(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123309
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】コンクリート型枠板の製造方法
(51)【国際特許分類】
E04G 9/05 20060101AFI20240905BHJP
B28B 7/00 20060101ALI20240905BHJP
D04H 1/485 20120101ALI20240905BHJP
D04H 3/147 20120101ALI20240905BHJP
D04H 3/16 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
E04G9/05
B28B7/00 Z
D04H1/485
D04H3/147
D04H3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030602
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089152
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】永塚 裕介
(72)【発明者】
【氏名】吉川 修平
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊治
【テーマコード(参考)】
2E150
4G053
4L047
【Fターム(参考)】
2E150AA11
2E150AA21
2E150BA11
2E150MA11X
4G053AA15
4G053BB17
4G053CA04
4G053CA21
4G053EB16
4L047AA21
4L047AA27
4L047AB02
4L047AB03
4L047BA03
4L047BA09
4L047BA24
4L047BB06
4L047BB09
4L047CB08
4L047CC10
(57)【要約】
【課題】 通気性及び通水性が良好であると共に、コンクリートとの剥離性がよく、木製型枠板と同等の強度を持つコンクリート型枠板の製造方法を提供する。
【解決手段】 芯鞘型複合繊維を集積して繊維ウェブを得る。芯鞘型複合繊維の芯成分はポリエチレンテレフタレートである。鞘成分は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、アジピン酸、テレフタル酸及びイソフタル酸よりなる共重合ポリエステルである。繊維ウェブを加熱された金属製板に挟んで厚み方向に圧縮し、平板状に成型してコンクリート型枠板を得る。金属製板に挟んで厚み方向に圧縮する際に、鞘成分は溶融して芯鞘型複合繊維相互間が融着する。一方、芯成分は当初の繊維形態を維持した状態となっている。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯成分が高融点ポリエステルで鞘成分が低融点ポリエステルよりなる芯鞘型複合繊維を集積して繊維ウェブを形成した後、該繊維ウェブを厚み方向に圧縮すると共に加熱して、該芯成分は当初の繊維形態を維持した状態で、該鞘成分を軟化又は溶融させ該芯鞘型複合繊維相互間を融着させて、平板状に成型することを特徴とするコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項2】
高融点ポリエステルは、エチレングリコールとテレフタル酸の共重合体であり、低融点ポリエステルは、エチレングリコールとアジピン酸とテレフタル酸とを含み、さらにイソフタル酸及び/又はジエチレングリコールが付加されてなる共重合体である請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項3】
予め加熱された繊維ウェブを、常温の金属製板に挟んで、厚み方向に圧縮する請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項4】
常温の繊維ウェブを、加熱された金属製板に挟んで厚み方向に圧縮する請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項5】
繊維ウェブにニードルパンチを施して、芯鞘型複合繊維相互間を三次元的に交絡させた後に、厚み方向に圧縮すると共に加熱する請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項6】
芯鞘型複合繊維が、芯鞘型複合長繊維又は芯鞘型複合短繊維である請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法で得られたコンクリート型枠板を用いるコンクリート型枠の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート型枠を作成する際に用いる型枠板(堰板)の製造方法に関し、特に通気性及び通水性に優れた型枠板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンクリート打設は、コンクリート型枠に生コンクリートを打ち込み締め固めた後、硬化させることによって行われている。生コンクリートの締め固め作業は、主として、コンクリート内の水泡を抜くために行われている。しかるに、コンクリート型枠板として木製又は金属製のものを用いると、締め固め作業の方法によっては、水泡が型枠板面に移動し、型枠板に接したコンクリート面に小さな穴が生じ、コンクリート表面があばた状になるということがあった。
【0003】
このため、コンクリート型枠板として、木製又は金属製のものに代えて、水泡が抜けやすい通気性及び通水性のものが提案されている。たとえば、特許文献1には、ポリエチレン:木材パルプ=5~40:95~60の重量比で混合した混合物を、圧縮成型されてなるものが提案されている。しかしながら、木材パルプの量が比較的多く、親水性であるため、コンクリートとの剥離性が不十分であるという欠点があった。また、木材パルプの量が比較的多いため、木製型枠板や金属製型枠板に比べて、強度が低いという欠点もあった。
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、通気性及び通水性が良好であると共に、コンクリートとの剥離性がよく、木製型枠板と同等の強度を持つコンクリート型枠板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、疎水性繊維である特定のポリエステル系繊維を用いて上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、芯成分が高融点ポリエステルで鞘成分が低融点ポリエステルよりなる芯鞘型複合繊維を集積して繊維ウェブを形成した後、該繊維ウェブを厚み方向に圧縮すると共に加熱して、該芯成分は当初の繊維形態を維持した状態で、該鞘成分を軟化又は溶融させ該芯鞘型複合繊維相互間を融着させて、平板状に成型することを特徴とするコンクリート型枠板の製造方法に関するものである。
【0007】
本発明では、まず特定のポリエステル系芯鞘型複合繊維を構成繊維とする繊維ウェブを得る。ここで、特定のポリエステル系芯鞘型複合繊維とは、芯成分が高融点ポリエステルで鞘成分が低融点ポリエステルよりなるものである。ポリエステル系芯鞘型複合繊維は、疎水性繊維の中でも耐候性が良好で、屋外で用いることが多いコンクリート型枠板の素材として適している。高融点ポリエステルと低融点ポリエステルの融点差は、30~80℃程度であるのが好ましい。この程度の融点差があれば、高融点ポリエステルに当初の繊維形態を維持させつつ、低融点ポリエステルを軟化又は溶融させることができるからである。ポリエステル系芯鞘型複合繊維の繊度は任意であるが、一般的に、1~10デシテックス程度のものが用いられる。
【0008】
高融点ポリエステルの具体例としては、エチレングリコールとテレフタル酸の共重合体よりなるものが挙げられる。この共重合体は、エチレングリコールをジオール成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分として脱水縮合して得られるポリエチレンテレフタレートである。なお、ジカルボン酸成分として、ごく少量のイソフタル酸等の他のジカルボン酸成分が混合されていてもよい。かかる高融点ポリエステルの融点は約260℃であり、ガラス転移点は約70~80℃である。低融点ポリエステルの具体例としては、エチレングリコールとアジピン酸とテレフタル酸とを含み、さらにイソフタル酸及び/又はジエチレングリコールが付加されてなる共重合体よりなるものが挙げられる。この共重合体は、エチレングリコールと必要によりジエチレングリコールをジオール成分とし、アジピン酸とテレフタル酸と必要によりイソフタル酸をジカルボン酸成分として脱水縮合して得られる共重合ポリエステルである。なお、ジエチレングリコールとイソフタル酸は、少なくともいずれか一方を用いる必要があり、好ましくは両者を用いる。ジエチレングリコール及び/又はイソフタル酸を混合するのは、得られる繊維相互間の融着性を向上させるためである。ジオール成分中にジエチレングリコールを混合する場合、一般にエチレングリコール:ジエチレングリコール=10:0.05~0.5(モル比)程度である。ジカルボン酸成分であるアジピン酸とテレフタル酸の混合割合は任意であるが、アジピン酸:テレフタル酸=1:1~10(モル比)程度である。また、ジカルボン酸成分中にイソフタル酸を混合する場合、一般にイソフタル酸:アジピン酸:テレフタル酸=0.04~0.6:1:1~10(モル比)程度である。かかる共重合体の融点は約200℃であり、ガラス転移点は約40~50℃である。
【0009】
芯成分と鞘成分の重量割合は、芯成分:鞘成分=0.3~5:1(重量比)程度である。芯成分の重量割合が低すぎると、得られるコンクリート型枠板の剛性が低下する傾向となる。また、芯成分の重量割合が高すぎると、加熱時に鞘成分同士が融着しにくくなり、表面に毛羽立ちが生じやすくなる。芯成分と鞘成分は、同心に配置されていてもよいし、偏心して配置されていてもよい。しかしながら、偏心に配置されていると、加熱時に、収縮が生じやすくなるため、同心に配置されている方が好ましい。
【0010】
芯鞘型複合繊維は、芯成分となる高融点ポリエステルと、鞘成分となる低融点ポリエステルとを、複合紡糸孔を持つ紡糸装置に供給して、溶融紡糸するという公知の方法で得ることができる。芯鞘型複合繊維は、芯鞘型複合長繊維であっても芯鞘型複合短繊維であってもよいが、芯鞘型複合長繊維を用いた方が、剛性の高いコンクリート型枠板が得られる。芯鞘型複合長繊維を用いて繊維ウェブを得るには、いわゆるスパンボンド法を用いるのが一般的である。すなわち、溶融紡糸して得られた芯鞘型複合長繊維を、直ちにシート状に集積して、繊維ウェブを得ることができる。また、芯鞘型複合短繊維を用いて繊維ウェブを得るには、芯鞘型複合短繊維をカード機に通して開繊し、シート状に集積すればよい。繊維ウェブの重量は、少なくとも3000g/m2以上であり、3000~9000g/m2であるのが好ましい。繊維ウェブの重量が低すぎると、厚みが薄くなり、得られるコンクリート型枠板の剛性が低下する。また、繊維ウェブの重量が高すぎると、厚みが厚くなり、取り扱いにくくなる。
【0011】
得られた繊維ウェブは、そのまま厚み方向に圧縮すると共に加熱してもよいし、芯鞘型複合繊維相互間を仮接着させた後に、厚み方向に圧縮すると共に加熱してもよい。また、ニードルパンチを施した後に、厚み方向に圧縮すると共に加熱してもよい。ニードルパンチを施す場合、芯鞘型複合繊維相互間が仮接着されていない状態でニードルパンチを施してもよいし、仮接着された状態でニードルパンチを施してもよい。前者の方法であれば、繊維相互間が仮接着されていないため、ニードルパンチを施した際の繊維へのダメージが少なく、糸切れ等による剛性の低下が起こりにくいため好ましい。また、後者の方法であれば、繊維相互間が仮接着された状態の繊維ウェブであるため、取扱いしやすく、搬送しやすい。ニードルパンチは周知の方法で行われ、これによって、芯鞘型複合繊維相互間が三次元的に交絡され、芯鞘型複合繊維が厚み方向に配列した緻密な繊維ウェブが得られる。なお、芯鞘型複合繊維相互間が仮接着されていた場合であっても、ニードルパンチによってこの仮接着は破壊され、芯鞘型複合繊維相互間が三次元的に交絡される。パンチ密度は、10本~200本/cm2程度である。
【0012】
繊維ウェブを厚み方向に圧縮すると共に加熱する方法は、従来公知の任意の方法を採用することができる。代表的には、以下の二つの方法が挙げられる。すなわち、予め加熱された繊維ウェブを、常温の金属製板に挟んで、厚み方向に圧縮する方法と、常温の繊維ウェブを、加熱された金属製板に挟んで厚み方向に圧縮する方法である。加熱条件及び厚み方向に圧縮する加圧条件は、芯成分は当初の繊維形態を維持した状態で、芯鞘型複合繊維の鞘成分が軟化又は溶融し、芯鞘型複合繊維相互間が融着する条件で行えばよい。具体的には、加熱温度は100℃~220℃程度であり、加圧条件は面圧で1~200kg/cm2程度である。また、加熱及び加圧時間は3~15分程度である。かかる条件で、厚み方向に圧縮すると共に加熱し、鞘成分を軟化又は溶融させ、芯鞘型複合繊維相互間を融着させて平板状に成型する。その後、放冷等により冷却してコンクリート型枠板を得る。かかる方法で得られたコンクリート型枠板は、密度(質量/体積)が0.45~0.70g/cm3程度である。なお、平板状というのは、全体が完全に平板になっていなくてもよく、大略が平板になっており、その余の部位が湾曲又は折曲していてもよい。
【0013】
本発明に係る方法で得られるコンクリート型枠板は、芯鞘型複合繊維の鞘成分の融着により、繊維相互間が強固に接合されてなるものである。鞘成分が十分に溶融した場合には、鞘成分を母体とし、その中に当初の繊維形態を残した芯成分が存在する状態のコンクリート型枠板になる。また、鞘成分が軟化しただけか又は一部溶融した場合には、鞘成分が母体とならず、芯鞘型複合繊維相互間に空隙を多数持つ状態のコンクリート型枠板になる。いずれの状態であっても、本発明に係る方法で得られるコンクリート型枠板は、通気性及び通水性を有するものである。前者の場合、母体と繊維形態を残した芯成分間の間隙によって、厚み方向及び面方向に通気及び通水する。後者の場合、芯鞘型複合繊維相互間の空隙によって、厚み方向及び面方向に通気及び通水する。本発明に係る方法で得られるコンクリート型枠板の通気度(フラジール法)は、0.5~35.0cc/cm2/s程度である。また、本発明に係る方法で得られるコンクリート型枠板は、芯成分が当初の繊維形態を維持した状態で存在しているため、ベニヤ板と遜色のない剛性を示す。たとえば、三点曲げ試験における曲げ応力は、20~40MPa程度である。
【0014】
本発明に係る方法で得られるコンクリート型枠板は、その表面がポリエステル製であって疎水性であるため、コンクリートとの剥離性が良好である。さらに剥離性を向上させるため、コンクリートと接する型枠板面に、通気性及び通水性の合成樹脂フィルムを貼着しておいてもよい。通気性及び通水性の合成樹脂フィルムとしては、孔開きポリエステルフィルム、孔開きポリオレフィンフィルム又は孔開き積層フィルム(ポリエステルフィルムとポリオレフィンフィルムの積層フィルム)等を用いることができる。
【0015】
本発明に係る方法で得られたコンクリート型枠板は、堰板として用いられ、コンクリート型枠が形成される。すなわち、コンクリート型枠板と、これを固定するための支保工と、型枠板同士、型枠板と支保工、支保工同士をつなぎ締め付けるための金具とを用い、コンクリート型枠が形成される。そして、このコンクリート型枠に生コンクリートを流し込み、バイブレーター等を用いて公知の方法で締め固め作業を行う。その後、養生して生コンクリートを硬化させて、コンクリートが得られるのである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る方法で得られたコンクリート型枠板は、上述したとおり、通気性及び通水性を持つものである。また、木製型枠板と遜色のない剛性を示すと共に、コンクリートとの剥離性も良好である。したがって、表面に凹凸の少ない綺麗なコンクリートを得ることができるという効果を奏する。
【実施例0017】
実施例1
芯成分として、エチレングリコールとテレフタル酸の共重合体(融点260℃)を準備した。鞘成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、アジピン酸、テレフタル酸及びイソフタル酸の共重合体(融点200℃)を準備した。なお、ジオール成分としてのエチレングリコールは99モル%でジエチレングリコールは1モル%であり、ジカルボン酸成分としてのアジピン酸は19モル%でテレフタル酸は78モル%でイソフタル酸は3モル%である。上記した芯成分と鞘成分の両者を、複合紡糸孔を持つ紡糸装置に供給して、溶融紡糸を行い、芯鞘型複合長繊維を得た。芯成分と鞘成分の重量割合は、芯成分:鞘成分=8:2であった。これを紡糸装置の下方に設けたエアーサッカーに導入し、高速で牽引細化した後、公知の開繊装置で開繊させ、移動するスクリーンコンベア上に繊度約7デシテックスの芯鞘型複合長繊維を捕集及び集積させて繊維ウェブを得た。この繊維ウェブをニードルパンチ装置に搬送し、パンチ密度90本/cm2及び針深度10mmでニードルパンチを施し、重量1200g/m2のニードルパンチ繊維ウェブを得た。
【0018】
得られたニードルパンチ繊維ウェブを5枚重ねて、210℃に加熱された一対の金属製平板の間にセットし、一対の金属製平板間に10mmのスペーサーを挟んだ状態で10分間加圧した。その後、一対の金属製平板間を取り除き、室温で放冷してコンクリート型枠板を得た。
【0019】
実施例2
実施例1で得られたニードルパンチ繊維ウェブを5枚重ねた上、その表面に貫通孔を有する合成樹脂製フィルム1枚を配し、実施例1と同様の方法で加熱、加圧及び放冷を行い、コンクリート型枠板を得た。なお、合成樹脂製フィルムは、ポリエステルフィルムとポリプロピレンフィルムとの積層フィルムを用い、ポリプロピレンフィルムがニードルパンチ繊維ウェブと当接するようにして配した。
【0020】
比較例1
厚さ9mmのベニヤ板製コンクリート型枠板を得た。
【0021】
実施例1及び比較例1で得られたコンクリート型枠板について、以下の方法で曲げ応力(MPa)及び通気度(cc/cm2/s)を測定した。その結果を表1に示した。
【0022】
[曲げ応力(MPa)]
実施例1及び比較例1で得られた各コンクリート型枠板から、長さ300mmで幅30mmの各試験片を採取して、三点曲げ試験によって曲げ応力を測定した。実施例1で得られたコンクリート型枠板は機械方向(繊維ウェブの搬送方向)に芯鞘型複合長繊維が配列している傾向にあるので、機械方向を試験片の長さ方向に採取した場合が、最も高い曲げ応力が得られる。したがって、実施例1で得られたコンクリート型枠板の機械方向が試験片の長さ方向となっている。支点間距離200mmとし、支点間の中央に押圧板を速度20mm/分の速度で降下させ、試験片が破壊するときの応力を、曲げ応力とした。
【0023】
[通気度(cc/cm2/s)]
フラジール法で測定した。なお、実施例1で得られたコンクリート型枠板は、側面(厚み面)からも通気するので、厚み方向のみの通気度ではない。
【0024】
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
曲げ応力 通気度
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 39 9.5
比較例1 36 0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0025】
使用例1
実施例1及び比較例1で得られたコンクリート型枠板及び締め付け金物を用いて、300mm×300mm×60mmのコンクリート型枠を得た。この型枠内に生コンクリートを流し込み、棒バイブレーターを用いて締め固めを行った。次いで、養生してコンクリートが十分に硬化した後、型枠を取り除き、コンクリート表面を観察した。この結果、実施例1で得られたコンクリート型枠板を用いて作成されたコンクリートは、比較例1で得られたコンクリート型枠板を用いて作成されたものと比較して、コンクリート表面に形成される穴が小さく且つその数も少なく、表面状態が綺麗であった。