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特開2024-123327画像形成装置、制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123327
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】画像形成装置、制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240905BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240905BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240905BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B41J29/38 103
B41J29/46 Z
G03G21/00 398
G03G21/00 396
H04N1/00 885
H04N1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030637
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】大村 邦彦
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061BB11
2C061BB15
2C061CG02
2C061CH03
2C061CQ22
2C061CQ24
2C061CQ28
2C061CQ32
2C061CQ34
2C061HH01
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HK02
2C061HK11
2C061HV33
2H270KA59
2H270MF10
2H270MF13
2H270MG02
2H270MG04
2H270NC02
2H270ND21
2H270ND29
2H270QA13
2H270QA23
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA32
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB44
5C062AB50
5C062AB51
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC38
5C062AE02
5C062AE15
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】画像形成装置の主電源スイッチがオンからオフに切り替えられた場合に主電源スイッチを再びオンにすることを促し、主電源からの給電が行われるようにする。
【解決手段】画像形成装置2は、主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチ26と、主電源とは異なる電力源である電池35と、主電源スイッチ26の切り替えを検知する検知部31と、検知部31によって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に電池35からの給電によって動作し、外部への報知を行う報知制御部32と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチと、
前記主電源とは異なる電力源である電池と、
前記主電源スイッチの切り替えを検知する検知部と、
前記検知部によって前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に、前記電池からの給電によって動作し、外部への報知を行う報知制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記報知制御部は、前記主電源からの給電によって行われる所定の処理が予定されているとき、前記検知部の検知結果に基づいて外部への報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記主電源からの給電によって動作し、外部のサーバーから提供されるファームウェア更新プログラムを実行することにより、ファームウェアを更新するファームウェア更新部、
を更に備え、
前記報知制御部は、前記ファームウェアの更新タイミングの前、所定時間以内に、前記検知部によって前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に、外部への報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電池からの給電によって動作し、前記更新タイミングを指定した更新情報を記憶する記憶部、
を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記報知制御部は、外部への報知を所定時間継続して行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記報知制御部は、外部への報知を行っているときに、前記検知部によって前記主電源スイッチがオフからオンに切り替えられたことが検知された場合に、外部への報知を停止させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記電池からの給電によって動作する報知部、
を更に備え、
前記報知制御部は、前記報知部を駆動して外部への報知を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記報知部は、外部に対して音を発することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記報知部は、外部に対し、前記主電源スイッチをオンに切り替えることを促す音声を発することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記報知部は、外部に対して光を発することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記報知部は、振動を発生して外部に振動音を伝えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記報知部は、予め指定された外部装置に対して前記主電源スイッチがオフに切り替えられたことを通知することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項13】
主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチと、
前記主電源とは異なる電力源である電池と、
前記主電源スイッチの切り替えを検知する検知部と、
を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記検知部によって前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に、前記電池からの給電によって動作し、外部への報知を行うことを特徴とする制御方法。
【請求項14】
主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチと、
前記主電源とは異なる電力源である電池と、
前記主電源スイッチの切り替えを検知する検知部と、
を備える画像形成装置の制御方法であって、
ファームウェアの更新タイミングを指定した更新情報を取得する更新情報取得ステップと、
前記更新タイミングの前、所定時間以内に、前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられた場合に、前記電池からの給電によって動作し、外部への報知を行う報知ステップと、
前記主電源からの給電によって動作し、前記更新タイミングにおいてファームウェア更新プログラムを実行することにより、前記ファームウェアを更新するファームウェア更新ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチと、
前記主電源とは異なる電力源である電池と、
前記主電源スイッチの切り替えを検知する検知部と、
前記電池からの給電によって動作するプロセッサーと、
を備える画像形成装置において、前記プロセッサーによって実行されるプログラムであって、前記プロセッサーに、
前記検知部によって前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に、外部への報知を行うステップ、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、制御方法、及び、プログラムに関し、特にユーザーによって主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことに応答するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral)などの画像形成装置は、品質向上のため、定期的又は不定期にファームウェアを更新する。ファームウェアの更新は、外部のサーバーから画像形成装置にファームウェア更新プログラムを提供することにより行われる。すなわち、画像形成装置は、サーバーから提供されるファームウェア更新プログラムを実行することでファームウェアを更新する。
【0003】
ファームウェアの更新中、ユーザーは画像形成装置を使用することができない。そのため、ファームウェアの更新タイミングは、通常、画像形成装置が設置されているオフィスの業務時間外に設定される。しかし、ユーザーが退社時にうっかり画像形成装置の主電源スイッチをオフにしてしまうと、画像形成装置のファームウェアの更新を行うことができなくなる。現状、そのようなケースが、ファームウェア更新対象台数全体の約10%で発生している。
【0004】
従来、ファームウェアの更新が必要であることをユーザーに適切に通知するため、ユーザーが装置を使用するときに更新通知画像を表示し、ユーザーが装置を使用しておらず、表示装置のバックライトがオフになっているときには更新通知画像を表示しないことが提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-143305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の従来技術では、ユーザーが装置を使用するときに更新通知画面が表示されるものの、ユーザーが退社時に画像形成装置の主電源スイッチをオフにしようとしたときに更新通知画面を見るとは限らない。そのため、ユーザーは、更新通知画面に気付かずに、主電源スイッチをオフにしてしまう可能性がある。また、ユーザーが装置を使用していないときには更新通知画面が表示されないため、ユーザーが退社時にうっかり画像形成装置の主電源スイッチをオフにしてしまうことが起こり得る。
【0007】
また、主電源スイッチがオフにされることによって起こり得る問題は、ファームウェア更新だけに限られない。例えば、画像形成装置がネットワークを介して特定のユーザーの印刷枚数の多い印刷ジョブを受信しているときに、別のユーザーによって主電源スイッチがオフされてしまうと、受信中の印刷ジョブを実行することができなくなる。また、画像形成装置に特定のユーザーの予約ジョブが登録されているときに、別のユーザーによって主電源スイッチがオフされてしまうと、画像形成装置は予約されたジョブ実行日時に予約ジョブを実行することができなくなる。
【0008】
一方、ユーザーによって主電源スイッチがオフにされたときには、主電源が既に遮断されているため、主電源スイッチをオンにすることをユーザーに促すような処理を実行することができなくなっている。
【0009】
そこで本発明は、上記課題を解決するため、ユーザーによって主電源スイッチがオンからオフに切り替えられた場合に、そのユーザーに対し、主電源スイッチをオンにすることを促すことができる画像形成装置、制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像形成装置であって、主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチと、前記主電源とは異なる電力源である電池と、前記主電源スイッチの切り替えを検知する検知部と、前記検知部によって前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に、前記電池からの給電によって動作し、外部への報知を行う報知制御部と、を備えることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記報知制御部は、前記主電源からの給電によって行われる所定の処理が予定されているとき、前記検知部の検知結果に基づいて外部への報知を行うことを特徴とする構成である。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記主電源からの給電によって動作し、外部のサーバーから提供されるファームウェア更新プログラムを実行することにより、ファームウェアを更新するファームウェア更新部、を更に備え、前記報知制御部は、前記ファームウェアの更新タイミングの前、所定時間以内に、前記検知部によって前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に、外部への報知を行うことを特徴とする構成である。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3の画像形成装置において、前記電池からの給電によって動作し、前記更新タイミングを指定した更新情報を記憶する記憶部、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像形成装置において、前記報知制御部は、外部への報知を所定時間継続して行うことを特徴とする構成である。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項5の画像形成装置において、前記報知制御部は、外部への報知を行っているときに、前記検知部によって前記主電源スイッチがオフからオンに切り替えられたことが検知された場合に、外部への報知を停止させることを特徴とする構成である。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像形成装置において、前記電池からの給電によって動作する報知部、を更に備え、前記報知制御部は、前記報知部を駆動して外部への報知を行うことを特徴とする構成である。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項7の画像形成装置において、前記報知部は、外部に対して音を発することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項7の画像形成装置において、前記報知部は、外部に対し、前記主電源スイッチをオンに切り替えることを促す音声を発することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項10に係る発明は、請求項7の画像形成装置において、前記報知部は、外部に対して光を発することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項11に係る発明は、請求項7の画像形成装置において、前記報知部は、振動を発生して外部に振動音を伝えることを特徴とする構成である。
【0021】
請求項12に係る発明は、請求項7の画像形成装置において、前記報知部は、予め指定された外部装置に対して前記主電源スイッチがオフに切り替えられたことを通知することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項13に係る発明は、主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチと、前記主電源とは異なる電力源である電池と、前記主電源スイッチの切り替えを検知する検知部と、を備える画像形成装置の制御方法であって、前記検知部によって前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に、前記電池からの給電によって動作し、外部への報知を行うことを特徴とする構成である。
【0023】
請求項14に係る発明は、主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチと、前記主電源とは異なる電力源である電池と、前記主電源スイッチの切り替えを検知する検知部と、を備える画像形成装置の制御方法であって、ファームウェアの更新タイミングを指定した更新情報を取得する更新情報取得ステップと、前記更新タイミングの前、所定時間以内に、前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられた場合に、前記電池からの給電によって動作し、外部への報知を行う報知ステップと、前記主電源からの給電によって動作し、前記更新タイミングにおいてファームウェア更新プログラムを実行することにより、前記ファームウェアを更新するファームウェア更新ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項15に係る発明は、主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチと、前記主電源とは異なる電力源である電池と、前記主電源スイッチの切り替えを検知する検知部と、前記電池からの給電によって動作するプロセッサーと、を備える画像形成装置において、前記プロセッサーによって実行されるプログラムであって、前記プロセッサーに、前記検知部によって前記主電源スイッチがオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に、外部への報知を行うステップ、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザーによって主電源スイッチがオンからオフに切り替えられた場合に、そのユーザーに対し、主電源スイッチをオンにすることを促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】画像処理システムの一構成例を示す図である。
図2】画像形成装置の外観構成の一例を示す図である。
図3】画像形成装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。
図4】報知部の構成例を示す図である。
図5】サーバーと画像形成装置とが連携してファームウェアを更新するためのフローチャートである。
図6】報知制御部による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】主電源監視処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】報知処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】更新タイミングにおいて主電源スイッチがオンにならなかった場合の処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0028】
本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、画像処理システム1の一構成例を示す図である。画像処理システム1は、MFPなどで構成される画像形成装置2と、サーバー3とを備え、それらがネットワーク4に接続されたネットワークシステムである。ネットワーク4は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどを含むネットワークである。
【0029】
画像形成装置2は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、FAX機能などの複数の機能を備えており、ユーザーによって指定されたジョブを実行する。例えば、画像形成装置2は、ネットワーク4を介して他のコンピュータから印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う。また、画像形成装置2は、印刷ジョブの他にも、コピージョブやスキャンジョブ、FAXジョブなどを実行する。例えば、画像形成装置2は、オフィスに設置され、オフィスに勤務する複数のユーザーによって共有される。
【0030】
サーバー3は、ネットワーク4を介して遠隔から画像形成装置2のファームウェアを更新する装置である。例えば、サーバー3は、インターネットを介したクラウド上に設置され、様々な拠点に設置されている複数の画像形成装置2のファームウェアのバージョンを管理している。サーバー3は、新しいバージョンのファームウェアがリリースされると、各拠点に設置されている画像形成装置2に対してファームウェア更新プログラムを提供する。画像形成装置2は、サーバー3から提供されるファームウェア更新プログラムを受信して実行することにより、ファームウェアを更新する。
【0031】
画像形成装置2がファームウェアを更新しているとき、ユーザーは、画像形成装置2を使用することができない。そのため、サーバー3は、オフィスでの業務が行われていない時間帯(例えば深夜)にファームウェア更新プログラムを画像形成装置2に送信し、画像形成装置2のファームウェアを更新する。
【0032】
図2は、画像形成装置2の外観構成の一例を示す図である。図2では、画像形成装置2の正面扉2aを前方に開放した状態を示している。画像形成装置2は、装置本体の上部にスキャナ部13を有し、下部にプリンタ部14を有する。
【0033】
スキャナ部13は、ユーザーによってセットされる原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成する。例えば、スキャナ部13は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、その画像読取部の上部に設置される自動原稿搬送部とを備える。画像読取部及び自動原稿搬送部は互いに連動し、複数枚の原稿の連続自動読み取りを行うことができる。
【0034】
プリンタ部14は、ユーザーによって指定されたシートを搬送し、印刷対象となる画像データに基づく画像をシートに形成して出力する。例えば、プリンタ部14は、電子写真方式によってシートにトナー画像を形成し、そのトナー画像をシートに定着させて出力する。画像形成装置2は、図2に示すように、正面扉2aを開放することにより、トナーが充填されたトナーボトルを交換できるようになっている。
【0035】
画像形成装置2は、装置本体の上部正面側に、操作パネル12を備えている。操作パネル12は、ユーザーが画像形成装置2を使用する際のユーザーインタフェースである。例えば、操作パネル12は、ユーザーが操作可能な操作画面を表示する表示部と、ユーザーによる操作を受け付ける操作部とを有する。画像形成装置2は、操作パネル12に対して行われるユーザーの操作に基づき、各種設定やジョブの実行などを行うことができる。
【0036】
また、画像形成装置2は、装置本体の正面側に、正面扉2aが開放されることによってユーザーが操作可能となる主電源スイッチ26を備えている。主電源スイッチ26は、商用電源などの主電源による給電のオンオフを切り替えるスイッチである。尚、主電源スイッチ26が設けられる位置は、図2に示すように装置本体の正面側に限られない。例えば主電源スイッチ26は、装置本体の側面側に設けられていても良いし、背面側に設けられていても良い。いずれにしても主電源スイッチ26は、ユーザーが誤って操作してしまうことがない箇所に設けられる。
【0037】
ユーザーが画像形成装置2を使用するためには、主電源スイッチ26がオン状態であることが必要である。一方、ユーザーによって使用されていないときに主電源スイッチ26がオン状態であると、画像形成装置2において待機電力が消費される。そのため、画像形成装置2が設置されるオフィスの方針によっては、節電のため、業務時間が終了すると、画像形成装置2の主電源スイッチ26がオフされることもある。
【0038】
図3は、画像形成装置2のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。画像形成装置2は、ジョブを実行するための主要構成部10と、その主要構成部10に対して電源を供給する電源供給部25とを備える。電源供給部25には、主電源スイッチ26を介して電源プラグ28が接続されている。電源プラグ28がオフィス内の電源ソケットに差し込まれた状態で主電源スイッチ26がオンに切り替えられると、電源供給部25に主電源が供給される。電源供給部25は、その主電源を主要構成部10へ供給する。これにより、主要構成部10が動作可能となる。
【0039】
主要構成部10は、制御部11と、操作パネル12と、スキャナ部13と、プリンタ部14と、FAX部15と、画像メモリ16と、通信インタフェース17とを有し、これらがバス18を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0040】
制御部11は、プロセッサー20と記憶部21とを備え、各部の動作を制御する。FAX部15は、公衆電話回線などを介してFAXデータの送受信を行う。画像メモリ16は、画像データを一時的に記憶するメモリである。例えば画像メモリ16は、スキャナ部13で生成される画像データや、プリンタ部14による印刷対象の画像データなどを一時的に記憶する。通信インタフェース17は、画像形成装置2をネットワーク4に接続するインタフェースであり、例えばNIC(Network Interface Card)などで構成される。
【0041】
制御部11の記憶部21には、ファームウェア22が記憶されている。プロセッサー20は、そのファームウェア22を読み出して実行することにより、ジョブ制御部23及びファームウェア更新部24として機能する。
【0042】
ジョブ制御部23は、画像形成装置2におけるジョブの実行を制御する。例えばジョブ制御部23は、操作パネル12に対するユーザーの設定操作に基づきジョブに関する設定を行い、ユーザーによるジョブの実行指示を検知すると、ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御する。また例えば、ジョブ制御部23は、通信インタフェース17を介して印刷ジョブを受信した場合、その印刷ジョブに含まれる画像データを画像メモリ16に展開し、プリンタ部14を駆動して画像データに基づく印刷出力を行わせる。
【0043】
ファームウェア更新部24は、主電源からの給電によって制御部11が動作しているとき、通信インタフェース17を介してサーバー3と通信を行うことができる。ファームウェア更新部24は、サーバー3から提供されるファームウェア更新プログラムを受信すると、そのファームウェア更新プログラムを実行し、記憶部21に記憶されているファームウェア22を更新する。
【0044】
また、ファームウェア更新部24は、サーバー3からファームウェア更新プログラムが提供される前に、ファームウェア22の更新タイミングを指定した更新情報を取得する。例えば更新情報は、ユーザーや管理者によって操作パネル12から入力される情報であっても良いし、またサーバー3から画像形成装置2に送信される情報であっても良い。
【0045】
また本実施形態の画像形成装置2は、報知回路30を備えている。報知回路30は、画像形成装置2においてファームウェアの更新が予定されている場合に主電源スイッチ26を監視し、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、外部への報知を行うものである。画像形成装置2においてファームウェアの更新が予定されているときに主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、主要構成部10に対して主電源が供給されなくなるため、制御部11が動作しなくなり、予定されているファームウェアの更新を行うことができない。そこで、報知回路30は、主電源スイッチ26を監視し、ユーザーによって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、外部への報知を行う。主電源スイッチ26をオフに切り替えたユーザーは、報知回路30からの報知によって速やかに主電源スイッチ26を再びオンに切り替えることができる。
【0046】
報知回路30は、検知部31と、報知制御部32と、記憶部33と、報知部34と、電池35とを備えている。電池35は、報知回路30の各部に給電を行う電池であり、例えば一次電池によって構成される。報知回路30に電池35が設けられることにより、主電源スイッチ26がオフであっても、報知回路30は電池35からの給電によって動作可能である。
【0047】
検知部31は、主電源スイッチ26の切り替えを検知するセンサーによって構成される。例えば、検知部31は、主電源スイッチ26の可動接点27の位置を検知し、主電源スイッチ26がオンとオフのいずれの状態であるかを検知する。検知部31は、接触式のセンサーで主電源スイッチ26の状態を検知しても良いし、非接触式のセンサーで主電源スイッチ26の状態を検知しても良い。検知部31は、主電源スイッチ26の状態の検知結果を報知制御部32へ出力する。
【0048】
報知制御部32は、検知部31による検知結果に基づいて外部に対する報知動作を制御する。報知制御部32は、プロセッサー36と、ROM(Read Only Memory)37とを備えている。ROM37には、プロセッサー36によって実行されるプログラム38が予め記憶されている。プロセッサー36がROM37からプログラム38を読み出して実行することにより、報知制御部32を機能させる。
【0049】
また、報知制御部32は、主要構成部10のバス18に接続されており、バス18を介して主要構成部10の各部と通信を行うことが可能である。例えば、報知制御部32は、主電源からの給電によって主要構成部10が動作しているとき、制御部11と通信を行うことが可能である。これに対し、主電源スイッチ26がオフであり、主電源からの給電が遮断されているとき、報知制御部32は、バス18を介して制御部11と通信を行うことができない。
【0050】
記憶部33は、情報の書き換えが可能なメモリであり、電池35からの給電により記憶した情報を保持し続けることが可能なメモリである。記憶部33には、例えばファームウェア22の更新タイミングを指定した更新情報39が格納される。報知制御部32は、記憶部33に格納される更新情報39を参照することにより、ファームウェア22の更新タイミングを把握することができる。
【0051】
例えば、制御部11のファームウェア更新部24は、主電源からの給電によって動作しているとき、更新情報39を取得すると、その更新情報39を報知制御部32へ出力する。報知制御部32は、制御部11のファームウェア更新部24から更新情報39を取得すると、その更新情報39を記憶部33に保存する。
【0052】
報知制御部32は、記憶部33に更新情報39を保存することにより、画像形成装置2においてファームウェア22の更新が予定されていることを認識することができる。そのため、報知制御部32は、ファームウェア22の更新タイミングとなる前の所定のタイミングになると、主電源スイッチ26の監視動作を開始する。そして報知制御部32は、検知部31による検知結果に基づき、更新タイミングの前、所定時間以内に主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、報知部34を駆動し、外部への報知を行う。
【0053】
報知部34は、報知制御部32からの指令に基づき、外部への報知を行う。報知部34による報知は、主電源スイッチ26がオフに切り替えられたことに対する一種の警告である。ユーザーによって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられた場合に、報知部34が、画像形成装置2の周囲に報知を行うことにより、ユーザーに対し、主電源スイッチ26をオンにすることを促すことができる。
【0054】
図4は、報知部34の構成例を示す図である。例えば、報知部34は、スピーカー34a、発光部34b、振動発生部34c及び通信部34dを備える。ただし、報知部34は、スピーカー34a、発光部34b、振動発生部34c及び通信部34dの全てを備えたものである必要はなく、少なくとも1つを備えたものであれば良い。
【0055】
スピーカー34aは、報知制御部32からの指令に基づき、周囲に音を発生する。例えば、スピーカー34aは、ビープ音などの警告音を出力する。また、スピーカー34aは、「ファームウェアの更新が予定されています」や「主電源スイッチをオンにしてください」といった音声を出力するものであっても良い。
【0056】
発光部34bは、例えばLED(Light Emitting Diode)などの光源を備える。発光部34bは、例えば操作パネル12の近傍、画像形成装置2の装置本体の正面側、スキャナ部13の正面側などに配置され、主電源スイッチ26をオフに切り替えたユーザーが視認しやすい位置に配置される。発光部23bは、報知制御部32からの指令に基づいて光源を点灯又は点滅させることにより、画像形成装置2の外部に光を放出する。
【0057】
振動発生部34cは、例えば偏心モーターやピエゾ振動アクチュエーターなどで構成され、報知制御部32から指令に基づいて振動を発生させることにより画像形成装置2の外部に振動音を出力する。
【0058】
通信部34dは、外部の装置と通信を行うことで外部の装置に報知を行う。例えば、通信部34dは、ネットワーク4に接続され、ネットワーク4を介して外部の装置に主電源スイッチ26がオフに切り替えられたことを通知する。このとき、通信部34dは、予め指定されたアドレスに電子メールを送信することで通知を行うものであっても構わない。予め指定されたアドレスは、画像形成装置2の管理者のアドレスであっても良いし、サーバー3のアドレスであっても良い。
【0059】
また、通信部34dは、主電源スイッチ26をオフにしたユーザーが所持するスマートフォンなどの携帯端末と無線通信を行い、ユーザーに報知を行うものであっても良い。この場合、通信部34dは、画像形成装置2から所定距離の範囲内にある携帯端末と一対一で無線通信を行うことができれば良い。
【0060】
報知部34による報知が行われることで、主電源スイッチ26をオフにしたユーザーは、主電源スイッチ26をオフにすべきではなかったことに気付く。そのため、ユーザーは、主電源スイッチ26をオフにした直後に再び主電源スイッチ26をオンに切り替えることができる。
【0061】
また、画像形成装置2やサーバー3の管理者が通信部34dによる通知を受けた場合には、画像形成装置2のファームウェア22の更新を行うことができない可能性があることを早期に把握することができる。そのため、管理者は、ファームウェア22の更新タイミングとなるまでに何らかの対処を行うことができる。
【0062】
図5は、サーバー3と画像形成装置2とが連携してファームウェア22を更新するためのフローチャートである。尚、図5では、サーバー3から画像形成装置2に対して更新情報39を送信する例を示している。
【0063】
まず、サーバー3は、画像形成装置2に対する新バージョンのファームウェア22がリリースされると、管理者の指示に基づき、画像形成装置2におけるファームウェア22の更新タイミングを設定する(ステップS10)。更新タイミングを設定すると、サーバー3は、更新タイミングを指定した更新情報39を生成し、その更新情報39を画像形成装置2へ送信する(ステップS11)。尚、更新情報39の送信は、画像形成装置2が設置されているオフィスの業務時間内に行われる。
【0064】
画像形成装置2は、サーバー3から送信される更新情報39を受信すると(ステップS20)、その更新情報39を報知回路30の記憶部33へ保存する(ステップS21)。これにより、報知制御部32は、記憶部33の更新情報39に基づき、ファームウェア22の更新タイミングを特定することができる。画像形成装置2は、記憶部33に更新情報39を保存すると、サーバー3に対し、正常受信信号を送信する(ステップS22)。例えば、正常受信信号は、ファームウェア更新部24によってサーバー3に送信される。
【0065】
サーバー3は、画像形成装置2から正常受信信号を受信すると(ステップS12)、ステップS10で設定した更新タイミングを確定させる(ステップS13)。サーバー3は、送信タイミングを確定させることにより、ステップS14以降の処理を実行する。
【0066】
更新タイミングを確定させた後、サーバー3は、更新タイミングとなるまで待機する(ステップS14でNO)。例えば、更新タイミングは、ユーザーの業務に支障が生じないように、画像形成装置2が設置されているオフィスの業務時間外の時間帯に設定されている。更新タイミングになると(ステップS14でYES)、サーバー3は、ファームウェア更新プログラムを画像形成装置2に送信する(ステップS15)。
【0067】
画像形成装置2は、サーバー3からファームウェア更新プログラムを受信すると(ステップS23)、ファームウェア更新プログラムを実行し(ステップS24)、ファームウェア22を更新する(ステップS25)。ファームウェア22の更新処理が終了すると、画像形成装置2は、更新完了通知をサーバー3へ送信する(ステップS26)。
【0068】
サーバー3は、画像形成装置2から更新完了通知を受信すると(ステップS16)、サーバー3で管理している画像形成装置2のファームウェア22のバージョン情報を更新し(ステップS17)、全ての処理が終了する。
【0069】
上記において、例えばサーバー3が画像形成装置2にファームウェア更新プログラムを送信するとき(ステップS15)、画像形成装置2の主電源スイッチ26がオフになっていると、画像形成装置2のファームウェア22を更新することができない。そのため、報知回路30は、ステップS21で更新情報39を保存した後に動作を開始し、ファームウェア22の更新タイミングとなる前、所定時間以内にユーザーによって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、報知する。
【0070】
図6乃至図8は、報知制御部32による処理手順の一例を示すフローチャートである。これらのフローチャートに示す処理手順は、報知制御部32のプロセッサー36がプログラム38を実行することによって行われる。
【0071】
まず図6に示すように、報知制御部32は、制御部11から出力される更新情報39を取得するまで待機する(ステップS30)。更新情報39を取得すると(ステップS30でYES)、報知制御部32は、更新情報39を記憶部33に保存する(ステップS31)。報知制御部32は、更新情報39を記憶部33に保存すると、主電源監視処理(ステップS32)を開始する。
【0072】
図7は、主電源監視処理(ステップS32)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。報知制御部32は、主電源監視処理を開始すると、記憶部33に保存した更新情報39を参照し、ファームウェア22の更新タイミングを特定する(ステップS40)。報知制御部32は、更新タイミングを特定すると、現在時刻がその更新タイミングの前、所定時間以内のタイミングとなるまで待機する(ステップS41)。すなわち、報知制御部32は、更新タイミングまでの残り時間が所定時間となるまで待機する。所定時間は、画像形成装置2の管理者などが任意に設定可能な時間である。例えば所定時間が24時間として設定されている場合、報知制御部32は、更新タイミングまでの残り時間が24時間となるまで待機する。
【0073】
更新タイミングまでの残り時間が所定時間になると(ステップS41でYES)、報知制御部32は、ステップS42以降の処理を開始する。すなわち、報知制御部32は、ファームウェア22の更新タイミングの前、所定時間以内に主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたか否かを監視する処理を開始する。
【0074】
まず報知制御部32は、検知部31による検知結果に基づき、主電源スイッチ26がオンであるか否かを判断する(ステップS42)。主電源スイッチ26がオンである場合(ステップS42でYES)、次に報知制御部32は、主電源スイッチ26がオフであるか否かを判断する(ステップS43)。ステップS42でYESと判断された直後である場合、ステップS43ではNOと判断される。主電源スイッチ26がオフではない場合(ステップS43でNO)、報知制御部32は、更新タイミングを経過したか否かを判断する(ステップS44)。更新タイミングを経過していない場合(ステップS44でNO)、報知制御部32による処理は、ステップS43に戻り、主電源スイッチ26がオフであるか否かの判断が繰り返し行われる。そのため、報知制御部32は、ファームウェア22の更新タイミングの前、所定時間以内に、ユーザーによって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、それを検知することができる。
【0075】
主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられることなく、更新タイミングが経過した場合(ステップS44でYES)、報知制御部32による処理は終了する。この場合、更新タイミングにおいて、主要構成部10に対する主電源からの給電が適切に行われていることになる。そのため、制御部11のファームウェア更新部24によるファームウェア22の更新が正常に行われる。
【0076】
一方、更新タイミングとなるまでの間に主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えれた場合(ステップS43でYES)、報知制御部32は、報知処理(ステップS45)を実行する。
【0077】
図8は、報知処理(ステップS45)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。報知制御部32は、報知処理を開始すると、報知部34を駆動し、ユーザーに対する報知を開始する(ステップS50)。例えば、報知部34は、主電源スイッチ26をオフに切り替えたユーザーに対し、スピーカー34aから主電源スイッチ26をオンに切り替えることを促す音声を出力する。また、報知部34は、音声以外の態様で、ユーザーに対する報知を行っても良い。報知部34による報知が行われることにより、ユーザーは、主電源スイッチ26をオフにすべきではなかったことに気付き、速やかに主電源スイッチ26をオンに切り替えることができる。
【0078】
報知制御部32は、報知部34の駆動を開始すると、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS51)。この所定時間は、例えば3分程度の時間である。報知開始から所定時間が経過していない場合(ステップS51でNO)、報知制御部32は、主電源スイッチ26がオンであるか否かを判断する(ステップS52)。主電源スイッチ26がオンでない場合(ステップS52でNO)、報知制御部32による処理はステップS51に戻り、所定時間が経過するまで報知を継続させる。そして所定時間が経過すると(ステップS51でYES)、報知制御部32は、報知部34の駆動を停止し、外部に対する報知を終了する(ステップS53)。この場合、報知が終了することによって、主電源スイッチ26がオンに切り替えられないこともある。しかし、ユーザーによって主電源スイッチ26がオフに切り替えられた後、所定時間継続して報知を行ったにもかかわらず、主電源スイッチ26がオンに切り替えられなかったのであるから、ユーザーが既に帰宅している可能性が高いと言える。そのため、報知制御部32は、電池35の消耗を防ぐべく、報知を終了する。
【0079】
一方、所定時間が経過するまでに主電源スイッチ26がオンとなった場合(ステップS52でYES)、報知制御部32は、所定時間が経過してなくても、報知部34の駆動を停止し、外部に対する報知を終了する(ステップS53)。これにより、無駄な報知が継続することを防ぐことができるとともに、電池35の消耗を最小限に抑えることができる。また、この場合は、その後の更新タイミングにおいて、主要構成部10に対する主電源からの給電が適切に行われることになる。そのため、制御部11のファームウェア更新部24によるファームウェア22の更新が正常に行われる。以上で、報知処理(ステップS45)が終了する。
【0080】
図7のフローチャートに戻り、ステップS42において主電源スイッチがオフであると判断した場合(ステップS42でNO)、報知制御部32は、更新タイミングを経過したか否かを判断する(ステップS46)。更新タイミングを経過していない場合(ステップS46でNO)、報知制御部32による処理は、ステップS42に戻り、主電源スイッチ26がオンであるか否かの判断が繰り返し行われる。そのため、更新タイミングまでの残り時間が所定時間になったときに主電源スイッチ26がオフであっても、更新タイミングが経過するまでの間に主電源スイッチ26がオンになれば、上述したステップS42~S45の処理が実行される。
【0081】
これに対し、主電源スイッチ26がオンになることなく、更新タイミングが経過した場合(ステップS46でYES)、報知制御部32による処理は終了する。この場合、更新タイミングにおいて主要構成部10に主電源からの給電が行われないため、ファームウェア22の更新は行われない。
【0082】
ここで、報知制御部32は、図7のフローチャートに基づく処理を全て終了した後、図9に示すフローチャートに基づく処理を実行しても良い。図9は、更新タイミングにおいて主電源スイッチ26がオンにならなかった場合の処理を例示するフローチャートである。報知制御部32は、図9のフローチャートに基づく処理を開始すると、更新タイミングにおいて主電源スイッチ26がオンであったか否かを判断する(ステップS60)。更新タイミングにおいて主電源スイッチ26がオンであった場合(ステップS60でYES)、ファームウェア22の更新は正常に行われている。そのため、報知制御部32は、何も行わずに処理を終了する。
【0083】
これに対し、更新タイミングにおいて主電源スイッチ26がオフであった場合(ステップS60でNO)、ファームウェア22の更新は行われていない。そのため、報知制御部32は、次に主電源スイッチ26がオンに切り替わるまで待機する(ステップS61)。そして主電源スイッチ26がオンに切り替わると(ステップS61でYES)、報知制御部32は、制御部11のファームウェア更新部24に対し、ファームウェア22の更新が行われることなく、更新タイミングが経過したことを通知する(ステップS62)。これにより、ファームウェア更新部24は、主電源から給電が開始された後に、予定されていたファームウェア22の更新を行うことができなったことを認識する。そのため、ファームウェア更新部24は、操作パネル12の表示部に、ファームウェア22を更新できなかった旨を表示し、ユーザー又は管理者に伝えることができる。ユーザー又は管理者は、ファームウェア22の更新ができなかったことを把握すると、手動操作でファームウェア22の更新を行うことも可能である。
【0084】
以上のように本実施形態の画像形成装置2は、主電源からの給電によって動作し、外部のサーバー3から提供されるファームウェア更新プログラムを実行することにより、ファームウェア22を更新するファームウェア更新部24と、主電源のオンオフを切り替える主電源スイッチ26と、主電源スイッチ26の切り替えを検知する検知部31と、主電源とは異なる電力源である電池35と、電池35からの給電によって動作し、外部への報知を行う報知制御部32とを備えている。そして報知制御部32は、ファームウェア更新部24によるファームウェア22の更新タイミングの前、所定時間以内に、検知部31によって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたことが検知された場合に外部への報知を行う構成である。このような構成によれば、ファームウェア22の更新タイミングの前、所定時間以内に、ユーザーによって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられた場合に、そのユーザーに対し、主電源スイッチ26をオンにすることを促すことができる。そのため、画像形成装置2のファームウェア22の更新タイミングにおいてファームウェア更新部24に主電源からの給電を行うことができ、ファームウェア22の更新を適切に行うことができる。
【0085】
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0086】
例えば上記実施形態では、ファームウェア22の更新タイミングになると、サーバー3から画像形成装置2に対してファームウェア更新プログラムが提供される場合を例示した。しかし、サーバー3から画像形成装置2に対するファームウェア更新プログラムの提供は更新タイミングよりも前に行われていても構わない。例えば、画像形成装置2は、サーバー3からファームウェア更新プログラムを事前に取得して記憶しておき、ファームウェア22の更新タイミングとなったときにファームウェア更新プログラムを読み出して実行するものであっても良い。
【0087】
また、上記実施形態では、ファームウェア22の更新タイミングにおいて主電源スイッチ26がオフにされないように、ファームウェア22の更新タイミングの前、所定時間以内に、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、報知制御部32が報知部34を駆動して外部への報知を行う例を説明した。しかし、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたか否かを監視する期間は、ファームウェア22の更新タイミングの前、所定時間以内に限られない。例えば、報知制御部32は、画像形成装置2においてファームウェア22の更新が予定されていれば、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたか否かを常時監視し、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、報知部34を駆動して外部への報知を行うようにしても良い。ただし、ファームウェア22の更新タイミングが一週間先などに設定されると、それまでに主電源スイッチ26をオフにすることができなくなり、期待する節電効果が得られない。そのため、好ましくは、上記実施形態で説明したように、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたか否かを監視する期間を、ファームウェア22の更新タイミングの前、所定時間以内とすることである。
【0088】
また、上記実施形態では、画像形成装置2においてファームウェア22の更新が予定されている場合に、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたか否かを監視する例を説明した。しかし、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたか否かを監視する条件は、ファームウェア22の更新が予定されている場合に限られない。例えば、画像形成装置2がネットワーク4を介して特定のユーザーの印刷枚数の多い印刷ジョブを受信しているときに、別のユーザーによって主電源スイッチ26がオフされてしまうと、受信中の印刷ジョブを実行することができなくなる。また、画像形成装置2に特定のユーザーの予約ジョブが登録されているときに、別のユーザーによって主電源スイッチ26がオフされてしまうと、画像形成装置2は予約されている実行日時に予約ジョブを実行することができなくなる。そのため、報知制御部32は、ファームウェア22の更新に限らず、画像形成装置2において何らかの実行予定が存在する場合に、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられたか否かを監視し、主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられると、報知部34を駆動して報知を行う構成としても良い。
【0089】
また、上記実施形態では、電池35が一次電池で構成される場合を例示した。しかし、電池35は一次電池に限られるものではなく、二次電池であっても構わない。例えば、電池35が二次電池である場合、電池35は、主電源スイッチ26がオンであるときに主電源からの給電によって充電する構成とすることが好ましい。これにより、電池35の交換頻度を下げることができる。
【0090】
また、上記実施形態では、一例として、主電源スイッチ26が、画像形成装置2の装置本体の正面側に、正面扉2aが開放されることによってユーザーが操作可能となる位置に設けられる例を説明した。この場合、ユーザーが主電源スイッチ26をオンからオフに切り替えようとすると、まず正面扉2aを開放することになる。そこで、正面扉2aが開放されたことを検知するセンサーを更に設け、そのセンサーによって正面扉2aの開放が検知された場合に、ユーザーによって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられる前に、制御部11が最初の報知(第1の報知)を行うようにしても良い。例えば、ファームウェア22の更新など、画像形成装置2において何らかの実行予定が存在するとき、ユーザーによって正面扉2aが開放されると、制御部11は、主電源スイッチ26をオフにしてはいけないことを示すメッセージを操作パネル12の表示部に表示する。これにより、ユーザーは、主電源スイッチ26をオンからオフに切り替える前に、主電源スイッチ26をオフにしてはいけないことを把握できる。ただし、操作パネル12に上記表示を行っても、ユーザーによって主電源スイッチ26がオンからオフに切り替えられてしまう可能性がある。その場合は、上記実施形態で説明したように、報知回路30による報知(第2の報知)が行われる。
【0091】
また、上記実施形態では、報知回路30のプロセッサー36によって実行されるプログラム38が予めROM37に記憶されている例を説明した。しかし、プログラム38は、画像形成装置2に予め記憶されているものに限られない。すなわち、プログラム38は、それ単体で取引の対象となるものであっても構わない。この場合、プログラム38は、インターネットなどのネットワークを介してダウンロード可能な態様で提供されるものであっても良いし、またCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されるものであっても良い。
【符号の説明】
【0092】
1 画像形成システム
2 画像形成装置
3 サーバー
11 制御部
22 ファームウェア
24 ファームウェア更新部
26 主電源スイッチ
30 報知回路
31 検知部
32 報知制御部
33 記憶部
34 報知部
35 電池
39 更新情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9