(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123284
(43)【公開日】2024-09-11
(54)【発明の名称】ガラス基板の製造方法及び円盤状ガラス基板
(51)【国際特許分類】
C03B 33/09 20060101AFI20240904BHJP
B23K 26/53 20140101ALI20240904BHJP
B23K 26/352 20140101ALI20240904BHJP
【FI】
C03B33/09
B23K26/53
B23K26/352
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111562
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100182051
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 直宏
(72)【発明者】
【氏名】東 修平
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 利雄
【テーマコード(参考)】
4E168
4G015
【Fターム(参考)】
4E168AB02
4E168AD18
4E168AE01
4E168DA02
4E168DA13
4E168DA23
4E168DA24
4E168DA32
4E168DA39
4E168DA46
4E168EA13
4E168EA23
4E168JA14
4G015FA03
4G015FA06
4G015FB01
4G015FC02
4G015FC05
(57)【要約】
【課題】ガラス基板の製造方法において、より確実に、ガラス素板から円環状ガラス基板を分離することが可能な技術を提供する。
【解決手段】
ガラス基板の製造方法は、ガラス素板20の表面20aに所定のスクライブ予定線C1に沿って第1のレーザL1を照射することにより、ガラス素板20の表面20aのうち、スクライブ予定線C1に沿ったスクライブ予定領域R1を平滑化することと、平滑化したスクライブ予定領域R1に第2のレーザL2を照射することにより、スクライブ予定線C1に沿ったスクライブ線D1を形成することとを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板の製造方法であって、
ガラス素板の表面に所定のスクライブ予定線に沿って第1のレーザを照射することにより、前記ガラス素板の表面のうち、前記スクライブ予定線に沿ったスクライブ予定領域を平滑化することと、
平滑化した前記スクライブ予定領域に第2のレーザを照射することにより、前記スクライブ予定線に沿ったスクライブ線を形成することとを含む、ガラス基板の製造方法。
【請求項2】
前記スクライブ予定領域の表面粗さが、Raで0.2μm以下になるように平滑化する、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項3】
前記ガラス素板の表面の、前記第1のレーザを照射する前の表面粗さは、Raで0.2μmよりも大きい、請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項4】
前記第1のレーザを照射することにより、前記スクライブ予定領域は溶融又は剥離される、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項5】
前記第1のレーザを照射することにより前記スクライブ予定領域の少なくとも一部は剥離され、
さらに、前記ガラス素板の表面から剥離した破片を除去することを含む、請求項4に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項6】
前記スクライブ予定線は円を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項7】
さらに、前記スクライブ線が形成されたガラス素板の、前記スクライブ線の外側の部分を、前記スクライブ線の内側の部分よりも高温で加熱することにより、前記外側の部分と前記内側の部分とを分離することを含む、請求項6に記載のガラス基板の製造方法。
【請求項8】
ガラス基板の製造方法であって、
表面粗さが0.2μmよりも大きい主表面を有するガラス素板を準備することと、
前記ガラス素板の主表面の少なくとも一部を表面粗さがRaで0.2μm以下になるように平滑化することと、
平滑化した前記表面にレーザを照射することによりスクライブ線を形成することとを含む、ガラス基板の製造方法。
【請求項9】
円盤状ガラス基板であって、
円形の内孔を有し、
少なくとも前記ガラス基板の外周端部および前記内孔の外縁に平滑化領域を有し、
前記平滑化領域は前記ガラス基板の主表面の他の領域よりも表面粗さRaが低く、且つ表面粗さRaが0.2μm以下であり、
前記平滑化領域は、幅が5mm以下であり且つガラス基板の主表面の他の領域に対して0.01~3mmの範囲の深さを有する円形状に形成されている、円盤状ガラス基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を用いて形状を加工することによりガラス基板を製造するガラス基板の製造方法、及び、当該方法により製造された円盤状ガラス基板に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、DVD(Digital Versatile Disc)記録装置、あるいはクラウドコンピューティングのデータセンター等には、データを記録するためのハードディスク装置が用いられる。ハードディスク装置では、円環状の非磁性体の磁気ディスク用ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられる。
【0003】
従来、このような磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、ガラス素板から円環状ガラス基板を分離する技術が知られている(特許文献1)。この技術では、まず、ガラス基板の元となるガラス素板の面に、所定の円環形状に沿ってレーザ光を照射することにより、前記所定の円環形状に沿った欠陥を形成する。これにより、ガラス素板には、前記所定の円環形状に対する外側部分と内側部分とが形成される。そして、ガラス素板の外側部分を内側部分よりも高温で加熱することにより、ガラス素板の外側部分が内側部分に対して相対的に熱膨張し、外側部分と内側部分との間に隙間が形成される。この結果、ガラス素板の外側部分と内側部分とを分離することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特許文献1に記載のガラス基板の製造技術をさらに改良し、より確実に、ガラス素板から円環状ガラス基板を分離することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、ガラス基板の製造方法であって、
ガラス素板の表面に所定のスクライブ予定線に沿って第1のレーザを照射することにより、前記ガラス素板の表面のうち、前記スクライブ予定線に沿ったスクライブ予定領域を平滑化することと、
平滑化した前記スクライブ予定領域に第2のレーザを照射することにより、前記スクライブ予定線に沿ったスクライブ線を形成することとを含む、ガラス基板の製造方法が提供される。
【0007】
本発明の第1の態様に従うガラス基板の製造方法において、前記スクライブ予定領域の表面粗さが、Raで0.2μm以下になるように平滑化してもよい。
【0008】
本発明の第1の態様に従うガラス基板の製造方法において、前記ガラス素板の表面の、前記第1のレーザを照射する前の表面粗さは、Raで0.2μmよりも大きくてもよい。
【0009】
本発明の第1の態様に従うガラス基板の製造方法において、前記第1のレーザを照射することにより、前記スクライブ予定領域は溶融又は剥離され得る。
【0010】
本発明の第1の態様に従うガラス基板の製造方法において、前記第1のレーザを照射することにより前記スクライブ予定領域の少なくとも一部は剥離されてもよく、さらに、前記ガラス素板の表面から剥離した破片を除去することを含んでもよい。
【0011】
本発明の第1の態様に従うガラス基板の製造方法において、前記スクライブ予定線は円を形成し得る。
【0012】
本発明の第1の態様に従うガラス基板の製造方法は、さらに、前記スクライブ線が形成されたガラス素板の、前記スクライブ線の外側の部分を、前記スクライブ線の内側の部分よりも高温で加熱することにより、前記外側の部分と前記内側の部分とを分離することを含んでもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に従えば、ガラス基板の製造方法であって、
表面粗さが0.2μmよりも大きい主表面を有するガラス素板を準備することと、
前記ガラス素板の主表面の少なくとも一部を表面粗さがRaで0.2μm以下になるように平滑化することと、
平滑化した前記表面にレーザを照射することによりスクライブ線を形成することとを含む、ガラス基板の製造方法が提供される。
【0014】
本発明の第3の態様に従えば、円盤状ガラス基板であって、
円形の内孔を有し、
少なくとも前記ガラス基板の外周端部および前記内孔の外縁に平滑化領域を有し、
前記平滑化領域は前記ガラス基板の主表面の他の領域よりも表面粗さRaが低く、且つ表面粗さRaが0.2μm以下であり、
前記平滑化領域は、幅が5mm以下であり且つガラス基板の主表面の他の領域に対して0.01~3mmの範囲の深さを有する円形状に形成されている、円盤状ガラス基板が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より確実に、ガラス素板から円環状ガラス基板を分離することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態の製造方法により製造されたガラス基板の斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るガラス基板の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図3】外側スクライブ線形成工程におけるレーザ光の照射について説明する図である。
【
図4】(a)はスクライブ予定領域が形成されたガラス素板を主表面に垂直な方向から見た図であり、(b)はスクライブ線が形成されたガラス素板を主表面に垂直な方向から見た図である。
【
図5】第1分離工程における加熱について説明する図である。
【
図6】第1分離工程における加熱による分離について説明する図である。
【
図7】第1分離工程によって抜き出された円形ガラス素板の斜視図である。
【
図8】内側スクライブ線形成工程におけるレーザ光の照射について説明する図である。
【
図9】(a)はスクライブ予定領域が形成された円形ガラス素板を主表面に垂直な方向から見た図であり、(b)はスクライブ線が形成された円形ガラス素板を主表面に垂直な方向から見た図である。
【
図10】第2分離工程における加熱について説明する図である。
【
図11】第2分離工程における加熱による分離について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、本実施形態の製造方法により製造された円環状ガラス基板について、
図1を参照しつつ説明する。
【0018】
ガラス基板1は、中央に同軸状に孔が形成された円環状の薄板のガラス基板であり、例えば、磁気ディスク用の基板として用いられる。ガラス基板1のサイズは問わないが、例えば、公称直径2.5インチや3.5インチの磁気ディスクに適したサイズである。公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合、例えば、外径(直径)が65~67mm、中心穴の径(直径)が20mm、板厚が0.3~0.8mmである。公称直径3.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合、例えば、外径が95~97mm、中心穴の径が25mm、板厚が0.3~0.8mmである。
【0019】
ガラス基板1は、一対の対向する主表面11a、11bと、外周端面12と、中央孔を画成する内周端面13とを備える。主表面11aは、2つの同心円を外縁及び内縁として有する、円環形状の面である。主表面11bは、主表面11aと同形状であり且つ同心である。外周端面12は、主表面11aの外縁と主表面11bの外縁とを接続する面である。内周端面13は、主表面11aの内縁と主表面11bの内縁とを接続する面である。なお、上記の接続部に面取面が形成されてもよい。ガラス基板1を用いて磁気ディスクを製造する際には、主表面11a、11bに磁性層が形成される。
【0020】
次に、本実施形態の一例に係る円環状ガラス基板の製造方法の流れについて、
図2を参照しつつ説明する。本実施形態に係る円環状ガラス基板の製造方法は、外側スクライブ線形成工程(S10)と、第1分離工程(S20)と、内側スクライブ線形成工程(S30)と、第2分離工程(S40)とを含む。そして、外側スクライブ線形成工程(S10)は、平滑化工程(S10a)とスクライブ線形成工程(S10b)とを含み、内側スクライブ線形成工程(S30)も、平滑化工程(S30a)とスクライブ線形成工程(S30b)とを含む。
【0021】
外側スクライブ線形成工程(S10)は、ガラス基板1の材料となるガラス素板に、外側スクライブ線を形成する工程である。平滑化工程(S10a)では、ガラス素板の表面に所定の外側スクライブ予定線に沿って第1のレーザを照射することにより、外側スクライブ予定線に沿った外側スクライブ予定領域を平滑化する。そして、スクライブ線形成工程(S10b)では、平滑化した外側スクライブ予定領域に第2のレーザを照射することにより、外側スクライブ予定線に沿った外側スクライブ線を形成する。第1分離工程(S20)では、ガラス素板の外側スクライブ線よりも外側の部分を、内側の部分よりも高温で加熱することにより、外側スクライブ線よりも外側の部分と内側の部分とを分離する。これにより、円形ガラス素板が抜き出される。内側スクライブ線形成工程(S30)は、第1分離工程S20によって抜き出された円形ガラス素板に、内側スクライブ線を形成する工程である。平滑化工程(S30a)では、円形ガラス素板の表面に所定の内側スクライブ予定線に沿って第1のレーザを照射することにより、内側スクライブ予定線に沿った内側スクライブ予定領域を平滑化する。そして、スクライブ線形成工程(S30b)では、平滑化した内側スクライブ予定領域に第2のレーザを照射することにより、内側スクライブ予定線に沿った内側スクライブ線を形成する。第2分離工程(S40)では、円形ガラス素板の内側スクライブ線よりも外側の部分を、内側の部分よりも高温で加熱することにより、内側スクライブ線よりも外側の部分と内側の部分とを分離する。これにより、円環状ガラス基板が製造される。
【0022】
次に、本実施形態の一例に係る円環状ガラス基板の製造方法の各工程について、
図3~
図11を参照しつつ、詳細に説明する。
【0023】
まず、外側スクライブ線形成工程(S10)に含まれる平滑化工程(S10a)では、
図3に示されるように、予め作製された矩形状等のガラス素板20に、第1のレーザ光L1を照射する。
【0024】
ガラス基板1の材料となるガラス素板20としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等を用いることができる。特に、必要に応じて化学強化を施すことができ、また基板の主表面の平坦度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作成することができるという点で、アモルファスのアルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。ガラス素板20は、例えば、溶融ガラスのプレス成形や、ガラスインゴットのスライス等により作製され、一定の板厚を有する。或いは、ガラス素板20は、フロート法やオーバーフローダウンドロー法を用いて作製されてもよい。なお、本発明は、プレス成形やインゴットスライス等により製造されたガラス素板20に対して適用すると好ましい。その理由の一つとして、プレス成形やインゴットスライス等によりガラス素板を作製した場合、フロート法やオーバーフローダウンドロー法を用いて作製した場合と比べて、表面粗さが大きくなることが挙げられる。ガラス素板の表面粗さが大きい場合、レーザ光がガラス素板の表面で反射するなどして、ガラス素板の内部に入らず、欠陥が適切に形成されない可能性がある。そして、欠陥が適切に形成されていない場合、上記のような円環状ガラス基板の製造方法において、円環状ガラス基板スクライブ線の外側部分を内側部分よりも高温で加熱しても、外側部分と内側部分との間に適切な隙間が形成されず、外側部分と内側部分とを分離できない可能性があることが分かった。このため、プレス成形やインゴットスライス等により作製されたガラス素板20、または表面粗さが比較的大きい研削面を有する(例えば、Raで0.2μmを超える)ガラス素板20に本発明を適用することにより、安定して大量のガラス素板20をミスなく分離することができる。
【0025】
平滑化工程(S10a)で用いられるレーザ光源及び光学系30は、第1のレーザ光L1を出射する装置であり、例えば、CO2レーザ等の気体レーザが用いられる。第1のレーザ光L1の波長は、例えば、2~11μmの範囲にすることができる。また、第1のレーザ光L1の光エネルギは、例えば照射時間における平均出力で3W以上であり、スポット径は、例えば0.1~10mmである。
【0026】
第1のレーザ光L1の照射は、レーザ光源及び光学系30を用いて、第1のレーザ光L1がガラス素板20の表面又は/及び内部で焦点を形成するように適宜調節した上で、ステージTに固定されたガラス素板20に対して、第1のレーザ光L1を相対移動させながら行われる。例えば、第1のレーザ光L1の照射位置を固定したままステージT及びガラス素板20を中心軸周りに回転させてもよい。第1のレーザ光L1は、ガラス素板20上の仮想線である例えば円形の外側スクライブ予定線C1に沿って、
図3の矢印に示す反時計回りに、連続的に照射される。これにより、
図4(a)に示されるように、ガラス素板20の表面のうち、外側スクライブ予定線C1に沿って連続した、径方向に一定の幅(例えば、0.1~10mm程度)を有する外側スクライブ予定領域R1が平滑化される。外側スクライブ予定領域R1は、第1のレーザ光L1の照射によりガラス素板20の表面が溶融又は部分的に剥離した領域であり、外側スクライブ予定領域R1の表面粗さは、Raで0.2μm以下となっていることが好ましい。なお、外側スクライブ予定領域R1の表面粗さは、Raで0.1μm以下となっていることがより好ましい。ここで、算術平均粗さRaは、JIS B0601:2001に準拠した値である。算術平均粗さRaを求めるために行うガラス素板20の端面の表面形状の計測は、レーザ顕微鏡を用いて、50μm四方の評価領域にて以下の条件で行なわれる。なお、高さ方向の分解能は1nm以下であることが好ましい。また、本実施形態では観察倍率3000倍であるが、観察倍率は測定面の大きさに応じて、1000~3000倍程度の範囲で適宜選択される。
観察倍率:3000倍
高さ方向(Z軸)の測定ピッチ:0.01μm
カットオフ値λs:0.25μm
カットオフ値λc:80μm
【0027】
次に、外側スクライブ線形成工程(S10)に含まれるスクライブ線形成工程(S10b)では、平滑化工程(S10a)により平滑化された外側スクライブ予定領域R1に第2のレーザ光L2を照射して、
図4(b)に示される外側スクライブ線D1を形成する。具体的には、第1のレーザ光L1の照射により外側スクライブ予定領域R1が平滑化されたガラス素板20を、第1のレーザ光L1の照射装置のステージTから、第2のレーザ光L2の照射装置のステージTに移動する。そして、第2のレーザ光L2の照射装置のステージT上に移動したガラス素板20の外側スクライブ予定領域R1に、第2のレーザ光L2を照射して外側スクライブ線D1を形成する。或いは、第1のレーザ光L1の照射により外側スクライブ予定領域R1が平滑化されたガラス素板20を、第1のレーザ光L1の照射装置のステージTから移動することなく、同じステージT上でスクライブ線形成工程(S10b)が行われてもよい。この場合、平滑化工程(S10a)で用いたレーザ光源及び光学系30を、スクライブ線形成工程(S10b)用に適宜調節する必要がある。
【0028】
スクライブ線形成工程(S10b)で用いられるレーザ光源及び光学系30は、第2のレーザ光L2を出射する装置であり、例えば、YAGレーザ、Yb:YAGレーザ、Nd:YAGレーザ、YVOレーザ、Nd:YVOレーザ等の固体レーザが用いられる。第2のレーザ光L2の波長は、例えば、1000nm~1100nmの範囲にすることができる。第2のレーザ光L2はパルスレーザであり、パルス幅は10-10秒(100ピコ秒)以下であることが好ましい。また、第2のレーザ光L2の光エネルギは、パルス幅及びパルス幅の繰り返し周波数に応じて適宜調整することができるが、例えば照射時間における平均出力で1W以上である。
【0029】
第2のレーザ光L2の照射方法としては、例えば、レーザ光源及び光学系30を用いて、第2のレーザ光L2の焦点が外側スクライブ領域R1に形成されるように適宜調節してガラス素板20に照射すればよい。このような第2のレーザ光L2の照射により、外側スクライブ予定領域R1上の一点で、ガラス素板20の厚み方向に沿って焦点が連続するように形成される。この焦点の連続を焦線とも言う。このため、ガラス素板20の厚み方向に沿って線状に光エネルギが集中し、ガラス素板20の一部がプラズマ化するなどして、ガラス素板20の厚み方向に伸びた欠陥を形成することができる。ここで、欠陥とは、ガラス素板20に形成された孔、当該孔から進展するクラック、及び、改質されたガラス部分(以下、ガラス改質部分と呼ぶ)を含む。当該孔は、アブレージョンによりガラス素板20をガラス素板20の厚み方向に貫通した貫通孔であってもよく、貫通していない孔であってもよい。また、ガラス改質部分がガラス素板20の厚み方向全体に渡って存在してもよい。これらの欠陥は、ガラス素板20の主表面20aに対して略直交する(角度が85~95度)ように延びていることが好ましい。なお、第2のレーザ光L2のその他の照射方法として、カー効果(Kerr-Effect)に基づくビームの自己収束を利用する方法、ガウシアン・ベッセルビームをアキシコンレンズとともに利用する方法、収差レンズによる線焦点形成ビームを利用する方法、ドーナツ状レーザ光と球面レンズを用いる方法なども利用することができる。いずれにしても、上記のような線状の欠陥が形成できる限り、第2のレーザ光L2の照射条件は特に限られない。
【0030】
第2のレーザ光L2は、パルス状の光パルスを一定時間間隔で連続して生成する構成の光パルス群を一単位として、複数の光パルス群を断続的に発生させるバーストパルス方式でガラス素板20に照射することが好ましい。この場合、一つの光パルス群の中で、1パルスの光エネルギを可変にすることも好ましい。このようなレーザ光Lの照射は、公知の技術を用いればよい。バーストパルス方式のレーザ光を用いることで、効率よく欠陥を形成することができる。
【0031】
第2のレーザ光L2の照射は、ステージTに固定されたガラス素板20に対して、第2のレーザ光L2を相対移動させながら行われる。例えば、第2のレーザ光L2の照射位置を固定したままステージT及びガラス素板20を中心軸周りに回転させてもよい。第2のレーザ光L2は、平滑化工程(S10a)でガラス素板20上に形成された外側スクライブ予定領域R1に、
図3の矢印に示す反時計回りに、一定の周期で断続的に照射される。換言すると、第2のレーザ光L2は、外側スクライブ予定領域R1における一定の間隔を隔てて離間した複数の場所に、順次照射される。この結果、ガラス素板20には、外側スクライブ予定線C1に沿って一定の間隔を隔てて(例えば、10~20μm程度のピッチで)周期的に並んだ複数の欠陥により、
図4(b)に示すような円形状の外側スクライブ線D1が形成される。なお、外側スクライブ予定線C1は本発明の所定のスクライブ予定線の一例であり、外側スクライブ予定領域R1は本発明のスクライブ予定領域の一例であり、外側スクライブ線D1は本発明のスクライブ線の一例である。
【0032】
次に、第1分離工程(S20)では、外側スクライブ線D1を形成したガラス素板20から、外側スクライブ線D1よりも内側の部分を抜き出すために、ガラス素板20の加熱を行う。ガラス素板20を加熱する際は、例えば
図5に示されるように、外側スクライブ線D1よりも外側にヒータ40を配置し、ガラス素板20の外側スクライブ線D1よりも外側の外側部分21を加熱する。なお、外側スクライブ線D1よりも内側にはヒータを配置しない方が好ましい。この場合、空間を介した熱伝導により、あるいはガラス素板20を介した熱伝導により、外側スクライブ線D1よりも内側の内側部分22も間接的に加熱されるが、ガラス素板20の外側部分21は、内側部分22よりも高温で加熱されているといえる。このため、ガラス素板20の外側部分21の熱膨張量を、内側部分22の熱膨張量よりも大きくすることができる。この結果、
図6に示されるように、ガラス素板20の外側部分21は、外側スクライブ線D1の外側方向に向かって熱膨張する。具体的には、外側部分21の内周の径(内径)が内側部分22の外周の径(外径)に比べて大きくなるように、外側部分21が内側部分22に対して相対的に熱膨張する。これにより、ガラス素板20の外側部分21と内側部分22との界面に隙間が形成され、外側部分21と内側部分22とを分離することができる。つまり、矩形状のガラス素板20から、
図7に示されるような、円形ガラス素板22を抜き出すことができる。円形ガラス素板22の外周端面は、最終的に、円環状のガラス基板1の外周端面12に対応する。なお、外側部分21と内側部分22との界面に隙間が形成された状態とは、外側部分21と内側部分22との間のいずれの位置においても計測可能な空間が形成されている状態だけではなく、計測可能な空間が得られなくても外側部分21と内側部分22の対向する面どうしが物理的又は化学的に結合していない状態も含む。換言すれば、上記界面に隙間が形成された状態には、外側部分21と内側部分22との界面に亀裂が形成されて両者が接触している状態も含まれる。また、円形ガラス素板22の外周端面には、平滑化工程(S10a)で平滑化された外側スクライブ予定領域R1が、幅が5mm以下であり且つ円形ガラス素板22の主表面の他の領域に対して0.01~3mmの範囲の深さを有する円形状に残る。
【0033】
次に、内側スクライブ線形成工程(S30)に含まれる平滑化工程(S30a)では、
図8及び
図9(a)に示されるように、第1分離工程(S20)で分離された円形ガラス素板22の主表面22aの仮想線である例えば円形の内側スクライブ予定線C2に沿って第1のレーザ光L1を照射することにより内側スクライブ予定領域R2を平滑化する。そして、内側スクライブ線形成工程(S30)に含まれるスクライブ線形成工程(S30b)では、平滑化工程(S30a)で平滑化された内側スクライブ予定領域R2に第2のレーザ光L2を照射することにより、
図9(b)に示される内側スクライブ線D2を形成する。内側スクライブ線形成工程(S30)に含まれる平滑化工程(S30a)及びスクライブ線形成工程(S30b)はそれぞれ、外側スクライブ線形成工程(S10)に含まれる平滑化工程(S10a)及びスクライブ線形成工程(S10b)と、レーザ光L1、L2の照射位置が異なるのみであり、用いられる照射装置や照射方法は同じである。なお、内側スクライブ予定線C2は本発明の所定のスクライブ予定線の一例であり、内側スクライブ予定領域R2は本発明のスクライブ予定領域の一例であり、内側スクライブ線D2は本発明のスクライブ線の一例である。
【0034】
次に、第2分離工程(S40)では、内側スクライブ線D2を形成した円形ガラス素板22から、内側スクライブ線D2よりも内側の部分を抜き出すために、円形ガラス素板22の加熱を行う。円形ガラス素板22を加熱する際は、例えば
図10に示されるように、内側スクライブ線D2よりも外側にヒータ40を配置し、円形ガラス素板22の内側スクライブ線D2よりも外側の外側部分23を加熱する。なお、内側スクライブ線D2よりも内側にはヒータを配置しない方が好ましい。この場合、空間を介した熱伝導により、あるいは円形ガラス素板22を介した熱伝導により、内側スクライブ線D2よりも内側の内側部分24も間接的に加熱されるが、円形ガラス素板22の外側部分23は、内側部分24よりも高温で加熱されているといえる。このため、円形ガラス素板22の外側部分23の熱膨張量を、内側部分24の熱膨張量よりも大きくすることができる。この結果、
図11に示されるように、円形ガラス素板22の外側部分23は、内側スクライブ線D2の外側方向に向かって熱膨張する。具体的には、外側部分23の内周の径(内径)が内側部分24の外周の径(外径)に比べて大きくなるように、外側部分23が内側部分24に対して相対的に熱膨張する。これにより、円形ガラス素板22の外側部分23と内側部分24との界面に隙間が形成され、外側部分23と内側部分24とを分離することができる。つまり、円形ガラス素板22から、内側部分24を抜き出すことにより、
図1に示されるような、中央部分がくり抜かれた円環状のガラス基板1を製造することができる。円形ガラス素板22の外側部分23の内周端面は、円環状のガラス基板1の内周端面13に対応する。なお、第2分離工程(S40)においても、外側部分23と内側部分24との界面に隙間が形成された状態とは、外側部分23と内側部分24との間のいずれの位置においても計測可能な空間が形成されている状態だけではなく、計測可能な空間が得られなくても外側部分23と内側部分24の対向する面どうしが物理的又は化学的に結合していない状態も含む。換言すれば、上記界面に隙間が形成された状態には、外側部分23と内側部分24との界面に亀裂が形成されて両者が接触している状態も含まれる。また、円形ガラス素板22の外側部分23の内周端面には、平滑化工程(S30a)で平滑化された内側スクライブ予定領域R2が、幅が5mm以下であり且つ円形ガラス素板22の主表面の他の領域に対して0.01~3mmの範囲の深さを有する円形状に残る。
【0035】
なお、図示は省略するが、第2分離工程(S40)の後には、さらに、端面研磨工程、主表面研削工程、主表面研磨工程等を含む後処理が行われる。
【0036】
端面研磨工程では、円環状のガラス基板1の内周端面13及び外周端面12に対して、例えばブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウムや酸化ジルコニウム等の微粒子を遊離砥粒として含むスラリーが用いられる。端面研磨を行うことにより、サーマルアスペリティの発生や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。
【0037】
主表面研削工程では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、円環状のガラス基板1の主表面11a,11bに対して研削加工を行う。研削による取り代は、例えば数μm~100μm程度である。両面研削装置は、上定盤及び下定盤を有しており、上定盤及び下定盤の間に円環状のガラス基板1が挟持される。そして、円環状のガラス基板1と各定盤とを相対的に移動させることにより、円環状のガラス基板1の主表面11a,11bを研削する。定盤としては、その表面にダイヤモンド等の砥粒が樹脂で固定された固定砥粒が貼り付けられているものを使用できる。
【0038】
そして、主表面研磨工程では、主表面研削工程で研削された主表面11a,11bに対して、研磨が行われる。研磨による取り代は、例えば、1μm~50μm程度である。主表面研磨は、固定砥粒による研削により主表面11a,11bに残留したキズ、歪みの除去、うねり、微小うねりの調整を目的とする。主表面研磨に用いる遊離砥粒としては、例えば、スラリーに混濁させた酸化セリウム砥粒、或いはジルコニア砥粒等(粒子サイズ:直径1~2μm程度)が用いられる。
【0039】
上述した本発明の態様に従う製造方法によれば、外側スクライブ線形成工程(S10)に含まれる平滑化工程(S10a)において、外側スクライブ予定線C1に沿って第1のレーザ光L1を照射することにより、外側スクライブ予定領域R1を平滑化する。つまり、外側スクライブ予定領域R1の表面粗さを、外側スクライブ予定領域R1以外の部分の表面粗さよりも小さくする。そして、スクライブ線形成工程(S10b)では、表面粗さが小さくなり平滑化された外側スクライブ予定領域R1に対して、第2のレーザ光L2を照射する。このため、第2のレーザ光L2がガラス素板20の内部まで侵入し、各欠陥をより確実に形成することができる。この結果、適切な外側スクライブ線D1を形成することができ、第1分離工程(S20)において、ガラス素板20の外側部分21と内側部分22とを、より確実に分離することができる。
【0040】
さらに、内側スクライブ線形成工程(S30)においても、外側スクライブ線工程(S10)と同様に、まず平滑化工程(S30a)において、内側スクライブ予定線C2に沿って第1のレーザ光L1を照射することにより、内側スクライブ予定領域R2を平滑化する。つまり、内側スクライブ予定領域R2の表面粗さを、内側スクライブ予定領域R2以外の部分の表面粗さよりも小さくする。そして、スクライブ線形成工程(S10b)では、表面粗さが小さくなり平滑化された内側スクライブ予定領域R2に対して、第2のレーザ光L2を照射する。このため、第2のレーザ光L2がガラス素板20の内部まで侵入し、各欠陥をより確実に形成することができる。この結果、適切な内側スクライブ線D2を形成することができ、第2分離工程(S20)において、円形ガラス素板22の外側部分23と内側部分24とを、より確実に分離することができる。
【0041】
つまり、本発明の態様に従う製造方法によれば、上記の各工程を経ることにより、ガラス素板20から円環状のガラス基板1を、より確実に分離することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0043】
上記実施形態では、第1分離工程(S20)の後に、内側スクライブ線形成工程(S30)を行ったが、これには限られない。例えば、外側スクライブ線形成工程(S10)を行った後、第1分離工程(S20)を行う前に、内側スクライブ線形成工程(S30)を行ってもよく、外側スクライブ線形成工程(S10)を行う前に内側スクライブ線形成工程(S30)を行ってもよい。また、外側スクライブ線形成工程(S10)と内側スクライブ線形成工程(S30)とを同時に行うことにより、外側スクライブ線D1と内側スクライブ線D2とを同時に形成してもよい。この場合、平滑化工程において、第1のレーザ光L1は、外側スクライブ予定線C1及び内側スクライブ予定線C2に沿って同時に照射される。そして、スクライブ線形成工程において、第2のレーザ光L2は、外側スクライブ予定領域R1及び内側スクライブ予定領域R2に対して同時に照射される。
【0044】
上記実施形態では、外側スクライブ線形成工程(S10)及び内側スクライブ線形成工程(S30)において、レーザ光L1,L2の照射を、レーザ光L1,L2の照射位置を固定し、ステージTを一定速度で回転させることによりステージT上のガラス素板を回転させながら行ったが、これには限られない。例えば、レーザ光源及び光学系30に設けたマイクロミラーデバイスなどの光学系を駆動させて、光束を周期的に偏向させることにより、ステージTに固定されたガラス素板に対して、レーザ光Lを移動させながら照射してもよい。
【0045】
上記実施形態では、外側スクライブ線形成工程(S10)及び内側スクライブ線形成工程(S30)において、複数の欠陥を、外側スクライブ予定線C1及び内側スクライブ予定線C2に沿って反時計回りに形成したが、外側スクライブ予定線C1及び内側スクライブ予定線C2に沿って時計回りに形成してもよい。
【0046】
平滑化工程(S10a,S30a)において、第1のレーザ光L1の照射によりガラス素板20の表面が剥離している場合、スクライブ線形成工程(S10b,30b)を行う前に、剥離した破片を除去する工程を含んでもよい。例えば、ガラス素板20の表面から一度剥離した破片がガラス素板20の表面に落下したり、照射領域の一部がガラス素板20の表面から完全に剥離しなかったこと等により、剥離した破片の少なくとも一部がガラス素板20の表面に残る場合がある。そして、第2のレーザ光L2の照射時に、剥離した破片が外側スクライブ予定領域R1上や内側スクラブ予定領域R2上に存在すると、スクライブ線D1,D2が形成できない場合があるためである。剥離した破片を除去する方法としては、例えば、エアーで吹き飛ばす方法や、ブラシで掃き出す方法を用いることができる。第1のレーザ光L1の照射により外側スクライブ予定領域R1及び内側スクライブ予定領域R2が剥離している場合、外側スクライブ予定領域R1及び内側スクライブ予定領域R2にはそれぞれ、円形の溝が形成される。そして、これらの円形の溝は、スクライブ線形成工程(S10b,S30b)で形成される外側スクライブ線D1及び内側スクライブ線D2との相乗効果により、第1分離工程(S20)及び第2分離工程(S40)における分離をより確実にすることができる。この結果、第1分離工程(S20)及び第2分離工程(S40)における分離不良をより低減することができる。
【0047】
上記実施形態において、平滑化工程(S10a,S30a)は、ガラス素板20の表面に第1のレーザ光L1を照射することにより行われたが、他の方法により行われてもよい。例えば、一般的な基板の主表面研磨処理と同様に、ガラス素板20のうち、スクライブ線を形成する予定の面全体を研磨することにより、表面粗さがRaで0.2μm以下になるように平滑化工程が行われてもよい。
【0048】
上記実施形態では、外側スクライブ線形成工程(S10)から第2分離工程(S40)について説明したが、外側スクライブ線形成工程(S10)よりも前に、前処理工程を適宜含んでもよく、第2分離工程(S40)よりも後に、後処理工程を適宜含んでもよい。例えば、第2分離工程(S40)の後に、平滑化工程(S10a,S30a)で用いた第1のレーザ光L1により、円環状のガラス基板1の外周端面12及び内周端面13に対して、面取り加工が行われてもよい。
【0049】
上記実施形態では、第1分離工程(S20)及び第2分離工程(S40)において、スクライブ線D1,D2よりも外側にヒータ40を配置し、スクライブ線D1,D2よりも内側にはヒータ40を配置しなかったが、これには限られない。スクライブ線D1,D2よりも外側の部分を内側の部分よりも高温で加熱することができれば、スクライブ線D1,D2よりも内側にヒータを配置し、内側の部分を加熱してもよい。
【0050】
上記実施形態では、ガラス基板は磁気ディスク用ガラス基板を例に挙げて説明したが、これに限らず任意の用途の円環状のガラス基板に適用することができ、内周円のない円盤状のガラス基板であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 ガラス基板
11a,11b 主表面
12 外周端面
13 内周端面
20 ガラス素板
21 外側部分
22 内側部分(円形ガラス素板)
23 外側部分
24 内側部分
30 レーザ光源及び光学系
40 ヒータ
L1,L2 レーザ光
C1,C2 スクライブ予定線
R1,R2 スクライブ予定領域
D1,D2 スクライブ線