(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123317
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 51/20 20230101AFI20240905BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240905BHJP
H01L 21/316 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
H10B51/20
H01L29/78 371
H01L21/316 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030620
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 悠
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真澄
(72)【発明者】
【氏名】松尾 浩司
【テーマコード(参考)】
5F058
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F058BA11
5F058BC03
5F058BF02
5F058BJ04
5F083FR01
5F083FR05
5F083FR10
5F083GA01
5F083GA10
5F083JA03
5F083JA12
5F101BA62
5F101BD02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
(57)【要約】
【課題】高速動作が可能な記憶装置を提供する。
【解決手段】実施形態の記憶装置は、基板と、基板の表面に交差する第1の方向に延びた第1の電極層と、第1の方向に延びた第2の電極層と、第1の電極層及び第2の電極層を囲む第1の導電層と、第1の電極層と第1の導電層との間に設けられ、第1の電極層を囲み、Hf及びZrから選ばれる少なくとも一つの元素とOを含む第1の絶縁層と、第2の電極層と第1の導電層との間に設けられ、第2の電極層を囲み、Hf及びZrから選ばれる少なくとも一つの元素とOを含む第2の絶縁層と、第1の方向に延びた第1のゲート電極層と、第1のゲート電極層を囲み、第1の導電層に電気的に接続された第1の半導体層と、第1のゲート電極層と第1の半導体層との間に設けられ、第1のゲート電極層を囲む第1のゲート絶縁層と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面に交差する第1の方向に延びた第1の電極層と、
前記第1の方向に延びた第2の電極層と、
前記第1の電極層及び前記第2の電極層を囲む第1の導電層と、
前記第1の電極層と前記第1の導電層との間に設けられ、前記第1の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第1の絶縁層と、
前記第2の電極層と前記第1の導電層との間に設けられ、前記第2の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第2の絶縁層と、
前記第1の方向に延びた第1のゲート電極層と、
前記第1のゲート電極層を囲み、前記第1の導電層に電気的に接続された第1の半導体層と、
前記第1のゲート電極層と前記第1の半導体層との間に設けられ、前記第1のゲート電極層を囲む第1のゲート絶縁層と、
を備える記憶装置。
【請求項2】
前記第1の導電層は金属を含む、請求項1記載の記憶装置。
【請求項3】
前記第1の電極層は前記ゲート電極層と前記第2の電極層との間に設けられる、請求項1記載の記憶装置。
【請求項4】
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は、強誘電体を含む、請求項1記載の記憶装置。
【請求項5】
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は、直方晶系又は三方晶系の結晶を含む、請求項1記載の記憶装置。
【請求項6】
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、及びバリウム(Ba)からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素を含む、請求項1記載の記憶装置。
【請求項7】
前記第1のゲート絶縁層は電荷を蓄えることが可能な電荷蓄積領域を含む、請求項1記載の記憶装置。
【請求項8】
前記第1の方向に延びた第3の電極層と、
前記第1の方向に延びた第4の電極層と、
前記第3の電極層及び前記第4の電極層を囲み、前記第1の導電層と離隔し、前記第1の導電層に対し前記表面に沿った第2の方向に設けられた第2の導電層と、
前記第3の電極層と前記第2の導電層との間に設けられ、前記第3の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第3の絶縁層と、
前記第4の電極層と前記第2の導電層との間に設けられ、前記第4の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第4の絶縁層と、
前記第1の方向に延びた第2のゲート電極層と、
前記第2のゲート電極層を囲み、前記第2の導電層に電気的に接続され、前記第1の半導体層と離隔した第2の半導体層と、
前記第2のゲート電極層と前記第2の半導体層との間に設けられ、前記第2のゲート電極層を囲む第2のゲート絶縁層と、
を更に備える、請求項1記載の記憶装置。
【請求項9】
前記第1の電極層と前記第3の電極層は電気的に接続され、
前記第2の電極層と前記第4の電極層は電気的に接続され、
前記第1のゲート電極層と前記第2のゲート電極層は電気的に分離された、請求項8記載の記憶装置。
【請求項10】
前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層に電気的に接続された配線層を、更に備える請求項8記載の記憶装置。
【請求項11】
前記第1の電極層及び前記第2の電極層を囲み、前記第1の導電層と離隔し、前記第1の導電層と前記基板との間に設けられた第3の導電層と、
前記第1の電極層と前記第3の導電層との間に設けられ、前記第1の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第5の絶縁層と、
前記第2の電極層と前記第3の導電層との間に設けられ、前記第2の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第6の絶縁層と、
前記第1のゲート電極層を囲み、前記第3の導電層に電気的に接続され、前記第1の半導体層と離隔した第3の半導体層と、
前記第1のゲート電極層と前記第3の半導体層との間に設けられ、前記第1のゲート電極層を囲む第3のゲート絶縁層と、
を更に備える、請求項8記載の記憶装置。
【請求項12】
前記第1の方向に垂直な断面において、前記第1の導電層は前記表面に沿った第3の方向に延び、前記第1の導電層は第1の部分と第2の部分を有し、前記第1の部分と前記第2の部分は前記第3の方向に交互に設けられ、前記第1の部分の前記表面に沿い前記第3の方向に垂直な第2の方向の幅は、前記第2の部分の前記第2の方向の幅よりも広い、請求項1記載の記憶装置。
【請求項13】
前記第1の方向に垂直な断面において、前記配線層は前記第2の方向に延び、前記配線層は第3の部分と第4の部分を有し、前記第3の部分と前記第4の部分は前記第2の方向に交互に設けられ、前記第3の部分の前記表面に沿い前記第2の方向に垂直な第3の方向の幅は、前記第4の部分の前記第3の方向の幅よりも広い、請求項10記載の記憶装置。
【請求項14】
前記第1の方向に垂直な断面において、前記第1の導電層はジグザグに延びる、請求項1記載の記憶装置。
【請求項15】
前記第1の方向に垂直な断面において、前記配線層はジグザグに延びる、請求項10記載の記憶装置。
【請求項16】
前記第1の方向に延び、前記配線層に囲まれた絶縁領域を、更に備える、請求項10記載の記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
強誘電体をメモリセルに用いる強誘電体メモリには、強誘電体の短い反転時間を利用することで、高速動作が期待できる。さらに、強誘電体メモリのメモリセルを3次元的に配置することで、高い集積度が期待できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Sou-Chi Chang et al,“Anti-Ferroelectric HfxZr1-xO2 Capacitors for High-density-3-D Embedded-DRAM”,IEDM,2020,pp.28.1-4.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、高速動作が可能な記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の記憶装置は、基板と、前記基板の表面に交差する第1の方向に延びた第1の電極層と、前記第1の方向に延びた第2の電極層と、前記第1の電極層及び前記第2の電極層を囲む第1の導電層と、前記第1の電極層と前記第1の導電層との間に設けられ、前記第1の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第1の絶縁層と、前記第2の電極層と前記第1の導電層との間に設けられ、前記第2の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第2の絶縁層と、前記第1の方向に延びた第1のゲート電極層と、前記第1のゲート電極層を囲み、前記第1の導電層に電気的に接続された第1の半導体層と、前記第1のゲート電極層と前記第1の半導体層との間に設けられ、前記第1のゲート電極層を囲む第1のゲート絶縁層と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】第1の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイの等価回路図。
【
図3】第1の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイのパターンレイアウト図。
【
図9】第1の実施形態の記憶装置の一部の拡大模式断面図。
【
図10】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図11】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図12】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図13】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図14】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図15】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図16】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図17】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図18】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図19】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図20】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図21】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図22】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図23】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図24】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図25】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図26】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図27】第1の実施形態の記憶装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図28】第2の実施形態の記憶装置の一部の拡大模式断面図。
【
図29】第3の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイのパターンレイアウト図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材などには同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する。また、区別化のための英字を末尾に伴った参照符号が付された構成要素については、説明上、当該構成要素の間で相互に区別する必要が無い場合、末尾の英字が省略された参照符号を用いる場合がある。
【0008】
また、本明細書中、便宜上「上」、又は、「下」という用語を用いる場合がある。「上」、又は、「下」とは、例えば、図面内での相対的位置関係を示す用語である。「上」、又は、「下」という用語は、必ずしも、重力に対する位置関係を規定する用語ではない。
【0009】
本明細書中の記憶装置を構成する部材の化学組成の定性分析及び定量分析は、例えば、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectroscopy:SIMS)、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDX)や電子エネルギー損失分光法(Electron Energy Loss Spectroscopy:EELS)などにより行うことが可能である。また、記憶装置を構成する部材の厚さ、部材間の距離等の測定には、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いることが可能である。また、記憶装置を構成する部材の構成物質の結晶系の同定、結晶系の存在割合の大小比較には、例えば、透過型電子顕微鏡やX線回折分析(X-ray Diffraction:XRD)や電子線回折分析(Electron Beam Diffraction:EBD)やX線光電分光分析(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)や放射光X線散乱解析(Synchrotron Radiation X-ray Absorption Fine Structure:XAFS)を用いることが可能である。
【0010】
本明細書中「強誘電体」とは、外部から電場を印加せずとも自発的な分極(自発分極)があり、外部から電場を印加すると分極が反転する物質を意味する。また、本明細書中、自発分極はないが、外部から強い電場を印加することにより強誘電体と同様の特性を示す反強誘電体も「強誘電体」の範囲に含めるものとする。また、フェリ誘電体も「強誘電体」の範囲に含めるものとする。
【0011】
本明細書中「金属」とは、金属的性質を示す物質の総称であり、例えば、金属的性質を示す金属窒化物や金属炭化物などの金属化合物も「金属」の範囲に含めるものとする。
【0012】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の記憶装置は、基板と、基板の表面に交差する第1の方向に延びた第1の電極層と、第1の方向に延びた第2の電極層と、第1の電極層及び第2の電極層を囲む第1の導電層と、第1の電極層と第1の導電層との間に設けられ、第1の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素及び酸素(O)を含む第1の絶縁層と、第2の電極層と第1の導電層との間に設けられ、第2の電極層を囲み、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む第2の絶縁層と、第1の方向に延びた第1のゲート電極層と、第1のゲート電極層を囲み、第1の導電層に電気的に接続された第1の半導体層と、第1のゲート電極層と第1の半導体層との間に設けられ、第1のゲート電極層を囲む第1のゲート絶縁層と、を備える。そして、第1の実施形態の記憶装置は、第1のゲート絶縁層は電荷を蓄えることが可能な電荷蓄積領域を含む。
【0013】
第1の実施形態の記憶装置は、3次元強誘電体メモリ100である。3次元強誘電体メモリ100は、メモリセルが3次元的に配置される。第1の実施形態の3次元強誘電体メモリ100は、メモリセルとして、金属電極の間に強誘電体が挟まれた強誘電体キャパシタを用いる2端子型の強誘電体メモリである。3次元強誘電体メモリ100は、不揮発性メモリである。
【0014】
図1は、第1の実施形態の記憶装置のブロック図である。
図1は、第1の実施形態の3次元強誘電体メモリ100の回路構成を示す。
図1に示すように、3次元強誘電体メモリ100は、メモリセルアレイ101、プレート線ドライバ回路102、ローデコーダ回路103、センスアンプ回路104、カラムデコーダ回路105、ワード線ドライバ回路106、ワード線デコーダ回路107、及び、制御回路108を備える。
【0015】
図2は、第1の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイの等価回路図である。
図2は、メモリセルアレイ101内の配線構造を模式的に示す。第1の実施形態のメモリセルアレイ101は、複数のセルキャパシタCCが立体的に配置された三次元構造を備える。
【0016】
以下、
図2に示すx方向が第2の方向の一例である。y方向が第3の方向の一例である。z方向が第1の方向の一例である。y方向はx方向と交差する。z方向は、x方向及びy方向と交差する。例えば、x方向とy方向は直交する。例えば、z方向とx方向及びy方向は直交する。
【0017】
メモリセルアレイ101は、
図2に示すように複数のセルキャパシタCC、キャパシタ接続線CCL、選択トランジスタST、ローカルプレート線LPL、グローバルプレート線GPL、ローカルワード線LWL、グローバルワード線GWL、及び、ビット線BLを備える。
【0018】
キャパシタ接続線CCLは、例えば、y方向に延びる。ローカルプレート線LPLは、例えば、z方向に延びる。グローバルプレート線GPLは、例えば、x方向に延びる。ローカルワード線LWLは、例えば、z方向に延びる。グローバルワード線GWLは、例えば、y方向に延びる。また、ビット線BLは、例えば、x方向に延びる。
【0019】
複数のセルキャパシタCCが、y方向に並んで設けられる。セルキャパシタCCは、第1の金属電極と第2の金属電極との間に強誘電体が挟まれた強誘電体キャパシタである。y方向に並んで設けられる複数のセルキャパシタCCの第1の金属電極は電気的に接続される。複数のセルキャパシタCCの第1の金属電極は、キャパシタ接続線CCLによって電気的に接続される。複数のセルキャパシタCCの第2の金属電極は、それぞれ異なるローカルプレート線LPLに電気的に接続される。
【0020】
セルキャパシタCCの強誘電体の分極状態により、第1の金属電極と第2の金属電極との間に電圧を印加した場合の電流が変化する。例えば、強誘電体の分極反転が生じず、電流が低い状態をデータ“0”、強誘電体の分極反転が生じ、電流が高い状態をデータ“1”と定義すると、セルキャパシタCCは“0”と“1”の1ビットデータを記憶することが可能となる。
【0021】
キャパシタ接続線CCLは、複数のセルキャパシタCCの第1の金属電極の間を電気的に接続する。キャパシタ接続線CCLは、選択トランジスタSTのソース・ドレイン電極に接続される。
【0022】
選択トランジスタSTのソース・ドレイン電極の一方は、キャパシタ接続線CCLに電気的に接続される。選択トランジスタSTのソース・ドレイン電極の他方は、ビット線BLに電気的に接続される。選択トランジスタSTのゲート電極は、ローカルワード線LWLに電気的に接続される。選択トランジスタSTは、ローカルワード線LWLに印加される電圧により制御される。
【0023】
ローカルプレート線LPLは、セルキャパシタCCの第2の金属電極に接続される。1本のローカルプレート線LPLは、例えば、z方向に配置される複数のセルキャパシタCCの第2の金属電極に接続される。
【0024】
グローバルプレート線GPLは、ローカルプレート線LPLに電気的に接続される。1本のグローバルプレート線GPLは、例えば、x方向に配置される複数のローカルプレート線LPLに電気的に接続される。
【0025】
ローカルワード線LWLは、選択トランジスタSTのゲート電極に電気的に接続される。1本のローカルワード線LWLは、例えば、z方向に配置される複数の選択トランジスタSTのゲート電極に電気的に接続される。
【0026】
グローバルワード線GWLは、ローカルワード線LWLに電気的に接続される。1本のグローバルワード線GWLは、例えば、y方向に配置される複数のローカルワード線LWLに電気的に接続される。
【0027】
ビット線BLは、選択トランジスタSTのソース・ドレイン電極に電気的に接続される。1本のビット線BLは、例えば、x方向に配置される複数の選択トランジスタSTのソース・ドレイン電極に電気的に接続される。
【0028】
複数のグローバルプレート線GPLは、プレート線ドライバ回路102に電気的に接続される。複数のビット線BLは、センスアンプ回路104に接続される。
【0029】
ローデコーダ回路103は、入力されたローアドレス信号に従って特定のグローバルプレート線GPLを選択する機能を備える。プレート線ドライバ回路102は、ローデコーダ回路103によって選択されたグローバルプレート線GPLに所定の電圧を印加する機能を備える。
【0030】
カラムデコーダ回路105は、入力されたカラムアドレス信号に従ってビット線BLを選択する機能を備える。センスアンプ回路104は、カラムデコーダ回路105によって選択されたビット線BLに所定の電圧を印加する機能を備える。また、選択されたビット線BLに流れる電流又は電圧を検知して増幅する機能を備える。
【0031】
ワード線デコーダ回路107は、入力されたワード線アドレス信号に従って特定のグローバルワード線GWLを選択する機能を備える。ワード線ドライバ回路106は、ワード線デコーダ回路107によって選択されたグローバルワード線GWLに所定の電圧を印加する機能を備える。
【0032】
制御回路108は、プレート線ドライバ回路102、ローデコーダ回路103、センスアンプ回路104、カラムデコーダ回路105、ワード線ドライバ回路106、ワード線デコーダ回路107、及び、図示しないその他の回路を制御する機能を備える。
【0033】
プレート線ドライバ回路102、ローデコーダ回路103、センスアンプ回路104、カラムデコーダ回路105、ワード線ドライバ回路106、ワード線デコーダ回路107などの回路は、例えば、図示しない半導体層を用いたトランジスタや配線層によって構成される。
【0034】
例えば、
図2において、破線で囲まれたセルキャパシタCCに記憶されたデータを読み出す場合、選択されたセルキャパシタCCに接続される選択トランジスタSTをオン状態にする。選択トランジスタSTのゲート電極に接続されるローカルワード線LWLにオン電圧を印加することにより、選択トランジスタSTがオン状態になる。ローカルワード線LWLにはグローバルワード線GWLからオン電圧が印加される。
【0035】
選択トランジスタSTがオン状態になることで、ビット線BLと、選択されたセルキャパシタCCの第1の金属電極に接続されるキャパシタ接続線CCLとが導通する。
【0036】
そして、セルキャパシタCCの第2の金属電極に接続されるローカルプレート線LPLに読出し電圧を印加する。ローカルプレート線LPLにはグローバルプレート線GPLから読出し電圧が印加される。
【0037】
セルキャパシタCCの強誘電体の分極状態に応じて、ビット線BLとローカルプレート線LPLとの間に電流が流れる。ビット線BLとローカルプレート線LPLとの間に流れる電流に基づき、セルキャパシタCCに記憶されたデータを判定する。
【0038】
例えば、ビット線BLに流れる電流をセンスアンプ回路104で増幅して、制御回路108でセルキャパシタCCに記憶されたデータを判定する。あるいは、ビット線BLの電圧変化をセンスアンプ回路104で増幅して、制御回路108でセルキャパシタCCに記憶されたデータを判定する。
【0039】
図2では、一本のキャパシタ接続線CCLに接続されるセルキャパシタCCが4個の場合を例示しているが、一本のキャパシタ接続線CCLに接続されるセルキャパシタCCの数は4個に限定されるものではない。
【0040】
図3は、第1の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイのパターンレイアウト図である。
図3は、
図2に示したメモリセルアレイ101の各配線のパターンレイアウトを示す。
図3は、xy平面に各配線のパターンを投影した図である。
【0041】
図4、
図5、
図6、
図7、及び
図8は、第1の実施形態の記憶装置の模式断面図である。
図4~
図8は、第1の実施形態の3次元強誘電体メモリ100のメモリセルアレイ101の断面図である。
【0042】
図4は、xy平面に平行な断面図である。
図4は、z方向に垂直な断面図である。
図4は、
図5のEE’断面である。
図4は、
図3のレイアウトパターンに対応する断面である。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
メモリセルアレイ101は、半導体基板10、基板絶縁層12、第1の層間絶縁層13、第2の層間絶縁層14、コア絶縁領域15、第1の配線絶縁層16、第2の配線絶縁層18、キャパシタ接続線層20、プレート電極層22、キャパシタ絶縁層24、プレート配線層26、ゲート電極層28、チャネル半導体層30、ゲート絶縁層32、ゲート配線層34、ビット線層36、第1のコンタクトプラグ38、及び第2のコンタクトプラグ40を備える。
【0048】
半導体基板10は、基板の一例である。コア絶縁領域15は絶縁領域の一例である。
【0049】
キャパシタ接続線層20は、第1のキャパシタ接続線層20a、第2のキャパシタ接続線層20b、及び第3のキャパシタ接続線層20cを含む。第1のキャパシタ接続線層20aは、第1の導電層の一例である。第2のキャパシタ接続線層20bは、第2の導電層の一例である。第3のキャパシタ接続線層20cは、第3の導電層の一例である。
【0050】
プレート電極層22は、第1のプレート電極層22a、第2のプレート電極層22b、第3のプレート電極層22c、及び第4のプレート電極層22dを含む。第1のプレート電極層22aは第1の電極層の一例である。第2のプレート電極層22bは第2の電極層の一例である。第3のプレート電極層22cは第3の電極層の一例である。第4のプレート電極層22dは第4の電極層の一例である。
【0051】
キャパシタ絶縁層24は、第1のキャパシタ絶縁層24a、第2のキャパシタ絶縁層24b、第3のキャパシタ絶縁層24c、第4のキャパシタ絶縁層24d、第5のキャパシタ絶縁層24e、及び第6のキャパシタ絶縁層24fを含む。第1のキャパシタ絶縁層24aは、第1の絶縁層の一例である。第2のキャパシタ絶縁層24bは、第2の絶縁層の一例である。第3のキャパシタ絶縁層24cは、第3の絶縁層の一例である。第4のキャパシタ絶縁層24dは、第4の絶縁層の一例である。第5のキャパシタ絶縁層24eは、第5の絶縁層の一例である。第6のキャパシタ絶縁層24fは、第6の絶縁層の一例である。
【0052】
ゲート電極層28は、第1のゲート電極層28a及び第2のゲート電極層28bを含む。
【0053】
チャネル半導体層30は、第1のチャネル半導体層30a、第2のチャネル半導体層30b、及び第3のチャネル半導体層30cを含む。第1のチャネル半導体層30aは、第1の半導体層の一例である。第2のチャネル半導体層30bは、第2の半導体層の一例である。第3のチャネル半導体層30cは、第3の半導体層の一例である。
【0054】
ゲート絶縁層32は、第1のゲート絶縁層32a、第2のゲート絶縁層32b、及び第3のゲート絶縁層32cを含む。
【0055】
ビット線層36は、ビット線半導体層36aとビット線金属層36bを備える。ビット線層36は、配線層の一例である。
【0056】
半導体基板10は、例えば、単結晶シリコンである。半導体基板10は、例えば、シリコン基板である。半導体基板10は、x方向及びy方向に平行な表面を有する。半導体基板10の表面に垂直な方向は、z方向である。
【0057】
基板絶縁層12は、半導体基板10の上に設けられる。基板絶縁層12は、例えば、酸化アルミニウム又は酸化シリコンを含む。基板絶縁層12は、例えば、酸化アルミニウム層又は酸化シリコン層である。
【0058】
第1の層間絶縁層13及び第2の層間絶縁層14は、基板絶縁層12の上方に設けられる。第1の層間絶縁層13及び第2の層間絶縁層14は、z方向に交互に繰り返し配置される。
【0059】
第1の層間絶縁層13は、絶縁体である。第1の層間絶縁層13は、例えば、酸化物、酸窒化物、又は、窒化物である。第1の層間絶縁層13は、例えば、酸化シリコンを含む。第1の層間絶縁層13は、例えば、酸化シリコン層である。第1の層間絶縁層13のz方向の厚さは、例えば、5nm以上30nm以下である。
【0060】
第2の層間絶縁層14は、絶縁体である。第2の層間絶縁層14は、第1の層間絶縁層13と異なる材料を含む。第2の層間絶縁層14は、例えば、酸化物、酸窒化物、又は、窒化物である。第2の層間絶縁層14は、例えば、窒化シリコンを含む。第2の層間絶縁層14は、例えば、窒化シリコン層である。第2の層間絶縁層14のz方向の厚さは、例えば、5nm以上30nm以下である。
【0061】
プレート電極層22は、基板絶縁層12の表面に交差する方向に延びる。プレート電極層22は、例えば、z方向に延びる。
【0062】
例えば、複数のプレート電極層22がy方向に並んで設けられる。例えば、第2のプレート電極層22bは、第1のプレート電極層22aに対しy方向に離隔する。例えば、第1のプレート電極層22aは、第2のプレート電極層22bと第1のゲート電極層28aとの間に設けられる。
【0063】
例えば、第4のプレート電極層22dは、第3のプレート電極層22cに対しy方向に離隔する。例えば、第3のプレート電極層22cは、第1のプレート電極層22aに対しx方向に離隔する。例えば、第4のプレート電極層22dは、第2のプレート電極層22bに対しx方向に離隔する。
【0064】
プレート電極層22は、
図2のローカルプレート線LPLに対応する。プレート電極層22は、セルキャパシタCCの一方の電極として機能する。
【0065】
プレート電極層22は、柱状である。プレート電極層22は、例えば、円柱状である。
【0066】
プレート電極層22は、導電体である。プレート電極層22は、例えば、金属を含む。プレート電極層22は、例えば、窒化チタン又はタングステンである。
【0067】
キャパシタ接続線層20は、複数のプレート電極層22を囲む。例えば、第1のキャパシタ接続線層20aは、第1のプレート電極層22a及び第2のプレート電極層22bを囲む。例えば、第2のキャパシタ接続線層20bは、第3のプレート電極層22c及び第4のプレート電極層22dを囲む。例えば、第3のキャパシタ接続線層20cは、第1のプレート電極層22a及び第2のプレート電極層22bを囲む。
【0068】
キャパシタ接続線層20は、例えば、基板絶縁層12の表面に沿った方向に延びる。キャパシタ接続線層20は、例えば、y方向に延びる。
【0069】
例えば、第2のキャパシタ接続線層20bは、第1のキャパシタ接続線層20aのx方向に設けられる。例えば、第3のキャパシタ接続線層20cは、第1のキャパシタ接続線層20aのz方向に設けられる。
【0070】
キャパシタ接続線層20は、例えば、幅広部分と狭窄部分を有する。幅広部分と狭窄部分は、例えば、y方向に交互に設けられる。
【0071】
例えば、
図4に示すように、第1のキャパシタ接続線層20aは、第1の幅広部分W1と第1の狭窄部分N1を有する。第1の幅広部分W1は、第1の部分の一例である。また、第1の狭窄部分N1は、第2の部分の一例である。
【0072】
第1の幅広部分W1と第1の狭窄部分N1は、y方向に交互に設けられる。第1の幅広部分W1のx方向の幅は、第1の狭窄部分N1のx方向の幅よりも広い。
【0073】
なお、第1の幅広部分W1のx方向の幅、又は、第1の狭窄部分N1のx方向の幅とは、それぞれ、第1のキャパシタ接続線層20aの外縁上の2点を結ぶx方向の距離を意味する。言い換えれば、第1の幅広部分W1のx方向の幅、又は、第1の狭窄部分N1のx方向の幅とは、それぞれ、第1のキャパシタ接続線層20aと第2の層間絶縁層14との境界上の2点を結ぶx方向の距離を意味する。
【0074】
キャパシタ接続線層20は、
図2のキャパシタ接続線CCLに対応する。キャパシタ接続線層20は、セルキャパシタCCの他方の電極として機能する。
【0075】
キャパシタ接続線層20は、導電体である。キャパシタ接続線層20は、例えば、金属を含む。キャパシタ接続線層20は、例えば、金属である。キャパシタ接続線層20は、例えば、窒化チタン又はタングステンである。
【0076】
キャパシタ絶縁層24は、プレート電極層22とキャパシタ接続線層20との間に設けられる。キャパシタ絶縁層24は、プレート電極層22を囲む。プレート電極層22は、例えば、キャパシタ絶縁層24に接する。
【0077】
例えば、第1のキャパシタ絶縁層24aは、第1のプレート電極層22aと第1のキャパシタ接続線層20aとの間に設けられる。例えば、第1のキャパシタ絶縁層24aは、第1のプレート電極層22aを囲む。
【0078】
例えば、第2のキャパシタ絶縁層24bは、第2のプレート電極層22bと第1のキャパシタ接続線層20aとの間に設けられる。例えば、第2のキャパシタ絶縁層24bは、第2のプレート電極層22bを囲む。
【0079】
例えば、第3のキャパシタ絶縁層24cは、第3のプレート電極層22cと第2のキャパシタ接続線層20bとの間に設けられる。例えば、第3のキャパシタ絶縁層24cは、第3のプレート電極層22cを囲む。
【0080】
例えば、第4のキャパシタ絶縁層24dは、第4のプレート電極層22dと第2のキャパシタ接続線層20bとの間に設けられる。例えば、第4のキャパシタ絶縁層24dは、第4のプレート電極層22dを囲む。
【0081】
例えば、第5のキャパシタ絶縁層24eは、第1のプレート電極層22aと第3のキャパシタ接続線層20cとの間に設けられる。例えば、第5のキャパシタ絶縁層24eは、第1のプレート電極層22aを囲む。
【0082】
例えば、第6のキャパシタ絶縁層24fは、第2のプレート電極層22bと第3のキャパシタ接続線層20cとの間に設けられる。例えば、第6のキャパシタ絶縁層24fは、第2のプレート電極層22bを囲む。
【0083】
キャパシタ絶縁層24は、ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも一つの元素と酸素(O)を含む。
【0084】
キャパシタ絶縁層24は、例えば、ハフニウム(Hf)及び酸素(O)を主成分とする。キャパシタ絶縁層24がハフニウム(Hf)及び酸素(O)を主成分とするとは、キャパシタ絶縁層24の中には、ハフニウム(Hf)又は酸素(O)よりも組成比率(原子パーセント)の高い元素が存在しないことを意味する。キャパシタ絶縁層24のハフニウム(Hf)及び酸素(O)の組成比率の和は、例えば、90原子%以上である。
【0085】
キャパシタ絶縁層24は、例えば、酸化ハフニウムを含む。キャパシタ絶縁層24は、例えば、酸化ハフニウムを主成分とする。酸化ハフニウムを主成分とするとは、キャパシタ絶縁層24に含まれる物質の中で、酸化ハフニウムのモル分率が最も高いことを意味する。酸化ハフニウムのモル分率は、例えば、90モル%以上である。
【0086】
キャパシタ絶縁層24は、例えば、酸化ジルコニウムを含む。キャパシタ絶縁層24は、例えば、酸化ジルコニウムを主成分とする。酸化ジルコニウムを主成分とするとは、キャパシタ絶縁層24に含まれる物質の中で、酸化ジルコニウムのモル分率が最も高いことを意味する。酸化ジルコニウムのモル分率は、例えば、90モル%以上である。
【0087】
キャパシタ絶縁層24は、強誘電体を含む。キャパシタ絶縁層24は、例えば、強誘電体である。
【0088】
キャパシタ絶縁層24は、直方晶系又は三方晶系の結晶を含む。酸化ハフニウムは、直方晶系又は三方晶系の結晶である場合、強誘電性を有する。酸化ハフニウムは、直方晶系又は三方晶系の結晶である場合、強誘電体である。
【0089】
強誘電性を有する酸化ハフニウムは、例えば、第三直方晶系(Orthorhombic III、空間群Pbc21、空間群番号29番)、又は、三方晶系(Trigonal、空間群R3m又はP3又はR3、空間群番号160番又は143番又は146番)の結晶である場合に、強誘電性を有する。
【0090】
酸化ハフニウムは、直方晶系又は三方晶系の結晶以外の結晶である場合、又は、非晶質である場合、強誘電性を有しない。酸化ハフニウムは、直方晶系又は三方晶系の結晶以外の結晶である場合、又は、非晶質である場合は、常誘電体である。直方晶系又は三方晶系以外とは、立方晶系、六方晶系、正方晶系、単斜晶系、三斜晶系である。
【0091】
強誘電性を有する酸化ジルコニウムは、例えば、第三直方晶系(Orthorhombic III、空間群Pbc21、空間群番号29番)、又は、三方晶系(Trigonal、空間群R3m又はP3又はR3、空間群番号160番又は143番又は146番)の結晶である場合に、強誘電性を有する。
【0092】
酸化ジルコニウムは、直方晶系又は三方晶系の結晶以外の結晶である場合、又は、非晶質である場合、強誘電性を有しない。酸化ジルコニウムは、直方晶系又は三方晶系の結晶以外の結晶である場合、又は、非晶質である場合は、常誘電体である。直方晶系又は三方晶系以外とは、立方晶系、六方晶系、正方晶系、単斜晶系、三斜晶系である。
【0093】
キャパシタ絶縁層24は、例えば、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、及びバリウム(Ba)からなる群から選ばれる少なくとも一つの添加元素を含む。上記添加元素を含むことにより、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムに強誘電性が発現しやすくなる。
【0094】
xy平面に平行な断面におけるキャパシタ絶縁層24の厚さは、例えば、3nm以上30nm以下である。
【0095】
ゲート電極層28は、基板絶縁層12の表面に交差する方向に延びる。ゲート電極層28は、例えば、z方向に延びる。ゲート電極層28は、プレート電極層22と同一方向に延びる。
【0096】
ゲート電極層28は、
図2のローカルワード線LWLに対応する。ゲート電極層28は、選択トランジスタSTのゲート電極として機能する。
【0097】
ゲート電極層28は、柱状である。ゲート電極層28は、例えば、円柱状である。
【0098】
ゲート電極層28は、導電体である。ゲート電極層28は、例えば、金属を含む。ゲート電極層28は、例えば、窒化チタン又はタングステンである。
【0099】
例えば、第1のゲート電極層28aと第2のゲート電極層28bは、電気的に分離される。
【0100】
チャネル半導体層30は、ゲート電極層28を囲む。例えば、第1のチャネル半導体層30aは、第1のゲート電極層28aを囲む。例えば、第2のチャネル半導体層30bは、第2のゲート電極層28bを囲む。例えば、第3のチャネル半導体層30cは、第1のゲート電極層28aを囲む。
【0101】
第1のチャネル半導体層30aと第2のチャネル半導体層30bは、例えば、x方向に離隔する。また、第1のチャネル半導体層30aと第3のチャネル半導体層30cは、例えば、z方向に離隔する。
【0102】
チャネル半導体層30は、キャパシタ接続線層20に電気的に接続される。第1のチャネル半導体層30aは、例えば、第1のキャパシタ接続線層20aに電気的に接続される。第2のチャネル半導体層30bは、例えば、第2のキャパシタ接続線層20bに電気的に接続される。第3のチャネル半導体層30cは、例えば、第3のキャパシタ接続線層20cに電気的に接続される。
【0103】
チャネル半導体層30は、例えば、キャパシタ接続線層20に接する。第1のチャネル半導体層30aは、例えば、第1のキャパシタ接続線層20aに接する。第2のチャネル半導体層30bは、例えば、第2のキャパシタ接続線層20bに接する。第3のチャネル半導体層30cは、例えば、第3のキャパシタ接続線層20cに接する。
【0104】
チャネル半導体層30は、選択トランジスタSTがオン状態の時、チャネルが形成される。
【0105】
チャネル半導体層30は、半導体を含む。チャネル半導体層30は、例えば、シリコンを含む。チャネル半導体層30は、例えば、多結晶質シリコンである。
【0106】
ゲート絶縁層32は、ゲート電極層28とチャネル半導体層30との間に設けられる。ゲート絶縁層32は、ゲート電極層28を囲む。
【0107】
例えば、第1のゲート絶縁層32aは、第1のゲート電極層28aと第1のチャネル半導体層30aとの間に設けられる。例えば、第1のゲート絶縁層32aは、第1のゲート電極層28aを囲む。
【0108】
例えば、第2のゲート絶縁層32bは、第2のゲート電極層28bと第2のチャネル半導体層30bとの間に設けられる。例えば、第2のゲート絶縁層32bは、第2のゲート電極層28bを囲む。
【0109】
例えば、第3のゲート絶縁層32cは、第3のゲート電極層28cと第3のチャネル半導体層30cとの間に設けられる。例えば、第3のゲート絶縁層32cは、第1のゲート電極層28aを囲む。
【0110】
ゲート絶縁層32は、選択トランジスタSTのゲート絶縁層として機能する。
【0111】
xy平面に平行な断面におけるゲート絶縁層32の厚さは、例えば、3nm以上30nm以下である。
【0112】
図9は、第1の実施形態の記憶装置の一部の拡大模式断面図である。
図9は、
図4の一部の拡大模式断面図である。
図9は、ゲート電極層28、チャネル半導体層30、及びゲート絶縁層32を含む断面図である。
【0113】
ゲート絶縁層32は、トンネル絶縁膜32x、電荷蓄積領域32y、及びブロック絶縁膜32zを含む。
【0114】
トンネル絶縁膜32xは、チャネル半導体層30とゲート電極層28との間に設けられる。トンネル絶縁膜32xは、ゲート電極層28を囲む。トンネル絶縁膜32xは、チャネル半導体層30と電荷蓄積領域32yとの間に設けられる。トンネル絶縁膜32xは、チャネル半導体層30に接する。トンネル絶縁膜32xは、電荷蓄積領域32yに接する。
【0115】
トンネル絶縁膜32xは、ゲート電極層28とチャネル半導体層30との間に印加される電圧に応じて電荷を通過させる機能を有する。
【0116】
トンネル絶縁膜32xは、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸窒化シリコンを含む。トンネル絶縁膜32xは、例えば、酸化シリコン膜である。
【0117】
電荷蓄積領域32yは、トンネル絶縁膜32xとゲート電極層28との間に設けられる。電荷蓄積領域32yは、トンネル絶縁膜32xとブロック絶縁膜32zとの間に設けられる。電荷蓄積領域32yは、トンネル絶縁膜32xに接する。電荷蓄積領域32yは、ブロック絶縁膜32zに接する。
【0118】
電荷蓄積領域32yは、電荷を蓄積する機能を有する。電荷は、例えば、電子である。電荷蓄積領域32yに蓄積される電荷の量に応じて、選択トランジスタSTの閾値電圧が変化する。電荷蓄積領域32yを設けることで、選択トランジスタSTの閾値電圧の調整が可能となる。
【0119】
電荷蓄積領域32yは、絶縁体又は導電体である。電荷蓄積領域32yは、例えば、窒化シリコンを含む。電荷蓄積領域32yは、例えば、窒化シリコンである。電荷蓄積領域32yは、例えば、多結晶シリコンを含む。電荷蓄積領域32yは、例えば、多結晶シリコンである。
【0120】
ブロック絶縁膜32zは、電荷蓄積領域32yとゲート電極層28との間に設けられる。ブロック絶縁膜32zは、電荷蓄積領域32yに接する。ブロック絶縁膜32zは、ゲート電極層28に接する。
【0121】
ブロック絶縁膜32zは、電荷蓄積領域32yとゲート電極層28との間に流れる電流を阻止する機能を有する。
【0122】
ブロック絶縁膜32zは、例えば、酸化物、酸窒化物、又は、窒化物である。ブロック絶縁膜32zは、例えば、酸化シリコンを含む。ブロック絶縁膜32zは、例えば、酸化シリコン膜である。
【0123】
ビット線層36は、例えば、半導体基板10の表面に沿って延びる。ビット線層36は、例えば、x方向に延びる。ビット線層36は、チャネル半導体層30に電気的に接続される。
【0124】
ビット線層36は、例えば、チャネル半導体層30に接する。ビット線層36は、例えば、第1のチャネル半導体層30a及び第2のチャネル半導体層30bに接する。
【0125】
ビット線層36は、例えば、コア絶縁領域15を囲む。
【0126】
【0127】
ビット線層36は、ビット線半導体層36aとビット線金属層36bを備える。ビット線層36は、ビット線半導体層36aとビット線金属層36bとの積層構造を有する。ビット線半導体層36aはビット線金属層36bに接する。
【0128】
ビット線半導体層36aは、例えば、複数のコア絶縁領域15を囲む。ビット線金属層36bは、コア絶縁領域15とビット線半導体層36aとの間に設けられる。ビット線半導体層36aはビット線金属層36bを囲む。
【0129】
ビット線半導体層36aは、チャネル半導体層30に電気的に接続される。ビット線半導体層36aは、例えば、第1のチャネル半導体層30a及び第2のチャネル半導体層30bに電気的に接続される。
【0130】
ビット線半導体層36aは、例えば、チャネル半導体層30に接する。ビット線半導体層36aは、例えば、第1のチャネル半導体層30a及び第2のチャネル半導体層30bに接する。
【0131】
ビット線層36は、例えば、幅広部分と狭窄部分を有する。幅広部分と狭窄部分は、例えば、x方向に交互に設けられる。
【0132】
例えば、
図4に示すように、ビット線層36は、第2の幅広部分W2と第2の狭窄部分N2を有する。第2の幅広部分W2は、第3の部分の一例である。また、第2の狭窄部分N2は、第4の部分の一例である。
【0133】
第2の幅広部分W2と第2の狭窄部分N2は、x方向に交互に設けられる。第2の幅広部分W2のy方向の幅は、第2の狭窄部分N2のy方向の幅よりも広い。
【0134】
なお、第2の幅広部分W2のy方向の幅、又は、第2の狭窄部分N2のy方向の幅とは、それぞれ、ビット線層36の外縁上の2点を結ぶy方向の距離を意味する。言い換えれば、第2の幅広部分W2のy方向の幅、又は、第2の狭窄部分N2のy方向の幅とは、それぞれ、ビット線層36と第2の層間絶縁層14との境界上の2点を結ぶy方向の距離を意味する。
【0135】
ビット線層36は、導電体である。ビット線半導体層36aは、半導体を含む。ビット線半導体層36aは、例えば、n型不純物を含むn型半導体である。ビット線半導体層36aは、例えば、n型の多結晶シリコンである。
【0136】
ビット線半導体層36aのn型不純物濃度は、例えば、チャネル半導体層30のn型不純物濃度より高い。
【0137】
ビット線金属層36bは、金属を含む。ビット線金属層36bは、例えば、金属である。ビット線金属層36bは、例えば、窒化チタン又はタングステンである。
【0138】
コア絶縁領域15は、例えば、z方向に延びる。コア絶縁領域15は、ビット線層36に囲まれる。コア絶縁領域15は、絶縁領域の一例である。
【0139】
コア絶縁領域15は絶縁体である。コア絶縁領域15は、例えば、酸化シリコンを含む。コア絶縁領域15は、例えば、酸化シリコンである。
【0140】
プレート配線層26は、例えば、半導体基板10の表面に沿って延びる。プレート配線層26は、例えば、x方向に延びる。
【0141】
プレート配線層26は、複数のプレート電極層22に電気的に接続される。プレート配線層26は、例えば、第1のコンタクトプラグ38を用いてプレート電極層22に電気的に接続される。
【0142】
例えば、
図6に示されるように、第1のプレート電極層22aと第3のプレート電極層22cは、1本のプレート配線層26を用いて電気的に接続される。例えば、第2のプレート電極層22bと第4のプレート電極層22dは、1本のプレート配線層26を用いて電気的に接続される。
【0143】
プレート配線層26は、
図2に示すグローバルプレート線GPLに対応する。
【0144】
プレート配線層26は、金属を含む。プレート配線層26は、例えば、銅、窒化チタン、又はタングステンである。
【0145】
第1のコンタクトプラグ38は、金属を含む。第1のコンタクトプラグ38は、例えば、銅又はタングステンである。
【0146】
第1の配線絶縁層16は、キャパシタ接続線層20とプレート配線層26の間に設けられる。第1の配線絶縁層16は、例えば、キャパシタ接続線層20とプレート配線層26を電気的に分離する機能を有する。
【0147】
第1の配線絶縁層16は、絶縁体を含む。第1の配線絶縁層16は、例えば、酸化シリコンである。
【0148】
ゲート配線層34は、例えば、半導体基板10の表面に沿って延びる。ゲート配線層34は、例えば、y方向に延びる。
【0149】
ゲート配線層34は、ゲート電極層28に電気的に接続される。ゲート配線層34は、例えば、第2のコンタクトプラグ40を用いてゲート電極層28に電気的に接続される。
【0150】
ゲート配線層34は、
図2に示すグローバルワード線GWLに対応する。
【0151】
ゲート配線層34は、金属を含む。ゲート配線層34は、例えば、銅、窒化チタン、又はタングステンである。
【0152】
第2のコンタクトプラグ40は、金属を含む。第2のコンタクトプラグ40は、例えば、銅又はタングステンである。
【0153】
第2の配線絶縁層18は、プレート配線層26とゲート配線層34の間に設けられる。第2の配線絶縁層18は、例えば、プレート配線層26とゲート配線層34を電気的に分離する機能を有する。
【0154】
第2の配線絶縁層18は、絶縁体を含む。第2の配線絶縁層18は、例えば、酸化シリコンである。
【0155】
次に、第1の実施形態の記憶装置の製造方法の一例について説明する。
【0156】
【0157】
最初に、シリコン基板50の上に、酸化アルミニウム層52を形成する。酸化アルミニウム層52は、例えば、Chemical Vapor Deposition法(CVD法)により形成する。
【0158】
シリコン基板50は、半導体基板10となる。酸化アルミニウム層52は、基板絶縁層12となる。
【0159】
次に、酸化アルミニウム層52の上に、複数の酸化シリコン層54と複数の窒化シリコン層56とを交互に積層する(
図10)。
【0160】
酸化シリコン層54及び窒化シリコン層56は、例えば、CVD法により形成する。
【0161】
酸化シリコン層54の一部は、最終的に第1の層間絶縁層13となる。窒化シリコン層56の一部は、最終的に第2の層間絶縁層14となる。
【0162】
次に、酸化シリコン層54及び窒化シリコン層56を貫通する開口部58を形成する(
図11)。開口部58の底面に酸化アルミニウム層52が露出する。
【0163】
開口部58は、例えば、リソグラフィ法とReactive Ion Etching法(RIE法)により形成する。開口部58は、z方向に延びる。
【0164】
次に、開口部58の中を第1の多結晶シリコン膜60で埋め込む(
図12)。第1の多結晶シリコン膜60は、例えば、CVD法により形成する。
【0165】
次に、一部の開口部58の中の第1の多結晶シリコン膜60を除去する(
図13)。第1の多結晶シリコン膜60は、例えば、ウェットエッチング法により除去する。
【0166】
次に、開口部58の側面から窒化シリコン層56を側方にエッチングする(
図14)。窒化シリコン層56は、例えば、ウェットエッチング法を用いてエッチングする。
【0167】
次に、開口部58の側面に第1の窒化チタン層62を形成する(
図15)。第1の窒化チタン層62は、例えば、CVD法による窒化チタン膜の堆積とRIE法によるエッチングにより形成する。第1の窒化チタン層62は、キャパシタ接続線層20となる。
【0168】
次に、開口部58の側面に強誘電体の酸化ハフニウム層64を形成する(
図16)。酸化ハフニウム層64は、例えば、CVD法により酸化ハフニウム層の堆積とRIE法によるエッチングにより形成する。酸化ハフニウム層64は、キャパシタ絶縁層24となる。
【0169】
次に、開口部58を第2の窒化チタン層66で埋め込む(
図17)。第2の窒化チタン層66は、例えば、CVD法により形成する。第2の窒化チタン層66は、プレート電極層22となる。
【0170】
次に、一部の開口部58の中の第1の多結晶シリコン膜60を除去する(
図18)。第1の多結晶シリコン膜60は、例えば、ウェットエッチング法により除去する。
【0171】
次に、開口部58の側面から窒化シリコン層56を側方にエッチングする(
図19)。開口部58の側面に第1の窒化チタン層62を露出させる。窒化シリコン層56は、例えば、ウェットエッチング法を用いてエッチングする。
【0172】
次に、開口部58の側面に第2の多結晶シリコン層68を形成する(
図20)。第2の多結晶シリコン層68は、例えば、CVD法による多結晶シリコン膜の堆積とRIE法によるエッチングにより形成する。第2の多結晶シリコン層68は、チャネル半導体層30となる。
【0173】
次に、開口部58の側面に積層絶縁層70を形成する(
図21)。積層絶縁層70は、酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸化シリコンの積層構造を有する。積層絶縁層70は、例えば、CVD法による酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び酸化シリコン膜の堆積と、RIE法によるエッチングにより形成する。積層絶縁層70は、ゲート絶縁層32となる。
【0174】
次に、開口部58を第3の窒化チタン層72で埋め込む(
図22)。第3の窒化チタン層72は、例えば、CVD法により形成する。第3の窒化チタン層72は、ゲート電極層28となる。
【0175】
次に、一部の開口部58の中の第1の多結晶シリコン膜60を除去する(
図23)。第1の多結晶シリコン膜60は、例えば、ウェットエッチング法により除去する。
【0176】
次に、開口部58の側面から窒化シリコン層56を側方にエッチングする(
図24)。開口部58の側面に第2の多結晶シリコン層68を露出させる。窒化シリコン層56は、例えば、ウェットエッチング法を用いてエッチングする。
【0177】
次に、開口部58の側面にn型不純物を含むn型の第3の多結晶シリコン層74を形成する(
図25)。第3の多結晶シリコン層74は、例えば、CVD法による多結晶シリコン膜の堆積とRIE法によるエッチングにより形成する。第3の多結晶シリコン層74は、ビット線半導体層36aとなる。
【0178】
次に、開口部58の側面に第4の窒化チタン層76を形成する(
図26)。第4の窒化チタン層76は、例えば、CVD法による窒化チタン膜の堆積と、RIE法によるエッチングにより形成する。第4の窒化チタン層76は、ビット線金属層36bとなる。
【0179】
次に、開口部58を酸化シリコン膜78で埋め込む(
図27)。酸化シリコン膜78は、例えば、CVD法により形成する。酸化シリコン膜78は、コア絶縁領域15となる。
【0180】
その後、公知の製造方法により、第1の配線絶縁層16、第1のコンタクトプラグ38、プレート配線層26、第2の配線絶縁層18、第2のコンタクトプラグ40、及びゲート配線層34を形成する。
【0181】
以上の製造方法により、第1の実施形態の3次元強誘電体メモリ100のメモリセルアレイ101が製造される。
【0182】
次に、第1の実施形態の記憶装置の作用及び効果について説明する。
【0183】
第1の実施形態の3次元強誘電体メモリ100は、セルキャパシタCCのキャパシタ絶縁層に強誘電体を用いる。3次元強誘電体メモリ100は、強誘電体の短い反転時間を利用することで、例えば、速い読み出し動作などの高速化が実現できる。
【0184】
また、3次元強誘電体メモリ100は、セルキャパシタCCに金属-絶縁体-金属の構造を備える。したがって、例えば、半導体-絶縁体-金属の構造のセルキャパシタと比較して、エンデュランス特性が向上する。したがって、信頼性の高い強誘電体メモリが実現できる。
【0185】
また、3次元強誘電体メモリ100は、メモリセルアレイ101中にセルキャパシタCCを3次元的に配置することで、高い集積度と低いコストを実現する。
【0186】
また、3次元強誘電体メモリ100は、例えば、開口部58を一括して開口し、プレート電極層22、キャパシタ接続線層20、ゲート電極層28、及びビット線層36を自己整合的に形成できる。したがって、メモリセルアレイ101の微細化と高集積化が可能となる。
【0187】
また、3次元強誘電体メモリ100の選択トランジスタSTのゲート絶縁層32は、電荷を蓄えることが可能な電荷蓄積領域32yを含む。したがって、選択トランジスタSTの閾値電圧の調整が可能となる。したがって、例えば、読み出し動作などの高速化が実現できる。
【0188】
以上、第1の実施形態によれば、高速動作が可能な記憶装置が実現できる。
【0189】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の記憶装置は、第1のゲート絶縁層が電荷蓄積領域を含まない点で、第1の実施形態の記憶装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については一部記述を省略する場合がある。
【0190】
図28は、第2の実施形態の記憶装置の一部の拡大模式断面図である。
図28は、第1の実施形態の
図9に対応する図である。
【0191】
ゲート絶縁層32は、電荷蓄積領域を含まず、単層構造である。ゲート絶縁層32は、例えば、酸化シリコン層である。
【0192】
以上、第2の実施形態によれば、高速動作が可能な記憶装置が実現できる。
【0193】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の記憶装置は、第1の電極層及び第2の電極層のパターンと、配線層のパターンが異なる点で、第1の実施形態の記憶装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については一部記述を省略する場合がある。
【0194】
図29は、第3の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイのパターンレイアウト図である。
図29は、第1の実施形態の
図3に対応する図である。
図29は、z方向に垂直な断面である。
【0195】
図29に示すように、ローカルプレート線LPLがy方向に対してジグザグに配置されることで、キャパシタ接続線CCLがy方向にジグザグに延びる。また、ビット線BLは、x方向にジグザグに延びる。
【0196】
例えば、
図29に示すようなパターンレイアウトを採用することで、メモリセルアレイの更なる微細化と高集積化が可能となる。
【0197】
以上、第3の実施形態によれば、高速動作が可能な記憶装置が実現できる。
【0198】
実施形態では、基板が半導体基板の場合を例に説明したが、基板は絶縁基板であっても構わない。また、別の形態として、基板を設けない構造とすることも可能である。
【0199】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0200】
10 半導体基板(基板)
15 コア絶縁領域(絶縁領域)
20a 第1のキャパシタ接続線層(第1の導電層)
20b 第2のキャパシタ接続線層(第2の導電層)
20c 第3のキャパシタ接続線層(第3の導電層)
22a 第1のプレート電極層(第1の電極層)
22b 第2のプレート電極層(第2の電極層)
22c 第3のプレート電極層(第3の電極層)
22d 第4のプレート電極層(第4の電極層)
24a 第1のキャパシタ絶縁層(第1の絶縁層)
24b 第2のキャパシタ絶縁層(第2の絶縁層)
24c 第3のキャパシタ絶縁層(第3の絶縁層)
24d 第4のキャパシタ絶縁層(第4の絶縁層)
24e 第5のキャパシタ絶縁層(第5の絶縁層)
24f 第6のキャパシタ絶縁層(第6の絶縁層)
28a 第1のゲート電極層
28b 第2のゲート電極層
30a 第1のチャネル半導体層(第1の半導体層)
30b 第2のチャネル半導体層(第2の半導体層)
30c 第3のチャネル半導体層(第3の半導体層)
32a 第1のゲート絶縁層
32b 第2のゲート絶縁層
32c 第3のゲート絶縁層
32y 電荷蓄積領域
36 ビット線層(配線層)
100 3次元強誘電体メモリ(記憶装置)
N1 第1の狭窄部分(第2の部分)
N2 第2の狭窄部分(第4の部分)
W1 第1の幅広部分(第1の部分)
W2 第2の幅広部分(第3の部分)