(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123322
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】測定用治具
(51)【国際特許分類】
G01B 21/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G01B21/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030630
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】内藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】武藤 博文
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 和久
(72)【発明者】
【氏名】道下 治郎
【テーマコード(参考)】
2F069
【Fターム(参考)】
2F069AA31
2F069JJ08
2F069MM02
2F069PP02
2F069RR05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単な構成によって、寸法測定装置における寸法測定の測定精度を向上可能な測定用治具を提供すること。
【解決手段】測定用治具は、寸法測定装置によって寸法測定される測定対象を載せることが可能な測定用治具である。前記測定用治具は、前記寸法測定装置の測定台上に置かれ、且つ、前記測定対象が載せられる平板状の土台部と、前記測定対象を前記土台部に対して位置決めするための位置決め部と、前記土台部を厚み方向から見て、前記測定台に対する前記土台部の姿勢を所定の姿勢に設定するための姿勢設定部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寸法測定装置によって寸法測定される測定対象を載せることが可能な測定用治具であって、
前記寸法測定装置の測定台上に置かれ、且つ、前記測定対象が載せられる平板状の土台部と、
前記測定対象を前記土台部に対して位置決めするための位置決め部と、
前記土台部を厚み方向から見て、前記測定台に対する前記土台部の姿勢を所定の姿勢に設定するための姿勢設定部と、
を有する、
測定用治具。
【請求項2】
請求項1に記載の測定用治具において、
前記位置決め部は、前記土台部において、前記土台部に対する前記測定対象の姿勢を決める位置に位置する測定対象姿勢決定部を含み、
前記測定対象姿勢決定部は、前記測定対象を位置決めする位置決め具が挿入される複数の穴を含む、
測定用治具。
【請求項3】
請求項2に記載の測定用治具において、
前記測定対象姿勢決定部は、3つの前記穴を含み、
前記3つの穴は、前記土台部を厚み方向に見て三角形状の頂点に位置する、
測定用治具。
【請求項4】
請求項3に記載の測定用治具において、
前記測定対象姿勢決定部を複数組有する、
測定用治具。
【請求項5】
請求項4に記載の測定用治具において、
前記土台部を厚み方向から見て、前記複数組の測定対象姿勢決定部よりも外方に、締結部材を挿入して固定可能な締結固定穴を有する、
測定用治具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の測定用治具において、
前記寸法測定装置に対して前記土台部を測定位置に位置決めするための土台位置決め部を有する、
測定用治具。
【請求項7】
請求項6に記載の測定用治具において、
前記土台部は、前記測定対象を載せることが可能な配置領域を有しており、
前記位置決め部は、前記土台部における前記配置領域内に位置し、
前記土台位置決め部は、前記土台部における前記配置領域外に位置する、
測定用治具。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1つに記載の測定用治具において、
前記姿勢設定部は、前記土台部を厚み方向から見て、前記土台部の外周側に位置する切欠き部を含む、
測定用治具。
【請求項9】
請求項1から5のいずれかに1つに記載の測定用治具において、
前記土台部の外周側に固定された把持部をさらに有する、
測定用治具。
【請求項10】
請求項9に記載の測定用治具において、
前記把持部は、
基端部が前記土台部に連結されて前記土台部の厚み方向に突出する一対の脚部と、
前記一対の脚部の先端部同士を連結する連結部と、
を有し、
前記土台部は、厚み方向から見て外周側に、前記把持部における前記一対の脚部の基端部よりも内方に凹む凹部を有する、
測定用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を位置決めした状態で搬送する搬送パレットが知られている。例えば、搬送パレットは、第1ステータコアと第2ステータコアとの双方を支持可能であり、前記第1ステータコアの耳部に外側から係合する複数の第1位置決め部と、前記第2ステータコアの耳部に外側から係合する複数の第2位置決め部と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、測定対象の寸法を測定する寸法測定装置は、測定精度の向上のためには、測定台上に位置する測定対象の位置情報を高い精度で取得することが求められる。上述の搬送パレットでは、ステータコアは、該ステータコアを支持する治具に対して位置決めされている。したがって、前記搬送パレットのように、測定対象を位置決めした状態で支持可能な測定用治具を用いることによって、簡単な構成によって、前記測定用治具に対する前記測定対象の位置情報を寸法測定装置に取得させることが可能である。
【0005】
一方、前記搬送パレットは、前記測定台上の任意の位置に置かれる。したがって、前記測定用治具を用いた場合でも、寸法測定装置は、前記測定対象の位置情報を高い精度で取得するためには、前記測定台上の前記測定用治具の位置情報を高い精度で取得する必要がある。そこで、寸法測定装置の構成を複雑化することなく、寸法測定装置に、測定用治具に載せられた測定対象の位置情報を高い精度で取得させることができる測定用治具が求められている。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成によって、寸法測定装置における寸法測定の測定精度を向上可能な測定用治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な一実施形態に係る測定用治具は、寸法測定装置によって寸法測定される測定対象を載せることが可能な測定用治具である。前記測定用治具は、前記寸法測定装置の測定台上に置かれ、且つ、前記測定対象が載せられる平板状の土台部と、前記測定対象を前記土台部に対して位置決めするための位置決め部と、前記土台部を厚み方向から見て、前記測定台に対する前記土台部の姿勢を所定の姿勢に設定するための姿勢設定部と、
を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構成によって、寸法測定装置における寸法測定の測定精度を向上可能な測定用治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る測定用治具の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、測定用治具を寸法測定装置の測定台上に置いた状態を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、寸法測定装置に対して測定対象が位置決めされる様子を説明する図である。
【
図4】
図4は、実施形態1の変形例に係る測定用治具の概略構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、測定用治具を寸法測定装置の測定台上に置いた状態を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る測定用治具の概略構成を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、測定用治具を寸法測定装置の測定台上に置いた状態を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、寸法測定装置の測定台を上方から見た図である。
【
図9】
図9は、搬送路を有する寸法測定装置に対して測定用治具を用いる場合における構成例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表しているわけではない。
【0011】
なお、以下の説明において、寸法測定装置100を設置した状態の鉛直方向を上下方向とする。
【0012】
また、以下の説明において、“固定”、“接続”及び“取り付ける”等の表現は、部材同士が直接、固定等されている場合だけでなく、他の部材を介して固定等されている場合も含む。すなわち、以下の説明において、固定等の表現には、部材同士の直接的及び間接的な固定等の意味が含まれる。
【0013】
(実施形態1)
(全体構成)
図1から
図3を参照して、本発明の例示的な実施形態に係る測定用治具1について説明する。
図1は、測定用治具1の概略構成を示す斜視図である。測定用治具1は、寸法測定装置100によって寸法測定される測定対象Mを載せることができる治具である。
図2に示すように、測定対象Mは、測定用治具1に載せられた状態で、寸法測定装置100の測定台103上に置かれる。寸法測定装置100の測定部105は、測定台103上に置かれた測定用治具1に載せられた測定対象Mの寸法を測定する。
【0014】
(寸法測定装置の構成)
最初に、
図2を参照して、一例としての寸法測定装置100を簡単に説明する。寸法測定装置100は、ベース102と、測定台103と、測定部105とを有する。ベース102は、測定台103及び測定部105を支持している。
【0015】
測定台103は、測定部105が寸法測定を行う測定対象Mを置く台である。すなわち、測定台103は、測定対象Mを支持可能である。本実施形態では、測定台103上には、測定対象Mが載せられた測定用治具1が置かれる。
【0016】
測定台103は、姿勢決定部103aを有する。本実施形態では、姿勢決定部103aは、測定台103の上面から上方に突出している。姿勢決定部103aは、測定台103上に測定用治具1が置かれる領域の外周側に位置している。姿勢決定部103aは、測定用治具1が測定台103上に所定の姿勢で置かれた場合、上方から見て、測定用治具1の外周側の切り欠かれた部分と重なる位置に位置する。姿勢決定部103aは、測定台103上に置く測定用治具1の姿勢を決定することができる。
【0017】
測定部105は、測定台103上に置かれる測定対象Mの寸法を測定する。測定部105は、図示省略する駆動部によって、測定台103上に置かれた測定対象Mの上方で水平方向に移動しつつ、測定子105aを上下方向に移動させることにより、測定対象Mの寸法を測定する。測定部105の構成は、一般的な寸法測定装置の測定部の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0018】
測定部105は、測定台103上の基準点を原点とした所定の座標位置に測定対象Mが所定の姿勢で位置しているとして、測定対象Mの寸法を測定する。以下では、測定台103上の前記基準点を原点とした所定の座標位置を、測定位置P1と呼ぶ。
【0019】
(測定用治具の構成)
次に、
図1から
図3を参照して、本実施形態に係る測定用治具1について、説明する。測定用治具1は、土台部2と、位置決め部3と、姿勢設定部4と、第1アタッチメント5とを有する。
【0020】
図1に示すように、土台部2は、平板状である。土台部2は、例えば金属製である。土台部2は、寸法測定装置100の測定台103上に置かれる。土台部2上には、第1アタッチメント5を介して測定対象Mが載せられる。
【0021】
土台部2は、厚み方向の一方の面である上面2aによって測定対象Mを支持する。土台部2は、土台部2を厚み方向から見て略矩形状の形状を有する。
【0022】
土台部2は、前記厚み方向から見て、外周側に切欠き部41を有する。切欠き部41は、第1方向Xに延びる辺と、第2方向Yに延びる辺とが接続される4つの隅のうちの1つに位置している。すなわち、土台部2は、4つの隅の一つに内部に向かって凹んだ部分を有する。
【0023】
位置決め部3は、測定対象Mを土台部2に対して位置決めする。本実施形態では、位置決め部3は、土台部2を厚み方向に貫通する複数の穴3aを含む。位置決め部3には、後述する第1アタッチメント5が装着される。位置決め部3の詳細な構成は後述する。
【0024】
姿勢設定部4は、土台部2を厚み方向から見て、測定台103に対する土台部2の姿勢を設定する。本実施形態では、姿勢設定部4は、土台部2において第1方向Xに延びる辺と、第2方向Yに延びる辺とが接続する部分に位置する切欠き部41を含む。なお、本明細書において、土台部2の姿勢とは、土台部2を厚み方向から見た回転方向の向きを意味する。
【0025】
図2に示すように、土台部2は、前記厚み方向から見て姿勢決定部103aの位置に切欠き部41が位置する姿勢で、測定台103上に置かれる。すなわち、姿勢設定部4によって、測定台103に対して土台部2の姿勢を所定の姿勢に設定することができる。
【0026】
このように、本実施形態では、姿勢設定部4は、土台部2を厚み方向から見て、土台部2の外周側に位置する切欠き部41を含む。土台部2の外周側に位置する切欠き部41によって土台部2の姿勢を容易に設定できる。よって、寸法測定装置100に対して測定用治具1の姿勢を設定するための複雑な構成が不要になる。
【0027】
上述したように、土台部2は、前記所定の姿勢で測定台103上に置かれる。すなわち、土台部2は、測定台103上の所定の位置に位置付けられる。よって、測定部105は、土台部2上に載せられた測定対象Mの位置情報を取得することなく、測定対象Mの寸法を測定することができる。
【0028】
第1アタッチメント5は、土台部2に載せられる測定対象Mを支持する部材である。第1アタッチメント5は、土台部2に装着される。第1アタッチメント5は、本発明の位置決め具に対応する。
【0029】
第1アタッチメント5は、測定対象支持部51と、複数の挿入ピン52とを有する。測定対象支持部51は、測定対象Mを特定の姿勢で支持可能に構成されている。
【0030】
複数の挿入ピン52は、測定対象支持部51の底面から、下方に延びている。複数の挿入ピン52は、位置決め部3の複数の穴3aのうち、特定の複数の穴3aに挿入可能である。第1アタッチメント5の複数の挿入ピン52を、前記特定の複数の穴3aに挿入することによって、第1アタッチメント5は、土台部2に特定の姿勢で装着される。すなわち、第1アタッチメント5が支持する測定対象Mは、土台部2に対して位置決めされる。
【0031】
上述したように、測定用治具1は、姿勢設定部4によって、測定台103上に置かれる姿勢が決められる。したがって、測定用治具1を測定台103上に置くことにより、測定対象Mを、寸法測定装置100の測定部105によって寸法が測定される測定位置P1に位置付けることができる。
【0032】
測定用治具1は、複数種類の第1アタッチメント5を有してもよい。複数種類の第1アタッチメント5の測定対象支持部51は、それぞれ、特定の測定対象Mを特定の姿勢で支持可能に構成されている。複数種類の第1アタッチメント5において、複数の挿入ピン52は、位置決め部3の複数の穴3aのうち、特定の複数の穴3aにのみ挿入可能である。したがって、測定用治具1を測定台103上に置くことにより、複数種類の測定対象Mを、測定位置P1に位置付けることができる。
【0033】
このように、本実施形態の測定用治具1は、第1アタッチメント5を変更することにより、複数種類の測定対象Mを、測定位置P1に位置付けることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、位置決め部3は、第1アタッチメント5が装着される複数の穴3aを含む。しかしながら、位置決め部は、第1アタッチメントを土台部上に位置決めできる構成であれば、他の構成であってもよい。例えば、位置決め部は、第1アタッチメントの底面の凹部に挿入可能な突起を含んでいてもよい。位置決め部は、土台部を前記厚み方向に貫通していない穴を含んでいてもよい。
【0035】
また、土台部2は、測定対象Mを、第1アタッチメント5を介さずに、直接、載せてもよい。この場合、位置決め部3は、土台部2を厚み方向から見て、土台部2上に載せられる測定対象Mの外周に沿う位置に位置していてもよい。位置決め部3に測定対象Mの外周面に接触するピン等を装着することにより、測定対象Mを土台部2上に位置決めしてもよい。
【0036】
(位置決め部の構成)
次に、
図1を参照して、位置決め部3について詳細に説明する。
【0037】
位置決め部3は、測定対象姿勢決定部31を有する。測定対象姿勢決定部31は、土台部2に装着する第1アタッチメント5の姿勢を決定する。具体的には、測定対象姿勢決定部31は、3つの穴3aを含む。本実施形態では、第1アタッチメント5は3つの挿入ピン52を有する。測定対象姿勢決定部の3つの穴3aには、第1アタッチメント5の3つの挿入ピン52が挿入される。
【0038】
3つの穴3aは、土台部2を厚み方向に見て三角形状の頂点に位置する。本実施形態では、3つの穴3aを頂点とする三角形は、前記厚み方向に見て二等辺三角形状である。したがって、第1アタッチメント5の挿入ピン52を3つの穴3aに挿入することによって、第1アタッチメント5は、決まった特定の姿勢で土台部2に装着される。すなわち、測定対象姿勢決定部31によって、土台部2に対する第1アタッチメント5の姿勢を容易に決定することができる。
【0039】
また、3つの穴3aによって、土台部2に装着する際の第1アタッチメント5の向きを容易に判断することができる。よって、土台部2に第1アタッチメント5を装着する作業を効率化することができる。
【0040】
本実施形態では、位置決め部3は、測定対象姿勢決定部31を、4組、有する。4組の測定対象姿勢決定部31は、土台部2を厚み方向から見て、第1方向Xに2つ並び、第2方向Yに2つ並んでいる。これにより、土台部2には、同時に、4つの第1アタッチメント5を装着可能である。よって、測定用治具1は、同時に、4つの測定対象Mを位置決めすることができる。
【0041】
図3に示すように、測定対象Mは、第1アタッチメント5に対して姿勢が決定される。第1アタッチメント5は、位置決め部3によって、土台部2に対して位置決めされる。土台部2は、姿勢設定部4によって、測定台103に対して姿勢が決定される。したがって、測定用治具1は、所定の姿勢で位置決めされた測定対象Mを、測定位置P1に位置付けることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る例示的な測定用治具1は、寸法測定装置100によって寸法測定される測定対象Mを載せることが可能な測定用治具1である。測定用治具1は、寸法測定装置100の測定台103上に置かれ、且つ、測定対象Mが載せられる平板状の土台部2と、測定対象Mを土台部2に対して位置決めするための位置決め部3と、土台部2を厚み方向から見て、測定台103に対する土台部2の姿勢を所定の姿勢に設定するための姿勢設定部4と、を有する。
【0043】
本実施形態に係る例示的な測定用治具1では、位置決め部3によって、土台部2に載せられる測定対象Mを土台部2に対して位置決めすることができる。したがって、測定対象Mの寸法を測定する際、寸法測定装置100は、測定対象Mの座標を予め特定しなくてもよい。また、測定用治具1では、姿勢設定部4によって、測定台103に対する土台部2の姿勢を所定の姿勢に設定することが可能である。これにより、測定用治具1は、測定位置P1に測定対象Mを位置付けることができる。したがって、測定用治具1は、寸法測定装置100の構成を複雑化することなく、寸法測定装置100による測定対象の位置情報の取得精度を向上することができる。よって、簡単な構成によって、寸法測定装置100における寸法測定の測定精度を向上可能な測定用治具1を提供することができる。
【0044】
位置決め部3は、土台部2において、土台部2に対する測定対象Mの姿勢を決める位置に位置する測定対象姿勢決定部31を含む。測定対象姿勢決定部31は、測定対象Mを位置決めする位置決め具である第1アタッチメント5が挿入される複数の穴3aを含む。
【0045】
複数の穴3aを含む測定対象姿勢決定部31によって測定対象Mの姿勢を決定できる。よって、作業者が土台部2上に測定対象Mを位置決めする際に、測定対象Mの姿勢が所定の姿勢以外になることを防ぐことができる。
【0046】
本実施形態では、測定対象姿勢決定部31は、3つの穴3aを含む。3つの穴3aは、土台部2を厚み方向に見て三角形状の頂点に位置する。
【0047】
本実施形態では、3つの穴3aは、三角形状の頂点に位置する。このため、三角形状の向きによって作業者が前記測定対象の設置の向きを判断することができる。これにより、前記測定対象を設置する向きの間違いを低減できる。
【0048】
本実施形態では、測定用治具1は、測定対象姿勢決定部31を複数組有する。
【0049】
これにより、複数個の測定対象Mを、土台部2上で、測定対象姿勢決定部31によって位置決めすることができる。よって、一つの測定用治具1に対して複数の測定対象Mを位置決めできる。これにより、寸法測定装置100によって測定対象Mを測定する際の測定効率を向上することができる。
【0050】
(実施形態1の変形例)
次に、
図4及び
図5を参照して、実施形態1の変形例について説明する。以下では、実施形態1と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0051】
(測定用治具の構成)
本変形例に係る測定用治具201は、土台部202と、位置決め部203と、姿勢設定部4と、第1アタッチメント5と、締結固定穴206と、第2アタッチメント207とを有する。
【0052】
土台部202は、寸法測定装置100の測定台103上に置かれる。土台部202上には、第1アタッチメント5または第2アタッチメント207の一方が装着される。土台部202上には、第1アタッチメント5を介して測定対象Mが載せられる。土台部202上には、第2アタッチメント207を介して測定対象Maが載せられる。土台部202のその他の構成は、実施形態1の土台部2の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
位置決め部203は、実施形態1の位置決め部3と同様の構成を有する。すなわち、本変形例でも、位置決め部203は、測定対象姿勢決定部31を有する。測定対象姿勢決定部31は、3つの穴3aを含む。3つの穴3aには、第1アタッチメント5を装着可能である。
【0054】
締結固定穴206は、測定対象Maを土台部2に対して位置決めする。本変形例では、締結固定穴206は、土台部2を厚み方向に貫通する穴である。締結固定穴206には、後述する締結部材272a、272bが挿入されて固定される。締結固定穴206の詳細は後述する。
【0055】
第2アタッチメント207は、測定対象支持部271と、締結部材272a、272bとを有する。
【0056】
測定対象支持部271は、板状である。測定対象支持部271は、厚み方向に貫通する締結穴を有する。前記締結穴には、締結部材272aまたは締結部材272bが挿入される。測定対象支持部271は、前記締結穴を貫通した締結部材272aまたは締結部材272bによって、土台部202に装着される。
【0057】
締結部材272a、272bは、頭部と軸部とを有するボルト状の部材である。締結部材272a、272bの前記軸部は、測定対象支持部271の前記締結穴を貫通しつつ、締結固定穴206に固定される。
【0058】
締結部材272aは、頭部の軸方向の長さが、締結部材272bの頭部の軸方向の長さよりも短い。締結部材272aの頭部は、前記締結穴内に位置する。締結部材272bの頭部は、前記締結穴から突出している。各測定対象支持部271が有する2つの締結穴には、それぞれ、締結部材272aと締結部材272bが1つずつ挿入されてもよいし、両方に締結部材272aが挿入されてもよいし、両方に締結部材272bが挿入されてもよい。
【0059】
本変形例では、土台部202上には、4つの第2アタッチメント207を装着可能である。土台部202上に装着された4つの第2アタッチメント207は、1つの測定対象Maを位置決めしつつ支持することができる。第2アタッチメント207による測定対象Maの位置決め構成については、後述する。
【0060】
測定用治具201は、複数種類の第2アタッチメント207を有してもよい。複数種類の第2アタッチメント207の測定対象支持部271は、それぞれ、特定の測定対象Maを位置決めしつつ支持可能に構成されている。これにより、測定用治具201は、土台部202に装着される第2アタッチメント207を変更することにより、複数種類の測定対象Maを、測定位置P1に位置付けることができる。
【0061】
(締結固定穴の構成及び第2アタッチメントによる位置決めの構成)
図4に示すように、締結固定穴206は、土台部202を厚み方向から見て、4組の測定対象姿勢決定部31を取り囲む領域222よりも外方の4か所に位置している。
【0062】
詳しくは、前記厚み方向から見て、土台部202の外周側において、第1方向Xに延びる辺よりも内側の中央部分に、2つの締結固定穴206が第1方向Xに並んで位置している。前記厚み方向から見て、土台部202の外周側において、第2方向Yに延びる辺よりもの内側の中央部分に、2つの締結固定穴206が第2方向Yに並んで位置している。
【0063】
2つずつ並ぶ締結固定穴206には、それぞれ、第2アタッチメント207の測定対象支持部271が、締結部材272aまたは締結部材272bによって固定される。よって、第2アタッチメント207の測定対象支持部271は、第1方向Xに延びる一対の辺よりも内側の中央部分、及び、第2方向Yに延びる一対の辺よりも内側の中央部分の4か所に、締結部材272a、272bによって固定される。土台部202は、4か所に固定された4つの測定対象支持部271によって、測定対象Maを支持する。
【0064】
上述したように、締結固定穴206は、領域222よりも外方の4か所に位置している。したがって、4つの測定対象支持部271は、第1アタッチメント5に支持される測定対象Mよりも大きいサイズの測定対象Maを支持することができる。
【0065】
第2アタッチメント207の締結部材272bは、測定対象支持部271から上方に突出している。測定対象支持部271によって支持される測定対象Maの外周面を、締結部材272bに接触させることにより、測定対象Maを、土台部202に位置決めすることができる。よって、第2アタッチメント207は、測定対象Maを測定位置P1に位置付けることができる。
【0066】
すなわち、本変形例に係る測定用治具201は、土台部202を厚み方向から見て、複数組の測定対象姿勢決定部31よりも外方に、締結部材272a、272bを挿入して固定可能な締結固定穴206を有する。
【0067】
これにより、複数組の測定対象姿勢決定部31よりも外方において、締結固定穴206に第2アタッチメント207の締結部材272a、272bを挿入して、測定対象Maを位置決めできる。このため、例えば、複数組の測定対象姿勢決定部31によって、複数の測定対象Mを位置決めできるとともに、複数の測定対象Mのそれぞれよりも寸法が大きい測定対象Maを測定用治具201に位置決めすることができる。
【0068】
さらに、本変形例の測定用治具201では、第1アタッチメント5を変更することにより、複数種類の測定対象Mを測定位置P1に位置決めすることができる。また、第2アタッチメント207を変更することにより、複数種類の測定対象Maを測定位置P1に位置決めすることができる。
【0069】
このように、本変形例では、測定用治具201は、複数種類の測定対象M、Maを測定位置P1に位置決めできる。したがって、寸法測定装置100に、複数種類の測定対象M、Maの位置情報を高い精度で取得させることができる測定用治具201を提供することができる。
【0070】
なお、本変形例では、締結固定穴206は、土台部202を厚み方向に貫通する穴であるが、締結固定穴は、土台部を前記厚み方向に貫通していない穴であってもよい。また、測定用治具201は、第1アタッチメント5と同様に、挿入ピンを有する第2アタッチメントを有し、締結固定穴の位置に、前記第2アタッチメントの前記挿入ピンを挿入可能な穴を有してもよい。
【0071】
また、土台部202は、測定対象Maを、第2アタッチメント207を介さずに、直接、載せてもよい。この場合、締結固定穴206は、土台部202を厚み方向から見て、土台部202上に載せられる測定対象Maの外周に沿う位置に位置していてもよい。締結固定穴に挿入して固定された締結部材を、測定対象Maの外周面に接触させることにより、測定対象Maを土台部202上に位置決めしてもよい。
【0072】
(実施形態2)
次に、
図6から
図8を参照して、本発明の例示的な実施形態に係る測定用治具301について説明する。
図6は、測定用治具301の概略構成を示す斜視図である。以下では、実施形態1及び実施形態1の変形例と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0073】
(寸法測定装置の構成)
最初に、
図7及び
図8を参照して、一例としての寸法測定装置100Aを簡単に説明する。寸法測定装置100Aは、ベース102と、測定台103と、測定部105と、制御部とを有する。なお、
図7では、制御部の図示は、省略する。また、
図7では、測定用治具301を簡略化して示している。
【0074】
測定台103は、測定対象Mを載せた測定用治具301を支持する。本実施形態では、測定台103は、姿勢判定部103bと、位置決め用突部103cとを有する。
図8は、寸法測定装置100Aの測定台103を上方から見た図である。
【0075】
姿勢判定部103bは、測定台103上に置かれた測定用治具1の姿勢を判定する。本実施形態では、姿勢判定部103bは、測定台103上に突出しているピンと、前記ピンを支持するばねによって構成されている。前記ピンは、前記ばねによって、測定台103の上方に突出した状態に付勢されている。
【0076】
姿勢判定部103bは、上方から見て、測定用治具301の切欠き部41が姿勢判定部103bと重なる位置に位置する姿勢で、測定用治具301が測定台103上に置かれた場合、測定用治具301は、姿勢判定部103bと接触しない。一方、測定用治具301の切欠き部41が姿勢判定部103bと重ならない位置に位置する姿勢で、測定用治具301が測定台103上に置かれた場合、姿勢判定部103bは、土台部302の角部によって、下方に押される。すなわち、姿勢判定部103bは、上に置かれる測定用治具1の姿勢を判定することができる。
【0077】
図7に示すように、位置決め用突部103cは、上方に突出する突部である。
図8に示すように、本実施形態では、測定台103は、4つの位置決め用突部103cを有する。位置決め用突部103cは、測定用治具301の土台位置決め部308に挿入される。これにより、測定台103上に測定用治具301を位置決めすることができる。
【0078】
制御部は、測定部105の動作を制御する。制御部は、姿勢判定部103bが下方に押された場合、測定部105に寸法測定を実行させず、姿勢判定部103bが下方に押されない場合、測定部105に寸法測定を実行させる。これにより、測定対象Mが誤った姿勢で測定台103上に置かれた状態で、測定部105が測定対象Mの寸法を測定することを防止することができる。
【0079】
(測定用治具の構成)
図6に示すように、本実施形態に係る測定用治具301は、土台部302と、位置決め部203と、姿勢設定部4と、第1アタッチメント5と、締結固定穴206と、第2アタッチメント207と、土台位置決め部308と、把持部309とを有する。第1アタッチメント5及び第2アタッチメント207の図示は省略する。
【0080】
土台部302は、寸法測定装置100Aの測定台103上に置かれる。土台部302上には、第1アタッチメント5または第2アタッチメント207の一方が装着される。土台部302上には、第1アタッチメント5または第2アタッチメント207の一方を介して測定対象Mまたは測定対象Maが載せられる。
【0081】
本実施形態では、土台部302は、土台部302を厚み方向から見て、第1方向Xに延びる辺のそれぞれの中央部分に、内方に凹む一対の凹部321を有する。
【0082】
測定対象M、Maは、土台部302の上面302a上の配置領域322内に配置される。配置領域322は、前記厚み方向から見て、上面302a上の外周側の一定の範囲を除いた領域である。寸法測定装置100Aは、配置領域322内に配置された測定対象Mの寸法を測定する。すなわち、位置決め部203及び締結固定穴206は、配置領域322内に位置している。
【0083】
土台位置決め部308は、土台部302を寸法測定装置100Aに対して位置決めする。本実施形態では、土台位置決め部308は、土台部302を厚み方向に貫通する穴である。本実施形態では、測定用治具301は、4つの土台位置決め部308を有する。
【0084】
土台位置決め部308は、土台部302における配置領域322外に位置する。土台位置決め部308には、位置決め用突部103cが挿入される。これにより、測定台103上に測定用治具1が位置決めされる。
【0085】
すなわち、測定用治具301は、寸法測定装置100Aに対して土台部302を測定位置P1に位置決めするための土台位置決め部308を有する。土台位置決め部308によって、寸法測定装置100Aに対して土台部302を寸法測定装置100Aの測定台103に位置決めできる。これにより、寸法測定装置100Aに対する位置決め精度をより向上することができる。
【0086】
本実施形態では、土台部302は、測定対象Mを載せることが可能な配置領域322を有している。位置決め部203は、土台部302における配置領域322内に位置する。土台位置決め部308は、土台部302における配置領域322外に位置する。
【0087】
この構成により、土台位置決め部308が、配置領域322内の位置決め部203と干渉しない。これにより、配置領域322内における位置決め部203の配置の自由度を向上することができる。
【0088】
把持部309は、土台部302の上面302aに接続されている。把持部309は、測定用治具301を持ち運ぶ際に把持することができる。本実施形態では、測定用治具301は、2つの把持部309を有する。
【0089】
このように、測定用治具301は、土台部302の外周側に固定された把持部309を有する。これにより、作業者が把持部309を掴んで測定用治具1を移動させやすくなる。よって、作業効率を向上させることができる。
【0090】
把持部309は、基端部が土台部302に連結されて土台部302の厚み方向に突出する一対の脚部391と、一対の脚部391の先端部同士を連結する連結部392と、を有する。詳しくは、一対の脚部391は、土台部302を厚み方向から見て、土台部302の凹部321の第1方向Xの両側で、外方に突出している部分に連結されている。連結部392は、前記厚み方向から見て、凹部321と重なっている。すなわち、土台部302は、厚み方向から見て外周側に、把持部309における一対の脚部391の基端部よりも内方に凹む凹部321を有する。これにより、土台部302に把持部309を接続する構成を実現しつつ、凹部がない構成に比べて測定用治具301の軽量化を図ることができる。
【0091】
(実施形態3)
次に、
図9を参照して、本発明の例示的な実施形態に係る測定用治具301が寸法測定装置100Bの測定台103に搬送される場合の構成例について説明する。以下では、実施形態1及び実施形態2と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態では、寸法測定装置100Bの測定台103に搬送される測定用治具が、実施形態2の測定用治具301である場合を例として説明する。なお、寸法測定装置100Bの測定台103に搬送される測定用治具は、実施形態1の測定用治具1、201であってもよい。
【0092】
図9に示すように、寸法測定装置100Bは、ベース102と、測定台103と、搬送部104と、測定部105と、治具駆動部と、制御部とを有する。治具駆動部及び制御部の図示は省略する。
【0093】
ベース102は、測定台103、搬送部104及び測定部105を支持する。
【0094】
測定台103は、測定位置P1で測定対象Mを支持可能である。測定台103は、位置決め用突部103cを有する。
【0095】
搬送部104は、搬送路104aと、姿勢判定台104bとを有する。搬送路104aは、測定用治具301が移動する通路である。搬送路104aは、測定用治具301を移動可能に支持する。
【0096】
搬送路104aは、寸法測定装置100Bに測定用治具301が供給される供給位置P0から測定台103まで延びている。測定用治具301は、供給位置P0で寸法測定装置100Bに供給され、治具駆動部によって搬送路104a上を移動して、測定台103に搬送される。
【0097】
姿勢判定台104bは、供給位置P0から測定位置P1まで延びる搬送路104aの途中に位置している。よって、供給位置P0に供給された測定用治具301は、姿勢判定台104bを通過してから、測定台103に搬送される。
【0098】
姿勢判定台104bは、姿勢判定部103bを有する。すなわち、本実施形態では、測定用治具301は、測定台103上に置かれる前に、姿勢判定台104b上で姿勢判定部103bによって姿勢が判定される。
【0099】
本実施形態では、制御部は、姿勢判定部103bが下方に押された場合、治具駆動部に測定用治具301を測定台103に搬送させず、姿勢判定部103bが下方に押されない場合、治具駆動部に測定用治具301を測定台103に搬送させる。
【0100】
このように、本実施形態では、測定台103に置かれる前に、測定用治具301の姿勢が判定される。したがって、誤った姿勢の測定用治具301が測定台103上に置かれることが防止される。これにより、寸法測定装置100Bによる寸法測定の作業効率を向上することができる。
【0101】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0102】
前記各実施形態では、位置決め部3、203は、4組の測定対象姿勢決定部31を含む。しかしながら、位置決め部は、3組または3組よりも少ない数の測定対象姿勢決定部、または、5組または5組よりも多い数の測定対象姿勢決定部を有してもよい。
【0103】
前記各実施形態では、1組の測定対象姿勢決定部31につき、1つの第1アタッチメント5が装着される。しかしながら、複数組の測定対象姿勢決定部31につき、1つの第1アタッチメント5が装着されてもよい。1組の測定対象姿勢決定部31の一部の穴と、他の組の測定対象姿勢決定部31の一部の穴とに、第1アタッチメント5が装着されてもよい。
【0104】
前記各実施形態では、測定対象姿勢決定部31は、三角形状の頂点に位置する3つの穴3aを含む。しかしながら、測定対象姿勢決定部は、4つまたは4つより多い数の穴を含んでもよい。なお、測定対象姿勢決定部の穴の並びは、第1アタッチメントの姿勢を認識することが容易な並びであることが望ましい。これにより、測定対象姿勢決定部に第1アタッチメントを装着する際に、第1アタッチメントの姿勢を容易に判断することができる。また、測定対象姿勢決定部に含まれる複数の穴の並びを、回転対称性を有さない並びにすることが好ましい。これにより、測定対象Mの姿勢が所定の姿勢以外になることを防ぐことができる。
【0105】
前記各実施形態では、姿勢設定部4は、土台部2、202、302の外周側に位置する切欠き部41である。しかしながら、姿勢設定部は、前記厚み方向から見て、土台部の中心以外に位置している一つの穴であってもよい。なお、前記穴は、土台部を貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。また、前記姿勢設定部は、前記厚み方向から見て、土台部の中心に対して回転対称でない2つ以上の切欠き部または穴であってもよい。この場合、寸法測定装置は、測定台を上方から見て、前記切欠き部または前記穴と重なる位置に、姿勢決定部または姿勢判定部を有していればよい。
【0106】
前記実施形態2、3では、測定用治具301は、4つの土台位置決め部308を有する。しかしながら、測定用治具は、3つまたは3つよりも少ない数の土台位置決め部、または、5つまたは5つより多い数の土台位置決め部を有してもよい。
【0107】
前記実施形態2、3では、土台位置決め部308は、土台部302を厚み方向に貫通する穴である。しかしながら、土台位置決め部は、土台部を前記厚み方向に貫通していない穴であってもよい。
【0108】
前記実施形態2、3では、測定用治具301は、土台部302を厚み方向に貫通する穴である土台位置決め部308を有する。土台位置決め部308には、位置決め用突部103cが挿入される。しかしながら、土台位置決め部及び位置決め用突部の構成は、測定台上に測定用治具を位置決めする他の構成であってもよい。例えば、土台位置決め部は、前記厚み方向から見て測定用治具の外周面から外方に突出する凸部または前記外周面から内方に凹む凹部であってもよい。この場合、位置決め用突部は、測定台上に置かれる測定用治具の前記凸部が挿入される凹部または前記凹部に挿入する凸部であってもよい。
【0109】
前記実施形態1では、寸法測定装置100は、姿勢決定部103aを有する。前記実施形態2、3では、寸法測定装置100A、100Bは、姿勢判定部103bを有する。しかしながら、実施形態1の寸法測定装置が姿勢設定部を有し、実施形態2、3の寸法測定装置が姿勢決定部を有してもよい。
【0110】
前記実施形態2、3では、姿勢判定部103bは、上方に突出しているピンによって、測定用治具301の姿勢を判定する。しかしながら、姿勢判定部は、測定用治具の切欠き部の有無を判定する他の構成によって実現されてもよい。例えば、姿勢判定部は、切欠き部41の有無を判定するセンサによって実現されてもよい。また、姿勢判定部がセンサによって実現される場合、測定用治具の姿勢設定部は、センサによって読取可能なマークなどであってもよい。
【0111】
(構成例)
なお、本技術は以下のような構成をとることも可能である。
【0112】
(1)測定用治具は、寸法測定装置によって寸法測定される測定対象を載せることが可能な測定用治具である。前記測定用治具は、前記寸法測定装置の測定台上に置かれ、且つ、前記測定対象が載せられる平板状の土台部と、前記測定対象を前記土台部に対して位置決めするための位置決め部と、前記土台部を厚み方向から見て、前記測定台に対する前記土台部の姿勢を所定の姿勢に設定するための姿勢設定部と、を有する。
【0113】
(2)(1)に記載の測定用治具において、前記位置決め部は、前記土台部において、前記土台部に対する前記測定対象の姿勢を決める位置に位置する測定対象姿勢決定部を含む。前記測定対象姿勢決定部は、前記測定対象を位置決めする位置決め具が挿入される複数の穴を含む。
【0114】
(3)(2)に記載の測定用治具において、前記測定対象姿勢決定部は、3つの前記穴を含む。前記3つの穴は、前記土台部を厚み方向に見て三角形状の頂点に位置する。
【0115】
(4)(3)に記載の測定用治具において、前記測定対象姿勢決定部を複数組有する。
【0116】
(5)(4)に記載の測定用治具において、前記土台部を厚み方向から見て、前記複数組の測定対象姿勢決定部よりも外方に、締結部材を挿入して固定可能な締結固定穴を有する。
【0117】
(6)(1)から(5)のいずれか1つに記載の測定用治具において、前記寸法測定装置に対して前記土台部を測定位置に位置決めするための土台位置決め部を有する。
【0118】
(7)(6)に記載の測定用治具において、前記土台部は、前記測定対象を載せることが可能な配置領域を有している。前記位置決め部は、前記土台部における前記配置領域内に位置する。前記土台位置決め部は、前記土台部における前記配置領域外に位置する。
【0119】
(8)(1)から(7)のいずれか1つに記載の測定用治具において、前記姿勢設定部は、前記土台部を厚み方向から見て、前記土台部の外周側に位置する切欠き部を含む。
【0120】
(9)(1)から(8)のいずれかに1つに記載の測定用治具において、前記土台部の外周側に固定された把持部をさらに有する。
【0121】
(10)(9)に記載の測定用治具において、前記把持部は、基端部が前記土台部に連結されて前記土台部の厚み方向に突出する一対の脚部と、前記一対の脚部の先端部同士を連結する連結部と、を有する。前記土台部は、厚み方向から見て外周側に、前記把持部における前記一対の脚部の基端部よりも内方に凹む凹部を有する。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、例えば、測定対象の寸法を測定する寸法測定装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0123】
1、201、301 測定用治具
2、202、302 土台部
2a、302a 上面
3、203 位置決め部
3a 複数の穴
4 姿勢設定部
5 第1アタッチメント(位置決め具)
31 測定対象姿勢決定部
41 切欠き部
51、271 測定対象支持部
52 挿入ピン
206 締結固定穴
207 第2アタッチメント
222 領域
272a、272b 締結部材
308 土台位置決め部
309 把持部
321 凹部
322 配置領域
391 脚部
392 連結部
100、100A、100B 寸法測定装置
102 ベース
103 測定台
103a 姿勢決定部
103b 姿勢判定部
103c 位置決め用突部
104 搬送部
104a 搬送路
104b 姿勢判定台
105 測定部
105a 測定子
P0 供給位置
P1 測定位置