件にユーザによって設定されているので、検証によって、双方の意思表示の合致が検証できる。その後、発行者は、さらに、少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2の移転の履歴を含む履歴情報は付帯情報として引き継がれるように、トランザクションTRを組成し、未承認トランザクションTRを承認する。完成したトランザクションTRとして、発行者のオペレーションによって、ピアツーピア分散型台帳ネットワークにブロードキャストされる。
続いて、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、システム2に含まれるノードコンピュータ65(図示せず、
図11参照)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65のコンピュータ60によって、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上でトランザクションTRは検証され、ピアツーピア分散型台帳3に当該トランザクションTRが記録され、同時に少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2への移転が履歴情報としてトランザクションTRの移転の記録に付記され、デジタルアセットトークンTRの償還は完了する。
【0257】
こうして、プロセッサー80と、コンピュータ60が実行する命令が格納され、コンピュータ60によって読み取り可能なストレージ媒体84とを含み、当該命令は当該プロセッサー80によって実行されるとき、
デジタルアセットトークン量の1単位の生成(T)をピアツーピア分散型台帳に記録し、
生成後の当該デジタルアセットトークンTの所有権の移転の記録に際し、デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけされた所有権移転条件を検証し、
当該移転後の前記デジタルアセットトークン量の1単位(T)に関連づけられるべき所有権移転条件を付加又は更新し、
前記所有権移転条件は、前記デジタルアセットトークンの量の1単位(T)と所定の法定通貨との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を含み得るものであり、
前記所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位(T)の移転とともにピアツーピア分散型台帳に記録され、
当該移転の記録には、さらに、デジタルアセットトークンTの生成直後の発行者からリザーブ01への移転、リザーブ01からユーザへの移転、ユーザ間の移転、ユーザからリザーブ01への移転の記録のうち少なくとも発行者からリザーブ01への移転履歴を含むピアツーピア分散型台帳ベースのデジタルアセットトークンシステム2であって、当該デジタルアセットトークンシステム2によって生成された第1のデジタルアセットトークン(T1)に関し、前記第1のデジタルアセットトークン量の1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し、他の通貨に関連づけれられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交換レートで、前記第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)にペギングされたデジタルアセットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位(T2)の生成の記録をピアツーピア分散型台帳3に記録し、同時にペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)に対する前記第2のデジタルアセットトークン量(T2)の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅に移転対価を制限するように構成された前記所有権移転条件情報をピアツーピア分散型台帳3に記録し、同時に少なくともリザーブ01へのデジタルアセットトークンT2の移転履歴情報ををピアツーピア分散型台帳3に記録し、デジタルアセットトークンシステムのSS110-SS190及びSS210-SS230システムステップによって、生成、発行、ユーザ間移転及び償還の方法1のMS110-190及びMS210-230が実行される態様がここに開示されている。こうして、償還後にデジタルアセットトークン自体に参照可能に表示される履歴の記録及び償還価格に関し、法定通貨にペギングされる制約条件の記録も可能であり、償還価格の透明性が向上され、加えて償還価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がより安定なデジタルアセットトークンのための統合システムが提供される。本発明のシステムは、上記のとおり、償還するデジタルアセットトークンも対価のデジタルアセットトークンも償還トランザクションに表記可能とされ、償還の全過程を統合管理可能とし、償還の透明性を提供するデジタルアセットトークンの統合システムである。従って、本発明は、所有権移転条件付記、及び履歴情報付記及びリザーブを介する発行及びリザーブへの償還によって、デジタルアセットトークンの生成、発行、ユーザ間の移転及び償還時、デジタルアセットトークンの全ライフサイクル及び償還後の売出しを含む再循環にわたる透明性及び交換価値の安定性を向上するピアツーピア分散型台帳への記録システムを提供する。
【0258】
本開示によって、履歴の記録及び制約条件の記録によって透明性が向上され、価格が所定の法定通貨の価格変動幅に制限される仕組みによって、交換価値がステーブルなデジタルアセットトークンの生成、発行、売買移転のピアツーピア分散型台帳への記録する統合システムが提供される。
【0259】
[デジタルアセットトークン統合システム2によって提供される相対取引約定による分散交換取引システム]
図21は、本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークンシステム2が提供する相対取引によるデジタルアセットトークン分散交換取引の機能構成を説明する概要模式図である。
図22は、本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークンシステム2が提供する相対取引によるデジタルアセットトークン分散交換取引のシステムフローチャートである。
【0260】
本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークン統合システム2は、
図12のシステム構成のコンピュータ60を含み、ユーザ1及びユーザ2のためのユーザ端末用の追加のコンピュータ60(
図21に図示せず)を含み、当該追加のコンピュータ60は読み取り可能なストレージ媒体84を含み、当該追加のコンピュータ60のストレージ媒体84はウォレット67、68のための追加の命令を含み、当該命令は、ユーザの操作画面を表示するためにプロセッサー80によって実行されるとき、
図22に示されるように、ステップ1900では、ユーザ2の操作画面が表示され、所有権移転条件の売板設定のため売却対象とすべきデジタルアセットトークンT2の所有権移転条件として、当該デジタルアセットトークン量の1単位(T2)に、法定通貨1にペギングされた第1のデジタルアセットトークンの量(T1)の所定の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅内で、第1のデジタルアセットトークン量(T1)との移転対価の上限及び下限を含む個別指定価格幅で制限する売却価格とする所有権移転条件がユーザ2によって設定される。この設定によって、所有権移転条件として、第1のデジタルアセットトークン量との移転対価の上限及び下限を個別指定価格幅の制限は、制限が加えら得た第1のデジタルアセットトークン自体の表示に現れ、ネットワーク参加者に情報が開示され、売却の気配値がいずれかの取引仲介者あるいは特定の取引所参加者によってのみ把握されるのではなく、広くピアツーピア分散型台帳ネットワークに情報が開示される。分散取引をより確実に実行するためデジタルアセットトークンの売却希望移転価格を取引前にロックすることによって、取引希望時に即時に一方の購買希望者は、申し込みのオペレーションのみで取引を確定させることを可能とし、売却希望移転価格がブロックチェーンに表示されることによって、市場価格の形成の透明性が高まり、取引の健全性が高まり、デジタルアセットトークン市場交換レートの安定性が高まる効果を期待できる。
【0261】
移転価格ロック条件コード(ロック価格下限、ロック価格上限、時間窓)をピアツーピア分散型台帳3に記録するために、売却対象とすべきデジタルアセットトークンT2のユーザは、トランザクション組成手段によって、以下のトランザクションTR、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス2/ 100(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 100(T2);
を組成し、当該トランザクションTRのユーザアドレス2の選択されたトランザクションインプット1のデジタルアセットトークンT2のスクリプトには、所有権移転条件を設定するために、移転価格ロック条件コード及びそのパラメータ(ロック価格下限、ロック価格上限、時間窓)が埋め込まれると、次に、当該所有権移転条件の記録のためのトランザクションTRは、自己アドレス間、すなわち、ユーザアドレス2間の振替移転として組成される。引き続き、トランザクションTRは、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワークへブロードキャストされる。
【0262】
続いて、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65(図示せず)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、トランザクションTRは、ピアツーピア分散型台帳ネットワークでノードコンピュータ65のコンピュータ60によってトランザクション検証され、当該変更は、自己アドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。ピアツーピア分散型台帳3に所有権移転条件が記録され、トランザクションインプット1のユーザアドレス2に帰属するデジタルアセットトークンT2の100(T2)は、パラメータ(ロック価格下限、ロック価格上限、時間窓)で指定された第1のデジタルアセットトークン量(T1)との移転対価の上限及び下限を含む個別指定価格幅で制限されるように構成される。
【0263】
ステップ2000では、ユーザ1の操作する画面に向けて、デジタルアセットトークンの相対取引入力画面を表示し、一のデジタルアセットトークンT2の量の1単位(T2)の買板価格108円、及び数量100(T2)を含む購入品目条件に加え、購入の対価として当該デジタルアセットトークンT2の交換価値に相当するユーザ1の保有する他のデジタルアセットトークン、例えば、デジタルアセットトークンT1の選択を促すプロンプトを表示する。
【0264】
ステップ2010では、システム2は、ユーザ1の操作画面から購入条件の108円の買板を受入れ、当該ウォレットアプリケーションプログラム命令87が実行されるコンピュータ60のメモリ81上に蓄積する。
【0265】
ステップ2020では、ユーザ1のウォレット67のプロセッサー80によって命令が実行されるとき、メモリ81上に蓄積された前記一のデジタルアセットトークンT2の購入条件の買板と、ピアツーピア分散型台帳3上の売板設定された前記一のデジタルアセットトークンT2とのマッチングによって購入の申し込み対象とすべき前記一のデジタルアセットトークンT2の売板と、その所有者であるユーザ2とを特定し、これらの検索結果を第1のユーザ画面に表示する。
【0266】
ステップ2025では、ユーザ1の操作する画面を介して、他のデジタルアセットトークンT1に所有権移転条件として、第1のデジタルアセットトークン量の1単位(T1)と、第2のデジタルアセットトークン量(T2)との交換価値を所定のユニバーサル時刻におけるスナップショット交換レートによって固定された売却価格とする所有権移転条件を設定するために、移転価格スナップショットロック条件コード(ロック価格、スナップショットユニバーサル時刻、売却先アドレス)をピアツーピア分散型台帳3に記録するため、トランザクション組成手段によって、以下のトランザクション、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 10800(T1);
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス1/ 10800(T1)
を組成する。当該トランザクションTRのユーザアドレス1の選択されたトランザクションインプット1のデジタルアセットトークンT1のスクリプトには、所有権移転条件を設定するために、移転価格スナップショットロック条件コード及びそのパラメータ(ロック価格、スナップショットユニバーサル時刻、売却先アドレス)が埋め込まれている。買板価格108円、及び数量100(T2)に対して、デジタルアセットトークンT1が選択され、デジタルアセットトークン100(T2)に対して、デジタルアセットトークン1(T1)について1円のレートにスナップショット交換レートは設定され、対価は10800(T1)と設定される。
【0267】
移転価格スナップショットロック条件コードの設定によって、購入希望者の交換対価とされるデジタルアセットトークンの第1のデジタルアセットトークンとの交換価値を取引の事前にロックすることを可能とし、購入希望者は売却希望者が求める第1のデジタルアセットトークン、上記で10800(T1)との交換価値に相当する第2のデジタルアセットトークンの量100(T2)をより確実に取得し、かつ、取引時の市場交換レートに影響されることなく取引を購入希望者の意思としては、購入申し込みのオペレーションのみで取引を確定させることを可能とし、取引成立がより簡便になり、取引市場を活性化し、デジタルアセットトークン市場交換レートの安定性が高まる効果を期待できる。引き続き、トランザクションTRは、ブロックチェーンネットワークへブロードキャストされると、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65(
図12参照、
図21に図示せず)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、トランザクションが検証され、ピアツーピア分散型台帳3に所有権移転条件が記録される。
【0268】
ステップ2030では、引き続き、ユーザ1の操作する画面を介して、ユーザ間の売買取引の未完成トランザクションTR組成手段によって、前記一のデジタルアセットトークンT2の移転と、対価に対応するユーザ1が所有する他のデジタルアセットトークンT1の移転とを含むユーザ間の売買取引の未完成トランザクションTRは、
トランザクションTR
トランザクションインプット:
トランザクションインプット1 ユーザアドレス1/ 10800(T1);
トランザクションインプット2 ユーザアドレス2/ 100(T2)
トランザクションアウトプット:
トランザクションアウトプット1 ユーザアドレス2/ 10800(T1);
トランザクションアウトプット2 ユーザアドレス1/ 100(T2)
を組成し、通信手段を介してユーザ1の操作するウォレットアプリケーションプログラム命令87が実行されるコンピュータ67からユーザ2のウォレットアプリケーションプログラム命令87が実行されるコンピュータ68に向け当該未完成トランザクションを含む購入申し込みを送信し、ユーザ2からの返信を待つ。
【0269】
ステップ2040では、ユーザ2のウォレット68のプロセッサー80によって命令87が実行されるとき、ユーザ2は、ユーザ1からの購入申し込みの通知を受信すると、ユーザ2のウォレットアプリケーションプログラムの命令87によって表示された前記一のデジタルアセットトークンT2の相対取引承認入力画面を介して、ユーザ1から送られた前記未完成トランザクションTRを含む購入申し込みを受入れ、当該未完成トランザクションTRが指定するユーザ1によって売板設定され、支払手段としての他のデジタルアセットトークンT1の移転と、ユーザ2によって売板設定されている前記一のデジタルアセットトークンT2の移転とを含むユーザ1、2間の売買取引のトランザクションTRを承認し、当該承認後の売買取引のトランザクションTRをユーザ1に返信する。
【0270】
ステップ2050では、ユーザ2のウォレット68のプロセッサによってプログラム命令87が実行されるとき、相対取引によるデジタルアセットトークンT1,T2の移転のトランザクションTRがピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワークへブロードキャストされる。
【0271】
ステップ2060では、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65(
図12参照、
図21に図示せず)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、トランザクションTRが検証され前記ピアツーピア分散型台帳3にデジタルアセットトークンT1,T2の移転が記録される。
【0272】
ピアツーピア分散型台帳3への記録が、直ちに記録されない場合には、ユーザ1のウォレット67のプロセッサによってプログラム命令87が実行され、相対取引によるデジタルアセットトークンT1,T2の移転のトランザクションTRがピアツーピア分散型台帳のブロックチェーンネットワークへブロードキャストされ、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65(
図12参照、
図22に図示せず)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ノードコンピュータ65によってトランザクションTRが検証され、ピアツーピア分散型台帳3にT1,T2が記録されてもよい。
【0273】
本実施形態に係るシステム2によって、相対取引約定を実現可能とする分散取引システム(以下でDEX(Distributed EXchange)とも記載する)が提供され、ユーザ同士によって、仲介者のオペレーションを排し取引実現を可能とし、仲介者の相場操縦の機会を減じ、市場交換レートの安定化を一層図ることが期待され、交換手数料も実質的にほぼ無償にすることも可能とし、デジタルアセットトークンの流通をより活発にし、より透明で、よりボラティリティーの低い安定な取引価格を提供する効果を得られる。
【0274】
[デジタルアセットトークンTの分散板取引システム]
図23は、本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークン統合システム2が提供するデジタルアセットトークンTの板取引の分散取引構成機能フローを説明する概要図である。
図24は、本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークン統合システム2が提供する板取引によるデジタルアセットトークン分散交換取引のシステムフローチャートである。
【0275】
本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークン統合システム2は、さらに、前記ストレージ媒体84(
図12参照、
図23に図示せず)に板取引プログラム命令87(
図12参照、
図23に図示せず)のための追加の命令を含み、さらに購入ユーザ1が操作するためのユーザ1端末用の追加のウォレット67(
図11参照)、及び売却ユーザ2が操作するためのユーザ端末2用の追加のウォレット68(
図11参照)を含み、当該追加のウォレットのためのコンピュータ60は読み取り可能なストレージ媒体84を含み、当該追加のコンピュータ60のストレージ媒体84はウォレットアプリケーションプログラム87のための追加の命令を含み((
図12参照)、当該追加の命令は、ユーザの操作画面を表示するためにプロセッサー60によって実行されるとき、
図24に示されるように、ステップ3000では、デジタルアセットトークンT2の板取引申し込み画面を購入ユーザ1が操作する画面へ表示する。
【0276】
ステップ3010では、購入希望者ユーザ1(以下で、購入希望者1ともいう)のウォレット67のプロセッサによってプログラム命令87が実行されるとき、一のデジタルアセットトークンT2の量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件の指定と、購入の対価として当該デジタルアセットトークンT2の交換価値に相当する自己の保有する他のデジタルアセットトークンT1の選択を促すプロンプトを当該ユーザ1画面に表示する。
【0277】
ステップ3020では、引き続き、購入ユーザ1の買板条件を含む購入申し込みの入力を当該ユーザ1画面から受け入れ、板取引アプリケーションプログラム命令87が実行される前記コンピュータ60(
図23に図示せず)へ送信する。
【0278】
ステップ3020の実行に先立ち、ステップ3015で、購入希望者1のウォレット67のプロセッサによってプログラム命令87が実行されるとき、予め購入希望者1は、購入の対価として当該デジタルアセットトークンT2の交換価値に相当する自己の保有する他のデジタルアセットトークンT1について、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーン上に記録されている自己の所有のデジタルアセットトークンT1の未使用トランザクションに所有権移転条件の売板設定が付記されていない場合に、ユニバーサル価格の制約条件範囲内で、買板条件の対価に相当する売板設定をピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーン上で当該デジタルアセットトークンT1に記録するための、売板設定トランザクションTRを組成し、トランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストする。ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65(
図12参照、
図23に図示せず)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、トランザクションTRが検証され、ピアツーピア分散型台帳3に記録されると、同時にデジタルアセットトークンT1の売板設定の所有権移転条件がデジタルアセットトークンT1の未使用トランザクションに付記される。
【0279】
ステップ3030では、板取引プログラム命令87を実行するコンピュータ60(
図23に図示せず)のプロセッサ80によって、板取引プログラム命令87を実行するとき、購入ユーザ1の買板条件を含む購入申し込みが受信されると、当該購入申し込みはメモリ81(
図23に図示せず)上に蓄積される。
【0280】
ステップ3040において、板プログラム命令87を実行するコンピュータ60のプロセッサ80によって、板プログラム命令87が実行されるとき、コンピュータ60によって売却ユーザ2の売板条件を含む売却申し込みが受信されると、当売却申し込みは、当該コンピュータ60のメモリ81上に蓄積される。
【0281】
ステップ3040の実行に先立ち、ステップ3035で、売却希望者2のウォレット68のプロセッサによってプログラム命令87が実行されるとき、予め売却希望者2は、自己の保有する売却対象のデジタルアセットトークンT2について、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーン上に記録されているトランザクションインプットに所有権移転条件の売板設定が付記されていない場合には、ユニバーサル価格の制約条件範囲内で、希望する売板設定をピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で当該デジタルアセットトークンT2に記録するためのトランザクションTRを組成し、トランザクションTRをピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワークへブロードキャストする。
ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワーク上で、ノードコンピュータ65(
図12参照、
図23に図示せず)のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ブロードキャストが受信されると、トランザクションTRが検証され、ピアツーピア分散型台帳3にデジタルアセットトークンT2の未使用トランザクションにが記録され、売板設定が同時に記録される。
【0282】
ステップ3050では、板取引プログラムが実行されるコンピュータ60のプロセッサ80によって板取引プログラム命令87が実行されるとき、蓄積された買板と、蓄積された売板とのマッチングが実行される。
【0283】
マッチングが成功すると、板取引プログラム命令87が実行されるコンピュータ60のプロセッサ80によって板取引プログラム命令87がさらに、実行されるとき、ステップ3060では、売却ユーザ2の一のデジタルアセットトークンT2の移転と、購入ユーザ1の買板の対価として、購入ユーザ1によって売板設定された他のデジタルアセットトークンT1の移転とを含むユーザ1-2間の売買取引のトランザクションTRを、売買取引のトランザクション組成手段によって組成する。
【0284】
ステップ3070では、引き続き、ステップ3060で組成されたトランザクションTRはピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワークへブロードキャストされる。
【0285】
ステップ3080では、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ブロードキャストが受信されると、ブロックチェーンネットワーク上でトランザクションTRが検証され、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに板取引によるデジタルアセットトークンT1,T2の移転が記録される。
【0286】
実施形態に係るシステム2によって、板取引約定を実現する分散取引システム(DEX)が提供され、売買申込みのシステム登録を前提とし、板取引によるデジタルアセットトークンの移転がDEXシステムによって、ピアツーピア分散型台帳に記録されるシステムが提供される。ユーザには、リアルタイムの板取引約定情報を参照しつつ、デジタルアセットトークン交換取引を実行できる利便性が提供され、交換業者には、より簡便にデジタルアセットトークン交換取引機能を提供することが可能となり、交換価値実現方法のバリエーションを豊かにする効果を提供し、より透明な市場形成を可能とし、取引の活発化によってボラティリティーのより低い、より安定な取引価格を提供可能とする。
【0287】
[デジタルアセットトークンTの板取引の寄せ情報提供と相対取引のミックス取引提供システム]
図25は、デジタルアセットトークン交換の板取引の寄せ情報提供のための構成機能フローと相対取引のミックス取引の提供を説明する概要図である。
図26は、本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークン統合システム2が提供する板取引によるデジタルアセットトークン分散交換板取引の寄せ情報提供のための構成機能フローと相対取引のミックス取引システムフローチャートである。
【0288】
本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークン統合システム2は、さらに前記ストレージ媒体84に板取引プログラムのための追加の命令87を含み、さらに、購入ユーザ1が操作するためのユーザ端末用の追加のウォレット67の動作のためのコンピュータ60、及び売却ユーザ2が操作するためのユーザ端末用の追加のウォレット68の動作のためのコンピュータ60を含み、当該追加のコンピュータ60は読み取り可能なストレージ媒体84を含み、当該ストレージ媒体84はウォレットアプリケーションプログラムのための追加の命令87を含み、当該命令87は、ユーザ1の操作画面を表示するためにプロセッサー80によって実行されるとき、
図26に示されるステップ4000では、デジタルアセットトークンT2の板取引申し込み画面を購入ユーザ1が操作する画面へ表示する。
【0289】
ステップ4010では、引き続き、ユーザ1の操作画面を表示するウォレット67のコンピュータ60のプロセッサ80がストレージ媒体84に格納された命令87を実行するとき、一のデジタルアセットトークンの量の1単位(T2)の買板価格及び数量(T2)を含む購入品目条件の指定と、購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する自己の保有する他のデジタルアセットトークンT1の選択を促すプロンプトを当該ユーザ1画面に表示する。
【0290】
ステップ4030では、ステップ4010に引き続き、ユーザ1の操作画面を表示するウォレット67のコンピュータ60のプロセッサ80がストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、購入ユーザ1の買板条件を含む購入申し込みの入力を当該ユーザ1画面から受け入れ、板取引アプリケーションプログラム命令87が実行されるコンピュータ60(図示せず)への送信を実行する。
【0291】
ステップ4030の実行に先立ち、ステップ4020は、ステップ4010に引き続き、購入希望者ユーザ1の操作画面を表示するウォレット67の構成コンピュータ60のプロセッサ80がストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、予め購入の対価として当該デジタルアセットトークンT2の交換価値に相当する自己の保有する他のデジタルアセットトークンT1について、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーン上の自己の所有のデジタルアセットトークンT1の未使用トランザクションに所有権移転条件の売板設定が付記されていない場合には、購入希望者1はユーザ操作画面によって、ユニバーサル価格の制約条件範囲内で、買板の対価に相当する売板設定を自己の保有する他のデジタルアセットトークンT1に行う。すなわち、売板設定条件コード及びそのパラメータは、所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークンT1に記録するためのトランザクションTRを自己アドレス間の振替移転として組成し、自己アドレス1間のデジタルアセットトークンTRの移転として、ピアツーピア分散型台帳3に記録すべき所有権移転条件情報を含むトランザクションTRをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストする。
ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ブロードキャストを受信するとトランザクションTRを検証し、所有権移転条件変更は、自己アドレス間のデジタルアセットトークンT1移転の記録と同時にピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。当該所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記される結果となる(SS180)。
【0292】
ステップ4040では、板取引プログラム命令87をメモリ81に格納するコンピュータ60(図示せず)のプロセッサ80によって、板取引プログラム命令87が実行されるとき、購入ユーザ1の買板条件を含む購入申し込みが受信されると、当該購入申し込みはメモリ上81に蓄積される。
【0293】
ステップ4060では、板取引プログラム命令87をメモリ81に格納するコンピュータ60(図示せず)のプロセッサ80によってストレージ媒体84に格納された命令が実行されるとき、売却ユーザ2の売板条件を含む売却申し込みが受信されると、当売却申し込みはメモリ81上に蓄積される。
【0294】
ステップ4050で、ステップ4060の実行に先立ち予め売却希望者は、ユーザ操作画面を表示するウォレット68の構成コンピュータ60のプロセッサ80がストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、自己の保有する売却対象のデジタルアセットトークンT2について、ピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーン上に所有権移転条件の売板設定が付記されていない場合には、ユニバーサル価格の制約条件範囲内で、買板の対価に相当する売板設定を自己の保有するデジタルアセットトークンT2に行う。すなわち、売板設定条件コード及びそのパラメータを所有権移転条件として、ピアツーピア分散型台帳3のデジタルアセットトークンT2に記録するためのトランザクションTRを自己アドレス間の振替移転として組成する。次に、ピアツーピア分散型台帳に記録すべき所有権移転条件情報を含むトランザクションをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストする。ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ブロードキャストを受信するとトランザクションTRを検証し、ピアツーピア分散型台帳3に当該変更は、自己アドレス間の移転の記録として、ピアツーピア分散型台帳3のブロックに記録される。当該所有権移転条件は当該デジタルアセットトークンの量の1単位の移転の記録に付記される。
【0295】
ステップ4070では、板取引プログラム命令87をメモリ81に格納するコンピュータ60(図示せず)のプロセッサ80によってストレージ媒体84に格納された命令が実行されるとき、前記蓄積された買板と、前記蓄積された売板とのマッチングが実行される。マッチングが成功すると、双方のユーザの前記売板設定がされたデジタルアセットトークンT1,T2のアドレス情報を取得し、双方のユーザへ相手方の売板情報を送信する。
【0296】
ステップ4080では、ユーザ操作画面を表示するウォレット67又は68の構成コンピュータ60のプロセッサ80がウォレットプログラム命令87を実行するとき、ユーザ1、2いずれかのユーザによって、デジタルアセットトークンの相対取引入力画面の表示要求が入力されると、当該ユーザの操作する画面に向けて、デジタルアセットトークンの相対取引入力画面を表示するステップ2000が開始され、相対取引が開始される。ステップ2000以降の処理に従い、ユーザ1またはユーザ2によって、相対取引によるデジタルアセットトークンの移転のトランザクションがピアツーピア分散型台帳3のブロックチェーンネットワークへブロードキャストされる。ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ65のプロセッサ80がノードコンピュータ65のストレージ媒体84に格納された命令を実行するとき、ブロードキャストを受信するとトランザクションTRを検証し、ピアツーピア分散型台帳3にT1,T2の移転が記録される。
【0297】
本実施形態に係るシステム2によって、買板の売板の寄せまでの情報をDEX板寄せ情報提供システムによって提供し、約定は相対取引システム機能に連携し実現する手段が提供される。板取引DEXの情報の取得によって約定の機会を向上し、取引の実行はユーザオペレーションによって実現するため、取引の成立は買い手、売り手の二者となり、当事者を最低限に絞り取引を簡単にするという板取引と相対取引の各々の効果をミックスした効果を提供でき、デジタルアセットトークン自体に記録された売板情報をベースとする、よりオープンな板寄せ情報提供によって、より透明な取引を実現でき、取引量の活発化によって、より安定したデジタルアセットトークンの市場形成が可能となる。
【0298】
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は係る実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。実施例に記載された構成の一部は、他の実施例部分構成に組み合わせて再構成可能であり、一の実施例に記載された形態のみに本発明の態様は限定されるものではない。ここに記載された実施形態に描かれ、実施形態は、かなり詳細に記載されているが、出願人は、この記載によって添付する特許請求の範囲をいかようにも制限、限定する意図はない。追加の利点や修正は、当業者に理解され、一つの実施形態に記載された要素は、他の実施形態にも採用可能である。したがって、発明は、広い面で、特定の詳細事項に限定されず、各々の機器と実施例が示され、記載されている。したがって、出願人の一般的発明概念の精神とスコープから乖離せず、これらの詳細に記載された事項から離れることもあり得る。
【産業上の利用可能性】
【0299】
デジタルアセットトークンの生成、発行、売買、仲介、交換業務、商人の取引決済、商店の商品役務の支払手段に使用可能である。
【符号の説明】
【0300】
1 本発明の一実施形態に係るデジタルアセットトークンの生成、発行、及び償還の方法
2 デジタルアセットトークン統合システム
3 ピアツーピア分散型台帳
00 ベースアドレス
01 リザーブアドレス
03 供託アドレス
200 生成条件受入れステップ
210 所有権移転条件/履歴条件受入ステップ
220 トランザクション組成ステップ
230 トランザクションブロードキャストステップ
240 トランザクション検証ステップ
250 ブロック検証ステップ
260 ピアツーピア分散型台帳記録’ステップ
270 記録集約ステップ
300 発行条件受入ステップ
310 所有権移転条件/履歴条件更新ステップ
320 記録集約ステップ
330 トランザクション組成ステップ
340 記録集約ステップ
400 ユーザ間移転条件受入ステップ
410 所有権移転条件/履歴条件更新ステップ
420記録集約ステップ
430トランザクション組成ステップ
440 記録集約ステップ
500 償還条件受入ステップ
510 所有権移転条件更新ステップ
520 記録集約ステップ
530 トランザクション組成ステップ
540 記録集約ステップ
700 生成条件受入ステップ
710 所有権移転条件更新ステップ
720 トランザクション組成ステップ
730 記録集約ステップ
800 発行条件受入れステップ
820 記録集約ステップ
810 所有権移転条件更新ステップ
830 応募条件の受入ステップ
840 応募準備ステップ
850 トランザクション組成ステップ
860 応募の受入ステップ
870 記録集約ステップ
900 ユーザ間移転条件受入ステップ
910 所有権移転条件変更ステップ
920 記録集約ステップ
930 トランザクション組成ステップ
940 記録集約ステップ
1000 償還条件受入れステップ
1010 所有権移転条件更新ステップ
1020 記録集約ステップ
1030 トランザクション組成ステップ
1040 記録集約ステップ
1900 T1の売板設定ステップ
2000 相対取引購入条件入力ステップ
2010 買板の蓄積ステップ
2020 売板検索表示ステップ
2025 移転価格スナップショットロックステップ
2030 未完成トランザクションの組成ステップ
2040 トランザクション承認ステップ
2050 トランザクションブロードキャストステップ
2060 記録ステップ
3000 板申込画面表示ステップ
3010 購入条件入力画面表示ステップ
3015 購入対価T1の売板設定ステップ
3020 T2購入申込受付ステップ
3030 T2買板蓄積ステップ
3035 売却デジタルアセットトークンT2の売板設定
3040 売板蓄積ステップ
3050 売板買板マッチングステップ
3060 トランザクションの組成ステップ
3070 ブロードキャストステップ
3080 記録
4000 板申込み画面表示ステップ
4010 購入条件入力画面表示ステップ
4020 購入対価T1の売板設定ステップ
4030 T2購入申込受付ステップ
4040 T2買板蓄積ステップ
4050 売却デジタルアセットトークンT2の売板設定
4060 T2売板蓄積ステップ
4070 売板買板マッチングステップ
4080 相対取引入力画面表示要求ステップ
START フロー開始
END フロー終了
ST1 生成段階
ST2 発行段階
ST3 売買段階
ST4 償還段階
M100 T1生成の方法
M200 T1発行の方法
M300 T1売買の方法
M400 T1償還方法
M101 T2生成の方法
M201 T2発行の方法
M301 T2売買の方法
M401 T2償却の方法
MS110 デジタルアセットトークン生成の記録方法ステップ
MS120 所有権移転条件付加又は更新方法ステップ
MS130 法定通貨へのペギング条件設定方法ステップ
MS140 履歴情報設定方法ステップ
MS150 トランザクションのブロードキャスト方法ステップ
MS160 検証方法ステップ
MS170 移転の記録方法ステップ
MS180 所有権移転条件の記録方法ステップ
MS190 履歴情報の記録方法ステップ
MS210 第2デジタルアセットトークン生成記録方法ステップ
MS220 第2デジタルアセットトークン所有権移転条件付加又は更新方法ステップ
MS230 第2デジタルアセットトークン所有権移転条件設定方法ステップ
SS110 デジタルアセットトークン生成の記録システムステップ
SS120 所有権移転条件付加又は更新システムステップ
SS130 法定通貨へのペギング条件設定システムステップ
SS140 履歴情報設定システムステップ
SS150 トランザクションのブロードキャストシステムステップ
SS160 検証システムステップ
SS170 記録システム法ステップ
SS180 所有権移転条件の記録システムステップ
SS190 履歴情報の記録システムステップ
SS210 第2デジタルアセットトークン生成記録システムステップ
SS220 第2デジタルアセットトークン所有権移転条件付加又は更新システムステップ
SS230 第2デジタルアセットトークン他通貨ペギング条件システムステップ
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルアセットトークン(T)をピアツーピア分散型台帳に記録するためのシステム
であって、
すべての取引が記録される元帳としてのピアツーピア分散型台帳と、
取引を当該ピアツーピア分散型台帳に記録するためのトランザクションデータ構造と、ピ
アツーピア分散ネットワーク上にあってデジタルアセットトークン(T)をピアツーピア
分散型台帳に記録するための当該データ構造から成るトランザクションを組成し、当該ネ
ットワークにトランザクションをブロードキャスト送信する一のコンピュータ装置と、
当該ピアツーピア分散ネットワーク上にあって当該ブロードキャストを受信し、当該トラ
ンザクションを検証し、ピアツーピア分散型台帳に記録する他のコンピュータ装置と、
を含むデジタルアセットトークン統合システムであって、
当該デジタルアセットトークン統合システムを構成するコンピュータ装置は、プロセッ
サと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なス
トレージ媒体とを含み、当該命令は当該プロセッサによって実行されるとき、
デジタルアセットトークン(T)の量の1単位の生成を当該デジタルアセットトークン
(T)の量の1単位に関連づけられるべき生成情報とともにピアツーピア分散型台帳に記
録し(SS110)、
その後の当該デジタルアセットトークン(T)の一のアドレスから他のアドレスへの所
有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
移転すべき前記デジタルアセットトークン(T)の量の1単位に関連づけられるべき所
有権移転条件の制約情報の付加又は更新を、当該移転に先立ち予めピアツーピア分散型台
帳に記録し(SS120)、
当該ピアツーピア分散型台帳から予め記録された前記制約情報及び履歴情報としての前
記生成情報を読み取り、ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクショ
ンをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、
トランザクション検証の成功後に、トランザクション毎、又は複数のトランザクション
をブロックに蓄積し、(SS160)、
一のアドレスから他のアドレスへのデジタルアセットトークン(T)の所有権の移転を
記録し(SS170)、
前記所有権移転の制約情報を当該デジタルアセットトークン(T)の量の1単位の移転
のための当該ブロックの記録に付記承継し(SS180)、
前記履歴情報を当該デジタルアセットトークン(T)の量の1単位の移転のための当該
ブロックの記録に付記承継する(SS190)、
ように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
デジタルアセットトークン(T)をピアツーピア分散型台帳に記録するためのシステム
であって、
すべての取引が記録される元帳としてのピアツーピア分散型台帳と、
取引を当該ピアツーピア分散型台帳に記録するためのトランザクションデータ構造と、ピ
アツーピア分散ネットワーク上にあってデジタルアセットトークン(T)をピアツーピア
分散型台帳に記録するための当該データ構造から成るトランザクションを組成し、当該ネ
ットワークにトランザクションをブロードキャスト送信する一のコンピュータ装置と、
当該ピアツーピア分散ネットワーク上にあって当該ブロードキャストを受信し、当該トラ
ンザクションを検証し、ピアツーピア分散型台帳に記録する他のコンピュータ装置と、
を含むデジタルアセットトークン統合システムであって、
当該デジタルアセットトークン統合システムを構成するコンピュータ装置は、プロセッ
サと、コンピュータが実行する命令が格納され、コンピュータによって読み取り可能なス
トレージ媒体とを含み、当該命令は当該プロセッサによって実行されるとき、
デジタルアセットトークン(T)の量の1単位、デジタルアセットトークン(T)の量
の集約単位及びこれらのうち少なくとも一つの生成を当該デジタルアセットトークン(T
)の量の1単位、デジタルアセットトークン(T)の量の集約単位及びこれらのうち少な
くとも一つに関連づけられるべき生成情報とともにピアツーピア分散型台帳に記録し(SS1
10)、
その後の当該デジタルアセットトークン(T)の一のアドレスから他のアドレスへの所
有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
移転すべき前記デジタルアセットトークン(T)の量の1単位、デジタルアセットトー
クン(T)の量の集約単位及びこれらのうち少なくとも一つに関連づけられるべき所有権
移転条件の制約情報の付加又は更新を、当該移転に先立ち予めピアツーピア分散型台帳に
記録し(SS120)、
当該ピアツーピア分散型台帳から予め記録された前記制約情報及び履歴情報としての前
記生成情報を読み取り、ピアツーピア分散型台帳に記録すべき情報を含むトランザクショ
ンをピアツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、
トランザクション検証の成功後に、トランザクション毎、又は複数のトランザクション
をブロックに蓄積し、(SS160)、
一のアドレスから他のアドレスへのデジタルアセットトークン(T)の所有権の移転を
記録し(SS170)、
前記所有権移転の制約情報を当該デジタルアセットトークン(T)の量の1単位、デジ
タルアセットトークン(T)の量の集約単位及びこれらのうち少なくとも一つの移転のた
めの当該ブロックの記録に付記承継し(SS180)、
前記履歴情報を当該デジタルアセットトークン(T)の量の1単位、デジタルアセット
トークン(T)の量の集約単位及びこれらのうち少なくとも一つの移転のための当該ブロ
ックの記録に付記承継する(SS190)、
ように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項3】
デジタルアセットトークン(T)のピアツーピア分散型台帳に記録するためのシステムで
あって、
すべての取引が記録される元帳としてのピアツーピア分散型台帳と、
取引を当該ピアツーピア分散型台帳に記録するためのトランザクションデータ構造と、ピ
アツーピア分散ネットワーク上にあってデジタルアセットトークン(T)をピアツーピア
分散型台帳に記録するための当該データ構造から成るトランザクションを組成し、当該ネ
ットワークにトランザクションをブロードキャスト送信する一のコンピュータ装置と、
当該ピアツーピア分散ネットワーク上にあって当該ブロードキャストを受信し、当該トラ
ンザクションを検証し、ピアツーピア分散型台帳に記録する他のコンピュータ装置と、
を含むデジタルアセットトークン統合システムであって、
デジタルアセットトークン(T)の量の1単位の生成がピアツーピア分散型台帳に記録
されるとき、
前記一のコンピュータ装置は、プロセッサと、コンピュータが実行する命令が格納され、
コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該命令が当該プロセッ
サによって実行されると、
前記トランザクションデータ構造にデータを格納し、当該データ構造から成るデジタルア
セットトークン(T)の生成トランザクションを組成し、当該ネットワークに当該トラン
ザクションをブロードキャスト送信し、
前記他のコンピュータ装置は、プロセッサと、コンピュータが実行する命令が格納され、
コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該命令が当該プロセッ
サによって実行されると、
ブロードキャストを受信し、トランザクション検証の成功後に、トランザクション毎、
又は複数のトランザクションをブロックに蓄積し、
デジタルアセットトークン(T)の量の1単位の生成をピアツーピア分散型台帳に追加
されるブロックに記録し(SS110)、
その後の当該デジタルアセットトークン(T)の一のアドレスから他のアドレスへの所
有権移転をピアツーピア分散型台帳に記録するとき、
前記一のコンピュータ装置は、プロセッサと、コンピュータが実行する命令が格納され
、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該命令が当該プロセ
ッサによって実行されると、
移転すべき前記デジタルアセットトークン(T)の量の1単位に関連づけられるべき生
成情報の履歴情報と、及び当該デジタルアセットトークン(T)の量の1単位に関連づけ
られるべき所有権移転条件の付加又は更新の制約情報とを含む前記トランザクションデー
タ構造から成るデジタルアセットトークン(T)の移転トランザクションを組成し、当該
ネットワークに当該トランザクションをブロードキャスト送信し、
前記他のコンピュータ装置は、プロセッサと、コンピュータが実行する命令が格納され、
コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該命令が当該プロセッ
サによって実行されると、
ブロードキャストを受信し、トランザクション検証の成功後に、トランザクション毎、
又は複数のトランザクションをブロックに蓄積し、
当該移転に先立ち予めピアツーピア分散型台帳に追加のブロックを記録し(SS120)
、
前記一のコンピュータ装置は、プロセッサと、コンピュータが実行する命令が格納され
、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該命令が当該プロセ
ッサによって実行されると、
ピアツーピア分散型台帳から予め記録された前記履歴情報及び前記制約情報を読み取り
、ピアツーピア分散型台帳に記録すべき当該情報を含むトランザクションを組成し、ピア
ツーピア分散型台帳ネットワークへブロードキャストし(SS150)、
前記他のコンピュータ装置は、プロセッサと、コンピュータが実行する命令が格納され
、コンピュータによって読み取り可能なストレージ媒体とを含み、当該命令が当該プロセ
ッサによって実行されると、
ブロードキャストを受信し、トランザクション検証の成功後に(SS160)、トランザ
クション毎、又は複数のトランザクションをブロックに蓄積し、
一のアドレスから他のアドレスへのデジタルアセットトークン(T)の所有権の移転ト
ランザクションを含む追加のブロックをピアツーピア分散型台帳に記録し(SS170)
、
前記所有権移転条件の制約情報を当該デジタルアセットトークン(T)の量の1単位の
移転の記録を追加のブロックに付記承継し(SS180)、
前記履歴情報を当該デジタルアセットトークン(T)の量の1単位の移転の記録を追加
のブロックに付記承継(SS190)する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
前記制約情報には、前記デジタルアセットトークン(T)の量の1単位と所定の法定通貨
との間の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格幅の設定を所有権移転条件として含
む(SS130)、
ように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム
。
【請求項5】
前記履歴情報には、リザーブへのデジタルアセットトークン(T)の移転の履歴を含む履
歴情報を含む(SS140)、
ように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム
。
【請求項6】
前記履歴情報には、デジタルアセットトークン(T)の生成直後の発行者からリザーブへ
の移転の記録、リザーブからユーザへの移転の記録、ユーザ間の移転の記録、ユーザから
リザーブへの移転の記録及びこれらの記録のうち少なくともいずれかの記録の履歴情報を
含むように構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシス
テム。
【請求項7】
前記トランザクションが秘密鍵によって暗号化され、一のユーザから他のユーザに送信さ
れると、他のユーザは一のユーザの公開鍵によってトランザクションの正当性を検証する
公開鍵暗号方式を採用し、前記トランザクションデータ構造のデータ構成要素にトランザ
クション入力の構成単位であるトランザクションインプット、及びトランザクション出力
の構成単位であるトランザクションアウトプットを含み、トランザクションアウトプット
が次のトランザクションのトランザクションインプットに使用可能とされるように、トラ
ンザクションの出力データと、次トランザクションの入力データとがデータ連携する未使
用トランザクションアウトプット(UTXO)方式を採用するデジタルアセットトークン
統合システムであって、
前記一のコンピュータ装置は、秘密鍵を保管し、一のユーザと、他のユーザとの間の相対
取引を当該デジタルアセットトークン(T)のピアツーピア分散型台帳記録するためのト
ランザクションを組成し、当該トランザクションを秘密鍵によって署名し、他のコンピュ
ータ装置へ向けてブロードキャストするウォレットコンピュータ装置であり、
前記他のコンピュータ装置は、当該トランザクションの当該デジタルアセットトークン
(T)が定めるピアツーピア分散型台帳ネットワーク規約への適合性を検証し、トランザ
クション毎、又は複数のトランザクションをブロックに蓄積し、ピアツーピア分散型台帳
のトランザクション及びブロックの時系列連鎖の適合性を検証し、当該検証に成功後、デ
ジタルアセットトークン(T)の量の1単位の発行、移転及び償還をピアツーピア分散型
台帳に記録するノードコンピュータ装置であり、
一のユーザアドレスから他のユーザアドレスへ当該デジタルアセットトークン(T)の量
の1単位の所望の量のユーザ間の所有権移転がピアツーピア分散型台帳に記録されるとき
、
ウォレットコンピュータ装置において、前記生成情報及び発行情報の履歴情報を含む当該
デジタルアセットトークン(T)の未使用トランザクションアウトプットを、前記所望の
量に満ちるまでピアツーピア分散型台帳から読み込み、当該未使用トランザクションアウ
トプットをトランザクションインプットに含み、一のユーザアドレスのトランザクション
インプットの当該デジタルアセットトークン(T)の数量の合計と、トランザクションア
ウトプットの当該デジタルアセットトークン(T)の数量の合計とが一致するようにトラ
ンザクションが組成され、当該トランザクションがブロードキャストされ、
ノードコンピュータ装置によって、当該トランザクションが受信され、ピアツーピア分散
型台帳ネットワーク上でトランザクション検証された後、ピアツーピア分散型台帳に記録
され、トランザクションに含まれる当該デジタルアセットトークン(T)の履歴情報に含
まれる生成情報及び発行情報及び所有権移転条件の制約情報を検証し、当該検証済みトラ
ンザクションはトランザクション毎、又は複数のトランザクションがブロックに蓄積され
、ブロックの正当性の検証の後、当該ノードコンピュータシステムからピアツーピア分散
型台帳ネットワークへブロードキャストされ、ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上の
すべてのノードコンピュータ装置において、永続して生成情報及び発行情報の履歴情報が
記録されるように構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載
のシステム。
【請求項8】
前記生成情報には、デジタルアセットトークン(T)の量の1単位毎の生成のシリアル番
号、ジタルアセットトークン(T)の量の集約単位毎の生成のシリアル番号及び少なくと
もこれらのうちいずれかを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の
システム。
【請求項9】
前記生成情報には、画像、画像のハッシュ及び少なくともこれらのうちいずれかを含むこ
とを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記所有権移転条件は、条件の種別毎に条件コードを設定し、
当該条件コード又は当該条件コードを含むスクリプトを構成し、
当該条件コード又は条件コードを含むスクリプトのハッシュを計算し、当該ハッシュを
トランザクションの実行プログラムに埋め込み、
当該トランザクションを組成し、ブロックチェーンネットワークにブロードキャスト送
信し、
ブロックチェーンネットワークの前記ピアツーピア分散型台帳に記録されるように構成
されている請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記所有権移転条件は、一のデジタルアセットトークン(T1)の量の1単位に、他のデ
ジタルアセットトークン量(T2)の所定の移転対価の上限及び下限のユニバーサル価格
幅内で、当該一のデジタルアセットトークン量との移転対価の上限及び下限を含む個別指
定価格幅で制限するように構成されている請求項1から10いずれか1項に記載のシステ
ム。
【請求項12】
前記所有権移転条件は、さらに、一のデジタルアセットトークン量の1単位と、他のデジ
タルアセットトークン量との交換価値を所定のユニバーサル時刻におけるスナップショッ
ト交換レートによって固定された売却価格とするように構成されている請求項1から11
のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
第1のデジタルアセットトークンの1単位に関連付けられた所定の第1の法定通貨に対し
、他の通貨に関連づけられ、第1の法定通貨と第2の通貨との市場交換レートに応じた交
換レートで、第1のデジタルアセットトークン量の1単位にペギングされたデジタルアセ
ットトークン量を1単位とする第2の当該デジタルアセットトークン量の1単位の生成が
記録され(SS210)、その後の当該デジタルアセットトークンの所有権移転がピアツーピア
分散型台帳に記録されるとき、
前記所有権移転条件には、ペギング条件として前記第1のデジタルアセットトークンの
量の1単位に対する前記第2のデジタルアセットトークンの量の1単位の移転対価の上限
及び下限のユニバーサル価格幅及び個別価格幅及びこれらのうち少なくともいずれかの価
格幅に制約されることを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
一のデジタルアセットトークンの売却を望むユーザは予め前記個別指定価格幅に、又は前
記スナップショット交換レートによって固定された売却価格に売却下限価格を制限する前
記所有権移転条件によって売板設定された前記一のデジタルアセットトークンを当該移転
に先立ち予めピアツーピア分散型台帳に記録することができるように構成されている請求
項1から13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
一のデジタルアセットトークンの購買を望むユーザは、当該ユーザが所有する購買の対価
とすべき他のデジタルアセットトークンの量に相当する他のデジタルアセットトークンに
関し、予め前記個別指定価格幅に、又は前記スナップショット交換レートによって固定さ
れた売却価格に売却下限価格を制限する前記所有権移転条件によって売板設定された前記
一のデジタルアセットトークンを購買依頼に先立ち予めピアツーピア分散型台帳に記録す
ることができるように構成されている請求項1から14のいずれか1項に記載のシステム
。
【請求項16】
一のデジタルアセットトークンの所有のために移転を望むユーザから当該一のデジタルア
セットトークンの量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件を受け入れ、当該一
のデジタルアセットトークンの所有のために移転を望むユーザが所有する対価とすべき他
のデジタルアセットトークンの量に相当する他のデジタルアセットトークンについて、前
記所有権移転条件として、個別指定価格幅に、又は固定された売却価格に売却下限価格を
制限するように当該所有権移転条件が制約情報としてピアツーピア分散型台帳に記録され
ている当該一のデジタルアセットトークンを選択し、自己のアドレスへ移転すべく取引が
構成された部分と、自己が所有する当該一のデジタルアセットトークンから所定量に満ち
るまで当該一のデジタルアセットトークンの所有のために移転を望むユーザのアドレスへ
移転するために選択し、当該ユーザのアドレスへ移転すべく取引が構成された部分と、を
含むユーザ間の当該一のデジタルアセットトークンと当該他のデジタルアセットトークン
の相対交換取引の未完成トランザクションを組成可能に構成されている請求項1から15
のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
一のデジタルアセットトークンを所有する者から当該一のデジタルアセットトークンの移
転を望むユーザが所有する対価とすべき他のデジタルアセットトークンの量に相当する他
のデジタルアセットトークンを取引相手ユーザへ移転する取引がトランザクション承認の
署名がされ、かつ当該一のデジタルアセットトークンを所有する取引相手ユーザによって
、当該一のデジタルアセットトークンを移転する取引が当該トランザクションにおいてト
ランザクション承認の署名がされた後、最後に承認した一のコンピュータ装置から当該相
対取引による当該一のデジタルアセットトークンと当該他のデジタルアセットトークンの
相対交換取引のトランザクションがピアツーピア分散ネットワークへブロードキャスト送
信され、
前記ノードコンピュータにおいて、ストレージに格納されている命令が当該プロセッサ
によって実行され、通信手段を介してピアツーピア分散ネットワークから当該ブロードキ
ャストを受信すると、当該トランザクションが検証され、当該ノードコンピュータ装置の
前記ストレージ媒体に格納されているピアツーピア分散型台帳のブロックに当該相対取引
のトランザクションが記録されるように構成されている請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムは、板取引によるデジタルアセットトークン分散交換取引(DEX)のため、
さらに、ピアツーピア分散ネットワーク上の一のコンピュータ装置はストレージ媒体に板
取引プログラムのための命令を含み、
一のデジタルアセットトークンの売却希望の一のユーザは、自己が保有する当該一のデジ
タルアセットトークンについて、予め所定の個別指定価格幅に、又は固定された所定の売
却価格に売却下限価格を制限する前記所有権移転条件によって売板設定された当該一のデ
ジタルアセットトークンを移転に先立ち予めピアツーピア分散型台帳に記録し、
当該一のデジタルアセットトークンの購入希望の他のユーザは、当該一のデジタルアセッ
トトークンの購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する自己
の保有する他のデジタルアセットトークンについて、予め所定の個別指定価格幅に、又は
固定された所定の売却価格に売却下限価格を制限する前記所有権移転条件によって売板設
定された当該他のデジタルアセットトークンを移転に先立ち予めピアツーピア分散型台帳
に記録し、
前記板取引プログラムのための命令を実行する前記一のコンピュータ装置のプロセッサに
よって、板取引プログラム命令が実行されるとき、
購入希望のユーザの買板条件を含む購入申し込みが受信されると、当該購入申し込みは当
該コンピュータ装置のメモリ上に蓄積され、
売却希望ユーザの売板条件を含む売却申し込みが受信されると、当該売却申し込みは、当
該コンピュータ装置のメモリ上に蓄積され、
さらに、板取引プログラムが実行される当該コンピュータ装置のプロセッサによって板取
引プログラム命令が実行されるとき、蓄積された買板と、蓄積された売板とのマッチング
が実行され、マッチングが成功すると、売却希望の一のユーザの当該一のデジタルアセッ
トトークンの移転と、購入希望の他のユーザの買板の対価として、当該ユーザによって売
板設定された他のデジタルアセットトークンの移転とを含む、これらユーザ間の一のデジ
タルアセットトークンと他のデジタルアセットトークンとの交換取引の移転トランザクシ
ョンを、トランザクション組成手段によって組成し、当該トランザクションはピアツーピ
ア分散型台帳のピアツーピア分散ネットワークへブロードキャストされ、
ピアツーピア分散型台帳ネットワーク上で、ノードコンピュータ装置のプロセッサがスト
レージ媒体に格納された命令を実行するとき、
通信手段を介してピアツーピア分散ネットワークから当該ブロードキャストが受信される
と、トランザクションが検証され、ピアツーピア分散型台帳のブロックに板取引による一
のデジタルアセットトークンの移転及び他のデジタルアセットトークンの移転が記録され
るように構成されている請求項1から17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
前記システムは、板取引においてデジタルアセットトークン分散交換取引(DEX)のため
、さらに、ピアツーピア分散ネットワーク上の一のコンピュータ装置はストレージ媒体に
板取引プログラムのための命令を含み、
当該システムは一のデジタルアセットトークンの売却希望の一のユーザのための一のコ
ンピュータ装置において、
一のデジタルアセットトークンの売却希望の一のユーザは、自己が保有する当該一のデジ
タルアセットトークンについて、予め所定の個別指定価格幅に、又は固定された所定の売
却価格に売却下限価格を制限する前記所有権移転条件によって売板設定された当該一のデ
ジタルアセットトークンを移転に先立ち予めピアツーピア分散型台帳に記録し、続けて、
当該一のデジタルアセットトークンの板取引申し込みのため、売却ユーザのための操作画
面を表示し、
一のデジタルアセットトークンの量の1単位の売板価格及び数量を含む売却品目条件の
指定と、売却の対価として受取を希望する当該デジタルアセットトークンの交換価値に相
当する他のデジタルアセットトークンの選択を促すプロンプトを当該売却ユーザ画面に表
示し、続けて、売却ユーザの売板条件を含む売却申し込みの入力を当該ユーザ画面から受
け入れ、板取引プログラムが実行される前記一のコンピュータ装置へ送信し、
一方で、当該システムは一のデジタルアセットトークンの購入希望の他のユーザのため
の一のコンピュータ装置において、
当該一のデジタルアセットトークンの購入希望の他のユーザが当該一のデジタルアセット
トークンの購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する自己の
保有する他のデジタルアセットトークンについて、予め所定の個別指定価格幅に、又は固
定された所定の売却価格に売却下限価格を制限する前記所有権移転条件によって売板設定
された当該他のデジタルアセットトークンを移転に先立ち予めピアツーピア分散型台帳に
記録し、
デジタルアセットトークンの板取引申し込みのため、購入ユーザのための画面を表示し、
一のデジタルアセットトークンの量の1単位の買板価格及び数量を含む購入品目条件の
指定と、購入の対価として当該デジタルアセットトークンの交換価値に相当する購入者の
保有する他のデジタルアセットトークンの選択を促すプロンプトを当該購入ユーザ画面に
表示し、
続けて、購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みの入力を当該ユーザ画面から受け入
れ、板取引プログラムが実行される前記一のコンピュータ装置へ送信し、
板取引プログラムを実行するピアツーピア分散ネットワーク上のコンピュータ装置のプ
ロセッサによって前記ストレージ媒体に格納されている板取引プログラムのための命令が
実行されるとき、板取引プログラムを実行する前記コンピュータ装置によって、通信手段
を介してピアツーピア分散ネットワークから購入ユーザの買板条件を含む購入申し込みが
受信されると、当該購入申し込みはメモリ上に蓄積され、
並行して、板取引プログラムを実行する前記コンピュータ装置によって、通信手段を介
してピアツーピア分散ネットワークから売却ユーザの売板条件を含む売却申し込みが受信
されると、当売却申し込みはメモリ上に蓄積され、
さらに、板取引プログラムの命令が実行されるとき、蓄積された買板と、蓄積された売
板とのマッチングを行い、マッチング成功時に、
双方のユーザへ相手方の取引誘因情報を送信し、いずれかのユーザによって相対取引に
よって当該デジタルアセットトークンの移転取引が開始可能に構成されていることを特徴
とする請求項16又は17に記載のシステム。